説明

多機能防寒具

【課題】 多様な防寒具の種類に応じた形に変化させて使用できるとともに、防寒着として使用するとき、着脱が容易で、かつ、体の動きに合わせた動きができるとともに、首周りスペース等を調整できるようにする。
【解決手段】 シート状部材Aは、第1の部材A1と第2の部材A2が連続する構成で、第1の部材A1と第2の部材A2の境界Asから折り返し可能に構成され、第1の部材A1と第2の部材A2の左右の対向する各辺1b,1dには、互いに係止可能な第1の部材A1の一方の係止部A1aと他方の係止部A1bと、互いに係止可能な第2の部材A2の一方の係止部A2aと他方の係止部A2bとが設けられ、第1の部材A1の係止部A1aは、第2の部材A2の係止部A2aとも係止可能に構成されている。このシート状部材Aを2つ使用してポンチョ型防寒着等の多機能防寒具とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、綿等の中綿材が内部に入れられ、座布団やクッションの他、ポンチョ型の防寒着や、さらには腰巻や膝掛け等にも使用可能な多機能防寒具に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、羽毛等の中綿材が内部に入れられたクッションとしては、座布団や所定形状のクッション等がある。これらのクッションは、座布団やクッション以外で使用される場合には、その形状を変えて使用しなければならない。例えば、枕として使用するときは、丸めるようにしたり二重や三重に折り畳んだりして使用する。
また、毛布等は、例えば、膝掛けに使用したり、冬場の寒い時期には、腰巻として使用するなど、多機能防寒具として使用されることもある。こうした多機能防寒具は、1つの製品で様々な形態に対応できるため、複数の防寒具を併せ持たなくとも、例えば、体の冷える様々な箇所を局部的に温めてあげることが可能となり、非常に有用な製品である。
【0003】
そこで、様々な目的に使用可能な製品(多目的製品)が提案されている。例えば、特許文献1では、ベストとしても、肩掛けとしてもさらに腰巻としても使用できる防寒用の多目的シートが提案されており、上辺51の襟ぐり部6の左右に、互いに係合する少なくとも一対の襟係止部1a、1bと、左辺52及び右辺53に袖係止部2a、2b、3a、3bとを備え、各係止部を止めることによって、襟ぐり部6の下方のシート中央部7が後身頃となり胸部が開閉可能なベストを形成し、また、襟係止部1a、1bを係止し、左右夫々の袖係止部2a,2b,3a、3bを非係止とすることによって、肩当てとし、さらには、腰係止部4a,4b,4cと衿係止部2a、3aとを係止することによって、腰巻となる。
また、特許文献2では、防寒として体の冷える部分に応じて多形態に使用できる多目的ニット製品が提案されている。この多目的ニット製品は、両端が開口した無底筒状のニット製品で、開口端部間の長手方向の長さを装着者の腹部が隠れる程度の長さに形成するとともに、同一の目数でありながら編み目が密なハイゲージ部2とこれよりも編み目が粗いローゲージ部3とを有して、前記ハイゲージ部2が一部に編成されている。
【0004】
さらに、特許文献3では、腹部から足先までの下半身を包み込み、包み込んだまま立位がとれ自由に歩け、座面から座面への移乗が出来る膝掛け及び前掛けを含む下半身防護具が提案されている、この下半身防護具は、腰から膝までを巻いて覆うシート状の膝掛け2と、足に着脱可能なレッグウォーマ2とから構成されることで、下半身全体を覆い使用中にずり落ちることを防止することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2006−52478号公報
【特許文献2】実用新案登録第3118840号公報
【特許文献3】特開2007−314922号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上述した特許文献1〜3の製品は、いずれも当初の形状が予め定まったものであって(例えば、特許文献1ではベスト又は肩掛け、特許文献2と3では、筒状形状)、これら以外の使用目的で使用するときは、無理やりその形を崩して使用しなければならない。そして、それら防寒具は、その大きさが大きくなるように連結することは想定しておらず、できたとしても、隙間が生じて風が入り込んでしまったり(防寒性に欠けたり)、そのファッション性が損なわれたりする問題を有する。特に、冬の季節のスポーツ観戦やアウトドアでの防寒具の使用は、座布団や膝掛けの他、ポンチョ型の防寒服や肩掛け等のような幅広い形態が考えられるが、これらの多種の形態の形状に全て合わせることはできない問題を有する。
そして、防寒具として使用するときには、保温性を高める必要が有り、例えば、袖口(或いは腕口)や首周りは風が入り込まないもので、その収納状態もコンパクトに折り畳まれるような構造であることが理想であり、そして製造が容易なことも望まれる。
【0007】
また、防寒具としては、屋外でのスポーツやスポーツ観戦やキャンプなどのアウトドアでの使用において十分な保温性を有し、また、風が入り込む余地をできるだけ少なくする必要がある。すなわち、防寒具のうちでも、防寒着(防寒服)としては、ときに全身を覆うような大きさである必要があるとともに、その一方、着脱が容易であることが理想である。
【0008】
