多接点織成パワーコネクタ
本開示は、少なくとも荷重ファイバの第1のセットおよび少なくとも導体の第1のセットを有する、多接点織成パワーコネクタに関する。荷重ファイバのセットに織り込まれた場合、導体はスペースを規定する。荷重ファイバは、導体の接触点にて、接触力を供給することが可能である。導体は、パワー回路およびリターン回路を備え得る。パワーコネクタはまた、荷重ファイバ内で、引っ張り荷重を生成することが可能であるテンションバネを含み得る。パワーコネクタはさらに、パワー/リターン回路に結合され得る相手側導体を含み得る。個々に、第1および第2のスペース内に置かれた場合、導体と相手側導体との間の電気的接続が確立されることが可能である。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気コネクタに関し、より詳細には、織成電気コネクタに関する。
【背景技術】
【0002】
電気システムの構成要素は、全体的な機能システムを提供するために、時には、電気コネクタを用いて相互接続する必要がある。これらの構成要素は、システムのタイプによって、サイズおよび複雑さが変わる可能性がある。たとえば、図1を参照すると、システムには、コネクタ34を用いて相互接続可能なバックプレーンまたはマザーボード30および複数のドータボード32を含むバックプレーンアセンブリを含んでもよく、またコネクタ34には、基板における異なるトレース等のための、多数の個別ピン接続アレイを含んでもよい。たとえば、コネクタが、ドータボードをバックプレーンに接続する電気通信用途においては、各コネクタには、2000またはそれを超えるピンを含んでもよい。代替として、システムには、単一ピンで同軸または他のタイプのコネクタおよび中間の多くの変形を用いて接続可能な構成要素を含んでもよい。電気システムのタイプに関係なく、技術の進歩によって、電気回路および構成要素は、ますます小さく、より強力なものとなった。しかしながら、一般的には、個別コネクタは、回路トレースおよび構成要素のサイズと比べて、まだ比較的大きい。
【0003】
図2aおよび図2bを参照すると、図1におけるバックプレーンアセンブリの斜視図が示されている。図2aには、また、ハウジング36およびハウジング36内に取り付けられた複数のピン38を含む、コネクタ34における雄部の拡大部分を示す。図2bには、ハウジング40を含むコネクタ34における雄部における雄部の拡大部分を示すが、このハウジング40は、コネクタの雄部におけるピン38を受け入れるように構成された複数の開口42を画定する。
【0004】
コネクタ34の一部を図3aに、より詳細に示す。コネクタにおける雌部の各接点には、1つの開口(図2bの42)内に取り付けられた本体部44が含まれる。コネクタにおける雄部の対応するピン38は、本体部44と結合されるように構成されている。各ピン38および本体部44には、終端接点48が含まれる。図3bに示すように、本体部44には、対応するピン38に「締まりばめ」を提供するように構成されている2つの片持ちアーム46が含まれる。ピン38と本体部44との間に許容できる電気接続を提供するために、片持ちアーム46は、比較的強い型締力を提供するように組み立てられている。かくして、コネクタの雄部をコネクタの雌部とかみ合わせるためには、強い垂直力が必要とされる。これは、以下により詳細に説明するように、多くの用途において望ましくないであろう。
【0005】
従来のコネクタにおける雄部が雌部と係合するときには、ピン38は、片持ちアーム46の間をスライドしながら「ワイピング」動作を行うが、片持ちアームの型締力に打ち勝ち、ピン38を本体部44に挿入できるようにするためには、強い垂直力が必要となる。接触している2つのスライド表面(ピンおよび片持ちアーム)間には、3つの摩擦要素、すなわち、凹凸の相互作用、接着および表面のプラウイングがある。ピン38および片持ちアーム46など、肉眼では、平坦で滑らかに見える表面は、実際には、拡大してみると、不均一でざらざらしている。凹凸の相互作用は、表面が互いの上をスライドするときに、表面の凹凸の干渉から生じる。凹凸の相互作用は、摩擦源であり粒子の発生源でもある。同様に、接着は、ざらざらした表面における極微的な接触点の局所的な溶着を指すが、この溶着は、これらの接触点における大きな圧力の集中から生じる。表面が互いにスライドするときに、これらの溶着が壊れることが、摩擦源である。
【0006】
さらに、粒子は、コネクタの接触表面間に、閉じ込められる可能性がある。たとえば、図4aを参照すると、図3bにおける従来のコネクタの拡大部が図示され、コネクタ34のピン38および片持ちアーム46間に閉じ込められた粒子50が示されている。片持ちアームがかける型締め力52は、図4bに示すように、粒子が、一表面または両表面に部分的に埋め込まれるほど十分であり、ピン38と片持ちアーム46との間で、電気的な接触がやはり得られるようでなければならない。型締め力52が不十分な場合には、粒子50は、ピン38と片持ちアーム46との間で、電気接続が形成されるのを妨げる可能性があり、これは、コネクタ34の故障に帰着する。しかしながら、型締め力52が強ければ強いほど、コネクタ34における雌部の本体部44に、ピン38を挿入するのに必要な垂直力は強くなければならない。ピンがアームに対してスライドするときには、粒子は、表面に溝を刻む。この現象は「表面プラウイング(plowing)」として知られ、摩擦の第3の要素である。
【0007】
図5を参照すると、ピン38と1つの片持ちアーム46との間における接触点の拡大部分、およびそれらの間に閉じ込められている粒子50が示されている。矢印54で示すように、ピンが片持ちアームに対してスライドするとき、粒子50は、片持ちアームの表面58および/またはピンの表面60に溝56を掘る。溝56によって、コネクタの磨耗が引き起こされ、金メッキしたコネクタにおいては、特に望ましくないであろう。この場合、金は比較的やわらかい金属なので、粒子が金メッキを通して溝を掘り、コネクタの下にある基板を露出する可能性がある。これは、コネクタの磨耗を加速する。というのも、たとえば、銅かもしれない露出したコネクタ基板は、容易に酸化する可能性があるからである。酸化は、非常に研磨作用のある酸化粒子の存在のために、コネクタの一層の磨耗につながることもあり得る。さらに、酸化は、コネクタの引き抜きおよび再挿入がない場合でも、経時的には、電気接触の劣化へとつながる。
【0008】
表面間に閉じ込められた粒子の問題に対する従来の一解決法は、「粒子トラップ」を備えた一表面を設けることである。図6a〜cを参照すると、第1の表面62は、第2の表面64に対して、矢印66で示す方向に動く。表面64に粒子トラップを設けていないときには、図6a〜6cに連続して示すように、アグロメレーション(agglomeration)と呼ばれるプロセスによって、小粒子68は、表面が動くにつれて結合し、大きな凝集粒子70を形成する。これは望ましいことではない。なぜなら、より大きな粒子は、つぎのことを意味するからである。すなわち、粒子を除去するか、または粒子を一表面もしくは両表面に埋め込んで、表面62と表面64との間に電気接続を確立できるようにするために必要な型締め力が非常に大きいということである。したがって、図6d〜6gに示すように、表面64には、図示のように表面の小さな凹部ある粒子トラップ72を設けてもよい。表面62が表面64上を動くとき、粒子68は粒子トラップ72に押し込まれ、かくして、粒子68は、もはや、溝を掘ったり、表面62と表面64との間の電気接続を妨害するのには役立たない。しかしながら、これら従来の粒子トラップの欠点は、トラップのない表面64よりもトラップのある表面64を機械加工することが著しく困難であり、コネクタのコストを増加させるということである。粒子トラップはまた、圧力および破断を増加させがちな特徴を生じ、かくして、コネクタは、粒子トラップが存在しない場合よりも、破局的な故障を被る恐れがある。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0009】
一実施形態によると、多接点織成コネクタには、ウィーブ(weave)を含んでもよく、このウィーブは、複数のテンションファイバおよび複数のテンションファイバと織り込まれた少なくとも1つの導体を提供するように配列され、少なくとも1つの導体の長さに沿って、複数の山部/谷部を形成する。少なくとも1つの導体には、少なくとも1つの導体の長さに沿って配置された複数の接触点があり、少なくとも1つの導体が、相手側コネクタ要素の導体と係合するときには、複数の接触点の少なくともいくつかが、多接点織成コネクタの少なくとも1つの導体と、相手側コネクタ要素の導体との間に、電気接続を提供するようにされている。ウィーブのテンションファイバによって、多接点織成コネクタの少なくとも1つの導体における複数の接触点の少なくともいくつかと、相手側コネクタ要素の導体との間に、接触力が提供される。
【0010】
別の実施形態によると、電気コネクタには、ウィーブを含む第1のコネクタ要素が含まれ、このウィーブには、複数の非導電ファイバおよび複数の非導電ファイバと織り込まれた少なくとも1つの導体が含まれ、また少なくとも1つの導体には、少なくとも1つの導体の長さに沿って、複数の接触点がある。電気コネクタには、さらに、ロッド部材を含む相手側コネクタ要素が含まれ、この場合、第1のコネクタ要素における複数の接触点の少なくともいくつかが、相手側コネクタ要素のロッド部材と接触して、第1のコネクタ要素と相手側コネクタ要素との間に電気接続を提供するように、第1のコネクタ要素および相手側コネクタ要素の係合は構成されている。複数の非導電ファイバは引っ張られ、第1のコネクタ要素における複数の接触点の少なくともいくつかと、相手側コネクタのロッド部材との間で接触力を提供する。
【0011】
別の実施形態において、電気コネクタには、基礎部材、基礎部材に取り付けられた第1および第2の導体、ならびに第1および第2の導体を囲む少なくとも1つのエラストマバンドが含まれる。第1および第2の導体には、第1および第2の導体の長さに沿って波打ち形状があり、第1および第2の導体の長さに沿って複数の接触点を含む。
【0012】
一実施形態によると、コネクタ要素アレイには、少なくとも1つのパワーコネクタ要素および複数の信号コネクタ要素が含まれる。各信号コネクタ要素にウィーブが含まれ、このウィーブは、複数の非導電ファイバと、複数の非導電ファイバと織り込まれた第1および第2の導体とを含んで、第1および第2の導体のそれぞれの長さに沿って複数の山部および谷部を形成し、この場合、第2の導体は、第1の導体と隣接して位置し、複数の非導電ファイバの第1のファイバは、第1の導体における第1の山部の下および第2の導体における第1の谷部の上を通る。第1および第2の導体には、第1および第2の導体の長さに沿って配置された複数の接触点があり、これらの複数の接触点は、信号コネクタ要素の第1および第2の導体と、相手側信号コネクタ要素の導体との間に電気接続を提供するように構成され、また信号コネクタ要素における第1および第2の導体の複数の接触点と、相手側信号コネクタ要素の導体との間の接触力は、ウィーブの張力によって提供される。
【0013】
さらに別の実施形態によると、電気コネクタには、基礎部材および2つの対向端部壁を含むハウジングと、複数の非導電ファイバであって、その複数の非導電ファイバに所定の張力が与えられるように、ハウジングの対向端部壁に取り付けられた複数の非導電ファイバと、基礎部材に取り付けられた第1の終端接点であって、第1の終端接点の第1の端部に接続された第1の複数の導体を有する第1の終端接点とが含まれ、この場合、第1の複数の導体は、複数の非導電ファイバと織り込まれて、複数の導体の各導体が、各導体の長さに沿って複数の接触点を有するように、織成構造を形成する。
【0014】
別の実施形態には、電気コネクタアレイが含まれ、このアレイには、基礎部および2つの対向端部壁を含むハウジングと、対向端部壁間に取り付けられた複数の非導電ファイバと、複数の非導電ファイバに織り込まれて、第1の電気接点を提供する第1の導体と、複数の非導電ファイバに織り込まれて、第2の電気接点を提供する第2の導体と、複数の非導電ファイバと織り込まれ、第1および第2の導体間に配置されて、第1の電気接点を第2の電気接点から電気的に絶縁する少なくとも1つの絶縁ストランドとが含まれる。
【0015】
さらに別の実施形態によると、多接点織成コネクタには、ウィーブが含まれ、このウィーブは、複数のテンション非導電ファイバと、複数のテンション非導電ファイバと織り込まれた第1および第2の導体とを含んで、第1および第2の導体のそれぞれの長さに沿って、複数の山部および谷部を形成する。第2の導体は、第1の導体と隣接して位置し、複数のテンション非導電ファイバの第1のファイバは、第1の導体における第1の山部の下および第2の導体における第1の谷部の上を通る。第1および第2の導体には、第1および第2の導体の長さに沿って配置された複数の接触点があり、第1および第2の導体が、相手側コネクタ要素の導体と係合するときには、複数の接触点の少なくともいくつかが、多接点織成コネクタの第1および第2の導体と、相手側コネクタ要素の導体との間に電気接点を提供するようにされ、この場合、ウィーブにおける複数のテンション非導電ファイバが、第1および第2の導体における複数の接触点の少なくともいくつかと、相手側コネクタ要素の導体との間に接触力を提供する。
【0016】
代替的な実施形態によると、多接点織成コネクタは、多接点織成コネクタは、複数の荷重ファイバおよび、少なくとも一つの接触点を有する少なくとも一つの導体を含む。導体は、複数の荷重ファイバの少なくとも一部に織り込まれ、複数の荷重ファイバは、したがって、それぞれの導体のそれぞれの接触点にて、接触力を供給することが可能である。特定の実施形態において、第1の導体と第2の導体との間で、電気的接続が確立されることが可能である。導体は、好ましくは、自己終端型である。多接点織成コネクタは、さらに、荷重ファイバの端部が結合され得る付着点を有するスプリング台を備えることが可能である。多接点織成導体はまた、さらに、付着点を有するフローティング端部プレートを備え得、荷重ファイバの端部は、付着点に結合され得る。付け加えて、多接点織成コネクタはさらに、相手側接触表面を有する相手側導体を含み得、導体の接触点と相手側導体の相手側接触表面との間にて、電気接触が確立されることが可能である。例示的な実施形態において、相手側接触表面は、曲がっており、好ましくは、凸状であり、例えば、相手側接触表面は、一定の曲率半径によって規定され得る。
【0017】
別の実施形態によると、多接点織成コネクタは、複数の荷重ファイバからなるパワーコネクタであり得、パワー回路は少なくとも一つの導体を有し、リターン回路はまた、少なくとも一つの導体を有する。パワー回路およびリターン回路の導体は、複数の荷重ファイバの少なくとも一部に織り込まれる。パワーコネクタは、さらに、相手側接触表面を有する相手側導体を含み得、パワー回路の導体と第1の相手側接触表面との間に、および、リターン回路の導体と第2の相手側接触表面との間に、電気的接続が確立されることが可能である。
【0018】
さらなる実施形態によると、多接点織成コネクタは、第1および第2の荷重ファイバのセット、ならびに、第1および第2の導体のセットからなり得る。第1のセットの導体は、第1のスペースを有する第1のウィーブを作成するために、荷重ファイバの第1のセットに織り込まれ、その一方で、第2のセットの導体は、第2のスペースを有する第2のウィーブを作成するために、荷重ファイバの第2のセットに織り込まれる。例示的な実施形態において、ウィーブは、その中に置かれるスペースを有する織成チューブとして配置される。多接点織成コネクタはさらに、荷重ファイバ内にて、引っ張り荷重を生成するための、少なくとも一つのテンションバネを含み得る。多接点織成コネクタはまた、さらに、相手側接触表面を有する、第1および第2の相手側導体を含み得る。相手側導体は、そのスペースに置かれ得る。例示的な実施形態において、相手側導体は、実質的にロッド型である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
本発明の前述および他の特徴および利点は、添付の図面に関連した、様々な実施形態およびその態様における以下の非限定的な説明から明らかになるであろう。異なる図を通して、同様な参照符号は、同様な要素を指す。図面は、例証および説明を目的として提供するものであり、本開示の広さを限定することを意図するものではない。
【0020】
本発明によって、先行技術のコネクタにおける欠点を克服する可能性のある電気コネクタが提供される。本発明には、高密集度が可能で、コネクタ要素と相手側コネクタ要素とを係合するために比較的小さな垂直力のみを使用する電気コネクタが含まれる。本発明は、その適用において、以下の説明に記載し、図面に示す、組み立ての詳細および構成要素の配列に限定されるものではないことを理解すべきである。本発明を実施する他の実施形態および方法も可能である。また、本明細書で使用されている語法および術語は、説明を目的としたものであり、限定するものとしてみなすべきではないことを理解されたい。「含む(including)」、「含む(comprising)」または「有する(ある)(having)」およびそれらの変形の使用は、その後に挙げる項目およびそれらの等価物だけでなく追加的な項目も包含することを意味する。さらに、本明細書で使用する用語「コネクタ」が指すのは、プラグおよびジャックコネクタ要素のそれぞれ、ならびにプラグおよびジャックコネクタ要素の組み合わせだけでなく、任意のタイプのコネクタにおけるそれぞれの相手側コネクタ要素、およびそれらの組み合わせであることを認識すべきである。また、用語「導体」が指すのは、限定するわけではないが、電線、導電ファイバ、金属細片、金属または他の導電コアなどの導電要素であることを認識すべきである。
【0021】
図7を参照すると、本発明の態様によるコネクタの一実施形態が示されている。コネクタ80にはハウジング82が含まれ、このハウジングには、基礎部材84および2つの端部壁86を含んでもよい。複数の非導電ファイバ88を、2つの端部壁86間に配置してもよい。複数の導体90は、基礎部材84から、複数の非導電ファイバ88へほぼ垂直に延伸してもよい。複数の導体90を、複数の非導電ファイバと織り込んで、複数の導体のそれぞれの長さに沿って、複数の山部および谷部を形成し、それによって、織成コネクタ構造を形成してもよい。ウィーブの結果として、各導体は、複数の導体のそれぞれの長さに沿って配置される複数の接触点を有するであろうが、これについては、以下でより詳細に説明する。
【0022】
一実施形態において、多数の導体90a、たとえば4つの導体が、ともに1つの電気接点を形成してもよい。しかしながら、各導体が単独で別個の電気接点を形成するか、または任意の数の導体を組み合わせて単一の電気接点を形成してもよいことを認識すべきである。図7のコネクタには、終端接点91を含んでもよく、これらの終端接点は、たとえば、バックプレーンまたはドータボードに、永続的または取り外し可能に接続してもよい。図示の例において、終端接点91はプレート102に取り付けられ、このプレートは、ハウジング82の基礎部材84に取り付けてもよい。代替として、終端部は、ハウジング82の基礎部材84に直接に接続してもよい。また基礎部材84および/または端部壁86を用いて、コネクタ80を、バックプレーンまたはドータボードに固定してもよい。以下で説明するように、図7のコネクタは、1つまたは複数の相手側コネクタ要素と係合するように構成してもよい。
【0023】
図8は、コネクタ80の拡大部分の一例を図示し、4つの導体90aを含む1つの電気接点を示している。4つの導体90aは、共通の終端接点91に接続してもよい。終端接点91は、図示の形状である必要はなく、たとえば、半導体デバイス、回路基板、ケーブル等への終端のために適した任意の構成であってもよい。一例によると、複数の導体90aには、第1の導体90b、および第1の導体90bに隣接して位置する第2の導体90cを含んでもよい。第1および第2の導体を複数の非導電ファイバ88と織り込んで、非導電ファイバ88の第1のファイバが、第1の導体90bの谷部92の上を通過し、第2の導体90cの山部94の下を通過するようにしてもよい。かくして、接触する相手側コネクタがどこに位置しているかに従って、導体の長さに沿った複数の接触点を、谷部または山部のどちらかによって設けてもよい。図8に示すように、相手側接点96は、相手側コネクタ要素97の一部を形成してもよく、この相手側コネクタ要素97は、図15bに示すように、コネクタ80と係合してもよい。図8に示すように、導体90aにおける谷部の少なくともいくつかによって、導体90aと相手側接点96との間に複数の接触点が提供される。相手側接点は、図示の形状である必要はなく、たとえば、半導体デバイス、回路基板、ケーブル等への終端のために適した任意の構成であってもよい。
【0024】
一実施形態によると、コネクタ80のウィーブにおける張力によって、コネクタ80の導体と相手側コネクタ96との間の接触力を提供してもよい。一例において、複数の非導電ファイバ88には、弾性材料を含んでもよい。弾性ファイバを伸ばすことによって非導電ファイバ88に発生する可能性のある弾性張力を用いて、コネクタ80と相手側接点96との間の接触力を提供してもよい。弾性非導電ファイバは、事前に伸ばして弾性力を提供してもよいし、または以下により詳細に説明するように、テンション台に取り付けてもよい。
【0025】
図9aを参照すると、図8の線9A−9Aに沿った、図8のコネクタの拡大断面図が示されている。弾性非導電ファイバ88を矢印93aおよび93bの方向に引っ張って、非導電ファイバに所定の張力を提供し、今度はこの張力が、導体90と相手側接点96との間で、所定の接触力を提供してもよい。図9aに示す例において、非導電ファイバ88が相手側導体96の水平面99に対して角度95をなすように、非導電ファイバ88を引っ張り、導体90を相手側接点96に押しつけてもよい。この実施形態では、1つ以上の導体90が、相手側導体96と接触してもよい。代替として、図9bに示すように、単一の導体90を、任意の単一相手側導体96と接触させ、上記で説明した電気接点を提供してもよい。前述の例と同様に、非導電ファイバ86を、矢印93aおよび93bの方向に引っ張って、導体90のどちらの側でも、相手側接点96の水平面に対して角度97をなす。
【0026】
上記で説明したように、弾性非導電ファイバ88は、テンション台に装着してもよい。たとえば、ハウジングの端部壁86が、テンション台としての働き、非導電ファイバ88に張力を提供してもよい。図10に示すように、これは、たとえば、第1または静止位置250と第2または引っ張り位置252との間で可動に端部壁86を組み立てることによって、達成してもよい。静止位置250から引っ張り位置252への端部壁86の動きによって、弾性非導電ファイバ88が伸ばされ、かくして張力をかけられる。図示のように、非導電ファイバ88の長さは、テンション台が静止位置250にあるとき(相手側コネクタが、コネクタ80と係合していないとき)の、ファイバの第1の長さ251と、テンション台が引っ張り位置252にあるとき(相手側コネクタがコネクタ80と係合しているとき)の第2の長さ253との間で変わってもよい。このように非導電ファイバ88を引き伸ばし、張力をかけることによって、今度は、相手側コネクタがコネクタ要素と係合しているときに、導電ウィーブ(はっきりさせるために図10には図示せず)と相手側接点との間で、接触力を提供してもよい。
【0027】
図11に示すように、別の例によると、非導電ファイバ88の一端または両端および端部壁86の対応する一方または両方に接続されたバネ254を設け、バネが弾性力を提供するようにしてもよい。この例において、非導電ファイバ88は、非弾性であってもよく、たとえば、ポリアミドファイバ、ポリアラミドファイバなどの非弾性材料を含んでもよい。非導電ウィーブにおける張力は、バネ254のバネ力によって提供し、今度は、張力が、導電ウィーブ(はっきりさせるために図示せず)と相手側コネクタ要素との間で接触力を提供してもよい。さらに別の例では、非導電ファイバ88は、弾性でも非弾性でもよいし、またテンションプレート256(図12を参照)に取り付けてもよく、今度は、テンションプレート256を端部壁86に取り付けるか、またはテンションプレート256を端部壁86としてもよい。テンションプレートには、複数のバネ部材262を含んでもよく、各バネ部材は開口260を画定し、また各バネ部材262は、スロット264によって、隣接するバネ部材から分離してもよい。各非導電ファイバは、テンションプレート256の対応する開口260に通してもよく、またたとえば、接着するなどしてテンションプレートに取り付けるか、または非導電ファイバの端部が、開口260を抜け出ることができないように、結びつけてもよい。スロット264によって、各バネ部材262が、隣接するバネ部材から独立して働くことができるようにし、一方で、複数のバネ部材を、共通のテンション台256に取り付けできるようにしてもよい。各バネ部材262を少し動くようにし、それによって、非導電ウィーブに張力を与えてもよい。一例において、図12に示すように、テンション台256は、弧状の構造をしていてもよい。
【0028】
本発明の一態様によると、コネクタおよび相手側コネクタの長さに沿って、複数の別個の接触点を設けることは、従来のコネクタの単一で連続的な接点(図3a、3bおよび4に示す)より優れたいくつかの利点を有するであろう。たとえば、図4に示すように、粒子が従来のコネクタの表面間に閉じ込められたとき、粒子は、表面間に電気接続が形成されるのを妨ぐことができ、コネクタの磨耗を加速する可能性のあるプラウイング(溝掘り)を生じることがあり得る。本願出願人は、閉じ込められた粒子によるプラウイングが、従来のコネクタにおける磨耗の大きな原因であることを発見した。プラウイングの問題、およびその結果として、正常な電気接続の形成が不十分であることは、本発明の織成コネクタによって、克服されるであろう。織成コネクタには、「局所的に対応」するという特徴があるが、これが本明細書において意味することは、コネクタが、コネクタの表面間に作られる電気接続に影響を与えることなく、小さな粒子の存在に順応することだと、理解すべきである。図13aおよび13bを参照すると、図7および8におけるコネクタの拡大断面図が図示され、相手側コネクタ要素96の長さに沿って、複数の別個の接触点を提供する複数の導体90aが示されている。粒子が存在しないときには、図13aに示すように、導体90aの各山部/谷部は、相手側接点96と接触するであろう。粒子98がコネクタの表面間に閉じ込められたときには、図13bに示すように、粒子が位置する山部/谷部100は、粒子の存在に順応し、粒子によって歪ませることができ、相手側接点96と接触しない。しかしながら、導体90aの他の山部/谷部は、相手側接点96と接触したままであり、それによって、導体と相手側接点96との間の電気接続を提供する。この配列では、粒子にほとんど力が加わらないであろうし、かくして、コネクタの織成表面が、他の表面に対して動くときには、粒子は、他の表面に溝を掘らず、むしろ、織成コネクタの各接触点は、粒子と出くわすと、歪むであろう。かくして、織成コネクタは、プラウイングの発生を防ぎ、それによって、コネクタの磨耗を低減し、コネクタの耐用寿命を伸ばす可能性がある。
【0029】
再び図7を参照すると、コネクタ80には、さらに、1つまたは複数の絶縁ファイバ104を含んでもよく、この絶縁ファイバは、複数の非導電ファイバ88に織り込み、ともに電気接点を形成する導体セットの間に配置してもよい。絶縁ファイバ104は、1つの電気接点を別の電気接点から電気的に絶縁するように働き、1つの電気接点の導体が他の電気接点の導体と接触して、接点間で電気的短絡を起こすのを防ぐであろう。コネクタ80の一例における拡大部分を、図14に示す。図示のように、コネクタ80には、1つまたは複数の絶縁ファイバ104aによって分離され、複数の非導電ファイバ88に織り込まれた、第1の複数の導体110aおよび第2の複数の導体110bを含んでもよい。上記で説明したように、第1の複数の導体110aを第1の終端接点112aに接続し、第1の電気接点を形成してもよい。同様に、第2の複数の導体110bを第2の終端接点112bに接続し、第2の電気接点を形成してもよい。一例において、終端接点112aおよび112bは、ともに、差動信号接点対を形成してもよい。代替として、各終端接点は、単一で別個の電気信号接点を形成してもよい。別の例によると、コネクタ80には、さらに、電気シールド部材106を含んでもよく、このシールド部材は、図7に示すように、差動信号対接点を互いに分離するように配置してもよい。もちろん、電気シールド部材を、また差動信号対接点のないコネクタ80の例に含んでもよいことを、認識すべきである。
【0030】
図15aおよび15bに、相手側コネクタ97と組み合わせたコネクタ80を示す。相手側コネクタ97には、1つまたは複数の相手側接点96(図8参照)、およびまた相手側ハウジング116を含んでもよく、このハウジングには、スペーサ120によって分離された、上部および下部プレート部材118aおよび118bがあってもよい。相手側接点96を上部および/または下部プレート部材118aおよび118bに取り付け、コネクタ80が相手側コネクタ97と係合されるときに、複数の導体90における接触点の少なくともいくつかが相手側接点96と接触し、コネクタ80と相手側コネクタ97との間で電気接続を提供するようにしてもよい。一例において、図15bに示すように、相手側接点96は、上部および/または下部プレート部材118aおよび118bに沿って、交互に間隔をおいて配置してもよい。スペーサ120は、スペーサ120の高さが、コネクタ80における端部壁86の高さとほぼ等しいかまたはわずかに低くなるように組み立てて、コネクタ80と相手側コネクタ97との間に締まりばめを提供し、また相手側導体と複数の導体90における接触点との間に接触力を提供してもよい。上記で説明したように、一例において、スペーサは、コネクタ80の可動テンション端部壁86を収容するように組み立ててもよい。
【0031】
