多様なデザインパターンを表出するグラウンド組織を有する経編生地
【課題】多様なデザインパターンを表出するグラウンド組織を有する経編生地が提供される。
【解決手段】経編生地は、ループ形状に編まれた経糸で形成されたグラウンド組織、上記グラウンド組織上に編まれるパターン組織を含むが、上記グラウンド組織は、幅方向に連続して配列される少なくとも2以上の単位デザインを含み、上記単位デザインのそれぞれは、長さ方向に配列される少なくとも2以上の単位組織を含み、上記単位組織は、複数のチェーン番号の配列からなる特定のチェーン番号群のチェーンによって形成される特定の形状の網構造に構成され、上記単位組織のそれぞれは、相互異なるチェーン番号群のチェーンによって形成される相互異なる形状の網構造を有する。
【解決手段】経編生地は、ループ形状に編まれた経糸で形成されたグラウンド組織、上記グラウンド組織上に編まれるパターン組織を含むが、上記グラウンド組織は、幅方向に連続して配列される少なくとも2以上の単位デザインを含み、上記単位デザインのそれぞれは、長さ方向に配列される少なくとも2以上の単位組織を含み、上記単位組織は、複数のチェーン番号の配列からなる特定のチェーン番号群のチェーンによって形成される特定の形状の網構造に構成され、上記単位組織のそれぞれは、相互異なるチェーン番号群のチェーンによって形成される相互異なる形状の網構造を有する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、経編機の一種であるラッシェル機によって編成されるグラウンド組織及びパターン組織が編成される経編生地に関するもので、さらに詳しくは、グラウンド組織が多様なデザインパターンを表出する経編生地に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に経編生地は、平行に配列された複数の原糸が編み目(loop)を形成し、長さ方向に編み目を順番に連結して形成することで編まれる。
【0003】
上記のような経編生地は、張力に敏感であり、横、縦方向に形状及び寸法が変わりやすく、弾力性と伸縮性が良いという特徴を有し、衣類用の素材だけでなく、インテリア用または産業用の素材までその適用範囲が多様にな広がり、経編生地のニーズが増加し続いている。
【0004】
経編生地を製織するための経編機は、トリコット経編機(Tricot machine)とラッシェル機(Raschel machine)の2種類に分けられる。トリコット経編機は、生産性に優れて大量生産を可能とするが、生産される生地の組織が単純である。ラッシェル機は、生産性は劣るものの、複雑な組織を有した生地を生産することができるため、多様なデザインの生地の生産が可能である。
【0005】
ラッシェル機には、生地のグラウンド組織を形成するグラウンドガイドバーと、生地のパターン組織を形成するパターンガイドバーがそれぞれ複数備えられる。
【0006】
ラッシェル機は、通常、18〜53個のガイドバーを備えており、それぞれのガイドバーには、原糸が整経される複数の編針(knitting needle)が配列されており、それぞれのガイドバーはチェーンと連動して作動されるショギングレバーに連結される。
【0007】
チェーンは、多様な形状の単位チェーンで組み立てられるが、それぞれの単位チェーンの形状によってショギングレバーの作動距離が変わることとなる。チェーンによって作動されるそれぞれのショギングレバーは、ガイドバープッシュロードによってそれぞれのガイドバーと連結され、それぞれのガイドバーはショギングレバーによって作動される。従って、ガイドバーの作動方向と作動距離は、ショギングレバーと連動するチェーンの形状によって変わり、その結果、ガイドバーに設けられた編針によって多様なパターンの生地が編まれる。
【0008】
一般に、グラウンド組織は、2個のグラウンドガイドバーによって製織され、単位デザインの形状によって3個のグラウンドガイドバーが使われることもある。ところが、一般のラッシェル機は、グラウンドガイドチェーンドラムの直径が比較的に小さいため、組み合わせる単位チェーンの数量に制限があり、結果としてグラウンド組織のデザインも単純になる。
【0009】
図1及び図2は、従来のラッシェル機によって形成された経編生地を示す平面図であって、図1及び図2から分かるように、従来の経編生地のグラウンド組織は、単純な1個のデザインパターンのみを有している。グラウンド組織を形成するチェーンの長さが短く、チェーンに組み合わせる単位チェーンの数が少ない数字に制限されているため、多様なグラウンド組織を形成することができなかった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明の目的は、多様な形状の網構造で構成される単位組織が連続して多様な単位デザインの形に表出され、これらの単位デザインが様々な形状の配列構造を有する経編生地を提供することにある。
【0011】
本発明の他の目的は、複合的な単位組織の多様なデザイン形状を有するグラウンド組織上に多様なパターン組織を組み合わせることで、バランスよく鮮明な、立体感のある経編生地を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記のような課題を解決するための本発明の経編生地は、ループ形状に編まれた経糸で形成されるグラウンド組織、上記グラウンド組織上に編まれるパターン組織を含むが、上記グラウンド組織は、幅方向に連続して配列される少なくとも2以上の単位デザインを含み、上記単位デザインのそれぞれは長さ方向に配列される少なくとも2以上の単位組織を含み、上記単位組織は、複数のチェーン番号の配列からなる特定のチェーン番号群のチェーンによって形成される特定の形状の網構造で構成され、上記単位組織のそれぞれは相互異なるチェーン番号群のチェーンによって形成される相互異なる形状の網構造を有する。
【0013】
ここで、上記単位組織は、同じ形状の複数のループが長さ方向に連続して編まれることができる。
【0014】
また、上記単位組織は、複数のチェーン番号の配列からなるチェーン番号群のチェーンと連動する少なくとも2以上のグラウンドガイドバーによって編まれることができる。
【0015】
また、上記網構造のループ形状は、四角形、ダイアモンド形、斜方形及び六角形のうちいずれか一つであることができる。
【0016】
また、上記グラウンド組織は、少なくとも2列の単位デザインを含み、いずれか一つの単位デザインの単位組織は、他の単位デザインの単位組織に幅方向にジグザグに配列されることができる。