そこで本発明の目的は、多様な防寒具の種類に応じた形に変化させて使用できるとともに、防寒着として使用するとき、着脱が容易で、かつ、体の動きに合わせた動きができるとともに、首周りスペース等を調整することが可能な多機能防寒具を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の多機能防寒具は、綿等の中綿材が内部に入れられた外周が略四角形状のシート状部材であって、前記シート状部材は、第1の部材と第2の部材が連続する構成で、これら第1の部材と第2の部材の境界から折り返し可能に構成され、第1の部材と第2の部材の左右の対向する各辺には、互いに係止可能な第1の部材の一方の係止部と他方の係止部と、互いに係止可能な第2の部材の一方の係止部と他方の係止部とが設けられ、第1の部材の係止部は、折り返されて向かい合う第2の部材の係止部とも係止可能に構成され、このシート状部材を少なくとも2つ使用して、一方のシート状部材と他方のシート状部材とを前記一方の係止部と他方の係止部とにより横並び方向に係止するか、重ね合わせるように係止するか、又は、筒状に係止するかして一体ものとして使用する形態と、このシート状部材を2つ使用して、各々のシート状部材を各々の前記一方の係止部と他方の係止部とにより筒状に係止して一対のものとして使用する形態と、このシート状部材を2つ使用して、一方のシート状部材と他方のシート状部材とを前記第1の部材の係止部と第2の部材の係止部とにより横並び方向に係止し、前記第1の部材と第2の部材の境界から折り返した後、折り返したときの向かい合う第1の部材と第2の部材の係止部と係止部により係止した後、これらの係止状態を調整して使用する形態とを兼ね備えることを特徴とする。
ここで、前記筒状に係止する態様としては、腰巻や筒状の寝袋が考えられ、前記第1の部材と第2の部材の境界から折り返して使用する態様としては、ポンチョ型の防寒具が考えられる。筒状の寝袋としては、手や腕を外に出さないようにするが、頭以外は体全体を覆う大きさにすることが好ましい。ポンチョ型の防寒具は、前記係止具を調整して、折り返した中央部に穴(開口)を設けて頭を出したり、手や腕を折り返した境界の左右の端部側(左右の対向する各辺側)に向かって通したりして使用するか、又、手や腕を出さない態様での使用も考えられる。なお、各係止部には、線ファスナ以外に、面ファスナ、ボタン、フックなど公知の係止具を用いることができる。
【0010】
本発明によれば、少なくとも2つのシート状部材の対向する左右の各辺に備えられた係止部で係止することで、横並び方向に係止される膝掛けや座布団のような大きなシート状部材として使用できるとともに、少なくとも二枚のシート状部材から構成される大きな筒状のものを2重のクッションや腰巻として使用することもでき、他方、各々のシート状部材を互いの係止部で筒状に係止することで、筒状のマフラー(ペアのマフラー)や一対のレッグウォーマ(或いはアームウォーマ)等として使用することもできる。また、一方のシート状部材と他方のシート状部材とを前記第1の部材の係止部と第2の部材の係止部とにより横並び方向に係止し、前記第1の部材と第2の部材の境界から折り返し、折り返したときの向かい合う第1の部材と第2の部材の係止部と係止部により係止した後、これらの係止状態を調整して使用することで、先の横並び方向の係止を一部開放して首を通し、また、折り返したときの左右の境界付近(左右の対向する各辺側)の係止を一部開放して手を通すようにすると、ポンチョ型の防寒服(防寒着)として使用できる。そして、前記第1の部材と第2の部材との境界から折り曲げ可能であるから、腰巻やレッグウォーマ(或いはアームウォーマ)等として使用するとき、腰部を曲げたり、肘や膝を曲げるときでも、上記境界での折り返しでその動きに追従するスムーズな動きが確保される。なお、前記係止部を調整して、折り返した中央部に穴(開口)を設けて頭を出すが、手や腕を外部に出さない(左右辺側部の係止部は全部を係止したままの状態で)、ポンチョ型の寝袋としての使用形態も考えられる。
【0011】
本発明としては、前記シート状部材を少なくとも2つ使用して、一方のシート状部材と他方のシート状部材とを前記一方の係止部と他方の係止部により筒状に係止して使用するとき、前記一方の係止部と他方の係止部とが係止可能な線ファスナで構成され、この線ファスナが前記左右の対向する各辺の端部で係止合わせされてから、前記第1と第2の部材の境界の位置に向かって係止する構造であることが好ましい。前記線ファスナは、分離可能な線ファスナとも呼ばれ、一方側がエレメントとスライダで構成され、他方側がエレメントのみで構成されることが多いが、この場合は、一方のエレメントと他方のエレメントがスライダーにより歯合されてから、前記第1と第2の部材の境界の位置に向かって係止する。
本発明によれば、前記線ファスナを使用するので、シート状部材の係止部間をほとんど隙間なく係止することで、防寒性の向上が図られる。そして、腰巻等(腹巻を含む。)の筒状として使用するとき、例えば、腰部から上方側を第1の部材とするときは、線ファスナを腰から上方に引き上げるようにして係止を解除し、腰部から下方側を第2の部材とするとき、線ファスナを腰から下方に引き下げるようにして、脱ぐことができる。なお、着用するためには、対応する線ファスナを係止させるが、筒状に係止してから、履くようにして身に付けることも可能である。
【0012】
