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多成分生物学的輸送システム
説明

多成分生物学的輸送システム

【課題】核酸を含め、治療薬の送達に有用な組成物および方法の提供。
【解決手段】a)正に帯電した主鎖と;b)i)複数の結合したイメージング部分を有する第一の負に帯電した主鎖;ii)複数の結合したターゲティング剤を有する第二の負に帯電した主鎖;iii)RNA、DNA、リボザイム、修飾オリゴヌクレオチドおよび選択された導入遺伝子をエンコードするcDNAからなる群から選択される少なくとも一つの要素;iv)少なくとも一つの残存因子をエンコードするDNA;およびv)複数の結合した生物学的薬剤を有する第三の負に帯電した主鎖からなる群から選択される少なくとも2つの要素との非共有結合複合体を含む組成物であって、その結合複合体が正味正電荷を有し、b)群からの前記の2つの要素のうちの少なくとも1つがi)、iii)またはv)群から選択される、組成物。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本願は2001年7月21日に出願された米国特許仮出願番号60/220244(その内容を出典明示により本発明の一部とする)の優先権を主張する。
(連邦政府後援の研究および開発の下でなされる本発明の権利の主張)
適用されない。
【背景技術】
【0002】
遺伝子送達システムは大まかに2つのグループ:ウイルスおよび非ウイルスに分類できる。ウイルス系は、重大な毒性の危険性を有し、臨床試験において重大な合併症および死に至る。非ウイルス系は、ウイルス法よりもはるかに有効性が低いが、特異性を向上させ、潜在的に毒性を減少させるために用途を潜在的に調整する可能性を提供する。非ウイルス法は、大まかに脂質ベースまたは非脂質ベースに分類できる。本発明において提示する方法は、任意の既存の非ウイルス法に適用することができ、従って、すべてを本明細書に記載する。
【0003】
最も簡単な非ウイルスシステムは、DNAの直接送達である。DNAの負の電荷のために、ほとんどのDNAは実際には細胞に侵入せず、ほとんどは分解する。戦略において核ターゲティング配列がないので実質的にDNAは核中に侵入しない。通常、電気穿孔法(electroporation)、超音波、「遺伝子銃(gene gun)」および直接微量注入法(direct microinjection)などの機械的作用、または電荷中和およびリン酸カルシウム、ポリリシン、およびリポソーム製剤などの薬剤での化学的作用のいずれかによる遺伝子/産物送達(DNA、RNA、または細菌の蛋白治療物質)の効率を向上させるためにもう一つの因子が用いられる。後者の方法において、電荷中和は、リポソーム製剤単独の化学的/機械的作用よりも非特異性効率を数倍増加させることが証明されている。これらおよび類似した結果に基づいて、DNAの負の電荷はその後のリソソーム融合を伴う細胞質溶解(endolysis)(他の試薬の添加を免れる)による以外の輸送を本質的に除外するので、DNAおよびRNAは細胞取り込みにおける有効性のために電荷中和を必要とすると結論づけられることが多かった。ほとんどのトランスフェクション剤は実際に正味DNA負電荷よりも2〜4倍の過剰の正電荷を使用する。結果として得られる正のハイブリッドは負に帯電した細胞表面プロテオグリカンとイオン結合し、その後の吸収を劇的に増大させる。いくつかのトランスフェクション剤は、たぶんセルタイプ特異性パターンにおいて変化する特定のプロテオグリカンをさらに有効に標的とする立体および電荷パターンのために細胞屈性を有するようである。適当な試薬(すなわち、正しい屈性)を使用しても、電荷中和単独またはリポソームとの組み合わせはウイルス法と比較して非常に効率が悪いままである。従って、細胞中および先の任意のエンドリソソーム段階への複合体の有効な侵入を促進する多くのペプチドおよびペプチドフラグメントが同定されている。このような輸送ファクターのいくつかは有効な核侵入さえも可能にする。一プロセスにおいて、輸送因子は関心のある治療生成物(小型医薬、遺伝子、蛋白など)と直接結合する。この方法は、輸送因子に結合した新規薬剤が製造され、生成され、試験されることを必要とする。多くの場合において、これらのハイブリッドは実際に新規薬剤を構成し、完全な試験を必要とするであろう。かかるプロセスの結果、さらに著しい危険性が生じ、費用がかかる。別法として、多くの方法は単に薬剤を非特異的(または表面で特異的に)に薬剤/DNA/ファクターのキャリアとしてリポソーム製剤中に混合することを用いる。直接またはより簡便な様式よりも効率の点で改良されているが、これらの方法は不十分なままであり(ウイルスに対して)、単純な非ウイルス法よりも相当毒性が高い。この無効力の一部は不十分な核転移による。その結果、方法は、治療ファクターハイブリッドの一部として、またはリポソーム混合物の一部としてのいずれかで、核転移シグナルをすでに詳細に記載した複合体に添加する。さらなる改善のためにはDNA/RNA/ファクター分解を減少させるための努力が必要であった。
【0004】
おそらく、前記の基本的方法における最も重要な改善は、特異性リガンドまたは他のターゲティング剤を治療的ファクターとともに含む。これらの方法は、非常に減少した非特異性毒性の可能性および特に前記の効率剤と組み合わせた場合に効率の実質的な向上を提供する。しかしながら、現行の方法は、単一のキャリアに対する共有結合に依存し、従って(置換スキームを幾分か空間的に考慮することが一つの因子について他よりも有利でないことを確実にする、すなわち、各効率因子(efficiency factor)およびそのイメージング部分(imaging moiety)、および各ターゲティング部分(tergeting moiety)が主鎖上に存在することを確実にするために)特別な合成法を必要とする。これにより、多くの特異的構造(たとえば、立体的制限によりほとんどのスキームにおいて1または他の有効な結合が妨害され、次に効率因子を妨害するので、シアリル−ルイスXおよび表面抗原に対するFabフラグメント)が実質的に不可能になる。概念において予想されるが、これらの方法は費用がかかり、非常に収率が低く(合成の点で)、この問題は解決されない。
【0005】
明らかなように、非ウイルス遺伝子およびファクター送達における発展の各段階について、問題が生じ、次の段階において、複雑さを増すことにより解決される。各改善は従来の標準よりも増大した段階を示す。しかしながら、複雑さが増すことにより、患者のケアの点から危険性が生じ、生産の点から非効率的になり、費用が増す。これらの障害のために、これらの他の方法で可能性のある潜在的な治療法に対する熱意が大幅に失われてきた。
必要なのは、特定の部位への送達を最大にすることを目標とするかまたはイメージすることができる広範囲の治療薬または化粧剤の組成物に広く適用可能な新規方法および組成物である。驚くべきことに、本発明はかかる組成物および方法を提供する。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0006】
(発明の開示)
一の態様において、本発明は:
a)正に帯電した主鎖;および
b)i)複数の結合したイメージング部分を有する第一の負に帯電した主鎖;
ii)複数の結合したターゲティング剤を有する第二の負に帯電した主鎖;
iii)RNA、DNA、リボザイム、修飾オリゴヌクレオチドおよび選択された導入遺伝子をエンコードするcDNAから選択される少なくとも1つの要素;
iv)少なくとも一つの残存因子をエンコードするDNA;および
v)複数の結合した生物学的薬剤を有する第三の負に帯電した主鎖
から選択される少なくとも2つの要素
の非共有結合複合体を含む組成物であって、正味正電荷を有し、b)群からの2つの要素の内の少なくとも1つがi)、iii)またはv)から選択される、組成物を提供する。
生物学的薬剤は、本発明のこの態様において、治療薬または化粧剤のいずれかを含むことができる。別法として、候補薬剤は、これらの非共有結合複合体におけるインビボ効率を決定するために用いることができる。
【0007】
もう一つの態様において、本発明は少なくとも1つの結合した効率基(efficiency group)、ならびにRNA、DNA;リボザイム、修飾オリゴヌクレオチドおよび選択された導入遺伝子をエンコードするcDNAから選択からなる群から選択される少なくとも1つの核酸要素を有する正に帯電した主鎖の非共有結合複合体を含む組成物を提供する。
もう一つの態様において、本発明は、対象における細胞表面に対する生物学的薬剤の送達法であって、前記のような組成物を前記対象に投与することを含む方法を提供する。
【0008】
さらにもう一つの態様において、本発明は医薬組成物または化粧剤組成物を調製する方法であって、正に帯電した主鎖成分と:
i)複数の結合したイメージング部分を有する負に帯電した主鎖;
ii)複数の結合したターゲティング剤を有する負に帯電した主鎖;
iii)RNA、DNA、リボザイム、修飾オリゴヌクレオチドおよび選択された導入遺伝子をエンコードするcDNAから選択される少なくとも1つの要素;
iv)少なくとも1つの残存遺伝子をエンコードするDNA;および
v)複数の結合した治療薬または化粧剤を有する負に帯電した主鎖
から選択される少なくとも2つの要素とを、
医薬的または化粧剤的に許容される担体と合わせて、正味正電荷を有する非共有複合体を形成する;ただし、i)〜v)群からの前記の2つの要素の内の少なくとも1つはi)、iii)またはv)群から選択される、ことを含む方法を提供する。
さらにもう一つの態様において、本発明は医薬または化粧剤送達組成物を処方するためのキットであって、正に帯電した主鎖成分および前記i)〜v)群から選択される少なくとも2つの成分を該送達組成物を調製するための説明書とともに含むキットを提供する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】図1は本発明において用いられる化合物の概略図である。
【図2】図2は本発明のいくつかの態様の概略図である。
【図3】図3〜10は、実施例4に記載するような治療薬の経皮送達を表す写真である。
【図4】図3〜10は、実施例4に記載するような治療薬の経皮送達を表す写真である。
【図5】図3〜10は、実施例4に記載するような治療薬の経皮送達を表す写真である。
【図6】図3〜10は、実施例4に記載するような治療薬の経皮送達を表す写真である。
【図7】図3〜10は、実施例4に記載するような治療薬の経皮送達を表す写真である。
【図8】図3〜10は、実施例4に記載するような治療薬の経皮送達を表す写真である。
【図9】図3〜10は、実施例4に記載するような治療薬の経皮送達を表す写真である。
