説明

多環式1,2,3,4−テトラヒドロ−イソキノリン誘導体およびPPARモジュレーターとしてのそれらを含む組成物

本発明は、化合物、このような化合物を含む医薬組成物およびペルオキシソーム増殖剤活性化受容体(PPAR)ファミリーの活性が関連する疾患または障害の処置または予防におけるこのような化合物の使用方法を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本特許出願は、35 U.S.C. §119(e)の下に、2006年1月30日出願の米国仮特許出願60/763,623に対する優先権の利益を主張する。その優先権出願の全部の記載は、引用により、その全体として、かつすべての目的に関して、本明細書に包含される。
【0002】
発明の背景
発明の分野
本発明は、化合物、そのような化合物を含む医薬組成物およびそのような化合物の、ペルオキシソーム増殖剤活性化受容体(PPAR)ファミリーの活性が関連する疾患または障害の処置または予防のための使用方法を提供する。
【背景技術】
【0003】
背景
ペルオキシソーム増殖剤活性化受容体(PPAR)は、核ホルモン受容体スーパーファミリーのメンバーであり、それらは遺伝子発現を調節するリガンド活性化転写因子である。ある種のPPARが、異脂肪血症、高脂血症、高コレステロール血症、アテローム性動脈硬化症、アテローム発生、高トリグリセリド血症、心不全、心筋梗塞、血管疾患、心血管疾患、高血圧、肥満、炎症、関節炎、癌、アルツハイマー病、皮膚障害、呼吸器疾患、眼障害、IBD(過敏性腸疾患)、潰瘍性大腸炎およびクローン病を含む多くの疾患状態と関連している。従って、PPAR活性を調節する分子は、このような疾患の処置における治療剤として有用である。
【発明の開示】
【0004】
発明の要約
一つの局面において、本発明は式I:
【化1】

〔式中:
nは、0、1および2から選択され;
は、−OCR1112XCO13であり;ここで、Xは、結合およびC1−4アルキレンから選択され;そしてR11およびR12は、独立して、水素、C1−4アルキルおよびC1−4アルコキシから選択されるか;またはR11およびR12は、R11およびR12が結合している炭素原子と一緒になってC3−12シクロアルキルを形成し;そしてR13は、水素およびC1−6アルキルから選択され;
およびRは、独立して水素およびC1−6アルキルから選択され;
Vは、結合、C1−4アルキレン、−C(O)NR−および−XC(O)X−から選択され;ここで、XおよびXは、独立して結合およびC1−4アルキレンから選択され;Rは、水素およびC1−6アルキルから選択され;
Wは、(a)および(b):
【化2】

(式中、Yは、OおよびSから選択され;そしてRは、水素およびC1−6アルキルから選択される)から選択される2価基であり;
Zは、−CH−および−C(O)−から選択され;
は、水素、ハロ、C1−6アルキル、ハロ置換C1−6アルキル、C1−6アルコキシおよびハロ置換C1−6アルコキシから選択される。〕
の化合物、およびそれらのN−オキシド誘導体、プロドラッグ誘導体、被保護誘導体、個々の異性体および異性体混合物;およびそのような化合物の薬学的に許容される塩および溶媒和物(例えば水和物)を提供する。
【0005】
第二の局面において、本発明は、式Iの化合物またはそれらのN−オキシド誘導体、個々の異性体および異性体混合物;またはそれらの薬学的に許容される塩を、1種以上の適当な賦形剤と共に含む、医薬組成物を提供する。
【0006】
第三の局面において、本発明は、動物におけるPPAR活性の調節が疾患の病状および/または症状を予防、阻止または軽減できる疾患の処置方法であって、該動物に治療的有効量の式Iの化合物またはそれらのN−オキシド誘導体、個々の異性体および異性体混合物、またはそれらの薬学的に許容される塩を投与することを含む、方法を提供する。
【0007】
第四の局面において、本発明は、動物におけるPPAR活性が疾患の病状および/または症状に関与する疾患の処置用薬剤の製造における、式Iの化合物の使用を提供する。
【0008】
第五の局面において、本発明は、式Iの化合物およびそれらのN−オキシド誘導体、プロドラッグ誘導体、被保護誘導体、個々の異性体および異性体混合物、およびそれらの薬学的に許容される塩の製造法を提供する。
【0009】
発明の詳細な記載
定義