ウィーブを構成する導体ならびに非導電および絶縁ファイバは、極端に細く、たとえば、直径が、約0.0001インチから約0.020インチの範囲であってもよく、したがって、織成構造を用いた非常に高密度のコネクタが可能であることを認識すべきである。上記で説明したように、織成導体は、局所的に対応するので、摩擦を克服するのにエネルギをほとんど消費せず、したがって、コネクタは、コネクタを相手側コネクタ要素と係合させるために、比較的小さな垂直力を必要とするだけであろう。これによって、また、コネクタの耐用寿命が延びるであろう。なぜなら、コネクタ要素を相手側コネクタ要素に係合するときに発生する、導体の破損または屈曲の可能性がより小さいからである。導体および絶縁ファイバを非導電ファイバと織り込むことの自然の結果として、ウィーブに存在するポケットまたはスペースもまた、粒子トラップとして働いてもよい。従来の粒子トラップとは異なり、これらの粒子トラップは、製造上の特別な配慮がなにもなくても、ウィーブに存在するであろうし、従来の粒子トラップのようには、応力機構をもたらさない。
【0032】
図16aおよび16bを参照すると、本発明の態様による織成コネクタの別の実施形態が示されている。この実施形態において、コネクタ130には、第1のコネクタ要素132および相手側コネクタ要素134を含んでもよい。第1のコネクタ要素には、第1および第2の導体136aおよび136bを含んでもよく、これらの導体は、絶縁ハウジングブロック138に取り付けてもよい。図示の例において、第1のコネクタ要素には、2つの導体が含まれているが、本発明はそのように限定されるわけではなく、第1のコネクタ要素には、2を超える導体を含んでもよいことを認識すべきである。第1および第2の導体は、図示のように、第1および第2の導体の長さに沿って、波打ち形状を有し、導体の長さに沿って、複数の接触点139を含んでもよい。この実施形態の一例において、ウィーブは、第1および第2の導体136aおよび136bを囲む弾性バンド140によって提供される。この例によると、第1の弾性バンドは、第1の導体136aの第1の山部の下および第2の導体136bの第1の谷部の上を通り、上記でコネクタ80(図7〜15b)に関連して説明した織成構造と類似した利点および特性を有する織成構造を提供してもよい。弾性バンド140は、エラストマを含んでもよく、または別の絶縁材料で形成してもよい。バンド140は、弾性体である必要はなく、非弾性材料を含んでもよいこともまた認識すべきである。第1のコネクタ要素の第1および第2の導体は、対応する第1および第2の終端接点146で終端してもよく、これらの終端接点は、たとえば、バックプレーン、回路基板、半導体デバイス、ケーブル等に、永続的または取り外し可能に接続してもよい。
【0033】
上記で説明したように、コネクタ130には、さらに、相手側コネクタ要素(ロッド部材)134を含んでもよく、この相手側コネクタ要素には、絶縁部材144によって分離された第3および第4の導体142aおよび142bを含んでもよい。相手側コネクタ要素134が第1のコネクタ要素132と係合しているときには、第1および第2の導体における接触点139の少なくともいくつかは、第3および第4の導体と接触し、第1のコネクタ要素と相手側コネクタ要素との間で、電気接続を提供してもよい。接触力は、弾性バンド140における張力によって提供してもよい。相手側コネクタ要素134には、第1のコネクタ要素における任意の追加的な導体と接触するように構成された追加的な導体を含んでもよく、図示のように2つの導体を有することに限定されるわけではないことを認識すべきである。相手側コネクタ要素134には、同様に、終端接点148を含んでもよく、これらの終端接点は、たとえば、バックプレーン、回路基板、半導体デバイス、ケーブル等に、永続的または取り外し可能に接続してもよい。
【0034】
本発明の態様による別の織成コネクタの一例を、図17aおよび17bに示す。この実施形態において、コネクタ150には、第1のコネクタ要素152および相手側コネクタ要素154を含んでもよい。第1のコネクタ要素152には、ハウジング156を含んでもよく、このハウジングには、基礎部材158および2つの対向端部壁160を含んでもよい。第1のコネクタ要素には、複数の導体162を含んでもよく、これらの導体は、基礎部材に取り付けてもよく、上記で説明した、コネクタ130の導体136aおよび136bと同様に、導体の長さに沿って波打ち形状を有してもよい。導体の波打ち形状によって、導体の長さに沿って、複数の接触点を提供してもよい。複数の非導電ファイバ164は、2つの対向端部壁160の間に配置し、複数の導体162と織り込んで、織成コネクタ構造を形成してもよい。相手側コネクタ要素154には、絶縁ブロック166に取り付けた複数の導体168を含んでもよい。図17bに示すように、相手側コネクタ要素154が、第1のコネクタ要素152と係合するときには、第1のコネクタ要素における複数の導体の長さに沿った複数の接触点の少なくともいくつかが、相手側コネクタ要素の導体と接触し、両者の間で電気接続を提供してもよい。一例において、複数の非導電ファイバ164は、弾性体であってもよく、図9aおよび9bに関連して上記で説明したように、第1のコネクタ要素の導体と相手側コネクタ要素との間で接触力を提供してもよい。さらに、コネクタ150には、図10a〜12に関連して上記で説明した他のテンション構造のどれを含んでもよい。このコネクタ150には、また、織成コネクタの他の実施形態に関連して上記で説明した利点があるであろう。特に、コネクタ150は、閉じ込められた粒子が、図13に関連して説明したのと同じ方法で、導体の表面に溝を掘るのを防ぐであろう。
【0035】
図18を参照すると、本発明による織成コネクタのさらに別の実施形態が示されている。コネクタ170には、織成構造を含んでもよく、この織成構造には、複数の非導電ファイバ(バンド)172、および複数の非導電ファイバ172と織り込まれた少なくとも1つの導体174が含まれる。一例において、コネクタには、複数の導体174を含んでもよく、これらの導体のいくつかは、1つまたは複数の絶縁ファイバ176によって互いに分離してもよい。1つまたは複数の導体174を、複数の非導電ファイバ172と織り込んで、導体の長さに沿って複数の山部および谷部を形成し、それによって、導体の長さに沿って複数の接触点を提供してもよい。図示のように、織成構造は、チューブ形状として、ウィーブの一端をハウジング部材178に接続してもよい。しかしながら、織成構造は、チューブに限定されるわけではなく、任意の所望の形状であってもよいことを認識すべきである。ハウジング部材178には、終端接点180を含んでもよく、この終端接点は、たとえば、回路基板、バックプレーン、半導体デバイス、ケーブル等に、永続的または取り外し可能に接続してもよい。終端接点180は、図示のように丸い必要はなく、コネクタを使用することになる用途の装置に接続するのに適した任意の形状であってもよい。
【0036】
コネクタ170には、さらに、織成チューブと係合すべき相手側コネクタ要素(ロッド部材)182を含んでもよい。相手側コネクタ要素182は、図示のように、円形横断面をしていてもよいが、相手側コネクタ要素は丸い必要はなく、所望の他の形状をしていてもよい。相手側コネクタ要素182には、1つまたは複数の導体184を含んでもよく、この導体は、相手側コネクタ要素182に沿って周囲に間隔を置いて配置し、相手側コネクタ要素182の長さに沿って延在してもよい。相手側コネクタ要素182が織成チューブに挿入されるときには、ウィーブの導体174は、相手側コネクタ要素182の導体184と接触し、それによって、ウィーブの導体と相手側コネクタ要素との間で電気接続を提供してもよい。一例によると、相手側コネクタ要素182および/または織成チューブには、位置決め機構(図示せず)を含み、挿入時に、相手側コネクタ要素182を織成チューブと位置合わせしてもよい。
【0037】
一例において、非導電ファイバ172は弾性体であってもよく、また相手側コネクタ要素182の円周とほぼ等しいかまたはわずかに小さな円周を有して、相手側コネクタ要素と織成チューブとの間に締まりばめを提供してもよい。図19を参照すると、コネクタ170の一部の拡大断面図が図示され、非導電ファイバ172を、矢印258の方向に引っ張ってもよいことが示されている。テンション非導電ファイバ172が接触力を提供し、この接触力によって、ウィーブにおける導体174の長さに沿った複数の接触点の少なくともいくつかを、相手側コネクタ要素の導体184と接触させてもよい。別の例において、非導電ファイバ172は、非弾性体であってもよく、またバネ部材(図示せず)を含み、このバネ部材によって、相手側コネクタ要素182が挿入されたときに、チューブの円周が拡張できるようにしてもよい。バネ部材が、このように、織成チューブに弾力/張力を提供し、今度は、この弾力/張力が、複数の接触点の少なくともいくつかと相手側コネクタ要素182の導体184との間に接触力を提供してもよい。
【0038】
上記で説明したように、ウィーブは、局所的に対応するものであり、また、ウィーブファイバ間に、粒子トラップとして働くことが可能なスペースまたはポケットを含んでもよい。さらに、ウィーブの1つまたは複数の導体174をともにグループ化し(図18および19の図示した例において、導体174が対にグループ化されている)、単一の電気接点を提供してもよい。導体をグループ化することは、電気接点当たりより多くの接触点を提供することによって、コネクタの信頼性をさらに改善し、それによって、全体的な接点抵抗を低減し、また、電気接続に影響を与えることなく、いくつかの粒子に対応する能力を提供するであろう。
【0039】
図20aおよび20bを参照すると、コネクタ170とともに使用可能な相手側コネクタ要素182の2つの例が、それぞれ、斜視図および断面図で示されている。図20aに示す一例によると、相手側コネクタ要素182には、導電層190に囲まれるかまたは少なくとも部分的に囲まれた、誘電性または他の非導電性のコア188を含んでもよい。導体184は、絶縁部材192によって、導電層190から分離してもよい。絶縁部材は、図示のように、各導体184に対して別個にしても、または少なくとも部分的に導電層190を囲む絶縁層を含んでもよい。相手側コネクタ要素には、さらに、絶縁ハウジングブロック186を含んでもよい。
【0040】
図20bに示す別の例によると、相手側コネクタ要素182には、内部にキャビティ196を画定可能な導電コア194を含んでもよい。光ファイバ、ロッド部材の全体的な強度および耐久性を向上させるための強度部材、および導体を伝わる電気信号によって、導体に蓄積される熱を消散させるように働くことが可能な熱伝達部材を任意にいずれか、または複数、キャビティ196内に配置してもよい。一例において、ドレイン線をキャビティ内に配置し、コネクタ用の接地線として働くように、導電コアに接続してもよい。図20aに示すように、ハウジングブロック186は、丸くて、相手側コネクタ要素の円周を増加させ、また1つまたは複数の切り欠き198を含んでもよく、この切り欠きは、相手側コネクタ要素を織成チューブと位置合わせするのを助けるための、コネクタ用の位置決め点として働いてもよい。代替として、図20bに示すように、ハウジングブロックには、位置決め案内として働くことが可能な平坦部200を含んでもよい。ハウジングブロックは、望み通りの別の形状をしていてもよく、当業者に周知かまたは当業者が開発した任意の形状の位置決め部を含んでもよいことをさらに認識すべきである。
【0041】
図21に、コネクタ170と使用可能な相手側コネクタ要素182のさらに別の例を示す。この例において、相手側コネクタ要素には、誘電性または他の非導電性のコア202を含んでもよく、このコアは、その中に導体184を形成できるように、1つまたは複数の溝を備えて形成し、導体184の上部表面が、相手側コネクタ要素の外側表面とほぼ同一平面をなすようにしてもよい。
【0042】
図22に示す別の例によると、コネクタ170には、織成チューブをほぼ囲んで配置可能な電気シールド204を、さらに含んでもよい。このシールドには、非導電内部層206を含んでもよく、この内部層は、導体174がシールドと接触し、かくしてともに短絡するのを防ぐであろう。一例において、上記で説明したように、ロッド部材には、相手側コネクタ要素のキャビティ内に位置するドレイン線を含んでもよく、またドレイン線は、電気シールド204と電気的に接続してもよい。シールド204には、たとえば、フォイル、金属ブレード、または当業者に周知の、別のタイプのシールド構造を含んでもよい。
【0043】
図23を参照すると、本発明の態様による織成コネクタアレイの一例が示されている。一実施形態によると、アレイ210には、第1のタイプの、1つまたは複数の織成コネクタ212、および第2のタイプの、1つまたは複数の織成コネクタ214を含んでもよい。一例において、織成コネクタ212は、図7〜15bに関連して上記で説明したコネクタ80であってもよく、異なる回路基板上の信号トレースおよび/または構成要素を互いに接続するために用いてもよい。織成コネクタ214は、図18〜22に関連して上記で説明したコネクタ170であってもよく、異なる回路基板上の電力トレースまたは構成要素を互いに接続するために用いてもよい。電源接続を提供するためにコネクタ170を使用してもよい一例において、ロッド部材180は、ほぼ完全に導電性であってもよい。さらに、この例において、絶縁ファイバ176を含む必要はないであろうし、また非導電性であるとして前に説明したファイバ172は、織成チューブとロッド部材との間で、より大きな電気経路を提供するために、実際には、導電性であってもよい。コネクタは、図示のように、たとえば、バックプレーン、回路基板等であってもよい基板216に取り付けてもよく、またこの基板には、反対側に取り付けるか、またはコネクタ(図示せず)間に配置する電気トレースおよび構成要素を含んでもよい。
【0044】
ここで検討されるように、荷重ファイバ、たとえば非導電ファイバに織り込まれた、または織り合わされた導体の使用は、電気コネクタシステムの特定の利点を提供することができる。設計者は常に、(1)より小さな電気コネクタ、(2)最小の電気抵抗を有する電気コネクタ、を開発することに取り組んでいる。ここで記載される織成コネクタは、これらの両方の領域において利点を提供することができる。組み立てられた電気コネクタの全体の電気抵抗は、通常、コネクタの雄側の電気抵抗属性の関数(function)、コネクタの雌側の電気抵抗属性の関数、コネクタのこれら二つの側の間にあるインターフェースの電気抵抗の関数である。電気コネクタの雄側と雌側の両方の電気抵抗属性は、通常、それらの個々の電気導体の、物理的な結合構造および物質的な性質に依存する。たとえば、雄側のコネクタの電気抵抗は、典型的には、その導体の断面領域、長さ、および物質的性質の関数である。物理的な結合構造およびこれらの導体の物質的選択は、電気コネクタの負荷能力、サイズ制限、構造的および環境的な考慮、ならびに製造能力などによってしばしば影響を受ける。
【0045】
電気コネクタの他の重要なパラメータは、分離可能な、安定した低い電気抵抗のインターフェース(たとえば電気接触抵抗)を達成することである。特定の負荷領域における導体と相手側導体との間の電気接触抵抗は、二つの導電表面の間に働いている接触垂直力の関数であり得る。図24において示されるように、織成コネクタの接触垂直力310は、荷重ファイバ304によって働くテンションTの関数、荷重ファイバ304と相手側導体306の接触部の相手側表面308との間に形成される角度の関数、および、テンションTが働いている多数の導体302の関数である。テンションTおよび/または角度312が増加するにつれて、接触垂直力310もまた増加する。さらに、所望される接触垂直力310のためには、所望される接触垂直力310を生成することができるテンションT/角度312の多様な組み合わせが存在し得る。
【0046】
図25aおよび図25bは、荷重ファイバ304に織り込まれた導体302を終端させる方法を図示する。図25aを参照し、導体302は、第1の荷重ファイバ304a、第2の荷重ファイバ304b、および最終の荷重ファイバ304zに巻きつく。導体302−荷重ファイバ304のウィーブの方向および/またはパターンは、他の実施形態において変化し得る。たとえば、導体302によって形成された谷部は、一つ以上の荷重ファイバ304などを包含し得る。片側にある導体302は、終端点340にて終了する。終端点340は、以前に検討したように、通常、終端接触部を備える。例示的な実施形態において、導体302はまた、終端点340とは異なり、終端接触部を通常含まない、他の終端点(図には示されていない)でのウィーブの逆側上にて終端し得る。図25bは、導体302を、荷重ファイバ304aから荷重ファイバ304zに織り込むための、好ましい実施形態を図示する。図25bにおいて、導体302は、上述したように、同じ方法において、第1の荷重ファイバ304aおよび第2の荷重ファイバ304bに織り込まれる。この好ましい実施形態において、しかしながら、導体302は、次いで、最終の荷重ファイバ304zを巻きつけ、次いで、第2の荷重ファイバ304bおよび第1の荷重ファイバ304aに織り込まれる。このように、導体302は、終端点340から始まり、導体304a、導体304bに織り込まれ、荷重ファイバ304zを巻きつけ、荷重ファイバ304b、荷重ファイバ304aを(再び)織り込み、終端点340にて終端する。導体302を最終荷重ファイバ304zに巻きつけさせ、ウィーブにおいて次の導体(スレッド)になることは、第2の終端点の必要をなくさせる。その結果、導体302が、この方法において最後の荷重ファイバ304zを巻きつけられる場合、導体302は、自己終端型と呼ばれる。
【0047】
図26aから図26cは、導体302が荷重ファイバ304に織り込まれ得る方法の、一部の例示的な実施形態を示す。図26aから図26cの導体302は自己終端型である一方で、一つのみの導体302が示され、追加的な導体302は、図示された実施形態内にて通常存在するということを、当業者は容易に理解する。図26aは、真直ぐなウィーブとして配置される導体302を示す。導体302は、山部364および谷部366の第1のセットを形成し、それ自体に巻きつき(たとえば、自己終端する)、次いで、第1の山部364および谷部366のセットと隣接し、オフセットされている第2の山部364および谷部366のセットを形成する。第1のセットからの山部364および第2のセットの谷部366(または、代替的には、第1のセットからの谷部366および第2のセットからの山部364)は、ともに、ループ362を形成し得る。荷重ファイバ304は、ループ362内に位置され得る(たとえば、係合され得る)。図26aから図26cの導体302が自己終端型として示される一方で、他の例示的な実施形態において、導体302は、自己終端型である必要はない。非自己終端型の導体302を用い、図26aにおいて明らかにされたものと同様の真直ぐなウィーブを形成するために、第1の導体302は、第1の山部364および谷部366のセットを形成し、その一方で、第2の導体302は、第1のセットと隣接し、オフセットされた第2の山部364および谷部366のセットを形成する。ループ362は、同様に、それに対応する山部364および谷部366から形成される。図26bは、交わったウィーブとして配置される導体302を示す。図26bの導体302は、第1の山部364および谷部366のセットを形成し、それ自体に巻きつき、次いで、第1の山部364および谷部366のセットから織り合わされ、オフセットされた、第2の山部364および谷部366のセットを形成する。同様に、第1のセットからの山部364および第2のセットからの谷部366(または、代替的には、第1のセットからの谷部366および第2のセットからの山部364)は、ともに、ループ362を形成し得、荷重ファイバ304によって占有され得る。非自己終端型の導体302は、交わったウィーブとして配置され得る。
【0048】
図26cは、4つの荷重ファイバ304上にクロスに織り込まれた自己終端型の導体302を図示する。図26cの導体302は、5つのループである362aから362eを形成する。ある例示的な実施形態において、荷重ファイバ304は、導体302によって形成されたループ362のそれぞれの内に位置される。しかしながら、全てのループ362が、荷重ファイバ304によって占められる必要があるわけではない。例えば、図26cは、ループ362cが荷重ファイバ304を含まない、一つの例示的な実施形態を示す。所望される全体のウィーブの硬度(および柔軟性)を達成するために、特定の導体302および荷重ファイバ304のウィーブの実施形態にて、占められていないループ362を含むことが所望され得る。ウィーブ内にて占有されてないループ362を用いることはまた、改善された動作および製造上の利益を提供し得る。ウィーブ構造がベースに乗る場合、例えば、相手側導体に関連するウィーブの僅かなずれが存在し得る。このずれは、占有されていないループ362の存在のために、補正され得る。このように、占められていない、または、「解かれた(unstitched)」ループを利用することによって、例えば、荷重ファイバ304は、ループを含まず、ウィーブのテンションを最小限に保持する間に、より良い導体/相手側導体を保証するためのウィーブ構造の伸展性が達成され得る。占有されていないループ362を利用することはまた、組み立てのプロセスの間に、より大きな耐久許容性を許可し得る。さらに、解かれたループ362の使用は、異なるコネクタの実施形態のために、通常の器具の使用を許し得る(例えば、同じ器具が、8つの荷重ファイバ304を有する8つのループ362を用いたウィーブに関する限り、6つの「縫い合わされた(stitched)」荷重ファイバ304を有する8つのループ362のウィーブ8のために用いられ得る。解かれたループ362を使用するための代替として、真直ぐな(織り合わされていない)導体302が、代わりに使用され得る。
【0049】
導体302および荷重ファイバ304のウィーブの構造における様々なテストは、垂直接触力310と電気接触抵抗との間の関係を決定するために実行された。図27を参照し、異なる織成コネクタの実施形態のうち、テストされた織成コネクタの実施形態の全体の電気抵抗(y軸314上にて示されている)が、垂直接触力(x軸316上にて示されている)の範囲において、決定された。図27において示されるように、一般的傾向318は、接触垂直力(Newton(N))が増加すると、全体の電気抵抗の接触抵抗要素(ミリオーム(mOhms)は通常、減少する。しかしながら、接触抵抗における減少は、接触垂直力の特定の範囲に広がるのみであることを、当業者は容易に理解されよう。つまり、接触垂直力の、閾値を超えた任意のさらなる増加は、電気接触抵抗において、さらには減少させない。言い換えれば、x軸316に沿って動けば動くほど、傾向318は平らになる傾向にある。
【0050】
図27のデータから、例えば、織成コネクタの電気接触抵抗を最小限にするために十分な接触垂直力(またはその範囲)を決定することができる。これらの接触垂直力を生成するために、荷重ファイバ304および角度312(導体302に関連する荷重ファイバ304の方向を示す)において負荷されるテンションTの好ましい動作範囲は、次いで、識別された織成コネクタの実施形態のために決定され得る。当業者が容易に理解するように、今日試用可能である従来の電気コネクタのほとんどが、ほぼ、0.35Nから0.5Nまたはそれ以上の範囲での接触垂直力にて動作する。図27において表されるデータによって明らかなように、織成コネクタシステムの導体302上で、多数の接触点を生成することによって、非常に軽い負荷レベル(例えば、接触垂直力)は、非常に低い、再現可能な電気接触抵抗を生成するために使用され得る。例えば、図27のデータは、テストされた織成コネクタの実施形態の多くにとっては、およそ0.020Nから0.045Nの間での接触垂直力が、電気接触抵抗を最小限にするために十分であり得ることを証明する。接触垂直力は、このように、従来の電気コネクタの接触垂直力における大規模な低減を表す。
【0051】
非常に低い接触垂直力が、これらの多接点織成コネクタにおいて利用され得ることを認識し、次いで、導体302の接触点のそれぞれに、確実に、これらの接触垂直力を生成する方法が、課題となる。導体302の接触点は、導電性が、導体302と、相手側導体306の相手側接触表面308との間に確立される場所にある。図28aおよび図28bは、接触点のそれぞれにて、所望される接触垂直力を生成することが可能である、多接点織成コネクタ400の例示的な実施形態を示す。図26aおよび図26bは、織成コネクタ要素410および相手側コネクタ要素420を有する織成コネクタ400の断面図を表す。織成コネクタ要素410は、荷重ファイバ304および導体302から構成さられる。荷重ファイバ304の終端は、以下にさらに記載されるように、通常、終端プレート(図には示されていない)または、他の固定された構造体に固定される。荷重ファイバ304は、相手側コネクタ要素420に係合されている織成コネクタ要素410に先立って、無負荷(テンションがない)または負荷された状態においてあり得る。唯一の荷重ファイバ304が、これらの断面図において示される一方で、追加的な荷重ファイバ304は、図示された荷重ファイバ304の直前(または前)に、好ましくは位置されることが理解されるべきである。織成コネクタ要素410は、それぞれの荷重ファイバ304のまわりに織り込まれた導体302の3つの束またはアレイを有する。導体302の隠線部分は、織成導体302の山部および谷部が、図に示された特定の断面の、平らでない場所を反映する。一般に、第2の荷重ファイバ304(図には示されていない)は、これらの平らでない山部および谷部と関連し、利用される。ここでは示されていないが、隣接した導体302間での導電性が確立され得るように、導体302は、隣接した導体302に対して直接置かれ得る。
【0052】
図28bは、相手側コネクタ要素420に係合された後の、図28aの織成コネクタ要素410を示す。織成コネクタ要素410に係合するために、織成コネクタ要素410は、相手側コネクタ要素420のキャビティ422に挿入される。特定の実施形態において、相手側導体306の正面(図には示されていない)は、織成コネクタ要素410の挿入をより良く対応するために角を削ぎ落とされ得る。相手側コネクタ要素420への挿入で、荷重ファイバ304は、キャビティ422の側面および相手側導体306の存在に対応するように配置される。一部の実施形態において、荷重ファイバ304の配置は、荷重ファイバ304の引き伸ばしを介して、容易になされ得る。他の実施形態において、この置換は、他の動きの悪い(前係合状態にある)荷重ファイバ304の引き締めを介して、または、代替的には、引き伸ばしおよび引き締めの組み合わせを介して、対応され得、その結果、テンションTが荷重ファイバ304において存在することになる。以前に検討したように、荷重ファイバ304および導体302ウィーブの方向および配置のために、荷重ファイバ304におけるテンションTは、特定の接触垂直力を、その接触点に存在させる。図28bにおいて見られるように、織成コネクタ400は、相手側コネクタ要素420の内部の表面(それはキャビティ422を規定する)に、交互に位置される、相手側導体306を有する。この交互の接触配置は、平行に向かい合った平面上の接触部の相手側表面308にて、交互の接触を生み出す。
【0053】
図28bにおいて表されるように、平らな(実質的に、平面である)接触部の相手側表面308を利用する代わりに、他の実施形態は、曲がった、凸状の、接触部の相手側表面308を使用する。接触部の相手側表面308の湾曲は、導体302の接触点および通常の方向における相手側導体306との間の接触のために、改善された許容度の制御を可能にし得る。曲がった表面(接触部の相手側表面308)は、これらの二つの分離可能な接触表面の間の、非常にしっかりと制御された垂直力を維持するのを助ける。しかしながら、曲がった表面それ自体は、通常は、導体302と相手側導体306との間の、側面の配置の維持を支援しない。導体302の部分と並行に置かれ、および、導体302の部分の間に散らばっている絶縁ファイバ(たとえば、図7において示される絶縁ファイバ104)は、隣接する導体302の側面の配置を支援するために利用され得る。接触部の相手側表面308の湾曲は、それほど重要である必要はない。つまり、改善された位置の許容度が、相対的に少ない湾曲具合で実現され得る。一部の好ましい実施形態において、大きな曲率半径を有する接触部の相手側表面308は、一部の所望される製造位置の許容度を達成するために使用され得る。図29は、図28の織成コネクタ400において使用され得る、曲がった接触部の相手側表面308を有する、代替的な相手側導体306を図示する。接触部の相手側表面308の湾曲は、製造および動作の間、非常に大きな位置決めの許容度を許す。
【0054】
図29を参照し、改善された位置の許容度は、相手側導体306の幅W 309よりも大きい、曲率半径R 336を有する、接触部の相手側表面308を利用することによって、多くの場合、達成され得る。特に、二つの導体302の間で見つけられるの横の間隔L 332、および、二つの導体302と接触部の相手側表面308の曲率半径R 336との間の角度α334との間の関係は、式L≒αRによって与えられる。横の間隔L 332の最小は、導体302の直径によってセットされ、したがって、横の間隔L 332は、互いに直接対向する導体302を配置することによって、しっかりと制御され得る。つまり、特定の例示的な実施形態において、導体302は、隣接する導体302との間にギャップが存在しないように、置かれる。このように、非常に狭い角度α334で、要求された曲率半径R 336は、次いで、決定される。0.25度の角度α334、および、0.005インチの直径を有する導体302を有する例示的な実施形態において、たとえば、接触部の相手側表面308の好ましい曲率半径R 336は、ほぼ2.29インチ程度である。角度α334が曲率半径R 336に直接関係する場合、ここにおける許容性はまた大きい。例えば、曲率半径R 336における許容性が、±0.10インチにセットされた場合、次いで、角度α334は、0.261度と0.239度との間で変化し得る。曲がった相手側接触表面308を用いることの利点を図示するために、図28の平らなアレイの実施形態における0.03度の許容性を維持することは、高さH 324のオフセットにおける0.0000105インチの許容性を要求する。追加的に、曲がった相手側接触表面308の導入部分は、織成コネクタの全体の高さに、物質的に影響しない。例えば、曲率半径R 336が2.29インチを有し、相手側導体306の幅W 309が0.50インチを有する場合、弧の全体の高さ311は、僅か、ほぼ0.014インチであり、例えば、相手側接触表面308は、ほとんど平らである。
【0055】
負荷バランスは、多接点織成コネクタの問題であり、特に、多接点電気コネクタの問題である。電気コネクタ内の負荷不均衡は、コネクタを、焼損させてしまい、その結果、動作できなくなってしまう。それらの基本的な形式においては、電気コネクタは、単に、雄コネクタと雌コネクタの導体ピンとの間の電気接触点を提供する。負荷のバランスがとれている電気コネクタにおいて、突入電流は、それぞれの接触点を介して、等しく分配される。このように、4つの接触点を有する10ampコネクタにとって、コネクタは、2.5ampが、それぞれの接触点を介して運ばれる場合、バランスがとれる。コネクタが負荷のバランスをとれてない場合、次いで、さらなる電流が、別の接触部ではなく、一つの接触部を介して通過する。電流のこの不均衡は、「過負荷」の接触点のうちの一つにて、過負荷を生じさせ得、それは、局部的溶接、局部的熱スパイク、および導体プレートダメージを結果として生じ、それらの全ては、コネクタの磨耗を増加させ、および/または、急速なシステム欠損を導き得てしまう。負荷の不均衡は、コネクタシステムにおける、異なる導体経路の長さ、ある点における高分離インターフェースの電気接触抵抗(たとえば、乏しい接触構造のために)、または、コネクタにおける大きい熱勾配、を有することによって生じ得る。この開示によって教示されるように、パワーコネクタの利点は、多くの接触点を介して、負荷バランスを十分に(実質的に)取れることができることである。それぞれの導体302(例えば、導体ファイバ)にとって、相手側導体306と電気接触する第1の接触点は、その導体302に割り当てられている十分な電流負荷を運ぶように通常は設計され得る。導体302に沿って配置される次の接触点もまた、第1の接触点における欠損(電気接触を提供するために)があった場合に、十分な電流負荷を運ぶように、通常は、設計されている。導体302のそれぞれの第1の接触点の下流に位置される追加的な接触点は、それゆえ、割り当てられた電流の全てか、または一部を運ぶことができるが、それらの第一の目的は、通常は、接触の代理機能性(redundancy)を提供するものである。さらに、既に述べたように、多接点は、多数の熱経路を生成することによって、局所的なホットスポットを避けるのに役立つ。
【0056】
多くの例示的な実施形態において、コネクタの導体302は、通常、類似した構造、電気的性質、および電気経路の長さを有する。一部の実施形態において、しかしながら、コネクタの導体302は、異なる構造、電気的性質、および/または電気経路の長さを有する。追加的に、一部の好ましい電気コネクタの実施形態において、コネクタの導体302のそれぞれは、隣接した導体302と電気的に接触している。それぞれの導体302に沿った多接触点を提供すること、および、隣接した導体302間に電気接触を確立することは、多接続織成電気コネクタの実施形態が、十分に負荷バランスをとっているということを、さらに保証する。さらに、織成コネクタの構造および設計は、単一点インターフェースの欠損を予防する。第1の導体302に隣接して置かれる導体302は、相手側導体306と電気的に接触する場合、次いで、第1の導体302は、欠損を生じない(第1の導体302の接触点が相手側導体306に接触し得ないという事実にかかわらず)。なぜならば、第1の導体302における負荷は、隣接する導体302を介して、相手側導体306へと運ばれ得る。
【0057】
図30は、負荷バランスのとれた、多接点織成電気コネクタ500の例示的な実施形態を図示する。電気コネクタ500は、二つの拡張アレイ、パワーアレイ、リターンアレイからなる。これらのアレイは、広範囲にわたって、多接続点を提供し、それは、高い代理機能性、より低い分離可能な電気接続抵抗、および、より大きい寄生電気損失の熱散逸という結果になり得る。図に示される電気コネクタ500は、パワー回路512およびリターン(グラウンド)回路514を有する、30ampのDCコネクタである。異なる配置および電力容量を有する他のパワーコネクタは、本開示の範囲から逸れることなく、構成されることが可能であることを、当業者は容易に理解する。パワーコネクタ500の負荷容量は、例えば、追加的な導体302を追加することによって増加され得る。図30を参照すると、パワーコネクタ500は、織成コネクタ要素510および相手側コネクタ要素520からなる。相手側コネクタ要素520の外部ハウジングは、明瞭さのためにこれらの図からは省略されている。織成コネクタ要素510は、ハウジング530、パワー回路512、リターン回路514、終端プレート536、位置合わせピン534、および、複数の荷重ファイバ304を含む。ハウジング530は、相手側コネクタ要素の外部ハウジング(図には示されていない)が、織成コネクタ要素510のハウジング530と対になるのを容易にし得る数個の窪み532を有する。窪み532は、位置合わせピン(図には示されていない)または締め付け手段(図には示されていない)を収容し得る。パワー回路512は、本開示の教示に従い、数個の荷重ファイバ304のまわりに織り込まれた数個の導体302からなる。所望される30ampの荷重ファイバを達成するために、パワー回路512は、例えば、導体302の直径および、電気的性質に依存した、20〜40個の導体302を有し得る。
【0058】
特定の例示的な実施形態において、導体302は、0.0002から0.010インチかそれ以上の直径を有する銅または銅合金(例えば、C110銅、C172ベリリウム銅合金など)のワイヤからなり得る。代替的には、導体は、同程度の長方形の断面積を有する、銅または銅合金の平らなリボンワイヤからなり得る。導体302はまた、酸化を防ぐために、または最小限にするようにメッキされ得る(たとえば、ニッケルメッキまたは金メッキ)。所与の織成コネクタの実施形態に容認可能な導体302は、意図されたコネクタの所望される負荷容量、候補の導体302の機械的強度、および、その候補の導体302が他のシステム要求(たとえば、所望されるテンションT)において使用される場合に生じ得る製造上の問題を基準にして、識別されるべきである。パワー回路512の導体302は、ハウジング530の後部から抜け出て、電力がパワーコネクタ500へと運ばれ得る終端接触部または他の導体要素と結合され得る。以下でさらに検討されるように、パワー回路512の荷重ファイバ304は、導体302の接触点にてアサートされる接触垂直力へと最終的に形を変えるテンションTを運ぶことが可能である。例示的な実施形態において、荷重ファイバ304は、ナイロン、過フッ化炭化水素、ポリアラミド、およびパラアラミド(paraaramid)(例えば、Kevlar(登録商標)、Spectra(登録商標)、Vectran(登録商標)など)、ポリアミド、導体金属、コットンなどのような天然繊維、などからなり得る。多くの例示的な実施形態において、荷重ファイバ304は、ほぼ0.010から0.002インチの直径(または幅)を有する。しかしながら、特定の実施形態において、荷重ファイバ304の直径/幅は、高性能人工繊維(たとえば、Kelvar)が使用される場合、18ミクロンまで下がり得る。好ましい実施形態において、荷重ファイバ304は、非導体材料からなる。パワー回路512がリターン回路へと接続され得る終端接触部へと結合されることを除いて、リターン回路514は、パワー回路512と同じ方法で配置される。
【0059】
パワーコネクタ500の相手側コネクタ要素520は、外部ハウジング(図には示されてない)、絶縁ハウジング526、二つの相手側導体522、および二つのスプリングアーム528からなる。相手側導体522は、相手側コネクタ要素520が織成コネクタ要素510と係合する場合に、導体302(回路512および回路514の)の接触部が相手側導体522と電気接触するように、絶縁ハウジング526の反対側に取り付けられる。絶縁ハウジング526は、相手側導体522の構造的基礎を提供し、相手側導体522と互いに電気的に絶縁する働きをする。絶縁ハウジング526は、位置合わせピン534を収容することができる穴523を有し、従って、相手側コネクタ要素520を織成コネクタ要素510へと結合させる(逆もまた然り)ことを容易にするよう助ける。スプリングアーム528は、相手側コネクタ要素520を、織成コネクタ要素510にしっかりと固定するように働き得る。付け加えて、特定の好ましい実施形態において、スプリングアーム528はまた、織成コネクタ要素510の荷重ファイバ304におけるテンション荷重Tを働かせるために、織成コネクタ要素510の終端プレート536と連結して動作する。
【0060】
図31は、荷重ファイバ304におけるテンションTを生成することが可能であるフローティング終端プレート536を有する織成コネクタ要素510の例示的な実施形態を図示する。図31は、明瞭さのために、ハウジング530の後部を取り除いた、図30の織成コネクタ要素510の背面図を表す。荷重ファイバ304は、パワー回路512およびリターン回路514の導体302に織り込まれる。荷重ファイバ304の終端は、二つの対向するフローティング終端プレート536と結合される。荷重ファイバ304の終端は、例えば、機械的な締め付け手段または結合手段によって、技術的に既知の様々な手段を介して、フローティング終端プレートと結合され得る。フローティング終端プレート536は、織成コネクタ要素520の取り付け以前にフロートし得(例えば、拘束されないまま)、また、代替的な実施形態においては、ハウジング530および終端プレート536と結合される第2のスプリング台(図には示されていない)は、例えば、回路512および回路514から離れた方向において、終端プレート536の横変位(例えば、外側にあるもの)を制御するために使用され得る。一部の例示的な実施形態において、荷重ファイバ304は、相手側コネクタ要素520の取り付けに先立って、テンションのない状態にある。他の例示的な実施形態において、しかしながら、一部の引っ張り荷重(通常は、所望される接触垂直力を生成するために必要とされるテンションTよりも低い)は、相手側コネクタ520の取り付けに先立って、荷重ファイバ304において存在し得る。このあらかじめ取り付けてあるの引っ張り荷重は、第2のスプリング台の存在のためであり得、または代替的には、荷重ファイバ304が終端プレート536と結合された場合に、荷重ファイバ304にあらかじめ荷重されるためであり得る。
【0061】
相手側コネクタ要素520を織成コネクタ要素510に挿入(逆もまた然り)するうえで、相手側コネクタ要素520のスプリングアーム528は、織成コネクタ要素510のフローティング終端プレート536と係合する。スプリングアーム528の硬さ、導体302の硬さおよび/または弾力性、第2のスプリング台(存在する場合)の硬さ、ならびに、スプリングアーム528および終端プレート536のあらかじめ取り付けられた設備の寸法/位置に基づいて、終端プレート536は、スプリングアーム528が存在するために、幾分か、ずれる(外側に移動する)。もちろん、スプリングアーム528は、このプロセスの間に、多少のたわみを生じ得る。フローティング終端プレート536のこの外側への移動は、テンションTを荷重ファイバ304に生じさせ得る。例示的な実施形態において、荷重ファイバ304は、弾力性のある材料からなる。そのような例示的な実施形態において、二つの終端プレート536の相対的なずれは、荷重ファイバ304における引き伸ばしの量と実質的に等しくなり得る。他の例示的な実施形態において、スプリングアーム528は、図30において表されるように、相手側コネクタ520での代わりに、織成コネクタ要素510のフローティング終端プレート536に直接取り付けられ得る。
【0062】
図32aから図32cは、本開示の教示に従って構成されたスプリングアーム528の一部の例示的な実施形態を図示する。スプリングアーム528の効果的なバネの高さ529は、相手側コネクタ要素520の絶縁ハウジング526内のスプリングアーム528の一部を埋め込むことによって、増加され得る。スプリングアーム528は、相手側コネクタ要素520が織成コネクタ要素510へと挿入された場合、所定の負荷へ、相対的に大きなずれの動き(たとえば、ほぼ0.020インチ)を生成させることが可能であることが所望される。相対的に大きな動きを生成することによって、アセンブリの製造上および配置の許容性は緩くなり(たとえば、荷重ファイバ304の長さの許容性は、±0.005インチから±0.015インチに修正され得る)、その一方で、特定の範囲内にて、最終の組み立てられたラインの許容性を維持する。図32aは、スプリングアーム528の例示的な実施形態を表し、そこでは、スプリングアーム528は、相手側コネクタ要素520の絶縁ハウジング526に、ほとんどまたはまったく、埋め込まれていない。図32bおよび図32cは、相手側コネクタ要素520の絶縁ハウジング526へ埋め込まれたスプリングアーム528の重要な部分を有する、スプリングアーム528の二つの好ましい実施形態を図示する。絶縁ハウジング526に埋め込まれるスプリングアーム528の一部は、アンカー525を除いて(それは固定されている)、自由に動くことが可能である(絶縁ハウジング526内で)べきである。図32bのスプリングアーム528は、基本的に、半周移動し、アンカー525にて終了し、実質的には、先端のずれ527の効果的な方向と平行である。図32cのスプリングアーム528は、基本的に、四分の三周ほど動き、アンカー525にて終了し、実質的には、先端のずれ527の効果的な方向と直角である。図32bおよび図32cにおいて表されるスプリングアーム528の実施形態は、効果的なバネの高さ529をもはや有し得ず、それは、図32aの「短い」スプリングアーム528の実施形態と比較されるように、同じ力にて、それに応じてより大きな先端のずれの動き527を生む。
【0063】
特定の例示的な実施形態において、スプリングアーム528は金属、または例えばニチノールなどのような合金からなり、ワイヤバネ、リボンバネ、またはその他であり得る。スプリングアーム528の直径およびコネクタ500の寸法に依存し、スプリングアーム528の多様な動きもまた可能であり得る。
【0064】
図33は相手側コネクタ要素520が織成コネクタ要素510と係合した後の、パワーコネクタ500の正面図である。外部ハウジングおよび相手側コネクタ要素520のスプリングアーム528、ならびに織成コネクタ要素510のハウジング530、または他の特徴は、明瞭さのために取り除かれている。図33において見られるように、相手側コネクタ要素520の係合の後、回路512および回路514の導体302の接触点は、相手側コネクタ522の相手側接触表面524と電気接触する。以前に検討したように、相手側接触表面524は実質的に平面である一方で、好ましい実施形態においては、相手側接触表面524は、例えばR 336などのような、曲率半径R(図には示されていない)の一部によって規定される。一部の好ましい実施形態において、曲率半径R 336は、例えばW 309などのような相手側導体522の幅Wよりも大きい。
【0065】
図34は、高度にバランスのとれた多接点織成電気コネクタ600の他の例示的な実施形態を図示する。パワーコネクタ600は、二つの広がったアレイ、すなわち、電力アレイ612およびリターンアレイ614からなる。これらのアレイは、広範囲にわたって多接触点を提供し、それらは、高い代理機能性、分離可能な電気接触のより低い抵抗、および、より良い寄生電気損失における熱損失を結果的に生じ得る。パワーコネクタ600は、30ampDCコネクタであり得る。パワーコネクタ600は、織成コネクタ要素610および相手側コネクタ要素620からなる。織成コネクタ要素610は、ハウジング630、パワー回路612、リターン回路614、二つのスプリング台634、ガイド材636、および、数個の荷重ファイバ304からなる。ハウジング630は、相手側コネクタ要素620の位置合わせピン642を収容できる数個の穴632を有する。パワー回路612は、本開示の教示に従い、数個の荷重ファイバ304に織り込まれた数個の導体302からなる。好ましい実施形態において、これらの導体302は、自己終端しているように配置される。パワー回路612の導体302は、ハウジング630の後部から抜け出て、終端点を形成し得る。そこでは、電力は、パワーコネクタ600へと運ばれ得る。以下でさらに検討するように、パワー回路612(およびリターン回路614)の荷重ファイバ304は、導体302の接触点にて挿入される接触垂直力へと最終的に形を変えるテンションTを運ぶことが可能である。リターン回路614は、パワー回路612と同じ方法で配置される。パワーコネクタ600の荷重ファイバ304は、非導体材料からなり、それは弾力性があり得、または、弾力性はあり得ない。ガイド材636は、ハウジング630の内壁に取り付けられ、荷重ファイバ304のための、ならびに、間接的にはパワー回路612およびリターン回路614のための、構造的サポートを提供するように配置される。荷重ファイバ304の終端は、スプリング台634へと固定される。以下でさらに詳述するように、スプリング台634は、織成コネクタ要素610の付属荷重ファイバ304において、テンション荷重Tを生成することが可能である。
【0066】
パワーコネクタ600の相手側コネクタ要素620は、ハウジング640、二つの相手側導体622、および、位置合わせピン642からなる。相手側コネクタ要素620が織成コネクタ610と係合する場合、導体302(回路612および回路614の)の接触点は相手側導体622と電気接触するように、相手側導体622はハウジング640の内壁に固定される。位置合わせピン642は、織成コネクタ要素610の穴632に配置され、従って、相手側コネクタ要素620が織成コネクタ要素610(逆もまた然り)と結合するのを容易にするよう役立つ。
【0067】
パワーコネクタ600は、パワーコネクタ500の特徴と同じ特徴をいくつか有するが、導体302および荷重ファイバ304のウィーブにおいて、テンションT(および、接触垂直力)を生成するために、異なるメカニズムを有する。パワーコネクタ500のフローティング終端プレート536を使用するよりも、むしろ、パワーコネクタ600は、導体302の接触点(回路612および回路614の)と相手側導体622との間に要求される接触垂直力を生成および維持するために、プレテンションのスプリング台634を使用する。図35は、相手側コネクタ要素620が織成コネクタ要素610と係合した後のパワー回路600を表す。係合の後、パワー回路612およびリターン回路614の両方の導体302の接触点は、相手側導体622の相手側接触表面624と電気接触をする。
【0068】
好ましい一実施形態において、相手側接触表面624は、曲率半径Rによって定義される凸状の表面である。図35に示すように、凸状の相手側接触表面624は、相手側導体622の底面に位置する。すなわち、係合の後、導体302は相手側導体622の下に位置する。例示の位置実施形態において、ガイド材636は、ガイド材636の上部が相手側接触表面624の上に位置するように配置される。係合の後、荷重ファイバ304は、第1のスプリング台634の一方の端638から、パワー回路612に対応する凸状の相手側接触表面624へ、ガイド材636の先端を越え、また、リターン回路612に対応する凸状の相手側接触表面624へ延び、次いで第2のスプリング台634の一端639で終端する。その他の例示の実施形態において、相手側接触表面624は、相手側導体622の上部に位置し得、荷重ファイバ304は、そのため、これらの上部に位置する凸状の相手側接触表面624を越えて延びる。端部638、ガイド材636、相手側接触表面624および端部639の位置は、荷重ファイバ304において生成されるテンションTと関連して作用し、導体302の接触点における接触垂直力の伝達を容易にする。
【0069】
図36a〜図36cは、パワーコネクタ600に使用することができるスプリング台634のペアの例示の実施形態を示す。荷重ファイバ304は、明確にするため省略されているが、荷重ファイバ304の端は端部638、639に取り付けられているものと理解されるべきである。係合に先立って、荷重ファイバ304は、たとえばガイド材636のような支持ピン(図示せず)によって支持されている。係合中、荷重ファイバ304は、相手側接触表面624と共に位置あわせされる。図36a〜図36cは、スプリング台638がパワーコネクタ600においてどのように機能するかを示す。図36aは、荷重ファイバが端部638、639へ結合される前に起こる未荷重状態におけるスプリング台634を示す。図36bを参照すると、荷重ファイバ304を端部638、639へ取り付けるには、端部638、639は、わずかに内側へ移動し、荷重ファイバ304は次いで端部638、639へ固定される。たとえばスロット、留め具、締め具、留め金等の使用、溶接、ろう付け接合、接着等、荷重ファイバ304が端部638、639へ固定され得る方法の幅広い変形を、当業者であれば容易に認識できよう。荷重ファイバ304がスプリング台634の端部638、639へ固定された後、一般的に、わずかな張力が荷重ファイバ304に存在する。図36cを参照すると、相手側コネクタ要素620を織成コネクタ要素610へ挿入する間、荷重ファイバ304は、相手側接触表面の下で押され(または、代替的に、面624が相手側導体622の上面に位置する場合は、相手側接触表面624の上へ引かれる)、パワーコネクタ600のはめ込みは、そこで完了する。荷重ファイバ304と相手側接触表面624との係合を容易にするために、スプリング台634の端部638、639は、一般的に、いくらかの追加のたわみを受ける。このように、荷重ファイバ304は、追加的な引っ張り荷重に影響されやすいため、結果としてのテンションTは荷重ファイバ304に存在する(また、結果的に、コンタクトの垂直力は、導体302の接触点に存在する)。
【0070】
本開示の内容に基づいて構成された電気コネクタは、本来的に代理機能を果たすものである。これらの実施形態の荷重304のうちのいずれかが破損したり、張力が弱くなったりしても、残りの荷重ファイバ304が十分なテンションTを有し続け、導体302の接触点における電気接続は定格電流の容量を流し続けることができる。ある例示の実施形態において、荷重ファイバ304全ての完全な損傷は、コネクタが電気的な接触を外すために生じる。システムにおける汚れや汚染の場合、従来の一つまたは二つの接点のコネクタよりも、多接点の方が接触の維持においてはるかに効率的である。単一の点の損傷が実際に起こった場合(汚れまたは機械的な故障によって)、一般的には、逸れてしまった電流を処理できる少なくとも三つの周辺の局所的な接触点が存在する。すなわち、同じ導体302上のライン内に見られる次の接触点(またはライン内の前の接触点)であり、各導体302が好ましくは隣接する導体302と電気接続しているため、電流は、これらの導体302内や、次いでこれらの導体の接触点にも流れることができる。本開示の内容は、さらに、多くの多接点織成データコネクタの実施形態においても利用することができる。このような多接点織成データコネクタの実施形態の設計において、当業者によってデータコネクタの設計の際に一般的に考慮される、インピーダンス整合やrfシールディング、混線といった問題は、その他の問題の中でも、考慮に入れられる必要がある。データコネクタの実施形態において、データ信号経路は、織成コネクタ要素の導体と相手側コネクタ要素の相手側導体とを介して構築され得る。織成データコネクタの実施形態と織成パワーコネクタの実施形態との主要な違いは、個々の回路の寸法である。織成パワーコネクタの実施形態において、必要な電流量が大きいため、接触面(すなわち、導体と、対応する相手側接触表面との接触点)は、織成データコネクタの実施形態の接触面よりもはるかに大きいという傾向にある。織成データコネクタの実施形態は、さらに、単一の導体302および荷重ファイバ304のウィーブ上に複数の孤立した回路(信号)経路をより含みやすい傾向にある。このことは、織成データコネクタの実施形態において、高密度の信号経路を可能にする。また、所望のインピーダンス、混線、信号の非対称特性を生成するために可能な、異なるピンおよび/またはグラウンドおよび/または信号および/または電力の組み合わせによって、データコネクタの実施形態の実施には、はるかに多くの柔軟性が存在する。
【0071】
本開示のデータコネクタの実施形態は、また、スタンピングされたスプリングアームを用いる従来のデータコネクタに比べて利点がある。第一に、従来のスタンプされたスプリングアームのコンタクトよりも、織成データコネクタの方が、非常に小さな寸法でも非常に強い耐性を維持するのが容易である。第二に、引き線(drawn line)(たとえば導体302の)は、非常に小さな寸法においても、低コストで利用できる。これに対し、同等の寸法であり同等の耐性を有する従来のスタンピングは、かなり高価になり得る。第三に、本開示の織成データコネクタにおいて、コネクタの境界部分における信号経路のスタブは低減されるか、除去される。回路の一部を介するエネルギーの伝達が、行き場のない場合や、回路内に反射される傾向にある場合に、スタブは回路内に存在する。高周波数では、これらの境界部分におけるスタブは、ジッタや、信号の歪みや減衰を発生し得、これらのスタブと回路内のその他の信号断絶との相互作用がデータの喪失や速度低下、その他の問題を生じる可能性がある。従来のフォークやブレードタイプのコネクタのまさに性質が、スタブを生じる。このスタブの長さは、一般的にシステムの耐性の積み重ね(たとえばコネクタの耐性、バックプレーンおよび/またはドータカードの平面度、スタンピングの耐性、ボードアラインメントの耐性等)に依存し、スタブの長さは単一のコネクタに比べると1桁異なる。本開示の、織成データコネクタの実施形態では、導体302に複数の接触点が存在するため、完全な差し込みから部分的な差し込みまで、いかなる時も回路内にほとんどスタブがない。最後に、織成データコネクタの実施形態は、トレースのインピーダンスを調整するのにより柔軟になり得る。これは、グラウンド配置に加え、導体302および荷重ファイバ304(および、ある場合には絶縁ファイバ104)のウィーブを含む材料が、工程ラインの大きな再編成を行うことなく、より柔軟なインピーダンス特性を有するように変更され得るためである。
【0072】
図37a〜図37bは、多接点織成データコネクタ700の例示の一実施形態を示す。
データコネクタ700は、織成コネクタ要素710と、相手側コネクタ要素720とを含む。織成コネクタ要素710は、図37aに示すように、ハウジング714と、荷重ファイバ304の3つのセット(各セットは6つの荷重ファイバ304を有する)と、荷重ファイバ304の各セットに織り込まれた導体302とを備える。ある例示の実施形態において、織成コネクタ要素710は、グラウンドシールド712と、位置合わせピンおよび/または位置合わせピンを受ける穴をさらに含み得る。データコネクタの実施形態において、各信号経路は、単一の導体302で構成されるか、代替的に、多数の導体302で構成されてもよい。しかしながら、ある所望の、たとえば容量、インダクタンス、インピーダンス特性等の信号経路電気特性を達成するために、最良の実施形態において、各信号経路は1〜4の間の導体302で構成される。導体302は、自己終端型のものであり得る。あるさらなる最良の実施形態において、信号経路は2つの自己終端型の導体302で構成される。2つ以上の(自己終端型または自己終端型でない)導体302が信号回路の形成に用いられている場合、その信号回路を形成している導体302は、好ましくは互いに接触しているべきである。単一の信号経路を備える導体302は、一般的に終端部を形成し、終端部はハウジング714の後部に位置し得る。織成コネクタ要素710は、12の独立した信号経路を有し、荷重ファイバ304の3つのセットのそれぞれに4つの信号経路が位置している。
【0073】
織成コネクタ要素710は、荷重ファイバ304の電気信号経路(すなわち導体302)の間に織り込まれた絶縁ファイバ104をさらに含む。絶縁ファイバ104は、荷重ファイバ304に沿った方向に、信号経路を互いから孤立させる働きをする。図37aの織成コネクタ要素710は、絶縁ファイバ104の3つのセットのみを図示しており、絶縁ファイバ104の単一のセットは荷重ファイバ304の各セットに位置する。明確にするために、絶縁ファイバ104のセットは取り除いてある。一部の例示の実施形態において、荷重ファイバ304の各セットに位置するその他の信号経路の間には絶縁ファイバ104の追加のセットも存在する(すなわち織り込まれている)。一部の例示の実施形態において、絶縁ファイバ104は、自己終端型のものであり得る。さらに、ある例示の実施形態において、織成コネクタ要素710は、荷重ファイバ304の端またはその付近に位置する、たとえばスプリングアーム、フローティングプレート、スプリング台等のテンション機構(図示せず)をさらに備え得る。先に述べたように、これらのテンション機構は、所望の引っ張り荷重を荷重ファイバ304に発生できるものであり得る。
【0074】
図37bに示すように、データコネクタ700の相手側コネクタ要素720は、ハウジング730と、グラウンドシールド732と、3つの絶縁ハウジング728とを備える。グラウンドシールド732は、絶縁ハウジング728の後部、すなわち面726に対向する面に配置され得る。ある例示の実施形態において、相手側コネクタ要素720は、位置合わせピンおよび/または位置合わせピンを受ける穴をさらに含み得る。各絶縁ハウジング728は、面726に位置する4つの相手側導体722を有する。相手側導体722は、織成コネクタ要素710が相手側コネクタ要素720を(またはその逆)係合したときに、導体302の接触点と相手側導体722との間に電気接続が設けられ得るように、面726上に配置されている。このように、データコネクタ700の信号経路、織成コネクタ要素710の導体302と、それに対応する、相手側コネクタ要素720の相手側導体722とを介して構築される。相手側導体722は、一般的に、たとえばボード終端ピン等の終端点を形成する。終端点は、ハウジング730の後部に位置し得る。例示の実施形態において、面726に位置する相手側導体722の形状および向きは、電気接続を設ける導体302の形状および向きと厳密に一致する。係合中、絶縁ハウジング728の面726は、織成コネクタ要素710の、導体302および荷重ファイバ304のウィーブを係合する。例示の一実施形態において、相手側導体722の面726および/または相手側接触表面は、連続的な凸面を形成する。好ましい一実施形態において、この凸面は、一定の曲率半径によって定義され得る。
【0075】
図示した例示の実施形態において、ハウジング730は、織成コネクタ要素710が相手側コネクタ要素720へ係合されたときに荷重ファイバ304のセットを収容できる、スロット734を形成する。係合後、織成コネクタ要素710のグラウンドシールド712は、相手側コネクタ要素720の相手側導体722を電気的にシールドするのを助け、一方、相手側コネクタ要素720のグラウンドシールド732も同様に、織成コネクタ要素710の導体302を電気的にシールドするのを助ける。グラウンドシールド712、732の配置および設計は、信号トレースの電気特性(たとえば容量やインダクタンス)を変化させることができ、隣接する信号のライン(または隣接する作動のペア)を混線や電磁干渉(EMI)からシールドする手段を提供する。特定の点または領域における信号トレースの容量やインダクタンスを変化させることによって、信号経路のインピーダンスを制御することができる。信号の速度が速くなるほど、インピーダンス整合およびEMIシールディングのために必要な制御は良くなる。データコネクタ700のグラウンド面は、相手側コネクタ要素720の絶縁ハウジング728の裏面上、および、織成コネクタ要素710の個々の金属シールド712内に存在し得る。グラウンドピンおよび/またはグラウンド面は、導電材料でなければならない。また、必ずしもそうである必要はないが、硬いことが好ましい。好ましい一実施形態において、各信号経路は、導電性のグラウンドシールド(同軸または二軸の)構造である。この構造は、信号の減衰や歪みを低減する可能性を有する、最適な信号隔離を与える。織成コネクタ要素710のグラウンドシールド712と、相手側コネクタ要素720のグラウンドシールド732とは、それぞれ、係合された後に互いに接触していてもしていなくてもよいが、好ましくは、コネクタ700の2つの片側部分の間にいくつかの連続的なグラウンド接続が設けられるべきである。このことは、グラウンドシールド712および732を強制的に互いに接触させるか、代替的に、2つの片側部分の間のグラウンド接続として、1つ以上のデータピンを用いることによって行われる。
【0076】
図38から図40は、多接点織成パワーコネクタのさらに別の例示的な実施形態を表す。図38を参照し、パワーコネクタ800は、織成コネクタ要素810および相手側コネクタ要素830を含む。織成コネクタ要素810は、ハウジング812、面板814、パワー回路827、リターン回路829、および終端接触部822a、822bを含む。パワー回路827およびリターン回路829は、個々に、終端接触部822aおよび終端接触部822bにて終端し、それらは、織成コネクタ要素810の後部に位置される。位置合わせ穴816は、相手側コネクタ要素830が織成コネクタ要素810と結合するのを容易にし、面板814およびハウジング812内に置かれる。相手側コネクタ要素830は、ハウジング832、位置合わせピン834、相手側導体838a、838b(図40で示されるように)、および、終端接触部836a、836bを含む。相手側導体838a、838bは、個々に終端接触部836a、836bにて終端し、それらは、相手側コネクタ要素830の後部に配置される。
【0077】
パワーコネクタ800の織成コネクタ要素810は、図39aおよび図39bにおいてさらに詳細に示される。図39aは、面板814が取り除かれた、織成コネクタ要素810を示し、その一方で、図39bは、面板814が取り付けられた、織成コネクタ要素810を示す。図39aにおいて見られるように、位置合わせ穴816に付け加えて、織成コネクタ要素810はまた、面板814がハウジング812に取り付けられるのを容易にし得る穴818を含む。織成コネクタ要素810は、さらに数個の荷重ファイバ304および数個のテンションバネ824を含む。例示的なパワーコネクタ800において、荷重ファイバ304およびテンションバネ824の異なるセットは、織成コネクタ要素810のパワー回路827およびリターン回路829の側にて使用される。パワー回路827は、本開示の教示に従い、数個の荷重ファイバに織り込まれた数個の導体302からなる。リターン回路829は、同様に、数個の導体302からなる。リターン回路829の導体302は、数個の荷重ファイバ304に織り込まれる。好ましい実施形態において、パワー回路827およびリターン回路829の導体302は、自己終端している。図示された例示的なパワー回路827において、パワー回路827の導体302は、4つの荷重ファイバ304にそれぞれ織り込まれ、その一方で、リターン回路829の導体302は、4つの異なる荷重ファイバ304にそれぞれ織り込まれる。織成コネクタ要素810のパワー回路827の荷重ファイバ304の終端部は、テンションバネ824へと結合(例えば、取り付けられる)される。特定の例示的な実施形態において、織成コネクタ要素810のテンションバネ824は、導体302および荷重ファイバ304からなるウィーブの外側を囲む。他の実施形態において、しかしながら、テンションバネ824はウィーブを囲む必要はない。好ましい実施形態において、それぞれの荷重ファイバ304は、別々のテンションバネ824と結合される。例えば、第1の荷重ファイバ304は第1のテンションバネ824と結合され、第2の荷重ファイバ304は第2のテンションバネ824と結合される。織成コネクタ要素810のリターン回路829の側の荷重ファイバ304の終端部は、同様に、独立したテンションバネ824と結合される。荷重ファイバ304を、別々のテンションバネ824と独立して結合させることによって、パワーコネクタ800の電気的接続の機能は、さらに豊かになり、欠損に対しても耐性を示すようになる。
【0078】
図39aおよび図39bの例示的な実施形態に表されるように、パワー回路827の導体302は、その対応する荷重ファイバ304に織り込まれる場合、そこに配置されるスペース826aを有する織成チューブを形成する。その対応する荷重ファイバ304に織り込まれる場合、リターン回路829の導体302は、そこに配置されるスペース826bを有する織成チューブを形成する。多くの例示的な実施形態において、織成チューブの断面は、対称である。例えば織成コネクタ要素810などの、特定の例示的な実施形態において、織成チューブの断面は円形である。
【0079】
図40は、図38を反対側から見た、相手側コネクタ要素830を示す。図40を参照すると、相手側コネクタ要素830は、相手側導体838a、838bを含む。相手側導体838a、838bは、個々に、終端接触部836a、836bにて終端し、それらは、相手側コネクタ要素830の後部に配置される。特定の例示的な実施形態において、相手側導体838a、838bは、ロッド型(例えば、ピン型)であり、相手側導体838a、838bの周囲に配置される相手側接触表面を有する。相手側導体838a、838bは、相手側導体要素830が織成コネクタ要素810(逆もまた然り)へと係合される上で、パワー回路827およびリターン回路829の導体302と、個々に相手側導体838a、838bの相手側接触表面との間の電気的接続が確立されることが可能なように、適切にサイズが調整される(例えば、長さ、幅、直径など)。特定の例示的な実施形態において、相手側導体838の直径は、ほぼ、0.01インチから0.4インチの範囲である。
【0080】
ここで検討されているように、導体302と相手側導体838の相手側接触表面との間の接触は、荷重ファイバ304によって確立および維持されることが可能である。例えば、相手側導体要素830の相手側導体838aが、パワー回路827(織成コネクタ要素810の)のスペース826aに挿入される場合、相手側導体838aは、パワー回路827の導体302および荷重ファイバ304のウィーブを、半径方向に引き伸ばさせる。そうすることによって、テンションバネ824に取り付けられた荷重ファイバ304の終端部が、共に近くへ引っ張られ、そのウィーブは十分な程度、伸びる。これはテンションバネ824を柔軟に変形させ、テンションは荷重ファイバ304において生成され、従って、導体302の接触点にて働く、所望される接触垂直力に、結果としてなる。同様に、相手側導体要素830の相手側導体838bは、リターン回路829のスペース826bに挿入される場合、相手側導体838bは、リターン回路829の導体302/荷重ファイバ304を、半径方向に引き伸ばさせる。パワーコネクタ800の実施形態において、荷重ファイバ304内の引っ張り荷重は、テンションバネ824の柔軟な変形によって生成および維持される。つまり、ウィーブが引き伸ばされる場合、荷重ファイバ304は、テンションバネ824によって引っ張られ、伸びた状態に置かれる。しかしながら、以前に示したように、特定の実施形態において、コネクタシステムは、荷重ファイバ内の引っ張り荷重を生成および維持するために、テンションバネ、スプリング台、スプリングアームなどを利用する必要はない。
【0081】
相手側コネクタ要素830が織成コネクタ要素810と係合している場合、織成コネクタ要素810の面板814は、相手側導体838a、838bを、個々に、織成コネクタ要素810のスペース826a、826bに、適切に合わせるのを助け得る。面板814はまた、織成コネクタ要素810のウィーブを保護するように働く。相手側導体838a、838bをスペース826a,826bに挿入することをさらに容易にするために、相手側導体838a、838bの終端部は、面取りされ得る。
【0082】
対応するチューブ型のウィーブを有するロッド型の相手側導体838の使用は、単位当たりの電気接触点の数に関して、例えば、多接点織成パワーコネクタの他のタイプにて、通常可能であるよりもむしろ、パワーコネクタ800を、さらに効果的なスペースにさせる。この配置の利用は、さらに、ウィーブを囲むテンションバネのコンパクトな協働を可能にし、それは、小さなパッケージ領域などへの荷重のもとで、最も長いバネに最も大きいずれを提供する。さらに、ロッド側の相手側導体838a、838bの半径が非常に小さくされ得るゆえに(他の型を有する織成パワーコネクタシステムと比較されるように)、接触点での所望される垂直接触力を生成するために、荷重ファイバ304内で必要とされるテンションは、したがって、より低くなり得る。これらの理由で、例えば、パワーコネクタ800は、パワーコネクタ500およびパワーコネクタ600の2倍の電力密度を達成することができ、その一方で、同様の低い挿入力および多数の接触部の数を維持することができる。
【0083】
図38から図40のパワーコネクタ800は、ケーブルツーケーブル・コネクタとして構成され、それゆえ、より長いハウジングアセンブリ(例えば、ハウジング812およびハウジング832)を有する。ボードツーボード・パワーコネクタは、図で示されるように、パワーコネクタ800と同様に配置され得るが、より短いハウジングを有し、それゆえ、そのようなコネクタハウジングは、ケーブルによって働く力を回収するように設計されている必要はない。
【0084】
パワーコネクタ800は、パワー回路827およびリターン回路829を含む。本開示の教示に従い、しかしながら、他の実施形態において、織成コネクタ要素は、パワー回路のみからなり得る。したがって、一部の実施形態において、例えば、織成コネクタ要素810のリターン回路829は、パワー回路827と置き換えられる。さらに別の実施形態において、織成コネクタ要素は、3つ以上のパワー回路を含み得る。そのような実施形態はまた、さらに、一つ以上のリターン回路を含み得る。一つ以上のパワー回路を織成コネクタ要素内に配置させることによって、電力は分散型の態様において、パワーコネクタを介して、転送され得る。多接点パワーコネクタを使用することによって、コネクタのそれぞれのパワー回路を介して転送される個々の負荷は、より下げられ得(単一のパワー回路の実施形態と比較されるように)、その一方で、コネクタを介して、同じ全体の電力負荷容量を維持することが可能である。
【0085】
図41は、本開示の教示に従い、多接点織成パワーコネクタのさらなる例示的な実施形態を表す。図41のパワーコネクタ900は、織成コネクタ要素910および相手側コネクタ要素930を含む。織成コネクタ要素910は、ハウジング912、任意の面板(図には示されていない)、数個の導体302、荷重ファイバ304、テンションバネ924、および終端接触部922を含む。導体302は、織成コネクタ要素910の後部に配置される終端接触部922にて終端するパワー回路827を形成する。荷重ファイバ304の終端部は、テンションバネ924に取り付けられる。好ましい実施形態において、それぞれの荷重ファイバ304は、別々のテンションバネ924に取り付けられる。導体302は、そこに置かれるスペースを有する織成チューブを形成するために、荷重ファイバ304に織り込まれる。しかしながら、コネクタ800の織成コネクタ要素810とは異なり、織成コネクタ要素910は、単一のウィーブ(例えば、織成チューブ)を含むのみである。従って、織成コネクタ要素910は、単一のパワー回路927を有するのみである。つまり、織成コネクタ要素910は、リターン回路を含まないのである。
【0086】
相手側コネクタ要素930は、ハウジング932、相手側導体938、および終端接触部936を含む。相手側導体938は終端接触部936にて終端し、それは、相手側コネクタ要素930の後部に置かれる。相手側導体938はロッド型であり、その長さに沿って周囲に配置される、相手側接触表面を有する。相手側導体要素930が織成コネクタ要素910と結合される場合に、パワー回路927の導体302と相手側導体938の相手側接触表面との間の電気的接続が確立され得るように、相手側導体938は、適切なサイズに調整される。特に、相手側導体930の相手側導体938が、織成コネクタ要素910の織成チューブの中心スペースに挿入される場合、相手側導体938は、導体302および荷重ファイバ304のウィーブを、半径方向に引き伸ばさせる。そうすることによって、テンションバネ924に取り付けられた荷重ファイバ304の終端部が、共に近くへ引っ張られ、そのウィーブは十分な程度、伸びる。これはテンションバネ924を柔軟に変形させ、テンションは荷重ファイバ304において生成される。適切なテンションの量が荷重ファイバ304内に存在しつつ、所望される接触垂直力は、パワー回路927を作り上げる導体302の接触点にて働く。
【0087】
特定の実施形態において、リターン回路を有しない単一のパワー回路927を有するパワーコネクタ900は、「電源ケーブル」ツー「母線」・コネクタとして使用され得る。しかしながら、当業者は、パワーコネクタ900が他の広範なコネクタの応用に使用され得ることを容易に理解する。
【0088】
このように様々な例証的な実施形態およびその態様を説明してきたが、修正および変更が、当業者には明らかであろう。このような修正および変更は、この開示に含まれるように意図されており、またこの開示は、例証のみを目的としており、限定をすることを意図したものではない。本発明の範囲は、添付の特許請求の範囲における適切な解釈およびそれらの均等物から決定すべきである。
【図面の簡単な説明】
【0089】
【図1】従来のバックプレーンアセンブリの斜視図である。
【図2a】従来の雄コネクタ要素における一部の部分拡大を示す従来のバックプレーンアセンブリの斜視図である。
【図2b】従来の雌コネクタ要素における一部の部分拡大を示す従来のバックプレーンアセンブリの斜視図である。
【図3a】図1、図2aおよび図2bのバックプレーンアセンブリと使用可能な従来のコネクタの断面図である。
【図3b】図3aの従来のコネクタにおける単一コネクタの拡大断面図である。
【図4a】図3bにおける従来のコネクタの拡大部分の図である。
【図4b】図4aにおけるコネクタの拡大部分の図であり、コネクタの表面に粒子が埋め込まれている。
【図5】プラウイング現象の一例を表した図である。
【図6】図6aから6gは、コネクタに粒子トラップが存在する状態と存在しない状態の粒子塊を表した図である。
【図7】本開示の態様による織成コネクタにおける一実施形態の斜視図である。
【図8】図7の織成コネクタにおける拡大部分の一例の斜視図である。
【図9a】図8のコネクタにおける一部の拡大断面図である。
【図9b】図8のコネクタにおける一部の拡大断面図である。
【図10】可動テンション端部壁を備えた、図7のコネクタの簡易断面図である。
【図11】非導電ウィーブファイバを端部壁に装着するバネ部材を含む、図7のコネクタの簡易断面図である。
【図12】テンション台における別の例の斜視図である。
【図13a】図7および8における織成コネクタの拡大断面図である。
【図13b】粒子がある、図7および8における織成コネクタの拡大断面図である。
【図14】図7の織成コネクタにおける拡大部分の平面図である。
【図15a】相手側コネクタ要素と組み合わせた、図7におけるコネクタの斜視図である。
【図15b】相手側コネクタ要素と組み合わせた、図7におけるコネクタの斜視図である。
【図16a】本開示の態様によるコネクタにおける別の実施形態の斜視図である。
【図16b】相手側コネクタ要素と組み合わせた、図16aにおけるコネクタの斜視図である。
【図17a】本開示の態様によるコネクタにおける別の実施形態の斜視図である。
【図17b】図17aにおけるコネクタの斜視図である。
【図18】本開示の態様による織成コネクタにおける別の実施形態の斜視図である。
【図19】図18のコネクタにおける一部の拡大断面図である。
【図20a】相手側コネクタ要素部における一例の斜視図である。
【図20b】相手側コネクタ要素部における別の例の断面図である。
【図21】図18のコネクタの一部を形成可能な相手側コネクタ要素における別の例の斜視図である。
【図22】図18のコネクタの一部を形成可能で、シールドを含む相手側コネクタ要素における別の例の斜視図である。
【図23】本開示の態様による織成コネクタアレイの斜視図である。
【図24】導電ファイバおよび荷重ファイバの方向を図示する例示的な織成コネクタの実施形態の断面図である。
【図25】図25aから図25bは、導電織成コネクタの実施形態を図示する。
【図26】図26aから図26cは、自己終端する導体を有する織成コネクタの実施形態を図示する。
【図27】数個の異なる織成コネクタの実施形態の、電気抵抗と垂直接触力の関係を図示する。
【図28】図28aおよび図28bは、本開示の教示に従った、一つの織成コネクタの実施形態の断面図である。
【図29】凸状の接触組み合わせ表面を有する、織成コネクタの実施形態の拡大断面図である。
【図30】本開示の教示に従った、織成コネクタの例示的な実施形態を表す。
【図31】図30の織成コネクタの実施形態の背面図である。
【図32】数個の例示的なスプリングアームの実施形態を表す。
【図33】図30の織成コネクタの実施形態の、導体と相手側導体との係合を図示する。
【図34】本開示の教示に従った、織成コネクタの、他の例示的な実施形態を表す。
【図35】図34のコネクタの他の図を表す。
【図36】荷重ファイバ内で負荷を生成するスプリングアームを有する、図34の織成コネクタの実施形態を表す。
【図37】図37aおよび図37bは、本開示の教示に従った、織成データコネクタの例示的な実施形態を表す。
【図38】本開示の教示に従った、織成コネクタの他の例示的な実施形態を表す。
【図39】図39aおよび図39bは、面板なしで、図38の織成コネクタ要素を表す。
【図40】図38の相手側コネクタ要素を表す。
【図41】本開示の教示に従った、織成コネクタのさらに他の例示的な実施形態を表す。
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気コネクタに関し、より詳細には、織成電気コネクタに関する。
【背景技術】
【0002】
電気システムの構成要素は、全体的な機能システムを提供するために、時には、電気コネクタを用いて相互接続する必要がある。これらの構成要素は、システムのタイプによって、サイズおよび複雑さが変わる可能性がある。たとえば、図1を参照すると、システムには、コネクタ34を用いて相互接続可能なバックプレーンまたはマザーボード30および複数のドータボード32を含むバックプレーンアセンブリを含んでもよく、またコネクタ34には、基板における異なるトレース等のための、多数の個別ピン接続アレイを含んでもよい。たとえば、コネクタが、ドータボードをバックプレーンに接続する電気通信用途においては、各コネクタには、2000またはそれを超えるピンを含んでもよい。代替として、システムには、単一ピンで同軸または他のタイプのコネクタおよび中間の多くの変形を用いて接続可能な構成要素を含んでもよい。電気システムのタイプに関係なく、技術の進歩によって、電気回路および構成要素は、ますます小さく、より強力なものとなった。しかしながら、一般的には、個別コネクタは、回路トレースおよび構成要素のサイズと比べて、まだ比較的大きい。
【0003】
図2aおよび図2bを参照すると、図1におけるバックプレーンアセンブリの斜視図が示されている。図2aには、また、ハウジング36およびハウジング36内に取り付けられた複数のピン38を含む、コネクタ34における雄部の拡大部分を示す。図2bには、ハウジング40を含むコネクタ34における雄部における雄部の拡大部分を示すが、このハウジング40は、コネクタの雄部におけるピン38を受け入れるように構成された複数の開口42を画定する。
【0004】
コネクタ34の一部を図3aに、より詳細に示す。コネクタにおける雌部の各接点には、1つの開口(図2bの42)内に取り付けられた本体部44が含まれる。コネクタにおける雄部の対応するピン38は、本体部44と結合されるように構成されている。各ピン38および本体部44には、終端接点48が含まれる。図3bに示すように、本体部44には、対応するピン38に「締まりばめ」を提供するように構成されている2つの片持ちアーム46が含まれる。ピン38と本体部44との間に許容できる電気接続を提供するために、片持ちアーム46は、比較的強い型締力を提供するように組み立てられている。かくして、コネクタの雄部をコネクタの雌部とかみ合わせるためには、強い垂直力が必要とされる。これは、以下により詳細に説明するように、多くの用途において望ましくないであろう。
【0005】
従来のコネクタにおける雄部が雌部と係合するときには、ピン38は、片持ちアーム46の間をスライドしながら「ワイピング」動作を行うが、片持ちアームの型締力に打ち勝ち、ピン38を本体部44に挿入できるようにするためには、強い垂直力が必要となる。接触している2つのスライド表面(ピンおよび片持ちアーム)間には、3つの摩擦要素、すなわち、凹凸の相互作用、接着および表面のプラウイングがある。ピン38および片持ちアーム46など、肉眼では、平坦で滑らかに見える表面は、実際には、拡大してみると、不均一でざらざらしている。凹凸の相互作用は、表面が互いの上をスライドするときに、表面の凹凸の干渉から生じる。凹凸の相互作用は、摩擦源であり粒子の発生源でもある。同様に、接着は、ざらざらした表面における極微的な接触点の局所的な溶着を指すが、この溶着は、これらの接触点における大きな圧力の集中から生じる。表面が互いにスライドするときに、これらの溶着が壊れることが、摩擦源である。
【0006】
さらに、粒子は、コネクタの接触表面間に、閉じ込められる可能性がある。たとえば、図4aを参照すると、図3bにおける従来のコネクタの拡大部が図示され、コネクタ34のピン38および片持ちアーム46間に閉じ込められた粒子50が示されている。片持ちアームがかける型締め力52は、図4bに示すように、粒子が、一表面または両表面に部分的に埋め込まれるほど十分であり、ピン38と片持ちアーム46との間で、電気的な接触がやはり得られるようでなければならない。型締め力52が不十分な場合には、粒子50は、ピン38と片持ちアーム46との間で、電気接続が形成されるのを妨げる可能性があり、これは、コネクタ34の故障に帰着する。しかしながら、型締め力52が強ければ強いほど、コネクタ34における雌部の本体部44に、ピン38を挿入するのに必要な垂直力は強くなければならない。ピンがアームに対してスライドするときには、粒子は、表面に溝を刻む。この現象は「表面プラウイング(plowing)」として知られ、摩擦の第3の要素である。
【0007】
図5を参照すると、ピン38と1つの片持ちアーム46との間における接触点の拡大部分、およびそれらの間に閉じ込められている粒子50が示されている。矢印54で示すように、ピンが片持ちアームに対してスライドするとき、粒子50は、片持ちアームの表面58および/またはピンの表面60に溝56を掘る。溝56によって、コネクタの磨耗が引き起こされ、金メッキしたコネクタにおいては、特に望ましくないであろう。この場合、金は比較的やわらかい金属なので、粒子が金メッキを通して溝を掘り、コネクタの下にある基板を露出する可能性がある。これは、コネクタの磨耗を加速する。というのも、たとえば、銅かもしれない露出したコネクタ基板は、容易に酸化する可能性があるからである。酸化は、非常に研磨作用のある酸化粒子の存在のために、コネクタの一層の磨耗につながることもあり得る。さらに、酸化は、コネクタの引き抜きおよび再挿入がない場合でも、経時的には、電気接触の劣化へとつながる。
【0008】
表面間に閉じ込められた粒子の問題に対する従来の一解決法は、「粒子トラップ」を備えた一表面を設けることである。図6a〜cを参照すると、第1の表面62は、第2の表面64に対して、矢印66で示す方向に動く。表面64に粒子トラップを設けていないときには、図6a〜6cに連続して示すように、アグロメレーション(agglomeration)と呼ばれるプロセスによって、小粒子68は、表面が動くにつれて結合し、大きな凝集粒子70を形成する。これは望ましいことではない。なぜなら、より大きな粒子は、つぎのことを意味するからである。すなわち、粒子を除去するか、または粒子を一表面もしくは両表面に埋め込んで、表面62と表面64との間に電気接続を確立できるようにするために必要な型締め力が非常に大きいということである。したがって、図6d〜6gに示すように、表面64には、図示のように表面の小さな凹部ある粒子トラップ72を設けてもよい。表面62が表面64上を動くとき、粒子68は粒子トラップ72に押し込まれ、かくして、粒子68は、もはや、溝を掘ったり、表面62と表面64との間の電気接続を妨害するのには役立たない。しかしながら、これら従来の粒子トラップの欠点は、トラップのない表面64よりもトラップのある表面64を機械加工することが著しく困難であり、コネクタのコストを増加させるということである。粒子トラップはまた、圧力および破断を増加させがちな特徴を生じ、かくして、コネクタは、粒子トラップが存在しない場合よりも、破局的な故障を被る恐れがある。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0009】
一実施形態によると、多接点織成コネクタには、ウィーブ(weave)を含んでもよく、このウィーブは、複数のテンションファイバおよび複数のテンションファイバと織り込まれた少なくとも1つの導体を提供するように配列され、少なくとも1つの導体の長さに沿って、複数の山部/谷部を形成する。少なくとも1つの導体には、少なくとも1つの導体の長さに沿って配置された複数の接触点があり、少なくとも1つの導体が、相手側コネクタ要素の導体と係合するときには、複数の接触点の少なくともいくつかが、多接点織成コネクタの少なくとも1つの導体と、相手側コネクタ要素の導体との間に、電気接続を提供するようにされている。ウィーブのテンションファイバによって、多接点織成コネクタの少なくとも1つの導体における複数の接触点の少なくともいくつかと、相手側コネクタ要素の導体との間に、接触力が提供される。
【0010】
別の実施形態によると、電気コネクタには、ウィーブを含む第1のコネクタ要素が含まれ、このウィーブには、複数の非導電ファイバおよび複数の非導電ファイバと織り込まれた少なくとも1つの導体が含まれ、また少なくとも1つの導体には、少なくとも1つの導体の長さに沿って、複数の接触点がある。電気コネクタには、さらに、ロッド部材を含む相手側コネクタ要素が含まれ、この場合、第1のコネクタ要素における複数の接触点の少なくともいくつかが、相手側コネクタ要素のロッド部材と接触して、第1のコネクタ要素と相手側コネクタ要素との間に電気接続を提供するように、第1のコネクタ要素および相手側コネクタ要素の係合は構成されている。複数の非導電ファイバは引っ張られ、第1のコネクタ要素における複数の接触点の少なくともいくつかと、相手側コネクタのロッド部材との間で接触力を提供する。
【0011】
別の実施形態において、電気コネクタには、基礎部材、基礎部材に取り付けられた第1および第2の導体、ならびに第1および第2の導体を囲む少なくとも1つのエラストマバンドが含まれる。第1および第2の導体には、第1および第2の導体の長さに沿って波打ち形状があり、第1および第2の導体の長さに沿って複数の接触点を含む。
【0012】
