説明

多方向入力装置

【課題】ハウジングの外形寸法の大型化を抑制しつつ、操作体のスライド移動量を大きくすること。
【解決手段】内部に空洞部を有し開口部22が形成されたハウジングと、開口部22から露出する操作部51と空洞部内に配置された鍔状部52及び当該鍔状部52よりも小径の保持部材9を有しスライド移動可能な操作体5と、操作体5のスライド動作を検出する検出手段と、保持部材9の外周側に環状に配置され操作体5を初期位置に復帰させるコイルばね10とを具備し、コイルばね10は、初期位置に配置された保持部材9に対応する位置にハウジングから突出形成された突出部32を保持部材9と共に内周側に収容し、操作体5がスライド移動されると、鍔状部52側の頂部が鍔状部52で規制された状態において、スライド方向と反対側の内周部が突出部32で係止される一方、スライド方向側の内周部が保持部材9で押し広げられることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、多方向入力装置に関し、特に、携帯電話装置やゲーム機用コントローラなどにおける方位入力操作に好適な多方向入力装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ハウジング内にスライド移動可能に収納され、大径部を有する操作体と、この操作体の大径部の外周面に巻装され、当該大径部を初期位置に自動復帰させる環状コイルばねとを備え、操作体がスライド操作されると、大径部が環状コイルばねをスライド方向に伸長させる一方、スライド操作が解除されると、環状コイルばねの付勢力により操作体を初期位置に復帰させる多方向入力装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2008−47389号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、上述したような従来の多方向入力装置においては、操作体に設けられた大径部の外周面に環状コイルばねを巻装することから、操作体のスライド移動量を大きくしようとする場合、ハウジングの外形寸法も大きくなってしまうという問題がある。
【0004】
本発明はこのような問題点に鑑みてなされたものであり、ハウジングの外形寸法の大型化を抑制しつつ、操作体のスライド移動量を大きくすることができる多方向入力装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の多方向入力装置は、内部に空洞部を有し開口部が形成されたハウジングと、前記開口部から露出する操作部を備えると共に前記空洞部内に配置された鍔状部及び当該鍔状部よりも小径の小径部を有しスライド移動可能な操作体と、前記操作体のスライド動作を検出する検出手段と、前記小径部の外周側に環状に配置され前記操作体を初期位置に復帰させる弾性部材とを具備し、前記弾性部材は、初期位置に配置された前記小径部に対応する位置に前記ハウジングから突出して設けられた突出部を当該小径部と共に内周側に収容し、前記操作体がスライド移動されると、前記鍔状部側における前記弾性部材の頂部が当該鍔状部で規制された状態において、スライド方向と反対側に位置する当該弾性部材の一方側が前記突出部で係止されると共に、スライド方向側に位置する他方側が前記小径部で押し広げられることを特徴とする。
【0006】
上記多方向入力装置によれば、弾性部材が小径部の外周側に配置され、操作体のスライド移動に応じてこの小径部により押し広げられることから、大径部の周囲に弾性部材が配置される場合と比べて、スライド移動量の増加に伴って必要となる空間を縮小することができるので、ハウジングの外形寸法の大型化を抑制しつつ、操作体のスライド移動量を大きくすることが可能となる。
【0007】
例えば、上記多方向入力装置においては、前記小径部が前記鍔状部の前記ハウジングにおける底面部側に設けられる一方、当該底面部から前記突出部が突出形成される。この場合には、例えば、操作者からスライド操作を受け付ける操作部をハウジングから突出させるような場合に、検出手段の一部を突出部の裏面側に配置するなど、ハウジング内の空洞部を有効に活用することができ、多方向入力装置を薄型化することが可能となる。
【0008】
上記多方向入力装置においては、前記操作体を末端までスライド移動した際、前記鍔状部におけるスライド方向と反対側の端部が前記突出部の端部よりも外周側の位置に配置されることが好ましい。この場合には、操作体を末端までスライド移動した場合においても、鍔状部で弾性部材の頂部を規制することができるので、弾性部材が鍔状部側に移動して操作性が損なわれるのを防止することが可能となる。
【0009】
上記多方向入力装置において、前記弾性部材は、環状のコイルばねで構成されると共に、当該コイルばねと前記鍔状部との間にスペーサ部材を配置し、前記鍔状部は、前記スペーサ部材を介して前記コイルばねの頂部を規制することが好ましい。この場合には、コイルばねと鍔状部との間にスペーサ部材が配置され、このスペーサ部材を介してコイルばねの頂部が規制されることから、鍔状部がコイルばねとの接触により摩耗する事態を防止することが可能となる。
【0010】
上記多方向入力装置においては、前記操作体と共に移動する永久磁石と、前記永久磁石による磁界を検出する磁気センサとで前記検出手段を構成し、前記小径部内に前記永久磁石を保持することが好ましい。この場合には、非接触の態様で操作体のスライド動作を検出する検出手段を構成できるので、接点の摩耗等による不具合を回避して長寿命化を実現することが可能となる。
【0011】
特に、上記多方向入力装置においては、弾性部材を非磁性材料で形成することが好ましい。この場合には、弾性部材を非磁性材料で形成したことから、弾性部材が永久磁石による磁界に影響を及ぼすのを防止できるので、高い精度で操作体のスライド動作を検出することが可能となる。
【0012】
また、上記多方向入力装置においては、前記磁気センサを、前記ハウジングにおける前記突出部を形成する裏面側の凹部に配置することが好ましい。この場合には、突出部を形成する際に設けられる空間を利用して磁気センサを配置することができるので、装置本体を薄型化することが可能となる。また、操作体などの駆動部材が配置される空間と異なる空間に磁気センサを配置しているので、摩耗粉などの異物が磁気センサに入り込む事態を防止することが可能となる。
【0013】
さらに、上記多方向入力装置においては、前記小径部を前記鍔状部と別部材で構成し、前記小径部は、前記永久磁石を収納する収納部を有する保持部材で構成され、当該保持部材における前記突出部側の表面を当該突出部に面接触させることが好ましい。この場合には、小径部を鍔状部と別部材で構成すると共に、その内部に永久磁石を収納することから、永久磁石を取り付ける作業を容易化することが可能となる。また、保持部材における突出部側の表面を突出部に面接触させていることから、操作体を安定して支持することができるので、操作時に永久磁石を安定してスライド移動させることができ、高い精度で操作体のスライド動作を検出することが可能となる。
【0014】
さらに、上記多方向入力装置においては、前記突出部に面接触する前記保持部材の表面に凹部又は開口部を形成することが好ましい。この場合には、保持部材と突出部との接触に伴って発生し得る摩耗粉を溜めておくことができ、この摩耗粉に起因する不安定な操作体のスライド移動を効果的に防止することが可能となる。
【0015】
