説明

多機能グラフトポリマー

【課題】酸化防止性に悪影響を及ぼさない摩耗防止性添加剤としてだけでなく、分散剤粘度指数向上剤としても機能する多機能グラフトポリマーおよび該多機能ポリマーを含む潤滑油の提供。
【解決手段】ポリオレフィン、2から約50個の炭素原子を有する含窒素のエチレン不飽和の脂肪族又は芳香族モノマー及び該ポリオレフィンと反応することの可能な有機金属化合物のグラフトポリマーを含む多機能ポリマーおよび該多機能ポリマー及び随意に他の分散剤を含む潤滑油。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、2005年3月11日に出願された米国仮特許出願第60/661,205号(参照することによりそっくりそのまま本明細書に組み込まれる)の利益を主張する。
【0002】
発明の分野
本発明は、ポリオレフィン主鎖を備えた新規多機能グラフトポリマーに関する。多性能属性を示すグラフトポリマーを提供するために、ポリオレフィンは、摩擦調整剤特性及び摩耗防止性と関連したモノマーでだけでなく、スラッジ及びワニスの制御を示すところの分散力と関連したモノマーでもグラフトされる。
【0003】
本発明は、更に、これらの新規多機能グラフトポリマーを製造する方法に関する。
【0004】
本発明は、なお更に、摩擦特性及び摩耗防止性だけでなく分散剤性能特性を示す添加剤としてこれらの新規多機能グラフトポリマーを含有する潤滑油組成物に関する。
【0005】
発明の背景
内燃機関を潤滑するために用いられる潤滑油組成物は、潤滑粘性の基油又はかかる油の混合物、及び該油の性能特性を改善するために用いられる添加剤を含有する。たとえば、添加剤は、清浄力を改善するために、エンジン摩耗を低減するために、熱及び酸化に対する安定性を与えるために、油消費を低減するために、腐食を抑制するために、分散剤として働くために並びに摩擦損失を低減するために用いられる。いくつかの添加剤は、分散剤/粘度調整剤のように、多利益を与える。他のいくつかの添加剤は、潤滑油の1つの特性を改善する一方、他の諸特性に悪影響を及ぼす。かくして、最適の総合性能を有する潤滑油を提供するために、利用され得る様々な添加剤の効果のすべてを確認しそして理解し、そして潤滑剤の添加剤含有率を注意深く調和させることが必要である。更に、これらの添加剤の各々は、処方潤滑油の別個の成分でありそしてコストを増す。かくして、潤滑油の2つ以上の性能特性を制御する多機能添加剤を手に入れることは有益である。
【0006】
改善耐摩耗性能を与えるために、慣用の潤滑剤は、摩耗防止性添加剤と共に処方される。金属ヒドロカルビルジチオホスフェート特に亜鉛ジアルキルジチオホスフェート(ZDDP)が、内燃機関用潤滑油に用いられる主要な摩耗防止性添加剤である。ZDDPは、比較的低いコストで優秀な摩耗保護を与え、また酸化防止剤としても機能する。しかしながら、潤滑剤中のリンは自動車排出物用触媒の有効寿命を短くし得る証拠がある。従って、工業界は、潤滑剤が含有し得るリンの量を制限してきた。この前の工業カテゴリー(ILSAC GF−3)は、1000ppmの潤滑剤リン限度を命じた。米国のサービス・フィル・オイルズ(service fill oils)の現在のカテゴリー(ILSAC GF−4)は、800ppmより多くない最大リン含有率である更に一層厳しい限度を命じる。将来の標準規格は、500ppmより多くない最大リン含有率のような更に一層厳しい限度を要求するかも知れない。
【0007】
それ故、これらの出現する要求を満たすために、低減量のリンを含有する摩耗防止性添加剤でもって優秀な低温動弁系摩耗性能及び酸化防止性も与える潤滑油、特に比較的高い粘度指数及び低率揮発物(改善燃料経済性のために)を有する基油と共に処方される潤滑油を提供することが有利である。
【0008】
米国特許第5,346,635号明細書及び第5,439,605号明細書は、無灰摩擦低減剤、無灰摩耗防止性/極圧添加剤、酸化防止剤、金属清浄剤並びにポリマーの粘度調整剤及び流動性向上剤の複雑な配合物を含有するところの、リン含有摩耗防止性添加剤を全く含まない潤滑油を記載し、しかしてこれらの組成物は受容され得る性質を与えると言われている。これらの組成物はまた、摩擦調整剤としてモリブデン含有添加剤を含有し得る。
【0009】
米国特許第5,523,008号明細書(`008特許明細書)(参照することによりそっくりそのまま本明細書に組み込まれる)は、分散剤粘度指数向上剤としての使用のための、窒素含有及び/又は酸素含有モノマーを含有するポリオレフィンを記載する。かかるグラフト化ポリオレフィンは、グラフト化ポリオレフィン主鎖のモル当たり少なくとも約13モルのN−ビニルイミダゾール(1−ビニルイミダゾールとしても知られている)あるいは他のエチレン不飽和の窒素含有及び/又は酸素含有モノマーを含有する。また、分散剤粘度指数向上剤を製造する方法だけでなく、潤滑油基油及び上記に記載されたとおりのグラフト化ポリオレフィンを含む潤滑油も記載されている。N−ビニルイミダゾールモノマーあるいは他のエチレン不飽和の窒素含有及び/又は酸素含有モノマーとグラフト化可能なポリオレフィンは、該ポリオレフィンの1モルに対して少なくとも約13モルの該モノマーをグラフトするのに十分な開始剤でもって反応される。
【0010】
本発明の発明者は、今般、潤滑油組成物用添加剤として有用な新規多機能グラフトポリマーを発見した。該多機能グラフトポリマーは、酸化防止性に悪影響を及ぼさない摩耗防止性添加剤としてだけでなく、分散剤粘度指数向上剤としても機能する。
【0011】
発明の要約
本発明の一つの側面は、多機能ポリマーであって、ポリオレフィン、2から約50個の炭素原子を有する含窒素のエチレン不飽和の脂肪族又は芳香族モノマー及び該ポリオレフィンと反応することの可能な有機金属化合物のグラフトポリマーを含む多機能ポリマーである。
【0012】
一般に、2から約50個の炭素原子を有する含窒素のエチレン不飽和の脂肪族又は芳香族モノマー、及びそれらの組合わせは、スラッジ及びワニスの取扱いと関連する分散力を付与するグラフト化可能なモノマー(グラフト化可能なアミン)としての使用のために想定される。
【0013】
摩耗防止性を付与するために適した有機金属化合物は、ポリオレフィンと反応することが可能であるものである。有機金属化合物は金属カルボン酸塩及び金属酸化物を含み、そして更にモリブデン、コバルト、チタン、カルシウム、マグネシウム、マンガン、ビスマス、タングステン及び銅から成る群から選択された金属構成員を含む。本発明のいくつかの側面において、有機金属化合物は、モリブデン化合物である。
【0014】
多機能グラフト化ポリマーは、約8モルのグラフトアミンモノマーから約16モルのグラフトアミンモノマー及び約2モルの摩耗防止性モノマーから約5モルの摩耗防止性モノマーを含有する。多機能ポリマーは、約20,000から約500,000の重量平均分子量、約1から約15の多分散性及び少なくとも約13:1のグラフト化モノマー対ポリマーのモル割合を有する。
【0015】
本発明の別の側面は、多機能ポリマーであって、i.約20,000から約500,000の重量平均分子量及び約1から約15の多分散性を有するポリオレフィン、ii.1−ビニルイミダゾール、1−ビニル−2−ピロリジノン、N−アリルイミダゾール、1−ビニルピロリジノン、2−ビニルピリジン、4−ビニルピリジン、N−メチル−N−ビニルアセトアミド、ジアリルホルムアミド、N−メチル−N−アリルホルムアミド、N−エチル−N−アリルホルムアミド、N−シクロヘキシル−N−アリルホルムアミド、4−メチル−5−ビニルチアゾール、N−アリルジイソオクチルフェノチアジン、2−メチル−1−ビニルイミダゾール、3−メチル−1−ビニルピラゾール、N−ビニルプリン、N−ビニルピペラジン、ビニルピペリジン、ビニルモルホリン及びそれらの組合わせから成る群から選択されたところの2から約50個の炭素原子を有する含窒素のエチレン不飽和の脂肪族又は芳香族モノマー、並びにiii.モリブデンボロネオデカノエート、モリブデン2−エチルヘキサノエート4−ノニルオキシベンゾエート、モリブデン(イソステレート)(4−ノニルオキシベンゾエート)、モリブデンドデシルベンゼンスルホネート、モリブデンC18分枝状−線状カルボキシレート、モリブデンC36線状カルボキシレート、モリブデンC36+−C18分枝状−線状カルボキシレート、モリブデンC36分枝状−線状カルボキシレート、モリブデンC36/C36+線状カルボキシレート、モリブデンC36+分枝状アルキルカルボキシレート/t−ブチルベンゾエート、モリブデンC18分枝状アルキルカルボキシレート/t−ブチルベンゾエート、モリブデンオレエート、モリブデンC18線状アルキルカルボキシレート/t−ブチルベンゾエート、モリブデンオクトエート、モリブデンアセチルアセトネート及びそれらの組合わせから成る群から選択されたところの該ポリオレフィンと反応することの可能な有機金属化合物のグラフトポリマーを含む多機能ポリマーである。本発明の一つの側面において、有機金属化合物は、少なくとも1個の線状及び/又は分枝状であり得るC6からC40のカルボキシレート部分を含有し得る。別の側面において、有機金属化合物は、少なくとも1個のC6〜C40炭素原子を有する線状及び/又は分枝状カルボキシレート部分を含有するカルボン酸モリブデンであり得る。
