説明

多気筒エンジンの排気装置

【課題】簡単な構成でエゼクタ効果の低下を抑制することが可能な多気筒エンジンの排気装置を提供する。
【解決手段】排気装置は、1つの気筒又は排気順序が連続しない複数の気筒の排気ポートに接続された複数の独立排気通路52と、排気流通方向の下流側が次第に縮径し、前記各独立排気通路52を通過した排気が流入する集合部56とを有する。各独立排気通路52の下流端が束ねられた状態で集合部56の上流端に接続される。集合部56又は集合部56より下流の排気通路に、排気流路を部分的に塞ぐ障害部材59が設けられている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動車等に搭載される多気筒エンジンの排気装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、自動車等に搭載される多気筒エンジンにおいて、トルクの向上を目的とした排気装置の開発が行なわれている。
【0003】
例えば、特許文献1には、排気順序が連続しない気筒の排気通路を束ねて、先細の排気管として集合させ、この絞り部分にエゼクタ効果を持たせて、気筒間の排気干渉を防止する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平04−036023号公報(第4頁、第5頁、第3図)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
多気筒エンジンにおいて、トルクの向上を図るためには、前記エゼクタ効果の低下を抑制することが重要な要素の1つである。
【0006】
そこで、本発明は、簡単な構成でエゼクタ効果の低下を抑制することが可能な多気筒エンジンの排気装置の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記課題を解決するために、本発明は、吸気ポートを開閉可能な吸気弁及び排気ポートを開閉可能な排気弁が備えられた複数の気筒を有する多気筒エンジンの排気装置であって、1つの気筒又は排気順序が連続しない複数の気筒の排気ポートに接続された複数の独立排気通路と、排気流通方向の下流側が次第に縮径し、前記各独立排気通路を通過した排気が流入する集合部とを有し、前記各独立排気通路の下流端が束ねられた状態で前記集合部の上流端に接続され、前記集合部又は前記集合部より下流の排気通路に、排気流路を部分的に塞ぐ障害部材が設けられていることを特徴とする多気筒エンジンの排気装置である(請求項1)。
【0008】
本発明によれば、各独立排気通路を通過した排気が集合部に流入することにより集合部内に負圧が発生し、この負圧により、他の独立排気通路ないしこれと連通する他の気筒の排気ポート内の排気が下流側に吸い出されるエゼクタ効果が得られる。
【0009】
その上で、本発明によれば、前記集合部は、排気流通方向の下流側が次第に縮径する形状、換言すれば、流路面積が下流側ほど小さくなる形状とされ、この集合部に、又は、この集合部より下流の排気通路(例えば集合部を含む混合管に含まれる排気通路でも含まれない排気通路でもよい)に、排気流路を部分的に塞ぐ障害部材が設けられている。これにより、発明の実施形態でより詳しく説明されるように、各独立排気通路の下流端から噴出された排気噴流の自励振動が抑制される。この自励振動は、各独立排気通路の下流端から噴出された排気噴流が集合部を含む混合管内の負圧の不均衡によって混合管内でいずれかの側に偏り、混合管の内壁面に接触し、接触した側において排気噴流の速度が低下し、負圧が弱くなり、これにより排気噴流が混合管の内壁面の別の場所に移動し、…という動作の繰返しにより生じるものと考えられる。そして、前記障害部材は、排気噴流が混合管の内壁面の別の場所に移動するのを邪魔して自励振動を抑制する作用を有するものと考えられる。排気噴流が自励振動を起こすと、集合部内(混合管内)の負圧が弱くなり、エゼクタ効果が低下する。したがって、排気噴流の自励振動を抑制することにより、簡単な構成でエゼクタ効果の低下を抑制することが可能となる。また、自励振動を抑制することにより、NVHのうちNV(ノイズ(騒音)・バイブレーション(振動))が改善される。
【0010】
本発明では、少なくとも低速・高負荷域において、前記各気筒の排気弁の開弁期間と吸気弁の開弁期間とが所定期間オーバーラップすると共に、排気順序が連続する気筒間において先行の気筒の前記オーバーラップ期間中に後続の気筒の排気弁が開弁するように、各気筒の吸気弁及び排気弁を駆動する弁駆動手段が設けられていることが好ましい(請求項2)。
【0011】
この構成によれば、少なくとも低速・高負荷域では、各気筒の排気弁と吸気弁とが共に開いた状態となるオーバーラップ期間が設けられ、排気順序が連続する気筒間において先行の気筒のオーバーラップ期間中に後続の気筒の排気弁が開弁するので、前記エゼクタ効果がオーバーラップ期間中の先行気筒の吸気ポートにまで及び、これにより、先行気筒の掃気がより一層促進され、体積効率(ηV)のより一層の向上、ひいてはトルクのより一層の向上が図られる。