さらに、上記多方向入力装置においては、前記操作体の前記操作部は、前記鍔状部と一体に設けられており、前記鍔状部を前記ハウジングに形成された前記開口部より大きい寸法とする一方、前記操作部を当該開口部より小さな寸法とし、当該操作部を前記開口部から装置外部に突出させることが好ましい。この場合には、ハウジングの開口部よりも寸法の大きい鍔状部と一体に操作部が設けられていることから、操作部が外れる事態を確実に防止することが可能となる。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、弾性部材が小径部の外周側に配置され、操作体のスライド移動に応じてこの小径部により押し広げられることから、大径部の周囲に弾性部材が配置される場合と比べて、スライド移動量の増加に伴って必要となる空間を縮小することができるので、ハウジングの外形寸法の大型化を抑制しつつ、操作体のスライド移動量を大きくすることが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、本発明の実施の形態について添付図面を参照して詳細に説明する。本実施の形態に係る多方向入力装置は、例えば、携帯電話装置やゲーム機用コントローラなどにおける方位入力操作に用いられるものである。なお、本実施の形態に係る多方向入力装置の用途については、これらに限定されるものではなく適宜変更が可能である。
【0018】
(実施の形態1)
図1及び図2は、それぞれ本発明の実施の形態1に係る多方向入力装置1の分解斜視図である。図3は、実施の形態1に係る多方向入力装置1の平面図である。図4は、図3に示す一点鎖線Aにおける断面図である。図5は、図3に示す一点鎖線Bにおける断面図である。なお、図1においては、多方向入力装置1を図4に示す下方側から見た分解斜視図を示し、図2においては、多方向入力装置1を図4に示す上方側から見た分解斜視図を示している。以下においては、説明の便宜上、図1及び図2の右方側を多方向入力装置1の上方側と呼び、同図の左方側を多方向入力装置1の下方側と呼ぶものとする。
【0019】
図1及び図2に示すように、本実施の形態に係る多方向入力装置1は、ハウジングを構成する上部ケース2及び下部ケース3を備え、これらを組み合わせて内部に形成される空洞部に各種の構成部材を収納して構成される。上部ケース2及び下部ケース3は、重ね合わせた状態において、多方向入力装置1の下方側に配置される取付部材4と上部ケース2とがスナップ結合することにより一体化されている。
【0020】
上部ケース2及び下部ケース3は、例えば、絶縁性の樹脂材料を成形して形成される。上部ケース2は、下方側に開口した箱形状を有し、その上面部21の中央に円形状を有する開口部22が形成されている。また、上部ケース2は、平坦な板状の壁部からなる上面部21の4辺から下方側に延伸する側壁部23を有している。これらの側壁部23のうち、対向する一対の側壁部23aの内壁は平面部を構成し、互いに平行に配置されている。下部ケース3は、上方側に開口した箱形状を有し、その底面部31の中央に円形状の突出部32が設けられている。この突出部32は、下部ケース3の平坦な板状の壁部からなる底面部31を盛り上げて形成されており、この底面部31の背面側には概して長円形状の凹部33が設けられている。この突出部32の上面には、後述する保持部材9が載置される平面部32aが形成されている。これらの上部ケース2及び下部ケース3が組み合わされて、概して偏平な方形状のハウジングが形成されるものとなっている。
【0021】
ハウジング内に形成される空洞部には、操作体5、規制部材6、スペーサ部材7、永久磁石(以下、単に「磁石」という)8、保持部材9及びコイルばね10が収納される。操作体5は、その一部を上部ケース2の開口部22から上方側に突出した状態で収納されている。規制部材6は、後述する操作体5の凹部54及び凹部55に配置される。保持部材9は、内部に磁石8を保持した状態で操作体5の下面に取り付けられる。コイルばね10は、操作体5に取り付けられた保持部材9及び下部ケース3の突出部32の外周側に配置される。スペーサ部材7は、操作体5及び規制部材6と、コイルばね10との間に介在して配置される。以下、各構成部材の構成について説明する。
【0022】
操作体5は、例えば、絶縁性の樹脂材料を成形して形成され、上部ケース2の開口部22から上方側に突出した状態で露出する操作部51と、ハウジング内の空洞部に配置される鍔状部52と、これらを連結するくびれ部53とを有している。操作部51及び鍔状部52は、共に円盤形状を有しており、くびれ部53は、これらより小径に設けられている。なお、これらの操作部51、鍔状部52及びくびれ部53は、操作体5を平面視した際に、同心円状となるように形成されている。操作部51は、上部ケース2の開口部22を介して外部側に挿通可能な寸法、すなわち、開口部22よりも小径に設けられ、開口部22から露出した部分で操作者からのスライド操作を受け付けるものとなっている。鍔状部52は、この操作部51と共に移動する。鍔状部52の下面中央には、多方向入力装置1の図3における左右方向、すなわち、規制部材6の長手方向に沿って帯状に一対の凹部54が形成されている。この凹部54の中央には、鍔状部52と同心円をなす円形状の凹部55が形成されている。これらの凹部54及び凹部55には、規制部材6が配置される。また、凹部55には、磁石8を保持した状態の保持部材9が配置される。
【0023】
なお、上部ケース2の開口部22から上方側に突出するくびれ部53の一部には、多方向入力装置1の内部を遮蔽する遮蔽部材11が取り付けられる。遮蔽部材11は、例えば、ポリカーボネート樹脂で形成され、中央に円形の開口部が形成されたリング状を有するシート材として構成されている。遮蔽部材11は、中央開口部の径がくびれ部53の外径と略同一に設けられる一方、その外径が上部ケース2の開口部22よりも大きい径に設けられている。遮蔽部材11の一部にはスリット111が形成されており、このスリット111を介して遮蔽部材11がくびれ部53に取り付けられるものとなっている。
【0024】
規制部材6は、例えば、ステンレス等の非磁性金属材料で形成され、概して多方向入力装置1の図3における左右方向に延伸する長尺形状を有している。規制部材6は、操作体5の鍔状部52に形成された凹部54と略同一の幅を有する板状部61と、この板状部61の長手方向である左右方向の両端部から下方側に折り曲げ形成される一対の規制片62とを有している。これらの規制片62は、上部ケース2の側壁部23aの内壁面に対向するように平行に配置される。これらの規制片62の外面間の長さは、上部ケース2の側壁部23aの内壁面間の長さと略同一に設けられている。なお、規制部材6は、非磁性体で構成されていれば、必ずしも金属材料で構成される必要はなく、例えば、絶縁性の樹脂材料で形成しても良い。
【0025】
スペーサ部材7は、例えば、ステンレス等の非磁性金属材料で形成され、円環形状を有する薄板部材で構成されている。スペーサ部材7の中央には、円形状を有する開口部71が形成されており、この開口部71の内径は、操作体5の鍔状部52に形成された凹部55の外径よりも僅かに大きい寸法に設けられている。なお、スペーサ部材7は、非磁性体で構成されていれば、必ずしも金属材料で構成される必要はなく、例えば、絶縁性の樹脂材料で形成することも可能である。
【0026】
保持部材9は、例えば、絶縁性の樹脂材料を成形して形成され、概して上方側に開口した円形状を有している。この保持部材9は、鍔状部52の下方側における中央部に、当該鍔状部52と同心円状をなして一体化される小径部を構成するものである。また、保持部材9は、円盤形状を有する磁石8を収納する円形状の収納部91を有し、その内底面92には、矩形状の開口部92aが形成されている。この開口部92aは、操作体5のスライド移動に伴う保持部材9と突出部32の平面部32aとの摺接により発生する摩耗粉を溜めるために形成されている。このように開口部92aを形成することにより、上記摩耗粉に起因する不安定な操作体5のスライド移動を効果的に防止することが可能となる。なお、ここでは保持部材9に開口部92aを形成しているが、凹部を形成するようにしても良い。また、収納部91の周囲に設けられる円弧状(円環状)の壁部からなる側壁部93には、規制部材6の板状部61の一部を収容した状態で挿通させる一対の切り欠き部93aが形成されている。この切り欠き部93aの幅寸法は、板状部61を挿通させるために、この板状部61よりも幅広に設定されている。また、切り欠き部93aの深さ寸法は、板状部61の板厚よりも僅かに大きなものとなっている。
