説明

多点電圧電流プローブシステム

【課題】様々な位置からのパラメータの測定結果を同期または時間相関させることができる計測システムおよび監視方法を提供する。
【解決手段】回路内の複数の位置の内の1つにおける高周波電力の電気的特性に基づいて出力信号をそれぞれ発生する複数のセンサチャネルであって、各センサチャネルが、高周波電力の電気的特性に基づいて第1の信号を発生するプローブ20と、周期信号を発生する発振器62と、センサチャネルのための出力信号を発生するために、前記第1の信号と前記周期信号とを混合するミキサ64とを含む複数のセンサチャネルと、センサチャネルからの複数の出力信号に基づいて第2の出力信号を発生する高周波結合器70,72とを含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プラズマ処理システムにおける高周波電力を検出するための計測に関する。
【背景技術】
【0002】
この項における記述は、本発明の開示に関する背景情報を提供するものであり、先行技術を構成するものではない。
【0003】
電子産業では、集積回路、コンパクトディスク、デジタル多用途ディスク等のような様々な要素を製造するために、高周波プラズマが利用されている。通常、高周波プラズマ処理は、閉ループ制御系によって監視および制御されている。
【0004】
情報産業でもまた、異なる位置の間で装置および人間が無線によって情報を通信および伝達できるようにするために、高周波エネルギーが利用されている。無線通信施設は、無線の送信機、受信機、およびアンテナ等を含んでいてもよい。さらに、無線通信施設が適切にかつ政府の規制および/または工業規格に従って機能するように、検査装置および/または監視装置が含まれていてもよい。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
高周波プラズマ制御システムでは、プラズマチャンバに印加されている高周波電力の1つまたはそれ以上のパラメータを測定する。プラズマ制御装置は、測定結果および制御アルゴリズムに基づいて、前記パラメータを繰り返し調整する。マルチポイントアプリケーションでは、高周波電力経路において1つまたはそれ以上の位置で測定結果が得られ、様々な位置からの測定結果を同期または時間相関させることが課題とされている。
【0006】
検査装置および/または監視装置は、特定の局の高周波経路において1つまたはそれ以上の位置で、高周波システムパラメータを測定することができる。前記パラメータはシステムが適切に機能するように利用することができる一方、様々な位置からのパラメータの測定結果を同期または時間相関させることが課題とされている。
【0007】
本発明の目的は、様々な位置からのパラメータの測定結果を同期または時間相関させることができる計測システムおよび監視方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、回路内の複数の位置における高周波電力を監視する計測システムにおいて、
前記回路内の複数の位置の内の1つにおける高周波電力の電気的特性に基づいて出力信号をそれぞれ発生する複数のセンサチャネルであって、各センサチャネルが、
高周波電力の電気的特性に基づいて第1の信号を発生する高周波センサと、
周期信号を発生する発振器と、
センサチャネルのための出力信号を発生するために、前記第1の信号と前記周期信号とを混合するミキサとを含む複数のセンサチャネルと、
センサチャネルからの複数の出力信号に基づいて第2の出力信号を発生する高周波結合器とを含むことを特徴とする計測システムである。
【0009】
本発明において、前記高周波結合器からの第2の出力信号に基づいてメッセージを発生する分析モジュールをさらに含み、
前記メッセージは、複数のセンサチャネルによって検出される電気的特性に関する情報
を包含していることを特徴とする。
【0010】
本発明において、前記高周波センサが方向性結合器であることを特徴とする。
本発明において、前記高周波センサが電圧/電流プローブであることを特徴とする。
【0011】
本発明において、前記高周波センサからの第1の信号のそれぞれをろ波する複数の低域通過フィルタをさらに含むことを特徴とする。
【0012】
本発明において、前記センサチャネルからの出力信号のそれぞれをろ波する複数の高域通過フィルタをさらに含む。
【0013】
本発明において、前記高周波結合器からの第2の出力信号をろ波するフィルタをさらに含むことを特徴とする。
【0014】
本発明において、前記周期信号のそれぞれが他の周期信号とは異なる周波数を有することを特徴とする。
本発明において、前記周波数が周波数領域において等間隔であることを特徴とする。
【0015】
また本発明は、回路内の複数の位置における高周波電力を監視する計測システムにおいて、
前記回路内の複数の位置の1つにおける高周波電力の電気的特性に基づいて一対の出力信号をそれぞれ発生する複数のセンサチャネルであって、各センサチャネルが、
高周波電力に基づいて一対のアナログ信号を発生する高周波センサと、
位相の異なる第1の周期信号および第2の周期信号を発生する発振器と、
センサチャネルの出力信号の内の一方を発生するために、第1の周期信号とアナログ信号の一方とを混合する第1のミキサと、
センサチャネルの出力信号の内の他方を発生するために、第2の周期信号とアナログ信号の他方とを混合する第2のミキサとを含む複数のセンサチャネルと、
第1のミキサからの複数の出力信号に基づいて第1の広帯域信号を発生する第1の高周波結合器と、
第2のミキサからの複数の出力信号に基づいて第2の広帯域信号を発生する第2の高周波結合器とを含むことを特徴とする計測システムである。
【0016】
本発明において、前記第1の高周波結合器および前記第2の高周波結合器からの広帯域信号に基づいてメッセージを発生する分析モジュールをさらに含み、
前記メッセージは、複数のセンサチャネルによって検出される電気的特性に関する情報を包含していることを特徴とする。
【0017】
本発明において、前記高周波センサが方向性結合器であることを特徴とする。
