多極コネクタ
【課題】1列の端子列をインピーダンスミスマッチを軽減しながら複数列に分割(列変換)できる多極コネクタを提供する。
【解決手段】プリント回路基板100に挿入実装する多極コネクタ1は、相手方コネクタの端子との接点部4aでは複数の端子4が一列に並んでおり、その後列変換部45を経て、相手方コネクタとは反対側の接続部となる2列42、43の複数列部44に1列の端子列41を分割するとともに、略千鳥配列へ列変換している端子群40を備え、端子群40は、複数列部44では端子幅L1が接点部4aの端子幅L2より広くなっている2本の特定端子46、47を含み、その2本の特定端子46、47が差動信号伝送用の端子対である。
【解決手段】プリント回路基板100に挿入実装する多極コネクタ1は、相手方コネクタの端子との接点部4aでは複数の端子4が一列に並んでおり、その後列変換部45を経て、相手方コネクタとは反対側の接続部となる2列42、43の複数列部44に1列の端子列41を分割するとともに、略千鳥配列へ列変換している端子群40を備え、端子群40は、複数列部44では端子幅L1が接点部4aの端子幅L2より広くなっている2本の特定端子46、47を含み、その2本の特定端子46、47が差動信号伝送用の端子対である。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、多極コネクタに関し、特に、プリント回路基板に実装する多極コネクタであって、挿入実装用の複数の端子を備える多極コネクタに関する。
【背景技術】
【0002】
多極コネクタが備える挿入実装用の複数の端子が相手方コネクタの端子との接点部で一列に並んでいる場合、端子の基板実装部も一列で外部に引き出され、プリント回路基板に一列で設けられているスルーホールに挿入されて半田付けされる(例えば特許文献1参照)。
【0003】
多極コネクタには小型化、多極化が強く求められているが、従来の多極コネクタでさらに小型化、多極化しようとしても、スルーホールピッチにより端子の狭ピッチ化が制限されるため、多極コネクタの小型化、多極化も制限されるという問題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2007−214139号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
多極コネクタにおいて、相手方コネクタの端子との接点部で複数の端子が一列に並んでいても、基板実装部の手前で1列の端子列を2列に分けて千鳥配列へ列変換しておくことで、スルーホールピッチによる制限が軽減されて端子のさらなる狭ピッチ化が図れ、多極コネクタのさらなる小型化、多極化も実現できるが、近年、端子群の中に、高速差動信号伝送用として隣り合う2本の端子をペアとした端子対等を含む場合が多く、端子列を1列から2列に分けると、その部分で端子対の相互間隔が広がり、電気結合状態が悪くなり、インピーダンスミスマッチを生じ、高速差動信号を効率よく伝送できなくなるという問題を招く。
【0006】
本発明の目的は、1列の端子列をインピーダンスミスマッチを軽減しながら複数列に分割(列変換)できる多極コネクタを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するため本発明は、多極コネクタにおいて、相手方コネクタの端子との接点部では複数の端子が一列に並んでおり、その後列変換部を経て、前記相手方コネクタとは反対側の接続部となる2列以上の複数列部に1列の端子列が分割されている端子群を備え、前記端子群は、前記複数列部では端子幅が前記接点部より広くなっている複数の特定端子を含むもので、特定端子の接点部間で予めインピーダンスを合わせておき、複数列部で特定端子の端子幅を広げることで容量を稼ぎ、特定端子の間でインピーダンスの上昇を抑える。つまりインピーダンスミスマッチを軽減するものである。
【0008】
本発明において、前記特定端子は、前記列変換部から端子幅が広くなっていることが好ましい。列変換部では端子を屈曲させて2列以上の複数列部に1列の端子列を分割するので、高周波の抵抗になり易く、複数列部と同様にインピーダンスの上昇要因となるが、列変換部から端子幅を広げておくことで、よりインピーダンスを整合させ易くなる。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、1列の端子列をインピーダンスミスマッチを軽減しながら複数列に分割(列変換)できる多極コネクタを提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の一実施形態に係る多極コネクタの前方斜視図である。
【図2】同多極コネクタの後方斜視図である。
【図3】同多極コネクタの断面図である。
【図4】同多極コネクタの分解状態の前方斜視図である。
【図5】同多極コネクタの上段端子群装着状態のボディの前方斜視図である。
【図6】同多極コネクタの上段端子群装着状態のボディの後方斜視図である。
【図7】同多極コネクタの下段端子群装着状態のボディの前方斜視図である。
【図8】同多極コネクタの下段端子群装着状態のボディの後方斜視図である。
【図9】同多極コネクタを実装するプリント回路基板のランド及びスルーホールのレイアウト図である。
【図10】同多極コネクタの下段端子群の後方斜視図である。
【図11】同多極コネクタの下段端子群の底面図である。
【図12】同多極コネクタの下段端子群の背面図である。
【図13】同多極コネクタの下段端子群の側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。図1は本発明の一実施形態に係る多極コネクタの前方斜視図、図2は同多極コネクタの後方斜視図、図3は同多極コネクタの断面図、図4は同多極コネクタの分解状態の前方斜視図である。図1〜図4に示す多極コネクタ1は、機器側のプリント回路基板100(図3参照)に実装され、図示しない相手方コネクタ(機器間の接続ケーブルの末端に取り付いているプラグ)がプリント回路基板100と平行に挿入嵌合される横型(縦型はプリント回路基板100に対して垂直に挿入嵌合される)のミニディスプレイポートコネクタ(ソケット)である。なお、以下の説明では、図1における矢印a−b方向を多極コネクタの前後方向、矢印c−d方向を多極コネクタの上下方向、矢印e−f方向を多極コネクタ1の左右方向として説明する。
【0012】
図4に示すように、多極コネクタ1は、ボディ2と、表面実装用で10本1組の上段端子群30及び挿入実装用で10本1組の下段端子群40(合計20本の端子)と、端子スペーサ5と、コネクタシェル6と、シールドカバー7とから構成されている。
【0013】
図5は上段端子群装着状態のボディの前方斜視図、図6は上段端子群装着状態のボディの後方斜視図、図7は下段端子群装着状態のボディの前方斜視図、図8は下段端子群装着状態のボディの後方斜視図である。
【0014】
