説明

多数の硬化機構を有する熱硬化性被覆組成物

エポキシ当量約150〜約1500を有するアクリルポリマー、酸基及びカルバメート基を有する化合物、及びアミノプラスト架橋剤を含有する硬化性被覆組成物は、下地に適用され、かつ化合物の酸及びカルバメート基が反応する温度で硬化される。該組成物は、さらに、ブロックトポリイソシアネート架橋剤を含有して、ポリマー上のヒドロキシル基と反応し、かつ/又はエポキシドとカルボン酸基との反応によって形成される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
発明の背景
本発明は、熱硬化性被覆組成物、それらのための材料、及びかかる被覆組成物を製造及び使用する方法に関する。
【0002】
発明の背景
硬化性、又は熱硬化性被覆は、被覆技術において、特に自動車産業及び産業用塗装工業においてトップコートに広範囲に使用されている。カラー・プラス・クリア複合被覆は、異常な光沢、色の濃さ、画像の明瞭さ、及び特別な金属効果を有するトップコートを提供する。自動車産業は、自動車車体のパネルのための前記の被覆を広範囲に使用している。トップコート被覆は、被覆された物品の耐用年数中に、供給条件下で、その外観を維持し、保護を提供することに対して耐久性があるべきである。自動車両のためのトップコート被覆は、例えば、典型的に、全ての種類の気候、太陽からの紫外線、運転中にもたらされる砂礫からの又は駐車時の車上に設置された物からの削摩、及び被覆を劣化させうる他の条件にさらされる。しばらく、研究者は、環境腐食に対するより強い耐性を有する被覆を提供する努力を指示していた。"環境腐食"は、しばしば擦り落とされない被覆の仕上げに対する又は仕上げ中のしみ又は傷によって特徴付けられる露出劣化の種類に適用される用語である。
【0003】
カルバメート官能性樹脂を使用する硬化性被覆組成物は、例えばUS特許番号第5,693,724号、第5,693,723号、第5,639,828号、第5,512,639号、第5,508,379号、第5,451,656号、第5,356,669号、第5,336,566号、及び第5,532,061号において記載されており、それぞれ参照をもって本明細書に組み込まれたものとする。該被覆組成物は、他の被覆組成物、例えばヒドロキシ官能性アクリル/メラミン被覆組成物と比較して環境腐食に対する耐性における著しい改良を提供しうる。一方で、カルバメート官能性樹脂は、適用のための適切な粘度を達成するためのより多くの有機溶剤を、及び所望された平滑さを得るための適用された膜のレベリングを要求する傾向がある。大量の有機溶剤を有する被覆は、適用中により多くの調整された放出を生じる。ブロックトポリイソシアネートを使用して硬化されたヒドロキシル官能性アクリルポリマーを有する被覆は、硬化した被覆における環境腐食に対する優れた耐性を提供することもできるが、しかし該被覆は、所望の耐引掻性及び耐損傷性を有さない。アミノプラストを使用して硬化されたヒドロキシル官能性アクリルポリマーを有する被覆は、挙げられた他の組成物に関して、より固体で調整され、かつより低い温度で硬化されることができるが、しかし他の被覆の環境腐食耐性、又は耐引掻性及び耐損傷性を提供しない。他の被覆化学物質が使用されるが、しかしそれらは、欠陥、例えば乏しい耐候性、又は高い揮発性有機含分[VOC]も有する。エポキシ/酸架橋反応を使用する被覆は、良好な特性を提供するが、しかしより長い期間の屋外曝露におけるチョーキング及びフレーキングを有してよい。
【0004】
US特許番号第5,693,724号、第5,693,723号、第5,639,828号、第5,512,639号、第5,508,379号、第5,451,656号、第5,356,669号、第5,336,566号、第5,532,061号及び第6531560号は、カルバメート官能性を‘トランス−カルバメート化’ヒドロキシル官能性アクリル樹脂によって組み込むことを記載している。しかしながら、その反応工程は、時間のかかる方法であり、かつ反応媒体のために使用される他の溶剤に加えて、何とかして取り除かれる必要があるメタノールのような副産物をもたらす。得られた樹脂は、カルバメート基の存在によってより高い粘度の溶液であり、より低いペイント固体及びより高いVOCをもたらす。US特許第6,391,970号は、ヒドロキシル基を生じるエポキシ基及びカルボキシル基との最初の反応、及び生じたヒドロキシル基とポリイソシアネート架橋剤との第二の反応によって硬化する被覆を記載している。
【0005】
所望の環境腐食耐性及び改良された耐引掻性及び耐損傷性を、被覆組成物の粘度を劇的に上昇することなく提供することができる塗料組成物を有することが有利である。
【0006】
発明の要旨
