多焦点眼鏡レンズ成型用モールドの製造装置
【課題】 モールドの小玉部に固定される詰め物を安全に切断することができるようにする。
【解決手段】モールドの製造装置1は、切断機構3と、この切断機構3を覆うカバー部材4と、詰め物200を支持する支持具5とを備えている。カバー部材4には、挿入窓7と、挿入窓7から切断箇所まで延在するガイド部8が設けられている。支持具5は、一対の保持部材11を有している。この保持部材11は、保持部12と、使用者が把持する把持部13とを有している。保持部12は、詰め物200を保持すると共に挿入窓17からカバー部材4内に挿入される。また、把持部13は、保持部12をカバー部材4内に挿入した際にガイド部8からカバー部材4を貫通する。
【解決手段】モールドの製造装置1は、切断機構3と、この切断機構3を覆うカバー部材4と、詰め物200を支持する支持具5とを備えている。カバー部材4には、挿入窓7と、挿入窓7から切断箇所まで延在するガイド部8が設けられている。支持具5は、一対の保持部材11を有している。この保持部材11は、保持部12と、使用者が把持する把持部13とを有している。保持部12は、詰め物200を保持すると共に挿入窓17からカバー部材4内に挿入される。また、把持部13は、保持部12をカバー部材4内に挿入した際にガイド部8からカバー部材4を貫通する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、二焦点レンズ等の多焦点レンズを成型するモールドを製造するために用いられる多焦点眼鏡レンズ成型用モールドの製造装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、眼鏡レンズの一例として、焦点が2つ以上組み合わさった多焦点レンズが知られている。この多焦点レンズには、遠視用の第1の焦点を有する遠用部と、近視用の第2の焦点を有する近用部とを有している(例えば、特許文献1及び特許文献2参照。)。このような多焦点レンズは、例えば、レンズ面を形成するモールド(成型型)を用いて注型重合によって形成される。なお、第2の焦点を有する近用部は、略半月状に形成されている。そのため、注型重合に用いられるモールドは、近用部となる略半月状の凹部を有している。
【0003】
次に、多焦点レンズの一例である二焦点レンズを成型するモールドの製造方法について図7を参照して説明する。
図7は、二焦点レンズを成型するモールドの製造工程について説明する説明図である。
【0004】
ここで、直接モールドに略半月状の凹部を形成することは、困難であった。そのため、図7Aに示すように、まず遠視用の第1の焦点を有するモールド100における近視用の第2の焦点となる領域(以下、「小玉部」という。)101を略円形に削る。
【0005】
次に、図7Bに示すように、小玉部101と同じ形状を有する詰め物200を用意し、この詰め物200を切断して半月部201を形成する。そして、図7Cに示すように、詰め物200から切断した半月部201を小玉部101の所定の位置に樹脂等の接着剤を用いて固定する。これにより、二焦点レンズを成型する際に用いられるモールド100の製造が完了する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平8−94980号公報
【特許文献2】特開平10−186290号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、従来のモールドの製造方法では、詰め物の切断作業は、作業者が詰め物を直接保持した状態で行っていた。そのため、詰め物の切断作業時に誤って作業者の手が切断機構の切断刃に触れて、怪我をするおそれがあった。また、詰め物を切断する際に、詰め物の移動を規制するものがなかったため、詰め物を切断線に沿ってブレることなく切断することは、困難であり、作業者の技量に委ねられていた。
【0008】
本発明の目的は、上記の問題点を考慮し、モールドの小玉部に固定される詰め物を安全に切断することができる多焦点眼鏡レンズ成型用モールドの製造装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決し、本発明の目的を達成するため、本発明の多焦点眼鏡レンズ成型用モールドの製造装置は、多焦点レンズを成型する際に用いられるモールドの小玉部に取り付けられる詰め物を切断する切断機構を備えている。また、切断機構を覆い、かつ、挿入窓と、挿入窓から切断機構による詰め物の切断箇所まで延在するガイド部が設けられたカバー部材と、詰め物を支持する支持具と、を備えている。
そして、支持具は、詰め物を間に挟み、かつ切断機構の切断刃が通る隙間を空けた状態で詰め物を保持する一対の保持部材を有している。さらに、保持部材は、詰め物を保持すると共に挿入窓からカバー部材内に挿入される保持部と、保持部をカバー部材内に挿入した際にガイド部からカバー部材を貫通し、かつ使用者が把持する把持部と、を有する。
【0010】
また、保持部材は、保持部と把持部の間に設けられ、かつカバー部材のガイド部に係合すると共にガイド部に沿って摺動する係合部を有している。
これにより、切断作業時にブレることなく詰め物を切断することができる。
【0011】
さらに、保持部材の保持部には、詰め物が挿入される挿入穴と、挿入穴に挿入された詰め物を視認する切り欠きと、が設けられている。
よって、詰め物が保持部の挿入穴に正確に挿入されているか確認することができる。
【0012】
また、カバー部材を透明又は半透明の材質によって形成してもよい。
【発明の効果】
【0013】