基として、および他の基、例えばハロ置換アルキルおよびアルコキシの構成要素としての“アルキル”は、直鎖でも分枝鎖でもよい。C1−6アルコキシは、メトキシ、エトキシなどを含む。ハロ置換アルキルはトリフルオロメチル、ペンタフルオロエチルなどを含む。
【0010】
“アリール”は、6〜10環炭素原子を含む、単環式または縮合二環式芳香環縮合体を意味する。例えば、アリールはフェニルまたはナフチル、好ましくはフェニルであり得る。“アリーレン”は、アリール基由来の2価ラジカルを意味する。“ヘテロアリール”は、1個以上の環員がヘテロ原子である、上記で定義の通りのアリールである。例えばヘテロアリールは、ピリジル、インドリル、インダゾリル、キノキサリニル、キノリニル、ベンゾフラニル、ベンゾピラニル、ベンゾチオピラニル、ベンゾ[1,3]ジオキソール、イミダゾリル、ベンゾ−イミダゾリル、ピリミジニル、フラニル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、ピラゾリル、チエニルなどを含む。“C6−10アリールC0−4アルキル”は、アルキレン基を介して結合している、上記のアリールを意味する。例えば、C6−10アリールC0−4アルキルはフェネチル、ベンジルなどを含む。
【0011】
“シクロアルキル”は、示す数の環原子を含む、飽和または部分的に不飽和の、単環式、縮合二環式または架橋多環式環縮合体を意味する。例えば、C3−10シクロアルキルは、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシルなどを含む。“ヘテロシクロアルキル”は、1個以上の環炭素が−O−、−N=、−NR−、−C(O)−、−S−、−S(O)−または−S(O)−(ここで、Rは水素、C1−4アルキルまたは窒素保護基である)から選択される部分で置換されている以外、本明細書で定義の通りのシクロアルキルである。例えば、本発明の化合物を記載するために本明細書で使用するC3−8ヘテロシクロアルキルは、モルホリノ、ピロリジニル、ピペラジニル、ピペリジニル、ピペリジニロン、1,4−ジオキサ−8−アザ−スピロ[4.5]デク−8−イルなどを含む。
【0012】
“ハロゲン”(またはハロ)は、好ましくはクロロまたはフルオロであるが、ブロモまたはヨードでもあり得る。
“処置”、“処置する”および“処置し”は、疾患および/またはその随伴症状を軽減するまたは和らげる方法を意味する。
【0013】
好ましい態様の記載
本発明は、化合物、組成物、および、治療的有効量の式Iの化合物を動物に投与することを含む、1種以上のPPARの調節が、疾患の病状および/または症状を予防、阻止または軽減できる疾患の処置方法を提供する。
【0014】
一つの態様において、式Iの化合物を参照して:nが、0および1から選択され;Rが、−OCR1112XCO13であり;ここで、Xが、結合およびC1−4アルキレンから選択され;そして、R11およびR12が、独立して、水素、C1−4アルキルおよびC1−4アルコキシから選択されるか;またはR11およびR12が、R11およびR12が結合している炭素原子と一緒になってC3−12シクロアルキルを形成し;そしてR13が、水素およびC1−6アルキルから選択され;RおよびRが、独立して水素およびC1−6アルキルから選択され;Vが、結合、C1−4アルキレン、−C(O)NR−および−XC(O)X−から選択され;ここで、XおよびXが、独立して結合およびC1−4アルキレンから選択され;Rが、水素およびC1−6アルキルから選択され;Wが、(a)および(b):
【化3】

(式中、YはSであり;そしてRは、水素およびC1−6アルキルから選択される)から選択される2価基であり;Zが、−CH−および−C(O)−から選択され;そして、Rが、ハロ、C1−6アルキルおよびハロ置換C1−6アルキルから選択される。
【0015】
他の態様において、Rが、−CHCOH、−(CH)COH、−OC(CH)COHおよび−OCHCOHから選択され;RおよびRが、独立して、水素、メチルおよびメトキシから選択され;そしてRが、トリフルオロメチルである。
【0016】
他の態様において、Vが、結合、−C(O)−、−C(O)NH−、−C(O)N(CH)−、−CH−および−C(O)CH−から選択される。
【0017】
好ましい本発明の化合物は:2−(2−(4−(4−(トリフルオロメチル)フェニル)−チアゾル−2−イルカルバモイル)−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−6−イルオキシ)−2−メチルプロパン酸;2−(2−(N−(4−(4−(トリフルオロメチル)フェニル)チアゾル−2−イル)−N−メチル−カルバモイル)−1,2,3,4−テトラヒドロ−イソキノリン−6−イルオキシ)−2−メチルプロパン酸;2−(2−(4−(4−(トリフルオロメチル)フェニル)チアゾル−2−イル)−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−6−イルオキシ)−2−メチルプロパン酸;2−(2−((4−(4−(トリフルオロメチル)フェニル)チアゾル−2−イル)(オキソ)メチル)−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−6−イルオキシ)−2−メチルプロパン酸;2−(2−((4−(4−(トリフルオロメチル)フェニル)チアゾル−2−イル)メチル)−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−6−イルオキシ)−2−メチルプロパン酸;2−メチル−2−{2−[4−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−チアゾル−2−イルメチル]−1,2,3,4−テトラヒドロ−イソキノリン−7−イルオキシ}−プロピオン酸;2−メチル−2−{2−[4−メチル−2−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−チアゾル−5−イルメチル]−1,2,3,4−テトラヒドロ−イソキノリン−7−イルオキシ}−プロピオン酸;2−メチル−2−{2−[4−メチル−2−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−チアゾル−5−イルメチル]−1,2,3,4−テトラヒドロ−イソキノリン−6−イルオキシ}−プロピオン酸;2−メチル−2−{2−[5−メチル−2−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−チアゾル−4−イルメチル]−1,2,3,4−テトラヒドロ−イソキノリン−5−イルオキシ}−プロピオン酸;2−メチル−2−{2−[5−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−チアゾル−2−イルメチル]−1,2,3,4−テトラヒドロ−イソキノリン−6−イルオキシ}−プロピオン酸;2−メチル−2−{2−[4−メチル−2−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−チアゾル−5−イルメチル]−1−オキソ−1,2,3,4−テトラヒドロ−イソキノリン−7−イルオキシ}−プロピオン酸;2−メチル−2−{2−[4−メチル−2−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−チアゾル−5−イルメチル]−1−オキソ−1,2,3,4−テトラヒドロ−イソキノリン−6−イルオキシ}−プロピオン酸;2−メチル−2−{2−[4−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−チアゾール−2−カルボニル]−1,2,3,4−テトラヒドロ−イソキノリン−7−イルオキシ}−プロピオン酸;2−メチル−2−(2−{2−[4−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−チアゾル−2−イル]−アセチル}−1,2,3,4−テトラヒドロ−イソキノリン−6−イルオキシ)−プロピオン酸;2−メチル−2−(2−{メチル−[4−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−チアゾル−2−イル]−カルバモイル}−1,2,3,4−テトラヒドロ−イソキノリン−7−イルオキシ)−プロピオン酸;2−メチル−2−{5−メチル−2−[4−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−チアゾル−2−イルカルバモイル]−1,2,3,4−テトラヒドロ−イソキノリン−6−イルオキシ}−プロピオン酸;および2−メチル−2−(5−メチル−2−{メチル−[4−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−チアゾル−2−イル]−カルバモイル}−1,2,3,4−テトラヒドロ−イソキノリン−6−イルオキシ)−プロピオン酸から選択される。