本発明は、約150〜約1500のエポキシド当量を有するアクリルポリマー、酸及びカルバメート基を有する化合物、並びにアミノプラスト架橋剤を含有する硬化性被覆組成物を提供する。この被覆組成物は、下地に適用され、かつ酸と化合物のカルバメート基とが反応する温度で硬化されてよい。酸及びカルバメート基を有する化合物は、平均で、0.5〜1.5個のカルバメート基毎に1つの酸基を有してよいが、しかし該化合物が、実質的におよそ同様の酸基当量及びカルバメート当量を有することが好ましい。特に、酸及びカルバメート基を有する化合物は、環状カルボン酸無水物化合物及びヒドロキシアルキルカルバメートの反応生成物であってよい。
【0007】
本発明の目的のためのアミノプラストは、活性窒素とアルキロール基を形成する低分子量のアルデヒドとの反応によって得られ、場合により、さらに、アルコール(有利には1〜4個の炭素原子を有するモノアルコール)と反応させた材料である。
【0008】
カルバメート基は、構造
【化1】

[その際、RはH又はアルキルである]で示される構造を有する。有利には、Rは、H又は1〜約4個の炭素原子のアルキルであり、かつより有利にはRはHである。
【0009】
本発明は、アクリルポリマーが、約300〜約700のヒドロキシル当量も有する一実施態様も提供する。
【0010】
本発明は、前記の被覆組成物が、さらに第二のアクリルポリマーを含有する一実施態様も提供し、その際第二のアクリルポリマーは、約300〜約700のヒドロキシル当量を有する。
【0011】
本発明は、該被覆組成物が、さらにブロックトポリイソシアネート硬化剤を含有する一実施態様も提供する。
【0012】
本発明は、該被覆組成物が、カルボン酸、カルバメート、エポキシド、又はヒドロキシル基を有する他の材料を含有する一実施態様も提供する。
【0013】
本発明は、本発明の被覆組成物を適用する工程、及び被覆組成物の適用された層を硬化する工程を含む下地の被覆方法も提供する。特に、硬化温度は、酸及びカルバメート基を有する化合物の酸及びカルバメート基の反応を可能にするために選択されてよい。
【0014】
本願で使用される単数形は、その物が"少なくとも1つ"存在することを示し;可能であれば、その物が複数存在してよい。値に適用された場合の"約"は、計算又は測定が値において若干のわずかな不正確さであってよいことを示す(値の正確さにいくらか近づいて;近似的に、もしくは適度に値と近い;ほぼ)。何らかの理由で、"約"によって与えられたその不正確さが、ともすれば当該技術分野においてこの普通の意味で理解されなければ、その時、本明細書で使用される"約"は、その値の5%までの差異の可能性を示す。
【0015】
好ましい実施態様の詳細な説明
次の好ましい実施態様の説明は、単に例示をする性質のものであって、決して本発明、その応用、又は利用の制限を意図するものではない。
【0016】
硬化性被覆組成物は、約150〜約1500のエポキシド当量を有するアクリルポリマー、酸及びカルバメート基を有する化合物、並びにアミノプラスト架橋剤を含有する。本発明は、該アクリルポリマーが、約300〜約700のヒドロキシル当量も有する一実施態様も提供する。前記の硬化性被覆組成物は、エポキシド官能性を有する同様のアクリルポリマー上に、又は第二のアクリルポリマー上にヒドロキシル官能性も有する。該硬化性被覆組成物は、さらに、ブロックトポリイソシアネート硬化剤、他の樹脂、ポリマー、又はカルボキシル酸基、エポキシド基、カルバメート基、又はヒドロキシル基を有するポリマー又は化合物、並びに他の通常の被覆材料、例えば顔料、溶剤、触媒、及び他の添加剤を含有してよい。
【0017】
エポキシド当量約150〜約1500を有するアクリルポリマーは、グリシジル群のモノマーの適量を共重合することによって、例えば1つ以上のモノマーのグリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレート、又はアリルグリシジルエーテルを共重合することによって製造されてよい。
【0018】
エポキシド当量約150〜約1500を有するアクリルポリマーは、ヒドロキシル基を有してもよい。ヒドロキシル基は、ヒドロキシル官能性モノマー、例えばヒドロキシエチルアクリレート、ヒドロキシエチルメタクリレート、ヒドロキシプロピルアクリレート、ヒドロキシプロピルメタクリレート、ヒドロキシブチルアクリレート、ヒドロキシブチルメタクリレート等、又はかかるモノマーの組合せ物を共重合することによって、ポリマー合成において、都合よく取り込まれてよい。
【0019】
エポキシド当量約150〜約1500を有するアクリルポリマーに対するヒドロキシル官能性を含むことに加えて、又はその代わりに、クリアコート組成物は、場合により、さらに、ヒドロキシル官能性を有する第二のアクリルコポリマーを含んでよい。ヒドロキシル基を有する第二のアクリルポリマーは、既に挙げられるヒドロキシル官能モノマーの1つを重合することによって都合よく得られてよい。