本発明において、前記高周波センサが電圧/電流プローブであることを特徴とする。
【0018】
本発明において、前記高周波センサからのアナログ信号のそれぞれをろ波する低域通過フィルタをさらに含む。
【0019】
本発明において、前記センサチャネルからの出力信号のそれぞれをろ波する複数の高域通過フィルタをさらに含むことを特徴とする。
【0020】
本発明において、前記第1の広帯域信号および前記第2の広帯域信号のそれぞれをろ波する第1のフィルタおよび第2のフィルタをさらに含むことを特徴とする。
【0021】
本発明において、前記周期信号のそれぞれが他の周期信号とは異なる周波数を有することを特徴とする。
【0022】
本発明において、前記周期信号の周波数が周波数領域において等間隔であることを特徴とする。
【0023】
また本発明は、回路内の複数の位置における高周波電力を監視するための方法において、
前記回路内の複数の位置の内の対応位置における高周波電力の電気的特性に基づいて出力信号を発生する発生工程であって、各発生工程が、
高周波電力に基づいて第1の信号を発生する工程と、
周期信号を発生する工程と、
前記出力信号を発生するために前記第1の信号と前記周期信号とを混合する工程とを含む発生工程と、
各出力信号の周波数成分を含む広帯域信号を発生するために前記出力信号を結合する工程とを含むことを特徴とする監視方法である。
【0024】
本発明において、前記広帯域信号に基づいてメッセージを発生する工程をさらに含み、
前記メッセージは電気的特性に関する情報を包含していることを特徴とする。
【0025】
本発明において、前記電気的特性は、前進電力および反射電力のうち少なくとも1つを含むことを特徴とする。
【0026】
本発明において、前記電気的特性は、電圧および電流のうち少なくとも1つを含むことを特徴とする。
【0027】
本発明において、前記第1の信号をろ波する工程をさらに含むことを特徴とする。
本発明において、前記出力信号をろ波する工程をさらに含むことを特徴とする。
【0028】
本発明において、高周波結合器からの広帯域信号をろ波する工程をさらに含むことを特徴とする。
【0029】
本発明において、前記周期信号のそれぞれが他の周期信号と異なる周波数を有することを特徴とする。
本発明において、前記周波数が周波数領域において等間隔であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0030】
本発明によれば、回路内の複数の位置における高周波電力を監視するための計測システムが開示される。前記システムは、前記回路内の複数の位置の1つにおける高周波電力の電気的特性に基づいて出力信号をそれぞれ発生する複数のセンサチャネルを含む。各センサチャネルは、高周波電力の電気的特性に基づいて第1の信号を発生する高周波センサと、周期信号を発生する発振器と、センサチャネルのための出力信号を発生するために、第1の信号と周期信号とを混合するミキサとを含む。高周波結合器は、センサチャネルからの複数の出力信号に基づいて第2の出力信号を発生する。
【0031】
本発明によれば、回路内の複数の位置における高周波電力を監視するための計測システムが開示される。前記システムは、前記回路内の複数の位置の1つにおける高周波電力の電気的特性に基づいて一対の出力信号をそれぞれ発生する複数のセンサチャネルを含む。各センサチャネルは、高周波電力に基づいて一対のアナログ信号を発生する高周波センサと、位相の異なる第1の周期信号および第2の周期信号を発生する発振器と、センサチャ
ネルの出力信号の一方を発生するために第1の周期信号とアナログ信号の一方とを混合する第1のミキサと、センサチャネルの出力信号の他方を発生するために第2の周期信号とアナログ信号の他方とを混合する第2のミキサとを含む。第1の高周波結合器は、第1のミキサからの複数の出力信号に基づいて第1の広帯域信号を発生し、第2の高周波結合器は、第2のミキサからの複数の出力信号に基づいて第2の広帯域信号を発生する。
【0032】
本発明によれば、回路内の複数の位置における高周波電力を監視するための方法が開示される。前記方法は、前記回路内の複数の位置の内の対応位置における高周波電力の電気的特性に基づいて出力信号を発生する工程であって、各発生工程が高周波電力に基づいて第1の信号を発生する工程と、周期信号を発生する工程と、出力信号を発生するために第1の信号と周期信号とを混合する工程とを含む発生工程を含む。前記方法は、各出力信号の周波数成分を含む広帯域信号を発生するために、出力信号を結合する工程を含む。
【0033】
本願明細書に記載された説明から、将来的にさらに多くの分野で利用可能であることは明らかである。明細書の記載および具体例は、例示目的で示したに過ぎず、本発明の範囲を限定することを意図するものではないと理解されるべきである。
【0034】
本願明細書に記載されている図面は例示を目的とするものであり、本発明の範囲を限定するものではない。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【図1】多点高周波センサを含む高周波プラズマ発生装置の機能ブロック図を示す。
【図2】複数の高周波源および多点高周波センサを含むプラズマ発生装置の機能ブロック図を示す。
【図3】多点高周波センサを含む無線高周波送信機の機能ブロック図を示す。
【図4】多点高周波センサ用の周波数多重化モジュールの機能ブロック図を示す。
【図5】複数の位置における測定結果の一次結合から導出された高周波信号の周波数成分のスペクトル図を示す。
【図6】低周波数混合後の図5の周波数成分のスペクトル図を示す。
【図7】高周波数混合後の図5の周波数成分のスペクトル図を示す。
【図8】時間多重化多点プローブの機能ブロック図を示す。
【図9】信号調節分割モジュールの機能ブロック図を示す。
【図10A】図9の分割モジュールにおける様々な信号のスペクトル図を示す。
【図10B】図9の分割モジュールにおける様々な信号のスペクトル図を示す。
【図10C】図9の分割モジュールにおける様々な信号のスペクトル図を示す。
【図10D】図9の分割モジュールにおける様々な信号のスペクトル図を示す。
