多段マルチリーフコリメータ及び放射線治療装置
【課題】 従来、照射野設定が装置操作者の経験・技量に依存することから、回転可能なマルチリーフコリメータの回転角度を最適化することが出来ないという問題点があった。
【解決手段】 ビーム照射方向に間隔をおき各々が複数リーフでなるリーフ群が同一平面内に対向配置され、ビーム垂直の方向の照射目標に対する照射野を任意形成する第1及び第2のマルチリーフコリメータ4,5と、このコリメータ4,5をビーム光軸方向の共通軸廻りに互いに回転する回転手段とを備え、コリメータ4,5のリーフ群がビーム照射目標に外接または内接する位置で各々形成するそれぞれの照射野が重複して形成するビーム照射野の面積を計算し、回転手段により設定される任意の回転位置におけるビーム照射野の面積を比較し、上記内接の場合にはその面積最小となる回転位置を、また、上記外接の場合にはその面積最大となる回転位置を最適回転角として計算するようにした。
【解決手段】 ビーム照射方向に間隔をおき各々が複数リーフでなるリーフ群が同一平面内に対向配置され、ビーム垂直の方向の照射目標に対する照射野を任意形成する第1及び第2のマルチリーフコリメータ4,5と、このコリメータ4,5をビーム光軸方向の共通軸廻りに互いに回転する回転手段とを備え、コリメータ4,5のリーフ群がビーム照射目標に外接または内接する位置で各々形成するそれぞれの照射野が重複して形成するビーム照射野の面積を計算し、回転手段により設定される任意の回転位置におけるビーム照射野の面積を比較し、上記内接の場合にはその面積最小となる回転位置を、また、上記外接の場合にはその面積最大となる回転位置を最適回転角として計算するようにした。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は放射線治療装置の照射野を患部の形状に合わせるためのマルチリーフコリメータ及びそれを用いた放射線治療装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
図11は特公平7−67491号公報に示された従来の装置の構成図であり、図において(19)は荷電粒子ビームの照射方向及びその中心軸、(4)は第1のマルチリーフコリメータ、(5)は第2のマルチリーフコリメータ、(9)は患者である。
【0003】
次に動作について説明する。患者の患部形状、放射線の照射線量を制限すべき注意臓器(OAR)の位置関係等から計画標的体積(PTV)及び照射方向を決め、照射方向から見た計画標的体積の形状に合わせるようにマルチリーフコリメータのリーフ位置を決める。第1のマルチリーフコリメータ(4)及び第2のマルチリーフコリメータ(5)のリーフ位置及び第2のマルチリーフコリメータ(5)の回転角度は治療計画装置に入力して線量分布及び照射線量を計算する。治療計画装置で決められたマルチリーフのリーフ位置データは放射線治療装置に転送されコリメータに内蔵された制御装置により設定される。第1のマルチリーフコリメータ(4)及び第2のマルチリーフコリメータ(5)によりX線の照射野は計画標的体積にあわせるように制限され照射される。X線照射野を小さくするには、装置操作者が経験に基づき、回転可能なマルチリーフコリメータ(5)の回転角度を何回か変えて治療計画を行って照射野を求め、その中から最少面積の回転角度を選択するという方法が取られていた。
【0004】
【特許文献1】特公平7−67491号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来の多段型マルチリーフコリメータは以上のように構成されているので、照射野の設定が装置操作者の経験・技量に依存することから、回転可能なマルチリーフコリメータの回転角度を最適化することが出来ないという問題点があった。
【0006】
この発明は上記のような問題点を解消するためになされたもので、回転可能な多段マルチリーフコリメータの回転角度を最適化し、患部形状に自動的にマルチリーフコリメータの回転角度及びリーフ位置の設定を行う装置を得ることを目的としており、さらにこの装置を放射線治療装置に組み込むことにより正常組織への被曝を低減できる治療方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1に係る多段マルチリーフコリメータは、ビームの照射方向に間隔をおき配置されるとともに、各々が複数個のリーフでなるリーフ群が同一平面内に対向配置され、上記ビームに垂直な方向のビーム照射目標に対する照射野を任意に形成する第1及び第2のマルチリーフコリメータと、この第1及び第2のマルチリーフコリメータを上記ビームの光軸方向の共通な軸廻りに互いに回転する回転手段と、上記第1及び第2のマルチリーフコリメータのリーフ群が上記ビーム照射目標に外接または内接する位置で各々形成する第1及び第2の照射野が重複して形成するビーム照射野の面積を計算する照射野面積計算手段と、上記回転手段により設定される任意の回転位置における上記ビーム照射野の面積を比較し、上記内接の場合にはその面積最小となる回転位置を最適回転角として、また、上記外接の場合にはその面積最大となる回転位置を最適回転角として計算する最適回転角計算手段とを備えたことを特徴とするものである。
【0008】