一実施形態によると、コネクタ要素アレイには、少なくとも1つのパワーコネクタ要素および複数の信号コネクタ要素が含まれる。各信号コネクタ要素にウィーブが含まれ、このウィーブは、複数の非導電ファイバと、複数の非導電ファイバと織り込まれた第1および第2の導体とを含んで、第1および第2の導体のそれぞれの長さに沿って複数の山部および谷部を形成し、この場合、第2の導体は、第1の導体と隣接して位置し、複数の非導電ファイバの第1のファイバは、第1の導体における第1の山部の下および第2の導体における第1の谷部の上を通る。第1および第2の導体には、第1および第2の導体の長さに沿って配置された複数の接触点があり、これらの複数の接触点は、信号コネクタ要素の第1および第2の導体と、相手側信号コネクタ要素の導体との間に電気接続を提供するように構成され、また信号コネクタ要素における第1および第2の導体の複数の接触点と、相手側信号コネクタ要素の導体との間の接触力は、ウィーブの張力によって提供される。
【0013】
さらに別の実施形態によると、電気コネクタには、基礎部材および2つの対向端部壁を含むハウジングと、複数の非導電ファイバであって、その複数の非導電ファイバに所定の張力が与えられるように、ハウジングの対向端部壁に取り付けられた複数の非導電ファイバと、基礎部材に取り付けられた第1の終端接点であって、第1の終端接点の第1の端部に接続された第1の複数の導体を有する第1の終端接点とが含まれ、この場合、第1の複数の導体は、複数の非導電ファイバと織り込まれて、複数の導体の各導体が、各導体の長さに沿って複数の接触点を有するように、織成構造を形成する。
【0014】
別の実施形態には、電気コネクタアレイが含まれ、このアレイには、基礎部および2つの対向端部壁を含むハウジングと、対向端部壁間に取り付けられた複数の非導電ファイバと、複数の非導電ファイバに織り込まれて、第1の電気接点を提供する第1の導体と、複数の非導電ファイバに織り込まれて、第2の電気接点を提供する第2の導体と、複数の非導電ファイバと織り込まれ、第1および第2の導体間に配置されて、第1の電気接点を第2の電気接点から電気的に絶縁する少なくとも1つの絶縁ストランドとが含まれる。
【0015】
さらに別の実施形態によると、多接点織成コネクタには、ウィーブが含まれ、このウィーブは、複数のテンション非導電ファイバと、複数のテンション非導電ファイバと織り込まれた第1および第2の導体とを含んで、第1および第2の導体のそれぞれの長さに沿って、複数の山部および谷部を形成する。第2の導体は、第1の導体と隣接して位置し、複数のテンション非導電ファイバの第1のファイバは、第1の導体における第1の山部の下および第2の導体における第1の谷部の上を通る。第1および第2の導体には、第1および第2の導体の長さに沿って配置された複数の接触点があり、第1および第2の導体が、相手側コネクタ要素の導体と係合するときには、複数の接触点の少なくともいくつかが、多接点織成コネクタの第1および第2の導体と、相手側コネクタ要素の導体との間に電気接点を提供するようにされ、この場合、ウィーブにおける複数のテンション非導電ファイバが、第1および第2の導体における複数の接触点の少なくともいくつかと、相手側コネクタ要素の導体との間に接触力を提供する。
【0016】
代替的な実施形態によると、多接点織成コネクタは、多接点織成コネクタは、複数の荷重ファイバおよび、少なくとも一つの接触点を有する少なくとも一つの導体を含む。導体は、複数の荷重ファイバの少なくとも一部に織り込まれ、複数の荷重ファイバは、したがって、それぞれの導体のそれぞれの接触点にて、接触力を供給することが可能である。特定の実施形態において、第1の導体と第2の導体との間で、電気的接続が確立されることが可能である。導体は、好ましくは、自己終端型である。多接点織成コネクタは、さらに、荷重ファイバの端部が結合され得る付着点を有するスプリング台を備えることが可能である。多接点織成導体はまた、さらに、付着点を有するフローティング端部プレートを備え得、荷重ファイバの端部は、付着点に結合され得る。付け加えて、多接点織成コネクタはさらに、相手側接触表面を有する相手側導体を含み得、導体の接触点と相手側導体の相手側接触表面との間にて、電気接触が確立されることが可能である。例示的な実施形態において、相手側接触表面は、曲がっており、好ましくは、凸状であり、例えば、相手側接触表面は、一定の曲率半径によって規定され得る。
【0017】
別の実施形態によると、多接点織成コネクタは、複数の荷重ファイバからなるパワーコネクタであり得、パワー回路は少なくとも一つの導体を有し、リターン回路はまた、少なくとも一つの導体を有する。パワー回路およびリターン回路の導体は、複数の荷重ファイバの少なくとも一部に織り込まれる。パワーコネクタは、さらに、相手側接触表面を有する相手側導体を含み得、パワー回路の導体と第1の相手側接触表面との間に、および、リターン回路の導体と第2の相手側接触表面との間に、電気的接続が確立されることが可能である。
【0018】
さらなる実施形態によると、多接点織成コネクタは、第1および第2の荷重ファイバのセット、ならびに、第1および第2の導体のセットからなり得る。第1のセットの導体は、第1のスペースを有する第1のウィーブを作成するために、荷重ファイバの第1のセットに織り込まれ、その一方で、第2のセットの導体は、第2のスペースを有する第2のウィーブを作成するために、荷重ファイバの第2のセットに織り込まれる。例示的な実施形態において、ウィーブは、その中に置かれるスペースを有する織成チューブとして配置される。多接点織成コネクタはさらに、荷重ファイバ内にて、引っ張り荷重を生成するための、少なくとも一つのテンションバネを含み得る。多接点織成コネクタはまた、さらに、相手側接触表面を有する、第1および第2の相手側導体を含み得る。相手側導体は、そのスペースに置かれ得る。例示的な実施形態において、相手側導体は、実質的にロッド型である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
本発明の前述および他の特徴および利点は、添付の図面に関連した、様々な実施形態およびその態様における以下の非限定的な説明から明らかになるであろう。異なる図を通して、同様な参照符号は、同様な要素を指す。図面は、例証および説明を目的として提供するものであり、本開示の広さを限定することを意図するものではない。
【0020】
本発明によって、先行技術のコネクタにおける欠点を克服する可能性のある電気コネクタが提供される。本発明には、高密集度が可能で、コネクタ要素と相手側コネクタ要素とを係合するために比較的小さな垂直力のみを使用する電気コネクタが含まれる。本発明は、その適用において、以下の説明に記載し、図面に示す、組み立ての詳細および構成要素の配列に限定されるものではないことを理解すべきである。本発明を実施する他の実施形態および方法も可能である。また、本明細書で使用されている語法および術語は、説明を目的としたものであり、限定するものとしてみなすべきではないことを理解されたい。「含む(including)」、「含む(comprising)」または「有する(ある)(having)」およびそれらの変形の使用は、その後に挙げる項目およびそれらの等価物だけでなく追加的な項目も包含することを意味する。さらに、本明細書で使用する用語「コネクタ」が指すのは、プラグおよびジャックコネクタ要素のそれぞれ、ならびにプラグおよびジャックコネクタ要素の組み合わせだけでなく、任意のタイプのコネクタにおけるそれぞれの相手側コネクタ要素、およびそれらの組み合わせであることを認識すべきである。また、用語「導体」が指すのは、限定するわけではないが、電線、導電ファイバ、金属細片、金属または他の導電コアなどの導電要素であることを認識すべきである。
【0021】
図7を参照すると、本発明の態様によるコネクタの一実施形態が示されている。コネクタ80にはハウジング82が含まれ、このハウジングには、基礎部材84および2つの端部壁86を含んでもよい。複数の非導電ファイバ88を、2つの端部壁86間に配置してもよい。複数の導体90は、基礎部材84から、複数の非導電ファイバ88へほぼ垂直に延伸してもよい。複数の導体90を、複数の非導電ファイバと織り込んで、複数の導体のそれぞれの長さに沿って、複数の山部および谷部を形成し、それによって、織成コネクタ構造を形成してもよい。ウィーブの結果として、各導体は、複数の導体のそれぞれの長さに沿って配置される複数の接触点を有するであろうが、これについては、以下でより詳細に説明する。
【0022】
一実施形態において、多数の導体90a、たとえば4つの導体が、ともに1つの電気接点を形成してもよい。しかしながら、各導体が単独で別個の電気接点を形成するか、または任意の数の導体を組み合わせて単一の電気接点を形成してもよいことを認識すべきである。図7のコネクタには、終端接点91を含んでもよく、これらの終端接点は、たとえば、バックプレーンまたはドータボードに、永続的または取り外し可能に接続してもよい。図示の例において、終端接点91はプレート102に取り付けられ、このプレートは、ハウジング82の基礎部材84に取り付けてもよい。代替として、終端部は、ハウジング82の基礎部材84に直接に接続してもよい。また基礎部材84および/または端部壁86を用いて、コネクタ80を、バックプレーンまたはドータボードに固定してもよい。以下で説明するように、図7のコネクタは、1つまたは複数の相手側コネクタ要素と係合するように構成してもよい。
【0023】
図8は、コネクタ80の拡大部分の一例を図示し、4つの導体90aを含む1つの電気接点を示している。4つの導体90aは、共通の終端接点91に接続してもよい。終端接点91は、図示の形状である必要はなく、たとえば、半導体デバイス、回路基板、ケーブル等への終端のために適した任意の構成であってもよい。一例によると、複数の導体90aには、第1の導体90b、および第1の導体90bに隣接して位置する第2の導体90cを含んでもよい。第1および第2の導体を複数の非導電ファイバ88と織り込んで、非導電ファイバ88の第1のファイバが、第1の導体90bの谷部92の上を通過し、第2の導体90cの山部94の下を通過するようにしてもよい。かくして、接触する相手側コネクタがどこに位置しているかに従って、導体の長さに沿った複数の接触点を、谷部または山部のどちらかによって設けてもよい。図8に示すように、相手側接点96は、相手側コネクタ要素97の一部を形成してもよく、この相手側コネクタ要素97は、図15bに示すように、コネクタ80と係合してもよい。図8に示すように、導体90aにおける谷部の少なくともいくつかによって、導体90aと相手側接点96との間に複数の接触点が提供される。相手側接点は、図示の形状である必要はなく、たとえば、半導体デバイス、回路基板、ケーブル等への終端のために適した任意の構成であってもよい。
【0024】
一実施形態によると、コネクタ80のウィーブにおける張力によって、コネクタ80の導体と相手側コネクタ96との間の接触力を提供してもよい。一例において、複数の非導電ファイバ88には、弾性材料を含んでもよい。弾性ファイバを伸ばすことによって非導電ファイバ88に発生する可能性のある弾性張力を用いて、コネクタ80と相手側接点96との間の接触力を提供してもよい。弾性非導電ファイバは、事前に伸ばして弾性力を提供してもよいし、または以下により詳細に説明するように、テンション台に取り付けてもよい。
【0025】
図9aを参照すると、図8の線9A−9Aに沿った、図8のコネクタの拡大断面図が示されている。弾性非導電ファイバ88を矢印93aおよび93bの方向に引っ張って、非導電ファイバに所定の張力を提供し、今度はこの張力が、導体90と相手側接点96との間で、所定の接触力を提供してもよい。図9aに示す例において、非導電ファイバ88が相手側導体96の水平面99に対して角度95をなすように、非導電ファイバ88を引っ張り、導体90を相手側接点96に押しつけてもよい。この実施形態では、1つ以上の導体90が、相手側導体96と接触してもよい。代替として、図9bに示すように、単一の導体90を、任意の単一相手側導体96と接触させ、上記で説明した電気接点を提供してもよい。前述の例と同様に、非導電ファイバ86を、矢印93aおよび93bの方向に引っ張って、導体90のどちらの側でも、相手側接点96の水平面に対して角度97をなす。
【0026】
上記で説明したように、弾性非導電ファイバ88は、テンション台に装着してもよい。たとえば、ハウジングの端部壁86が、テンション台としての働き、非導電ファイバ88に張力を提供してもよい。図10に示すように、これは、たとえば、第1または静止位置250と第2または引っ張り位置252との間で可動に端部壁86を組み立てることによって、達成してもよい。静止位置250から引っ張り位置252への端部壁86の動きによって、弾性非導電ファイバ88が伸ばされ、かくして張力をかけられる。図示のように、非導電ファイバ88の長さは、テンション台が静止位置250にあるとき(相手側コネクタが、コネクタ80と係合していないとき)の、ファイバの第1の長さ251と、テンション台が引っ張り位置252にあるとき(相手側コネクタがコネクタ80と係合しているとき)の第2の長さ253との間で変わってもよい。このように非導電ファイバ88を引き伸ばし、張力をかけることによって、今度は、相手側コネクタがコネクタ要素と係合しているときに、導電ウィーブ(はっきりさせるために図10には図示せず)と相手側接点との間で、接触力を提供してもよい。
【0027】
図11に示すように、別の例によると、非導電ファイバ88の一端または両端および端部壁86の対応する一方または両方に接続されたバネ254を設け、バネが弾性力を提供するようにしてもよい。この例において、非導電ファイバ88は、非弾性であってもよく、たとえば、ポリアミドファイバ、ポリアラミドファイバなどの非弾性材料を含んでもよい。非導電ウィーブにおける張力は、バネ254のバネ力によって提供し、今度は、張力が、導電ウィーブ(はっきりさせるために図示せず)と相手側コネクタ要素との間で接触力を提供してもよい。さらに別の例では、非導電ファイバ88は、弾性でも非弾性でもよいし、またテンションプレート256(図12を参照)に取り付けてもよく、今度は、テンションプレート256を端部壁86に取り付けるか、またはテンションプレート256を端部壁86としてもよい。テンションプレートには、複数のバネ部材262を含んでもよく、各バネ部材は開口260を画定し、また各バネ部材262は、スロット264によって、隣接するバネ部材から分離してもよい。各非導電ファイバは、テンションプレート256の対応する開口260に通してもよく、またたとえば、接着するなどしてテンションプレートに取り付けるか、または非導電ファイバの端部が、開口260を抜け出ることができないように、結びつけてもよい。スロット264によって、各バネ部材262が、隣接するバネ部材から独立して働くことができるようにし、一方で、複数のバネ部材を、共通のテンション台256に取り付けできるようにしてもよい。各バネ部材262を少し動くようにし、それによって、非導電ウィーブに張力を与えてもよい。一例において、図12に示すように、テンション台256は、弧状の構造をしていてもよい。
【0028】
本発明の一態様によると、コネクタおよび相手側コネクタの長さに沿って、複数の別個の接触点を設けることは、従来のコネクタの単一で連続的な接点(図3a、3bおよび4に示す)より優れたいくつかの利点を有するであろう。たとえば、図4に示すように、粒子が従来のコネクタの表面間に閉じ込められたとき、粒子は、表面間に電気接続が形成されるのを妨ぐことができ、コネクタの磨耗を加速する可能性のあるプラウイング(溝掘り)を生じることがあり得る。本願出願人は、閉じ込められた粒子によるプラウイングが、従来のコネクタにおける磨耗の大きな原因であることを発見した。プラウイングの問題、およびその結果として、正常な電気接続の形成が不十分であることは、本発明の織成コネクタによって、克服されるであろう。織成コネクタには、「局所的に対応」するという特徴があるが、これが本明細書において意味することは、コネクタが、コネクタの表面間に作られる電気接続に影響を与えることなく、小さな粒子の存在に順応することだと、理解すべきである。図13aおよび13bを参照すると、図7および8におけるコネクタの拡大断面図が図示され、相手側コネクタ要素96の長さに沿って、複数の別個の接触点を提供する複数の導体90aが示されている。粒子が存在しないときには、図13aに示すように、導体90aの各山部/谷部は、相手側接点96と接触するであろう。粒子98がコネクタの表面間に閉じ込められたときには、図13bに示すように、粒子が位置する山部/谷部100は、粒子の存在に順応し、粒子によって歪ませることができ、相手側接点96と接触しない。しかしながら、導体90aの他の山部/谷部は、相手側接点96と接触したままであり、それによって、導体と相手側接点96との間の電気接続を提供する。この配列では、粒子にほとんど力が加わらないであろうし、かくして、コネクタの織成表面が、他の表面に対して動くときには、粒子は、他の表面に溝を掘らず、むしろ、織成コネクタの各接触点は、粒子と出くわすと、歪むであろう。かくして、織成コネクタは、プラウイングの発生を防ぎ、それによって、コネクタの磨耗を低減し、コネクタの耐用寿命を伸ばす可能性がある。
【0029】
再び図7を参照すると、コネクタ80には、さらに、1つまたは複数の絶縁ファイバ104を含んでもよく、この絶縁ファイバは、複数の非導電ファイバ88に織り込み、ともに電気接点を形成する導体セットの間に配置してもよい。絶縁ファイバ104は、1つの電気接点を別の電気接点から電気的に絶縁するように働き、1つの電気接点の導体が他の電気接点の導体と接触して、接点間で電気的短絡を起こすのを防ぐであろう。コネクタ80の一例における拡大部分を、図14に示す。図示のように、コネクタ80には、1つまたは複数の絶縁ファイバ104aによって分離され、複数の非導電ファイバ88に織り込まれた、第1の複数の導体110aおよび第2の複数の導体110bを含んでもよい。上記で説明したように、第1の複数の導体110aを第1の終端接点112aに接続し、第1の電気接点を形成してもよい。同様に、第2の複数の導体110bを第2の終端接点112bに接続し、第2の電気接点を形成してもよい。一例において、終端接点112aおよび112bは、ともに、差動信号接点対を形成してもよい。代替として、各終端接点は、単一で別個の電気信号接点を形成してもよい。別の例によると、コネクタ80には、さらに、電気シールド部材106を含んでもよく、このシールド部材は、図7に示すように、差動信号対接点を互いに分離するように配置してもよい。もちろん、電気シールド部材を、また差動信号対接点のないコネクタ80の例に含んでもよいことを、認識すべきである。
【0030】
図15aおよび15bに、相手側コネクタ97と組み合わせたコネクタ80を示す。相手側コネクタ97には、1つまたは複数の相手側接点96(図8参照)、およびまた相手側ハウジング116を含んでもよく、このハウジングには、スペーサ120によって分離された、上部および下部プレート部材118aおよび118bがあってもよい。相手側接点96を上部および/または下部プレート部材118aおよび118bに取り付け、コネクタ80が相手側コネクタ97と係合されるときに、複数の導体90における接触点の少なくともいくつかが相手側接点96と接触し、コネクタ80と相手側コネクタ97との間で電気接続を提供するようにしてもよい。一例において、図15bに示すように、相手側接点96は、上部および/または下部プレート部材118aおよび118bに沿って、交互に間隔をおいて配置してもよい。スペーサ120は、スペーサ120の高さが、コネクタ80における端部壁86の高さとほぼ等しいかまたはわずかに低くなるように組み立てて、コネクタ80と相手側コネクタ97との間に締まりばめを提供し、また相手側導体と複数の導体90における接触点との間に接触力を提供してもよい。上記で説明したように、一例において、スペーサは、コネクタ80の可動テンション端部壁86を収容するように組み立ててもよい。
【0031】
ウィーブを構成する導体ならびに非導電および絶縁ファイバは、極端に細く、たとえば、直径が、約0.0001インチから約0.020インチの範囲であってもよく、したがって、織成構造を用いた非常に高密度のコネクタが可能であることを認識すべきである。上記で説明したように、織成導体は、局所的に対応するので、摩擦を克服するのにエネルギをほとんど消費せず、したがって、コネクタは、コネクタを相手側コネクタ要素と係合させるために、比較的小さな垂直力を必要とするだけであろう。これによって、また、コネクタの耐用寿命が延びるであろう。なぜなら、コネクタ要素を相手側コネクタ要素に係合するときに発生する、導体の破損または屈曲の可能性がより小さいからである。導体および絶縁ファイバを非導電ファイバと織り込むことの自然の結果として、ウィーブに存在するポケットまたはスペースもまた、粒子トラップとして働いてもよい。従来の粒子トラップとは異なり、これらの粒子トラップは、製造上の特別な配慮がなにもなくても、ウィーブに存在するであろうし、従来の粒子トラップのようには、応力機構をもたらさない。
【0032】
図16aおよび16bを参照すると、本発明の態様による織成コネクタの別の実施形態が示されている。この実施形態において、コネクタ130には、第1のコネクタ要素132および相手側コネクタ要素134を含んでもよい。第1のコネクタ要素には、第1および第2の導体136aおよび136bを含んでもよく、これらの導体は、絶縁ハウジングブロック138に取り付けてもよい。図示の例において、第1のコネクタ要素には、2つの導体が含まれているが、本発明はそのように限定されるわけではなく、第1のコネクタ要素には、2を超える導体を含んでもよいことを認識すべきである。第1および第2の導体は、図示のように、第1および第2の導体の長さに沿って、波打ち形状を有し、導体の長さに沿って、複数の接触点139を含んでもよい。この実施形態の一例において、ウィーブは、第1および第2の導体136aおよび136bを囲む弾性バンド140によって提供される。この例によると、第1の弾性バンドは、第1の導体136aの第1の山部の下および第2の導体136bの第1の谷部の上を通り、上記でコネクタ80(図7〜15b)に関連して説明した織成構造と類似した利点および特性を有する織成構造を提供してもよい。弾性バンド140は、エラストマを含んでもよく、または別の絶縁材料で形成してもよい。バンド140は、弾性体である必要はなく、非弾性材料を含んでもよいこともまた認識すべきである。第1のコネクタ要素の第1および第2の導体は、対応する第1および第2の終端接点146で終端してもよく、これらの終端接点は、たとえば、バックプレーン、回路基板、半導体デバイス、ケーブル等に、永続的または取り外し可能に接続してもよい。
【0033】
上記で説明したように、コネクタ130には、さらに、相手側コネクタ要素(ロッド部材)134を含んでもよく、この相手側コネクタ要素には、絶縁部材144によって分離された第3および第4の導体142aおよび142bを含んでもよい。相手側コネクタ要素134が第1のコネクタ要素132と係合しているときには、第1および第2の導体における接触点139の少なくともいくつかは、第3および第4の導体と接触し、第1のコネクタ要素と相手側コネクタ要素との間で、電気接続を提供してもよい。接触力は、弾性バンド140における張力によって提供してもよい。相手側コネクタ要素134には、第1のコネクタ要素における任意の追加的な導体と接触するように構成された追加的な導体を含んでもよく、図示のように2つの導体を有することに限定されるわけではないことを認識すべきである。相手側コネクタ要素134には、同様に、終端接点148を含んでもよく、これらの終端接点は、たとえば、バックプレーン、回路基板、半導体デバイス、ケーブル等に、永続的または取り外し可能に接続してもよい。
【0034】
本発明の態様による別の織成コネクタの一例を、図17aおよび17bに示す。この実施形態において、コネクタ150には、第1のコネクタ要素152および相手側コネクタ要素154を含んでもよい。第1のコネクタ要素152には、ハウジング156を含んでもよく、このハウジングには、基礎部材158および2つの対向端部壁160を含んでもよい。第1のコネクタ要素には、複数の導体162を含んでもよく、これらの導体は、基礎部材に取り付けてもよく、上記で説明した、コネクタ130の導体136aおよび136bと同様に、導体の長さに沿って波打ち形状を有してもよい。導体の波打ち形状によって、導体の長さに沿って、複数の接触点を提供してもよい。複数の非導電ファイバ164は、2つの対向端部壁160の間に配置し、複数の導体162と織り込んで、織成コネクタ構造を形成してもよい。相手側コネクタ要素154には、絶縁ブロック166に取り付けた複数の導体168を含んでもよい。図17bに示すように、相手側コネクタ要素154が、第1のコネクタ要素152と係合するときには、第1のコネクタ要素における複数の導体の長さに沿った複数の接触点の少なくともいくつかが、相手側コネクタ要素の導体と接触し、両者の間で電気接続を提供してもよい。一例において、複数の非導電ファイバ164は、弾性体であってもよく、図9aおよび9bに関連して上記で説明したように、第1のコネクタ要素の導体と相手側コネクタ要素との間で接触力を提供してもよい。さらに、コネクタ150には、図10a〜12に関連して上記で説明した他のテンション構造のどれを含んでもよい。このコネクタ150には、また、織成コネクタの他の実施形態に関連して上記で説明した利点があるであろう。特に、コネクタ150は、閉じ込められた粒子が、図13に関連して説明したのと同じ方法で、導体の表面に溝を掘るのを防ぐであろう。
【0035】
図18を参照すると、本発明による織成コネクタのさらに別の実施形態が示されている。コネクタ170には、織成構造を含んでもよく、この織成構造には、複数の非導電ファイバ(バンド)172、および複数の非導電ファイバ172と織り込まれた少なくとも1つの導体174が含まれる。一例において、コネクタには、複数の導体174を含んでもよく、これらの導体のいくつかは、1つまたは複数の絶縁ファイバ176によって互いに分離してもよい。1つまたは複数の導体174を、複数の非導電ファイバ172と織り込んで、導体の長さに沿って複数の山部および谷部を形成し、それによって、導体の長さに沿って複数の接触点を提供してもよい。図示のように、織成構造は、チューブ形状として、ウィーブの一端をハウジング部材178に接続してもよい。しかしながら、織成構造は、チューブに限定されるわけではなく、任意の所望の形状であってもよいことを認識すべきである。ハウジング部材178には、終端接点180を含んでもよく、この終端接点は、たとえば、回路基板、バックプレーン、半導体デバイス、ケーブル等に、永続的または取り外し可能に接続してもよい。終端接点180は、図示のように丸い必要はなく、コネクタを使用することになる用途の装置に接続するのに適した任意の形状であってもよい。
【0036】
コネクタ170には、さらに、織成チューブと係合すべき相手側コネクタ要素(ロッド部材)182を含んでもよい。相手側コネクタ要素182は、図示のように、円形横断面をしていてもよいが、相手側コネクタ要素は丸い必要はなく、所望の他の形状をしていてもよい。相手側コネクタ要素182には、1つまたは複数の導体184を含んでもよく、この導体は、相手側コネクタ要素182に沿って周囲に間隔を置いて配置し、相手側コネクタ要素182の長さに沿って延在してもよい。相手側コネクタ要素182が織成チューブに挿入されるときには、ウィーブの導体174は、相手側コネクタ要素182の導体184と接触し、それによって、ウィーブの導体と相手側コネクタ要素との間で電気接続を提供してもよい。一例によると、相手側コネクタ要素182および/または織成チューブには、位置決め機構(図示せず)を含み、挿入時に、相手側コネクタ要素182を織成チューブと位置合わせしてもよい。
【0037】
一例において、非導電ファイバ172は弾性体であってもよく、また相手側コネクタ要素182の円周とほぼ等しいかまたはわずかに小さな円周を有して、相手側コネクタ要素と織成チューブとの間に締まりばめを提供してもよい。図19を参照すると、コネクタ170の一部の拡大断面図が図示され、非導電ファイバ172を、矢印258の方向に引っ張ってもよいことが示されている。テンション非導電ファイバ172が接触力を提供し、この接触力によって、ウィーブにおける導体174の長さに沿った複数の接触点の少なくともいくつかを、相手側コネクタ要素の導体184と接触させてもよい。別の例において、非導電ファイバ172は、非弾性体であってもよく、またバネ部材(図示せず)を含み、このバネ部材によって、相手側コネクタ要素182が挿入されたときに、チューブの円周が拡張できるようにしてもよい。バネ部材が、このように、織成チューブに弾力/張力を提供し、今度は、この弾力/張力が、複数の接触点の少なくともいくつかと相手側コネクタ要素182の導体184との間に接触力を提供してもよい。
【0038】
上記で説明したように、ウィーブは、局所的に対応するものであり、また、ウィーブファイバ間に、粒子トラップとして働くことが可能なスペースまたはポケットを含んでもよい。さらに、ウィーブの1つまたは複数の導体174をともにグループ化し(図18および19の図示した例において、導体174が対にグループ化されている)、単一の電気接点を提供してもよい。導体をグループ化することは、電気接点当たりより多くの接触点を提供することによって、コネクタの信頼性をさらに改善し、それによって、全体的な接点抵抗を低減し、また、電気接続に影響を与えることなく、いくつかの粒子に対応する能力を提供するであろう。
【0039】
図20aおよび20bを参照すると、コネクタ170とともに使用可能な相手側コネクタ要素182の2つの例が、それぞれ、斜視図および断面図で示されている。図20aに示す一例によると、相手側コネクタ要素182には、導電層190に囲まれるかまたは少なくとも部分的に囲まれた、誘電性または他の非導電性のコア188を含んでもよい。導体184は、絶縁部材192によって、導電層190から分離してもよい。絶縁部材は、図示のように、各導体184に対して別個にしても、または少なくとも部分的に導電層190を囲む絶縁層を含んでもよい。相手側コネクタ要素には、さらに、絶縁ハウジングブロック186を含んでもよい。
【0040】