【0020】
ヒドロキシモノマーで製造される場合にエポキシド基を有するアクリルポリマーの、又は含まれる場合に第二のアクリルポリマーのヒドロキシ当量は、有利には約300〜約700である。
【0021】
アクリルポリマーは、1つ以上の他のコモノマーを使用して重合化されてよい。かかるコモノマーの例は、制限されることなく、炭素原子3〜5個を含有するα,β−エチレン性不飽和モノカルボキシル酸、例えばアクリル酸、メタクリル酸、及びクロトン酸の、並びに炭素原子4〜6個を含有するα,β−エチレン性不飽和ジカルボキシル酸のエステル、ビニルエステル、ビニルエーテル、ビニルケトン、及び芳香族又はヘテロ環式脂肪族ビニル化合物を含む。アクリル酸、メタクリル酸、及びクロトン酸の好適なエステルの代表的な例は、制限されることなく、炭素原子1〜20個を含有する飽和脂肪族及び脂環式アルコールとの反応からのそれらのエステル、例えばメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、tert−ブチル、2−エチルヘキシル、ラウリル、ステアリル、シクロヘキシル、トリメチルシクロヘキシル、テトラヒドロフルフリル、ステアリル、スルホエチル、及びイソボルニルアクリレート、メタクリレート並びにクロトネートを含む。他のエチレン性不飽和の重合可能なモノマーの代表的な例は、制限されることなく、アルコール、例えばメタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、イソブタノール、及びtert−ブタノールで製造された、ジアルキルフマル酸エステル、マレイン酸エステル、及びイタコン酸エステルとしてかかる化合物を含む。重合ビニルモノマーの代表的な例は、制限されることなく、ビニルアセテート、ビニルプロピオネート、ビニルエーテル、例えばビニルエチルエーテル、ハロゲン化ビニル及びビニリデン、並びにビニルエチルケトンとしてかかる化合物を含む。芳香族又はヘテロ環式脂肪族ビニル化合物の代表的な例は、制限されることなく、スチレン、アルファ−メチルスチレン、ビニルトルエン、tert−ブチルスチレン、及び2−ビニルピロリドンとしてかかる化合物を含む。そのコモノマーは、あらゆる組合せで使用されてよい。
【0022】
アクリルポリマーは、従来の技術を使用して、例えば重合開始剤及び場合により連鎖移動剤の存在でモノマーを加熱することによって製造されてよい。重合は、有利には、溶液で実施されるが、バルクでアクリルポリマーを重合することもできる。好適な重合溶剤は、制限されることなく、エステル、ケトン、エチレングリコールモノアルキルエーテル、及びプロピレングリコールモノアルキルエーテル、アルコール、並びに芳香族炭化水素を含む。
【0023】
典型的な開始剤は、有機ペルオキシド、例えばジアルキルペルオキシド、例えばジ−t−ブチルペルオキシド、ペルオキシエステル、例えばt−ブチルペルオクトエート及びt−ブチルペルアセテート、ペルオキシジカルボネート、ジアシルペルオキシド、ヒドロペルオキシド、例えばt−ブチルヒドロペルオキシド、並びにペルオキシケタール;アゾ化合物、例えば2,2’アゾビス(2−メチルブタンニトリル)及び1,1’−アゾビス(シクロヘキサンカルボニトリル);並びにそれらの組合せである。典型的な連鎖移動剤は、メルカプタン、例えばオクチルメルカプタン、n−又はtert−ドデシルメルカプタン;ハロゲン化合物、チオサリチル酸、メルカプト酢酸、メルカプトエタノール、及び二量体のアルファ−メチルスチレンである。
【0024】
溶剤又は溶剤混合物は、一般的に、反応温度まで加熱され、かつモノマー及び開始剤、並びに場合により連鎖移動剤は、制御された割合で、典型的に約2〜約6時間の時間にわたって添加される。重合反応は、通常、約20℃〜約200℃の温度で実施される。該反応は、溶剤又は溶剤混合物が還流する温度で都合よく実施されてよいが、しかしその際適切な制御で、還流未満の温度を維持してよい。開始剤は、反応を実施する温度を調整するために選択されるべきであり、その結果、その温度での開始剤の半減期が、有利にはわずか約30分、より有利にはわずか約5分であるべきである。さらに溶剤を、同時に添加してよい。その混合物は、通常、添加を、重合を完了するための時間で完了した後に、反応温度で維持される。場合により、追加の開始剤は、モノマーのポリマーへの完全な転化を確実にするために添加されてよい。
【0025】
アクリルポリマーは、少なくとも約2400、有利には少なくとも約3000、より有利には少なくとも約3500、及び特に有利には少なくとも4000の質量平均分子量を有するべきである。質量平均分子量は、ポリスチレン標準を使用するゲル浸透クロマトグラフィーによって測定されてよい。さらに、質量平均分子量は、有利には約7000まで、より有利には約5000まで、及びさらにより有利には約4500までである。
