説明

多機能型電子部品

【課題】構造が簡単で、操作つまみの揺動操作及び所定の位置にある操作つまみの押圧操作を何れもがたつきなく確実且つスムーズに行える多機能型電子部品を提供する。
【解決手段】揺動式の電子部品10を構成する保持体50,150の両側面に係止部67を設ける。電子部品10の下に、係止部67を上下動自在に係止する被係止部257と、保持体50,150の底面に設けたスイッチ押圧部79に対向する位置に形成される挿通部253とを有する基台250を設置する。基台250の挿通部253の下に押圧式スイッチ340を設置する。操作つまみ20と基台250にそれぞれ、操作つまみ20の中立位置においてのみ係合する係合部43,27と被係合部271,267を設けることで、操作つまみ20の中立位置においてのみ操作つまみ20と共に電子部品10全体を基台250側に移動できスイッチ押圧部79が押圧式スイッチ340を押圧できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、揺動式電子部品又はスライド式電子部品に押圧式電子部品の機能を兼用させた多機能型電子部品に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、操作つまみを揺動させることで検出出力が変化する揺動式電子部品や、略直線状に操作つまみを移動(スライド移動)させることで検出出力が変化するスライド式電子部品等の各種電子部品がある。
【0003】
さらに前記各種電子部品に押圧式電子部品の機能を併せ持たせた多機能型の電子部品もある。この種の多機能型電子部品は、その操作つまみ(又はこの操作つまみと一体の別の操作つまみ)を略垂直真下方向に向けて押圧移動することで押圧式スイッチをオンオフする機能を有している。
【0004】
例えば特許文献1のスライド式電子部品の場合は、つまみ(10)をスライド移動することで検出出力が変化し、つまみ(10)が所定の位置に位置した際にキートップ(30)を垂直真下方向に押圧することでスイッチ(210)がオンする構成となっている。
【0005】
一方、例えば揺動式またはスライド式電子部品の下部全体をケース内に上下動自在に収納し(例えば特許文献2のケース(60)内の基板(30)上に揺動式又はスライド式電子部品を載置したような構造のもの)、操作つまみ自体を真下に押圧することで電子部品全体を下降させてケース内に設置した押圧式スイッチをオンする構成の多機能型電子部品も考えられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2006−331698号公報
【特許文献2】実開平6−9025号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら上記従来の多機能型電子部品は、構造が複雑になり、また複数ある各機能をがたつきなく確実且つスムーズに動作させることが困難であった。
【0008】
本発明は上述の点に鑑みてなされたものでありその目的は、構造が簡単で、操作つまみの揺動又はスライド移動操作及び所定の位置にある操作つまみの押圧操作を何れもがたつきなく確実且つスムーズに行うことができる多機能型電子部品を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本願請求項1に記載の発明は、対向する両側面に係止部を設けた保持体と、前記保持体に対して揺動又は略直線移動自在に保持される移動体と、前記移動体の移動によって出力信号を変化する検出手段と、前記移動体上に取り付けられる操作つまみとを有し、前記保持体の前記操作つまみを取り付けた反対面側にスイッチ押圧部を設けてなる電子部品と、前記電子部品の前記操作つまみを設置した反対面側に配置され、前記保持体の係止部を上下動自在に係止する被係止部と、前記保持体のスイッチ押圧部に対向する位置に形成される挿通部とを有する基台と、前記基台の前記電子部品を設置した反対面側の前記挿通部に対向する位置に設置される押圧式スイッチとを具備し、さらに前記操作つまみ又は移動体の少なくとも何れか一方と基台にはそれぞれ、操作つまみの所定の移動位置においてのみ係合してこの操作つまみと共に電子部品全体を基台側に移動させることで前記スイッチ押圧部に前記押圧式スイッチをオンオフ操作させる係合部と被係合部を設けたことを特徴とする多機能型電子部品にある。
【0010】
本願請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の多機能型電子部品であって、前記基台には、前記保持体の一対の係止部を設けた側面に略直交する側の側面に対向する位置に立設する立設部を設け、この立設部の上部に前記被係合部を設けたことを特徴とする多機能型電子部品にある。
【0011】
本願請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の多機能型電子部品であって、前記基台に設けた被係止部と立設部の前記保持体に対向している側面に、上下動する保持体の外周側面に当接してこれをガイドするガイド部を設けたことを特徴とする多機能型電子部品にある。
【0012】
本願請求項4に記載の発明は、請求項1乃至3の内の何れかに記載の多機能型電子部品であって、前記保持体と基台の間に、両者を引き離す方向に弾発する板バネを設置し、且つこの板バネは、前記基台の挿通部の周囲に配置される板バネ基部と、板バネ基部の対向する両端から突出して前記保持体側に傾斜しその先端近傍部分を保持体への弾接部とする一対のアーム部とを有して構成され、さらにこの板バネは、前記一対の弾接部を結ぶ方向が、前記操作つまみの揺動方向又は直線移動方向の向きに略一致するように設置されていることを特徴とする多機能型電子部品にある。
