説明

多径間連続合成桁の架設方法

【課題】短期間に低コストで連続鋼コンクリート合成桁の架設が可能な多径間連続合成桁の架設方法の提供。
【解決手段】H型鋼からなる鋼桁部の少なくとも一方のフランジと一体にコンクリート桁部を一体に備えた鋼コンクリート合成桁Aを、その延長方向に連結した状態で2径間以上の橋脚4上に架設する多径間連続合成桁の架設するに際し、架設しようとする予定橋脚数上に連続させてガーダ10を架設するとともに、各橋脚4上に横取り装置20を設置し、ガーダ10上を多径間に渡って架設する予定数の前記鋼コンクリート合成桁Aをそれぞれ所定の架設位置まで送り出し、各鋼コンクリート合成桁A間をガーダ10上で連結し、予定の多径間架設長さに連結した1本の多径間連続合成桁Bを組み立て、これを横取り装置20によって橋脚4上の所定の位置に架設する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、鋼コンクリート合成桁を、その延長方向に連結した状態で2径間以上の橋脚上に架設する多径間連続合成桁の架設方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、図8に示すように、H型鋼からなる鋼桁部1の一方のフランジ2と一体にコンクリート桁部3を一体に備えた鋼コンクリート合成桁A(プレビーム−商標)が知られている(例えば特許文献1)。この鋼コンクリート合成桁Aは、鋼桁部1を曲げ方向に荷重を掛けて変形させた状態でコンクリート桁部3をこれと一体に成型し、コンクリートに所定の強度が発現した後曲げ方向の荷重を取り除くことによって生じる鋼桁部1戻り力によってコンクリート桁部3にプレストレスを導入させている。
【0003】
この鋼コンクリート合成桁Aを使用した橋梁の架設に際しては、図9に示すように、多数の鋼コンクリート合成桁A,A……を延長方向に連結した状態で橋脚4,4……上に連続させて架設するものであり、その際に互いに隣り合う鋼コンクリート合成桁A,A間の連結は、橋脚上ではなく橋脚間においてなされるものであり、また、隣り合う橋脚4,4間に複数本の鋼コンクリート合成桁A,A……を連結させた状態で架設される場合もある。
【0004】
また、このような鋼コンクリート合成桁の架設に際しては、径間長さが長くなればなる程、図8に示すように架設時において過大な正曲げモーメントが生じる。このため従来は、橋脚間の鋼コンクリート合成桁接合位置に架設受け台5を立設し、この架設受け台(ベント)5にも鋼コンクリート合成桁Aの荷重を受け持たせることによって正曲げモーメントの増大を防止している。図9において符号aは接合完成時、bは受け台5を設けた場合、cは架設受け台を設けない場合の曲げモーメント曲線を示している。
【特許文献1】特許第3650312号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述の如き従来の方法では、架設受け台が必要であるため、その構築及び解体に多くの工程を要し、工期が長くなるとともに橋梁架設コストも高くなるという問題がある。更に、例えば流水のある河川内で施工する場合には仮設桟橋の構築が必要になり、また、深い谷や海上等、架設受け台が構築できない場所では施工できないという問題がある。
【0006】
本発明はこのような従来の問題に鑑み、径間における鋼コンクリート合成桁連結部分に架設用受け台を必要とせずに、短期間でしかも低コストで連続鋼コンクリート合成桁の架設が可能な多径間連続合成桁の架設方法の提供を目的としてなされたものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述の如き従来の問題を解決し、所期の目的を達成するための請求項1に記載の発明の特徴は、H型鋼からなる鋼桁部の少なくとも一方のフランジと一体にコンクリート桁部を一体に備え、前記鋼桁部の曲げ戻り力によって前記コンクリート桁部にプレストレスが導入されている鋼コンクリート合成桁を、その延長方向に連結した状態で2径間以上の橋脚上に架設する多径間連続合成桁の架設方法において、前記架設しようとする予定橋脚数上に連続させてガーダを架設するとともに、各橋脚上に横取り装置を設置し、前記ガーダ上を多径間に渡って架設する予定数の前記鋼コンクリート合成桁をそれぞれ所定の架設位置まで順次送り出し、互いに延長方向に隣り合う各鋼コンクリート合成桁間を前記ガーダ上で連結し、予定の多径間架設長さに連結した1本の多径間連続合成桁を組み立て、該多径間連続合成桁を前記各橋脚上の横取り装置によって前記橋脚上の所定の位置に架設することにある。