【0016】
本発明の別の側面は、多機能ポリマーであって、モリブデンボロネオデカノエート、モリブデンオクトエート、モリブデンアセチルアセトネート及びそれらの組合わせから成る群から選択されたモリブデン化合物並びにポリマー上にグラフトされた2から約50個の炭素原子を有する含窒素のエチレン不飽和の脂肪族又は芳香族モノマーのグラフト反応生成物を含むポリオレフィンのグラフトポリマーを含み、しかも該グラフトポリマーは約20,000から約500,000の重量平均分子量及び少なくとも約13:1のグラフト化モノマー対ポリマーのモル割合を有する多機能ポリマーである。
【0017】
本発明の別の側面は、多機能グラフトポリマーを製造する方法である。該方法は、ポリオレフィン、開始剤、及び該ポリオレフィンと反応することの可能な2から約50個の炭素原子を有する含窒素のエチレン不飽和の脂肪族又は芳香族モノマーを用意する工程を含む。ポリオレフィンは溶媒中に溶解されて溶液を形成し、そしてモノマーはこの溶液中に分散される。開始剤はこの溶液に添加され、しかもこの工程は開始剤の開始温度を超える温度にて行われ、それにより分散剤ポリマーを形成する。この溶液はこの温度に維持されそして有機金属化合物が添加され、それにより多機能ポリマーを形成する。
【0018】
本発明の別の側面は、多機能ポリマーを製造する方法であって、i.約20,000から約500,000の重量平均分子量を有するポリオレフィン、開始剤、並びに1−ビニルイミダゾール、1−ビニル−2−ピロリジノン、N−アリルイミダゾール、1−ビニルピロリジノン、2−ビニルピリジン、4−ビニルピリジン、N−メチル−N−ビニルアセトアミド、ジアリルホルムアミド、N−メチル−N−アリルホルムアミド、N−エチル−N−アリルホルムアミド、N−シクロヘキシル−N−アリルホルムアミド、4−メチル−5−ビニルチアゾール、N−アリルジイソオクチルフェノチアジン、2−メチル−1−ビニルイミダゾール、3−メチル−1−ビニルピラゾール、N−ビニルプリン、N−ビニルピペラジン、ビニルピペリジン、ビニルモルホリン及びそれらの組合わせから成る群から選択されたところの該ポリオレフィンと反応することの可能な2から約50個の炭素原子を有する含窒素のエチレン不飽和の脂肪族又は芳香族モノマーを用意し、ii.該ポリオレフィンを溶媒中に溶解して溶液を形成させ、iii.この溶液中に該モノマーを分散し、iv.この溶液に該開始剤を添加し、しかもこの工程を該開始剤の開始温度を超える温度にて行い、それにより分散剤ポリマーを形成させ、そしてv.この溶液をこの温度に維持しそしてモリブデンボロネオデカノエート、モリブデン2−エチルヘキサノエート4−ノニルオキシベンゾエート、モリブデン(イソステレート)(4−ノニルオキシベンゾエート)、モリブデンドデシルベンゼンスルホネート、モリブデンC18分枝状−線状カルボキシレート、モリブデンC36線状カルボキシレート、モリブデンC36+−C18分枝状−線状カルボキシレート、モリブデンC36分枝状−線状カルボキシレート、モリブデンC36/C36+線状カルボキシレート、モリブデンC36+分枝状アルキルカルボキシレート/t−ブチルベンゾエート、モリブデンC18分枝状アルキルカルボキシレート/t−ブチルベンゾエート、モリブデンオレエート、モリブデンC18線状アルキルカルボキシレート/t−ブチルベンゾエート、モリブデンオクトエート、モリブデンアセチルアセトネート及びそれらの組合わせから成る群から選択された有機金属化合物を添加し、それにより該多機能ポリマーを形成させる工程を含む方法である。
【0019】
本発明の別の側面は、潤滑油組成物であって、潤滑油基油、組成物重量に基づいて少なくとも約0.1wt%の多機能ポリマー及び組成物重量に基づいて0%から約4%の他の分散剤を含む潤滑油組成物である。多機能グラフト化ポリマーは、摩耗防止性を付与するだけでなくスラッジ、ワニスを制御するための摩耗防止性の分散剤粘度指数向上剤(VII)添加剤として機能する。かかる潤滑油は、多機能グラフト化ポリマーの優れた分散力特性及び摩耗防止性の両方を利用し、それによりより少数の添加剤しか必要としない。
【0020】
本発明の別の側面において、多機能グラフト化ポリマーは、摩耗防止性の粘度指数向上剤(VII)添加剤としてのみ機能する。
【0021】
本発明の別の側面は、多機能ポリマーであって、
a. ポリオレフィン、及び
b. 該ポリオレフィンと反応することの可能な有機金属化合物
のグラフトポリマーを含む多機能ポリマーを含む。
【0022】
本発明の別の側面は、多機能ポリマーを製造する方法であって、次の工程すなわち
a. ポリオレフィン、開始剤、及び該ポリオレフィンと反応することの可能な有機金属化合物を用意し、
b. 該ポリオレフィンを溶媒中に溶解して溶液を形成させ、
c. この溶液中に該有機金属化合物を分散し、
d. この溶液に該開始剤を添加し、しかもこの工程を該開始剤の開始温度を超える温度にて行い、それにより多機能ポリマーを形成させる
工程を含む方法を含む。
【0023】
本発明の別の側面は、潤滑油であって、
a. 潤滑油基油、
b. 組成物重量に基づいて少なくとも約0.1wt%の、ポリオレフィン及び該ポリオレフィンと反応することの可能な有機金属化合物のグラフトポリマーを含む多機能ポリマー、並びに
c. 組成物重量に基づいて0%から約4%の他の分散剤
を含む潤滑油を含む。
【0024】
本グラフト化ポリマーの使用は、多くの有意な処方物上の利点を有する。慣用の摩耗防止剤の存在に通常起因する高率の硫黄及びリン含有量は大いに排除され得る。本発明は、工業界が800ppmより多くない又はそれどころか500ppmより多くない最大リン含有率のような一層厳しい限度でもっての米国のサービス・フィル・オイルズのこの次のカテゴリー基づく硫黄及びリンの制限を満たすのを可能にする。本発明の別の利点は、本グラフト化ポリマーを用いる潤滑剤組成物が一般に慣用の摩耗防止剤を用いる潤滑剤組成物よりはるかに安価であるということである。これは、本発明の処方物が以前の潤滑剤処方物(比較的少量のグラフト化ポリマー及び比較的多量の慣用の摩耗防止剤を用いる)より経済的であることを意味する。本発明の更なる利点は、油配合物の低温粘度を増加する添加剤の使用を最小限しか必要としない(それ故、高い使用温度において一層良好な潤滑を与えるところのより高い粘度のベース原料油の使用を可能にする)グラフト化ポリマーを提供することである。更に、摩耗の改善は本発明が用いられる場合に達成され、しかして慣用の摩耗防止剤の量が低減又は排除されそして酸化防止性が改善される。
【0025】
発明の詳細な説明
本発明は1つ又はそれ以上の特定の具体的態様に関して記載されるけれども、本発明はそれらの具体的態様に限定されない、ということが理解されるべきである。それどころか、本発明は、添付の請求項の精神及び範囲内に含まれ得るすべての代替物、改変物及び等価物を包含する。
【0026】
本発明による新規多機能ポリマーは、炭化水素ベース原料油中に溶解されたポリオレフィンを開始剤の存在下で2から約50個の炭素原子を有し且つ酸素及び/又は窒素を含有するエチレン不飽和の脂肪族又は芳香族モノマーと反応させて分散剤ポリマーを形成させることにより製造される。次いで、摩擦特性及び摩耗防止性と関連したモノマーが分散剤ポリマーと反応されて、多機能グラフトポリマーを形成する。
【0027】
反応物質
次のものは、本多機能グラフトポリマーを製造するために、本発明における使用のために想定されるところのポリオレフィン、分散力を付与するグラフト化可能なアミン、開始剤、及び該グラフト化可能なアミンと配位することの可能な有機金属化合物の例である。
【0028】
ポリオレフィン
広く様々なポリオレフィン(ペンダント不飽和を有する及び有さない)が、グラフト化のための主鎖として本発明における使用のために想定される。本発明における使用のために想定される例示的ポリマーは、米国特許第4,092,255号明細書(参照することによりそっくりそのまま本明細書に組み込まれる)第1欄第29〜32行に示唆されたポリオレフィン(ポリイソブテン、ポリアルキルスチレン、ブタジエン及びスチレンの部分水素化ポリオレフィン、並びにエチレン及びプロピレンの非晶質ポリオレフィン)を包含する。EPDM(エチレン/プロピレン/ジエンモノマー)ゴムもまた、本発明における使用のために想定される。
【0029】
本発明における使用のために想定される特定の物質は、数により約30%から約80%のエチレン部分及び約70%から約20%のプロピレン部分を含有しそして随意に0%から約9%のジエンモノマーで変性されたエチレン/プロピレンポリオレフィンを包含する。例示的ジエンモノマーは、1,4−ブタジエン、イソプレン、1,4−ヘキサジエン、ジシクロペンタジエン、2,5−ノルボルナジエン、エチリデン−ノルボルネン、米国特許第4,092,255号明細書第2欄第36〜44行(参照することにより本明細書に組み込まれる)に列挙されたジエン、又はそれらの二つ以上の組合わせである。
【0030】
本発明において想定されるポリオレフィンは、約20,000から約500,000の重量平均分子量及び約1から約15の多分散性を有し得る。
【0031】
