説明

多指可動ロボットハンド及び多指可動ロボットハンドにおける指関節駆動制御方法

【課題】多指多関節の人工ハンドにおいて、形状記憶性素材を用いて指関節を屈曲駆動する際の把持トルクを増補するとともに、母指を可動取り付けして他の4指との位置関係を調整可能とすること。
【解決手段】多指可動ロボットハンドXは、各指関節を手掌側に屈折可能で伸張復帰可能に回動連結した可動指21;22;23;24 を有し、隣接する可動指21;22(23;24)に屈伸誘導線条部材17;18(19;20)を挿通し、かつ、その指間連絡部を手首方向へ進退駆動可能な移動体10に係止して牽引操作することにより、静止挙動を含む把持又は開放動作に係る運動制御をおこなう指関節駆動機構を有する。ここで、屈伸誘導線条部材17;18(19;20)として固定長の形状記憶性素材(形状記憶メタル)を用い、その通電制御手段30を設けている。そして、把持動作時に形状記憶メタルを長手方向に収縮駆動又は形状回復駆動する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、多指多関節の人工ハンドとして構成され、各指関節を手掌側に屈折可能で伸張復帰可能に回動連結した可動指を有し、隣接する可動指に屈伸誘導線条部材を挿通し、かつ、その指間連絡部を手首方向へ進退駆動可能な移動体に係止して牽引操作することにより、静止挙動を含む把持又は開放動作に係る運動制御をおこなう多指可動ロボットハンドに係り、詳しくは、指関節を屈曲駆動する際の把持トルクを増補するようにした多指可動ロボットハンド及び多指可動ロボットハンドにおける指関節駆動制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、異径物を含む把持対象物に対して、1個の駆動源により複数の指を動かすことができ、かつ、人間の手の動作に近い柔らかい挙動をする多指可動ロボットハンドが知られている(例えば、特許文献1を参照)。
【特許文献1】特許第3793785号公報
【0003】
このロボットハンドは、人間の手と同様の把持挙動と外観(意匠性)を持ち合わせ、把持動作における人間らしい柔らかさ持った挙動を実現する制御機構を備えるとともに、人間らしい質感を求めた被覆体を有している。
【0004】
しかしながら、人間らしい意匠性を確保すると、モータのサイズに限界があるため、例えば被覆体が駆動抵抗となるなどの理由から、把持力が不足するという問題(障害)が発生する場合がある。この場合、単に使用する駆動源のサイズを大きくして駆動力を増強するという解決手法は採用しづらい。ハンドの外観が不自然にならないためには、形状やスペースを制限する必要があるからである。そこで、意匠性又は装飾性を損なうことなく、把持動作に係るこの種の負影響を凌駕する把持力を発揮できるように駆動系を改善する余地がある。
【0005】
また、その把持機構(指関節駆動機構を含む)は拇指以外の4指を駆動して把持を行うため、対象物を保持する拇指の位置が非常に重要となる。把持を優先して拇指を4指の対向位置に固定すると、把持以外の時に不自然な印象を与えてしまうという問題もある。
【0006】
こうしたなかで、多指多関節のロボットハンドの可動指にプーリを介して挿通され指関節を屈曲駆動するワイヤに、高分子アクチュエータ又は形状記憶ワイヤを接続して駆動源として使用するようにしたものが知られている(例えば、特許文献2を参照)。
【特許文献2】特開2005−046980号公報
【0007】
また、回転可能な拇指球を持つことで、安定性に優れるロボットハンドについて提案したものがある(例えば、特許文献3を参照)。
【特許文献3】特開2004−351567号公報
【0008】
また、特許文献4には、拇指の根元を回転させることで拇指形状を変更可能な義手(ロボットハンドに同じ)について提案したものがある(例えば、特許文献4を参照)。
【特許文献4】特開2001−104349号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、特許文献1記載の技術は、シンプルな駆動機構を有し、意匠性も考慮されているが、より人間らしい外観を維持することを要請するとき、モータのサイズに限界があるため、把持動作時の駆動力に余裕がない。しかも、駆動用モータのみでは十分な把持トルクを得ることが困難となる場合があった。ここでは、把持トルクを増補するために駆動系の改変が要請される。
【0010】
また、特許文献2記載の技術は、指ごとに駆動源を配置することが前提となっており、意匠性の向上には困難性がある。
【0011】