【0008】
請求項2に記載の発明の特徴は、請求項1の構成に加え、前記架設しようとする予定橋脚数上に連続させてガーダを架設するとともに、各橋脚上に、該橋脚の橋梁幅方向の両端に支持される一対の支柱部の上端間に水平梁部を一体に横架させた門型支持部材と、該門型支持部材の前記水平梁部上にその長手方向に移動可能に支持された横送り手段と、該横送り手段に支持された吊り持ち手段とを有する横取り装置を設置し、前記ガーダ上を多径間に渡って架設する予定数の前記鋼コンクリート合成桁をそれぞれ所定の架設位置まで順次送り出し、互いに延長方向に隣り合う各前記鋼コンクリート合成桁間を該ガーダ上で連結し、予定の多径間架設長さに連結した1本の多径間連続合成桁を組み立て、該多径間連続合成桁を前記各橋脚上の横取り装置の吊り持ち手段によって同時に吊り上げ、該横取り装置の前記横送り手段を同時に作動させて前記多径間連続合成桁を横方向に水平移動させ、前記橋脚上の所定の橋梁幅方向位置で降下させて多径間に亘る連結合成桁を同時に架設することにある。
【0009】
請求項3に記載の発明の特徴は、請求項1の構成に加え、前記架設しようとする予定橋脚数上に連続させたガーダを、該橋脚の橋梁幅方向に移動できる横移動手段上に支持させるとともに、各橋脚上に、該橋脚の橋梁幅方向の両端に支持される一対の支柱部の上端間に水平梁部を一体に横架させた門型支持部材と、該門型支持部材の前記水平梁部上にその長手方向に移動可能に支持された横送り手段と、該横送り手段に支持された吊り持ち手段とを有する横取り装置を設置し、前記ガーダ上を多径間に渡って架設する予定数の前記鋼コンクリート合成桁をそれぞれ所定の架設位置まで順次送り出し、互いに延長方向に隣り合う各鋼コンクリート合成桁間を該ガーダ上で連結し、予定の多径間架設長さに連結した1本の多径間連続合成桁を組み立て、該多径間連続合成桁を前記各橋脚上の横取り装置の吊り持ち手段によって同時に吊り上げた後、前記ガーダを前記橋脚上の横移動手段によって前記多径間連続合成桁下から外れる位置に移動させ、しかる後該多径間連続合成桁を橋脚上に降下させることにより多径間に亘る連結合成桁を同時に架設することにある。
【0010】
請求項4に記載の発明の特徴は、請求項2又は3の構成に加え、前記吊り持ち手段は、前記門型支持部材の前記水平梁部上に移動可能に設置した移動台に支持させた下向き油圧シリンダーを有し、各橋脚上の全横取り装置の前記下向き油圧シリンダーを自動コントロール手段によって同期させて動作させることによって前記多径間連続合成桁を上下方向に平行移動させることにある。
【0011】
請求項5に記載の発明の特徴は、請求項2,3又は4の構成に加え、前記横取り装置の横送り手段は、前記門型支持部材の前記水平梁部上に移動可能に設置した移動台と前記水平梁部上の任意の位置に固定できる反力受け台との間に横向き油圧シリンダー介在させて攻勢され、各橋脚上の全横取り装置の前記横向き油圧シリンダーを自動コントロール手段によって同期させて動作させることによって前記多径間連続合成桁を水平方向に平行移動させることにある。
【発明の効果】
【0012】