【0026】
クリアコート被覆組成物は、ビヒクル質量に対して、エポキシド官能性を有する第一のビニルポリマーの、有利には約50質量%〜約85質量%、より有利には約60質量%〜約75質量%を含む。"ビヒクル質量"は、被覆組成物中の熱硬化した膜形成構成成分の全質量である。クリアコート被覆組成物は、ビヒクル質量に対して、ヒドロキシル官能性を有する第二のビニルポリマーの、有利には約5質量%〜約40質量%、より有利には約15質量%〜約30質量%を含む。
【0027】
被覆組成物は、酸及びカルバメート基を有する化合物も含む。酸及びカルバメート基を有する化合物は、平均で、0.5〜1.5個のカルバメート基毎に1つの酸基を有してよいが、しかし該化合物が、実質的におよそ同様の酸基当量及びカルバメート当量を有することが好ましい。該化合物は、有利にはモノマーであり、かつ約191〜約471の分子量を有する。該化合物は、有利には、約6〜約25個の炭素、少なくとも1つのカルボン酸基、及び少なくとも1つのカルバメート基を有してよい。
【0028】
特に、酸及びカルバメート基を有する化合物は、環状カルボン酸無水物化合物及びヒドロキシアルキルカルバメートの反応生成物であってよい。好適な無水化合物の例は、制限されることなく、無水フタル酸、無水テトラヒドロフタル酸、無水コハク酸、無水グルタル酸、無水マレイン酸、無水トリメリト酸、無水ピロメリト酸、無水ヘキサヒドロフタル酸、及び無水メチルヘキサヒドロフタル酸を含む。好適なヒドロキシアルキルカルバメート化合物の例は、制限されることなく、ヒドロキシメチルカルバメート、ヒドロキシエチルカルバメート、ヒドロキシプロピルカルバメート、ヒドロキシブチルカルバメート、C−36二量体アルコールモノカルバメート、ジエチルオクタンジオールモノカルバメート(DEODモノカルバメート)、及びグリシジルネオデカノートのカルバメートの反応生成物を含む。無水物を、ヒドロキシルカルバメートと、全ての無水物の基が反応されるまで反応してよい。その反応は、通常100〜140℃の温度で実施され、かつ反応の終わりは、赤外分光法によって、又はあらゆる残っている無水物をヒドロキシル化した後に酸基の滴定によって観測されてよい。
【0029】
前記の被覆組成物は、架橋剤としてアミノプラストを含んでもよい。本発明の目的のためのアミノプラストは、活性窒素と低分子量のアルデヒドとの反応によって得られ、場合によりさらにアルコール(有利には1〜4個の炭素原子を有するモノアルコール)と反応される材料である。活性窒素の好ましい例は、活性アミン、例えばメラミン、ベンゾグアナミン、シクロヘキシルカルボグアナミン、及びアセトグアナミン;それ自体尿素を含む尿素、チオ尿素、エチレン尿素、ジヒドロキシエチレン尿素、及びグアニル尿素;グリコールウリル;アミド、例えばジシアンジアミド;並びに少なくとも1つの第一級カルバメート基又は少なくとも2つの第二級カルバメート基を有するカルバメート官能性化合物である。
【0030】
活性窒素は、低分子量のアルデヒドと反応される。アルデヒドは、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、クロトンアルデヒド、ベンズアルデヒド、又はアミノプラスト樹脂の製造に使用される他のアルデヒドから選択されてよいが、ホルムアルデヒド及びアセトアルデヒド、特にホルムアルデヒドが好ましい。活性窒素基は、少なくとも部分的にアルデヒドでアルキロール化され、かつ完全にアルキロール化されてよく、有利には活性窒素基は、完全にアルキロール化される。その反応は、例えばUS特許番号第3,082,180号において教示されているように、酸によって触媒化されてよく、参照をもって本明細書に組み込まれたものとする。
【0031】
活性窒素とアルデヒドとの反応によって形成されたアルキロール基は、部分的に又は完全に、1つ以上の一官能性アルコールでエーテル化されてよい。一官能性アルコールの好適な例は、制限されることなく、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、イソブタノール、tert−ブチルアルコール、ベンジルアルコール等を含む。炭素原子1〜4個を有する一官能性アルコール、及びそれらの混合物が好ましい。エーテル化は、例えばUS特許番号第4,105,708号及び第4,293,692号において記載されている方法によって実施されてよく、参照をもって本明細書に組み込まれたものとする。
【0032】