【0017】
また、上記グラウンド組織は、少なくとも2列の単位デザインを含み、いずれか一つの単位デザインの単位組織は、他の単位デザインの単位組織と幅方向に平行に配列されることができる。
【0018】
また、上記グラウンド組織は、少なくとも2列の単位デザインを含み、いずれか一つの単位デザインの幅は、上記一つの単位デザインと幅方向に隣接した他の単位デザインの幅より広いことができる。
【0019】
また、一つの単位組織の長さは、上記一つの単位組織に長さ方向に隣接した他の単位組織の長さより長いことができる。
【発明の効果】
【0020】
これによって、本発明によると、様々な形状の網構造で構成される単位組織が連続して多様な単位デザインの形に表出され、これらの単位デザインが様々な形状の配列構造を有する経編生地を生産することができる。
【0021】
また、複合的な単位組織の多様なデザイン形状を有するグラウンド組織上に多様なパターン組織を組み合わせることで、バランスよく鮮明な、立体感のある経編生地を提供して経編生地の高級化をもたらすことができる。
【0022】
また、既存のラッシェル経編機のチェーンの配列及び機械の構造を改造することで、設備費用の低減及び設備空間の合理化などを図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】従来のラッシェル機によって形成された経編生地を示す平面図である。
【図2】従来のラッシェル機によって形成された経編生地を示す平面図である。
【図3】一般のラッシェル機を示す図面である。
【図4】本発明のラッシェル機において第2グラウンドガイドバーとこれを作動させるチェーンとの連結関係を示す図面である。
【図5】本発明の第1実施例による多様なデザインパターンを有するグラウンド組織を示す図面である。
【図6】図5に図示されたグラウンド組織において一つのサイクルとなる部分を示す拡大図である。
【図7】一定な網構造を形成するための意匠設計図案である。
【図8】一定な網構造を形成するための意匠設計図案である。
【図9】本発明の第2実施例の単位デザインを形成するためのチェーン配列図である。
【図10】本発明の第2実施例の単位デザインを形成するためのチェーン配列図である。
【図11】図9及び図10のチェーン配列図によるデザイン図案である。
【図12】グラウンド組織において単位組織の配列形状を示す図面である。
【図13】グラウンド組織において単位組織の配列形状を示す図面である。
【図14】グラウンド組織において単位組織の配列形状を示す図面である。
【図15】グラウンド組織において単位組織の配列形状を示す図面である。
【図16】グラウンド組織において単位組織の配列形状を示す図面である。
【図17】グラウンド組織において単位組織の配列形状を示す図面である。
【図18】グラウンド組織において単位組織の配列形状を示す図面である。
【図19】グラウンド組織において単位組織の配列形状を示す図面である。
【図20】グラウンド組織において単位組織の配列形状を示す図面である。
【図21】本発明によるグラウンド組織にパターン組織を付加した経編生地の実施例に関する図面である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
本発明の利点及び特徴、そしてそれを達成するための方法は、添付の図面と共に詳しく後に説明される実施例を参照すると明らかになる。しかし、本発明は、以下に開示される実施例に限定されるものではなく、相互異なる多様な形に具現されることができ、但し、本実施例は、本発明の開示が完全になるようにし、本発明が属する技術分野において通常の知識を有する者に発明の範囲を完全に伝えるため提供されるもので、本発明は請求項の範囲によってのみ定義される。明細書の全体に亘り同じ参照符号は同じ構成要素を指す。
【0025】
以下、本発明の実施例による多様なデザインパターンのグラウンド組織を有する経編生地を添付の図面を参照して詳しく説明する。
【0026】
以下に記載される“単位チェーン”とは、長さ、高低さまたは傾斜度が組み合わせて様々な形状に製作されたチェーンの組立時の最小単位となる組立部品を意味する。
【0027】
この際、単位チェーンはそれぞれの番号が設定されて区別される。例えば、高い番号の単位チェーンは削られた傾斜面が長いという意味であり、傾斜面が長いほど動作する時間が長くなりガイドバーが遠く作動するようになる。
【0028】
“チェーン番号数字群”は、単位チェーンのチェーン番号が連続して配列された複数の数字からなる一つの群を意味する。
【0029】
“単位組織”は、一定の形状のループを形成するチェーン番号数字群が連続して繰り返して組み立てられた複数の単位チェーンによって形成される一定の形状の網構造を有するグラウンド組織を意味する。
【0030】
“単位デザイン”とは、上記単位組織が編織方向(長さ方向)に連続して複数形成されて一つのサイクルを成す1個のデザインを意味する。
【0031】
図3は、一般的なラッシェル機100を示す図面である。一般的なラッシェル機において、グラウンドガイドバー110は、左側に連結されたグラウンドガイドバープッシュロード130によってグラウンドガイドチェーンドラム150と連動して作動される。
【0032】
本発明の経編生地を製造する装置は、一般ラッシェル機を改造した装置であって、第1グラウンドガイドバーは、従来のラッシェル機のように、従来のグラウンドガイドチェーンドラムと連動させ、第2グラウンドガイドバー及び第3グラウンドガイドバーは、別個のチェーンドラムと連動するようにする。
【0033】
図4は、本発明のラッシェル機において、第2グラウンドガイドバー(または第3グラウンドガイドバー)とこれを作動させるチェーンとの連結関係を示す図面である。
【0034】
図4を参照すると、第2グラウンドガイドバー210の右側は、グラウンドガイドバープッシュロード230の一側の端と連結され、グラウンドガイドバープッシュロード230の他側の端は、ショギングレバー240と連結される。ショギングレバー240の側面にはショギングベアリング270が備えられるが、ショギングベアリング270は、チェーンドラム250に巻かれたチェーン260の表面に接している。チェーン260を形成するそれぞれの単位チェーンはショギングベアリング270を押す作動をし、従ってそれぞれの単位チェーンの形によってショギングレバー240の作動距離が異なるようになる。図4では第2グラウンドガイドバーの連結状態のみを図示したが、第3グラウンドガイドバーも同じ連結状態を有することとなる。
【0035】