【図11】分析モジュールの機能ブロック図を示す。
【図12】図8の時間多重化多点プローブに用いられる変換モジュールの機能ブロック図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0036】
以下の説明は事実上典型的なものに過ぎず、決して本発明による開示、本出願、利用方法を限定することを意図するものではない。分かり易くするため、類似の要素を同一に扱うために同一の参照番号が図面内で用いられている。本願明細書において、A、BおよびCのうち少なくとも1つという言い回しは、非排他的論理和を用いて、論理(AまたはBまたはC)を意味するものと解釈される。方法における工程は、本発明の原則を変えない限り、異なる順序で実行されてもよい。
【0037】
本願明細書においては、モジュールという語は、特定用途向け集積回路(ASIC)、電子回路、プロセッサ(共有、専用、または集合)、およびメモリに対応しており、これ
らは1またはそれ以上のソフトウエアプログラムもしくはファームウエアプログラム、組み合わせ論理回路、および/または記載された機能性を与える他の好適な要素を実行する。
【0038】
図1を参照すると、実施形態の1つとして、高周波プラズマ発生装置10が示されている。高周波プラズマ発生装置10は、高周波プラズマ発生装置10内の複数の位置における高周波電力の測定を容易にする多重化モジュール22を含む。多重化モジュール22については、以下でより詳細に記載する。
【0039】
高周波プラズマ発生装置10は、高周波発生装置12−1および高周波発生装置12−2を含み、これらをまとめて高周波発生装置12と称する。制御モジュール14は、高周波発生装置12に対して制御信号を発生する。制御信号によって、高周波発生装置12の出力部における高周波電力の、例えば電圧、電流、電力といった、電気パラメータが決定する。高周波発生装置12の出力は、インピーダンス整合回路網16の各入力部に伝達される。インピーダンス整合回路網16は、プラズマチャンバ18の入力インピーダンスと、高周波発生装置12の出力インピーダンスを適合させ、それは典型的には50オームである。
【0040】
高周波プラズマ発生装置10は、様々な位置における高周波電力の1またはそれ以上のパラメータを検出する複数のセンサまたはプローブ20を含む。第1のプローブ20−1および第2のプローブ20−2は、高周波発生装置12のそれぞれの出力部における高周波電力を検出する。第3のプローブ20−3は、インピーダンス整合回路網16の出力部とプラズマチャンバ18の入力部との間の高周波電力を検出する。各プローブ20は、目的とする電気パラメータを示す1またはそれ以上の信号を発生する。たとえば、目的とするパラメータが前進電力および/または反射電力であるときには、プローブ20は方向性結合器であり得る。目的とするパラメータが電圧および/または電流であるときには、プローブ20は電圧/電流(V/I)プローブであってもよい。
【0041】
プローブ20からの信号は、多重化モジュール22の入力部に伝達される。多重化モジュール22は、信号の周波数をシフトしおよび/または信号をサンプリングし、周波数シフトおよび/またはサンプリングの結果を分析モジュール24に伝達する。分析モジュール24は、その結果に基づいてデータを生成する。そのデータは、プローブ20のそれぞれによって検出された目的とするパラメータを定量的に表す。分析モジュール24は、そのデータおよび/または情報を制御モジュール14に伝達される1またはそれ以上のデジタル信号および/またはアナログ信号を発生する。そして、制御モジュール14は、そのデータおよび制御アルゴリズムに基づいて制御信号を調節する。
【0042】
図2を参照すると、高周波プラズマ発生装置10は、複数シャワーヘッドのプラズマチャンバ18’を有することが示されている。インピーダンス整合回路網16の出力部における高周波電力は、スプリッタ26の入力部に伝達される。スプリッタ26は、プラズマチャンバ18’の複数の入力部のために高周波電力を分割する。プローブ20−3,20−4,20−5は、プラズマチャンバ18’の入力部のそれぞれに与えられている高周波電力を検出する。多重化モジュール22は、増設プローブ20−4,20−5からの信号を受信および処理し、分析モジュール24に伝達される信号の中にそれらの情報を含める。
【0043】
図3を参照すると、実施形態の1つとして、無線高周波送信機50が示されている。無線高周波送信機50には、多重化モジュール22および無線高周波送信機50内の様々な位置における高周波電力を検出する複数のプローブ20が使用されている。
【0044】
無線高周波送信機50は、高周波信号を発生する複数の高周波発生装置または送信機52−1,52−2,52−3を含む。高周波信号は、高周波フィルタ/結合器54の各入力部に伝達される。高周波フィルタ/結合器54は、基本周波数である高周波信号を通過させ、これらを結合することによって、コンポジット出力高周波信号を形成する。コンポジット出力高周波信号は、アンテナ56の入力部に伝達される。
【0045】
プローブ20−1〜20−4は、それぞれの位置における高周波電力を検出する。多重化モジュール22は、プローブ20−1〜20−4からの信号を受信し、処理する。多重化モジュール22は、信号を結合しおよび/またはサンプリングし、その結合および/またはサンプリングの結果を分析モジュール24に伝達する。分析モジュール24は、その結果に基づいてデータを生成する。そのデータは、プローブ20のそれぞれによって検出された目的とするパラメータを定量的に表す。分析モジュール24は、そのデータを制御モジュール14に伝達する。そして、制御モジュール14は、そのデータおよび制御アルゴリズムに基づいて、制御信号を調節する。制御信号は、高周波送信機52へフィードバックし、各高周波出力の1またはそれ以上のパラメータを変える。
【0046】
