多点温度センサ
【課題】簡単な構造で、かつ低コストで、検出温度のバラツキを抑える。
【解決手段】温度を検出する複数の熱電対と、この熱電対を内部に納める保護管とを備えた多点温度センサである。前記各熱電対を支持した状態で前記保護管内に挿入されて固定される支持部材と、当該支持部材に設けられ、前記各熱電対を前記保護管内の設定位置で前記支持部材に固定する固定部とを備えた。前記固定部は、各設定位置の周囲に前記熱電対の2本の金属線をかける切り欠きや、各設定位置に前記熱電対の2本の金属線を通す2つの孔等を備えた。
【解決手段】温度を検出する複数の熱電対と、この熱電対を内部に納める保護管とを備えた多点温度センサである。前記各熱電対を支持した状態で前記保護管内に挿入されて固定される支持部材と、当該支持部材に設けられ、前記各熱電対を前記保護管内の設定位置で前記支持部材に固定する固定部とを備えた。前記固定部は、各設定位置の周囲に前記熱電対の2本の金属線をかける切り欠きや、各設定位置に前記熱電対の2本の金属線を通す2つの孔等を備えた。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば半導体製造装置の拡散炉(熱処理成膜装置)に用いられる多点温度センサに関するものである。
【背景技術】
【0002】
半導体製造装置の拡散炉等に用いられる多点温度センサとしては、一般に図2に示すような構成のものがある。
【0003】
多点温度センサは、保護管2と、熱電対3と、磁器管4と、収縮チューブ5と、テフロンチューブ(テフロンは登録商標)6と、ケーブルクランプ7と、コネクタ8とから構成されている。
【0004】
保護管2はその内部に複数の熱電対3を挿入してこれらの熱電対3を保護するための管である。保護管2は、その先端部が密封されて内部が空洞になっている。熱電対3は、温度を測定する素子である。熱電対3は、2本の異種の金属線の先端部を接合して形成した測温接点を備えている。
【0005】
磁器管4は、熱電対3を支持する棒材である。磁器管4には、熱電対3の2本の金属線を通す2つの長孔(図示せず)が設けられている。収縮チューブ5は、保護管2の基端部に嵌合して保護管2内を封止すると共に、外部に引き出される熱電対3の金属線を支持する部材である。テフロンチューブ6は、熱電対3の金属線を保護するチューブである。ケーブルクランプ7は、テフロンチューブ6をクランプしてコネクタ8に接続するための部材である。
【0006】
この多点温度センサ1は、例えば半導体製造装置の拡散炉に設置されて、拡散炉の温度等を測定する。
【0007】
しかし、この多点温度センサ1では、熱電対3の測温接点の径方向での位置がバラバラになり、正確な温度測定が難しい。このため、熱電対3の測温接点のバラツキを抑えた多点温度センサが提案されている。この多点温度センサの例としては、特許文献1に記載の熱電対がある。
【0008】
この熱電対11は、図3に示すように、石英等からなる保護管12の内部に少なくとも一対の異種金属導線13A,13B、14A,14B、15A,15Bを挿入してなる熱電対であって、前記異種金属導線13A,13B、14A,14B、15A,15Bの結合部、つまり温接点13C,14C,15Cを保護管12内部中心に位置させるためのガイド部材17を設けて、熱電対を構成している。これにより、検出温度にバラツキの少ない熱電対を提供する。
【特許文献1】特開平10−153494号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
前記特許文献1の熱電対では、ガイド部材17によって温接点13C,14C,15Cを保護管12内の中心に位置させるように構成されているが、実際には絶縁碍子16が、図2中の基端側のガイド部材17から中間のガイド部材17へかけて中央に、中間のガイド部材17から先端側のガイド部材17へかけて中央に、それぞれ曲げられて配設される。
【0010】
そしてこの場合、絶縁碍子16の先端の温接点13C,14C,15Cの位置が径方向で一定(保護管12)でない場合が多い。また、温接点13C,14C,15Cの脇を絶縁碍子16が通るため、この絶縁碍子16の影響を受けてしまう。このため、温接点13C,14C,15Cのうち、保護管12の表面温度の影響を大きく受けたり、絶縁碍子16で外部からの熱の伝達が悪くなったりしてしまう温接点が発生してしまうことがある。これにより、検出温度にばらつきのある多点温度センサが発生することがある。
【0011】
また、ガイド部材17として、先端側のガイド部材17は温接点13Cのための2つの孔が空けられ、中間のガイド部材17は温接点13C,14Cのための4つの孔が空けられ、基端側のガイド部材17は温接点13C,14C,15Cのための6つの孔が空けられる。このため、ガイド部材17の構造が複雑で種類が多くなって組み立てづらくなる。また、製造も複雑で、製造コストが嵩む。
【0012】
本発明は、以上の点を考慮してなされたものであり、簡単な構造で、かつ低コストで、検出温度のバラツキを抑えることができる多点温度センサを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
かかる課題を解決するために、本願発明に係る多点温度センサは、温度を検出する複数の熱電対と、この熱電対を内部に納める保護管とを備えた多点温度センサであって、前記各熱電対を支持した状態で前記保護管内に挿入されて固定される支持部材と、当該支持部材に設けられ、前記各熱電対を前記保護管内の設定位置で前記支持部材に固定する固定部とを備えたことを特徴とする。
【0014】
前記構成により、前記各熱電対が前記固定部で前記支持部材に固定された状態で、この支持部材が前記保護管内に挿入されて固定される。
【0015】
前記固定部は、各設定位置の周囲に設けられ前記熱電対の2本の金属線をかける切り欠きや、各設定位置に設けられ前記熱電対の2本の金属線を通す2つの孔や、各設定位置に設けられ前記熱電対の測温接点を通す1つの孔や、各設定位置に設けられ前記熱電対の測温接点を引っ掛けるフックや、各設定位置に設けられ前記熱電対の測温接点を引っ掛けるフランジを備えることが望ましい。
【0016】
前記支持部材は、前記保護管内に挿入される板状部材、丸棒材、管棒材又は半円棒材で構成されることが望ましい。
【発明の効果】
【0017】
前記各熱電対が前記固定部で前記支持部材に固定された状態で、この支持部材が前記保護管内に挿入されて固定されるため、前記各熱電対を設定位置に正確にかつ確実に固定することができる。これにより、温度測定時に検出温度のバラツキを抑えることができる。さらに、構造が簡単で、低コストで製造することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下に、本発明の実施形態について説明する。本実施形態の多点温度センサの全体構成は、従来の多点温度センサと同様である。このため、ここでは前述した保護管2、12内に挿入される部分を中心に説明する。