【0012】
本発明では、前記障害部材は、前記集合部の直下流の排気通路に設けられていることが好ましい(請求項3)。
【0013】
この構成によれば、障害部材は、流路面積が最小の位置に設けられている。流路面積が小さいほど、排気噴流の速度が上昇し、負圧が強くなり、排気噴流の自励振動が起き易くなる。したがって、この構成によれば、障害部材により排気噴流の自励振動が効果的に抑制される。
【0014】
本発明では、前記障害部材は、Oセンサであることが好ましい(請求項4)。
【0015】
この構成によれば、障害部材として専用の部材を用意する必要がなく、Oセンサを障害部材として兼用することで、部品点数の削減が図られる。また、Oセンサを流路面積が最小の位置に設けた場合(例えば混合管の集合部の直下流に設けた場合等)には、全ての気筒から排出される排気の酸素濃度を均等に検出できる。そのため、エンジンの運転状態を精度よく検出でき、例えばAWS(アクセルレーテッド・ウオームアップ・システム)の実行時における気筒毎の制御を精度よく行うことができる。
【0016】
本発明では、前記障害部材を排気通路の流路面積が最小の位置に設け、各独立排気通路の下流端の流路面積と同じ面積を有する真円の直径をaとし、前記最小の流路面積から前記障害部材が排気流路を塞ぐ面積を減算した面積と同じ面積を有する真円の直径をDとしたときに、a/Dが0.5〜0.85であることが好ましい(請求項5)。
【0017】
この構成によれば、エゼクタ効果と、排気噴流の自励振動の抑制効果とがバランスよく両立する。前記a/Dが0.5未満であると、前記最小の流路面積から前記障害部材が排気流路を塞ぐ面積を減算した面積が大き過ぎることになり、このことは前記障害部材が排気流路を塞ぐ面積が小さ過ぎることを意味し、その結果、排気噴流の自励振動の抑制効果が不足し得る。前記a/Dが0.85を超えると、前記最小の流路面積から前記障害部材が排気流路を塞ぐ面積を減算した面積が小さ過ぎることになり、このことは前記障害部材が排気流路を塞ぐ面積が大き過ぎることを意味し、その結果、各独立排気通路の下流端から噴出された排気噴流の流れが滞って、集合部内(混合管内)の負圧が弱くなり、エゼクタ効果が不足し得る。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、多気筒エンジンにおいて、簡単な構成でエゼクタ効果の低下を抑制することが可能となる。その結果、トルクが向上した多気筒エンジンが得られる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明の実施形態に係る多気筒エンジンの排気装置の概略構成図である。
【図2】図1の要部拡大図である。
【図3】図2の要部側面図である。
【図4】図2のIV−IV線断面図である。
【図5】図2のV−V線断面図である。
【図6】前記エンジンの各気筒の排気弁の開弁期間と吸気弁の開弁期間とが所定期間オーバーラップする説明図である。
【図7】前記吸気弁及び排気弁の開弁期間の説明図である。
【図8】Oセンサを混合管の集合部より下流の排気通路(ストレート部)に設けた場合の混合管の縦断面図である。
【図9】実施形態の作用(排気噴流の自励振動の抑制)の説明図である。
【図10】実施形態の作用(周波数1000Hz〜2000Hzの振動の振幅の低減)の説明図である。
【図11】実施形態の作用(エンジン回転数1000rpm〜6000rpmでの振動の振幅の合計値の減少)の説明図である。
【図12】(a)〜(d)は、排気噴流の自励振動が起きる原因の説明図である。
【図13】図8のXIII−XIII線断面図であって、独立排気通路の下流端の流路面積及び最小の流路面積から障害部材が排気流路を塞ぐ面積を減算した面積を説明するものである。
【図14】Oセンサを混合管の集合部より下流の排気通路(触媒装置のケーシングの上流管部)に設けた場合の混合管及び触媒装置のケーシングの上流管部の縦断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
(1)全体構成
図1は、本発明の実施形態に係る多気筒エンジンの排気装置100の概略構成図、図2は、図1の要部拡大図、図3は、図2の要部側面図である(ただし独立排気通路52bの図示が省略されている)。この装置100は、シリンダヘッド9及びシリンダブロック(図示せず)を有するエンジン本体1と、エンジン制御用のECU2と、エンジン本体1に接続される排気マニホールド5と、排気マニホールド5に接続される触媒装置6とを備えている。
【0021】
前記シリンダヘッド9及びシリンダブロックの内部にはピストンがそれぞれ嵌挿された複数(図例では4つ)の気筒12が形成されている。本実施形態では、エンジン本体1は、直列4気筒のエンジンであって、シリンダヘッド9及びシリンダブロックの内部には、4つの気筒12が直列に並んだ状態で形成されている。具体的には、図1及び図2の右から順に、第1気筒12a、第2気筒12b、第3気筒12c、第4気筒12dが形成されている。シリンダヘッド9には、ピストンの上方に区画された燃焼室内に臨むようにそれぞれ点火プラグ15が設置されている。