本発明としては、前記シート状部材を2つ使用して、一方のシート状部材と他方のシート状部材とを前記第1の部材の係止部と第2の部材の係止部とにより横並び方向に係止し、前記第1と第2の部材の境界から折り返されて使用されるとき、前記第1と第2の部材の向かい合う係止部と係止部が係止可能な線ファスナであり、この線ファスナが前記左右の対向する各辺の端部で係止合わせされてから第1と第2の部材の境界の位置に向かって係止する構造であることが好ましい。前記線ファスナは、分離可能な線ファスナとも呼ばれ、一方側がエレメントとスライダで構成され、他方側がエレメントのみで構成されることが多いが、この場合は、一方のエレメントと他方のエレメントがスライダーにより歯合されてから、前記第1と第2の部材の境界の位置に向かって係止する。
本発明によれば、線ファスナを使用するので、シート状部材の係止部間をほとんど隙間なく係止することで、防寒性の向上が図られる。そして、ポンチョ型の防寒着として使用されるとき、例えば、首周りスペースは、頭を通すために、線ファスナを一旦下げるようにして開口した後、線ファスナを上方に上げて、首周りスペースを狭めることで、風の進入を防止し、又、手や腕周りスペースは、手や腕を通すために、線ファスナを一旦下げるようにして開口状態を確認した後、線ファスナを上方に上げて、手や腕周りスペースを狭めることで、風の進入を防止する。なお、脱ぐときは、先の係止部である中央前方の線ファスナを引き下げるだけで容易に脱ぐことが出来る。
【発明の効果】
【0013】
本発明の多機能防寒具によれば、少なくとも2つ以上のシート状部材は、そのシート状部材の左右の両辺に備えられた係止部で互いに係止したり取り外したりすることで、容易且つ簡単に形状を変更することができる。係止(連結)された少なくとも2つ以上のシート状部材から、膝掛け、座布団、腰巻等の防寒具を容易且つ早急に組み立てて様々な防寒具へ転用することができるとともに、それら係止(連結)された防寒具を分離して、独立した2つのシート状部材を各々の係止部で係止して筒状に形成することで、ペアのマフラーや座布団を組み立てることができる。そして、前記シート状部材は、第1の部材と第2の部材が連続する構成で、これら第1の部材と第2の部材の境界から折り返し可能に構成されるので、係止(連結)部を一部開放して首を通し、折り返したときの境界の左右の端部側へ手を通すようにすると、ポンチョ型の防寒服として使用することができるが、首周りスペースや手や腕周りスペースを係止部で調整可能で、これにより首周りスペースや手・腕周りスペースに風の侵入を防止することができる。また、係止部として線ファスナを使用して、前記左右の対向する各辺の端部で係止合わせされてから第1と第2の部材の境界の位置に向かって係止する構造であることにより、防寒着としての着脱を容易にすることが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の第1の実施形態の多機能防寒具を構成する2つの構成部品の一方の構成部品を説明する図であり、図1(a)は一方の構成部品Aの正面図であり、図1(b)はその背面図であり、図1(c)はその平面図であり、図1(d)はその底面図であり、図1(e)はその左側面図であり、図1(f)はその右側面図である。
【図2】本発明の第1の実施形態の多機能防寒具を構成する2つの構成部品の他方の構成部品を説明する図であり、図2(a)は他方の構成部品Bの正面図であり、図2(b)はその背面図であり、図2(c)はその平面図であり、図1(d)はその底面図であり、図2(e)はその左側面図であり、図2(f)はその右側面図である。
【図3(a)(b)】上記第1の実施形態の多機能防寒具を膝掛けとして使用する例を説明する図であり、図3(a)はその正面図であり、図3(b)はその背面図である。
【図3(c)(d)(e)(f)】上記第1の実施形態の多機能防寒具を膝掛けとして使用する例を説明する図であり、図3(c)はその平面図であり、図3(d)はその底面図であり、図3(e)はその左側面図であり、図3(f)はその右側面図である。
【図4(a)(b)(c)(d)(e)(f)】上記第1の実施形態の多機能防寒具を腰巻として使用する例を説明する図であり、図4(a)はその正面図であり、図4(b)はその背面図であり、図4(c)はその平面図であり、図4(d)はその底面図であり、図4(e)はその左側面図であり、図4(f)はその右側面図である。
【図4(g)】上記第1の実施形態の多機能防寒具を腰巻として使用する例を説明する図であり、図4(g)はその使用状態を示す図である。
【図5(a)】上記第1の実施形態の多機能防寒具をポンチョ型の防寒着として使用する例を説明する図であり、図5(a)は係止過程を説明する2つの構成部品であるシート状部材を連結(係止)した状態の正面図である。
【図5(b)(c)(d)(e)】上記第1の実施形態の多機能防寒具をポンチョ型の防寒着として使用する例を説明する図であり、図5(b)は製造された防寒着の正面図であり、図5(c)は製造された防寒着の背面図であり、図5(d)は製造された防寒着の平面図であり、図5(e)は製造された防寒着の底面図である。
【図5(f)(g)(h)】上記第1の実施形態の多機能防寒具をポンチョ型の防寒着として使用する例を説明する図であり、図5(f)は製造された防寒着の左側面図であり、図5(g)は製造された防寒着の右側面図であり、図5(h)は製造された防寒着の使用状態を示す図である。
【図6】上記第1の実施形態の多機能防寒具を第2のポケットに収納した状態を示す図であり、図6(a)はその正面図であり、図6(b)はその背面図であり、図6(c)はその右側面図であり、図6(d)はその平面図である。
【図7】上記第1の実施形態の多機能防寒具を第1のポケットに収納した状態を示す図であり、図7(a)はその正面図であり、図7(b)はその背面図であり、図7(c)はその右側面図であり、図7(d)はその平面図である。
【図8】上記第1の実施形態の多機能防寒具の構成部品を独立して使用する例を説明する図であり、図8(a)はその正面図であり、図8(b)はその右側面図であり、図8(c)はその平面図である。
【図9】上記第1の実施形態の多機能防寒具の他の形状を説明する図であり、図9(a)は2つの構成部品であるシート状部材を連結した状態の正面図であり、図9(b)は第1の部材と第2の部材の境界から折り返した状態の正面図であり、図9(c)は第1の部材と第2の部材の境界から折り返した状態の背面図である。
【図10】上記第1の実施形態の多機能防寒具の他の形状を説明する図であり、図10(a)は2つの構成部品であるシート状部材を連結した状態の正面図であり、図10(b)は第1の部材と第2の部材の境界から折り返した状態の正面図であり、図10(c)は第1の部材と第2の部材の境界から折り返した状態の背面図である。
【図11】上記第1の実施形態の多機能防寒具の他の形状を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明を実施するための形態を図面を引用しながら説明する。
【0016】
本実施の形態の多機能防寒具は、図1及び図2に示すように、一方のシート状部材Aと他方のシート状部材Bとからなり、これらは同じ形状の大きさ(対向する上下の辺1a,1cの長さが約50〜70cm程度で、対向する左右の各辺1b,1dの長さが約130〜160cm程度の長方形状)のものである。そして、各シート状部材(構成部品)A,Bは、第1の部材A1,B1と第2の部材A2,B2が連続する構成で、これら第1の部材A1,B1と第2の部材A2,B2の境界As,Bsから折り返し可能に構成され、折り返したときの大きさが人の上半身を少なくとも覆うほどの大きさであり(図5(h)参照)、一方のシート状部材Aと他方のシート状部材Bとを筒状に係止したときの大きさが人の上半身のみならず下半身も覆うほどの大きさである(図4(g)参照)。
一方のシート状部材Aと他方のシート状部材Bは、中綿材として綿が空気とともに内部に入れられている。空気の層を作ることにより暖かさを保つ(体温を逃がさない)構造である。中綿材としては、綿、羽毛、スポンジなど公知のものを用いることができる。生地は、撥水加工されたナイロン生地である。すなわち、シート状部材A,Bの生地は、ダウンジャケットやスキーウエア等の生地が使用され、表面に撥水加工が施されている。また、シート状部材A,Bの生地は、ダウンが生地から出てこないようにダウンプルーフ加工(若しくはウレタン樹脂などを用いたコーティング加工やラミネート加工による防水加工)がなされており、防風性に優れ防寒具内への寒風の侵入を防ぐ。また、制電加工も施されていると良い。なお、生地は、ナイロン生地の他に、ポリエステル生地など他の素材のものであっても良い。また、中綿と共に空気を入れ、所定の縫合部Nを設けることで、凹凸のあるダウンジャケットのように構成することも可能である。
【0017】
シート状部材A,Bは、その上下の対向する各辺1a,1c及びその左右の対向する各辺1b,1dは共に直線状であり、全体が四角形(平面で長方形)を呈している。そして、左右の対向する各辺1b,1dに亘って、上下の対向する各辺1a,1cに対して平行な直線状の縫合部Nが複数本(第1の部材A1だけで9本)配され、これにより内部の中綿材と空気が複数段で区画(第1の部材A1だけで10区画)されている。また、格子状にキルティングされているものであっても良い。
また、シート状部材AとBは、第1の部材A1,B1と第2の部材A2,B2が連続する構成で、これら第1の部材A1,B1と第2の部材A2,B2の境界As,Bsから折り返し可能に構成され、折り返すと第1の部材A1,B1と第2の部材A2,B2とが丁度重なり合う対称な形状(長方形状)に構成され、このとき係止部(例えばA1a)と係止部(例えばA2a)は向かい合い、係止可能な状態になる。第1の部材A1,B1と第2の部材A2,B2との境界As,Bsには、折り返しし易いように、係止部(線ファスナ)は設けられていない。係止部(線ファスナ)が設けられていないため、左右の各辺1b,1dの中央に凹状の窪みAk,Bkが形成されている。また、上記凹状の窪みAk,Bkは、シート状部材A,Bの上下の対向する各辺1a,1cの中央にも各々設けて、この上下の対向する各辺1a,1cの中央からも折り返しし易いようにしても良い。
【0018】
シート状部材A,Bには、各々第1の部材A1,B1と第2の部材A2,B2とが設けられるが、第1の部材A1,B1の左右の各辺1b,1dには、互いに係止可能な一方の係止部A1a,B1aと他方の係止部A1b,B1bが各々設けられている。また、第2の部材A2,B2の左右の各辺1b,1dには、互いに係止可能な一方の係止部A2b,B2bと他方の係止部A2a,B2aが各々設けられている。
上記各係止部としては、ファスナ(線ファスナ、面ファスナ等)やボタン等を使用できるが、本実施の形態では、線ファスナを採用した。つまり、一方の係止部A1a(若しくは一方の係止部B1a)は、エレメント(噛み合う部分であり、務歯頭部とも言いい、これが噛み合うことでファスナの働きをする。)Feと、スライダー(ファスナを開閉する時に、エレメントをかみ合わせたり離したりする役目をする。)Fsからなり、他方の係止部A1b(若しくは他方の係止部B1b)では、エレメントFeのみからなる構成のファスナである(係止可能な線ファスナとも呼ばれる。)。係止部としては、上述したように、線ファスナ以外でも面ファスナやボタン等でも良いが、線ファスナを用いた場合には、風の侵入の遮断効果が高い。なお、リバーシブル仕様の両面タイプの線ファスナを採用しても良い。
線ファスナは、図1(a)において、シート状部材Aの第1の部材A1の右辺1bはエレメントFeとスライダーFsが設けられ(一方の係止部A1a)、左辺1dはエレメントFeのみ設けられ(他方の係止部A1b)、第2の部材A2の右辺1bはエレメントFeのみ設けられ(他方の係止部A2a)、左辺1dはエレメントFeとスライダーFsが設けられている(一方の係止部A2b)。また、図2(a)において、シート状部材Bの第1の部材B1の左辺1dはエレメントFeのみ設けられ(他方の係止部B1b)、右辺1bはエレメントFeとスライダーFsが設けられ(一方の係止部B1a)、第2の部材B2の左辺1dはエレメントFeとスライダーFsが設けられ(一方の係止部B2b)、右辺1bはエレメントFeのみ設けられている(他方の係止部B2a)。図1(a)において、一方のシート状部材Aの第1の部材A1の一方と他方の係止部A1a,A1bは、互いに係止し合うほか(左右の対向する側同士が係止し合うほか)、第1の部材A1の係止部A1aとA1bは、各々第2の部材A2の係止部A2aとA2bとも、第1の部材A1と第2の部材A2の境界Asから折り返したときに各々係止可能に構成されている。同じように、図2(a)において、他方のシート状部材Bの第1の部材B1の一方と他方の係止部B1a,B1bは、互いに係止し合うほか(左右の対向する側同士が係止し合うほか)、第1の部材B1の係止部B1a,B1bは、各々第2の部材B2の係止部B2a,B2bとも、第1の部材B1と第2の部材B2の境界Bsから折り返したときに係止可能に構成されている。なお、第1の部材と第2の部材の境界As,Bsの凹部近傍に、上記線ファスナが容易に開閉しないようにボタンや面ファスナを更に加えて取り付けることが良い。
【0019】
各構成部品のシート状部材A,Bに、ポケットP1,P2が設けられている。ポケットP1,P2は、シート状部材A,Bを折り畳んで収納するもので、一方のシート状部材Aに、大きな第1のポケットP1と小さな第2のポケットP2が設けられ、他方のシート状部材Bに、小さな第2のポケットP2が設けられている。大きな第1のポケットP1は、対向する上下の各辺に亘る大きさのもので、この大きさの第1のポケットP1であれば、シート状部材Aのみでも、シート状部材A,Bを連結した状態でも収納できる。本実施の形態では、一方のシート状部材Aにのみ第1のポケットP1が設けられているが、他方のシート状部材Bにも設けることは可能である。第2のポケットP2は、一方と他方のシート状部材A,Bの両方に設けられ、第1のポケットP1の辺の長さの半分の大きさで、面積としては4分の1の大きさである。ポケットP1,P2は、対向する上下の各辺に沿うように設けられている。これらの位置は、ポケットP1若しくはP2が設けられていない側の辺から巻回したり、このポケットP1,P2の位置に追い込むように折り畳んで収納することを考慮したものである。小さな第2のポケットP2に収納する場合は、図6(a)〜(d)に示すように、小さなペアの座布団やクッションにした状態になり、大きな第1のポケットP1に収納する場合は、図7(a)〜(d)に示すように、図6の場合よりも面積で4倍の大きさになる。
なお、ポケットP1,P2は、ポンチョなどの防寒着等として使用するとき、服のポケット(内側であるか外側であるかを問わない)としても使用可能である。また、本実施の形態のポケットは、開口部が開口されたままのものであるが、線ファスナ等で開閉させることも可能である。また、ポケットP1,P2には、ポケットP1,P2の大きさでクッションや座布団として使用することを考慮して縫合部Nは設けられていない。
【0020】
次に、本実施の形態の多機能防寒具の使用例を説明する。図3〜図8は、多機能防寒具の使用例を説明する図である。
まず、膝掛けHKとして使用するときは、図3(a)〜(f)に示すように、例えば、一方と他方のシート状部材A,Bの係止部A1bとB1aと、一方と他方のシート状部材A,Bの係止部(線ファスナ)A2bとB2aとを連結(係止)する。上記係止部A1bとB1aとの係止、係止部A2bとB2aとの係止のいずれも、線ファスナを左右の対向する各辺1b,1dの端部で係止合わせされてから第1と第2の部材の境界As,Bsの位置に向かって係止することで(図3(a)の矢印参照)、膝掛けHKとして使用する。本実施の形態の一方と他方のシート状部材A,Bの長手方向の長さ(対向する左右の各辺1b,1dの長さ)が約130〜160cm程度であるから、この程度の大きさの膝掛けHKは、一人で使用しても良いが、二人(ペア)で並んでひざ掛けとして使用することも出来る。中央の折り返ライン(As,Bs)から半分ずつとしたり、係止部である線ファスナから半分ずつとしたりして、二人(ペア)同時使用の膝掛けHKとなる。なお、シート状部材A,Bの左右の対向する各辺1b,1dに耳部を設け、外部から線ファスナが認識されないようにしても良いが、本実施の形態では、素早い着脱を考慮して、上記耳部は設けられていない。
【0021】
次に、腰巻KMとして使用するときは、図4(a)〜(g)に示すように、一方のシート状部材Aと他方のシート状部材Bとの左右両側の2箇所を係止して筒状にした場合は、腰巻(或いは寝袋)KMとして使用できる。この際、線ファスナを左右の対向する各辺1b,1dの端部で係止合わせされてから第1と第2の部材の境界As,Bsの位置に向かって係止する。本実施の形態の腰巻(第1の腰巻)KMは、一方と他方のシート状部材A,Bの長手方向の長さ(対向する左右の各辺1b,1dの長さ)が約130〜160cm程度であるから、腰巻KMとして使用すると、腰部を境にして足全体を第1や第2の部材A2,B2が覆うことになり、上半身も第1や第2の部材A1,B1が覆うことになる。そして、第1の部材A1,B1と第2の部材A2,B2の境界As,Bsから折り返し可能に構成されているので、上半身と下半身が折り曲げられるようになっても、その動きに追随することなる。筒状にしてから装着しても良いが、腰に巻付けてから、一方の係止部A1a,A2b,B1a,B2bと他方の係止部B1b,B2a,A1b,A2aとを係止合わせしても、一方の線ファスナA1a,A2b,B1a,B2bのスライダーFsを丁度腰の位置に持ってくるように係止することで筒状にでき、逆に、脱ぐときは、腰部から上方と下方にスライダーFsを移動させれば良い(図4(e)(f)中の矢印がスライダーFsによる線ファスナの開放方向を示している。)。
また、腰巻としての着用の仕方としては、腰から下は筒状に覆うが腰から上は開放させた状態(体に巻き付けるだけ)とすることもでき、例えば、第2の部材A2とB2を係止部A2bとB2a,A2aとB2bで係止させるが、第1の部材A1とB1は係止させない状態とする、腰巻(第2の腰巻)とすることもできる。
そして、これら第1の腰巻と第2の腰巻の形状のままこれらを防寒用の寝袋(第1の寝袋)とする使用態様も考えられる。この場合の寝袋とするときは、頭まで覆うくらいに、シート状部材A,Bの長手方向の長さを構成すれば、筒状の簡易な寝袋として使用可能である。また、筒状に係止した状態の一方又は他方のシート状部材A,Bのいずれか一方の左右の各辺1b,1dを長くすることにより(更に長くした部分を折り畳み可能することにより)、長くなったその部分を寝袋として使用したときの枕としても利用できる。
【0022】
次に、ポンチョ型の防寒着PBとして使用するときは、まず図5(a)に示すように、一方のシート状部材Aと他方のシート状部材Bとを、一方のシート状部材Aの係止部A1a,A2aと他方のシート状部材Bの係止部B1b,B2bとにより横並びに係止させる(以下、「先の係止部」と言う。)。この際、線ファスナを左右の対向する各辺1b,1dの端部で係止合わせされてから第1と第2の部材の境界As,Bsの位置に向かって係止する(図5(a)の矢印参照)。次に、第1の部材A1,B1と第2の部材A2,B2の境界As,Bsから折り返すと、第2の部材A2,B2が胸側を覆う部分となり(図5(b))、第1の部材A1,B1が背中側を覆う部分となる(図5(c))。そして、上記境界As,Bsから折り返したときに向かい合う第1の部材A1の係止部A1bと第2の部材A2の係止部A2bが係止可能な線ファスナであり、同じく向かい合う第1の部材B1の係止部B1aと第2の部材B2の係止部B2aが係止可能な線ファスナであり、この線ファスナが前記左右の対向する各辺の端部で係止合わせされてから第1と第2の部材の境界As,Bsの位置に向かって係止することで、左右の手や腕周りスペース(開口)At,Btを形成する(図5(b)の下方の左右の矢印参照)。なお、図5(a)〜(h)は、中綿材がある程度の厚みを有する中綿材を使用したもので、その多機能防寒具を人(あるいは人形)に着せた状態を想定した図である。
次に、先の係止部に、頭を通すために、首周りスペースKの開口の大きさを、その位置の係止部である線ファスナで調節する(図5(b)の中央の矢印参照)。一方、手や腕周りスペースAt,Btも首周りスペースKと同様に係止した後、これらの係止状態を調節するが、冬の寒い日であれば、その開口を出来るだけ小さくして、風が入らないようにし、暑いときは開口を大きくする(図5(b)の左右の中央の矢印参照)。通常は、先の係止部の背中側の係止部はすべて係止させたままにして、胸側(首の前方)のみ線ファスナのスライダーFsで調節しても良い。なお、図5(a)〜(h)は、首周りスペースKとして、胸側も背中側も同じだけ開放した状態の図であり、後述する図11は、首周りスペースKとして係止部の胸側だけ開放した状態の図である。首周りスペースKを胸側、背中側ともに大きく広げると、ポンチョ型の防寒着PBの左右の肩部分も外方に広がり、肩部分がやや円弧形状になる(図5(b)(c)参照)。
また、ポンチョ型の防寒着PBの前記境界As,Bsから折り返したときの背中側を構成する第1の部材A1,B1の左右の各辺1b,1dの長さを、胸部側を構成する第2の部材A2,B2の左右の各辺1b,1dよりも長くすることにより、尻部の防寒性を高めても良い。
【0023】
一方、中綿材を使用しても薄い中綿材を使用した多機能防寒具(防寒着)である場合は、図11に示すような、型崩れしたような使用状態(特に肩部分が垂れ下がった状態)になる。
また、上記ポンチョ型の防寒着から直ちにポンチョ型の防寒用寝袋(第2の寝袋)として使用される形態にすることができる。つまり、図5(a)〜(h)や図11の形態を、肩から足まで覆うような更に一回り大きな一方と他方のシート状部材A,Bを使用するとともに、左右の手や腕周りは、その開口(スペース)At,Btを開けずに係止したままとすれば、簡易なポンチョ型の防寒用寝袋となる。なお、対向する上下の各辺1a,1cにも互いに係止可能な一方の係止部と他方の係止部とを設けることで、中央の首周りスペースK以外は開口部のない寝袋が出来上がる。
【0024】
次に、上記各構成物品のシート状部材A,Bを2つ使用して、各々のシート状部材A,Bを各々の前記一方の係止部A1a,A2b(B1a,B2b)と他方の係止部A1b,A2a(B1b,B2a)とにより筒状に係止して一対のものとして使用する形態が可能である。ここでは、ペアマフラーMFとしての例を説明するが、レッグウォーマやアームウォーマとして使用することができる。
ペアマフラーMFとしては、図1(a)(b)と図2(a)(b)に示すように、長方形状の一方のシート状部材Aを一方の係止部A1a,A2bと他方の係止部A1b,A2aにより係止し、他方のシート状部材Bを一方の係止部B1a,B2bと他方の係止部B1b,B2aにより各々係止すると、図8(a)〜(c)に示すように、長尺なマフラーMFが一対形成される。なお、図8(a)〜(c)は、ポケットP1,P2が筒状の内側になるように係止されている図である。この場合も、一方の係止部A1a,A2b(B1a,B2b)であるスライダーFsを有する線ファスナが前記左右の対向する各辺1b,1dの端部で係止合わせされてから、第1と第2の部材の境界As,Bsの位置に向かって係止する構造である。このマフラーMFは、各々縫合部Nが多数形成されているので、首に巻き回し易い構造である。
【0025】
また、上記と同じようにして、レッグウォーマやアームウォーマとして使用することができる。すなわち、上記各実施の形態よりも小さなものを使用して、前記第1の部材A1,B1と第2の部材A2,B2の境界As,Bsの位置を、膝や肘のような折り曲げる位置に対応させて使用することが好ましい。この場合の使用形態は図示しないが、前記第1の部材と第2の部材の境界As,Bs部分の左右端部には凹状の窪みAk,Bkが設けられているので、膝や肘のような曲げ関節の動きにマッチングさせることができる。このようなレッグウォーマ等は、膝下から膝上までを防寒することとなる。
【0026】
次に、座布団やクッションとして使用するときは、図7(a)〜(d)と図6(a)〜(d)に示すように、ポケットP1,P2に収納した状態で使用する。大きな第1のポケットP1は、一方のシート状部材Aと他方のシート状部材Bとを各々折り畳んで収納しても良いが、一方のシート状部材Aと他方のシート状部材Bとを横並び方向に係止したり、筒状に係止したりして一体ものとして使用する形態で、折り畳んで収納させる場合に便利である。小さな第2のポケットP2は、一方のシート状部材Aと他方のシート状部材Bとを各々の幅の中央から折り畳んでそれぞれ収納して、一対のもの(ペア)にして使用できる。いずれも形を整えたり、所定の厚さに整えたりできる他、持ち運びがし易くなる。
【0027】
次に、上記実施の形態の変形例としては、図9(a)〜(c)と図10(a)〜(c)に示すように、第1の部材A1,B1と第2の部材A2,B2の対向する左右の各辺1b,1dを斜め直線に構成するものでも良い。中央に向かって幅を狭めるように斜め直線にすると、第1の部材A1,B1と第2の部材A2,B2の境界As,Bsから折り返して、ポンチョ型の防寒着としたとき、肩幅の狭い(袖のない)ポンチョ型の防寒着となる(図9(b)(c))。一方、中央に向かって幅を広めるように斜め直線にすると、第1の部材A1,B1と第2の部材A2,B2の境界As,Bsから折り返して、ポンチョ型の防寒着としたとき、肩幅の広い(袖のある)ポンチョ型の防寒着となる。このように、構成部品としては正確な四角形状である必要はなく、略四角形状であって、前記第1の部材A1,B1と第2の部材A2,B2が対称で、前記第1の部材と第2の部材の境界で折り返すと丁度重なることが必要である。なお、上記斜め直線を曲線とすることもできるが、線ファスナが引っかかったり、スムーズな線ファスナ操作ができないおそれがあるので好ましくない。ただし、係止部として線ファスナを使用しないで、ボタンや面ファスナ等を使用するときは、曲線であっても良い。
このような本発明の多機能防寒具は、スポーツ観戦するときや(防寒着としたり腰巻や座布団としたりする。)、レジャーウエアとしたり、スポーツするとき、例えばベンチコートとして、控え選手でいるときに用いたり、途中交代した選手が体の一部を覆うときに使用したりする場合に好適である。
【0028】
以上、上述した本発明の実施の形態では、シート状部材(一方のシート状部材及び他方のシート状部材)A,Bを2個使用した多機能防寒具を例に説明したが、シート状部材A,Bを3個以上係止して使用して大きな座布団や大きな膝掛けHKとして使用し、また、自動車等の座席シートのクッション等としても使用することも可能である。また、シート状部材A,Bを対向する上下の各辺1a,1cにも係止部を設けて係止させることも可能である。このように、本発明は、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更が可能であることは言うまでもない。
【符号の説明】
【0029】
A 一方のシート状部材(構成部品)、
B 他方のシート状部材(構成部品)、
1a,1c 上下の対向する辺、
1b,1d 左右の対向する辺、
A1a,B1a,A2b,B2b 係止部(一方の係止部:線ファスナ)、
A1b,B1b,A2a,B2a 係止部(他方の係止部:線ファスナ)、
N 縫合部、
A1,B1 第1の部材、
A2,B2 第2の部材、
As,Bs 第1の部材と第2の部材の境界、
HK 膝掛け、
KM 腰巻、
PB ポンチョ型の防寒着、
Ak,Bk 凹状の窪み、
P1,P2 ポケット、
K 首周りスペース(開口)、
At,Bt 手や腕周りスペース(開口)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
綿等の中綿材が内部に入れられた外周が略四角形状のシート状部材であって、
前記シート状部材は、第1の部材と第2の部材が連続する構成で、これら第1の部材と第2の部材の境界から折り返し可能に構成され、第1の部材と第2の部材の左右の対向する各辺には、互いに係止可能な第1の部材の一方の係止部と他方の係止部と、互いに係止可能な第2の部材の一方の係止部と他方の係止部とが設けられ、第1の部材の係止部は、折り返されて向かい合う第2の部材の係止部とも係止可能に構成され、
このシート状部材を少なくとも2つ使用して、一方のシート状部材と他方のシート状部材とを前記一方の係止部と他方の係止部とにより横並び方向に係止するか、重ね合わせるように係止するか、又は、筒状に係止するかして一体ものとして使用する形態と、
このシート状部材を2つ使用して、各々のシート状部材を各々の前記一方の係止部と他方の係止部とにより筒状に係止して一対のものとして使用する形態と、
このシート状部材を2つ使用して、一方のシート状部材と他方のシート状部材とを前記第1の部材の係止部と第2の部材の係止部とにより横並び方向に係止し、前記第1の部材と第2の部材の境界から折り返した後、折り返したときの向かい合う第1の部材と第2の部材の係止部と係止部により係止した後、これらの係止状態を調整して使用する形態とを兼ね備えることを特徴とする多機能防寒具。
【請求項2】
前記シート状部材を少なくとも2つ使用して、一方のシート状部材と他方のシート状部材とを前記一方の係止部と他方の係止部により筒状に係止して使用するとき、前記一方の係止部と他方の係止部とが係止可能な線ファスナで構成され、この線ファスナが前記左右の対向する各辺の端部で係止合わせされてから前記第1と第2の部材の境界の位置に向かって係止する構造であることを特徴とする請求項1記載の多機能防寒具。
【請求項3】
前記シート状部材を2つ使用して、一方のシート状部材と他方のシート状部材とを前記第1の部材の係止部と第2の部材の係止部とにより横並び方向に係止し、前記第1と第2の部材の境界から折り返されて使用されるとき、前記第1と第2の部材の向かい合う係止部と係止部が係止可能な線ファスナであり、この線ファスナが前記左右の対向する各辺の端部で係止合わせされてから第1と第2の部材の境界の位置に向かって係止する構造であることを特徴とする請求項1記載の多機能防寒具。


【図1】
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【図2】
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【図3(a)(b)】
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【図3(c)(d)(e)(f)】
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【図4(a)(b)(c)(d)(e)(f)】
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【図4(g)】
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【図5(a)】
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【図5(b)(c)(d)(e)】
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【図5(f)(g)(h)】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2011−69004(P2011−69004A)
【公開日】平成23年4月7日(2011.4.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−218977(P2009−218977)
【出願日】平成21年9月24日(2009.9.24)
【出願人】(000184687)小松精練株式会社 (110)
【Fターム(参考)】