図4を参照すると、実施形態の1つとして、周波数分割バージョンの多重化モジュール22が示されている。図4は、各プローブにおける高周波電力の電圧および電流を示す信号を発生する電圧/電流プローブとしてプローブ20を示している。プローブ20は、いくつかの実施形態においては、各プローブにおける高周波電力の前進電力および反射電力を示す信号を発生する方向性結合器として実施されてもよいものと理解されるべきである。プローブ20はまた、目的とする電気的特性に基づいて信号を発生する別の種類のプローブであってもよい。
【0047】
いくつかの実施形態においては、プローブ20は、検出された信号の周波数を低い周波数に変換してもよい。そのようなプローブ20の実施例が、米国特許第5770922号明細書において示されており、その全体が参照によって本願明細書に組み込まれる。
【0048】
多重化モジュール22は、プローブ20のそれぞれからの信号を受信する複数の混合モジュール60−2〜60−Nを含む。各混合モジュール60は、個別の局部発振器62および一対のミキサ64を含む。各対のミキサ64は、対応の局部発振器62から、それぞれ、正弦信号および余弦信号などの同相信号および異相信号を受信する。各局部発振器62は、他の局部発振器と異なる周波数を有するものであってもよい。局部発振器62の周波数は、プローブ20からの信号の第1の信号の周波数よりも小さくも大きくもなり得る。プローブ20からの信号の周波数が異なっている場合のようないくつかの実施形態においては、局部発振器62は、共通の周波数を用いることができる。第1のプローブ20−1からの信号は、基本周波数のままでもよく、混合モジュール60を通過する必要はない。プローブ20からの信号は、それぞれ低域通過フィルタ66を通過してもよい。ミキサ64−2からの信号は、それぞれ高域通過フィルタ68を通過してもよい。
【0049】
第1の高周波結合器70は、各混合モジュール60における第1のミキサ64からの信号を受信する。第2の高周波結合器72は、各混合モジュール60における第2のミキサ64からの信号を受信する。高周波結合器70,72の出力は、制御モジュール14の入力部に伝達される。いくつかの実施形態においては、高周波結合器70,72の出力は、制御モジュール14の入力部に伝達される前に、それぞれ低域通過フィルタ74,76を通過してもよい。
【0050】
フィルタ66,68,74,76のうち1またはそれ以上のフィルタには、対応のスケーリングモジュールが含まれていてもよいものと理解されるべきである。目的とする信号の振幅が分析モジュール24への入力のダイナミックレンジと適合するように、スケーリ
ングモジュールの増幅率が調節されてもよい。
【0051】
混合モジュール60は、プローブ20のそれぞれからの信号について、その信号が分析モジュール24に与えられる前に、周波数領域をシフトする。混合モジュール60は、その結果、分析モジュール24が全てのプローブ20からの情報を同時に受信できるようにしている。分析モジュール24の入力バンド幅は、信号がミキサ64およびプローブ20−1の出力部においてろ波されている、いないに拘らず、その周波数スペクトルのうち所望の一部に対応しているはずである。そのような分析モジュール24が、現在エムケーエスインスツルメンツによって製造されており、品番はVIP2001、VIP2007およびVIP2009である。米国特許第6522121号明細書および米国特許第6707255号明細書は、その全体が参照によって本願明細書に組み込まれ、周波数分割バージョンの多重化モジュール22と互換性のある分析モジュール24の実施例を提供している。
【0052】
図5を参照すると、スペクトル図100は、これに限定されない実施例として、各混合モジュール60に与えられる前の4つのプローブ20からのアナログ信号の周波数成分を示している。スペクトル図100によって、プローブ20からの信号の周波数成分は、それぞれが重畳していることがわかる。もしこれらの信号が直接分析モジュール24に与えられる(例えば、混合モジュール60を通過しない)としたならば、分析モジュール24は、どの信号がどのプローブ20と結びついているものであるかを識別することができないであろう。
【0053】
図6を参照すると、スペクトル図120は、4つの混合モジュール60の出力における信号の周波数成分を示している。スペクトル図120は、局部発振器62の周波数がプローブ20からの信号の基本周波数よりも小さいと仮定している。特定の大きさにおける各信号セットは、プローブ20のうちの1つと関連付けられている。スペクトル図120は、混合モジュール60が、各信号の周波数成分の重複を処理するために、プローブ20からの信号の基本周波数をシフトしていることを示している。混合モジュール60は、その結果、どの周波数成分が特定のプローブ20と結びついているものであるかを分析モジュール24が識別できるようにしている。各プローブ20からの信号の周波数シフトは、対応の局部発振器62の周波数にしたがって変わり、いくつかの実施形態においては、対応の局部発振器62のプラス/マイナス振動数に等しい。フィルタ66,68,74,76が用いられる場合には、前記フィルタはプローブ20によって発生する信号からいくつかの周波数成分を除去するということは、当業者に理解されるはずである。
【0054】
図7を参照すると、スペクトル図130は、4つの混合モジュール60の出力における信号の周波数成分を示している。スペクトル図130は、局部発振器62の周波数がプローブ20からの信号の基本周波数よりも大きいと仮定している。特定の大きさにおける各信号セットは、プローブ20のうちの1つと関連付けられている。スペクトル図130は、混合モジュール60が、各信号の周波数成分の重複を処理するために、プローブ20からの信号の基本周波数をシフトしていることを示している。各プローブ20の周波数成分は、対応する周波数バンド内でグループ化される。グループ化された周波数は、どの周波数成分が特定のプローブ20と結びついているものであるかを分析モジュール24が識別できるようにしている。各プローブ20からの信号の周波数シフトは、対応の局部発振器62の周波数にしたがって変わり、いくつかに実施形態においては、対応の局部発振器62のプラス/マイナス振動数に等しい。フィルタ66,68,74および/または76が用いられる場合には、前記フィルタはプローブ20によって発生する信号からいくつかの周波数成分を除去するということは、当業者に理解されるはずである。