【図10】図3〜10は、実施例4に記載するような治療薬の経皮送達を表す写真である。
【図11】図11〜12は、実施例5に記載するような治療用処方のターゲティングを表す写真である。
【図12】図11〜12は、実施例5に記載するような治療用処方のターゲティングを表す写真である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
(発明の記載)
一般的記載
本発明は、イメージング剤、遺伝子または他の治療薬の選択的、持続的な送達のための成分ベースのシステムを提供する。組成物の個々の特性は、臨床処方において所望の成分を指定することにより選択できる。さらに、イメージングおよび特異的ターゲティング部分は、別の負に帯電した主鎖上に提供され、これは正の主鎖と非共有イオン結合を形成する。これらの成分を負に帯電した主鎖上に配置することにより、本発明は成分を他の方法(立体的制限のために有効な組み合わせがないレベルまで、複雑さおよび費用を増大させ、効率を低下させる)において用いられるような正の主鎖上の正確な位置に結合させる必要性がなくなり。本発明は図1を参照してさらに理解される。この図において、成分は(1)結合した正に帯電した基(暗色線と結合した黒丸として示される効率基とも称する)、例えば、(Gly)n1−(Arg)n2(式中、下付き文字n1は3〜約5の整数であり、下付き文字n2は約7〜約17の奇数である)またはTATドメインを有する強固な主鎖;(2)結合したイメージング部分(淡色線に結合した白抜き三角)を有する短い負に帯電した主鎖;(3)結合したターゲティング剤および/または治療薬(淡色線に結合した白抜き丸)を有する短い負に帯電した主鎖;(4)オリゴヌクレオチド、RNA、DNAまたはcDNA(薄くクロスハッチされた棒);および(5)残存因子をエンコードするDNA(黒っぽくクロスハッチされた棒)として示される。図2は多成分組成物の様々な例を表し、図中、基は図1において記載したように図示される。例えば、図2において、第一の多成分組成物は、正に帯電した主鎖がイメージング成分、ターゲティング成分、オリゴヌクレオチドおよび残存因子と結合している。診断/徴候イメージングのために設計される第二の多成分組成物が図示される。この組成物において、正に帯電した主鎖はイメージング成分およびターゲティング成分の両方と錯体を形成する。最後に、遺伝子送達に有用な第三の多成分系を示す。この系において、正に帯電した主鎖、ターゲティング成分、関心のある遺伝子および残存因子をエンコードするDNA間で複合体が形成される。本発明は、以下にさらに詳細に記載されるが、治療および診断プログラムにおいて有用な多くのさらなる組成物を提供する。
【0011】
(発明を実施するための形態)
組成物
前記事項を考慮して、本発明は、一の態様において:
a)正に帯電した主鎖;および
b)i)多数の結合したイメージング部分を有する第一の負に帯電した主鎖;
ii)多数の結合したイメージング部分を有する第二の負に帯電した主鎖;
iii)RNA、DNA、リボザイム、修飾オリゴヌクレオチドおよび選択された導入遺伝子をエンコードするcDNAから選択される少なくとも1つの要素;
iv)少なくとも1つの残存因子をエンコードするDNA;および
v)多数の結合した生物学的薬剤を有する第三の負に帯電した主鎖
から選択される少なくとも2つの要素
の非共有結合複合体を含む組成物であって、正味正電荷を有し、b)群からの2つの要素の内少なくとも1つはi)、iii)またはv)から選択される、組成物を提供する。
【0012】
ある例においては、組成物はi)〜v)から選択される少なくとも3つの要素を含む。別の例においては、組成物はi)、ii)、iii)およびiv)群のそれぞれからの少なくとも1つの要素を含む。さらに別の群の例において、組成物はi)およびii)群のそれぞれから少なくとも1つの要素を含む。別の群の例において、組成物はii)、iii)およびiv)群のそれぞれから少なくとも1つの要素を含む。
好ましくは、正に帯電した主鎖は、b)群からの要素の合計長さの約1〜4倍の長さを有する。別法として、正に帯電した主鎖はb)群からの要素の合計電荷の約1〜4倍の電荷比を有する。数例においては、電荷密度は均一であり、長さおよび電荷比はほぼ同じである。サイズ(長さ)比は、成分の分子研究に基づいて決定することができるか、または成分の質量から決定することができる。
【0013】
正に帯電した主鎖
正に帯電した主鎖は、典型的には原子の直鎖であり、鎖中の基は生理学的pHで正の電荷を有するか、または基は主鎖からのびる側鎖に結合した正の電荷を有するかのいずれかである。直鎖状主鎖は炭化水素主鎖であり、数例において、窒素、酸素、硫黄、珪素およびリンから選択される複素原子により中断されている。主鎖原子のほとんどは通常炭素である。さらに、主鎖は多くの場合繰り返し単位のポリマーである(例えば、アミノ酸、ポリ(エチレンオキシ)、ポリ(プロピレンアミン)など)。一の群の例において、正に帯電した主鎖は、ポリプロピレンアミンであり、ここにおいて、アミン窒素原子の数は正の電荷を有するアンモニウム基(テトラ置換)として存在する。別の例の群において、主鎖は、正に帯電した基(例えば、アンモニウム基、ピリジニウム基、ホスホニウム基、スルホニウム基、グアニジニウム基、またはアミジニウム基)を含む複数の側鎖部分を有する。この例における側鎖部分は、分離が一貫しているかまたは変わり得る主鎖に沿って間隔をおいて配置することができる。さらに、側鎖の長さは類似していてもよいし、類似していなくてもよい。例えば、ある例において、側鎖は、1〜20個の炭素原子を有し、前記の正に帯電した基の一つにおいて遠異端(主鎖から離れて)で終わる直鎖または分岐炭化水素鎖である。
【0014】
数例において、正に帯電した主鎖は複数の正に帯電した側鎖基(例えば、リシン、アルギニン、オルニチン、ホモアルギニンなど)を有するポリペプチドである。当業者は、アミノ酸が本発明のこの部分において用いられる場合に、側鎖は結合の中心でD−またはL−形(RまたはS配置)を有することを理解するであろう。
別法として、主鎖は、ペプトイドなどのポリペプチドの類似体であり得る。例えば、Kessler, Angew. Chem. Int. Ed. Engl. 32:543(1993); Zuckermann et al. Chemtracts-Macromol. Chem. 4:80 (1992);およびSimon et al. Proc. Nat’l Acad. Sci. USA 89:9367 (1992))参照。簡単に言うと、ペプトイドは、側鎖がα−炭素原子ではなく主鎖の窒素原子に結合するポリグリシンである。前記のように側鎖の一部は典型的には正に帯電した基が末端であり、正に帯電した主鎖成分を提供する。ペプトイドの合成は、例えば、米国特許第5877278号に記載されている。本明細書において用いられる場合、ペプチド主鎖構造を有する正に帯電した主鎖は、α−炭素の位置で天然に存在する側鎖を有するアミノ酸を含まないので、「非ペプチド」であると考えられる。
【0015】
様々な主鎖、例えば、ペプチドのアミド結合がエステル結合、チオアミド(−CSNH−)、逆チオアミド(−NHCS−)、アミノメチレン(−NHCH−)、または逆メチレンアミノ(−CHNH−)基、ケト−メチレン(−COCH−)基、ホスフィネート(−PORCH−)、ホスホンアミデートおよびホスホンアミデートエステル(―PORNH−)、逆ペプチド(−NHCO−)、トランス−アルケン(−CR=CH−)、フルオロアルケン(−CF=CH−)、ジメチレン(−CHCH−)、チオエーテル(−CHS−)、ヒドロキシエチレン(−CH(OH)CH−)、メチレンオキシ(−CHO−)、テトラゾール(CN)、スルホンアミド(−SONH−)、メチレンスルホンアミド(−CHRSONH−)、逆スルホンアミド(−NHSO−)などの代用物で置換されている立体または電子的模倣物および例えばFletcher et al ((1998) Chem. Rev. 98:763)に概説が記載され、その引用文献において詳細に記載されているように、マロネートおよび/またはジェム−ジアミノ−アルキルサブユニットを有する主鎖を用いて使用できる。前記置換の多くの結果、α−アミノ酸から形成される主鎖に関してほぼ等配電子ポリマー主鎖が得られる。
【0016】
前記の主鎖のそれぞれにおいて、正に帯電した基を有する側鎖基を結合させることができる。例えば、スルホンアミド結合主鎖(−SONH−および−NHSO−)は窒素原子に結合した側鎖を有し得る。同様に、ヒドロキシエチレン(−CH(OH)CH−)結合はヒドロキシ置換基に結合した側鎖基を有し得る。当業者は、標準的合成法を用いて正に帯電した側鎖基を得るために他の結合化学を容易に採用することができる。
特に好ましい例において、正に帯電した主鎖は,−(gly)n1−(arg)n2、HIV−TATまたはそのフラグメントを含む枝分かれ基(効率基とも称する)を有するポリペプチドであり、ここにおいて、下付き文字n1は0〜20の整数であり、より好ましくは0〜8であり、さらにより好ましくは2〜5であり、下付き文字n2は約5〜約25の奇数であり、より好ましくは約7〜約17であり、最も好ましくは約7〜約13である。HIV−TATフラグメントは式(gly)−RGRDDRRQRRR−(gly)または(gly)−YGRKKRRQRRR−(gly)(式中、下付き文字pおよびqはそれぞれ独立して0〜20の整数である)を有し、フラグメントはフラグメントのC−末端またはN−末端のいずれかにより主鎖に結合している例もさらに好ましい。好ましいHIV−TATフラグメントは下付き文字pおよびqがそれぞれ独立して0〜8、より好ましくは2〜5の整数であるものである。
【0017】
もう一つの特に好ましい例において、主鎖部分はポリリシンであり、正に帯電した枝分かれ基はリシン側鎖アミノ基に結合している。この特に好ましい例において用いられるポリリシンは商業的に入手可能な(Sigma Chemical Company, St. Louis, Missouri, USA)任意のポリリシン、例えば、MW>70000を有するポリリシン、70000〜150000のMwを有するポリリシン、MW>300000を有するポリリシンである。ポリリシンの適当な選択は、組成物の残存する成分に依存し、組成物に全体的に正味正の電荷を提供し、負に帯電した成分の合計長さの好ましくは1〜4倍の長さを提供するために十分である。好ましい正に帯電した枝分かれ基または効率基としては、例えば、−gly−gly−gly−arg−arg−arg−arg−arg−arg−arg(−GlyArg)またはHIV−TATが挙げられる。
【0018】
他の成分
正に帯電した主鎖成分に加えて、本発明の組成物は以下のものの内の少なくとも2成分を含む:
i)複数の結合したイメージング部分を有する負に帯電した主鎖;
ii)複数の結合したターゲティング部分を有する負に帯電した主鎖;
iii)RNA、DNA、リボザイム、修飾オリゴヌクレオチドまたは関心のある導入遺伝子をエンコードするcDNAの少なくとも一つ;
iv)少なくとも一つの残存因子をエンコードするDNA;および
v)複数の結合した治療薬を有する負に帯電した主鎖。
【0019】
イメージング部分、ターゲティング部分および治療薬を担うために使用される負に帯電した主鎖は、生理学的pHで負電荷を有する複数の基を有する様々な主鎖(前記のものと類似)である。適当な負に帯電した基は、カルボン酸、ホスフィン酸、ホスホン酸またはリン酸、スルフィンまたはスルホン酸などである。数例において、負に帯電した主鎖はオリゴ核酸である。他の例において、負に帯電した主鎖はオリゴ糖(例えば、デキストラン)である。さらに他の例において、負に帯電した主鎖はポリペプチド(たとえば、ポリグルタミン酸、ポリアスパラギン酸、またはグルタミン酸またはアスパラギン酸残基が非帯電アミノ酸により中断されているポリペプチド)である。以下にさらに詳細に記載される部分(イメージング部分、ターゲティング剤、および治療薬)はこれらのペンダント基を有する主鎖に、典型的にはエステル結合により結合させることができる。別法として、負に帯電したアミノ酸を中断するか、または負に帯電した主鎖の末端に結合しているアミノ酸は、イメージング部分およびターゲティング部分を、例えば、ジスルフィド結合(システイン残基により)、アミド結合、エーテル結合(セリンまたはトレオニンヒドロキシル基により)等により結合させるために用いることができる。
【0020】
イメージング部分
様々な診断またはイメージング部分が本発明において有用であり、診断またはイメージ化される状態、投与経路、薬剤の感受性よび薬剤の検出に用いられる装置などに依存するであろう有効量において存在する。
適当なイメージングおよび診断薬の例としては、例えば、放射線不透過性造影剤、常磁性造影剤、超常磁性造影剤、CT造影剤および他の造影剤が挙げられる。例えば、放射線不透過性造影剤(例えば、X線イメージング)は、無機および有機ヨウ素化合物(例えば、ジアトリゾエート)、放射線不透過性金属およびその塩(例えば、銀、金、白金など)および他の放射線不透過性化合物(例えば、カルシウム塩、硫酸バリウムなどのバリウム塩、タンタルおよび酸化タンタル)を含む。適当な常磁性造影剤(MRイメージング用)としては、ガドリニウムジエチレントリアミン五酢酸(Gd−DTPA)およびその誘導体、ならびに他のガドリニウム、マンガン、鉄、ジスプロシウム、銅、ヨーロピウム、エルビウム、クロム、ニッケルおよびコバルト錯体(1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン−N,N’,N”,N’”−四酢酸(DOTA)、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)、1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン−N,N’,N”−三酢酸(DO3A)、1,4,7−トリアザシクロノナン−N,N’、N”−三酢酸(NOTA)、1,4,8,11−テトラアザシクロテトラデカン−N,N’,N”,N’”−四酢酸(TETA)、ヒドロキシベンジルエチレン−ジアミン二酢酸(HBED)などとの錯体を含む)が挙げられる。適当な超常磁性造影剤(MRイメージング用)としては、磁鉄鉱、超常磁性酸化鉄、単結晶性酸化鉄、特に負に帯電した主鎖に結合できるこれらの薬剤のそれぞれの複合体を形成した形態が挙げられる。さらに他の適当なイメージング剤は、ヨード化および非ヨード化およびイオン性および非イオン性CT造影剤を含むCT造影剤、ならびにスピンラベル等の造影剤または他の診断上有効な物質である。
【0021】
診断薬の他の例としては、これらに限定されないが、β−ガラクトシダーゼ、緑色蛍光蛋白、青色蛍光蛋白、ルシフェラーゼなどを含む、細胞において発現された場合に容易に検出可能な蛋白をエンコードするマーカー遺伝子が挙げられる。様々な標識、例えば、放射性核種、蛍光体、酵素、酵素基質、酵素補因子、酵素抑制物質、リガンド(特にハプテン)などを用いることができる。さらに他の有用な物質は、放射活性種または成分、例えば、99mTcグルコヘプトネートで標識されるものである。
【0022】
ターゲティング剤
様々なターゲティング剤が本明細書に記載された組成物において有用である。典型的には、ターゲティング剤は、前記のイメージング部分について記載したように負に帯電した主鎖に結合している。ターゲティング剤は、核酸、治療薬または組成物のもう一つ別の成分を特定の部位に直接移動させることができるようにする任意の要素である。ターゲティング剤は、細胞外ターゲティング剤であることができ、例えば、核酸移動をある種の細胞またはある所望の組織(腫瘍細胞、肝細胞、造血細胞など)に向かわせることができる。かかる薬剤は細胞内ターゲティング剤であることもでき、治療薬を特定の細胞区画(例えば、ミトコンドリア、核など)に向かわせることができる。
【0023】
ターゲティング剤は好ましくは本発明に従って負に帯電した主鎖に共有または非共有結合する。本発明の好ましい様式に従って、ターゲティング剤は、好ましくは結合基により、負に帯電した主鎖成分としての働きをするオリゴヌクレオチドに共有結合する。ターゲティング剤(ならびに他の生物学的薬剤)を核酸と結合させる方法は、当業者によく知られており、例えば、複素二官能結合基(Pierce Chemical Catalog参照)を用いる。一例において、ターゲティング剤は細胞トランスフェクションを促進するため、すなわち、組成物またはその様々な要素の膜を横切る移動、またはエンドソームからでていくのを助けるため、または核膜を横切るための融合誘導ペプチドである。ターゲティング剤はまた、例えば、糖、トランスフェリン、インスリンまたはアシアロ−オロソムコイド蛋白などのセルタイプの表面に存在する受容体の細胞受容体リガンドであり得る。かかるリガンドはまた、細胞内タイプの一種、例えば、トランスフェクトされたDNAの核内の蓄積を促進する核ロケーションシグナル(nls)配列であってもよい。
【0024】
本発明において有用な他のターゲティング剤としては、糖、ペプチド、ホルモン、ビタミン、サイトカイン、オリゴヌクレオチド、脂質またはこれらの要素由来の配列またはフラクションが挙げられ、これによりその対応する受容体との特異的結合が許容される。好ましくは、ターゲティング剤は糖およびまたはペプチド、例えば、抗体または抗体フラグメント、細胞受容体リガンドまたはそのフラグメント、受容体または受容体フラグメントなどである。より好ましくは、ターゲティング剤は成長因子受容体、サイトカイン受容体、または細胞レクチン受容体または接着性蛋白受容体のリガンドである。ターゲティング剤は、アシアロ糖蛋白受容体などのレクチンを標的とさせることができる糖、あるいはイムノグロブリンのFcフラグメント受容体を標的とさせることができる抗体Fabフラグメントであってもよい。
【0025】
核酸
本発明の組成物において、核酸はデオキシリボ核酸またはリボ核酸のいずれかであり、天然または人工の起源の配列を含むことができる。より詳細には、本発明において用いられる核酸は、ゲノムDNA、cDNA、mRNA、tRNA、rRNA、ハイブリッド配列または合成または半合成配列を含むことができる。これらの核酸は、ヒト、動物、植物、細菌、ウイルスなどの起源であり得る。さらに、核酸は当業者に公知の任意の技術により、特にバンクのスクリーニング、化学合成、あるいはバンクのスクリーニングにより得られる配列の化学または酵素修飾を含む混合法により得ることができる。さらに、核酸はベクター、例えば、プラスミドベクター中に組み入れることができる。
【0026】
本発明において用いられるデオキシリボ核酸はさらに、一本鎖または二本鎖であり得る。これらのデオキシリボ核酸は、治療遺伝子、転写または複製を調節する配列、アンチセンス配列、他の細胞成分との結合のための領域などをコードすることもできる。適当な治療遺伝子は、本質的に治療的効果を有する蛋白生成物をコードする任意の遺伝子である。このようにエンコードされる蛋白生成物は、蛋白、ポリペプチド、ペプチドなどであってもよい。蛋白生成物は、場合によっては、標的細胞に関してホモローガスである(いわゆる、後者が病原性を示さない場合に、標的細胞において通常発現される生成物である)。このようにして、適当な核酸の使用は蛋白の発現を増大させることができ、例えば、細胞における不十分な発現を克服することを可能にする。別法として、本発明は修飾、または蛋白の過剰発現のために不活性であるかまたは活性が弱い蛋白の発現のための組成物および方法を提供する。治療遺伝子は、従って向上された安定性、修飾された活性などを有する細胞蛋白の変異体をコードする。蛋白生成物はさらに、標的細胞に関してヘテロローガスであってもよい。この場合において、発現される蛋白は、例えば、細胞において不足している活性を補足するかまたは提供して、病気に対抗するかまたは免疫応答を刺激することが可能になる。
【0027】
より詳細には、本発明において有用な核酸は、酵素、血液誘導体、ホルモン、リンホカイン、インターロイキン、インターフェロン、TNF、成長因子、神経伝達物質またはその前駆体または合成酵素、あるいは栄養因子:BDNF、CNTF、NGF、IGF、GMF、aFGF、bFGF、VEGF、NT3、NT5、HARP/プレイオトロフィン;脂質、アポリポ蛋白A−I、A−II、A−IV、B、C−I、C−II、C−III、D、E、F、G、H、Jおよびapo(a)から選択されるアポリポ蛋白タイプの代謝に関与する蛋白、代謝酵素、例えば、リポ蛋白リパーゼ、肝臓リパーゼ、レシチンコレステロールアシルトランスフェラーゼ、7−α−コレステロールヒドロキシラーゼ、ホスファチジン酸ホスファターゼ、または脂質トランスファー蛋白、例えば、コレステロールエステルトランスファー蛋白およびリン脂質トランスファー蛋白、HDLを結合するための蛋白または、例えば、LDL受容体、キロミクロン−残骸受容体およびスカベンジャー受容体、ジストロフィンまたはミニジストロフィン、GAX蛋白、膵線維症に関連するCFTR蛋白、腫瘍抑制遺伝子:p53、Rb、Rap1A、DCC、k−rev;凝集に関与する蛋白因子:第VII因子、第VIII因子、第IX因子コードするものであるか;または核酸はDNA修復に関与する遺伝子、自殺遺伝子(チミジンキナーゼ、シトシンデアミナーゼ)、トロンボモジュリンをエンコードする遺伝子、α1−アンチトリプシン、組織プラスミノーゲンアクチベーター、スーパーオキシドジスムターゼ、エラスターゼ、マトリックスメタロプロテイナーゼなどである。
【0028】