【発明の効果】
【0013】
請求項1に記載の発明によれば、電子部品の保持体に設けた係止部を、基台に設けた被係止部に上下動自在に係止することで、基台に対して電子部品を上下動自在に保持できる。また基台に設けた連通部を介して電子部品の上下動を連通部の反対面側に設置した押圧式スイッチに伝達してこれをオンオフ操作するので、連通部の深さ寸法分だけ押圧ストロークを長くすることができる。押圧ストロークが長くなると確実な押圧感触が得られ、特にこの多機能型電子部品が小型化したような場合に有効となる。また操作つまみ又は移動体の少なくとも何れか一方に設けた係合部が基台に設けた被係合部に係合することで操作つまみを所定の移動位置においてのみ上下動できる。
つまり請求項1に記載の発明は、基台に、電子部品を上下動自在に保持する機能と、電子部品の押圧ストロークを長くさせる機能と、操作つまみを所定の移動位置でのみ上下動できるようにする機能とを同時に持たせることができ、これら複数の機能を簡単な構造で構成することができる。これによって多機能型電子部品の小型化を図ることもできる。
【0014】
請求項2に記載の発明によれば、操作つまみ自体に係合部を設け、この操作つまみの係合部を直接基台の立設部の被係合部に係合するので、例えば操作つまみから離れた移動体に係合部を設ける場合に比べ、係合部と被係合部の係合時の両者間の隙間による操作つまみのがたつきを小さくすることができ、操作つまみの押圧操作をがたつきなく確実且つスムーズに行うことができる。
【0015】
請求項3に記載の発明によれば、電子部品の保持体の周囲がガイド部によって上下動自在にガイドされるので、電子部品のがたつきが防止される。これによって操作つまみの揺動又はスライド移動操作及び押圧操作を何れもがたつきなく確実且つスムーズに行うことができる。
【0016】
請求項4に記載の発明によれば、板バネの一対の弾接部を結ぶ方向を、操作つまみの揺動方向又は直線移動方向の向きに略一致するように設置したので、操作つまみの揺動方向又は直線移動方向に直交する方向の寸法を小さくでき、多機能型電子部品の小型化が図れる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】多機能型電子部品1−1の斜視図である。
【図2】多機能型電子部品1−1の一部分解斜視図(その上側の部品)である。
【図3】多機能型電子部品1−1の一部分解斜視図(その下側の部品)である。
【図4】操作つまみ20と第1保持体50と移動体100と第2保持体150とを下側から見た斜視図である。
【図5】基台250を下側から見た斜視図である。
【図6】図1のA−A断面図である。
【図7】図1のB−B断面図である。
【図8】多機能型電子部品1−2の一部分解斜視図(その上側の部品)である。
【図9】多機能型電子部品1−2の一部分解斜視図(その下側の部品)である。
【図10】操作つまみ20−2と第1保持体50−2とを下側から見た斜視図である。
【図11】基台250−2を下側から見た斜視図である。
【図12】多機能型電子部品1−2の断面図(図6と同一部分)である。
【図13】多機能型電子部品1−3の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の実施形態を図面を参照して詳細に説明する。
〔第1実施形態〕
図1は本発明の第1実施形態にかかる多機能型電子部品1−1の斜視図、図2は多機能型電子部品1−1の一部分解斜視図(その上側の部品を示す)、図3は多機能型電子部品1−1の一部分解斜視図(その下側の部品を示す)、図4は多機能型電子部品1−1を構成する操作つまみ20と保持体(以下「第1保持体」という)50と移動体100と保持体(以下「第2保持体」という)150とを下側から見た斜視図、図5は基台250を下側から見た斜視図、図6は図1のA−A断面図、図7は図1のB−B断面図である。なお以下の説明において、「上」とは基台250から操作つまみ20を見る方向をいい、「下」とはその反対方向をいうものとする。
【0019】
多機能型電子部品1−1は、図2,図3に示すように、取付台350上に、回路基板300と基台250と板バネ200と電子部品10を設置して構成されている。また電子部品10は、操作つまみ20と第1保持体50と弾発手段80と移動体100と摺動子140と第2保持体150と第1回路基板部310とを具備して構成されている。第1保持体50と第2保持体150を合わせて保持体という。
【0020】
操作つまみ20は合成樹脂(例えばABS樹脂製)の成形品であり、図2,図4に示すように、略矩形平板状の操作部21の下部中央から突出する支柱23の先端に平板を略円弧状に湾曲してなるつまみ基部25を取り付けて構成されている。つまみ基部25は操作つまみ20の移動方向(揺動方向)Cに向けて上方向に凸となるように湾曲形成されており、その1側辺25aの中央部には移動方向Cに直交する方向に向けて突出する略矩形状の係合部(以下「第2係合部」という)27が設けられている。またつまみ基部25の下面の略中央には矩形状に突出する取付部29が設けられ、取付部29の両側(取付部29から見て移動方向Cに直交する方向の両側位置)には一対の移動体係止部31,37が設けられ、さらに移動体係止部37の隣(取付部29とは反対側の位置)には矩形状に突出する係合部(以下「第1係合部」という)43が設けられている。一方の移動体係止部31は略コ字状であり、内部に略矩形状の係止孔33を有している。もう一方の移動体係止部37は略平板状に下方に向かって突出し、その下部近傍部分に略矩形状の係止孔39を有している。移動体係止部37の前記第1係合部43に対向する側の側面の上下方向に延びる両側辺にはレール状に突出して上下に平行に延びる一対のガイド部41が形成されている。