本発明における使用のために想定される特定の物質は、次のものを包含する。すなわち、日本国東京の三井石油化学工業株式会社により販売されている三井ヴィスネックス(Mitsui VISNEX)ポリマー(エチレン、プロピレン及びエチリデン−ノルボルネンのターポリマー,CAS番号25038−36−2である)、テキサス州ヒューストンのExxon Chemical Americasにより販売されているヴィスタロン(VISTALON)エチレン/プロピレンポリオレフィン、CAS番号9010−79−1であるエチレンプロピレンポリマー、及びイタリア国フェラーラのPolimeri Europaによりデュトラル(DUTRAL)の名称下で販売されているターポリオレフィン(EPDM)(CAS番号25038−36−2)。
【0032】
グラフト化可能なアミン
スラッジ及びワニスの取扱いと関連する清浄力を付与するために適したアミンは、非常に広範には、分散力を付与するグラフト化可能なモノマーとしての使用のために想定されるところの2から約50個の炭素原子を有し且つ酸素及び/又は窒素を含有するエチレン不飽和の脂肪族又は芳香族モノマー並びにかかるモノマーの組合わせである。本発明における使用のために想定される特定のグラフト可能なモノマーは、次のものを包含する。すなわち、N−ビニルイミダゾール(1−ビニルイミダゾール)、1−ビニル−2−ピロリジノン、C−ビニルイミダゾール、N−アリルイミダゾール、1−ビニルピロリジノン、2−ビニルピリジン、4−ビニルピリジン、N−メチル−N−ビニルアセトアミド、ジアリルホルムアミド、N−メチル−N−アリルホルムアミド、N−エチル−N−アリルホルムアミド、N−シクロヘキシル−N−アリルホルムアミド、4−メチル−5−ビニルチアゾール、N−アリルジイソオクチルフェノチアジン、2−メチル−1−ビニルイミダゾール、3−メチル−1−ビニルピラゾール、N−ビニルプリン、N−ビニルピペラジン、ビニルピペリジン、ビニルモルホリン、並びにこれらの物質又は他の同様な物質の組合わせ。本発明における使用のために想定されるグラフト化可能なアミンの一層完全な記載は、`008特許明細書第5欄第3〜43行(参照することにより本明細書に組み込まれる)に見られ得る。
【0033】
フリーラジカル開始剤
広範には、反応の条件下で機能することの可能ないかなるフリーラジカル開始剤も、使用のために想定される。代表的開始剤は、米国特許第4,146,489号明細書(参照することによりそっくりそのまま本明細書に組み込まれる)第4欄第45〜53行に開示されている。想定される特定の「ペルオキシ」開始剤は、アルキル、ジアルキル及びアリールペルオキシド、たとえばジ−t−ブチルペルオキシド(本明細書において「DTBP」と略記される)、ジクミルペルオキシド、t−ブチルクミルペルオキシド、ベンゾイルペルオキシド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルペルオキシ)ヘキサン及び2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルペルオキシ)ヘキシン−3を包含する。ペルオキシエステル及びペルオキシケタール開始剤、たとえばt−ブチルペルオキシベンゾエート、t−アミルペルオキシベンゾエート、t−ブチルペルオキシアセテート、t−ブチルペルオキシベンゾエート、ジ−t−ブチルジペルオキシフタレート及びt−ブチルペルオキシイソブチレートも想定される。ヒドロペルオキシド、たとえばクメンヒドロペルオキシド、t−ブチルヒドロペルオキシド及び過酸化水素も想定される。アゾ開始剤、たとえば2−t−ブチルアゾ−2−シアノプロパン、2−t−ブチルアゾ−1−シアノシクロヘキサン、2,2′−アゾビス(2,4−ジメチルペンタンニトリル)、2,2′−アゾビス(2−メチルプロパンニトリル)、1,1′−アゾビス(シクロヘキサンカルボニトリル)及びアゾイソブチロニトリル(AIBN)も想定される。ジアシルペルオキシド、ケトンペルオキシド及びペルオキシジカーボネート(しかしこれらに限定されない)のような他の同様な物質も想定される。異なるタイプの開始剤の組合わせを含めて2種以上の開始剤の組合わせが用いられ得る、ということも想定される。
【0034】
各開始剤は、普通、特性最小温度(この温度より高いとそれは反応を容易に開始させ、そしてこの温度より低いと開始はよりゆっくり進行するか全く進行しない)を有する。従って、最小反応温度は、普通、開始剤の有効な特性最小開始温度により指図される。
【0035】
摩耗防止性モノマー
一般に、ポリオレフィン主鎖と反応し得るところの、金属アセチルアセトネートのような金属カルボン酸塩及び金属酸化物(しかしこれらに限定されない)を含めていかなる有機金属化合物も、本発明における使用のために想定される。たとえば、下記の構造Aの酸配位子と反応された金属酸化物で構成された有機金属化合物は、ポリオレフィン及び/又はアミングラフト化ポリオレフィンと反応し得る。有機金属化合物は、モリブデン、コバルト、チタン、カルシウム、マグネシウム、マンガン、ビスマス、タングステン及び銅から成る群から選択された金属構成員を含む。随意に、モリブデン酸は、本発明における使用のために想定される。本発明の一つの側面において、有機金属化合物は、1個又はそれ以上の線状及び/又は分枝状であり得るC6からC40のカルボキシレート部分を含有し得る。別の側面において、有機金属化合物は、1個又はそれ以上のC6〜C40炭素原子を有する線状及び/又は分枝状カルボキシレート部分を含有するカルボン酸モリブデンであり得る。
【0036】
好ましくは、有機金属化合物は、モリブデン化合物である。本発明における使用のために適した有機金属化合物はまた、モリブデンボロネオデカノエート(時にはモリブデンボレートネオデカノエートとも称される)、モリブデン2−エチルヘキサノエート4−ノニルオキシベンゾエート、モリブデン(イソステレート)(4−ノニルオキシベンゾエート)、モリブデンドデシルベンゼンスルホネート、モリブデンC18分枝状−線状カルボキシレート、モリブデンC36線状カルボキシレート、モリブデンC36+−C18分枝状−線状カルボキシレート、モリブデンC36分枝状−線状カルボキシレート、モリブデンC36/C36+線状カルボキシレート、モリブデンC36+分枝状アルキルカルボキシレート/t−ブチルベンゾエート、モリブデンC18分枝状アルキルカルボキシレート/t−ブチルベンゾエート、モリブデンオレエート、モリブデンC18線状アルキルカルボキシレート/t−ブチルベンゾエート、ビスマスオクトエート、ビスマスネオデカノエート、タングステン/2−エチルヘキサノエートのナトリウム塩(4900 ビーチストリート,ノーウッド,オハイオ州 45212−2398のShepherd Chemical Companyから得られ得る)を包含する。
【0037】
一つの好ましい具体的態様において、モリブデンアセチルアセトネートが用いられる。別の好ましい具体的態様において、モリブデンボロネオデカノエートが用いられる。別の好ましい具体的態様において、モリブデンオクトエートが用いられる。
【化1】

【0038】
溶媒反応条件
一般に、分散剤粘度指数向上剤及び摩耗防止性を示す多機能グラフトポリマーを作製するために、グラフト化可能なアミンがポリマー主鎖上にグラフトされ、そして次いで摩耗防止性モノマーがそのグラフト化可能なアミンと反応される。分散力特性及び摩耗防止性に関して良好な性能を達成するために、`008特許明細書に教示されそして特許請求されているように、フリーラジカル開始剤を用いて、N−ビニルイミダゾール(ヴィマ(VIMA))のようなグラフト化可能なアミンが最初にポリマー上にグラフトされて分散剤粘度指数向上剤を形成する。その後、摩耗防止性と関連したモノマー又はモノマー群たとえばモリブデンアセチルアセトネートが導入され、そしてグラフト化可能なアミンと反応される。従って、反応体は、ポリマー、グラフト化可能なアミン、グラフト反応を促進するためのフリーラジカル開始剤、及びモリブデン化合物を含む。
【0039】
一層特には、多機能グラフトポリマーの作製は、次のように行われる。グラフトされるべきポリマーが、流体形態にて用意される。たとえば、ポリマーは、溶媒(潤滑組成物用炭化水素基油、又は別の適当な溶媒であり得る)中に溶解され得る。
【0040】
かくして形成された反応混合物は反応混合物の表面上のCO2パージと共に適当な反応器(樹脂製釜のような)中に置かれ、そしてこの溶液は所望反応温度に加熱される。最小限、反応温度は、反応に充てられた時間中に選択された開始剤の本質的にすべてを消費するのに十分であるべきである。たとえば、ジ−t−ブチルペルオキシド(DTBP)が開始剤として用いられる場合、反応温度は、約165℃より大、その代わりに約170℃より大、その代わりに175℃より大であるべきである。異なる開始剤は、所与反応温度について異なる速度にて働く。それ故、特定の開始剤の選択は、反応温度又は時間の調整を必要とし得る。
【0041】
グラフト化可能なアミンがポリマー溶液に添加され、そして溶解される。グラフト化可能なアミン対ポリマーの想定割合は、有効百分率がポリマー主鎖上に直接的にグラフトするように選択される。ポリマーに対するグラフト化可能なアミンの最小モル割合は、少なくとも約13モルである。出発ポリマーのモル当たりのグラフト化可能なアミンの代替モル割合は、`008特許明細書第8欄第1〜55行に開示されている。
【0042】
グラフト化可能なアミンは、反応器中に一度に全部にて、いくつかの別個の装入量にて又は長期間にわたって定常速度にて導入され得る。反応混合物へのグラフト化可能なアミンの添加の所望最小速度は分当たりグラフト化可能なアミンの必要な装入量の少なくとも約0.1%であり、そして添加の最大速度は100%である。
【0043】
開始剤は、グラフト化可能なアミンの前に、グラフト化可能なアミンと共に又はグラフト化可能なアミンの後に添加され得る。開始剤は、複数の別個の装入量にて又は一度に全部にて添加され得る。一つの具体的態様において、開始剤は、グラフト化可能なアミンと共に1時間の期間にわたって添加され得る。反応混合物への開始剤の添加の所望速度は、分当たり開始剤の必要な装入量の少なくとも約0.1%、その代わりに少なくとも約5%及びその代わりに少なくとも約20%である。グラフト化可能なアミン及び開始剤の添加の代替速度は、`008特許明細書第8欄第56行〜第11欄第10行に開示されている。
【0044】
開始剤は純状態で添加され得るけれども、反応器に入る時の開始剤の高い局在割合を回避するために、好ましくはそれは溶媒で薄められる。好ましい具体的態様において、それは反応溶媒で実質的に希釈される。開始剤は、その重量又は容量の少なくとも5倍その代わりに少なくとも約10倍その代わりに少なくとも約20倍、適当な溶媒又は分散媒質で希釈され得る。
【0045】
開始剤及びグラフト化可能なアミンの添加が完了された後、反応混合物は、好ましくは、完了まで更に2〜120分間加熱と共に混合される。反応の完了のために必要とされる時間は、実験により、窒素の割合又は溶解状態のグラフト化可能なアミンの割合が最小予定値における値若しくは最小予定値に近い値に達する時点を又は粘度がほぼ一定の値に近づく時点を決定することによって決定され得る。窒素パーセントを決定するために用いられる試験方法は、`008特許明細書第11欄第35行から第12欄第67行に見られ得る。
【0046】
反応温度は維持され、そして摩耗防止性と関連した有機金属化合物が導入される。グラフト化可能なアミンに対する有機金属化合物の想定割合は、有効百分率がアミンに配位する又はアミンと反応するように選択される。有機金属化合物は、反応器中に一度に全部にて、いくつかの別個の装入量にて又は長期間にわたって定常速度にて導入され得る。反応混合物への有機金属化合物の添加の所望最小速度は分当たり有機金属化合物の必要な装入量の少なくとも約0.1%であり、そして添加の最大速度は100%である。
【0047】
有機金属化合物を反応混合物中に組み込むために、溶液は十分に混合される。有機金属化合物の添加が完了された後、反応混合物は、好ましくは、完了まで更に2〜120分間加熱及びCO2パージと共に混合される。
【0048】
その代わりに、開始剤は、モリブデンモノマーのような有機金属化合物の前に、有機金属化合物と共に又は有機金属化合物の後に添加され得る。開始剤は、複数の別個の装入量にて又は一度に全部にて添加され得る。一つの具体的態様において、開始剤は、モリブデンモノマーが反応混合物と十分に混合された後、1時間の期間にわたって添加される。
【0049】
グラフトモノマーの総濃度についての操作範囲はポリマーのモル当たり2モルのグラフトモノマーからポリマーのモル当たり約20モルのグラフトモノマーである、ということが想定される。一つの具体的態様において、多機能グラフトポリマーは、ポリマーのモル当たり約8モルから約16モルのグラフト化可能なアミン及びポリマーのモル当たり約2モルから約5モルのモリブデンモノマーを有する。
【0050】
本発明は、その代わりに、溶融反応体組成物を押出機又は他のポリマー用混合機たとえばバンバリーミル中に用意することにより行われ得る。溶融反応は、米国特許第5,663,126号明細書(参照することによりそっくりそのまま本明細書に組み込まれる)の第13欄第1行から第14欄第24行に記載された溶融反応に従って行われ得る。
【0051】
潤滑油組成物
本発明の潤滑油組成物は、好ましくは、次の成分を規定割合にて含む。すなわち、
A. 重量により約70%から約99%その代わりに重量により約80%から約95%その代わりに重量により約88%から約93%の1種又はそれ以上の基油(グラフト化ポリマーの製造から引き継がれた基油を含めて)、
B. 重量により約0.05%の固形分から約5%の固形分その代わりに重量により約0.15%の固形分から約2%の固形分その代わりに重量により約0.15%の固形分から約1.5%の固形分の1種又はそれ以上の本明細書に従って製造されたグラフト化ポリオレフィン(すなわち、グラフト化ポリマーの製造から引き継がれた基油を含まない)、
C. 重量により約0.0%の固形分から2.0%の固形分その代わりに重量により約0.05%の固形分から約1.0%の固形分その代わりに重量により約0.05%の固形分から約0.7%の固形分その代わりに重量により約0.1%の固形分から約0.7%の固形分の1種又はそれ以上の本発明によるグラフト化ポリマー以外のポリマー、
D. 重量により0.0%から約15%その代わりに重量により約0.5%から約10%その代わりに重量により約0.5%から約6%又はその代わりに約0.7%から約6%の1種又はそれ以上の分散剤、
E. 重量により約0.3%から6%その代わりに重量により約0.3%から4%その代わりに重量により約0.5%から約3%その代わりに重量により約0.5から約2%の1種又はそれ以上の清浄剤、
F. 重量により約0.01%から3%その代わりに重量により約0.04%から約2.5%その代わりに重量により約0.06%から約2%の1種又はそれ以上の摩耗防止剤(本発明によるグラフト化ポリマーでない)、
G. 重量により約0.01%から5%その代わりに重量により約0.01%から2%その代わりに重量により約0.05%から約1.5%その代わりに重量により約0.1%から約1%の1種又はそれ以上の酸化防止剤、及び
H. 重量により約0.0%から4%その代わりに重量により約0.0%から3%その代わりに重量により約0.005%から約2%その代わりに重量により約0.005から約1.5%の、摩擦調整剤、流動点降下剤及び消泡剤(しかしこれらに限定されない)のような副成分。
【0052】
DからHの百分率は、それらが商業的に入手できる形態に基づいて算出され得る。上記に同定された各成分の機能及び性質、並びに諸成分のいくつかの例が、本明細書の以下の段落に要約されている。
【0053】
基油
本発明のグラフト化可能なポリオレフィン用のプロセス溶媒として先に同定された石油又は合成基油のいずれかが、基油として用いられ得る。実際に、いかなる慣用の潤滑油又はそれらの組合わせもまた用いられ得る。
【0054】
グラフト化ポリオレフィンの組成
本発明によるグラフト化ポリオレフィンは、元のポリマーのモル当たり約8モルから約16モルのグラフト化可能なアミン及び元のポリマーのモル当たり約3モルから約5モルの有機金属モノマー(好ましくはモリブデンモノマーである)を含有する。
【0055】
グラフト化ポリオレフィンは、かかる処方物に慣用的に用いられる粘度指数向上性ポリオレフィンの一部又は全部の代わりに用いられ得る。それらはまた、かかる処方物に慣用的に用いられる摩耗防止剤の一部又は全部の代わりに用いられ得、何故ならそれらは摩耗防止性及び摩擦調整性を有するからである。
【0056】
先行技術において開示されたグラフト化ポリオレフィンもまた、本発明において開示されたグラフト化ポリオレフィンと組み合わせて用いられ得る。
【0057】
非グラフト化ポリオレフィン
慣用の粘度指数向上性ポリオレフィンは、本発明による処方物に用いられ得る。これらは、慣用的には長鎖ポリオレフィンである。本発明における使用のために想定されるポリオレフィンのいくつかの例は、米国特許第4,092,255号明細書第1欄第29〜32行に示唆されたもの(ポリイソブテン、ポリメタクリレート、ポリアルキルスチレン、ブタジエンとスチレンの部分水素化コポリマー、エチレン及びプロピレンの非晶質ポリオレフィン、エチレン−プロピレンジエンポリマー、ポリイソプレン、並びにスチレン−イソプレン)を包含する。
【0058】
分散剤
分散剤は不溶性エンジン油酸化生成物を懸濁するのを助け、かくしてスラッジの凝集そして金属部品上における微粒子の沈殿又は堆積を防ぐ。適当な分散剤は、高分子量アルキルスクシンイミド、及び油溶性ポリイソブチレンコハク酸無水物とエチレンアミン(テトラエチレンペンタアミン及びそのホウ酸化塩のような)との反応生成物を包含する。
【0059】
かかる慣用の分散剤は、本発明における使用のために想定される。分散剤のいくつかの例は、米国特許第4,092,255号明細書第1欄第38〜41行に列挙されたもの(スクシンイミドカルボニルのアルファ位における炭素においてイソブテン又はプロピレンのポリオレフィンでアルキル化されたスクシンイミド又はコハク酸エステル、)を包含する。これらの添加剤は、エンジン又は他の機械装置の清浄度を維持するために有用である。
【0060】
清浄剤
エンジンの清浄度を維持するための清浄剤は、本潤滑油組成物に用いられ得る。これらの物質は、スルホン酸、アルキルフェノール、硫化アルキルフェノール、アルキルサリチレート、ナフテネート並びに他の可溶性モノ及びジカルボン酸の金属塩を包含する。塩基性アルカリ土類金属スルホネート(特に、カルシウム及びマグネシウム塩)のような塩基性(すなわち、過塩基化)金属塩は、清浄剤としてしばしば用いられる。かかる清浄剤は、エンジン又は他の機械装置における不溶性微粒子物質を懸濁状態に保つために特に有用である。本発明における使用のために想定される清浄剤の他の例は、米国特許第4,092,255号明細書第1欄第35〜36行に列挙されたもの(多価金属のスルホネート、フェナート又は有機ホスフェート)を包含する。
【0061】
摩耗防止剤
摩耗防止剤は、それらの名称が意味するように、金属部品の摩耗を低減する。亜鉛ジアルキルジチオホスフェート及び亜鉛ジアリールジチオホスフェート、並びにモリブデンジアルキルジチオカルバメートのような有機モリブデン化合物は、自動車排出物用触媒を毒し得る硫黄成分及びリン成分を含有する慣用の摩耗防止剤の代表的なものである。慣用の摩耗防止剤の使用は、本発明のグラフト化ポリオレフィンの使用により低減又は排除され得る。
【0062】
酸化防止剤
酸化抑制剤又は酸化防止剤は、使用中の潤滑油の劣化する傾向を低減する。この劣化は、油の増加粘度により並びに金属表面上におけるスラッジ及びワニス様堆積物のような酸化の生成物により証明され得る。かかる酸化抑制剤は、アルキルフェノールチオエステル(好ましくは、C5からC12のアルキル側鎖を有する)のアルカリ土類金属塩たとえばカルシウムノニルフェノールスルフィド、ジオクチルフェニルアミン、フェニル−アルファ−ナフチルアミン、リン硫化又は硫化炭化水素、並びにモリブデンジアルキルジチオカルバメートのような有機モリブデン化合物を包含する。
【0063】
流動点降下剤
流動点降下剤(潤滑油流動性向上剤としても知られている)は、流体が流れる又は注がれ得る温度を低下させる。かかる添加剤は、よく知られている。潤滑剤の低温流動性を最適にする添加剤の典型的なものは、C8〜C18ジアルキルフマレートビニルアセテートコポリマー、及びポリメタクリレートである。
【0064】
副成分
潤滑油としての本組成物の使用を妨げない多くの副成分が、本発明において想定される。他のかかる添加剤の非網羅的リストは、極圧添加剤、摩擦調整剤、消泡添加剤及び染料だけでなく錆止め剤を包含する。
【0065】
以下の例は、本発明を一層詳細に例示する。以下の実施例は、本明細書に開示された本発明の或る特定の具体的態様を例示するよう供する。しかしながら、これらの実施例は、本明細書に含まれた本新規発明の範囲を限定するよう解釈されるべきでなく、何故なら当業者により認識されるように、開示された本発明の精神から逸脱することなくそれに関してなされ得る多くの変型があるからである。
【0066】
実施例
以下の実施例は、本発明の多機能ポリマーを製造する方法を記載する。
【0067】
実施例1
500グラムのポリマー溶液サンプルを、次のようにして作製した。約100,000の分子量を有するポリマーポリメリ・ヨーロッパ(Polimeri Europa)CO−043をエクソン(Exxon)EHC−60基油中12.50重量%に希釈し、そして加熱及びかき混ぜでもって溶解した。次いで、この混合物をこの反応混合物の表面上のCO2パージと共に170℃に加熱した。この時点で、このポリマー混合物に0.50重量%の1−ビニルイミダゾール(ヴィマ(VIMA),BASF Corp.)を60分の期間にわたって添加した。ヴィマ(VIMA)添加と同時に、0.30重量%のジ−t−ブチルペルオキシド(DTBP,Aldrich Chemicalの#16,8521−1)を60分の期間にわたって添加した。DTBP添加の完了後、反応を更に30分間混合した。この反応を第2反応により後続させた。
【0068】
この反応は、パート(a)の反応生成物を170℃に加熱及び/又は維持することにより始まった。(a)の生成物に、0.50重量%のモリブデンアセチルアセトネート(Mo AcAc)(Gelest Inc.の#−AKM550)を添加した。これはポリマー混合物に1分の期間にわたって添加され、そして十分に混合した。モノマーが反応混合物に組み込まれた後、反応を加熱及びCO2パージと共に更に60分間混合し続けた。
【0069】
生じた生成物は、本発明の多機能(粘度指数向上剤、分散剤、摩耗防止性)グラフトポリマーを含有していた。
【0070】
実施例2
500グラムのポリマー溶液サンプルを、次のようにして作製した。グラフトポリマーポリメリ・ヨーロッパ(Polimeri Europa)CO−043をエクソン(Exxon)EHC−45基油中12.50重量%に希釈し、そして加熱及びかき混ぜでもって溶解した。次いで、この混合物をこの反応混合物の表面上のCO2パージと共に170℃に加熱した。この時点で、このポリマー混合物に0.50重量%の1−ビニルイミダゾール(ヴィマ(VIMA),BASF Corp.)を60分の期間にわたって添加した。ヴィマ(VIMA)添加と同時に、0.30重量%のジ−t−ブチルペルオキシド(DTBP,Aldrich Chemicalの#16,8521−1)を60分の期間にわたって添加した。DTBP添加の完了後、反応を更に30分間混合した。この反応を第2反応により後続させた。
【0071】
この時点で、このポリマー混合物に0.50重量%のGelest Inc.から入手できるモリブデンアセチルアセトネート(#−AKM550)を1分の期間にわたって添加し、そして十分に混合した。モノマーが反応混合物に組み込まれた後、0.30重量%のジ−t−ブチルペルオキシド(DTBP,Aldrich Chemicalの#16,8521−1)を60分の期間にわたって添加した。DTBP添加の完了後、反応を加熱と共に更に30分間混合し続けた。
【0072】
生じた生成物は、本発明の多機能(粘度指数向上剤、分散剤、摩耗防止性)グラフトポリマーを含有していた。
【0073】
実施例3
500グラムのポリマー溶液サンプルを、次のようにして作製した。ポリマーポリメリ・ヨーロッパ(Polimeri Europa)CO−043をエクソン(Exxon)EHC−60基油中12.50重量%に希釈し、そして加熱及びかき混ぜでもって溶解した。次いで、この混合物をこの反応混合物の表面上のCO2パージと共に170℃に加熱した。この時点で、このポリマー混合物に0.50重量%のGelest Inc.から入手できるモリブデンアセチルアセトネート(#−AKM550)を1分の期間にわたって添加した。Mo AcAcをVII溶液中に十分に混入させた。このVII・Mo AcAc溶液に0.30重量%のジ−t−ブチルペルオキシド(DTBP,Aldrich Chemicalの#16,8521−1)を60分の期間にわたって添加した。DTBP添加の完了後、反応を更に30分間混合した。
【0074】
生じた生成物は、本発明の粘度指数向上剤グラフトポリマーを含有していた。
【0075】
実施例4
500グラムのポリマー溶液サンプルを、次のようにして作製した。約100,000の分子量を有するポリマーポリメリ・ヨーロッパ(Polimeri Europa)CO−043をエクソン(Exxon)EHC−60基油中12.50重量%に希釈し、そして加熱及びかき混ぜでもって溶解した。次いで、この混合物をこの反応混合物の表面上のCO2パージと共に170℃に加熱した。この時点で、このポリマー混合物に0.50重量%の1−ビニルイミダゾール(ヴィマ(VIMA),BASF Corp.)を60分の期間にわたって添加した。ヴィマ(VIMA)添加と同時に、0.30重量%のジ−t−ブチルペルオキシド(DTBP,Aldrich Chemicalの#16,8521−1)を60分の期間にわたって添加した。DTBP添加の完了後、反応を更に30分間混合した。この反応を第2反応により後続させた。
【0076】
この反応は、パート(a)の反応生成物を170℃に加熱及び/又は維持することにより始まった。(a)の生成物に、2.00重量%のモリブデンオクトエートを添加した。これはポリマー混合物に1分の期間にわたって添加され、そして十分に混合した。モノマーが反応混合物に組み込まれた後、反応を加熱及びCO2パージと共に更に60分間混合し続けた。
【0077】
生じた生成物は、本発明の多機能(粘度指数向上剤、分散剤、摩耗防止性)グラフトポリマーを含有していた。
【0078】
実施例5
500グラムのポリマー溶液サンプルを、次のようにして作製した。約100,000の分子量を有するポリマーポリメリ・ヨーロッパ(Polimeri Europa)CO−043をエクソン(Exxon)EHC−60基油中12.50重量%に希釈し、そして加熱及びかき混ぜでもって溶解した。次いで、この混合物をこの反応混合物の表面上のCO2パージと共に170℃に加熱した。この時点で、このポリマー混合物に0.50重量%の1−ビニルイミダゾール(ヴィマ(VIMA),BASF Corp.)を60分の期間にわたって添加した。ヴィマ(VIMA)添加と同時に、0.30重量%のジ−t−ブチルペルオキシド(DTBP,Aldrich Chemicalの#16,8521−1)を60分の期間にわたって添加した。DTBP添加の完了後、反応を更に30分間混合した。この反応を第2反応により後続させた。
【0079】
この反応は、パート(a)の反応生成物を170℃に加熱及び/又は維持することにより始まった。(a)の生成物に、1.00重量%のモリブデンオクトエートを添加した。これはポリマー混合物に1分の期間にわたって添加され、そして十分に混合した。モノマーが反応混合物に組み込まれた後、反応を加熱及びCO2パージと共に更に60分間混合し続けた。
【0080】
生じた生成物は、本発明の多機能(粘度指数向上剤、分散剤、摩耗防止性)グラフトポリマーを含有していた。
【0081】
実施例6
500グラムのポリマー溶液サンプルを、次のようにして作製した。約100,000の分子量を有するポリマーポリメリ・ヨーロッパ(Polimeri Europa)CO−043をエクソン(Exxon)EHC−60基油中12.50重量%に希釈し、そして加熱及びかき混ぜでもって溶解した。次いで、この混合物をこの反応混合物の表面上のCO2パージと共に170℃に加熱した。この時点で、このポリマー混合物に0.50重量%の1−ビニルイミダゾール(ヴィマ(VIMA),BASF Corp.)を60分の期間にわたって添加した。ヴィマ(VIMA)添加と同時に、0.30重量%のジ−t−ブチルペルオキシド(DTBP,Aldrich Chemicalの#16,8521−1)を60分の期間にわたって添加した。DTBP添加の完了後、反応を更に30分間混合した。この反応を第2反応により後続させた。
【0082】
この反応は、パート(a)の反応生成物を170℃に加熱及び/又は維持することにより始まった。(a)の生成物に、2.00重量%のモリブデンボロネオデカノエート(Mo boro NDA)を添加した。これはポリマー混合物に1分の期間にわたって添加され、そして十分に混合した。モノマーが反応混合物に組み込まれた後、反応を加熱及びCO2パージと共に更に60分間混合し続けた。
【0083】
生じた生成物は、ヴィマ(VIMA)及びモリブデンボロネオデカノエートを含有する本発明の多機能(粘度指数向上剤、分散剤、摩耗防止性)グラフトポリマーを含有していた。
【0084】
シーケンスIVA動弁系摩耗評価
低減レベルの摩耗防止性添加剤ZDDPを含有する2種の完全処方潤滑油に対して、シーケンスIVA試験を遂行した。一方の試験配合物は実施例1の多機能ポリマーを含有し、そして他方のものは含有していなかった。シーケンスIVAエンジン動弁系摩耗試験は、カム軸ローブ摩耗を低減するべき試験潤滑剤の能力を評価する点火エンジン−動力計潤滑剤試験である。試験方法は、100時間の総運転継続時間でもっての低温循環試験である。
【0085】
1994年型日産製型式KA24E水冷式4サイクル直列シリンダー2.389(2.4)リットルエンジンを試験装置として用いる。このエンジンは、シングルオーバーヘッドカム(SOHC)、シリンダー当たり3個の弁(2個の吸気,1個の排気)及び滑り従動弁列機構が組み込まれている。エンジンショートブロックを16回の試験に利用し、シリンダーヘッドアセンブリーを8回の試験に利用し、そして臨界試験部品(カム軸、ロッカーアーム、ロッカーシャフト)を試験ごとに取り替える。ロングブロック又はシリンダーヘッドが取り替えられる場合はいつも、95分のブレークインスケジュールを実施する(試験1及び9の前に)。
【0086】
シーケンスIVA試験は、フラッシュ・アンド・ラン(flush and run)型潤滑剤試験である。各々の個々の試験は、2回の20分フラッシュ及びその後の100時間の循環試験から成る。循環試験は、100時間ごとのサイクルで構成される。各サイクルは、2つの段階から成る。空転速度の段階1の継続時間は50分であり、1500r/minの段階2は10分間運転する。試験サイクルのこれらの段階を、次の条件に設定する。
【表1】

【0087】
試験が完了すると、カム軸をエンジンから取り出し、そして7つの所定箇所(ノーズ,ノーズの前及び後の14度,ノーズの前及び後の10度,ノーズの前及び後の4度)において個々のローブ摩耗について測定する。各ローブについて、7箇所を合計してローブ摩耗を決定する。次いで、12のローブを平均して最終試験結果を算定する。試験の結果は、下記の表1に見られる。
【0088】
表1中の0.63固形分の0.035%リンを有する分散剤VIIを有する例`008の試験配合物及び0.63固形分の0.035%リンで変性された分散剤VII−Moオクトエート仕上げ処理剤を有する例TPの試験配合物は、比較例である。
【0089】
【表2】

【0090】
本発明の多機能ポリマーは、油中に存在する鉄のppmを100時間後に半分に低減するだけでなく、カム、ローブ及びノーズの摩耗を低減する、ということを表1中の結果は示している。加えて、本発明の実施例1の試験配合物であるグラフトポリマーを含有する試験配合物はGF−4の試験限度に合格し、一方ZDDPのみを有する試験配合物は合格しない。実施例4及び6の結果もまた、`008の唯一の分散剤化学物質を利用するベース配合物に対して改善摩耗性能を示している。`008の分散剤ポリマー化学物質と反応されたモリブデンオクトエートを利用する実施例4の試験配合物もまた、試験の終わりにおける鉄の含有率だけでなく、摩耗について約50%の低減を示している。`008の分散剤ポリマー化学物質と反応されたMo Boro NDAを利用する実施例6の試験配合物の場合において、それもまた試験の終わりにおける鉄の含有率だけでなく、摩耗について約75%の低減を示している。これは、更に、この添加剤化学物質の有用性を示している。例TP(仕上げ処理剤)の場合において、Moオクトエートは、前の諸例においてのように分散剤ポリマーと反応されない。このMoオクトエートは、完成モーター油潤滑剤試験配合物に添加される。その試験結果は合格しているが、しかし平均カム、ローブ及びノーズ摩耗により示される摩耗保護は有効でない。この結果は、完成配合物へ添加することよりもむしろMoオクトエートを分散剤ポリマーと反応させることの利益を示している。
【0091】
前の諸例のうちに、シーケンスIVA試験データにより明らかでない又は示されない追加的利益がある。Moオクトエート、Mo AcAc及びMo Boro NDAでもって調製されたモーター油試験配合物はすべて、降下物又は不安定性のない安定な完成流体を示す。Moオクトエートが完成流体に添加された試験配合物(例TP)は、不安定性及びMo化学物質の降下物の徴候を示す。これは、Mo化合物を`008の分散剤ポリマーと反応させる価値を更に例証している。
【0092】
示差走査熱量測定試験(DSC)
DSC試験は、酸化に抵抗するべき潤滑剤の能力を測定する。試験を220℃の等温温度において、純酸素中で100psiの圧力にて実施した。試験は、潤滑油の酸化の始まりまでの時間(分にて)を測定する。
【0093】
0.63wt%の実施例1及び3の多機能ポリマー(75ppmのMo化合物)を含有する低率リン(0.04wt%)の完全処方5W−30油、並びに分散剤VIIポリマーのみを有する比較サンプル及び分散剤VIIポリマーとアミン系酸化防止剤(チバ(CIBA)L−67)の配合物を有する比較サンプルに対して、0.50%の処理剤率にてDSC試験を遂行した。DSCの結果は表2に示され、そして実施例1及び3のモリブデン化合物を有する油が分散剤VIIポリマーとチバ(CIBA)酸化防止剤の配合物よりも良好な酸化安定性を有することを示している。
【0094】
【表3】

【0095】
TEOST 33C ASTM D−6335
TEOST 33C試験は、熱酸化エンジン油シミュレーション試験(TEOST)を利用して、自動車エンジン油により形成された堆積物の量(mgにて)を測定する。実施例1の多機能ポリマーを含有する完全処方潤滑油、及びモリブデン化合物を有さない`008特許明細書の分散剤粘度指数向上剤を含有する比較例に対して、TEOST 33 ASTM D−6335に従って試験を行った。TEOST試験の結果は、表3に見られる。
【0096】
【表4】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
多機能ポリマーであって、
a. ポリオレフィン、
b. 2から約50個の炭素原子を有する含窒素のエチレン系不飽和の脂肪族又は芳香族モノマー、及び
c. 該ポリオレフィンと反応することの可能な有機金属化合物
のグラフトポリマーを含む多機能ポリマー。
【請求項2】
有機金属化合物が、モリブデン、コバルト、チタン、カルシウム、マグネシウム、マンガン、ビスマス、タングステン及び銅から成る群から選択された金属構成員を含む、請求項1に記載の多機能ポリマー。
【請求項3】
有機金属化合物が、モリブデン、コバルト、チタン、カルシウム、マグネシウム、マンガン、ビスマス、タングステン及び銅から成る群から選択された金属成分を含有する金属カルボン酸塩を含む、請求項1に記載の多機能ポリマー。
【請求項4】
有機金属化合物が、モリブデン化合物を含む、請求項2に記載の多機能ポリマー。
【請求項5】
金属カルボン酸塩が、カルボン酸モリブデンを含む、請求項3に記載の多機能ポリマー。
【請求項6】