【0019】
[第1実施形態]
第1実施形態の多点温度センサを図1、4、5に基づいて説明する。
【0020】
本実施形態の多点温度センサでは、各熱電対21を支持した状態で前記保護管2、12内に挿入されて固定される支持部材22を備えている。この支持部材22は、本実施形態では板状部材23で構成されている。板状部材23は、横幅が保護管2、12の内径とほぼ同じで、全長が保護管2、12とほぼ同じ寸法の板材で構成されている。この板状部材23は、保護管2、12内に挿入される。板状部材23の基端部は、従来と同様に正確に位置して支持されている。板状部材23は石英板で構成されている。
【0021】
板状部材23には、前記各熱電対21を前記保護管2、12内の設定位置で前記板状部材23に固定する固定部24が設けられている。この固定部24は、断面形状がU字状又は半円状の切り欠き25によって構成されている。切り欠き25は、温度測定対象数の違いに応じた数だけ設けられる。ここでは、4箇所の位置に切り欠き25が設けられている。
【0022】
熱電対21は、2本の金属線26と、測温接点27とを備えて構成されている。切り欠き25は、板状部材23の設定位置の両側に対向して2つ設けられている。各切り欠き25に前記熱電対21の2本の金属線26がかけられて固定される。金属線26は、耐熱繊維被覆によって保護された線材を用いる。この耐熱繊維被覆は、セラミックファイバーで構成された織布を用いた被覆材で形成されている。これにより、金属線26は、耐熱性及び柔軟性に優れた線材となり、板状部材23に容易に巻き付けることができるようになっている。また、耐熱性及び柔軟性に優れた他の材料を用いて金属線26を構成しても良い。
【0023】
各測温接点27は、すべて板状部材23の同じ面に設けられている。即ち、板状部材23の表裏面のうちの一方の面にすべての測温接点27が向くように配置される。例えば、図1中の上側面に測温接点27が位置し、2本の金属線26が両側の各切り欠き25に2本の金属線26がかけられて固定される。各金属線26はすべて、板状部材23の下側面に沿って配設されている。
【0024】
この状態で、板状部材23を前記保護管2、12内に挿入して固定する。収縮チューブ5には、測温接点27の向きを示すマークをつけて、多点温度センサの拡散炉への取り付けの際に測温接点27の向きを分かるようにしておく。
【0025】
以上の構成の多点温度センサは、前記マークの向きを合わせて拡散炉に取り付け、コネクタ8を外部装置(図示せず)に接続する。多点温度センサの各測温接点27の位置は、拡散炉内に入れられる半導体ウエハの位置と一致するように設定されており、各測温接点27が各半導体ウエハの温度(近傍の温度)を測定する。
【0026】
これにより、前記各熱電対21の各測温接点27を設定位置に正確にかつ確実に固定することができ、温度測定時に検出温度のバラツキを抑えることができる。
【0027】
さらに、構造が簡単で、熱電対21を板状部材23に簡単に取り付けることができ、多点温度センサを簡単に組み立て、又は分解することができる。この結果、低コストで製造することができ、メンテナンスが容易でランニングコストも低く抑えることができる。
【0028】
また、支持部材22の部品の構造がシンプルで、熱容量が小さく、測定精度に影響を与えることも無くなる。
【0029】
[変形例]
前記第1実施形態の多点温度センサでは、固定部24として切り欠き25を設けたが、図6のように、板状部材23の各設定位置に前記熱電対21の2本の金属線26を通す2つの孔30を備えてもよい。これにより、前記熱電対21の2本の金属線26は2つの孔30にそれぞれ通されて固定される。各金属線26はすべて、板状部材23の下側面に沿って配設されている。
【0030】
これにより、前記実施形態と同様の作用、効果を奏することができる。
【0031】
また、図7のように、板状部材23の各設定位置に前記熱電対21の測温接点27を通す1つの孔31を備えてもよい。これにより、前記熱電対21の1本の金属線26を前記孔31に通して前記測温接点27を前記孔31に位置するように配設する。各金属線26は、板状部材23の両側面に沿って前記孔31をずらした位置を通して配設する。
【0032】
これにより、前記実施形態と同様の作用、効果を奏することができる。
【0033】
また、図8,9のように、板状部材23の各設定位置に、前記熱電対21の測温接点27を引っ掛けるフック32を備えてもよい。これにより、前記熱電対21の前記測温接点27をフック32に引っ掛けて配設する。各金属線26は、板状部材23のうち前記フック32が位置する側の面に沿って前記フック32をずらした位置を通して配設される。
【0034】
これにより、前記実施形態と同様の作用、効果を奏することができる。
【0035】
また、図10,11のように、板状部材23の各設定位置に、前記熱電対21の測温接点27を引っ掛けるフランジ33を備えてもよい。これにより、前記熱電対21の前記測温接点27をフランジ33に引っ掛けて配設する。各金属線26は、板状部材23のうち前記フランジ33が位置する側の面に沿って前記フランジ33をずらした位置を通して配設される。
【0036】
これにより、前記実施形態と同様の作用、効果を奏することができる。
【0037】
また、前記各変形例を適宜組み合わせても良い。例えば、フック32やフランジ33と、切り欠き25や2つの孔30とを組み合わせ、前記熱電対21の測温接点27はフック32やフランジ33に引っ掛けて、各金属線26は切り欠き25や2つの孔30を通して板状部材23の反対側面に配設する。
【0038】
これによっても、前記実施形態と同様の作用、効果を奏することができる。
【0039】
[第2実施形態]
次に、本発明の第2実施形態について説明する。
【0040】
本実施形態の多点温度センサの支持部材22は、図12、13、14に示すように、丸棒材35で構成されている。丸棒材35は、前記各熱電対21を支持して前記保護管2、12内に挿入される。
【0041】