本発明において有用な治療薬はさらに、アンチセンス配列であってもよいし、あるいは標的細胞におけるその発現により遺伝子の発現または細胞mRNAの転写の制御が可能になる遺伝子であってもよい。かかる配列は、例えば、特許EP140308に記載されている技術に従って、標的細胞において細胞mRNAの相補RNA中に転写され、蛋白中へのその翻訳をブロックすることができる。アンチセンス配列も、標的RNAを選択的に破壊することができるリボザイムをコードする配列を含む(EP321201参照)。
前記のように、核酸は、ヒトまたは動物において免疫応答を生じることができる抗原性ペプチドをコードする1またはそれ以上の遺伝子を含んでもよい。この具体例において、本発明は従って、ヒトまたは動物に適用される、特に微生物、ウイルスまたは癌に対するワクチンまたは免疫療法的処置のいずれかを生じることができるようにする。これらは特にエプスタインバールウイルス、HIVウイルス、B型肝炎ウイルス(EP185573参照)、仮性狂犬病ウイルスに対して特異的であるか、あるいは腫瘍に特異的な(EP259212参照)抗原性ペプチドであってもよい。
【0029】
好ましくは、核酸はさらに、治療遺伝子および/または所望の細胞または器官において抗原性ペプチドをコードする遺伝子の発現を許容する配列を含む。これらは本来、これらの配列が感染した細胞において機能できる場合に考慮される遺伝子の発現の原因である配列である。核酸は、異なる起源の配列(他の蛋白、または合成蛋白の発現の原因であるもの)であってもよい。特に、核酸は真核またはウイルス遺伝子のプロモーター配列を含むことができる。例えば、プロモーター配列は、感染するのが望ましい細胞のゲノムに由来するものであってもよい。同様に、プロモーター配列はウイルスのゲノム由来、例えば、遺伝子E1A、MLP、CMV、RSVなどのプロモーターであってもよい。加えて、これらの発現配列は活性化配列、調節配列などの付加により修飾される。
さらに、核酸は、特に治療薬の上流に、治療生成物を標的細胞の分泌経路中に合成させるシグナル配列を含んでもよい。このシグナル配列は、治療生成物の天然のシグナル配列であってもよいが、任意の他の機能的シグナル、または合成シグナル配列であってもよい。
【0030】
少なくとも一つの残存因子をエンコードするDNA
数例において、組成物は、少なくとも1つの残存因子をエンコードするDNAも含む。かかるDNAの例は、アデノウイルスプレターミナルプロテイン1をエンコードするDNAである(Lieber, et al. Nature Biotechnology 15(13): 1383-1387 (1997)参照)。
【0031】
生物学的薬剤
治療薬および化粧剤の両方を含む様々な生物学的薬剤が本発明において有用であり、治療される状態、予防法または他の方法、投与経路、薬剤の有効性および患者の体格および治療レジメに対する感受性に依存するであろう有効量において存在する。
負に帯電した主鎖に結合できる適当な治療薬は、例えば、鎮痛剤、抗喘息剤、抗生物質、抗鬱剤、抗糖尿病剤、抗真菌剤、制吐薬、抗高血圧剤、抗勃起不全剤、抗炎症剤、抗腫瘍薬、抗HIV薬、抗ウイルス薬、抗不安薬、避妊薬、排卵誘発剤、抗血栓症薬、前血栓症薬、ホルモン、ワクチン、免疫抑制剤、ビタミンなどを含む本質的に任意の種類の薬剤において見出すことができる。
適当な化粧剤としては、例えば、上皮成長因子(EGF)、ならびにヒト成長ホルモン、酸化防止剤、およびBOTOXが挙げられる。
【0032】
より詳細には、本発明において有用な治療薬としては、リドカイン、ノバカイン、ブピバカイン、プロカイン、テトラカイン、ベンゾカイン、コカイン、メピバカイン、エチドカイン、プロパラカインロピバカイン、プリロカインなどの鎮痛剤;アゼラスチン、ケトチフェン、トラキサノクス、コルチコステロイド、クロモリン、ネドクロミル、アルブテロール、ビトルテロールメシレート、ピルブテロール、サルメテロール、テルブチリン、テオフィリンなどの抗喘息薬;ネオマイシン、ストレプトマイシン、クロラムフェニコール、ノルフロキサシン、シプロフロキサシン、トリメトプリム、サルファメチロキサゾール、β−ラクタム抗生物質、テトラサイクリンなどの抗生物質;ネフォパム、オキシペルチン、イミプラミン、トラザドンなどの抗鬱薬;ビグアニジン、スルホニル尿素などの抗糖尿病薬;クロロプロマジン、フルフェナジン、ペルフェナジン、プロクロルペラジン、プロメタジン、チエチルペラジン、トリフルプロマジン、ハロペリドール、スコポラミン、ジフェニドール、トリメトベンズアミドなどの制吐薬および抗精神病薬;アトラキュリウムミバキュリウム、ロクロニウム、サクシニルコリン、ドキサクリウム、ツボクラリン、およびボツリヌス毒素(BOTOX)などの神経筋薬;アンホテリシンB、ナイスタチン、カンジシジン、イトラコナゾール、ケトコナゾール、ミコナゾール、クロトリマゾール、フルコナゾール、シクロピロクス、エコナゾール、ナフチフィン、テルビナフィン、グリセオフルビンなどの抗真菌剤;プロプラノルオール、プロパフェノン、オキシプレノロール、ニフェジピン、レゼルピンなどの抗高血圧薬;一酸化窒素ドナーなどの抗勃起不全薬;コルチゾン、ヒドロコルチゾン、デキサメタゾン、プレドニゾロン、プレドニゾン、フルアザコートなどのステロイド系抗炎症剤、ならびにインドメタシン、イブプロフェン、ラミフェニゾン、プリオキシカムなどの非ステロイド系抗炎症剤を包含する抗炎症剤;アドリアマイシン、シクロホスファミド、アクチノマイシン、ブレオマイシン、デュアノルビシン、ドキソルビシン、エピルビシン、マイトマイシン、ラパマイシン、メトトレキサート、フルオロウラシル、カルボプラチン、カルムスチン(BCNU)、シスプラチン、エトポシド、インターフェロン、フェンステリン、タキソール(類似体および誘導体を含む)、カンプトテシンおよびその誘導体、ビンブラスチン、ビンクリスチンなどの抗腫瘍薬;抗HIV薬(例えば、抗蛋白分解剤);アマンタジン、メチサゾン、イドクスウリジン、シタラビン、アシクロビル、ファミシクロビル、ガンシクロビル、フォスカルネット、ソリブジン、トリフルリジン、バラシクロビル、シドフォビル、ジダノシン、スタブジン、ザルシタビン、ジドブジン、リバビリン、リマンタチンなどの抗ウイルス剤;ダントロレン、ジアゼパムなどの抗不安薬;COX−2抑制剤;プロゲストゲンなどの避妊薬;GPIIb/IIIa抑制物質、組織プラスミノーゲンアクチベーター、ストレプトキナーゼ、ウロキナーゼ、ヘパリンなどの抗血栓症薬;インスリン、成長ホルモン、プロラクチン、EGF(上皮成長因子)などのホルモン;シクロスポリン、アザチオプリン、ミゾロビン、FK506、プレドニゾンなどの免疫抑制剤;VEGF(血管上皮成長因子)などの血管形成薬;ビタミンA、D、E、K等のビタミン類;および他の治療的または医薬的に活性な薬剤が挙げられる。例えば、GOODMAN & GILMAN’S THE PHARMACOLOGICAL BASIS OF THERAPEUTICS, Ninth Ed. Hardman, et al., eds. McGraw-Hill, (1996)参照。
最も好ましい例において、生物学的薬剤は、インスリン、ボツリヌス毒素(BOTOX)、VEGF、EGF、VEGFに対する抗体、およびTGF−β1から選択される。
【0033】
結合したイメージング部分、ターゲティング剤または治療薬を有する負に帯電した主鎖
前記成分群の内の3つ(イメージング部分、ターゲティング剤および治療薬)について、個々の化合物は負に帯電した主鎖に結合している。典型的には、結合は特定の薬剤を主鎖に対して該薬剤ならびに主鎖上に存在する官能基を介して共有結合させるためにも用いられる結合基による。さまざまな結合基が本発明のこの態様において有用である。例えば、Hermanson, Bioconjugate Techniques, Academic Press, San Diego, CA (1996); Wong, S.S. Ed., Chemistry of Protein Conjugation and Cross-Linking, CRC Press, Inc., Boca Raton, FL (1991); Senter, et al., J. Org. Chem. 55: 2975-78 (1990); およびKoneko, et al., Bioconjugate Chem. 2: 133-141 (1991)参照。
数例において、治療薬、診断薬またはターゲティング剤は結合基の結合のために利用可能な官能基を有さず、まず、例えば、ヒドロキシ、アミノ、またはチオール置換基を組み入れるために修飾できる。好ましくは、置換基を該薬剤の非妨害部分において設け、結合基を結合させるために用いることができ、該薬剤の機能に悪影響を及ぼさないであろう。
【0034】
さらにもう一つの態様において、本発明は、少なくとも1つの結合した効率基およびRNA、DNA、リボザイム、修飾オリゴヌクレオチドおよび選択された導入遺伝子をエンコードするcDNAからなる群から選択される少なくとも1つの核酸要素を有する正に帯電した主鎖の非共有複合体を含む組成物を提供する。本発明のこの態様において、正に帯電した主鎖は本質的に前記の正に帯電した主鎖の任意のものであり、さらに少なくとも1つの結合した効率基を含む(前記の選択された主鎖に関して)。適当な効率基としては、例えば、(Gly)n1−(Arg)n2(式中、下付き文字n1は3〜約5の整数であり、下付き文字n2は約7〜約17の奇数である)またはTATドメインが挙げられる。さらに、本発明のこの態様において有用な核酸は前記と同じである。
【0035】
組成物の調製法
もう一つの態様において、本発明は医薬組成物の調製法であって、正に帯電した主鎖成分および:
i)複数の結合したイメージング部分を有する第一の負に帯電した主鎖;
ii)複数の結合したターゲティング剤を有する第二の負に帯電した主鎖;
iii)RNA、DNA、リボザイム、修飾オリゴヌクレオチドおよび選択された導入遺伝子をエンコードするcDNAからなる群から選択される少なくとも1つの要素;
iv)少なくとも一つの残存因子をエンコードするDNA;および
v)複数の結合した治療薬を有する第三の負に帯電した主鎖
から選択される少なくとも2つの要素を、医薬的に許容される担体と合わせて、正味正の電荷を有する非共有複合体を形成することを含む方法を提供する(ただし、i)からv)群からの2つの要素のうち少なくとも1つがi)、iii)またはv)群から選択されるとする)。
【0036】