モリブデン化合物が、モリブデンボロネオデカノエート、モリブデン2−エチルヘキサノエート4−ノニルオキシベンゾエート、モリブデン(イソステレート)(4−ノニルオキシベンゾエート)、モリブデンドデシルベンゼンスルホネート、モリブデンC18分枝状−線状カルボキシレート、モリブデンC36線状カルボキシレート、モリブデンC36+−C18分枝状−線状カルボキシレート、モリブデンC36分枝状−線状カルボキシレート、モリブデンC36/C36+線状カルボキシレート、モリブデンC36+分枝状アルキルカルボキシレート/t−ブチルベンゾエート、モリブデンC18分枝状アルキルカルボキシレート/t−ブチルベンゾエート、モリブデンオレエート、モリブデンC18線状アルキルカルボキシレート/t−ブチルベンゾエート、モリブデンオクトエート、モリブデンアセチルアセトネート及びそれらの組合わせから成る群から選択される、請求項4に記載の多機能ポリマー。
【請求項7】
モリブデン化合物が、モリブデンアセチルアセトネートを含む、請求項4に記載の多機能ポリマー。
【請求項8】
モリブデン化合物が、モリブデンオクトエートを含む、請求項4に記載の多機能ポリマー。
【請求項9】
モリブデン化合物が、モリブデンボロネオデカノエートを含む、請求項4に記載の多機能ポリマー。
【請求項10】
モノマーが、1−ビニルイミダゾール、1−ビニル−2−ピロリジノン、N−アリルイミダゾール、1−ビニルピロリジノン、2−ビニルピリジン、4−ビニルピリジン、N−メチル−N−ビニルアセトアミド、ジアリルホルムアミド、N−メチル−N−アリルホルムアミド、N−エチル−N−アリルホルムアミド、N−シクロヘキシル−N−アリルホルムアミド、4−メチル−5−ビニルチアゾール、N−アリルジイソオクチルフェノチアジン、2−メチル−1−ビニルイミダゾール、3−メチル−1−ビニルピラゾール、N−ビニルプリン、N−ビニルピペラジン、ビニルピペリジン、ビニルモルホリン及びそれらの組合わせから成る群から選択される、請求項1に記載の多機能ポリマー。
【請求項11】
モノマーが、1−ビニルイミダゾールを含む、請求項1に記載の多機能ポリマー。
【請求項12】
ポリオレフィンが、約20,000から約500,000の重量平均分子量及び約1から約15の多分散性を含む、請求項1に記載の多機能ポリマー。
【請求項13】
モノマー対ポリマーの比率が、約8から約16モルのモノマー対1モルのポリマーである、請求項1に記載の多機能ポリマー。
【請求項14】
モリブデン系化合物対ポリマーの比率が、約2から約5モルのモリブデン系化合物対1モルのポリマーである、請求項1に記載の多機能ポリマー。
【請求項15】
多機能ポリマーであって、
a. 約20,000から約500,000の重量平均分子量及び約1から約15の多分散性を有するポリオレフィン、
b. 1−ビニルイミダゾール、1−ビニル−2−ピロリジノン、N−アリルイミダゾール、1−ビニルピロリジノン、2−ビニルピリジン、4−ビニルピリジン、N−メチル−N−ビニルアセトアミド、ジアリルホルムアミド、N−メチル−N−アリルホルムアミド、N−エチル−N−アリルホルムアミド、N−シクロヘキシル−N−アリルホルムアミド、4−メチル−5−ビニルチアゾール、N−アリルジイソオクチルフェノチアジン、2−メチル−1−ビニルイミダゾール、3−メチル−1−ビニルピラゾール、N−ビニルプリン、N−ビニルピペラジン、ビニルピペリジン、ビニルモルホリン及びそれらの組合わせから成る群から選択されたところの2から約50個の炭素原子を有する含窒素のエチレン系不飽和の脂肪族又は芳香族モノマー、並びに
c. モリブデンボロネオデカノエート、モリブデン2−エチルヘキサノエート4−ノニルオキシベンゾエート、モリブデン(イソステレート)(4−ノニルオキシベンゾエート)、モリブデンドデシルベンゼンスルホネート、モリブデンC18分枝状−線状カルボキシレート、モリブデンC36線状カルボキシレート、モリブデンC36+−C18分枝状−線状カルボキシレート、モリブデンC36分枝状−線状カルボキシレート、モリブデンC36/C36+線状カルボキシレート、モリブデンC36+分枝状アルキルカルボキシレート/t−ブチルベンゾエート、モリブデンC18分枝状アルキルカルボキシレート/t−ブチルベンゾエート、モリブデンオレエート、モリブデンC18線状アルキルカルボキシレート/t−ブチルベンゾエート、モリブデンオクトエート、モリブデンアセチルアセトネート及びそれらの組合わせから成る群から選択されたところの該ポリオレフィンと反応することの可能な有機金属化合物
のグラフトポリマーを含む多機能ポリマー。
【請求項16】
多機能ポリマーであって、
モリブデンボロネオデカノエート、モリブデンオクトエート、モリブデンアセチルアセトネート及びそれらの組合わせから成る群から選択されたモリブデン化合物、並びに
ポリマー上にグラフトされた2から約50個の炭素原子を有する含窒素のエチレン系不飽和の脂肪族又は芳香族モノマーのグラフト反応生成物を含むポリオレフィン
のグラフトポリマーを含み、しかも該グラフトポリマーは約20,000から約500,000の重量平均分子量及び少なくとも約13:1のグラフト化モノマー対ポリマーのモル割合を有する多機能ポリマー。
【請求項17】
多機能ポリマーを製造する方法であって、次の工程すなわち
a. ポリオレフィン、開始剤、及び該ポリオレフィンと反応することの可能な2から約50個の炭素原子を有する含窒素のエチレン系不飽和の脂肪族又は芳香族モノマーを用意し、
b. 該ポリオレフィンを溶媒中に溶解して溶液を形成させ、
c. この溶液中に該モノマーを分散し、
d. この溶液に該開始剤を添加し、しかもこの工程を該開始剤の開始温度を超える温度にて行い、それにより分散剤ポリマーを形成させ、
e. この溶液をこの温度に維持しそして有機金属化合物を添加し、それにより該多機能ポリマーを形成させる
工程を含む方法。
【請求項18】
溶媒が、炭化水素基油を含む、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
ポリオレフィンが、約20,000から約500,000の重量平均分子量及び約1から約15の間の多分散性を有する、請求項17に記載の方法。
【請求項20】
モノマーが、1−ビニルイミダゾール、1−ビニル−2−ピロリジノン、C−ビニルイミダゾール、N−アリルイミダゾール、1−ビニルピロリジノン、2−ビニルピリジン、4−ビニルピリジン、N−メチル−N−ビニルアセトアミド、ジアリルホルムアミド、N−メチル−N−アリルホルムアミド、N−エチル−N−アリルホルムアミド、N−シクロヘキシル−N−アリルホルムアミド、4−メチル−5−ビニルチアゾール、N−アリルジイソオクチルフェノチアジン、2−メチル−1−ビニルイミダゾール、3−メチル−1−ビニルピラゾール、N−ビニルプリン、N−ビニルピペラジン、ビニルピペリジン、ビニルモルホリン及びそれらの組合わせから成る群から選択される、請求項17に記載の方法。
【請求項21】
モノマーが、1−ビニルイミダゾールを含む、請求項17に記載の方法。
【請求項22】
有機金属化合物が、モリブデン、コバルト、チタン、カルシウム、マグネシウム、マンガン、ビスマス、タングステン及び銅から成る群から選択された金属構成員を含む、請求項17に記載の方法。
【請求項23】
有機金属化合物が、モリブデン化合物を含む、請求項22に記載の方法。
【請求項24】
モリブデン化合物が、モリブデンボロネオデカノエート、モリブデン2−エチルヘキサノエート4−ノニルオキシベンゾエート、モリブデン(イソステレート)(4−ノニルオキシベンゾエート)、モリブデンドデシルベンゼンスルホネート、モリブデンC18分枝状−線状カルボキシレート、モリブデンC36線状カルボキシレート、モリブデンC36+−C18分枝状−線状カルボキシレート、モリブデンC36分枝状−線状カルボキシレート、モリブデンC36/C36+線状カルボキシレート、モリブデンC36+分枝状アルキルカルボキシレート/t−ブチルベンゾエート、モリブデンC18分枝状アルキルカルボキシレート/t−ブチルベンゾエート、モリブデンオレエート、モリブデンC18線状アルキルカルボキシレート/t−ブチルベンゾエート、モリブデンオクトエート、モリブデンアセチルアセトネート及びそれらの組合わせから成る群から選択される、請求項23に記載の方法。
【請求項25】
モリブデン化合物が、モリブデンアセチルアセトネートを含む、請求項23に記載の方法。
【請求項26】
モリブデン化合物が、モリブデンオクトエートを含む、請求項23に記載の方法。
【請求項27】
モリブデン化合物が、モリブデンボロネオデカノエートを含む、請求項23に記載の方法。
【請求項28】
多機能ポリマーを製造する方法であって、次の工程すなわち
a. 約20,000から約500,000の重量平均分子量を有するポリオレフィン、開始剤、並びに1−ビニルイミダゾール、1−ビニル−2−ピロリジノン、N−アリルイミダゾール、1−ビニルピロリジノン、2−ビニルピリジン、4−ビニルピリジン、N−メチル−N−ビニルアセトアミド、ジアリルホルムアミド、N−メチル−N−アリルホルムアミド、N−エチル−N−アリルホルムアミド、N−シクロヘキシル−N−アリルホルムアミド、4−メチル−5−ビニルチアゾール、N−アリルジイソオクチルフェノチアジン、2−メチル−1−ビニルイミダゾール、3−メチル−1−ビニルピラゾール、N−ビニルプリン、N−ビニルピペラジン、ビニルピペリジン、ビニルモルホリン及びそれらの組合わせから成る群から選択されたところの該ポリオレフィンと反応することの可能な2から約50個の炭素原子を有する含窒素のエチレン系不飽和の脂肪族又は芳香族モノマーを用意し、
b. 該ポリオレフィンを溶媒中に溶解して溶液を形成させ、
