説明

多段送風機及びそのためのエンクロージャ

【課題】大きな信頼性及び少ない音響雑音でより速い圧力上昇時間を提供する。
【解決手段】患者の持続的気道陽圧法(CPAP)換気用多段可変速度送風機は、気体を所望の圧力及び流れ特徴まで協働的に加圧する気体流路内に2つの羽根車(114、115)を備える。したがって、多段送風機は、より狭い範囲のモータ速度を凌ぐより速い圧力反応及び所望の流れ特徴を提供することができ、その結果信頼性が大きくなり、音響雑音が小さくなる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2001年12月10日に出願され、全体が参考文献として本願明細書に援用されている米国一部継続出願第10/360,757号である。本出願はまた、2003年6月10日出願の米国仮特許出願第60/477,063号、及び2003年6月11日出願の米国仮特許出願第60/477,358号の特典を享受するものであり、それぞれ全体を参考文献として本願明細書に援用する。
【0002】
本発明は、例えば、閉塞型睡眠時無呼吸症候群(OSA)、気腫などの他の呼吸器系疾患及び障害の持続的気道陽圧法(CPAP)治療、又は補助換気の応用例に使用される、人間に呼吸可能気体を供給する装置に関する。
【背景技術】
【0003】
OSAのCPAP治療、非侵襲陽圧換気(NIPPV)は、導管及びマスクを使用して、加圧呼吸可能気体、普通は空気を患者の気道に運ぶことである。CPAPで使用される気体圧力は、患者の要求に応じて最大180L/分(マスクで測定して)の流速で、例えば4cmH2Oから28cmH2Oの範囲であってもよい。加圧気体は、患者の気道用の空気圧副子として働き、特に呼吸の吸気段階中の気道の崩壊を防ぐ。
【0004】
普通、患者がCPAP中に換気される圧力は、患者の呼吸サイクルの段階によって変化する。例えば、換気装置は、例えば制御アルゴリズムを使用して、2つの圧力、呼吸サイクルの吸気段階中の吸気陽気道圧(IPAP)、及び呼吸サイクルの呼気段階中の呼気陽気道圧(EPAP)を運ぶように予め設定することができる。CPAPの理想的なシステムは、吸気段階の早期中に患者に最大圧力支持を与えながら、IPAPとEPAP圧力を迅速、効率的、かつ静かに切り替えることが可能である。
【0005】
従来のCPAPシステムでは、患者への空気供給は、単一の羽根車を有する送風機によって加圧される。羽根車は渦巻き又はハウジングに囲まれており、回転する羽根車によって加圧されながら、その中に流入気体が捕捉される。加圧気体は次第に、渦巻きから離れ、例えば普通は空気運搬管を含む空気運搬経路を介して、患者のマスクまで移動する。
【0006】
送風機及び羽根車を、理想的なCPAPシステムに必要な2つの異なる圧力、IPAP及びEPAPを発生させるように構成することができる2つの一般的な方法が現在ある。第1の方法は、一定の高圧を発生させるようにモータ/羽根車を設定し、その後所要のIPAP及びEPAP圧力を得るように高圧を調節するダイバータ弁装置を利用する。第1の方法によるCPAPシステムは、ダイバータを備える単速度二重レベルシステムと呼ばれる。第2の方法は、IPAP及びEPAP圧力を直接生成するように羽根車を駆動するモータを加速させる。第2の方法によるCPAPシステムは、可変速度二重レベルシステムと呼ばれる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
可変速度二重レベルCPAPシステムは、いくつかの特定の欠点がある。第1の欠点は、IPAPとEPAPの間を急速に切り替えるため、羽根車を急速に加速及び減速させなければならないことである。これにより、羽根車、モータ、及び軸受上に過剰の応力が生じる。しかし、羽根車をゆっくり加速させると、圧力上昇は満足のいかないほどゆっくりしており、したがって患者は適当な治療を受けることができない。
【0008】
モータ及び羽根車の急速な加速及び減速はまた、過剰な熱発生及び望ましくない音響雑音につながる。(ここで使用されているような「望ましくない」音響雑音という用語は、過度に大きい音響雑音、及び音量とは関係なくユーザをいらいらさせる周波数で生じる音響雑音のことを言う。)加えて、構成技術者はしばしば妥協して、所望のピーク圧力を得るために最適圧力及び流れ特徴を犠牲にせざるを得ない。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、一態様では、大きな信頼性及び少ない音響雑音でより速い圧力上昇時間を提供する可変速度送風機に関する。
【0010】
本発明の実施形態による送風機は、気体入口と気体出口の間の気体流路と、モータと、羽根車アセンブリとを備える。
【0011】
羽根車アセンブリは、第1の軸線周りに回転動作するモータに連通するシャフトと、シャフトに結合された、例えば、しっかり固定された第1及び第2の羽根車とを備えることができることが好ましい。羽根車は、両方の羽根車が気体入口と気体出口の間に配置されて、気体入口から気体出口まで流れる気体を協働して加圧するように、気体流路によって互いに流体連通して配置されている。
【0012】
一実施形態では、羽根車は気体入口と気体出口の間で直列に配置されている。送風機はまたハウジングを備えることができ、ハウジングの一部は第1及び第2の羽根車それぞれの周りに配置されている。特に、ハウジングは第1及び第2の渦巻きを備えることができ、第1の渦巻きは第1の羽根車の周りに気体流を含み、第2の渦巻きは第2の羽根車の周りに気体流を含んでいる。気体入口は第1の渦巻き内に配置することができ、気体出口は第2の渦巻き内に配置することができる。
【0013】
羽根車は、第1の軸線に沿って互いに垂直に間隔を置くように配置することができる。特に、羽根車は送風機ハウジングの両端部それぞれに配置することができる。
【0014】
本発明の一実施形態による送風機は、様々な構成を有することができる。一実施形態では、2つの羽根車は同じ方向に回転するように構成されている。別の実施形態では、2つの羽根車は反対方向に回転するように構成されている。
【0015】
本発明の別の態様は、二重又は単一端送風機で使用される面内移行スクロール渦巻きに関する。面内移行スクロール渦巻きは、加圧空気を回転する羽根車から離れるように次第に案内する。
【0016】
本発明の別の態様は、空気流を測定するように流量計に与えられた送風機誘導乱流を最小限に抑える方法及び装置を含む。一実施形態では、流量計は送風機の上流側に位置決めされている。
【0017】
本発明の更なる態様、利点、及び特徴をこの明細書に記載し、以下の試験に関して当業者には部分的に明らかになる、又は本発明の実施によって習得することができる。本出願で開示された発明は、態様、利点、及び特徴のあらゆる特定の組、又は組合せに限らない。記載した態様、利点、及び特徴の様々な組合せは、本出願に開示された発明を作り上げると考えられる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の第1の実施形態による二重端送風機の斜視図である。
【図2】図1の二重端送風機の一部断面斜視図である。
【図3】本発明による送風機に使用するのに適した面内移行スクロール渦巻きの展開斜視図である。
【図4】本発明の第2の実施形態による二重端送風機の斜視図である。
【図4A】そこを通る流れを示す、図4の二重端送風機の後部斜視図である。
【図5】図4の二重端送風機の断面斜視図である。
【図6A】扇状縁部を有する羽根車の斜視図である。
【図6B】扇状縁部を有する羽根車の斜視図である。
【図7】本発明の別の実施形態による二重端送風機の展開斜視図である。
【図7A】図7のモータと輪郭板の間の圧入連結を示す図である。
【図7B】図7Aの円形板の代替実施形態を示す断面図である。
【図8】一方側からの図7の二重端送風機の組立斜視図である。
【図9】別の側からの図7の二重端送風機の組立斜視図である。
【図10】本発明の別の実施形態による二重端送風機の展開斜視図である。
【図11A】図10に示す送風機のケーシング内に嵌合された第1の緩衝スリーブの側面図である。
【図11B】図10に示す送風機のケーシング内に嵌合された第2の緩衝スリーブの側面図である。
【図12】図10の固定流案内羽根と輪郭板の間の圧入連結を示す斜視図である。
【図13】図10の送風機の組立図である。
【図13A】本発明の更に別の実施形態による送風機の一部断面図である。
【図14】本発明による送風機用エンクロージャの展開斜視図である。
【図15】本発明による送風機用エンクロージャの別の展開斜視図である。
【図16】図14のエンクロージャの上部斜視図である。
【図17】図14のエンクロージャの組立図である。
【図18】ゴム製サスペンションブッシュを備えた、本発明による送風機の突起の斜視図である。
【図19】図14のエンクロージャのメインシールの上部斜視図である。
【図19A】図19の詳細図である。
【図20】図14のエンクロージャのエンクロージャベースの上部斜視図である。
【図21】図14のエンクロージャのエンクロージャ蓋の底部斜視図である。
【図22A】図14のエンクロージャの流量計の斜視図である。
【図22B】図14のエンクロージャの流量計の斜視図である。
【図23】図14のエンクロージャの入口コネクタの斜視図である。
【図24】図14のエンクロージャ用フィルタリテーナの斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
様々な例示的実施形態を以下の図面を参照して説明する。同様の参照記号は同様の特徴を示す。
【0020】
図1は、本発明の第1の実施形態による二重端送風機100の斜視図である。送風機100は、各端部に配置された羽根車ハウジング、又は渦巻き112、113を備えた実質的に円筒形の形状をしている。したがって、送風機100は、図2の切取斜視図でよく分かる、2つの羽根車114、115を収納する。
【0021】
図1及び2に示すように、2つの羽根車114、115は空気経路116によって互いに流体連通して配置されている。送風機100の空気経路116は、第1の渦巻き112から第2の渦巻き113まで延びる配管からなり、空気経路116の終端部は単一の一体構造を形成するように、渦巻き112、113に近接して送風機100の本体の周りで輪郭付けられ、次第に溶融する。空気経路116は、例えば、送風機100の他の構成部品と一体成形される実質的に剛直な配管からなっていてもよく、又は各渦巻き112、113で送風機100に別個に設けられるか又は結合されていてもよい。
【0022】
送風機100は、空気又は別の適切な気体が第1の渦巻き112内に直接流れるように配置された単一の吸気口118を有し、第1の渦巻き112の内側の旋回している羽根車114によって引き込むことができる。吸気口118内に引き込まれると、空気は渦巻き112から次第に出て、空気経路116内に入る前に、羽根車114の動作によって循環及び加圧される。空気経路116内では、空気は第2の渦巻き113まで進み、そこで流出導管120を通して送風機100から出る前に、第2の渦巻き113の羽根車115によってさらに循環及び加圧される。送風機100内の空気経路は、図1の矢印によって示される。図示するように、送風機100内では、第1の渦巻き112からの空気は空気経路116の概ね直線状部分に沿って移動し、第2の渦巻き113(図1には図示せず)の真上で吸気キャビティを通して第2の渦巻き113に入る。
【0023】
送風機100は羽根車114、115が直列ではなく並列に働くように構成されている場合、例えば、それぞれの渦巻き112、113に1つずつの2つの吸気口118を有することができる。このタイプの並列羽根車装置は、高い流量を必要とする低圧CPAPに設けられた場合に有利である。
【0024】
空気経路116の構成は、送風機100の全体の性能に影響を与える可能性がある。普通、幾つかの構成の検討材料が、本発明による送風機に使用される空気経路の構成に影響を与える。第1に、本発明の一実施形態による送風機に使用する空気経路は、最も有利には低い耐流性を与えるように構成されている。というのは、空気経路内の低い耐流性により、送風機内の2つの渦巻き112と113の間の圧力降下が最小限に抑えられるからである。第2に、本発明の一実施形態による空気経路は、第2の渦巻き113に入る空気が羽根車115の羽根が形成された方向から入るように構成されている。(以下により詳細に説明するように、本発明による送風機の2つの羽根車は、同じ又は異なる方向に回転するように構成することができる。)第3に、本発明の一実施形態による空気経路は、小型構成に最も有利である。
【0025】
上記の構成の検討材料は、屈曲部の周りの圧力低下を最小限に抑えるように、長い走査屈曲部を有する空気経路内で具体化することができる。また、屈曲部の後の比較的直線の部分が、気体流が渦巻きに入る前により完全に発達することを可能にするのを助けるので、空気経路中の屈曲部の後に比較的直線の部分を有することも有利である。屈曲部の後の空気経路の直線の部分の適当な長さは例えば、空気経路の直径の約3倍である。比較的直線の部分はまた、軸線方向である第2の渦巻き113に流れが入るのを助け、その流れ方向に多くの羽根車が構成されている。追加の流れ形成が望ましい場合、固定子又は他の同様の流れ案内構造物を送風機に加えることができるが、固定子羽根は流れインピーダンス及び圧力降下に関して費用がかかる可能性がある。
【0026】
上記の3つの主な空気経路構成の検討材料を鑑みて、図1に示す実施形態の空気経路116は長い概ね直線状部分を有する。というのは、概ね直線状部分は2つの渦巻き112と113の間の最も短い可能な経路のうちの1つであるからである。当業者は、空気経路116は直線状である必要が全くないことが分かるだろう。
【0027】
本発明による送風機は、空気経路116及び他の構成部品の構成を最適化するように、見本及びこれらの見本内の空気流及び圧力の実験的測定を使用して、手動で構成することができる。別の方法では、計算流体力学コンピュータシミュレーションプログラムを使用することによって、全体的又は部分的のいずれかに構成することができる。様々な計算流体力学プログラムが当業界では知られている。本発明による送風機の構成に特に適した計算流体力学プログラムとしては、例えば、FLOWORKS(NIKA GmbH、ドイツ、Sottrum)、ANSYS/FLOTRAN(Ansys,Inc.、米国ペンシルバニア州、Canonsburg)、及びCFX(AEA Technology Engineering Software,Inc.米国カルフォルニア州、El Dorado Hills)が挙げられる。このようなシミュレーションプログラムは、シミュレーションした気体流への空気経路構成変化の影響を見る能力をユーザに与える。
【0028】
2つの渦巻き112、113及び空気経路116の多くの異なるタイプの構成が、本発明による二重端送風機内で可能である。普通、各渦巻きは短時間の間羽根車の周りで気体を保持し、空気経路内に気体が次第に出ることを可能にするように構成されている。空気経路の正確な構造は、渦巻きの構造及び「利き手」、又は各羽根車の周りの空気流の方向を含む多くの要素に左右される可能性がある。
【0029】
渦巻きの構成はそれ自体の技術である。というのは、不適切に構成された渦巻きは雑音を発生させることがある、又は所望の圧力及び流れ特徴の生成を緩衝することがあるからである。上記の計算流体力学コンピュータプログラムは、渦巻きを構成する際に有用であるが、渦巻き構成に含まれるいくつかの変数は普通、渦巻きが全体的にコンピュータ構成されないようにする。
【0030】
各渦巻き112、113内への流れのタイプ及び方向は、羽根車114、115の性能及び雑音特徴に影響を与える可能性がある。これにより、ベル形の吸気口、丸み付けされた吸気縁部、固定子羽根、又は他の流れ案内/向上構造物を、渦巻き112、113の何れか又は両方への入口で使用することもできる。しかし、これらのタイプの流れ向上/案内構造物の使用により、耐流れ性を大きくすることもできる。
【0031】