【0022】
エンジン本体1は4サイクルエンジンであって、図6に示すように、各気筒12a〜12dにおいて、180°CAずつずれたタイミングで点火プラグ15による点火が行われて、吸気行程、圧縮行程、膨張行程、排気行程の各行程がそれぞれ180°CAずつずれたタイミングで行われる。本実施形態では、第1気筒12a→第3気筒12c→第4気筒12d→第2気筒12bの順に点火が行われ、この順に各行程が実施される。
【0023】
シリンダヘッド9には、それぞれ燃焼室に向かって開口する2つの吸気ポート17及び2つの排気ポート18が設けられている。吸気ポート17は、各気筒12内に吸気を導入するためのものである。排気ポート18は、各気筒12内から排気を排出するためのものである。各吸気ポート17には、これら吸気ポート17を開閉して吸気ポート17と気筒12内部とを連通又は遮断するための吸気弁19が設けられている。各排気ポート18には、これら排気ポート18を開閉して排気ポート18と気筒12内部とを連通又は遮断するための排気弁20が設けられている。吸気弁19は、吸気弁駆動機構(弁駆動手段)30で駆動されることにより、所定のタイミングで吸気ポート17を開閉する。排気弁20は、排気弁駆動機構(弁駆動手段)40で駆動されることにより、所定のタイミングで排気ポート18を開閉する。
【0024】
吸気弁駆動機構30は、吸気弁19に連結された吸気カムシャフト31と吸気VVT32とを有している。吸気カムシャフト31は、周知のチェーン及びスプロケット機構等の動力伝達機構を介してクランクシャフトに連結されており、クランクシャフトの回転に伴い回転して、吸気弁19を開閉駆動する。吸気VVT32は、吸気弁19のバルブタイミングを変更するためのものである。
【0025】
吸気VVT32は、吸気カムシャフト31と、この吸気カムシャフト31と同軸に配置されてクランクシャフトにより直接駆動される所定の被駆動軸との間の位相差を変更し、これによりクランクシャフトと前記吸気カムシャフト31との間の位相差を変更することで、吸気弁19のバルブタイミングを変更する。吸気VVT32の具体的構成としては、例えば、前記被駆動軸と前記吸気カムシャフト31との間に周方向に並ぶ複数の液室を有し、これら液室間に圧力差を設けることで前記位相差を変更する液圧式機構や、前記被駆動軸と前記吸気カムシャフト31との間に電磁石を配設し、前記電磁石に電力を付与することで前記位相差を変更する電磁式機構等が挙げられる。この吸気VVT32は、ECU2で算出された吸気弁19の目標バルブタイミングに基づいて前記位相差を変更する。
【0026】
各気筒12の吸気ポート17には、それぞれ吸気通路3が接続されている。各吸気通路3の上流端部は、それぞれサージタンク3aに接続されている。
【0027】
排気弁駆動機構40は、吸気弁駆動機構30と同様の構造を有している。すなわち、排気弁駆動機構40は、排気弁20及びクランクシャフトに連結された排気カムシャフト41と、この排気カムシャフト41とクランクシャフトとの位相差を変更することで、排気弁20のバルブタイミングを変更する排気VVT42とを有している。排気VVT42は、ECU2で算出された排気弁20の目標バルブタイミングに基づいて前記位相差を変更する。そして、排気カムシャフト41は、この位相差の下でクランクシャフトの回転に伴って回転して排気弁20を前記目標バルブタイミングで開閉駆動する。
【0028】
本実施形態では、前記吸気VVT32及び排気VVT42は、吸気弁19及び排気弁20の開弁期間及びリフト量つまりバルブプロファイルをそれぞれ一定に保ったまま、吸気弁19及び排気弁20の開弁時期(図7に示す開弁開始時期)及び閉弁時期をそれぞれ変更する。
【0029】
また、本実施形態では、前記吸気弁19及び排気弁20の開弁時期(開弁開始時期)及び閉弁時期とは、それぞれ、図7に示すように、各バルブのリフトカーブにおいてバルブのリフトが急峻に立ち上がる又は立ち下がる時期であり、例えば0.4mmリフトの時期をいう。
【0030】
(2)排気系の構成
排気マニホールド5は、上流側から順に、3つの独立排気通路52と、各独立排気通路52の下流端に接続されて各独立排気通路52を通過した排気が流入する混合管50とを有する。前記混合管50は、その軸芯上に、上流側から順に、下流側ほど流路面積が小さくなる集合部56と、前記集合部56の下流端の流路面積(混合管50の最小流路面積)を維持して下流側に延びるストレート部57と、下流側ほど流路面積が大きくなるディフューザー部58とを備えている。
【0031】