丸棒材35は、中実の丸棒部36と、センター支持部37とから構成されている。丸棒部36は、保護管2、12内にその先端部まで挿入される部材である。センター支持部37は、保護管2、12の先端部に位置して丸棒部36の先端部を保護管2、12の中心に支持するための部材である。センター支持部37は、丸棒部36よりも大きい直径の円盤状又は円筒状に形成され、保護管2、12の内壁面に当接して丸棒部36の先端部を支持する。センター支持部37の直径は、保護管2、12の内径とほぼ同じ内径に設定されている。丸棒部36の基端部は従来と同様にして支持される。なお、センター支持部37の直径は、保護管2、12の内径とよりも小さい内径に設定されて、保護管2、12の内壁面に接触しない態様もある。使用態様に応じて適宜設定される。丸棒部36、センター支持部37は石英で構成されている。
【0042】
丸棒部36には、前記各熱電対21を前記保護管2、12内の設定位置で前記板状部材23に固定する固定部38が設けられている。
【0043】
固定部38は、断面形状がU字状又は半円状の切り欠き39によって構成されている。切り欠き39は、丸棒部36の設定位置に環状にそれぞれ設けられている。ここでは、4箇所の位置に切り欠き39が設けられている。
【0044】
熱電対21は、その測温接点27が環状の切り欠き39に嵌合され、2本の金属線26が測温接点27の両側の切り欠き39に通されて背後に回され、紐40で固定される。各金属線26は、丸棒部36と保護管2、12との隙間に配設される。基端側に位置する熱電対21は、先端側の熱電対21の金属線26と自己の金属線26とを合わせて確実に固定する。
【0045】
各測温接点27はすべて、丸棒部36において同じ向きに配設されている。この状態で、丸棒材35を前記保護管2、12内に挿入して固定する。収縮チューブ5には、測温接点27の向きを示すマークをつけて、多点温度センサの拡散炉への取り付けの際に測温接点27の向きを分かるようにしておく。
【0046】
以上の構成の多点温度センサは、前記第1実施形態と同様に、前記マークの向きを合わせて拡散炉に取り付け、コネクタ8を外部装置(図示せず)に接続する。多点温度センサの各測温接点27の位置は、拡散炉内に入れられる半導体ウエハの位置と一致するように設定されており、各測温接点27が各半導体ウエハの温度(近傍の温度)を測定する。
【0047】
これにより、前記第1実施形態と同様の作用、効果を奏することができる。
【0048】
[変形例]
前記第2実施形態の多点温度センサでは、固定部24として切り欠き39を設けたが、図15のように、丸棒部36の各設定位置に前記熱電対21の2本の金属線26を通す2つの孔42を備えてもよい。これにより、前記熱電対21の2本の金属線26は2つの孔42にそれぞれ通されて固定される。各金属線26は、丸棒部36の背面に沿って配設されている。
【0049】
これにより、前記第1実施形態と同様の作用、効果を奏することができる。
【0050】
また、図16のように、丸棒部36の各設定位置に前記熱電対21の測温接点27を通す1つの孔43を備えてもよい。これにより、前記熱電対21の1本の金属線26を前記孔43に通して前記測温接点27を前記孔43に位置するように配設する。各金属線26は、丸棒部36に沿って前記孔43をずらした位置を通して配設する。
【0051】
これにより、前記第1実施形態と同様の作用、効果を奏することができる。
【0052】
また、図17,18のように、丸棒部36の各設定位置に、前記熱電対21の測温接点27を引っ掛けるフック44を備えてもよい。これにより、前記熱電対21の前記測温接点27をフック44に引っ掛けて配設する。各金属線26は、丸棒部36のうち前記フック44が位置する側の背面に沿って前記フック32をずらした位置を通して配設される。
【0053】
これにより、前記第1実施形態と同様の作用、効果を奏することができる。
【0054】
また、図19,20のように、板状部材23の各設定位置に、前記熱電対21の測温接点27を引っ掛けるフランジ45を備えてもよい。これにより、前記熱電対21の前記測温接点27をフランジ45に引っ掛けて配設する。各金属線26は、丸棒部36のうち前記フランジ45が位置する側の背面に沿って前記フランジ45をずらした位置を通して配設される。
【0055】
これにより、前記第1実施形態と同様の作用、効果を奏することができる。
【0056】
また、前記第1実施形態と同様に、前記各変形例を適宜組み合わせても良い。
【0057】
[第3実施形態]
次に、本発明の第3実施形態について説明する。
【0058】
本実施形態の多点温度センサの支持部材22は、図21、22、23に示すように、管棒材48で構成されている。管棒材48は、前記各熱電対21を支持して前記保護管2、12内に挿入される。
【0059】
管棒材48は、前記保護管2、12の内径とほぼ同様の外径を有した中空の管材で構成されている。管棒材48は、保護管2、12内に挿入される部材である。管棒材48は、保護管2、12内に挿入された状態で、保護管2、12の内壁に当接して支持される。
【0060】
管棒材48には、前記各熱電対21を前記保護管2、12内の設定位置で熱電対21を固定支持する固定部49が設けられている。
【0061】
固定部49は、切り欠き50と、固定板51とから構成されている。切り欠き50は、管棒材48の設定位置に設けられている。ここでは、4箇所の位置に切り欠き50がそれぞれ設けられている。切り欠き50は、固定板51の大きさに合わせて形成されている。即ち、切り欠き50は、固定板51と同じ寸法に形成されている。これにより、固定板51が切り欠き50に嵌合して固定される。固定板51は切り欠き50に接着剤等で固定される。
【0062】
固定板51は、前記熱電対21を支持した状態で切り欠き50に嵌合される板材である。固定板51は石英板で構成されている。
【0063】
固定板51には、前記各熱電対21を前記保護管2、12内の設定位置で前記板状部材23に固定する固定部52が設けられている。この固定部52は、前記第1実施形態の固定部24と同様に、断面形状がU字状又は半円状の切り欠き53によって構成されている。この切り欠き53は、前記第1実施形態の切り欠き25と同様に構成されている。
【0064】
そして、熱電対21が固定板51に支持されて、この固定板51が切り欠き50に嵌合して固定されることで、前記各熱電対21の各測温接点27を設定位置に正確にかつ確実に固定する。このとき、金属線26は管棒材48内に通される。
【0065】
これにより、前記第1実施形態と同様の作用、効果を奏する。
【0066】
[変形例]
前記第1実施形態の変形例の場合と同様に、固定部52としての切り欠き53の代わりに、図24のように、固定板51に前記熱電対21の2本の金属線26を通す2つの孔54を備えてもよい。また、図25のように、固定板51に前記熱電対21の測温接点27を通す1つの孔55を備えてもよい。また、図26,27のように、固定板51に、前記熱電対21の測温接点27を引っ掛けるフック56を備えてもよい。また、図28,29のように、固定板51に、前記熱電対21の測温接点27を引っ掛けるフランジ57を備えてもよい。