【0055】
図8を参照すると、実施形態の1つとして、時間分割バージョンの多重化モジュール2
2が示されている。時間分割多重化モジュール22は、プローブ20の1つからの全周波数スペクトルが、選択された時間において分析モジュール24に到達することを可能としている。第1のマルチプレクサ150は、プローブ20のそれぞれからのアナログ信号の一方を受信する複数の入力部を含む。第2のマルチプレクサ152は、プローブ20のそれぞれからのアナログ信号の他方を受信する複数の入力部を含む。マルチプレクサ150,152のそれぞれは、プローブ選択信号154を受信する入力部を含む。プローブ選択信号154によって、選択された時間においてどのプローブ20がマルチプレクサ150,152の出力部へ信号を送ったかがわかる。
【0056】
図9を参照すると、信号調節分割モジュール160が示されている。図1〜3に示すように、図8の多重化モジュール22が複数の高周波発生装置12に使用されている場合に、1またはそれ以上の信号調節分割モジュールは使用される。高周波発生装置12は、異なる基本周波数を使用している。基本周波数は、インピーダンス整合回路網16および高周波フィルタ/結合器54の少なくとも1つにおいて結合され得る。信号調節分割モジュール160は、プローブ20のそれぞれからの高周波信号のバンド幅および増幅率を分析モジュール24のダイナミックレンジと適合させる。
【0057】
各信号調節分割モジュール160は、プローブ20のうちの1つのそれぞれの出力部からの信号を受信する。スケーリングモジュール162は、1〜Mに分岐するスプリッタ164の入力部に信号が到達する前に、その信号を増幅または減衰する。ここで、Mは周波数バンドの数を表している。1〜Mに分岐するスプリッタ164の各出力は、入力部に与えられている信号の複製を供給する。M個の出力のそれぞれは、M個のスケーリングモジュール166の1つにそれぞれ伝達される。各スケーリングモジュール166の増幅率は、単一のものと比べて小さくても、等しくても、または大きくてもよい。スケーリングモジュール166の出力は、フィルタ168の入力部にそれぞれ伝達される。フィルタ168の通過バンドは、ユーザが目的とする周波数に基づいて選択されてもよい。結合器170は、フィルタ168からの出力信号を結合する。結合器170の出力は、マルチプレクサ150またはマルチプレクサ152のそれぞれの入力部に伝達されるろ波された検出信号を供給する。スケーリングモジュール162および166の増幅率ならびにフィルタ168のカットオフ周波数およびバンド幅は、M個の異なる周波数バンドに基づいて、および分析モジュール24によって高周波信号の定量化を最大化するために、選択されてもよい。各フィルタ168は、全域通過、低域通過、高域通過またはバンド通過のフィルタとして実装されてもよい。
【0058】
図10A〜図10Dを参照すると、スケール化されていないスペクトル図は、信号調節分割モジュール160内の様々なポイントにおける周波数成分の例を示している。スペクトル図は、高周波発生装置12が、例えばM=2である場合に、f0およびf1に中心がある2つの基本周波数を供給しているものと仮定していると理解されるべきである。図10Aは、スケーリングモジュール162の入力部におけるスペクトル図を示している。f0およびf1の振幅は等しいものではなく、必ずしも分析モジュール24の入力特性または限界に適合しているとは限らないということが見てとれる。
【0059】
図10Bは、フィルタ168−1の出力におけるスペクトル図を示している。図10Bは、フィルタ168−1がf0よりも大きくf1よりも小さいカットオフ周波数を有する低域通過フィルタとして実装されていることを仮定している。フィルタ168−1の通過バンドは172と示されている。
【0060】
図10Cは、フィルタ168−Mの出力におけるスペクトル図を示している。図10Cは、フィルタ168−Mが、中心周波数がf1であり、かつ、f0よりも大きな下位のカットオフ周波数を有するバンド通過フィルタとして実装されていることを仮定している。
フィルタ168−Mの通過バンドは174と示されている。図10Cはまた、スケーリングモジュール166−Mの増幅率が単一のものよりも小さく、それによって、結合器170に入る前にf1の振幅を減じているものと仮定している。図10Dは、結合器170の出力におけるスペクトル図を示している。
【0061】
図11を参照すると、機能ブロック図は、時間分割バージョンの多重化モジュール22(図8)で使用可能な分析モジュール24の様々なアーキテクチャのうちの1つを示している。入力である電圧および電流はそれぞれ、各信号調節分割モジュール160からの信号を受信する。各入力信号は、各低域通過フィルタ180および各高域通過フィルタ182に与えられる。いくつかの実施例においては、フィルタ180,182は省略されてもよく、そのフィルタ機能はフィルタ168によって充足されてもよい。
【0062】
第1の対のアナログデジタル(A/D)コンバータ184は、フィルタ180からの電圧信号および電流信号のそれぞれの低周波数成分を変換する。第2の対のアナログデジタルコンバータ186は、フィルタ182からの電圧信号および電流信号のそれぞれの高周波数成分を変換する。アナログデジタルコンバータ対184は、変換された信号をフィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)188に伝達する。アナログデジタルコンバータ対186は、変換された信号をフィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)190に伝達する。FPGA188,190はそれぞれ、それぞれデジタル化された電圧データおよび電流データを同相(I)信号および直交(Q)信号に変換する。デジタル信号処理装置(DSP)192は、FPGA188,190からのI信号およびQ信号に基づいて、目的とするパラメータを定量的に表す。
【0063】
