説明

多機能通信システム及びその制御方法

【課題】 多機能通信システムにおいて親機側の複数の状態を子機の表示部に認識可能に表示させると共に、子機の機能を損ねることなく動作させる。
【解決手段】 少なくとも留守番電話機能及びファクシミリ機能により親機の状態が変化したか否かを監視し、状態が変化した場合、状態の変化を示す信号を子機へ送信する。そして、子機が、状態の変化を示す信号を受信し、子機が充電中の場合、親機の状態が変化したことを示す表示を表示部に表示させると共に、表示部を点滅させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、少なくとも留守番電話機能及びファクシミリ機能を有する親機と、該親機と無線で接続された子機とから構成される多機能通信システム及びその制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、親機の1つの状態(留守)を子機に無線で知らせ、状態を表示し、子機が充電中であれば常時点灯させ、充電中で無ければ点灯させない技術が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
しかし、親機の状態は複数有り、それを子機にて表示することによる差別化と、充電中の常時点灯では、充電電流と、消費電流の関係から本来の目的の充電ができない。ここで、常時点灯ではなく点滅制御によってユーザへの認識アップと充電制御の両方を満足させるための差別化を設けている。
【0004】
また、優先呼出機能を目的として点滅状態における制御信号のノイズを除去する技術が提案されている(例えば、特許文献2参照)。
【0005】
しかし、特許文献2では、通話に入ってから示すLEDを常時点灯か消灯のままで使用することが開示されている。しかし、間欠受信によるところのLED点滅ノイズというところが重要であり、この制御に差別化を設け、間欠受信のタイミングとLED点灯タイミングをずらす制御で対応している。
【特許文献1】特開平07−050878号公報
【特許文献2】特開平08−265854号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上述した従来の技術では、以下のような問題があった。
(1)親機側の複数の状態を子機に知らせることができなかった。
(2)子機にて親機の状態をユーザに知らせるためのLED表示が点灯のままで分かりにくかった。
(3)充電効率を考えたLED制御がされていなかった。
(4)LEDを点滅することによって発生するノイズを考慮した無線通信ができなかった。
【0007】
そのため、親機の状態を子機でユーザに知らせるための機能が満足行くものではなく、この際の表示、LEDタイミングと充電制御、更には間欠受信の3つの動作を正常に効率良く、かつ機能として十分満足できなかった。
【0008】
本発明は、多機能通信システムにおいて親機側の複数の状態を子機の表示部に認識可能に表示させると共に、子機の機能を損ねることなく動作させることを目的する。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、少なくとも留守番電話機能及びファクシミリ機能を有する親機と、該親機と無線で接続された子機とから構成される多機能通信システムであって、前記親機に、前記少なくとも留守番電話機能及びファクシミリ機能により該親機の状態が変化したか否かを監視する監視手段と、前記親機の状態が変化した場合に、該状態の変化を示す信号を前記子機へ送信する送信手段とを備え、前記子機に、前記状態の変化を示す信号を受信する受信手段と、前記子機が充電中か否かを検出する検出手段と、前記子機が充電中で、かつ、前記状態の変化を示す信号を受信した場合に、前記親機の状態が変化したことを示す表示を表示部に表示させると共に、該表示部を点滅させる表示手段とを備えることを特徴とする。
【0010】
また、本発明は、少なくとも留守番電話機能及びファクシミリ機能を有する親機と、該親機と無線で接続された子機とから構成される多機能通信システムの制御方法であって、前記親機に、前記少なくとも留守番電話機能及びファクシミリ機能により該親機の状態が変化したか否かを監視する監視工程と、前記親機の状態が変化した場合に、該状態の変化を示す信号を前記子機へ送信する送信工程とを有し、前記子機に、前記状態の変化を示す信号を受信する受信工程と、前記子機が充電中か否かを検出する検出工程と、前記子機が充電中で、かつ、前記状態の変化を示す信号を受信した場合に、前記親機の状態が変化したことを示す表示を表示部に表示させると共に、該表示部を点滅させる表示工程とを有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、多機能通信システムにおいて親機側の複数の状態を子機の表示部に認識可能に表示させると共に、子機の機能を損ねることなく動作させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、図面を参照しながら発明を実施するための最良の形態について詳細に説明する。
【0013】
本実施形態では、多機能通信システムとして、コードレス留守番電話付きファクシミリ装置(FAX)を例に説明する。尚、本発明は、これだけに限らず、プリンタ機能、スキャナ機能、ファクシミリ機能、留守番電話機能を有する複合機に適用しても良い。また、上述の機能の他にWEB閲覧や文字メッセージを送受信できるメール機能も有する。
【0014】
図1は、本実施形態におけるコードレス留守番電話付きファクシミリ装置(FAX)の構成の一例を示す図である。図1において、100はファクシミリ装置のコードレス電話付き親機(以下、親機)である。110はコードレス電話子機(以下、子機)である。
【0015】
図1に示すように、親機100は、表示部101、操作部102、ハンドセット103及び親機アンテナ104を有し、有線回線106を介して公衆回線107に接続されている。親機アンテナ104は子機110との無線通信に使用される。表示部101はカラーLCDから構成されているが、モノクロLCDで構成されていても良い。
【0016】
親機100は、本体の制御、回線制御、留守番電話制御、及び子機との無線制御などを行うユニットである。
【0017】
一方、子機110は、表示部111、操作部112を有し、通常の状態では子機110の電源である二次電池を充電する充電器120に載せられている。
【0018】
図2は、図1に示すコードレス電話付き親機の内部構成を示すブロック図である。図2に示すように、親機100には、図1に示す表示部101、操作部102、ハンドセット103、親機アンテナ104に加え、CPU201、ROM202、RAM203が含まれる。更に、通信制御部204、DSP(MODEM/音声処理)部205、音源部206、クロスポイントスイッチ部207、無線部208、本体スピーカ209、本体マイク210が含まれる。また、ファクシミリ機能を実現するために、送信原稿の読み取りや受信原稿の記録を行う記録部211、読取部212、センサ部213、フック検出部215が含まれる。そして、上述の各構成要素(以下、各部)はシステムバス214を介して相互に接続される。
【0019】
CPU201は、システムバス214を介して各部と信号やデータの授受を行い、入力した信号に応じてシステムバス214に接続された各部を制御する。即ち、CPU201はROM202に格納されたプログラムに従って、通話に伴う呼処理や各種サービス機能に伴う処理を実行する。サービス機能の一具体例としては、ユーザによってメール機能が起動されて文字メッセージが作成されると、CPU201は作成された文字メッセージをテキストデータとしてRAM203に記憶する。
【0020】
ROM202は、CPU201の制御プログラムを格納している。この制御プログラムとしては、DSP部205を制御して留守番電話やFAX送受信、ナンバーディスプレイの表示、音声信号の入出力を実現するためのプログラムなどである。また、親機の状態で留守番電話を録音したり、FAX受信が発生した場合、その状態における動作を、クロスポイントスイッチ部207を介して無線部208から子機110へ送信するためのプログラムも格納されている。更に、ROM202はデータの書き込み、消去が可能なEEPROMやフラッシュROMで構成される。
【0021】
RAM203は、CPU201が呼処理を含むWEB閲覧やメール送受信処理を実行する際に使用するワークメモリである。ここには、ROM202と異なり、一時的なデータが記憶される。また、RAM203は、電池などでバックアップされる場合やデータの書き込み、消去が可能なEEPROM又はフラッシュROMで構成されても良く、アクセススピードや保存処理に応じて必要なデバイスが使い分けられている。
【0022】
通信制御部204は、公衆回線107を収容するためのインターフェースであり、アナログ回線の場合、局交換機の電話回線(以後、加入者線と称す)に接続され、ダイオードによる全波整流回路により構成される。更に、極性一致回路、リンガー検出回路、フックスイッチ回路、トランス回路で構成される。ここで、極性一致回路は、回線電圧の極性を一致させるための回路で、リンガー検出回路は、局交換機からの呼出信号を検出する回路である。フックスイッチ回路は、オフフック操作が行われると、回線ループを形成すると共に、局に対してダイヤルパルスを送出する回路で、トランス回路は、2線−4線変換を行うための回路である。
【0023】
尚、通信制御部204を半導体で構成することも可能である。また、本実施形態では、アナログ回線に接続されているが、デジタル回線又は光やADSLなどのブロードバンド回線に接続されても良い。
【0024】
DSP部205は、デジタル信号処理プロセッサであり、DSPとAFE(アナログフロントエンド)で構成される。機能的には、WEB閲覧やメールの送受信を行うためのデータモデム機能を有する。更に、G3FAXによるファクシミリの送受信を行うファクシミリモデムの機能も、CPU201の制御により実現する。また、モデムデータ(ナンバーディスプレイデータ)の解析を行うナンバディスプレイ機能や、文字データより人工的な音声信号を生成出力する音声合成機能なども有する。
【0025】
音源部206は、保留音や着信メロディーを生成する音源LSIで構成される。また、擬似DT、BT、RBT等のコールプログレストーンを出力するための音源も兼ねることができる。クロスポイントスイッチ部207は、CPU201からの制御により各種音声信号の入出力切替を行う。DSP部205からの信号や、音源部206、ハンドセット103、本体スピーカ209、本体マイク210、無線部208などのアナログ入出力信号の通信制御部204への入出力切替を行う。接続される子機110の音声信号の送受信はこの部分で切り替えられ回線と接続し、外線通話を形成したり、ハンドセット103と接続して内線通話を形成したりする。接続処理がシンプルな場合は削除することも可能である。
【0026】
本体スピーカ209及び本体マイク210は、それぞれ音声の出力及び入力を行うものであるが、ハンドセット103を用いずに通話を行う、所謂ハンズフリー機能を提供しても良い。
【0027】
無線部208は、制御データと音声信号を変調し、無線送信可能な形式に変換して親機アンテナ104に送ると共に、親機アンテナ104より無線受信した情報より復調されたデータを取り出す。ここで、制御データはCPU201に出力し、復調された音声や変調前の音声などのアナログ信号はクロスポイントスイッチ部207と授受される。
【0028】
また、無線部208は、子機110と接続するために、モデム・コンパンダ、秘話・アンプ機能を有するベースバンド部を含む。ベースバンド部からの変調信号を無線送信可能な形式に変換して親機アンテナ104に送る。親機アンテナ104より無線受信した信号より変調信号を取り出しベースバンド部に出力する。
【0029】
ここで、子機110と通話するには、通信制御部204が着信を検出し、無線部208に対して受信信号を起動し、無線部208が着信データ信号を無線に信号に変調して子機110へ送出する。その信号を子機110で応答することにより通信制御部204で着信した呼を接続し、クロスポイントスイッチ部207を介して無線部208を接続し、無線通話を形成する。また、親機100の状態を子機110へ知らせる場合、CPU201が留守番電話状態やメッセージ録音がされたかなどの判断を行い、その情報を無線部208介して子機110に送信する。また、子機110にて親機100の留守番電話を起動する場合は、その情報を無線部208で受け、データを復調し、CPU201が解析し、その状態に合わせて制御を行う。
【0030】
更に、CPU201は、ROM202のプログラムに従って親機100/子機110が無線通信中であるか否かの無線通信状態の監視、及び留守番電話の設定状態監視、などを行う。
【0031】
記録部211は、感熱型、熱転写型プリンタ、或いはレーザービームプリンタ、インクジェットプリンタ等の周知のプリンタである。MH、MR、MMR符号化されたデジタルデータを復号化し、復号化されたデータを印字データとして印字を行う。
【0032】
読取部212は、CCD或いは密着型センサアレイなどで読み取ったアナログデータをデジタルデータに変換し、変換されたデジタルデータをMH、MR、MMR符号化などの周知の符号化方法により符号化して出力する。
【0033】
センサ部213は、読取部212上の送信原稿の有無やサイズを検出し、その結果をCPU201に通知する。また、記録部211上の記録紙の有無やサイズを検出しその結果をCPU201に通知する。
【0034】
表示部101は、留守番電話のメッセージ録音情報や、時刻の表示、通信中の回線状態、及びエラーなどの状態を表示する。また、表示部101は、キー入力などを行う操作部102からキー入力された文字メッセージや受信した文字メッセージも表示する。更に、親機100の各種サービス機能の設定内容も表示する。ここで留守番電話やFAXの受信があることをLCDやLEDでユーザに知らせるようにもしている。
【0035】
操作部102は、ダイヤル番号やURLなどを、0〜9、*、#などのキーを利用してアルファベットや記号などを入力するためのダイヤルキーを含む。更に、ファクシミリの送受信を制御する送信、受信キー、回線のオン/オフを行うオフフックキー、機能設定を行うためのセレクトキーなどのキーも含む。また、留守ボタンも操作部102内に含まれ、親機100の留守設定や解除、着信中の留守設定や解除などに使用される。
【0036】
フック検出部215は、特にハンドセット103のオン/オフを検出し、回線オン/オフを制御する。
【0037】
図3は、図1に示すコードレス電話子機の内部構成を示すブロック図である。図3に示すように、子機110には、図1に示す表示部111、操作部112に加え、CPU301、ROM302、RAM303が含まれる。更に、ベースバンド部304、無線部305、スピーカ306、レシーバ307、マイク308、電源部309、子機アンテナ312が含まれる。
【0038】
CPU301は、子機110全体の制御を行う。具体的には、操作部112からのキー操作処理、表示処理、親機100との無線制御、変復調制御、AD変換や音声処理などが含まれる。ROM302は、CPU301の制御プログラムが格納されたメモリである。RAM303は、CPU301が制御を実行時に使用するワークエリアやリアルタイムに書き換える情報及び保存を有しないデータを一時的に記憶するエリアが定義されたメモリである。更に、親機100の留守番電話状態などを管理するテーブルも含まれる。
【0039】
また、RAM303は、留守番電話装置としての呼出符号(システムID)、子機番号などを記憶するEEPROM又は電話帳データを記憶するためのフラッシュROMで構成されても良く、アクセススピードや保存の必要性により使い分けられている。
【0040】
操作部112には、ダイヤル番号を入力するダイヤルキー、通話キー、切るキー、保留キー、スピーカキー、電話帳キーなどの機能キーが含まれる。更に、留守ボタンも操作部112に付随しているが、親機100の留守番電話機能を制御するための操作キーとしてに機能する。そして、充電器120に載っているときは上述のように動作するが、充電をされていない状態では点灯、点滅動作を行わず、バッテリの消費を低減させるように動作する。
【0041】
表示部111は、LCD、LEDなどで構成され、操作メニューや電話帳の表示、時間や着信を知らせる表示、操作部112より入力されるダイヤル番号や公衆回線の使用状況、電波状況などを表示する。更に、親機100の状態を示すために留守番電話の設定状態をLCDに表示させることも可能である。
【0042】
ベースバンド部304は、モデム・コンパンダ、秘話・アンプ機能を有し、制御データや音声信号の送受信を可能とする。また、子機110がデジタルコードレスの場合、アナログからデジタルへの変換や音声圧縮機能も有する。無線部305は、変復調された信号処理を行う。
【0043】
更に、無線部305の動作としては、子機110は電池で動作しているため電池の消耗を最低限にするため無線部の動作を間欠に動かす処理が一般的である。これは、スタンバイの時は、一定間隔で無線部に電源を供給して子機に対する無線電波があるかを検出する。
【0044】
次に、電源部309は、充電可能な2次電池で構成され、NiMHやLiイオン電池で構成され、充電制御回路において充電される。また、充電する際は、充電器120に置かれ接点を介して充電したり無接点方式で充電する構成もある。更に、電源部309では、この充電器120に置かれたか置かれていないかを検出する機能もあり、その状態はCPU301で検出し、RAM303で状態を管理している。
【0045】
上述の構成において、親機100から送信された親機状態情報がアンテナ312を介して無線部305で受信される。ここで、ベースバンド部304で受信受信情報を復調し、CPU301で解析可能な状態にする。そして、受信した信号に留守番電話のメッセージがあるのか、FAXの受信があるのか、それとも両方あるのかの情報を得てそれに対応したメッセージを表示部111に表示する。更に、電源部309において、充電器120に置かれているか否かを検出し、置かれていれば表示部111のLCDのバックライト等を点滅させる。
【0046】
次に、親機の留守番電話機能及びファクシミリ機能により状態が変化したか否かを監視し、状態が変化した場合に、その旨を子機に送信する処理を、図4を用いて説明する。
【0047】
図4は、本実施形態における親機での状態送信処理を示すフローチャートである。まず、通常の動作として、親機で、留守番電話のメッセージを録音が終了又はFAXの受信が終了するとステップS401へ処理を進め、親機の動作状態に変化があったか否かを判定する。ステップS401では、FAXを受信した状態か否かを判定する。ここで、FAXを受信した状態であればステップS402へ処理を進め、留守番電話のメッセージを録音した状態か否かを判定する。ここで、メッセージが無い場合はステップS404へ処理を進め、FAXデータのみ受信した状態であることを子機へ送信する。そして、親機スタンバイに戻り、動作状態を監視する。
【0048】
一方、ステップS402で、留守番電話のメッセージを録音した状態であればステップS403へ処理を進める。このステップS403では、FAXデータを受信した状態と、留守番電話のメッセージを録音した状態であることを子機へ送信する。そして、親機スタンバイに戻り、動作状態を監視する。
【0049】
また、上述のステップS401におけるFAX状態判定でFAXを受信していなければステップS405へ処理を進める。このステップS405では、留守番電話のメッセージを録音したか否かを判定する。ここで、メッセージが録音されていればステップS406へ処理を進め、留守番電話のメッセージのみ受信した状態であることを子機へ送信する。そして、親機スタンバイに戻り、動作状態を監視する。
【0050】
尚、ここでは、FAX判定をメッセージ判定の前に行っているが、逆でも問題はない。また、動作状態はユーザがメッセージを聞いたり削除したり、FAXを削除したりで常に変化する。そのため、親機は、状態変化に合わせて子機へ状態を送る。例えば、FAXとメッセージの両方の状態が子機へ送信された後、親機側で留守番電話のメッセージを確認して削除した場合、親機の状態は変化する。
【0051】
そのため、子機への情報はステップS402の留守番電話メッセージ判定で無しとなり、ステップS404でFAXデータのみ受信した状態であることを子機へ送信する。そして、親機スタンバイに戻り、動作状態を監視する。
【0052】
更に、FAX情報も印字してメモリから削除した場合、親機の状態はメッセージもFAXも両方とも無い状態になる。
【0053】
ここで、親機の状態が更に変化したので子機へ送信される情報は、ステップS401のFAX状態は無しと判定し、ステップS405でメッセージ状態も無しのため、ステップS407で親機状態はFAXもメッセージも無い状態の情報を子機へ送信する。そして、親機スタンバイに戻り、状態を監視する。
【0054】
次に、親機から動作状態の変化を受信する子機での処理を、図5を用いて説明する。
【0055】
図5は、本実施形態における子機での状態表示処理を示すフローチャートである。まず、ステップS501で、子機は電池で動作しているため、長時間動作を可能とするために無線受信を間欠動作で行っている。そして、間欠受信を行いながらステップS502で、自分の親機からの状態データを受信したか否かを判定する。具体的には、間欠受信中に、キャリアを検出したら自分の接続された親機からの信号か否かを登録されたIDにて判定する。ここで、一致したらステップS503へ処理を進め、受信データの内容を解析し、内容に応じた処理を実行する。また、状態情報でなければステップS501に戻り、間欠受信を繰り返す。
【0056】
尚、図5では示していないが、間欠受信中に着信要求がくれば、通常の子機通話の動作に移行する。
【0057】
次に、ステップS503で親機から受信した情報(親機状態情報)を解析し、判定した結果、本実施形態では、4種類のパターンに切り替えて動作する場合を例に説明する。
【0058】
まず、親機状態情報が“A”の場合はステップS504へ処理を進め、“FAXあり”と“メッセージあり”の両方を表示部111に表示する。
【0059】
次に、親機状態情報が“B”の場合はステップS505へ処理を進め、“FAXあり”を表示部111に表示する。
【0060】
次に、親機状態情報が“C”の場合はステップS506へ処理を進め、“メッセージあり”を表示部111に表示する。
【0061】
次に、親機状態情報が“D”の場合はステップS507へ処理を進め、“FAX/メッセージなし”を意味するため、子機の表示部111に状態を示す表示は行わない。これは、表示ありから無しになることにおいては、ユーザが子機の親機状態を確認し、親機操作にて示された状態を確認したことで親機状態がクリアされる。そのために、子機に示している親機状態も消すためにステップS507で“FAX/メッセージなし”を親機が送信し、子機の表示を消す場合に使用する。
【0062】
次に、ステップS508で、上述の状態表示に合わせて、子機が充電器120にセットされているか否かを判定する。判定した結果、子機が充電器120にセットされていればステップS509へ処理を進め、バックライト点滅情報をセットする。これにより、LCDの状態表示とバックライトの点滅動作が完了する。また、充電器120にセットされていない状態であれば、バックライト無しでLCDの表示のみの動作となる。
【0063】
ここで、上述した子機の状態表示の詳細なタイミングを、図6を用いて説明する。
【0064】
図6は、間欠受信とLCDバックライト点滅、LCDの表示のタイミングと、更に充放電のタイミングを示す図である。これらは、子機のタイマを基準に動作しているが、ここでは、内部の時計タイマを利用した場合を説明する。この時計タイマは、500msごとに動作基準となるクロックを発生する。
【0065】
ここで、子機は電池の消耗を最小限にするために、スタンバイ時には間欠受信を行い、親機から無線信号が送信されたか否かをチェックしている。この動作は、図3に示す無線部305にて実施される。この時のタイミングは、親機からの信号を検出しなければ一定の間隔で動作している。この動作は、上述の時計タイマを基準に実施され、500msごとに受信を行い、親機からの情報が送信されていないかを確認する。
【0066】
次に、LCDバックライトの点滅タイミングを説明する。これも時計タイマの500msを基準に1周期点灯し、6周期は消灯のパターンが繰り返される。この際に、間欠受信を行うタイミングは、図6に示すように点灯タイミングをずらして行う。消灯タイミングともずらして動作する。このように制御することにより、LCD点灯時、消灯時に発生するノイズを間欠受信時には、受けないように工夫している。
【0067】
そして、LCD表示は、LCDバックライトとリンクして表示を行うようにしている。ここでは、ファックスとメッセージの両方が入っている場合について説明するが、LCDバックライトの周期とリンクして「ファクスあり」と「メッセージあり」とを切り替えて表示する。
【0068】
更に、点滅させる理由の一つである充放電特性を最後に示すが、LCD(LCDバックライト)の点灯時は、充電状態であっても充電電流と同じくらいの消費が発生するため、電池の充電にはならない。
【0069】
このような関係もあり、充電中の放電とユーザに分かり易く表示することの両立を図るための結果として、ここで説明した点滅タイミングで制御している。
【0070】
ここで、図6に合わせた実際の動作を説明すると、親機に留守番電話のメッセージと、FAX受信情報が入った場合、これを子機へ無線制御により情報を提供する。これにより、子機は、その状態を受け、また間欠受信に入る。この状態では、図7に示すような子機の表示となり、子機のLCDに表示に「ファクスあり」と、「メッセージあり」を交互に表示させる。
【0071】
尚、図7に示す(A)は、「ファクスあり」の場合で、(B)は「メッセージあり」の場合である。また、ここでは、3.5秒のタイミングで切り替えを行っている。
【0072】
図6において、本実施形態の特徴の1つである点滅は表示を切り替えた最初の500msのみ点灯する。この時間であれば、LCDバックライト点滅機能が動作しない場合の充電時間と、点滅機能が動作するときの充電時間の差を少なくできる。そうしないと充電時間に差が生じてしまい、状態表示点滅機能動作中の充電時間は20時間、そうでないときは10時間でフル充電できます、というような、ユーザにとって分かりにくい仕様になってしまう。
【0073】
更に、上述の点灯制御は、どうしても無線通信に影響の出やすいポイントとなり、点灯タイミングと間欠受信タイミングをずらすことによりノイズを受けにくい構成とすることができ、本実施形態では、点灯をしてから間欠受信を起動するようにしている。
【0074】
本実施形態によれば、以下のような効果がある。
(1)子機において親機側の複数の状態を知らせることができる。
(2)充電中(充電器に置かれている状態)であれば、表示と合わせてLCDが点滅し、状態表示の切り替えに合わせて点滅することで、より視認性が上がる。
(3)充電中も点滅表示にし、特別な充電制御を行わなくても、点滅動作をしているときと点滅動作をしていないときとの充電時間が変わるようなことなく、十分に充電が可能となり、コストアップにもつながらない。
(4)LCD点滅によって発生するノイズも、間欠受信のタイミングとLCD点滅タイミングをずらすことにより、発生するLCD点滅ノイズが無線データ受信に影響を与えずに点滅機能を実現することができる。
【0075】
尚、本発明は複数の機器(例えば、ホストコンピュータ,インターフェース機器,リーダ,プリンタなど)から構成されるシステムに適用しても、1つの機器からなる装置(例えば、複写機,ファクシミリ装置など)に適用しても良い。
【0076】
また、前述した実施形態の機能を実現するソフトウェアのプログラムコードを記録した記録媒体を、システム或いは装置に供給し、そのシステム或いは装置のコンピュータ(CPU若しくはMPU)が記録媒体に格納されたプログラムコードを読出し実行する。これによっても、本発明の目的が達成されることは言うまでもない。
【0077】
この場合、コンピュータ読み取り可能な記録媒体から読出されたプログラムコード自体が前述した実施形態の機能を実現することになり、そのプログラムコードを記憶した記録媒体は本発明を構成することになる。
【0078】
このプログラムコードを供給するための記録媒体として、例えばフレキシブルディスク,ハードディスク,光ディスク,光磁気ディスク,CD−ROM,CD−R,磁気テープ,不揮発性のメモリカード,ROMなどを用いることができる。
【0079】
また、コンピュータが読出したプログラムコードを実行することにより、前述した実施形態の機能が実現されるだけでなく、次の場合も含まれることは言うまでもない。即ち、プログラムコードの指示に基づき、コンピュータ上で稼働しているOS(オペレーティングシステム)などが実際の処理の一部又は全部を行い、その処理により前述した実施形態の機能が実現される場合である。
【0080】
更に、記録媒体から読出されたプログラムコードがコンピュータに挿入された機能拡張ボードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに書込む。その後、そのプログラムコードの指示に基づき、その機能拡張ボードや機能拡張ユニットに備わるCPUなどが実際の処理の一部又は全部を行い、その処理により前述した実施形態の機能が実現される場合も含まれることは言うまでもない。
【図面の簡単な説明】
【0081】
【図1】本実施形態におけるコードレス留守番電話付きファクシミリ装置(FAX)の構成の一例を示す図である。
【図2】図1に示すコードレス電話付き親機の内部構成を示すブロック図である。
【図3】図1に示すコードレス電話子機の内部構成を示すブロック図である。
【図4】本実施形態における親機での状態送信処理を示すフローチャートである。
【図5】本実施形態における子機での状態表示処理を示すフローチャートである。
【図6】間欠受信とLCDバックライト点滅、LCDの表示のタイミングと、更に充放電のタイミングを示す図である。
【図7】子機の状態表示の一例を示す図である。
【符号の説明】
【0082】
101 表示部
102 操作部
103 ハンドセット
104 親機アンテナ
106 有線回線
107 公衆網
110 子機
111 表示部
112 操作部
120 充電器
201 CPU
202 ROM
203 RAM
204 通信制御部
205 DSP部
206 音源部
207 クロスポイントスイッチ部
208 無線部
209 本体スピーカ
210 本体マイク
211 記録部
212 読取部
213 センサ部
214 システムバス
215 フック検出部
301 CPU
302 ROM
303 RAM
304 ベースバンド部
305 無線部
306 スピーカ
307 レシーバ
308 マイク
309 電源部
310 表示部
311 操作部
312 子機アンテナ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも留守番電話機能及びファクシミリ機能を有する親機と、該親機と無線で接続された子機とから構成される多機能通信システムであって、
前記親機に、前記少なくとも留守番電話機能及びファクシミリ機能により該親機の状態が変化したか否かを監視する監視手段と、
前記親機の状態が変化した場合に、該状態の変化を示す信号を前記子機へ送信する送信手段とを備え、
前記子機に、前記状態の変化を示す信号を受信する受信手段と、
前記子機が充電中か否かを検出する検出手段と、
前記子機が充電中で、かつ、前記状態の変化を示す信号を受信した場合に、前記親機の状態が変化したことを示す表示を表示部に表示させると共に、該表示部を点滅させる表示手段とを備えることを特徴とする多機能通信システム。
【請求項2】
前記受信手段は、前記親機から送信される信号に対して間欠受信を行い、
前記表示手段は、前記点滅の点灯タイミングを前記間欠受信のタイミングとずらすことを特徴とする請求項1に記載の多機能通信システム。
【請求項3】
前記表示手段は、前記充電中の充放電特性に従って前記表示部を点滅させることを特徴とする請求項1又は2に記載の多機能通信システム。
【請求項4】
前記表示手段は、前記状態の変化が複数ある場合、該複数の状態が変化したことを示す表示を交互に表示させることを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項に記載の多機能通信システム。
【請求項5】
少なくとも留守番電話機能及びファクシミリ機能を有する親機と、該親機と無線で接続された子機とから構成される多機能通信システムの制御方法であって、
前記親機に、前記少なくとも留守番電話機能及びファクシミリ機能により該親機の状態が変化したか否かを監視する監視工程と、
前記親機の状態が変化した場合に、該状態の変化を示す信号を前記子機へ送信する送信工程とを有し、
前記子機に、前記状態の変化を示す信号を受信する受信工程と、
前記子機が充電中か否かを検出する検出工程と、
前記子機が充電中で、かつ、前記状態の変化を示す信号を受信した場合に、前記親機の状態が変化したことを示す表示を表示部に表示させると共に、該表示部を点滅させる表示工程とを有することを特徴とする多機能通信システムの制御方法。
【請求項6】
請求項5に記載の多機能通信システムの制御方法をコンピュータに実行させるためのプログラム。
【請求項7】
請求項6に記載のプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2009−5172(P2009−5172A)
【公開日】平成21年1月8日(2009.1.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−165306(P2007−165306)
【出願日】平成19年6月22日(2007.6.22)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】