【0027】
コイルばね10は、弾性部材として機能するものであり、例えば、ステンレス等の非磁性金属材料で形成されている。コイルばね10は、所定長さの柱状のコイルばねの両端に図示せぬフック部等を設けて、その両端(フック部)を連結することで環状に形成されている。このコイルばね10が伸長していない状態(無負荷状態)において、その内径は、下部ケース3の突出部32及び保持部材9の外径より僅かに小さい寸法に設けられている。このコイルばね10は、詳細について後述するように、操作体5がスライド移動した場合に操作体5を初期位置に復帰させる弾性力を、操作体5に固定されている保持部材9に付与するものである。
【0028】
ステンレス等の非磁性金属材料で形成された取付部材4の上面には、操作体5のスライド移動を検出する検出手段の一部を構成する後述の磁気センサ123が実装される回路基板12が固定される。この回路基板12は、磁気センサ123が下部ケース3の凹部33に対応する位置に配置されるように取付部材4に固定されている。なお、回路基板12において、磁気センサ123は、その構成部材の腐食や検出精度の劣化を防止するために、例えば、絶縁性の樹脂材料等による封止部121により封止されている。下部ケース3の凹部33は、この封止部121を収容するものとなっている。また、回路基板12上には、磁気センサ123を構成する磁気検出素子からの信号を外部出力する出力端子に接続される導電パターンからなる複数のリード線122が設けられている。なお、この回路基板12に実装される磁気センサ123については後述する。
【0029】
このような構成を有する多方向入力装置1を組み立てると、図3に示すように、操作体5の操作部51が上部ケース2の上方側に突出すると共に、くびれ部53の一部に取り付けられた遮蔽部材11が上部ケース2に載置された状態とされる。このように、上部ケース2の開口部22よりも大きい外径を有する遮蔽部材11が上部ケース2に載置されることから、開口部22を介して多方向入力装置1の内部が露出されることはない。
【0030】
多方向入力装置1の内部においては、図4及び図5に示すように、下部ケース3の突出部32の平面部32aの上方に、磁石8を保持した状態の保持部材9が載置されている。すなわち、操作体5がスライド移動していない初期状態においては、突出部32と小径部である保持部材9とは、両者が図4等の上下方向に重ね合わされるように対向配置されたものとなっている。コイルばね10は、これらの突出部32及び保持部材9の周囲を囲むように、無負荷状態から僅かに伸びた状態で下部ケース3の底面部31上に配置されている。操作体5は、操作部51を装置外部に突出させると共に、鍔状部52でコイルばね10の上方側(操作体5側)への移動を規制するように配置されている。すなわち、鍔状部52は、下部ケース3の底面部31と離間した状態で、略平行に対向配置されており、コイルばね10の上部がスペーサ部材7を介して鍔状部52に、下部が底面部31に規制されている。そして、操作体5のスライド移動に伴って、コイルばね10は、下部ケース3の底面部31と鍔状部52(スペーサ部材7)との間に形成される空間部内を伸長して変形するようになっている。規制部材6は、鍔状部52の下面の一部に収容した状態で配置され、その規制片62が上部ケース2の側壁部23aの内壁面に僅かなクリアランスをもって案内されるように対向配置されている(図4参照)。なお、この際、規制片62の先端は、下部ケース3の底面部31に接触しないように、両者は離間した状態となっている。
【0031】
スペーサ部材7は、操作体5の鍔状部52及び規制部材6の板状部61と、コイルばね10との間に配置されている。このように鍔状部52及び板状部61と、コイルばね10との間にスペーサ部材7を配置することにより、鍔状部52の凹部54と、規制部材6との間に隙間が形成される場合においても、その隙間にコイルばね10が引っ掛かったり、挟まったりする事態をスペーサ部材7で防止できるので、比較的安価なコイルばね10を弾性部材として備える場合においても、装置における操作性を損なうことはない。
【0032】
ここで、ハウジング内の空洞部に配置される操作体5と、規制部材6、スペーサ部材7と、保持部材9との関係について説明する。図6は、実施の形態1に係る多方向入力装置1が有する操作体5と規制部材6との関係を示す斜視図である。図7は、実施の形態1に係る多方向入力装置1が有する操作体5と、規制部材6、スペーサ部材7と、保持部材9との関係を示す斜視図である。図8は、図7に示す操作体5及びその周辺部材の側面図である。
【0033】
図6に示すように、規制部材6は、操作体5の鍔状部52の下面に形成された凹部54に凹部55を跨るようにして配置される。上述したように、規制部材6の板状部61の短手方向(Y方向)における幅は、凹部54の幅と略同一(厳密には凹部54よりも僅かに幅狭)に設けられていることから、板状部61は、凹部54に入り込んだ状態とされる。一方、規制部材6の規制片62は、上部ケース2の側壁部23aの内壁面に規制されるように対向配置されている。このため、操作体5に回転力が与えられた場合、凹部54の側壁部と板状部61の端面とが係合すると共に、規制片62が側壁部23aの内壁面に接触することで、操作体5の回転を規制するものとなっている。
【0034】
また、規制部材6は、板状部61が凹部54に収容されると共に、その規制片62が上部ケース2の側壁部23aの内壁面に対向配置されることから、側壁部23aによって、図6に示すX方向(第1の方向)へのスライド移動が規制される一方、同図に示すY方向(第2の方向)への移動が許容されるものとなっている。操作体5の図6に示すX方向へのスライド移動の際、板状部61のY方向に対向すると共にX方向に沿った端面は、操作体5を案内する案内部61aを構成する。この場合において、凹部54の対向する側壁部は、この案内部61aにより案内される被案内部54aを構成する。この被案内部54aを構成する側壁部は、鍔状部62の中央部を挟んで同図に示すX方向に対向する位置にX方向に延びた状態で形成されている。なお、操作体5の図6に示すY方向へのスライド移動の際には、凹部54の被案内部54aが、板状部61の案内部61aと係合し、操作体5と規制部材6とが一体的にスライド移動することとなる。
【0035】
このように多方向入力装置1においては、規制部材6を構成する板状部61を、鍔状部52に形成された凹部54に収容し、その板状部61の端面を案内部61aとする一方、凹部54の側壁部を被案内部54aとしていることから、多方向入力装置1の厚さ方向の寸法を大型化することなく、操作体5の回転動作を規制することが可能となっている。また、多方向入力装置1においては、板状部61の両端部に折り曲げ形成された規制片62をハウジングの内壁面に当接させて図6に示すX方向へのスライド移動を規制するようにしていることから、簡単な構成により規制部材6のX方向へのスライド移動を規制することが可能となっている。
【0036】