図3〜図8に示すように、ボディ2は、合成樹脂等の絶縁材料からなる成型品であり、略直方体状の端子支持基部2aと、端子支持基部2aの前面略中央部から前方へ向かって水平に突出する略矩形板状の端子支持部2bと、端子支持部2bの上表面に略等間隔で前後方向に平行するよう左右横一列に並設する10本の上段端子圧入溝2cと、上段端子圧入溝2cを端子支持基部2aの後面に一直線に貫通させる上段端子挿入孔2dと、端子支持部2bの下表面に略等間隔で前後方向に平行するよう左右横一列に並設する10本の下段端子圧入溝2eと、下段端子圧入溝2eを端子支持基部2aの後面に一直線に貫通させる下段端子挿入孔2fと、端子支持基部2aを下から支える脚部2gと、脚部2gの下面から下向きに突出する左右2本の位置決めピン2hと、ボディ2の後面(端子支持基部2a及び脚部2gの後面)に設ける下段端子収容凹部2iと、下段端子収容凹部2iの下部に設ける下段端子挟持用凹凸部2jと、下段端子挟持凹凸部2jの左右外側に設ける左右2つの位置決め孔2kと、その他コネクタシェル6やシールドカバー7との係合部とを一体に形成している。
【0015】
図3〜図8に示すように、10本の上段端子3(上段端子群30)は、それぞれ、全体的にL形状に曲げられた細長い電極端子からなり、L形状の一片をボディ2の後側から上段端子挿入孔2dを通して上段端子圧入溝2cに圧入し、L形状の他片をボディ2の後側で下向きに引き出した状態でボディ2に装着しており、上段端子圧入溝2cに圧入されているL形状の一片の先端部(前端部)で相手方コネクタの10本の上段端子との接点部3aを形成し、ボディ2の後側で下向きに引き出されているL形状の他片の先端部(下端部)でプリント回路基板100に対する基板実装部3bを形成している。上段端子3は表面実装用であるので、基板実装部3bはプリント回路基板100と平行になるよう、ボディ2の後側で下向きに引き出されているL形状の他片の先端部を直角に曲げて形成している。そして、10本の上段端子3の接点部3aが10本の上段端子圧入溝2cを介して端子支持部2bの上表面に略等間隔で前後方向に平行するよう左右横一列に並べられており、その1列の端子列は、そのまま、基板実装部3bまで保持されている。つまり10本の上段端子3は、その全長にわたって左右横一列に並べられている。
【0016】
10本の上段端子3は、良導電性の金属薄板(フープ材)の打ち抜き加工及び曲げ加工等のプレス加工によって、基板実装部3bの先端が図示しないキャリア部で相互に繋がれて、左右横一列に並べられた短冊状態で一括に形成されており、その状態でボディ2に装着した後、キャリア部を切り離すことで、10本の個別の上段端子3としてボディ2に一括に装着される。
【0017】
図3〜図8に示すように、10本の下段端子4(下段端子群40)は、それぞれ、全体的にL形状に曲げられた細長い電極端子からなり、L形状の一片をボディ2の後側から下段端子挿入孔2fを通して下段端子圧入溝2eに圧入し、L形状の他片をボディ2の下段端子収容凹部2i内で下向きに引き出した状態でボディ2に装着しており、下段端子圧入溝2eに圧入されているL形状の一片の先端部(前端部)で相手方コネクタの10本の下段端子との接点部4aを形成し、ボディ2の下段端子収容凹部2i内で下向きに引き出されているL形状の他片の先端部(下端部)でプリント回路基板100に対する基板実装部4bを形成している。下段端子4は挿入実装用であるので、基板実装部4bは、プリント回路基板100に対して垂直になるよう、ボディ2の後側で下向きに引き出されているL形状の他片の先端部を曲げることなくそこでピン構造に形成されている。そして、10本の下段端子4の接点部4aが10本の下段端子圧入溝2eを介して端子支持部2bの下表面に略等間隔で前後方向に平行するよう左右横一列に並べられており、その1列の端子列は、ボディ2の後側で下向きに引き出されているL形状の他片の途中(基板実装部4bの手前)で、前後2列に分割されて略千鳥配列へ列変換されている。つまり10本の下段端子4は、接点部4aでは左右横一列に並べられているが、基板実装部4bでは前後2列に分割されて略千鳥状に配列されている。この下端端子群40の列変換構造については後述する。
【0018】
10本の下段端子4は、ボディ2の後側で下向きに引き出されているL形状の他片の下部(前後2列に分割されて略千鳥状に配列されている基板実装部4bの直前部)がボディ2の下段端子挟持用凹凸部2jによって前側から支えられている。
【0019】
10本の下段端子4は、良導電性の金属薄板(フープ材)の打ち抜き加工及び曲げ加工等のプレス加工によって、先ず、10本の上段端子3と同様、基板実装部4bの先端が図示しないキャリア部で相互に繋がれて、接点部4aから基板実装部4bまで左右横一列に並べられた短冊状態で一括に形成され、その後、キャリア部を切り離して10本の個別の下段端子4とした状態でL形状の他片の途中に曲げ加工を施して列変換することで完成されている。そして、10本の個別の下段端子4がボディ2に一括に装着されている。このように、10本の下段端子4を一括製造することで、各列ごとに分けて製造するのに比べて製造コストの上昇を低く抑えられる。
【0020】
図2〜図6に示すように、端子スペーサ5は、合成樹脂等の絶縁材料からなる成型品であり、ボディ2の下段端子収容凹部2iに嵌合可能な略直方体状の端子群間スペーサ部5aと、端子群間スペーサ部5aの前面に設ける下段端子収容凹部5bと、下段端子収容凹部5bの上部に設ける凹凸状の下段端子間スペーサ部5cと、下段端子収容凹部5bの下部に設ける下段端子挟持用凹凸部5dと、下段端子挟持用凹凸部5dの左右外側から前方へ向かって突出する左右2本の位置決めピン5eと、端子群間スペーサ部5aの後面下部に設ける凹凸状の上段端子間スペーサ部5fと、コネクタシェル6との係合部とを一体に形成している。
【0021】
端子スペーサ5は、10本の下段端子4をボディ2に装着した後、ボディ2に装着される。端子スペーサ5をボディ2に装着するときは、左右2本の位置決めピン5eをボディ2の後側から左右2つの位置決め孔2kに挿入しながら、端子群間スペーサ部5aをボディ2の下段端子収容凹部2iに嵌合する。そして、10本の下段端子4は、ボディ2の後側で下向きに引き出されているL形状の他片(基板実装部4bは除く)が、端子支持基部2a(ボディ2)と端子群間スペーサ部5a(端子スペーサ5)との間に、ボディ2の下段端子収容凹部2iと端子スペーサ5の下段端子収容凹部5bとで形成される空間に収納され(基板実装部4bは除く)、その空間において列変換されている。また、10本の下段端子4は、ボディ2の後側で下向きに引き出されているL形状の他片が、上部(列変換前)では、端子スペーサ5の下段端子間スペーサ部5cの凹部に嵌り込み、L形状の他片の上部の端子相互間に、端子スペーサ5の下段端子間スペーサ部5cの凸部が嵌り込むとともに、下部(基板実装部4bの手前で列変換後)では、端子スペーサ5の下段端子挟持用凹凸部5dによって後側から支えられて、ボディ2の下段端子挟持用凹凸部2jと端子スペーサ5の下段端子挟持用凹凸部5dとの間で挟持され、端子相互間隔と列相互間隔の両方が適正に保持されている。つまり確実に絶縁されている。
【0022】
10本の上段端子3は、端子スペーサ5をボディ2に装着した後にボディ2に装着される。そして、10本の上段端子3は、L形状の他片が端子スペーサ5の後側で下向きに引き出されており、10本の上段端子3のL形状の他片と10本の下段端子4のL形状の他片の間に端子スペーサ5の端子群間スペーサ部5aが挟み込まれ、10本の上段端子3のL形状の他片と10本の下段端子4のL形状の他片との間隔が端子スペーサ5の端子群間スペーサ部5aによって適正に保持されている。つまり確実に絶縁されている。また、10本の上段端子3は、端子スペーサ5の後側で下向きに引き出されているL形状の他片の下部(基板実装部3bの手前)が、端子スペーサ5の上段端子間スペーサ部5fの凹部に嵌り込み、L形状の他片の下部の端子相互間に、端子スペーサ5の上段端子間スペーサ部5fの凸部が嵌り込み、端子相互間隔が適正に保持されている。つまり確実に絶縁されている。