図12を参照すると、ブロック図200は、FPGA188およびDSP192によって与えられる機能性を示している。当業者は、ブロック図200に示されている機能がユーザの自由な判断で別の手段によって与えられてもよいということを理解するはずである。
【0064】
ブロック図200は、N個の変換モジュール202−1〜202−Nを含んでおり、これらを変換モジュール202と総称する。各変換モジュール202はプローブ20の1つと対応しており、アナログデジタルコンバータ対184,186のうちの1つから変換されたデータを受信する。プローブ選択信号154(図8において示されている)は、プローブ20のうち選択されたものと対応している変換モジュール202を作動させる。
【0065】
各変換モジュール202は、一対の混合モジュール204を含む。混合モジュール204は、アナログデジタルコンバータ対184,186のうちの対応する方から得られたデジタル信号を受信する。各混合モジュール204はまた、デジタル周波数合成器206からの2つの入力を受信する。一般に、デジタル周波数合成器206は、デジタル混合信号を発生する。具体的には、デジタル周波数合成器206は、対応の信号調節分割モジュール160からの目的とする1またはそれ以上の周波数に対応する正弦波形および余弦波形を作り出す。周波数定点信号214は、デジタル周波数合成器206の動作周波数を定める。各変換モジュール202に対し、周波数定点信号は、特定のプローブ20が目的とする複数の周波数を処理するために、複数の定点を通ることによって切替えが可能である。1つの実施形態において、周波数定点は、高周波発生装置12または送信機52を駆動する周波数源から受信された周波数オフセットである。
【0066】
各デジタル混合モジュール204は、デジタル周波数合成器206から受信したデジタル混合信号と、対応のアナログデジタルコンバータ対から受信した変換データとを結合する。そのようにするために、各デジタル混合モジュール204には、2つの乗算器が含まれている。さらに、デジタル混合モジュール204は、対応のアナログデジタルコンバー
タ対のサンプルレートで機能する。各デジタル混合モジュール204からの結果は、デジタル化されたデータに含まれる周波数とデジタル周波数合成器によって与えられる信号との和および差から構成されるスペクトルである。
【0067】
混合モジュール204の出力は、それぞれのデシメーションモジュール208の入力部に伝達される。デシメーションモジュール208は、サンプルレートを低域のまたはベースバンドのデータレートに変換する。非限定的な例として、デシメーションは米国特許6707255号明細書に記載されており、その全体が参照によって本願明細書に組み込まれる。
【0068】
いくつかの実施形態においては、混合モジュール204およびデシメーションモジュール208は、FPGA188,190で実装されている。
【0069】
デシメーションモジュール208の出力は、低域通過フィルタモジュール210のそれぞれの入力部に伝達される。低域通過フィルタモジュール210は、デシメーションモジュール208のスペクトル出力を形成する。低域通過フィルタモジュール210の出力は、デカルト−極変換モジュール212のそれぞれに伝達される。変換モジュール212は、低域通過フィルタモジュール210からのろ波されたデータを極座標系に変換する。
【0070】
いくつかの実施形態においては、低域通過フィルタモジュール210およびデカルト−極変換モジュール212はDSP192と共に実装される。
【0071】
以上の説明から、本発明を開示した広範な教示内容を様々な形態で実施することができるということは、当業者であれば理解可能である。それゆえ、本発明による開示は特定の実施例を含んではいるが、図面、明細書および添付の特許請求の範囲を精査することによって、別の改良がされることは当業者にとって明らかであるので、本発明に係る開示の真の範囲は、実施例に限定されるべきではない。
【0072】
本発明は、次の実施形態が可能である。
(1)回路内の複数の位置における高周波電力を監視する計測システムにおいて、
高周波電力の電気的特性に基づいてアナログ信号をそれぞれ発生する複数の高周波センサと、
前記アナログ信号に基づいて出力信号を発生する多重化モジュールと、
前記出力信号に基づいてメッセージを発生する分析モジュールとを含み、
前記メッセージは、前記複数の高周波センサによって検出される電気的特性に関する情報を包含していることを特徴とする計測システム。
(2)前記多重化モジュールは、前記アナログ信号を出力信号に多重化するために時間領域多重を使用することを特徴とする計測システム。
(3)前記多重化モジュールは、前記アナログ信号を出力信号に多重化するために周波数領域多重を使用することを特徴する計測システム。
(4)回路内の複数の位置における高周波電力を監視する計測システムにおいて、
前記回路内の複数の位置の1つにおける高周波電力の電気的特性に基づいて一対のアナログ信号をそれぞれ発生する複数の高周波センサと、
各対のアナログ信号から一方のアナログ信号を受信し、受信した信号の1つを制御信号に従って第1のマルチプレクサの出力部へ送る第1のマルチプレクサと、
各対のアナログ信号から他方のアナログ信号を受信し、受信した信号の1つを制御信号に従って第2のマルチプレクサの出力部へ送る第2のマルチプレクサと、
前記第1のマルチプレクサおよび前記第2のマルチプレクサの出力部からの信号に基づいてメッセージを発生する分析モジュールとを含み、
前記メッセージは、複数のセンサチャネルによって検出される電気的特性に関する情報
を包含していることを特徴とする計測システム。
(5)前記高周波センサが方向性結合器であることを特徴とする計測システム。
(6)前記高周波センサが電圧/電流プローブであることを特徴とする計測システム。
(7)前記高周波センサからのアナログ信号のそれぞれと直列に接続する複数の信号調節分割モジュールをさらに含み、
各信号調節分割モジュールが、
アナログ信号の内の対応信号の各周波数成分を通過させる複数のフィルタと、
少なくとも一部の周波数成分を増幅または減衰する複数のスケーリングモジュールと、