アミノプラストに関して、少なくとも部分的にエーテル化されることが好ましく、及びアミノプラストに関して、完全にエーテル化されることが特に好ましい。好ましい化合物は、非置換の窒素水素と共にあらゆる組合せで存在してよい多数のメチロール及び/又はエーテル化メチロール基を有する。完全にエーテル化されたメラミン−ホルムアルデヒド樹脂が特に好ましく、例えば、制限されることなく、ヘキサメトキシメチルメラミンが好ましい。
【0033】
硬化性被覆組成物は、さらにブロックトポリイソシアネート硬化剤を含んでよい。ブロックトポリイソシアネート架橋剤は、制限されることなく、ブロックトイソシアヌレート、ブロックトビウレット、ブロックトアロファネート、ウレトジオン(uretdione)化合物、及びブロックトイソシアネート官能性ポリマー、例えばトリオール1モルとジイソシアネート3モルとの反応生成物を含む。
【0034】
イソシアネートの量は、有利には全てのヒドロキシ基、ヒドロキシアクリル樹脂からのヒドロキシル基及びカルボン酸とエポキシドとの反応によって形成されるヒドキシ基と反応するために選択される。イソシアネートの量は、硬化の終わりに存在し、膜欠陥の場合に修復接着を助けるヒドロキシルを有さないことを可能にするためにより低くあってよい。US特許6,391,970号は、所望の膜特性に関してエポキシドと酸とイソシアネートとの比を教示している。
【0035】
前記の被覆組成物は、カルボン酸、カルバメート、エポキシド又はヒドロキシル基を有する1つ以上の他の構成成分を含んでよい。かかる他の構成成分の例は、制限されることなく、ネオデカン酸、ネオデカン酸のグリシジルエステル、ヒドロキシステアリン酸、炭素原子8〜18個を有する脂肪酸、二量体脂肪酸、三量体脂肪酸、炭素原子8〜18個を有する脂肪族アルコール、二量体脂肪族アルコール、三量体脂肪族アルコール、及びそれらの組合せを含み、それらは、所望である場合に、被覆に可撓性を付与するために添加されてよい。
【0036】
顔料及び充填剤は、典型的には、被覆組成物の全質量に対して約40質量%までの量で使用されてよい。使用される顔料は、金属酸化物、クロム酸塩、モリブデン酸塩、燐酸塩及びケイ酸塩を含む無機顔料であってよい。使用されうる無機顔料及び充填剤の例は、二酸化チタン、硫酸バリウム、カーボンブラック、黄土、シェンナ、アンバー、ヘマタイト、褐鉄鋼、赤色酸化鉄、透明な赤色酸化鉄、鉄黒、酸化鉄粉、酸化クロムグリーン、クロム酸ストロンチウム、燐酸亜鉛、シリカ、例えばフュームドシリカ、炭酸カルシウム、タルク、バライト、第二鉄アンモニウムフェロシアニド(プルシアンブルー)、ウルトラマリン、クロム酸鉛、モリブデン酸鉛、及び雲母フレーク顔料である。有機顔料が使用されてもよい。有用な有機顔料の例は、金属化された及び金属化されていないアゾ赤、キナクリドン赤及びキナクリドンバイオレット、ペリレン赤、銅フタロシアニン青及び銅フタロシアニングリーン、カルバゾールバイオレット、モノアリリドイエロー及びジアリリドイエロー、ベンズイミダゾロンイエロー、トリルオレンジ、ナフトールオレンジ等である。
【0037】
前記の被覆組成物は、硬化反応を高める触媒を含んでよい。かかる触媒は、当業者によく知られており、かつ制限されることなく、亜鉛塩、スズ塩、ブロックトパラトルエンスルホン酸、ブロックトジノニルナフタレンスルホン酸、又はフェニル酸ホスフェートを含む。また、ジブチルスズジラウレート、ジブチルスズオキシドとしてスズ化合物が、ヒドロキシ−イソシアネート反応を促進するために添加されうる。
【0038】
1つの溶剤又は複数の溶剤は、被覆組成物中に含まれてよい。一般的に、溶剤は、あらゆる有機溶剤及び/又は水でありうる。好ましい一実施態様において、該溶剤は、極性の有機溶剤を含む。より有利には、該溶剤は、極性の脂肪族溶剤又は極性の芳香族溶剤から選択された1つ以上の有機溶剤を含む。さらにより有利には、該溶剤は、ケトン、エステル、アセテート、又はあらゆるそれらの組合せを含む。有用な溶剤の例は、制限されることなく、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、m−アミルアセテート、エチレングリコールブチルエーテル−アセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、キシレン、N−メチルピロリドン、芳香族炭化水素の配合物、及びそれらの混合物を含む。他の好ましい実施態様において、該溶剤は、水又は水と少量の補助溶剤との混合物である。一般的に、プロトン性溶媒、例えばアルコール及びグリコールエーテルは、前記の被覆組成物が場合によりポリイソシアネート架橋剤を含有する場合に避けられるが、少量のプロトン性溶媒は、イソシアネート基とのいくつかの反応が被覆の硬化中に実施されてよいことが期待されてよいにもかかわらず使用されうる。
【0039】
付加的な作用剤、例えばヒンダードアミン光安定剤、紫外線光安定剤、酸化防止剤、界面活性剤、安定剤、湿潤剤、レオロジー調整剤、分散剤、付着促進剤等は、被覆組成物中に組み込まれてよい。かかる添加剤は、よく知られており、典型的に被覆組成物に使用される量で含まれてよい。
