説明

多機能漫画再生装置、多機能漫画再生方法およびコンピュータ・プログラム

【課題】漫画のそれぞれのページに展開される場面の中でユーザが演出的興味を抱く可能性が高い場面の箇所に対して、当該場面の箇所に応じた演出画像や演出音声を再生することで、一層の興味や楽しみを促す演出効果を与える。
【解決手段】検索部53は、表示中の漫画の画像データのページ番号を入力し、ページ番号をキーとし、演出管理記憶部23bからページ番号に対応する演出管理番号を検索する。演出ファイル読込部55は、演出管理番号をキーとし、演出ファイル記憶部23cから演出管理番号に対応する演出パラメータおよび演出ファイルを読み込む。画像演出処理部61は、演出ファイルが画像データのとき、演出パラメータに基づいて画像データに画像演出処理を施して再生し、表示制御部29に出力する。音声演出処理部63は、演出ファイルが音声データのとき、演出パラメータに基づいて音声データに音声演出処理を施して再生し、音声制御部25に出力する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、漫画の画像データや漫画の画像データに関連する音声データを再生することが可能な多機能漫画再生装置、多機能漫画再生方法およびコンピュータ・プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、漫画を表示する装置としては、一般に書籍として販売されている漫画本の各ページをスキャナで画像データ化し、この画像データを電子漫画の画像データとしてサーバ装置に蓄積しておき、ユーザが所望の電子漫画の画像データをダウンロードすることで、電子書籍表示装置に表示するものが知られている。
【0003】
また、従来、漫画を表示する装置としては、特許文献1に記載された「漫画閲覧装置」が報告されている。
特許文献1には、少なくとも1コマの漫画コマ画像を含む少なくとも1ページの漫画ページ画像を表すページ・データおよび上記漫画コマ画像に関連する関連画像データを記憶しておき、ページ・データによって表される漫画ページ画像を表示装置の表示画面上に表示し、表示画面上に表示された漫画ページ画像に含まれる漫画コマ画像の少なくとも一部を関連画像データにもとづいて、その一部に重ね合わせて拡大して表示するという技術が開示されている。
【0004】
特に、表示画面上に表示された漫画ページ画像に含まれる漫画コマ画像の指定の入力を受付け、指定された漫画コマ画像の少なくとも一部をその一部に重ね合わせて拡大して表示するという技術が開示されている。
特許文献1に記載された技術では、表示画面上に漫画のページ画像を表示するとともに、そのページ画像に含まれるコマ画像の一部を拡大表示することによって、表示画面上に表示される漫画を読者(閲覧者)に読みやすく表示することできるという利点を有している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2002−279398号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、従来の「漫画閲覧装置」にあっては、コマ画像の一部を拡大表示するという1つの機能を有しているものの、1つの機能ではユーザが飽きてしまうといった問題があった。
そこで、漫画のそれぞれのページに展開される場面の中でユーザが演出的興味を抱く可能性が高い場面の箇所に対して、多様な演出機能を有することでユーザに多様な楽しみ方を提供することが切望されている。
【0007】
本発明は、上記に鑑みてなされたもので、その目的としては、漫画のそれぞれのページに展開される場面の中でユーザが演出的興味を抱く可能性が高い場面の箇所に対して、当該場面の箇所に応じた演出画像や演出音声を再生することで、一層の興味や楽しみを促す演出効果を与えることができ、ユーザの興味や楽しみを一層拡大することができる多機能漫画再生装置、多機能漫画再生方法およびコンピュータ・プログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、請求項1記載の発明は、少なくとも1ページ分の漫画の画像データを表示画面上に表示する表示手段と、前記漫画の画像データに関連する音声データを再生する音声再生手段とを備え、前記表示画面の特定位置に対応した画像データおよび音声データの少なくとも一方を演出内容として出力するようにして多機能漫画を再生する多機能漫画再生装置であって、複数のページ分の漫画の画像データを記憶する第1記憶部と、漫画の画像データのページ番号と、前記ページ番号に対応する演出管理番号を記憶する第2記憶部と、前記演出管理番号に対応する演出パラメータおよび演出ファイルを記憶する第3記憶部と、前記第1記憶部から1ページ分の漫画の画像データを読み込んで表示画面に表示する漫画表示手段と、前記表示中の漫画の画像データのページ番号をキーとして、前記第2記憶部から前記ページ番号に対応する演出管理番号を検索する検索手段と、前記検索結果となる演出管理番号をキーとして、前記第3記憶部から前記演出管理番号に対応する演出パラメータおよび演出ファイルを読み込む読込手段と、前記読み込んだ演出ファイルが画像データである場合には、前記読み込んだ演出パラメータに基づいて該画像データに画像演出処理を施して再生する画像演出処理手段と、前記読み込んだ演出ファイルが音声データである場合には、前記読み込んだ演出パラメータに基づいて該音声データに音声演出処理を施して再生する音声演出処理手段と、を備えることを特徴とする多機能漫画再生装置である。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、漫画のそれぞれのページに展開される場面の中でユーザが演出的興味を抱く可能性が高い場面の箇所に対して、当該場面の箇所に応じた演出画像や演出音声を再生することで、一層の興味や楽しみを促す演出効果を与えることができ、ユーザの興味や楽しみを一層拡大することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の第1実施形態に係る多機能漫画再生装置1の構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の第1実施形態に係る多機能漫画再生装置1と配信サーバ13との間の通信シーケンスを表すシーケンス図である。
【図3】本発明の第1実施形態に係る多機能漫画再生装置1の動作を表すフローチャート(その1)である。
【図4】図1に示すメモリ部23に記憶されているテーブルの構成についてより説明するための図である。
【図5】本発明の第1実施形態に係る多機能漫画再生装置1の動作を表すフローチャート(その2)である。
【図6】本発明の第1実施形態に係る多機能漫画再生装置1による漫画画面(1ページ目)を示す表示例である。
【図7】本発明の第1実施形態に係る多機能漫画再生装置1の動作を表すフローチャート(その3)である。
【図8】本発明の第1実施形態に係る多機能漫画再生装置1による演出効果を表示するための表示エリアを示す図である。
【図9】本発明の第1実施形態に係る多機能漫画再生装置1による演出効果の表示例を示す図である。
【図10】本発明の第2実施形態に係る多機能漫画再生装置1による漫画画面(2ページ目)を示す表示例である。
【図11】本発明の第2実施形態に係る多機能漫画再生装置1による演出効果を表示するための表示エリアを示す図である。
【図12】本発明の第2実施形態に係る多機能漫画再生装置1の動作を表すフローチャートである。
【図13】本発明の第2実施形態に係る多機能漫画再生装置1による演出効果の表示例を示す図である。
【図14】本発明の第3実施形態に係る多機能漫画再生装置1による漫画画面(3ページ目)を示す表示例である。
【図15】本発明の第3実施形態に係る多機能漫画再生装置1による演出効果を表示するための表示エリアを示す図である。
【図16】本発明の第3実施形態に係る多機能漫画再生装置1の動作を表すフローチャートである。
【図17】本発明の第3実施形態に係る多機能漫画再生装置1による演出効果の表示例を示す図である。
【図18】本発明の第4実施形態に係る多機能漫画再生装置1の動作を表すフローチャートである。
【図19】本発明の第4実施形態に係る多機能漫画再生装置1による演出効果として音圧レベルと時間の関係を示す図である。
【図20】本発明の第5実施形態に係る多機能漫画再生装置1による漫画画面(4ページ目)を示す表示例である。
【図21】本発明の第5実施形態に係る多機能漫画再生装置1による演出効果を表示するための表示エリアを示す図である。
【図22】本発明の第5実施形態に係る多機能漫画再生装置1の動作を表すフローチャート(その1)である。
【図23】本発明の第5実施形態に係る多機能漫画再生装置1の動作を表すフローチャート(その2)である。
【図24】本発明の第5実施形態に係る多機能漫画再生装置1による演出効果の表示例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施形態に係る多機能漫画再生装置について、図面を参照して説明する。
<第1実施形態>
図1に示すブロック図を参照して、本発明の第1実施形態に係る多機能漫画再生装置1の構成について説明する。なお、本実施形態では、タブレット型やノート型のパーソナルコンピュータを多機能漫画再生装置1に適用して説明する。
図1に示すように、多機能漫画再生装置1は、インターネット11を介して配信サーバ13に接続されている。配信サーバ13に設けられたデータベース部(DB部という)15には、各種漫画の多機能漫画データが蓄積されており、データベース部(DB部という)15から読み出された多機能漫画データが配信サーバ13、インターネット11を介して多機能漫画再生装置1にダウンロードされる。
【0012】
多機能漫画再生装置1は、ハードウエアとして、通信制御部21、メモリ部23、音声制御部25、スピーカ27、表示制御部29、表示部31、タッチパッド部33、タッチパッド制御部35、制御部37を備えている。
通信制御部21は、インターネット11を介して配信サーバ13との間で所定の通信プロトコルに従ってパケット通信を行い、配信サーバ13から漫画の画像データ、演出管理テーブル、演出ファイル・演出パラメータ管理テーブル、演出ファイル、演出パラメータなどを多機能漫画データとしてダウンロードする。
【0013】
メモリ部23は、複数のページ分の漫画の画像データおよび音声データを記憶する漫画データ記憶部23a、漫画の画像データのページ番号と、ページ番号に対応する演出管理番号を記憶する演出管理記憶部23b、演出管理番号に対応する演出パラメータおよび演出ファイルを記憶する演出ファイル記憶部23cを有している。
演出ファイル記憶部23cに記憶されている演出ファイルには、広告画面の内容を示す画像データ、広告音声の内容を示す音声データが記憶されていることが好ましい。
【0014】
音声制御部25は、音声データを音声メモリs1に読み込んで音声信号に再生してスピーカ27に出力するとともに、音声演出処理を施した音声データを音声メモリs2に読み込んで音声信号に再生してスピーカ27に出力する。
表示制御部29は、1ページ分の漫画の画像データを画像メモリg1に読み込んで表示部31の表示画面に表示するとともに、画像演出処理を施した画像データを画像メモリg2に読み込んで表示部31の表示画面に表示する。
【0015】
表示部31の表示画面には、表示画面と同一形状のタッチパッド部33が表示画面上に張り付けられている。
詳しくは、タッチパッド部33は、最上層にカバーガラスが配置され、この下面に導電膜付きフィルムまたは感圧式抵抗膜付きフィルムが配置されている。表示部31には、最上層から下方に向かって偏光板、ガラス基板、カラーフィルタ、液晶配向膜、ガラス基板、偏光板が配置されている。なお、表示部31の下方には、拡散シート、LED光を平面全体に導く導光板、反射フィルムの順に配置されている。
【0016】
なお、本実施形態では、タッチパッド部33上の平面33aに対して、図1に示すように、(x,y)座標を用いて位置を表すこととし、一方、表示部31上の表示画面に対して、(X,Y)座標を用いて位置を表すこととし、説明の簡略化のために、x=X、y=Yとする。
タッチパッド制御部35は、タッチパッド部33に接続されており、タッチパッド部33に例えば指先が接触した場合に、指先の接触位置の座標(x,y)を出力する。
制御部37は、フラッシュメモリ37a(図示しない)、タイマを有し、フラッシュメモリ37a上に記憶されているOS(オペレーションシステム)を起動した後、ユーザによる所望のアプリケーションソフトウエアの選択により当該アプリケーションソフトウエアの起動が開始される。
【0017】
例えばアプリケーションソフトウエアの1つとして、多機能漫画再生ソフトウエアが選択された場合、制御部37に設けられたフラッシュメモリ37a上にブートされている多機能漫画再生ソフトウエアの各ソフトウエアモジュール(以下、モジュールという)が起動可能になる。
図1は、制御部37内のフラッシュメモリ37a上に実行可能に記憶されている、汎用のモジュール、多機能漫画再生ソフトウエアの各モジュールを示す。
【0018】
まず、図1に示すブロック図を参照して、汎用のモジュールについて説明する。
ブラウザ部41は、指定したURLコードを通信制御部21からインターネットを介して配信サーバ13に送信し、ホームページをダウンロードして閲覧するためのモジュールである。
タッチ分析部43は、接触点のスピード(大きさ)、速度(大きさ及び方向)、加速度(大きさの変化及び/又は方向)を算出する。タッチ分析部43は、タッチパッド部33上への接触、接触移動、遮断を検出し、接触操作の検出に関連した種々の動作、例えば、接触操作が生じたかどうか決定し、接触操作の移動があるかどうか決定するとともに、タッチパッド部33上での移動を追跡し、接触操作が遮断したかどうか(即ち、接触操作が解除されたかどうか)決定する。これにより、タッチ分析部43は、+ページ捲り移動操作、または−ページ捲り移動操作を検出する。また、タッチ分析部43は、接触位置の座標(x,y)を出力する。
【0019】
画像処理部45は、入力される画像データに対して、表現方式や圧縮方式の相違を解消するために、表示制御部29で処理可能な画像データ形式への変換処理を行い、表示制御部29に出力する。
音声処理部47は、入力される音声データに対して、表現方式や圧縮方式の相違を解消するために、音声制御部25で処理可能な音声データ形式への変換処理を行い、音声制御部25に出力する。
なお、上述した汎用のモジュールについては、工場出荷時に制御部37に設けられたフラッシュメモリにあらかじめインストールされていることとして説明する。
【0020】
次に、多機能漫画再生ソフトウエアの各モジュールによる実行動作について説明する。
漫画制御部51は、ブラウザ部41を起動して多機能漫画データをダウンロードし、この多機能漫画データをメモリ部23に記憶する。また、漫画制御部51は、表示中の漫画の画像データのページを管理しており、タッチ分析部43からのページ捲り移動による指示に応じて、漫画データ記憶部23aから該当ページの漫画の画像データを読み出すように制御する。
【0021】
検索部53は、漫画制御部51から表示中の漫画の画像データのページ番号を入力し、表示中の漫画の画像データのページ番号をキーとして、演出管理記憶部23bからページ番号に対応する演出管理番号を検索する。
【0022】
演出ファイル読込部55は、上記の検索結果となる演出管理番号をキーとして、演出ファイル記憶部23cから演出管理番号に対応する演出パラメータおよび演出ファイルを読み込む。
SW57は、漫画データ記憶部23aから出力されたデータの識別子を判断して、画像データである場合には、当該画像データを画像処理部45に出力する。また、SW57は、漫画データ記憶部23aから出力されたデータの識別子を判断して、上記画像データとは別に音声データがある場合には、当該音声データを音声処理部47に出力する。
【0023】
SW59は、演出ファイル読込部55から出力された演出ファイルまたは演出パラメータの識別子を判断して、画像データである場合には、当該演出ファイルまたは演出パラメータを画像演出処理部61に出力する。また、SW59は、演出ファイル読込部55から出力された演出ファイルまたは演出パラメータの識別子を判断して、音声データである場合には、当該演出ファイルまたは演出パラメータを音声演出処理部63に出力する。
【0024】
画像演出処理部61は、入力される演出ファイルが画像データである場合には、入力される演出パラメータに基づいて該画像データに画像演出処理を施して再生し、再生後の画像データを表示制御部29に出力する。
音声演出処理部63は、入力される演出ファイルが音声データである場合には、入力される演出パラメータに基づいて該音声データに音声演出処理を施して再生し、再生後の音声データを音声制御部25に出力する。
【0025】
なお、上述したブラウザ部41、タッチ分析部43、画像処理部45、音声処理部47、漫画制御部51、検索部53、演出ファイル読込部55、SW57、SW59、画像演出処理部61、音声演出処理部63等は、フラッシュメモリ37a(図示しない)に記憶されたプログラムモジュールであり、CPU(図示しない)がフラッシュメモリ37aから読み出して実行し、処理過程においてRAM(図示しない)をワーキングメモリとして用いることで、これらの処理を実行する。なお、異なるプログラムモジュール同士によるデータの引き渡しはRAM(図示しない)を用いて処理する。
【0026】
次に、図2に示すシーケンス図、図3に示すフローチャートを参照して、本発明の第1実施形態に係る多機能漫画再生装置1と配信サーバ13との間の通信シーケンス、多機能漫画再生装置1の動作について説明する。
まず、ID登録処理について説明する。
ユーザが、表示画面上にあるブラウザのアイコンの位置に対して、タッチパッド部33上に接触操作すると、タッチパッド制御部35から接触位置が制御部37に出力される。ここで、制御部37は、接触位置がブラウザのアイコンのエリア内にあることを判定して、制御部37はブラウザ部41を起動する。これにより、ブラウザ部41の操作画面が表示される。
【0027】
次いで、ステップS5において、ユーザが操作画面から配信サーバ13のURLコードを入力すると、手順Se1では、ブラウザ部41は、通信制御部21、インターネット11を介して配信サーバ13にHP要求を送信する。
このHP要求を受信した配信サーバ13が、ID登録ページを生成する。手順Se2では、配信サーバ13が、このID登録ページを多機能漫画再生装置1に送信する。
【0028】
次いで、ステップS10において、手順Se3では、このID登録ページを受信した多機能漫画再生装置1では、ブラウザ部41は、ID登録ページを画面上に開き、例えば、ユーザIDとして「aaa」、メールアドレスとして「aaa@bbbbb.jp」、パスワードとして「ccccc」、氏名として「dddddd」等が入力され、ID登録情報とする。そして、「送信」ボタンが押された場合に、ブラウザ部41は、ID登録情報を通信制御部21から配信サーバ13に送信する。
【0029】
次いで、ID登録情報を受信した配信サーバ14は、受信したID登録情報をDB部15に登録して、ID登録処理を行う。この結果、ID登録情報として、ユーザIDに対応するメールアドレス、パスワード、氏名が1レコードとしてDB部15に登録される。
次いで、配信サーバ13は、「メニュ」ボタンが付加されたID登録完了ページを生成する。手順Se4では、配信サーバ13がこのID登録完了ページを多機能漫画再生装置1に送信する。
【0030】
次に、多機能漫画データの配信処理について説明する。
上記ID登録を終了した後、ユーザ側の多機能漫画再生装置1には、「メニュ」ボタンが付加されたID登録完了ページが表示される。
ユーザが表示画面から「メニュ」ボタンを押すと、ブラウザ部41では、「メニュ」要求を示すURLコードが入力される。ステップS15において、手順Se11では、ブラウザ部41は、通信制御部21、インターネット11を介して配信サーバ13に「メニュページ」要求を含むHP要求を送信する。
このHP要求を受信した配信サーバ13は、配信可能な多機能漫画データに関する複数のタイトルを有するメニュページを生成する。手順Se12では、配信サーバ13がこのメニュページを多機能漫画再生装置1に送信する。
【0031】
このメニュページを受信した多機能漫画再生装置1では、ブラウザ部41は、メニュページを表示部31の画面上に表示する。これにより、複数の多機能漫画データに関する「タイトル」ボタンが表示される。そして、ユーザにより所望の1つの「タイトル」ボタンが押された場合、ステップS20において、手順Se13では、ブラウザ部41は、当該タイトルで示される多機能漫画データをダウンロードするためのダウンロード要求を配信サーバ13に送信する。
【0032】
このダウンロード要求を受信した配信サーバ13は、ダウンロード要求に含まれるタイトルをキーとしてDB部15を検索し、当該タイトルに対応する多機能漫画データと実行ファイルをDB部15から読み出す。次いで、手順Se14では、この多機能漫画データと実行ファイルを多機能漫画再生装置1に送信する。
次いで、ステップS25において、配信サーバ13から多機能漫画データと実行ファイルを受信した多機能漫画再生装置1では、制御部37は、多機能漫画データと実行ファイルをメモリ部23に保存する。
この結果、メモリ部23には多機能漫画データと実行ファイルが保存される。
【0033】
次に、インストール処理について説明する。
まず、制御部37は、表示部31の画面上に「インストールしますか?」、「Yes」、「No」と表示する。
ここで、ユーザが「Yes」ボタンを押した場合には、ステップS30において、制御部37は、インストールを開始する。
【0034】
このインストールでは、制御部37は、メモリ部23に保存された多機能漫画データに含まれる複数のページ分の漫画の画像データおよび音声データを漫画データ記憶部23aに記憶する。
また、制御部37は、漫画の画像データのページ番号と、ページ番号に対応する演出管理番号を演出管理記憶部23bに記憶する。
さらに、制御部37は、演出管理番号に対応する演出パラメータおよび演出ファイルを演出ファイル記憶部23cに記憶する。
【0035】
次いで、制御部37は、メモリ部23に保存された上記実行ファイルを制御部37内に設けられたフラッシュメモリ37aにインストールする。
この結果、制御部37内に設けられたフラッシュメモリ37aには、多機能漫画再生ソフトウエアの各モジュールとして、漫画制御部51、検索部53、演出ファイル読込部55、SW57、SW59、画像演出処理部61、音声演出処理部63がインストールされる。また、制御部37によりフラッシュメモリ37aのデスクトップ画面フォルダには「漫画」アイコンが登録される。
【0036】
次に、図4に示すテーブルを参照して、多機能漫画再生装置1に設けられたメモリ部23の構成についてより詳しく説明する。
メモリ部23は、漫画データ記憶部23a、演出管理記憶部23b、演出ファイル記憶部23cを有している。
漫画データ記憶部23aには、図4(a)に示すように、ページ(P1〜Pn)のそれぞれに対応した漫画の画像データ名(Mg1〜Mgn)、音声データ名(Ms1〜Msn)を記憶した漫画・画像音声テーブル23atが記憶されている。また、漫画データ記憶部23aには、複数のページ(P1〜Pn)分の漫画の画像データ(Mg1〜Mgn)、音声データ(Ms1〜Msn)が記憶されている。
【0037】
演出管理記憶部23bには、図4(b)に示すように、漫画のページ番号P1〜Pnと、ページ番号に対応する演出管理番号Nが演出管理テーブル23btとして記憶されている。
演出ファイル記憶部23cは、図4(c)に示すように、演出管理番号Nに対応する演出パラメータ名(APG、APS)および演出ファイル名(G、S)を記憶する演出ファイル・演出パラメータ管理テーブル23ctを有している。また、演出ファイル記憶部23cは、演出パラメータ(APG、APS)、演出ファイル(G、S)等を記憶している。
【0038】
次に、図5に示すフローチャートを参照して、多機能漫画再生装置1の動作についてより詳しく説明する。
まず、ユーザが多機能漫画再生装置1に電源(図示しない)を投入すると、制御部37によりフラッシュメモリ37a内に記憶されているOSが起動され、表示部31においてデスクトップ画面の「漫画」アイコンが表示される。
【0039】
ユーザがタッチパッド部33上で「漫画」アイコン上に接触操作すると、タッチパッド制御部35は、指先の接触位置の座標(x,y)をタッチ分析部43に出力する。タッチ分析部43は、受け付けた座標(x,y)が「漫画」アイコンのエリアであることを判別する。次いで、タッチ分析部43は、ソフトウエアモジュールである漫画制御部51に起動命令を出力する。これにより、漫画制御部51は、図5のフローチャートで示す制御を開始する。
【0040】
ます、ステップS50では、漫画制御部51は、初期化処理として、ページp=1に設定する。
次いで、ステップS55では、漫画制御部51は、漫画データ記憶部23aからページpのデータを読み出し、このデータを再生する。
すなわち、漫画データ記憶部23aから読み出されたページpのデータ(Mg1またはMs1)がSW57に入力される。SW57では、入力されているデータの識別子が画像データを示す識別子(例えば、PNG,BMP,JPEG,TIF等のビットマップ系の識別子)である場合には、当該画像データMg1を画像処理部45に出力する。
【0041】
次いで、画像処理部45は、入力される画像データMg1に対して、表現方式や圧縮方式の相違を解消するために、表示制御部29で処理可能な画像データ形式への変換処理を行い、変換後の画像データを表示制御部29の画像メモリg1に出力する。
表示制御部29は、1ページ分の漫画の画像データを画像メモリg1に読み込んで表示部31の表示画面に表示する。
この結果、図6に示す初期画面(1ページ目)が表示部31に表示される。
【0042】
一方、漫画データ記憶部23aから読み出されたページpのデータ(Mg1またはMs1)がSW57に入力される。SW57では、入力されているデータの識別子が音声データを示す識別子(例えば、MIDI,WMA,WAV,AU,AIFF,MP3,AVI,MPEG等)である場合には、当該音声データMs1を音声処理部47に出力する。
【0043】
次いで、音声処理部47は、入力される音声データMs1に対して、表現方式や圧縮方式の相違を解消するために、音声制御部25で処理可能な音声データ形式への変換処理を行い、変換後の音声データを音声制御部25の音声メモリs1に出力する。
音声制御部25は、1ページ分の漫画の音声データを音声メモリs1に読み込んで再生し、スピーカ27に出力する。
この結果、図6に示す初期画面(1ページ目)に対応するテーマBGMがスピーカ27から出力される。これにより、ユーザに画像と同期したBGMの再生による楽しみ方を提供することができる。
【0044】
次いで、ステップS60では、漫画制御部51は、表示中の漫画のページを管理(ステップS55)しているので、現在表示されているページ番号pを抽出して、検索部53に出力する。
次いで、ステップS65では、検索部53は、漫画制御部51から表示中の漫画のページ番号pを入力し、演出管理テーブル23btから表示中の漫画のページ番号にp対応する演出管理番号を検索する。
検索部53は、表示中の漫画のページ番号pに対応する演出管理番号Nを演出管理テーブル23btから読み出して、検索結果として出力する。
【0045】
例えば、図6に示す1ページ目の漫画画面を表示している際に、検索部53は、検索結果として演出管理番号N1を演出ファイル読込部55に出力する。
一方、演出管理テーブル23btに演出管理番号がない場合には、検索結果として検索結果ゼロを漫画制御部51に出力する。
【0046】
次いで、ステップS70では、検索部53は、検索結果ゼロが発生したか否かを判断する。ここで、検索結果ゼロが発生した場合には、NOP処理とし何も事象が発生しない。なお、NOP処理については、本発明と直接に関係しないので、その説明を省略する。一方、検索結果ゼロが発生していない場合、すなわち、検索部53が有効な演出管理番号N1を検索した場合には、ステップS75に進む。
次いで、ステップS75では、演出ファイル読込部55は、検索結果として演出管理番号N1を入力し、この演出管理番号N1をキーとして演出ファイル・演出パラメータ管理テーブル23ctから演出管理番号N1に対応する演出パラメータ、演出ファイルを読み込む。
【0047】
図4(c)に示すように、演出ファイル読込部55は、演出管理番号N1に対応する演出パラメータ名(APG1)および演出ファイル名(G1)を演出ファイル記憶部23cから抽出でき、演出パラメータ名(APG1)および演出ファイル名(G1)のファイルを演出ファイル・演出パラメータ管理テーブル23ctから読み出してSW59に出力する。
【0048】
次いで、SW59は、演出ファイル読込部55から出力された演出ファイルまたは演出パラメータの識別子を判断して、識別子(例えば、PNG)が画像データを示す場合には、当該演出ファイルまたは演出パラメータを画像演出処理部61に出力する。
また、SW59は、演出ファイル読込部55から出力された演出ファイルまたは演出パラメータの識別子を判断して、識別子(例えば、MP3)が音声データを示す場合には、当該演出ファイルまたは演出パラメータを音声演出処理部63に出力する。
次いで、ステップS105では、画像演出処理部61または音声演出処理部63において演出ファイル再生処理を行うために、サブルーチンをコールする。
【0049】
次いで、サブルーチンから復帰した場合には、ステップS85に進む。
ステップS85において、漫画制御部51は、この接触操作が+ページ捲り移動操作であるか−ページ捲り移動操作であるかを判断する。ここで、この接触操作が+ページ捲り移動操作である場合にはステップS90に進む。一方、この接触操作が−ページ捲り移動操作である場合にはステップS95に進む。
【0050】
ステップS90では、漫画制御部51は、ページ捲り移動のための接触操作に応じるために、ページp=p+1に設定する。これにより、表示部31に表示されている漫画のページを直後のページに移行する。次いで、ステップS55に進み、上述した処理を繰り返す。
なお、ステップS90の処理を行う毎にページpが大きくなり、いずれは最終ページに到達するが、本発明の特徴とするところとは直接に関係ないので、最終ぺージでの処理についてはフローチャートおよびその説明を省略する。
【0051】
ステップS95では、漫画制御部51は、−ページ捲り移動のための接触操作に応じるために、ページp=p−1に設定する。これにより、表示部31に表示されている漫画のページを直前のページに移行する。次いで、ステップS55に進み、上述した処理を繰り返す。
なお、ステップS95の処理を行う毎にページpが小さくなり、いずれは最初ページに到達するが、本発明の特徴とするところとは直接に関係ないので、最初ぺージでの処理についてはフローチャートおよびその説明を省略する。
【0052】
次に、図7に示すサブルーチンのフローチャートを参照して、画像演出処理部61において行われる演出ファイル再生処理について説明する。なお、図7に示すフローチャートは、図6に示す1ページ目の漫画画面を表示している際に、人物頭部の左右エリアに「花びら」が散っている様子を表示するためのサブルーチンである。
【0053】
まず、ステップS150では、画像演出処理部61は、演出ファイル(G1)から画像データを取得する。本実施形態では、「花びら」を示す画像データを2種類用いることとする。なお、「花びら」を示す画像データは、アニメーションの開始位置(X1,Y1)から終了位置(X2,Y2)の間にスクロール表示することで、「花びら」が散っている様子を表示可能であればよい。
【0054】
次いで、ステップS155では、画像演出処理部61は、取得した画像データを表示制御部29の画像メモリg2に記憶する。
次いで、ステップS160では、画像演出処理部61は、演出パラメータ(APG1)から、アニメーションの開始位置(X1,Y1)および終了位置(X2,Y2)、画像の大きさ(nx1 dot× ny1 dot)を取得する。
なお、さらにアニメーションの開始位置(X3,Y3)および終了位置(X4,Y4)を取得しても良いが、説明の簡略化のため、その説明を省略する。
【0055】
次いで、ステップS165では、画像演出処理部61は、上述したように2つの表示エリアを示すアニメーションの開始位置および終了位置を表示制御部29に設定する。
これにより、図8に示すように、アニメーションの開始位置(X1,Y1)および終了位置(X2,Y2)からなる表示エリアと、アニメーションの開始位置(X3,Y3)および終了位置(X4,Y4)からなる表示エリアとの2つの表示エリアをアニメーションのために用いることができる。
【0056】
次いで、ステップS170では、画像演出処理部61は、表示制御部29に対して、画像メモリg2に記憶した画像データを回転処理と拡大縮小処理を行い、Y方向にスクロールするモードに設定する。ここで、画像データの回転処理については、画像データに揺れを生じさせるために、y方向を回転軸としxz平面内において所定の角度範囲内で回転するモードに設定すればよい。また画像データの拡大縮小処理については、z軸方向において遠近感を生じさせるために、所定の倍率範囲内で拡大縮小するモードに設定すればよい。Y方向へのスクロールは、例えば1dot移動するモードに設定する。
【0057】
次いで、ステップS175では、画像演出処理部61は、アニメーションを開始するために、表示制御部29に対して、アニメーション開始命令を出力する。アニメーション開始命令を受け付けた表示制御部29は、設定されたモードに従って画像データに対するアニメーション描画処理を行う。
次いで、ステップS176では、画像演出処理部61は、Y方向にスクロールしている画像データの位置が終了位置に到達したか否かを判断する。画像データの位置が終了位置に到達した場合には、ステップS165に戻り、上記処理を繰り返す。一方、画像データの位置が終了位置に到達していない場合には、ステップS177に進む。
【0058】
なお、本実施形態では、ステップS176での判定処理において、アニメーションが終了位置に到達したか否を判定するように記載したが、本発明はこのような場合に限定するものではなく、タイマが定期的に監視して所定時間に到達したか否かを判定してもよい。
次いで、ステップS177では、画像演出処理部61は、アニメーションを継続するために、表示制御部29に対して、アニメーション継続命令を出力する。
【0059】
これにより、演出ファイルから取得した画像データを所定の方向にスクロールさせ、現在の漫画画面上の所定の表示エリア内に合成して表示することができる。すなわち、図8に示す2つの表示エリア内に対して、2種類の「花びら」の画像データが揺れながらY方向にスクロールする画像を、図9に示すように、画像上に合成して表示部31に表示することができる。
【0060】
次いで、ステップS180では、画像演出処理部61は、タッチ分析部43に対してタッチ分析命令を出力する。タッチ分析部43は、タッチパッド部33上への接触操作を検出する。
次いで、ステップS185では、画像演出処理部61は、タッチ分析部43により検出された接触操作がページ捲り移動であるか否かを判断する。ここで、この接触操作がページ捲り移動ではない場合にはステップS176に戻る。一方、この接触操作がページ捲り移動である場合には、本サブルーチンから復帰する。
これにより、ページ捲り移動操作を検出したときには、画像演出処理を行う直前のページまたは直後のページの漫画の画像データを表示することで、ユーザに違和感を起こさせることなく、直前のページまたは直後のページの漫画の画像表示に復帰することができる。
【0061】
この結果、表示画面の上から下に向けて「花びら」が散っているように視認することができる。これにより、ユーザに画像と同期したBGMの再生による楽しみ方を提供することができる。
従って、第1実施形態によれば、漫画のそれぞれのページに展開される場面の中でユーザが演出的興味を抱く可能性が高い場面の箇所に対して、当該場面の箇所に応じた演出画像を再生することで、一層の興味や楽しみを促す演出効果を与えることができ、ユーザの興味や楽しみを一層拡大することができる。
【0062】
<第2実施形態>
本発明の第2実施形態に係る多機能漫画再生装置は、図1に示す第1実施形態に係る多機能漫画再生装置1の構成と同様であり、その説明を省略する。
本発明の第2実施形態に係る多機能漫画再生装置は、上述した図7に示すサブルーチンのフローチャートに代わって、図12に示すサブルーチンのフローチャートを用いることとする。
【0063】
次に、図12に示すサブルーチンのフローチャートを参照して、画像演出処理部61において行われる演出ファイル再生処理について説明する。なお、図12に示すフローチャートは、図9に示す2ページ目の漫画画面を表示している際に、人物頭部の左側エリアに縮小された「犬」画像が斜め方向に順次に複製される様子を表示するためのサブルーチンである。
【0064】
すなわち、2ページ目の漫画画面を表示している際に、第2実施形態では、検索部53が、表示中の漫画の画像データのページ番号(P2)をキーとして、演出管理テーブル23btからページ番号(P2)に対応する演出管理番号(N2)を検索したこととなる。
【0065】
さらに、演出ファイル読込部55は、検索結果となる演出管理番号(N2)をキーとして、演出ファイル・演出パラメータ管理テーブル23ctから演出管理番号(N2)に対応する演出パラメータ(G2,S2)および演出ファイル(APG2,APS2)を読み出してSW59に出力する。
次いで、SW59は、演出ファイル読込部55から出力された演出ファイルまたは演出パラメータの識別子を判断して、識別子(例えば、PNG)が画像データを示す場合には、当該演出ファイルまたは演出パラメータを画像演出処理部61に出力する。
【0066】
また、SW59は、演出ファイル読込部55から出力された演出ファイルまたは演出パラメータの識別子を判断して、識別子(例えば、MP3)が音声データを示す場合には、当該演出ファイルまたは演出パラメータを音声演出処理部63に出力する。
次いで、画像演出処理部61または音声演出処理部63において演出ファイル再生処理を行うために、下記のサブルーチンをコールする。
なお、第2実施形態では、図12に示すサブルーチンのフローチャートについて、詳しく説明するものである。
【0067】
まず、ステップS200では、画像演出処理部61は、演出ファイル(G2)から画像データを取得する。本実施形態では、「犬」を示す画像データを用いることとする。
次いで、ステップS205では、画像演出処理部61は、取得した画像データを表示制御部29の画像メモリg2に記憶する。
次いで、ステップS210では、画像演出処理部61は、演出パラメータ(APG2)から、アニメーションの開始位置A(X1,Y1)および終了位置B(X2,Y2)、画像の大きさ(mx1 dot× my1 dot)を取得する。
【0068】
次いで、ステップS215では、画像演出処理部61は、上述したように2つの表示エリアを示すアニメーションの開始位置A(X1,Y1)および終了位置B(X2,Y2)を表示制御部29に設定する。
これにより、図11に示すように、アニメーションの開始位置A(X1,Y1)および終了位置B(X2,Y2)からなる表示エリアをアニメーションのために用いることができる。
次いで、ステップS220では、画像演出処理部61は、表示制御部に対して、アニメーション時の画像データの透明度を0〜1の間に設定する。
【0069】
次いで、ステップS225では、画像演出処理部61は、カウンタ値tを初期化するために、t=0と設定する。
次いで、ステップS210で取得した画像の大きさ(mx1 dot× my1 dot)のX成分からΔXを設定する。そして、A−B間の傾きmと、ΔXとからΔY=mΔXとする。これにより、アニメーション時の画像の表示位置の開始点P(X,Y)は、
X=X1+ΔX*t , Y=Y1+mΔX*t (1)
となる。
そこで、ステップS230では、画像演出処理部61は、X=X1+ΔX*t,Y=Y1+mΔX*tを算出して表示位置の開始点P(X,Y)を求める。
【0070】
次いで、ステップS235では、画像演出処理部61は、表示制御部29に対して、画像メモリg2に記憶した画像データを開始点P(X、Y)に描画させる。
次いで、ステップS240では、画像演出処理部61は、カウンタ値tに対して、t=t+1と設定する。
ここで、表示位置の開始点P(X,Y)が終了位置B(X2,Y2)に近づいている度合い、すなわち、それぞれのX成分の差値(X2−X)が上記ΔX(画像の大きさのX成分)よりも近づいている場合には、描画を停止する。
【0071】
そこで、ステップS245では、画像演出処理部61は、差値(X2−X)<ΔXか否かを判断する。差値(X2−X)がΔXよりも大きい場合には、現在の描画位置Pが終了位置Bに到達していないとみなし、ステップS230に戻る。
一方、差値(X2−X)がΔXよりも小さい場合には、現在の描画位置Pが終了位置Bに到達していることとみなし、ステップS250に進み、描画処理を停止するために、表示制御部29に対して、アニメーション停止命令を出力する。
【0072】
これにより、演出ファイルから取得した画像データの複製を所定の方向にシフトしながら所定の間隔を開けて配置し、現在の漫画画面上の所定の表示エリア内に合成して表示することができる。すなわち、図11に示すように、A−B間の表示エリア内に対して縮小された「犬」の画像データが斜め方向に順次に複製された画像を、図13に示すように、画像上に合成して表示部31に表示することができる。
【0073】
この結果、表示画面の斜め方向に順次に「犬」の画像が複製されることを視認することができる。これにより、漫画内の人物がイメージ(「クローン技術」)している内容を「犬」の複製画像として表示でき、多機能漫画の楽しみを提供することができる。
なお、本実施形態では、図11に示すように、A−B間の表示エリア内に対して縮小された「犬」の画像データを複製して表示させたが、ページ内の任意の領域に表示させてもよい。
【0074】
次いで、ステップS255では、画像演出処理部61は、タッチ分析部43に対して、タッチパッド部33上への接触操作を検出させる。
次いで、ステップS260では、画像演出処理部61は、この接触操作がページ捲り移動であるか否かを判断する。ここで、この接触操作がページ捲り移動ではない場合にはステップS255に戻る。一方、この接触操作がページ捲り移動である場合には、本サブルーチンから復帰する。
これにより、ページ捲り移動操作を検出したときには、画像演出処理を行う直前のページまたは直後のページの漫画の画像データを表示することで、ユーザに違和感を起こさせることなく、直前のページまたは直後のページの漫画の画像表示に復帰することができる。
【0075】
従って、第2実施形態によれば、漫画のそれぞれのページに展開される場面の中でユーザが演出的興味を抱く可能性が高い場面の箇所に対して、当該場面の箇所に応じた演出画像を再生することで、一層の興味や楽しみを促す演出効果を与えることができ、ユーザの興味や楽しみを一層拡大することができる。
【0076】
<第3実施形態>
本発明の第3実施形態に係る多機能漫画再生装置は、図1に示す第1実施形態に係る多機能漫画再生装置1の構成と同様であり、その説明を省略する。
本発明の第3実施形態に係る多機能漫画再生装置は、上述した図7に示すサブルーチンのフローチャートに代わって、図16に示すサブルーチンのフローチャートを用いることとする。
【0077】
次に、図16に示すサブルーチンのフローチャートを参照して、画像演出処理部61において行われる演出ファイル再生処理について説明する。なお、図16に示すフローチャートは、図14に示す3ページ目の漫画画面において、人物の「左腕」が肘部分から手部分にかけて上方向に上がっている様子の画像と、「左腕」が一直線に上方に上がっている様子の画像とを繰り返して表示するためのサブルーチンである。
【0078】
第3実施形態では、3ページ目の漫画画面において、検索部53が、表示中の漫画の画像データのページ番号(P3)をキーとして、演出管理テーブル23btからページ番号(P3)に対応する演出管理番号(N3)を検索したこととなる。
【0079】
さらに、演出ファイル読込部55は、検索結果となる演出管理番号(N3)をキーとして、演出ファイル・演出パラメータ管理テーブル23ctから演出管理番号(N3)に対応する演出パラメータ(G3)および演出ファイル(APG3)を読み出してSW59に出力する。
次いで、SW59は、演出ファイル読込部55から出力された演出ファイルまたは演出パラメータの識別子を判断して、識別子(例えば、PNG)が画像データを示す場合には、当該演出ファイルまたは演出パラメータを画像演出処理部61に出力する。
【0080】
また、SW59は、演出ファイル読込部55から出力された演出ファイルまたは演出パラメータの識別子を判断して、識別子(例えば、MP3)が音声データを示す場合には、当該演出ファイルまたは演出パラメータを音声演出処理部63に出力する。
次いで、画像演出処理部61または音声演出処理部63において演出ファイル再生処理を行うために、下記サブルーチンをコールする。
なお、第3実施形態では、図16に示すサブルーチンのフローチャートについて、詳しく説明するものである。
【0081】
まず、ステップS300では、画像演出処理部61は、演出ファイル(G3)から画像データを取得する。本実施形態では、人物の「左腕」を示す画像データを用いることとする。
次いで、ステップS305では、画像演出処理部61は、取得した画像データを表示制御部29の画像メモリg2に記憶する。
次いで、ステップS310では、画像演出処理部61は、演出パラメータ(APG3)から、アニメーションの開始位置A(X7,Y7)および終了位置B(X8,Y8)、画像の大きさ(mx2 dot× my2 dot)を取得する。
【0082】
次いで、ステップS315では、画像演出処理部61は、上述したように2つの表示エリアを示すアニメーションの開始位置A(X7,Y7)および終了位置B(X8,Y8)を表示制御部29に設定する。
これにより、図15に示すように、アニメーションの開始位置A(X7,Y7)および終了位置B(X8,Y8)からなる表示エリアをアニメーションのために用いることができる。
次いで、ステップS320では、画像演出処理部61は、カウンタ値kを初期化するために、k=0と設定する。
次いで、ステップS325では、画像演出処理部61は、演出に用いる画像データに対して、透明度Opa1=0に設定する。
【0083】
次いで、ステップS330では、画像演出処理部61は、表示制御部29に対して、アニメーション時の画像データの透明度OpaをOpa1に設定する。
次いで、ステップS335では、画像演出処理部61は、表示制御部29に対して、画像メモリg2に記憶した画像データをA−B間に描画させる。
次いで、ステップS340では、画像演出処理部61は、0.5秒だけ待つ。
次いで、ステップS345では、画像演出処理部61は、カウンタ値kをk=k+1と設定する。
【0084】
次いで、ステップS350では、画像演出処理部61は、透明度Opa1を反転させる。すなわち、Opa1が0である場合には1に設定し、Opa1が1である場合には0に設定する。これにより、演出に用いる画像データの透明度Opa1が0と1とを交互に繰り返すので、画像データが全表示と全透明表示とを繰り返すことができる。
【0085】
次いで、ステップS355では、画像演出処理部61は、カウンタ値kがk=nになったか否かを判断する。なお、n値が例えば10の場合には5秒間のアニメーション表示となる。ここで、k=nになっていない場合には、ステップS330に戻り処理を繰り返す。一方、k=nになった場合には、ステップS360に進む。
次いで、ステップS360では、画像演出処理部61は、アニメーションを停止するために、表示制御部29に対して、アニメーション停止命令を出力する。
【0086】
これにより、演出ファイルから取得した画像データを例えば0.5秒の時間間隔を開けて全表示と全透明表示とを交互に繰り返し、現在の漫画画面上の所定の表示エリア内に合成して表示することができる。すなわち、図15に示すように、A−B間の表示エリア内に対して、人物の「左腕」が肘部分から手部分にかけて上方向に上がるっている様子の画像と、「左腕」が一直線に上方に上がっている様子の画像とを0.5秒毎に繰り返し、図17に示すように、画像上に合成して表示部31に表示することができる。
この結果、表示画面の上方向に「左腕」の上げ下げを行う人物の画像を視認することができる。これにより、漫画内の人物によるジェスチャーを「左腕」の上げ下げとして表示でき、多機能漫画の楽しみを提供することができる。
【0087】
次いで、ステップS365では、画像演出処理部61は、タッチ分析部43に対して、タッチパッド部33上への接触操作を検出させる。
次いで、ステップS370では、画像演出処理部61は、この接触操作がページ捲り移動であるか否かを判断する。ここで、この接触操作がページ捲り移動ではない場合にはステップS365に戻る。一方、この接触操作がページ捲り移動である場合には、本サブルーチンから復帰する。
これにより、ページ捲り移動操作を検出したときには、画像演出処理を行う直前のページまたは直後のページの漫画の画像データを表示することで、ユーザに違和感を起こさせることなく、直前のページまたは直後のページの漫画の画像表示に復帰することができる。
【0088】
従って、第3本実施形態によれば、漫画のそれぞれのページに展開される場面の中でユーザが演出的興味を抱く可能性が高い場面の箇所に対して、当該場面の箇所に応じた演出画像を再生することで、一層の興味や楽しみを促す演出効果を与えることができ、ユーザの興味や楽しみを一層拡大することができる。
【0089】
<第4実施形態>
本発明の第4実施形態に係る多機能漫画再生装置は、図1に示す第1実施形態に係る多機能漫画再生装置1の構成と同様であり、その説明を省略する。
本発明の第4実施形態に係る多機能漫画再生装置は、上述した図7に示すサブルーチンのフローチャートに代わって、図18に示すサブルーチンのフローチャートを用いることとする。
【0090】
次に、図18に示すサブルーチンのフローチャートを参照して、音声演出処理部63において行われる演出ファイル再生処理について説明する。なお、図18に示すフローチャートは、図10に示す2ページ目の漫画画面を表示している際に、「犬」の鳴き声の音声データをスピーカ27から再生する動作を示している。
【0091】
第4実施形態では、2ページ目の漫画画面において、検索部53が、表示中の漫画の画像データのページ番号(P2)をキーとして、演出管理テーブル23btからページ番号(P2)に対応する演出管理番号(N2)を検索したこととなる。
【0092】
さらに、演出ファイル読込部55は、検索結果となる演出管理番号(N2)をキーとして、演出ファイル・演出パラメータ管理テーブル23ctから演出管理番号(N2)に対応する演出パラメータ(G2,S2)および演出ファイル(APG2,APS2)を読み出してSW59に出力する。
次いで、SW59は、演出ファイル読込部55から出力された演出ファイルまたは演出パラメータの識別子を判断して、識別子(例えば、PNG)が画像データを示す場合には、当該演出ファイルまたは演出パラメータを画像演出処理部61に出力する。
【0093】
また、SW59は、演出ファイル読込部55から出力された演出ファイルまたは演出パラメータの識別子を判断して、識別子(例えば、MP3)が音声データを示す場合には、当該演出ファイルまたは演出パラメータを音声演出処理部63に出力する。
次いで、画像演出処理部61または音声演出処理部63において演出ファイル再生処理を行うために、下記のサブルーチンをコールする。
なお、第4実施形態では、図18に示すサブルーチンのフローチャートについて、詳しく説明するものである。
【0094】
まず、ステップS400では、音声演出処理部63は、演出ファイル(APS2)から音声データを取得する。
次いで、ステップS405では、音声演出処理部63は、取得した音声データを音声制御部25の音声メモリs2に記憶する。
次いで、ステップS410では、音声演出処理部63は、演出パラメータ(S2)から、音声の開始レベル(L1)、フェードイン時間T1、最大レベル(L2)、継続時間T2、フェイドアウト時間T3を取得する。
【0095】
次いで、ステップS415では、音声演出処理部63は、音声の開始レベル(L1)、フェードイン時間T1、最大レベル(L2)、継続時間T2、フェイドアウト時間T3を音声制御部25に設定する。
次いで、ステップS425では、音声演出処理部63は、音声制御部25に対して、音声メモリs2に記憶した音声データの再生を開始する。
【0096】
これにより、演出ファイルから取得した音声データを経過時間に応じて出力レベルを可変して出力することができる。すなわち、図19に示すように、0〜T1までの間に音圧レベルを上昇させてフェードインし、T2〜T3の間に音圧レベルを下降させてフェイドアウトしながら、「犬」の鳴き声の音声データをスピーカ27から時間T3になるまで再生することができる。
特に、図13に示すように、「犬」画像が斜め方向に順次に複製されて表示部31に表示されている間に、「犬」の鳴き声を再生することができる。これにより、ユーザに画像と同期した音声の再生による楽しみ方を提供することができる。
【0097】
次いで、ステップS430では、画像演出処理部61は、タッチ分析部43に対して、タッチパッド部33上への接触操作を検出させる。
次いで、ステップS435では、画像演出処理部61は、この接触操作がページ捲り移動であるか否かを判断する。ここで、この接触操作がページ捲り移動ではない場合にはステップS430に戻る。一方、この接触操作がページ捲り移動である場合には、本サブルーチンから復帰する。
これにより、ページ捲り移動操作を検出したときには、画像演出処理を行う直前のページまたは直後のページの漫画の画像データを表示することで、ユーザに違和感を起こさせることなく、直前のページまたは直後のページの漫画の画像表示に復帰することができる。
【0098】
従って、第4実施形態によれば、漫画のそれぞれのページに展開される場面の中でユーザが演出的興味を抱く可能性が高い場面の箇所を表示している際に、当該場面の箇所に応じた演出画像と演出音声を再生することで、一層の興味や楽しみを促す演出効果を与えることができ、ユーザの興味や楽しみを一層拡大することができる。
【0099】
<第5実施形態>
本発明の第5実施形態に係る多機能漫画再生装置は、図1に示す第1実施形態に係る多機能漫画再生装置1の構成と同様であり、その説明を省略する。
本発明の第5実施形態に係る多機能漫画再生装置は、上述した図7に示すサブルーチンのフローチャートに代わって、図22、図23に示すサブルーチンのフローチャートを用いることとする。
【0100】
次に、図22、図23に示すサブルーチンのフローチャートを参照して、画像演出処理部61において行われる演出ファイル再生処理について説明する。なお、図22、図23に示すフローチャートは、図20に示す4ページ目の漫画画面において、2人の人物の目から「涙」が斜め下方向に落ちている様子の画像において、涙が点滅しながら落下している様子の画像を繰り返して表示するためのサブルーチンである。
【0101】
第5実施形態では、4ページ目の漫画画面において、検索部53が、表示中の漫画の画像データのページ番号(P4)をキーとして、演出管理テーブル23btからページ番号(P4)に対応する演出管理番号(N4)を検索したこととなる。
【0102】
さらに、演出ファイル読込部55は、検索結果となる演出管理番号(N4)をキーとして、演出ファイル・演出パラメータ管理テーブル23ctから演出管理番号(N4)に対応する演出パラメータ(G4)および演出ファイル(APG4)を読み出してSW59に出力する。
次いで、SW59は、演出ファイル読込部55から出力された演出ファイルまたは演出パラメータの識別子を判断して、識別子(例えば、PNG)が画像データを示す場合には、当該演出ファイルまたは演出パラメータを画像演出処理部61に出力する。
【0103】
また、SW59は、演出ファイル読込部55から出力された演出ファイルまたは演出パラメータの識別子を判断して、識別子(例えば、MP3)が音声データを示す場合には、当該演出ファイルまたは演出パラメータを音声演出処理部63に出力する。
次いで、画像演出処理部61または音声演出処理部63において演出ファイル再生処理を行うために、下記サブルーチンをコールする。
なお、第5実施形態では、図22、図23に示すサブルーチンのフローチャートについて、詳しく説明するものである。
【0104】
まず、ステップS500では、画像演出処理部61は、演出ファイル(G4)から画像データを取得する。本実施形態では、2人の人物の「涙」を示す画像データを用いることとする。
次いで、ステップS505では、画像演出処理部61は、取得した画像データを表示制御部29の画像メモリg2に記憶する。
次いで、ステップS510では、画像演出処理部61は、演出パラメータ(APG4)から、アニメーションの開始位置C(X11,Y11)および終了位置D(X12,Y12)、画像の大きさ(mx4 dot× my4 dot)を取得する。
なお、さらにアニメーションの開始位置A(X9,Y9)および終了位置B(X10,Y10)を取得するが、説明の簡略化のため、その説明を省略する。
【0105】
次いで、ステップS515では、画像演出処理部61は、上述したように2つの表示エリアを示すアニメーションの開始位置C(X11,Y11)および終了位置D(X12,Y12)を表示制御部29に設定する。
これにより、図21に示すように、アニメーションの開始位置C(X11,Y11)および終了位置D(X12,Y12)からなる表示エリアをアニメーションのために用いることができる。
次いで、ステップS520では、画像演出処理部61は、カウンタ値kを初期化するために、k=0と設定する。
次いで、ステップS525では、画像演出処理部61は、カウンタ値tを初期化するために、t=0と設定する。
【0106】
次いで、ステップS530では、ステップS510で取得した画像の大きさ(mx4 dot× my4 dot)のX成分から「涙」画像同士の間隔を考慮してΔXを設定する。そして、C−D間の傾きmと、ΔXとからΔY=mΔXとする。これにより、アニメーション時の画像の表示位置の開始点P(X,Y)は、
X=X11+ΔX*t , Y=Y11+mΔX*t (2)
となる。
そこで、画像演出処理部61は、X=X11+ΔX*t,Y=Y11+mΔX*tを算出して表示位置の開始点P(X,Y)を求める。
なお、本実施形態では、上記式(2)を用いることで、「涙」画像の落下軌跡を直線上の位置に近似しているが、本発明はこれに限定されるものではない。すなわち、「涙」画像の表示位置P(X,Y)を放物線上の複数の位置にあらかじめ決めておき、tに応じて順番に読み出して表示位置としても良い。
【0107】
次いで、ステップS535では、画像演出処理部61は、表示制御部29に対して、画像メモリg2に記憶した画像データを開始点P(X、Y)に描画させる。
次いで、ステップS540では、画像演出処理部61は、演出に用いる画像データに対して、透明度Opa1=0に設定する。これにより、演出に用いる画像データの透明度Opa1が0になり、画像データが全表示となる。
次いで、ステップS545では、画像演出処理部61は、表示制御部29に対して、アニメーション時の画像データの透明度OpaをOpa1に設定する。
次いで、ステップS550では、画像演出処理部61は、例えば0.5秒だけ待つ。
【0108】
次いで、ステップS555では、画像演出処理部61は、演出に用いる画像データに対して、透明度Opa1=1に設定する。これにより、演出に用いる画像データの透明度Opa1が1になり、画像データが全透明表示となる。
次いで、ステップS560では、画像演出処理部61は、表示制御部29に対して、アニメーション時の画像データの透明度OpaをOpa1に設定する。
次いで、ステップS563では、画像演出処理部61は、カウンタ値tに対して、t=t+1と設定する。
【0109】
そこで、ステップS565では、画像演出処理部61は、差値(X2−X)<ΔXか否かを判断する。差値(X2−X)がΔXよりも大きい場合には、現在の描画位置Pが終了位置Bに到達していないとみなし、ステップS530に戻る。
一方、差値(X2−X)がΔXよりも小さい場合には、現在の描画位置Pが終了位置Bに到達していることとみなし、ステップS570に進む。
【0110】
次いで、ステップS570では、画像演出処理部61は、カウンタ値kをk=k+1と設定する。
次いで、ステップS575では、画像演出処理部61は、カウンタ値kがk=nになったか否かを判断する。ここで、k=nになっていない場合には、ステップS525に戻り処理を繰り返す。一方、k=nになった場合には、ステップS580に進む。
次いで、ステップS580では、画像演出処理部61は、アニメーションを停止するために、表示制御部29に対して、アニメーション停止命令を出力する。
【0111】
これにより、演出ファイルから取得した画像データを例えば0.5秒の時間間隔を開けて全表示と全透明表示とを交互に繰り返し、かつ、画像データの表示位置を変化させることにより、現在の漫画画面上の所定の表示エリア内に合成して表示することができる。
すなわち、図21に示すように、C−D間の表示エリア内に対して、2人の人物の目から「涙」が斜め下方向に落ちている様子の画像において、「涙」の画像が所定の間隔を開けて点滅しながら斜め下方向に落下している様子の画像を、図24に示す画像上に合成して表示部31に表示することができる。
この結果、表示画面の斜め下方向に「涙」が点滅しながら落下する画像を視認することができる。これにより、漫画内の人物による感情の高揚を表示でき、多機能漫画の楽しみを提供することができる。
【0112】
次いで、ステップS585では、画像演出処理部61は、タッチ分析部43に対して、タッチパッド部33上への接触操作を検出させる。
次いで、ステップS590では、画像演出処理部61は、この接触操作がページ捲り移動であるか否かを判断する。ここで、この接触操作がページ捲り移動ではない場合にはステップS385に戻る。一方、この接触操作がページ捲り移動である場合には、本サブルーチンから復帰する。
これにより、ページ捲り移動操作を検出したときには、画像演出処理を行う直前のページまたは直後のページの漫画の画像データを表示することで、ユーザに違和感を起こさせることなく、直前のページまたは直後のページの漫画の画像表示に復帰することができる。
【0113】
従って、第5実施形態によれば、漫画のそれぞれのページに展開される場面の中でユーザが演出的興味を抱く可能性が高い場面の箇所に対して、当該場面の箇所に応じた演出画像を再生することで、一層の興味や楽しみを促す演出効果を与えることができ、ユーザの興味や楽しみを一層拡大することができる。
【0114】
<変形例1>
第2実施形態に係る多機能漫画再生装置1にあっては、「犬」の画像を出力するように構成され、また、第4実施形態に係る多機能漫画再生装置1にあっては、「犬」の音声を出力するように構成されていた。
しかしながら、本発明はこのような構成に限定されるものではなく、演出ファイル記憶部23cに記憶されている演出ファイルに、広告画面の内容を示す画像データ、広告音声の内容を示す音声データを記憶させておくことで、ユーザが興味を持った物品やサービスに対して、一層の興味を促す演出効果を与えることができ、ユーザの興味を一層拡大することができ、物品やサービスの拡販に寄与することができる。
【0115】
<変形例2>
本発明の第1実施形態〜第4実施形態にあっては、多機能漫画再生装置1をタブレット型やノート型のパーソナルコンピュータに適用して説明した。
しかしながら、本発明はこのような構成に限定されるものではなく、タブレット型パーソナルコンピュータ、ノート型パーソナルコンピュータ、デスクトップ型パーソナルコンピュータ、携帯電話機、PDA、テレビジョン受信装置に適用することができる。
【産業上の利用可能性】
【0116】
本発明の多機能漫画再生装置は、タブレット型パーソナルコンピュータ、ノート型パーソナルコンピュータ、デスクトップ型パーソナルコンピュータ、携帯電話機、PDA、テレビジョン受信装置に利用できる。
【符号の説明】
【0117】
1 多機能漫画再生装置
11 インターネット
13 配信サーバ
15 データベース部
21 通信制御部
23 メモリ部
25 音声制御部
27 スピーカ
29 表示制御部
31 表示部
33 タッチパッド部
35 タッチパッド制御部
37 制御部
41 ブラウザ部
43 タッチ分析部
45 画像処理部
47 音声処理部
51 漫画制御部
53 検索部
55 演出ファイル読込部
57 SW
59 SW
61 画像演出処理部
63 音声演出処理部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1ページ分の漫画の画像データを表示画面上に表示する表示手段と、前記漫画の画像データに関連する音声データを再生する音声再生手段とを備え、前記表示画面の特定位置に対応した画像データおよび音声データの少なくとも一方を演出内容として出力するようにして多機能漫画を再生する多機能漫画再生装置であって、
複数のページ分の漫画の画像データを記憶する第1記憶部と、
漫画の画像データのページ番号と、前記ページ番号に対応する演出管理番号を記憶する第2記憶部と、
前記演出管理番号に対応する演出パラメータおよび演出ファイルを記憶する第3記憶部と、
前記第1記憶部から1ページ分の漫画の画像データを読み込んで表示画面に表示する漫画表示手段と、
前記表示中の漫画の画像データのページ番号をキーとして、前記第2記憶部から前記ページ番号に対応する演出管理番号を検索する検索手段と、
前記検索結果となる演出管理番号をキーとして、前記第3記憶部から前記演出管理番号に対応する演出パラメータおよび演出ファイルを読み込む読込手段と、
前記読み込んだ演出ファイルが画像データである場合には、前記読み込んだ演出パラメータに基づいて該画像データに画像演出処理を施して再生する画像演出処理手段と、
前記読み込んだ演出ファイルが音声データである場合には、前記読み込んだ演出パラメータに基づいて該音声データに音声演出処理を施して再生する音声演出処理手段と、を備えることを特徴とする多機能漫画再生装置。
【請求項2】
前記表示画面上への接触操作に応じてページ捲り移動操作を検出するページ捲り移動操作検出手段を備え、
前記画像再生処理手段により再生された画像データを、前記ページ内の所定の領域に表示した場合に、前記ページ捲り移動操作検出手段によりページ捲り移動操作を検出したときには、前記画像演出処理を行う直前のページまたは直後のページの漫画の画像データを表示することを特徴とする請求項1記載の多機能漫画再生装置。
【請求項3】
前記読込手段から出力された演出ファイルの識別子を判断し、当該演出ファイルが画像データである場合には、当該演出ファイルまたは演出パラメータを画像演出処理手段に出力し、当該演出ファイルが音声データである場合には、当該演出ファイルまたは演出パラメータを音声演出処理手段に出力するスイッチ手段を備えることを特徴とする請求項1記載の多機能漫画再生装置。
【請求項4】
前記画像演出処理手段により再生された画像データを、前記ページ内の任意の領域に表示することを特徴とする請求項1記載の多機能漫画再生装置。
【請求項5】
前記第3記憶部に記憶されている演出ファイルには、広告画面の内容を示す画像データ、広告音声の内容を示す音声データが記憶されていることを特徴とする請求項1記載の多機能漫画再生装置。
【請求項6】
前記画像演出処理手段は、前記演出ファイルから取得した画像データを回転処理と拡大縮小処理を行いながら、所定の方向にスクロールさせ、現在の漫画画面上の所定の表示エリア内に合成して表示することを特徴とする請求項1記載の多機能漫画再生装置。
【請求項7】
前記画像演出処理手段は、前記演出ファイルから取得した画像データの複製を所定の方向にシフトしながら所定の間隔を開けて配置し、現在の漫画画面上の所定の表示エリア内に合成して表示することを特徴とする請求項1記載の多機能漫画再生装置。
【請求項8】
前記画像演出処理手段は、前記演出ファイルから取得した画像データを所定の時間間隔を開けて全表示と全透明表示とを交互に繰り返し、現在の漫画画面上の所定の表示エリア内に合成して表示することを特徴とする請求項1記載の多機能漫画再生装置。
【請求項9】
前記画像演出処理手段は、前記演出ファイルから取得した画像データの複製を所定の方向に所定の間隔を開けてシフトしながら点滅し、現在の漫画画面上の所定の表示エリア内に合成して表示することを特徴とする請求項1記載の多機能漫画再生装置。
【請求項10】
前記音声演出処理手段は、前記演出ファイルから取得した音声データを経過時間に応じて出力レベルを可変して出力することを特徴とする請求項1記載の多機能漫画再生装置。
【請求項11】
タブレット型パーソナルコンピュータ、ノート型パーソナルコンピュータ、デスクトップ型パーソナルコンピュータ、携帯電話機、PDA、テレビジョン受信装置の何れか1つに適用可能であることを特徴とする請求項1乃至10記載の多機能漫画再生装置。
【請求項12】
少なくとも1ページ分の漫画の画像データを表示画面上に表示する表示部と、前記漫画の画像データに関連する音声データを再生する音声再生部とを備え、前記表示画面の特定位置に対応した画像データおよび音声データの少なくとも一方を演出内容として出力するようにして多機能漫画を再生する多機能漫画再生方法であって、
複数のページ分の漫画の画像データを第1記憶部に記憶する第1記憶ステップと、
漫画の画像データのページ番号と、前記ページ番号に対応する演出管理番号を第2記憶部に記憶する第2記憶ステップと、
前記演出管理番号に対応する演出パラメータおよび演出ファイルを第3記憶部に記憶する第3記憶ステップと、
前記第1記憶部から1ページ分の漫画の画像データを読み込んで表示画面に表示する漫画表示ステップと、
前記表示中の漫画の画像データのページ番号をキーとして、前記第2記憶部から前記ページ番号に対応する演出管理番号を検索する検索ステップと、
前記検索結果となる演出管理番号をキーとして、前記第3記憶部から前記演出管理番号に対応する演出パラメータおよび演出ファイルを読み込む読込ステップと、
前記読み込んだ演出ファイルが画像データである場合には、前記読み込んだ演出パラメータに基づいて該画像データに画像演出処理を施して再生する画像演出処理ステップと、
前記読み込んだ演出ファイルが音声データである場合には、前記読み込んだ演出パラメータに基づいて該音声データに音声演出処理を施して再生する音声演出処理ステップと、を行うことを特徴とする多機能漫画再生方法。
【請求項13】
少なくとも1ページ分の漫画の画像データを表示画面上に表示する表示部と、前記漫画の画像データに関連する音声データを再生する音声再生部とを備え、前記表示画面の特定位置に対応した画像データおよび音声データの少なくとも一方を演出内容として出力するようにして多機能漫画を再生するためのコンピュータ・プログラムであって、
複数のページ分の漫画の画像データを第1記憶部に記憶する第1記憶ステップと、
漫画の画像データのページ番号と、前記ページ番号に対応する演出管理番号を第2記憶部に記憶する第2記憶ステップと、
前記演出管理番号に対応する演出パラメータおよび演出ファイルを第3記憶部に記憶する第3記憶ステップと、
前記第1記憶部から1ページ分の漫画の画像データを読み込んで表示画面に表示する漫画表示ステップと、
前記表示中の漫画の画像データのページ番号をキーとして、前記第2記憶部から前記ページ番号に対応する演出管理番号を検索する検索ステップと、
前記検索結果となる演出管理番号をキーとして、前記第3記憶部から前記演出管理番号に対応する演出パラメータおよび演出ファイルを読み込む読込ステップと、
前記読み込んだ演出ファイルが画像データである場合には、前記読み込んだ演出パラメータに基づいて該画像データに画像演出処理を施して再生する画像演出処理ステップと、
前記読み込んだ演出ファイルが音声データである場合には、前記読み込んだ演出パラメータに基づいて該音声データに音声演出処理を施して再生する音声演出処理ステップとをコンピュータに処理させることを特徴とするコンピュータ・プログラム。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate

【図17】
image rotate

【図18】
image rotate

【図19】
image rotate

【図20】
image rotate

【図21】
image rotate

【図22】
image rotate

【図23】
image rotate

【図24】
image rotate


【公開番号】特開2013−92962(P2013−92962A)
【公開日】平成25年5月16日(2013.5.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−235718(P2011−235718)
【出願日】平成23年10月27日(2011.10.27)
【出願人】(510270672)レアル・テクノシステムズ株式会社 (2)
【Fターム(参考)】