【0023】
図1〜図4に示すように、コネクタシェル6は、一枚の導電性を有する金属薄板を打ち抜き加工及び曲げ加工等のプレス加工よって略四角筒形状に形成れており、略四角筒形状の後部をボディ2の前側から端子支持基部2aに外嵌し、上表面に10本の上段端子3の接点部3aが左右横一列に配置され、下表面に10本の下段端子4の接点部4aが左右横一列に配置された端子支持部2bを略四角筒形状で包囲した状態でボディ2に装着され、前端側に開口部8を形成し、相手方コネクタを前方から挿入嵌合可能な相手方コネクタとの嵌合部9を形成している。コネクタシェル6は、シールドカバー7に常時押し付けて接触させ、コネクタシェル6をシールドカバー7に常時電気的に接続するための複数の片持ち梁状のバネ接片6aと、相手方コネクタを嵌合したときに、相手方コネクタの導電性を有するコネクタシェルに押し付けて接触させ、コネクタシェル同士を電気的に接続するための複数の片持ち梁状のバネ接片6bとを設けている。これら各バネ接片6a,6bは、コネクタシェル6を部分的に切り起こして形成される。また、コネクタシェル6は、ボディ2のシェル係合部とでボディ2からの離脱防止(抜け止め)を行うためのボディ係合部と、端子スペーサ5のコネクタシェル係合部とで端子スペーサ5のボディ2からの離脱防止(抜け止め)を行うための係合部と、シールドカバー7との係合部とを設けている。
【0024】
図1〜図4に示すように、シールドカバー7は、一枚の導電性を有する金属薄板を打ち抜き加工及び曲げ加工等のプレス加工よって形成されており、ボディ2の端子支持基部2aの上面と左右側面の3面を覆うカバー部7aと、カバー部7aの天板後縁から折り曲げ自在に後方へ向かって延出される天板延長部でなる蓋部7bとを設けている。シールドカバー7は、多極コネクタ1の組み立て工程の最後に、蓋部7bを開いた状態のカバー部7aをボディ2の後側から端子支持基部2aに外嵌することでボディ2に装着され、装着後に開いている蓋部7bを閉じることで、端子支持基部2aの上面と左右側面の3面をコネクタシェル6の上から覆うとともに、ボディ2の後面(端子支持基部2a及び端子スペーサ5の後面)をボディ2の後側で下向きに引き出されている10本の上段端子3のL形状の他片の上から覆い、コネクタシェル6とで多極コネクタ1のシールドを構成している。シールドカバー7は、相手方コネクタのシールドをコネクタシェル6を通じてプリント回路基板100に電気的に接続するため、カバー部7aの両端部から下向きに突出する左右2本の挿入実装用の端子部7cを設けている。また、シールドカバー7は、ボディ2のシールドカバー係合部とでボディ2からの離脱防止を行うためのボディ係合部と、コネクタシェル6との係合部とを設けている。
【0025】
図9はプリント回路基板のランド及びスルーホールのレイアウト図である。
【0026】
図9に示すように、プリント回路基板100には、ボディ2の左右2本の位置決めピン2hに対応して配置する2つの位置決め孔101と、10本の上段端子3の基板実装部3bに対応して一列に配列する表面実装用の10個のランド102と、10本の下段端子4の基板実装部4bに対応して2列の略千鳥状に配列する10個のスルーホール103と、シールドカバー7の左右2本の端子部7cに対応して配置する2つのアース用スルーホール104とを設けている。そして、多極コネクタ1をプリント回路基板100に実装するときは、ボディ2の左右2本の位置決めピン2hをプリント回路基板100の2つの位置決め孔101に挿入しながら、多極コネクタ1をプリント回路基板100の10個のランド102を設けた表面に載置し、10本の上段端子3の基板実装部3bをプリント回路基板100の10個のランド102の上に重ね合わせ、10本の下段端子4の基板実装部4bをプリント回路基板100の10個のスルーホール103に挿入するとともに、シールドカバー7の左右2本の端子部7cをプリント回路基板100の2つのアース用スルーホール104に挿入する。この状態で、10本の上段端子3の基板実装部3bをプリント回路基板100の10個のランド102にリフロー半田付けし、10本の上段端子3をプリント回路基板100に機械的に固定、電気的に接続(表面実装)した後、プリント回路基板100を裏返して、10本の下段端子4の基板実装部4bをプリント回路基板100の10個のスルーホール103にフローで半田付けし、10本の下段端子4をプリント回路基板100に機械的に固定、電気的に接続(挿入実装)するとともに、シールドカバー7の左右2本の端子部7cをプリント回路基板100の2つのアース用スルーホール104にフローで半田付けし、シールドカバー7をプリント回路基板100に機械的に固定、電気的に接続(挿入実装)するものである。
【0027】
多極コネクタ1は、相手方コネクタが前方から開口部8を通して嵌合部9に挿入嵌合されたとき、10本の上段端子3の接点部3aが相手方コネクタの10本の上段端子とそれぞれ接触して、10本の上段端子3を通じて相手方コネクタの10本の上段端子をそれぞれプリント回路基板100に電気的に接続し、10本の下段端子4の接点部4aが相手方コネクタの10本の下段端子とそれぞれ接触して、10本の下段端子4を通じて相手方コネクタの10本の下段端子をそれぞれプリント回路基板100に電気的に接続し、例えば映像信号、音声信号、制御信号、クロック信号等を伝送するとともに、シールドカバー7が相手方コネクタのシールドをコネクタシェル6を通じてプリント回路基板100に電気的に接続(アース接続)し、シールド機能(電磁妨害対策)を発揮すものである。
【0028】
続いて、下段端子群40の列変換構造について図10〜図13を参照して説明する。図10は下段端子群の後方斜視図、図11は下段端子群の底面図、図12は下段端子群の背面図、図13は下段端子群の側面図である。
【0029】
下段端子群40を構成する10本の下段端子4は、前述のとおり、全体的にL形状に曲げられ、相手方コネクタの10本の下段端子との接点部4aをなすL形状の一片は、ボディ2の後側から下段端子挿入孔2fを通して下段端子圧入溝2eに圧入されて、略等間隔で前後方向(相手方コネクタの挿抜方向)に平行するよう左右横一列に並べられる。一方、相手方コネクタと反対側の接続部、つまりプリント回路基板100への接続部となるL形状の他片は、ボディ2の後側で下向きに引き出され、L形状の他片の先端部(下端部)がプリント回路基板100に対する基板実装部4bになる。ここで、L形状の他片がL形状の一片と同様に左右横一列に並んでいると、当然、基板実装部4b及びそれを挿入するプリント回路基板100のスルーホール103も左右横一列に並ぶことになり、プリント回路基板100のスルーホール103ピッチにより下段端子4の狭ピッチ化が制限されるため、多極コネクタ1の小型化、多極化も制限されるという問題がある。この問題を解決するため、L形状の他片の途中に、基板実装部4bの手前で1列の端子列41を前後2列42、43の複数列部44に分割するとともに、略千鳥配列へ列変換するための列変換部45を設けている。
【0030】