本発明においては、H型鋼からなる鋼桁部の少なくとも一方のフランジと一体にコンクリート桁部を一体に備え、前記鋼桁部の曲げ戻り力によって前記コンクリート桁部にプレストレスが導入されている鋼コンクリート合成桁を、その延長方向に連結した状態で2径間以上の橋脚上に架設する多径間連続合成桁の架設方法において、前記架設しようとする予定橋脚数上に連続させてガーダを架設するとともに、各橋脚上に横取り装置を設置し、前記ガーダ上を多径間に渡って架設する予定数の前記鋼コンクリート合成桁をそれぞれ所定の架設位置まで順次送り出し、互いに延長方向に隣り合う各鋼コンクリート合成桁間を前記ガーダ上で連結し、予定の多径間架設長さに連結した1本の多径間連続合成桁を組み立て、該多径間連続合成桁を前記各橋脚上の横取り装置によって前記橋脚上の所定の位置に架設するようにしたことにより、従来のように鋼コンクリート合成桁の接合位置に架設受け台を必要としなくなり、従って流水のある河川や、深い谷部分等、架設受け台を設置し難い場所においても、多径間連続合成桁の架設が比較的容易にできる。
【0013】
また、本発明においては、架設しようとする予定橋脚数上に連続させてガーダを架設するとともに、各橋脚上に、該橋脚の橋梁幅方向の両端に支持される一対の支柱部の上端間に水平梁部を一体に横架させた門型支持部材と、該門型支持部材の前記水平梁部上にその長手方向に移動可能に支持された横送り手段と、該横送り手段に支持された吊り持ち手段とを有する横取り装置を設置し、前記ガーダ上を多径間に渡って架設する予定数の前記鋼コンクリート合成桁をそれぞれ所定の架設位置まで順次送り出し、互いに延長方向に隣り合う各前記鋼コンクリート合成桁間を該ガーダ上で連結し、予定の多径間架設長さに連結した1本の多径間連続合成桁を組み立て、該多径間連続合成桁を前記各橋脚上の横取り装置の吊り持ち手段によって同時に吊り上げ、該横取り装置の前記横送り手段を同時に作動させて前記多径間連続合成桁を横方向に水平移動させ、前記橋脚上の所定の橋梁幅方向位置で降下させて多径間に亘る連結合成桁を同時に架設するようにすることにより、1本に連結した長い多径間連続合成桁であっても、その横取りが容易となり、長大な多径間連続合成桁の架設が経済的になされる。
【0014】
更に本発明では、架設しようとする予定橋脚数上に連続させたガーダを、該橋脚の橋梁幅方向に移動できる横移動手段上に支持させるとともに、各橋脚上に、該橋脚の橋梁幅方向の両端に支持される一対の支柱部の上端間に水平梁部を一体に横架させた門型支持部材と、該門型支持部材の前記水平梁部上にその長手方向に移動可能に支持された横送り手段と、該横送り手段に支持された吊り持ち手段とを有する横取り装置を設置し、前記ガーダ上を多径間に渡って架設する予定数の前記鋼コンクリート合成桁をそれぞれ所定の架設位置まで順次送り出し、互いに延長方向に隣り合う各鋼コンクリート合成桁間を該ガーダ上で連結し、予定の多径間架設長さに連結した1本の多径間連続合成桁を組み立て、該多径間連続合成桁を前記各橋脚上の横取り装置の吊り持ち手段によって同時に吊り上げた後、前記ガーダを前記橋脚上の横移動手段によって前記多径間連続合成桁下から外れる位置に移動させ、しかる後該多径間連続合成桁を橋脚上に降下させることにより多径間に亘る連結合成桁を同時に架設するようにすることにより、多径間連続合成桁を横移動のない上下方向の操作によって可能となるため、大重量の多径間連続合成桁であってもその架設作業が容易となる。
【0015】
更に本発明では、吊り持ち手段及び横送り手段に油圧シリンダーを使用し、各橋脚上の横取り装置の前記油圧ジャッキを自動コントロール手段によって同期させて動作させることによって前記多径間連続合成桁を上下方向及び水平方向に平行移動させることにより、移動中における多径間連続合成桁の変形を少なくでき、より安全に架設作業ができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
次に本発明の実施の形態を図面に示した実施例に基づいて説明する。尚、前述した従来技術と同一部分には同一の符号を付して重複説明を省略する。
【0017】
本実施例の多径間連続合成桁の架設方法は、先ず図1に示すように、架設しようとする多径間連続合成桁の長さに応じ、各橋脚4,4……上に連続させてガーダ10を架設する。このガーダ10には鋼製桁材を連結したものを使用し、架設しようとする橋梁の一端側の資材搬入路11から順次押し出して所用数の橋脚4,4……上に連続して跨らせた状態に架設する。このガーダ10上には、図には詳示してないが搬入用台車12が走行できるレールを長手方向に連続させて設置しておく。
【0018】
次いで、このガーダ10を利用して各橋脚4上に横取り装置20を構成する部材を搬入しこれを組み立てる。この横取り装置20は、図3、図7に示す如き門型支持部材21、該門型支持部材21に支持させた横送り手段22及び横送り手段に支持させた吊り持ち手段23とから構成されている。
【0019】
門型支持手段21は、橋脚4の橋梁幅方向の両端部に下端が支持される一対の支柱部25,25と、その上端間に掛け渡された一対のH型鋼からなる水平梁部26,26とから構成されており、支柱部25,25は支えワイヤー27,27によって直立状態が維持されるようになっている。
【0020】
横送り手段22は、滑り板上にスライド自在に載置させた移動台30と、この移動台30を水平梁部長さ方向に移動させるための油圧シリンダーを使用した横送り駆動装置31とから構成されている。
【0021】
両水平梁部26,26上には表面が平滑なステンレス板からなるスライドガイド板28,28が固定されており、その上に移動台30が水平梁部26の長手方向にスライド自在に載置されている。この移動台30の底面にはフッ素化合樹脂(テフロン:商標)製の滑り板30aが貼り付けられており、スライドガイド板28,28上を容易に滑り動くことができるように構成されている。
【0022】
の両側縁部にはガイドブラケット32,32が下向きに突設され、これが両水平梁部26,26の側縁部外側に垂下され、これによって移動台30の水平梁部幅方向の移動を阻止している。
【0023】
横送り駆動装置31は、両水平梁部26,26に対する任意の位置に固定できる反力受け台33と、この反力受け台33と前記移動台30間に介在させた横向き油圧シリンダー34とから構成されている。反力受け台33は、その両側部に水平梁部26,26のフランジ部を把持するクランプ35,35が備えられており、このクランプ35,35によって反力受け台33を水平梁部26,26上の任意の位置に固定できるようになっており、この反力受け台33を水平梁部に固定した状態で油圧シリンダー34を伸縮させることにより、移動台30が水平梁部の長手方向に往復移動されるようになっている。
【0024】
移動台30の必要な移動長さが横向き油圧シリンダー34のストロークより大きい場合には、油圧シリンダー34の1ストローク分だけ移動台30を移動させた後、クランプ35による水平梁部26との固定を解除し、油圧シリンダー34を短縮又は伸張させることにより反力受け台33を移動させ、その移動位置で再度クランプ35により固定させ、再度移動台30の移動作業を繰り返すことによって移動台3を必要な長さだけ移動させる。
【0025】
吊り持ち手段23は、図4に示すように移動台30に固定した一対の下向き油圧シリンダー36,36と、その各油圧シリンダー36,36の動作軸に支持させた吊りワイヤー37,37と、両吊りワイヤー37,37の先端に吊り持ちさせた吊り金具38とからなっており、吊り金具38は、図には詳示されてないが後述する鋼コンクリート合成桁Aの鋼桁部1を把持できる構造となっている。
【0026】
このようにして各橋脚4,4……上にそれぞれ横取り装置20,20……を設置した後、ガーダ10に連続させた資材搬入路11上で、搬入用台車12,12上にトレーラー等の運搬手段によって運び込まれた鋼コンクリート合成桁Aを載せ、所用数の鋼コンクリート合成桁Aを順次ガーダ10上に支持させて所定の架設位置まで移動させる。
【0027】
このようにして予め設計された所用本数の鋼コンクリート合成桁A,A……を図2に示すように、ガーダ10上で互いに延長方向に突き合わせ、各接合部40,41……を従来と同様に、溶接又は連結金具のボルト止め等の各種の連結方法によって互いに連結し、ガーダ10上で一本の多径間連続合成桁Bとなす。
【0028】