【0021】
第1保持体50は合成樹脂(例えばABS樹脂)の成形品であり、略矩形状(略直方体形状)に構成されており、その上面51はその長手方向に向かって上方向に凸となる円弧状の湾曲面となっている。第1保持体50の移動体100側を向く面には、移動体100を収納する空間からなる収納部53が設けられ、また上面51には長手方向に向かって切り欠いてなる開口部55が設けられている。収納部53内部の下面と上面はそれぞれ移動体ガイド面57,59となっている。移動体ガイド面57,59は何れも上方向に凸となるようにそれらの長手方向に向かって円弧状に湾曲する湾曲面である。収納部53内部の左右両側中央からは平板状のコイル係止部61,61(図では一方のみ示す)が突出している。コイル係止部61,61は何れも上方向に凸となるように円弧状に湾曲している。また第1保持体50の第2保持体150側を向く面の両端部近傍には小突起状の取付部63が設けられている。また上面51の第2保持体150側を向く辺の開口部55の両側には、爪状に突出する一対の仮止め用係止片65,65が形成されている。また第1保持体50の対向する両側面には、外方に向かって突出するように一対の係止部67が設けられている。両係止部67は略平板矩形状であり、その下面は外方に向かって上方向に傾斜する傾斜面69となっている。また図4に示すように、第1保持体50の背面には円弧状の貫通孔からなる挿通ガイド孔71が形成され、さらにこの背面にはコ字状であってその両端がこの背面に接続される枠部材73が取り付けられている。そして枠部材73の中央の辺の上辺には、その略全長にわたって上方向に凸となるように円弧状に突出するつまみ傾倒防止部75が設けられている。また第1保持体50の底面の略中央には、下方向に向かって突出するスイッチ押圧部79が設けられている。なお上記した第1保持体50各部の上方向に凸となるように湾曲する円弧の中心軸は何れも第1保持体50より下方に位置する同一軸である。
【0022】
弾発手段80は圧縮方向に弾発力を有する圧縮コイルバネであり、その両端には消音用の弾性体(この実施形態では合成ゴム)からなるバネ受け81が取り付けられている。
【0023】
移動体100は合成樹脂(例えばPOM樹脂等)の成形品であり、略矩形状であって長手方向に円弧状に湾曲させた形状であり、第1保持体50側を向く面に長手方向に向けて前記円弧に合わせて円弧状に湾曲する溝状のコイル収納部101を設けている。移動体100は第1保持体50の収納部53に収納され、その上下面が移動体ガイド面59,57にぴったり当接し、移動体100が移動体ガイド面59,57に沿って円弧状に左右に揺動する外形形状に形成されている。コイル収納部101の左右両端には第1保持体50のコイル係止部61をコイル収納部101内に挿入するためのスリット状の切り欠きからなる挿通部103が設けられている。一方移動体100の第2保持体150側を向く面は摺動子設置部105となっており、摺動子140を取り付けるための小突起107が設けられている。またコイル収納部101の下側の側面中央には略平板棒状に突出するガイド突起109が設けられ、摺動子設置部105の上部中央にも略平板棒状に突出するガイド突起111が設けられている。また移動体100の上面の略中央には前記操作つまみ20の取付部29を嵌合する略矩形状の穴からなる操作つまみ取付部113が設けられ、さらに移動体100の上面の長手方向に向かう位置には複数の浅い深さの矩形状の凹部からなるグリス充填部115が一列に並ぶように形成されている。
【0024】
摺動子140は弾性金属板製の矩形状の摺動子基部141の1辺から2本の摺動接点143を突出し、その根元部分を摺動子基部141の下面側に折り返して構成されている。摺動子基部141には小孔145が設けられている。
【0025】
第2保持体150は合成樹脂(例えばABS樹脂等)を略平板状に成形して構成されている。第2保持体150の外形形状は第1保持体50の収納部53側の面の外形形状と略同じ外形形状であり、第1保持体50の一対の取付部63に対向する位置にこれら取付部63を挿入する一対の貫通部151を設けている。また第2保持体150の前記移動体100のガイド突起111に対向する位置には円弧状の貫通孔からなる挿通ガイド孔153が形成されている。第2保持体150の第1保持体50と反対側を向く面の下辺近傍には、下辺に沿うように、平板状に突出する押え部155が形成され、また同じ面の前記挿通ガイド孔153の下辺に沿う位置には平板状に突出するガイド突起載置部157が形成されている。また第2保持体150の上辺の前記第1保持体50の一対の仮止め用係止片65に対向する位置には、これら仮止め用係止片65の先端の爪を係合する一対の凹部からなる係止片係止部159が形成されている。
【0026】
板バネ200は弾性金属板製であり、略矩形状の板バネ基部201と、板バネ基部201の180°対向する両端から突出して根元部分を上方向(第1保持体50側)に屈曲させることで傾斜してなる一対のアーム部211とを具備して構成されている。各アーム部211の先端近傍部分には、第1保持体50の底面に弾接される弾接部213が上方向に凸となるように湾曲して形成されている。板バネ基部201の内部(中央)には、円形の貫通孔からなる挿通部203が形成されており、また板バネ基部201の前記アーム部211を突出しない対向する両端辺にはそれぞれ略円弧状に突出する取付部205が設けられ、各取付部205には取付孔207が形成されている。