なお、列変換の具体例を図10〜図13に示すが、便宜上、図10〜図12における10本の下段端子4に端子番号を付けて以下の説明を行う。右端の下段端子4が1番、左に向かって順次2番、3番・・、左端の下段端子4が10番である。
【0031】
図10〜図13に示すように、10本の下段端子4のうち、1番、3番、5番、6番、8番、10番の6本の下段端子4のL形状の他片の途中には、そこから基板実装部4b側(下側)を接点部4a側(上側)よりも少し前側で下向きに引き出すようにクランク状の前向き屈曲部4cを形成し、残りの2番、4番、7番、9番の4本の下段端子4のL形状の他片の途中には、そこから基板実装部4b側(下側)を接点部4a側(上側)よりも少し後側で下向きに引き出すよう、前向き屈曲部4cとは前後対称形状のクランク状の後向き屈曲部4dを形成し、これら前向き屈曲部4cと後向き屈曲部4dとにより上下が逆のY字形の列変換部45を構成し、この列変換部45により基板実装部4bの手前で1列の端子列41を前後2列42,43に分割(分岐)し、つまり複数列部44に分割するとともに、略千鳥配列へ列変換している。
【0032】
こうして、相手方コネクタの下段端子との接点部4aでは10本の下段端子4が一列に並んでおり、その後列変換部45を経て、相手方コネクタとは反対側の接続部となる前後2列42,43の複数列部44に1列の端子列41が分割されている下段端子群40を備えることで、スルーホール103ピッチによる制限が軽減されて10本の下段端子4のさらなる狭ピッチ化が図れるので、多極コネクタ1のさらなる小型化、多極化を実現できる。
【0033】
下段端子群40の中には、高速差動信号伝送用として隣り合う2本の端子をペアとした端子対を有しており、列変換部45により基板実装部4bの手前で1列の端子列41を前後2列42,43の複数列部44に分割するとともに、略千鳥配列へ列変換すると、端子対を別々の列(前列42と後列43)に分ける構成となる。仮に、端子対が2番、3番の2本の下段端子4の場合、複数列部44で2番、3番の2本の下段端子4の相互間隔が広がり、端子対の電気結合状態が悪くなり、インピーダンスミスマッチを生じ、高速差動信号を効率よく伝送できなくなるという問題を招く。この問題を解決するため、インピーダンスを整合させる必要のある端子対をなす特定端子46,47(ここでは2番、3番の2本の下段端子4)については、図10〜図13に示すように、複数列部44における端子幅L1を接点部4aにおける端子幅L2より広くしている(L1>L2)。そして、2本の特定端子46、47の接点部4a間で予めインピーダンスを合わせておき、複数列部44で2本の特定端子46、47の端子幅L1を広げることで容量を稼ぎ、2本の特定端子46、47の間でインピーダンスの上昇を抑える。つまりインピーダンスミスマッチを軽減するものである。
【0034】
こうして、下段端子群40は、複数列部45では端子幅L1が接点部4aの端子幅L2より広くなっている2本の特定端子46、47を含むことで、1列の端子列41をインピーダンスミスマッチを軽減しながら前後2列42、43の複数列部44に分割するとともに、略千鳥配列へ列変換できる。
【0035】
列変換部45では2本の特定端子46、47を含む10本の下段端子4を屈曲させて、前後2列42、43の複数列部44に1列の端子列41を分割するので、高周波の抵抗になり易く、2本の特定端子46、47では複数列部44と同様、インピーダンスの上昇要因となるが、図10〜図13に示すように、複数列部45で端子幅L1を広げるときに列変換部45から端子幅L1を広げておくことで、よりインピーダンスを整合させ易くなる。
【0036】
前述のとおり、2本の特定端子46、47は、複数列部45の端子幅L1を接点部4aの端子幅L2より広くしているが、基板実装部4bまでその端子幅L3を接点部4aの端子幅L2より広くすると、2本の特定端子46、47の基板実装部4bを別々に挿入するプリント回路基板100のスルーホール103には、2本の特定端子46、47以外の8本の下段端子4の基板実装部4bを別々に挿入するプリント回路基板100のスルーホール103より大きなスルーホールが必要となり、10本の下段端子4のさらなる狭ピッチ化の妨げとなるので、2本の特定端子46、47の基板実装部4bにおける端子幅L3は複数列部45の端子幅L1より狭くしている(L3<L1)。好ましくは、2本の特定端子46、47の接点部4aの端子幅L2より狭くし(L3<L2)、さらに好ましくは、図10〜図13に示すように、複数列部45の広げる前の端子幅L3(2本の特定端子46、47以外の8本の下段端子4の基板実装部4bの端子幅)に狭める。そうすることで、前述の列変換による作用効果を効果的に得ることができる。
【0037】
なお、図10〜図13に示すように、5番と6番の中央2本の下段端子4の間では列変換していないにもかかわらず、この2本の下段端子4についても複数列部44と列変換部45で端子幅を広くしているが、これは全ての下段端子4、つまり下段端子群40全体のの基板実装部4bにおけるピッチ調整のためのものである。
【0038】
また、前述した下段端子群40の列変換構造以外に、例えば10本の下段端子4のL形状の一片の長さを交互に長くしたり短くすることでも、1列の端子列41を前後2列42,43の複数列部44に分割するとともに、千鳥配列へ列変換できるが、この場合、ボディ2の後面よりも後側に列変換のためのスペースを確保する必要があり、多極コネクタ1の大型化を招くが、図10〜図13に示すように、10本の下段端子4のL形状の他片の上部を避けて(下段端子挿入孔2f位置を避けて)、好ましくは、下段端子4の基板実装部4bの近傍で列変換することで、ボディ2の後面を凹める下段端子収容凹部2i内で1列の端子列41を前後2列42,43の複数列部44に分割するとともに、千鳥配列へ列変換できるので、多極コネクタ1の大型化を招くことがない。
【0039】
以上、本実施形態では、横型のミニディスプレイポートコネクタで本発明を説明したが、本発明はそれに限定されることなく、その要旨を逸脱しない範囲内で種々変形実施できる。縦型・横型や各種規格に関係なく適用でき、特に、狭ピッチで挿入実装する多極コネクタに好適である。
【符号の説明】
【0040】
1 多極コネクタ
4 下段端子
4a 接点部
4b 基板実装部
4c 前向き屈曲部
4d 後向き屈曲部
40 下段端子群
41 1列の端子列
42、43 前後2列の端子列
44 複数列部
45 列変換部
46、47 特定端子
100 プリント回路基板
【技術分野】
【0001】
本発明は、多極コネクタに関し、特に、プリント回路基板に実装する多極コネクタであって、挿入実装用の複数の端子を備える多極コネクタに関する。
【背景技術】
【0002】
多極コネクタが備える挿入実装用の複数の端子が相手方コネクタの端子との接点部で一列に並んでいる場合、端子の基板実装部も一列で外部に引き出され、プリント回路基板に一列で設けられているスルーホールに挿入されて半田付けされる(例えば特許文献1参照)。
【0003】
多極コネクタには小型化、多極化が強く求められているが、従来の多極コネクタでさらに小型化、多極化しようとしても、スルーホールピッチにより端子の狭ピッチ化が制限されるため、多極コネクタの小型化、多極化も制限されるという問題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2007−214139号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