請求項2に係る多段マルチリーフコリメータは、上記第1及び第2のマルチリーフコリメータが、それぞれの上記リーフ群を構成する上記リーフの配列方向が同一で、かつ、上記リーフが幅方向において上記ビームの照射方向に部分的に重なっていることを特徴とする請求項1に記載のものである。
【0009】
請求項3に係る多段マルチリーフコリメータは、上記照射野面積計算手段が、予め設定されたステップ角毎に回転された上記第1及び第2のマルチリーフコリメータの照射野が重複して形成するビーム照射野の面積を計算するとともに、上記最適回転角計算手段が、上記ステップ角毎のビーム照射野の面積を比較し、その面積最小または最大となるステップ角度を最適回転角として算出することを特徴とする請求項1に記載のものである。
【0010】
請求項4に係る多段マルチリーフコリメータは、上記第1及び第2のマルチリーフコリメータが、対向するリーフのエッジ辺が上記ビーム照射目標の輪郭周に接する位置を外接位置とし、上記エッジ辺の両端点が上記ビーム照射目標の輪郭内または輪郭周上となる位置を内接位置とし、ビーム照射目標に対する照射野を形成することを特徴とする請求項1に記載のものである。
【0011】
請求項5に記載の放射線治療装置は、ビーム照射目標の画像データを得るX線CT装置と、電子線源からの電子線を受けビームを発生するターゲットと、上記X線CT装置により得られたビーム照射目標データを用い最適回転角を算出する最適回転角計算手段を有する請求項1から4のいずれか一項に記載の多段マルチリーフコリメータと、算出された上記最適回転角に基づき第1及び第2のマルチリーフコリメータの回転位置を制御するコリメータ制御手段と、上記ビーム照射目標データと上記第1及び第2のマルチリーフコリメータの回転位置に基づき上記ターゲットから発生するビーム照射目標に対するビームの線量分布及び照射線量を制御するビーム制御手段とを備えたことを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0012】
以上のように、この発明によれば回転可能な第1及び第2のマルチリーフコリメータの回転角度を最適化する計算機能を組み込んだので、最適な放射線治療の解が簡単でしかも精度よく得られる効果がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
実施の形態.
以下、この発明の実施の形態を図について説明する。図1は放射線治療装置のコリメータの一部と患者とを示す側面図、図2は正面図である。図1、図2において(1)は電子線、(2)はX線を発生させるためのターゲット、(3)はターゲット2で発生したX線(以下、適宜「ビーム」ともいう)である。このビームの線量分布、照射線量は、図示されていないビーム制御手段によりコントロールされる。(4)はX線(3)の照射野を限定するための1段目のマルチリーフコリメータ、(5)は同じくX線照射野を限定するための2段目のマルチリーフコリメータであり、1段目のマルチリーフコリメータ(4)及び2段目のマルチリーフコリメータ(5)は放射線治療装置のコリメータ(7)に内蔵されている。(10)は患者(9)内のX線を照射する範囲を示す計画標的体積(PTV:Planning Target Volume)、(11)は患者(9)内にあるX線の照射に対する影響を受け易い注意臓器(OAR:Organ at Risk)である。(14)はマルチリーフコリメータ(4)及び(5)のリーフ位置及びマルチリーフコリメータの回転位置を制御するための制御装置である。マルチリーフコリメータの回転は、図示されていない回転手段によって行われる。(15)は回転可能なマルチリーフコリメータの回転角度を最適化するための計算機である。以下に説明する照射野面積の計算機能、マルチリーフコリメータの最適回転位置の計算機能は、この計算機において実現される。
【0014】
第3図、第4図、第5図はマルチリーフコリメータ(4)、及び(5)をターゲット(2)側から見た平面図であり、第1のマルチリーフコリメータ(4)は複数個のリーフからなる1対のリーフ群(4a)及び(4b)から構成されており、同様に第2のマルチリーフコリメータ(5)は複数個のリーフからなる1対のリーフ群(5a)及び(5b)から構成されている。図に示すように、各リーフは細長い矩形状金属片でありビームを遮断する特性を有する。以下、リーフ先端部をエッジと呼ぶ。リーフ群はこのリーフを複数個並べて構成されている。第2のマルチリーフコリメータ(5)は第1のマルチリーフコリメータ(4)に対して回転可能であり、第3図は回転角度θ=0°の場合、第4図はθ=90°の場合、第5図は0°<θ<90°の場合を示している。第3〜第5図のそれぞれの場合において、第1及び第2のマルチリーフコリメータは、ビーム照射目標である標的治療体積(10)に「外接」するように照射野を形成している。ここで、「外接」とは、第1及び第2のマルチリーフコリメータが、その対向するリーフのエッジ辺が標的治療体積(10)の輪郭周に接する位置を外接位置とするものである。
【0015】