さらに、特許文献3及び4記載の技術は、拇指の位置を変化させることで把持効率の向上を目指したものであるが、意匠性が考慮されておらず、この技術を導入することで外観が損なわれる可能性が高いという懸念がある。
【0012】
ここでも、人間らしい手としての外観(意匠性)が要求されるロボットハンドにおいて、外観を保つために十分な大きさの駆動源が使用できない場合の補助的な駆動源の配置と使用方法が要請される。
【0013】
かつまた、人間らしい手(ロボットハンド)の外観・意匠性が要求される用途においては、外観の意匠性を保ちながら、把持動作時により効率の良い把持が可能となる拇指位置変更機構が要請される。
【0014】
本発明はこのような事情に鑑みなされたものであって、上記課題を解消し、人間らしい手として外観(意匠性)が重要視される多指多関節の人工ハンドにおいて、駆動源のみの力では把持動作が困難な場合に対応可能な技術手段として、補助的な駆動源(要素)として形状記憶性素材を用い、その配置と制御に関する指関節駆動機構と、把持動作時の機能性を向上させるための拇指関節角度調整手段を有し、異径物を含む把持対象物に対して、指関節を屈曲駆動する際の把持トルクを増補し、かつ、拇指を含む把持動作が生体(人間)に近い柔らかい挙動をするように改善した多指可動ロボットハンド及び該ハンドにおける指関節駆動制御方法を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0015】
課題を解決するために、第1の発明は、多指多関節の人工ハンドとして構成され、各指関節を手掌側に屈折可能で伸張復帰可能に回動連結した可動指を有し、隣接する可動指に屈伸誘導線条部材を挿通し、かつ、その指間連絡部を手首方向へ進退駆動可能な移動体に係止して牽引操作することにより、静止挙動を含む把持又は開放動作に係る運動制御をおこなう多指可動ロボットハンドにおいて、
指関節駆動機構を改善した多指可動ロボットハンドであって、
前記屈伸誘導線条部材として固定長の形状記憶性素材を用いるとともに、その通電制御手段を設けてなり、該形状記憶性素材を長手方向に収縮駆動又は形状回復駆動することにより、指関節を屈曲駆動する際の把持トルクを増補するようにしたことを特徴とするものである。
【0016】
第2の発明は、多指多関節の人工ハンドとして構成され、各指関節を手掌側に屈折可能で伸張復帰可能に回動連結した可動指を有し、隣接する可動指に屈伸誘導線条部材を挿通し、かつ、その指間連絡部を手首方向へ進退駆動可能な移動体に係止して牽引操作することにより、静止挙動を含む把持又は開放動作に係る運動制御をおこなう多指可動ロボットハンドにおいて、
手掌部に動力伝達要素とは独立して設けた駆動補助線条部材を介して協働的な動力伝達をおこなう多指可動ロボットハンドであって、
前記駆動補助線条部材として固定長の形状記憶性素材を用いるとともに、その通電制御手段を設けてなり、
前記形状記憶性素材は、移動体に始端を置き、かつ、手首側に終端を置いて動力伝達方向と平行に張設され、前記通電制御手段に回路接続したものであり、
該形状記憶性素材を長手方向に収縮駆動又は形状回復駆動することにより、指関節を屈曲駆動する際の把持トルクを増補するようにしたことを特徴とするものである。
【0017】
上記いずれの場合にも、可動指は、ほぼ平行に配置された示指、中指、環指及び小指(以下、4指。)と、該4指とは独立して可動取り付けした拇指からなり、該拇指の配向角度又は位置関係を、前記4指に対向配置可能で、手掌外側へ指列配置可能に手動変更操作するように5指構成する場合がある。
【0018】
第3の発明は、多指多関節の人工ハンドとして構成され、各指関節を手掌側に屈折可能で伸張復帰可能に回動連結した可動指を有し、隣接する可動指に屈伸誘導線条部材を挿通し、かつ、その指間連絡部を手首方向へ進退駆動可能な移動体に係止して牽引操作することにより、静止挙動を含む把持又は開放動作に係る運動制御をおこなうようにした多指可動ロボットハンドにおける指関節駆動制御方法において、
指関節を屈曲駆動する際の把持トルクを増補するための多指可動ロボットハンドにおける指関節駆動制御方法であって、
手指部に設けた屈伸誘導線条部材に固定長の形状記憶性素材を用いて通電制御することにより、該形状記憶性素材を長手方向に収縮駆動又は形状回復駆動することを特徴とするものである。
【0019】
第4の発明は、多指多関節の人工ハンドとして構成され、各指関節を手掌側に屈折可能で伸張復帰可能に回動連結した可動指を有し、隣接する可動指に屈伸誘導線条部材を挿通し、かつ、その指間連絡部を手首方向へ進退駆動可能な移動体に係止して牽引操作することにより、静止挙動を含む把持又は開放動作に係る運動制御をおこなうようにした多指可動ロボットハンドにおける指関節駆動制御方法において、