前記各独立排気通路52は、前記各気筒12の排気ポート18に接続されている。具体的には、前記気筒12のうち第1気筒12aの排気ポート18及び第4気筒12dの排気ポート18は、それぞれ個別に1つの独立排気通路52a、52dに接続されている。一方、排気行程が隣り合わず排気順序が連続しない第2気筒12bの排気ポート18と第3気筒12cの排気ポート18とは、構造を簡素化する観点から、共通の1つの独立排気通路52bに接続されている。より詳細には、この第2気筒12bの排気ポート18と第3気筒12cの排気ポート18とに接続されている独立排気通路52bは、その上流側において2つの通路に分離しており、その一方に前記第2気筒12bの排気ポート18が接続され、他方に前記第3気筒12cの排気ポート18が接続されている。
【0032】
本実施形態では、前記第2気筒12bと前記第3気筒12cとに対応する独立排気通路52bは、これら気筒12b,12cの間すなわちエンジン本体1の略中央部分と対向する位置において前記混合管50の集合部56に向かって延びている。一方、前記第1気筒12a及び前記第4気筒12dにそれぞれ対応する独立排気通路52a、52dは、各気筒12a、12dと対向する位置から湾曲しつつ前記混合管50の集合部56に向かって延びている。
【0033】
これら独立排気通路52a、52b、52dは、互いに独立しており、第1気筒12aから排出された排気と、第2気筒12b又は第3気筒12cから排出された排気と、第4気筒12dから排出された排気とは、互いに独立して各独立排気通路52a、52b、52d内を通って下流側に排出される。各独立排気通路52a、52b、52dを通過した排気は前記混合管50の集合部56に流入する。
【0034】
前記各独立排気通路52及び前記集合部56は、各独立排気通路52から高速で排気が噴出されてこの排気が高速で前記集合部56内に流入するのに伴い、この高速の排気の周囲に発生した混合管50内の負圧作用すなわちエゼクタ効果によって隣接する他の独立排気通路52及びこの独立排気通路52と連通する排気ポート18内に負圧が生成され、この排気ポート18内の排気が下流側に吸い出されるような形状を有している。
【0035】
具体的には、前記集合部56は、前記各独立排気通路52から排出された排気が高い速度を維持したまま下流側に流れ、且つ下流からの逆流を防止するよう、下流側に向かうほどその流路面積が小さくなる形状を有している。本実施形態では、排気の速度をより高い状態で維持するべく前記集合部56の下流端の流路面積は、前記各独立排気通路52の下流端の流路面積の合計よりも小さく設定されている。本実施形態では、この集合部56は、下流側に向かうに従って縮径する逆円錐台形状(漏斗形状)を有している。
【0036】
このように、前記集合部56及びストレート部57においては、下流側の流路面積の方が上流側の流路面積よりも小さい。そのため、排気は前記集合部56及びストレート部57を高速で通過する。この通過時に、排気の圧力及び温度は低下する。そのため、前記集合部56及びストレート部57において、排気の外部への放熱量は小さく抑えられる。そして、このストレート部57を通過した排気は、下流に向かうに従って流路面積が拡大するディフューザー部58に流入することにより、排気の圧力及び温度が回復し、高い温度を維持したまま下流側の触媒装置6に排出される。
【0037】
触媒装置6は、エンジン本体1から排出された排気を浄化するための装置である。この触媒装置6は、触媒本体64と、この触媒本体64を収容するケーシング62とを備えている。ケーシング62は、排気の流通方向と平行に延びる略円筒状を有している。触媒本体64は、排気中の有害成分を浄化するためのものであり、理論空燃比の雰囲気下で三元触媒機能を有する。この触媒本体64は、例えば、三元触媒を含有する。
【0038】
前記触媒本体64は、前記ケーシング62の排気流通方向の中央の拡径部分に収容されている。ケーシング62の上流端には所定の空間が形成されている。前記混合管50のディフューザー部58の下流端は前記ケーシング62の上流端に接続されている。ディフューザー部58から排出された排気は前記ケーシング62の上流端に流入した後、触媒本体64側へ進行する。
【0039】
前述のように、混合管50のディフューザー部58からは、高い温度の排気が下流側に排出される。そのため、混合管50に直接に触媒装置6が接続されていることで、触媒装置6内には相対的に高温の排気が流入し、これにより、触媒本体64は早期に活性化され、また、触媒本体64の活性状態が確実に維持される。
【0040】
一方、前記各独立排気通路52の下流部は、排気が各独立排気通路52から高速で前記集合部56内に噴出されるよう、下流に向かうほどその流路面積が小さくなる形状を有している。本実施形態では、図4に示すように、各独立排気通路52は、略楕円形断面を有する上流側部分(仮想線)から下流に向かうに従ってその断面積が縮小されており、その下流端では上流側部分の楕円形断面積の略1/3の断面積(流路面積)となる扇形となっている。そして、図5に示すように、これら独立排気通路52は、扇形をなす各下流端が、互いに隣接して全体として略円形断面を形成するように集合して前記集合部56の上流端に接続されている(図1、図2参照)。