【0067】
これにより、前記第1実施形態の各変形例と同様の作用、効果を奏することができる。
【0068】
また、前記第1実施形態の場合と同様に、前記各変形例を適宜組み合わせても良い。
【0069】
[他の変形例]
前記各実施形態では、支持部材22として、板状部材23や丸棒部36や管棒材48を用いたが、図30に示すように、半円棒材59を用いても良い。この場合、前記熱電対21の測温接点27は、円弧面59Aに取り付けられたり、平坦面59Bに取り付けられたりする。
【0070】
図5の切り欠き25を用いる場合は、測温接点27は、円弧面59Aに取り付けられる。金属線26は、測温接点27と反対側の平坦面59Bに通される。図6の2つの孔30を用いる場合は、測温接点27は、円弧面59Aに取り付けられる。金属線26は、測温接点27と反対側の平坦面59Bに通される。図7の1つの孔31を用いる場合は、測温接点27は、半円棒材59に設けられる孔内に取り付けられる。図8,9のフック32の場合は平坦面59Bに設けられる。図10,11のフランジ33の場合は平坦面59Bに設けられる。
【0071】
これらの場合も、前記各実施形態及び各変形例と同様の作用、効果を奏することができる。
【図面の簡単な説明】
【0072】
【図1】本発明の第1実施形態にかかる多点温度センサの支持部材を示す斜視図である。
【図2】従来の多点温度センサを示す側面図である。
【図3】従来の多点温度センサを示す側面図である。
【図4】本発明の第1実施形態にかかる多点温度センサの支持部材を保護管に挿入した状態を示す断面図である。
【図5】本発明の第1実施形態にかかる多点温度センサの板状部材の固定部を示す要部拡大図である。
【図6】本発明の第1実施形態の第1変形例を示す要部拡大図である。
【図7】本発明の第1実施形態の第2変形例を示す要部拡大図である。
【図8】本発明の第1実施形態の第3変形例を示す要部拡大図である。
【図9】本発明の第1実施形態の第3変形例を示す要部拡大図である。
【図10】本発明の第1実施形態の第4変形例を示す要部拡大図である。
【図11】本発明の第1実施形態の第4変形例を示す要部拡大図である。
【図12】本発明の第2実施形態にかかる多点温度センサの支持部材を示す斜視図である。
【図13】本発明の第2実施形態にかかる多点温度センサの支持部材を保護管に挿入した状態を示す断面図である。
【図14】本発明の第2実施形態にかかる多点温度センサの丸棒材の固定部を示す要部拡大図である。
【図15】本発明の第2実施形態の第1変形例を示す要部拡大図である。
【図16】本発明の第2実施形態の第2変形例を示す要部拡大図である。
【図17】本発明の第2実施形態の第3変形例を示す要部拡大図である。
【図18】本発明の第2実施形態の第3変形例を示す要部拡大図である。
【図19】本発明の第2実施形態の第4変形例を示す要部拡大図である。
【図20】本発明の第2実施形態の第4変形例を示す要部拡大図である。
【図21】本発明の第3実施形態にかかる多点温度センサの支持部材を示す斜視図である。
【図22】本発明の第3実施形態にかかる多点温度センサの支持部材を保護管に挿入した状態を示す断面図である。
【図23】本発明の第3実施形態にかかる多点温度センサの丸棒材の固定部を示す要部拡大図である。
【図24】本発明の第3実施形態の第1変形例を示す要部拡大図である。
【図25】本発明の第3実施形態の第2変形例を示す要部拡大図である。
【図26】本発明の第3実施形態の第3変形例を示す要部拡大図である。
【図27】本発明の第3実施形態の第3変形例を示す要部拡大図である。
【図28】本発明の第3実施形態の第4変形例を示す要部拡大図である。
【図29】本発明の第3実施形態の第4変形例を示す要部拡大図である。
【図30】本発明の他の変形例を示す断面図である。
【符号の説明】
【0073】
2、12:保護管、21:熱電対、22:支持部材、23:板状部材、24:固定部、25:切り欠き、26:金属線、27:測温接点、30:孔、31:孔、32:フック、33:フランジ、35:丸棒材、36:丸棒部、37:センター支持部、38:固定部、39:切り欠き、40:紐、42:孔、43:孔、44:フック、45:フランジ、48:管棒材、49:固定部、50:切り欠き、51:固定板、52:固定部、53:切り欠き、54:孔、55:孔、56:フック、57:フランジ、59:半円棒材、59A:円弧面、59B:平坦面。
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば半導体製造装置の拡散炉(熱処理成膜装置)に用いられる多点温度センサに関するものである。
【背景技術】
【0002】
半導体製造装置の拡散炉等に用いられる多点温度センサとしては、一般に図2に示すような構成のものがある。
【0003】
多点温度センサは、保護管2と、熱電対3と、磁器管4と、収縮チューブ5と、テフロンチューブ(テフロンは登録商標)6と、ケーブルクランプ7と、コネクタ8とから構成されている。
【0004】
保護管2はその内部に複数の熱電対3を挿入してこれらの熱電対3を保護するための管である。保護管2は、その先端部が密封されて内部が空洞になっている。熱電対3は、温度を測定する素子である。熱電対3は、2本の異種の金属線の先端部を接合して形成した測温接点を備えている。
【0005】
磁器管4は、熱電対3を支持する棒材である。磁器管4には、熱電対3の2本の金属線を通す2つの長孔(図示せず)が設けられている。収縮チューブ5は、保護管2の基端部に嵌合して保護管2内を封止すると共に、外部に引き出される熱電対3の金属線を支持する部材である。テフロンチューブ6は、熱電対3の金属線を保護するチューブである。ケーブルクランプ7は、テフロンチューブ6をクランプしてコネクタ8に接続するための部材である。
【0006】
この多点温度センサ1は、例えば半導体製造装置の拡散炉に設置されて、拡散炉の温度等を測定する。
【0007】
しかし、この多点温度センサ1では、熱電対3の測温接点の径方向での位置がバラバラになり、正確な温度測定が難しい。このため、熱電対3の測温接点のバラツキを抑えた多点温度センサが提案されている。この多点温度センサの例としては、特許文献1に記載の熱電対がある。
【0008】
この熱電対11は、図3に示すように、石英等からなる保護管12の内部に少なくとも一対の異種金属導線13A,13B、14A,14B、15A,15Bを挿入してなる熱電対であって、前記異種金属導線13A,13B、14A,14B、15A,15Bの結合部、つまり温接点13C,14C,15Cを保護管12内部中心に位置させるためのガイド部材17を設けて、熱電対を構成している。これにより、検出温度にバラツキの少ない熱電対を提供する。
【特許文献1】特開平10−153494号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
前記特許文献1の熱電対では、ガイド部材17によって温接点13C,14C,15Cを保護管12内の中心に位置させるように構成されているが、実際には絶縁碍子16が、図2中の基端側のガイド部材17から中間のガイド部材17へかけて中央に、中間のガイド部材17から先端側のガイド部材17へかけて中央に、それぞれ曲げられて配設される。
【0010】
そしてこの場合、絶縁碍子16の先端の温接点13C,14C,15Cの位置が径方向で一定(保護管12)でない場合が多い。また、温接点13C,14C,15Cの脇を絶縁碍子16が通るため、この絶縁碍子16の影響を受けてしまう。このため、温接点13C,14C,15Cのうち、保護管12の表面温度の影響を大きく受けたり、絶縁碍子16で外部からの熱の伝達が悪くなったりしてしまう温接点が発生してしまうことがある。これにより、検出温度にばらつきのある多点温度センサが発生することがある。
【0011】
また、ガイド部材17として、先端側のガイド部材17は温接点13Cのための2つの孔が空けられ、中間のガイド部材17は温接点13C,14Cのための4つの孔が空けられ、基端側のガイド部材17は温接点13C,14C,15Cのための6つの孔が空けられる。このため、ガイド部材17の構造が複雑で種類が多くなって組み立てづらくなる。また、製造も複雑で、製造コストが嵩む。
【0012】
本発明は、以上の点を考慮してなされたものであり、簡単な構造で、かつ低コストで、検出温度のバラツキを抑えることができる多点温度センサを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
かかる課題を解決するために、本願発明に係る多点温度センサは、温度を検出する複数の熱電対と、この熱電対を内部に納める保護管とを備えた多点温度センサであって、前記各熱電対を支持した状態で前記保護管内に挿入されて固定される支持部材と、当該支持部材に設けられ、前記各熱電対を前記保護管内の設定位置で前記支持部材に固定する固定部とを備えたことを特徴とする。
【0014】
前記構成により、前記各熱電対が前記固定部で前記支持部材に固定された状態で、この支持部材が前記保護管内に挿入されて固定される。
【0015】
前記固定部は、各設定位置の周囲に設けられ前記熱電対の2本の金属線をかける切り欠きや、各設定位置に設けられ前記熱電対の2本の金属線を通す2つの孔や、各設定位置に設けられ前記熱電対の測温接点を通す1つの孔や、各設定位置に設けられ前記熱電対の測温接点を引っ掛けるフックや、各設定位置に設けられ前記熱電対の測温接点を引っ掛けるフランジを備えることが望ましい。
【0016】
前記支持部材は、前記保護管内に挿入される板状部材、丸棒材、管棒材又は半円棒材で構成されることが望ましい。
【発明の効果】
【0017】
前記各熱電対が前記固定部で前記支持部材に固定された状態で、この支持部材が前記保護管内に挿入されて固定されるため、前記各熱電対を設定位置に正確にかつ確実に固定することができる。これにより、温度測定時に検出温度のバラツキを抑えることができる。さらに、構造が簡単で、低コストで製造することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下に、本発明の実施形態について説明する。本実施形態の多点温度センサの全体構成は、従来の多点温度センサと同様である。このため、ここでは前述した保護管2、12内に挿入される部分を中心に説明する。
【0019】
[第1実施形態]
第1実施形態の多点温度センサを図1、4、5に基づいて説明する。
【0020】
本実施形態の多点温度センサでは、各熱電対21を支持した状態で前記保護管2、12内に挿入されて固定される支持部材22を備えている。この支持部材22は、本実施形態では板状部材23で構成されている。板状部材23は、横幅が保護管2、12の内径とほぼ同じで、全長が保護管2、12とほぼ同じ寸法の板材で構成されている。この板状部材23は、保護管2、12内に挿入される。板状部材23の基端部は、従来と同様に正確に位置して支持されている。板状部材23は石英板で構成されている。
【0021】
板状部材23には、前記各熱電対21を前記保護管2、12内の設定位置で前記板状部材23に固定する固定部24が設けられている。この固定部24は、断面形状がU字状又は半円状の切り欠き25によって構成されている。切り欠き25は、温度測定対象数の違いに応じた数だけ設けられる。ここでは、4箇所の位置に切り欠き25が設けられている。
【0022】
熱電対21は、2本の金属線26と、測温接点27とを備えて構成されている。切り欠き25は、板状部材23の設定位置の両側に対向して2つ設けられている。各切り欠き25に前記熱電対21の2本の金属線26がかけられて固定される。金属線26は、耐熱繊維被覆によって保護された線材を用いる。この耐熱繊維被覆は、セラミックファイバーで構成された織布を用いた被覆材で形成されている。これにより、金属線26は、耐熱性及び柔軟性に優れた線材となり、板状部材23に容易に巻き付けることができるようになっている。また、耐熱性及び柔軟性に優れた他の材料を用いて金属線26を構成しても良い。
【0023】
各測温接点27は、すべて板状部材23の同じ面に設けられている。即ち、板状部材23の表裏面のうちの一方の面にすべての測温接点27が向くように配置される。例えば、図1中の上側面に測温接点27が位置し、2本の金属線26が両側の各切り欠き25に2本の金属線26がかけられて固定される。各金属線26はすべて、板状部材23の下側面に沿って配設されている。
【0024】
この状態で、板状部材23を前記保護管2、12内に挿入して固定する。収縮チューブ5には、測温接点27の向きを示すマークをつけて、多点温度センサの拡散炉への取り付けの際に測温接点27の向きを分かるようにしておく。
【0025】
以上の構成の多点温度センサは、前記マークの向きを合わせて拡散炉に取り付け、コネクタ8を外部装置(図示せず)に接続する。多点温度センサの各測温接点27の位置は、拡散炉内に入れられる半導体ウエハの位置と一致するように設定されており、各測温接点27が各半導体ウエハの温度(近傍の温度)を測定する。
【0026】
これにより、前記各熱電対21の各測温接点27を設定位置に正確にかつ確実に固定することができ、温度測定時に検出温度のバラツキを抑えることができる。
【0027】
さらに、構造が簡単で、熱電対21を板状部材23に簡単に取り付けることができ、多点温度センサを簡単に組み立て、又は分解することができる。この結果、低コストで製造することができ、メンテナンスが容易でランニングコストも低く抑えることができる。
【0028】
また、支持部材22の部品の構造がシンプルで、熱容量が小さく、測定精度に影響を与えることも無くなる。
【0029】
[変形例]
前記第1実施形態の多点温度センサでは、固定部24として切り欠き25を設けたが、図6のように、板状部材23の各設定位置に前記熱電対21の2本の金属線26を通す2つの孔30を備えてもよい。これにより、前記熱電対21の2本の金属線26は2つの孔30にそれぞれ通されて固定される。各金属線26はすべて、板状部材23の下側面に沿って配設されている。
【0030】
これにより、前記実施形態と同様の作用、効果を奏することができる。
【0031】
また、図7のように、板状部材23の各設定位置に前記熱電対21の測温接点27を通す1つの孔31を備えてもよい。これにより、前記熱電対21の1本の金属線26を前記孔31に通して前記測温接点27を前記孔31に位置するように配設する。各金属線26は、板状部材23の両側面に沿って前記孔31をずらした位置を通して配設する。
【0032】
これにより、前記実施形態と同様の作用、効果を奏することができる。
【0033】
また、図8,9のように、板状部材23の各設定位置に、前記熱電対21の測温接点27を引っ掛けるフック32を備えてもよい。これにより、前記熱電対21の前記測温接点27をフック32に引っ掛けて配設する。各金属線26は、板状部材23のうち前記フック32が位置する側の面に沿って前記フック32をずらした位置を通して配設される。
【0034】
これにより、前記実施形態と同様の作用、効果を奏することができる。
【0035】
また、図10,11のように、板状部材23の各設定位置に、前記熱電対21の測温接点27を引っ掛けるフランジ33を備えてもよい。これにより、前記熱電対21の前記測温接点27をフランジ33に引っ掛けて配設する。各金属線26は、板状部材23のうち前記フランジ33が位置する側の面に沿って前記フランジ33をずらした位置を通して配設される。
【0036】
これにより、前記実施形態と同様の作用、効果を奏することができる。
【0037】
また、前記各変形例を適宜組み合わせても良い。例えば、フック32やフランジ33と、切り欠き25や2つの孔30とを組み合わせ、前記熱電対21の測温接点27はフック32やフランジ33に引っ掛けて、各金属線26は切り欠き25や2つの孔30を通して板状部材23の反対側面に配設する。
【0038】
これによっても、前記実施形態と同様の作用、効果を奏することができる。
【0039】
[第2実施形態]
次に、本発明の第2実施形態について説明する。
【0040】
本実施形態の多点温度センサの支持部材22は、図12、13、14に示すように、丸棒材35で構成されている。丸棒材35は、前記各熱電対21を支持して前記保護管2、12内に挿入される。
【0041】
丸棒材35は、中実の丸棒部36と、センター支持部37とから構成されている。丸棒部36は、保護管2、12内にその先端部まで挿入される部材である。センター支持部37は、保護管2、12の先端部に位置して丸棒部36の先端部を保護管2、12の中心に支持するための部材である。センター支持部37は、丸棒部36よりも大きい直径の円盤状又は円筒状に形成され、保護管2、12の内壁面に当接して丸棒部36の先端部を支持する。センター支持部37の直径は、保護管2、12の内径とほぼ同じ内径に設定されている。丸棒部36の基端部は従来と同様にして支持される。なお、センター支持部37の直径は、保護管2、12の内径とよりも小さい内径に設定されて、保護管2、12の内壁面に接触しない態様もある。使用態様に応じて適宜設定される。丸棒部36、センター支持部37は石英で構成されている。
【0042】
丸棒部36には、前記各熱電対21を前記保護管2、12内の設定位置で前記板状部材23に固定する固定部38が設けられている。
【0043】
固定部38は、断面形状がU字状又は半円状の切り欠き39によって構成されている。切り欠き39は、丸棒部36の設定位置に環状にそれぞれ設けられている。ここでは、4箇所の位置に切り欠き39が設けられている。
【0044】
熱電対21は、その測温接点27が環状の切り欠き39に嵌合され、2本の金属線26が測温接点27の両側の切り欠き39に通されて背後に回され、紐40で固定される。各金属線26は、丸棒部36と保護管2、12との隙間に配設される。基端側に位置する熱電対21は、先端側の熱電対21の金属線26と自己の金属線26とを合わせて確実に固定する。
【0045】
各測温接点27はすべて、丸棒部36において同じ向きに配設されている。この状態で、丸棒材35を前記保護管2、12内に挿入して固定する。収縮チューブ5には、測温接点27の向きを示すマークをつけて、多点温度センサの拡散炉への取り付けの際に測温接点27の向きを分かるようにしておく。
【0046】
以上の構成の多点温度センサは、前記第1実施形態と同様に、前記マークの向きを合わせて拡散炉に取り付け、コネクタ8を外部装置(図示せず)に接続する。多点温度センサの各測温接点27の位置は、拡散炉内に入れられる半導体ウエハの位置と一致するように設定されており、各測温接点27が各半導体ウエハの温度(近傍の温度)を測定する。
【0047】
これにより、前記第1実施形態と同様の作用、効果を奏することができる。
【0048】
[変形例]
前記第2実施形態の多点温度センサでは、固定部24として切り欠き39を設けたが、図15のように、丸棒部36の各設定位置に前記熱電対21の2本の金属線26を通す2つの孔42を備えてもよい。これにより、前記熱電対21の2本の金属線26は2つの孔42にそれぞれ通されて固定される。各金属線26は、丸棒部36の背面に沿って配設されている。
【0049】
これにより、前記第1実施形態と同様の作用、効果を奏することができる。
【0050】
また、図16のように、丸棒部36の各設定位置に前記熱電対21の測温接点27を通す1つの孔43を備えてもよい。これにより、前記熱電対21の1本の金属線26を前記孔43に通して前記測温接点27を前記孔43に位置するように配設する。各金属線26は、丸棒部36に沿って前記孔43をずらした位置を通して配設する。
【0051】
これにより、前記第1実施形態と同様の作用、効果を奏することができる。
【0052】
また、図17,18のように、丸棒部36の各設定位置に、前記熱電対21の測温接点27を引っ掛けるフック44を備えてもよい。これにより、前記熱電対21の前記測温接点27をフック44に引っ掛けて配設する。各金属線26は、丸棒部36のうち前記フック44が位置する側の背面に沿って前記フック32をずらした位置を通して配設される。
【0053】
これにより、前記第1実施形態と同様の作用、効果を奏することができる。
【0054】
また、図19,20のように、板状部材23の各設定位置に、前記熱電対21の測温接点27を引っ掛けるフランジ45を備えてもよい。これにより、前記熱電対21の前記測温接点27をフランジ45に引っ掛けて配設する。各金属線26は、丸棒部36のうち前記フランジ45が位置する側の背面に沿って前記フランジ45をずらした位置を通して配設される。
【0055】
これにより、前記第1実施形態と同様の作用、効果を奏することができる。
【0056】
また、前記第1実施形態と同様に、前記各変形例を適宜組み合わせても良い。
【0057】
[第3実施形態]
次に、本発明の第3実施形態について説明する。
【0058】
本実施形態の多点温度センサの支持部材22は、図21、22、23に示すように、管棒材48で構成されている。管棒材48は、前記各熱電対21を支持して前記保護管2、12内に挿入される。
【0059】
管棒材48は、前記保護管2、12の内径とほぼ同様の外径を有した中空の管材で構成されている。管棒材48は、保護管2、12内に挿入される部材である。管棒材48は、保護管2、12内に挿入された状態で、保護管2、12の内壁に当接して支持される。
【0060】
管棒材48には、前記各熱電対21を前記保護管2、12内の設定位置で熱電対21を固定支持する固定部49が設けられている。
【0061】
固定部49は、切り欠き50と、固定板51とから構成されている。切り欠き50は、管棒材48の設定位置に設けられている。ここでは、4箇所の位置に切り欠き50がそれぞれ設けられている。切り欠き50は、固定板51の大きさに合わせて形成されている。即ち、切り欠き50は、固定板51と同じ寸法に形成されている。これにより、固定板51が切り欠き50に嵌合して固定される。固定板51は切り欠き50に接着剤等で固定される。
【0062】
固定板51は、前記熱電対21を支持した状態で切り欠き50に嵌合される板材である。固定板51は石英板で構成されている。
【0063】
固定板51には、前記各熱電対21を前記保護管2、12内の設定位置で前記板状部材23に固定する固定部52が設けられている。この固定部52は、前記第1実施形態の固定部24と同様に、断面形状がU字状又は半円状の切り欠き53によって構成されている。この切り欠き53は、前記第1実施形態の切り欠き25と同様に構成されている。
【0064】
そして、熱電対21が固定板51に支持されて、この固定板51が切り欠き50に嵌合して固定されることで、前記各熱電対21の各測温接点27を設定位置に正確にかつ確実に固定する。このとき、金属線26は管棒材48内に通される。
【0065】
これにより、前記第1実施形態と同様の作用、効果を奏する。
【0066】
[変形例]
前記第1実施形態の変形例の場合と同様に、固定部52としての切り欠き53の代わりに、図24のように、固定板51に前記熱電対21の2本の金属線26を通す2つの孔54を備えてもよい。また、図25のように、固定板51に前記熱電対21の測温接点27を通す1つの孔55を備えてもよい。また、図26,27のように、固定板51に、前記熱電対21の測温接点27を引っ掛けるフック56を備えてもよい。また、図28,29のように、固定板51に、前記熱電対21の測温接点27を引っ掛けるフランジ57を備えてもよい。
【0067】
これにより、前記第1実施形態の各変形例と同様の作用、効果を奏することができる。
【0068】
また、前記第1実施形態の場合と同様に、前記各変形例を適宜組み合わせても良い。
【0069】
[他の変形例]
前記各実施形態では、支持部材22として、板状部材23や丸棒部36や管棒材48を用いたが、図30に示すように、半円棒材59を用いても良い。この場合、前記熱電対21の測温接点27は、円弧面59Aに取り付けられたり、平坦面59Bに取り付けられたりする。
【0070】
図5の切り欠き25を用いる場合は、測温接点27は、円弧面59Aに取り付けられる。金属線26は、測温接点27と反対側の平坦面59Bに通される。図6の2つの孔30を用いる場合は、測温接点27は、円弧面59Aに取り付けられる。金属線26は、測温接点27と反対側の平坦面59Bに通される。図7の1つの孔31を用いる場合は、測温接点27は、半円棒材59に設けられる孔内に取り付けられる。図8,9のフック32の場合は平坦面59Bに設けられる。図10,11のフランジ33の場合は平坦面59Bに設けられる。
【0071】
これらの場合も、前記各実施形態及び各変形例と同様の作用、効果を奏することができる。
【図面の簡単な説明】
【0072】
【図1】本発明の第1実施形態にかかる多点温度センサの支持部材を示す斜視図である。
【図2】従来の多点温度センサを示す側面図である。
【図3】従来の多点温度センサを示す側面図である。
【図4】本発明の第1実施形態にかかる多点温度センサの支持部材を保護管に挿入した状態を示す断面図である。
【図5】本発明の第1実施形態にかかる多点温度センサの板状部材の固定部を示す要部拡大図である。
【図6】本発明の第1実施形態の第1変形例を示す要部拡大図である。
【図7】本発明の第1実施形態の第2変形例を示す要部拡大図である。
【図8】本発明の第1実施形態の第3変形例を示す要部拡大図である。
【図9】本発明の第1実施形態の第3変形例を示す要部拡大図である。
【図10】本発明の第1実施形態の第4変形例を示す要部拡大図である。
【図11】本発明の第1実施形態の第4変形例を示す要部拡大図である。
【図12】本発明の第2実施形態にかかる多点温度センサの支持部材を示す斜視図である。
【図13】本発明の第2実施形態にかかる多点温度センサの支持部材を保護管に挿入した状態を示す断面図である。
【図14】本発明の第2実施形態にかかる多点温度センサの丸棒材の固定部を示す要部拡大図である。
【図15】本発明の第2実施形態の第1変形例を示す要部拡大図である。
【図16】本発明の第2実施形態の第2変形例を示す要部拡大図である。
【図17】本発明の第2実施形態の第3変形例を示す要部拡大図である。
【図18】本発明の第2実施形態の第3変形例を示す要部拡大図である。
【図19】本発明の第2実施形態の第4変形例を示す要部拡大図である。
【図20】本発明の第2実施形態の第4変形例を示す要部拡大図である。
【図21】本発明の第3実施形態にかかる多点温度センサの支持部材を示す斜視図である。
【図22】本発明の第3実施形態にかかる多点温度センサの支持部材を保護管に挿入した状態を示す断面図である。
【図23】本発明の第3実施形態にかかる多点温度センサの丸棒材の固定部を示す要部拡大図である。
【図24】本発明の第3実施形態の第1変形例を示す要部拡大図である。
【図25】本発明の第3実施形態の第2変形例を示す要部拡大図である。
【図26】本発明の第3実施形態の第3変形例を示す要部拡大図である。
【図27】本発明の第3実施形態の第3変形例を示す要部拡大図である。
【図28】本発明の第3実施形態の第4変形例を示す要部拡大図である。
【図29】本発明の第3実施形態の第4変形例を示す要部拡大図である。
【図30】本発明の他の変形例を示す断面図である。
【符号の説明】
【0073】
2、12:保護管、21:熱電対、22:支持部材、23:板状部材、24:固定部、25:切り欠き、26:金属線、27:測温接点、30:孔、31:孔、32:フック、33:フランジ、35:丸棒材、36:丸棒部、37:センター支持部、38:固定部、39:切り欠き、40:紐、42:孔、43:孔、44:フック、45:フランジ、48:管棒材、49:固定部、50:切り欠き、51:固定板、52:固定部、53:切り欠き、54:孔、55:孔、56:フック、57:フランジ、59:半円棒材、59A:円弧面、59B:平坦面。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
温度を検出する複数の熱電対と、この熱電対を内部に納める保護管とを備えた多点温度センサであって、
前記各熱電対を支持した状態で前記保護管内に挿入されて固定される支持部材と、
当該支持部材に設けられ、前記各熱電対を前記保護管内の設定位置で前記支持部材に固定する固定部とを備えたことを特徴とする多点温度センサ。
【請求項2】
請求項1に記載の多点温度センサにおいて、
前記固定部が、各設定位置の周囲に前記熱電対の2本の金属線をかける切り欠きを備えたことを特徴とする多点温度センサ。
【請求項3】
請求項1に記載の多点温度センサにおいて、
前記固定部が、各設定位置に前記熱電対の2本の金属線を通す2つの孔を備えたことを特徴とする多点温度センサ。
【請求項4】
請求項1に記載の多点温度センサにおいて、
前記固定部が、各設定位置に前記熱電対の測温接点を通す1つの孔を備えたことを特徴とする多点温度センサ。
【請求項5】
請求項1に記載の多点温度センサにおいて、
前記固定部が、各設定位置に前記熱電対の測温接点を引っ掛けるフックを備えたことを特徴とする多点温度センサ。
【請求項6】
請求項1に記載の多点温度センサにおいて、
前記固定部が、各設定位置に前記熱電対の測温接点を引っ掛けるフランジを備えたことを特徴とする多点温度センサ。
【請求項7】
請求項1に記載の多点温度センサにおいて、
前記支持部材が、前記保護管内に挿入される板状部材で構成されたことを特徴とする多点温度センサ。
【請求項8】
請求項1に記載の多点温度センサにおいて、
前記支持部材が、前記保護管内に挿入される丸棒材で構成されたことを特徴とする多点温度センサ。
【請求項9】
請求項1に記載の多点温度センサにおいて、
前記支持部材が、前記保護管内に挿入される管棒材で構成されたことを特徴とする多点温度センサ。
【請求項10】
請求項1に記載の多点温度センサにおいて、
前記支持部材が、前記保護管内に挿入される半円棒材で構成されたことを特徴とする多点温度センサ。
【請求項1】
温度を検出する複数の熱電対と、この熱電対を内部に納める保護管とを備えた多点温度センサであって、
前記各熱電対を支持した状態で前記保護管内に挿入されて固定される支持部材と、
当該支持部材に設けられ、前記各熱電対を前記保護管内の設定位置で前記支持部材に固定する固定部とを備えたことを特徴とする多点温度センサ。
【請求項2】
請求項1に記載の多点温度センサにおいて、
前記固定部が、各設定位置の周囲に前記熱電対の2本の金属線をかける切り欠きを備えたことを特徴とする多点温度センサ。
【請求項3】
請求項1に記載の多点温度センサにおいて、
前記固定部が、各設定位置に前記熱電対の2本の金属線を通す2つの孔を備えたことを特徴とする多点温度センサ。
【請求項4】
請求項1に記載の多点温度センサにおいて、
前記固定部が、各設定位置に前記熱電対の測温接点を通す1つの孔を備えたことを特徴とする多点温度センサ。
【請求項5】
請求項1に記載の多点温度センサにおいて、
前記固定部が、各設定位置に前記熱電対の測温接点を引っ掛けるフックを備えたことを特徴とする多点温度センサ。
【請求項6】
請求項1に記載の多点温度センサにおいて、
前記固定部が、各設定位置に前記熱電対の測温接点を引っ掛けるフランジを備えたことを特徴とする多点温度センサ。
【請求項7】
請求項1に記載の多点温度センサにおいて、
前記支持部材が、前記保護管内に挿入される板状部材で構成されたことを特徴とする多点温度センサ。
【請求項8】
請求項1に記載の多点温度センサにおいて、
前記支持部材が、前記保護管内に挿入される丸棒材で構成されたことを特徴とする多点温度センサ。
【請求項9】
請求項1に記載の多点温度センサにおいて、
前記支持部材が、前記保護管内に挿入される管棒材で構成されたことを特徴とする多点温度センサ。
【請求項10】
請求項1に記載の多点温度センサにおいて、
前記支持部材が、前記保護管内に挿入される半円棒材で構成されたことを特徴とする多点温度センサ。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図2】
【図3】
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【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【公開番号】特開2009−53038(P2009−53038A)
【公開日】平成21年3月12日(2009.3.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−220028(P2007−220028)
【出願日】平成19年8月27日(2007.8.27)
【出願人】(390031037)日本フエンオール株式会社 (33)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年3月12日(2009.3.12)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年8月27日(2007.8.27)
【出願人】(390031037)日本フエンオール株式会社 (33)
【Fターム(参考)】
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