前記第1のマルチプレクサおよび前記第2のマルチプレクサの一方に伝達される信号を発生するために周波数成分を結合する結合器とを含むことを特徴とする計測システム。
(8)前記分析モジュールは、前記第1のマルチプレクサおよび前記第2のマルチプレクサの出力部からの各信号をろ波するフィルタをさらに含むことを特徴とする計測システム。
(9)前記第1のマルチプレクサおよび前記第2のマルチプレクサからの各信号を変換する一対のアナログデジタルコンバータをさらに含むことを特徴とする計測システム。
(10)前記分析モジュールは、前記マルチプレクサからの信号を高周波電力の周波数よりも小さいベースバンド周波数に変換する複数の変換モジュールをさらに含むことを特徴とする計測システム。
(11)前記各変換モジュールは、前記一対のアナログデジタルコンバータからの変換信号を混合する混合モジュールをさらに含むことを特徴とする計測システム。
(12)前記混合モジュールのそれぞれからの出力信号をデシメートするデシメーションモジュールをさらに含むことを特徴とする計測システム。
(13)前記デシメーションモジュールのそれぞれからの出力信号をろ波する低域通過フィルタモジュールをさらに含むことを特徴とする計測システム。
(14)回路内の複数の位置における高周波電力を監視するための方法において、
前記回路内の複数の位置の内の対応位置における高周波電力の電気的特性に基づいて一対のアナログ信号を発生する工程と、
前記一対のアナログ信号の一方の信号を第1の出力信号に多重化する工程と、
前記一対のアナログ信号の他方の信号を第2の出力信号に多重化する工程と、
前記多重化工程の第1の出力信号および第2の出力信号からの信号に基づいてメッセージを発生する工程とを含み、
前記メッセージは複数のセンサチャネルによって検出される電気的特性に関する情報を包含していることを特徴とする監視方法。
(15)前記電気的特性は、前進電力および反射電力を含むことを特徴とする監視方法。
(16)前記電気的特性は、電圧および電流を含むことを特徴とする監視方法。
(17)前記各一対のアナログ信号をろ波して、複数の各周波数成分にする工程と、
少なくとも前記周波数成分の一部を増幅する工程と、
第1のマルチプレクサおよび第2のマルチプレクサの1つに伝達される一対の信号におけるそれぞれの信号を発生するために前記周波数成分を結合する工程とをさらに含むことを特徴とする監視方法。
(18)第1のマルチプレクサおよび第2のマルチプレクサの出力部からのそれぞれの信号をろ波する工程をさらに含むことを特徴とする監視方法。
(19)第1のマルチプレクサおよび第2のマルチプレクサの出力部からのそれぞれの信号をデジタル化する工程をさらに含むことを特徴とする監視方法。
(20)マルチプレクサからの信号を高周波電力の周波数よりも小さいベースバンド周波数に変換する工程をさらに含むことを特徴とする監視方法。
(21)前記デジタル化された信号とデジタル信号とを混合する工程をさらに含むことを特徴とする監視方法。
(22)ミキサモジュールのそれぞれからの出力信号をデシメートする工程をさらに含むことを特徴とする監視方法。
(23)前記デシメートされた信号をろ波する工程をさらに含むことを特徴とする監視方法。
【符号の説明】
【0073】
10 高周波プラズマ発生装置
12 高周波発生装置
14 制御モジュール
16 インピーダンス整合回路網
18,18’ プラズマチャンバ
20 増設プローブ
22 多重化モジュール
24 分析モジュール
26 スプリッタ
50 無線高周波送信機
52 高周波送信機
54 高周波フィルタ/結合器
56 アンテナ
60 混合モジュール
62 局部発振器
64 ミキサ
66,74,76 低域通過フィルタ
68 高域通過フィルタ
70 第1の高周波結合器
72 第2の高周波結合器
150,152 マルチプレクサ
154 プローブ選択信号
160 信号調節分割モジュール
162,166 スケーリングモジュール
164 スプリッタ
168 フィルタ
170 結合器
180 低域通過フィルタ
182 高域通過フィルタ
184,186 アナログデジタルコンバータ対
188,190 フィールドプログラマブルゲートアレイ
192 デジタル信号処理装置
202 変換モジュール
204 混合モジュール
206 デジタル周波数合成器
208 デシメーションモジュール
210 低域通過フィルタモジュール
212 デカルト−極変換モジュール
214 周波数定点信号

【特許請求の範囲】
【請求項1】
回路内の複数の位置における高周波電力を監視する計測システムにおいて、
前記回路内の複数の位置の内の1つにおける高周波電力の電気的特性に基づいて出力信号をそれぞれ発生する複数のセンサチャネルであって、各センサチャネルが、
高周波電力の電気的特性に基づいて第1の信号を発生する高周波センサと、
周期信号を発生する発振器と、
センサチャネルのための出力信号を発生するために、前記第1の信号と前記周期信号とを混合するミキサとを含む複数のセンサチャネルと、
センサチャネルからの複数の出力信号に基づいて第2の出力信号を発生する高周波結合器とを含むことを特徴とする計測システム。
【請求項2】
前記高周波結合器からの第2の出力信号に基づいてメッセージを発生する分析モジュールをさらに含み、
前記メッセージは、複数のセンサチャネルによって検出される電気的特性に関する情報を包含していることを特徴とする請求項1に記載の計測システム。
【請求項3】
前記高周波センサが方向性結合器であることを特徴とする請求項1に記載の計測システム。
【請求項4】
前記高周波センサが電圧/電流プローブであることを特徴とする請求項1に記載の計測システム。
【請求項5】
前記高周波センサからの第1の信号のそれぞれをろ波する複数の低域通過フィルタをさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の計測システム。
【請求項6】
前記センサチャネルからの出力信号のそれぞれをろ波する複数の高域通過フィルタをさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の計測システム。
【請求項7】
前記高周波結合器からの第2の出力信号をろ波するフィルタをさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の計測システム。
【請求項8】
前記周期信号のそれぞれが他の周期信号とは異なる周波数を有することを特徴とする請求項1に記載の計測システム。
【請求項9】
前記周波数が周波数領域において等間隔であることを特徴とする請求項8に記載の計測システム。
【請求項10】
回路内の複数の位置における高周波電力を監視する計測システムにおいて、
前記回路内の複数の位置の1つにおける高周波電力の電気的特性に基づいて一対の出力信号をそれぞれ発生する複数のセンサチャネルであって、各センサチャネルが、
高周波電力に基づいて一対のアナログ信号を発生する高周波センサと、
位相の異なる第1の周期信号および第2の周期信号を発生する発振器と、
センサチャネルの出力信号の内の一方を発生するために、第1の周期信号とアナログ信号の一方とを混合する第1のミキサと、
センサチャネルの出力信号の内の他方を発生するために、第2の周期信号とアナログ信号の他方とを混合する第2のミキサとを含む複数のセンサチャネルと、
第1のミキサからの複数の出力信号に基づいて第1の広帯域信号を発生する第1の高周波結合器と、
第2のミキサからの複数の出力信号に基づいて第2の広帯域信号を発生する第2の高周
波結合器とを含むことを特徴とする計測システム。
【請求項11】
前記第1の高周波結合器および前記第2の高周波結合器からの広帯域信号に基づいてメッセージを発生する分析モジュールをさらに含み、
前記メッセージは、複数のセンサチャネルによって検出される電気的特性に関する情報を包含していることを特徴とする請求項10に記載の計測システム。
【請求項12】
前記高周波センサが方向性結合器であることを特徴とする請求項10に記載の計測システム。
【請求項13】
前記高周波センサが電圧/電流プローブであることを特徴とする請求項10に記載の計測システム。
【請求項14】
前記高周波センサからのアナログ信号のそれぞれをろ波する低域通過フィルタをさらに含むことを特徴とする請求項10に記載の計測システム。
【請求項15】
前記センサチャネルからの出力信号のそれぞれをろ波する複数の高域通過フィルタをさらに含むことを特徴とする請求項10に記載の計測システム。
【請求項16】
前記第1の広帯域信号および前記第2の広帯域信号のそれぞれをろ波する第1のフィルタおよび第2のフィルタをさらに含むことを特徴とする請求項10に記載の計測システム。
【請求項17】
前記周期信号のそれぞれが他の周期信号とは異なる周波数を有することを特徴とする請求項10に記載の計測システム。
【請求項18】
前記周期信号の周波数が周波数領域において等間隔であることを特徴とする請求項17に記載の計測システム。
【請求項19】
回路内の複数の位置における高周波電力を監視するための方法において、
前記回路内の複数の位置の内の対応位置における高周波電力の電気的特性に基づいて出力信号を発生する発生工程であって、各発生工程が、
高周波電力に基づいて第1の信号を発生する工程と、
周期信号を発生する工程と、
前記出力信号を発生するために前記第1の信号と前記周期信号とを混合する工程とを含む発生工程と、
各出力信号の周波数成分を含む広帯域信号を発生するために前記出力信号を結合する工程とを含むことを特徴とする監視方法。
【請求項20】
前記広帯域信号に基づいてメッセージを発生する工程をさらに含み、
前記メッセージは電気的特性に関する情報を包含していることを特徴とする請求項19に記載の監視方法。
【請求項21】
前記電気的特性は、前進電力および反射電力のうち少なくとも1つを含むことを特徴とする請求項19に記載の監視方法。
【請求項22】
前記電気的特性は、電圧および電流のうち少なくとも1つを含むことを特徴とする請求項19に記載の監視方法。
【請求項23】
前記第1の信号をろ波する工程をさらに含むことを特徴とする請求項19に記載の監視
方法。
【請求項24】
前記出力信号をろ波する工程をさらに含むことを特徴とする請求項19に記載の監視方法。
【請求項25】
高周波結合器からの広帯域信号をろ波する工程をさらに含むことを特徴とする請求項19に記載の監視方法。
【請求項26】
前記周期信号のそれぞれが他の周期信号と異なる周波数を有することを特徴とする請求項19に記載の監視方法。
【請求項27】
前記周波数が周波数領域において等間隔であることを特徴とする請求項26に記載の監視方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10A】
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【図10B】
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【図10C】
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【図10D】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2013−84606(P2013−84606A)
【公開日】平成25年5月9日(2013.5.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−253728(P2012−253728)
【出願日】平成24年11月19日(2012.11.19)
【分割の表示】特願2007−317737(P2007−317737)の分割
【原出願日】平成19年12月7日(2007.12.7)
【出願人】(507402565)エムケーエス インスツルメンツ,インコーポレイテッド (3)
【氏名又は名称原語表記】MKS INSTRUMENTS,INC.
【住所又は居所原語表記】2 Tech Drive,Suite 201,Andover,Massachusetts 01810 United States of America
【Fターム(参考)】