図20bに示す別の例によると、相手側コネクタ要素182には、内部にキャビティ196を画定可能な導電コア194を含んでもよい。光ファイバ、ロッド部材の全体的な強度および耐久性を向上させるための強度部材、および導体を伝わる電気信号によって、導体に蓄積される熱を消散させるように働くことが可能な熱伝達部材を任意にいずれか、または複数、キャビティ196内に配置してもよい。一例において、ドレイン線をキャビティ内に配置し、コネクタ用の接地線として働くように、導電コアに接続してもよい。図20aに示すように、ハウジングブロック186は、丸くて、相手側コネクタ要素の円周を増加させ、また1つまたは複数の切り欠き198を含んでもよく、この切り欠きは、相手側コネクタ要素を織成チューブと位置合わせするのを助けるための、コネクタ用の位置決め点として働いてもよい。代替として、図20bに示すように、ハウジングブロックには、位置決め案内として働くことが可能な平坦部200を含んでもよい。ハウジングブロックは、望み通りの別の形状をしていてもよく、当業者に周知かまたは当業者が開発した任意の形状の位置決め部を含んでもよいことをさらに認識すべきである。
【0041】
図21に、コネクタ170と使用可能な相手側コネクタ要素182のさらに別の例を示す。この例において、相手側コネクタ要素には、誘電性または他の非導電性のコア202を含んでもよく、このコアは、その中に導体184を形成できるように、1つまたは複数の溝を備えて形成し、導体184の上部表面が、相手側コネクタ要素の外側表面とほぼ同一平面をなすようにしてもよい。
【0042】
図22に示す別の例によると、コネクタ170には、織成チューブをほぼ囲んで配置可能な電気シールド204を、さらに含んでもよい。このシールドには、非導電内部層206を含んでもよく、この内部層は、導体174がシールドと接触し、かくしてともに短絡するのを防ぐであろう。一例において、上記で説明したように、ロッド部材には、相手側コネクタ要素のキャビティ内に位置するドレイン線を含んでもよく、またドレイン線は、電気シールド204と電気的に接続してもよい。シールド204には、たとえば、フォイル、金属ブレード、または当業者に周知の、別のタイプのシールド構造を含んでもよい。
【0043】
図23を参照すると、本発明の態様による織成コネクタアレイの一例が示されている。一実施形態によると、アレイ210には、第1のタイプの、1つまたは複数の織成コネクタ212、および第2のタイプの、1つまたは複数の織成コネクタ214を含んでもよい。一例において、織成コネクタ212は、図7〜15bに関連して上記で説明したコネクタ80であってもよく、異なる回路基板上の信号トレースおよび/または構成要素を互いに接続するために用いてもよい。織成コネクタ214は、図18〜22に関連して上記で説明したコネクタ170であってもよく、異なる回路基板上の電力トレースまたは構成要素を互いに接続するために用いてもよい。電源接続を提供するためにコネクタ170を使用してもよい一例において、ロッド部材180は、ほぼ完全に導電性であってもよい。さらに、この例において、絶縁ファイバ176を含む必要はないであろうし、また非導電性であるとして前に説明したファイバ172は、織成チューブとロッド部材との間で、より大きな電気経路を提供するために、実際には、導電性であってもよい。コネクタは、図示のように、たとえば、バックプレーン、回路基板等であってもよい基板216に取り付けてもよく、またこの基板には、反対側に取り付けるか、またはコネクタ(図示せず)間に配置する電気トレースおよび構成要素を含んでもよい。
【0044】
ここで検討されるように、荷重ファイバ、たとえば非導電ファイバに織り込まれた、または織り合わされた導体の使用は、電気コネクタシステムの特定の利点を提供することができる。設計者は常に、(1)より小さな電気コネクタ、(2)最小の電気抵抗を有する電気コネクタ、を開発することに取り組んでいる。ここで記載される織成コネクタは、これらの両方の領域において利点を提供することができる。組み立てられた電気コネクタの全体の電気抵抗は、通常、コネクタの雄側の電気抵抗属性の関数(function)、コネクタの雌側の電気抵抗属性の関数、コネクタのこれら二つの側の間にあるインターフェースの電気抵抗の関数である。電気コネクタの雄側と雌側の両方の電気抵抗属性は、通常、それらの個々の電気導体の、物理的な結合構造および物質的な性質に依存する。たとえば、雄側のコネクタの電気抵抗は、典型的には、その導体の断面領域、長さ、および物質的性質の関数である。物理的な結合構造およびこれらの導体の物質的選択は、電気コネクタの負荷能力、サイズ制限、構造的および環境的な考慮、ならびに製造能力などによってしばしば影響を受ける。
【0045】
電気コネクタの他の重要なパラメータは、分離可能な、安定した低い電気抵抗のインターフェース(たとえば電気接触抵抗)を達成することである。特定の負荷領域における導体と相手側導体との間の電気接触抵抗は、二つの導電表面の間に働いている接触垂直力の関数であり得る。図24において示されるように、織成コネクタの接触垂直力310は、荷重ファイバ304によって働くテンションTの関数、荷重ファイバ304と相手側導体306の接触部の相手側表面308との間に形成される角度の関数、および、テンションTが働いている多数の導体302の関数である。テンションTおよび/または角度312が増加するにつれて、接触垂直力310もまた増加する。さらに、所望される接触垂直力310のためには、所望される接触垂直力310を生成することができるテンションT/角度312の多様な組み合わせが存在し得る。
【0046】
図25aおよび図25bは、荷重ファイバ304に織り込まれた導体302を終端させる方法を図示する。図25aを参照し、導体302は、第1の荷重ファイバ304a、第2の荷重ファイバ304b、および最終の荷重ファイバ304zに巻きつく。導体302−荷重ファイバ304のウィーブの方向および/またはパターンは、他の実施形態において変化し得る。たとえば、導体302によって形成された谷部は、一つ以上の荷重ファイバ304などを包含し得る。片側にある導体302は、終端点340にて終了する。終端点340は、以前に検討したように、通常、終端接触部を備える。例示的な実施形態において、導体302はまた、終端点340とは異なり、終端接触部を通常含まない、他の終端点(図には示されていない)でのウィーブの逆側上にて終端し得る。図25bは、導体302を、荷重ファイバ304aから荷重ファイバ304zに織り込むための、好ましい実施形態を図示する。図25bにおいて、導体302は、上述したように、同じ方法において、第1の荷重ファイバ304aおよび第2の荷重ファイバ304bに織り込まれる。この好ましい実施形態において、しかしながら、導体302は、次いで、最終の荷重ファイバ304zを巻きつけ、次いで、第2の荷重ファイバ304bおよび第1の荷重ファイバ304aに織り込まれる。このように、導体302は、終端点340から始まり、導体304a、導体304bに織り込まれ、荷重ファイバ304zを巻きつけ、荷重ファイバ304b、荷重ファイバ304aを(再び)織り込み、終端点340にて終端する。導体302を最終荷重ファイバ304zに巻きつけさせ、ウィーブにおいて次の導体(スレッド)になることは、第2の終端点の必要をなくさせる。その結果、導体302が、この方法において最後の荷重ファイバ304zを巻きつけられる場合、導体302は、自己終端型と呼ばれる。
【0047】
図26aから図26cは、導体302が荷重ファイバ304に織り込まれ得る方法の、一部の例示的な実施形態を示す。図26aから図26cの導体302は自己終端型である一方で、一つのみの導体302が示され、追加的な導体302は、図示された実施形態内にて通常存在するということを、当業者は容易に理解する。図26aは、真直ぐなウィーブとして配置される導体302を示す。導体302は、山部364および谷部366の第1のセットを形成し、それ自体に巻きつき(たとえば、自己終端する)、次いで、第1の山部364および谷部366のセットと隣接し、オフセットされている第2の山部364および谷部366のセットを形成する。第1のセットからの山部364および第2のセットの谷部366(または、代替的には、第1のセットからの谷部366および第2のセットからの山部364)は、ともに、ループ362を形成し得る。荷重ファイバ304は、ループ362内に位置され得る(たとえば、係合され得る)。図26aから図26cの導体302が自己終端型として示される一方で、他の例示的な実施形態において、導体302は、自己終端型である必要はない。非自己終端型の導体302を用い、図26aにおいて明らかにされたものと同様の真直ぐなウィーブを形成するために、第1の導体302は、第1の山部364および谷部366のセットを形成し、その一方で、第2の導体302は、第1のセットと隣接し、オフセットされた第2の山部364および谷部366のセットを形成する。ループ362は、同様に、それに対応する山部364および谷部366から形成される。図26bは、交わったウィーブとして配置される導体302を示す。図26bの導体302は、第1の山部364および谷部366のセットを形成し、それ自体に巻きつき、次いで、第1の山部364および谷部366のセットから織り合わされ、オフセットされた、第2の山部364および谷部366のセットを形成する。同様に、第1のセットからの山部364および第2のセットからの谷部366(または、代替的には、第1のセットからの谷部366および第2のセットからの山部364)は、ともに、ループ362を形成し得、荷重ファイバ304によって占有され得る。非自己終端型の導体302は、交わったウィーブとして配置され得る。
【0048】
図26cは、4つの荷重ファイバ304上にクロスに織り込まれた自己終端型の導体302を図示する。図26cの導体302は、5つのループである362aから362eを形成する。ある例示的な実施形態において、荷重ファイバ304は、導体302によって形成されたループ362のそれぞれの内に位置される。しかしながら、全てのループ362が、荷重ファイバ304によって占められる必要があるわけではない。例えば、図26cは、ループ362cが荷重ファイバ304を含まない、一つの例示的な実施形態を示す。所望される全体のウィーブの硬度(および柔軟性)を達成するために、特定の導体302および荷重ファイバ304のウィーブの実施形態にて、占められていないループ362を含むことが所望され得る。ウィーブ内にて占有されてないループ362を用いることはまた、改善された動作および製造上の利益を提供し得る。ウィーブ構造がベースに乗る場合、例えば、相手側導体に関連するウィーブの僅かなずれが存在し得る。このずれは、占有されていないループ362の存在のために、補正され得る。このように、占められていない、または、「解かれた(unstitched)」ループを利用することによって、例えば、荷重ファイバ304は、ループを含まず、ウィーブのテンションを最小限に保持する間に、より良い導体/相手側導体を保証するためのウィーブ構造の伸展性が達成され得る。占有されていないループ362を利用することはまた、組み立てのプロセスの間に、より大きな耐久許容性を許可し得る。さらに、解かれたループ362の使用は、異なるコネクタの実施形態のために、通常の器具の使用を許し得る(例えば、同じ器具が、8つの荷重ファイバ304を有する8つのループ362を用いたウィーブに関する限り、6つの「縫い合わされた(stitched)」荷重ファイバ304を有する8つのループ362のウィーブ8のために用いられ得る。解かれたループ362を使用するための代替として、真直ぐな(織り合わされていない)導体302が、代わりに使用され得る。
【0049】
導体302および荷重ファイバ304のウィーブの構造における様々なテストは、垂直接触力310と電気接触抵抗との間の関係を決定するために実行された。図27を参照し、異なる織成コネクタの実施形態のうち、テストされた織成コネクタの実施形態の全体の電気抵抗(y軸314上にて示されている)が、垂直接触力(x軸316上にて示されている)の範囲において、決定された。図27において示されるように、一般的傾向318は、接触垂直力(Newton(N))が増加すると、全体の電気抵抗の接触抵抗要素(ミリオーム(mOhms)は通常、減少する。しかしながら、接触抵抗における減少は、接触垂直力の特定の範囲に広がるのみであることを、当業者は容易に理解されよう。つまり、接触垂直力の、閾値を超えた任意のさらなる増加は、電気接触抵抗において、さらには減少させない。言い換えれば、x軸316に沿って動けば動くほど、傾向318は平らになる傾向にある。
【0050】
図27のデータから、例えば、織成コネクタの電気接触抵抗を最小限にするために十分な接触垂直力(またはその範囲)を決定することができる。これらの接触垂直力を生成するために、荷重ファイバ304および角度312(導体302に関連する荷重ファイバ304の方向を示す)において負荷されるテンションTの好ましい動作範囲は、次いで、識別された織成コネクタの実施形態のために決定され得る。当業者が容易に理解するように、今日試用可能である従来の電気コネクタのほとんどが、ほぼ、0.35Nから0.5Nまたはそれ以上の範囲での接触垂直力にて動作する。図27において表されるデータによって明らかなように、織成コネクタシステムの導体302上で、多数の接触点を生成することによって、非常に軽い負荷レベル(例えば、接触垂直力)は、非常に低い、再現可能な電気接触抵抗を生成するために使用され得る。例えば、図27のデータは、テストされた織成コネクタの実施形態の多くにとっては、およそ0.020Nから0.045Nの間での接触垂直力が、電気接触抵抗を最小限にするために十分であり得ることを証明する。接触垂直力は、このように、従来の電気コネクタの接触垂直力における大規模な低減を表す。
【0051】
非常に低い接触垂直力が、これらの多接点織成コネクタにおいて利用され得ることを認識し、次いで、導体302の接触点のそれぞれに、確実に、これらの接触垂直力を生成する方法が、課題となる。導体302の接触点は、導電性が、導体302と、相手側導体306の相手側接触表面308との間に確立される場所にある。図28aおよび図28bは、接触点のそれぞれにて、所望される接触垂直力を生成することが可能である、多接点織成コネクタ400の例示的な実施形態を示す。図26aおよび図26bは、織成コネクタ要素410および相手側コネクタ要素420を有する織成コネクタ400の断面図を表す。織成コネクタ要素410は、荷重ファイバ304および導体302から構成さられる。荷重ファイバ304の終端は、以下にさらに記載されるように、通常、終端プレート(図には示されていない)または、他の固定された構造体に固定される。荷重ファイバ304は、相手側コネクタ要素420に係合されている織成コネクタ要素410に先立って、無負荷(テンションがない)または負荷された状態においてあり得る。唯一の荷重ファイバ304が、これらの断面図において示される一方で、追加的な荷重ファイバ304は、図示された荷重ファイバ304の直前(または前)に、好ましくは位置されることが理解されるべきである。織成コネクタ要素410は、それぞれの荷重ファイバ304のまわりに織り込まれた導体302の3つの束またはアレイを有する。導体302の隠線部分は、織成導体302の山部および谷部が、図に示された特定の断面の、平らでない場所を反映する。一般に、第2の荷重ファイバ304(図には示されていない)は、これらの平らでない山部および谷部と関連し、利用される。ここでは示されていないが、隣接した導体302間での導電性が確立され得るように、導体302は、隣接した導体302に対して直接置かれ得る。
【0052】
図28bは、相手側コネクタ要素420に係合された後の、図28aの織成コネクタ要素410を示す。織成コネクタ要素410に係合するために、織成コネクタ要素410は、相手側コネクタ要素420のキャビティ422に挿入される。特定の実施形態において、相手側導体306の正面(図には示されていない)は、織成コネクタ要素410の挿入をより良く対応するために角を削ぎ落とされ得る。相手側コネクタ要素420への挿入で、荷重ファイバ304は、キャビティ422の側面および相手側導体306の存在に対応するように配置される。一部の実施形態において、荷重ファイバ304の配置は、荷重ファイバ304の引き伸ばしを介して、容易になされ得る。他の実施形態において、この置換は、他の動きの悪い(前係合状態にある)荷重ファイバ304の引き締めを介して、または、代替的には、引き伸ばしおよび引き締めの組み合わせを介して、対応され得、その結果、テンションTが荷重ファイバ304において存在することになる。以前に検討したように、荷重ファイバ304および導体302ウィーブの方向および配置のために、荷重ファイバ304におけるテンションTは、特定の接触垂直力を、その接触点に存在させる。図28bにおいて見られるように、織成コネクタ400は、相手側コネクタ要素420の内部の表面(それはキャビティ422を規定する)に、交互に位置される、相手側導体306を有する。この交互の接触配置は、平行に向かい合った平面上の接触部の相手側表面308にて、交互の接触を生み出す。
【0053】
図28bにおいて表されるように、平らな(実質的に、平面である)接触部の相手側表面308を利用する代わりに、他の実施形態は、曲がった、凸状の、接触部の相手側表面308を使用する。接触部の相手側表面308の湾曲は、導体302の接触点および通常の方向における相手側導体306との間の接触のために、改善された許容度の制御を可能にし得る。曲がった表面(接触部の相手側表面308)は、これらの二つの分離可能な接触表面の間の、非常にしっかりと制御された垂直力を維持するのを助ける。しかしながら、曲がった表面それ自体は、通常は、導体302と相手側導体306との間の、側面の配置の維持を支援しない。導体302の部分と並行に置かれ、および、導体302の部分の間に散らばっている絶縁ファイバ(たとえば、図7において示される絶縁ファイバ104)は、隣接する導体302の側面の配置を支援するために利用され得る。接触部の相手側表面308の湾曲は、それほど重要である必要はない。つまり、改善された位置の許容度が、相対的に少ない湾曲具合で実現され得る。一部の好ましい実施形態において、大きな曲率半径を有する接触部の相手側表面308は、一部の所望される製造位置の許容度を達成するために使用され得る。図29は、図28の織成コネクタ400において使用され得る、曲がった接触部の相手側表面308を有する、代替的な相手側導体306を図示する。接触部の相手側表面308の湾曲は、製造および動作の間、非常に大きな位置決めの許容度を許す。
【0054】
図29を参照し、改善された位置の許容度は、相手側導体306の幅W 309よりも大きい、曲率半径R 336を有する、接触部の相手側表面308を利用することによって、多くの場合、達成され得る。特に、二つの導体302の間で見つけられるの横の間隔L 332、および、二つの導体302と接触部の相手側表面308の曲率半径R 336との間の角度α334との間の関係は、式L≒αRによって与えられる。横の間隔L 332の最小は、導体302の直径によってセットされ、したがって、横の間隔L 332は、互いに直接対向する導体302を配置することによって、しっかりと制御され得る。つまり、特定の例示的な実施形態において、導体302は、隣接する導体302との間にギャップが存在しないように、置かれる。このように、非常に狭い角度α334で、要求された曲率半径R 336は、次いで、決定される。0.25度の角度α334、および、0.005インチの直径を有する導体302を有する例示的な実施形態において、たとえば、接触部の相手側表面308の好ましい曲率半径R 336は、ほぼ2.29インチ程度である。角度α334が曲率半径R 336に直接関係する場合、ここにおける許容性はまた大きい。例えば、曲率半径R 336における許容性が、±0.10インチにセットされた場合、次いで、角度α334は、0.261度と0.239度との間で変化し得る。曲がった相手側接触表面308を用いることの利点を図示するために、図28の平らなアレイの実施形態における0.03度の許容性を維持することは、高さH 324のオフセットにおける0.0000105インチの許容性を要求する。追加的に、曲がった相手側接触表面308の導入部分は、織成コネクタの全体の高さに、物質的に影響しない。例えば、曲率半径R 336が2.29インチを有し、相手側導体306の幅W 309が0.50インチを有する場合、弧の全体の高さ311は、僅か、ほぼ0.014インチであり、例えば、相手側接触表面308は、ほとんど平らである。
【0055】
負荷バランスは、多接点織成コネクタの問題であり、特に、多接点電気コネクタの問題である。電気コネクタ内の負荷不均衡は、コネクタを、焼損させてしまい、その結果、動作できなくなってしまう。それらの基本的な形式においては、電気コネクタは、単に、雄コネクタと雌コネクタの導体ピンとの間の電気接触点を提供する。負荷のバランスがとれている電気コネクタにおいて、突入電流は、それぞれの接触点を介して、等しく分配される。このように、4つの接触点を有する10ampコネクタにとって、コネクタは、2.5ampが、それぞれの接触点を介して運ばれる場合、バランスがとれる。コネクタが負荷のバランスをとれてない場合、次いで、さらなる電流が、別の接触部ではなく、一つの接触部を介して通過する。電流のこの不均衡は、「過負荷」の接触点のうちの一つにて、過負荷を生じさせ得、それは、局部的溶接、局部的熱スパイク、および導体プレートダメージを結果として生じ、それらの全ては、コネクタの磨耗を増加させ、および/または、急速なシステム欠損を導き得てしまう。負荷の不均衡は、コネクタシステムにおける、異なる導体経路の長さ、ある点における高分離インターフェースの電気接触抵抗(たとえば、乏しい接触構造のために)、または、コネクタにおける大きい熱勾配、を有することによって生じ得る。この開示によって教示されるように、パワーコネクタの利点は、多くの接触点を介して、負荷バランスを十分に(実質的に)取れることができることである。それぞれの導体302(例えば、導体ファイバ)にとって、相手側導体306と電気接触する第1の接触点は、その導体302に割り当てられている十分な電流負荷を運ぶように通常は設計され得る。導体302に沿って配置される次の接触点もまた、第1の接触点における欠損(電気接触を提供するために)があった場合に、十分な電流負荷を運ぶように、通常は、設計されている。導体302のそれぞれの第1の接触点の下流に位置される追加的な接触点は、それゆえ、割り当てられた電流の全てか、または一部を運ぶことができるが、それらの第一の目的は、通常は、接触の代理機能性(redundancy)を提供するものである。さらに、既に述べたように、多接点は、多数の熱経路を生成することによって、局所的なホットスポットを避けるのに役立つ。
【0056】
多くの例示的な実施形態において、コネクタの導体302は、通常、類似した構造、電気的性質、および電気経路の長さを有する。一部の実施形態において、しかしながら、コネクタの導体302は、異なる構造、電気的性質、および/または電気経路の長さを有する。追加的に、一部の好ましい電気コネクタの実施形態において、コネクタの導体302のそれぞれは、隣接した導体302と電気的に接触している。それぞれの導体302に沿った多接触点を提供すること、および、隣接した導体302間に電気接触を確立することは、多接続織成電気コネクタの実施形態が、十分に負荷バランスをとっているということを、さらに保証する。さらに、織成コネクタの構造および設計は、単一点インターフェースの欠損を予防する。第1の導体302に隣接して置かれる導体302は、相手側導体306と電気的に接触する場合、次いで、第1の導体302は、欠損を生じない(第1の導体302の接触点が相手側導体306に接触し得ないという事実にかかわらず)。なぜならば、第1の導体302における負荷は、隣接する導体302を介して、相手側導体306へと運ばれ得る。
【0057】
図30は、負荷バランスのとれた、多接点織成電気コネクタ500の例示的な実施形態を図示する。電気コネクタ500は、二つの拡張アレイ、パワーアレイ、リターンアレイからなる。これらのアレイは、広範囲にわたって、多接続点を提供し、それは、高い代理機能性、より低い分離可能な電気接続抵抗、および、より大きい寄生電気損失の熱散逸という結果になり得る。図に示される電気コネクタ500は、パワー回路512およびリターン(グラウンド)回路514を有する、30ampのDCコネクタである。異なる配置および電力容量を有する他のパワーコネクタは、本開示の範囲から逸れることなく、構成されることが可能であることを、当業者は容易に理解する。パワーコネクタ500の負荷容量は、例えば、追加的な導体302を追加することによって増加され得る。図30を参照すると、パワーコネクタ500は、織成コネクタ要素510および相手側コネクタ要素520からなる。相手側コネクタ要素520の外部ハウジングは、明瞭さのためにこれらの図からは省略されている。織成コネクタ要素510は、ハウジング530、パワー回路512、リターン回路514、終端プレート536、位置合わせピン534、および、複数の荷重ファイバ304を含む。ハウジング530は、相手側コネクタ要素の外部ハウジング(図には示されていない)が、織成コネクタ要素510のハウジング530と対になるのを容易にし得る数個の窪み532を有する。窪み532は、位置合わせピン(図には示されていない)または締め付け手段(図には示されていない)を収容し得る。パワー回路512は、本開示の教示に従い、数個の荷重ファイバ304のまわりに織り込まれた数個の導体302からなる。所望される30ampの荷重ファイバを達成するために、パワー回路512は、例えば、導体302の直径および、電気的性質に依存した、20〜40個の導体302を有し得る。
【0058】
特定の例示的な実施形態において、導体302は、0.0002から0.010インチかそれ以上の直径を有する銅または銅合金(例えば、C110銅、C172ベリリウム銅合金など)のワイヤからなり得る。代替的には、導体は、同程度の長方形の断面積を有する、銅または銅合金の平らなリボンワイヤからなり得る。導体302はまた、酸化を防ぐために、または最小限にするようにメッキされ得る(たとえば、ニッケルメッキまたは金メッキ)。所与の織成コネクタの実施形態に容認可能な導体302は、意図されたコネクタの所望される負荷容量、候補の導体302の機械的強度、および、その候補の導体302が他のシステム要求(たとえば、所望されるテンションT)において使用される場合に生じ得る製造上の問題を基準にして、識別されるべきである。パワー回路512の導体302は、ハウジング530の後部から抜け出て、電力がパワーコネクタ500へと運ばれ得る終端接触部または他の導体要素と結合され得る。以下でさらに検討されるように、パワー回路512の荷重ファイバ304は、導体302の接触点にてアサートされる接触垂直力へと最終的に形を変えるテンションTを運ぶことが可能である。例示的な実施形態において、荷重ファイバ304は、ナイロン、過フッ化炭化水素、ポリアラミド、およびパラアラミド(paraaramid)(例えば、Kevlar(登録商標)、Spectra(登録商標)、Vectran(登録商標)など)、ポリアミド、導体金属、コットンなどのような天然繊維、などからなり得る。多くの例示的な実施形態において、荷重ファイバ304は、ほぼ0.010から0.002インチの直径(または幅)を有する。しかしながら、特定の実施形態において、荷重ファイバ304の直径/幅は、高性能人工繊維(たとえば、Kelvar)が使用される場合、18ミクロンまで下がり得る。好ましい実施形態において、荷重ファイバ304は、非導体材料からなる。パワー回路512がリターン回路へと接続され得る終端接触部へと結合されることを除いて、リターン回路514は、パワー回路512と同じ方法で配置される。
【0059】
パワーコネクタ500の相手側コネクタ要素520は、外部ハウジング(図には示されてない)、絶縁ハウジング526、二つの相手側導体522、および二つのスプリングアーム528からなる。相手側導体522は、相手側コネクタ要素520が織成コネクタ要素510と係合する場合に、導体302(回路512および回路514の)の接触部が相手側導体522と電気接触するように、絶縁ハウジング526の反対側に取り付けられる。絶縁ハウジング526は、相手側導体522の構造的基礎を提供し、相手側導体522と互いに電気的に絶縁する働きをする。絶縁ハウジング526は、位置合わせピン534を収容することができる穴523を有し、従って、相手側コネクタ要素520を織成コネクタ要素510へと結合させる(逆もまた然り)ことを容易にするよう助ける。スプリングアーム528は、相手側コネクタ要素520を、織成コネクタ要素510にしっかりと固定するように働き得る。付け加えて、特定の好ましい実施形態において、スプリングアーム528はまた、織成コネクタ要素510の荷重ファイバ304におけるテンション荷重Tを働かせるために、織成コネクタ要素510の終端プレート536と連結して動作する。
【0060】
図31は、荷重ファイバ304におけるテンションTを生成することが可能であるフローティング終端プレート536を有する織成コネクタ要素510の例示的な実施形態を図示する。図31は、明瞭さのために、ハウジング530の後部を取り除いた、図30の織成コネクタ要素510の背面図を表す。荷重ファイバ304は、パワー回路512およびリターン回路514の導体302に織り込まれる。荷重ファイバ304の終端は、二つの対向するフローティング終端プレート536と結合される。荷重ファイバ304の終端は、例えば、機械的な締め付け手段または結合手段によって、技術的に既知の様々な手段を介して、フローティング終端プレートと結合され得る。フローティング終端プレート536は、織成コネクタ要素520の取り付け以前にフロートし得(例えば、拘束されないまま)、また、代替的な実施形態においては、ハウジング530および終端プレート536と結合される第2のスプリング台(図には示されていない)は、例えば、回路512および回路514から離れた方向において、終端プレート536の横変位(例えば、外側にあるもの)を制御するために使用され得る。一部の例示的な実施形態において、荷重ファイバ304は、相手側コネクタ要素520の取り付けに先立って、テンションのない状態にある。他の例示的な実施形態において、しかしながら、一部の引っ張り荷重(通常は、所望される接触垂直力を生成するために必要とされるテンションTよりも低い)は、相手側コネクタ520の取り付けに先立って、荷重ファイバ304において存在し得る。このあらかじめ取り付けてあるの引っ張り荷重は、第2のスプリング台の存在のためであり得、または代替的には、荷重ファイバ304が終端プレート536と結合された場合に、荷重ファイバ304にあらかじめ荷重されるためであり得る。
【0061】
相手側コネクタ要素520を織成コネクタ要素510に挿入(逆もまた然り)するうえで、相手側コネクタ要素520のスプリングアーム528は、織成コネクタ要素510のフローティング終端プレート536と係合する。スプリングアーム528の硬さ、導体302の硬さおよび/または弾力性、第2のスプリング台(存在する場合)の硬さ、ならびに、スプリングアーム528および終端プレート536のあらかじめ取り付けられた設備の寸法/位置に基づいて、終端プレート536は、スプリングアーム528が存在するために、幾分か、ずれる(外側に移動する)。もちろん、スプリングアーム528は、このプロセスの間に、多少のたわみを生じ得る。フローティング終端プレート536のこの外側への移動は、テンションTを荷重ファイバ304に生じさせ得る。例示的な実施形態において、荷重ファイバ304は、弾力性のある材料からなる。そのような例示的な実施形態において、二つの終端プレート536の相対的なずれは、荷重ファイバ304における引き伸ばしの量と実質的に等しくなり得る。他の例示的な実施形態において、スプリングアーム528は、図30において表されるように、相手側コネクタ520での代わりに、織成コネクタ要素510のフローティング終端プレート536に直接取り付けられ得る。
【0062】
図32aから図32cは、本開示の教示に従って構成されたスプリングアーム528の一部の例示的な実施形態を図示する。スプリングアーム528の効果的なバネの高さ529は、相手側コネクタ要素520の絶縁ハウジング526内のスプリングアーム528の一部を埋め込むことによって、増加され得る。スプリングアーム528は、相手側コネクタ要素520が織成コネクタ要素510へと挿入された場合、所定の負荷へ、相対的に大きなずれの動き(たとえば、ほぼ0.020インチ)を生成させることが可能であることが所望される。相対的に大きな動きを生成することによって、アセンブリの製造上および配置の許容性は緩くなり(たとえば、荷重ファイバ304の長さの許容性は、±0.005インチから±0.015インチに修正され得る)、その一方で、特定の範囲内にて、最終の組み立てられたラインの許容性を維持する。図32aは、スプリングアーム528の例示的な実施形態を表し、そこでは、スプリングアーム528は、相手側コネクタ要素520の絶縁ハウジング526に、ほとんどまたはまったく、埋め込まれていない。図32bおよび図32cは、相手側コネクタ要素520の絶縁ハウジング526へ埋め込まれたスプリングアーム528の重要な部分を有する、スプリングアーム528の二つの好ましい実施形態を図示する。絶縁ハウジング526に埋め込まれるスプリングアーム528の一部は、アンカー525を除いて(それは固定されている)、自由に動くことが可能である(絶縁ハウジング526内で)べきである。図32bのスプリングアーム528は、基本的に、半周移動し、アンカー525にて終了し、実質的には、先端のずれ527の効果的な方向と平行である。図32cのスプリングアーム528は、基本的に、四分の三周ほど動き、アンカー525にて終了し、実質的には、先端のずれ527の効果的な方向と直角である。図32bおよび図32cにおいて表されるスプリングアーム528の実施形態は、効果的なバネの高さ529をもはや有し得ず、それは、図32aの「短い」スプリングアーム528の実施形態と比較されるように、同じ力にて、それに応じてより大きな先端のずれの動き527を生む。
【0063】
特定の例示的な実施形態において、スプリングアーム528は金属、または例えばニチノールなどのような合金からなり、ワイヤバネ、リボンバネ、またはその他であり得る。スプリングアーム528の直径およびコネクタ500の寸法に依存し、スプリングアーム528の多様な動きもまた可能であり得る。
【0064】
図33は相手側コネクタ要素520が織成コネクタ要素510と係合した後の、パワーコネクタ500の正面図である。外部ハウジングおよび相手側コネクタ要素520のスプリングアーム528、ならびに織成コネクタ要素510のハウジング530、または他の特徴は、明瞭さのために取り除かれている。図33において見られるように、相手側コネクタ要素520の係合の後、回路512および回路514の導体302の接触点は、相手側コネクタ522の相手側接触表面524と電気接触する。以前に検討したように、相手側接触表面524は実質的に平面である一方で、好ましい実施形態においては、相手側接触表面524は、例えばR 336などのような、曲率半径R(図には示されていない)の一部によって規定される。一部の好ましい実施形態において、曲率半径R 336は、例えばW 309などのような相手側導体522の幅Wよりも大きい。
【0065】
図34は、高度にバランスのとれた多接点織成電気コネクタ600の他の例示的な実施形態を図示する。パワーコネクタ600は、二つの広がったアレイ、すなわち、電力アレイ612およびリターンアレイ614からなる。これらのアレイは、広範囲にわたって多接触点を提供し、それらは、高い代理機能性、分離可能な電気接触のより低い抵抗、および、より良い寄生電気損失における熱損失を結果的に生じ得る。パワーコネクタ600は、30ampDCコネクタであり得る。パワーコネクタ600は、織成コネクタ要素610および相手側コネクタ要素620からなる。織成コネクタ要素610は、ハウジング630、パワー回路612、リターン回路614、二つのスプリング台634、ガイド材636、および、数個の荷重ファイバ304からなる。ハウジング630は、相手側コネクタ要素620の位置合わせピン642を収容できる数個の穴632を有する。パワー回路612は、本開示の教示に従い、数個の荷重ファイバ304に織り込まれた数個の導体302からなる。好ましい実施形態において、これらの導体302は、自己終端しているように配置される。パワー回路612の導体302は、ハウジング630の後部から抜け出て、終端点を形成し得る。そこでは、電力は、パワーコネクタ600へと運ばれ得る。以下でさらに検討するように、パワー回路612(およびリターン回路614)の荷重ファイバ304は、導体302の接触点にて挿入される接触垂直力へと最終的に形を変えるテンションTを運ぶことが可能である。リターン回路614は、パワー回路612と同じ方法で配置される。パワーコネクタ600の荷重ファイバ304は、非導体材料からなり、それは弾力性があり得、または、弾力性はあり得ない。ガイド材636は、ハウジング630の内壁に取り付けられ、荷重ファイバ304のための、ならびに、間接的にはパワー回路612およびリターン回路614のための、構造的サポートを提供するように配置される。荷重ファイバ304の終端は、スプリング台634へと固定される。以下でさらに詳述するように、スプリング台634は、織成コネクタ要素610の付属荷重ファイバ304において、テンション荷重Tを生成することが可能である。
【0066】
パワーコネクタ600の相手側コネクタ要素620は、ハウジング640、二つの相手側導体622、および、位置合わせピン642からなる。相手側コネクタ要素620が織成コネクタ610と係合する場合、導体302(回路612および回路614の)の接触点は相手側導体622と電気接触するように、相手側導体622はハウジング640の内壁に固定される。位置合わせピン642は、織成コネクタ要素610の穴632に配置され、従って、相手側コネクタ要素620が織成コネクタ要素610(逆もまた然り)と結合するのを容易にするよう役立つ。
【0067】
パワーコネクタ600は、パワーコネクタ500の特徴と同じ特徴をいくつか有するが、導体302および荷重ファイバ304のウィーブにおいて、テンションT(および、接触垂直力)を生成するために、異なるメカニズムを有する。パワーコネクタ500のフローティング終端プレート536を使用するよりも、むしろ、パワーコネクタ600は、導体302の接触点(回路612および回路614の)と相手側導体622との間に要求される接触垂直力を生成および維持するために、プレテンションのスプリング台634を使用する。図35は、相手側コネクタ要素620が織成コネクタ要素610と係合した後のパワー回路600を表す。係合の後、パワー回路612およびリターン回路614の両方の導体302の接触点は、相手側導体622の相手側接触表面624と電気接触をする。
【0068】
好ましい一実施形態において、相手側接触表面624は、曲率半径Rによって定義される凸状の表面である。図35に示すように、凸状の相手側接触表面624は、相手側導体622の底面に位置する。すなわち、係合の後、導体302は相手側導体622の下に位置する。例示の位置実施形態において、ガイド材636は、ガイド材636の上部が相手側接触表面624の上に位置するように配置される。係合の後、荷重ファイバ304は、第1のスプリング台634の一方の端638から、パワー回路612に対応する凸状の相手側接触表面624へ、ガイド材636の先端を越え、また、リターン回路612に対応する凸状の相手側接触表面624へ延び、次いで第2のスプリング台634の一端639で終端する。その他の例示の実施形態において、相手側接触表面624は、相手側導体622の上部に位置し得、荷重ファイバ304は、そのため、これらの上部に位置する凸状の相手側接触表面624を越えて延びる。端部638、ガイド材636、相手側接触表面624および端部639の位置は、荷重ファイバ304において生成されるテンションTと関連して作用し、導体302の接触点における接触垂直力の伝達を容易にする。
【0069】
図36a〜図36cは、パワーコネクタ600に使用することができるスプリング台634のペアの例示の実施形態を示す。荷重ファイバ304は、明確にするため省略されているが、荷重ファイバ304の端は端部638、639に取り付けられているものと理解されるべきである。係合に先立って、荷重ファイバ304は、たとえばガイド材636のような支持ピン(図示せず)によって支持されている。係合中、荷重ファイバ304は、相手側接触表面624と共に位置あわせされる。図36a〜図36cは、スプリング台638がパワーコネクタ600においてどのように機能するかを示す。図36aは、荷重ファイバが端部638、639へ結合される前に起こる未荷重状態におけるスプリング台634を示す。図36bを参照すると、荷重ファイバ304を端部638、639へ取り付けるには、端部638、639は、わずかに内側へ移動し、荷重ファイバ304は次いで端部638、639へ固定される。たとえばスロット、留め具、締め具、留め金等の使用、溶接、ろう付け接合、接着等、荷重ファイバ304が端部638、639へ固定され得る方法の幅広い変形を、当業者であれば容易に認識できよう。荷重ファイバ304がスプリング台634の端部638、639へ固定された後、一般的に、わずかな張力が荷重ファイバ304に存在する。図36cを参照すると、相手側コネクタ要素620を織成コネクタ要素610へ挿入する間、荷重ファイバ304は、相手側接触表面の下で押され(または、代替的に、面624が相手側導体622の上面に位置する場合は、相手側接触表面624の上へ引かれる)、パワーコネクタ600のはめ込みは、そこで完了する。荷重ファイバ304と相手側接触表面624との係合を容易にするために、スプリング台634の端部638、639は、一般的に、いくらかの追加のたわみを受ける。このように、荷重ファイバ304は、追加的な引っ張り荷重に影響されやすいため、結果としてのテンションTは荷重ファイバ304に存在する(また、結果的に、コンタクトの垂直力は、導体302の接触点に存在する)。
【0070】
本開示の内容に基づいて構成された電気コネクタは、本来的に代理機能を果たすものである。これらの実施形態の荷重304のうちのいずれかが破損したり、張力が弱くなったりしても、残りの荷重ファイバ304が十分なテンションTを有し続け、導体302の接触点における電気接続は定格電流の容量を流し続けることができる。ある例示の実施形態において、荷重ファイバ304全ての完全な損傷は、コネクタが電気的な接触を外すために生じる。システムにおける汚れや汚染の場合、従来の一つまたは二つの接点のコネクタよりも、多接点の方が接触の維持においてはるかに効率的である。単一の点の損傷が実際に起こった場合(汚れまたは機械的な故障によって)、一般的には、逸れてしまった電流を処理できる少なくとも三つの周辺の局所的な接触点が存在する。すなわち、同じ導体302上のライン内に見られる次の接触点(またはライン内の前の接触点)であり、各導体302が好ましくは隣接する導体302と電気接続しているため、電流は、これらの導体302内や、次いでこれらの導体の接触点にも流れることができる。本開示の内容は、さらに、多くの多接点織成データコネクタの実施形態においても利用することができる。このような多接点織成データコネクタの実施形態の設計において、当業者によってデータコネクタの設計の際に一般的に考慮される、インピーダンス整合やrfシールディング、混線といった問題は、その他の問題の中でも、考慮に入れられる必要がある。データコネクタの実施形態において、データ信号経路は、織成コネクタ要素の導体と相手側コネクタ要素の相手側導体とを介して構築され得る。織成データコネクタの実施形態と織成パワーコネクタの実施形態との主要な違いは、個々の回路の寸法である。織成パワーコネクタの実施形態において、必要な電流量が大きいため、接触面(すなわち、導体と、対応する相手側接触表面との接触点)は、織成データコネクタの実施形態の接触面よりもはるかに大きいという傾向にある。織成データコネクタの実施形態は、さらに、単一の導体302および荷重ファイバ304のウィーブ上に複数の孤立した回路(信号)経路をより含みやすい傾向にある。このことは、織成データコネクタの実施形態において、高密度の信号経路を可能にする。また、所望のインピーダンス、混線、信号の非対称特性を生成するために可能な、異なるピンおよび/またはグラウンドおよび/または信号および/または電力の組み合わせによって、データコネクタの実施形態の実施には、はるかに多くの柔軟性が存在する。
【0071】
本開示のデータコネクタの実施形態は、また、スタンピングされたスプリングアームを用いる従来のデータコネクタに比べて利点がある。第一に、従来のスタンプされたスプリングアームのコンタクトよりも、織成データコネクタの方が、非常に小さな寸法でも非常に強い耐性を維持するのが容易である。第二に、引き線(drawn line)(たとえば導体302の)は、非常に小さな寸法においても、低コストで利用できる。これに対し、同等の寸法であり同等の耐性を有する従来のスタンピングは、かなり高価になり得る。第三に、本開示の織成データコネクタにおいて、コネクタの境界部分における信号経路のスタブは低減されるか、除去される。回路の一部を介するエネルギーの伝達が、行き場のない場合や、回路内に反射される傾向にある場合に、スタブは回路内に存在する。高周波数では、これらの境界部分におけるスタブは、ジッタや、信号の歪みや減衰を発生し得、これらのスタブと回路内のその他の信号断絶との相互作用がデータの喪失や速度低下、その他の問題を生じる可能性がある。従来のフォークやブレードタイプのコネクタのまさに性質が、スタブを生じる。このスタブの長さは、一般的にシステムの耐性の積み重ね(たとえばコネクタの耐性、バックプレーンおよび/またはドータカードの平面度、スタンピングの耐性、ボードアラインメントの耐性等)に依存し、スタブの長さは単一のコネクタに比べると1桁異なる。本開示の、織成データコネクタの実施形態では、導体302に複数の接触点が存在するため、完全な差し込みから部分的な差し込みまで、いかなる時も回路内にほとんどスタブがない。最後に、織成データコネクタの実施形態は、トレースのインピーダンスを調整するのにより柔軟になり得る。これは、グラウンド配置に加え、導体302および荷重ファイバ304(および、ある場合には絶縁ファイバ104)のウィーブを含む材料が、工程ラインの大きな再編成を行うことなく、より柔軟なインピーダンス特性を有するように変更され得るためである。
【0072】
図37a〜図37bは、多接点織成データコネクタ700の例示の一実施形態を示す。
データコネクタ700は、織成コネクタ要素710と、相手側コネクタ要素720とを含む。織成コネクタ要素710は、図37aに示すように、ハウジング714と、荷重ファイバ304の3つのセット(各セットは6つの荷重ファイバ304を有する)と、荷重ファイバ304の各セットに織り込まれた導体302とを備える。ある例示の実施形態において、織成コネクタ要素710は、グラウンドシールド712と、位置合わせピンおよび/または位置合わせピンを受ける穴をさらに含み得る。データコネクタの実施形態において、各信号経路は、単一の導体302で構成されるか、代替的に、多数の導体302で構成されてもよい。しかしながら、ある所望の、たとえば容量、インダクタンス、インピーダンス特性等の信号経路電気特性を達成するために、最良の実施形態において、各信号経路は1〜4の間の導体302で構成される。導体302は、自己終端型のものであり得る。あるさらなる最良の実施形態において、信号経路は2つの自己終端型の導体302で構成される。2つ以上の(自己終端型または自己終端型でない)導体302が信号回路の形成に用いられている場合、その信号回路を形成している導体302は、好ましくは互いに接触しているべきである。単一の信号経路を備える導体302は、一般的に終端部を形成し、終端部はハウジング714の後部に位置し得る。織成コネクタ要素710は、12の独立した信号経路を有し、荷重ファイバ304の3つのセットのそれぞれに4つの信号経路が位置している。
【0073】
織成コネクタ要素710は、荷重ファイバ304の電気信号経路(すなわち導体302)の間に織り込まれた絶縁ファイバ104をさらに含む。絶縁ファイバ104は、荷重ファイバ304に沿った方向に、信号経路を互いから孤立させる働きをする。図37aの織成コネクタ要素710は、絶縁ファイバ104の3つのセットのみを図示しており、絶縁ファイバ104の単一のセットは荷重ファイバ304の各セットに位置する。明確にするために、絶縁ファイバ104のセットは取り除いてある。一部の例示の実施形態において、荷重ファイバ304の各セットに位置するその他の信号経路の間には絶縁ファイバ104の追加のセットも存在する(すなわち織り込まれている)。一部の例示の実施形態において、絶縁ファイバ104は、自己終端型のものであり得る。さらに、ある例示の実施形態において、織成コネクタ要素710は、荷重ファイバ304の端またはその付近に位置する、たとえばスプリングアーム、フローティングプレート、スプリング台等のテンション機構(図示せず)をさらに備え得る。先に述べたように、これらのテンション機構は、所望の引っ張り荷重を荷重ファイバ304に発生できるものであり得る。
【0074】
図37bに示すように、データコネクタ700の相手側コネクタ要素720は、ハウジング730と、グラウンドシールド732と、3つの絶縁ハウジング728とを備える。グラウンドシールド732は、絶縁ハウジング728の後部、すなわち面726に対向する面に配置され得る。ある例示の実施形態において、相手側コネクタ要素720は、位置合わせピンおよび/または位置合わせピンを受ける穴をさらに含み得る。各絶縁ハウジング728は、面726に位置する4つの相手側導体722を有する。相手側導体722は、織成コネクタ要素710が相手側コネクタ要素720を(またはその逆)係合したときに、導体302の接触点と相手側導体722との間に電気接続が設けられ得るように、面726上に配置されている。このように、データコネクタ700の信号経路、織成コネクタ要素710の導体302と、それに対応する、相手側コネクタ要素720の相手側導体722とを介して構築される。相手側導体722は、一般的に、たとえばボード終端ピン等の終端点を形成する。終端点は、ハウジング730の後部に位置し得る。例示の実施形態において、面726に位置する相手側導体722の形状および向きは、電気接続を設ける導体302の形状および向きと厳密に一致する。係合中、絶縁ハウジング728の面726は、織成コネクタ要素710の、導体302および荷重ファイバ304のウィーブを係合する。例示の一実施形態において、相手側導体722の面726および/または相手側接触表面は、連続的な凸面を形成する。好ましい一実施形態において、この凸面は、一定の曲率半径によって定義され得る。
【0075】
図示した例示の実施形態において、ハウジング730は、織成コネクタ要素710が相手側コネクタ要素720へ係合されたときに荷重ファイバ304のセットを収容できる、スロット734を形成する。係合後、織成コネクタ要素710のグラウンドシールド712は、相手側コネクタ要素720の相手側導体722を電気的にシールドするのを助け、一方、相手側コネクタ要素720のグラウンドシールド732も同様に、織成コネクタ要素710の導体302を電気的にシールドするのを助ける。グラウンドシールド712、732の配置および設計は、信号トレースの電気特性(たとえば容量やインダクタンス)を変化させることができ、隣接する信号のライン(または隣接する作動のペア)を混線や電磁干渉(EMI)からシールドする手段を提供する。特定の点または領域における信号トレースの容量やインダクタンスを変化させることによって、信号経路のインピーダンスを制御することができる。信号の速度が速くなるほど、インピーダンス整合およびEMIシールディングのために必要な制御は良くなる。データコネクタ700のグラウンド面は、相手側コネクタ要素720の絶縁ハウジング728の裏面上、および、織成コネクタ要素710の個々の金属シールド712内に存在し得る。グラウンドピンおよび/またはグラウンド面は、導電材料でなければならない。また、必ずしもそうである必要はないが、硬いことが好ましい。好ましい一実施形態において、各信号経路は、導電性のグラウンドシールド(同軸または二軸の)構造である。この構造は、信号の減衰や歪みを低減する可能性を有する、最適な信号隔離を与える。織成コネクタ要素710のグラウンドシールド712と、相手側コネクタ要素720のグラウンドシールド732とは、それぞれ、係合された後に互いに接触していてもしていなくてもよいが、好ましくは、コネクタ700の2つの片側部分の間にいくつかの連続的なグラウンド接続が設けられるべきである。このことは、グラウンドシールド712および732を強制的に互いに接触させるか、代替的に、2つの片側部分の間のグラウンド接続として、1つ以上のデータピンを用いることによって行われる。
【0076】
図38から図40は、多接点織成パワーコネクタのさらに別の例示的な実施形態を表す。図38を参照し、パワーコネクタ800は、織成コネクタ要素810および相手側コネクタ要素830を含む。織成コネクタ要素810は、ハウジング812、面板814、パワー回路827、リターン回路829、および終端接触部822a、822bを含む。パワー回路827およびリターン回路829は、個々に、終端接触部822aおよび終端接触部822bにて終端し、それらは、織成コネクタ要素810の後部に位置される。位置合わせ穴816は、相手側コネクタ要素830が織成コネクタ要素810と結合するのを容易にし、面板814およびハウジング812内に置かれる。相手側コネクタ要素830は、ハウジング832、位置合わせピン834、相手側導体838a、838b(図40で示されるように)、および、終端接触部836a、836bを含む。相手側導体838a、838bは、個々に終端接触部836a、836bにて終端し、それらは、相手側コネクタ要素830の後部に配置される。
【0077】
パワーコネクタ800の織成コネクタ要素810は、図39aおよび図39bにおいてさらに詳細に示される。図39aは、面板814が取り除かれた、織成コネクタ要素810を示し、その一方で、図39bは、面板814が取り付けられた、織成コネクタ要素810を示す。図39aにおいて見られるように、位置合わせ穴816に付け加えて、織成コネクタ要素810はまた、面板814がハウジング812に取り付けられるのを容易にし得る穴818を含む。織成コネクタ要素810は、さらに数個の荷重ファイバ304および数個のテンションバネ824を含む。例示的なパワーコネクタ800において、荷重ファイバ304およびテンションバネ824の異なるセットは、織成コネクタ要素810のパワー回路827およびリターン回路829の側にて使用される。パワー回路827は、本開示の教示に従い、数個の荷重ファイバに織り込まれた数個の導体302からなる。リターン回路829は、同様に、数個の導体302からなる。リターン回路829の導体302は、数個の荷重ファイバ304に織り込まれる。好ましい実施形態において、パワー回路827およびリターン回路829の導体302は、自己終端している。図示された例示的なパワー回路827において、パワー回路827の導体302は、4つの荷重ファイバ304にそれぞれ織り込まれ、その一方で、リターン回路829の導体302は、4つの異なる荷重ファイバ304にそれぞれ織り込まれる。織成コネクタ要素810のパワー回路827の荷重ファイバ304の終端部は、テンションバネ824へと結合(例えば、取り付けられる)される。特定の例示的な実施形態において、織成コネクタ要素810のテンションバネ824は、導体302および荷重ファイバ304からなるウィーブの外側を囲む。他の実施形態において、しかしながら、テンションバネ824はウィーブを囲む必要はない。好ましい実施形態において、それぞれの荷重ファイバ304は、別々のテンションバネ824と結合される。例えば、第1の荷重ファイバ304は第1のテンションバネ824と結合され、第2の荷重ファイバ304は第2のテンションバネ824と結合される。織成コネクタ要素810のリターン回路829の側の荷重ファイバ304の終端部は、同様に、独立したテンションバネ824と結合される。荷重ファイバ304を、別々のテンションバネ824と独立して結合させることによって、パワーコネクタ800の電気的接続の機能は、さらに豊かになり、欠損に対しても耐性を示すようになる。
【0078】
図39aおよび図39bの例示的な実施形態に表されるように、パワー回路827の導体302は、その対応する荷重ファイバ304に織り込まれる場合、そこに配置されるスペース826aを有する織成チューブを形成する。その対応する荷重ファイバ304に織り込まれる場合、リターン回路829の導体302は、そこに配置されるスペース826bを有する織成チューブを形成する。多くの例示的な実施形態において、織成チューブの断面は、対称である。例えば織成コネクタ要素810などの、特定の例示的な実施形態において、織成チューブの断面は円形である。
【0079】
図40は、図38を反対側から見た、相手側コネクタ要素830を示す。図40を参照すると、相手側コネクタ要素830は、相手側導体838a、838bを含む。相手側導体838a、838bは、個々に、終端接触部836a、836bにて終端し、それらは、相手側コネクタ要素830の後部に配置される。特定の例示的な実施形態において、相手側導体838a、838bは、ロッド型(例えば、ピン型)であり、相手側導体838a、838bの周囲に配置される相手側接触表面を有する。相手側導体838a、838bは、相手側導体要素830が織成コネクタ要素810(逆もまた然り)へと係合される上で、パワー回路827およびリターン回路829の導体302と、個々に相手側導体838a、838bの相手側接触表面との間の電気的接続が確立されることが可能なように、適切にサイズが調整される(例えば、長さ、幅、直径など)。特定の例示的な実施形態において、相手側導体838の直径は、ほぼ、0.01インチから0.4インチの範囲である。
【0080】
ここで検討されているように、導体302と相手側導体838の相手側接触表面との間の接触は、荷重ファイバ304によって確立および維持されることが可能である。例えば、相手側導体要素830の相手側導体838aが、パワー回路827(織成コネクタ要素810の)のスペース826aに挿入される場合、相手側導体838aは、パワー回路827の導体302および荷重ファイバ304のウィーブを、半径方向に引き伸ばさせる。そうすることによって、テンションバネ824に取り付けられた荷重ファイバ304の終端部が、共に近くへ引っ張られ、そのウィーブは十分な程度、伸びる。これはテンションバネ824を柔軟に変形させ、テンションは荷重ファイバ304において生成され、従って、導体302の接触点にて働く、所望される接触垂直力に、結果としてなる。同様に、相手側導体要素830の相手側導体838bは、リターン回路829のスペース826bに挿入される場合、相手側導体838bは、リターン回路829の導体302/荷重ファイバ304を、半径方向に引き伸ばさせる。パワーコネクタ800の実施形態において、荷重ファイバ304内の引っ張り荷重は、テンションバネ824の柔軟な変形によって生成および維持される。つまり、ウィーブが引き伸ばされる場合、荷重ファイバ304は、テンションバネ824によって引っ張られ、伸びた状態に置かれる。しかしながら、以前に示したように、特定の実施形態において、コネクタシステムは、荷重ファイバ内の引っ張り荷重を生成および維持するために、テンションバネ、スプリング台、スプリングアームなどを利用する必要はない。
【0081】
相手側コネクタ要素830が織成コネクタ要素810と係合している場合、織成コネクタ要素810の面板814は、相手側導体838a、838bを、個々に、織成コネクタ要素810のスペース826a、826bに、適切に合わせるのを助け得る。面板814はまた、織成コネクタ要素810のウィーブを保護するように働く。相手側導体838a、838bをスペース826a,826bに挿入することをさらに容易にするために、相手側導体838a、838bの終端部は、面取りされ得る。
【0082】
対応するチューブ型のウィーブを有するロッド型の相手側導体838の使用は、単位当たりの電気接触点の数に関して、例えば、多接点織成パワーコネクタの他のタイプにて、通常可能であるよりもむしろ、パワーコネクタ800を、さらに効果的なスペースにさせる。この配置の利用は、さらに、ウィーブを囲むテンションバネのコンパクトな協働を可能にし、それは、小さなパッケージ領域などへの荷重のもとで、最も長いバネに最も大きいずれを提供する。さらに、ロッド側の相手側導体838a、838bの半径が非常に小さくされ得るゆえに(他の型を有する織成パワーコネクタシステムと比較されるように)、接触点での所望される垂直接触力を生成するために、荷重ファイバ304内で必要とされるテンションは、したがって、より低くなり得る。これらの理由で、例えば、パワーコネクタ800は、パワーコネクタ500およびパワーコネクタ600の2倍の電力密度を達成することができ、その一方で、同様の低い挿入力および多数の接触部の数を維持することができる。
【0083】
図38から図40のパワーコネクタ800は、ケーブルツーケーブル・コネクタとして構成され、それゆえ、より長いハウジングアセンブリ(例えば、ハウジング812およびハウジング832)を有する。ボードツーボード・パワーコネクタは、図で示されるように、パワーコネクタ800と同様に配置され得るが、より短いハウジングを有し、それゆえ、そのようなコネクタハウジングは、ケーブルによって働く力を回収するように設計されている必要はない。
【0084】
パワーコネクタ800は、パワー回路827およびリターン回路829を含む。本開示の教示に従い、しかしながら、他の実施形態において、織成コネクタ要素は、パワー回路のみからなり得る。したがって、一部の実施形態において、例えば、織成コネクタ要素810のリターン回路829は、パワー回路827と置き換えられる。さらに別の実施形態において、織成コネクタ要素は、3つ以上のパワー回路を含み得る。そのような実施形態はまた、さらに、一つ以上のリターン回路を含み得る。一つ以上のパワー回路を織成コネクタ要素内に配置させることによって、電力は分散型の態様において、パワーコネクタを介して、転送され得る。多接点パワーコネクタを使用することによって、コネクタのそれぞれのパワー回路を介して転送される個々の負荷は、より下げられ得(単一のパワー回路の実施形態と比較されるように)、その一方で、コネクタを介して、同じ全体の電力負荷容量を維持することが可能である。
【0085】
図41は、本開示の教示に従い、多接点織成パワーコネクタのさらなる例示的な実施形態を表す。図41のパワーコネクタ900は、織成コネクタ要素910および相手側コネクタ要素930を含む。織成コネクタ要素910は、ハウジング912、任意の面板(図には示されていない)、数個の導体302、荷重ファイバ304、テンションバネ924、および終端接触部922を含む。導体302は、織成コネクタ要素910の後部に配置される終端接触部922にて終端するパワー回路827を形成する。荷重ファイバ304の終端部は、テンションバネ924に取り付けられる。好ましい実施形態において、それぞれの荷重ファイバ304は、別々のテンションバネ924に取り付けられる。導体302は、そこに置かれるスペースを有する織成チューブを形成するために、荷重ファイバ304に織り込まれる。しかしながら、コネクタ800の織成コネクタ要素810とは異なり、織成コネクタ要素910は、単一のウィーブ(例えば、織成チューブ)を含むのみである。従って、織成コネクタ要素910は、単一のパワー回路927を有するのみである。つまり、織成コネクタ要素910は、リターン回路を含まないのである。
【0086】
相手側コネクタ要素930は、ハウジング932、相手側導体938、および終端接触部936を含む。相手側導体938は終端接触部936にて終端し、それは、相手側コネクタ要素930の後部に置かれる。相手側導体938はロッド型であり、その長さに沿って周囲に配置される、相手側接触表面を有する。相手側導体要素930が織成コネクタ要素910と結合される場合に、パワー回路927の導体302と相手側導体938の相手側接触表面との間の電気的接続が確立され得るように、相手側導体938は、適切なサイズに調整される。特に、相手側導体930の相手側導体938が、織成コネクタ要素910の織成チューブの中心スペースに挿入される場合、相手側導体938は、導体302および荷重ファイバ304のウィーブを、半径方向に引き伸ばさせる。そうすることによって、テンションバネ924に取り付けられた荷重ファイバ304の終端部が、共に近くへ引っ張られ、そのウィーブは十分な程度、伸びる。これはテンションバネ924を柔軟に変形させ、テンションは荷重ファイバ304において生成される。適切なテンションの量が荷重ファイバ304内に存在しつつ、所望される接触垂直力は、パワー回路927を作り上げる導体302の接触点にて働く。
【0087】
特定の実施形態において、リターン回路を有しない単一のパワー回路927を有するパワーコネクタ900は、「電源ケーブル」ツー「母線」・コネクタとして使用され得る。しかしながら、当業者は、パワーコネクタ900が他の広範なコネクタの応用に使用され得ることを容易に理解する。
【0088】
このように様々な例証的な実施形態およびその態様を説明してきたが、修正および変更が、当業者には明らかであろう。このような修正および変更は、この開示に含まれるように意図されており、またこの開示は、例証のみを目的としており、限定をすることを意図したものではない。本発明の範囲は、添付の特許請求の範囲における適切な解釈およびそれらの均等物から決定すべきである。
【図面の簡単な説明】
【0089】
【図1】従来のバックプレーンアセンブリの斜視図である。
【図2a】従来の雄コネクタ要素における一部の部分拡大を示す従来のバックプレーンアセンブリの斜視図である。
【図2b】従来の雌コネクタ要素における一部の部分拡大を示す従来のバックプレーンアセンブリの斜視図である。
【図3a】図1、図2aおよび図2bのバックプレーンアセンブリと使用可能な従来のコネクタの断面図である。
【図3b】図3aの従来のコネクタにおける単一コネクタの拡大断面図である。
【図4a】図3bにおける従来のコネクタの拡大部分の図である。
【図4b】図4aにおけるコネクタの拡大部分の図であり、コネクタの表面に粒子が埋め込まれている。
【図5】プラウイング現象の一例を表した図である。
【図6】図6aから6gは、コネクタに粒子トラップが存在する状態と存在しない状態の粒子塊を表した図である。
【図7】本開示の態様による織成コネクタにおける一実施形態の斜視図である。
【図8】図7の織成コネクタにおける拡大部分の一例の斜視図である。
【図9a】図8のコネクタにおける一部の拡大断面図である。
【図9b】図8のコネクタにおける一部の拡大断面図である。
【図10】可動テンション端部壁を備えた、図7のコネクタの簡易断面図である。
【図11】非導電ウィーブファイバを端部壁に装着するバネ部材を含む、図7のコネクタの簡易断面図である。
【図12】テンション台における別の例の斜視図である。
【図13a】図7および8における織成コネクタの拡大断面図である。
【図13b】粒子がある、図7および8における織成コネクタの拡大断面図である。
【図14】図7の織成コネクタにおける拡大部分の平面図である。
【図15a】相手側コネクタ要素と組み合わせた、図7におけるコネクタの斜視図である。
【図15b】相手側コネクタ要素と組み合わせた、図7におけるコネクタの斜視図である。
【図16a】本開示の態様によるコネクタにおける別の実施形態の斜視図である。
【図16b】相手側コネクタ要素と組み合わせた、図16aにおけるコネクタの斜視図である。
【図17a】本開示の態様によるコネクタにおける別の実施形態の斜視図である。
【図17b】図17aにおけるコネクタの斜視図である。
【図18】本開示の態様による織成コネクタにおける別の実施形態の斜視図である。
【図19】図18のコネクタにおける一部の拡大断面図である。
【図20a】相手側コネクタ要素部における一例の斜視図である。
【図20b】相手側コネクタ要素部における別の例の断面図である。
【図21】図18のコネクタの一部を形成可能な相手側コネクタ要素における別の例の斜視図である。
【図22】図18のコネクタの一部を形成可能で、シールドを含む相手側コネクタ要素における別の例の斜視図である。
【図23】本開示の態様による織成コネクタアレイの斜視図である。
【図24】導電ファイバおよび荷重ファイバの方向を図示する例示的な織成コネクタの実施形態の断面図である。
【図25】図25aから図25bは、導電織成コネクタの実施形態を図示する。
【図26】図26aから図26cは、自己終端する導体を有する織成コネクタの実施形態を図示する。
【図27】数個の異なる織成コネクタの実施形態の、電気抵抗と垂直接触力の関係を図示する。
【図28】図28aおよび図28bは、本開示の教示に従った、一つの織成コネクタの実施形態の断面図である。
【図29】凸状の接触組み合わせ表面を有する、織成コネクタの実施形態の拡大断面図である。
【図30】本開示の教示に従った、織成コネクタの例示的な実施形態を表す。
【図31】図30の織成コネクタの実施形態の背面図である。
【図32】数個の例示的なスプリングアームの実施形態を表す。
【図33】図30の織成コネクタの実施形態の、導体と相手側導体との係合を図示する。
【図34】本開示の教示に従った、織成コネクタの、他の例示的な実施形態を表す。
【図35】図34のコネクタの他の図を表す。
【図36】荷重ファイバ内で負荷を生成するスプリングアームを有する、図34の織成コネクタの実施形態を表す。
【図37】図37aおよび図37bは、本開示の教示に従った、織成データコネクタの例示的な実施形態を表す。
【図38】本開示の教示に従った、織成コネクタの他の例示的な実施形態を表す。
【図39】図39aおよび図39bは、面板なしで、図38の織成コネクタ要素を表す。
【図40】図38の相手側コネクタ要素を表す。
【図41】本開示の教示に従った、織成コネクタのさらに他の例示的な実施形態を表す。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
多接点織成パワーコネクタであって、
荷重ファイバのセットと、
セットのそれぞれの導体が少なくとも一つの接触点を有する、導体のセットと
を備え、
該セットのそれぞれの導体が、該荷重ファイバのセットに織り込まれてウィーブを作成し、該ウィーブがスペースを規定し、該セットの該荷重ファイバが、該導体のセットのそれぞれの接触点にて、接触力を供給することが可能である、多接点織成パワーコネクタ。
【請求項2】
電気的接続が、第1の導体と第2の導体との間に確立されることが可能である、請求項1に記載の多接点織成パワーコネクタ。
【請求項3】
前記導体が自己終端している、請求項1に記載の多接点織成パワーコネクタ。
【請求項4】
前記導体が導体ワイヤからなる、請求項1に記載の多接点織成パワーコネクタ。
【請求項5】
前記導体ワイヤが、ほぼ0.0002インチからほぼ0.0100インチの直径を有する、請求項4に記載の多接点織成パワーコネクタ。
【請求項6】
前記導体ワイヤがリボン型ワイヤである、請求項4に記載の多接点織成パワーコネクタ。
【請求項7】
前記荷重ファイバが、非導体材料からなる、請求項1に記載の多接点織成パワーコネクタ。
【請求項8】
前記荷重ファイバが、弾性材料からなる、請求項1に記載の多接点織成パワーコネクタ。
【請求項9】
前記荷重ファイバが、次のリスト:ナイロン、フッ化炭素、ポリアラミド、ポリアミド、導電性金属、天然繊維からの、少なくとも一つの材料からなる、請求項1に記載の多接点織成パワーコネクタ。
【請求項10】
前記ウィーブが、その中に置かれる前記スペースを有する織成チューブを形成する、請求項1に記載の多接点織成パワーコネクタ。
【請求項11】
前記織成チューブが対称な断面を有する、請求項10に記載の多接点織成パワーコネクタ。
【請求項12】
前記織成チューブの前記断面が円形である、請求項11に記載の多接点織成パワーコネクタ。
【請求項13】
テンションバネをさらに備え、
それぞれの荷重ファイバのうちの少なくとも一つの端部が該テンションバネに結合されている、請求項1の多接点織成パワーコネクタ。
【請求項14】
複数のテンションバネをさらに備え、
それぞれの荷重ファイバが第1の端部および第2の端部を有し、それぞれの荷重ファイバの該第1の端部がテンションバネに結合されている、請求項1に記載の多接点織成パワーコネクタ。
【請求項15】
少なくとも一つの荷重ファイバの前記第2の端部が、該荷重ファイバの前記第1の端部と同じテンションバネに結合されている、請求項14に記載の多接点織成パワーコネクタ。
【請求項16】
それぞれの荷重ファイバが、別々のテンションバネに結合されている、請求項14に記載の多接点織成パワーコネクタ。
【請求項17】
相手側接触表面を有する相手側導体をさらに備え、
該相手側導体が前記スペース内に置かれる場合、電気的接続が、該相手側接触表面と前記導体のセットの前記接触点との間で確立されることが可能である、請求項1に記載の多接点織成パワーコネクタ。
【請求項18】
前記相手側接触表面が凸状である、請求項17に記載の多接点織成パワーコネクタ。
【請求項19】
前記相手側接触表面が、一定の曲率半径によって規定される、請求項18に記載の多接点織成パワーコネクタ。
【請求項20】
前記相手側導体が、実質的にロッド型である、請求項17に記載の多接点織成パワーコネクタ。
【請求項21】
前記相手側導体が、ほぼ0.01インチからほぼ0.4インチの直径を有する、請求項21に記載の多接点織成パワーコネクタ。
【請求項22】
前記導体のセットが、パワー回路またはリターン回路を備える、請求項1に記載の多接点織成パワーコネクタ。
【請求項23】
前記荷重ファイバのセットが第1の荷重ファイバのセットであり、前記導体のセットが第1の導体のセットであり、前記ウィーブが第1のウィーブであり、前記スペースが第1のスペースであり、前記織成パワーコネクタが、
第2の荷重ファイバのセットと、
第2の導体のセットであって、該第2のセットのそれぞれの導体が少なくとも一つの接触点を有する、第2の導体のセットと
をさらに備え、
該第2のセットのそれぞれの導体が、該第2の荷重ファイバのセットに織り込まれて第2のウィーブを作成し、該第2のウィーブが第2のスペースを規定し、該第2のセットの該荷重ファイバが、該第2の導体のセットのそれぞれの接触点にて、接触力を供給することが可能である、請求項1に記載の多接点織成パワーコネクタ。
【請求項24】
前記第1の導体のセットが第1のパワー回路を備え、前記第2の導体のセットが第2のパワー回路を備える、請求項23に記載の多接点織成パワーコネクタ。
【請求項25】
前記第1の導体のセットがパワー回路を備え、前記第2の導体のセットがリターン回路を備える、請求項23に記載の多接点織成パワーコネクタ。
【請求項26】
複数のテンションバネをさらに備え、前記第1のセットおよび前記第2のセットのそれぞれの荷重ファイバが、第1の端部および第2の端部を有し、該第1のセットおよび該第2のセットのそれぞれの荷重ファイバの第1の端部がテンションバネに結合されている、請求項23に記載の多接点織成パワーコネクタ。
【請求項27】
少なくとも一つの荷重ファイバの前記第2の端部が、該荷重ファイバの前記第1の端部と同じテンションバネに結合されている、請求項26に記載の多接点織成パワーコネクタ。
【請求項28】
前記第1のセットおよび前記第2のセットのそれぞれの荷重ファイバが、別々のテンションバネに結合される、請求項26に記載の多接点織成パワーコネクタ。
【請求項29】
第1の相手側接触表面を有する第1の相手側導体であって、該第1の相手側導体が前記第1のスペース内に置かれる場合、電気的接続が、該第1の相手側接触表面と前記第1の導体のセットの前記接触点との間で確立されることが可能である、第1の相手側導体と、
第2の相手側接触表面を有する第2の相手側導体であって、該第2の相手側導体が前記第2のスペース内に置かれる場合、電気的接続が、該第2の相手側接触表面と前記リターン回路の前記導体との間で確立されることが可能である、第2の相手側導体と
をさらに備える、請求項23に記載の多接点織成パワーコネクタ。
【請求項30】
前記第1のウィーブが、その中に置かれる前記第1のスペースを有する第1の織成チューブを形成し、前記第2のウィーブが、その中に置かれる前記第2のスペースを有する第2の織成チューブを形成し、前記第1および第2の相手側導体が、実質的にロッド型である、請求項29に記載の多接点織成パワーコネクタ。
【請求項31】
多接点織成パワーコネクタであって、
第1の荷重ファイバのセットと、
複数の導体からなるパワー回路であって、該パワー回路のそれぞれの導体が、該第1の荷重ファイバのセットに織り込まれて、その中に置かれる第1のスペースを有する織成チューブを形成する、複数の導体からなるパワー回路と、
第2の荷重ファイバのセットと、
複数の導体からなるリターン回路であって、該リターン回路のそれぞれの導体が、該第2の荷重ファイバのセットに織り込まれて、その中に置かれる第2のスペースを有する織成チューブを形成する、複数の導体からなるリターン回路と、
第1のロッド型の相手側導体であって、該第1のロッド型の相手側導体が該第1のスペース内に置かれる場合、電気的接続が、該第1のロッド型の相手側導体と該パワー回路の該導体との間に確立されることが可能である、第1のロッド型の相手側導体と、
第2のロッド型の相手側導体であって、該第2のロッド型の相手側導体が該第2のスペース内に置かれる場合、電気的接続が、該第2のロッド型の相手側導体と該リターン回路の該導体との間に確立されることが可能である、第2のロッド型の相手側導体と
を備える、多接点織成パワーコネクタ。
【請求項32】
複数のテンションバネをさらに備え、
前記第1のセットおよび前記第2のセットのそれぞれの荷重ファイバが、第1の端部および第2の端部を有し、該荷重ファイバのそれぞれの少なくとも該第1の端部が、テンションバネに結合されている、請求項31に記載の多接点織成パワーコネクタ。
【請求項33】
荷重ファイバの前記第2の端部のそれぞれが、該荷重ファイバの前記第1の端部と同じテンションバネに結合されている、請求項32に記載の多接点織成パワーコネクタ。
【請求項34】
前記第1および第2のセットの前記荷重ファイバのそれぞれが、別々のテンションバネに結合されている、請求項33に記載の多接点織成パワーコネクタ。
【請求項1】
多接点織成パワーコネクタであって、
荷重ファイバのセットと、
セットのそれぞれの導体が少なくとも一つの接触点を有する、導体のセットと
を備え、
該セットのそれぞれの導体が、該荷重ファイバのセットに織り込まれてウィーブを作成し、該ウィーブがスペースを規定し、該セットの該荷重ファイバが、該導体のセットのそれぞれの接触点にて、接触力を供給することが可能である、多接点織成パワーコネクタ。
【請求項2】
電気的接続が、第1の導体と第2の導体との間に確立されることが可能である、請求項1に記載の多接点織成パワーコネクタ。
【請求項3】
前記導体が自己終端している、請求項1に記載の多接点織成パワーコネクタ。
【請求項4】
前記導体が導体ワイヤからなる、請求項1に記載の多接点織成パワーコネクタ。
【請求項5】
前記導体ワイヤが、ほぼ0.0002インチからほぼ0.0100インチの直径を有する、請求項4に記載の多接点織成パワーコネクタ。
【請求項6】
前記導体ワイヤがリボン型ワイヤである、請求項4に記載の多接点織成パワーコネクタ。
【請求項7】
前記荷重ファイバが、非導体材料からなる、請求項1に記載の多接点織成パワーコネクタ。
【請求項8】
前記荷重ファイバが、弾性材料からなる、請求項1に記載の多接点織成パワーコネクタ。
【請求項9】
前記荷重ファイバが、次のリスト:ナイロン、フッ化炭素、ポリアラミド、ポリアミド、導電性金属、天然繊維からの、少なくとも一つの材料からなる、請求項1に記載の多接点織成パワーコネクタ。
【請求項10】
前記ウィーブが、その中に置かれる前記スペースを有する織成チューブを形成する、請求項1に記載の多接点織成パワーコネクタ。
【請求項11】
前記織成チューブが対称な断面を有する、請求項10に記載の多接点織成パワーコネクタ。
【請求項12】
前記織成チューブの前記断面が円形である、請求項11に記載の多接点織成パワーコネクタ。
【請求項13】
テンションバネをさらに備え、
それぞれの荷重ファイバのうちの少なくとも一つの端部が該テンションバネに結合されている、請求項1の多接点織成パワーコネクタ。
【請求項14】
複数のテンションバネをさらに備え、
それぞれの荷重ファイバが第1の端部および第2の端部を有し、それぞれの荷重ファイバの該第1の端部がテンションバネに結合されている、請求項1に記載の多接点織成パワーコネクタ。
【請求項15】
少なくとも一つの荷重ファイバの前記第2の端部が、該荷重ファイバの前記第1の端部と同じテンションバネに結合されている、請求項14に記載の多接点織成パワーコネクタ。
【請求項16】
それぞれの荷重ファイバが、別々のテンションバネに結合されている、請求項14に記載の多接点織成パワーコネクタ。
【請求項17】
相手側接触表面を有する相手側導体をさらに備え、
該相手側導体が前記スペース内に置かれる場合、電気的接続が、該相手側接触表面と前記導体のセットの前記接触点との間で確立されることが可能である、請求項1に記載の多接点織成パワーコネクタ。
【請求項18】
前記相手側接触表面が凸状である、請求項17に記載の多接点織成パワーコネクタ。
【請求項19】
前記相手側接触表面が、一定の曲率半径によって規定される、請求項18に記載の多接点織成パワーコネクタ。
【請求項20】
前記相手側導体が、実質的にロッド型である、請求項17に記載の多接点織成パワーコネクタ。
【請求項21】
前記相手側導体が、ほぼ0.01インチからほぼ0.4インチの直径を有する、請求項21に記載の多接点織成パワーコネクタ。
【請求項22】
前記導体のセットが、パワー回路またはリターン回路を備える、請求項1に記載の多接点織成パワーコネクタ。
【請求項23】
前記荷重ファイバのセットが第1の荷重ファイバのセットであり、前記導体のセットが第1の導体のセットであり、前記ウィーブが第1のウィーブであり、前記スペースが第1のスペースであり、前記織成パワーコネクタが、
第2の荷重ファイバのセットと、
第2の導体のセットであって、該第2のセットのそれぞれの導体が少なくとも一つの接触点を有する、第2の導体のセットと
をさらに備え、
該第2のセットのそれぞれの導体が、該第2の荷重ファイバのセットに織り込まれて第2のウィーブを作成し、該第2のウィーブが第2のスペースを規定し、該第2のセットの該荷重ファイバが、該第2の導体のセットのそれぞれの接触点にて、接触力を供給することが可能である、請求項1に記載の多接点織成パワーコネクタ。
【請求項24】
前記第1の導体のセットが第1のパワー回路を備え、前記第2の導体のセットが第2のパワー回路を備える、請求項23に記載の多接点織成パワーコネクタ。
【請求項25】
前記第1の導体のセットがパワー回路を備え、前記第2の導体のセットがリターン回路を備える、請求項23に記載の多接点織成パワーコネクタ。
【請求項26】
複数のテンションバネをさらに備え、前記第1のセットおよび前記第2のセットのそれぞれの荷重ファイバが、第1の端部および第2の端部を有し、該第1のセットおよび該第2のセットのそれぞれの荷重ファイバの第1の端部がテンションバネに結合されている、請求項23に記載の多接点織成パワーコネクタ。
【請求項27】
少なくとも一つの荷重ファイバの前記第2の端部が、該荷重ファイバの前記第1の端部と同じテンションバネに結合されている、請求項26に記載の多接点織成パワーコネクタ。
【請求項28】
前記第1のセットおよび前記第2のセットのそれぞれの荷重ファイバが、別々のテンションバネに結合される、請求項26に記載の多接点織成パワーコネクタ。
【請求項29】
第1の相手側接触表面を有する第1の相手側導体であって、該第1の相手側導体が前記第1のスペース内に置かれる場合、電気的接続が、該第1の相手側接触表面と前記第1の導体のセットの前記接触点との間で確立されることが可能である、第1の相手側導体と、
第2の相手側接触表面を有する第2の相手側導体であって、該第2の相手側導体が前記第2のスペース内に置かれる場合、電気的接続が、該第2の相手側接触表面と前記リターン回路の前記導体との間で確立されることが可能である、第2の相手側導体と
をさらに備える、請求項23に記載の多接点織成パワーコネクタ。
【請求項30】
前記第1のウィーブが、その中に置かれる前記第1のスペースを有する第1の織成チューブを形成し、前記第2のウィーブが、その中に置かれる前記第2のスペースを有する第2の織成チューブを形成し、前記第1および第2の相手側導体が、実質的にロッド型である、請求項29に記載の多接点織成パワーコネクタ。
【請求項31】
多接点織成パワーコネクタであって、
第1の荷重ファイバのセットと、
複数の導体からなるパワー回路であって、該パワー回路のそれぞれの導体が、該第1の荷重ファイバのセットに織り込まれて、その中に置かれる第1のスペースを有する織成チューブを形成する、複数の導体からなるパワー回路と、
第2の荷重ファイバのセットと、
複数の導体からなるリターン回路であって、該リターン回路のそれぞれの導体が、該第2の荷重ファイバのセットに織り込まれて、その中に置かれる第2のスペースを有する織成チューブを形成する、複数の導体からなるリターン回路と、
第1のロッド型の相手側導体であって、該第1のロッド型の相手側導体が該第1のスペース内に置かれる場合、電気的接続が、該第1のロッド型の相手側導体と該パワー回路の該導体との間に確立されることが可能である、第1のロッド型の相手側導体と、
第2のロッド型の相手側導体であって、該第2のロッド型の相手側導体が該第2のスペース内に置かれる場合、電気的接続が、該第2のロッド型の相手側導体と該リターン回路の該導体との間に確立されることが可能である、第2のロッド型の相手側導体と
を備える、多接点織成パワーコネクタ。
【請求項32】
複数のテンションバネをさらに備え、
前記第1のセットおよび前記第2のセットのそれぞれの荷重ファイバが、第1の端部および第2の端部を有し、該荷重ファイバのそれぞれの少なくとも該第1の端部が、テンションバネに結合されている、請求項31に記載の多接点織成パワーコネクタ。
【請求項33】
荷重ファイバの前記第2の端部のそれぞれが、該荷重ファイバの前記第1の端部と同じテンションバネに結合されている、請求項32に記載の多接点織成パワーコネクタ。
【請求項34】
前記第1および第2のセットの前記荷重ファイバのそれぞれが、別々のテンションバネに結合されている、請求項33に記載の多接点織成パワーコネクタ。
【図1】
【図2a】
【図2b】
【図3a】
【図3b】
【図4a】
【図4b】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9a】
【図9b】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13a】
【図13b】
【図14】
【図15a】
【図15b】
【図16a】
【図16b】
【図17a】
【図17b】
【図18】
【図19】
【図20a】
【図20b】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25A】
【図25B】
【図26A】
【図26B】
【図26C】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【図32】
【図33】
【図34】
【図35】
【図36a】
【図36b】
【図36c】
【図37a】
【図37b】
【図38】
【図39A】
【図39B】
【図40】
【図41】
【図2a】
【図2b】
【図3a】
【図3b】
【図4a】
【図4b】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9a】
【図9b】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13a】
【図13b】
【図14】
【図15a】
【図15b】
【図16a】
【図16b】
【図17a】
【図17b】
【図18】
【図19】
【図20a】
【図20b】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25A】
【図25B】
【図26A】
【図26B】
【図26C】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【図32】
【図33】
【図34】
【図35】
【図36a】
【図36b】
【図36c】
【図37a】
【図37b】
【図38】
【図39A】
【図39B】
【図40】
【図41】
【公表番号】特表2007−524191(P2007−524191A)
【公表日】平成19年8月23日(2007.8.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−517374(P2006−517374)
【出願日】平成16年6月18日(2004.6.18)
【国際出願番号】PCT/US2004/019461
【国際公開番号】WO2005/001998
【国際公開日】平成17年1月6日(2005.1.6)
【出願人】(504344657)トリボテック インコーポレイテッド (1)
【氏名又は名称原語表記】TRIBOTEK,INC.
【公表日】平成19年8月23日(2007.8.23)
【国際特許分類】
【出願日】平成16年6月18日(2004.6.18)
【国際出願番号】PCT/US2004/019461
【国際公開番号】WO2005/001998
【国際公開日】平成17年1月6日(2005.1.6)
【出願人】(504344657)トリボテック インコーポレイテッド (1)
【氏名又は名称原語表記】TRIBOTEK,INC.
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