次に基本動作原理について説明する。第1図は放射線治療装置(治療計画装置部及び照射装置部を含む全体システムをいう)のターゲット、マルチリーフコリメータ及び患者の患部位置を示した側面図で、患者の患部形状等から決めた計画標的体積(10)の形状に合わせるようにマルチリーフコリメータのリーフ位置を決めている。第2図は放射線治療装置のターゲット、マルチリーフコリメータ及び患者の患部位置を示した正面図である。第1図、第2図、第4図において、第1のマルチリーフコリメータ(4)及び第2のマルチリーフコリメータ(5)によりX線の照射野は制限され計画標的体積(10)にあわせるように夫々のマルチリーフコリメータのリーフ群(4a)、(4b)、(5a)、(5b)の位置が制御装置(14)により設定される。
【0016】
第6図、第7図、および第8図は直径4cmの計画標的体積に対する1cm幅マルチリーフコリメータ2段の場合のリーフ位置を示したもので、マルチリーフコリメータのリーフは計画標的体積(10)をターゲットから見たときのアイソセンタ面での形状、即ち直径4cmの円に接するように配置してあり、回転可能な第2のマルチリーフコリメータ(5)の回転角度をコリメータ(7)に固定された第1のマルチリーフコリメータ(4)に対して夫々0°、45°、90°に設定してある。このときアイソセンタ面での直径4cmの円の面積は12.57cm2、第1のマルチリーフコリメータ(4)及び第2のマルチリーフコリメータ(5)によって制限されたビーム照射野の面積は夫々14.93cm2、13.22cm2、14.14cm2となり、計画標的体積(10)を放射線治療装置のターゲットから見たアイソセンタ面での面積(上記12.57cm2)より夫々18.8%、5.2%、12.5%大きくなっている。
【0017】
ここで、「ビーム照射野」とは、第1のマルチリーフコリメータが形成する第1の照射野と第2のマルチリーフコリメータが形成する第2の照射野とが重複して形成する照射野であって、ビームが照射目標に向かい実質的に通過する領域である。第1の照射野及び第2の照射野は、それぞれのリーフ群外辺により形成される多角形の形状を有する。よって、その重複部分である「ビーム照射野」も多角形の形状となる。このビーム照射野の形状は多角形の頂点の座標により特定される。従って、ビーム照射野の面積は、例えば「座標面積計算」等の通常の多角形面積の計算アルゴリズムの手法によって計算することが可能である。
【0018】
このように回転可能な第2のマルチリーフコリメータ(5)の回転角度により照射野の面積が変化しており、この照射野の面積が最小となる回転角度を求めて設定することにより患部の回りにある正常組織への放射線の照射線量を低減させることが出来る。上記説明では、簡単のために0°<θ<90°の間で、θ=0°、45°、90°の3角度での面積計算の場合を説明した。通常は、360°全周または任意の角度領域にわたり所定の角度ピッチ(δθ、例えば数度から数十度程度)でビーム照射野の面積計算を行い(照射野面積計算機能)、その中から最小となる面積に対応する回転角を最適回転角として選択する(最適回転角計算機能)。簡易な方法としては、例えば、回転角度ごとにビーム照射野面積を計算し、「回転角度」−「ビーム照射野面積」のデータテーブルを作成し、そのデータ中から最小面積に対応する回転角度を選べばよい。
【0019】
また、マルチリーフコリメータのリーフ位置を計画標的体積に対し内接させ回転可能な第2のマルチリーフコリメータを回転させると同様に照射野の大きさが変化する。このとき照射野が最大となるように回転可能な第2のマルチリーフコリメータの回転角度を設定すると、計画標的体積の外側である患部以外の組織には放射線を照射せずに計画標的体積内の照射領域を最大にできることにより、過去に放射線治療を実施した部位の近傍に発生した悪性腫瘍に対し治療効果を最大にすることが可能になる。ここで、「内接」とは、第1及び第2のマルチリーフコリメータが、その対向するリーフのエッジ辺の両端点が標的治療体積(10)の輪郭内または輪郭周上となる位置を内接位置とするものである。なお、この「内接」の場合には、照射野面積が最大となる場合を選択する点が上記「外接」の場合と相違する点に注意を要する。この相違は上記説明のとおり、ビーム照射の目的が異なることに起因するものである。従って、「内接」の場合の最適回転角の選択では、回転角度ごとにビーム照射野面積を計算し、「回転角度」−「ビーム照射野面積」のデータテーブルを作成し、そのデータ中から最大面積に対応する回転角度を選べばよい。
【0020】
治療計画装置(17)ではX線CT装置で得られた画像データから計画標的体積及び注意臓器を求め照射方向を決定し計算機(15)を経由または他の計算機を経由して制御装置(14)にパラメータが送付される。(16)及び(17)はデータ転送用のケーブルである。この時、計算機(15)で計画標的体積の形状から最適な第2のマルチリーフコリメータ(5)の回転角度を求め、その結果をコリメータ(7)に内蔵された制御装置(14)に転送し、マルチリーフコリメータ(5)の回転角度、リーフ群(4a)、(4b)、(5a)、(5b)のリーフ位置を設定し放射線治療を行う。また、治療計画装置(17)にも送付し線量分布、照射線量の計算を行うことができる。この計算結果に基づいて、ビーム制御手段が実際に照射される場合の線量分布及び照射線量のビームの制御を行う。
【0021】