本発明の多焦点眼鏡レンズ成型用モールドの製造装置によれば、切断機構がカバー部材によって切断機構を覆い、保持部材を介して詰め物を保持しているため、使用者の手が切断機構の切断刃に触れることなく、安全に詰め物を切断することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の多焦点眼鏡レンズ成型用モールドの製造装置を示す斜視図である。
【図2】本発明の多焦点眼鏡レンズ成型用モールドの製造装置にかかる保持部材を示す斜視図である。
【図3】本発明の多焦点眼鏡レンズ成型用モールドの製造装置にかかる保持部材を用いて詰め物を保持する状態を示す斜視図である。
【図4】本発明の多焦点眼鏡レンズ成型用モールドの製造装置のカバー部材を断面して示す平面図である。
【図5】本発明の多焦点眼鏡レンズ成型用モールドの製造装置における保持部をカバー部材内に挿入した状態を示す図であり、図5Aはカバー部材を断面して示す平面図、図5Bは側面図である。
【図6】本発明の多焦点眼鏡レンズ成型用モールドの製造装置を用いて詰め物を切断した状態を示す図であり、図6Aはカバー部材を断面して示す平面図、図6Bは側面図である。
【図7】二焦点眼鏡レンズ用のモールドを製造する工程を説明する説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の多焦点眼鏡レンズ成型用モールドの製造装置(以下、「モールドの製造装置」という。)の実施の形態例について、図1〜図7を参照して説明する。なお、各図において共通の部材には、同一の符号を付している。また、本発明は、以下の形態に限定されるものではない。
なお、説明は以下の順序で行う。
1.モールドの製造装置の構成例
2.モールドの製造装置の動作
【0016】
1.モールドの製造装置の構成例
まず、図1〜図3を参照して本発明のモールドの製造装置の実施の形態例(以下、「本例」という。)について説明する。
図1は、本例のモールドの製造装置を示す斜視図である。
【0017】
本例のモールドの製造装置1は、例えば、眼鏡用の多焦点レンズを成型するために用いられるモールドを製造するための装置である。具体的には、第1の焦点を有するモールド100における第2の焦点となる小玉部101に固定される詰め物200を切断する装置である(図7B及び図7C参照)。
【0018】
図1に示すように、本例のモールドの製造装置1は、作業台2と、この作業台2に配設された切断機構3と、カバー部材4と、詰め物200を支持する支持具5とを有している。
【0019】
[作業台]
作業台2には、切断機構3が切断刃であるのこ刃3aを露出させた状態で配設されている。切断機構3は、円盤状ののこ刃3aと、のこ刃3aの一部を覆うカバー3bと、不図示の駆動部とを有している。この切断機構3は、のこ刃3aを不図示の駆動部によって回転させて切断物を切断する電動丸のこである。この切断機構3ののこ刃3aとしては、例えば、ダイヤモンド刃が用いられる。そして、切断機構3ののこ刃3aを覆うようにカバー部材4が作業台2に取り付けられている。
【0020】
[カバー部材]
カバー部材4は、一面が開口した中空の略直方体状に形成されている。カバー部材4は、略緒方形状に開口した開口部4aと、略長方形に形成された平板状をなす上面板4bと、正面板4cと、背面板4dと、2つの側面板4e,4eとを有している。
【0021】
上面板4bは、開口部4aに対向して配置される。上面板4bの長手方向の一側には、正面板4cが上面板4bに対して略垂直をなして設けられており、上面板4bの長手方向の他側には、背面板4dが上面板4bに対して略垂直をなして設けられている。また、上面板4bの短手方向の両側には、2つの側面板4e,4eが上面板4bに対して略垂直をなして配置される。よって、2つの側面板4e,4eは、正面板4cの長手方向の両側に配置されている。
【0022】
カバー部材4によって切断機構3を覆った際に、カバー部材4の側面板4eは切断機構3ののこ刃3aの軸方向の両側に配置され、カバー部材4の背面板4dは切断機構3におけるカバー3b側に配置される。そして、カバー部材4の正面板4cは作業台2及びカバー3bから露出するのこ刃3a側に配置される。
【0023】
正面板4cには、挿入窓7が設けられている。この挿入窓7は、正面板4cの長手方向に沿って開口しており、正面板4cの長手方向の両側に配置された2つの側面板4e,4eに連続している。この挿入窓7の大きさは、後述する支持具5の2つの保持部材11よりも大きく設定されている。そして、この挿入窓7には、詰め物200を挟持した後述する支持具5における2つの保持部材11の保持部12が挿入される。
【0024】
2つの側面板4e,4eには、それぞれその長手方向に沿って開口するガイド部8が設けられている。ガイド部8は、正面板4cに設けた挿入窓7から連続し、側面板4eの長手方向に沿って所定の長さで開口しており、具体的には、正面板4cに設けた挿入窓7から切断機構3ののこ刃3aによる切断箇所まで延在している。
【0025】
このような構成を有するカバー部材4の材質は、内部の視認性を確保するために、透明又は半透明なものが用いられ、例えば、アクリル樹脂などが適用される。
【0026】
また、本例では、カバー部材4を中空の略直方体状に形成した例を説明したが、これに限定されるものではなく、切断機構3ののこ刃3aを覆い、かつ挿入窓7とガイド部8を有していればよい。カバー部材4の形状としては、例えば、中空のドーム型や半球状等その他各種の形状であってもよい。
【0027】
なお、カバー部材4によって切断機構3を覆うことで、切断作業時に使用者(作業者)が誤って切断機構3の切断刃3aに触れて負傷することを防止することができる。さらに、詰め物200を切断する際に生じる削りくずが飛び散ることを防ぐことができる。
【0028】
[支持具]
次に、図1〜図3を参照して支持具5について説明する。
図2は、支持具5を構成する保持部材11を示す斜視図、図3は、支持具5によって詰め物200を挟持する状態を示す斜視図である。
【0029】
図1に示すように、支持具5は、同一の構成を有する一対の保持部材11,11から構成されている。この2つの保持部材11,11は、切断機構3ののこ刃3aが通る隙間を空けた状態で詰め物200を両側から挟んで保持している。
【0030】
図2に示すように、保持部材11は、詰め物200を保持する保持部12と、作業を行う使用者が把持する把持部13と、係合部14とを有している。
【0031】
保持部12は、扁平な略直方体状に形成されている。この保持部12は、略長方形状の正面部12aと、正面部12aと対向する背面部12bと、正面部12aの短手方向の一端から略垂直に連続する上面部12cと、正面部12aの長手方向の両端から略垂直に連続する2つの側面部12d,12dとを有している。また、保持部12には、詰め物200が挿入される挿入穴16が設けられている。
【0032】
保持部12の正面部12aには、挿入穴16が設けられている。図3に示すように、この挿入穴16は、詰め物200の形状に対応した略半月状の凹部である。そして、この挿入穴16に詰め物200の一部が挿入され、詰め物200の半径外方向の縁部が挿入穴16の内壁に対向する。
【0033】
上面部12cには、略半円状の開口窓17と、切り欠き18が形成されている。開口窓17は、上面部12cと正面部12aの角部から形成されており、挿入穴16に連通している。上面部12cに開口窓17を設けることで、詰め物200の切断状態を視認することができる。さらに、詰め物200を切断した際に生じる削りくずを開口窓17から排出することが可能となる。
【0034】
切り欠き18は、開口窓17の縁部から挿入穴16の内壁にかけて形成されている。この切り欠き18によって、挿入穴16に挿入された詰め物200を視認することができ、詰め物200が挿入穴16に正確に挿入されているか否かを確認することができる。また、挿入穴16に詰め物200を挿入する際に、詰め物200の曲率に合わせて保持部12が開口窓17及び切り欠き18から撓むことで、詰め物200を挿入穴16に挿入し易くすることができる。
【0035】
また、保持部12の背面部12bには、略円柱状の把持部13が設けられている。この把持部13の軸方向の保持部12側には、ガイド板21が設けられている。ガイド板21は、把持部13の周面から半径外方向に突出する略円形のフランジである。なお、このガイド板21の形状は、略円形だけでなく、四角形や楕円形等その他各種の形状に形成してもよい。そして、このガイド板21と保持部12の背面部12bの間には、カバー部材4のガイド部8と係合する係合部14が形成される。
【0036】
係合部14の直径は、カバー部材4のガイド部8における側面板4eの短手方向の長さと略等しいか、あるいは若干小さく設定されている。これに対し、ガイド板21の直径は、ガイド部8における側面板4eの短手方向の長さよりも大きく設定されている。また、係合部14の軸方向の長さ、すなわち背面部12bとガイド板21との距離は、カバー部材4の側面板4eの板厚と略等しいか、あるいは若干長く設定されている。
【0037】
なお、本例では、把持部13を略円柱状に形成した例を説明したが、これに限定されるものではなく、例えば四角柱や六角柱等その他各種の形状に形成してもよい。すなわち、把持部13は、使用者が把持することができるような形状であればよい。
【0038】
この保持部12の厚み、すなわち正面部12aの短手方向の長さは、カバー部材4のガイド部8における側面板4eの短手方向の長さよりも大きく設定されている。また、本例では、保持部12を略直方体状に形成した例を説明したが、これに限定されるものではなく、例えば、円板状等のその他各種の形状に形成してもよい。
【0039】
なお、本例では、支持具5を構成する一対の保持部材11,11を同一の構成としたが、これに限定するものではなく、詰め物200を切断する箇所に応じて2つの保持部材11,11における挿入穴16の形状を変更してもよい。例えば、一対の保持部材11,11のうち一側の保持部材11の挿入穴16を他側の保持部材11の挿入穴16よりも大きく形成してもよい。
【0040】
2.モールドの製造装置の動作
次に、図3〜図6を参照して上述した構成を有するモールドの製造装置1を用いた詰め物200の切断動作について説明する。
図4は、カバー部材4を切断して示すモールド製造装置1の平面図、図5は、カバー部材4内に保持部材11の保持部12を挿入した状態を示す図、図6は、切断機構3によって詰め物200を切断した状態を示す図である。
【0041】
まず、図3に示すように、2つの保持部材11,11における保持部12の正面部12aを互いに接近させると共に、詰め物200を一対の保持部材11,11の保持部12の挿入穴16に挿入する。これにより、詰め物200が一対の保持部材11,11の間に挟まれることで、詰め物200を支持具5によって支持することができる。また、使用者は、保持部12の上面部12cに設けた切り欠き18を視認することで、詰め物200が挿入穴16の奥まで挿入されているか確認することができる。
【0042】
このとき、図4に示すように、一対の保持部材11,11の保持部12の間に形成される隙間に詰め物200を切断する切断線Lが配置される。また、この2つの保持部材11,11の隙間には、切断機構3ののこ刃3aが通る。
【0043】
次に、使用者は、把持部13を把持し、2つの保持部材11の保持部12の側面部12dをカバー部材4の正面板4cに設けた挿入窓7に臨ませる。このとき、保持部材11における保持部12の上面部12cをカバー部材4の上面板4bに向ける。
【0044】
そして、図5A及び図5Bに示すように、2つの保持部材11,11の保持部12を挿入窓7からカバー部材4内に挿入させる。このとき、図5Aに示すように、保持部材11の把持部13は、カバー部材4の側面板4eを貫通している。そして、保持部材11の係合部14がカバー部材4のガイド部8と係合する。
【0045】
ここで、係合部14の幅、すなわち保持部12の背面部12bとガイド板21との距離は、カバー部材4の側面板4eの板厚と略等しいか、あるいは若干長く設定されている。また、図5Bに示すように、ガイド板21の直径は、ガイド部8における側面板4eの短手方向の長さよりも大きく設定されており、この保持部12の厚みは、カバー部材4のガイド部8における側面板4eの短手方向の長さよりも大きく設定されている。そのため、ガイド板21が側面板4eの外壁と接触し、保持部12の背面部12bが側面板4eの内壁と接触する。その結果、保持部材11における把持部13の軸方向への移動が規制される。
【0046】
また、係合部14の直径は、カバー部材4のガイド部8における側面板4eの短手方向の長さと略等しいか、あるいは若干小さく設定されている。そのため、保持部材11におけるカバー部材4の側面板4eの短手方向への移動が規制される。これにより、2つの保持部材11,11は、カバー部材4のガイド部8が延在する方向と交差する方向への移動が規制され、ガイド部8が延在する方向、すなわち側面板4eの長手方向のみに移動可能になる。したがって、詰め物200を支持する支持具5を側面板4eの長手方向に沿ってブレることなく移動させることができ、詰め物200を真っ直ぐ切断することができる。
【0047】
次に、図6A及び図6Bに示すように、使用者は、保持部材11の把持部13を操作する。このとき、保持部材11の係合部14がガイド部8に沿って背面板4d側に摺動し、保持部12が切断機構3ののこ刃3aによる切断箇所まで移動する。そして、2つの保持部材11,11の隙間に切断機構3ののこ刃3aが挿入し、支持具5に支持された詰め物200が切断される。
【0048】
次に、把持部13を操作して、保持部材11の保持部12をカバー部材4から引き出す。これにより、製造装置1を用いた詰め物200の切断作業が完了し、詰め物200からモールド100の小玉部101に固定される半月部201を切り出すことができる(図7B参照)。
【0049】
なお、本例では、切断機構3はカバー部材4によって覆われており、使用者が把持する保持部材11の把持部13はカバー部材4の外側に配置されている。これにより、切断作業時に切断機構3ののこ刃3aに使用者の手が触れることがないため、安全に詰め物200の切断作業を行うことができる。
【0050】
また、カバー部材4を透明又は半透明からなる内部を視認可能な材質で形成しており、保持部12の上面部12cには挿入穴16と連通する開口窓17が設けられている。その結果、使用者は、詰め物200の切断状態を確認しながら、詰め物200の切断作業を行うことができる。
【0051】
なお、本発明は上述しかつ図面に示した実施の形態例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載した発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々の変形実施が可能である。
【符号の説明】
【0052】
1…製造装置、 2…作業台、 3…切断機構、 3a…のこ刃(切断刃)、 4…カバー部材、 4a…開口部、 4b…上面板、 4c…正面板、 4d…背面板、 4e…側面板、 5…支持具、 7…挿入窓、 8…ガイド部、 11…保持部材、 12…保持部、 12a…正面部、 12b…背面部、 12c…上面部、 12d…側面部、 13…把持部、 14…係合部、 16…挿入穴、 17…開口窓、 18…切り欠き、 21…ガイド板、 100…モールド、 101…小玉部、 200…詰め物、 201…半月部
【技術分野】
【0001】
本発明は、二焦点レンズ等の多焦点レンズを成型するモールドを製造するために用いられる多焦点眼鏡レンズ成型用モールドの製造装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、眼鏡レンズの一例として、焦点が2つ以上組み合わさった多焦点レンズが知られている。この多焦点レンズには、遠視用の第1の焦点を有する遠用部と、近視用の第2の焦点を有する近用部とを有している(例えば、特許文献1及び特許文献2参照。)。このような多焦点レンズは、例えば、レンズ面を形成するモールド(成型型)を用いて注型重合によって形成される。なお、第2の焦点を有する近用部は、略半月状に形成されている。そのため、注型重合に用いられるモールドは、近用部となる略半月状の凹部を有している。
【0003】
次に、多焦点レンズの一例である二焦点レンズを成型するモールドの製造方法について図7を参照して説明する。
図7は、二焦点レンズを成型するモールドの製造工程について説明する説明図である。
【0004】
ここで、直接モールドに略半月状の凹部を形成することは、困難であった。そのため、図7Aに示すように、まず遠視用の第1の焦点を有するモールド100における近視用の第2の焦点となる領域(以下、「小玉部」という。)101を略円形に削る。
【0005】
次に、図7Bに示すように、小玉部101と同じ形状を有する詰め物200を用意し、この詰め物200を切断して半月部201を形成する。そして、図7Cに示すように、詰め物200から切断した半月部201を小玉部101の所定の位置に樹脂等の接着剤を用いて固定する。これにより、二焦点レンズを成型する際に用いられるモールド100の製造が完了する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平8−94980号公報
【特許文献2】特開平10−186290号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、従来のモールドの製造方法では、詰め物の切断作業は、作業者が詰め物を直接保持した状態で行っていた。そのため、詰め物の切断作業時に誤って作業者の手が切断機構の切断刃に触れて、怪我をするおそれがあった。また、詰め物を切断する際に、詰め物の移動を規制するものがなかったため、詰め物を切断線に沿ってブレることなく切断することは、困難であり、作業者の技量に委ねられていた。
【0008】
本発明の目的は、上記の問題点を考慮し、モールドの小玉部に固定される詰め物を安全に切断することができる多焦点眼鏡レンズ成型用モールドの製造装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決し、本発明の目的を達成するため、本発明の多焦点眼鏡レンズ成型用モールドの製造装置は、多焦点レンズを成型する際に用いられるモールドの小玉部に取り付けられる詰め物を切断する切断機構を備えている。また、切断機構を覆い、かつ、挿入窓と、挿入窓から切断機構による詰め物の切断箇所まで延在するガイド部が設けられたカバー部材と、詰め物を支持する支持具と、を備えている。
そして、支持具は、詰め物を間に挟み、かつ切断機構の切断刃が通る隙間を空けた状態で詰め物を保持する一対の保持部材を有している。さらに、保持部材は、詰め物を保持すると共に挿入窓からカバー部材内に挿入される保持部と、保持部をカバー部材内に挿入した際にガイド部からカバー部材を貫通し、かつ使用者が把持する把持部と、を有する。
【0010】
また、保持部材は、保持部と把持部の間に設けられ、かつカバー部材のガイド部に係合すると共にガイド部に沿って摺動する係合部を有している。
これにより、切断作業時にブレることなく詰め物を切断することができる。
【0011】
さらに、保持部材の保持部には、詰め物が挿入される挿入穴と、挿入穴に挿入された詰め物を視認する切り欠きと、が設けられている。
よって、詰め物が保持部の挿入穴に正確に挿入されているか確認することができる。
【0012】
また、カバー部材を透明又は半透明の材質によって形成してもよい。
【発明の効果】
【0013】
本発明の多焦点眼鏡レンズ成型用モールドの製造装置によれば、切断機構がカバー部材によって切断機構を覆い、保持部材を介して詰め物を保持しているため、使用者の手が切断機構の切断刃に触れることなく、安全に詰め物を切断することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の多焦点眼鏡レンズ成型用モールドの製造装置を示す斜視図である。
【図2】本発明の多焦点眼鏡レンズ成型用モールドの製造装置にかかる保持部材を示す斜視図である。
【図3】本発明の多焦点眼鏡レンズ成型用モールドの製造装置にかかる保持部材を用いて詰め物を保持する状態を示す斜視図である。
【図4】本発明の多焦点眼鏡レンズ成型用モールドの製造装置のカバー部材を断面して示す平面図である。
【図5】本発明の多焦点眼鏡レンズ成型用モールドの製造装置における保持部をカバー部材内に挿入した状態を示す図であり、図5Aはカバー部材を断面して示す平面図、図5Bは側面図である。
【図6】本発明の多焦点眼鏡レンズ成型用モールドの製造装置を用いて詰め物を切断した状態を示す図であり、図6Aはカバー部材を断面して示す平面図、図6Bは側面図である。
【図7】二焦点眼鏡レンズ用のモールドを製造する工程を説明する説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の多焦点眼鏡レンズ成型用モールドの製造装置(以下、「モールドの製造装置」という。)の実施の形態例について、図1〜図7を参照して説明する。なお、各図において共通の部材には、同一の符号を付している。また、本発明は、以下の形態に限定されるものではない。
なお、説明は以下の順序で行う。
1.モールドの製造装置の構成例
2.モールドの製造装置の動作
【0016】
1.モールドの製造装置の構成例
まず、図1〜図3を参照して本発明のモールドの製造装置の実施の形態例(以下、「本例」という。)について説明する。
図1は、本例のモールドの製造装置を示す斜視図である。
【0017】
本例のモールドの製造装置1は、例えば、眼鏡用の多焦点レンズを成型するために用いられるモールドを製造するための装置である。具体的には、第1の焦点を有するモールド100における第2の焦点となる小玉部101に固定される詰め物200を切断する装置である(図7B及び図7C参照)。
【0018】
図1に示すように、本例のモールドの製造装置1は、作業台2と、この作業台2に配設された切断機構3と、カバー部材4と、詰め物200を支持する支持具5とを有している。
【0019】
[作業台]
作業台2には、切断機構3が切断刃であるのこ刃3aを露出させた状態で配設されている。切断機構3は、円盤状ののこ刃3aと、のこ刃3aの一部を覆うカバー3bと、不図示の駆動部とを有している。この切断機構3は、のこ刃3aを不図示の駆動部によって回転させて切断物を切断する電動丸のこである。この切断機構3ののこ刃3aとしては、例えば、ダイヤモンド刃が用いられる。そして、切断機構3ののこ刃3aを覆うようにカバー部材4が作業台2に取り付けられている。
【0020】
[カバー部材]
カバー部材4は、一面が開口した中空の略直方体状に形成されている。カバー部材4は、略緒方形状に開口した開口部4aと、略長方形に形成された平板状をなす上面板4bと、正面板4cと、背面板4dと、2つの側面板4e,4eとを有している。
【0021】
上面板4bは、開口部4aに対向して配置される。上面板4bの長手方向の一側には、正面板4cが上面板4bに対して略垂直をなして設けられており、上面板4bの長手方向の他側には、背面板4dが上面板4bに対して略垂直をなして設けられている。また、上面板4bの短手方向の両側には、2つの側面板4e,4eが上面板4bに対して略垂直をなして配置される。よって、2つの側面板4e,4eは、正面板4cの長手方向の両側に配置されている。
【0022】
カバー部材4によって切断機構3を覆った際に、カバー部材4の側面板4eは切断機構3ののこ刃3aの軸方向の両側に配置され、カバー部材4の背面板4dは切断機構3におけるカバー3b側に配置される。そして、カバー部材4の正面板4cは作業台2及びカバー3bから露出するのこ刃3a側に配置される。
【0023】
正面板4cには、挿入窓7が設けられている。この挿入窓7は、正面板4cの長手方向に沿って開口しており、正面板4cの長手方向の両側に配置された2つの側面板4e,4eに連続している。この挿入窓7の大きさは、後述する支持具5の2つの保持部材11よりも大きく設定されている。そして、この挿入窓7には、詰め物200を挟持した後述する支持具5における2つの保持部材11の保持部12が挿入される。
【0024】
2つの側面板4e,4eには、それぞれその長手方向に沿って開口するガイド部8が設けられている。ガイド部8は、正面板4cに設けた挿入窓7から連続し、側面板4eの長手方向に沿って所定の長さで開口しており、具体的には、正面板4cに設けた挿入窓7から切断機構3ののこ刃3aによる切断箇所まで延在している。
【0025】
このような構成を有するカバー部材4の材質は、内部の視認性を確保するために、透明又は半透明なものが用いられ、例えば、アクリル樹脂などが適用される。
【0026】
また、本例では、カバー部材4を中空の略直方体状に形成した例を説明したが、これに限定されるものではなく、切断機構3ののこ刃3aを覆い、かつ挿入窓7とガイド部8を有していればよい。カバー部材4の形状としては、例えば、中空のドーム型や半球状等その他各種の形状であってもよい。
【0027】
なお、カバー部材4によって切断機構3を覆うことで、切断作業時に使用者(作業者)が誤って切断機構3の切断刃3aに触れて負傷することを防止することができる。さらに、詰め物200を切断する際に生じる削りくずが飛び散ることを防ぐことができる。
【0028】
[支持具]
次に、図1〜図3を参照して支持具5について説明する。
図2は、支持具5を構成する保持部材11を示す斜視図、図3は、支持具5によって詰め物200を挟持する状態を示す斜視図である。
【0029】
図1に示すように、支持具5は、同一の構成を有する一対の保持部材11,11から構成されている。この2つの保持部材11,11は、切断機構3ののこ刃3aが通る隙間を空けた状態で詰め物200を両側から挟んで保持している。
【0030】
図2に示すように、保持部材11は、詰め物200を保持する保持部12と、作業を行う使用者が把持する把持部13と、係合部14とを有している。
【0031】
保持部12は、扁平な略直方体状に形成されている。この保持部12は、略長方形状の正面部12aと、正面部12aと対向する背面部12bと、正面部12aの短手方向の一端から略垂直に連続する上面部12cと、正面部12aの長手方向の両端から略垂直に連続する2つの側面部12d,12dとを有している。また、保持部12には、詰め物200が挿入される挿入穴16が設けられている。
【0032】
保持部12の正面部12aには、挿入穴16が設けられている。図3に示すように、この挿入穴16は、詰め物200の形状に対応した略半月状の凹部である。そして、この挿入穴16に詰め物200の一部が挿入され、詰め物200の半径外方向の縁部が挿入穴16の内壁に対向する。
【0033】
上面部12cには、略半円状の開口窓17と、切り欠き18が形成されている。開口窓17は、上面部12cと正面部12aの角部から形成されており、挿入穴16に連通している。上面部12cに開口窓17を設けることで、詰め物200の切断状態を視認することができる。さらに、詰め物200を切断した際に生じる削りくずを開口窓17から排出することが可能となる。
【0034】
切り欠き18は、開口窓17の縁部から挿入穴16の内壁にかけて形成されている。この切り欠き18によって、挿入穴16に挿入された詰め物200を視認することができ、詰め物200が挿入穴16に正確に挿入されているか否かを確認することができる。また、挿入穴16に詰め物200を挿入する際に、詰め物200の曲率に合わせて保持部12が開口窓17及び切り欠き18から撓むことで、詰め物200を挿入穴16に挿入し易くすることができる。
【0035】
また、保持部12の背面部12bには、略円柱状の把持部13が設けられている。この把持部13の軸方向の保持部12側には、ガイド板21が設けられている。ガイド板21は、把持部13の周面から半径外方向に突出する略円形のフランジである。なお、このガイド板21の形状は、略円形だけでなく、四角形や楕円形等その他各種の形状に形成してもよい。そして、このガイド板21と保持部12の背面部12bの間には、カバー部材4のガイド部8と係合する係合部14が形成される。
【0036】
係合部14の直径は、カバー部材4のガイド部8における側面板4eの短手方向の長さと略等しいか、あるいは若干小さく設定されている。これに対し、ガイド板21の直径は、ガイド部8における側面板4eの短手方向の長さよりも大きく設定されている。また、係合部14の軸方向の長さ、すなわち背面部12bとガイド板21との距離は、カバー部材4の側面板4eの板厚と略等しいか、あるいは若干長く設定されている。
【0037】
なお、本例では、把持部13を略円柱状に形成した例を説明したが、これに限定されるものではなく、例えば四角柱や六角柱等その他各種の形状に形成してもよい。すなわち、把持部13は、使用者が把持することができるような形状であればよい。
【0038】
この保持部12の厚み、すなわち正面部12aの短手方向の長さは、カバー部材4のガイド部8における側面板4eの短手方向の長さよりも大きく設定されている。また、本例では、保持部12を略直方体状に形成した例を説明したが、これに限定されるものではなく、例えば、円板状等のその他各種の形状に形成してもよい。
【0039】
なお、本例では、支持具5を構成する一対の保持部材11,11を同一の構成としたが、これに限定するものではなく、詰め物200を切断する箇所に応じて2つの保持部材11,11における挿入穴16の形状を変更してもよい。例えば、一対の保持部材11,11のうち一側の保持部材11の挿入穴16を他側の保持部材11の挿入穴16よりも大きく形成してもよい。
【0040】
2.モールドの製造装置の動作
次に、図3〜図6を参照して上述した構成を有するモールドの製造装置1を用いた詰め物200の切断動作について説明する。
図4は、カバー部材4を切断して示すモールド製造装置1の平面図、図5は、カバー部材4内に保持部材11の保持部12を挿入した状態を示す図、図6は、切断機構3によって詰め物200を切断した状態を示す図である。
【0041】
まず、図3に示すように、2つの保持部材11,11における保持部12の正面部12aを互いに接近させると共に、詰め物200を一対の保持部材11,11の保持部12の挿入穴16に挿入する。これにより、詰め物200が一対の保持部材11,11の間に挟まれることで、詰め物200を支持具5によって支持することができる。また、使用者は、保持部12の上面部12cに設けた切り欠き18を視認することで、詰め物200が挿入穴16の奥まで挿入されているか確認することができる。
【0042】
このとき、図4に示すように、一対の保持部材11,11の保持部12の間に形成される隙間に詰め物200を切断する切断線Lが配置される。また、この2つの保持部材11,11の隙間には、切断機構3ののこ刃3aが通る。
【0043】
次に、使用者は、把持部13を把持し、2つの保持部材11の保持部12の側面部12dをカバー部材4の正面板4cに設けた挿入窓7に臨ませる。このとき、保持部材11における保持部12の上面部12cをカバー部材4の上面板4bに向ける。
【0044】
そして、図5A及び図5Bに示すように、2つの保持部材11,11の保持部12を挿入窓7からカバー部材4内に挿入させる。このとき、図5Aに示すように、保持部材11の把持部13は、カバー部材4の側面板4eを貫通している。そして、保持部材11の係合部14がカバー部材4のガイド部8と係合する。
【0045】
ここで、係合部14の幅、すなわち保持部12の背面部12bとガイド板21との距離は、カバー部材4の側面板4eの板厚と略等しいか、あるいは若干長く設定されている。また、図5Bに示すように、ガイド板21の直径は、ガイド部8における側面板4eの短手方向の長さよりも大きく設定されており、この保持部12の厚みは、カバー部材4のガイド部8における側面板4eの短手方向の長さよりも大きく設定されている。そのため、ガイド板21が側面板4eの外壁と接触し、保持部12の背面部12bが側面板4eの内壁と接触する。その結果、保持部材11における把持部13の軸方向への移動が規制される。
【0046】
また、係合部14の直径は、カバー部材4のガイド部8における側面板4eの短手方向の長さと略等しいか、あるいは若干小さく設定されている。そのため、保持部材11におけるカバー部材4の側面板4eの短手方向への移動が規制される。これにより、2つの保持部材11,11は、カバー部材4のガイド部8が延在する方向と交差する方向への移動が規制され、ガイド部8が延在する方向、すなわち側面板4eの長手方向のみに移動可能になる。したがって、詰め物200を支持する支持具5を側面板4eの長手方向に沿ってブレることなく移動させることができ、詰め物200を真っ直ぐ切断することができる。
【0047】
次に、図6A及び図6Bに示すように、使用者は、保持部材11の把持部13を操作する。このとき、保持部材11の係合部14がガイド部8に沿って背面板4d側に摺動し、保持部12が切断機構3ののこ刃3aによる切断箇所まで移動する。そして、2つの保持部材11,11の隙間に切断機構3ののこ刃3aが挿入し、支持具5に支持された詰め物200が切断される。
【0048】
次に、把持部13を操作して、保持部材11の保持部12をカバー部材4から引き出す。これにより、製造装置1を用いた詰め物200の切断作業が完了し、詰め物200からモールド100の小玉部101に固定される半月部201を切り出すことができる(図7B参照)。
【0049】
なお、本例では、切断機構3はカバー部材4によって覆われており、使用者が把持する保持部材11の把持部13はカバー部材4の外側に配置されている。これにより、切断作業時に切断機構3ののこ刃3aに使用者の手が触れることがないため、安全に詰め物200の切断作業を行うことができる。
【0050】
また、カバー部材4を透明又は半透明からなる内部を視認可能な材質で形成しており、保持部12の上面部12cには挿入穴16と連通する開口窓17が設けられている。その結果、使用者は、詰め物200の切断状態を確認しながら、詰め物200の切断作業を行うことができる。
【0051】
なお、本発明は上述しかつ図面に示した実施の形態例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載した発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々の変形実施が可能である。
【符号の説明】
【0052】
1…製造装置、 2…作業台、 3…切断機構、 3a…のこ刃(切断刃)、 4…カバー部材、 4a…開口部、 4b…上面板、 4c…正面板、 4d…背面板、 4e…側面板、 5…支持具、 7…挿入窓、 8…ガイド部、 11…保持部材、 12…保持部、 12a…正面部、 12b…背面部、 12c…上面部、 12d…側面部、 13…把持部、 14…係合部、 16…挿入穴、 17…開口窓、 18…切り欠き、 21…ガイド板、 100…モールド、 101…小玉部、 200…詰め物、 201…半月部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
多焦点レンズを成型する際に用いられるモールドの小玉部に取り付けられる詰め物を切断する切断機構と、
前記切断機構を覆い、かつ、挿入窓と、前記挿入窓から前記切断機構による前記詰め物の切断箇所まで延在するガイド部が設けられたカバー部材と、
前記詰め物を支持する支持具と、を備え、
前記支持具は、前記詰め物を間に挟み、かつ前記切断機構の切断刃が通る隙間を空けた状態で前記詰め物を保持する一対の保持部材を有し、
前記保持部材は、
前記詰め物を保持すると共に前記挿入窓から前記カバー部材内に挿入される保持部と、
前記保持部を前記カバー部材内に挿入した際に前記ガイド部から前記カバー部材を貫通し、かつ使用者が把持する把持部と、を有する
多焦点眼鏡レンズ成型用モールドの製造装置。
【請求項2】
前記保持部材は、前記保持部と前記把持部の間に設けられ、かつ前記カバー部材の前記ガイド部に係合すると共に前記ガイド部に沿って摺動する係合部を有する
請求項1に記載の多焦点眼鏡レンズ成型用モールドの製造装置。
【請求項3】
前記保持部材の保持部には、
前記詰め物が挿入される挿入穴と、
前記挿入穴に挿入された前記詰め物を視認する切り欠きと、が設けられている
請求項1又は2に記載の多焦点眼鏡レンズ成型用モールドの製造装置。
【請求項4】
前記カバー部材は、透明又は半透明の材質によって形成される
請求項1〜3のいずれかに記載の眼鏡レンズ成型用モールドの製造装置。
【請求項1】
多焦点レンズを成型する際に用いられるモールドの小玉部に取り付けられる詰め物を切断する切断機構と、
前記切断機構を覆い、かつ、挿入窓と、前記挿入窓から前記切断機構による前記詰め物の切断箇所まで延在するガイド部が設けられたカバー部材と、
前記詰め物を支持する支持具と、を備え、
前記支持具は、前記詰め物を間に挟み、かつ前記切断機構の切断刃が通る隙間を空けた状態で前記詰め物を保持する一対の保持部材を有し、
前記保持部材は、
前記詰め物を保持すると共に前記挿入窓から前記カバー部材内に挿入される保持部と、
前記保持部を前記カバー部材内に挿入した際に前記ガイド部から前記カバー部材を貫通し、かつ使用者が把持する把持部と、を有する
多焦点眼鏡レンズ成型用モールドの製造装置。
【請求項2】
前記保持部材は、前記保持部と前記把持部の間に設けられ、かつ前記カバー部材の前記ガイド部に係合すると共に前記ガイド部に沿って摺動する係合部を有する
請求項1に記載の多焦点眼鏡レンズ成型用モールドの製造装置。
【請求項3】
前記保持部材の保持部には、
前記詰め物が挿入される挿入穴と、
前記挿入穴に挿入された前記詰め物を視認する切り欠きと、が設けられている
請求項1又は2に記載の多焦点眼鏡レンズ成型用モールドの製造装置。
【請求項4】
前記カバー部材は、透明又は半透明の材質によって形成される
請求項1〜3のいずれかに記載の眼鏡レンズ成型用モールドの製造装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【公開番号】特開2012−168455(P2012−168455A)
【公開日】平成24年9月6日(2012.9.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−31025(P2011−31025)
【出願日】平成23年2月16日(2011.2.16)
【出願人】(000113263)HOYA株式会社 (3,820)
【出願人】(509333807)ホヤ レンズ タイランド リミテッド (25)
【氏名又は名称原語表記】HOYA Lens Thailand Ltd
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年9月6日(2012.9.6)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年2月16日(2011.2.16)
【出願人】(000113263)HOYA株式会社 (3,820)
【出願人】(509333807)ホヤ レンズ タイランド リミテッド (25)
【氏名又は名称原語表記】HOYA Lens Thailand Ltd
【Fターム(参考)】
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