【0041】
すなわち、前記混合管50の軸芯と直交する方向における各独立排気通路52の下流端の断面形状が互いに同じ略扇形に形成され(図4、図5参照)、前記扇形が集合して略円が形成されるように各独立排気通路52の下流端が束ねられた状態で各独立排気通路52の下流端が前記混合管50の集合部56の上流端に接続されている。
【0042】
本実施形態では、少なくとも低速・高負荷域において、図6に示すように、前記各気筒12の排気弁20の開弁期間と吸気弁19の開弁期間とが吸気上死点(TDC)を挟んでオーバーラップし、かつ、排気順序が連続する気筒12,12間において、一方の気筒(先行の気筒)12のオーバーラップ期間T_O/L中に、他方の気筒(後続の気筒)12の排気弁20が開弁を開始するように設定されている。
【0043】
具体的には、図6に示すように、第1気筒12aの排気弁20と吸気弁19とがオーバーラップしている期間中に第3気筒12cの排気弁20が開弁し、第3気筒12cの排気弁20と吸気弁19とがオーバーラップしている期間中に第4気筒12dの排気弁20が開弁し、第4気筒12dの排気弁20と吸気弁19とがオーバーラップしている期間中に第2気筒12bの排気弁20が開弁し、第2気筒12bの排気弁20と吸気弁19とがオーバーラップしている期間中に第1気筒12aの排気弁20が開弁するように設定されている。
【0044】
つまり、ECU2は、少なくとも低速・高負荷域において、各気筒12の排気弁20の開弁期間と吸気弁19の開弁期間とが所定期間オーバーラップすると共に、排気順序が連続する気筒12,12間において先行の気筒12の前記オーバーラップ期間T_O/L中に後続の気筒12の排気弁20が開弁するように、吸気弁駆動機構30及び排気弁駆動機構40を制御する。
【0045】
これにより、排気行程気筒12の排気弁20が開弁してブローダウンガスがこの排気行程気筒12から独立排気通路52を通って集合部56に高速で噴出されるのに伴い、エゼクタ効果によりオーバーラップ期間T_O/L中の吸気行程気筒12の排気ポート18内に負圧が生成される。そのため、前記エゼクタ効果がオーバーラップ期間T_O/L中の吸気行程気筒12の排気ポート18だけでなく、吸気行程気筒12から吸気行程気筒12の吸気ポート17にまで及び、このオーバーラップ期間T_O/L中の吸気行程気筒12内の掃気がより一層促進される。
【0046】
(3)本実施形態の特徴
図8に示すように、前記混合管50の集合部56より下流の排気通路に、Oセンサ59が配設されている。より具体的には、このOセンサ59は、前記集合部56より下流のストレート部57の上流端部に配設されている(図2、図3も参照)。すなわち、このOセンサ59は、流路面積が最小の位置に配設されている。そして、このOセンサ59は、混合管50の管壁から内部空間(排気流路)に突出する棒状のセンサ部を有することにより、混合管50の排気流路、より詳しくはストレート部57の排気流路を部分的に塞ぐ障害部材として機能する(図4、図5も参照)。以下、Oセンサ59のことを障害部材59と称して説明する。
【0047】
本実施形態において、前記混合管50の集合部56より下流の排気通路に、排気流路を部分的に塞ぐ障害部材59を配設した理由は、およそ次のようである。
【0048】
図9は、本実施形態に係るエンジンにおいて、クランク角CAに応じて、前記排気マニホールド5の3つの独立排気通路52のうちの第1気筒12aの独立排気通路52a(第4気筒12dの独立排気通路52dでも同様の結果が得られる)の内部の圧力がどのように変化するかを示す説明図(エンジン回転数は2500rpm)である。
【0049】
360°CA付近の高い圧力は、自気筒(第1気筒12a)からのブローダウンガスにより独立排気通路52a内に生じる正圧である。そして、540°CA付近の負圧は、第3気筒12cから集合部56に流出するブローダウンガスに基くエゼクタ効果により独立排気通路52a内に生じる負圧、0°CA付近の負圧は、第4気筒12dからのブローダウンガスに基くエゼクタ効果により独立排気通路52a内に生じる負圧、180°CA付近の負圧は、第2気筒12bからのブローダウンガスに基くエゼクタ効果により独立排気通路52a内に生じる負圧である。
【0050】
図示したように、前記混合管50の集合部56より下流の排気通路に、排気流路を部分的に塞ぐ障害部材を配設しない場合(鎖線)は、エゼクタ効果による負圧の発生時に、換言すれば、他気筒12b,12c,12dからのブローダウン時に、自気筒12aの独立排気通路52aの内部圧力が振動を起こしている。この振動により、混合管50内の負圧が弱くなり、エゼクタ効果が低下し、トルクの向上が図り難くなる。また、この振動により、NV(ノイズ(騒音)・バイブレーション(振動))も悪化する。
【0051】
図10は、図9に示す負圧発生時の振動を周波数分析したものである(エンジン回転数は2500rpm)。図示したように、周波数が500Hz〜8000Hzのうち、1000Hz〜2000Hzの範囲で、振動の振幅が最も大きくなっている(破線)。