【0027】
基台250は合成樹脂の成型品であり、略矩形平板状の基台本体部251を有している。基台本体部251の略中央には円形の貫通孔からなる挿通部253が設けられており、また基台本体部251上面の挿通部253の両側(板バネ200の取付孔207に対向する位置)には小突起状のバネ取付部255が設けられている。基台本体部251の対向する両端辺近傍位置(第1保持体50の前記各係止部67に対向する位置)には一対の被係止部257,257が設けられており、また基台本体部251のもう一方の対向する両端辺近傍位置には一対の立設部259,261が設けられている。
【0028】
両被係止部257は何れも上方向に向かって突出するようにコ字状に形成されており、その上辺の対向する内側面には上方向に向かって広がるように傾斜する傾斜面263が形成され、またその両側辺の対向する内側面には上下方向に向かって延びる横断面略半円弧状のガイド部265が形成されている。
【0029】
一方の立設部259は板状であって、基台本体部251の一側辺の略中央から水平方向に突出してL字状に屈曲することで上方向に突出しており、その上端辺は上方向に向かって凸となる円弧状に湾曲した押圧防止辺259aとなっており、その中央には矩形状に凹む被係合部267が設けられている。被係合部267は前記操作つまみ20の第2係合部27が略ぴったり挿入される寸法形状に形成されている。立設部259の内側面(もう一方の立設部261側を向く面)には、レール状に突出して上下に平行に延びる一対のガイド部269が形成されている。
【0030】
もう一方の立設部261は板状であって、基台本体部251の一側辺に近い上面の略中央から上方向に突出しており、その上端辺は上方向に向かって凸となる円弧状に湾曲した押圧防止辺261aとなっており、その中央には矩形状に凹む被係合部271が設けられている。被係合部271は前記操作つまみ20の第1係合部43が略ぴったり挿入される寸法形状に形成されている。立設部261の外側面(もう一方の立設部259とは反対側の面)の上下方向の中間位置には、水平に突出する平板状の取付部273が設けられている。
【0031】
さらに基台本体部251の下面の四隅近傍位置と前記取付部273の下面には、それぞれ小突起状に突出する取付固定部275が設けられている。
【0032】
回路基板300は、前記電子部品10の一部を構成する第1回路基板部310と、下記する押圧式スイッチ340を設置する第2回路基板部330とを帯状の連結部305によって連結して構成されている。回路基板300は可撓性を有する合成樹脂フイルムからなるフレキシブル基板の表面に回路パターンを形成することで構成されている。第1回路基板部310は第2保持体150の外形寸法形状(但し挿通ガイド孔153よりも上部の部分を除く)と略同じ外形寸法形状を有しており、その両端部近傍(第2保持体150の各貫通部151に対向する位置)に一対の貫通孔311を設けている。第1回路基板部310の一方の面(第1保持体50側を向く面)には摺動子140の摺動接点143に摺接する摺接パターン313が形成されている。一方第2回路基板部330は略矩形状であって、基台本体部251の外形寸法形状と略同じ外形寸法形状を有しており、基台本体部251に設けた挿通部253の真下に対向する位置に押圧式スイッチ340を設置し、またその四隅近傍の前記基台本体部251の各取付固定部275に対向する位置に取付固定部275を略ぴったり挿入する寸法の貫通孔331を設けている。押圧式スイッチ340は重ね合わせた2枚の基板の対向する面に一対のスイッチ接点パターンを隙間を介して対向させてなるいわゆるメンブレンスイッチの上面(スイッチ接点パターンを設けていない背面)に弾性金属板をドーム状に形成してなる反転板341を取り付けて構成されている。第2回路基板部330の外周には前記摺接パターン313と押圧式スイッチ340の出力を導出する引出部333が接続されている。
【0033】
取付台350は金属板を略矩形状に加工して構成されており、前記基台250の基台本体部251を載置する寸法形状の取付台本体部351と、前記取付部273を載置する載置部353とを具備している。そして前記基台250の各取付固定部275に対向する位置に、これら各取付固定部275を挿入する寸法形状の貫通孔からなる挿入固定部355を設けている。
【0034】
次にこの多機能型電子部品1−1の組立方法を説明する。まず予め基台250の挿通部253の上面側周囲に板バネ200の板バネ基部201を載置し、その際挿通部253と挿通部203の位置を一致させ、同時に基台250の一対のバネ取付部255を板バネ200の一対の取付孔207に挿入する。そして各バネ取付部255の先端を熱かしめすることで基台200上に板バネ200を取り付ける。一方移動体100の摺動子設置部105に摺動子140を設置し、その際移動体100の小突起107を摺動子140の小孔145に挿入して小突起107の先端を熱かしめすることで移動体100に摺動子140を取り付ける。また移動体100の各グリス充填部115に図示しないグリスを充填しておく。
【0035】
次に電子部品10を組み立てる。まず移動体100のコイル収納部101に、両端にバネ受け81を取り付けた弾発手段80を収納する。次にこの移動体100を第1保持体50の収納部53に収納する。このとき第1保持体50の各コイル係止部61の先端は移動体100の各挿通部103に挿入され、それらの先端はバネ受け81に当接する。またこのとき移動体100のガイド突起109を第1保持体50の挿通ガイド孔71に挿入する。次に第1保持体50の収納部53を塞ぐように第2保持体150を被せる。このとき第1保持体50の各取付部63を第2保持体150の各貫通部151に挿入し、同時に第1保持体50の一対の仮止め用係止片65を第2保持体150の一対の係止片係止部159に係合(仮止め用係止片65自体が撓むことによるスナップイン係合)する。これによって第1保持体50と第2保持体150間が仮止めされる。このように仮止めするのは、もし仮止めしないと、摺動子140の弾発力によって、第1保持体50と第2保持体150間が離れてしまい、これらを一体化したものを基台250上に設置する際に、両立設部259,261の間に入りにくくなり、その設置が困難になる恐れがあるからである。またこのとき移動体100のガイド突起111が第2保持体150の挿通ガイド孔153に挿入される。このように第1,第2保持体50,150を接合することによって1つの保持体が形成され、この保持体の上面に形成される開口部55内に移動体100の操作つまみ取付部113が露出する。そして露出している操作つまみ取付部113に保持体50,150の上方から操作つまみ20の取付部29を嵌合して取り付ける。このとき移動体100の一対のガイド突起109,111がそれぞれ操作つまみ20の移動体係止部37の係止孔39と移動体係止部31の係止孔33に係合(移動体係止部37,31が撓むことによるスナップイン係合)する。これによって電子部品10の組み立てが完了する。
【0036】
次に前記電子部品10を、前記板バネ200を取り付けた基台250上に載置する。このとき第1保持体50の一対の係止部67をそれぞれ基台250の被係止部257に上下動自在に係合(被係止部257の左右の支柱の部分が撓むことによるスナップイン係合)する。これによって電子部品10はその保持体(第1,第2保持体50,150)が一対の被係止部257と一対の立設部259,261の内側に挿入される。その際両被係止部257の内側面に設けたガイド部265が第1保持体50の一対の係止部67の両側の側面77に当接し、同時に立設部259の内側面に設けたガイド部269が第2保持体150の押え部155の先端辺に当接し、同時に操作つまみ20のガイド部41が立設部261の内側面に当接する。つまり基台250に設けた被係止部257と立設部259の保持体50,150に対向している側面に、上下動する保持体50,150の外周側面に当接してこれをガイドするガイド部265,269を設け、さらに上下動する操作つまみ20の移動体係止部37の立設部261に対向している側面に、立設部261の側面に当接してこれをガイドするガイド部41を設け、これによって電子部品10を基台250に対して上下動自在にがたつきなく保持している。
【0037】
次に前記基台250の下側に、第2回路基板部330を載置した取付台350を配置し、その際基台250の各取付固定部275を第2回路基板部330の各貫通穴331と取付台350の各挿入固定部355に挿入し、各取付固定部275の先端を熱かしめする。これによって多機能型電子部品1−1の組み立てが完了する。なお上記組立手順はその一例であり、他の各種異なる組立手順を用いて組み立てても良いことはいうまでもない。
【0038】
以上のようにして構成された多機能型電子部品1−1において、操作つまみ20及び移動体100は弾発手段80によって中立位置、即ち中央位置に保持されている。同時に板バネ200の弾発力によって電子部品10は基台250に対して上方向に弾発され、最も上昇した位置に保持されている(係止部67の上面が被係止部257の中央部分の下辺に弾接している)。また基台250の挿通部253の上部にスイッチ押圧部79が位置し、挿通部253の下部に押圧式スイッチ340が位置している。そして前記弾発手段80の弾発力に抗して操作つまみ20を図1に示す移動方向(揺動方向)Cに揺動すると、これと一体に移動体100及び摺動子140が揺動し、摺動子140の摺動接点143が第1回路基板部310の摺接パターン313上を摺動し、その出力信号が変化する。前記操作つまみ20を揺動する力を解除すると、弾発手段80の弾発力によって操作つまみ20及び移動体100は元の中立位置に自動復帰する。
【0039】
一方操作つまみ20の中立位置において、この操作つまみ20を板バネ200の弾発力に抗して真下方向(押圧式スイッチ340の方向、揺動中心軸方向)に押圧すると、操作つまみ20の第1係合部43が基台250の被係合部271内に挿入され、同時に操作つまみ20の第2係合部27が基台250の被係合部267内に挿入され、これによって操作つまみ20が揺動方向Cにがたつくことなく、被係合部271,267にガイドされながら、電子部品1−1全体が真下方向にスムーズに下降し、第1保持体50の下面に設けたスイッチ押圧部79が挿通部253内に挿入され、その下の押圧式スイッチ340を押圧して反転板341を反転しこれをオンする。前記操作つまみ20への押圧を解除すると、板バネ200及び反転板341の弾性復帰力によって電子部品10は押し上げられて元の位置に自動復帰すると同時に、押圧式スイッチ340はオフする。なお操作つまみ20を中立位置から揺動した状態のままこの操作つまみ20をその揺動中心軸方向に押圧しようとしても、操作つまみ20の第1,第2係合部43,27が基台250の立設板261,259の押圧防止辺261a,259aに当接することで、電子部品10は下降しない。
【0040】