鍔状部52の凹部55には、図6に示すように、規制部材6が配置されていない部分に保持部材9の側壁部93に設けられた挿入ピン93b(図2参照)が挿入される挿入孔55aが形成されている。保持部材9は、収納部91に磁石8を収納した状態において、挿入孔55aに挿入ピン93bを圧入することで凹部55に固定される(図7参照)。この場合、保持部材9は、図7に示すように、規制部材6を操作体5の鍔状部52との間で挟むように凹部55に固定されている。このとき、規制部材6は、鍔状部52と保持部材9との間に挿通するように配置されることとなる。スペーサ部材7は、開口部71から保持部材9を下方側に突出させた状態において、操作体5の鍔状部52及び規制部材6の板状部61に対向して配置されている。
【0037】
このように固定された状態において、保持部材9は、操作体5と一体化された状態となり、図8に示すように、操作体5の下面に設けられた小径部として機能することとなる。コイルばね10は、このように小径部として機能する保持部材9及び下部ケース3の突出部32の外周側に配置される。保持部材9の内部には、磁石8が収納されており、操作体5のスライド移動に応じて磁石8も同様にスライド移動することとなる。上述した回路基板12に実装される磁気センサ123は、このようにスライド移動する磁石8から発生する磁界の変化、具体的には、磁束の向きの変化を検出することで操作体5のスライド移動先の位置(スライド位置)を検出するものとなっている。
【0038】
このように本多方向入力装置1においては、鍔状部52と、小径部として機能する保持部材9との間に規制部材6が挿通された状態で保持部材9が固定されることから、これらの部材をユニット化することができ、その組立性を向上させることが可能となっている。また、保持部材9の外周側にコイルばね10が配置されることから、コイルばね10を配置するための空間を特別に設ける必要がなく、装置本体を小型化することが可能となる。
【0039】
ここで、本実施の形態に係る多方向入力装置1が有する回路基板12に実装される磁気センサ123の概略構成について説明する。図9は、実施の形態1に係る多方向入力装置1が有する回路基板12に実装される磁気センサ123の平面図である。図10は、実施の形態1に係る多方向入力装置1が有する回路基板12に実装される磁気センサ123と磁石8との位置関係を示す図である。なお、図9及び図10において、回路基板12上に設けられたリード線121や出力端子等は省略している。また、図10においては、図9に示す左方側から回路基板12及び磁石8を示している。
【0040】
本実施の形態に係る多方向入力装置1においては、保持部材9に保持される磁石8と、回路基板12に実装された磁気センサ123とで検出手段が構成される。この場合において、磁気センサ123は、基本的な構成として、反強磁性層、ピン層、中間層及びフリー層を回路基板12上に積層して形成され、巨大磁気抵抗効果を利用した複数(本実施の形態では4つ)のGMR(Giant Magneto Resistance)素子123aと、これらのGMR素子123aからの出力信号を増幅すると共に、増幅後の出力信号に基づいて磁石8(操作体5)のスライド位置を算出する制御回路123bとを有している。
【0041】
磁気センサ123においては、保持部材9に保持される磁石8からの磁束をGMR素子123aに作用させて、その電気抵抗値の変化を磁束の向きにより生じさせる。例えば、磁石8が磁気センサ123側にN極、操作体5側にS極が着磁されている場合、磁石8からの磁束は、概して図10に示す矢印のように発生する(なお、図10に示す紙面手前側及び奥側にも同様に発生する)。磁気センサ123においては、4つのGMR素子123aでブリッジ回路を構成し、一対のGMR素子123aにおける電気抵抗値の変化に応じた出力信号と、他の一対のGMR素子123aにおける電気抵抗値の変化に応じた出力信号との差異に基づいて、磁石8(操作体5)のスライド位置を算出するものとなっている。
【0042】
なお、この磁気センサ123が備えるGMR素子123aが巨大磁気抵抗効果を発揮するためには、例えば、反強磁性層がα−Fe層、ピン層がNiFe層、中間層がCu層、フリー層がNiFe層から形成されることが好ましいが、これらのものに限定されるものではなく、磁気抵抗効果を発揮するものであれば、いずれのものであってもよい。また、磁気センサ123が備えるGMR素子123aは、磁気抵抗効果を発揮するものであれば、上記の積層構造のものに限定されるものではない。
【0043】
次に、本実施の形態に係る多方向入力装置1における操作体5がスライド移動した場合の動作について説明する。図11は、実施の形態1に係る多方向入力装置1の初期状態における平面図である。図12は、図11に示す状態から操作体5を同図に示すX方向にスライド移動した場合の平面図である。図13は、図12に示す一点鎖線Aにおける断面図である。図14は、図11に示す状態から操作体5を同図に示すY方向にスライド移動した場合の平面図である。図15は、図14に示す一点鎖線Bにおける断面図である。なお、図11〜図15においては、説明の便宜上、上部ケース2及び遮蔽部材11を取り除いている。また、図12及び図14においては、操作体5が末端の位置までスライド移動した場合について示している。
【0044】
初期状態においては、図11に示すように、規制部材6がハウジング(下部ケース3)の略中央に配置されている。多方向入力装置1の内部においては、各構成部材が図4及び図5に示す状態とされている。すなわち、磁石8を保持した保持部材9は、下部ケース3の突出部32に対向した状態で載置されており、これらの突出部32及び保持部材9の外周側にコイルばね10が配置されている。この場合、保持部材9は、コイルばね10による弾性力により突出部32の中央位置(初期位置)に配置された状態となっている。
【0045】
図11に示す状態から同図に示すX方向に操作体5をスライド移動する際、図12に示すように、操作体5は、規制部材6の板状部61の端面で構成される案内部61aに沿って、操作体5の鍔状部52の凹部54の側壁部で構成される被案内部54aが案内される。この場合、規制部材6は、移動しないでハウジングの略中央の位置に維持されている。多方向入力装置1の内部においては、図13に示すコイルばね10の左方側端部の内周部が突出部32の左方側端部に係止されると共に、その上部(頂部)がスペーサ部材7を介して鍔状部52により規制された状態において、コイルばね10の右方側端部の内周部が保持部材9の右方側端部でX方向に押し広げられている。この場合、鍔状部52及びスペーサ部材7の左方側端部は、突出部32の左方側端部よりも外側(左方側)の位置でコイルばね10の上部を押さえていることから、コイルばね10がスペーサ部材7の端部から外れて、鍔状部52の凹部54等に入り込むような事態を確実に防止するものとなっている。そして、図13に示す状態から、操作部51に対するスライド操作が解除されると、コイルばね10の弾性力により、保持部材9が押し戻される。これにより、保持部材9は、図4に示す初期位置に復帰するものとなっている。
【0046】
一方、図11に示す状態から同図に示すY方向に操作体5をスライド移動する際、図14に示すように、操作体5は、操作体5の鍔状部52の凹部54の側壁部で構成される被案内部54aが規制部材6の板状部61の端面で構成される案内部61aと係合し、規制部材6と一緒に移動する。この場合、規制部材6は、規制片62で上部ケース2の側壁部23aの内壁面に沿ってスライド移動する。多方向入力装置1の内部においては、図15に示すコイルばね10の左方側端部の内周部が突出部32の左方側端部に係止されると共に、その上部(頂部)がスペーサ部材7を介して鍔状部52により規制された状態において、コイルばね10の右方側端部の内周部が保持部材9の右方側端部でY方向に押し広げられている。この場合、鍔状部52及びスペーサ部材7の左方側端部は、突出部32の左方側端部よりも外側(左方側)の位置でコイルばね10の上部を規制していることから、コイルばね10がスペーサ部材7の端部から外れて、鍔状部52の外周側等に入り込むような事態を確実に防止するものとなっている。そして、図15に示す状態から、操作部51に対するスライド操作が解除されると、コイルばね10の弾性力により、保持部材9が押し戻される。これにより、保持部材9は、図5に示す初期位置に復帰するものとなっている。