従来のラッシェル機では、第1グラウンドガイドバーと第2グラウンドガイドバーが一つのパターンにのみ作動するため、1つのパターンのグラウンド組織が形成されるが、本発明では、第2グラウンドガイドバー及び第3グラウンドガイドバーが多様なパターンに作動されることができるため、多様なパターンを有するグラウンド組織が形成される。
【0036】
図5は、本発明の第1実施例による多様なデザインパターンを有するグラウンド組織を示す図面であり、図6は、図5に図示されたグラウンド組織1において、一つのサイクルとなる部分5を示す拡大図である。図5及び図6を参照すると、グラウンド組織1は、幅方向に繰り返される2列の単位デザイン10、20を有し、各単位デザイン10、20は、長さ方向に連続して配列される複数の直四角形の形状の単位組織を有する。ここで、それぞれの単位組織は、相互異なる形状の網構造に編織されることがみられる。
【0037】
上記単位組織は、第1グラウンドガイドバーに整経された経糸と、第2グラウンドガイドバー及び/または第3グラウンドガイドバーに整経された経糸とが、連続してループ形状に編まれることで網構造が形成され、網構造のループの形状は、ガイドバーと連動するチェーンのチェーン番号群によって異なることとなる。
【0038】
上記単位組織を構成する網構造のループ形状は、四角形、ダイアモンド形、斜方形及び六角形のいずれか一つに形成されることができる。
【0039】
図7は、四角形の網構造を形成するための意匠設計図案である。四角形の網構造は、第1グラウンドガイドバーが2−0、0−2、2−0、0−2、2−0、0−2のチェーン番号群のチェーンと連動し、第2グラウンドガイドバーが0−0、2−2、0−0、4−4、2−2、4−4のチェーン番号群のチェーンと連動することで形成される。
【0040】
図8は、六角形の網構造を形成するための意匠設計図案である。六角形の網構造は、第1グラウンドガイドバーが2−0、0−2、2−0、2−4、4−2、2−4のチェーン番号群のチェーンと連動し、第2グラウンドガイドバーが0−0、2−2、0−0、4−4、2−2、4−4のチェーン番号群のチェーンと連動することで形成される。
【0041】
図9及び図10は、本発明の第2実施例の単位デザインを形成するためのチェーン配列図であるが、チェーン配列はこれに限定されず、多様に変形されることができる。
【0042】
チェーン配列図に沿って連結されたチェーンは一つの単位デザインを編み、チェーンが循環することで、繰り返される複数の単位デザインが繰り返して編まれる。
【0043】
第1グラウンドガイドバーの作動を決定するチェーンは、グラウンドチェーンガイドドラムに巻かれ、一般的に16〜24個の単位チェーンが組み立てられて形成される。
【0044】
しかし、グラウンドチェーンガイドドラムに装着されるチェーンは、組み立てられる単位チェーンの数が少ないため、編織できるデザインの形状が単純である。従って、本発明では、第1グラウンドガイドバーのチェーンのみをグラウンドチェーンガイドドラムに装着させ、第2グラウンドガイドバー及び第3グラウンドガイドバーを作動させるチェーンは、別個のチェーンガイドドラムに装着させる。従って、第2グラウンドガイドバー及び第3グラウンドガイドバーを作動させるチェーンは長く延長されることができるため、多様な形状の網構造が連続して編まれることができる。
【0045】
本発明の第2実施例において、第2グラウンドガイドバー及び第3グラウンドガイドバーを作動させるチェーンは、それぞれ174個の単位チェーンが組み立てられて形成される。組み立てられる単位チェーンの数量及び形状は編まれる生地のデザインによって変更されることができる。
【0046】
第2実施例において、第1グラウンドガイドバーは、2−0、0−2、2−0、0−2のチェーン番号群が繰り返されるチェーンによって作動し、第2グラウンドガイドバーは、図6のチェーン配列図に示したチェーン番号群のチェーンによって作動する。チェーン配列図の一行目ないし三行目を参照すると、2、6、4、8、4、6の数字群が繰り返されるが、この数字は一つのチェーン番号数字群を形成し、一つのチェーン番号数字群に該当するチェーンの部分は一つの形状の網構造を編織する。2、6、4、8、4、6のチェーン番号数字群は7回繰り返されるが、これは同じ形状のループが7回繰り返されて編織されることを意味し、このように繰り返される複数のチェーン番号数字群は、一つの単位組織を編織することとなる。すなわち、2、6、4、8、4の数字群が繰り返されるチェーンの部分は、第1網構造の単位組織A1を編む。
【0047】
このチェーン番号数字群に次いであらわれる6、4、6のチェーン番号3つは連結部を編織することとなる。次に、4、8、2、6、2、8のさらに他のチェーン番号数字群が繰り返してあらわれるが、このチェーン番号数字群は以前のチェーン番号数字群とは異なる形状の網構造を編織することとなる。
【0048】
すなわち、4、8、2、6、2、8の数字群が繰り返されるチェーンの部分は第2網構造の単位組織B1を編み、4、8、2、6の数字群が繰り返されるチェーンの部分は第3網構造の単位組織C1を編み、4、8、4、8、4、6、2、6、2、6の数字群が繰り返されるチェーンの部分は第4網構造の単位組織D1を編む。
【0049】
チェーン配列図に示した174個の単位チェーンの組合せは一つの単位デザインを編み、チェーンが循環することで単位デザインが繰り返して編まれる。
【0050】
これと同様に、第3グラウンドガイドバーは、チェーン配列図に示したチェーン番号のチェーンによって作動する。第2実施例において第3グラウンドガイドバーのチェーン配列は、第2グラウンドガイドバーのチェーン配列と基本的に同じであるが、一定の単位チェーンだけシフトされている。これはグラウンド組織において上記第2グラウンドガイドバーが形成した単位デザインと網構造が同じ他の単位デザインがスタートの位置が異なるようにして並んで配列されることを意味する。
【0051】
図11は、上記チェーン配列図によるデザイン図案であって、第1単位デザイン10は、第1グラウンドガイドバー及び第2グラウンドガイドバーで編まれたもので、第2単位デザイン20は、第1グラウンドガイドバー及び第3グラウンドガイドバーで編まれたものである。
【0052】
第1単位デザインは、第1グラウンドガイドバー及び第2グラウンドガイドバーの作動によって編まれ、連続して組み合わせる相互異なる4個の単位組織A1、B1、C1、D1を有する。
【0053】