【0040】
前記の被覆組成物は、噴霧被覆によって下地上に被覆されうる。静電塗装が、好ましい方法である。該被覆組成物は、典型的に約20〜約100ミクロンの硬化後の膜厚を提供するために、1回以上の段階で適用されうる。
【0041】
該被覆組成物は、金属下地、例えば裸鋼、燐酸塩処理された鋼、電気メッキされた鋼、又はアルミニウム;及び非金属下地、例えばプラスチック及び複合体を含む数多くの異なるタイプの下地上に塗布されてよい。前記の下地は、この下地上に既に別の被覆層、例えば硬化された又は硬化されていない、電着されたプライマー、プライマーサーファー及び/又はベースコートの層を有するあらゆる前記の材料であってもよい。
【0042】
下地への被覆組成物の適用後に、被覆は、有利には、反応体が不溶性のポリマー網状組織を形成させるのに十分な温度及び時間で加熱することによって硬化される。その硬化温度は、通常、約105℃〜約175℃であり、硬化の長さは、通常、約15分間〜約60分間である。有利には、被覆は、約120℃〜約150℃で約20分間〜約30分間硬化される。加熱は、赤外線加熱炉及び/又は熱対流炉で行なわれうる。
【0043】
一実施態様において、前記の被覆組成物は、自動車複合材料のカラー・プラス・クリア被覆のクリアコートとして使用される。適用される着色されたベースコート組成物は、あらゆる多数の当業者によく知られているタイプであってよく、かつ本明細書中で詳細な説明は不要である。ベースコート組成物において有用である当業者に公知のポリマーは、アクリル樹脂、ビニル樹脂、ポリウレタン、ポリカーボネート、ポリエステル、アルキド及びポリシロキサンを含む。好ましいポリマーは、アクリル樹脂及びポリウレタンを含む。本発明の好ましい一実施態様において、ベースコート組成物は、カルバメート官能性アクリルポリマーも使用する。ベースコートポリマーは、熱可塑性であってよいが、しかし、有利には架橋可能であり、かつ1つ以上のタイプの架橋性官能基を含有する。かかる基は、例えばヒドロキシ基、イソシアネート基、アミン基、エポキシ基、アクリレート基、ビニル基、シラン基及びアセトアセテート基を含む。前記の基は、それらが阻害されず、かつ所望の硬化条件下で、一般的に高温で架橋反応に使用できるようにマスクされる、又は阻害されてよい。有用な架橋性官能基は、ヒドロキシ基、エポキシ基、酸基、無水物基、シラン基及びアセトアセテート基を含む。好ましい架橋性官能基は、ヒドロキシ官能基及びアミノ官能基を含む。
【0044】
ベースコートポリマーは、自己架橋性であってよく、又はポリマーの官能基と反応する別々の架橋剤を要求してよい。ポリマーがヒドロキシ官能基を有する場合に、例えば、架橋剤は、アミノプラスト樹脂、イソシアネート及びブロックトイソシアネート(イソシアヌレートを含む)、並びに酸又は無水物官能性架橋剤であってよい。
【0045】
本発明のクリアコート被覆組成物は、一般的に、工業界で広範囲に行なわれている、ベースコート被覆組成物の上にウェット・オン・ウェットで適用される。本明細書に記載された被覆組成物は、有利には、前記のように被覆層を硬化する条件をうける。
【0046】
本発明を、以下の実施例でさらに説明する。実施例は単に例証するものであって、記載し請求した本発明の範囲を制限するものではない。全ての部は、特に記載されない限り質量部である。
【0047】
配合物1:エポキシ官能性アクリル樹脂の合成
400gのAromatic100を、丸底フラスコ中で150℃まで加熱し、そして1600gのグリシジルメタクリレート、40gのグリシジルメタクリレートカルボネート、160gのn−ブチルアクリレート、200gのメチルメタクリレート、及び100gのAromatic100の混合物を、3時間、均一な割合で、200gのt−ブチル−ペルオキシ−2−エチルヘキサノエートと100gのAromatic100との混合物と同時に添加した。全ての混合物を添加した後に、さらに20gのTBPO及び30gのAromatic100を、30分間にわたって、一定の割合で反応混合物に添加して、あらゆる未反応のモノマーを転化した。そのフラスコの含有物を、反応温度でさらに1時間維持し、そして冷却した。アクリルポリマー生成物は、不揮発性含有率70%、及び滴定されたエポキシド当量(WPE)180g/エポキシドを有した。そのポリマーは、分子量Mn2120、Mw3670、ポリスチレン標準に対する多分散性1.7、及び(Foxの式を使用して)計算されたTg64℃を有した。
【0048】
配合物2:エポキシ官能性アクリル樹脂の合成