渦巻き112、113の1つの共通の問題は、空気経路116内への移行が突然すぎることである。渦巻き112、113と空気経路116の間の突然の移行は普通、開口の周りの分岐経路又は「リップ」を残したままにする。羽根車の羽根がこのリップを通過すると、「羽根通過周波数」と呼ばれる雑音が作り出される。本発明による二重端羽根車は例えば、「羽根通過周波数」及び他の雑音の発生を少なくするように構成された渦巻きでの使用に特に適している。例えば、本発明による送風機での使用に適した面内移行スクロール渦巻き300の斜視図である図3を参照のこと。加えて、渦巻き300を従来の送風機装置で使用することもできる。図3を参照すると、渦巻き300は独自のモータ302を備えているが、2つの渦巻き内の羽根車を駆動する単一のモータを有する二重端送風機での使用に適応させることができる。図示するように、渦巻き300は2つの半分の部分304、306からなっており、それぞれ渦巻き300の上部及び下部を画定する。渦巻き308の吸気口は、上半分304の中心に配置されている。2つの半分の部分304、306は、羽根車で回転する空気からゆっくり「剥がれる」経路を画定する。2つの半分の部分によって画定された経路内には、従来の渦巻きのように急激な「リップ」又は「溝」はなく、それによって「羽根通過周波数」が少なくなるか、完全になくなる。
【0032】
別の方法では、送風機に設置されたモータの寸法によってあらゆる普通のタイプの渦巻きを使用することができる。別の適切なタイプの渦巻きは、2000年7月21日に出願の米国特許出願第09/600,738号に開示された軸方向渦巻きであり、その内容を全体的に参考文献として本願明細書に援用する。
【0033】
本発明による二重端送風機の1つの構成の検討材料は、「利き手」又は各羽根車の周りの空気流の方向である。この「利き手」は、羽根車が回転する方向によって決まる、又は羽根車の個別の羽根(blades and vanes)の方向及び構成によって決まることができる。例えば、1つの羽根車を回転させることができる、又は空気を時計方向に駆動するように羽根を方向付け、他の羽根車を回転させることができ、又は空気を反時計回り方向に駆動するように羽根を方向付けることができ、「反対の手側の」二重端送風機につながる。別の方法では、両方の羽根車を同じ方向に駆動することができ、「同じ手側の」二重端送風機につながる。図1の送風機100は、「反対の手側の」タイプの二重端送風機の一例である。
【0034】
「同じ手側の」送風機は、2つの羽根車が同一であり、送風機の部品数及び費用を少なくすることができるので有利である。しかし、構成者は、2つの羽根車がそれぞれの渦巻き内の空気流に対して別個に構成及び最適化されている、「同じ手側の」送風機を構成するのを選択することもできることに留意すべきである。
【0035】
「反対の手側の」送風機により、構成者が羽根車を取り付けたシャフトの長さを短くすることが可能になる。これにより、シャフト自体の安定性を大きくすることができる。というのは、高速で回転する長い片持ち式シャフトへの不平衡に関連する問題を減らすからである。
【0036】
図4、4A、及び5は、本発明による「同じ手側の」送風機200を示す。送風機200はまた、2つの渦巻き212、213と、空気経路216と、吸気口118と、空気出口220とを有する。しかし、図4、4A、に示すように、空気経路216は螺旋形状をしている。すなわち、空気経路216は第1の渦巻き212から移行し、その後屈曲し、モータ150とアーチ形フランジ160(図5参照)の間に配置された吸気キャビティと次第に溶融する前に、送風機200の周面にしたがって下向きに傾斜し、送風機200内の吸気口として働く。送風機200を通る空気流は、図4、4Aの矢印によって示されている。
【0037】
送風機200の内部構造が、図5の部分断面斜視図に示されている。送風機100(図1、2)及び200(図4、4A、5)の内部配置は、実質的に同様であり、適用される場合に、両方の送風機の構成部品に関して以下に説明する。図5に示すように、二重軸電気モータ150が送風機200の中心に設けられている。1つのモータ150だけが示されているが、各羽根車に対して1つずつ2つのモータ150を使用することもできる。様々なタイプの既知のブラケット及びマウントを使用して、モータを支持し、送風機200の内部に固定することができるが、単純化のため、これらは図5には図示しない。
【0038】
モータ150は、羽根車114、115、214の構成及び所望の圧力によって、例えば約30,000RPMまでの速度で回転するように二重シャフト152を駆動する。シャフト152は、その中心に沿って送風機100、200の実質的に全長を横切り、各端部で羽根車114、115、214に固定される。シャフトは、円形、四角形、鍵形、あるいは2つの羽根車114、115、214に電力を送るような形状をしていてもよい。シャフトの直径は、シャフト152の長さに沿った直径の目盛で、例えば約3〜5mmであってもよい。例えば、シャフト152は、吸気を助けるように吸気口に最も近い端部により小さい直径(例えば、3mm)を、片持ち式の端部に約4.5mmの直径を有することができる。羽根車114、115、214とシャフト152の間の連結が、2つの部品間の締り嵌め、溶接、接着剤、又は止めねじ等の留め具によって作り出すことができる。送風機100、200では、シャフト152と羽根車114、115、214の間の連結は、垂直に方向付けられた(すなわち、シャフト152の軸に沿って方向付けられた)環状フランジ154によって、羽根車114、115、214の中心に形成される。図5では、羽根車214とシャフトの間の連結は締り嵌めである。
【0039】
羽根車114、115、214は、実質的に環状の形状をしている。羽根車114、115、214の中心部156は、シャフト152から羽根158まで径方向外側に延びる薄板であり、上向きに沿って、シャフト152から羽根158に向かって外側に延びると共に、下向きに次第に湾曲している。各羽根車114、115、214の実直径は、単一の羽根車を備える従来の送風機の直径より小さくてもよい。送風機内の速い圧力上昇時間には、直径の4乗として変化する低い回転慣性が必要である。送風機100、200の羽根車114、115、214は直径が小さいので、回転慣性が小さく、より速い圧力上昇時間を提供することが可能である。直径に加えて、より低い回転慣性を得るために羽根車114、214の他の構成パラメータを変更することができる。回転慣性を小さくするための他の技術としては、「ヒトデ形」羽根車を作り出すようにシュラウドを「波形仕上げする」こと、内部回転子モータを使用すること、及びより薄い壁面部に成形することができる液晶ポリマーなどの材料を使用することが挙げられ、それによって羽根車の羽根を空洞にする、又はリブによって補強することができる。羽根車の波形仕上げはまた、有利には羽根車の重量の減少につながり、それで上昇時間がより速くなることが可能である。また、図6A及び6B(エアロフォイル羽根258及び波形縁部259を備えるヒトデ形羽根車214)を参照のこと。液晶ポリマー羽根車の羽根は、0.3mmしかない壁面部を有することができる。
【0040】
本発明の実施形態では、羽根車114、115、214は普通、例えば約40〜50mm、例えば42.5mm又は45mmの外径を有する。羽根車114、115、214の内径は、例えば約18〜25mmであってもよい。羽根の高さは、例えば6〜10mmの範囲であってもよいが、羽根車の羽根158の応力はより背の高い羽根で大きくなる。普通、羽根158の背が高い場合、羽根車の直径は小さくなる可能性がある。羽根車の羽根158自体は、NACA6512、NASA66−221、及びNASA66−010などの標準的な寸法のエアロフォイルであってもよい。羽根158がエアロフォイルである場合、様々な迎え角で優れた揚力を作り出すエアロフォイル輪郭を選択することが有利である。羽根車114、115、214は、モータと協働して、送風機100、200が180L/分で約25cmH2O、及び150L/分で約30cmH2Oのマスクで圧力を生成することができるように、好ましくは構成及び/又は選択される。空気経路116が送風機100、200からマスクまで圧力降下を引き起こしたならば、羽根車114、115、214は150L/分で約46cmH2O、及び180L/分で43cmH2Oを生成することが可能であることが好ましい。
【0041】
第1の渦巻き112、212の上部が開口して、吸気口118を形成する。吸気口118では、送風機100、200の上表面120が内側にアーチ形に湾曲して、羽根車114、214の上部にリップ122を形成する。羽根車の中心部156の上向きに反った形状、及び上表面120のリップ122が第1の渦巻き112、212の内側の送風機容量に対する流入空気を制約し、動作中の空気漏れを防ぐのを助ける。アーチ形の上表面120に類似するアーチ形フランジ160が、送風機200のより低い内部表面から延びて、第2の渦巻き213の上部を形成する。輪郭付けられた底板162、262は、各送風機100、200の第2の渦巻き113、213の底部を形成する。送風機100の底板162は中心に穴を有し、空気経路116が入ることが可能であり、送風機200の底板262は穴がない。上記のとおり、アーチ形フランジ160は送風機200の第2の渦巻き213への吸気口として働く。送風機200では、固定子羽根及び追加の流れ成形構成部品を、流入空気を分配するのを助けるようにモータ150とアーチ形フランジ160の間のキャビティに追加することができ、それによって優先的に一方側ではなく、全ての側から第2の渦巻き213に入る。
【0042】
図1、2、4A、及び5から明らかなように、本発明による送風機は多くの複雑な輪郭付けされた表面を有することができる。このような輪郭は、アーチ形の上表面120及びアーチ形フランジ160の場合と同様に、気体流を案内し、気体の漏れを防ぐように使用されている。漏れのない特徴は、送風機100、200を通って流れる気体が高濃度の酸素ガスを有する場合に特に有利である。高濃度の酸素が使用される場合、気体の漏れは安全性の障害を引き起こすことがある。また、あらゆる安全性の問題とは別に、漏れている気体により望ましくない雑音が発生し、送風機の性能を低下させることがある。
【0043】
本発明による実施形態の送風機内に存在する複雑な輪郭付けされた表面の数により、特に適切な焼流し鋳造などの製造方法を作り出される。焼流し鋳造は、多くの隠された再飛散特徴を備える単一部品を作り出すことができ、他の製造方法は同等の機能を得るために構成を多くの部品に分割する必要がある。しかし、多数の部品は普通は望ましくなく、気体の漏れの潜在的可能性を最小限に抑えるため、部品の数は最小に保持するのが最もよく、部品間の継手の数も最小に保持するのが最もよい。
【0044】
また、本発明による送風機に対するいくつかの材料の検討材料がある。焼流し鋳造には金属が普通は使用されるが、特に酸化に弱い金属もあり、医療等級の酸素ガスを本発明による送風機で使用することがあるのでこれは問題である。送風機100、200に特に適切な材料の1つはアルミニウムである。スチールは高濃度の酸素に対する露出で錆びることがあり、アルミニウムは迅速に酸化し、酸化物が金属上に不浸透性シールを形成する。どの金属又は他の材料が使用されても、材料は高い熱伝導性を有し、空気経路から熱を引き出すことが可能であって、酸素のあらゆる熱に関連する点火を防ぐことは普通は有利である。
【0045】
アルミニウムの使用は多くの利点を有しており、送風機の動作中に「鳴り響く」又は共鳴する傾向がある。したがって、アルミニウム構成部品の振動の強度を小さくするように、制動材料をアルミニウム送風機に設けることができる。
【0046】
送風機100、200では、電気モータ150は、所望のIPAP及びEPAP圧力を得るように、可変毒素で駆動することができる。送風機の二重端(すなわち、2段)構成は、2つの圧力を得るために横切るモータ速度の範囲が小さくなることを意味する。モータ速度のより狭い範囲により、同様の原動力及び駆動特徴を有する単段送風機によって提供されるものより圧力反応時間が早くなる。加えて、速度のより狭い変化が回転しているシステム構成部品により小さい応力を加えて、その結果、より小さな音響雑音での信頼性が大きくなる。
【0047】
送風機100、200の性能は、2つの羽根車/渦巻きの組合せ、2つの渦巻き112、113、212、213の間の空気経路116、216のマイナス圧力/流れ曲線の組み合わされた性能に実質的に等しい。当業界でよく知られている様々な理由により、送風機100、200の実際の性能は、特定の送風機100、200の瞬間流量、及びいくつかの要因によって左右される。より高い流量では、空気経路116、216内の圧力降下は普通、より顕著である。
【0048】
本発明による二重端送風機を、従来の送風機と同じ方法でCPAP装置内に配置することができる。送風機は普通、振動を少なくするように、ばね、又は別の緩衝構造上に取り付けられている。
【0049】
[別の実施形態]
本発明の別の実施形態が、本発明による二重端送風機400の展開斜視図である図7に示されている。展開図の中心に配置されたモータ及び固定子羽根部402は、この実施形態ではアルミニウムから焼流し鋳造されるが、他の製造方法も可能であり、以下に説明する。優れた熱導体としてのアルミニウムは、モータを加速及び減速することによって発生される熱の分散を簡単にする。シャフト404の各端部404A、404Bが図7に示されているが、モータ巻線、軸受、及びカバーは図示されていない。原動力コード406は、モータ及び固定子羽根部402から突起している。モータ及び固定子羽根部402はその上部に、上側渦巻き408の底部を含んでいる。
【0050】
図7に示す構成の変更形態として、モータ及び固定子羽根部402を、上側渦巻き408の底部とは別に作ることができる。2つの構成部品が別個に作られる場合、焼流れ鋳造は必要ない。例えば、モータ本体は金型鋳造することができ、上側渦巻き408の底部は射出成形することができる。
【0051】
シャフト404が通過するための穴412が中に設けられている円形板410が、ボルト又は他の留め具によってモータ及び固定子羽根部402に固定されている。羽根車414は円形板の上にある。羽根車414は、回転慣性を小さくするように周面に沿って波形仕上げされており、「ヒトデ形」の外観を与える(また、図6A、6B参照のこと)。図7Aにより詳細に示すように、輪郭付けられた板は、環状表面413と垂直に延びる側部411を有する。別の実施形態では、図7Bに略図的に示すように、側部411Aは環状表面から次第に延びている。側部411Aを次第に延ばすことにより、垂直な側部411Aに関して、羽根車414によって作り出された空気流が簡単になり、それで雑音の抑制の助けとなる。穴412は図7Bでは、一定の半径である。一実施形態では、穴412は細くなる、又は非一定の断面の直径を有することがある。
【0052】
再び図7を参照すると、上側エンドキャップ416が羽根車414上に固定されており、上側渦巻きの上部を提供する。この実施形態の上側及び下側渦巻きは、図3に示す面内移行スクロール渦巻き300の種類のうちである。上側エンドキャップ416の中心の開口部418は、送風機400の吸気口として働く。
【0053】
送風機400の下端部では、輪郭付けられた板420が下側渦巻きの上部を形成する。図7Aにより詳細に示すように、モータ及び固定子羽根部402は、締り嵌めリセス464を介して輪郭付けられた板420に連結することができる足部462を備えることができる。モータ402及び輪郭付けられた板はまた、代わりに、又は加えて、例えば、接着剤、ねじ等により連結することができる、あるいはモータ402及び輪郭付けられた板420は単一の片として鋳造することができる。
【0054】
輪郭付けられた板420の上部は持ち上げられ、穴422に向かって下向きにアーチ形に湾曲している。上に説明するように、輪郭付けられた板420は空気流を形成し、単一の方向から優先的にではなく、全ての側から羽根車キャビティに確実に入るのを助ける。輪郭付けられた板420の下では、下側羽根車414が下側エンドキャップ428に近接して回転する。2つのエンドキャップ416、428は、(例えば、アルミニウム又はマグネシウム合金から)金型鋳造することができる、又は適当な金属から射出成形することができる。
【0055】
上側及び下側渦巻き内の空気経路の外側壁面は基本的に、緩衝スリーブ438、440によって規定されている。緩衝スリーブは、左側部ケーシング424及び右側部ケーシング426に挿入される。左側部ケーシング424は、送風機400に空気出口442を提供する。左側部ケーシング424及び右側部ケーシング426は、例えばボルト又は他の取外し可能な留め具で互いに固定されている。側部ケーシング424、426の上表面には、送風機400をCPAP装置内側のばねに取り付けることが可能な突起434、436を有する四角形フランジ430、432がある。図7では、突起434、436は異なる寸法及び形状を有するが、図8及び9では、突起434は同じ形状をしている。突起434、436は、送風機400が上に取り付けられるばねの性状及び配置によって、示した形状、又はあらゆる他の形状の何れかをしていてもよいことが分かるだろう。
【0056】
一実施形態では、緩衝スリーブ438、440は、例えば左側部ケーシング424及び右側部ケーシング426の内部輪郭にそれぞれ合うように射出成形されたゴム又は発泡ゴム構成部品である。一実施例では、緩衝スリーブ438、440は、急速原シリコーン金型から形成された40ショア硬度ポリウレタンである。別の方法では、緩衝スリーブ438、440はシリコーン、又はモータによって発生する高温で安定している別のエラストマーであってもよい。緩衝スリーブ438、440は、送風機400内で、(i)上側及び下側渦巻き内の空気経路(の一部)を画定すること、(ii)他の構成部品間のシールを提供すること、及び(iii)他の部品の振動を緩衝することの3つの主な目的を果たす。
【0057】
図8は、一方側からの送風機400の組立斜視図である。左側部ケーシング424と右側部ケーシング426の間の継目444と同様に、組み立てられた空気出口442が図8に示されている。図8に示すように、フランジ446、448は、各側部ケーシング424、426の縁部から横方向に突起し、継目444を形成するように当接する。図9に示すように、2つの側部ケーシング424、426は、右側部ケーシング426に設けられたフランジ446を通って、左側部ケーシング424のフランジ448内に設けられたねじ切り穴内に通過するボルト452によって互いに固定される。さらに、動力コード406は密封されたオリフィス450(図9参照)を通して組み立てられた送風機から出る。
【0058】
送風機400はいくつかの利点を有する。第1に、焼流し鋳造は送風機400を製造するのに必要なく、それによって送風機の費用が少なくなる。加えて、送風機400の構成部品はより少ない隠された複雑な部品を有するので、鋳物は容易に検査及び洗浄することができる。最後に、送風機400は他の実施形態より組み立てるのが容易である。というのは、構成部品は、2つの側部ケーシング424、426を使用して互いに加締められ、これは簡単な留め具で行うことができるからである。
【0059】
[別の実施形態]
本発明の別の実施形態が、本発明による二重端送風機500の展開斜視図である図10に示されている。展開図の中心に配置されたモータ502は、この実施形態ではアルミニウムから焼流し鋳造されているが、他の製造方法も可能であり、以下に説明する。優れた熱導体としてのアルミニウムは、モータを加速及び減速することによって発生される熱の分散を簡単にする。適切なモータの例が、例えば、2003年3月7日出願の米国仮特許出願第60/452,756号に記載されており、全体を参照として本明細書に援用する。シャフト504は、羽根車514、515を機能的に連結することができる2つの端部(1つの端部504Bのみが図10に示されているが、図7の端部404Aを参照)を有する。原動力コード506は、モータ502から突起し、緩衝スリーブ540内のリセス550(また、図11Aを参照)を通して送風機500から出る。緩衝スリーブ538は、空気流の漏れを最小限に抑える又は防ぎ、動力コード/モータ連結部に伝達される動力コード上の引張力の危険性を少なくするように、実質的に対応する突起552(図11Bを参照)を備えている。図11A及び11Bに示す一実施形態では、突起552は、さらに空気流の漏れを最小限に抑えるように、リセス550内でリブ556と実質的に結合するリブ554を備える。また、一実施形態では、原動力コード内のワイヤはシリコンゴム被覆ワイヤであり(大きな可撓性及び雑音抑制が可能になる)。
【0060】
モータ502は、エアフォイル形状をしている、固定流れ案内羽根560を備えている。羽根560は、緩衝スリーブ538、540によって画定される螺旋状空気経路を通して羽根560まで到達する空気流の方向を径方向から接線方向に、すなわち穴522に向かって変更することが可能である。図12により詳細に示すように、モータ502を、羽根560のいくつか用の輪郭付けられた板520内で圧入リセス564を介して輪郭付けられた板520に連結することができる。モータ502を輪郭付けられた板520に連結させる他の方法(例えば、ねじ又は接着剤)を使用することもできる。
【0061】
一実施形態では、モータ502は上部に上側渦巻きの部分508を含んでいる。図10に示す構成の変更形態として、モータ502は上側渦巻きの部分508とは別に作ることもできる。2つの構成部品が別々に作られる場合、モータ本体は、例えば、金型鋳造することができ、上側渦巻きの部分508は、例えば、射出成形することができる。
【0062】
シャフト504の通過のために穴(図示せず、図7の穴412を参照)が中に設けられた円形板510が、ボルト又は他のファスナによってモータ502に固定されている。
【0063】
シャフト504の端部に連結された羽根車514、515は、回転慣性を小さくするように周面に沿って波形仕上げされて、「ヒトデ」形の外観を与える。
【0064】
上側エンドキャップ516は羽根車514の上に固定され、上側渦巻きの上部を提供する。上側エンドキャップ516の中心の開口部518は、送風機500の吸気口として働く。
【0065】
図10の送風機500の下端部では、輪郭付けられた板520が下側渦巻きの上部を形成する。輪郭付けられた板520の底部は、穴522に向かって上向きにアーチ形に湾曲している。輪郭付けられた板520の底部の一部はリブ状になっている。輪郭付けられた板520の下では、羽根車515が、2つの突起537を備える下側エンドキャップ528に近接して回転する。2つのエンドキャップ516、528は、(例えば、アルミニウム又はマグネシウム合金から)金型鋳造することができる、又は適当な金属から射出成形することができる。
【0066】
側部ケーシング524は、送風機500用の空気出口542を画定する。側部ケーシング524、526は、ボルト又は他の取外し可能な留め具で互いに固定されている。側部ケーシング524、526の上表面には、送風機500をCPAP装置内側のばねに取り付けることが可能な突起534、536がある。突起534、536は、送風機500が上に取り付けられるばねの性状及び配置によって、あらゆる形状をしていてもよいことが分かるだろう。
【0067】
二重端送風機500は、2つの緩衝スリーブ538、540を備えている。緩衝スリーブ538、540は、例えば側部ケーシング524、526の内部輪郭にそれぞれ合うように射出成形されたゴム又は発泡ゴム構成部品である。一実施例では、緩衝スリーブ538、540は、急速原シリコーン金型から形成されている。別の方法では、緩衝スリーブ538、540は例えばシリコーン、又はモータによって発生する温度で安定している別のエラストマーであってもよい。
【0068】
図10、11A、11Bから明らかなように、緩衝スリーブ538、540の組合せは、スリーブの間に位置決めされた構成部品(例えば、モータ502)と共に、螺旋状空気経路/導管を画定する。緩衝スリーブ540によって画定された螺旋状導管の部分は、空気流の方向に小さくなる断面積を有する。
【0069】
図13は、送風機500の組立斜視図である(図10に対して180度回転させた)。
【0070】
運転時、送風機500は羽根車514の回転により開口部(外側入口)518で空気を取り入れる。空気は、緩衝スリーブ538、540によって画定された螺旋状導管を通して、到達する空気流の速度ベクトルを基本的な接線方向から基本的な径方向に、すなわち内側入口522に向かって実質的に変更する、固定流れ案内羽根560まで運ばれる。羽根車515の回転はその後、穴(内側出口)522を通して到達する空気を(下側エンドキャップ528と輪郭付けられた板520の間の空間によって基本的に画定された)第2の空気経路を介して外側空気出口542まで運ぶ。
【0071】
図13Aは、本発明の別の実施形態による送風機700の部分断面図を示す。送風機700は、それぞれ第1段及び第2段羽根車708、710に連結する1対の対向するシャフト704、706を有するモータ702を備えている。モータ702は、シャフト706の通過を可能にするように、第2段端部714に開口部を含む内側ケーシング712によって支持されている。蓋716は、ケーシング712の第1段端部に設けられており、シャフト704の通過に対応する開口部を備えている。
【0072】