なお、上記実施例ではマルチリーフコリメータをコリメータ(7)に固定された第1のマルチリーフコリメータと回転可能な第2のマルチリーフコリメータの2段マルチリーフコリメータについて示したが、固定されたマルチリーフコリメータまたは回転可能なマルチリーフコリメータが複数段設置されていても上記実施の形態1と同様の効果を奏する。
【0022】
第9図、第10図は第1のマルチリーフコリメータに対し、第2のマルチリーフコリメータのリーフ位置をリーフ幅の半分の寸法だけずらせて配置させたものであり、第10図は回転可能な第2のマルチリールコリメータ(5)の回転角度θを0°と45°に回転させたものである。このようなマルチリーフコリメータも同様に、第2の回転可能なマルチリーフコリメータ(5)の回転角度を計算機(15)により最適化することにより正常組織への線量を少なくすることが可能になる。
【0023】
また、上記実施例では回転可能な第2のマルチリーフコリメータ(5)の回転角度の最適化を別置きの計算機(15)で実施するものを示したが、制御装置(14)に内蔵された計算機で実施しても同様の効果が得られる。
【0024】
さらに、上記実施例では回転可能な第2のマルチリーフコリメータ(5)の回転角度の最適化を計算機(15)で実施するものを示したが、この計算機能のプログラムを別置きの治療計画装置にインストールし、この治療計画装置で実施しても同様の効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】この発明の実施例による多段マルチリーフコリメータを示す側面図である。
【図2】この発明の実施例による多段マルチリーフコリメータを示す正面図である。
【図3】この発明の実施例による多段マルチリーフコリメータの回転角度0°の場合の平面図である。
【図4】この発明の実施例による多段マルチリーフコリメータの回転角度0°<θ<90°の場合の平面図である。
【図5】この発明の実施例による多段マルチリーフコリメータの回転角度90°の場合の平面図である。
【図6】この発明の実施例による直径4cmの標的体積に対する多段マルチリーフコリメータの回転角度0°の場合の平面図である。
【図7】この発明の実施例による直径4cmの標的体積に対する多段マルチリーフコリメータの回転角度45°の場合の平面図である。
【図8】この発明の実施例による直径4cmの標的体積に対する多段マルチリーフコリメータの回転角度90°の場合の平面図である。
【図9】この発明の他の実施例による多段マルチリーフコリメータの回転角度0°の場合の平面図である。
【図10】この発明の他の実施例による多段マルチリーフコリメータの回転角度45°の場合の平面図である。
【図11】従来の多段マルチリーフコリメータを示す側面図である。
【符号の説明】
【0026】
4 第1のマルチリーフコリメータ、 5 第2のマルチリーフコリメータ、 14 制御装置、 15 計算機。
【技術分野】
【0001】
この発明は放射線治療装置の照射野を患部の形状に合わせるためのマルチリーフコリメータ及びそれを用いた放射線治療装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
図11は特公平7−67491号公報に示された従来の装置の構成図であり、図において(19)は荷電粒子ビームの照射方向及びその中心軸、(4)は第1のマルチリーフコリメータ、(5)は第2のマルチリーフコリメータ、(9)は患者である。
【0003】
次に動作について説明する。患者の患部形状、放射線の照射線量を制限すべき注意臓器(OAR)の位置関係等から計画標的体積(PTV)及び照射方向を決め、照射方向から見た計画標的体積の形状に合わせるようにマルチリーフコリメータのリーフ位置を決める。第1のマルチリーフコリメータ(4)及び第2のマルチリーフコリメータ(5)のリーフ位置及び第2のマルチリーフコリメータ(5)の回転角度は治療計画装置に入力して線量分布及び照射線量を計算する。治療計画装置で決められたマルチリーフのリーフ位置データは放射線治療装置に転送されコリメータに内蔵された制御装置により設定される。第1のマルチリーフコリメータ(4)及び第2のマルチリーフコリメータ(5)によりX線の照射野は計画標的体積にあわせるように制限され照射される。X線照射野を小さくするには、装置操作者が経験に基づき、回転可能なマルチリーフコリメータ(5)の回転角度を何回か変えて治療計画を行って照射野を求め、その中から最少面積の回転角度を選択するという方法が取られていた。
【0004】
【特許文献1】特公平7−67491号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来の多段型マルチリーフコリメータは以上のように構成されているので、照射野の設定が装置操作者の経験・技量に依存することから、回転可能なマルチリーフコリメータの回転角度を最適化することが出来ないという問題点があった。
【0006】