60gのAromatic100を、反応容器中で140℃まで加熱し、そして99.4gのグリシジルメタクリレート、40.6gのn−ブチルアクリレート、60gのブチルメタクリレート、及び10gのAromatic100の混合物を、一定の割合で、4時間にわたって、20gのtert−ブチル−ペルオキシ−2−エチルヘキサノエートを10gのAromatic100中で同時に添加した。全ての混合物を添加した後に、2gのtert−ブチル−ペルオキシ−2−エチルヘキサノエートを10gのAromatic100中で、30分間にわたって、一定の割合で反応混合物に添加して、あらゆる未反応のモノマーを転化した。そのフラスコの含有物を、140℃でさらに1時間維持し、そして冷却した。アクリルポリマー生成物は、不揮発性含率70%、及び滴定されたエポキシド当量(WPE)300g/エポキシドを有した。そのポリマーは、分子量Mn745、Mw1400、及びポリスチレン標準に対するGPCによって測定された多分散性1.9を有した。その樹脂は、(Foxの式を使用して)計算されたTg23℃を有した。
【0049】
配合物3:酸、カルバメート化合物の合成
ヘキサヒドロフタル酸無水物308g、ヒドロキシプロピルカルバメート238g、及びn−ブチルアセテート103gを、IRが、無水物ピーク1850cm-1及び1780cm-1の完全な欠如を示し、かつ水酸化ナトリウム水溶液での滴定が、260〜273g/COOHまでの酸当量を示すまで、100〜110℃まで加熱し、その温度で約12時間維持した。最終生成物は、不揮発分77.6質量%であることが見出され、かつ酸当量274.9g/COOHを有する蝋状固体であった。
【0050】
配合物4:酸、カルバメート化合物の合成
無水コハク酸200g、ヒドロキシプロピルカルバメート119g、及びトルエン100gを、反応容器中で100〜110℃で保持した。その反応を、続いて、赤外分光(IR)(1850cm-1及び1780cm-1での無水物ピークの消失)し、及び水酸化ナトリウム水溶液で滴定した。IRが1850cm-1及び1780cm-1でピークを示さず、滴定が、酸当量が210〜230g/COOHであることを示す場合に、その反応を止めた。その最終生成物は、不揮発分81質量%であり、かつ213g/COOHの当量を有した。
【0051】
配合物5:ヒドロキシ含有アクリルポリマーの合成
アクリル酸12.4g、2−ヒドロキシエチルメタクリレート48.2g、2−エチルヘキシルアクリレート16.6g、スチレン8g、n−ブチルメタクリレート42g、及びメチルメタクリレート7.4gの混合物を、均一に、4時間にわたって、プロピレングリコールモノプロピルエーテル2g中でtert−ブチルペルオキシ2−エチルヘキサノエート12.4g、及びtert−ブチルペルオキシアセテート6gの溶液と同時に、プロピレングリコールモノプロピルエーテル25gを含有する反応物に、150℃で添加した。添加後に、その生成物を、140℃でさらに1時間維持して、転化を完了した。メチルプロピルケトン30gを添加して、その樹脂を65%不揮発性溶液にした。理論的なTgを23.4℃で計算し、測定された当量は330g/ヒドロキシルであり、そしてポリスチレン標準に対するGPC解析は、分子量Mn3300、Mw5850及び多分散性1.8を示した。
【0052】
【表1】

【0053】
被覆組成物は、以下の組合せを使用した:
【表2】

【0054】
実施例1〜7の被覆組成物を、次の方法で試験した。不揮発性含分を測定した。その被覆組成物の例を、電着プライマー、噴霧プライマー(BASF社製のU28プライマー)1mi(25.4mm)、及び水性黒色ベースコートE54KW225(BASF社製)0.6milで被覆した鋼板に噴霧し、そして20分間285゜F(140℃)で焼いた。硬化された塗膜は、厚さ約1.8mil(45.7mm)であった。硬化の程度を、ASTM法D5402に従って、メチルエチルケトン二重摩擦(double rub)によって測定した。硬化された被覆の硬さを、50,1秒刻みの系列で増加させた100mNの最小の力に関して、DIN 50359によるFisher硬度として、Fisherscope硬度試験器型HM100V装置を使用して、測定した。硬度を、N/mmで記録した。Tukon硬度を、ASTM法D1474によって測定し、そしてKnoop単位で繰り返した。摩擦試験器を、10サイクルの試験の前後に、硬化された被覆の耐引掻性及び耐摩耗性を試験するために使用し、そしてその光沢を、ASTM法D523によって、HunterPro光沢試験で測定した。その試験結果を、以下の表で示す。
【0055】
【表3】

【0056】
その結果は、"段階的な架橋"を受けうる材料を含有するペイント調合物が、MEK二重摩擦、Fisher及びTukon硬度、並びに不揮発性(及び従ってより低いVOC数)による測定として、同等又はよりよい膜特性を示すことを示す。
【0057】