第2単位デザインは、第1グラウンドガイドバー及び第3グラウンドガイドバーの作動によって編まれ、連続して組み合わせる相互異なる4個の単位組織A2、B2、C2、D2を有する。
【0054】
本実施例において第2単位デザインは、第1単位デザインの単位組織と網構造が同じ単位組織がずれて配列された単位組織を有するものを例としたが、第2単位デザインは第1単位デザインの単位組織A1、B1、C1、D1と網構造が異なる別個の単位組織が連続して組み合わされて形成されることができる。
【0055】
図12ないし図20は、グラウンド組織において単位組織の配列の形状を示す図面である。
【0056】
図12を参照すると、グラウンド組織において単位デザインが2列に配列されるが単位組織の幅方向に平行に配列されている。図13を参照すると、グラウンド組織において単位組織が幅方向にジグザグ状に配列されている。図14を参照すると、単位組織が不規則的に配列されており、図15を参照すると、グラウンド組織において単位デザインが2列に配列されるが、第1単位デザインと第2単位デザインは相互異なる網構造の単位組織を有する。
【0057】
図16を参照すると、単位デザインが2列に配列されるが、単位組織が幅方向に平行に配列されており、第1単位デザインの幅と第2単位デザインの幅が相違するように形成される。
【0058】
図17を参照すると、単位デザインが2列に配列されるが、単位組織が幅方向にジグザグに配列されており、第1単位デザインの幅と第2単位デザインの幅が相違するように形成される。
【0059】
図18を参照すると、全体的に単位組織が幅方向に平行に配列されるが、一部の単位配列の高さが異なるように形成される。
【0060】
図19を参照すると、全体的に単位組織が幅方向にジグザグに配列されるが、一部の単位配列の高さが異なるように形成される。
【0061】
以上の実施例では、単位デザインが2列に配列されることを例として挙げたが、これに限定されるのではなく、グラウンドガイドバーを追加することによって、単位デザインは3列以上に配列されることができる。図20を参照すると、単位デザインが3列に配列されるが、単位組織が幅方向にジグザグに配列される。
【0062】
このように、複数の単位組織で構成されるグラウンド組織は、その単位組織が水平、ジグザグ、規則的または不規則的に組み合わせて多様な形状の配列構造を有することができる。従って、本発明は、多様なパターンの単位組織が一つの組織として循環するようにすることで、多様なデザインパターンを有するグラウンド組織を提供することができる。
【0063】
図21は、本発明によるグラウンド組織にパターン組織を付加した経編生地実施例に関する図面である。
【0064】
図21に図示されたとおり、経編生地は、グラウンド組織とパターン組織が相互組合せて一つのデザインを形成する。一般的に使われるグラウンド組織の網構造のループ形状は、四角形、ダイアモンド形、六角形、斜方形であり、これらを基に変化された形状のループが使われることができる。パターン組織は、パターンチェーンのチェーン配列によりグラウンド組織よりもさらに複合的で、且つ、多様なデザインに形成される。
【0065】
すなわち、グラウンド組織とパターン組織が相互組み合わせてデザインが形成されるが、グラウンド組織のパターンを多様にすることで、グラウンド組織がパターン組織のデザインをさらに多様かつ高級に補完することができる。従って、本発明は、グラウンド組織とパターン組織が有機的に連結された品の高いデザインの経編生地を提供することができる。
【0066】
本発明が属する技術分野の通常の知識を有する者は、本発明がその技術的な思想や必須的な特徴を変更することなく、他の具体的な形態に実施できるということを理解することができる。従って、以上で記述した実施例は、全ての面で例示的なものであり、限定的ではないことを理解されたい。本発明の範囲は、上記詳細な説明よりは添付の特許請求の範囲により示され、特許請求の範囲の意味及び範囲、そしてその等しい概念から導き出される全ての変更または変形された形態が本発明の範囲内に含まれるものと解釈されたい。
【技術分野】
【0001】
本発明は、経編機の一種であるラッシェル機によって編成されるグラウンド組織及びパターン組織が編成される経編生地に関するもので、さらに詳しくは、グラウンド組織が多様なデザインパターンを表出する経編生地に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に経編生地は、平行に配列された複数の原糸が編み目(loop)を形成し、長さ方向に編み目を順番に連結して形成することで編まれる。
【0003】
上記のような経編生地は、張力に敏感であり、横、縦方向に形状及び寸法が変わりやすく、弾力性と伸縮性が良いという特徴を有し、衣類用の素材だけでなく、インテリア用または産業用の素材までその適用範囲が多様にな広がり、経編生地のニーズが増加し続いている。
【0004】
経編生地を製織するための経編機は、トリコット経編機(Tricot machine)とラッシェル機(Raschel machine)の2種類に分けられる。トリコット経編機は、生産性に優れて大量生産を可能とするが、生産される生地の組織が単純である。ラッシェル機は、生産性は劣るものの、複雑な組織を有した生地を生産することができるため、多様なデザインの生地の生産が可能である。
【0005】
ラッシェル機には、生地のグラウンド組織を形成するグラウンドガイドバーと、生地のパターン組織を形成するパターンガイドバーがそれぞれ複数備えられる。
【0006】
ラッシェル機は、通常、18〜53個のガイドバーを備えており、それぞれのガイドバーには、原糸が整経される複数の編針(knitting needle)が配列されており、それぞれのガイドバーはチェーンと連動して作動されるショギングレバーに連結される。
【0007】
チェーンは、多様な形状の単位チェーンで組み立てられるが、それぞれの単位チェーンの形状によってショギングレバーの作動距離が変わることとなる。チェーンによって作動されるそれぞれのショギングレバーは、ガイドバープッシュロードによってそれぞれのガイドバーと連結され、それぞれのガイドバーはショギングレバーによって作動される。従って、ガイドバーの作動方向と作動距離は、ショギングレバーと連動するチェーンの形状によって変わり、その結果、ガイドバーに設けられた編針によって多様なパターンの生地が編まれる。
【0008】
一般に、グラウンド組織は、2個のグラウンドガイドバーによって製織され、単位デザインの形状によって3個のグラウンドガイドバーが使われることもある。ところが、一般のラッシェル機は、グラウンドガイドチェーンドラムの直径が比較的に小さいため、組み合わせる単位チェーンの数量に制限があり、結果としてグラウンド組織のデザインも単純になる。