多極コネクタにおいて、相手方コネクタの端子との接点部で複数の端子が一列に並んでいても、基板実装部の手前で1列の端子列を2列に分けて千鳥配列へ列変換しておくことで、スルーホールピッチによる制限が軽減されて端子のさらなる狭ピッチ化が図れ、多極コネクタのさらなる小型化、多極化も実現できるが、近年、端子群の中に、高速差動信号伝送用として隣り合う2本の端子をペアとした端子対等を含む場合が多く、端子列を1列から2列に分けると、その部分で端子対の相互間隔が広がり、電気結合状態が悪くなり、インピーダンスミスマッチを生じ、高速差動信号を効率よく伝送できなくなるという問題を招く。
【0006】
本発明の目的は、1列の端子列をインピーダンスミスマッチを軽減しながら複数列に分割(列変換)できる多極コネクタを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するため本発明は、多極コネクタにおいて、相手方コネクタの端子との接点部では複数の端子が一列に並んでおり、その後列変換部を経て、前記相手方コネクタとは反対側の接続部となる2列以上の複数列部に1列の端子列が分割されている端子群を備え、前記端子群は、前記複数列部では端子幅が前記接点部より広くなっている複数の特定端子を含むもので、特定端子の接点部間で予めインピーダンスを合わせておき、複数列部で特定端子の端子幅を広げることで容量を稼ぎ、特定端子の間でインピーダンスの上昇を抑える。つまりインピーダンスミスマッチを軽減するものである。
【0008】
本発明において、前記特定端子は、前記列変換部から端子幅が広くなっていることが好ましい。列変換部では端子を屈曲させて2列以上の複数列部に1列の端子列を分割するので、高周波の抵抗になり易く、複数列部と同様にインピーダンスの上昇要因となるが、列変換部から端子幅を広げておくことで、よりインピーダンスを整合させ易くなる。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、1列の端子列をインピーダンスミスマッチを軽減しながら複数列に分割(列変換)できる多極コネクタを提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の一実施形態に係る多極コネクタの前方斜視図である。
【図2】同多極コネクタの後方斜視図である。
【図3】同多極コネクタの断面図である。
【図4】同多極コネクタの分解状態の前方斜視図である。
【図5】同多極コネクタの上段端子群装着状態のボディの前方斜視図である。
【図6】同多極コネクタの上段端子群装着状態のボディの後方斜視図である。
【図7】同多極コネクタの下段端子群装着状態のボディの前方斜視図である。
【図8】同多極コネクタの下段端子群装着状態のボディの後方斜視図である。
【図9】同多極コネクタを実装するプリント回路基板のランド及びスルーホールのレイアウト図である。
【図10】同多極コネクタの下段端子群の後方斜視図である。
【図11】同多極コネクタの下段端子群の底面図である。
【図12】同多極コネクタの下段端子群の背面図である。
【図13】同多極コネクタの下段端子群の側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。図1は本発明の一実施形態に係る多極コネクタの前方斜視図、図2は同多極コネクタの後方斜視図、図3は同多極コネクタの断面図、図4は同多極コネクタの分解状態の前方斜視図である。図1〜図4に示す多極コネクタ1は、機器側のプリント回路基板100(図3参照)に実装され、図示しない相手方コネクタ(機器間の接続ケーブルの末端に取り付いているプラグ)がプリント回路基板100と平行に挿入嵌合される横型(縦型はプリント回路基板100に対して垂直に挿入嵌合される)のミニディスプレイポートコネクタ(ソケット)である。なお、以下の説明では、図1における矢印a−b方向を多極コネクタの前後方向、矢印c−d方向を多極コネクタの上下方向、矢印e−f方向を多極コネクタ1の左右方向として説明する。
【0012】
図4に示すように、多極コネクタ1は、ボディ2と、表面実装用で10本1組の上段端子群30及び挿入実装用で10本1組の下段端子群40(合計20本の端子)と、端子スペーサ5と、コネクタシェル6と、シールドカバー7とから構成されている。
【0013】
図5は上段端子群装着状態のボディの前方斜視図、図6は上段端子群装着状態のボディの後方斜視図、図7は下段端子群装着状態のボディの前方斜視図、図8は下段端子群装着状態のボディの後方斜視図である。
【0014】
図3〜図8に示すように、ボディ2は、合成樹脂等の絶縁材料からなる成型品であり、略直方体状の端子支持基部2aと、端子支持基部2aの前面略中央部から前方へ向かって水平に突出する略矩形板状の端子支持部2bと、端子支持部2bの上表面に略等間隔で前後方向に平行するよう左右横一列に並設する10本の上段端子圧入溝2cと、上段端子圧入溝2cを端子支持基部2aの後面に一直線に貫通させる上段端子挿入孔2dと、端子支持部2bの下表面に略等間隔で前後方向に平行するよう左右横一列に並設する10本の下段端子圧入溝2eと、下段端子圧入溝2eを端子支持基部2aの後面に一直線に貫通させる下段端子挿入孔2fと、端子支持基部2aを下から支える脚部2gと、脚部2gの下面から下向きに突出する左右2本の位置決めピン2hと、ボディ2の後面(端子支持基部2a及び脚部2gの後面)に設ける下段端子収容凹部2iと、下段端子収容凹部2iの下部に設ける下段端子挟持用凹凸部2jと、下段端子挟持凹凸部2jの左右外側に設ける左右2つの位置決め孔2kと、その他コネクタシェル6やシールドカバー7との係合部とを一体に形成している。
【0015】
図3〜図8に示すように、10本の上段端子3(上段端子群30)は、それぞれ、全体的にL形状に曲げられた細長い電極端子からなり、L形状の一片をボディ2の後側から上段端子挿入孔2dを通して上段端子圧入溝2cに圧入し、L形状の他片をボディ2の後側で下向きに引き出した状態でボディ2に装着しており、上段端子圧入溝2cに圧入されているL形状の一片の先端部(前端部)で相手方コネクタの10本の上段端子との接点部3aを形成し、ボディ2の後側で下向きに引き出されているL形状の他片の先端部(下端部)でプリント回路基板100に対する基板実装部3bを形成している。上段端子3は表面実装用であるので、基板実装部3bはプリント回路基板100と平行になるよう、ボディ2の後側で下向きに引き出されているL形状の他片の先端部を直角に曲げて形成している。そして、10本の上段端子3の接点部3aが10本の上段端子圧入溝2cを介して端子支持部2bの上表面に略等間隔で前後方向に平行するよう左右横一列に並べられており、その1列の端子列は、そのまま、基板実装部3bまで保持されている。つまり10本の上段端子3は、その全長にわたって左右横一列に並べられている。
【0016】
10本の上段端子3は、良導電性の金属薄板(フープ材)の打ち抜き加工及び曲げ加工等のプレス加工によって、基板実装部3bの先端が図示しないキャリア部で相互に繋がれて、左右横一列に並べられた短冊状態で一括に形成されており、その状態でボディ2に装着した後、キャリア部を切り離すことで、10本の個別の上段端子3としてボディ2に一括に装着される。
【0017】