本発明の明細書は、性質において単に例示的であり、かつ、従って、本発明の要旨から逸脱しない変更は、本発明の範囲内にあることを意図する。かかる変更は、本発明の意図及び範囲からの逸脱とみなされない。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
硬化性被覆組成物であって、
(a)エポキシド当量約150〜約1500を有するアクリルポリマー、
(b)環状無水カルボン酸化合物とヒドロキシアルキルカルバメートとの反応生成物、及び
(c)アミノプラスト架橋剤
を含有する硬化性被覆組成物。
【請求項2】
前記の無水化合物が、一官能性の無水化合物である、請求項1に記載の硬化性被覆組成物。
【請求項3】
前記の無水化合物が、多官能性の無水化合物である、請求項1に記載の硬化性被覆組成物。
【請求項4】
前記の無水化合物が、無水フタル酸、無水テトラヒドロフタル酸、無水コハク酸、無水マレイン酸、無水トリメリト酸、無水ピロメリト酸、無水ヘキサヒドロフタル酸、無水ドデカニルコハク酸、及び無水アジピン酸からなる群から選択される、請求項1に記載の硬化性被覆組成物。
【請求項5】
前記のヒドロキシアルキルカルバメートが、ヒドロキシエチルカルバメート、ヒドロキシプロピルカルバメート、及びヒドロキシブチルカルバメートからなる群から選択される、請求項1に記載の硬化性被覆組成物。
【請求項6】
さらに、ブロックトポリイソシアネート架橋剤を含有する、請求項1に記載の硬化性被覆組成物。
【請求項7】
前記のアクリルポリマーが、さらにヒドロキシル官能性を有する、請求項1に記載の硬化性被覆組成物。
【請求項8】
前記のアクリルポリマーが、ヒドロキシル当量約300〜約700を有する、請求項7に記載の硬化性被覆組成物。
【請求項9】
さらに、ヒドロキシル当量約300〜約700を有する第二のアクリルポリマーを含有する、請求項1に記載の硬化性被覆組成物。
【請求項10】
さらに、ブロックトポリイソシアネート硬化剤を含有する、請求項1に記載の硬化性被覆組成物。
【請求項11】
さらに、ネオデカン酸、ネオデカン酸のグリシジルエステル、ヒドロキシステアリン酸、炭素原子8〜18個を有する脂肪酸、二量体脂肪酸、三量体脂肪酸、炭素原子8〜18個を有する脂肪族アルコール、二量体脂肪族アルコール、三量体脂肪族アルコール、及びそれらの組合せからなる群から選択された要素を含有する、請求項1に記載の硬化性被覆組成物。
【請求項12】
(a)エポキシド当量約150〜約1500を有するアクリルポリマー、酸及びカルバメート基を有する化合物、並びにアミノプラスト架橋剤を含有する硬化性被覆組成物の層を下地に適用する工程、
(b)被覆組成物の適用された層を化合物の酸及びカルバメート基が反応する温度で硬化する工程
を含む、下地の被覆方法。
【請求項13】
前記の硬化性被覆組成物が、さらにブロックトポリイソシアネート架橋剤を含有する、請求項12に記載の下地の被覆方法。
【請求項14】
前記のアクリルポリマーが、さらにヒドロキシル官能性を有する、請求項12に記載の下地の被覆方法。
【請求項15】
前記のアクリルポリマーが、ヒドロキシル当量約300〜約700を有する、請求項14に記載の下地の被覆方法。
【請求項16】
前記の硬化性被覆組成物が、さらにヒドロキシル当量約300〜約700を有する第二のアクリルポリマーを含有する、請求項12に記載の下地の被覆方法。
【請求項17】
前記の酸及びカルバメート基を有する化合物が、平均で、カルバメート基0.5〜1.5毎に1つの酸基を有する、請求項12に記載の下地の被覆方法。
【請求項18】
前記の酸及びカルバメート基を有する化合物が、無水化合物とヒドロキシアルキルカルバメートとの反応生成物である、請求項12に記載の下地の被覆方法。
【請求項19】
前記の無水化合物が、無水フタル酸、無水テトラヒドロフタル酸、無水コハク酸、無水マレイン酸、無水トリメリト酸、無水ピロメリト酸、及び無水ヘキサヒドロフタル酸からなる群から選択され、かつさらに、その際、ヒドロキシアルキルカルバメートが、ヒドロキシエチルカルバメート、ヒドロキシプロピルカルバメート、及びヒドロキシブチルカルバメートからなる群から選択される、請求項18に記載の下地の被覆方法。

【公表番号】特表2010−536990(P2010−536990A)
【公表日】平成22年12月2日(2010.12.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−521844(P2010−521844)
【出願日】平成20年7月21日(2008.7.21)
【国際出願番号】PCT/US2008/008853
【国際公開番号】WO2009/025708
【国際公開日】平成21年2月26日(2009.2.26)
【出願人】(505470786)ビー・エイ・エス・エフ、コーポレーション (81)
【Fターム(参考)】