【0009】
図1及び図2は、従来のラッシェル機によって形成された経編生地を示す平面図であって、図1及び図2から分かるように、従来の経編生地のグラウンド組織は、単純な1個のデザインパターンのみを有している。グラウンド組織を形成するチェーンの長さが短く、チェーンに組み合わせる単位チェーンの数が少ない数字に制限されているため、多様なグラウンド組織を形成することができなかった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明の目的は、多様な形状の網構造で構成される単位組織が連続して多様な単位デザインの形に表出され、これらの単位デザインが様々な形状の配列構造を有する経編生地を提供することにある。
【0011】
本発明の他の目的は、複合的な単位組織の多様なデザイン形状を有するグラウンド組織上に多様なパターン組織を組み合わせることで、バランスよく鮮明な、立体感のある経編生地を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記のような課題を解決するための本発明の経編生地は、ループ形状に編まれた経糸で形成されるグラウンド組織、上記グラウンド組織上に編まれるパターン組織を含むが、上記グラウンド組織は、幅方向に連続して配列される少なくとも2以上の単位デザインを含み、上記単位デザインのそれぞれは長さ方向に配列される少なくとも2以上の単位組織を含み、上記単位組織は、複数のチェーン番号の配列からなる特定のチェーン番号群のチェーンによって形成される特定の形状の網構造で構成され、上記単位組織のそれぞれは相互異なるチェーン番号群のチェーンによって形成される相互異なる形状の網構造を有する。
【0013】
ここで、上記単位組織は、同じ形状の複数のループが長さ方向に連続して編まれることができる。
【0014】
また、上記単位組織は、複数のチェーン番号の配列からなるチェーン番号群のチェーンと連動する少なくとも2以上のグラウンドガイドバーによって編まれることができる。
【0015】
また、上記網構造のループ形状は、四角形、ダイアモンド形、斜方形及び六角形のうちいずれか一つであることができる。
【0016】
また、上記グラウンド組織は、少なくとも2列の単位デザインを含み、いずれか一つの単位デザインの単位組織は、他の単位デザインの単位組織に幅方向にジグザグに配列されることができる。
【0017】
また、上記グラウンド組織は、少なくとも2列の単位デザインを含み、いずれか一つの単位デザインの単位組織は、他の単位デザインの単位組織と幅方向に平行に配列されることができる。
【0018】
また、上記グラウンド組織は、少なくとも2列の単位デザインを含み、いずれか一つの単位デザインの幅は、上記一つの単位デザインと幅方向に隣接した他の単位デザインの幅より広いことができる。
【0019】
また、一つの単位組織の長さは、上記一つの単位組織に長さ方向に隣接した他の単位組織の長さより長いことができる。
【発明の効果】
【0020】
これによって、本発明によると、様々な形状の網構造で構成される単位組織が連続して多様な単位デザインの形に表出され、これらの単位デザインが様々な形状の配列構造を有する経編生地を生産することができる。
【0021】
また、複合的な単位組織の多様なデザイン形状を有するグラウンド組織上に多様なパターン組織を組み合わせることで、バランスよく鮮明な、立体感のある経編生地を提供して経編生地の高級化をもたらすことができる。
【0022】
また、既存のラッシェル経編機のチェーンの配列及び機械の構造を改造することで、設備費用の低減及び設備空間の合理化などを図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】従来のラッシェル機によって形成された経編生地を示す平面図である。
【図2】従来のラッシェル機によって形成された経編生地を示す平面図である。
【図3】一般のラッシェル機を示す図面である。
【図4】本発明のラッシェル機において第2グラウンドガイドバーとこれを作動させるチェーンとの連結関係を示す図面である。
【図5】本発明の第1実施例による多様なデザインパターンを有するグラウンド組織を示す図面である。
【図6】図5に図示されたグラウンド組織において一つのサイクルとなる部分を示す拡大図である。
【図7】一定な網構造を形成するための意匠設計図案である。
【図8】一定な網構造を形成するための意匠設計図案である。
【図9】本発明の第2実施例の単位デザインを形成するためのチェーン配列図である。
【図10】本発明の第2実施例の単位デザインを形成するためのチェーン配列図である。
【図11】図9及び図10のチェーン配列図によるデザイン図案である。
【図12】グラウンド組織において単位組織の配列形状を示す図面である。
【図13】グラウンド組織において単位組織の配列形状を示す図面である。
【図14】グラウンド組織において単位組織の配列形状を示す図面である。
【図15】グラウンド組織において単位組織の配列形状を示す図面である。
【図16】グラウンド組織において単位組織の配列形状を示す図面である。
【図17】グラウンド組織において単位組織の配列形状を示す図面である。
【図18】グラウンド組織において単位組織の配列形状を示す図面である。
【図19】グラウンド組織において単位組織の配列形状を示す図面である。
【図20】グラウンド組織において単位組織の配列形状を示す図面である。
【図21】本発明によるグラウンド組織にパターン組織を付加した経編生地の実施例に関する図面である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
本発明の利点及び特徴、そしてそれを達成するための方法は、添付の図面と共に詳しく後に説明される実施例を参照すると明らかになる。しかし、本発明は、以下に開示される実施例に限定されるものではなく、相互異なる多様な形に具現されることができ、但し、本実施例は、本発明の開示が完全になるようにし、本発明が属する技術分野において通常の知識を有する者に発明の範囲を完全に伝えるため提供されるもので、本発明は請求項の範囲によってのみ定義される。明細書の全体に亘り同じ参照符号は同じ構成要素を指す。
【0025】
以下、本発明の実施例による多様なデザインパターンのグラウンド組織を有する経編生地を添付の図面を参照して詳しく説明する。
【0026】