外側ケーシング718は、1つ又は複数の支持部材720により内側ケーシング712を支持するように設けられており、支持部材のうちの2つが図13Aに示されている。内側及び外側ケーシングは、単片鋳造又は成形動作で作ることができる。内側及び外側ケーシング712、718は、加圧気体の第1段から第2段までの通過に適応された経路を画定する、間隙Gによって互いに間隔を置いて配置されている。間隙Gは、内側及び外側ケーシングの隣接する側壁部の間の実質的に環状のチャンバによって画定されている。経路はまた、内側及び外側ケーシングの底壁面の間に形成されている。
【0073】
経路の寸法は、十分な量及び流れの気体が第1段から第2段まで通過することが可能になるような大きさをしている。経路は内側ケーシング712の周面全体の周りに形成されているので、間隙の寸法を最小限に抑えることができ、さらに十分な量及び流れが可能になる。これにより、送風機の全体の寸法を最小限に抑えることが可能になる。加えて、経路は内側ケーシング712に沿って気体が流れるときに、モータの冷却を可能にする。
【0074】
性能を良くするため、内側及び/又は外側ケーシングは、気体が第1段から第2段まで流れるときに、より直線的な流れを作り出し、乱流を少なくするように、1つ又は複数の邪魔板又は羽根を備えることができる。邪魔板は、シャフト704、706に実質的に平行に走る支持部材720の延長部として設けることができる。実際、支持部材720は、流れる気体の経路を直線にする及び/又は乱流を最小限に抑える邪魔効果を与えることができる。このような邪魔板はまた、キャップ722の内側表面に設けることができ、この場合、第1段の羽根車708によって径方向外側に案内される気体は、内側及び外側ケーシング712、718の側壁面の間の経路に入る前に、少なくとも部分的に直線的にすることができる。
【0075】
運転時、気体、例えば、空気は、矢印によって示すように送風機700を通して案内される。より詳細には、気体はキャップ722内に設けられた開口部を通して第1段の羽根車708に向かって引き込まれる。第1段の羽根車708は空気を半径方向外側に押し、それによって空気はキャップ722のドーム形内側表面に沿った経路に進む。空気はその後、内側ケーシング712と外側ケーシング718の間に設けられた間隙Gに沿って進み、支持部材720を迂回する。空気は開口部714を通して、第2段の羽根車710に向かって進む。第2段の羽根車は、空気を径方向外側に導管726の入口724内に押し、それによって空気運搬導管(図示せず)を介して患者のインターフェース(例えば、マスク)まで運ぶように、現在の加圧気体が出口728に案内される。
【0076】
上記によると、優れた音響性能が多段送風機によって得られる。音は普通はRPMに比例し、所与の圧力/流れの多段送風機は比較的低いRPMを有する。したがって、例えば発泡体などの使用により、追加の音緩衝を行う必要はない。
【0077】
多数の渦巻きを結合させることによって、高流量及び低流量の両方で、優れた圧力特徴が得られる。多数の渦巻きは、小型寸法及び比較的低い段階圧力損失の利点を有する。さらに、渦巻きの間の結合経路の形状は独自の利点を有する。例えば、困難な方向変化をなくす助けとなるように、結合経路は螺旋状に作られている。結合経路は小さな断面積(例えば、図11A参照)を提供することができ、ここで結合経路は第2段に近づく。この構造はまた、第2段の羽根車の羽根を均一に充填するのを助け、効率を良くし、提案された流れ/圧力を得るのに必要な羽根車速度を下げる効果を有する。これはまた、雑音を減らす助けとなる。
【0078】
同じ寸法/形状を有する第1段及び第2段の羽根車の使用は、組立を簡単にし、異なる部品の数を少なくするのに有利である。また、同様の又は同じ形状の羽根車の使用により、モータ軸受上に均一な磨耗を備える平衡を保ったモータシャフトが可能である。同様又は同一の羽根車の使用により、同じビート周波数雑音も可能になる。さらに、モータの同じ側に配置された両方の羽根車を有する代わりに、モータの各端部に羽根車を有する対称性によって均衡が得られる。
【0079】
空気経路内でのアルミニウムの使用は、熱を分散するのを助け、したがってモータ寿命/信頼性が大きくなる。緩衝及び密封のためにゴムを、剛性及び質量のためにアルミニウムを使用することにより、構成の柔軟性が可能になる。
【0080】
[送風機エンクロージャ]
図14〜17は、送風機500がエンクロージャ700内に配置された実施形態を示している。送風機500は、6つの突起534、536、537全ての上に設けられたばね702(突起537の上に設けられたばねだけが示されている)の上にエンクロージャ内で取り付けられている。ばねは、振動及び雑音を減らすのを助ける。別の実施形態では、サスペンションブッシュ(例えば、ゴム製サスペンションブッシュ)が、振動及び雑音を少なくするように、ばね702の変わりに突起の上に設けられている。突起703の上に設けられたゴム製サスペンションブッシュ703.1の例が、図18に示されている。
【0081】
エンクロージャ700は、メインシール720を備えている。また、図19を参照のこと。メインシール720の出口722は、送風機500の出口542に連結されており、ばねクリップ724でしっかり締め付けられている(出口542が図10に示されている)。メインシール720は、ねじ732を使用して連結された、エンクロージャ基部710とエンクロージャ蓋730の間に位置決めされている。一実施形態では、エンクロージャ基部710及びエンクロージャ蓋730は、金属、例えばアルミニウムでできている。例えば、エンクロージャ基部710及びエンクロージャ蓋730は、金型鋳造アルミニウムで作られている。アルミニウムの利点の1つは、酸素が多い環境でさえも、優れた耐腐食/燃焼性を有することである。アルミニウムは移動に耐えるのに十分な質量を有し、したがって送風機の稼動によって発生する騒音を減衰させるように働く。しかし、アルミニウムが共鳴し、それによって共鳴騒音が発生した場合、その共鳴騒音はメインシール720、例えば、シリコーンガスケットを使用することによって減衰する/取り除くことができる。シール720はまた、所望の漏れのない密封を達成するように、エンクロージャのアルミニウムケーシング部でよく機能する。この実施形態では、2つのアルミニウム鋳造部の間のシールの漏れのない結合を得るのに必要な力を加えるのに、(ねじを使用する)3つの保持点しか必要ない。
【0082】
一実施形態では、メインシール720はゴム、例えばシリコーンゴムでできている。ゴムで構成されたメインシールは、エンクロージャ基部710及びエンクロージャ蓋730の振動によって生成される可能性のある雑音を減らすのを助けることができる。メインシール720は、複数の送風機ワイヤ720.1がそこを通過するのを可能にする。例えば、シールは図19Aに示すように、弾力性及び可撓性がある複数のフィンガ720.2を含む。隣接する対のフィンガ720.2は、ワイヤ720.1の断面形状に対応するように、開口部、例えば円形の穴を画定する。メインシール720はまた、送風機出口との位置合わせ及び結合を簡単にするように、比較的より薄い及び/又はより可撓性のある部分720.3を含む。図示した実施形態では、シールガスケットは、送風機原動力及び制御リードを形成する8本のワイヤの通過を可能にする開口部を含む。普通に束ねられたワイヤは、所望の密封を達成するため、圧縮シリコーンガスケットと協働するように簡単には適合しない。エンクロージャからのワイヤの出発点は、エンクロージャのシールを傷つけないように構成されている。この実施形態では、8つの開口部がシールガスケットに形成されており、それぞれモータワイヤの1つを受けるようになっている。各開口部は、シリコーンガスケットの上部までつながるV溝で交差された円形オリフィスの形をしている。V溝は、ワイヤを円形オリフィス内に容易に配置させることを簡単にする。エンクロージャの組立の際、各ワイヤは配置された円形オリフィス内に配置され、シールは2つのアルミニウム鋳造部の間に位置決めされる。ねじが締め付けられた場合に加えられる力により、シリコーンは、各円形オリフィスの空間及び各ワイヤの周りを充填し、それによって密封が達成される。
【0083】
加えて、メインシール720は漏れを最小限に抑えるのを助ける。エンクロージャ基部710の個別の代表図である図20、及びエンクロージャ蓋730の個別の代表図である図21も参照のこと。図20に示すように、基部710は送風機チャンバ710.1、及び消音チャンバ710.2を備えている。基部710は、加圧気体が出口722から直線部722.1を通過するときに雑音を消音するように、第2の拡張又は消音チャンバ710.2を備える。蓋730は経路形成部材730.1を含み、それによって流入空気が消音チャンバ710.1から送風機チャンバ710.2まで移動することが可能になる。図15及び16の方向矢印を参照のこと。