【0047】
また、図11に示す状態から同図に示すX方向とY方向との中間方向(例えば、図11に示す右下方側45°の方向)に操作体5をスライド移動させる場合には、操作体5は、図13及び図15で説明した動作が組み合わされて動作する。すなわち、図11に示すX方向へのスライド移動は、規制部材6の案内部61aと、操作体5の被案内部54aとにより案内され、同図に示すY方向へのスライド移動は、規制部材6の規制片62と、上部ケース2の側壁部23aの内壁面とで案内される。多方向入力装置1の内部においては、操作体5のスライド方向と反対側に配置されるコイルばね10の一方側の端部(内周部)が下部ケース3の突出部32により係止されると共に、その上方側からスペーサ部材7を介して鍔状部52により規制された状態において、スライド方向側に位置するコイルばね10の他方側の端部(内周部)が保持部材9のスライド方向側端部でX方向とY方向との中間方向に押し広げられている。そして、初期位置に復帰する際も同様に、操作部51に対するスライド操作が解除されると、コイルばね10の弾性力により、保持部材9が押し戻される。これにより、保持部材9は、図4及び図5に示す初期位置に復帰するものとなっている。
【0048】
なお、操作体5のいずれの方向におけるスライド移動においても、操作体5が上部ケース2に形成された開口部22の内側部(内周部)に当接することにより、その方向へのスライド移動が制限されている。すなわち、開口部22の内周部がスライド移動のストッパとなっており、操作体5を末端までスライド移動させた際には、操作体5の円形状(円筒状)をしたくびれ部53の外周部が開口部22の内周部に当接するものとなっている。ただし、操作体5のストッパはこれに限られず、例えば、操作体5の鍔状部52が上部ケース2の内側壁と当接するように構成しても良い。
【0049】
このように本多方向入力装置1においては、操作体5のスライド移動に伴って保持部材9により押し広げられたコイルばね10の上部(操作体5側の頂部)を、スペーサ部材7を介して操作体5の鍔状部52で規制するようにしているので、コイルばね10の操作体5側への移動を制限してコイルばね10が所望の位置から脱落する事態を防止でき、コイルばね10により確実に操作体5を初期位置に復帰させることが可能となっている。特に、図13及び図15に示すように、操作体5を末端までスライド移動した際、鍔状部52におけるスライド方向と反対側の端部が突出部32の端部よりも外周側の位置に配置されるようにしている。これにより、操作体5を末端までスライド移動した場合においても、鍔状部52でコイルばね10の頂部を規制することができるので、コイルばね10が鍔状部52等の操作体5側に移動して操作性が損なわれるのを防止することが可能となる。また、コイルばね10の頂部をスペーサ部材7を介して操作体5の鍔状部52で規制することから、鍔状部52がコイルばね10との接触により摩耗する事態を防止することが可能となる。
【0050】
本実施の形態に係る多方向入力装置1においては、このように操作体5に対してスライド操作が行われた方向にスライド移動する際、並びに、スライド移動先の位置から初期位置に復帰する際、回路基板12に実装された磁気センサ123によって、保持部材9に保持された磁石8からの磁束の向きを検出し、操作体5(磁石8)のスライド位置を検出する。これにより、操作部51に対して行われたスライド操作に応じて、適切に操作体5のスライド動作を検出することが可能となる。
【0051】
このように本多方向入力装置1においては、非接触の態様で操作体5のスライド位置を検出する検出手段を構成しているので、検出手段としての接点の摩耗等による不具合を回避して検出手段の長寿命化を実現することが可能となる。また、本多方向入力装置1においては、規制部材6、コイルばね10及びスペーサ部材7を非磁性材料で形成することにより、これらの部材が磁石8からの磁界に影響を及ぼすのを防止しているので、高い精度で操作体5のスライド位置を検出することが可能となっている。
【0052】
以上説明したように、本実施の形態に係る多方向入力装置1においては、コイルばね10が小径部としての保持部材9の外周側に配置され、操作体5のスライド移動に応じてこの保持部材9により伸長されることから、大径部の周囲にコイルばね10が配置される場合と比べて、スライド移動量の増加に伴って必要となる空間を縮小することができるので、ハウジングの外形寸法の大型化を抑制しつつ、操作体5のスライド移動量を大きくすることが可能となる。
【0053】
特に、本実施の形態に係る多方向入力装置1においては、保持部材9を鍔状部52の下部ケース3における底面部31側に設ける一方、この底面部31から突出部32を突出形成させている。そして、この突出部32の裏面側の凹部33に磁気センサ123を配置している。これにより、突出部32を形成する際に設けられる空間を利用して磁気センサ123を配置することができるので、装置本体を薄型化することが可能となる。また、操作体5などの駆動する部材が配置される空間と異なる空間に磁気センサ123を配置することができるので、摩耗粉などの異物が磁気センサ123に入り込む事態を防止することが可能となる。
【0054】
なお、ここでは、保持部材9を鍔状部52の下部ケース3における底面部31側に設ける一方、この底面部31に形成された突出部32の裏面に磁気センサ123を配置する場合について示しているが、これらの構成部材の配置については適宜変更が可能である。例えば、保持部材9を鍔状部52の上部ケース2における上面部21側に設ける一方、この上面部21の近傍に磁気センサ123を配置するようにしても良い。
【0055】
また、本実施の形態に係る多方向入力装置1においては、保持部材9を鍔状部52と別部材で構成し、この保持部材9に磁石8を収納する収納部91を設けていることから、磁石8を取り付ける作業を容易化することが可能となっている。さらに、この保持部材9における突出部32側の表面を突出部32に面接触させていることから、操作体5を安定して支持することができるので、操作時に磁石8を安定してスライド移動させることができ、高い精度で操作体5のスライド位置を検出することが可能となる。
【0056】
さらに、本実施の形態に係る多方向入力装置1の操作体5においては、操作部51と鍔状部52とを一体に設け、鍔状部52を上部ケース2の開口部22より大きい寸法とする一方、操作部51を開口部22より小さな寸法とし、操作部51を開口部22から装置外部に突出させている。このように上部ケース2の開口部22よりも寸法の大きい鍔状部52と一体に操作部51を設けることにより、操作部51が外れる事態を確実に防止することが可能となる。
【0057】
(実施の形態2)
実施の形態2に係る多方向入力装置100は、概して、操作体5に実施の形態1に係る多方向入力装置1の操作部51に相当する操作つまみが固定される点、操作体5が磁石8を保持する点、規制部材6が操作体5と上部ケース2との間に配置される点において、実施の形態1に係る多方向入力装置1と相違する。なお、その他の構成については、実施の形態1に係る多方向入力装置1と同様である。このため、以下においては、実施の形態1に係る多方向入力装置1との相違点を中心に説明する。
【0058】
図16及び図17は、それぞれ本発明の実施の形態2に係る多方向入力装置100の分解斜視図である。図18は、実施の形態2に係る多方向入力装置100の平面図である。図19は、図18に示す一点鎖線Aにおける断面図である。図20は、図18に示す一点鎖線Bにおける断面図である。なお、図16においては、多方向入力装置100を図19に示す下方側から見た分解斜視図を示し、図17においては、多方向入力装置100を図19に示す上方側から見た分解斜視図を示している。以下においては、説明の便宜上、図16及び図17の右方側を多方向入力装置100の上方側と呼び、同図の左方側を多方向入力装置100の下方側と呼ぶものとする。なお、図16〜図20において、実施の形態1に係る多方向入力装置1と同一の構成については、同一の符号を付与し、その説明を省略する。
【0059】
図16及び図17に示すように、実施の形態2に係る多方向入力装置100においては、実施の形態1に係る多方向入力装置1と異なり、ハウジング内に形成される空洞部には、操作体15、規制部材16、ネジ17、磁石8及びコイルばね10が収納される。操作体15は、ネジ17によりその上方側に固定される操作つまみ14を上部ケース2の開口部22から上方側に突出させるようにした状態で上部ケース2と下部ケース3とで構成されるハウジング内に収納されている。規制部材16は、後述する操作体15の凹部155に配置される。磁石8は、後述する操作体15の小径部153の内部に保持される。コイルばね10は、操作体15の小径部153及び下部ケース3の突出部32の外周側に配置される。なお、上部ケース2における開口部22の外周側には、後述する治具13が挿入される複数の治具挿入孔24が形成されている。以下、各構成部材の構成について説明する。
【0060】
操作体15は、例えば、絶縁性の樹脂材料を成形して形成され、概して円盤形状を有している。操作体15は、円盤形状を有する鍔状部151と、この鍔状部151の上面中央に立設され、後述する操作つまみ14の係合部である係合片142の非円形状をした外形と係合する穴152aが形成された筒状部152と、鍔状部151の下面中央部にその外周部よりも小径に設けられ、下方側に開口した小径部153とを有している。この小径部153の内側には、円盤形状の空間が設けられ、後述するように磁石8が配置される。なお、鍔状部151の中央には、多方向入力装置100の上下方向に貫通孔154が形成され、この貫通孔154は、筒状部152及び小径部153に対応する位置で鍔状部151を貫通している。また、鍔状部151の上面には、図17における多方向入力装置100の左右方向に沿って帯状に、規制部材16が配置される凹部155が形成されている。さらに、鍔状部151の外周近傍には、多方向入力装置100の上下方向に、後述する治具13が挿入される複数の治具挿入孔156が形成されている。なお、遮蔽部材11は、上部ケース2の開口部22から上方側に突出する筒状部152の一部に取り付けられるものとなっている。
【0061】
規制部材16は、例えば、ステンレス等の非磁性金属材料で形成され、概して多方向入力装置100の左右方向に延伸する長尺形状を有している。規制部材16は、操作体15の鍔状部151に形成された凹部155と略同一の幅(正確には、僅かに狭い幅)を有する板状部161と、この板状部161の長手方向である左右方向の両端部から下方側に折り曲げ形成される一対の規制片162とを有している。これらの規制片162は、上部ケース2の側壁部23aの内壁面に対向するように平行に配置される。これらの規制片162の外面間の長さは、上部ケース2の側壁部23aの内壁面間の長さと略同一(正確には僅かに短い)に設けられている。板状部161の中央には、左右方向に長い長孔163が形成されている。この長孔163は、操作体15の筒状部152が貫通可能な寸法に設けられ、その側方側端部には、後述する治具13が挿入される貫通孔としての切り欠き部164が形成されている。
【0062】
操作つまみ14は、例えば、絶縁性の樹脂材料を成形して形成され、概して円盤形状を有している。操作つまみ14の下面には、矩形状を有する突出部141が形成されると共に、その突出部141の中央に八角柱形状などの非円形状を有する係合片142が設けられている。この係合片142は、筒状部152の穴152a内に挿入され、操作つまみ14に加えられたスライド操作などを操作体15に伝達するものとなっている。この係合片142の中央には、後述するネジ17の軸部172が挿入される穴部142aが形成されている。この穴部142aには、この軸部172の外周に設けられたネジ山に対応するネジ溝が形成されている。
【0063】
ネジ17は、例えば、フェライト等の磁性金属材料で形成され、ヘッド部171と、軸部172とを有して構成されている。本多方向入力装置100においては、ヘッド部171を下方側に配置する一方、装置内部側から軸部172を操作体15の貫通孔154に挿通させ、筒状部152内に挿入された操作つまみ14の係合片142に固定する。これにより、操作体15と操作つまみ14とが一体化されるものとなっている。すなわち、操作つまみ14は、操作体15に備えられる操作部を構成するものである。
【0064】
磁石8は、円盤形状を有しており、操作体15の小径部153内に収容可能な寸法に設けられている。磁石8は、操作体15に固定されたネジ17との間で作用する磁力により操作体15に保持されている。この場合において、磁石8は、鍔状部151の下面に設けられた保持面151aにより保持され、ネジ17との間に僅かな寸法の隙間を挟んで対向配置されるものとなっている。なお、操作体15における磁石8の保持状態については後述する。
【0065】
コイルばね10は、例えば、ステンレス等の非磁性金属材料で形成されている。コイルばね10は、図示せぬフック状の両端を連結することで環状を有しており、無負荷状態におけるその内径は、下部ケース3の突出部32及び操作体15の小径部153の外径より僅かに小さい寸法に設けられている。このコイルばね10は、操作体15がスライド移動した場合に操作体15を初期位置に復帰させる弾性力を、操作体15の小径部153に付与するものである。
【0066】
このような構成を有する多方向入力装置100を組み立てると、図18に示すように、操作体15に固定された操作部としての操作つまみ14が上部ケース2の上方側に突出すると共に、操作体15の筒状部152の一部に取り付けられた遮蔽部材11が上部ケース2に載置された状態とされる。このように、上部ケース2の開口部22よりも大きい外径を有する遮蔽部材11が上部ケース2に載置されることから、開口部22を介して多方向入力装置100の内部に埃等が浸入するのを防止できるものとなっている。
【0067】
多方向入力装置100の内部においては、図19及び図20に示すように、下部ケース3の突出部32の平面部32aの上方に、磁石8を収容した状態の操作体15の小径部153が載置されている。すなわち、操作体15がスライド移動していない初期状態においては、突出部32と小径部153とが、図19等の上下方向に重ね合わされるように対向配置されたものとなっている。コイルばね10は、これらの突出部32及び小径部153の外周を囲むように、僅かに伸びた状態で下部ケース3の底面部31の上に配置されている。このように磁石8を保持する小径部153の外周側にコイルばね10を配置していることから、コイルばね10が配置される部分を小径部153とオーバーラップさせることができるので、多方向入力装置100における厚み方向の寸法を小型化することが可能となっている。
【0068】