なお、操作つまみ20を揺動方向Cに直交する方向(図7の矢印D方向)に揺動しようとする力が働いた場合でも、図7に示すように第1保持体50に設けたつまみ傾倒防止部75が操作つまみ20を支えるので、操作つまみ20の傾倒を防止することができる。
【0041】
以上説明したように、多機能型電子部品1−1は、対向する両側面に係止部67を設けた保持体50,150と、保持体50,150に対して揺動自在に保持される移動体100と、移動体100の移動によって出力信号を変化する摺動子140と摺接パターン313からなる検出手段と、移動体100上に取り付けられる操作つまみ20とを有し、保持体50,150の操作つまみ20を取り付けた反対面側にスイッチ押圧部79を設けてなる電子部品10と、電子部品10の操作つまみ20を設置した反対面側に配置され、保持体50,150の係止部67を上下動自在に係止する被係止部257と、保持体50,150のスイッチ押圧部79に対向する位置に形成される挿通部253とを有する基台250と、基台250の電子部品10を設置した反対面側の挿通部253に対向する位置に設置される押圧式スイッチ340とを具備し、さらに操作つまみ20と基台250にはそれぞれ操作つまみ20の所定の移動位置においてのみ係合して操作つまみ20と共に電子部品10全体を基台250側に移動させることでスイッチ押圧部79に押圧式スイッチ340をオンオフ操作させる係合部43,27と被係合部271,267を設けて構成されている。
【0042】
このように電子部品10の保持体50,150に設けた係止部67を、基台250に設けた被係止部257に上下動自在に係止することで、基台250に対して電子部品10を上下動自在に保持できる。また基台250に設けた挿通部253を介して電子部品10の上下動を挿通部253の反対面側に設置した押圧式スイッチ340に伝達してこれをオンオフ操作するので、挿通部253の深さ寸法分だけ押圧ストロークを長くすることができる。押圧ストロークが長くなると確実な押圧感触が得られ、特にこの多機能型電子部品1−1が小型化したような場合に有効となる。また操作つまみ20に設けた係合部43,27が基台250に設けた被係合部271,267に係合することで操作つまみ20を所定の移動位置においてのみ上下動できる。つまりこの多機能型電子部品1−1は、基台250に、電子部品10を上下動自在に保持する機能と、電子部品10の押圧ストロークを長くさせる機能と、操作つまみ20を所定の移動位置でのみ上下動できるようにする機能とを同時に持たせることができ、これら複数の機能を簡単な構造で構成することができる。またこれによって多機能型電子部品1−1の小型化を図ることもできる。
【0043】
また多機能型電子部品1−1は、基台250に、保持体50,150の一対の係止部67を設けた側面に略直交する側の側面に対向する位置に立設する立設部261,259を設け、この立設部261,259の上部に被係合部271,267を設けている。即ち操作つまみ20自体に係合部43,27を設け、この操作つまみ20の係合部43,27を直接基台250の立設部261,259の被係合部271,267に係合するので、例えば操作つまみ20から離れた移動体100に係合部を設ける場合に比べ、係合部43,27と被係合部271,267の係合時の両者間の隙間による操作つまみ20のがたつきを小さくすることができ、操作つまみ20の押圧操作をがたつきなく確実且つスムーズに行うことができる。
【0044】
また多機能型電子部品1−1は、基台250に設けた被係止部257と立設部259の保持体50,150に対向している側面に、上下動する保持体50,150の外周側面に当接してこれをガイドするガイド部265,269を設けたので、電子部品10の保持体50,150の周囲がガイド部265,269によって上下動自在にガイドされ、電子部品10のがたつきが防止される。これによって操作つまみ20の揺動操作及び押圧操作を何れもがたつきなく確実且つスムーズに行うことができる。なおこの多機能型電子部品1−1においてはさらに基台250の立設部261の側面に当接する操作つまみ20のガイド部41を設けたので、さらに電子部品10の前後左右に向かうがたつきが確実に防止される。
【0045】
また多機能型電子部品1−1は、保持体50,150と基台250の間に両者を引き離す方向に弾発する板バネ200を設置し、且つ板バネ200は基台250の挿通部253の周囲に配置される板バネ基部201と、板バネ基部201の対向する両端から突出して保持体50,150側に傾斜しその先端近傍部分を保持体50,150への弾接部213とする一対のアーム部211とを有して構成され、さらに板バネ200は、一対の弾接部213を結ぶ方向が、操作つまみ20の揺動方向Cの向きに略一致するように設置されている。以上のように構成したので、操作つまみ20の揺動方向に直交する方向の寸法を小さくでき、多機能型電子部品1−1の小型化が図れる。
【0046】
〔第2実施形態〕
図8は本発明の第2実施形態にかかる多機能型電子部品1−2の一部分解斜視図(その上側の部品を示す)、図9は多機能型電子部品1−2の一部分解斜視図(その下側の部品を示す)、図10は多機能型電子部品1−2を構成する操作つまみ20−2と保持体(以下「第1保持体」という)50−2とを下側から見た斜視図、図11は基台250−2を下側から見た斜視図、図12は断面図(図6と同一部分における断面図)である。これらの図に示す多機能型電子部品1−2において、前記図1〜図7に示す多機能型電子部品1−1と同一又は相当部分には同一符号を付す。但し各符号には添え字「−2」を付す。なお以下で説明する事項以外の事項については、前記図1〜図7に示す実施形態と同じである。