c. この溶液中に該モノマーを分散し、
d. この溶液に該開始剤を添加し、しかもこの工程を該開始剤の開始温度を超える温度にて行い、それにより分散剤ポリマーを形成させ、
e. この溶液をこの温度に維持しそしてモリブデンボロネオデカノエート、モリブデン2−エチルヘキサノエート4−ノニルオキシベンゾエート、モリブデン(イソステレート)(4−ノニルオキシベンゾエート)、モリブデンドデシルベンゼンスルホネート、モリブデンC18分枝状−線状カルボキシレート、モリブデンC36線状カルボキシレート、モリブデンC36+−C18分枝状−線状カルボキシレート、モリブデンC36分枝状−線状カルボキシレート、モリブデンC36/C36+線状カルボキシレート、モリブデンC36+分枝状アルキルカルボキシレート/t−ブチルベンゾエート、モリブデンC18分枝状アルキルカルボキシレート/t−ブチルベンゾエート、モリブデンオレエート、モリブデンC18線状アルキルカルボキシレート/t−ブチルベンゾエート、モリブデンオクトエート、モリブデンアセチルアセトネート及びそれらの組合わせから成る群から選択された有機金属化合物を添加し、それにより該多機能ポリマーを形成させる
工程を含む方法。
【請求項29】
モノマーが1−ビニルイミダゾールであり、そして有機金属化合物がモリブデンボロネオデカノエート、モリブデンオクトエート、モリブデンアセチルアセトネート及びそれらの組合わせから成る群から選択される、請求項28に記載の方法。
【請求項30】
潤滑油であって、
a. 潤滑油基油、
b. 組成物重量に基づいて少なくとも約0.1wt%の請求項1に記載の多機能ポリマー、及び
c. 組成物重量に基づいて0%から約4%の他の分散剤
を含む潤滑油。
【請求項31】
潤滑油であって、
a. 潤滑油基油、
b. 組成物重量に基づいて少なくとも約0.1wt%の請求項15に記載の多機能ポリマー、及び
c. 組成物重量に基づいて0%から約4%の他の分散剤
を含む潤滑油。
【請求項32】
潤滑油であって、
a. 潤滑油基油、
b. 組成物重量に基づいて少なくとも約0.1wt%の請求項16に記載の多機能ポリマー、及び
c. 組成物重量に基づいて0%から約4%の他の分散剤
を含む潤滑油。
【請求項33】
潤滑油であって、
a. 潤滑油基油、
b. 組成物重量に基づいて少なくとも約0.1wt%の、多機能ポリマーであって
モリブデンボロネオデカノエート、モリブデンオクトエート、モリブデンアセチルアセトネート及びそれらの組合わせから成る群から選択されたモリブデン化合物、並びに
ポリマー上にグラフトされた2から約50個の炭素原子を有する含窒素のエチレン系不飽和の脂肪族又は芳香族モノマーのグラフト反応生成物を含むポリオレフィン
のグラフトポリマーを含みしかも該グラフトポリマーは約20,000から約500,000の重量平均分子量及び少なくとも約13:1のグラフト化モノマー対ポリマーのモル割合を有する多機能ポリマー、並びに
c. 組成物重量に基づいて0%から約4%の他の分散剤
を含む潤滑油。
【請求項34】
多機能ポリマーであって、
a. ポリオレフィン、及び
b. 該ポリオレフィンと反応することの可能な有機金属化合物
のグラフトポリマーを含む多機能ポリマー。
【請求項35】
有機金属化合物が、モリブデン、コバルト、チタン、カルシウム、マグネシウム、マンガン、ビスマス、タングステン及び銅から成る群から選択された金属構成員を含む、請求項34に記載の多機能ポリマー。
【請求項36】
有機金属化合物が、モリブデン、コバルト、チタン、カルシウム、マグネシウム、マンガン、ビスマス、タングステン及び銅から成る群から選択された金属成分を含有する金属カルボン酸塩を含む、請求項34に記載の多機能ポリマー。
【請求項37】
有機金属化合物が、モリブデンボロネオデカノエート、モリブデン2−エチルヘキサノエート4−ノニルオキシベンゾエート、モリブデン(イソステレート)(4−ノニルオキシベンゾエート)、モリブデンドデシルベンゼンスルホネート、モリブデンC18分枝状−線状カルボキシレート、モリブデンC36線状カルボキシレート、モリブデンC36+−C18分枝状−線状カルボキシレート、モリブデンC36分枝状−線状カルボキシレート、モリブデンC36/C36+線状カルボキシレート、モリブデンC36+分枝状アルキルカルボキシレート/t−ブチルベンゾエート、モリブデンC18分枝状アルキルカルボキシレート/t−ブチルベンゾエート、モリブデンオレエート、モリブデンC18線状アルキルカルボキシレート/t−ブチルベンゾエート、モリブデンオクトエート、モリブデンアセチルアセトネート及びそれらの組合わせから成る群から選択されたモリブデン化合物を含む、請求項35に記載の多機能ポリマー。
【請求項38】
モリブデン化合物が、モリブデンアセチルアセトネート、モリブデンオクトエート、モリブデンボロネオデカノエート及びそれらの組合わせから成る群から選択される、請求項37に記載の多機能ポリマー。
【請求項39】
ポリオレフィンが、約20,000から約500,000の重量平均分子量及び約1から約15の多分散性を含む、請求項34に記載の多機能ポリマー。
【請求項40】
ポリオレフィンが、約20,000から約500,000の重量平均分子量及び約1から約15の多分散性を含む、請求項38に記載の多機能ポリマー。
【請求項41】
多機能ポリマーを製造する方法であって、次の工程すなわち
a. ポリオレフィン、開始剤、及び該ポリオレフィンと反応することの可能な有機金属化合物を用意し、
b. 該ポリオレフィンを溶媒中に溶解して溶液を形成させ、
c. この溶液中に該有機金属化合物を分散し、
d. この溶液に該開始剤を添加し、しかもこの工程を該開始剤の開始温度を超える温度にて行い、それにより多機能ポリマーを形成させる
工程を含む方法。
【請求項42】
溶媒が、炭化水素基油を含む、請求項41に記載の方法。
【請求項43】
ポリオレフィンが、約20,000から約500,000の重量平均分子量及び約1から約15の間の多分散性を有する、請求項41に記載の方法。
【請求項44】
有機金属化合物が、モリブデン、コバルト、チタン、カルシウム、マグネシウム、マンガン、ビスマス、タングステン及び銅から成る群から選択された金属構成員を含む、請求項41に記載の方法。
【請求項45】
有機金属化合物が、モリブデンボロネオデカノエート、モリブデン2−エチルヘキサノエート4−ノニルオキシベンゾエート、モリブデン(イソステレート)(4−ノニルオキシベンゾエート)、モリブデンドデシルベンゼンスルホネート、モリブデンC18分枝状−線状カルボキシレート、モリブデンC36線状カルボキシレート、モリブデンC36+−C18分枝状−線状カルボキシレート、モリブデンC36分枝状−線状カルボキシレート、モリブデンC36/C36+線状カルボキシレート、モリブデンC36+分枝状アルキルカルボキシレート/t−ブチルベンゾエート、モリブデンC18分枝状アルキルカルボキシレート/t−ブチルベンゾエート、モリブデンオレエート、モリブデンC18線状アルキルカルボキシレート/t−ブチルベンゾエート、モリブデンオクトエート、モリブデンアセチルアセトネート及びそれらの組合わせから成る群から選択されたモリブデン化合物を含む、請求項44に記載の方法。
【請求項46】
モリブデン化合物が、モリブデンアセチルアセトネート、モリブデンオクトエート、モリブデンボロネオデカノエート及びそれらの組合わせから成る群から選択される、請求項45に記載の方法。
【請求項47】
ポリオレフィンが、約20,000から約500,000の重量平均分子量及び約1から約15の間の多分散性を有する、請求項46に記載の方法。
【請求項48】
潤滑油であって、
a. 潤滑油基油、
b. 組成物重量に基づいて少なくとも約0.1wt%の請求項34に記載の多機能ポリマー、及び
c. 組成物重量に基づいて0%から約4%の他の分散剤
を含む潤滑油。
【請求項49】
潤滑油であって、
a. 潤滑油基油、
b. 組成物重量に基づいて少なくとも約0.1wt%の請求項38に記載の多機能ポリマー、及び
c. 組成物重量に基づいて0%から約4%の他の分散剤
を含む潤滑油。
【請求項50】
潤滑油であって、
a. 潤滑油基油、
b. 組成物重量に基づいて少なくとも約0.1wt%の請求項40に記載の多機能ポリマー、及び
c. 組成物重量に基づいて0%から約4%の他の分散剤
を含む潤滑油。
【請求項51】
有機金属化合物が、少なくとも1個のC6からC40のカルボキシレート部分を有する金属カルボン酸塩を含む、請求項3に記載の多機能ポリマー。
【請求項52】
カルボン酸モリブデンが、少なくとも1個のC6からC40のカルボキシレート部分を有する、請求項5に記載の多機能ポリマー。

【公開番号】特開2013−82933(P2013−82933A)
【公開日】平成25年5月9日(2013.5.9)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2012−281335(P2012−281335)
【出願日】平成24年12月25日(2012.12.25)
【分割の表示】特願2008−501020(P2008−501020)の分割
【原出願日】平成18年3月10日(2006.3.10)
【出願人】(507302162)カストロール リミティド (3)
【Fターム(参考)】