【0052】
図11は、エンジン回転数が1000rpm〜6000rpmの範囲で、周波数が1000Hz〜2000Hzの範囲の振動の振幅の合計値(overall)を示したものである。図示したように、前記混合管50の集合部56より下流の排気通路に、排気流路を部分的に塞ぐ障害部材を配設しない場合(破線)は、エンジン回転数が1000rpm〜6000rpmの全範囲で、周波数が1000Hz〜2000Hzの範囲の振動の振幅の合計値が相対的に大きくなっている。
【0053】
他気筒からのブローダウン時に、自気筒の独立排気通路52の内部圧力に振動が発生する理由は、必ずしも明らかではないが、例えば、次のようなことが考えられる。
【0054】
図12は、日本機械学会論文集(B編)52巻474号(昭61−2)、508頁〜513頁、「超高速空気エゼクタにおける一次流れの振動」(松尾、望月、中村)に掲載されている図7の一部を抽出して描き改めたものである。図中、符号256は混合管の収束部(本実施形態の混合管50の集合部56に相当)、符号252bはコンプレッサからの圧縮空気が噴出するノズル(本実施形態の他気筒の独立排気通路52bに相当)、符号252a,252dは前記ノズル252bに隣接し、図外の集合胴(チャンバー)に連通する通路(本実施形態の自気筒の独立排気通路52a,52dに相当)である。
【0055】
前記ノズル252bから、マッハ3.05の超高速で、乾燥空気を混合管の収束部256に噴出させると、噴出された噴流Eは、混合管内の負圧の不均衡によって混合管内でいずれかの側に偏り、混合管の内壁面に接触する(図12(a)の状態)。すると、接触した側において噴流Eの速度が低下し、負圧が弱くなり、これにより噴流Eは混合管の内壁面の別の場所に移動する(図12(b)の状態を経て図12(c)の状態)。今度は、接触した別の側において噴流Eの速度が低下し、負圧が弱くなり、これにより噴流Eは混合管の内壁面のさらに別の場所に移動する(図12(d)の状態を経て図12(a)の状態)。以上のような動作が繰り返されることにより、ノズル252bから噴出された圧縮空気の噴流Eが自励振動を起こす。そして、この自励振動が、前記ノズル252bに隣接する通路252a,252d内において、負圧の発生時(圧縮空気の噴出時)に、圧力の振動として現れるものと考えられる。
【0056】
そのため、例えば、図12(a)の状態から図12(b)の状態を経て図12(c)の状態に移行する際や、図12(c)の状態から図12(d)の状態を経て図12(a)の状態に移行する際等に、つまり、圧縮空気の噴流Eが混合管の内壁面の別の場所に移動する際に、その移動を邪魔すると、圧縮空気の噴流Eの自励振動が抑制されると考えられる。
【0057】
したがって、本実施形態では、図8に示したように、前記混合管50の集合部56より下流の排気通路に、排気流路を部分的に塞ぐ障害部材59を配設したものである。この障害部材59は、各独立排気通路52から前記混合管50の集合部56内に高速で噴出された排気噴流が混合管50の内壁面の別の場所に移動するのを邪魔して自励振動を抑制する作用を有するものと考えられる。
【0058】
なお、排気噴流が混合管50の内壁面の別の場所に移動する場合、排気噴流は、混合管50の内壁面に沿って、すなわち、混合管50の内壁面に接触した状態のまま、別の場所に移動するものと考えられる。
【0059】
図9〜図11に、前記混合管50の集合部56より下流の排気通路に、排気流路を部分的に塞ぐ障害部材59を配設した場合(実線)を併せて示す。図示したように、図9においては、他気筒12b,12c,12dからのブローダウン時における自気筒12aの独立排気通路52aの内部圧力の振動が抑制されている。図10においては、周波数が1000Hz〜2000Hzの範囲で、振動の振幅が低減されている。図11においては、エンジン回転数が1000rpm〜6000rpmの範囲で、周波数が1000Hz〜2000Hzの範囲の振動の振幅の合計値が相対的に減少している。
【0060】
状況に応じて、図8に仮想線で示したように、障害部材59を集合部56より下流の排気通路に配設する態様として、混合管50のディフューザー部58に配設してもよい。あるいは、図示しないが、混合管50の下流の触媒装置6のケーシング62の上流管部に配設してもよい。これらに対して、障害部材59を集合部56に配設することもできる。
【0061】
図13は、図8のXIII−XIII線断面図である。図中、符号S1は、仮想線で示される独立排気通路52の下流端の流路面積を示している。また、図中、ハッチングを施した部分は、混合管50の最小の流路面積から障害部材59が排気流路を塞ぐ面積を減算した面積を示している。図8において、最小の流路面積は、混合管50の集合部56の下流端の流路面積、又は、混合管50のストレート部57の流路面積である。図8の場合は、障害部材59がストレート部57に配設されている(すなわち流路面積が最小の位置に配設されている)ので、図13では、ストレート部57の流路面積(符号57の円の面積)から障害部材59が排気流路を塞ぐ面積(白抜き部分の面積)を減算した部分にハッチングを施してある。
