多温度・多質感冷凍食品電子レンジ加熱用トレイ
多温度・多質感冷凍食品のための電子レンジ加熱用トレイは、少なくとも一の側壁および上向きに凸起した底面によって規定される第1の一体化区画、ならびに少なくとも一の側壁および底面によって規定される第2の一体化区画を含み、第1および第2の区画の一方にマイクロ波エネルギー進入調整構造を含む。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[関連出願の引用]
本出願は、2009年12月30日に出願された米国仮出願No.61/291,161に基づき、かつその優先権を主張し、引用によりその全内容を本願に組み込む。
【背景技術】
【0002】
電子レンジ加熱用トレイは、通常、一または複数の種類の食品を加熱するための一または複数の区画を含む。しかし、異なる種類の食品を同じ加熱トレイ内で加熱すると、不均一な加熱が起こり得る。
【0003】
先行技術には電子レンジ加熱可能な食品のための多区画加熱トレイが開示されている。例えば、特許文献1は、複数の異なる食品を加熱するための電子レンジ用容器を開示している。その容器は、食品を分離するための複数の区画および一または複数のマイクロ波エネルギー感応性素材を含む。
【0004】
本明細書は、一般的に、異種の食品を同時に均一に加熱するように使用可能な多温度対応かつ多質感対応の電子レンジ加熱用トレイに関する。本明細書は、特に、少なくとも一の側壁および上方向に凸起した中央部とより低い外縁部とを有する底面で規定される第1の一体化区画(integral compartment)、および、マイクロ波エネルギーの進入を制限する手段を有する第2の一体化区画を含む、電子レンジ加熱用トレイについて記述する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】米国特許第7,476,830号明細書
【発明の概要】
【0006】
本開示の電子レンジ加熱支持体は、好ましくは、滑らかな周縁形状を有し電子レンジ加熱可能な素材で形成されたトレイを含む。該トレイは、少なくとも一の側壁と上方向に凸起した底面とで規定される第1の区画、および少なくとも一の側壁と底面とで規定される第2の区画を含む。第2の区画の底面は通常平坦である。第1の区画は、第2の区画から約0.125インチ(3.175mm)から約0.75インチ(19.05mm)の距離だけ隔離される。第1の区画と第2の区画の側壁の隣接部分は、下方向に広がる。滑らかな周縁形状は、円形(round)、長円形(elliptical)、および楕円形(oval)の中から選択される。
【0007】
パッケージングにおいて使用される場合、第1の一体化区画は、通常、ある量の第1の食品を含み、第2の一体化区画は、ある量の第2の食品を含む。第1および第2の食品は、異なる密度および異なる電子レンジ加熱特性(例えば、誘電性や熱特性)を有し得る。例えば、第1の食品が第2の食品より密度が高くてもよい。所望により、一方または両方の食品がペレット状であってもよい。
【0008】
該トレイは、いずれか一方または両方の区画を少なくとも部分的に被覆するマイクロ波エネルギー制限構造を含んでもよい。マイクロ波エネルギー制限構造は、その区画に到達するマイクロ波エネルギーを所定の方法で調整するように機能し、ホイル、マイクロ波吸収素材、マイクロ波透過素材、マイクロ波反射素材、およびその組合せからなる群から選択される素材を含み得る。マイクロ波エネルギー制限構造は、さらに、少なくとも一の開口、穴、間隙、その他を含んでもよく、それらによって、該制限手段または調整手段を透過するマイクロ波エネルギーの量をさらに調節できる。
【0009】
上向きに凸起した底面は、好ましくは、ドーム状の中央部およびより低い外縁部を有する。第1の区画の低い外縁部に位置した食品は、ドーム状の中央部上に位置した食品よりも厚くなり得る。ドーム状の中央部は、低い外縁から最大距離にして約0.1インチ(2.54mm)〜約1.0インチ(25.4mm)だけ凸起する。
【0010】
電子レンジ用のパッケージまたは容器は、好ましくは、滑らかな周縁形状を有し、電子レンジ対応(microwave-safe)素材で作製または形成されたトレイを含む。そのようなトレイは、少なくとも一の側壁および上方向に凸起した底面で規定される第1の一体化区画、少なくとも一の側壁および底面で規定される第2の一体化区画、第2の一体化区画に付属するマイクロ波エネルギー制限構造、第1の一体化区画内の第1の食品、ならびに第2の一体化区画内の第2の食品を含む。第2の一体化区画の底面は通常平坦である。第1の区画は、第2の区画から約0.125インチ(3.175mm)から約0.75インチ(19.05mm)の距離だけ横に離れている。第1の区画および第2の区画の側壁の隣接部は、下方向に広がる。
【0011】
マイクロ波エネルギー制限構造は、それに付随している区画および食品に加わるマイクロ波エネルギーの量を調節するように機能する。この目的のために、マイクロ波エネルギー制限構造は、ホイル、マイクロ波吸収素材、マイクロ波透過素材、マイクロ波反射素材、およびその組合せからなる群から選択される素材を含んでもよい。マイクロ波エネルギー制限構造は、一または複数の開口、穴、または間隙を有していてもよい。好ましくは、マイクロ波エネルギー制限構造は、その保護された食品を露出させるためにトレイから取り外すことができる。例えば、マイクロ波エネルギーを調整または制御するために使用されるフィルム蓋は、保護された食品を露出させるために取り外せるようにできる。マイクロ波エネルギーを調整または制御するために使用される底面シールドは、再利用を可能または容易にするためにトレイから取り外せるようにできる。
【0012】
第1および第2の食品は、重量および体積だけでなく密度が異なっていてもよい。所望ならば、一方または両方の食品がペレット状であってもよい。
【0013】
第1の一体化区画の上向きに凸起した底面は、好ましくは、ドーム状の中央部およびより低い外縁部を含む。さらに、ドーム状の中央部は、好ましくは、低い外縁部から最大距離にして約0.1インチ(2.54mm)〜約1.0インチ(25.4mm)だけ凸起している。この凸起によって当該食品を中央で薄く縁部で厚くすることにより、食品のより均一な加熱が促進される。
【0014】
異なる温度に電子レンジ加熱するために複数の食品をパッケージングする方法は、滑らかな周縁形状および互いに横方向に離隔した複数の食品収容区画を有する電子レンジ用トレイを用意する工程を含んでいてもよく、ここで、少なくとも一の食品収容区画は上方向に凸起した底面を含む。第1の食品は、トレイの第1の食品収容区画に配置され、それによって第1の食品はその中央部より周縁部でより厚くなり、所定時間マイクロ波に曝されると第1の食品は対応する第1の温度に到達する。第2の食品は、トレイの第2の食品収容区画に配置される。続いて、マイクロ波調整構造が第2の食品収容区画を少なくとも部分的に被覆するようにトレイに付加され、それによって、所定時間マイクロ波に曝されると第2の食品が対応する第2の温度に到達する。第2の温度は第1の温度とは異なっており、好ましくは、第1の温度より低くてもよい。所望ならば、少なくとも第1の食品収容区画は、実質的にマイクロ波透過性である構造によって被覆される。本方法は、第1および第2の食品の少なくとも一方をペレット状で用意する工程を含んでいてもよい。マイクロ波調整構造は、第2の食品収容区画に進入するマイクロ波エネルギーを少なくとも約25%低減する。
【0015】
本発明の多くの目的および利点は、添付の図面と共に本説明を読めば当業者にとって明白であろう。図面において、同一の構成要素には同一の参照番号が付されている。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】電子レンジ加熱用トレイの第1実施態様の上面図である。
【図2】電子レンジ加熱用トレイの一実施態様の側面図である。
【図3】ドーム状の凸起底面の第1実施態様の一部拡大断面図である。
【図4】ドーム状の凸状底面の第2実施態様の一部拡大断面図である。
【図5】電子レンジ加熱用トレイの頂面(land)および側壁の第2実施態様の一部拡大断面図である。
【図6】電子レンジ加熱用トレイの頂面および側壁の第3実施態様の一部拡大断面図である。
【図7】円形の電子レンジ加熱用トレイの上面図である。
【図8】第1の食品および第2の食品を含む、図1の電子レンジ加熱用トレイの上面図である。
【図9】マイクロ波エネルギー制限構造を含む電子レンジ加熱用トレイの一実施態様の側面図である。
【図10】マイクロ波エネルギー制限構造を含む電子レンジ加熱用トレイの第2実施態様の断面図である。
【図11】0.25インチ(6.35mm)の頂面領域を有する同一容器の分離された区画内で加熱されたマカロニアンドチーズ(MC)およびアップルソース(AS)の温度を時間の関数として示すグラフである。
【図12】0.375インチ(9.525mm)の頂面領域を有する同一容器の分離された区画内で加熱されたマカロニアンドチーズおよびアップルソースの温度を時間の関数として示すグラフである。
【図13】0.5インチ(12.7mm)の頂面領域を有する同一容器の分離された区画内で加熱されたマカロニアンドチーズおよびアップルソースの温度を時間の関数として示すグラフである。
【図14】3つの区画を含む電子レンジ用トレイの上面図である。
【図15】3つの区画およびマイクロ波エネルギー制限構造を有する電子レンジ用トレイの斜視図である。
【図16】3つの区画および蓋を有する電子レンジ用トレイの斜視図である。
【図17】3つの区画および蓋を有する別の電子レンジ用トレイの斜視図である。
【図18】図17の電子レンジ用トレイの平面図である。
【図19】図17の電子時レンジ用トレイの側面図である。底面の形状を示すために一部を切り欠いてある。
【図20】図17の電子レンジ用トレイの端面図である。底面の形状を示すために一部を切り欠いてある。
【図21】3つの区画を有するさらに別の電子レンジ用トレイの斜視図である。
【図22】図21のトレイの平面図である。
【図23】図21のトレイの側面図である。
【図24】図22の線24−24に沿った断面図である。
【図25】図22の線25−25に沿った断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
電子レンジ加熱用トレイは、多くの場合、一度に複数量の食品を加熱するための隣接する複数の区画を有する。多くの場合、食品の密度の違い、水分量の違い、その他の要素の結果として、異なる区画中の異なる食品は不均一に温まり、各量の食品内に熱い箇所と冷たい箇所がもたらされる。また、すべての区画が同じ入射マイクロ波に曝されるため、食品によっては、別の食品と共に加熱される際に過剰に加熱され得る。さらに、電子レンジは多くの場合、電子レンジの底面から食品を離して保持するガラストレイを有するが、(特定の理論に限定する訳ではないものの)ガラストレイは食品からの熱またはエネルギーを吸収し、そのことによって加熱時間が延びたり食品の不均一な加熱につながったりする可能性がある。とは言っても、電子レンジ内の食品の少なくとも一部をその底面または床面から持ち上げることにより、その食品はより速くより均一に熱くなり得る。電子レンジ内のマイクロ波エネルギーは、一般的に、床面を含む内部表面で反射されるため、食品を表面から離して置くことにより、内部表面のような反射点上に置く場合と比べて、その食品に当たるマイクロ波の振幅がより高くなる。
【0018】
本開示の電子レンジ加熱用トレイは、少なくとも、第1の一体化区画および頂面によって第1の一体化区画から分離された第2の一体化区画を有する。この頂面は、第1の一体化区画を第2の一体化区画から熱的に隔離し、第1の量の食品と第2の量の食品を実質的に均一に加熱することに寄与する。第1の一体化区画は、好ましくは、少なくとも一の側壁および上向きに凸起した底面によって規定される。該凸起底面は、第1の一体化区画に収容される所定量の食品の少なくとも一部を、電子レンジの床面から持ち上げるように機能する。さらに、そこにある食品は、凸状底部上の中央部でより薄く、区画側壁に隣接する周縁部でより厚くなる。この配置は、そこにある食品をより均一な温度にする上で有用である。第2の一体化区画は、食品のマイクロ波への曝露を低減および/または制御するマイクロ波エネルギー制限構造を有してもよい。
【0019】
図1に示されるように、電子レンジ加熱用トレイ10は、第1の一体化区画14および第2の一体化区画12を有する。各区画は、対応する少なくとも一の側壁16、17および対応する底面18、19によって規定される。好ましくは、区画12、14は、頂面22によって分離され、それによって第1の一体化区画14は第2の一体化区画12から熱的に隔離される。頂面22は、概して平行である側壁16、17の隣接部分を隔てる。
【0020】
好ましくは、電子レンジ加熱用トレイ10は、滑らかな外縁形状を有する。例として、電子レンジ加熱用トレイ10の滑らかな周縁形状は、丸、楕円形、または長円形であり得る。また好ましくは、第1の一体化区画14および第2の一体化区画12のそれぞれが、実質的に鋭い角のない滑らかな輪郭の周縁形状を有する。区画12、14が角を有する場合、その角は丸みを帯びた角20であることが好ましい。区画12、14の丸みを帯びた角、ならびに電子レンジ加熱用トレイ10および/または区画12、14の滑らかな周縁形状は、鋭い角および/または丸みを帯びていない形状を有する区画および/またはトレイと比較して、食品が過剰に過熱することの防止となる。加えて、電子レンジ加熱用トレイ10が丸みを帯びた形状を有していれば、区画12、14に収容された食品の周囲にマイクロ波エネルギー制限手段を用いる場合に、その成形がより容易となる。
【0021】
好適な一実施態様では、第1の区画14は、約20立方インチ(0.3277L)〜約30立方インチ(0.4916L)の容積を有し、第2の区画12は、より小さい約12立方インチ(0.1966L)〜約18立方インチ(0.2950L)の容積を有する。例えば、第1の区画14は25立方インチ(0.4097L)の容積を有し、第2の区画12は16立方インチ(0.2622L)の容積を有していてもよい。また、第1および第2の区画12、14は、約1インチ(25.4mm)〜1.5インチ(38.1mm)の深さを有する。しかしながら、上向きに凸起した底面を有する第1の区画14は、その区画全体にわたって異なる深さを有することになる。また好ましくは、第1の区画14は約4インチ(101.6mm)〜約6インチ(152.4mm)の幅を有し、より好ましくは、約4インチ(101.6mm)〜約5インチ(127.0mm)の幅を有し、さらに、第2の区画12は、約3インチ(76.2mm)〜約4インチ(101.6mm)の幅を有する。第1および第2の区画12、14は共に、約5インチ(127.0mm)〜約6インチ(152.4mm)の長さを有する。好ましくは、第1および第2の区画12、14の長さは、その最長部分において、頂面22の長さとほぼ同じになる。
【0022】
好適な実施態様では、電子レンジ加熱用トレイ10は、マイクロ波加熱エネルギーに曝された際に焦げたり、燃えたり、溶けたり、変形したりしない従来の電子レンジ対応素材(耐熱性プラスチック等)から形成される。電子レンジ加熱用トレイの形成に使用される素材はまた、食品に使用する際に安全なものでなければならない。好適な電子レンジ対応素材は、ポリエチレンテレフタレート(PET)、結晶性ポリエチレンテレフタレート(CPET)、ポリプロピレン、DYLARK(登録商標)等の高熱スチレンコポリマー、ミネラル充填ポリプロピレン、パルプモールド(molded pulp)、プレス紙、高密度ポリエチレン(HDPE)、および/またはそれらの組合せからなる群から選択可能である。さらに、電子レンジ加熱用トレイ10の形成に使用される素材は、実質的に剛性のトレイを形成するために十分な厚さを有する。
【0023】
好適な実施態様ではまた、第1の一体化区画14は、頂面22を介して第2の一体化区画から離され、接続される。頂面22は、約0.125インチ(3.175mm)から約0.75インチ(19.05mm)、より好ましくは約0.4インチ(10.16mm)から約0.6インチ(15.24mm)の幅wを有する(図2にも示されている)。好ましくは、頂面22は、その全長にわたって均一な幅を有する。第1の一体化区画14を第2の一体化区画12から離すことにより、区画12、14は互いに熱的に隔離され、それによって、必要に応じて各区画12、14で異なる加熱温度を達成することができる。区画12、14は、近接し過ぎて配置されると、第1の区画14内の第1の量の食品を第2の区画12内の第2の量の食品から十分に隔離できなくなり、いずれか一方または両方の食品において、少なくとも部分的に過剰加熱および/または加熱不足が起こり得る。
【0024】
図2に示されるように、第1の一体化区画14は、少なくとも一の側壁17、およびドーム側壁50で規定される上向きに凸起した底面19を含む。上向きに凸起した底面19は、より低い外縁26によって包囲されるドーム状中央部24を有する。好ましくは、ドーム状中央部24は、第1の一体化区画14の実質的に中央に配置される。これは、中央に配置された食品は、通常、外縁にある食品よりもゆっくりと温まるからである。このように、ドーム状中央部24を中央に配置することにより、区画14の中央にある食品の部分はより薄くなり、より速く温まる。それによって、中央の食品と周縁の食品は、ほぼ同じ時間でほぼ同一の温度に到達する。加えて、ドーム状中央部24は、電子レンジのガラス底面から食品を持ち上げ、それによってガラスへの熱エネルギー伝達を防止する。加熱中にドーム状中央部24の直下に閉じ込められた温かい空気も食品をガラスから隔離し、それによって熱の損失を防止し、また第1の一体化区画14の中央に配置された食品のより速い加熱を可能にする。
【0025】
好適な実施態様ではまた、第1の区画14の周縁に配置された食品は、ドーム状中央部24に配置された食品より厚くなる。好ましくは、第1の区画14の周縁の食品の厚さは、約0.5インチ(12.7mm)〜約0.875インチ(22.23mm)であり、第1の区画14の中央の食品の厚さは、ドームの高さが約0.3インチ(7.62mm)の場合、約0.312インチ(7.925mm)〜約0.5インチ(12.7mm)である。ドームが約0.13インチ(3.302mm)の高さを有する場合、周縁の食品の厚さは、約0.438インチ(11.13mm)〜約0.938インチ(23.83mm)であり、第1の区画14の中央の食品の厚さは、約0.312(7.925mm)インチ〜約0.813インチ(20.65mm)である。ドームの高さが約0.47インチ(11.94mm)の場合、周縁の食品の厚さは、約0.625インチ(15.88mm)〜約1.06インチ(26.92mm)であり、第1の区画14の中央の食品の厚さは、約0.312インチ(7.925mm)〜約0.625インチ(15.88mm)である。
【0026】
好適な実施態様では、第1の一体化区画14のドーム状中央部24の高さは、約0.1インチ(2.54mm)〜約1.0インチ(25.4mm)、より好ましくは約0.15インチ(3.81mm)〜約0.75インチ(19.05mm)、最も好ましくは約0.2インチ(5.08mm)〜約0.6インチ(15.24mm)である。例えば図3に示されるように、ドーム状中央部24は高さが約0.47インチ(11.94mm)であって急峻なドーム側壁50を有し得る。あるいは、例えば図4に示されるように、ドーム状中央部24は高さが約0.13(3.302mm)インチであって緩やかに傾斜したドーム側壁50を有し得る。ドーム高さが低過ぎるかまたは高過ぎると、以下に詳述するように、第1の一体化区画14全体にわたる均一な加熱が妨げられる。
【0027】
好適な実施態様では、図2に(また図5および6にも)示されるように、第1の一体化区画14および第2の一体化区画12の側壁16、17の隣接部は、下方向に広がる。代わりに、側壁16、17の隣接部が実質的に平行であってもよい。広がりを持つ側壁は、トレイの製造中およびトレイの充填時に、効率的な積み重ねおよび分離を可能にする。対照的に、実質的に垂直な側壁ではトレイの効率的な積み重ねが妨げられる。
【0028】
本実施態様では、図7に示されるように、電子レンジ加熱用トレイ10は、丸い周縁形状を有し、その丸い形状の弦または直径によって分離された第1の一体化区画14および第2の一体化区画12を有し得る。第1の一体化区画14は、少なくとも一の側壁17および底面19によって規定される。好適な実施態様では、底面19は、加熱の際に電子レンジの床面から所定量の食品の少なくとも一部が持ち上がるような上向きに凸起した底面である。第2の一体化区画12は、少なくとも一の側壁16および底面18によって規定される。第1の一体化区画14は、頂面22によって第2の一体化区画12から離され、頂面22は、第1の一体化区画14を第2の一体化区画12から熱的に絶縁するために十分な幅wを有する。それによって、各区画12、14において好適な温度が達成される。
【0029】
図8に示されるように、第1の一体化区画14は第1の量の第1の食品30を含み、第2の一体化区画12は第2の量の第2の食品32を含むことができる。好適な実施態様では、第1の量の食品30と第2の量の食品32は、異なる種類および/または量の食品である。別の実施態様では、第1の量の食品30と第2の量の食品32は、同一の種類および/または量の食品である。例えば、第1の量の食品30はマカロニアンドチーズであり第2の量の食品32はアップルソースであってもよい。
【0030】
好ましくは、第1の量の食品30は、第2の量の食品32よりゆっくり温まる。また好ましくは、第1および第2の食品30、32は、異なる密度を有し、それによって双方がほぼ同一時間内に所望の温度まで温まり、従来可能であった食品の組合せに比較して、利用可能な食品の種類が拡がる。したがって、第1の量の食品30は、より低い密度を有しより速く温まり得る。好適な実施態様では、第1の量の食品30は、ペレット化してその密度を低下させてもよい。別の実施態様では、第1の量の食品30は、キューブ状またはドーナツ状の構成でもよく、それによって第1の量の食品30を実質的に均一に加熱するのに必要な加熱時間を短縮することができる。また別の実施態様では、第2の量の食品32が第1の量の食品30より密度が低くてもよい。
【0031】
本開示においては、「ペレット」とは、食品材料の小片を意味するものとする。そのようなペレットは、あらゆる規則的または不規則的形状であってよい。ペレットは例えば、ほぼ球状、ほぼ円盤状、ほぼ半球状、ほぼ立方体状、ほぼ円柱状、ほぼドーナツ状、ほぼ平面状、等であり得るがこれらに限定されない。さらにペレットは、好ましくは、収容されるトレイ区画の横方向の最大寸法より実質的に小さな主寸法を有する。例えば、そのような横方向の最大寸法の約25%未満である。あるいは、好ましくはペレットは収容されるトレイ区画の深さより小さな主寸法を有する。本開示においては、「ペレット化」という用語は、材料をペレットに成形することを意味する。
【0032】
好適な実施態様ではまた、第2の量の食品32に対する第1の量の食品30の重量の比を調節して、加熱時間に応じた食品30、32の最終温度を調整または制御することができる。例えば、マカロニアンドチーズを第1区画14に配置し、アップルソースを第2区画12に配置する場合、マカロニアンドチーズの重量は約7.5オンス(212.6g)であり、アップルソースの重量は、約4.5オンス(127.6g)である。このように、マカロニアンドチーズ対アップルソースの比は、約62.5%対約37.5%、または約5:3である。第1の区画14および第2の区画12にチリおよびトウモロコシパンをそれぞれ配置した場合、チリの重量は、約7.5オンス(212.6g)であり、トウモロコシパンの重量は、約2.5オンス(70.9g)である。従って、チリ対トウモロコシパンの比は、約75%対約25%、または約3:1である。
【0033】
第1の量の食品30および第2の量の食品32は、パン製品、スープ、野菜、肉、サンドウィッチ、ピザ、ソース、ディップ、調味料、デザート、パスタ、ラップ、キャセロール型料理、鶏手羽、ナチョス、春巻き、モッツァレラスティックなどの前菜、シーフード、ライス、豆、ヨーグルト、カテージチーズ、アイスクリーム、カスタード、フルーツ、サラダおよび/またはそれらの組合せからなる群から選択可能である。
【0034】
図9および10に示されるように、好適な実施態様では、電子レンジ加熱用トレイ10は、マイクロ波エネルギーの進入を制限する手段を含んでもよい。マイクロ波エネルギー進入制限手段40は、第2の区画12の上部を通して入るマイクロ波エネルギーを少なくとも部分的に遮断し加熱された温度が低くなるようにする上部シールド42の形であってよい。好適な実施態様では、上部シールド42は、平坦な素材であり、蓋としても機能するフィルム素材に組み込まれてもよい。さらなる実施態様では、マイクロ波エネルギー進入制限手段40は、単一部材として形成されてもよい。別の実施態様では、マイクロ波エネルギー進入制限手段40は、複数部材であってもよい。マイクロ波エネルギー進入制限手段が大きくなれば、食品の温度を下げる傾向となる。従って、より低い食品温度が望まれる場合は、より大きなマイクロ波エネルギー進入制限手段を使用することが望ましい。
【0035】
図10に示されるように、電子レンジ加熱用トレイ10の第2の区画12のマイクロ波エネルギー進入制限手段40は、上部シールド42に加えて底面シールド44を有してもよい。好適な実施態様では、底面シールド44は、装着される区画の側壁および底面を、少なくとも部分的に被覆するように形成される。
【0036】
好適な実施態様では、電子レンジ内での電弧放電(arcing)を防止するために、上部シールド42と底面シールド44との間に少なくとも2mmの距離を維持することが重要となり得る。2枚のシールド間の最短距離が2mm未満であると、大きな電位が形成され電弧放電を引き起こし得る。
【0037】
別の実施態様では、マイクロ波エネルギー進入制限手段40は、穴やスリット等を有しない。さらに別の実施態様では、マイクロ波エネルギー進入制限手段40は、穴、スリット、その他を有してよい。上部シールド42および/または底面シールド44における穴のサイズおよび/または形状は、遮蔽される区画に収容される食品の加熱を最適化するために使用時に調整可能である。例えば、上部および/または底面シールドの穴は、円形、正方形、長方形、五角形、三角形、四辺形、細長いスロット、およびそれらの組合せであってよい。加えて、区画に進入するマイクロ波エネルギー量を制御して温度および加熱時間をさらに最適化するように、底面シールド44および/または上部シールド42の穴の場所およびサイズを変化させてもよい。このように、穴および/またはスロットの形状は、加熱を最適化するように選択することができる。好適な実施態様では、穴は、マイクロ波エネルギー進入制限手段40全体にわたり同じ直径を有する複数の円形の穴であってよい。マイクロ波エネルギー進入制限手段40に複数の穴を配置する場合には、長方形の穴よりも円形の穴のほうが、サイズを制御するのが容易である。穴の配置は、遮蔽された区画内でマイクロ波エネルギーがどこにどのように集中されるべきかに応じて選択可能である。穴の直径は、電子レンジ内での電弧放電を防止するために少なくとも約2mmであることが好ましい。
【0038】
好適な実施態様では、マイクロ波エネルギー進入制限手段40は、電子レンジ加熱用トレイ10から取外し可能であってもよい。電子レンジ加熱用トレイ10は、例えば図10に示されるように、上部シールド42および底面シールド44を有し得る。上部シールド42および底面シールド44の双方が電子レンジ加熱用トレイ10から取外し可能であってもよく、それによってその分離した部材をリサイクルできる。底面シールド44が取外し可能な場合、底面シールド44および当該区画は、底面シールド44を区画の底面に固定するためのスナップ機能を含むことができる。あるいは、底面シールド44がトレイに恒久的に取り付けられていてもよい。さらに別の実施態様では、底面シールドは、電子レンジ対応接着剤で半恒久的に電子レンジ加熱用トレイ10に取り付けられてもよい。
【0039】
好適な実施態様ではまた、マイクロ波エネルギー進入制限手段は、ホイル、マイクロ波吸収素材、マイクロ波透過素材、マイクロ波反射素材、およびその組合せからなる群から選択される素材を含む。好適な実施態様では、ホイルはアルミホイルである。ホイルシールドを使用する場合には、そのホイルは、高分子素材にラミネートされていないことが好ましい。また好ましくは、マイクロ波エネルギー進入制限手段は、マイクロ波エネルギーと相互作用する要素を含まない受動的なマイクロ波シールドである。
【0040】
好適な実施態様では、マイクロ波エネルギー進入制限手段は、第2の一体化区画に進入するマイクロ波エネルギーを少なくとも約25%低減する。各区画に吸収されるマイクロ波エネルギー量を決定するために、下記のエネルギー式を使用した。
E=Cp*m*ΔT/t
ここで、Eはエネルギー(J/sec)、Cpは水の定圧比熱(4.187J/g℃)、mは質量(g)、ΔTは最終温度と初期温度との差(℃)、tは時間(秒)である。マイクロ波エネルギー量に基づいて、各区画に進入するマイクロ波エネルギーのパーセンテージを決定することができる。エネルギー式の変動をシミュレートするため、2区画からなるトレイのそれぞれの区画を、種々の重量の内容物で満たした。シールド構造を第2の区画上に配置する前に、両区画の初期温度を測定した。加熱後、各区画の温度を測定し、各区画に存在するエネルギーを割り出した。各シールド構造について10回の試験を行って各区画に同様のエネルギーが存在することを確認した。
【0041】
マカロニアンドチーズを第1の区画に、アップルソースを第2の区画に配置した場合の、各区画における%エネルギーおよび区画間のエネルギー差を表1に示す。
【0042】
【表1】
【0043】
ここで示されるように、トレイ内のエネルギーの約73%が第1の区画に受け入れられ、トレイ内のエネルギーの約27%が第2の区画に受け入れられる。このように、遮蔽された小さい区画は、加熱中、トレイ内のマイクロ波エネルギーの約27%を受け入れる。
【0044】
表2は、チリを第1の区画に、トウモロコシパンを第2の区画に配置した場合の、各区画内の%エネルギーおよび区画間のエネルギー差を示す。
【0045】
【表2】
【0046】
ここで示されるように、トレイ内のエネルギーの約93%が第1の区画に受け入れられ、トレイ内のエネルギーの約7%が第2の区画に受け入れられる。すなわち、遮蔽された小さい区画は、加熱中、トレイ内のマイクロ波エネルギーの約7%を受け入れる。
【0047】
表1および表2の結果を比較すると、標準偏差および変動係数(COV)の値が小さいことから、各区画内の水の量を変えることおよび/または調理法を調整することはエネルギー式内において重要な要素ではないことが結論付けられる。
【0048】
使用にあたっては、マイクロ波エネルギー進入制限手段、第1の一体化区画の上向きに凸起した底面、ならびに第1および第2の一体化区画を分離する頂面の組合せが、各区画に収容された食品全体にわたって熱を遮蔽し、分離し、および均一に分布させるように共働する。マイクロ波エネルギー進入制限手段は、マイクロ波エネルギーが食品に到達することを少なくとも部分的に防止し、それによって、過熱を回避し、または、遮蔽されていない食品と比べてより低い温度を維持する。区画間を分離することは、各区画を互いに熱的に絶縁し、各区画で異なる温度への加熱を可能にするように機能する。最後に、第1の区画の上向きに凸起した底面は、その区画の中央にある食品をより迅速に加熱し、それによって第1の区画内の食品は全体にわたって実質的に均一に加熱される。
【0049】
異なる温度への電子レンジ加熱のために複数の食品を収容する方法は、上記のように、滑らかな周縁形状、頂面によって分離される少なくとも第1の一体化区画および第2の一体化区画を有する電子レンジトレイを用意することを含む。第1の一体化区画は、少なくとも一の側壁および上向きに凸起した底面によって規定され、第2の一体化区画は、少なくとも一の側壁および底面によって規定される。第1の食品がトレイの第1の一体化区画に入れられ、それによって第1の食品は、その中央部よりその周縁部において厚くなる。したがって、マイクロ波に曝されると、第1の食品は実質的にその全体にわたって均一の温度になる。第2の食品は第2の一体化区画に入れられ、マイクロ波エネルギーの進入を制限する手段によって少なくとも部分的に被覆されてもよい。マイクロ波に曝される際、第2の食品は、マイクロ波エネルギーの進入を制限する手段のために、第1の食品より低い温度に到達する。第1の一体化区画はフィルムのような蓋によって被覆されてもよい。好ましくは、マイクロ波エネルギーの進入を制限する手段は、第2の一体化区画に進入するマイクロ波エネルギーを少なくとも約25%低減する。好適な実施態様では、第1および/または第2の食品は、密度を下げるためにペレット化されていてもよい。
【0050】
等量のマカロニアンドチーズを3個の容器のそれぞれの第1の一体化区画に配置し1200Wの電子レンジで約200秒間加熱して、第1の一体化区画のドーム状中央部の高さがその区画内の加熱プロファイルに与える効果を決定した。各容器は、黒色のDYLARK(登録商標)素材で形成され、同一の遮蔽素材および遮蔽構造を有していた。各容器を電子レンジ内で同一位置に同一方向で配置して試験を行った。ドーム状中央部の高さは、第1の容器では約0.125インチ(3.175mm)、第2の容器では約0.3インチ(7.62mm)、第3の容器では約0.438インチ(11.13mm)であった。加熱後、中央部において、および周縁部に沿って、マカロニアンドチーズの温度が調べられた。第1および第3の容器においては、第2の容器と比較して、マカロニアンドチーズの中央部の平均温度がより低く、周縁部と中央部との間の温度差がより大きかった。したがって、約0.3インチ(7.62mm)の高さのドーム状中央部を有する容器は、ドーム状中央部がそれより低い容器や高い容器と比較して、より均一な調理を提供すると考えられる。
【0051】
頂面の幅が、第1の一体化区画および第2の一体化区画で得られる温度に与える影響を決定するために、等量のマカロニアンドチーズおよび等量のアップルソースを3個の容器のそれぞれの第1の一体化区画および第2の一体化区画に配置し、1200Wの電子レンジで約200秒間加熱した。各容器は、黒のDYLARK(登録商標)素材で形成され、同一の遮蔽素材および遮蔽構造を有していた。頂面幅は、第1の容器では約0.25インチ(6.35mm)、第2の容器では約0.375インチ(9.525mm)、第3の容器では約0.5インチ(12.7mm)であった。
【0052】
図11は、0.25インチ(6.35mm)の頂面幅を有する容器の第1の一体化区画および第2の一体化区画内の異なる場所におけるアップルソースおよびマカロニアンドチーズの平均温度を時間の関数として示す。アップルソースの温度は、第2の一体化区画内の4箇所で測定され、約200秒間の加熱後の4箇所の各点における温度は、約50°F(10℃)から約90°F(32.2℃)であった。第1の一体化区画内のマカロニアンドチーズは、3箇所で測定された。約200秒間の加熱後、マカロニアンドチーズの温度は、約180°F(82.2℃)〜約220°F(104.4℃)であった。
【0053】
図12は、0.375インチ(9.525mm)の頂面幅を有する容器の第1の一体化区画および第2の一体化区画内の異なる場所におけるアップルソースおよびマカロニアンドチーズの平均温度を時間の関数として示す。アップルソースの温度は、第2の一体化区画内の4箇所で測定され、約200秒間の加熱後の4箇所の各点における温度は、約60°F(15.6℃)から約110°F(43.3℃)であった。第1の一体化区画内のマカロニアンドチーズは、3箇所で測定された。約200秒間の加熱後、マカロニアンドチーズの温度は、約210°F(98.9℃)〜約215°F(101.7℃)であった。
【0054】
図13は、0.5インチ(12.7mm)の頂面幅を有する容器の第1の一体化区画および第2の一体化区画内の異なる場所におけるアップルソースおよびマカロニアンドチーズの平均温度を時間の関数として示す。アップルソースの温度は、第2の一体化区画内の4箇所で測定され、約200秒間の加熱後の4箇所の各点における温度は、約65°F(18.3℃)から約120°F(48.9℃)であった。第1の一体化区画内のマカロニアンドチーズは、3箇所で測定された。約200秒間の加熱後、マカロニアンドチーズの温度は、約205°F(96.1℃)〜約215°F(101.7℃)であった。
【0055】
0.5インチ(12.7mm)を超える幅を有する頂面の効果を決定するために、マカロニアンドチーズを含む第1の一体化区画とアップルソースを含む第2の一体化区画とを電子レンジ内で約3インチ(76.2mm)離し、約200秒間加熱した。各容器は、黒のDYLARK(登録商標)素材で形成され、同一の遮蔽素材および遮蔽構造を有していた。第1の一体化区画内の食品を第2の一体化区画内の食品から絶縁し隔離させるためには、より広い頂面が好ましい。
【0056】
別の実施態様では、電子レンジ加熱用トレイ10は、図14に示すように、第1の一体化区画14、第2の一体化区画12、および第3の一体化区画55を有する。各区画は、対応する少なくとも一の側壁17、16、56および底面19、18、57によって規定される。
【0057】
好ましくは、第1の一体化区画14は、頂面22によって第2および第3の一体化区画12、55から離され、それによって第1の一体化区画14は、第2および第3の一体化区画12、55から熱的に隔離される。好ましくはまた、第2の一体化区画12は、第2の頂面60によって第3の一体化区画55から離される。好ましくは、第2の頂面60は、第2の区画12を第3の区画55から熱的に隔離するために十分な幅w’を有する。好ましくは、第2の頂面60の幅w’および第1の頂面22の幅wは、約0.125インチ(3.175mm)〜約0.75インチ(19.05mm)であり、より好ましくは約0.4(10.16mm)インチ〜0.6インチ(15.24mm)である。好ましくは、頂面22は実質的にその全長にわたって均一な横方向の幅を有する。頂面の性状に加えて、蓋素材とトレイとの間の密封度も、異なる区画内で異なる温度を維持するために重要である。この目的のためには、トレイ区画が食品で満たされた後に蓋素材がトレイに設置される際に、外縁周りだけではなく隣接する区画12、14、55間の頂面に沿っても蓋がトレイに密封されるという点に注意を要する。この密封操作により各区画12、14、55が互いに隔離されることが好ましい。
【0058】
好ましくはまた、第1、第2、および第3の区画12、14、55のそれぞれが異なる食品を含んでもよい。別の実施態様では、第1、第2、第3の区画12、14、55が同一の食品を含んでもよい。好ましくは、第1、第2、第3の区画12、14、55に含まれる食品は、異なる密度および/または加熱特性(例えば、誘電的および熱的特性)を有する。
【0059】
図15に示されるように、第2の区画12および第3の区画55は、トレイ10の第2の区画12および第3の区画55へのマイクロ波エネルギーの進入を制限する手段40を有していてもよい。好適な実施態様では、第2および第3の区画12、55は、マイクロ波エネルギーの進入を制限する手段で覆われる度合いが異なる。例えば、図15に示されるように、第2の区画12内のマイクロ波エネルギーの進入を制限する手段40は穴を有しないのに対して、第3の区画55内のマイクロ波エネルギーの進入を制限する手段40は穴70を有し、それによって第2の区画12より第3の区画55に多くのマイクロ波エネルギーを進入させることを可能にする。さらに、第2の区画12はマイクロ波エネルギーの進入を制限する手段40をその側壁および底面に有するのに対し、第3の区画55内のマイクロ波エネルギーの進入を制限する手段40は、区画の側面および底面の一部のみを被覆していてもよい。したがって、第3の区画55には、第2の区画12に比較してより多くのマイクロ波エネルギーが進入可能となる。好適な実施態様では、マイクロ波エネルギーの進入を制限する手段40は、第2および第3の区画12、55の内表面に配置される。別の実施態様では、マイクロ波エネルギーの進入を制限する手段40は、図10に示されるように、区画の外表面に配置される。また別の実施態様では、第2および第3の区画12、55は、マイクロ波エネルギーの進入を制限する手段で覆われる度合いが同じである。
【0060】
特定の組合せの食品に使用される遮蔽の特定の場所および量は、その組合せの各食品に望まれる温度に依存する。したがって、限定せずに例を挙げると、一の区画のみが遮蔽されること、すべての区画が遮蔽されること、遮蔽の量が区画ごとに異なること、遮蔽の量が二以上の区画において同一であること、等は全て本発明の範囲に包含される。
【0061】
図16に示されるように、電子レンジ加熱用トレイ10は、取外し可能な蓋75を含むこともできる。第2および第3の区画を被覆する蓋74の部分は、前記マイクロ波エネルギー進入を制限する手段を形成するのに使用された素材から形成してもよい。加えて、第1の区画を被覆するために使用される蓋72の部分は、透明なプラスチック素材で形成できる。したがって、蓋75を形成してトレイ10の一または複数の区画にマイクロ波が進入することを少なくとも部分的に防止することができる。他の実施態様では、蓋74の全体を、各区画に望まれるマイクロ波エネルギーの進入量に応じて、前記マイクロ波エネルギー進入を制限する手段を形成するのに使用された素材または透明なプラスチックフィルムで形成することができる。蓋の素材は、それ自体は切目なく連続的な素材であっても、遮蔽面において上記のように穴および/またはスリットを有するように構成および配置されてよいということが理解される。例えば、蓋素材が二以上の層の複合材である場合、一層は連続的で、マイクロ波遮蔽素材を含む第二層はエネルギー制御のための穴および/または間隙を有していてもよい。
【0062】
3区画トレイの別の実施態様(図17参照)は、図14の3区画トレイの実施態様とサイズおよび比率において類似しているが、さらなる改善を含んでいる。より詳しくは、第1の(または主たる)区画14は、上から見ると(図18参照)半円に近い。第1の区画14を囲むフランジの間に、上部面取り部(chamfer)または上部隅肉(fillet)90が設けられる。同様に、側壁94の底部では底部隅肉92が第1の区画の底面110を包囲する。上部隅肉90と底部隅肉92との間に、第1の区画14の側壁94が延在する。
【0063】
同様に、第2の区画には、第2の区画を包囲しフランジを第2の区画の側壁100に接合する上部面取り部または上部隅肉96がある。第2の区画の側壁100の底部には、隅肉98が、実質的に平坦またはほぼ平面状である第2の区画の底面と前記側壁100との間に延在する。第2の区画12は、上から見ると、四分円またはパイ型の構成に近い。
【0064】
この実施態様において第3の区画が使用される場合、好ましくは、第3の区画55もまた、第3の区画を包囲し上部フランジを第3の区画の側壁106に接合する上部面取り部または上部隅肉102を含む。側壁106は、上部隅肉から底部隅肉104まで延在し、底部隅肉104は第3の区画の実質的に平坦またはほぼ平面状である底面を包囲する。第2の区画12と同様に、第3の区画も四分円またはパイ型の構成に近い。
【0065】
第1の区画14の底面110は、中央部で最大高さとなるように、第1の区画14内の空間に向けて上向きに湾曲している(図19参照)。ほぼ縦方向の断面で見ると、好ましくは底面110はそれを包囲する側壁94の底端部から上向きに凸起するように湾曲している。さらに、横方向の断面で見ると(図20参照)、第1の区画の底面110は、第1の区画内の空間に向けて上向きに湾曲している。横方向の断面で見た場合もまた、底面110は、それを包囲する側壁94の底端部から上向きに凸起している。
【0066】
底面110のドーム状部分の高さhは、好ましくは第1の区画14の深さDの約20%〜約35%の範囲にある。好ましくは、高さhは、深さDの約25%である。上記のように、ドーム状の形状は、第1の区画14に配置された食品の均一な加熱を促進する。
【0067】
3区画トレイ10のさらに別の実施態様(図21参照)は、第1の区画14、第2の区画12、および第3の区画を有しており各区画は上で述べた特徴を有している。しかし、この実施態様は、トレイ10の剛性を高め、トレイ10の取扱い特性を改善するように機能する多くのさらなる特徴を含む。これらの特徴とは、真っ直ぐでない横方向フランジ118、一対の長い取っ手126、128、および、少なくとも一の区画を部分的に包囲する引っ込んだ(recessed)縁120、122、124である。
【0068】
真っ直ぐでない横方向フランジ118(図22参照)は、互いに対して角度をつけて対となった実質的に真っ直ぐである二部分を含んでもよい。好ましくは、その真っ直ぐの部分は、トレイ10の縦軸に対して対称的に配置される。好ましくは、真っ直ぐでない横方向フランジ118は、第1の区画14の中心から遠ざかるようにして延びる。必要であれば、真っ直ぐでない横方向フランジは、湾曲するかまたはほぼアーチ型であってもよい。横方向フランジ118の両端をつなぐ直線と、そのフランジの縁がその直線から最も逸脱する地点との間で測定されるずれは、縦軸を含む垂直面の曲げに対してトレイ10を強化するように機能する。その逸脱が大きいほど、強化効果は増大する。
【0069】
一対の取っ手126、128は、互いに対して、またトレイ10の縦軸に対して、実質的に平行である。好ましくは、取っ手126、128は、トレイの隣接する区画の間のフランジ幅より長い。この態様により、取っ手126、128は、横方向フランジ118の各々の端部においてトレイ10の縁を強化するように機能する。
【0070】
フランジに隣接し少なくとも一の区画を部分的に包囲する引っ込んだ縁を含めることによって、トレイ10のさらなる強化を達成することができる。より詳細には、第1の区画14は、実質的にその区画周りに延在し、側壁94のアーチ型部または湾曲部と実質的に併進して伸びる引っ込んだ縁(recessed edge)120を有していてもよい。その引っ込んだ縁120(図24参照)は、フランジ22の表面と併せて、第1の区画14の外周において実質的にC字型の断面を規定する。そのC字型断面は、そのような断面構成のない設計と比較して、フランジ22の面からのたわみに対する抵抗性が高い。
【0071】
同様に、第2の区画12および第3の区画55の一または複数は、引っ込んだ縁122、124をそれぞれ有していてもよい(図25参照)。第1の区画14の場合と同様、引っ込んだ縁122、124は、対応する区画12、55のアーチ型部または湾曲部と実質的に併進して延在する。さらに、引っ込んだ縁122、124は、第1の区画14との関連で説明した上記引っ込んだ縁120と同一の機能を提供する。
【0072】
上記の電子レンジ対応トレイと共に使用されるために選択される食品または食材は、好ましくは、個別急速冷凍(IQF)製品として包装される。より詳細には、ソース、スターチ、野菜、フルーツ、タンパク質、および乳製品が個別急速冷凍の形で使用され得る。個別急速冷凍製品は、例えば、小さな立方体、直径約1インチ(25.4mm)でほぼ球体である粒子、直径約1インチ(25.4mm)でほぼ半球状である粒子、その他の幾何形状として利用可能である。電子レンジ対応トレイのいずれの区画内でも、個別急速冷凍食材の組合せが使用可能である。その結果、限定せずに例を挙げるならば、スターチと混合されたソース、野菜と混合されたソース、タンパク質と混合されたソース、乳製品と混合されたソース、スターチと混合された野菜、タンパク質と混合された野菜、等を提供することが可能である。ただし個別急速冷凍食材は必ずしも混合されていなくてもよく、例えばソースがトッピングとなるように層状に提供してもよい。簡潔にいえば、個別急速冷凍食材の使用は、電子レンジ対応包装食品において可能な料理の組合せの幅を広げることになる。
【0073】
料理の組合せの柔軟性にとどまらず、個別急速冷凍食材が電子レンジ対応食品にさらなる利益をもたらすことが本発明により可能となった。例えば、個別急速冷凍食材は、電子レンジ対応食品を調理するのに必要な時間を短縮するように機能する。具体的なメカニズムは現時点では完全には理解されていないが、個別急速冷凍食材は、連続的(continuous)であったり一枚岩的(monolithic)であったりブロック状であったりする冷凍食材と比較して、より密度が低く、より表面積が大きく、より薄く、そしてより迅速に温まりやすいため、個別急速冷凍は、選択された食材が所望の温度に到達するスピードを速め得る。個別急速冷凍食材の使用により、特定の組合せの食材を適切な提供温度まで加熱するために必要なエネルギーも減少する。個別急速冷凍食材では必要な調理時間が減少することが、上記エネルギー減少の少なくとも一つの理由である。
【0074】
本明細書で開示された型の容器に個別急速冷凍食材が組み合わされた場合、そのような個別急速冷凍食材は、冷たい食品を冷たく保ちつつ温かい食品をより速く温めることを可能にするが、これは、容器全体をマイクロ波に曝す時間が短縮されることが少なくとも一つの理由である。したがって、個別急速冷凍食材を組み入れることにより、結果として得られる加熱食品の質と温度が高められる。個別急速冷凍食材を用いた場合の本発明による電子レンジ対応食品の調理時間の改善は、約15%〜約35%の調理時間短縮として見出された。例えば、通常量の食材を個別急速冷凍の形で含む本発明の電子レンジ対応加熱トレイを使用した場合、食材が個別急速冷凍ではない場合と比べて、調理時間が1分15秒短縮された。より少量の食材が採用される場合(例えば、ダイエット用食品用途)においては、調理時間の短縮度はより小さくなると予想される。
【0075】
個別急速冷凍食材の使用はまた、結果として得られる食品の質感特性を改善する。例えば、パスタを「アルデンテ」の質感で提供することができる。ここでもやはり、この特性改善の具体的な理由は現時点では完全に理解されていないが、食材が個別急速冷凍形式であると構成要素間の水分移動が最小限になることが一つの理由と考えられる。個別急速冷凍食材を使用することによって水分移動を制御できるので、隣接または近接した食材の水分レベルを互いに独立に選ぶことができる。この特性は、従来の一枚岩状またはブロック状の食材では得られないものである。
【0076】
本発明の電子レンジ対応トレイが、その異なる区画に異なる冷凍食品を収容して、後で電子レンジ加熱できる電子レンジ対応製品として提供される場合、顕著な改善点と利点がもたらされる。例えば、第1の加熱工程の後に通常攪拌工程が要求され、通常はその後さらに第2の加熱工程が必要とされる従来技術の製品または容器とは対照的に、本発明の電子レンジ対応提供製品または容器では単一の加熱工程のみが用いられ、そのことは少なくとも一つの大きな改善である。このように、本発明は、消費者の使用に供する容器および食材を、簡便な単一の電子レンジ加熱工程だけですっかり調製できることがわかる。
【0077】
本発明の電子レンジ対応製品または容器は、その種々の区画において、安定して再現性のある温度を提供する。しかも、そのような安定して再現性のある温度は、すべての区画において同一でなくてもよい。当該製品または容器は、種々の区画のそれぞれにおいて最適な加熱をもたらす。さらに、本発明は、二または三の区画しか有しない電子レンジ対応製品または容器だけに限定されるわけではないことも理解されるべきである。本発明の概念は、より多くの区画を有する電子レンジ対応製品または容器に適用可能である。
【0078】
上記では、本発明において好適に使用され得る食品の特定の二つの組合せを記載し論じたが、当業者であれば、本発明はそれらの食品に限定されるものではないことが理解されるべきである。他にもたくさんの食品の組合せが使用可能であることを考慮すれば、本発明の一般性がよりよく理解される。より詳細には、適切な食品の組合せとして例えば下記のものが挙げられる(これらに限定されるわけではない)。グリルチキンと蒸したブロッコリとホットファッジサンデー、スリーチーズジーティとサヤインゲンとイタリアンアイス、ペパーコーンビーフとサヤインゲンおよび/またはマッシュルームとシャーベット、七面鳥とマッシュドポテトとパンプキンパイ、バーベキューチキンとベイクドビーンとストロベリーショートケーキ、ペパーコーンビーフとサヤインゲンおよび/またはマッシュルームとキーライムパイ、ソールズベリーステーキとマカロニアンドチーズとアスパラガス、ミートローフとマッシュドポテトとサヤインゲン、詰め物入り七面鳥のスローローストとクランベリーソース、ローズマリーチキンとマッシュドポテトとブロッコリ、ビーフテリヤキとライスとパイナップル、セサミチキンとライスとオレンジ、詰め物入り七面鳥とクランベリー、パンケーキとメイプルシロップとストロベリー、七面鳥のソーセージ入りチージースクランブルとミックスベリー、卵オムレツとハッシュブラウンポテトとミックスフルーツ、オートミールとブルーベリー、ハムチーズスクランブルエッグとハッシュブラウンとシナモンロール、スリーチーズ卵オムレツと七面鳥のソーセージとブルーベリーマフィン、オートミールとバナナナッツマフィンとブルーベリー、アジアンチキンサラダ、サウスウェストチキンサラダ、刻みバーベキューチキンサラダ、バッファローチキンサラダ、ポテトとブロッコリ、チェダーベーコン、ポテトとチキンとベーコンとランチドレッシング、ポテトとチリとサワークリーム、ポテトとツナグラタン、サンドウィッチとコールスロー、サンドウィッチとフルーツサラダ、サンドウィッチとブロッコリサラダ、サンドウィッチとパスタサラダ、ブロッコリチェダースープと七面鳥、トマトスープと全粒チーズパン、チリとトウモロコシパン、チキンランチェロラップとランチディップ、ミニチースバーガーとケチャップ、骨なしチキンの手羽とブルーチーズディップ、チキンとチーズのケサディーヤとケソ、チキンとチーズのケサディーヤとサルサ、および、異なる温度で提供されることが望ましい一食品と少なくとももう一つの食品との他の種々の組合せ。
【0079】
例えば、ある区画がサラダを含み、他の区画がサラダトッピングを含む場合、その容器を加熱して該トッピングを加熱または加温し、サラダ部分に振り掛けるかまたは拡げるようにしてもよい。そのように異なる区画からのあらゆる食品を組み合せることは、電子レンジ対応トレイそのものにおいて、または所望により別の皿において行うことができる。
【0080】
本明細書では、「約」という語が数値と関連付けて多く使用されているが、これは、そのような数値が数学的な正確さを有することは意図されていない、ということを示す。したがって、数値に「約」が用いられる場合は、その数値に10%の許容差が考えられることが意図される。
【0081】
さらに、「ほぼ」とか「実質的に」という語が幾何形状に関連付けて使用される場合、その幾何形状の精度は必要とされず、その形状について幅を持たせた許容範囲が、本発明の範囲に含まれることが意図される。「ほぼ」や「実質的に」という語が幾何的な用語と共に用いられた場合、厳密な定義に適合するもののみならず、厳密な定義にかなり近いものも包含することが意図される。これに関連して、「丸い」という語は、二以上の実質的に直線的な部分を含む構成も含むことが意図される。
【0082】
以上、電子レンジ加熱用トレイ、該トレイの作製方法、および使用方法について詳細に説明したが、開示されたトレイおよび方法に様々な変更や修正を加えることが可能なこと、また、本発明の精神および範囲を実質的に逸脱しない等価物を採用可能なことは当業者にとって明白である。したがって、添付の請求項によって定義される本発明の精神および範囲に入るそのようなすべての変更、修正、および等価物は、本発明に包含されるものと意図される。
【技術分野】
【0001】
[関連出願の引用]
本出願は、2009年12月30日に出願された米国仮出願No.61/291,161に基づき、かつその優先権を主張し、引用によりその全内容を本願に組み込む。
【背景技術】
【0002】
電子レンジ加熱用トレイは、通常、一または複数の種類の食品を加熱するための一または複数の区画を含む。しかし、異なる種類の食品を同じ加熱トレイ内で加熱すると、不均一な加熱が起こり得る。
【0003】
先行技術には電子レンジ加熱可能な食品のための多区画加熱トレイが開示されている。例えば、特許文献1は、複数の異なる食品を加熱するための電子レンジ用容器を開示している。その容器は、食品を分離するための複数の区画および一または複数のマイクロ波エネルギー感応性素材を含む。
【0004】
本明細書は、一般的に、異種の食品を同時に均一に加熱するように使用可能な多温度対応かつ多質感対応の電子レンジ加熱用トレイに関する。本明細書は、特に、少なくとも一の側壁および上方向に凸起した中央部とより低い外縁部とを有する底面で規定される第1の一体化区画(integral compartment)、および、マイクロ波エネルギーの進入を制限する手段を有する第2の一体化区画を含む、電子レンジ加熱用トレイについて記述する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】米国特許第7,476,830号明細書
【発明の概要】
【0006】
本開示の電子レンジ加熱支持体は、好ましくは、滑らかな周縁形状を有し電子レンジ加熱可能な素材で形成されたトレイを含む。該トレイは、少なくとも一の側壁と上方向に凸起した底面とで規定される第1の区画、および少なくとも一の側壁と底面とで規定される第2の区画を含む。第2の区画の底面は通常平坦である。第1の区画は、第2の区画から約0.125インチ(3.175mm)から約0.75インチ(19.05mm)の距離だけ隔離される。第1の区画と第2の区画の側壁の隣接部分は、下方向に広がる。滑らかな周縁形状は、円形(round)、長円形(elliptical)、および楕円形(oval)の中から選択される。
【0007】
パッケージングにおいて使用される場合、第1の一体化区画は、通常、ある量の第1の食品を含み、第2の一体化区画は、ある量の第2の食品を含む。第1および第2の食品は、異なる密度および異なる電子レンジ加熱特性(例えば、誘電性や熱特性)を有し得る。例えば、第1の食品が第2の食品より密度が高くてもよい。所望により、一方または両方の食品がペレット状であってもよい。
【0008】
該トレイは、いずれか一方または両方の区画を少なくとも部分的に被覆するマイクロ波エネルギー制限構造を含んでもよい。マイクロ波エネルギー制限構造は、その区画に到達するマイクロ波エネルギーを所定の方法で調整するように機能し、ホイル、マイクロ波吸収素材、マイクロ波透過素材、マイクロ波反射素材、およびその組合せからなる群から選択される素材を含み得る。マイクロ波エネルギー制限構造は、さらに、少なくとも一の開口、穴、間隙、その他を含んでもよく、それらによって、該制限手段または調整手段を透過するマイクロ波エネルギーの量をさらに調節できる。
【0009】
上向きに凸起した底面は、好ましくは、ドーム状の中央部およびより低い外縁部を有する。第1の区画の低い外縁部に位置した食品は、ドーム状の中央部上に位置した食品よりも厚くなり得る。ドーム状の中央部は、低い外縁から最大距離にして約0.1インチ(2.54mm)〜約1.0インチ(25.4mm)だけ凸起する。
【0010】
電子レンジ用のパッケージまたは容器は、好ましくは、滑らかな周縁形状を有し、電子レンジ対応(microwave-safe)素材で作製または形成されたトレイを含む。そのようなトレイは、少なくとも一の側壁および上方向に凸起した底面で規定される第1の一体化区画、少なくとも一の側壁および底面で規定される第2の一体化区画、第2の一体化区画に付属するマイクロ波エネルギー制限構造、第1の一体化区画内の第1の食品、ならびに第2の一体化区画内の第2の食品を含む。第2の一体化区画の底面は通常平坦である。第1の区画は、第2の区画から約0.125インチ(3.175mm)から約0.75インチ(19.05mm)の距離だけ横に離れている。第1の区画および第2の区画の側壁の隣接部は、下方向に広がる。
【0011】
マイクロ波エネルギー制限構造は、それに付随している区画および食品に加わるマイクロ波エネルギーの量を調節するように機能する。この目的のために、マイクロ波エネルギー制限構造は、ホイル、マイクロ波吸収素材、マイクロ波透過素材、マイクロ波反射素材、およびその組合せからなる群から選択される素材を含んでもよい。マイクロ波エネルギー制限構造は、一または複数の開口、穴、または間隙を有していてもよい。好ましくは、マイクロ波エネルギー制限構造は、その保護された食品を露出させるためにトレイから取り外すことができる。例えば、マイクロ波エネルギーを調整または制御するために使用されるフィルム蓋は、保護された食品を露出させるために取り外せるようにできる。マイクロ波エネルギーを調整または制御するために使用される底面シールドは、再利用を可能または容易にするためにトレイから取り外せるようにできる。
【0012】
第1および第2の食品は、重量および体積だけでなく密度が異なっていてもよい。所望ならば、一方または両方の食品がペレット状であってもよい。
【0013】
第1の一体化区画の上向きに凸起した底面は、好ましくは、ドーム状の中央部およびより低い外縁部を含む。さらに、ドーム状の中央部は、好ましくは、低い外縁部から最大距離にして約0.1インチ(2.54mm)〜約1.0インチ(25.4mm)だけ凸起している。この凸起によって当該食品を中央で薄く縁部で厚くすることにより、食品のより均一な加熱が促進される。
【0014】
異なる温度に電子レンジ加熱するために複数の食品をパッケージングする方法は、滑らかな周縁形状および互いに横方向に離隔した複数の食品収容区画を有する電子レンジ用トレイを用意する工程を含んでいてもよく、ここで、少なくとも一の食品収容区画は上方向に凸起した底面を含む。第1の食品は、トレイの第1の食品収容区画に配置され、それによって第1の食品はその中央部より周縁部でより厚くなり、所定時間マイクロ波に曝されると第1の食品は対応する第1の温度に到達する。第2の食品は、トレイの第2の食品収容区画に配置される。続いて、マイクロ波調整構造が第2の食品収容区画を少なくとも部分的に被覆するようにトレイに付加され、それによって、所定時間マイクロ波に曝されると第2の食品が対応する第2の温度に到達する。第2の温度は第1の温度とは異なっており、好ましくは、第1の温度より低くてもよい。所望ならば、少なくとも第1の食品収容区画は、実質的にマイクロ波透過性である構造によって被覆される。本方法は、第1および第2の食品の少なくとも一方をペレット状で用意する工程を含んでいてもよい。マイクロ波調整構造は、第2の食品収容区画に進入するマイクロ波エネルギーを少なくとも約25%低減する。
【0015】
本発明の多くの目的および利点は、添付の図面と共に本説明を読めば当業者にとって明白であろう。図面において、同一の構成要素には同一の参照番号が付されている。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】電子レンジ加熱用トレイの第1実施態様の上面図である。
【図2】電子レンジ加熱用トレイの一実施態様の側面図である。
【図3】ドーム状の凸起底面の第1実施態様の一部拡大断面図である。
【図4】ドーム状の凸状底面の第2実施態様の一部拡大断面図である。
【図5】電子レンジ加熱用トレイの頂面(land)および側壁の第2実施態様の一部拡大断面図である。
【図6】電子レンジ加熱用トレイの頂面および側壁の第3実施態様の一部拡大断面図である。
【図7】円形の電子レンジ加熱用トレイの上面図である。
【図8】第1の食品および第2の食品を含む、図1の電子レンジ加熱用トレイの上面図である。
【図9】マイクロ波エネルギー制限構造を含む電子レンジ加熱用トレイの一実施態様の側面図である。
【図10】マイクロ波エネルギー制限構造を含む電子レンジ加熱用トレイの第2実施態様の断面図である。
【図11】0.25インチ(6.35mm)の頂面領域を有する同一容器の分離された区画内で加熱されたマカロニアンドチーズ(MC)およびアップルソース(AS)の温度を時間の関数として示すグラフである。
【図12】0.375インチ(9.525mm)の頂面領域を有する同一容器の分離された区画内で加熱されたマカロニアンドチーズおよびアップルソースの温度を時間の関数として示すグラフである。
【図13】0.5インチ(12.7mm)の頂面領域を有する同一容器の分離された区画内で加熱されたマカロニアンドチーズおよびアップルソースの温度を時間の関数として示すグラフである。
【図14】3つの区画を含む電子レンジ用トレイの上面図である。
【図15】3つの区画およびマイクロ波エネルギー制限構造を有する電子レンジ用トレイの斜視図である。
【図16】3つの区画および蓋を有する電子レンジ用トレイの斜視図である。
【図17】3つの区画および蓋を有する別の電子レンジ用トレイの斜視図である。
【図18】図17の電子レンジ用トレイの平面図である。
【図19】図17の電子時レンジ用トレイの側面図である。底面の形状を示すために一部を切り欠いてある。
【図20】図17の電子レンジ用トレイの端面図である。底面の形状を示すために一部を切り欠いてある。
【図21】3つの区画を有するさらに別の電子レンジ用トレイの斜視図である。
【図22】図21のトレイの平面図である。
【図23】図21のトレイの側面図である。
【図24】図22の線24−24に沿った断面図である。
【図25】図22の線25−25に沿った断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
電子レンジ加熱用トレイは、多くの場合、一度に複数量の食品を加熱するための隣接する複数の区画を有する。多くの場合、食品の密度の違い、水分量の違い、その他の要素の結果として、異なる区画中の異なる食品は不均一に温まり、各量の食品内に熱い箇所と冷たい箇所がもたらされる。また、すべての区画が同じ入射マイクロ波に曝されるため、食品によっては、別の食品と共に加熱される際に過剰に加熱され得る。さらに、電子レンジは多くの場合、電子レンジの底面から食品を離して保持するガラストレイを有するが、(特定の理論に限定する訳ではないものの)ガラストレイは食品からの熱またはエネルギーを吸収し、そのことによって加熱時間が延びたり食品の不均一な加熱につながったりする可能性がある。とは言っても、電子レンジ内の食品の少なくとも一部をその底面または床面から持ち上げることにより、その食品はより速くより均一に熱くなり得る。電子レンジ内のマイクロ波エネルギーは、一般的に、床面を含む内部表面で反射されるため、食品を表面から離して置くことにより、内部表面のような反射点上に置く場合と比べて、その食品に当たるマイクロ波の振幅がより高くなる。
【0018】
本開示の電子レンジ加熱用トレイは、少なくとも、第1の一体化区画および頂面によって第1の一体化区画から分離された第2の一体化区画を有する。この頂面は、第1の一体化区画を第2の一体化区画から熱的に隔離し、第1の量の食品と第2の量の食品を実質的に均一に加熱することに寄与する。第1の一体化区画は、好ましくは、少なくとも一の側壁および上向きに凸起した底面によって規定される。該凸起底面は、第1の一体化区画に収容される所定量の食品の少なくとも一部を、電子レンジの床面から持ち上げるように機能する。さらに、そこにある食品は、凸状底部上の中央部でより薄く、区画側壁に隣接する周縁部でより厚くなる。この配置は、そこにある食品をより均一な温度にする上で有用である。第2の一体化区画は、食品のマイクロ波への曝露を低減および/または制御するマイクロ波エネルギー制限構造を有してもよい。
【0019】
図1に示されるように、電子レンジ加熱用トレイ10は、第1の一体化区画14および第2の一体化区画12を有する。各区画は、対応する少なくとも一の側壁16、17および対応する底面18、19によって規定される。好ましくは、区画12、14は、頂面22によって分離され、それによって第1の一体化区画14は第2の一体化区画12から熱的に隔離される。頂面22は、概して平行である側壁16、17の隣接部分を隔てる。
【0020】
好ましくは、電子レンジ加熱用トレイ10は、滑らかな外縁形状を有する。例として、電子レンジ加熱用トレイ10の滑らかな周縁形状は、丸、楕円形、または長円形であり得る。また好ましくは、第1の一体化区画14および第2の一体化区画12のそれぞれが、実質的に鋭い角のない滑らかな輪郭の周縁形状を有する。区画12、14が角を有する場合、その角は丸みを帯びた角20であることが好ましい。区画12、14の丸みを帯びた角、ならびに電子レンジ加熱用トレイ10および/または区画12、14の滑らかな周縁形状は、鋭い角および/または丸みを帯びていない形状を有する区画および/またはトレイと比較して、食品が過剰に過熱することの防止となる。加えて、電子レンジ加熱用トレイ10が丸みを帯びた形状を有していれば、区画12、14に収容された食品の周囲にマイクロ波エネルギー制限手段を用いる場合に、その成形がより容易となる。
【0021】
好適な一実施態様では、第1の区画14は、約20立方インチ(0.3277L)〜約30立方インチ(0.4916L)の容積を有し、第2の区画12は、より小さい約12立方インチ(0.1966L)〜約18立方インチ(0.2950L)の容積を有する。例えば、第1の区画14は25立方インチ(0.4097L)の容積を有し、第2の区画12は16立方インチ(0.2622L)の容積を有していてもよい。また、第1および第2の区画12、14は、約1インチ(25.4mm)〜1.5インチ(38.1mm)の深さを有する。しかしながら、上向きに凸起した底面を有する第1の区画14は、その区画全体にわたって異なる深さを有することになる。また好ましくは、第1の区画14は約4インチ(101.6mm)〜約6インチ(152.4mm)の幅を有し、より好ましくは、約4インチ(101.6mm)〜約5インチ(127.0mm)の幅を有し、さらに、第2の区画12は、約3インチ(76.2mm)〜約4インチ(101.6mm)の幅を有する。第1および第2の区画12、14は共に、約5インチ(127.0mm)〜約6インチ(152.4mm)の長さを有する。好ましくは、第1および第2の区画12、14の長さは、その最長部分において、頂面22の長さとほぼ同じになる。
【0022】
好適な実施態様では、電子レンジ加熱用トレイ10は、マイクロ波加熱エネルギーに曝された際に焦げたり、燃えたり、溶けたり、変形したりしない従来の電子レンジ対応素材(耐熱性プラスチック等)から形成される。電子レンジ加熱用トレイの形成に使用される素材はまた、食品に使用する際に安全なものでなければならない。好適な電子レンジ対応素材は、ポリエチレンテレフタレート(PET)、結晶性ポリエチレンテレフタレート(CPET)、ポリプロピレン、DYLARK(登録商標)等の高熱スチレンコポリマー、ミネラル充填ポリプロピレン、パルプモールド(molded pulp)、プレス紙、高密度ポリエチレン(HDPE)、および/またはそれらの組合せからなる群から選択可能である。さらに、電子レンジ加熱用トレイ10の形成に使用される素材は、実質的に剛性のトレイを形成するために十分な厚さを有する。
【0023】
好適な実施態様ではまた、第1の一体化区画14は、頂面22を介して第2の一体化区画から離され、接続される。頂面22は、約0.125インチ(3.175mm)から約0.75インチ(19.05mm)、より好ましくは約0.4インチ(10.16mm)から約0.6インチ(15.24mm)の幅wを有する(図2にも示されている)。好ましくは、頂面22は、その全長にわたって均一な幅を有する。第1の一体化区画14を第2の一体化区画12から離すことにより、区画12、14は互いに熱的に隔離され、それによって、必要に応じて各区画12、14で異なる加熱温度を達成することができる。区画12、14は、近接し過ぎて配置されると、第1の区画14内の第1の量の食品を第2の区画12内の第2の量の食品から十分に隔離できなくなり、いずれか一方または両方の食品において、少なくとも部分的に過剰加熱および/または加熱不足が起こり得る。
【0024】
図2に示されるように、第1の一体化区画14は、少なくとも一の側壁17、およびドーム側壁50で規定される上向きに凸起した底面19を含む。上向きに凸起した底面19は、より低い外縁26によって包囲されるドーム状中央部24を有する。好ましくは、ドーム状中央部24は、第1の一体化区画14の実質的に中央に配置される。これは、中央に配置された食品は、通常、外縁にある食品よりもゆっくりと温まるからである。このように、ドーム状中央部24を中央に配置することにより、区画14の中央にある食品の部分はより薄くなり、より速く温まる。それによって、中央の食品と周縁の食品は、ほぼ同じ時間でほぼ同一の温度に到達する。加えて、ドーム状中央部24は、電子レンジのガラス底面から食品を持ち上げ、それによってガラスへの熱エネルギー伝達を防止する。加熱中にドーム状中央部24の直下に閉じ込められた温かい空気も食品をガラスから隔離し、それによって熱の損失を防止し、また第1の一体化区画14の中央に配置された食品のより速い加熱を可能にする。
【0025】
好適な実施態様ではまた、第1の区画14の周縁に配置された食品は、ドーム状中央部24に配置された食品より厚くなる。好ましくは、第1の区画14の周縁の食品の厚さは、約0.5インチ(12.7mm)〜約0.875インチ(22.23mm)であり、第1の区画14の中央の食品の厚さは、ドームの高さが約0.3インチ(7.62mm)の場合、約0.312インチ(7.925mm)〜約0.5インチ(12.7mm)である。ドームが約0.13インチ(3.302mm)の高さを有する場合、周縁の食品の厚さは、約0.438インチ(11.13mm)〜約0.938インチ(23.83mm)であり、第1の区画14の中央の食品の厚さは、約0.312(7.925mm)インチ〜約0.813インチ(20.65mm)である。ドームの高さが約0.47インチ(11.94mm)の場合、周縁の食品の厚さは、約0.625インチ(15.88mm)〜約1.06インチ(26.92mm)であり、第1の区画14の中央の食品の厚さは、約0.312インチ(7.925mm)〜約0.625インチ(15.88mm)である。
【0026】
好適な実施態様では、第1の一体化区画14のドーム状中央部24の高さは、約0.1インチ(2.54mm)〜約1.0インチ(25.4mm)、より好ましくは約0.15インチ(3.81mm)〜約0.75インチ(19.05mm)、最も好ましくは約0.2インチ(5.08mm)〜約0.6インチ(15.24mm)である。例えば図3に示されるように、ドーム状中央部24は高さが約0.47インチ(11.94mm)であって急峻なドーム側壁50を有し得る。あるいは、例えば図4に示されるように、ドーム状中央部24は高さが約0.13(3.302mm)インチであって緩やかに傾斜したドーム側壁50を有し得る。ドーム高さが低過ぎるかまたは高過ぎると、以下に詳述するように、第1の一体化区画14全体にわたる均一な加熱が妨げられる。
【0027】
好適な実施態様では、図2に(また図5および6にも)示されるように、第1の一体化区画14および第2の一体化区画12の側壁16、17の隣接部は、下方向に広がる。代わりに、側壁16、17の隣接部が実質的に平行であってもよい。広がりを持つ側壁は、トレイの製造中およびトレイの充填時に、効率的な積み重ねおよび分離を可能にする。対照的に、実質的に垂直な側壁ではトレイの効率的な積み重ねが妨げられる。
【0028】
本実施態様では、図7に示されるように、電子レンジ加熱用トレイ10は、丸い周縁形状を有し、その丸い形状の弦または直径によって分離された第1の一体化区画14および第2の一体化区画12を有し得る。第1の一体化区画14は、少なくとも一の側壁17および底面19によって規定される。好適な実施態様では、底面19は、加熱の際に電子レンジの床面から所定量の食品の少なくとも一部が持ち上がるような上向きに凸起した底面である。第2の一体化区画12は、少なくとも一の側壁16および底面18によって規定される。第1の一体化区画14は、頂面22によって第2の一体化区画12から離され、頂面22は、第1の一体化区画14を第2の一体化区画12から熱的に絶縁するために十分な幅wを有する。それによって、各区画12、14において好適な温度が達成される。
【0029】
図8に示されるように、第1の一体化区画14は第1の量の第1の食品30を含み、第2の一体化区画12は第2の量の第2の食品32を含むことができる。好適な実施態様では、第1の量の食品30と第2の量の食品32は、異なる種類および/または量の食品である。別の実施態様では、第1の量の食品30と第2の量の食品32は、同一の種類および/または量の食品である。例えば、第1の量の食品30はマカロニアンドチーズであり第2の量の食品32はアップルソースであってもよい。
【0030】
好ましくは、第1の量の食品30は、第2の量の食品32よりゆっくり温まる。また好ましくは、第1および第2の食品30、32は、異なる密度を有し、それによって双方がほぼ同一時間内に所望の温度まで温まり、従来可能であった食品の組合せに比較して、利用可能な食品の種類が拡がる。したがって、第1の量の食品30は、より低い密度を有しより速く温まり得る。好適な実施態様では、第1の量の食品30は、ペレット化してその密度を低下させてもよい。別の実施態様では、第1の量の食品30は、キューブ状またはドーナツ状の構成でもよく、それによって第1の量の食品30を実質的に均一に加熱するのに必要な加熱時間を短縮することができる。また別の実施態様では、第2の量の食品32が第1の量の食品30より密度が低くてもよい。
【0031】
本開示においては、「ペレット」とは、食品材料の小片を意味するものとする。そのようなペレットは、あらゆる規則的または不規則的形状であってよい。ペレットは例えば、ほぼ球状、ほぼ円盤状、ほぼ半球状、ほぼ立方体状、ほぼ円柱状、ほぼドーナツ状、ほぼ平面状、等であり得るがこれらに限定されない。さらにペレットは、好ましくは、収容されるトレイ区画の横方向の最大寸法より実質的に小さな主寸法を有する。例えば、そのような横方向の最大寸法の約25%未満である。あるいは、好ましくはペレットは収容されるトレイ区画の深さより小さな主寸法を有する。本開示においては、「ペレット化」という用語は、材料をペレットに成形することを意味する。
【0032】
好適な実施態様ではまた、第2の量の食品32に対する第1の量の食品30の重量の比を調節して、加熱時間に応じた食品30、32の最終温度を調整または制御することができる。例えば、マカロニアンドチーズを第1区画14に配置し、アップルソースを第2区画12に配置する場合、マカロニアンドチーズの重量は約7.5オンス(212.6g)であり、アップルソースの重量は、約4.5オンス(127.6g)である。このように、マカロニアンドチーズ対アップルソースの比は、約62.5%対約37.5%、または約5:3である。第1の区画14および第2の区画12にチリおよびトウモロコシパンをそれぞれ配置した場合、チリの重量は、約7.5オンス(212.6g)であり、トウモロコシパンの重量は、約2.5オンス(70.9g)である。従って、チリ対トウモロコシパンの比は、約75%対約25%、または約3:1である。
【0033】
第1の量の食品30および第2の量の食品32は、パン製品、スープ、野菜、肉、サンドウィッチ、ピザ、ソース、ディップ、調味料、デザート、パスタ、ラップ、キャセロール型料理、鶏手羽、ナチョス、春巻き、モッツァレラスティックなどの前菜、シーフード、ライス、豆、ヨーグルト、カテージチーズ、アイスクリーム、カスタード、フルーツ、サラダおよび/またはそれらの組合せからなる群から選択可能である。
【0034】
図9および10に示されるように、好適な実施態様では、電子レンジ加熱用トレイ10は、マイクロ波エネルギーの進入を制限する手段を含んでもよい。マイクロ波エネルギー進入制限手段40は、第2の区画12の上部を通して入るマイクロ波エネルギーを少なくとも部分的に遮断し加熱された温度が低くなるようにする上部シールド42の形であってよい。好適な実施態様では、上部シールド42は、平坦な素材であり、蓋としても機能するフィルム素材に組み込まれてもよい。さらなる実施態様では、マイクロ波エネルギー進入制限手段40は、単一部材として形成されてもよい。別の実施態様では、マイクロ波エネルギー進入制限手段40は、複数部材であってもよい。マイクロ波エネルギー進入制限手段が大きくなれば、食品の温度を下げる傾向となる。従って、より低い食品温度が望まれる場合は、より大きなマイクロ波エネルギー進入制限手段を使用することが望ましい。
【0035】
図10に示されるように、電子レンジ加熱用トレイ10の第2の区画12のマイクロ波エネルギー進入制限手段40は、上部シールド42に加えて底面シールド44を有してもよい。好適な実施態様では、底面シールド44は、装着される区画の側壁および底面を、少なくとも部分的に被覆するように形成される。
【0036】
好適な実施態様では、電子レンジ内での電弧放電(arcing)を防止するために、上部シールド42と底面シールド44との間に少なくとも2mmの距離を維持することが重要となり得る。2枚のシールド間の最短距離が2mm未満であると、大きな電位が形成され電弧放電を引き起こし得る。
【0037】
別の実施態様では、マイクロ波エネルギー進入制限手段40は、穴やスリット等を有しない。さらに別の実施態様では、マイクロ波エネルギー進入制限手段40は、穴、スリット、その他を有してよい。上部シールド42および/または底面シールド44における穴のサイズおよび/または形状は、遮蔽される区画に収容される食品の加熱を最適化するために使用時に調整可能である。例えば、上部および/または底面シールドの穴は、円形、正方形、長方形、五角形、三角形、四辺形、細長いスロット、およびそれらの組合せであってよい。加えて、区画に進入するマイクロ波エネルギー量を制御して温度および加熱時間をさらに最適化するように、底面シールド44および/または上部シールド42の穴の場所およびサイズを変化させてもよい。このように、穴および/またはスロットの形状は、加熱を最適化するように選択することができる。好適な実施態様では、穴は、マイクロ波エネルギー進入制限手段40全体にわたり同じ直径を有する複数の円形の穴であってよい。マイクロ波エネルギー進入制限手段40に複数の穴を配置する場合には、長方形の穴よりも円形の穴のほうが、サイズを制御するのが容易である。穴の配置は、遮蔽された区画内でマイクロ波エネルギーがどこにどのように集中されるべきかに応じて選択可能である。穴の直径は、電子レンジ内での電弧放電を防止するために少なくとも約2mmであることが好ましい。
【0038】
好適な実施態様では、マイクロ波エネルギー進入制限手段40は、電子レンジ加熱用トレイ10から取外し可能であってもよい。電子レンジ加熱用トレイ10は、例えば図10に示されるように、上部シールド42および底面シールド44を有し得る。上部シールド42および底面シールド44の双方が電子レンジ加熱用トレイ10から取外し可能であってもよく、それによってその分離した部材をリサイクルできる。底面シールド44が取外し可能な場合、底面シールド44および当該区画は、底面シールド44を区画の底面に固定するためのスナップ機能を含むことができる。あるいは、底面シールド44がトレイに恒久的に取り付けられていてもよい。さらに別の実施態様では、底面シールドは、電子レンジ対応接着剤で半恒久的に電子レンジ加熱用トレイ10に取り付けられてもよい。
【0039】
好適な実施態様ではまた、マイクロ波エネルギー進入制限手段は、ホイル、マイクロ波吸収素材、マイクロ波透過素材、マイクロ波反射素材、およびその組合せからなる群から選択される素材を含む。好適な実施態様では、ホイルはアルミホイルである。ホイルシールドを使用する場合には、そのホイルは、高分子素材にラミネートされていないことが好ましい。また好ましくは、マイクロ波エネルギー進入制限手段は、マイクロ波エネルギーと相互作用する要素を含まない受動的なマイクロ波シールドである。
【0040】
好適な実施態様では、マイクロ波エネルギー進入制限手段は、第2の一体化区画に進入するマイクロ波エネルギーを少なくとも約25%低減する。各区画に吸収されるマイクロ波エネルギー量を決定するために、下記のエネルギー式を使用した。
E=Cp*m*ΔT/t
ここで、Eはエネルギー(J/sec)、Cpは水の定圧比熱(4.187J/g℃)、mは質量(g)、ΔTは最終温度と初期温度との差(℃)、tは時間(秒)である。マイクロ波エネルギー量に基づいて、各区画に進入するマイクロ波エネルギーのパーセンテージを決定することができる。エネルギー式の変動をシミュレートするため、2区画からなるトレイのそれぞれの区画を、種々の重量の内容物で満たした。シールド構造を第2の区画上に配置する前に、両区画の初期温度を測定した。加熱後、各区画の温度を測定し、各区画に存在するエネルギーを割り出した。各シールド構造について10回の試験を行って各区画に同様のエネルギーが存在することを確認した。
【0041】
マカロニアンドチーズを第1の区画に、アップルソースを第2の区画に配置した場合の、各区画における%エネルギーおよび区画間のエネルギー差を表1に示す。
【0042】
【表1】
【0043】
ここで示されるように、トレイ内のエネルギーの約73%が第1の区画に受け入れられ、トレイ内のエネルギーの約27%が第2の区画に受け入れられる。このように、遮蔽された小さい区画は、加熱中、トレイ内のマイクロ波エネルギーの約27%を受け入れる。
【0044】
表2は、チリを第1の区画に、トウモロコシパンを第2の区画に配置した場合の、各区画内の%エネルギーおよび区画間のエネルギー差を示す。
【0045】
【表2】
【0046】
ここで示されるように、トレイ内のエネルギーの約93%が第1の区画に受け入れられ、トレイ内のエネルギーの約7%が第2の区画に受け入れられる。すなわち、遮蔽された小さい区画は、加熱中、トレイ内のマイクロ波エネルギーの約7%を受け入れる。
【0047】
表1および表2の結果を比較すると、標準偏差および変動係数(COV)の値が小さいことから、各区画内の水の量を変えることおよび/または調理法を調整することはエネルギー式内において重要な要素ではないことが結論付けられる。
【0048】
使用にあたっては、マイクロ波エネルギー進入制限手段、第1の一体化区画の上向きに凸起した底面、ならびに第1および第2の一体化区画を分離する頂面の組合せが、各区画に収容された食品全体にわたって熱を遮蔽し、分離し、および均一に分布させるように共働する。マイクロ波エネルギー進入制限手段は、マイクロ波エネルギーが食品に到達することを少なくとも部分的に防止し、それによって、過熱を回避し、または、遮蔽されていない食品と比べてより低い温度を維持する。区画間を分離することは、各区画を互いに熱的に絶縁し、各区画で異なる温度への加熱を可能にするように機能する。最後に、第1の区画の上向きに凸起した底面は、その区画の中央にある食品をより迅速に加熱し、それによって第1の区画内の食品は全体にわたって実質的に均一に加熱される。
【0049】
異なる温度への電子レンジ加熱のために複数の食品を収容する方法は、上記のように、滑らかな周縁形状、頂面によって分離される少なくとも第1の一体化区画および第2の一体化区画を有する電子レンジトレイを用意することを含む。第1の一体化区画は、少なくとも一の側壁および上向きに凸起した底面によって規定され、第2の一体化区画は、少なくとも一の側壁および底面によって規定される。第1の食品がトレイの第1の一体化区画に入れられ、それによって第1の食品は、その中央部よりその周縁部において厚くなる。したがって、マイクロ波に曝されると、第1の食品は実質的にその全体にわたって均一の温度になる。第2の食品は第2の一体化区画に入れられ、マイクロ波エネルギーの進入を制限する手段によって少なくとも部分的に被覆されてもよい。マイクロ波に曝される際、第2の食品は、マイクロ波エネルギーの進入を制限する手段のために、第1の食品より低い温度に到達する。第1の一体化区画はフィルムのような蓋によって被覆されてもよい。好ましくは、マイクロ波エネルギーの進入を制限する手段は、第2の一体化区画に進入するマイクロ波エネルギーを少なくとも約25%低減する。好適な実施態様では、第1および/または第2の食品は、密度を下げるためにペレット化されていてもよい。
【0050】
等量のマカロニアンドチーズを3個の容器のそれぞれの第1の一体化区画に配置し1200Wの電子レンジで約200秒間加熱して、第1の一体化区画のドーム状中央部の高さがその区画内の加熱プロファイルに与える効果を決定した。各容器は、黒色のDYLARK(登録商標)素材で形成され、同一の遮蔽素材および遮蔽構造を有していた。各容器を電子レンジ内で同一位置に同一方向で配置して試験を行った。ドーム状中央部の高さは、第1の容器では約0.125インチ(3.175mm)、第2の容器では約0.3インチ(7.62mm)、第3の容器では約0.438インチ(11.13mm)であった。加熱後、中央部において、および周縁部に沿って、マカロニアンドチーズの温度が調べられた。第1および第3の容器においては、第2の容器と比較して、マカロニアンドチーズの中央部の平均温度がより低く、周縁部と中央部との間の温度差がより大きかった。したがって、約0.3インチ(7.62mm)の高さのドーム状中央部を有する容器は、ドーム状中央部がそれより低い容器や高い容器と比較して、より均一な調理を提供すると考えられる。
【0051】
頂面の幅が、第1の一体化区画および第2の一体化区画で得られる温度に与える影響を決定するために、等量のマカロニアンドチーズおよび等量のアップルソースを3個の容器のそれぞれの第1の一体化区画および第2の一体化区画に配置し、1200Wの電子レンジで約200秒間加熱した。各容器は、黒のDYLARK(登録商標)素材で形成され、同一の遮蔽素材および遮蔽構造を有していた。頂面幅は、第1の容器では約0.25インチ(6.35mm)、第2の容器では約0.375インチ(9.525mm)、第3の容器では約0.5インチ(12.7mm)であった。
【0052】
図11は、0.25インチ(6.35mm)の頂面幅を有する容器の第1の一体化区画および第2の一体化区画内の異なる場所におけるアップルソースおよびマカロニアンドチーズの平均温度を時間の関数として示す。アップルソースの温度は、第2の一体化区画内の4箇所で測定され、約200秒間の加熱後の4箇所の各点における温度は、約50°F(10℃)から約90°F(32.2℃)であった。第1の一体化区画内のマカロニアンドチーズは、3箇所で測定された。約200秒間の加熱後、マカロニアンドチーズの温度は、約180°F(82.2℃)〜約220°F(104.4℃)であった。
【0053】
図12は、0.375インチ(9.525mm)の頂面幅を有する容器の第1の一体化区画および第2の一体化区画内の異なる場所におけるアップルソースおよびマカロニアンドチーズの平均温度を時間の関数として示す。アップルソースの温度は、第2の一体化区画内の4箇所で測定され、約200秒間の加熱後の4箇所の各点における温度は、約60°F(15.6℃)から約110°F(43.3℃)であった。第1の一体化区画内のマカロニアンドチーズは、3箇所で測定された。約200秒間の加熱後、マカロニアンドチーズの温度は、約210°F(98.9℃)〜約215°F(101.7℃)であった。
【0054】
図13は、0.5インチ(12.7mm)の頂面幅を有する容器の第1の一体化区画および第2の一体化区画内の異なる場所におけるアップルソースおよびマカロニアンドチーズの平均温度を時間の関数として示す。アップルソースの温度は、第2の一体化区画内の4箇所で測定され、約200秒間の加熱後の4箇所の各点における温度は、約65°F(18.3℃)から約120°F(48.9℃)であった。第1の一体化区画内のマカロニアンドチーズは、3箇所で測定された。約200秒間の加熱後、マカロニアンドチーズの温度は、約205°F(96.1℃)〜約215°F(101.7℃)であった。
【0055】
0.5インチ(12.7mm)を超える幅を有する頂面の効果を決定するために、マカロニアンドチーズを含む第1の一体化区画とアップルソースを含む第2の一体化区画とを電子レンジ内で約3インチ(76.2mm)離し、約200秒間加熱した。各容器は、黒のDYLARK(登録商標)素材で形成され、同一の遮蔽素材および遮蔽構造を有していた。第1の一体化区画内の食品を第2の一体化区画内の食品から絶縁し隔離させるためには、より広い頂面が好ましい。
【0056】
別の実施態様では、電子レンジ加熱用トレイ10は、図14に示すように、第1の一体化区画14、第2の一体化区画12、および第3の一体化区画55を有する。各区画は、対応する少なくとも一の側壁17、16、56および底面19、18、57によって規定される。
【0057】
好ましくは、第1の一体化区画14は、頂面22によって第2および第3の一体化区画12、55から離され、それによって第1の一体化区画14は、第2および第3の一体化区画12、55から熱的に隔離される。好ましくはまた、第2の一体化区画12は、第2の頂面60によって第3の一体化区画55から離される。好ましくは、第2の頂面60は、第2の区画12を第3の区画55から熱的に隔離するために十分な幅w’を有する。好ましくは、第2の頂面60の幅w’および第1の頂面22の幅wは、約0.125インチ(3.175mm)〜約0.75インチ(19.05mm)であり、より好ましくは約0.4(10.16mm)インチ〜0.6インチ(15.24mm)である。好ましくは、頂面22は実質的にその全長にわたって均一な横方向の幅を有する。頂面の性状に加えて、蓋素材とトレイとの間の密封度も、異なる区画内で異なる温度を維持するために重要である。この目的のためには、トレイ区画が食品で満たされた後に蓋素材がトレイに設置される際に、外縁周りだけではなく隣接する区画12、14、55間の頂面に沿っても蓋がトレイに密封されるという点に注意を要する。この密封操作により各区画12、14、55が互いに隔離されることが好ましい。
【0058】
好ましくはまた、第1、第2、および第3の区画12、14、55のそれぞれが異なる食品を含んでもよい。別の実施態様では、第1、第2、第3の区画12、14、55が同一の食品を含んでもよい。好ましくは、第1、第2、第3の区画12、14、55に含まれる食品は、異なる密度および/または加熱特性(例えば、誘電的および熱的特性)を有する。
【0059】
図15に示されるように、第2の区画12および第3の区画55は、トレイ10の第2の区画12および第3の区画55へのマイクロ波エネルギーの進入を制限する手段40を有していてもよい。好適な実施態様では、第2および第3の区画12、55は、マイクロ波エネルギーの進入を制限する手段で覆われる度合いが異なる。例えば、図15に示されるように、第2の区画12内のマイクロ波エネルギーの進入を制限する手段40は穴を有しないのに対して、第3の区画55内のマイクロ波エネルギーの進入を制限する手段40は穴70を有し、それによって第2の区画12より第3の区画55に多くのマイクロ波エネルギーを進入させることを可能にする。さらに、第2の区画12はマイクロ波エネルギーの進入を制限する手段40をその側壁および底面に有するのに対し、第3の区画55内のマイクロ波エネルギーの進入を制限する手段40は、区画の側面および底面の一部のみを被覆していてもよい。したがって、第3の区画55には、第2の区画12に比較してより多くのマイクロ波エネルギーが進入可能となる。好適な実施態様では、マイクロ波エネルギーの進入を制限する手段40は、第2および第3の区画12、55の内表面に配置される。別の実施態様では、マイクロ波エネルギーの進入を制限する手段40は、図10に示されるように、区画の外表面に配置される。また別の実施態様では、第2および第3の区画12、55は、マイクロ波エネルギーの進入を制限する手段で覆われる度合いが同じである。
【0060】
特定の組合せの食品に使用される遮蔽の特定の場所および量は、その組合せの各食品に望まれる温度に依存する。したがって、限定せずに例を挙げると、一の区画のみが遮蔽されること、すべての区画が遮蔽されること、遮蔽の量が区画ごとに異なること、遮蔽の量が二以上の区画において同一であること、等は全て本発明の範囲に包含される。
【0061】
図16に示されるように、電子レンジ加熱用トレイ10は、取外し可能な蓋75を含むこともできる。第2および第3の区画を被覆する蓋74の部分は、前記マイクロ波エネルギー進入を制限する手段を形成するのに使用された素材から形成してもよい。加えて、第1の区画を被覆するために使用される蓋72の部分は、透明なプラスチック素材で形成できる。したがって、蓋75を形成してトレイ10の一または複数の区画にマイクロ波が進入することを少なくとも部分的に防止することができる。他の実施態様では、蓋74の全体を、各区画に望まれるマイクロ波エネルギーの進入量に応じて、前記マイクロ波エネルギー進入を制限する手段を形成するのに使用された素材または透明なプラスチックフィルムで形成することができる。蓋の素材は、それ自体は切目なく連続的な素材であっても、遮蔽面において上記のように穴および/またはスリットを有するように構成および配置されてよいということが理解される。例えば、蓋素材が二以上の層の複合材である場合、一層は連続的で、マイクロ波遮蔽素材を含む第二層はエネルギー制御のための穴および/または間隙を有していてもよい。
【0062】
3区画トレイの別の実施態様(図17参照)は、図14の3区画トレイの実施態様とサイズおよび比率において類似しているが、さらなる改善を含んでいる。より詳しくは、第1の(または主たる)区画14は、上から見ると(図18参照)半円に近い。第1の区画14を囲むフランジの間に、上部面取り部(chamfer)または上部隅肉(fillet)90が設けられる。同様に、側壁94の底部では底部隅肉92が第1の区画の底面110を包囲する。上部隅肉90と底部隅肉92との間に、第1の区画14の側壁94が延在する。
【0063】
同様に、第2の区画には、第2の区画を包囲しフランジを第2の区画の側壁100に接合する上部面取り部または上部隅肉96がある。第2の区画の側壁100の底部には、隅肉98が、実質的に平坦またはほぼ平面状である第2の区画の底面と前記側壁100との間に延在する。第2の区画12は、上から見ると、四分円またはパイ型の構成に近い。
【0064】
この実施態様において第3の区画が使用される場合、好ましくは、第3の区画55もまた、第3の区画を包囲し上部フランジを第3の区画の側壁106に接合する上部面取り部または上部隅肉102を含む。側壁106は、上部隅肉から底部隅肉104まで延在し、底部隅肉104は第3の区画の実質的に平坦またはほぼ平面状である底面を包囲する。第2の区画12と同様に、第3の区画も四分円またはパイ型の構成に近い。
【0065】
第1の区画14の底面110は、中央部で最大高さとなるように、第1の区画14内の空間に向けて上向きに湾曲している(図19参照)。ほぼ縦方向の断面で見ると、好ましくは底面110はそれを包囲する側壁94の底端部から上向きに凸起するように湾曲している。さらに、横方向の断面で見ると(図20参照)、第1の区画の底面110は、第1の区画内の空間に向けて上向きに湾曲している。横方向の断面で見た場合もまた、底面110は、それを包囲する側壁94の底端部から上向きに凸起している。
【0066】
底面110のドーム状部分の高さhは、好ましくは第1の区画14の深さDの約20%〜約35%の範囲にある。好ましくは、高さhは、深さDの約25%である。上記のように、ドーム状の形状は、第1の区画14に配置された食品の均一な加熱を促進する。
【0067】
3区画トレイ10のさらに別の実施態様(図21参照)は、第1の区画14、第2の区画12、および第3の区画を有しており各区画は上で述べた特徴を有している。しかし、この実施態様は、トレイ10の剛性を高め、トレイ10の取扱い特性を改善するように機能する多くのさらなる特徴を含む。これらの特徴とは、真っ直ぐでない横方向フランジ118、一対の長い取っ手126、128、および、少なくとも一の区画を部分的に包囲する引っ込んだ(recessed)縁120、122、124である。
【0068】
真っ直ぐでない横方向フランジ118(図22参照)は、互いに対して角度をつけて対となった実質的に真っ直ぐである二部分を含んでもよい。好ましくは、その真っ直ぐの部分は、トレイ10の縦軸に対して対称的に配置される。好ましくは、真っ直ぐでない横方向フランジ118は、第1の区画14の中心から遠ざかるようにして延びる。必要であれば、真っ直ぐでない横方向フランジは、湾曲するかまたはほぼアーチ型であってもよい。横方向フランジ118の両端をつなぐ直線と、そのフランジの縁がその直線から最も逸脱する地点との間で測定されるずれは、縦軸を含む垂直面の曲げに対してトレイ10を強化するように機能する。その逸脱が大きいほど、強化効果は増大する。
【0069】
一対の取っ手126、128は、互いに対して、またトレイ10の縦軸に対して、実質的に平行である。好ましくは、取っ手126、128は、トレイの隣接する区画の間のフランジ幅より長い。この態様により、取っ手126、128は、横方向フランジ118の各々の端部においてトレイ10の縁を強化するように機能する。
【0070】
フランジに隣接し少なくとも一の区画を部分的に包囲する引っ込んだ縁を含めることによって、トレイ10のさらなる強化を達成することができる。より詳細には、第1の区画14は、実質的にその区画周りに延在し、側壁94のアーチ型部または湾曲部と実質的に併進して伸びる引っ込んだ縁(recessed edge)120を有していてもよい。その引っ込んだ縁120(図24参照)は、フランジ22の表面と併せて、第1の区画14の外周において実質的にC字型の断面を規定する。そのC字型断面は、そのような断面構成のない設計と比較して、フランジ22の面からのたわみに対する抵抗性が高い。
【0071】
同様に、第2の区画12および第3の区画55の一または複数は、引っ込んだ縁122、124をそれぞれ有していてもよい(図25参照)。第1の区画14の場合と同様、引っ込んだ縁122、124は、対応する区画12、55のアーチ型部または湾曲部と実質的に併進して延在する。さらに、引っ込んだ縁122、124は、第1の区画14との関連で説明した上記引っ込んだ縁120と同一の機能を提供する。
【0072】
上記の電子レンジ対応トレイと共に使用されるために選択される食品または食材は、好ましくは、個別急速冷凍(IQF)製品として包装される。より詳細には、ソース、スターチ、野菜、フルーツ、タンパク質、および乳製品が個別急速冷凍の形で使用され得る。個別急速冷凍製品は、例えば、小さな立方体、直径約1インチ(25.4mm)でほぼ球体である粒子、直径約1インチ(25.4mm)でほぼ半球状である粒子、その他の幾何形状として利用可能である。電子レンジ対応トレイのいずれの区画内でも、個別急速冷凍食材の組合せが使用可能である。その結果、限定せずに例を挙げるならば、スターチと混合されたソース、野菜と混合されたソース、タンパク質と混合されたソース、乳製品と混合されたソース、スターチと混合された野菜、タンパク質と混合された野菜、等を提供することが可能である。ただし個別急速冷凍食材は必ずしも混合されていなくてもよく、例えばソースがトッピングとなるように層状に提供してもよい。簡潔にいえば、個別急速冷凍食材の使用は、電子レンジ対応包装食品において可能な料理の組合せの幅を広げることになる。
【0073】
料理の組合せの柔軟性にとどまらず、個別急速冷凍食材が電子レンジ対応食品にさらなる利益をもたらすことが本発明により可能となった。例えば、個別急速冷凍食材は、電子レンジ対応食品を調理するのに必要な時間を短縮するように機能する。具体的なメカニズムは現時点では完全には理解されていないが、個別急速冷凍食材は、連続的(continuous)であったり一枚岩的(monolithic)であったりブロック状であったりする冷凍食材と比較して、より密度が低く、より表面積が大きく、より薄く、そしてより迅速に温まりやすいため、個別急速冷凍は、選択された食材が所望の温度に到達するスピードを速め得る。個別急速冷凍食材の使用により、特定の組合せの食材を適切な提供温度まで加熱するために必要なエネルギーも減少する。個別急速冷凍食材では必要な調理時間が減少することが、上記エネルギー減少の少なくとも一つの理由である。
【0074】
本明細書で開示された型の容器に個別急速冷凍食材が組み合わされた場合、そのような個別急速冷凍食材は、冷たい食品を冷たく保ちつつ温かい食品をより速く温めることを可能にするが、これは、容器全体をマイクロ波に曝す時間が短縮されることが少なくとも一つの理由である。したがって、個別急速冷凍食材を組み入れることにより、結果として得られる加熱食品の質と温度が高められる。個別急速冷凍食材を用いた場合の本発明による電子レンジ対応食品の調理時間の改善は、約15%〜約35%の調理時間短縮として見出された。例えば、通常量の食材を個別急速冷凍の形で含む本発明の電子レンジ対応加熱トレイを使用した場合、食材が個別急速冷凍ではない場合と比べて、調理時間が1分15秒短縮された。より少量の食材が採用される場合(例えば、ダイエット用食品用途)においては、調理時間の短縮度はより小さくなると予想される。
【0075】
個別急速冷凍食材の使用はまた、結果として得られる食品の質感特性を改善する。例えば、パスタを「アルデンテ」の質感で提供することができる。ここでもやはり、この特性改善の具体的な理由は現時点では完全に理解されていないが、食材が個別急速冷凍形式であると構成要素間の水分移動が最小限になることが一つの理由と考えられる。個別急速冷凍食材を使用することによって水分移動を制御できるので、隣接または近接した食材の水分レベルを互いに独立に選ぶことができる。この特性は、従来の一枚岩状またはブロック状の食材では得られないものである。
【0076】
本発明の電子レンジ対応トレイが、その異なる区画に異なる冷凍食品を収容して、後で電子レンジ加熱できる電子レンジ対応製品として提供される場合、顕著な改善点と利点がもたらされる。例えば、第1の加熱工程の後に通常攪拌工程が要求され、通常はその後さらに第2の加熱工程が必要とされる従来技術の製品または容器とは対照的に、本発明の電子レンジ対応提供製品または容器では単一の加熱工程のみが用いられ、そのことは少なくとも一つの大きな改善である。このように、本発明は、消費者の使用に供する容器および食材を、簡便な単一の電子レンジ加熱工程だけですっかり調製できることがわかる。
【0077】
本発明の電子レンジ対応製品または容器は、その種々の区画において、安定して再現性のある温度を提供する。しかも、そのような安定して再現性のある温度は、すべての区画において同一でなくてもよい。当該製品または容器は、種々の区画のそれぞれにおいて最適な加熱をもたらす。さらに、本発明は、二または三の区画しか有しない電子レンジ対応製品または容器だけに限定されるわけではないことも理解されるべきである。本発明の概念は、より多くの区画を有する電子レンジ対応製品または容器に適用可能である。
【0078】
上記では、本発明において好適に使用され得る食品の特定の二つの組合せを記載し論じたが、当業者であれば、本発明はそれらの食品に限定されるものではないことが理解されるべきである。他にもたくさんの食品の組合せが使用可能であることを考慮すれば、本発明の一般性がよりよく理解される。より詳細には、適切な食品の組合せとして例えば下記のものが挙げられる(これらに限定されるわけではない)。グリルチキンと蒸したブロッコリとホットファッジサンデー、スリーチーズジーティとサヤインゲンとイタリアンアイス、ペパーコーンビーフとサヤインゲンおよび/またはマッシュルームとシャーベット、七面鳥とマッシュドポテトとパンプキンパイ、バーベキューチキンとベイクドビーンとストロベリーショートケーキ、ペパーコーンビーフとサヤインゲンおよび/またはマッシュルームとキーライムパイ、ソールズベリーステーキとマカロニアンドチーズとアスパラガス、ミートローフとマッシュドポテトとサヤインゲン、詰め物入り七面鳥のスローローストとクランベリーソース、ローズマリーチキンとマッシュドポテトとブロッコリ、ビーフテリヤキとライスとパイナップル、セサミチキンとライスとオレンジ、詰め物入り七面鳥とクランベリー、パンケーキとメイプルシロップとストロベリー、七面鳥のソーセージ入りチージースクランブルとミックスベリー、卵オムレツとハッシュブラウンポテトとミックスフルーツ、オートミールとブルーベリー、ハムチーズスクランブルエッグとハッシュブラウンとシナモンロール、スリーチーズ卵オムレツと七面鳥のソーセージとブルーベリーマフィン、オートミールとバナナナッツマフィンとブルーベリー、アジアンチキンサラダ、サウスウェストチキンサラダ、刻みバーベキューチキンサラダ、バッファローチキンサラダ、ポテトとブロッコリ、チェダーベーコン、ポテトとチキンとベーコンとランチドレッシング、ポテトとチリとサワークリーム、ポテトとツナグラタン、サンドウィッチとコールスロー、サンドウィッチとフルーツサラダ、サンドウィッチとブロッコリサラダ、サンドウィッチとパスタサラダ、ブロッコリチェダースープと七面鳥、トマトスープと全粒チーズパン、チリとトウモロコシパン、チキンランチェロラップとランチディップ、ミニチースバーガーとケチャップ、骨なしチキンの手羽とブルーチーズディップ、チキンとチーズのケサディーヤとケソ、チキンとチーズのケサディーヤとサルサ、および、異なる温度で提供されることが望ましい一食品と少なくとももう一つの食品との他の種々の組合せ。
【0079】
例えば、ある区画がサラダを含み、他の区画がサラダトッピングを含む場合、その容器を加熱して該トッピングを加熱または加温し、サラダ部分に振り掛けるかまたは拡げるようにしてもよい。そのように異なる区画からのあらゆる食品を組み合せることは、電子レンジ対応トレイそのものにおいて、または所望により別の皿において行うことができる。
【0080】
本明細書では、「約」という語が数値と関連付けて多く使用されているが、これは、そのような数値が数学的な正確さを有することは意図されていない、ということを示す。したがって、数値に「約」が用いられる場合は、その数値に10%の許容差が考えられることが意図される。
【0081】
さらに、「ほぼ」とか「実質的に」という語が幾何形状に関連付けて使用される場合、その幾何形状の精度は必要とされず、その形状について幅を持たせた許容範囲が、本発明の範囲に含まれることが意図される。「ほぼ」や「実質的に」という語が幾何的な用語と共に用いられた場合、厳密な定義に適合するもののみならず、厳密な定義にかなり近いものも包含することが意図される。これに関連して、「丸い」という語は、二以上の実質的に直線的な部分を含む構成も含むことが意図される。
【0082】
以上、電子レンジ加熱用トレイ、該トレイの作製方法、および使用方法について詳細に説明したが、開示されたトレイおよび方法に様々な変更や修正を加えることが可能なこと、また、本発明の精神および範囲を実質的に逸脱しない等価物を採用可能なことは当業者にとって明白である。したがって、添付の請求項によって定義される本発明の精神および範囲に入るそのようなすべての変更、修正、および等価物は、本発明に包含されるものと意図される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
滑らかな周縁形状を有し電子レンジ対応素材から形成されるトレイを含む電子レンジ加熱支持体であって、そのトレイは、
少なくとも一の側壁および上向きに凸起した底面によって規定される第1の一体化区画、および
少なくとも一の側壁および底面によって規定される第2の一体化区画を含み、
第1の一体化区画は、第2の一体化区画から約0.125インチ(3.175mm)〜約0.75インチ(19.05mm)の距離だけ離れた電子レンジ加熱支持体。
【請求項2】
滑らかな周縁形状が、丸、長円形、楕円形からなる群から選択される、請求項1記載の電子レンジ加熱支持体。
【請求項3】
第1の一体化区画および第2の一体化区画の少なくとも一方が、マイクロ波エネルギー制限構造をさらに含む、請求項1記載の電子レンジ加熱支持体。
【請求項4】
マイクロ波エネルギー制限構造が、ホイル、マイクロ波吸収素材、マイクロ波透過素材、マイクロ波反射素材、およびその組合せからなる群から選択される素材を含む、請求項3記載の電子レンジ加熱支持体。
【請求項5】
マイクロ波エネルギー制限構造が少なくとも一の開口を含む、請求項3記載の電子レンジ加熱支持体。
【請求項6】
第1の一体化区画が第1の量の食品を含み、第2の一体化区画が第2の量の食品を含む、請求項1記載の電子レンジ加熱支持体。
【請求項7】
第1の量の食品および第2の量の食品が異なる密度および/または加熱特性を有する、請求項6記載の電子レンジ加熱支持体。
【請求項8】
第1の量の食品および第2の量の食品の一方がペレット状である、請求項6記載の電子レンジ加熱支持体。
【請求項9】
ペレットが個別急速冷凍食材である、請求項8記載の電子レンジ加熱支持体。
【請求項10】
第1および第2の区画の一方が第1の個別急速冷凍食材を収容する、請求項1記載の電子レンジ加熱支持体。
【請求項11】
第1および第2の区画の一方が少なくとも二の個別急速冷凍食材を収容する、請求項1記載の電子レンジ加熱支持体。
【請求項12】
第2の区画が個別急速冷凍食材を収容する、請求項1記載の電子レンジ加熱支持体。
【請求項13】
第2の区画が少なくとも二の個別急速冷凍食材を収容する、請求項1記載の電子レンジ加熱支持体。
【請求項14】
上向きに凸起した底面がドーム状の中央部およびより低い外縁部を有し、前記ドーム状の中央部における食品よりも前記外縁部における食品が厚くなる、請求項1記載の電子レンジ加熱支持体。
【請求項15】
前記ドーム状の中央部が、前記外縁部から約0.1インチ(2.54mm)〜約1.0インチ(25.4mm)の距離だけ高くなっている、請求項15記載の電子レンジ加熱支持体。
【請求項16】
第1の一体化区画および第2の一体化区画の側壁の隣接部が下方向に広がる、請求項1記載の電子レンジ加熱支持体。
【請求項17】
第2の一体化区画の底面がほぼ平面状である、請求項1記載の電子レンジ加熱支持体。
【請求項18】
少なくとも三の区画を含む、請求項1記載の電子レンジ加熱支持体。
【請求項19】
滑らかな周縁形状を有し電子レンジ対応素材から形成されるトレイを含む電子レンジ用容器であって、そのトレイは、
少なくとも一の側壁および上向きに凸起した底面によって規定される第1の一体化区画、
少なくとも一の側壁および底面によって規定される第2の一体化区画、
第1の一体化区画に収容される第1の量の食品、および
第2の一体化区画に収容される第2の量の食品を含み、
第1の一体化区画は第2の一体化区画から約0.125インチ(3.175mm)〜約0.75インチ(19.05mm)の距離だけ離れ、
第1および第2の一体化区画の少なくとも一方がマイクロ波エネルギー制限構造を含む電子レンジ用容器。
【請求項20】
マイクロ波エネルギー制限構造が、ホイル、マイクロ波吸収素材、マイクロ波透過素材、マイクロ波反射素材、およびその組合せからなる群から選択される素材を含む、請求項19記載の電子レンジ用容器。
【請求項21】
マイクロ波エネルギー制限構造が少なくとも一の穴を有する、請求項19記載の電子レンジ用容器。
【請求項22】
第1の量の食品および第2の量の食品が異なる密度および/または加熱特性を有する、請求項19記載の電子レンジ用容器。
【請求項23】
第1の量の食品および第2の量の食品の一方がペレット状である、請求項19記載の電子レンジ用容器。
【請求項24】
第1の量の食品および第2の量の食品の一方が個別急速冷凍食材を含む、請求項19記載の電子レンジ用容器。
【請求項25】
第1の量の食品および第2の量食品の一方が少なくとも二の個別急速冷凍食材を含む、請求項19記載の電子レンジ用容器。
【請求項26】
上向きに凸起した底面がドーム状の中央部およびより低い外縁部を有し、前記ドーム状の中央部における食品よりも前記外縁部における食品が厚くなる、請求項19記載の電子レンジ用容器。
【請求項27】
前記ドーム状の中央部が前記外縁部から約0.1インチ(2.54mm)〜約1.0インチ(25.4mm)の距離だけ高くなっている、請求項26記載の電子レンジ用容器。
【請求項28】
第1の一体化区画および第2の一体化区画の側壁の隣接部が下方向に広がる、請求項19記載の電子レンジ用容器。
【請求項29】
第2の一体化区画の底面がほぼ平面状である、請求項19記載の電子レンジ用容器。
【請求項30】
マイクロ波エネルギー進入制限手段が取外し可能である、請求項19記載の電子レンジ用容器。
【請求項31】
少なくとも第1および第2の区画を被覆し、第1および第2の区画を互いに実質的に隔離するようにトレイを密封する蓋素材をさらに含む、請求項19記載の電子レンジ用容器。
【請求項32】
蓋素材がトレイの滑らかな周縁形状に沿って密封され、周縁から容器の中央に向かって拡がる、請求項31記載の電子レンジ用容器。
【請求項33】
異なる温度に電子レンジ加熱するための複数の食品を収容する方法であって、
滑らかな周縁形状、および互いに分離された複数の食品収容区画を有し、第1の食品収容区画は上向きに凸起したの底面を有する、電子レンジ用トレイを用意し、
第1の食品を、所定時間マイクロ波に曝した際に対応する第1の温度に到達させるために、中央部より周縁部において厚くなるようにして、トレイの第1の食品収容区画に配置し、
第2の食品をトレイの第2の食品収容区画に配置し、
所定時間マイクロ波に曝した際に、第2の食品が、第1の温度とは異なる、対応する第2の温度に到達するように、第1および第2の食品収容区画の少なくとも一方をマイクロ波調整構造で少なくとも部分的に被覆し、
第1および第2の食品収容区画の一方を実質的にマイクロ波透過性である構造により被覆する工程を含む、方法。
【請求項34】
マイクロ波調整構造が、第2の食品収容区画に進入するマイクロ波エネルギーを少なくとも約25%低減する、請求項33記載の方法。
【請求項35】
第1の食品および第2の食品の少なくとも一方をペレット状で用意する工程をさらに含む、請求項33記載の方法。
【請求項36】
第1の食品および第2の食品の少なくとも一方を個別急速冷凍食材として用意する工程をさらに含む、請求項33記載の方法。
【請求項37】
第1の食品および第2の食品の少なくとも一方を複数の個別急速冷凍食材として用意する工程をさらに含む、請求項33記載の方法。
【請求項1】
滑らかな周縁形状を有し電子レンジ対応素材から形成されるトレイを含む電子レンジ加熱支持体であって、そのトレイは、
少なくとも一の側壁および上向きに凸起した底面によって規定される第1の一体化区画、および
少なくとも一の側壁および底面によって規定される第2の一体化区画を含み、
第1の一体化区画は、第2の一体化区画から約0.125インチ(3.175mm)〜約0.75インチ(19.05mm)の距離だけ離れた電子レンジ加熱支持体。
【請求項2】
滑らかな周縁形状が、丸、長円形、楕円形からなる群から選択される、請求項1記載の電子レンジ加熱支持体。
【請求項3】
第1の一体化区画および第2の一体化区画の少なくとも一方が、マイクロ波エネルギー制限構造をさらに含む、請求項1記載の電子レンジ加熱支持体。
【請求項4】
マイクロ波エネルギー制限構造が、ホイル、マイクロ波吸収素材、マイクロ波透過素材、マイクロ波反射素材、およびその組合せからなる群から選択される素材を含む、請求項3記載の電子レンジ加熱支持体。
【請求項5】
マイクロ波エネルギー制限構造が少なくとも一の開口を含む、請求項3記載の電子レンジ加熱支持体。
【請求項6】
第1の一体化区画が第1の量の食品を含み、第2の一体化区画が第2の量の食品を含む、請求項1記載の電子レンジ加熱支持体。
【請求項7】
第1の量の食品および第2の量の食品が異なる密度および/または加熱特性を有する、請求項6記載の電子レンジ加熱支持体。
【請求項8】
第1の量の食品および第2の量の食品の一方がペレット状である、請求項6記載の電子レンジ加熱支持体。
【請求項9】
ペレットが個別急速冷凍食材である、請求項8記載の電子レンジ加熱支持体。
【請求項10】
第1および第2の区画の一方が第1の個別急速冷凍食材を収容する、請求項1記載の電子レンジ加熱支持体。
【請求項11】
第1および第2の区画の一方が少なくとも二の個別急速冷凍食材を収容する、請求項1記載の電子レンジ加熱支持体。
【請求項12】
第2の区画が個別急速冷凍食材を収容する、請求項1記載の電子レンジ加熱支持体。
【請求項13】
第2の区画が少なくとも二の個別急速冷凍食材を収容する、請求項1記載の電子レンジ加熱支持体。
【請求項14】
上向きに凸起した底面がドーム状の中央部およびより低い外縁部を有し、前記ドーム状の中央部における食品よりも前記外縁部における食品が厚くなる、請求項1記載の電子レンジ加熱支持体。
【請求項15】
前記ドーム状の中央部が、前記外縁部から約0.1インチ(2.54mm)〜約1.0インチ(25.4mm)の距離だけ高くなっている、請求項15記載の電子レンジ加熱支持体。
【請求項16】
第1の一体化区画および第2の一体化区画の側壁の隣接部が下方向に広がる、請求項1記載の電子レンジ加熱支持体。
【請求項17】
第2の一体化区画の底面がほぼ平面状である、請求項1記載の電子レンジ加熱支持体。
【請求項18】
少なくとも三の区画を含む、請求項1記載の電子レンジ加熱支持体。
【請求項19】
滑らかな周縁形状を有し電子レンジ対応素材から形成されるトレイを含む電子レンジ用容器であって、そのトレイは、
少なくとも一の側壁および上向きに凸起した底面によって規定される第1の一体化区画、
少なくとも一の側壁および底面によって規定される第2の一体化区画、
第1の一体化区画に収容される第1の量の食品、および
第2の一体化区画に収容される第2の量の食品を含み、
第1の一体化区画は第2の一体化区画から約0.125インチ(3.175mm)〜約0.75インチ(19.05mm)の距離だけ離れ、
第1および第2の一体化区画の少なくとも一方がマイクロ波エネルギー制限構造を含む電子レンジ用容器。
【請求項20】
マイクロ波エネルギー制限構造が、ホイル、マイクロ波吸収素材、マイクロ波透過素材、マイクロ波反射素材、およびその組合せからなる群から選択される素材を含む、請求項19記載の電子レンジ用容器。
【請求項21】
マイクロ波エネルギー制限構造が少なくとも一の穴を有する、請求項19記載の電子レンジ用容器。
【請求項22】
第1の量の食品および第2の量の食品が異なる密度および/または加熱特性を有する、請求項19記載の電子レンジ用容器。
【請求項23】
第1の量の食品および第2の量の食品の一方がペレット状である、請求項19記載の電子レンジ用容器。
【請求項24】
第1の量の食品および第2の量の食品の一方が個別急速冷凍食材を含む、請求項19記載の電子レンジ用容器。
【請求項25】
第1の量の食品および第2の量食品の一方が少なくとも二の個別急速冷凍食材を含む、請求項19記載の電子レンジ用容器。
【請求項26】
上向きに凸起した底面がドーム状の中央部およびより低い外縁部を有し、前記ドーム状の中央部における食品よりも前記外縁部における食品が厚くなる、請求項19記載の電子レンジ用容器。
【請求項27】
前記ドーム状の中央部が前記外縁部から約0.1インチ(2.54mm)〜約1.0インチ(25.4mm)の距離だけ高くなっている、請求項26記載の電子レンジ用容器。
【請求項28】
第1の一体化区画および第2の一体化区画の側壁の隣接部が下方向に広がる、請求項19記載の電子レンジ用容器。
【請求項29】
第2の一体化区画の底面がほぼ平面状である、請求項19記載の電子レンジ用容器。
【請求項30】
マイクロ波エネルギー進入制限手段が取外し可能である、請求項19記載の電子レンジ用容器。
【請求項31】
少なくとも第1および第2の区画を被覆し、第1および第2の区画を互いに実質的に隔離するようにトレイを密封する蓋素材をさらに含む、請求項19記載の電子レンジ用容器。
【請求項32】
蓋素材がトレイの滑らかな周縁形状に沿って密封され、周縁から容器の中央に向かって拡がる、請求項31記載の電子レンジ用容器。
【請求項33】
異なる温度に電子レンジ加熱するための複数の食品を収容する方法であって、
滑らかな周縁形状、および互いに分離された複数の食品収容区画を有し、第1の食品収容区画は上向きに凸起したの底面を有する、電子レンジ用トレイを用意し、
第1の食品を、所定時間マイクロ波に曝した際に対応する第1の温度に到達させるために、中央部より周縁部において厚くなるようにして、トレイの第1の食品収容区画に配置し、
第2の食品をトレイの第2の食品収容区画に配置し、
所定時間マイクロ波に曝した際に、第2の食品が、第1の温度とは異なる、対応する第2の温度に到達するように、第1および第2の食品収容区画の少なくとも一方をマイクロ波調整構造で少なくとも部分的に被覆し、
第1および第2の食品収容区画の一方を実質的にマイクロ波透過性である構造により被覆する工程を含む、方法。
【請求項34】
マイクロ波調整構造が、第2の食品収容区画に進入するマイクロ波エネルギーを少なくとも約25%低減する、請求項33記載の方法。
【請求項35】
第1の食品および第2の食品の少なくとも一方をペレット状で用意する工程をさらに含む、請求項33記載の方法。
【請求項36】
第1の食品および第2の食品の少なくとも一方を個別急速冷凍食材として用意する工程をさらに含む、請求項33記載の方法。
【請求項37】
第1の食品および第2の食品の少なくとも一方を複数の個別急速冷凍食材として用意する工程をさらに含む、請求項33記載の方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【公表番号】特表2013−516216(P2013−516216A)
【公表日】平成25年5月13日(2013.5.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−547061(P2012−547061)
【出願日】平成22年12月30日(2010.12.30)
【国際出願番号】PCT/US2010/003269
【国際公開番号】WO2011/090470
【国際公開日】平成23年7月28日(2011.7.28)
【出願人】(509038924)エイチ.ジェイ.ハインツ カンパニー (6)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成25年5月13日(2013.5.13)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年12月30日(2010.12.30)
【国際出願番号】PCT/US2010/003269
【国際公開番号】WO2011/090470
【国際公開日】平成23年7月28日(2011.7.28)
【出願人】(509038924)エイチ.ジェイ.ハインツ カンパニー (6)
【Fターム(参考)】
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