【0084】
得られる構造物は、完全に密封された、すなわち、送風機出口から生じる流れ、特に大量の流れの正確な測定が可能になる、既知の特徴付けられた空気経路だけを有するエンクロージャである。これに対して、特徴付けられていない空気経路、又は漏れは望ましくない結果をもたらす。
A.あらゆる不正確な流れ信号の処理による不適当な流れ発生器性能。不適当な流れ発生器性能は、患者の治療を損なうことがある。制御回路は、フィルタリングした流れ信号を修正して、例えば送風機出口又は患者のインターフェースの呼吸回路の特定の地点での流れを評価する。修正された流れ信号は、治療アルゴリズム、又は流れ発生器、障害診断システムなどの他のシステムによって使用され、制御回路はそれにしたがって応答する。送風機内で実現された修正流れ信号を使用できる流れ発生器障害診断システムの一例が、ResMedから市販されている。制御回路の性能は、下流側の流れとの既知の関係を維持する信号を与える流量センサに依存している。既知の関係は適用可能ではない、又はあまり正確ではなく、エンクロージャシールが損なわれる。したがって、修正された流れ信号は、エンクロージャの漏れの発生が予測不可能でる場合に大きさが正確ではない、あるいは制御回路によって不正確であるとして認識することができない。したがって、送風機の上流側の流量センサを配置するシステムの性能を最大限にするため、流れ発生器内の意図しない漏れの発生の可能性をなくすことが好ましい。
B.密封されたエンクロージャは、エンクロージャを通って流れる呼吸可能気体の汚染を防ぐ。
C.密封されたエンクロージャは、呼吸可能気体が空気経路から逃げるのを防ぐ。これは、酸素及び他の治療気体が流れ発生器を通る流れに加えられる場合に特に望ましい。
D.密封されたエンクロージャは、エンクロージャの雑音減衰特徴の効果を最大限にする。
【0085】
送風機出口に連結されたシリコーン通路は、シールと一体成形されていることが好ましい。この構成は、剛性出口管が2つ以上の分離可能な部品でできている場合に、密封ガスケットがそうでなければ囲まれた剛性出口管の周りに適切に嵌合するのに必要である形状及び精度の度合を保証する、又は密封を達成する必要がないということである。
【0086】
流量計740は、メインシール720に密封連結されている。また、流量計の個別の代表例の図22A及び22Bを参照のこと。一実施例では、流量計は0〜200LPMの範囲、好ましくは150〜180LPMの範囲で空気流を測定するように構成されている。別の実施形態では、流量計は100%の酸素流でさえも安全であるように構成されている。図14〜17から明らかなように、流量計は送風機入口の上流側に位置決めすることができる。下流側の代わりに上流側に流量計を位置決めすることは、流量計に供給される空気中の送風機誘導乱流を少なくする/最小限に抑えるので、空気流測定の精度を良くするのに有用である可能性がある。これによりその後、制御アルゴリズムに改良した信号を提供し、この信号は有用な信号を提供するのに乱流又は雑音の複雑なフィルタリングを必要としない。
【0087】
入口コネクタ750は、流量計740に密封連結されている。入口コネクタは、吸気口が流れ発生器の外側から供給されることを保証する。また、入口コネクタの個別の代表例である図23を参照のこと。一実施形態では、入口コネクタはプラスチック及び/又はゴム、例えばシリコーンゴムでできている。入口コネクタ750は、フィルタリテーナ755に位置を提供する。図24を参照のこと。フィルタリテーナ755は、入口コネクタ750の開口752に密封して挿入することができ、フィルタを受けるように働く。例えば、フィルタリテーナは、組立の際に入口コネクタ750の溝750.1内に受けられるフランジ755.1を備えている。図示した実施形態によると、フィルタリテーナ755はフィルタを配置する唯一の正確な方法をユーザに便利及び安全に提供するように非対称的に構成することができる。さらに、フィルタリテーナ755は入口コネクタ750が垂れ下がるのを防ぐ。フィルタリテーナ755はまた、フィルタが入口コネクタ750に吸引されるのを防ぐ1つ又は複数のクロスバー755.2を備えている。フィルタリテーナ755はまた、入口キャップを弾力性のあるアームで受けるように1対の受入開口部755.3を備えている。
【0088】
また、入口コネクタ750は、送風機に到達することが可能な水のバリアを提供する。第1に、フィルタリテーナ755及びフィルタカバー(図示せず)と組み合わせて、エンクロージャの入口に水バリアを形成する。第2に、エンクロージャを水平に位置決めして、入口コネクタ(図17参照)の上向き傾斜753は、さらにシステム内に移動するように、入口コネクタ750内にこぼれている水の障害物を提供する。
【0089】
さらに、入口コネクタ750は流量計740への比較的直線的な空気流を与え、そうでなければ制御アルゴリズムに有用な信号を提供する前にフィルタリングする必要がある乱流及び「雑音」の発生を少なくするのを助ける。さらに、さらに構成選択肢を開く、流量計740の下流側に直線経路を維持する必要がない。
【0090】
図示した実施形態は、流量センサを実質的に送風機と実質的に平行に配置することによって、このような構成の自由を利用する。この構成により、流量センサの長さ追加配置をなくし、送風機出口で乱流減少直線経路に連結しながら、流れ発生器の大気から空気への入口と流量センサ入口の間の所望の直線的な(すなわち、乱流を最小限に抑える)経路が可能になるので、流れ発生器の全長が短くなる。この構成は、送風機チャンバの前に配置された消音チャンバ内への隅部(すなわち、典型的な乱流誘導操作)の周りの空気移動を有する。そこから、空気は送風機チャンバに入り、その後送風機入口に入る。送風機出口から発生する乱流空気は、シリコーン経路を通して流れ発生器出口への短い距離を移動する。流れ発生器の大気から空気への入口を流量センサ入口に連結させる直線構成部品は、流量センサ出口の後の乱流の発達を防ぐこととは関係ないので、送風機に対してあらゆる位置に便利に配置することができる。さらに、残りの送風機誘導乱流をなくすように、流れ信号フィルタリングを行う必要が防止される。
【0091】
記載した実施形態はそれぞれ、維持のために簡単に組立及び分解することができる比較的少ない自動位置合わせ構成部品を有するモジュラー構造を提供する。アルミニウムケーシング部の内側は、送風機サスペンションばねあるいは代用シリコーンサスペンションブッシュなどの内部構成部品の位置決め及び保持を簡単にするように位置決め特性バケツを含む。
【0092】
別の特性は、安全な方法に関する。モータ軸受磨耗が所定の限界に達すると、その後のシャフト移動がシャフト取付羽根を位置決めして、モータ内部回路盤の上又はそこから突起するものを切断し、それによってモータを停止させる(実質的に動力の損失により)。これに影響を与えるのに必要なシャフト移動の量は、シャフト取付羽根車を渦巻き壁面に接触させるのに必要な移動の量よりいくらか少ない。このように、羽根車/渦巻き壁面の擦り取り又は衝突の前のシステム停止は、構成部品の何れか又は両方の劣化につながり、空気経路を汚染する粒子、又は特に酸素が多い環境(すなわち、酸素が呼吸気体に加えられている場合)に点火を起こす摩擦を生じる。
【0093】
本発明を例示的な実施形態により説明したが、本願明細書で使用した用語は限定のための用語ではなく、説明の用語であることを理解されたい。より広範囲の態様で本発明の範囲及び精神から逸脱することなく、変更を行うことができる。本発明を特定の実施形態を参照して本明細書では説明したが、本発明は開示した詳細に限定されるものではないことを理解されたい。本発明は、全ての適当な相当構造、使用、及び機構に亘る。
【符号の説明】
【0094】