操作体15は、鍔状部151をハウジング内に収納させて、この鍔状部151が下部ケース3の底面部31と離間して対向する状態で配置され、鍔状部151の下面でコイルばね10の頂部を規制するものとなっている。また、操作体15は、筒状部152を上部ケース2の開口部22を介して装置外部に突出させている。そして、筒状部152の穴152aに操作つまみ14の係合片142が挿入された状態において、装置内部側からネジ17によりネジ止めされることで、操作つまみ14と操作体15とが一体化されている。この場合、係合片142が筒状部152に挿入されていることから、操作つまみ14に与えられる操作力は、そのまま操作体15に対して伝達されることとなる。規制部材16は、鍔状部151の凹部155に収容された状態で配置され、その規制片162が上部ケース2の側壁部23aの内壁面に僅かなクリアランスをもって対向配置されている。
【0069】
操作体15に固定されたネジ17のヘッド部171は、小径部153内に収容されている磁石8と対向する。磁石8は、このネジ17との間に発生する磁力により装置上方側に吸引された状態となっており、操作体15に保持されている。このように、磁石8をネジ17との間で作用する磁力によって操作体15に保持することにより、磁石8を固定するために接着剤等を使用する必要がなく、組立作業性を向上することが可能となっている。また、ネジ17を磁性金属材料で構成していることから、ネジ17にヨークとしての役割(所謂、バックヨークとしての役割)を果たさせることができ、磁気センサ123における検出精度を向上するものとなっている。
【0070】
このように保持される磁石8の位置決めは、鍔状部151の小径部153の内側の上面に配置される保持面151aにより行われ、磁石8は、ネジ17のヘッド部171と僅かな隙間を挟んで対向配置されている。このように保持面151aによりネジ17から一定の隙間を挟んで磁石8を保持するようにしたことから、ネジ17に接触させて磁石8における水平度を確保する場合に比べてより精度良くその水平度を確保することが可能となっている。
【0071】
ここで、本実施の形態に係る多方向入力装置100において、操作体15に操作つまみ14を組み付ける際の作業について説明する。図21及び図22は、本実施の形態に係る多方向入力装置100において、操作体15に操作つまみ14を組み付ける際の作業について説明するための斜視図である。図21及び図22に示すように、本実施の形態に係る多方向入力装置100において、操作体15に操作つまみ14を組み付ける際には、例えば、ステンレス等の非磁性金属材料の棒状体で構成される複数の治具13を用いる。これらの治具13は、操作体15の治具挿入孔156及び上部ケース2の治具挿入孔24に挿入されることで、操作体15を上部ケース2に回転不能に固定するものとなっている。
【0072】
本実施の形態に係る多方向入力装置100においては、このように上部ケース2に操作体15を固定した状態で、その筒状部152に操作つまみ14の係合片142を挿入する。そして、操作体15の下面側から貫通孔154にネジ17の軸部172を挿通させ、操作つまみ14を操作体15にネジ止めする(図22参照)。このように操作体15の回転を規制した状態で操作つまみ14をネジ止めするようにしたことから、ネジ止め作業に応じて操作体15が連れ回りするような事態を防止でき、組立作業性を向上することが可能となっている。
【0073】
また、このように操作体15に操作つまみ14を組み付ける際、本実施の形態に係る多方向入力装置100においては、規制部材16の位置決めも行う。すなわち、本実施の形態に係る多方向入力装置100においては、上部ケース2と操作体15との間に規制部材16を配置すると共に、その切り欠き部164に治具13を挿入した状態で操作体15に対する操作つまみ14の組付けを行う(図22参照)。このように操作体15に操作つまみ14を組み付ける際に用いる治具13を用いて規制部材16の位置決めも行うようにしたことから、より組立作業性を向上することが可能となっている。
【0074】
なお、治具13を用いて位置決めする際、規制部材16においては、図23に示すように、板状部161が操作体15の凹部155に収容される。上述したように、規制部材16の板状部161の幅は、凹部155の幅と略同一に設けられていることから、板状部161は、凹部155に入り込んだ状態とされる。一方、規制部材16の規制片162は、図22に示すように、上部ケース2の側壁部23aの内壁面に対向配置されている。このため、操作体15に回転力が与えられた場合、凹部155の側壁部155aと板状部161の端面とが係合すると共に、規制片162が側壁部23aの内壁面に接触することで、操作体15の回転を規制するものとなっている。また、操作つまみ14の非円形状をなした係合片142が操作体15の筒状部152に形成された穴152aに係合していることから、操作つまみ14に与えられた回転力は、そのまま操作体15に伝達され、この規制部材16により規制されることとなる。すなわち、操作体15を介して操作つまみ14が回転するのを規制でき、操作性に優れた多方向入力装置100を提供するものとなっている。
【0075】
また、規制部材16は、板状部161が凹部155に収容される一方、その規制片162が上部ケース2の側壁部23aの内壁面に対向配置されることから、側壁部23aによって、図23に示すX方向へのスライド移動が規制される一方、同図に示すY方向への移動が許容されるものとなっている。操作体15の図23に示すX方向へのスライド移動の際、鍔状部151の中央部を挟んで対向する位置に形成される、凹部155の側壁部155aは、板状部161の端面161aにより案内される。なお、操作体15の図23に示すY方向へのスライド移動の際には、凹部155の側壁部155aが、板状部161の端面161aと係合し、操作つまみ14を含む操作体15と規制部材16とが一体的にスライド移動することとなる。
【0076】
なお、このような構成を有する多方向入力装置100における動作については、実施の形態1に係る多方向入力装置1と概して同様である。すなわち、図19及び図20に示す状態から操作体15をスライド移動させると、多方向入力装置100の内部においては、操作体15のスライド方向と反対側に配置されるコイルばね10の一方側の端部(内周部)が下部ケース3の突出部32により係止されると共に、その上方側から鍔状部151により規制された状態において、コイルばね10の他方側となるスライド方向側に位置する端部(内周部)が小径部153のスライド方向側端部で押し広げられる。そして、初期位置に復帰する際も同様に、操作つまみ14に対するスライド操作が解除されると、コイルばね10の弾性力により、小径部153が押し戻される。これにより、小径部153は、図19及び図20に示す初期位置に復帰するものとなっている。
【0077】
また、操作体15を末端までスライド移動した際、鍔状部151におけるスライド方向と反対側の端部が突出部32の端部よりも外周側に位置してコイルばね10の頂点を規制するものとなっている。なお、本実施の形態においても、上部ケース2の開口部22が操作体15のスライド移動のストッパを構成している。すなわち、操作つまみ14をスライド操作すると、開口部22の内周部に操作つまみ14を含む操作体15(本実施の形態では、筒状部152)が当接して、それ以上のスライド移動が規制される。
【0078】
このように本実施の形態に係る多方向入力装置100においては、コイルばね10が小径部153の外周側に配置され、操作体15のスライド移動に応じてこの小径部153により伸長されることから、大径部の周囲にコイルばね10が配置される場合と比べて、スライド移動量の増加に伴って必要となる空間を縮小することができるので、ハウジングの外形寸法の大型化を抑制しつつ、操作体15のスライド移動量を大きくすることが可能となる。
【0079】
なお、本発明は上記両実施の形態に限定されず、種々変更して実施することが可能である。上記実施の形態において、添付図面に図示されている大きさや形状、部材の配置や数などについては、これに限定されず、本発明の効果を発揮する範囲内で適宜変更することが可能である。その他、本発明の目的の範囲を逸脱しない限りにおいて適宜変更して実施することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0080】
【図1】本発明の実施の形態1に係る多方向入力装置の分解斜視図である。
【図2】実施の形態1に係る多方向入力装置の分解斜視図である。
【図3】実施の形態1に係る多方向入力装置の平面図である。
【図4】図3に示す一点鎖線Aにおける断面図である。
【図5】図3に示す一点鎖線Bにおける断面図である。
【図6】実施の形態1に係る多方向入力装置が有する操作体と規制部材との関係を示す斜視図である。
【図7】実施の形態1に係る多方向入力装置が有する操作体と、規制部材、スペーサ部材と、保持部材との関係を示す斜視図である。
【図8】図7に示す操作体及びその周辺部材の側面図である。
【図9】実施の形態1に係る多方向入力装置が有する回路基板に実装される磁気センサの平面図である。
【図10】実施の形態1に係る多方向入力装置が有する回路基板に実装される磁気センサと磁石との位置関係を示す図である。
【図11】実施の形態1に係る多方向入力装置の初期状態における平面図である。
【図12】図11に示す状態から操作体をX方向にスライド移動した場合の平面図である。
【図13】図12に示す一点鎖線Aにおける断面図である。
【図14】図11に示す状態から操作体をY方向にスライド移動した場合の平面図である。
【図15】図14に示す一点鎖線Bにおける断面図である。
【図16】本発明の実施の形態2に係る多方向入力装置の分解斜視図である。
【図17】実施の形態2に係る多方向入力装置の分解斜視図である。
【図18】実施の形態2に係る多方向入力装置の平面図である。
【図19】図18に示す一点鎖線Aにおける断面図である。
【図20】図18に示す一点鎖線Bにおける断面図である。
【図21】実施の形態2に係る多方向入力装置において、操作体に操作つまみを組み付ける際の作業について説明するための斜視図である。
【図22】実施の形態2に係る多方向入力装置において、操作体に操作つまみを組み付ける際の作業について説明するための斜視図である。
【図23】実施の形態2に係る多方向入力装置における操作体と規制部材との位置関係について説明するための斜視図である。
【符号の説明】
【0081】
1、100 多方向入力装置
2 上部ケース
21 上面部
22 開口部
23、23a 側壁部
24 治具挿入孔
3 下部ケース
31 底面部
32 突出部
32a 平面部
33 凹部
4 取付部材
5 操作体
51 操作部
52 鍔状部
53 くびれ部
54 凹部
54a 被案内部
55 凹部
6 規制部材
61 板状部
61a 案内部
62 規制片
7 スペーサ部材
71 開口部
8 磁石(永久磁石)
9 保持部材(小径部)
91 収納部
92 内底面
93 側壁部
93a 切り欠き部
10 コイルばね
11 遮蔽部材
111 スリット
12 回路基板
121 封止部
122 リード線
123 磁気センサ
123a GMR素子
123b 制御回路
13 治具
14 操作つまみ(操作部)
141 突出部
142 係合片
142a 穴部
15 操作体
151 鍔状部
151a 保持面
152 筒状部
152a 穴
153 小径部
154 貫通孔
155 凹部
155a 側壁部
156 治具挿入孔
16 規制部材
161 板状部
161a 端面
162 規制片
163 長孔
164 切り欠き部
17 ネジ
171 ヘッド部
172 軸部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
内部に空洞部を有し開口部が形成されたハウジングと、前記開口部から露出する操作部を備えると共に前記空洞部内に配置された鍔状部及び当該鍔状部よりも小径の小径部を有しスライド移動可能な操作体と、前記操作体のスライド動作を検出する検出手段と、前記小径部の外周側に環状に配置され前記操作体を初期位置に復帰させる弾性部材とを具備し、
前記弾性部材は、初期位置に配置された前記小径部に対応する位置に前記ハウジングから突出して設けられた突出部を当該小径部と共に内周側に収容し、前記操作体がスライド移動されると、前記鍔状部側における前記弾性部材の頂部が当該鍔状部で規制された状態において、スライド方向と反対側に位置する当該弾性部材の一方側が前記突出部で係止されると共に、スライド方向側に位置する他方側が前記小径部で押し広げられることを特徴とする多方向入力装置。
【請求項2】
前記小径部が前記鍔状部の前記ハウジングにおける底面部側に設けられる一方、当該底面部から前記突出部が突出形成されることを特徴とする請求項1記載の多方向入力装置。
【請求項3】
前記操作体を末端までスライド移動した際、前記鍔状部におけるスライド方向と反対側の端部が前記突出部の端部よりも外周側の位置に配置されることを特徴とする請求項1又は請求項2記載の多方向入力装置。
【請求項4】
前記弾性部材は、環状のコイルばねで構成されると共に、当該コイルばねと前記鍔状部との間にスペーサ部材を配置し、前記鍔状部は、前記スペーサ部材を介して前記コイルばねの頂部を規制することを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載の多方向入力装置。
【請求項5】
前記操作体と共に移動する永久磁石と、前記永久磁石による磁界を検出する磁気センサとで前記検出手段を構成し、前記小径部内に前記永久磁石を保持したことを特徴とする請求項1から請求項4のいずれかに記載の多方向入力装置。
【請求項6】
前記弾性部材を非磁性材料で形成したことを特徴とする請求項5記載の多方向入力装置。
【請求項7】
前記磁気センサを、前記ハウジングにおける前記突出部を形成する裏面側の凹部に配置したことを特徴とする請求項5又は請求項6記載の多方向入力装置。
【請求項8】
前記小径部を前記鍔状部と別部材で構成し、前記小径部は、前記永久磁石を収納する収納部を有する保持部材で構成され、当該保持部材における前記突出部側の表面を当該突出部に面接触させたことを特徴とする請求項5から請求項7のいずれかに記載の多方向入力装置。
【請求項9】
前記突出部に面接触する前記保持部材の表面に凹部又は開口部を形成したことを特徴とする請求項8記載の多方向入力装置。
【請求項10】
前記操作体の前記操作部は、前記鍔状部と一体に設けられており、前記鍔状部を前記ハウジングに形成された前記開口部より大きい寸法とする一方、前記操作部を当該開口部より小さな寸法とし、当該操作部を前記開口部から装置外部に突出させたことを特徴とする請求項1から請求項9のいずれかに記載の多方向入力装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate

【図17】
image rotate

【図18】
image rotate

【図19】
image rotate

【図20】
image rotate

【図21】
image rotate

【図22】
image rotate

【図23】
image rotate


【公開番号】特開2010−135149(P2010−135149A)
【公開日】平成22年6月17日(2010.6.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−308768(P2008−308768)
【出願日】平成20年12月3日(2008.12.3)
【出願人】(000010098)アルプス電気株式会社 (4,263)
【Fターム(参考)】