上述のように、ガーダ10上で所用長さに組み立てられた多径間連続合成桁Bを各橋脚4,4……上の各横送り装置20,20……を使用して横取りし、所定の位置に移動させて架設する。この横取り作業は、先ず、吊り持ち手段23によって多径間連続合成桁Bを吊り上げる。この吊り上げ作業は、移動台30を多径間連続合成桁B上まで移動させて停止させる。次いでの下向きシリンダー36,36を作動させて吊り金具38を降下させ、該吊り金具38にて鋼桁部1を把持させる。この状態で各横取り装置20,20……の全ての下向き油圧シリンダー36を同期させて作動させ、1本の多径間連続合成桁Bの各吊り位置を同じ速度で同じ高さに吊り上げる。
【0029】
この時の各油圧シリンダー36のコントロールは、ロータリーエンコーダ等の移動検出器によって各油圧シリンダー36の動作長さを検出させ、その検出データをコントローラにフィードバックすることによって各油圧シリンダー35が同期して作動するようにコントロールしている。
【0030】
このようにして各横取り装置20の吊り持ち手段23によって多径間連続合成桁Bを吊り上げた状態で各移動台30をそれぞれの横向き油圧シリンダー34を作動させて横送りさせる。この時、全横向き油圧シリンダー34の動作を、前述した下向き油圧シリンダーと同様にした同期させ、多径間連続合成桁Bが1直線状態を維持したままで横送りさせる。
【0031】
このようにして多径間連続合成桁Bを所定の架設位置まで横送りした後、各下向き油圧シリンダー35を同期させて前述とは逆に作動させることにより、多径間連続合成桁Bを橋脚4の所定位置に載せ、1本の多径間連続合成桁Bの架設を終了する。
【0032】
上述した作業を順次繰り返して必要数の多径間連続合成桁Bを架設する。
【0033】
尚、上述の実施例では、ガーダ10を橋脚4の橋梁幅方向の定位置に設置して作業を行う場合について示しているが、この他、図7示すように、ガーダ10を各橋脚4上にて、油圧ジャッキ等のガーダ横移動手段によって横移動可能に設置し、前述と同様にしてガーダ10上で1本の多径間連続合成桁Bを組み立て、吊り持ち手段23によって吊り上げた後、ガーダ10を横移動させて多径間連続合成桁Bの設置位置を開け、しかる後に多径間連続合成桁Bを横取りすることなく橋脚4上に架設するようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】本発明に係る多径間連続合成桁の架設方法におけるガーダ及び横取り装置を設置状態した状態を示す側面図である。
【図2】同上のガーダ上で所用数の鋼コンクリート合成桁を連結した状態を示す側面図である。
【図3】同上の鋼コンクリート合成桁を連結した多径間連続合成桁の横取り状態を示す正面図である。
【図4】同上の多径間連続合成桁を横取りする横取り装置の部分拡大正面図である。
【図5】同上の移動台部分の部分拡大断面図である。
【図6】同上の反力受け部分の側面図である。
【図7】本発明における他の例の架設方法を示す正面図である。
【図8】本発明に使用する鋼コンクリート合成桁の一例を示す斜視図である。
【図9】従来の鋼コンクリート合成桁の架設状態及びその際に多径間連続合成桁に生じる曲げモーメントを示す説明図である。
【符号の説明】
【0035】
A 鋼コンクリート合成桁
B 多径間連続合成桁
a,b 曲げモーメント曲線
1 鋼桁部
2 フランジ
3 コンクリート桁部
4 橋脚
5 架設受け台
10 ガーダ
11 資材搬入路
12 搬入用台車
20 横取り装置
21 門型支持部材
22 横送り手段
23 吊り持ち手段
25 支柱部
26 水平梁部
27 支えワイヤー
28 スライドガイド板
30 移動台
30a 滑り板
31 横送り駆動装置
32 ガイドブラケット
33 反力受け台
34 横向き油圧シリンダー
35 クランプ
36 下向き油圧シリンダー
37 吊りワイヤー
38 吊り金具
40 接合部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
H型鋼からなる鋼桁部の少なくとも一方のフランジと一体にコンクリート桁部を一体に備え、前記鋼桁部の曲げ戻り力によって前記コンクリート桁部にプレストレスが導入されている鋼コンクリート合成桁を、その延長方向に連結した状態で2径間以上の橋脚上に架設する多径間連続合成桁の架設方法において、