【0047】
この多機能型電子部品1−2において多機能型電子部品1−1と相違する点は、操作つまみ20―2と第1保持体50−2と板バネ200−2と基台250−2と押圧式スイッチ340−2の構造である。
【0048】
即ち操作つまみ20−2において前記操作つまみ20と相違する点は、移動体係止部37にガイド部41を設けず、その代りに第1係合部43−2の移動体係止部37−2から離れた側の側面に平板状に突出するガイド板45−2を設けた点である。ガイド板45−2の側面が立設部261−2の外側の側面に当接して操作つまみ20−2がガイドされる。
【0049】
次に第1保持体50−2において前記第1保持体50と相違する点は、スイッチ押圧部79を第1保持体50の下面から突出させる代りに、図10に示すように、第1保持体50−2の平面状の底面自体をスイッチ押圧部79−2とした点である。
【0050】
次に板バネ200−2において前記板バネ200と相違する点は、板バネ基部201−2を略円形とし、板バネ基部201−2の内部(中央)に設けた略円形の挿通部203−2の内周辺の部分に略矩形状の凹部からなる取付凹部207−2を4か所形成した点である。
【0051】
次に基台250−2において前記基台250と相違する点は、基台本体部251−2の略中央に設けた円形の貫通孔からなる挿通部253−2の周囲に、これを囲むようにカバー部277−2を設けた点と、カバー部277−2の外周側面の4か所(前記板バネ200―2の各取付凹部207−2に対向する位置)に矩形小突起状の係止突部279−2を設けた点とである。カバー部277−2は挿通部253−2の周囲上面から上方向に突出しその上端部分を内側に屈曲することで挿通部253−2の周囲を一部覆うように形成されている。
【0052】
次に押圧式スイッチ340−2において前記押圧式スイッチ340と相違する点は、反転板341の代りに高さの高い(ストロークの長い)弾性材からなる反転体341−2をメンブレンスイッチ上に設置した点である。反転体341−2は、弾性ゴムなどの弾性材料を略お椀を伏せた形状に形成して構成され、リング状の基部343−2と円柱状の押圧部345−2の間を薄い円錐筒状の側壁部347−2で連結し、また押圧部345−2の下面に棒状のスイッチ押圧部349−2(図12参照)を設けて構成されている。
【0053】
そして板バネ200−2の基台250−2への取り付けは、基台250−2上に板バネ200−2を載置し、その際基台250−2のカバー部277−2を板バネ200−2の挿通部203−2に挿入し、同時に基台250−2の係止突部279−2を板バネ200−2の取付凹部207−2に係合する。そして係止突部279−2を熱かしめすればその取り付けが完了する。
【0054】
そして前記多機能型電子部品1−1の場合と同様の組立手順で電子部品10−2を組み立てた後、この電子部品10−2を、前記多機能型電子部品1−1の場合と同様の組立手順で、板バネ200−2を取り付けた基台250−2上に上下動自在に取り付け、さらに前記多機能型電子部品1−1の場合と同様の組立手順で基台250−2の下側に、第2回路基板部330−2を載置した取付台350−2を取り付け、多機能型電子部品1−2の組み立てを完了する。このとき反転体341−2は図12に示すように基台250−2の挿通部253−2内に挿入され、その押圧部345−2が挿通部253−2から上方に突出し、押圧部345−2の上面が第1保持体50−2のスイッチ押圧部79−2に当接している。
【0055】
以上のようにして構成された多機能型電子部品1−2において、操作つまみ20−2を揺動した場合の動作は前記多機能型電子部品1−1の場合と同じである。
【0056】
一方操作つまみ20−2の中立位置において、この操作つまみ20−2を板バネ200−2の弾発力に抗して真下方向に押圧すると、電子部品10−2全体が真下方向にスムーズに下降し、第1保持体50−2のスイッチ押圧部79−2が反転体341−2の押圧部345−2を押圧してその側壁部347−2を変形することでクリック感触を生じながら押圧部345−2が急激に下降し、そのスイッチ押圧部349−2がメンブレンスイッチを押圧してこれをオンする。前記操作つまみ20−2への押圧を解除すると、板バネ200−2及び反転体341−2の弾性復帰力によって電子部品10−2は押し上げられて元の位置に自動復帰すると同時に、押圧式スイッチ340−2がオフする。なお操作つまみ20−2を中立位置から揺動した状態のままこの操作つまみ20−2をその揺動中心軸方向に押圧しようとしても、操作つまみ20−2の第1,第2係合部43−2,27−2が基台250−2の立設板261−2,259−2の押圧防止辺261a−2,259a−2に当接して電子部品10−2が下降しない点は前記多機能型電子部品1−1の場合と同様である。
【0057】
〔第3実施形態〕
図13は本発明の第3実施形態にかかる多機能型電子部品1−1の斜視図である。この図に示す多機能型電子部品1−3において、前記図1〜図7に示す多機能型電子部品1−1と同一又は相当部分には同一符号を付す。但し各符号には添え字「−3」を付す。なお以下で説明する事項以外の事項については、前記図1〜図7に示す実施形態と同じである。
【0058】
この多機能型電子部品1−3において前記多機能型電子部品1−1と相違する点は、操作つまみ20に係合部27を設ける代わりに、移動体100−3のガイド突起111−3の長さをガイド突起111よりも延ばしてその先端部分を係合部27−3とし、また立設部259の押圧防止辺259aに被係合部267を設ける代わりに、立設部259−3の板面中に略T字状(左右長手方向に向かう長孔は円弧状に湾曲している)の貫通孔を設け、その左右長手方向に向かう長孔の下辺を押圧防止辺259a−3とし、押圧防止辺259a−3の中央に矩形状に凹む被係合部267−3を設けている。このように構成しても、移動体100−3に設けた係合部27−3が基台250−3に設けた被係合部267−3に係合することで操作つまみ20−3を所定の移動位置においてのみ上下動できる。なお前記多機能型電子部品1−1で設けた係合部43と被係合部271はこの多機能型電子部品1−3においても同様に設けられているが、場合によってはこれらを省略しても良い。またこの多機能型電子部品1−3では立設部259−3に設けた貫通孔内に被係合部267−3等を形成したが、立設部259−3の上辺を低くしてその上辺を押圧防止辺259a−3とし、その中央に凹状の被係合部267−3を設けてもよい。
【0059】
以上本発明の実施形態を説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲、及び明細書と図面に記載された技術的思想の範囲内において種々の変形が可能である。なお直接明細書及び図面に記載がない何れの形状や構造や材質であっても、本願発明の作用・効果を奏する以上、本願発明の技術的思想の範囲内である。例えば、上記各実施形態では保持体50,150に対して移動体100を揺動自在に保持することで揺動式電子部品を構成したが、移動体100を略直線移動自在に保持することでスライド式電子部品を構成しても良い。
【0060】
また係合部43,27と被係合部271,267は何れか一方の組だけであっても良い。また中立位置以外の所定の移動位置で両者が係合するように構成しても良い。また被係合部を複数か所に設けて係合部をこれら所定の複数位置で係合させるように構成しても良い。
【0061】
また押圧式スイッチ340は二段以上の多段スイッチで構成しても良い。また第1回路基板部310と第2回路基板部330は連結していなくても良い。また第1回路基板部310と第2回路基板部330は硬質基板で構成しても良い。
【符号の説明】
【0062】
1−1 多機能型電子部品
10 電子部品
20 操作つまみ
27 第2係合部(係合部)
41 ガイド部
43 第1係合部(係合部)
50 第1保持体(保持体)
67 係止部
79 スイッチ押圧部
80 弾発手段
100 移動体
140 摺動子(検出手段)
150 第2保持体(保持体)
200 板バネ
201 板バネ基部
211 アーム部
213 弾接部
250 基台
253 挿通部
257 被係止部
259,261 立設部
265,269 ガイド部
267,271 被係合部
300 回路基板
310 第1回路基板部
313 摺接パターン(検出手段)
330 第2回路基板部
340 押圧式スイッチ
350 取付台

【特許請求の範囲】
【請求項1】
対向する両側面に係止部を設けた保持体と、前記保持体に対して揺動又は略直線移動自在に保持される移動体と、前記移動体の移動によって出力信号を変化する検出手段と、前記移動体上に取り付けられる操作つまみとを有し、前記保持体の前記操作つまみを取り付けた反対面側にスイッチ押圧部を設けてなる電子部品と、
前記電子部品の前記操作つまみを設置した反対面側に配置され、前記保持体の係止部を上下動自在に係止する被係止部と、前記保持体のスイッチ押圧部に対向する位置に形成される挿通部とを有する基台と、
前記基台の前記電子部品を設置した反対面側の前記挿通部に対向する位置に設置される押圧式スイッチとを具備し、
さらに前記操作つまみ又は移動体の少なくとも何れか一方と基台にはそれぞれ、操作つまみの所定の移動位置においてのみ係合してこの操作つまみと共に電子部品全体を基台側に移動させることで前記スイッチ押圧部に前記押圧式スイッチをオンオフ操作させる係合部と被係合部を設けたことを特徴とする多機能型電子部品。
【請求項2】
請求項1に記載の多機能型電子部品であって、
前記基台には、前記保持体の一対の係止部を設けた側面に略直交する側の側面に対向する位置に立設する立設部を設け、この立設部の上部に前記被係合部を設けたことを特徴とする多機能型電子部品。
【請求項3】
請求項2に記載の多機能型電子部品であって、
前記基台に設けた被係止部と立設部の前記保持体に対向している側面に、上下動する保持体の外周側面に当接してこれをガイドするガイド部を設けたことを特徴とする多機能型電子部品。
【請求項4】
請求項1乃至3の内の何れかに記載の多機能型電子部品であって、
前記保持体と基台の間に、両者を引き離す方向に弾発する板バネを設置し、
且つこの板バネは、前記基台の挿通部の周囲に配置される板バネ基部と、板バネ基部の対向する両端から突出して前記保持体側に傾斜しその先端近傍部分を保持体への弾接部とする一対のアーム部とを有して構成され、
さらにこの板バネは、前記一対の弾接部を結ぶ方向が、前記操作つまみの揺動方向又は直線移動方向の向きに略一致するように設置されていることを特徴とする多機能型電子部品。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2013−69507(P2013−69507A)
【公開日】平成25年4月18日(2013.4.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−206385(P2011−206385)
【出願日】平成23年9月21日(2011.9.21)
【出願人】(000215833)帝国通信工業株式会社 (262)
【Fターム(参考)】