図3〜図8に示すように、10本の下段端子4(下段端子群40)は、それぞれ、全体的にL形状に曲げられた細長い電極端子からなり、L形状の一片をボディ2の後側から下段端子挿入孔2fを通して下段端子圧入溝2eに圧入し、L形状の他片をボディ2の下段端子収容凹部2i内で下向きに引き出した状態でボディ2に装着しており、下段端子圧入溝2eに圧入されているL形状の一片の先端部(前端部)で相手方コネクタの10本の下段端子との接点部4aを形成し、ボディ2の下段端子収容凹部2i内で下向きに引き出されているL形状の他片の先端部(下端部)でプリント回路基板100に対する基板実装部4bを形成している。下段端子4は挿入実装用であるので、基板実装部4bは、プリント回路基板100に対して垂直になるよう、ボディ2の後側で下向きに引き出されているL形状の他片の先端部を曲げることなくそこでピン構造に形成されている。そして、10本の下段端子4の接点部4aが10本の下段端子圧入溝2eを介して端子支持部2bの下表面に略等間隔で前後方向に平行するよう左右横一列に並べられており、その1列の端子列は、ボディ2の後側で下向きに引き出されているL形状の他片の途中(基板実装部4bの手前)で、前後2列に分割されて略千鳥配列へ列変換されている。つまり10本の下段端子4は、接点部4aでは左右横一列に並べられているが、基板実装部4bでは前後2列に分割されて略千鳥状に配列されている。この下端端子群40の列変換構造については後述する。
【0018】
10本の下段端子4は、ボディ2の後側で下向きに引き出されているL形状の他片の下部(前後2列に分割されて略千鳥状に配列されている基板実装部4bの直前部)がボディ2の下段端子挟持用凹凸部2jによって前側から支えられている。
【0019】
10本の下段端子4は、良導電性の金属薄板(フープ材)の打ち抜き加工及び曲げ加工等のプレス加工によって、先ず、10本の上段端子3と同様、基板実装部4bの先端が図示しないキャリア部で相互に繋がれて、接点部4aから基板実装部4bまで左右横一列に並べられた短冊状態で一括に形成され、その後、キャリア部を切り離して10本の個別の下段端子4とした状態でL形状の他片の途中に曲げ加工を施して列変換することで完成されている。そして、10本の個別の下段端子4がボディ2に一括に装着されている。このように、10本の下段端子4を一括製造することで、各列ごとに分けて製造するのに比べて製造コストの上昇を低く抑えられる。
【0020】
図2〜図6に示すように、端子スペーサ5は、合成樹脂等の絶縁材料からなる成型品であり、ボディ2の下段端子収容凹部2iに嵌合可能な略直方体状の端子群間スペーサ部5aと、端子群間スペーサ部5aの前面に設ける下段端子収容凹部5bと、下段端子収容凹部5bの上部に設ける凹凸状の下段端子間スペーサ部5cと、下段端子収容凹部5bの下部に設ける下段端子挟持用凹凸部5dと、下段端子挟持用凹凸部5dの左右外側から前方へ向かって突出する左右2本の位置決めピン5eと、端子群間スペーサ部5aの後面下部に設ける凹凸状の上段端子間スペーサ部5fと、コネクタシェル6との係合部とを一体に形成している。
【0021】
端子スペーサ5は、10本の下段端子4をボディ2に装着した後、ボディ2に装着される。端子スペーサ5をボディ2に装着するときは、左右2本の位置決めピン5eをボディ2の後側から左右2つの位置決め孔2kに挿入しながら、端子群間スペーサ部5aをボディ2の下段端子収容凹部2iに嵌合する。そして、10本の下段端子4は、ボディ2の後側で下向きに引き出されているL形状の他片(基板実装部4bは除く)が、端子支持基部2a(ボディ2)と端子群間スペーサ部5a(端子スペーサ5)との間に、ボディ2の下段端子収容凹部2iと端子スペーサ5の下段端子収容凹部5bとで形成される空間に収納され(基板実装部4bは除く)、その空間において列変換されている。また、10本の下段端子4は、ボディ2の後側で下向きに引き出されているL形状の他片が、上部(列変換前)では、端子スペーサ5の下段端子間スペーサ部5cの凹部に嵌り込み、L形状の他片の上部の端子相互間に、端子スペーサ5の下段端子間スペーサ部5cの凸部が嵌り込むとともに、下部(基板実装部4bの手前で列変換後)では、端子スペーサ5の下段端子挟持用凹凸部5dによって後側から支えられて、ボディ2の下段端子挟持用凹凸部2jと端子スペーサ5の下段端子挟持用凹凸部5dとの間で挟持され、端子相互間隔と列相互間隔の両方が適正に保持されている。つまり確実に絶縁されている。
【0022】
10本の上段端子3は、端子スペーサ5をボディ2に装着した後にボディ2に装着される。そして、10本の上段端子3は、L形状の他片が端子スペーサ5の後側で下向きに引き出されており、10本の上段端子3のL形状の他片と10本の下段端子4のL形状の他片の間に端子スペーサ5の端子群間スペーサ部5aが挟み込まれ、10本の上段端子3のL形状の他片と10本の下段端子4のL形状の他片との間隔が端子スペーサ5の端子群間スペーサ部5aによって適正に保持されている。つまり確実に絶縁されている。また、10本の上段端子3は、端子スペーサ5の後側で下向きに引き出されているL形状の他片の下部(基板実装部3bの手前)が、端子スペーサ5の上段端子間スペーサ部5fの凹部に嵌り込み、L形状の他片の下部の端子相互間に、端子スペーサ5の上段端子間スペーサ部5fの凸部が嵌り込み、端子相互間隔が適正に保持されている。つまり確実に絶縁されている。
【0023】
図1〜図4に示すように、コネクタシェル6は、一枚の導電性を有する金属薄板を打ち抜き加工及び曲げ加工等のプレス加工よって略四角筒形状に形成れており、略四角筒形状の後部をボディ2の前側から端子支持基部2aに外嵌し、上表面に10本の上段端子3の接点部3aが左右横一列に配置され、下表面に10本の下段端子4の接点部4aが左右横一列に配置された端子支持部2bを略四角筒形状で包囲した状態でボディ2に装着され、前端側に開口部8を形成し、相手方コネクタを前方から挿入嵌合可能な相手方コネクタとの嵌合部9を形成している。コネクタシェル6は、シールドカバー7に常時押し付けて接触させ、コネクタシェル6をシールドカバー7に常時電気的に接続するための複数の片持ち梁状のバネ接片6aと、相手方コネクタを嵌合したときに、相手方コネクタの導電性を有するコネクタシェルに押し付けて接触させ、コネクタシェル同士を電気的に接続するための複数の片持ち梁状のバネ接片6bとを設けている。これら各バネ接片6a,6bは、コネクタシェル6を部分的に切り起こして形成される。また、コネクタシェル6は、ボディ2のシェル係合部とでボディ2からの離脱防止(抜け止め)を行うためのボディ係合部と、端子スペーサ5のコネクタシェル係合部とで端子スペーサ5のボディ2からの離脱防止(抜け止め)を行うための係合部と、シールドカバー7との係合部とを設けている。
【0024】
図1〜図4に示すように、シールドカバー7は、一枚の導電性を有する金属薄板を打ち抜き加工及び曲げ加工等のプレス加工よって形成されており、ボディ2の端子支持基部2aの上面と左右側面の3面を覆うカバー部7aと、カバー部7aの天板後縁から折り曲げ自在に後方へ向かって延出される天板延長部でなる蓋部7bとを設けている。シールドカバー7は、多極コネクタ1の組み立て工程の最後に、蓋部7bを開いた状態のカバー部7aをボディ2の後側から端子支持基部2aに外嵌することでボディ2に装着され、装着後に開いている蓋部7bを閉じることで、端子支持基部2aの上面と左右側面の3面をコネクタシェル6の上から覆うとともに、ボディ2の後面(端子支持基部2a及び端子スペーサ5の後面)をボディ2の後側で下向きに引き出されている10本の上段端子3のL形状の他片の上から覆い、コネクタシェル6とで多極コネクタ1のシールドを構成している。シールドカバー7は、相手方コネクタのシールドをコネクタシェル6を通じてプリント回路基板100に電気的に接続するため、カバー部7aの両端部から下向きに突出する左右2本の挿入実装用の端子部7cを設けている。また、シールドカバー7は、ボディ2のシールドカバー係合部とでボディ2からの離脱防止を行うためのボディ係合部と、コネクタシェル6との係合部とを設けている。
【0025】
図9はプリント回路基板のランド及びスルーホールのレイアウト図である。
【0026】
図9に示すように、プリント回路基板100には、ボディ2の左右2本の位置決めピン2hに対応して配置する2つの位置決め孔101と、10本の上段端子3の基板実装部3bに対応して一列に配列する表面実装用の10個のランド102と、10本の下段端子4の基板実装部4bに対応して2列の略千鳥状に配列する10個のスルーホール103と、シールドカバー7の左右2本の端子部7cに対応して配置する2つのアース用スルーホール104とを設けている。そして、多極コネクタ1をプリント回路基板100に実装するときは、ボディ2の左右2本の位置決めピン2hをプリント回路基板100の2つの位置決め孔101に挿入しながら、多極コネクタ1をプリント回路基板100の10個のランド102を設けた表面に載置し、10本の上段端子3の基板実装部3bをプリント回路基板100の10個のランド102の上に重ね合わせ、10本の下段端子4の基板実装部4bをプリント回路基板100の10個のスルーホール103に挿入するとともに、シールドカバー7の左右2本の端子部7cをプリント回路基板100の2つのアース用スルーホール104に挿入する。この状態で、10本の上段端子3の基板実装部3bをプリント回路基板100の10個のランド102にリフロー半田付けし、10本の上段端子3をプリント回路基板100に機械的に固定、電気的に接続(表面実装)した後、プリント回路基板100を裏返して、10本の下段端子4の基板実装部4bをプリント回路基板100の10個のスルーホール103にフローで半田付けし、10本の下段端子4をプリント回路基板100に機械的に固定、電気的に接続(挿入実装)するとともに、シールドカバー7の左右2本の端子部7cをプリント回路基板100の2つのアース用スルーホール104にフローで半田付けし、シールドカバー7をプリント回路基板100に機械的に固定、電気的に接続(挿入実装)するものである。
【0027】
多極コネクタ1は、相手方コネクタが前方から開口部8を通して嵌合部9に挿入嵌合されたとき、10本の上段端子3の接点部3aが相手方コネクタの10本の上段端子とそれぞれ接触して、10本の上段端子3を通じて相手方コネクタの10本の上段端子をそれぞれプリント回路基板100に電気的に接続し、10本の下段端子4の接点部4aが相手方コネクタの10本の下段端子とそれぞれ接触して、10本の下段端子4を通じて相手方コネクタの10本の下段端子をそれぞれプリント回路基板100に電気的に接続し、例えば映像信号、音声信号、制御信号、クロック信号等を伝送するとともに、シールドカバー7が相手方コネクタのシールドをコネクタシェル6を通じてプリント回路基板100に電気的に接続(アース接続)し、シールド機能(電磁妨害対策)を発揮すものである。
【0028】
続いて、下段端子群40の列変換構造について図10〜図13を参照して説明する。図10は下段端子群の後方斜視図、図11は下段端子群の底面図、図12は下段端子群の背面図、図13は下段端子群の側面図である。
【0029】
下段端子群40を構成する10本の下段端子4は、前述のとおり、全体的にL形状に曲げられ、相手方コネクタの10本の下段端子との接点部4aをなすL形状の一片は、ボディ2の後側から下段端子挿入孔2fを通して下段端子圧入溝2eに圧入されて、略等間隔で前後方向(相手方コネクタの挿抜方向)に平行するよう左右横一列に並べられる。一方、相手方コネクタと反対側の接続部、つまりプリント回路基板100への接続部となるL形状の他片は、ボディ2の後側で下向きに引き出され、L形状の他片の先端部(下端部)がプリント回路基板100に対する基板実装部4bになる。ここで、L形状の他片がL形状の一片と同様に左右横一列に並んでいると、当然、基板実装部4b及びそれを挿入するプリント回路基板100のスルーホール103も左右横一列に並ぶことになり、プリント回路基板100のスルーホール103ピッチにより下段端子4の狭ピッチ化が制限されるため、多極コネクタ1の小型化、多極化も制限されるという問題がある。この問題を解決するため、L形状の他片の途中に、基板実装部4bの手前で1列の端子列41を前後2列42、43の複数列部44に分割するとともに、略千鳥配列へ列変換するための列変換部45を設けている。
【0030】
なお、列変換の具体例を図10〜図13に示すが、便宜上、図10〜図12における10本の下段端子4に端子番号を付けて以下の説明を行う。右端の下段端子4が1番、左に向かって順次2番、3番・・、左端の下段端子4が10番である。
【0031】
図10〜図13に示すように、10本の下段端子4のうち、1番、3番、5番、6番、8番、10番の6本の下段端子4のL形状の他片の途中には、そこから基板実装部4b側(下側)を接点部4a側(上側)よりも少し前側で下向きに引き出すようにクランク状の前向き屈曲部4cを形成し、残りの2番、4番、7番、9番の4本の下段端子4のL形状の他片の途中には、そこから基板実装部4b側(下側)を接点部4a側(上側)よりも少し後側で下向きに引き出すよう、前向き屈曲部4cとは前後対称形状のクランク状の後向き屈曲部4dを形成し、これら前向き屈曲部4cと後向き屈曲部4dとにより上下が逆のY字形の列変換部45を構成し、この列変換部45により基板実装部4bの手前で1列の端子列41を前後2列42,43に分割(分岐)し、つまり複数列部44に分割するとともに、略千鳥配列へ列変換している。
【0032】
こうして、相手方コネクタの下段端子との接点部4aでは10本の下段端子4が一列に並んでおり、その後列変換部45を経て、相手方コネクタとは反対側の接続部となる前後2列42,43の複数列部44に1列の端子列41が分割されている下段端子群40を備えることで、スルーホール103ピッチによる制限が軽減されて10本の下段端子4のさらなる狭ピッチ化が図れるので、多極コネクタ1のさらなる小型化、多極化を実現できる。
【0033】
下段端子群40の中には、高速差動信号伝送用として隣り合う2本の端子をペアとした端子対を有しており、列変換部45により基板実装部4bの手前で1列の端子列41を前後2列42,43の複数列部44に分割するとともに、略千鳥配列へ列変換すると、端子対を別々の列(前列42と後列43)に分ける構成となる。仮に、端子対が2番、3番の2本の下段端子4の場合、複数列部44で2番、3番の2本の下段端子4の相互間隔が広がり、端子対の電気結合状態が悪くなり、インピーダンスミスマッチを生じ、高速差動信号を効率よく伝送できなくなるという問題を招く。この問題を解決するため、インピーダンスを整合させる必要のある端子対をなす特定端子46,47(ここでは2番、3番の2本の下段端子4)については、図10〜図13に示すように、複数列部44における端子幅L1を接点部4aにおける端子幅L2より広くしている(L1>L2)。そして、2本の特定端子46、47の接点部4a間で予めインピーダンスを合わせておき、複数列部44で2本の特定端子46、47の端子幅L1を広げることで容量を稼ぎ、2本の特定端子46、47の間でインピーダンスの上昇を抑える。つまりインピーダンスミスマッチを軽減するものである。
【0034】
こうして、下段端子群40は、複数列部45では端子幅L1が接点部4aの端子幅L2より広くなっている2本の特定端子46、47を含むことで、1列の端子列41をインピーダンスミスマッチを軽減しながら前後2列42、43の複数列部44に分割するとともに、略千鳥配列へ列変換できる。
【0035】
列変換部45では2本の特定端子46、47を含む10本の下段端子4を屈曲させて、前後2列42、43の複数列部44に1列の端子列41を分割するので、高周波の抵抗になり易く、2本の特定端子46、47では複数列部44と同様、インピーダンスの上昇要因となるが、図10〜図13に示すように、複数列部45で端子幅L1を広げるときに列変換部45から端子幅L1を広げておくことで、よりインピーダンスを整合させ易くなる。
【0036】
前述のとおり、2本の特定端子46、47は、複数列部45の端子幅L1を接点部4aの端子幅L2より広くしているが、基板実装部4bまでその端子幅L3を接点部4aの端子幅L2より広くすると、2本の特定端子46、47の基板実装部4bを別々に挿入するプリント回路基板100のスルーホール103には、2本の特定端子46、47以外の8本の下段端子4の基板実装部4bを別々に挿入するプリント回路基板100のスルーホール103より大きなスルーホールが必要となり、10本の下段端子4のさらなる狭ピッチ化の妨げとなるので、2本の特定端子46、47の基板実装部4bにおける端子幅L3は複数列部45の端子幅L1より狭くしている(L3<L1)。好ましくは、2本の特定端子46、47の接点部4aの端子幅L2より狭くし(L3<L2)、さらに好ましくは、図10〜図13に示すように、複数列部45の広げる前の端子幅L3(2本の特定端子46、47以外の8本の下段端子4の基板実装部4bの端子幅)に狭める。そうすることで、前述の列変換による作用効果を効果的に得ることができる。
【0037】
なお、図10〜図13に示すように、5番と6番の中央2本の下段端子4の間では列変換していないにもかかわらず、この2本の下段端子4についても複数列部44と列変換部45で端子幅を広くしているが、これは全ての下段端子4、つまり下段端子群40全体のの基板実装部4bにおけるピッチ調整のためのものである。
【0038】
また、前述した下段端子群40の列変換構造以外に、例えば10本の下段端子4のL形状の一片の長さを交互に長くしたり短くすることでも、1列の端子列41を前後2列42,43の複数列部44に分割するとともに、千鳥配列へ列変換できるが、この場合、ボディ2の後面よりも後側に列変換のためのスペースを確保する必要があり、多極コネクタ1の大型化を招くが、図10〜図13に示すように、10本の下段端子4のL形状の他片の上部を避けて(下段端子挿入孔2f位置を避けて)、好ましくは、下段端子4の基板実装部4bの近傍で列変換することで、ボディ2の後面を凹める下段端子収容凹部2i内で1列の端子列41を前後2列42,43の複数列部44に分割するとともに、千鳥配列へ列変換できるので、多極コネクタ1の大型化を招くことがない。
【0039】
以上、本実施形態では、横型のミニディスプレイポートコネクタで本発明を説明したが、本発明はそれに限定されることなく、その要旨を逸脱しない範囲内で種々変形実施できる。縦型・横型や各種規格に関係なく適用でき、特に、狭ピッチで挿入実装する多極コネクタに好適である。
【符号の説明】
【0040】
1 多極コネクタ
4 下段端子
4a 接点部
4b 基板実装部
4c 前向き屈曲部
4d 後向き屈曲部
40 下段端子群
41 1列の端子列
42、43 前後2列の端子列
44 複数列部
45 列変換部
46、47 特定端子
100 プリント回路基板
【特許請求の範囲】
【請求項1】
多極コネクタにおいて、相手方コネクタの端子との接点部では複数の端子が一列に並んでおり、その後列変換部を経て、前記相手方コネクタとは反対側の接続部となる2列以上の複数列部に1列の端子列が分割されている端子群を備え、前記端子群は、前記複数列部では端子幅が前記接点部より広くなっている複数の特定端子を含むことを特徴とする多極コネクタ。
【請求項2】
前記特定端子は、前記列変換部から端子幅が広くなっている請求項1に記載の多極コネクタ。
【請求項3】
前記特定端子は、前記複数列部で別々の列に分けられる隣り合う2本の端子をペアとした端子対であって、一対の差動信号伝送用である請求項1又は2に記載の多極コネクタ。
【請求項4】
前記列変換部では、1列の端子列を2列の複数列部に分割して略千鳥配列へ列変換している請求項1乃至3の何れか1項に記載の多極コネクタ。
【請求項5】
プリント回路基板に実装される多極コネクタであって、前記複数列部の先端に位置する基板実装部では、前記複数列部より端子幅が狭くなっている請求項1乃至4の何れか1項に記載の多極コネクタ。
【請求項1】
多極コネクタにおいて、相手方コネクタの端子との接点部では複数の端子が一列に並んでおり、その後列変換部を経て、前記相手方コネクタとは反対側の接続部となる2列以上の複数列部に1列の端子列が分割されている端子群を備え、前記端子群は、前記複数列部では端子幅が前記接点部より広くなっている複数の特定端子を含むことを特徴とする多極コネクタ。
【請求項2】
前記特定端子は、前記列変換部から端子幅が広くなっている請求項1に記載の多極コネクタ。
【請求項3】
前記特定端子は、前記複数列部で別々の列に分けられる隣り合う2本の端子をペアとした端子対であって、一対の差動信号伝送用である請求項1又は2に記載の多極コネクタ。
【請求項4】
前記列変換部では、1列の端子列を2列の複数列部に分割して略千鳥配列へ列変換している請求項1乃至3の何れか1項に記載の多極コネクタ。
【請求項5】
プリント回路基板に実装される多極コネクタであって、前記複数列部の先端に位置する基板実装部では、前記複数列部より端子幅が狭くなっている請求項1乃至4の何れか1項に記載の多極コネクタ。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2011−9151(P2011−9151A)
【公開日】平成23年1月13日(2011.1.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−153708(P2009−153708)
【出願日】平成21年6月29日(2009.6.29)
【出願人】(000194918)ホシデン株式会社 (527)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年1月13日(2011.1.13)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年6月29日(2009.6.29)
【出願人】(000194918)ホシデン株式会社 (527)
【Fターム(参考)】
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