前記架設しようとする予定橋脚数上に連続させてガーダを架設するとともに、各橋脚上に横取り装置を設置し、前記ガーダ上を多径間に渡って架設する予定数の前記鋼コンクリート合成桁をそれぞれ所定の架設位置まで順次送り出し、互いに延長方向に隣り合う各鋼コンクリート合成桁間を前記ガーダ上で連結し、予定の多径間架設長さに連結した1本の多径間連続合成桁を組み立て、該多径間連続合成桁を前記各橋脚上の横取り装置によって前記橋脚上の所定の位置に架設することを特徴としてなる多径間連続合成桁の架設方法。
【請求項2】
前記架設しようとする予定橋脚数上に連続させてガーダを架設するとともに、各橋脚上に、該橋脚の橋梁幅方向の両端に支持される一対の支柱部の上端間に水平梁部を一体に横架させた門型支持部材と、該門型支持部材の前記水平梁部上にその長手方向に移動可能に支持された横送り手段と、該横送り手段に支持された吊り持ち手段とを有する横取り装置を設置し、前記ガーダ上を多径間に渡って架設する予定数の前記鋼コンクリート合成桁をそれぞれ所定の架設位置まで順次送り出し、互いに延長方向に隣り合う各前記鋼コンクリート合成桁間を該ガーダ上で連結し、予定の多径間架設長さに連結した1本の多径間連続合成桁を組み立て、該多径間連続合成桁を前記各橋脚上の横取り装置の吊り持ち手段によって同時に吊り上げ、該横取り装置の前記横送り手段を同時に作動させて前記多径間連続合成桁を横方向に水平移動させ、前記橋脚上の所定の橋梁幅方向位置で降下させて多径間に亘る連結合成桁を同時に架設する請求項1に記載の多径間連続合成桁の架設方法。
【請求項3】
前記架設しようとする予定橋脚数上に連続させたガーダを、該橋脚の橋梁幅方向に移動できる横移動手段上に支持させるとともに、各橋脚上に、該橋脚の橋梁幅方向の両端に支持される一対の支柱部の上端間に水平梁部を一体に横架させた門型支持部材と、該門型支持部材の前記水平梁部上にその長手方向に移動可能に支持された横送り手段と、該横送り手段に支持された吊り持ち手段とを有する横取り装置を設置し、前記ガーダ上を多径間に渡って架設する予定数の前記鋼コンクリート合成桁をそれぞれ所定の架設位置まで順次送り出し、互いに延長方向に隣り合う各鋼コンクリート合成桁間を該ガーダ上で連結し、予定の多径間架設長さに連結した1本の多径間連続合成桁を組み立て、該多径間連続合成桁を前記各橋脚上の横取り装置の吊り持ち手段によって同時に吊り上げた後、前記ガーダを前記橋脚上の横移動手段によって前記多径間連続合成桁下から外れる位置に移動させ、しかる後該多径間連続合成桁を橋脚上に降下させることにより多径間に亘る連結合成桁を同時に架設する請求項1に記載の多径間連続合成桁の架設方法。
【請求項4】
前記吊り持ち手段は、前記門型支持部材の前記水平梁部上に移動可能に設置した移動台に支持させた下向き油圧シリンダーを有し、各橋脚上の全横取り装置の前記下向き油圧シリンダーを自動コントロール手段によって同期させて動作させることによって前記多径間連続合成桁を上下方向に平行移動させるようにしてなる請求項2又は3に記載の多径間連続合成桁の架設方法。
【請求項5】
前記横取り装置の横送り手段は、前記門型支持部材の前記水平梁部上に移動可能に設置した移動台と前記水平梁部上の任意の位置に固定できる反力受け台との間に横向き油圧シリンダー介在させて攻勢され、各橋脚上の全横取り装置の前記横向き油圧シリンダーを自動コントロール手段によって同期させて動作させることによって前記多径間連続合成桁を水平方向に平行移動させるようにしてなる請求項2,3又は4に記載の多径間連続合成桁の架設方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2007−284931(P2007−284931A)
【公開日】平成19年11月1日(2007.11.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−111511(P2006−111511)
【出願日】平成18年4月14日(2006.4.14)
【出願人】(000112196)株式会社ピーエス三菱 (181)
【Fターム(参考)】