【0062】
そして、本実施形態では、独立排気通路52の下流端の流路面積S1と同じ面積を有する真円の直径をaとし、ストレート部57の流路面積から障害部材59が排気流路を塞ぐ面積を減算した面積、すなわち「有効流路面積」(図13のハッチング部分)と同じ面積を有する真円の直径をDとしたときに、a/Dを0.5〜0.85としている。これにより、後に詳しく説明するように、エゼクタ効果と、排気噴流の自励振動の抑制効果とがバランスよく両立する。
【0063】
(4)本実施形態の作用
本実施形態では、吸気ポート17を開閉可能な吸気弁19及び排気ポート18を開閉可能な排気弁20が備えられた複数の気筒12を有する多気筒エンジンの排気装置100が提供される。排気装置100は、1つの気筒12又は排気順序が連続しない複数の気筒12の排気ポート18に接続された複数の独立排気通路52と、前記各独立排気通路52を通過した排気が流入する混合管50とを有している。前記各独立排気通路52の下流端が束ねられた状態で前記混合管50の上流端に接続されている。前記混合管50は、排気流通方向の下流側が次第に縮径する集合部56を含んでいる。前記集合部56又は前記集合部56より下流の排気通路に、排気流路を部分的に塞ぐ障害部材59が設けられている。
【0064】
本実施形態によれば、各独立排気通路52を通過した排気が混合管50に流入することにより混合管50内に負圧が発生し、この負圧により、他の独立排気通路52ないしこれと連通する他の気筒12の排気ポート18内の排気が下流側に吸い出されるエゼクタ効果が得られる。
【0065】
その上で、本実施形態によれば、前記混合管50は、排気流通方向の下流側が次第に縮径する集合部56、換言すれば、流路面積が下流側ほど小さくなる集合部56を含み、この集合部56に、又は、この集合部56より下流の排気通路(混合管50に含まれる排気通路でも含まれない排気通路でもよい)に、排気流路を部分的に塞ぐ障害部材59が設けられている。これにより、障害部材59が、各独立排気通路の下流端から噴出された排気噴流が混合管50の内壁面の別の場所に移動するのを邪魔することにより、前記排気噴流の自励振動が抑制される。排気噴流が自励振動を起こすと、混合管50内の負圧が弱くなり、エゼクタ効果が低下し、トルクの向上が図り難くなる。したがって、排気噴流の自励振動を抑制することにより、簡単な構成でエゼクタ効果の低下を抑制することが可能となり、トルクの向上が図られる。また、排気噴流の自励振動を抑制することにより、NVHのうちNVが改善される。
【0066】
本実施形態では、少なくとも低速・高負荷域において、各気筒12の排気弁20の開弁期間と吸気弁19の開弁期間とが所定期間オーバーラップすると共に、排気順序が連続する気筒12,12間において先行の気筒12の前記オーバーラップ期間T_O/L中に後続の気筒12の排気弁20が開弁するように、各気筒12の吸気弁19及び排気弁20を駆動する吸気弁駆動機構30及び排気弁駆動機構40が設けられている。
【0067】
これにより、少なくとも低速・高負荷域では、各気筒12の排気弁20と吸気弁19とが共に開いた状態となるオーバーラップ期間T_O/Lが設けられ、排気順序が連続する気筒12,12間において先行の気筒12のオーバーラップ期間T_O/L中に後続の気筒12の排気弁20が開弁するので、前記エゼクタ効果がオーバーラップ期間T_O/L中の先行気筒12の吸気ポート17にまで及び、これにより、先行気筒12の掃気がより一層促進され、体積効率(ηV)のより一層の向上、ひいてはトルクのより一層の向上が図られる。
【0068】
本実施形態では、前記障害部材59として、Oセンサを兼用したから、障害部材59として専用の部材を用意する必要がなく、Oセンサを障害部材59として兼用することで、部品点数の削減が図られる。また、Oセンサを流路面積が最小の位置(ストレート部57)に設けたから、全ての気筒12から排出される排気の酸素濃度を均等に検出できる。そのため、エンジンの運転状態を精度よく検出でき、例えばAWSの実行時における気筒12毎の制御を精度よく行うことができる。
【0069】
本実施形態では、前記障害部材59を流路面積が最小の位置(ストレート部57)に設け、各独立排気通路52の下流端の流路面積S1と同じ面積を有する真円の直径をaとし、最小の流路面積であるストレート部57の流路面積から前記障害部材59が排気流路を塞ぐ面積を減算した面積(有効流路面積)と同じ面積を有する真円の直径をDとしたときに、a/Dを0.5〜0.85としている。
【0070】