この発明は上記のような問題点を解消するためになされたもので、回転可能な多段マルチリーフコリメータの回転角度を最適化し、患部形状に自動的にマルチリーフコリメータの回転角度及びリーフ位置の設定を行う装置を得ることを目的としており、さらにこの装置を放射線治療装置に組み込むことにより正常組織への被曝を低減できる治療方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1に係る多段マルチリーフコリメータは、ビームの照射方向に間隔をおき配置されるとともに、各々が複数個のリーフでなるリーフ群が同一平面内に対向配置され、上記ビームに垂直な方向のビーム照射目標に対する照射野を任意に形成する第1及び第2のマルチリーフコリメータと、この第1及び第2のマルチリーフコリメータを上記ビームの光軸方向の共通な軸廻りに互いに回転する回転手段と、上記第1及び第2のマルチリーフコリメータのリーフ群が上記ビーム照射目標に外接または内接する位置で各々形成する第1及び第2の照射野が重複して形成するビーム照射野の面積を計算する照射野面積計算手段と、上記回転手段により設定される任意の回転位置における上記ビーム照射野の面積を比較し、上記内接の場合にはその面積最小となる回転位置を最適回転角として、また、上記外接の場合にはその面積最大となる回転位置を最適回転角として計算する最適回転角計算手段とを備えたことを特徴とするものである。
【0008】
請求項2に係る多段マルチリーフコリメータは、上記第1及び第2のマルチリーフコリメータが、それぞれの上記リーフ群を構成する上記リーフの配列方向が同一で、かつ、上記リーフが幅方向において上記ビームの照射方向に部分的に重なっていることを特徴とする請求項1に記載のものである。
【0009】
請求項3に係る多段マルチリーフコリメータは、上記照射野面積計算手段が、予め設定されたステップ角毎に回転された上記第1及び第2のマルチリーフコリメータの照射野が重複して形成するビーム照射野の面積を計算するとともに、上記最適回転角計算手段が、上記ステップ角毎のビーム照射野の面積を比較し、その面積最小または最大となるステップ角度を最適回転角として算出することを特徴とする請求項1に記載のものである。
【0010】
請求項4に係る多段マルチリーフコリメータは、上記第1及び第2のマルチリーフコリメータが、対向するリーフのエッジ辺が上記ビーム照射目標の輪郭周に接する位置を外接位置とし、上記エッジ辺の両端点が上記ビーム照射目標の輪郭内または輪郭周上となる位置を内接位置とし、ビーム照射目標に対する照射野を形成することを特徴とする請求項1に記載のものである。
【0011】
請求項5に記載の放射線治療装置は、ビーム照射目標の画像データを得るX線CT装置と、電子線源からの電子線を受けビームを発生するターゲットと、上記X線CT装置により得られたビーム照射目標データを用い最適回転角を算出する最適回転角計算手段を有する請求項1から4のいずれか一項に記載の多段マルチリーフコリメータと、算出された上記最適回転角に基づき第1及び第2のマルチリーフコリメータの回転位置を制御するコリメータ制御手段と、上記ビーム照射目標データと上記第1及び第2のマルチリーフコリメータの回転位置に基づき上記ターゲットから発生するビーム照射目標に対するビームの線量分布及び照射線量を制御するビーム制御手段とを備えたことを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0012】
以上のように、この発明によれば回転可能な第1及び第2のマルチリーフコリメータの回転角度を最適化する計算機能を組み込んだので、最適な放射線治療の解が簡単でしかも精度よく得られる効果がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
実施の形態.
以下、この発明の実施の形態を図について説明する。図1は放射線治療装置のコリメータの一部と患者とを示す側面図、図2は正面図である。図1、図2において(1)は電子線、(2)はX線を発生させるためのターゲット、(3)はターゲット2で発生したX線(以下、適宜「ビーム」ともいう)である。このビームの線量分布、照射線量は、図示されていないビーム制御手段によりコントロールされる。(4)はX線(3)の照射野を限定するための1段目のマルチリーフコリメータ、(5)は同じくX線照射野を限定するための2段目のマルチリーフコリメータであり、1段目のマルチリーフコリメータ(4)及び2段目のマルチリーフコリメータ(5)は放射線治療装置のコリメータ(7)に内蔵されている。(10)は患者(9)内のX線を照射する範囲を示す計画標的体積(PTV:Planning Target Volume)、(11)は患者(9)内にあるX線の照射に対する影響を受け易い注意臓器(OAR:Organ at Risk)である。(14)はマルチリーフコリメータ(4)及び(5)のリーフ位置及びマルチリーフコリメータの回転位置を制御するための制御装置である。マルチリーフコリメータの回転は、図示されていない回転手段によって行われる。(15)は回転可能なマルチリーフコリメータの回転角度を最適化するための計算機である。以下に説明する照射野面積の計算機能、マルチリーフコリメータの最適回転位置の計算機能は、この計算機において実現される。
【0014】