以下に記載される“単位チェーン”とは、長さ、高低さまたは傾斜度が組み合わせて様々な形状に製作されたチェーンの組立時の最小単位となる組立部品を意味する。
【0027】
この際、単位チェーンはそれぞれの番号が設定されて区別される。例えば、高い番号の単位チェーンは削られた傾斜面が長いという意味であり、傾斜面が長いほど動作する時間が長くなりガイドバーが遠く作動するようになる。
【0028】
“チェーン番号数字群”は、単位チェーンのチェーン番号が連続して配列された複数の数字からなる一つの群を意味する。
【0029】
“単位組織”は、一定の形状のループを形成するチェーン番号数字群が連続して繰り返して組み立てられた複数の単位チェーンによって形成される一定の形状の網構造を有するグラウンド組織を意味する。
【0030】
“単位デザイン”とは、上記単位組織が編織方向(長さ方向)に連続して複数形成されて一つのサイクルを成す1個のデザインを意味する。
【0031】
図3は、一般的なラッシェル機100を示す図面である。一般的なラッシェル機において、グラウンドガイドバー110は、左側に連結されたグラウンドガイドバープッシュロード130によってグラウンドガイドチェーンドラム150と連動して作動される。
【0032】
本発明の経編生地を製造する装置は、一般ラッシェル機を改造した装置であって、第1グラウンドガイドバーは、従来のラッシェル機のように、従来のグラウンドガイドチェーンドラムと連動させ、第2グラウンドガイドバー及び第3グラウンドガイドバーは、別個のチェーンドラムと連動するようにする。
【0033】
図4は、本発明のラッシェル機において、第2グラウンドガイドバー(または第3グラウンドガイドバー)とこれを作動させるチェーンとの連結関係を示す図面である。
【0034】
図4を参照すると、第2グラウンドガイドバー210の右側は、グラウンドガイドバープッシュロード230の一側の端と連結され、グラウンドガイドバープッシュロード230の他側の端は、ショギングレバー240と連結される。ショギングレバー240の側面にはショギングベアリング270が備えられるが、ショギングベアリング270は、チェーンドラム250に巻かれたチェーン260の表面に接している。チェーン260を形成するそれぞれの単位チェーンはショギングベアリング270を押す作動をし、従ってそれぞれの単位チェーンの形によってショギングレバー240の作動距離が異なるようになる。図4では第2グラウンドガイドバーの連結状態のみを図示したが、第3グラウンドガイドバーも同じ連結状態を有することとなる。
【0035】
従来のラッシェル機では、第1グラウンドガイドバーと第2グラウンドガイドバーが一つのパターンにのみ作動するため、1つのパターンのグラウンド組織が形成されるが、本発明では、第2グラウンドガイドバー及び第3グラウンドガイドバーが多様なパターンに作動されることができるため、多様なパターンを有するグラウンド組織が形成される。
【0036】
図5は、本発明の第1実施例による多様なデザインパターンを有するグラウンド組織を示す図面であり、図6は、図5に図示されたグラウンド組織1において、一つのサイクルとなる部分5を示す拡大図である。図5及び図6を参照すると、グラウンド組織1は、幅方向に繰り返される2列の単位デザイン10、20を有し、各単位デザイン10、20は、長さ方向に連続して配列される複数の直四角形の形状の単位組織を有する。ここで、それぞれの単位組織は、相互異なる形状の網構造に編織されることがみられる。
【0037】
上記単位組織は、第1グラウンドガイドバーに整経された経糸と、第2グラウンドガイドバー及び/または第3グラウンドガイドバーに整経された経糸とが、連続してループ形状に編まれることで網構造が形成され、網構造のループの形状は、ガイドバーと連動するチェーンのチェーン番号群によって異なることとなる。
【0038】
上記単位組織を構成する網構造のループ形状は、四角形、ダイアモンド形、斜方形及び六角形のいずれか一つに形成されることができる。
【0039】
図7は、四角形の網構造を形成するための意匠設計図案である。四角形の網構造は、第1グラウンドガイドバーが2−0、0−2、2−0、0−2、2−0、0−2のチェーン番号群のチェーンと連動し、第2グラウンドガイドバーが0−0、2−2、0−0、4−4、2−2、4−4のチェーン番号群のチェーンと連動することで形成される。
【0040】
図8は、六角形の網構造を形成するための意匠設計図案である。六角形の網構造は、第1グラウンドガイドバーが2−0、0−2、2−0、2−4、4−2、2−4のチェーン番号群のチェーンと連動し、第2グラウンドガイドバーが0−0、2−2、0−0、4−4、2−2、4−4のチェーン番号群のチェーンと連動することで形成される。
【0041】
図9及び図10は、本発明の第2実施例の単位デザインを形成するためのチェーン配列図であるが、チェーン配列はこれに限定されず、多様に変形されることができる。
【0042】
チェーン配列図に沿って連結されたチェーンは一つの単位デザインを編み、チェーンが循環することで、繰り返される複数の単位デザインが繰り返して編まれる。
【0043】
第1グラウンドガイドバーの作動を決定するチェーンは、グラウンドチェーンガイドドラムに巻かれ、一般的に16〜24個の単位チェーンが組み立てられて形成される。
【0044】
しかし、グラウンドチェーンガイドドラムに装着されるチェーンは、組み立てられる単位チェーンの数が少ないため、編織できるデザインの形状が単純である。従って、本発明では、第1グラウンドガイドバーのチェーンのみをグラウンドチェーンガイドドラムに装着させ、第2グラウンドガイドバー及び第3グラウンドガイドバーを作動させるチェーンは、別個のチェーンガイドドラムに装着させる。従って、第2グラウンドガイドバー及び第3グラウンドガイドバーを作動させるチェーンは長く延長されることができるため、多様な形状の網構造が連続して編まれることができる。
【0045】
本発明の第2実施例において、第2グラウンドガイドバー及び第3グラウンドガイドバーを作動させるチェーンは、それぞれ174個の単位チェーンが組み立てられて形成される。組み立てられる単位チェーンの数量及び形状は編まれる生地のデザインによって変更されることができる。
【0046】
第2実施例において、第1グラウンドガイドバーは、2−0、0−2、2−0、0−2のチェーン番号群が繰り返されるチェーンによって作動し、第2グラウンドガイドバーは、図6のチェーン配列図に示したチェーン番号群のチェーンによって作動する。チェーン配列図の一行目ないし三行目を参照すると、2、6、4、8、4、6の数字群が繰り返されるが、この数字は一つのチェーン番号数字群を形成し、一つのチェーン番号数字群に該当するチェーンの部分は一つの形状の網構造を編織する。2、6、4、8、4、6のチェーン番号数字群は7回繰り返されるが、これは同じ形状のループが7回繰り返されて編織されることを意味し、このように繰り返される複数のチェーン番号数字群は、一つの単位組織を編織することとなる。すなわち、2、6、4、8、4の数字群が繰り返されるチェーンの部分は、第1網構造の単位組織A1を編む。
【0047】
このチェーン番号数字群に次いであらわれる6、4、6のチェーン番号3つは連結部を編織することとなる。次に、4、8、2、6、2、8のさらに他のチェーン番号数字群が繰り返してあらわれるが、このチェーン番号数字群は以前のチェーン番号数字群とは異なる形状の網構造を編織することとなる。
【0048】
すなわち、4、8、2、6、2、8の数字群が繰り返されるチェーンの部分は第2網構造の単位組織B1を編み、4、8、2、6の数字群が繰り返されるチェーンの部分は第3網構造の単位組織C1を編み、4、8、4、8、4、6、2、6、2、6の数字群が繰り返されるチェーンの部分は第4網構造の単位組織D1を編む。
【0049】
チェーン配列図に示した174個の単位チェーンの組合せは一つの単位デザインを編み、チェーンが循環することで単位デザインが繰り返して編まれる。
【0050】
これと同様に、第3グラウンドガイドバーは、チェーン配列図に示したチェーン番号のチェーンによって作動する。第2実施例において第3グラウンドガイドバーのチェーン配列は、第2グラウンドガイドバーのチェーン配列と基本的に同じであるが、一定の単位チェーンだけシフトされている。これはグラウンド組織において上記第2グラウンドガイドバーが形成した単位デザインと網構造が同じ他の単位デザインがスタートの位置が異なるようにして並んで配列されることを意味する。
【0051】
図11は、上記チェーン配列図によるデザイン図案であって、第1単位デザイン10は、第1グラウンドガイドバー及び第2グラウンドガイドバーで編まれたもので、第2単位デザイン20は、第1グラウンドガイドバー及び第3グラウンドガイドバーで編まれたものである。
【0052】
第1単位デザインは、第1グラウンドガイドバー及び第2グラウンドガイドバーの作動によって編まれ、連続して組み合わせる相互異なる4個の単位組織A1、B1、C1、D1を有する。
【0053】
第2単位デザインは、第1グラウンドガイドバー及び第3グラウンドガイドバーの作動によって編まれ、連続して組み合わせる相互異なる4個の単位組織A2、B2、C2、D2を有する。
【0054】
本実施例において第2単位デザインは、第1単位デザインの単位組織と網構造が同じ単位組織がずれて配列された単位組織を有するものを例としたが、第2単位デザインは第1単位デザインの単位組織A1、B1、C1、D1と網構造が異なる別個の単位組織が連続して組み合わされて形成されることができる。
【0055】
図12ないし図20は、グラウンド組織において単位組織の配列の形状を示す図面である。
【0056】
図12を参照すると、グラウンド組織において単位デザインが2列に配列されるが単位組織の幅方向に平行に配列されている。図13を参照すると、グラウンド組織において単位組織が幅方向にジグザグ状に配列されている。図14を参照すると、単位組織が不規則的に配列されており、図15を参照すると、グラウンド組織において単位デザインが2列に配列されるが、第1単位デザインと第2単位デザインは相互異なる網構造の単位組織を有する。
【0057】
図16を参照すると、単位デザインが2列に配列されるが、単位組織が幅方向に平行に配列されており、第1単位デザインの幅と第2単位デザインの幅が相違するように形成される。
【0058】
図17を参照すると、単位デザインが2列に配列されるが、単位組織が幅方向にジグザグに配列されており、第1単位デザインの幅と第2単位デザインの幅が相違するように形成される。
【0059】
図18を参照すると、全体的に単位組織が幅方向に平行に配列されるが、一部の単位配列の高さが異なるように形成される。
【0060】
図19を参照すると、全体的に単位組織が幅方向にジグザグに配列されるが、一部の単位配列の高さが異なるように形成される。
【0061】
以上の実施例では、単位デザインが2列に配列されることを例として挙げたが、これに限定されるのではなく、グラウンドガイドバーを追加することによって、単位デザインは3列以上に配列されることができる。図20を参照すると、単位デザインが3列に配列されるが、単位組織が幅方向にジグザグに配列される。
【0062】
このように、複数の単位組織で構成されるグラウンド組織は、その単位組織が水平、ジグザグ、規則的または不規則的に組み合わせて多様な形状の配列構造を有することができる。従って、本発明は、多様なパターンの単位組織が一つの組織として循環するようにすることで、多様なデザインパターンを有するグラウンド組織を提供することができる。
【0063】
図21は、本発明によるグラウンド組織にパターン組織を付加した経編生地実施例に関する図面である。
【0064】
図21に図示されたとおり、経編生地は、グラウンド組織とパターン組織が相互組合せて一つのデザインを形成する。一般的に使われるグラウンド組織の網構造のループ形状は、四角形、ダイアモンド形、六角形、斜方形であり、これらを基に変化された形状のループが使われることができる。パターン組織は、パターンチェーンのチェーン配列によりグラウンド組織よりもさらに複合的で、且つ、多様なデザインに形成される。
【0065】
すなわち、グラウンド組織とパターン組織が相互組み合わせてデザインが形成されるが、グラウンド組織のパターンを多様にすることで、グラウンド組織がパターン組織のデザインをさらに多様かつ高級に補完することができる。従って、本発明は、グラウンド組織とパターン組織が有機的に連結された品の高いデザインの経編生地を提供することができる。
【0066】
本発明が属する技術分野の通常の知識を有する者は、本発明がその技術的な思想や必須的な特徴を変更することなく、他の具体的な形態に実施できるということを理解することができる。従って、以上で記述した実施例は、全ての面で例示的なものであり、限定的ではないことを理解されたい。本発明の範囲は、上記詳細な説明よりは添付の特許請求の範囲により示され、特許請求の範囲の意味及び範囲、そしてその等しい概念から導き出される全ての変更または変形された形態が本発明の範囲内に含まれるものと解釈されたい。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ループ状に編まれた経糸で形成されるグラウンド組織と、