100 送風機、112 渦巻き、113 渦巻き、114 羽根車、115 羽根車、116 空気経路、118 吸気口、120 流出導管、上表面、122 リップ、150 モータ、152 二重シャフト、154 フランジ、156 中心部、158 羽根、160 フランジ、162 底板、200 送風機、212 渦巻き、213 渦巻き、214 羽根車、216 空気経路、220 空気出口、258 羽根、259 縁部、262 底板、300 渦巻き、302 モータ、304 半分、306 半分、308 渦巻き、400 送風機、402 羽根部、404 シャフト、406 原動力コード、408 渦巻き、410 円形板、411 側部、411A 側部、411B 側部、412 穴、413 環状表面、414 羽根車、416 上側エンドキャップ、420 板、424 左側部ケーシング、426 右側部ケーシング、430 フランジ、432 フランジ、434 突起、436 突起、438 緩衝スリーブ、440 緩衝スリーブ、442 空気出口、444 継目、446 フランジ、448 フランジ、462 足部、464 締り嵌めリセス、500 送風機、502 モータ、504 シャフト、504B 端部、506 原動力コード、508 部分、514 羽根車、515 羽根車、516 エンドキャップ、520 板、534 突起、536 突起、537 突起、538 緩衝スリーブ、540 緩衝スリーブ、550 リセス、552 突起、554 リブ、556 リブ、560 羽根、564 圧入リセス、700 送風機,エンクロージャ、702 モータ、703 突起、703.1 サスペンションブッシュ、704 シャフト、706 シャフト、708 羽根車、710 羽根車、710.1 送風機チャンバ、710.2 消音チャンバ、712 ケーシング、714 端部、716 蓋、718 ケーシング、720 支持部材,シール、720.1 ワイヤ、720.2 フィンガ、720.3 部分、722 キャップ,出口、722.1 直線部
724 入口、726 導管、728 出口、730 蓋、730.1 経路形成部材、740 流量計、750 入口コネクタ、750.1 溝、752 開口、753 上向き傾斜、755 フィルタリテーナ、755.1 フランジ、755.2 クロスバー、755.3 受入開口部、G 間隙

【特許請求の範囲】
【請求項1】
患者の陽圧換気の管理に使用される送風機用エンクロージャであって、
送風機に対して送風機チャンバを画定するエンクロージャ基部と、
前記エンクロージャ基部を密封係合するように設けられたエンクロージャ蓋と、
前記エンクロージャ基部の外側に位置しかつ前記送風機チャンバの上流側に設けられた流量計と、を備えるエンクロージャ。
【請求項2】
前記流量計の入口側に設けられた入口コネクタを更に備える、請求項1に記載のエンクロージャ。
【請求項3】
前記入口コネクタは、大気と連通する入口端部を備える、請求項2に記載のエンクロージャ。
【請求項4】
前記入口コネクタは、大気から前記流量計の前記入口側まで実質的に直線状の経路を画定する、請求項2に記載のエンクロージャ。
【請求項5】
前記流量計の出口側から前記送風機チャンバに向かう空気経路は実質的に非直線状である、請求項2に記載のエンクロージャ。
【請求項6】
前記流量計の下流側の領域から前記送風機チャンバまでの前記空気経路は、実質的に閉じられている、請求項5に記載のエンクロージャ。
【請求項7】
前記入口コネクタは、前記流量計の前記入口側の下に位置決めされた上向き傾斜部を備える、請求項2に記載のエンクロージャ。
【請求項8】
前記基部と蓋の間に設けられたメインシールを更に備える、請求項1に記載のエンクロージャ。
【請求項9】
前記メインシールは、
前記蓋を受ける上側溝と、
前記基部を受ける下側溝を有するガスケットと、を備える、請求項8に記載のエンクロージャ。
【請求項10】
前記メインシールは、流量計金具と一次消音チャンバの間に連通する入口を備える、請求項8に記載のエンクロージャ。
【請求項11】
前記メインシールは、前記送風機チャンバと外側出口金具の間に連通する出口通路を備える、請求項8に記載のエンクロージャ。
【請求項12】
前記出口通路は、実質的に直線状である、請求項11に記載のエンクロージャ。
【請求項13】
前記基部は、前記出口通路に連結する補助消音チャンバを備える、請求項12に記載のエンクロージャ。
【請求項14】
前記出口通路は、前記送風機チャンバに設けられ、送風機出口金具及び前記送風機出口金具のすぐ下流側の半径が拡大した曲げ易い部分を含む第1の端部を備える、請求項11に記載のエンクロージャ。
【請求項15】
前記蓋の内側部は、前記送風機の上部に設けられた位置決め部材を受ける少なくとも1つの開口部を備える、請求項1に記載のエンクロージャ。
【請求項16】
前記位置決め部材は、ばね、及びゴム/シリコーンサスペンションブッシュの少なくとも一方を備える、請求項15に記載のエンクロージャ。
【請求項17】
前記蓋と基部の間にメインシールを更に備える、請求項15に記載のエンクロージャ。
【請求項18】
前記メインシールは、単数又は複数の送風機ワイヤの通過のために設けられた複数の穴を含む、前記送風機チャンバに対応する第1の壁面部を画定する、請求項17に記載のエンクロージャ。
【請求項19】
前記壁面部は、複数のフィンガを備え、隣接する対を成す前記フィンガは共に前記穴の個別のものを画定する、請求項18に記載のエンクロージャ。
【請求項20】
前記フィンガのそれぞれの端部は開口しており、前記ワイヤがそれぞれの開口部に到達する前に、前記フィンガの長さに沿って前記モータワイヤの摺動挿入を可能にする、請求項19に記載のエンクロージャ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図4A】
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【図5】
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【図6A】
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【図6B】
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【図7】
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【図7A】
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【図7B】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11A】
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【図11B】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図19A】
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【図20】
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【図21】
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【図22A】
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【図22B】
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【図23】
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【図24】
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【図13A】
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【公開番号】特開2012−125595(P2012−125595A)
【公開日】平成24年7月5日(2012.7.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−39850(P2012−39850)
【出願日】平成24年2月27日(2012.2.27)
【分割の表示】特願2011−7878(P2011−7878)の分割
【原出願日】平成16年6月10日(2004.6.10)
【出願人】(500046450)レスメド・リミテッド (192)
【氏名又は名称原語表記】RESMED LTD
【Fターム(参考)】