第3図、第4図、第5図はマルチリーフコリメータ(4)、及び(5)をターゲット(2)側から見た平面図であり、第1のマルチリーフコリメータ(4)は複数個のリーフからなる1対のリーフ群(4a)及び(4b)から構成されており、同様に第2のマルチリーフコリメータ(5)は複数個のリーフからなる1対のリーフ群(5a)及び(5b)から構成されている。図に示すように、各リーフは細長い矩形状金属片でありビームを遮断する特性を有する。以下、リーフ先端部をエッジと呼ぶ。リーフ群はこのリーフを複数個並べて構成されている。第2のマルチリーフコリメータ(5)は第1のマルチリーフコリメータ(4)に対して回転可能であり、第3図は回転角度θ=0°の場合、第4図はθ=90°の場合、第5図は0°<θ<90°の場合を示している。第3〜第5図のそれぞれの場合において、第1及び第2のマルチリーフコリメータは、ビーム照射目標である標的治療体積(10)に「外接」するように照射野を形成している。ここで、「外接」とは、第1及び第2のマルチリーフコリメータが、その対向するリーフのエッジ辺が標的治療体積(10)の輪郭周に接する位置を外接位置とするものである。
【0015】
次に基本動作原理について説明する。第1図は放射線治療装置(治療計画装置部及び照射装置部を含む全体システムをいう)のターゲット、マルチリーフコリメータ及び患者の患部位置を示した側面図で、患者の患部形状等から決めた計画標的体積(10)の形状に合わせるようにマルチリーフコリメータのリーフ位置を決めている。第2図は放射線治療装置のターゲット、マルチリーフコリメータ及び患者の患部位置を示した正面図である。第1図、第2図、第4図において、第1のマルチリーフコリメータ(4)及び第2のマルチリーフコリメータ(5)によりX線の照射野は制限され計画標的体積(10)にあわせるように夫々のマルチリーフコリメータのリーフ群(4a)、(4b)、(5a)、(5b)の位置が制御装置(14)により設定される。
【0016】
第6図、第7図、および第8図は直径4cmの計画標的体積に対する1cm幅マルチリーフコリメータ2段の場合のリーフ位置を示したもので、マルチリーフコリメータのリーフは計画標的体積(10)をターゲットから見たときのアイソセンタ面での形状、即ち直径4cmの円に接するように配置してあり、回転可能な第2のマルチリーフコリメータ(5)の回転角度をコリメータ(7)に固定された第1のマルチリーフコリメータ(4)に対して夫々0°、45°、90°に設定してある。このときアイソセンタ面での直径4cmの円の面積は12.57cm2、第1のマルチリーフコリメータ(4)及び第2のマルチリーフコリメータ(5)によって制限されたビーム照射野の面積は夫々14.93cm2、13.22cm2、14.14cm2となり、計画標的体積(10)を放射線治療装置のターゲットから見たアイソセンタ面での面積(上記12.57cm2)より夫々18.8%、5.2%、12.5%大きくなっている。
【0017】
ここで、「ビーム照射野」とは、第1のマルチリーフコリメータが形成する第1の照射野と第2のマルチリーフコリメータが形成する第2の照射野とが重複して形成する照射野であって、ビームが照射目標に向かい実質的に通過する領域である。第1の照射野及び第2の照射野は、それぞれのリーフ群外辺により形成される多角形の形状を有する。よって、その重複部分である「ビーム照射野」も多角形の形状となる。このビーム照射野の形状は多角形の頂点の座標により特定される。従って、ビーム照射野の面積は、例えば「座標面積計算」等の通常の多角形面積の計算アルゴリズムの手法によって計算することが可能である。
【0018】
このように回転可能な第2のマルチリーフコリメータ(5)の回転角度により照射野の面積が変化しており、この照射野の面積が最小となる回転角度を求めて設定することにより患部の回りにある正常組織への放射線の照射線量を低減させることが出来る。上記説明では、簡単のために0°<θ<90°の間で、θ=0°、45°、90°の3角度での面積計算の場合を説明した。通常は、360°全周または任意の角度領域にわたり所定の角度ピッチ(δθ、例えば数度から数十度程度)でビーム照射野の面積計算を行い(照射野面積計算機能)、その中から最小となる面積に対応する回転角を最適回転角として選択する(最適回転角計算機能)。簡易な方法としては、例えば、回転角度ごとにビーム照射野面積を計算し、「回転角度」−「ビーム照射野面積」のデータテーブルを作成し、そのデータ中から最小面積に対応する回転角度を選べばよい。
【0019】
また、マルチリーフコリメータのリーフ位置を計画標的体積に対し内接させ回転可能な第2のマルチリーフコリメータを回転させると同様に照射野の大きさが変化する。このとき照射野が最大となるように回転可能な第2のマルチリーフコリメータの回転角度を設定すると、計画標的体積の外側である患部以外の組織には放射線を照射せずに計画標的体積内の照射領域を最大にできることにより、過去に放射線治療を実施した部位の近傍に発生した悪性腫瘍に対し治療効果を最大にすることが可能になる。ここで、「内接」とは、第1及び第2のマルチリーフコリメータが、その対向するリーフのエッジ辺の両端点が標的治療体積(10)の輪郭内または輪郭周上となる位置を内接位置とするものである。なお、この「内接」の場合には、照射野面積が最大となる場合を選択する点が上記「外接」の場合と相違する点に注意を要する。この相違は上記説明のとおり、ビーム照射の目的が異なることに起因するものである。従って、「内接」の場合の最適回転角の選択では、回転角度ごとにビーム照射野面積を計算し、「回転角度」−「ビーム照射野面積」のデータテーブルを作成し、そのデータ中から最大面積に対応する回転角度を選べばよい。
【0020】
治療計画装置(17)ではX線CT装置で得られた画像データから計画標的体積及び注意臓器を求め照射方向を決定し計算機(15)を経由または他の計算機を経由して制御装置(14)にパラメータが送付される。(16)及び(17)はデータ転送用のケーブルである。この時、計算機(15)で計画標的体積の形状から最適な第2のマルチリーフコリメータ(5)の回転角度を求め、その結果をコリメータ(7)に内蔵された制御装置(14)に転送し、マルチリーフコリメータ(5)の回転角度、リーフ群(4a)、(4b)、(5a)、(5b)のリーフ位置を設定し放射線治療を行う。また、治療計画装置(17)にも送付し線量分布、照射線量の計算を行うことができる。この計算結果に基づいて、ビーム制御手段が実際に照射される場合の線量分布及び照射線量のビームの制御を行う。
【0021】
なお、上記実施例ではマルチリーフコリメータをコリメータ(7)に固定された第1のマルチリーフコリメータと回転可能な第2のマルチリーフコリメータの2段マルチリーフコリメータについて示したが、固定されたマルチリーフコリメータまたは回転可能なマルチリーフコリメータが複数段設置されていても上記実施の形態1と同様の効果を奏する。
【0022】
第9図、第10図は第1のマルチリーフコリメータに対し、第2のマルチリーフコリメータのリーフ位置をリーフ幅の半分の寸法だけずらせて配置させたものであり、第10図は回転可能な第2のマルチリールコリメータ(5)の回転角度θを0°と45°に回転させたものである。このようなマルチリーフコリメータも同様に、第2の回転可能なマルチリーフコリメータ(5)の回転角度を計算機(15)により最適化することにより正常組織への線量を少なくすることが可能になる。
【0023】
また、上記実施例では回転可能な第2のマルチリーフコリメータ(5)の回転角度の最適化を別置きの計算機(15)で実施するものを示したが、制御装置(14)に内蔵された計算機で実施しても同様の効果が得られる。
【0024】
さらに、上記実施例では回転可能な第2のマルチリーフコリメータ(5)の回転角度の最適化を計算機(15)で実施するものを示したが、この計算機能のプログラムを別置きの治療計画装置にインストールし、この治療計画装置で実施しても同様の効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】この発明の実施例による多段マルチリーフコリメータを示す側面図である。
【図2】この発明の実施例による多段マルチリーフコリメータを示す正面図である。
【図3】この発明の実施例による多段マルチリーフコリメータの回転角度0°の場合の平面図である。
【図4】この発明の実施例による多段マルチリーフコリメータの回転角度0°<θ<90°の場合の平面図である。
【図5】この発明の実施例による多段マルチリーフコリメータの回転角度90°の場合の平面図である。
【図6】この発明の実施例による直径4cmの標的体積に対する多段マルチリーフコリメータの回転角度0°の場合の平面図である。
【図7】この発明の実施例による直径4cmの標的体積に対する多段マルチリーフコリメータの回転角度45°の場合の平面図である。
【図8】この発明の実施例による直径4cmの標的体積に対する多段マルチリーフコリメータの回転角度90°の場合の平面図である。
【図9】この発明の他の実施例による多段マルチリーフコリメータの回転角度0°の場合の平面図である。
【図10】この発明の他の実施例による多段マルチリーフコリメータの回転角度45°の場合の平面図である。
【図11】従来の多段マルチリーフコリメータを示す側面図である。
【符号の説明】
【0026】
4 第1のマルチリーフコリメータ、 5 第2のマルチリーフコリメータ、 14 制御装置、 15 計算機。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ビームの照射方向に間隔をおき配置されるとともに、各々が複数個のリーフでなるリーフ群が同一平面内に対向配置され、上記ビームに垂直な方向のビーム照射目標に対する照射野を任意に形成する第1及び第2のマルチリーフコリメータと、この第1及び第2のマルチリーフコリメータを上記ビームの光軸方向の共通な軸廻りに互いに回転する回転手段と、上記第1及び第2のマルチリーフコリメータのリーフ群が上記ビーム照射目標に外接または内接する位置で各々形成する第1及び第2の照射野が重複して形成するビーム照射野の面積を計算する照射野面積計算手段と、上記回転手段により設定される任意の回転位置における上記ビーム照射野の面積を比較し、上記内接の場合にはその面積最小となる回転位置を最適回転角として、また、上記外接の場合にはその面積最大となる回転位置を最適回転角として計算する最適回転角計算手段とを備えたことを特徴とする多段マルチリーフコリメータ。
【請求項2】
上記第1及び第2のマルチリーフコリメータは、それぞれの上記リーフ群を構成する上記リーフの配列方向が同一で、かつ、上記リーフが幅方向において上記ビームの照射方向に部分的に重なっていることを特徴とする請求項1に記載の多段マルチリーフコリメータ。
【請求項3】