前記グラウンド組織上に編まれるパターン組織を含むが、
前記グラウンド組織は、幅方向に連続して配列される少なくとも2以上の単位デザインを含み、
前記単位デザインのそれぞれは、長さ方向に配列される少なくとも2以上の単位組織を含み、
前記単位組織は、複数のチェーン番号の配列からなる特定のチェーン番号群のチェーンによって形成される特定の形状の網構造で構成され、
前記単位組織のそれぞれは、相互異なるチェーン番号群のチェーンによって形成される相互異なる形状の網構造を有する、多様なデザインパターンを表出するグラウンド組織を有する経編生地。
【請求項2】
前記単位組織は、同じ形状の複数のループが長さ方向に連続して編まれることを特徴とする、請求項1に記載の多様なデザインパターンを表出するグラウンド組織を有する経編生地。
【請求項3】
前記単位組織は、複数のチェーン番号の配列からなるチェーン番号群のチェーンと連動する少なくとも2以上のグラウンドガイドバーによって編まれることを特徴とする、請求項1に記載の多様なデザインパターンを表出するグラウンド組織を有する経編生地。
【請求項4】
前記網構造のループ形状は、四角形、ダイアモンド形、斜方形及び六角形のうちいずれか一つであることを特徴とする、請求項1に記載の多様なデザインパターンを表出するグラウンド組織を有する経編生地。
【請求項5】
前記グラウンド組織は、少なくとも2列の単位デザインを含み、いずれか一つの単位デザインの単位組織は、他の単位デザインの単位組織に幅方向にジグザグに配列されることを特徴とする、請求項1に記載の多様なデザインパターンを表出するグラウンド組織を有する経編生地。
【請求項6】
前記グラウンド組織は
少なくとも2列の単位デザインを含み、いずれか一つの単位デザインの単位組織は、他の単位デザインの単位組織と幅方向に平行に配列されることを特徴とする、請求項1に記載の多様なデザインパターンを表出するグラウンド組織を有する経編生地。
【請求項7】
前記グラウンド組織は、少なくとも2列の単位デザインを含み、いずれか一つの単位デザインの幅は、前記一つの単位デザインと幅方向に隣接した他の単位デザインの幅より広いことを特徴とする、請求項1に記載の多様なデザインパターンを表出するグラウンド組織を有する経編生地。
【請求項8】
一つの単位組織の長さは、前記一つの単位組織に長さ方向に隣接した他の単位組織の長さより長いことを特徴とする、請求項1に記載の多様なデザインパターンを表出するグラウンド組織を有する経編生地。
【請求項1】
ループ状に編まれた経糸で形成されるグラウンド組織と、
前記グラウンド組織上に編まれるパターン組織を含むが、
前記グラウンド組織は、幅方向に連続して配列される少なくとも2以上の単位デザインを含み、
前記単位デザインのそれぞれは、長さ方向に配列される少なくとも2以上の単位組織を含み、
前記単位組織は、複数のチェーン番号の配列からなる特定のチェーン番号群のチェーンによって形成される特定の形状の網構造で構成され、
前記単位組織のそれぞれは、相互異なるチェーン番号群のチェーンによって形成される相互異なる形状の網構造を有する、多様なデザインパターンを表出するグラウンド組織を有する経編生地。
【請求項2】
前記単位組織は、同じ形状の複数のループが長さ方向に連続して編まれることを特徴とする、請求項1に記載の多様なデザインパターンを表出するグラウンド組織を有する経編生地。
【請求項3】
前記単位組織は、複数のチェーン番号の配列からなるチェーン番号群のチェーンと連動する少なくとも2以上のグラウンドガイドバーによって編まれることを特徴とする、請求項1に記載の多様なデザインパターンを表出するグラウンド組織を有する経編生地。
【請求項4】
前記網構造のループ形状は、四角形、ダイアモンド形、斜方形及び六角形のうちいずれか一つであることを特徴とする、請求項1に記載の多様なデザインパターンを表出するグラウンド組織を有する経編生地。
【請求項5】
前記グラウンド組織は、少なくとも2列の単位デザインを含み、いずれか一つの単位デザインの単位組織は、他の単位デザインの単位組織に幅方向にジグザグに配列されることを特徴とする、請求項1に記載の多様なデザインパターンを表出するグラウンド組織を有する経編生地。
【請求項6】
前記グラウンド組織は
少なくとも2列の単位デザインを含み、いずれか一つの単位デザインの単位組織は、他の単位デザインの単位組織と幅方向に平行に配列されることを特徴とする、請求項1に記載の多様なデザインパターンを表出するグラウンド組織を有する経編生地。
【請求項7】
前記グラウンド組織は、少なくとも2列の単位デザインを含み、いずれか一つの単位デザインの幅は、前記一つの単位デザインと幅方向に隣接した他の単位デザインの幅より広いことを特徴とする、請求項1に記載の多様なデザインパターンを表出するグラウンド組織を有する経編生地。
【請求項8】
一つの単位組織の長さは、前記一つの単位組織に長さ方向に隣接した他の単位組織の長さより長いことを特徴とする、請求項1に記載の多様なデザインパターンを表出するグラウンド組織を有する経編生地。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【公表番号】特表2013−521416(P2013−521416A)
【公表日】平成25年6月10日(2013.6.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−556026(P2012−556026)
【出願日】平成23年3月4日(2011.3.4)
【国際出願番号】PCT/KR2011/001532
【国際公開番号】WO2011/108899
【国際公開日】平成23年9月9日(2011.9.9)
【出願人】(512272247)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成25年6月10日(2013.6.10)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年3月4日(2011.3.4)
【国際出願番号】PCT/KR2011/001532
【国際公開番号】WO2011/108899
【国際公開日】平成23年9月9日(2011.9.9)
【出願人】(512272247)
【Fターム(参考)】
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