指関節を屈曲駆動する際の把持トルクを増補するために、手掌部に動力伝達要素とは独立して設けた駆動補助線条部材を介して協働的な動力伝達をおこなう多指可動ロボットハンドにおける指関節駆動制御方法であって、
前記駆動補助線条部材に固定長の形状記憶性素材を用い、移動体に始端を置き、かつ、手首側に終端を置いて動力伝達方向と平行に張設して、通電制御することにより、該形状記憶性素材を長手方向に収縮駆動又は形状回復駆動することを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、最も把持トルクが必要となるタイミングで形状記憶性素材に通電することにより形状回復駆動し、把持機能(把持トルク)を増補することができる。
【0021】
また、把持動作をおこなう前に、拇指関節角度を4指と対向する位置へ手動変更操作して移動し、把持対象物をしっかりと把持することができる。また、把持動作時以外では、手掌外側へ移動させることにより、人間らしい自然な外観(指列配置)を呈するようにすることができる。
【0022】
このように、拇指と他の4指の位置関係が生体(人間)の手指の構造に近いので、把持動作時においても把持動作以外の時にいても、柔らかい挙動や人的な外観を実現することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
本発明を実施するための最良形態は、上記構成のハンドにおいて、手指の骨格要素となるリンク材を回動自在に結合し、かつ、回動支点には各々ねじりバネを設けて手指の伸展方向に付勢して指関節を形成した複数本の可動指と、該可動指の屈折を誘導する屈伸誘導線条部材と、手掌部に収設され1個の駆動源により動力伝達要素を介して手首方向と手指方向に往復移動可能に進退駆動される移動体を有し、該移動体の駆動制御に基づき屈伸誘導線条部材を牽引又は弛緩操作することにより、拇指を除く2本以上の可動指を各別に動作させ、静止挙動を含む把持又は開放動作に係る運動制御をおこなう指関節駆動機構を備えている。この具体的なハンド構成は、以下の点で特許文献1の基本構成とほぼ共通する。なお、屈伸誘導線条部材は、特許文献1記載の構成要素である可撓部材と同様に解してよい。
【0024】
手指の骨格要素となるリンク材を回動自在に結合して関節を形成し、ほぼ平行に配置された4指(示指、中指、環指及び小指)と、それらの手指と対向するように配置された拇指を有し、拇指を除く4指について、関節となるリンク材の各回動支点を経由して牽引可能な屈伸誘導線条部材を繋設するとともに、該回動支点には各々ねじりバネを設けて手指の伸展方向に付勢している点。
【0025】
また、ねじ要素を用いて進退駆動され、駆動源の発停又は動力伝達の断続に基づき手首方向と手指方向に往復移動可能で任意位置に制動停止可能な移動体と、該移動体の体部に回動支持した揺動部材と、該揺動部材の両端にそれぞれ軸支され、かつ、両持ちの天秤の態様で槓桿保持された動滑車からなる動滑車ユニットを手掌部に収設している点。
【0026】
また、屈伸誘導線条部材が、拇指を除き隣接する示指と中指、及び環指及び小指のそれぞれの指間に動滑車を介在させ2指の各第一指骨部のリンク材の体部を始端又は終端とする固定長の線条であって、該リンク材の各回動支点に自由回転プーリを軸支し、かつ、第二指骨部のリンク材の体部に設けた中間プーリを介して牽引可能に繋設したものである点。
【0027】
また、動滑車ユニットとともに動滑車の各保持位置を手首側又は手指側に移動させることにより、屈伸誘導線条部材を介して拇指を除く各手指を静止挙動を含み屈曲又は伸展方向に把持又は開放動作させる指関節駆動機構と、異径物を含む把持対象物に手指を接触させて指関節駆動における屈伸誘導線条部材の張力を調整又は保持することにより、静止挙動を含む把持動作に係る各指関節が把持対象物の外形状に倣って包み込むように屈曲して把持力を維持する異径物把持機構を有し、かつ、静止挙動は、動力又は制御の駆動停止に基づき、手指の屈曲状態又は把持状態を付勢力に抗して静止させたまま一時的に維持又は継続するものとしている点。
【0028】
そして、これらの基本構成の他に、4指とは独立して配向角度又は位置関係を手動で変更操作可能に可動取り付けされ、把持操作時には4指に対向配置可能で、把持操作以外の時には手掌外側へ指列配置可能に構成した拇指を有している。
【0029】
また、指関節駆動機構は改変され、拇指を除く2本以上の可動指を各別に動作させ、静止挙動を含む把持又は開放動作に係る運動制御をおこなうために、一つの選択的な技術手段として、手指部に設けた屈伸誘導線条部材に固定長の形状記憶性素材を用いるとともに、その通電制御手段を設け、該屈伸誘導線条部材を長手方向に収縮駆動又は形状回復駆動するようにしている。これにより、指関節を屈曲駆動する際の把持トルクを増補する。
【0030】
さらに、他の選択的な技術手段として、手掌部に駆動源と移動体間の動力伝達要素とは独立して設けた駆動補助線条部材に固定長の形状記憶性素材を用いるとともに、その通電制御手段を設け、該駆動補助線条部材を長手方向に収縮駆動又は形状回復駆動するようにしている。これにより、モータ駆動と協働する動力伝達要素(又は補助駆動源)を増設している。
【0031】
ここで、駆動補助線条部材は、移動体に始端を置き、かつ、手首側に終端を置いて動力伝達方向と平行に張設され、通電制御手段に回路接続されるものである。
【0032】
上記いずれの選択的な技術手段においても、形状記憶性素材として形状記憶合金(以下、形状記憶メタルという。)、又は形状記憶ポリマー(以下、形状記憶プラスチックという。)からなる線条部材を用いることができる。当然のことながら、形状記憶プラスチックは導電性プラスチックである。
【実施例】
【0033】
本発明の一実施例である多指可動ロボットハンド〔以下、第1、第2又は第3実施例ハンド。〕について添付図面を参照して以下説明する。
【0034】
図1は、第1実施例ハンドの構成概要説明図である。
【0035】
図2は、第2実施例ハンドの構成概要説明図である。
【0036】
図3は、第3実施例ハンドの構成概要説明図である。
【0037】
ぞれぞれの実施例の構成上の違いは、形状記憶メタルを配設する位置、及び配設のしかたが異なる点にある。第1実施例ハンド(図1)は可動指に配置する屈伸誘導線条部材を形状記憶メタルで構成するものであり、第2実施例ハンド(図2)及び第3実施例ハンド(図3)は、いずれも駆動源である駆動用モータが牽引するワイヤ(動力伝達要素)に併設した駆動補助線条部材を形状記憶メタルで構成するものである。第2実施例ハンド(図2)と第3実施例ハンド(図3)との構成上の違いは、形状記憶メタルの配設のしかた(手掌部に収設するかどうかの取り付け方)が異なる。なお、形状記憶メタルに代替して形状記憶プラスチックを用いることも考慮される。いずれも、把持トルクの増補に関する作用効果(形状回復)は共通する。
【0038】
図4は、可動指の構成及び指関節駆動機構を示す説明図である。
【0039】
図5は、可動指(拇指を除く4指)の指関節駆動(把持動作時)と形状記憶メタルの通電制御との関係を示す説明図である。
【0040】
図6は、拇指を含む5指を可動指とするハンド構造(実施例共通)を示す説明図である。
【0041】
図7は、拇指関節構造(実施例共通)を示す部分説明図である。
【0042】
図8は、拇指の可動性(実施例共通)を示す説明図である。
【0043】
(実施例1)
図1に示すように、第1実施例ハンドXは、動滑車15;16が手掌部に設けた動力源である駆動用モータ1;2の回転動力により往復移動する移動体10と、その体部に回動支持した揺動部材12の両端にそれぞれ軸支され、かつ、両持ちの天秤の態様で槓桿保持されるとともに、これら動滑車15;16、移動体10及び揺動部材12を一体的に組付けた動滑車ユニットを有している。
【0044】
動滑車ユニットの一構成要素である移動体10は、スライダ9に装着され、かつ、該移動体10の後端を牽引要素を介して手掌部に設けた駆動用モータ1;2に連係し、該駆動用モータ1;2から発生する回転動力により牽引要素を巻き取り又は巻き戻し操作して、移動体10を含む動滑車ユニットを往復移動するものとされる。
【0045】
ここで、牽引要素は、ワイヤ7;8とドラム付き回転歯車5;6と、ウォームギア3;4からなるものであり、これらをスライダ9の後端の手首側に配置して、ウォームギア3;4を駆動用モータ1;2により回転駆動して移動対10を進退させる。
【0046】
そして、巻き取り操作に基づき移動体10〔動滑車ユニット〕を手首寄りに引きながら屈伸誘導線条部材17;18、19;20を牽引して把持力を発生させ、駆動停止又は巻回停止に基づき把持状態を維持し、巻き戻し操作に基づき移動体10〔動滑車ユニット〕を手指寄りに押し戻しながら屈伸誘導線条部材17;18、19;20を弛緩させて把持力を開放するようにしている。
【0047】
指関節駆動機構は、図4に示すように、回転動力により動滑車(図1中の符号15;16)の各保持位置を往復移動し、正回転に基づき屈伸誘導線条部材58(図1中の符号17;18、又は19;20に同じ)を牽引してゆき、ねじりバネ64;65の弾性力に抗しながらリンク材である第一指骨62、第二指骨63を手指の屈曲方向に掌握動作して拇指を除く2本以上の手指に把持力を発生させ、駆動停止又は回転停止に基づき把持状態を維持し、逆回転に基づき屈伸誘導線条部材58(図1中の符号17;18、又は19;20に同じ)を弛緩又は送出してゆき、ねじりバネ64;65の拘束を漸次開放し。リンク材である第一指骨62、第二指骨63を手指の伸展方向に復帰動作させて2本以上の手指に復元力を発生させるものである。
【0048】
異径物把持機構は、2本以上の手指と拇指を異径物を含む把持対象物に接触させて、指関節駆動における屈伸誘導線条部材58(図1中の符号17;18、又は19;20に同じ)の張力を調整又は保持し、各指関節が把持対象物に外形状に倣って包み込むように屈曲して把持力を維持するものである。
【0049】
上記構成において、第一の可動指(示指21)と第二の可動指(中指22)に連通する屈伸誘導線条部材17;18、及び第三の可動指(環指23)と第四の可動指(小指24)に連通する屈伸誘導線条部材19;20として、通電時に発熱して線条長さが短くなる形状記憶メタルを用いことにより、把持時に手首方向への移動を可能とする動力のみでは不足する把持トルクを補うため、最も把持トルクが必要となるタイミングにのみ形状記憶メタルに通電を行い形状回復駆動し、正確な把持動作を実現するようにしている。図5に、可動指(拇指を除く4指)の指関節駆動(把持動作時)と形状記憶メタルの通電制御との関係を示す。以下、屈伸誘導線条部材は形状記憶メタル〔符号は17、18、19、20〕と表記する。
【0050】
さらに、図6、図7及び図8に示すように、拇指についても可動性を与え、把持を行わない手空き状態において、拇指を手掌の外側に配置することで、より人間らしい外観を実現することができる。
【0051】
また、把持を行う場合は、拇指位置を拇指以外の4指と対向する位置へ移動させることで、把持の効率を向上させる。この拇指位置の移動は手動操作するものとしているが、別途、駆動源を配置して機械操作する構成としてもよい。
【0052】
図1及び図5に基づき第1実施例ハンドXの指関節駆動機構(作用又は操作)について以下説明する。
【0053】
コントローラ30から駆動源である駆動用モータ1;2へ電線28及び電線29を介して制御信号を出力し、駆動用モータ1;2からウォームギア3;4を経由して、回転歯車5;6に動力を伝達され、ワイヤ7;8を牽引していくことにより、スライダ9上に配置されている移動体10がスライダ9の軸方向右側に移動する。
【0054】
このタイミングにあわせて、形状記憶メタル17;18、及び形状記憶メタル19;20に対して、電線25、電線26及び電線27を介してコントローラ30から電流を供給する。これにより、線長を短くして(形状回復駆動して)牽引力を発生させ、指関節の屈曲に係る把持トルク(把持力)を補う。なお、このタイミングとは、一連の把持動作の中で把持力が不足して、把持不能となる時点を言う。
【0055】
移動体10はピン11のまわりに自由回転する揺動部材12に動力を伝達する。揺動部材12はピン13及びピン14を介して動滑車15及び動滑車16に動力を伝達する。動滑車15は形状記憶メタル17;18を牽引する。同様に動滑車16は形状記憶メタル19;20を牽引する。形状記憶メタル17は示指21を動かす。同様に、形状記憶メタル18は中指22を、形状記憶メタル19は環指23を、形状記憶メタル20は小指24をそれぞれ動かす。
【0056】
ここで、示指21及び中指22の動きを拘束した場合、形状記憶メタル17;18を牽引することができなくなるため、動滑車15は移動することができなくなるが、動滑車16は移動することができるので、形状記憶メタル19;20を介して、環指23及び小指24に動力を伝達できる。
【0057】
そしてさらに、環指23の動きを拘束すると、形状記憶メタル19を牽引することはできなくなるが、形状記憶メタル20を牽引して小指24を動かすことができる。なお、把持力(状態)を維持するには駆動(源)を停止する。ウォームギア3及びウォームギア4がもともと制動機能を有するからである。したがって、制動手段(ブレーキ)を別途設ける必要がない。
【0058】
また、第2実施例ハンドY〔図2〕及び第3実施例ハンドZ〔図3〕は、それぞれ駆動源である駆動用モータが牽引するワイヤ(動力伝達要素又は牽引要素)に併設した駆動補助線条部材35、52を形状記憶メタルで構成するものである。以下、駆動補助線条部材は形状記憶メタル〔符号は35、52〕と表記する。ここで、両者の違いは、形状記憶メタル35、52の配設のしかた、すなわち手掌部に収設するかどうかの取り付け方が異なる。当然のことながら、線長が大きい(長い)ほうが伸縮のストロークが大きいので、線長設計により、増補する期間(時間間隔)やそのストローク補調整が図れる。
【0059】
図示のとおり、スライダに装着した移動体10〔動滑車ユニット〕の後端に配置されたワイヤ(動力伝達要素又は牽引要素)と併設して、通電時に発熱して線条長さが短くなる形状記憶メタル35、52を配設し、把持動作時に手首方向への移動を可能とする動力のみでは不足する把持トルクを補うため、最も把持トルクが必要となるタイミングにのみ形状記憶メタル35、52に通電を行い、正確な把持挙動をおこなわせるようにしている。第2、第3実施例ハンドY、Zのそれぞれについて以下説明する。
【0060】
(実施例2)
第2実施例ハンドY〔図2〕は、駆動源である駆動用モータ1;2が牽引するワイヤ7;8(動力伝達要素又は牽引要素)に併設した駆動補助線条部材35を形状記憶メタルで構成するものである。
【0061】
コントローラ42から駆動源である駆動用モータ1;2を電線40;41を介して制御信号を出力し、スライダ9に装着した移動体10〔動滑車ユニット〕を右側へ移動させるのは、実施例1(第1実施例ハンドX)と同様である。この実施例ハンドYでは、指関節内の屈伸誘導線条部材31;32;33;34は形状記憶メタルではなく、可撓部材(通常はワイヤ)で構成されている。
【0062】
移動体10〔動滑車ユニット〕の後端に配置されたワイヤ7;8(動力伝達要素又は牽引要素)と併設して、通電時に発熱して線条長さが短くなる形状記憶メタル35を配設し、把持動作時に手首方向への移動を可能とする動力のみでは不足する把持トルクを補うため、最も把持トルクが必要となるタイミングにのみ、形状記憶メタル35に対して電線38;39を介してコントローラ30から電流を供給通電を行い、正確な把持挙動をおこなわせるようにしている。
【0063】
この実施例ハンドYは、手掌部の手首方向外部に、例えば図示の固定ピン36を配置した固定ピン配置部材37のような形状記憶メタルの終端を固定する構造を作製可能な事例に対応する。
【0064】
(実施例3)
第3実施例ハンドZ〔図3〕は、駆動源である駆動用モータ1;2が牽引するワイヤ7;8(動力伝達要素又は牽引要素)に併設した駆動補助線条部材52を形状記憶メタルで構成するものである。
【0065】
コントローラ57から駆動源である駆動用モータ1;2を電線55;56を介して制御信号を出力し、スライダ9に装着した移動体10〔動滑車ユニット〕を右側へ移動させるのは、実施例1(第1実施例ハンドX)と同様である。この実施例ハンドZでは、指関節内の屈伸誘導線条部材43;44;45;46は形状記憶メタルではなく、可撓部材(通常はワイヤ)で構成されている。
【0066】
形状記憶メタル52は移動体10の後端に取り付けられた形状記憶メタル固定部材47と、手首側モータ位置に配置された形状記憶メタル固定部材48の間に配置される。両端は形状記憶メタル固定部材48上に固定ピン51a;51bで固定され、形状記憶メタル固定部材47上のピン49a;49b;49c;49d、そして形状記憶メタル固定部材48上のピン50a;50b;50cをたすき掛けに往復し、配置される。
【0067】
移動体10〔動滑車ユニット〕の後端に配置されたワイヤ7;8(動力伝達要素又は牽引要素)と併設して、通電時に発熱して線条長さが短くなる形状記憶メタル52を上記方法にて配設し、把持動作時に手首方向への移動を可能とする動力のみでは不足する把持トルクを補うため、最も把持トルクが必要となるタイミングにのみ、形状記憶メタル52に対して電線53;54を介してコントローラ57から電流を供給通電を行い、正確な把持挙動をおこなわせるようにしている。
【0068】
この実施例ハンドZは、第2実施例ハンドYのように手掌部の手首方向外部で形状記憶メタルの終端を固定することが出来ない事例に対応する。
【図面の簡単な説明】
【0069】
【図1】第1実施例ハンドの構成概要説明図である。
【図2】第2実施例ハンドの構成概要説明図である。
【図3】第3実施例ハンドの構成概要説明図である。
【図4】可動指の構成及び指関節駆動機構を示す説明図である。
【図5】可動指(拇指を除く4指)の指関節駆動(把持動作時)と形状記憶メタルの通電制御との関係を示す説明図である。
【図6】拇指を含む5指を可動指とするハンド構造(共通)を示す説明図である。
【図7】拇指関節構造(共通)を示す部分説明図である。
【図8】拇指の可動性(共通)を示す説明図である。
【符号の説明】
【0070】
1 駆動用モータ〔駆動源〕
2 駆動用モータ〔駆動源〕
3 ウォームギア
4 ウォームギア
5 回転歯車
6 回転歯車
7 ワイヤ〔動力伝達要素〕
8 ワイヤ〔動力伝達要素〕
9 スライダ
10 移動体〔動滑車ユニット〕
11 ピン〔動滑車ユニット〕
12 揺動部材〔動滑車ユニット〕
13 ピン〔動滑車ユニット〕
14 ピン〔動滑車ユニット〕
15 動滑車〔動滑車ユニット〕
16 動滑車〔動滑車ユニット〕
17 形状記憶メタル〔屈伸誘導線条部材〕
18 形状記憶メタル〔屈伸誘導線条部材〕
19 形状記憶メタル〔屈伸誘導線条部材〕
20 形状記憶メタル〔屈伸誘導線条部材〕
21 示指〔第一の可動指〕
22 中指〔第二の可動指〕
23 環指〔第三の可動指〕
24 小指〔第四の可動指〕
25 電線(形状記憶メタル通電配線)
26 電線(形状記憶メタル通電配線)
27 電線(形状記憶メタル通電配線)
28 電線(モータ通電配線)
29 電線(モータ通電配線)
30 コントローラ〔通電制御手段〕
31 屈伸誘導線条部材
32 屈伸誘導線条部材
33 屈伸誘導線条部材
34 屈伸誘導線条部材
35 形状記憶メタル〔駆動補助線条部材〕
36 固定ピン〔終端〕
37 固定ピン配置部材〔手首側〕
38 電線(形状記憶メタル通電配線)
39 電線(形状記憶メタル通電配線)
40 電線(形状記憶メタル通電配線)
41 電線(モータ通電配線)
42 コントローラ〔通電制御手段〕
43 屈伸誘導線条部材
44 屈伸誘導線条部材
45 屈伸誘導線条部材
46 屈伸誘導線条部材
47 形状記憶メタル固定部材
48 形状記憶メタル固定部材
49a ピン
49b ピン
49c ピン
49d ピン
50a ピン
50b ピン
50c ピン
51a 固定ピン
51b 固定ピン
52 形状記憶メタル〔駆動補助線条部材〕
53 電線(形状記憶メタル通電配線)
54 電線(形状記憶メタル通電配線)
55 電線(モータ通電配線)
56 電線(モータ通電配線)
57 コントローラ〔通電制御手段〕
58 屈伸誘導線条部材
59 第二関節プーリ
60 中間プーリ
61 第一関節プーリ
62 第一指骨〔リンク材〕
63 第二指骨〔リンク材〕
64 ねじりバネ
65 ねじりバネ
66 拇指関節固定具
67 ボールジョント
68 拇指第二指骨
X 第1実施例ハンド
Y 第2実施例ハンド
Z 第3実施例ハンド

【特許請求の範囲】
【請求項1】
多指多関節の人工ハンドとして構成され、各指関節を手掌側に屈折可能で伸張復帰可能に回動連結した可動指を有し、隣接する可動指に屈伸誘導線条部材を挿通し、かつ、その指間連絡部を手首方向へ進退駆動可能な移動体に係止して牽引操作することにより、静止挙動を含む把持又は開放動作に係る運動制御をおこなう多指可動ロボットハンドにおいて、
前記屈伸誘導線条部材として固定長の形状記憶性素材を用いるとともに、その通電制御手段を設けてなり、該形状記憶性素材を長手方向に収縮駆動又は形状回復駆動することにより、指関節を屈曲駆動する際の把持トルクを増補するようにしたことを特徴とする多指可動ロボットハンド。
【請求項2】
多指多関節の人工ハンドとして構成され、各指関節を手掌側に屈折可能で伸張復帰可能に回動連結した可動指を有し、隣接する可動指に屈伸誘導線条部材を挿通し、かつ、その指間連絡部を手首方向へ進退駆動可能な移動体に係止して牽引操作することにより、静止挙動を含む把持又は開放動作に係る運動制御をおこなう多指可動ロボットハンドにおいて、
手掌部に動力伝達要素とは独立して設けた駆動補助線条部材を介して協働的な動力伝達をおこなう多指可動ロボットハンドであって、
前記駆動補助線条部材として固定長の形状記憶性素材を用いるとともに、その通電制御手段を設けてなり、
前記形状記憶性素材は、移動体に始端を置き、かつ、手首側に終端を置いて動力伝達方向と平行に張設され、前記通電制御手段に回路接続したものであり、該形状記憶性素材を長手方向に収縮駆動又は形状回復駆動することにより、指関節を屈曲駆動する際の把持トルクを増補するようにしたことを特徴とする多指可動ロボットハンド。
【請求項3】
多指多関節の筋電制御義手に代表され、手指の骨格要素となるリンク材を回動自在に結合し、かつ、回動支点には各々ねじりバネを設けて手指の伸展方向に付勢して指関節を形成した複数本の可動指と、該可動指の屈折を誘導する屈伸誘導線条部材と、手掌部に収設され1個の駆動源により動力伝達要素を介して手首方向と手指方向に往復移動可能に進退駆動される移動体を有し、該移動体の駆動制御に基づき前記屈伸誘導線条部材を牽引又は弛緩操作することにより、母指を除く2本以上の可動指を各別に動作させ、静止挙動を含む把持又は開放動作に係る運動制御をおこなう指関節駆動機構を備えた多指可動ロボットハンドにおいて、
手指部に設けた屈伸誘導線条部材に固定長の形状記憶性素材を用いるとともに、その通電制御手段を設けてなり、前記屈伸誘導線条部材を長手方向に収縮駆動又は形状回復駆動することにより、指関節を屈曲駆動する際の把持トルクを増補するようにしたことを特徴とする多指可動ロボットハンド。
【請求項4】
多指多関節の筋電制御義手に代表され、手指の骨格要素となるリンク材を回動自在に結合し、かつ、回動支点には各々ねじりバネを設けて手指の伸展方向に付勢して指関節を形成した複数本の可動指と、該可動指の屈折を誘導する屈伸誘導線条部材と、手掌部に収設され1個の駆動源により動力伝達要素を介して手首方向と手指方向に往復移動可能に進退駆動される移動体を有し、該移動体の駆動制御に基づき前記屈伸誘導線条部材を牽引又は弛緩操作することにより、母指を除く2本以上の可動指を各別に動作させ、静止挙動を含む把持又は開放動作に係る運動制御をおこなう指関節駆動機構を備えた多指可動ロボットハンドにおいて、
手掌部に動力伝達要素とは独立して設けた駆動補助線条部材に固定長の形状記憶性素材を用いるとともに、その通電制御手段を設けてなり、
前記駆動補助線条部材は、前記移動体に始端を置き、かつ、手首側に終端を置いて動力伝達方向と平行に張設され、前記通電制御手段に回路接続したものであり、
前記駆動補助線条部材を長手方向に収縮駆動又は形状回復駆動することにより、指関節を屈曲駆動する際の把持トルクを増補するようにしたことを特徴とする多指可動ロボットハンド。
【請求項5】
請求項1乃至4のいずれか1項記載の多指可動ロボットハンドにおいて、
可動指が、ほぼ平行に配置された示指、中指、環指及び小指(以下、4指。)と、該4指とは独立して可動取り付けした母指からなり、該母指の配向角度又は位置関係を、前記4指に対向配置可能で、手掌外側へ指列配置可能に手動変更操作するようにしたことを特徴とする多指可動ロボットハンド。
【請求項6】
多指多関節の人工ハンドとして構成され、各指関節を手掌側に屈折可能で伸張復帰可能に回動連結した可動指を有し、隣接する可動指に屈伸誘導線条部材を挿通し、かつ、その指間連絡部を手首方向へ進退駆動可能な移動体に係止して牽引操作することにより、静止挙動を含む把持又は開放動作に係る運動制御をおこなうようにした多指可動ロボットハンドにおける指関節駆動制御方法において、
指関節を屈曲駆動する際の把持トルクを増補するための多指可動ロボットハンドにおける指関節駆動制御方法であって、
手指部に設けた屈伸誘導線条部材に固定長の形状記憶性素材を用いて通電制御することにより、該形状記憶性素材を長手方向に収縮駆動又は形状回復駆動することを特徴とする多指可動ロボットハンドにおける指関節駆動制御方法。
【請求項7】
多指多関節の人工ハンドとして構成され、各指関節を手掌側に屈折可能で伸張復帰可能に回動連結した可動指を有し、隣接する可動指に屈伸誘導線条部材を挿通し、かつ、その指間連絡部を手首方向へ進退駆動可能な移動体に係止して牽引操作することにより、静止挙動を含む把持又は開放動作に係る運動制御をおこなうようにした多指可動ロボットハンドにおける指関節駆動制御方法において、
指関節を屈曲駆動する際の把持トルクを増補するために、手掌部に動力伝達要素とは独立して設けた駆動補助線条部材を介して協働的な動力伝達をおこなう多指可動ロボットハンドにおける指関節駆動制御方法であって、
前記駆動補助線条部材に固定長の形状記憶性素材を用い、移動体に始端を置き、かつ、手首側に終端を置いて動力伝達方向と平行に張設して、通電制御することにより、該形状記憶性素材を長手方向に収縮駆動又は形状回復駆動することを特徴とする多指可動ロボットハンドにおける指関節駆動制御方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2009−83020(P2009−83020A)
【公開日】平成21年4月23日(2009.4.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−254162(P2007−254162)
【出願日】平成19年9月28日(2007.9.28)
【国等の委託研究の成果に係る記載事項】(出願人による申告)平成17年度経済産業省地域中小企業支援型研究開発制度 産業技術力強化法第19条の適用を受ける特許出願
【出願人】(591079487)広島県 (101)
【出願人】(507325183)有限会社エムエンジニアリング (1)
【出願人】(301021533)独立行政法人産業技術総合研究所 (6,529)
【Fターム(参考)】