本発明の広範囲におよぶ適用性は、様々な医薬組成物が容易に処方できることにより説明される。典型的には、組成物は正に帯電した主鎖成分を関心のある所望の成分(例えば、DNA、ターゲティング、イメージングまたは治療成分)と、様々な正味正の電荷を有する組成物を得るための比率およびシーケンスにおいて混合することにより調製される。多くの例において、組成物は、例えば、医薬的に許容される担体および組成物の投与のための希釈剤を用いて患者の枕元で調製できる。別法として、組成物は、成分を適当に混合することにより調製し、その後凍結乾燥し、使用されるまで貯蔵(典型的には室温以下で)することができるか、または適当な送達ビヒクルに処方することができる。
組成物は、局所、皮膚、経口、直腸、膣、非経口、鼻内、静脈内、筋肉内、皮下、眼内、経皮投与などに適した混合物を提供するために処方できる。本発明の医薬組成物は、好ましくは、注射可能な処方用、特に所望の器官中への直接注入用、または局所投与用(皮膚および/または粘膜に対して)の医薬的に許容されるビヒクルを含む。これらは特に、滅菌、等張溶液または乾燥組成物であってもよく、特に、場合によって滅菌水または生理食塩水の添加により注入可能な溶液を調製できる凍結乾燥組成物であってもよい。例えば、注射に用いられる核酸の用量および投与の回数は、様々なパラメーターに従って、特に使用される投与用式、関連する病状、発現される遺伝子、あるいは所望の治療期間に従って適合させることができる。
【0037】
組成物の使用法
送達方法
本発明の組成物は、対象、細胞または標的部位に、インビボまたはエクスビボのいずれかで様々な方法を用いて送達できる。実際、組成物を最終的に処置される組織と接触させるために通常用いられる任意の経路を用いることができる。好ましくは、組成物は医薬的に許容される担体とともに投与される。かかる化合物の適当な投与方法は、当業者に利用可能で周知であり、特定の組成物を投与するために1以上の経路を用いることができるが、ある特定の経路が別の経路よりもより即時性で、より有効な反応を提供できることが多い。医薬的に許容される担体は、投与される特定の組成物により一部決定され、組成物を投与するために用いられる特定の方法によっても決定される。従って、さまざまな本発明の医薬組成物の適当な処方が存在する(例えば、Remington’s Pharmaceutical Sciences, 17th ed. 1985参照)。
【0038】
投与は、例えば、静脈内、局所、腹膜組織内、皮下、経皮、筋肉内、経口、関節内、非経口、鼻内または吸入によりできる。従って、適当な投与部位としては、これらに限定されないが、皮膚、気管支、胃腸管、眼および耳が挙げられる。組成物は典型的には慣用の医薬担体または賦形剤を含み、さらに他の医薬、担体、アジュバントなどを含むことができる。好ましくは、処方は約5重量%から75重量%が本発明の組成物であり、残りは適当な医薬賦形剤からなる。適当な賦形剤は、特定の組成物および投与経路に対して当業者によく知られた方法により調整することができる(例えば、REMINGTON’S PHARMACEUTICAL SCIENCES, 18TH ED., Mack Publishing Co., Easton, PA (1990))。
処方は、固体、半固体、凍結乾燥粉末、または液体投与形態、例えば、錠剤、丸薬、カプセル、散剤、溶液、懸濁液、乳液、坐剤、浣腸、クリーム、軟膏、ローション、エアゾルなどの形態をとることができる。医薬組成物が丸薬、錠剤またはカプセルの形態をとる例において、処方は、生物学的に活性な組成物とともに、任意の次のものを含むことができる:希釈剤、例えば、ラクトース、シュークロース、リン酸二カルシウムなど;崩壊剤、たとえば、デンプンまたはその誘導体;滑剤、例えば、ステアリン酸マグネシウムなど;および結合剤、例えば、デンプン、アラビアゴム、ポリビニルピロリドン、ゼラチン、セルロースおよびその誘導体。組成物は、アンプルまたはバイアルなどの単または多剤密封容器中に提示することができる。患者に投与される用量は、長時間にわたって患者において有用な治療的応答をもたらすために十分でなければならない。
【0039】
いくつかの例において、徐放性処方は、生物または培養物中の細胞に投与することができ、所望の組成を有することができる。徐放性組成物は、生物の組織に、例えば、注射により投与することができる。「徐放性」とは、組成物、好ましくは関心のある導入遺伝子または治療薬をエンコードするものが、まわりの組織または培養物中の細胞により、例えば、塩溶液などの粘度が低い媒体中の組成物の投与により達成されるよりも長い時間吸収されるために利用可能にされることを意味する。
組成物は、単独または他の適当な成分との組み合わせにおいて、吸入により投与されるエアゾル処方にすることができる(すなわち、噴霧することができる)。エアゾル処方は、圧縮された許容されるプロペラント、例えば、ジクロロジフルオロメタン、プロパン、窒素などの中に入れることができる。吸入による送達に関して、組成物は乾燥粉末として送達することもできる(例えば、吸入療法)。
【0040】
例えば、静脈内、筋肉内、皮内、および皮下経路による非経口投与に適した処方は、水性および非水性、等張、滅菌注射溶液を含み、これは酸化防止剤、緩衝剤、静菌剤、および処方を意図する受容体の血液と等張にする溶質、ならびに懸濁化剤、可溶化剤、増粘剤、安定化剤、および保存料を含むことができる水性および非水性滅菌懸濁液を含むことができる。
他の投与方法としては、これらに限定されないが、血管形成バルーン、カテーテル、およびゲル形成を用いた投与が挙げられる。血管形成バルーン、カテーテルおよびゲル形成送達は、当業者によく知られている。
【0041】
イメージング法
当業者は、本発明の組成物は様々なイメージング用途について調整できることを理解するであろう。一例において、イメージングの成分ベースのシステムを用いて仮想結腸内視術を行うことができる。目下、仮想結腸内視術は本質的に結腸中に造影剤を注入し、CTで画像を可視化し、その後3−Dイメージを復元することを含む。同様の技術をMRについて用いることができる。しかしながら、便、粘膜、および空気はすべて造影剤バリヤとしての働きをし、結腸壁復元に人口的表面を与える。細胞標的造影剤の添加により、真の壁復元をするためにこれらの障壁を克服することを助け、疑似陽性および疑似陰性の両方を回避する助けとなる。成分ベースのシステムをここに適用できるいくつかの方法がある。最も簡単には、カチオン性有効主鎖を単一の造影剤(CTまたはMR)で適用できる。このようにして、細胞表面層を可視化でき、任意の不規則性または障害はイメージ復元において明らかにされる。しかしながら、成分ベースの系は、特異的な第二の薬剤を添加することもできる。この薬剤はカチオン性有効主鎖、異なるイメージング部分、およびターゲティング成分(例えば、結腸癌に特徴的な2つの抗原を標的とする)からなる。イメージング部分(単純なものから診断用まで)は、一つがCT造影剤であり、他がMR造影剤であるか、または両方がMR造影剤であって、一方がT2剤であり、他がT1剤であるように選択できる。このようにして、表面は以前通りに復元でき、腫瘍抗原に対して特異的な任意の領域を可視化でき、元の復元されたものの上に重ねることができる。さらに、治療薬を標的とされる診断システム中にも組み入れることができる。同様の方法を限局性回腸炎および潰瘍性大腸炎に適用することができる(また、療法と組み合わせることができる)。
【実施例】
【0042】
実施例1
この実施例は、正に帯電した主鎖、イメージング部分、および導入遺伝子をエンコードするcDNAが結合した負に帯電した主鎖を有する組成物の調製および評価を説明する。評価はインビトロである。
次の成分を調製する:
1.Lysの側鎖アミノ末端によりGlyArgのカルボキシ末端と20%の飽和度で結合したGlyArgを有するポリリシンからなる正に帯電した主鎖。リン酸塩緩衝塩溶液(PBS)中1.5mg/mLの濃度で主鎖部分の溶液を調製する。
2.サイトメガロウイルス(CMV)プロモーターの制御下で青色蛍光蛋白を発現するcDNAを調製し、PBS中0.5mg/mL濃度で使用する。
3.デキストラン−DOTA−ガドリニウム錯体(Casaliら、Acad. Radiol.5:S214-S218 (1998)参照)をPBS中1:2の希釈度で使用する。
次の混合物(a)を三重反復試験において調製する:100μLの前記「2」を60μLの前記「3」と混合し、140μLのPBSで希釈し、45秒間撹拌する。
【0043】
次のものを含む3個の異なる試験管を調製した:
(b)400μLの前記「1」、(c)200μLのPBSで希釈した200μLの前記「1」および(d)300μLのPBSで希釈した100μLの前記「1」。
3個の試験管すべてを45秒間撹拌する。「a」の試験管を「b」、「c」、および「d」のそれぞれの試験管と併せて、90秒間撹拌する。これらの組み合わせた混合物のそれぞれの200μLを、HA−VSMC細胞(ATCC, Rockville, MD)を含む6−ウェル細胞培養プレート上の別個のウェル(三重複試験)中に入れる。各ウェルを、トランスフェクションの前に、無色素、無血清M−199メディアで一回予洗する。細胞/トランスフェクション剤混合物を、37℃で加湿10%COチャンバー中で4.5時間インキュベートし、M−199メディアで洗浄し、次に10%FBSとともにインキュベートする。直ちに初期分布のMR分光分析においてイメージ化する。24時間後、分光分析を繰り返し、その後細胞をプレートから除去し、青色蛍光蛋白についてFACS分析を用いてトランスフェクションの効率を測定する。
【0044】
実施例2
この実施例は、細胞毒性遺伝子を担うイメージ化された腫瘍特異性複合体である本発明の組成物の調製を説明する。
次の成分を調製する:
1.Lysの側鎖アミノ末端によりGlyArgのカルボキシ末端と20%の飽和度で結合したGlyArgを有するポリリシンからなる正に帯電した主鎖。リン酸塩緩衝塩溶液(PBS)中1.5mg/mLの濃度で主鎖部分の溶液を調製する。
2.サイトメガロウイルス(CMV)プロモーターの制御下で単純ヘルペスウイルスチミジンキナーゼを発現するcDNAを、PBS中0.5mg/mL濃度で使用する。
3.デキストラン−DOTA−ガドリニウム錯体をPBS中1:2の希釈度で使用する。
4.前記「2」の成分に対して1:2の負電荷比を得るために選択されたサイズ範囲およびPBS中濃度のデキストランに対して5%の飽和度の所望の腫瘍抗原に対して特異性の接合Fabフラグメント。
【0045】
次の混合物(a)を三重反復試験において調製する:100μLの前記「2」を60μLの前記「3」および100μLの「4」と混合し、40μLのPBSで希釈し、45秒間撹拌する。3個の異なる試験管:(b)400μLの前記「1」、(c)200μLのPBSで希釈した200μLの前記「1」および(d)300μLのPBSで希釈した100μLの前記「1」。3個の試験管すべてを45秒間撹拌する。「a」の試験管を「b」と合わせ、90秒間撹拌して混合物Bを調製する。「a」の試験管を「c」と合わせて90秒間撹拌して混合物Cを調製する。「a」の試験管を「d」と合わせて90秒間撹拌して混合物Dを調製する。これらの合わせた混合物のそれぞれの200μLを、200μLの冷30%pluronic F−127(BASF)とあわせて使用する。合わせた溶液を、インビトロでの推定腫瘍の切除バイオプシーにより形成された潜在的な空間中に注入する。移植後、1日後および3日後にMRにおいてイメージ化する。移植直後、FDAガイドラインに従ってガンシクロビルの全身性投与を開始する。この複合システムにより所望の腫瘍細胞の診断的イメージングならびにこれらの同じ細胞の細胞毒性療法ができる。ゲル(pluronic)分布を時間0でイメージ化する。24時間後、ゲルは分解し、コントラストシグナルは残存する腫瘍微小浸潤の位置ならびに排液経路に沿ったシード部位に集中する。残存腫瘍のイメージングをこのようにして行う。ガンシクロビル活性はHSV−TK吸収領域に集中するので、標的療法もこのシステムにおいて行われる。療法に対する反応のモニタリングもイメージングにより同様に行われる。
【0046】
実施例3
この実施例は、細胞培養におけるトランスフェクションの多成分法の使用を説明する。
この実施例において、成分ベースの方法の一回分を評価するために6−ウェルプレートを使用した。グリシンの末端のカルボキシルをリシン側鎖の遊離アミンと18%の飽和度(すなわち、それぞれ100のリシン残基の内18をGlyArgと接合させる)で接合させることにより、−GlyArgをポリリシン150000と接合することにより、正に帯電した主鎖を調製した。結果として得られた主鎖をNUNU−01と命名した。
次の混合物を調製した:
1)CMVプロモーターにより駆動される青色蛍光蛋白を発現するプラスミドの0.5mg/mL溶液に対して4:1の電荷比のポリリシン(150000)。
2)CMVプロモーターにより駆動される青色蛍光蛋白を発現するプラスミドの0.5mg/mL溶液に対して15:1の比のNUNU−01。
3)CMVプロモーターにより駆動される青色蛍光蛋白を発現するプラスミドの0.5mg/mL溶液に対して10:1の比のNUNU−01。
4)CMVプロモーターにより駆動される青色蛍光蛋白を発現するプラスミドの0.5mg/mL溶液に対して4:1の比のNUNU−01。
5)CMVプロモーターにより駆動される青色蛍光蛋白を発現するプラスミドの0.5mg/mL溶液に対して1.25:1の比のNUNU−01。
6)CMVプロモーターにより駆動される青色蛍光蛋白を発現するプラスミドの0.5mg/mL溶液に対して5:1の比の製造業者の推奨に従ったSuperfect(Quiagen)。
【0047】
約1.0mLのそれぞれの溶液を6ウェルプレート上70%コフルエントHA−VSMC一次ヒト大動脈平滑筋細胞(継代21;ATCC, Rockville, MD)に添加し、10%血清を含むM−199中で48時間成長させた。低倍率の写真(全体で10倍)を青色蛍光蛋白フィルターおよびプランアポクロマートレンズを備えたNikon E600エピ蛍光顕微鏡を用いて各ウェルの上部から60度、180度および200度で撮影した。Image Pro Plus 3.0イメージ分析セットを用いて正である全細胞面積の割合を測定し、遺伝子送達の効率として記載した。ウェルをその後、色素排除試験(可視細胞は色素を排除するが、不可視細胞は排除できない)において評価し、続いて、リン酸塩緩衝塩溶液中0.4%SDS中に可溶化させた。サンプルをSpectronic Genesys 5UV/VIS分光光度計で595nmの波長(青色)で評価して、不可視細胞をトランスフェクション剤毒性の直接的尺度として定量化した。
【0048】
効率の結果は次の通りである(平均±標準誤差):
1)0.163±0.106%
2)10.642±2.195%
3)8.797±3.839%
4)15.035±1.098%
5)17.574±6.807%
6)1.199±0.573%
実験#4および#5は、ポリリシン単独およびSuperfectの両方と比較して統計的に有意な(Fisher PLSDおよびTUKEY−A posthoc試験での一因子ANOVA反復測定によりP<0.05)遺伝子送達効率の向上を示す。平均毒性データは次の通りである:
塩溶液−0.057A; 1)3.460A; 2)0.251A; 3)0.291A; 4)0.243A; 5)0.297A; 6)0.337A
結果として、毒性が低く、より有効な遺伝子送達が、NUNU−01のDNAに対する比が1.25〜4.0で達成できる。
【0049】
実施例4
この実施例は、本発明の組成物を用いた治療薬の経皮送達を説明する。
KおよびKNRのビオチニル化:
ポリリシン(K)および効率基が結合したポリリシン(KNR)をビオチンのスルホ−NHSエステルでビオチニル化した。
材料:およそMW=112000を有する蛋白KおよびKNRをスルホ−NHS−LCビオチン、MW=556(Pierce Scientific, Rockford, IL)とともに用いた。
方法:KおよびKNRは両方とも類似した分子量を有するので、これらについた同じ方法および計算を用いた。KNRについての方法を以下に詳細に説明する。
1.リン酸塩緩衝塩溶液中1mg/mL(8.9×10−6ミリモル/mL)の濃度でストックKNR溶液を調製した。
2.使用直前に脱イオン水中10mg/mL濃度でスルホ−NHS−LC−ビオチンのストック溶液を調製した。40倍モル過剰のビオチン試薬を生じるために添加されるビオチン試薬の量を1mg/mL蛋白溶液について計算した。
計算:
・モル蛋白*40倍モル過剰=スルホ−NHS−LC−ビオチン(ミリモル)
8.9×10−6ミリモルデキストラン*40倍=3.57×10−4ミリモルのスルホ−NHS−LC−ビオチン試薬を添加
→3.57×10−4ミリモルのスルホ−NHS−LC−ビオチン*556MWのスルホ−NHS−LC−ビオチン=ビオチン=1.98mgのスルホ−NHS−LC−ビオチン試薬を添加
従って、200mLのスルホ−NHS−LC−ビオチンストック溶液(合計2.0mg)を1.0mL KNRストック溶液に添加した。
3.蛋白およびビオチン試薬を含む試験管を室温で30分間インキュベートした。
4.反応混合物をミクロ透析装置(30KDの分子量カットオフ、Pierce, Scientific, Rockford, IL)に添加し、4000×gで遠心分離して、未反応ビオチンを除去した。2.0体積のPBSで希釈し、再透析した。生成物を「KNR−B」と命名した。
【0050】
インスリンのビオチニル化:
インスリンもビオチンのスルホ−NHSエステルでビオチニル化した。
材料:インスリン、MW=5733.5(Sigma Chemical, St Louis, MO)およびスルホ−NHS−LCビオチン、MW=556(Pierce Scientific, Rockford, IL)。
方法:
1.リン酸塩緩衝塩溶液中10mg/ml(1.74×10−3ミリモル/mLインスリン)の濃度でストックインスリン溶液を調製した。
2.使用直前に脱イオン水中10mg/mL濃度でスルホ−NHS−LC−ビオチンのストック溶液を調製した。12モル過剰のビオチン試薬を生じるために1mg/mL蛋白溶液に添加されるビオチン試薬の量を計算した。
計算:
・添加されるビオチン試薬のミリモル数を計算した:
モル蛋白*12倍モル過剰=試薬(ミリモル)
1.74×10−3ミリモルインスリン*12倍=2.09×10−2ミリモルのスルホ−NHS−LC−ビオチン試薬を添加
→2.09×10−2ミリモル*556MWのスルホ−NHS−LCビオチン=11.64mgのスルホ−NHS−LC−ビオチン試薬を添加
従って、1.164mLのスルホ−NHS−LC−ビオチンストック溶液(合計11.64mg)を1.0mLのインスリンストック溶液に添加した。
3.インスリンおよびビオチン試薬を含む試験管を室温で30分間インキュベートした。生成物を「インスリンB」と命名した。
【0051】
皮膚の採集:
ビオチニル化主鎖および/またはインスリンが皮膚を透過するかどうかを調べるための経皮処置のために、8週令のメスC57BLマウスの背中の皮膚を採集した。
方法:
1.c57BL6マウスをCOチャンバー中で安楽死させた後、解剖用はさみを用いて約6cmのマウスの背中皮膚を採集した。
2.皮膚を6の均一な断片に分割し、それぞれを6−ウェルプレートの一つのウェル上に置いた。
3.ダルベッコの修飾イーグル培地(DMEM)を各プレートウェルに添加した。
4.採集した皮膚をピンで止めるために24ウェルプレートを調製した。小さなスポンジを各ウェル中に入れた。
5.採集した皮膚サンプルを5のさらに小さな断片に切断し、各断片をスポンジの上部においた。
6.採集した皮膚の端を4本の針で留めた。
7.DMEMを各ウェルに添加するが、採集した皮膚を培地中に浸さないように注意した。
8.処置の準備できるまでプレートを氷上でインキュベートした。
【0052】
経皮処置の準備:
1.2mLのCetaphilローション(Galderma)中、次の6の治療薬を調製した:
【表1】

【0053】
2.試験管A〜Dについて、2mLのCetaphilローション中200μgのKNRまたはKを各試験管に添加し、均一に混合した。ビオチンを含まない1mLのポリ−L−リシン(K)を各試験管に添加し、均一に混合した。
3.試験管Eについて、2mLのCetaphilローション中200μgのKNRを添加し、均一に混合した。
4.5.11μLを約995μLのPBS中に添加することにより、ビオチニル化インスリンの200倍希釈物を調製した。
PBS中に溶解した蛋白を計算した:
KNR=8.9×10−9モル/mL
K=8.9×10−9モル/ml
インスリン=1.74×10−6モル/mL
試験管中の蛋白を計算した:
KNR=8.9×10−10モル/mL
K=8.9×10−10モル/ml
【0054】
5.試験管EおよびFについて、33μLの希釈されたビオチニル化インスリン溶液および70μLのPBSを添加し、均一に混合した。
6.試験管AおよびCについて、100μLの通常のインスリンを添加し、均一に混合した。
7.試験管BおよびDについて、33μLの通常のインスリンおよび70μLのPBSを添加し、均一に混合した。
【0055】
処置の時点:
1.採集した皮膚プレートを氷インキュべーションから除去した。
2.各試験管をピンで固定した皮膚サンプルの適当なカラムにかけた。
3.それぞれ15、30、60分および17時間の最後に採集した皮膚を−35℃のフリーザーに移した。採集した皮膚を一夜凍結した状態に維持した。
4.凍結した採集皮膚サンプルをとり、これを氷インキュべーション上においた。
5.凍結した採集した皮膚サンプルをさらに小さな断片に切り出した。
6.ホルムアルデヒドを入れた試験管に一断片を移した。
7.第二の断片を空の試験管に移し、これを貯蔵するためにフリーザー中に入れた。
8.液体アセトンおよびドライアイス溶液中O.C.T.化合物中第三の断片を凍結させた。凍結サンプルを凍結断片のフリーザー中に入れた。
【0056】
材料:NeutraAvidinアルカリホスファターゼ接合(Pierce Scientific, Rockford, IL);Tris−HCl緩衝液、pH=7.2(Pierce Scientific, Rockford, IL);NBT/BCIP溶液(Pierce Scientific, Rockford, IL)。
方法:
1.50μLのNeutraAvidinを添加し、Tris−HCl緩衝液で体積を50mLまでにした。
2.1mLのNeutraAvidinおよび緩衝溶液を採集された皮膚サンプルの各試験管に添加した。
3.採集された皮膚サンプルの試験管を1時間、NeutraAvidinおよび緩衝溶液中で実験した。
4.1mLのNBT/BCIPをそれぞれ新しい空の試験管に添加し、各試験管を標識した。
5.皮膚をNeutraAvidinおよび緩衝溶液から取り出した。皮膚をPBS中4回洗浄し、適当なNBT/BCIP試験管中に入れた。
6.採集された皮膚サンプルの試験管をNBT/BCIP溶液中1時間実験した。
7.1mLの冷PBSで再度リンスした。
8.標識したサンプル中採集した皮膚サンプルを貯蔵した。
9.皮膚サンプルを二等分し、二等分された面を写真撮影した。
【0057】
結果:
【表2】

【0058】
図3〜10は処方A(図3および4)、処方C(図5および6)、処方E(図7および8)、および処方F(図9および10)の送達の15分後(図3、5、7、9)および17時間後(図4、6、8、10)に得られた結果の代表的な顕微鏡写真を表す。正に帯電した主鎖としてKを有する複合体を受容した対照群は低レベルの主に小胞への主鎖の受動的伝達を示すが(図5および6)、実質的に治療薬は送達されない(図7および8)。対照的に、KNRを含む複合体で処置された群は、あらゆるレベルの表皮および真皮に対して主鎖(図3および4)および治療薬(図9および10)両方の高レベルの送達を示す。従って、この実施例により得られる処方は治療薬の有効な経皮送達を可能にする。
【0059】
実施例5
この実施例は結合したF(ab)フラグメントを用いた組成物の標的送達を説明する。
一般原理:
IgG抗体を開裂してF(ab)フラグメントを得、次に精製してFcおよび未反応IgG抗体を除去した。F(ab)フラグメントを次にアルデヒド活性化(酸化)デキストランと縮合した。過剰のアルデヒドをトリスで急冷し、遊離ヒドロキシルをリン酸エステル化して、高度に負に帯電したデキストランリン酸塩と共有結合したF(ab)フラグメント(包括的に「標的成分」と称する)を得た。次にこの標的成分、インスリン、および効率成分(「KNR」)を有する正に帯電した主鎖の間に自己集合性複合体が形成された。自己集合性複合体の、複合体の標的抗原を有する細胞への送達を向上させる能力を次に評価した。
【0060】
F(ab)開裂:
平滑筋細胞を認識するF(ab)フラグメントが、平滑筋α−アクチン(クローン1A9、DAKO, Carpinteria, CA)に対するIgG抗体の固定化ペプシン(Pierce Chemical, Rockford, IL)消化により生成した。
方法:
1.クローン1A9をpH4.5の20mMリン酸ナトリウム緩衝液に対して1mg/mLで透析した。
2.0.1M酢酸ナトリウム(pH4.5)+0.05%アジ化ナトリウム中50%グリセロールを含む50%グリセロール(v/v)水性スラリーとして固定化ペプシンを供給した。ペプシンゲル−グリセロール−水スラリーを反転させることにより混合した。
3.0.25mLの固定化ペプシンの50%スラリーをガラス試験管(0.125mLの固定化ペプシンゲル)に添加した。
【0061】
4.4.0mLの脱イオン水中20mM酢酸ナトリウム(pH4.0)(「消化緩衝液」)を添加した。反転することによりよく混合した。血清分離器または遠心分離器を用いて(1000×gで5分間)緩衝液からゲルを分離した。緩衝液を捨て、新たな4.0mLの緩衝液を用いてこの洗浄工程を繰り返した。
5.固定化ペプシンを0.5mLの消化緩衝液中に再懸濁した。
6.フラグメントの生成:1.0mLの透析された1A9IgGを、固定化ペプシンを含む試験管に添加した。試験管を37℃、高速で振とうする水浴中で4時間インキュベートした。インキュべーションの間、ゲルを一定して混合した。
7.1.5mLの10mMTris−HCl、pH7.5を試験管に添加した。可溶化F(ab)およびFcおよび未消化IgGを固定化ペプシンゲルから血清分離管を用いて分離した。1000×gで5分間遠心分離し、フラグメントを含む上清を除去した。
【0062】
F(ab)精製:
F(ab)フラグメントの未消化IgGおよびFcフラグメントからの分離は固定化蛋白Aカラムを用いて行った。
材料:ペプシン+Tris−HClから調製された蛋白サンプル;緩衝液A(0.2M NaHPO(2.4gを使用)、0.15M NaCl(8.8gを使用)、脱イオンHOで1リットルの体積に調節し、pHを8.0にするために必要な量);緩衝液B(0.2M NaHPO(0.676g)、0.1Mクエン酸(22.5ml)、脱イオンHO(46.3ml)、pHを4.5に調節)。
方法:(注:緩衝液Aを使用)
1.マイクロピペットにできるだけ均一に綿を充填した。
2.緩衝液A中樹脂の1:1懸濁液(1000μLの緩衝液Aを樹脂中に添加した。1mLの懸濁液をカラムに注いだ。カラムを沈殿するように流出させた。沈殿したら、カラムを10mLの緩衝液Aで洗浄した)。
3.蛋白サンプルをカラムにゆっくりと添加した。
4.F(ab)フラグメントを12mLの緩衝液Aで溶出した。F(ab)溶出液の合計体積(カラムロードを含む)は従って14.4mLであった。
5.1.5mLの緩衝液Bを用いて未反応IgGおよびFcフラグメントをカラムからストリップした。
6.分光光度計(Spectronic Genesys 5)を用いて吸光度を測定し、記録して、溶出液中の蛋白を確認した。以下に示すのは記録された分光値である:
【表3】

【0063】
F(ab)濃縮:
F(ab)溶出液を精製し、トリクロロ酢酸(TCA)蛋白沈殿を用いて濃縮した。
方法:
1.等体積の20%TCA(w/v、脱イオン水中、Sigma Chemical, St Louis,MO)をF(ab)カラム溶出液に添加した。
2.サンプルを30分間氷上でインキュベートした。
3.サンプルをマイクロ遠心機中で4000×gで15分間4℃で遠心分離した。
4.上清を慎重に除去した。
5.300μLの冷アセトンを各管に添加し、再度4000×gで5分間4℃で遠心分離した。
6.上清を除去し、F(ab)を乾燥させた。
7.F(ab)蛋白ペレットを1.0mLのリン酸塩緩衝塩溶液中に懸濁させた。
【0064】
F(ab)のアルデヒド活性化デキストランへのカップリング:
材料:アルデヒド活性化デキストランカップリングキット(Pierce, Rockford, IL)。[注:アルデヒド活性化デキストランはデキストランの過ヨウ素酸塩処理によっても得ることができる]
方法:
1.アルデヒド活性化デキストランカップリングキットを室温にする。
2.0.5mLの64mg/mLのナトリウムシアノボロヒドリドのリン酸緩衝塩溶液中ストック溶液(0.5mL中32mg)を調製した。
3.1.0mLの5mg/mLのリン酸緩衝塩溶液中アルデヒド活性化デキストランストック溶液を調製した。
4.1.0mLの精製、濃縮された前記F(ab)を1.0mLのアルデヒド活性化デキストランストック溶液に添加した。
5.0.2mLのナトリウムシアノボロヒドリドストック溶液をアルデヒド−F(ab)混合物に添加した。撹拌により混合し、室温で暗所中一夜インキュベートした。
6.一夜インキュべーションした後、0.5mLの1.0M Tris−HCl、pH7.2を反応混合物に添加することにより残存するアルデヒド基をブロックした。溶液を室温で1時間インキュベートした。
7.生成物を「F(ab)(aact)−d−t」(合計体積2.7mL)とした。
8.F(ab)混合物の代わりに1.0mLの脱イオン水を用いて同じ手順を行った。生成物は「d−t」と称し、特異的抗原を標的としない対照である。
【0065】
F(ab)(aact)−d−tのリン酸エステル化:
1.50mg/mLの脱イオン水中ポリリン酸(Acros Organics, Pittsburgh, PA)のストック溶液を調製した。
2.100μLのポリリン酸ストック溶液を1.0mLのF(ab)(aact)−d−tに添加し、室温で60分間インキュベートした。
3.反応混合物をミクロ透析器(分子量カットオフ30kD、Pierce, Scientific, Rockford, IL)に添加し、4000×gで遠心分離して、未反応ポリリン酸を除去した。2.0体積のPBS(PH7.4)で洗浄し、再透析した。生成物を「F(ab)(aact)−d−t−p」と命名し、ターゲティングをするための結合F(ab)フラグメントを有する負に帯電したポリマーである。
4.1.0mLのd−tをF(ab)(aact)−d−tの代わりに用いて、同じ手順を行った。生成物を「d−t−p」と命名し、特異的抗原を標的としない負に帯電したポリマー対照である。
【0066】
特定の抗原(平滑筋細胞α−アクチン)を有する治療的複合体送達のターゲティング:
1.オスニュージーランドシロウサギ(3.0〜3.5kg)をNIHおよび規格化ガイドラインに従って使用した(n=3動物)。全身麻酔下(ケタミン/キシラジン誘発およびハロタン維持)、右総大腿動脈を分離し、外膜の周囲を露出させた。2mm×2cmSAVVY血管形成バルーン(Cordis, Miami, FL)を動脈切開により浅大腿動脈中に導入し、総大腿動脈中へ進めた。バルーンを6気圧まで1分サイクルで2回ふくらませ、その後回収した。
2.機械的拡張の28日後、動脈を潅流固定し、採集した。採集された動脈(長さ約1.5cm)を10%中性緩衝処方中12〜16時間後固定し、パラフィン包埋前に3等分した。各断片の隣接(頭蓋)面から連続(5μm)断面を得た。
3.断片のパラフィンを除去し、脱水した(n=9/群)。非特異的結合部位をBLOTTO(Pierce Scientific, Rockford, IL)でブロックし、リン酸塩緩衝塩溶液でリンスした。
4.次の治療組成物に対応させるために処置を「1p」および「2p」と命名した:[注:「KNR−B」は前記のようにして調製した]
【0067】
【表4】

【0068】
180μLのリン酸塩緩衝塩溶液、5μLの蛋白治療薬および5μLのターゲティング剤(両方の負の正味表面電荷)をミクロ遠心管中で混合し、15分間撹拌した。10μLのターゲティング剤(正に帯電)を添加し、直ちに60秒間撹拌した。キャピラリーギャップ法を用いて、9断片をそれぞれ1pまたは2pのいずれかとともに室温で一夜インキュベートした。
5.スライドをリンスし、1:100希釈度のニュートラビジン−アルカリホスファターゼ(Pierce Scientific, Rockford, IL)中一夜インキュベートした。
6.スライドをリンスし、NBT/BCIP(Pierce Scientific, Rockford, IL;アルカリホスファターゼの基質)中15分間インキュベートした。塩溶液でリンスし、写真を撮影した。
【0069】
図11において示すように、1P処置からの断片により、外膜において最も強い染色を示す2P断片と比較して、断面(主に高レベルのα−アクチンを有する平滑筋細胞からなる)のメディアにおける陽性(青〜紫)染色における増加が明らかになり、図12において示すように平滑筋細胞についての非特異的ターゲティングは向上されないことが明らかになった。従って、F(ab)(aact)−d−t−pを有する複合体は平滑筋細胞への特異的送達において相対的増加を示し、治療薬の送達は従って特定の抗原を有する細胞について効率を増大することができる。
【0070】
本明細書に記載された実施例および具体例は単に例示的なものであって、これを考慮した様々な修正および変更は当業者に示唆され、本出願の精神および範囲ならびに添付の請求の範囲の範囲内に含まれると理解される。本明細書に記載されたすべての刊行物、特許および特許出願はその全体においてあらゆる目的に関して出典明示により本発明の一部とする。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
a)正に帯電した主鎖と;
b)i)複数の結合したイメージング部分を有する第一の負に帯電した主鎖;
ii)複数の結合したターゲティング剤を有する第二の負に帯電した主鎖;
iii)RNA、DNA、リボザイム、修飾オリゴヌクレオチドおよび選択された導入遺伝子をエンコードするcDNAからなる群から選択される少なくとも一つの要素;
iv)少なくとも一つの残存因子をエンコードするDNA;および
v)複数の結合した生物学的薬剤を有する第三の負に帯電した主鎖
からなる群から選択される少なくとも2つの要素と
の非共有結合複合体を含む組成物であって、その結合複合体が正味正電荷を有し、b)群からの前記の2つの要素のうちの少なくとも1つがi)、iii)またはv)群から選択される、組成物。
【請求項2】
生物学的薬剤が治療薬であるところの、請求項1記載の組成物。
【請求項3】
治療薬が、VEGF、ボツリヌス毒素、VEGFのブロッカーおよびインスリンからなる群から選択されるところの、請求項2記載の組成物。
【請求項4】
生物学的薬剤が化粧剤であるところの、請求項1記載の組成物。
【請求項5】
化粧剤が上皮増殖因子であるところの、請求項4記載の組成物。
【請求項6】
i)からv)の群から選択される少なくとも3つの要素を含む、請求項1記載の組成物。
【請求項7】
i)、ii)、iii)およびiv)の群のそれぞれからの少なくとも1つの要素を含む、請求項1記載の組成物。
【請求項8】
i)およびii)の群のそれぞれからの少なくとも1つの要素を含む、請求項1記載の組成物。
【請求項9】
ii)、iii)およびiv)の群のそれぞれの少なくとも1つの要素を含む、請求項1記載の組成物。
【請求項10】
正に帯電した主鎖が、b)群からの要素の合計した長さの約1〜4倍の長さを有する、請求項1記載の組成物。
【請求項11】
正に帯電した主鎖が、結合した正に帯電した枝分かれ基を有するポリマーを含む、請求項1記載の組成物。
【請求項12】
ポリマーがペプチドであり、正に帯電した枝分かれ基が、−(gly)−arg−arg−arg−arg−arg−arg−arg(下付き文字nは0〜20の整数である)、HIV−TATおよびそのフラグメントからなる群から選択されるところの、請求項11記載の組成物。
【請求項13】
nが0〜8の整数であるところの、請求項12記載の組成物。
【請求項14】
nが2〜5の整数であるところの、請求項12記載の組成物。
【請求項15】
HIV−TATフラグメントが、式:(gly)−RGRKKRRQRRR−(gly)(式中、下付き文字pおよびqはそれぞれ独立して0〜20の整数である)で示され、そのHIV−TATフラグメントがC−末端またはN−末端のいずれかにより正に帯電した主鎖と結合するところの、請求項12記載の組成物。
【請求項16】
下付き文字pおよびqがそれぞれ独立して0〜8の整数であるところの、請求項15記載の組成物。
【請求項17】
下付き文字pおよびqがそれぞれ独立して2〜5の整数であるところの、請求項15記載の組成物。
【請求項18】
ポリマーがポリリシンであって、正に帯電した枝分かれ基が、リシン側鎖アミノ基と結合し、−gly−gly−gly−arg−arg−arg−arg−arg−arg−argおよびHIV−TATからなる群から選択されるところの、請求項11記載の組成物。
【請求項19】
少なくとも一つの結合した効率基ならびにRNA、DNA、リボザイム、修飾されたオリゴヌクレオチドおよび選択された導入遺伝子をエンコードするcDNAからなる群から選択される少なくとも一つの核酸要素を有する正に帯電した主鎖の非共有複合体を含む組成物。
【請求項20】
正に帯電した主鎖がポリリシンであるところの、請求項19記載の組成物。
【請求項21】
効率基が、(Gly)n1−(Arg)n2(式中、下付き文字n1は3〜約5の整数であり、下付き文字n2は約7〜約17の奇数である)およびTATドメインからなる群から選択されるところの、請求項19記載の組成物。
【請求項22】
少なくとも一つの結合した効率基を有する正に帯電した主鎖が、複数の結合したGlyArg基を有する150000〜300000ポリリシン主鎖であり、リシンの飽和度が約5%〜約30%であるところの、請求項19記載の組成物。
【請求項23】
核酸要素が選択された導入遺伝子をエンコードするcDNAであるところの、請求項19記載の組成物。
【請求項24】
核酸要素が検出可能な産物を発現するプラスミドの一部であるところの、請求項19記載の組成物。
【請求項25】
検出可能な産物が蛍光蛋白であるところの、請求項24記載の組成物。
【請求項26】
検出可能な産物が青色蛍光蛋白であるところの、請求項24記載の組成物。
【請求項27】
プラスミドがさらにCMVプロモーターを含むところの、請求項24記載の組成物。
【請求項28】
対象における細胞表面に生物学的薬剤を送達する方法であって:
(a)正に帯電した主鎖と;
(b)(i)複数の結合したイメージング部分を有する第一の負に帯電した主鎖;
(ii)RNA、DNA、リボザイム、修飾オリゴヌクレオチドおよび選択された導入遺伝子をエンコードするcDNAからなる群から選択される少なくとも一つの要素;および
(iii)複数の結合した治療薬を有する第三の負に帯電した主鎖
からなる群から選択される少なくとも一つの生物学的薬剤と;
(c)複数の結合したターゲティング剤を有する第二の負に帯電した主鎖と
を含む組成物を該対象に投与することを含み、ここで該組成物が正に帯電した主鎖、生物学的薬剤および複数の結合したターゲティング剤を有する第二の負に帯電した主鎖の非共有結合複合体であり、正味正電荷を有するところの、方法。
【請求項29】
生物学的薬剤がオリゴヌクレオチドまたは選択された導入遺伝子をエンコードするcDNAであり、組成物がさらに少なくとも1つの残存因子をエンコードするDNAを含むところの、請求項28記載の方法。
【請求項30】
生物学的薬剤が複数の結合したイメージング部分を有する第一の負に帯電した主鎖であるところの、請求項28記載の方法。
【請求項31】
生物学的薬剤が複数の結合した治療薬を有する第三の負に帯電した主鎖であるところの、請求項28記載の方法。
【請求項32】
投与が静脈内投与であるところの、請求項28記載の方法。
【請求項33】
投与が経皮投与であるところの、請求項28記載の方法。
【請求項34】
投与が血管形成バルーンを用いて行われるところの、請求項28記載の方法。
【請求項35】
投与がカテーテルを用いて行われるところの、請求項28記載の方法。
【請求項36】
投与が腹膜内投与であるところの、請求項28記載の方法。
【請求項37】
組成物がゲル処方であるところの、請求項28記載の方法。
【請求項38】
医薬組成物の調製法であって、正に帯電した主鎖成分と、
i)複数の結合したイメージング部分を有する第一の負に帯電した主鎖;
ii)複数の結合したターゲティング剤を有する第二の負に帯電した主鎖;
iii)RNA、DNA、リボザイム、修飾オリゴヌクレオチドおよび選択された導入遺伝子をエンコードするcDNAからなる群から選択される少なくとも一つの要素;
iv)少なくとも一つの残存因子をエンコードするDNA;および
v)複数の結合した治療薬を有する第三の負に帯電した主鎖
からなる群から選択される少なくとも2つの要素とを、医薬的に許容される担体と合わせて、正味正電荷を有する非共有結合複合体を形成する;ただし、i)ないしv)群からの2つの要素のうち少なくとも1つはi)、iii)またはv)から選択されるものとする、ことを含む方法。
【請求項39】
医薬送達組成物を処方するためのキットであって、
正に帯電した主鎖成分と、
i)複数の結合したイメージング部分を有する第一の負に帯電した主鎖;
ii)複数の結合したターゲティング剤を有する第二の負に帯電した主鎖;
iii)RNA、DNA、リボザイム、修飾オリゴヌクレオチドおよび選択された導入遺伝子をエンコードするcDNAからなる群から選択される少なくとも1つの要素;
iv)少なくとも1つの残存因子をエンコードするDNA;および
v)複数の結合した治療薬を有する第三の負に帯電した主鎖
からなる群から選択される少なくとも2つの要素と、
医薬送達組成物を調製するための説明書と
を含むキット。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2012−97094(P2012−97094A)
【公開日】平成24年5月24日(2012.5.24)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2011−268234(P2011−268234)
【出願日】平成23年12月7日(2011.12.7)
【分割の表示】特願2002−513506(P2002−513506)の分割
【原出願日】平成13年7月20日(2001.7.20)
【出願人】(503028086)レバンス・セラピューティクス・インコーポレイテッド (2)
【氏名又は名称原語表記】ReVance Therapeutics, INC.
【Fターム(参考)】