上記照射野面積計算手段は、予め設定されたステップ角毎に回転された上記第1及び第2のマルチリーフコリメータの照射野が重複して形成するビーム照射野の面積を計算するとともに、上記最適回転角計算手段は、上記ステップ角毎のビーム照射野の面積を比較し、その面積最小または最大となるステップ角度を最適回転角として算出することを特徴とする請求項1に記載の多段マルチリーフコリメータ。
【請求項4】
上記第1及び第2のマルチリーフコリメータは、対向するリーフのエッジ辺が上記ビーム照射目標の輪郭周に接する位置を外接位置とし、上記エッジ辺の両端点が上記ビーム照射目標の輪郭内または輪郭周上となる位置を内接位置とし、ビーム照射目標に対する照射野を形成することを特徴とする請求項1に記載の多段マルチリーフコリメータ。
【請求項5】
ビーム照射目標の画像データを得るX線CT装置と、電子線源からの電子線を受けビームを発生するターゲットと、上記X線CT装置により得られたビーム照射目標データを用い最適回転角を算出する最適回転角計算手段を有する請求項1から4のいずれか一項に記載の多段マルチリーフコリメータと、算出された上記最適回転角に基づき第1及び第2のマルチリーフコリメータの回転位置を制御するコリメータ制御手段と、上記ビーム照射目標データと上記第1及び第2のマルチリーフコリメータの回転位置に基づき上記ターゲットから発生するビーム照射目標に対するビームの線量分布及び照射線量を制御するビーム制御手段とを備えたことを特徴とする放射線治療装置。
【請求項1】
ビームの照射方向に間隔をおき配置されるとともに、各々が複数個のリーフでなるリーフ群が同一平面内に対向配置され、上記ビームに垂直な方向のビーム照射目標に対する照射野を任意に形成する第1及び第2のマルチリーフコリメータと、この第1及び第2のマルチリーフコリメータを上記ビームの光軸方向の共通な軸廻りに互いに回転する回転手段と、上記第1及び第2のマルチリーフコリメータのリーフ群が上記ビーム照射目標に外接または内接する位置で各々形成する第1及び第2の照射野が重複して形成するビーム照射野の面積を計算する照射野面積計算手段と、上記回転手段により設定される任意の回転位置における上記ビーム照射野の面積を比較し、上記内接の場合にはその面積最小となる回転位置を最適回転角として、また、上記外接の場合にはその面積最大となる回転位置を最適回転角として計算する最適回転角計算手段とを備えたことを特徴とする多段マルチリーフコリメータ。
【請求項2】
上記第1及び第2のマルチリーフコリメータは、それぞれの上記リーフ群を構成する上記リーフの配列方向が同一で、かつ、上記リーフが幅方向において上記ビームの照射方向に部分的に重なっていることを特徴とする請求項1に記載の多段マルチリーフコリメータ。
【請求項3】
上記照射野面積計算手段は、予め設定されたステップ角毎に回転された上記第1及び第2のマルチリーフコリメータの照射野が重複して形成するビーム照射野の面積を計算するとともに、上記最適回転角計算手段は、上記ステップ角毎のビーム照射野の面積を比較し、その面積最小または最大となるステップ角度を最適回転角として算出することを特徴とする請求項1に記載の多段マルチリーフコリメータ。
【請求項4】
上記第1及び第2のマルチリーフコリメータは、対向するリーフのエッジ辺が上記ビーム照射目標の輪郭周に接する位置を外接位置とし、上記エッジ辺の両端点が上記ビーム照射目標の輪郭内または輪郭周上となる位置を内接位置とし、ビーム照射目標に対する照射野を形成することを特徴とする請求項1に記載の多段マルチリーフコリメータ。
【請求項5】
ビーム照射目標の画像データを得るX線CT装置と、電子線源からの電子線を受けビームを発生するターゲットと、上記X線CT装置により得られたビーム照射目標データを用い最適回転角を算出する最適回転角計算手段を有する請求項1から4のいずれか一項に記載の多段マルチリーフコリメータと、算出された上記最適回転角に基づき第1及び第2のマルチリーフコリメータの回転位置を制御するコリメータ制御手段と、上記ビーム照射目標データと上記第1及び第2のマルチリーフコリメータの回転位置に基づき上記ターゲットから発生するビーム照射目標に対するビームの線量分布及び照射線量を制御するビーム制御手段とを備えたことを特徴とする放射線治療装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2006−81800(P2006−81800A)
【公開日】平成18年3月30日(2006.3.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−271066(P2004−271066)
【出願日】平成16年9月17日(2004.9.17)
【出願人】(504354841)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年3月30日(2006.3.30)
【国際特許分類】
【出願日】平成16年9月17日(2004.9.17)
【出願人】(504354841)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【Fターム(参考)】
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