前記a/Dが0.5未満であると、有効流路面積が大き過ぎることになり、このことは前記障害部材59が排気流路を塞ぐ面積が小さ過ぎることを意味し、その結果、排気噴流の自励振動の抑制効果が不足し得る。一方、前記a/Dが0.85を超えると、有効流路面積が小さ過ぎることになり、このことは前記障害部材59が排気流路を塞ぐ面積が大き過ぎることを意味し、その結果、各独立排気通路52の下流端から噴出された排気噴流の流れが滞って、混合管50内の負圧が弱くなり、エゼクタ効果が不足し得る。以上により、前記a/Dを0.5〜0.85とすることにより、エゼクタ効果と、排気噴流の自励振動の抑制効果とがバランスよく両立する。
【0071】
(5)本実施形態の変形例
混合管50は、流路面積が縮小する集合部56のみを含むもの(ストレート部57及びディフューザー部58がないもの)でもよく、集合部56と流路面積が拡大するディフューザー部58とだけを含むもの(ストレート部57がないもの)でもよい。このような構成の混合管を用いてもエゼクタ効果は得られる。例えば、量産設計時にレイアウト上の制約等から混合管50を短くする場合に、集合部56のみを含む混合管や、ストレート部を省略して集合部56とディフューザー部58とを直接滑らかに曲面でつなぐような形状の混合管等としても構わない。
【0072】
例えば、図14に示すように、集合部56のみを含む混合管50を用いた場合、障害部材(図例はOセンサ)59は、前記混合管50の直下流、つまり集合部56の直下流の排気通路に配設することが好ましい。図14では、障害部材59は、混合管50の下流の触媒装置6のケーシング62の上流管部に配設されている。
【0073】
これにより、混合管50の排気流通方向の長さのコンパクト化が図られ、ひいては排気系全体の排気流通方向の長さのコンパクト化が図られる。加えて、障害部材59は、流路面積が最小の位置(集合部56の直下流)に配設されている。流路面積が小さいほど、排気噴流の速度が上昇し、負圧が強くなり、排気噴流の自励振動が起き易くなる。したがって、この構成によれば、障害部材59により排気噴流の自励振動が効果的に抑制される。
【0074】
障害部材59の形状、数、配置等は、排気流路を部分的に塞ぐものであれば、特に限定されるものではなく、状況に応じて適宜決定すればよい。採用し得る形状としては、棒状の他、板状、網目状等が挙げられる。採用し得る配置としては、排気流路に突出の他、排気流路を跨ぐものでもよい。また、排気流通方向に複数個を並べてもよく、排気流路を囲むように複数個を並べてもよい。また、これらを組み合わせて用いてもよい。
【0075】
センサの他に、障害部材59として兼用し得るセンサ類としては、例えば排気温センサ等が挙げられる。
【符号の説明】
【0076】
12 気筒
17 吸気ポート
18 排気ポート
19 吸気弁
20 排気弁
30 吸気弁駆動機構(弁駆動手段)
40 排気弁駆動機構(弁駆動手段)
50 混合管
52 独立排気通路
56 集合部
59 障害部材
100 排気装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
吸気ポートを開閉可能な吸気弁及び排気ポートを開閉可能な排気弁が備えられた複数の気筒を有する多気筒エンジンの排気装置であって、
1つの気筒又は排気順序が連続しない複数の気筒の排気ポートに接続された複数の独立排気通路と、排気流通方向の下流側が次第に縮径し、前記各独立排気通路を通過した排気が流入する集合部とを有し、
前記各独立排気通路の下流端が束ねられた状態で前記集合部の上流端に接続され、
前記集合部又は前記集合部より下流の排気通路に、排気流路を部分的に塞ぐ障害部材が設けられていることを特徴とする多気筒エンジンの排気装置。
【請求項2】
請求項1に記載の多気筒エンジンの排気装置において、
少なくとも低速・高負荷域において、前記各気筒の排気弁の開弁期間と吸気弁の開弁期間とが所定期間オーバーラップすると共に、排気順序が連続する気筒間において先行の気筒の前記オーバーラップ期間中に後続の気筒の排気弁が開弁するように、各気筒の吸気弁及び排気弁を駆動する弁駆動手段が設けられていることを特徴とする多気筒エンジンの排気装置。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の多気筒エンジンの排気装置において、
前記障害部材は、前記集合部の直下流の排気通路に設けられていることを特徴とする多気筒エンジンの排気装置。
【請求項4】
請求項1から3のいずれか1項に記載の多気筒エンジンの排気装置において、
前記障害部材は、Oセンサであることを特徴とする多気筒エンジンの排気装置。
【請求項5】
請求項1から4のいずれか1項に記載の多気筒エンジンの排気装置において、
前記障害部材を排気通路の流路面積が最小の位置に設け、
各独立排気通路の下流端の流路面積と同じ面積を有する真円の直径をaとし、前記最小の流路面積から前記障害部材が排気流路を塞ぐ面積を減算した面積と同じ面積を有する真円の直径をDとしたときに、a/Dが0.5〜0.85であることを特徴とする多気筒エンジンの排気装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate