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多成分配合の点眼剤
説明

多成分配合の点眼剤

【課題】テトラヒドロゾリン又はその塩、ネオスチグミン又はその塩、ベルベリン又はその塩、クロルフェニラミン又はその塩、ビタミンB12、ビタミンB6又はその塩、パンテノール、タウリン、コンドロイチン硫酸エステル又はその塩、テルペノイド、グリチルリチン酸又はその塩を配合した点眼液、更にはアスパラギン酸又はその塩を配合した点眼液は、低温条件下でその薬液がゲル状になったり沈殿が生じたりするという不具合があった。
【解決手段】しかし、このような薬液にイプシロン−アミノカプロン酸を配合することで、低温条件下であっても、ゲル状化、沈殿の発生をしない安定な点眼液が得られた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、テトラヒドロゾリン又はその塩、ネオスチグミン又はその塩、ベルベリン又はその塩、クロルフェニラミン又はその塩、ビタミンB12、ビタミンB6又はその塩、パンテノール、タウリン、コンドロイチン硫酸エステル又はその塩、テルペノイドを含む液状組成物に、更にはアスパラギン酸又はその塩を含む液状組成物に、更にグリチルリチン酸又はその塩を配合すると、低温条件下でその薬液がゲル状化する、または、沈殿が生ずるという不安定な点眼液を安定化することに関する。
【背景技術】
【0002】
薬局・薬店で販売される医薬品いわゆるOTC医薬品のうち承認基準薬と称されるものについては「一般用医薬品製造(輸入)承認基準 別冊2000」(以下、承認基準と略す)にその配合ルールが規定されているとおりに有効成分が配合されたものである。その中で眼科用薬の「一般点眼薬」に分類されるものについてはA欄としてエピネフリン又はその塩、塩酸エフェドリン、塩酸テトラヒドロゾリン、ナファゾリン又はその塩、塩酸フェニレフリン及びd1−塩酸メチルエフェドリンから選ばれるうちの一種以下、B欄としてメチル硫酸ネオスチグミン、C欄としてイプシロン−アミノカプロン酸、アラントイン、ベルベリン又はその塩、アズレンスルホン酸ナトリウム、グリチルリチン酸二カリウム、硫酸亜鉛、乳酸亜鉛、塩化リゾチームから選ばれるうちの三種以下、D欄として塩酸ジフェンヒドラミン、クロルフェニラミンマレイン酸塩から選ばれるうちの一種以下、E欄としてフラビンアデニンジヌクレオチドナトリウム、シアノコバラミン(ビタミンB12)、レチノール類、ピリドキシン塩酸塩、パントテン酸類(パンテノールも含む)、酢酸トコフェロールから選ばれるうちの三種以下、F欄としてL−アスパラギン酸塩類、アミノエチルスルホン酸(タウリン)、コンドロイチン硫酸エステルナトリウムから選ばれるうちの三種以下が有効成分として配合できることが記載されている。
【0003】
これらの成分の配合で承認を受けた点眼液には、「目の疲れ,結膜充血,眼病予防(水泳のあと,ほこりや汗が目に入ったときなど),紫外線その他の光線による眼炎(雪目など),眼瞼炎(まぶたのただれ),ハードコンタクトレンズを装着しているときの不快感,目のかゆみ,目のかすみ(目やにの多いときなど)」という文章を効能・効果として記載することができる。このような多岐にわたる効能に対しては、作用機序の異なる成分を多数入れることが望ましいとも考えられ、「サンテメディカル10」(参天製薬)、「ロートV11」(ロート製薬)等10成分以上の有効成分を配合した承認基準「一般点眼薬」が上市されてきた。
【0004】
しかしながら、承認基準に記載されている成分とはいえどもそれらの組み合わせ、または添加物との組み合わせによっては、沈殿が起こる、成分が不安定になる、などの問題が生じることがある。たとえば[特許文献1]特願2002−219091では、承認基準「一般点眼薬」C項のベルベリン又はその塩、アズレンスルホン酸ナトリウム、グリチルリチン酸二カリウムを組み合わせることにより沈殿が生じるといった不具合が指摘されている。また、[特許文献2]特願平3−195890のようにホウ酸はパンテノールを不安定にし、ビタミンB6を安定にするといった、点眼液ではよく配合される添加物が承認基準「一般点眼薬」に記載された有効成分に対して影響を及ぼすことを指摘している。
【0005】
同様に、テトラヒドロゾリン又はその塩、ネオスチグミン又はその塩、ベルベリン又はその塩、クロルフェニラミン又はその塩、ビタミンB12、ビタミンB6又はその塩、パンテノール、タウリン、コンドロイチン硫酸エステル又はその塩及び添加物としてテルペノイドを含む液状組成物に、さらにグリチルリチン酸又はその塩を配合した点眼液は常温では液状であるものの、低温条件下でゲル状になり、常温に戻してもゲル状のままであるという問題がある。
【0006】
さらに、テトラヒドロゾリン又はその塩、ネオスチグミン又はその塩、ベルベリン又はその塩、クロルフェニラミン又はその塩、ビタミンB12、ビタミンB6又はその塩、パンテノール、L−アスパラギン酸又はその塩、タウリン、コンドロイチン硫酸エステル又はその塩及び添加物としてテルペノイドを含む液状組成物に、さらにグリチルリチン酸又はその塩を配合した点眼液は常温では液状であるものの、低温条件下で沈殿を生じ、常温に戻しても沈殿は生じたままという問題がある。
【0007】
冬は九州より北方の地域では低温条件になる。一日でも低温条件下(0〜10℃)にさらされ、ゲル状化、沈殿などの不具合が発生した点眼液は、次の日暖かくなってもその不具合は解消されず点眼液として成立しなくなり、回収しなければならなくなるという損害をこうむるため、点眼液の低温条件下での安定性は重要な課題である。
【0008】
また、承認基準「一般点眼薬」に有効成分として記載されていないが、テルペノイド(中でもメントール類、ボルネオール類、カンフル類)は、点眼時に清涼感を与え、この使用感がユーザーに与える効果は大きく、特に目の疲れ、かゆみを解消するための点眼液には、添加物としての配合は欠かせないものとなっている。そのため、OTC医薬品の点眼液のほとんどの製品にテルペノイドが添加物として配合されている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
テトラヒドロゾリン又はその塩、ネオスチグミン又はその塩、ベルベリン又はその塩、クロルフェニラミン又はその塩、ビタミンB12、ビタミンB6又はその塩、パンテノール、タウリン、コンドロイチン硫酸エステル又はその塩、テルペノイドを含む液状組成物に、さらにグリチルリチン酸又はその塩を配合すると、低温条件下でのゲル状化、または、更にアスパラギン酸又はその塩を配合することにより沈殿が生じるという不安定な点眼液を安定化することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明者らは、テトラヒドロゾリン又はその塩、ネオスチグミン又はその塩、ベルベリン又はその塩、クロルフェニラミン又はその塩、ビタミンB12、ビタミンB6又はその塩、パンテノール、タウリン、コンドロイチン硫酸エステル又はその塩、テルペノイド、グリチルリチン酸又はその塩を含む液状組成物、更にはアスパラギン酸又はその塩を含む液状組成物に、イプシロン−アミノカプロン酸を配合することで低温条件下でのゲル状化、沈殿を防ぐことができる本発明の点眼液を完成させた。
【0011】
すなわち、本発明は、テトラヒドロゾリン又はその塩、ネオスチグミン又はその塩、ベルベリン又はその塩、クロルフェニラミン又はその塩、ビタミンB12、ビタミンB6又はその塩、パンテノール、タウリン、コンドロイチン硫酸エステル又はその塩、テルペノイド、グリチルリチン酸又はその塩を含む液状組成物に、更にはアスパラギン酸又はその塩を含む液状組成物に、更にイプシロン−アミノカプロン酸を配合する点眼液である。
【0012】
すなわち、本発明は下記に掲げる低温条件下において安定化された組成物である。
(1)テトラヒドロゾリン又はその塩、ネオスチグミン又はその塩、ベルベリン又はその塩、クロルフェニラミン又はその塩、ビタミンB12、ビタミンB6又はその塩、パンテノール、タウリン、コンドロイチン硫酸エステル又はその塩、テルペノイド、グリチルリチン酸又はその塩、及びイプシロン−アミノカプロン酸を含有する点眼液。
(2)0.01〜0.05%のテトラヒドロゾリン又はその塩、0.001〜0.005%のネオスチグミン又はその塩、0.005〜0.025%のベルベリン又はその塩、0.006〜0.03%のクロルフェニラミン又はその塩、0.004〜0.02%のビタミンB12、0.01〜0.1%のビタミンB6又はその塩、0.01〜0.1%のパンテノール、0.1〜1%のタウリン、0.05〜3%のコンドロイチン硫酸エステル又はその塩、0.005〜0.2%のテルペノイド、0.05〜1%グリチルリチン酸又はその塩、0.1〜5%のイプシロン−アミノカプロン酸を配合する点眼液。
(3)L−アスパラギン酸またはその塩を含有する(1)〜(2)のいずれかに記載の点眼液。
(4)0.2〜2%のL−アスパラギン酸又はその塩を含有する(1)〜(2)のいずれかに記載の点眼液。
(5)テルペノイドがメントール類、カンフル類、ボルネオール類から選ばれる(1)〜(4)のいずれかに記載の点眼液。
【0013】
本発明は、テトラヒドロゾリン又はその塩、ネオスチグミン又はその塩、ベルベリン又はその塩、グリチルリチン酸又はその塩、クロルフェニラミン又はその塩、ビタミンB12、ビタミンB6又はその塩、パンテノール、タウリン、コンドロイチン硫酸エステル又はその塩、テルペノイド、グリチルリチン酸又はその塩を含む液状組成物に、更にはアスパラギン酸又はその塩を含む液状組成物に、更に、イプシロン−アミノカプロン酸を配合する点眼液である。
【0014】
本発明の組成物は、コンタクトレンズの装着時の使用も含めた点眼液として使用できる。なお、コンタクトレンズには、ソフトコンタクトレンズ、ハードコンタクトレンズ、酸素透過性ハードコンタクトレンズなどのあらゆるタイプのコンタクトレンズが含まれる。
【0015】
また、本発明の組成物は、ガラス又はプラスチック製の容器など点眼液、コンタクトレンズ用剤の各用途に収容するのに適している。
【0016】
本発明は、テトラヒドロゾリン又はその塩、ネオスチグミン又はその塩、ベルベリン又はその塩、グリチルリチン酸又はその塩、クロルフェニラミン又はその塩、ビタミンB12、ビタミンB6又はその塩、パンテノール、タウリン、コンドロイチン硫酸エステル又はその塩、テルペノイド、グリチルリチン酸又はその塩を配合する点眼液に、更にはアスパラギン酸又はその塩を含む点眼液に、更に、イプシロン−アミノカプロン酸を配合することで液のゲル状化、沈殿を防止する方法も含まれる。
【0017】
なお、本明細書中、「塩」とは薬理学的に又は生理学的に許容される塩を意味する。
【0018】
テトラヒドロゾリン又はその塩として、塩酸テトラヒドロゾリン等が例示できる。テトラヒドロゾリン又はその塩の濃度として、薬理的な観点から0.01〜0.05%が好ましい。
【0019】
ネオスチグミン又はその塩として、ネオスチグミンメチル硫酸塩等が例示できる。ネオスチグミン又はその塩の濃度として、薬理的な観点から0.001〜0.005%が好ましい。
【0020】
ベルベリン又はその塩として、ベルベリン硫酸塩、ベルベリン塩化物等が例示できる。ベルベリン又はその塩の濃度として、薬理的な観点から0.005〜0.025%が好ましい。
【0021】
クロルフェニラミン又はその塩として、クロルフェニラミンマレイン酸塩等が例示できる。クロルフェニラミン又はその塩の濃度として、薬理的な観点から0.006〜0.03%が好ましい。
【0022】
ビタミンB12として、シアノコバラミン等が例示できる。ビタミンB12の濃度として、薬理的な観点から0.004〜0.02%が好ましい。
【0023】
ビタミンB6又はその塩として、ピリドキシン塩酸塩、ピリドキサールリン酸等が例示できる。ビタミンB6又はその塩の濃度として、薬理的な観点から0.01〜0.1%が好ましい。
【0024】
パンテノールの濃度として、薬理的な観点から0.01〜0.1%が好ましい。
【0025】
タウリンの濃度として、薬理的な観点から0.1〜1%が好ましい。
【0026】
コンドロイチン硫酸エステル又はその塩として、コンドロイチン硫酸エステルナトリウム等が例示できる。コンドロイチン硫酸エステル又はその塩の濃度として、薬理的な観点から0.05〜3%が好ましい。コンドロイチン硫酸エステルナトリウムは、承認基準「一般点眼薬」では配合上限は0.5%であるが、医療用としては3%まで認められている。
【0027】
テルペノイドとして、1−メントール、d−メントール、d1−メントール、1−ボルネオール、d−ボルネオール、d1−ボルネオール、1−カンフル、d−カンフル、d1−カンフルなどがあげられる。
テルペノイドの濃度は、点眼時に付与する清涼感の強さから各成分につき、0.005〜0.2%が好ましい。
【0028】
グリチルリチン酸又はその塩として、グリチルリチン酸二カリウム等が例示できる。グリチルリチン酸又はその塩の濃度として、薬理的な観点から0.05〜1%が好ましい。グリチルリチン酸二カリウムは、承認基準「一般点眼薬」では配合上限は0.25%であるが、医療用としては1%まで認められている。
【0029】
イプシロン−アミノカプロン酸は承認基準「一般点眼薬」では1%から薬理的効果が認められるようになっている。しかし、イプシロン−アミノカプロン酸は点眼剤においては添加物としても使用されている。ゲル状化または沈殿を防止する観点からイプシロン−アミノカプロン酸の濃度として0.1〜5%が好ましい。
【0030】
L−アスパラギン酸又はその塩として、L−アスパラギン酸カリウム、L−アスパラギン酸マグネシウム、L−アスパラギン酸マグネシウム・カリウム混合物等が例示できる。L−アスパラギン酸又はその塩の濃度として、薬理的な観点から0.2〜2%が好ましい。
【0031】
本発明が適用される点眼液に配合される薬効成分以外の有効成分を配合することができる、例えば、充血除去成分、眼調節薬成分、抗炎症薬成分または収斂薬成分、抗ヒスタミン薬成分又は抗アレルギー薬成分、ビタミン類、アミノ酸類、抗菌薬成分、殺菌薬成分、糖類、多糖類またはその誘導体、セルロース又はその誘導体又はそれらの塩、前述以外の水溶性高分子、局所麻酔薬成分等が例示できる。本発明において好適な成分としては、例えば、次のような成分が挙げられる。
【0032】
充血除去成分:例えば、α−アドレナリン作動薬、具体的にはエピネフリン、塩酸エピネフリン、塩酸エフェドリン、塩酸オキシメタゾリン、塩酸ナファゾリン、塩酸フェニレフリン、塩酸メチルエフェドリン、酒石酸水素エピネフリン、硝酸ナファゾリン等。
【0033】
眼筋調節薬成分:例えば、アセチルコリンと類似した活性中心を有するコリンエステラーゼ阻害剤、具体的にはトロピカミド、ヘレニエン硫酸アトロピン等。
【0034】
抗炎症薬成分または収斂薬成分:例えば、硫酸亜鉛、乳酸亜鉛、アラントイン、インドメタシン、塩化リゾチーム、硝酸銀、プラノプロフェン、アズレンスルホン酸ナトリウム、ジクロフェナクナトリウム、ブロムフェナクナトリウム、等。
【0035】
抗ヒスタミン薬成分又は抗アレルギー薬成分:例えば、アシタザノラスト、アンレキサノクス、イブジラスト、トラニラスト、塩酸ジフェンヒドラミン、塩酸レボカバスチン、クロモグリク酸ナトリウム、ペミロラストカリウム、等。
【0036】
ビタミン類:例えば、酢酸レチノール、パルミチン酸レチノール、フラビンアデニンジヌクレオチドナトリウム、リン酸ピリドキサール、パントテン酸カルシウム、パントテン酸ナトリウム、アスコルビン酸、トコフェロール酢酸エステル等。
【0037】
アミノ酸類:例えば、グルタミン酸、クレアチニン、グルタミン酸ナトリウム、等。
【0038】
抗菌薬成分または殺菌薬成分:例えば、硫酸アミノデオキシカナマイシン、硫酸カナマイシン、硫酸ゲンタマイシン、硫酸シソマイシン、硫酸ストレプトマイシン、トブラマイシン、硫酸ミクロノマイシン、アルキルポリアミノエチルグリシン、クロラムフェニコール、スルファメトキサゾール、スルフイソキサゾール、スルファメトキサゾールナトリウム、スルフイソキサゾールジエタノールアミン、スルフイソキサゾールモノエタノールアミン、スルフイソメゾールナトリウム、スルフイソミジンナトリウム、塩酸テトラサイクリン、塩酸オキシテトラサイクリン、オフロキサシン、ノルフロキサシン、レボフロキサシン、塩酸ロメフロキサシン、スルベニシンナトリウム、塩酸セフメノキシム、ベンジルペニシリンカリウム、ホウ酸、コリスチンメタスルホン酸ナトリウム、エリスロマイシン、ラクトビオン酸エリスロマイシン、キタサマイシン、スピラマイシン、硫酸フラジオマイシン、硫酸ポリミキシン、ジベカシン、アミカシン、硫酸アミカシン、アシクロピル、イオドデオキシサイチジン、イドクスウリジン、シクロサイチジン、シトシンアラビノシド、トリフルオロチミジン、ブロモデオキシウリジン、ポリビニルアルコールヨウ素、ヨウ素、アムホテリシンB、イソコナゾール、エコナゾール、クロトリマゾール、ナイスタチン、ピマリシン、フルオロシトシン、ミコナゾール等。
【0039】
糖類:例えば単糖類、二糖類、具体的にはグルコース、トレハロース等。
【0040】
多糖類又はその誘導体:例えば、ヒアルロン酸ナトリウム等。
【0041】
セルロース又はその誘導体又はそれらの塩:例えば、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、メチルセルロース等。
【0042】
水溶性高分子:ポリビニルアルコール(完全又は部分ケン化物)、ポリビニルピロリドン等。
【0043】
局所麻酔薬成分:例えば、クロロブタノール、塩酸オキシブプロカイン、塩酸コカイン、塩酸コルネカイン、塩酸ジブカイン、塩酸テトラカイン、塩酸パラブチルアミノ安息香酸ジエチルアミノエチル、塩酸ピペロカイン、塩酸プロカイン、塩酸プロパラカイン、塩酸ヘキソチオカイン、塩酸リドカイン等。
【0044】
これらの成分の含有量は、製剤の種類、活性成分の種類などに応じて選択でき、例えば、製剤全体に対して0.001〜10%程度の範囲から選択できる。
【0045】
また、本発明の防腐剤が適用される点眼剤には、発明の効果を損なわない範囲であれば、その用途や形態に応じて、常法に従い、様々な成分や添加物を適宜選択し、一種またはそれ以上を組み合わせて含有していてもよい。該成分または添加物の配合割合については、当業界において通常採用されている範囲に基づいて、適宜設定すればよい。該成分または添加物として、例えば、液剤などの調製に一般的に使用される水性担体(水、水性溶媒)、増粘剤、糖類、界面活性剤、防腐剤、殺菌剤又は抗菌剤、pH調節剤、等張化剤、香料または清涼化剤、キレート剤、緩衝剤、安定剤などの各種添加剤を挙げることができる。以下に、本発明が適用される水性組成物に使用される代表的な成分を例示するが、これらに限定されない。
【0046】
水性担体:例えば、水、含水エタノール等。
【0047】
増粘剤:例えば、カルボキシビニルポリマー、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、メチルセルロース、アルギン酸、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、マクロゴール等。
【0048】
糖類:例えば、グルコース、シクロデキストリン、キシリトール、ソルビトール、マンニトール等。
【0049】
界面活性剤:例えば、ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレンブロックコポリマー、ポロキサミン、モノオレイン酸ポリオキシエチレンソルビタン(具体的には、ポリソルベート80等)、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油(具体的には、ポリオキシエチレン(60)硬化ヒマシ油等)、ステアリン酸ポリオキシルなどの非イオン性界面活性剤;アルキルジアミノエチルグリシンなどのグリシン型両性界面活性剤;アルキル4級アンモニウム塩(具体的には、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウムなどの陽イオン界面活性剤など。なお、括弧内の数字は付加モル数を示す。
【0050】
防腐剤、殺菌剤又は抗菌剤:例えば、塩酸アルキルジアミノエチルグリシン、安息香酸ナトリウム、エタノール、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、グルコン酸クロルヘキシジン、クロロブタノール、ソルビン酸、ソルビン酸カリウム、デヒドロ酢酸ナトリウム、パラオキシ安息香酸メチル、パラオキシ安息香酸エチル、パラオキシ安息香酸プロピル、パラオキシ安息香酸ブチル、硫酸オキシキノリン、フェネチルアルコール、ベンジルアルコール、ビグアニド化合物(具体的には、ポリヘキサメチレンビグアニド等)。
【0051】
pH調整剤:例えば、塩酸、ホウ酸、タウリン、イプシロン−アミノカプロン酸、酢酸、水酸化ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウム、ホウ砂、トリエタノールアミン、モノエタノールアミン等。
【0052】
等張化剤:例えば、亜硫酸水素ナトリウム、亜硫酸ナトリウム、塩化カリウム、塩化カルシウム、塩化ナトリウム、塩化マグネシウム、酢酸カリウム、酢酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウム、チオ硫酸ナトリウム、硫酸マグネシウム、リン酸水素二ナトリウム、リン酸二水素ナトリウム、リン酸二水素カリウム、グリセリン、プロピレングリコール等。
【0053】
香料又は清涼化剤:例えば、カンフル、ゲラニオール、ボルネオール、メントール、リュウノウ、ウイキョウ油、クールミント油、スペアミント油、ハッカ水、ハッカ油、ペパーミント油、ベルガモット油、ユーカリ油、ローズ油等。
【0054】
キレート剤:例えば、アスコルビン酸、エデト酸四ナトリウム、エデト酸ナトリウム、クエン酸等。
【0055】
緩衝剤:クエン酸緩衝剤、酢酸緩衝剤、炭酸緩衝剤、ホウ酸緩衝剤、リン酸緩衝剤など。具体的には、クエン酸、クエン酸ナトリウム、酢酸、酢酸カリウム、酢酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウム、ホウ酸、ホウ砂、リン酸水素二ナトリウム、リン酸二水素ナトリウム、リン酸二水素カリウム等。
【0056】
安定剤:ジブチルヒドロキシトルエン、トロメタモール、トコフェロール、ピロ亜硫酸ナトリウム、モノエタノールアミン、モノステアリン酸アルミニウム等。
【発明の効果】
【0057】
本発明では、テトラヒドロゾリン又はその塩、ネオスチグミン又はその塩、ベルベリン又はその塩、クロルフェニラミン又はその塩、ビタミンB12、ビタミンB6又はその塩、パンテノール、タウリン、コンドロイチン硫酸エステル又はその塩、テルペノイド、グリチルリチン酸又はその塩を含む液状組成物に、更にはアスパラギン酸又はその塩を含む液状組成物に、イプシロン−アミノカプロン酸を配合することで、低温条件下でその薬液のゲル状化、沈殿の発生が改善された。
【発明を実施するための最良の形態】
【0058】
以下に、実施例に基づいて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例によって限定されるものではない。
【実施例】
【0059】
比較例1〜8及び実施例1〜12
表1〜4に示す成分を、表に示す割合で精製水に溶解させて100mlとし、ポリエチレンテレフタラート製点眼容器に充填し、低温条件下(5℃)で1日間保存した。充填時及び保存終了後の試料につき目視で液の状態を観察した。
【表1】

【表2】

【表3】

【表4】

【0060】
表1では塩酸テトラヒドロゾリン、ネオスチグミンメチル硫酸塩、ベルベリン硫酸塩水和物、クロルフェニラミンマレイン酸塩、シアノコバラミン(ビタミンB12)、ピリドキシン塩酸塩(ビタミンB6)、パンテノール、タウリン、コンドロイチン硫酸エステルナトリウム、テルペノイド等で構成される点眼液は低温条件下において、濁り、沈殿、ゲル状化は発生しないが、グリチルリチン酸二カリウムを配合することで沈殿が生じた。しかし、さらにイプシロン−アミノカプロン酸を配合することで沈殿の発生を抑制することができた。
【0061】
表2では塩酸テトラヒドロゾリン、ネオスチグミンメチル硫酸塩、ベルベリン硫酸塩水和物、クロルフェニラミンマレイン酸塩、シアノコバラミン(ビタミンB12)、ピリドキシン塩酸塩(ビタミンB6)、パンテノール、タウリン、コンドロイチン硫酸エステルナトリウム、テルペノイド等で構成される点眼液に濃度を変えてグリチルリチン酸二カリウムを配合したが、全ての濃度においてゲル状化や濁りが発生することを確認した。
【0062】
表3では塩酸テトラヒドロゾリン、ネオスチグミンメチル硫酸塩、ベルベリン硫酸塩水和物、クロルフェニラミンマレイン酸塩、シアノコバラミン(ビタミンB12)、ピリドキシン塩酸塩(ビタミンB6)、パンテノール、タウリン、コンドロイチン硫酸エステルナトリウム、テルペノイド等、グリチルリチン酸二カリウムで構成された点眼液に濃度を変えてイプシロン−アミノカプロン酸を配合し、全ての濃度において濁りや沈殿が解消されたことを確認した。
【0063】
表4では、塩酸テトラヒドロゾリン、ネオスチグミンメチル硫酸塩、ベルベリン硫酸塩水和物、クロルフェニラミンマレイン酸塩、シアノコバラミン(ビタミンB12)、ピリドキシン塩酸塩(ビタミンB6)、パンテノール、タウリン、コンドロイチン硫酸エステルナトリウム、テルペノイド、グリチルリチン酸二カリウム等で構成された点眼液にL−アスパラギン酸塩を配合し、沈殿が発生したことを確認し、更にイプシロン−アミノカプロン酸を配合することで沈殿が抑制できた。
【産業上の利用可能性】
【0064】
本発明では、テトラヒドロゾリン又はその塩、ネオスチグミン又はその塩、ベルベリン又はその塩、クロルフェニラミン又はその塩、ビタミンB12、ビタミンB6又はその塩、パンテノール、タウリン、コンドロイチン硫酸エステル又はその塩、テルペノイド、グリチルリチン酸又はその塩を含有する液状組成物に、更にはアスパラギン酸又はその塩を含む液状組成物に、更にイプシロン−アミノカプロン酸を配合することで、低温条件下でその薬液のゲル状化、沈殿の発生が防止できる点眼液が得られる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
テトラヒドロゾリン又はその塩、ネオスチグミン又はその塩、ベルベリン又はその塩、クロルフェニラミン又はその塩、ビタミンB12、ビタミンB6又はその塩、パンテノール、タウリン、コンドロイチン硫酸エステル又はその塩、テルペノイド、グリチルリチン酸又はその塩、及びイプシロン−アミノカプロン酸を含有する点眼液。
【請求項2】
0.01〜0.05%のテトラヒドロゾリン又はその塩、0.001〜0.005%のネオスチグミン又はその塩、0.005〜0.025%のベルベリン又はその塩、0.006〜0.03%のクロルフェニラミン又はその塩、0.004〜0.02%のビタミンB12、0.01〜0.1%のビタミンB6又はその塩、0.01〜0.1%のパンテノール、0.1〜1%のタウリン、0.05〜3%のコンドロイチン硫酸エステル又はその塩、0.005〜0.2%のテルペノイド、0.05〜1%グリチルリチン酸又はその塩、0.1〜5%のイプシロン−アミノカプロン酸を配合する点眼液。
【請求項3】
L−アスパラギン酸またはその塩を含有する請求項1〜2のいずれかに記載の点眼液。
【請求項4】
0.2〜2%のL−アスパラギン酸又はその塩を含有する請求項1〜2のいずれかに記載の点眼液。
【請求項5】
テルペノイドがメントール類、カンフル類、ボルネオール類から選ばれる請求項1〜4のいずれかに記載の点眼液。

【公開番号】特開2012−144509(P2012−144509A)
【公開日】平成24年8月2日(2012.8.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−17204(P2011−17204)
【出願日】平成23年1月12日(2011.1.12)
【出願人】(599043770)佐賀製薬株式会社 (2)
【Fターム(参考)】