【0018】
本発明のさらに好ましい化合物および中間体は、以下の実施例に記載する。
【0019】
薬理学および有用性
本発明の化合物は、PPARの活性を調節し、それ自体PPARが疾患の病状および/または症状に関与する疾患または障害の処置に有用である。本発明は、さらに、PPARが疾患の病状および/または症状に関与する疾患または障害の処置用薬剤の製造に使用するための本発明の化合物を提供する。
【0020】
このような化合物は、異脂肪血症、高脂血症、高コレステロール血症、アテローム性動脈硬化症、アテローム発生、高トリグリセリド血症、心不全、高コレステロール血症、心筋梗塞、血管疾患、心血管疾患、高血圧、肥満、カヘキシー、HIV消耗性症候群、炎症、関節炎、癌、アルツハイマー病、摂食障害、神経性摂食障害、過食症、皮膚障害、呼吸器疾患、眼障害、IBD(過敏性腸疾患)、潰瘍性大腸炎およびクローン病の処置または予防に使用できる。好ましくは、異脂肪血症、高脂血症、高コレステロール血症、アテローム性動脈硬化症、アテローム発生、高トリグリセリド血症、心血管疾患、高血圧、肥満、炎症、癌、皮膚障害、IBD(過敏性腸疾患)、潰瘍性大腸炎およびクローン病の処置または予防用である。
【0021】
本発明の化合物はまた、長期間の重病の処置、筋肉量および/または筋肉強度の増加、除脂肪体重の増加、高齢者における筋肉強度および機能の維持、筋肉持久性および筋肉機能の増強、および高齢者における脆弱の回復または予防にも使用できる。
【0022】
さらに、本発明の化合物は、耐糖能障害、高血糖およびインスリン抵抗性が関与する状態、例えば1型および2型糖尿病、障害されたグルコース代謝(IGM)、耐糖能障害(IGT)、障害された空腹時グルコース(IFG)、およびシンドロームX。好ましくは1型および2型糖尿病、障害されたグルコース代謝(IGM)、耐糖能障害(IGT)および障害された空腹時グルコース(IFG)の処置のために、血糖低下剤として使用できる。
【0023】
前記によって、本発明は、処置を必要とする対象における上記の疾患または障害のいずれかを予防または処置する方法であって、該対象に治療的有効量(下記“投与および医薬組成物”参照)の本発明の化合物またはそれらの薬学的に許容される塩を投与することを含む、方法を提供する。上記のいずれかの使用のために、必要な投与量は、投与方式、処置すべき特定の状態および望む効果に依存して変化する。本発明はまた:i)医薬として使用するための本発明の化合物またはそれらの薬学的に許容される塩;およびii)上記の疾患または障害の何れかを予防または処置するための医薬の製造のための、本発明の化合物またはそれらの薬学的に許容される塩の使用を提供する。
【0024】
投与および医薬組成物
一般に、本発明の化合物は、治療的有効量で、当分野で既知の通常のおよび許容される方式で、単剤としてまたは1種以上の治療剤と組み合わせて投与される。治療的有効量は、疾患の重症度、対象の年齢および相対的健康、使用する化合物の効力および他の因子に依存して、広く変化し得る。一般に、満足いく結果が、約0.03から2.5mg/kg体重の1日投与量で全身的に得られることが示される。大型哺乳類、例えばヒトにおける指示される1日量は約0.5mgから約100mgの範囲であり、簡便には、例えば1日4回までの分割量でまたは遅延形態で投与する。経口投与用の適当な単位投与形態は、約1から50mg活性成分を含む。
【0025】
本発明の化合物は、医薬組成物として、任意の経路で、特に経腸的に、例えば、経口で、例えば、錠剤またはカプセル剤の形で、または非経腸的に、例えば、注射用溶液または懸濁液の形で、局所的に、例えば、ローション、ゲル、軟膏またはクリームの形で、または経鼻または坐薬形態で投与できる。遊離形または薬学的に許容される塩形の本発明の化合物を、少なくとも1種の薬学的に許容される担体または希釈剤と共に含む医薬組成物は、慣用の方法で、混合、造粒またはコーティング法により製造できる。例えば、経口組成物は、活性成分をa)希釈剤、例えば、ラクトース、デキストロース、スクロース、マンニトール、ソルビトール、セルロースおよび/またはグリシン;b)滑剤、例えば、シリカ、タルク、ステアリン酸、そのマグネシウムまたはカルシウム塩および/またはポリエチレングリコール;錠剤についてはまたc)結合剤、例えば、ケイ酸アルミニウム・マグネシウム、デンプンペースト、ゼラチン、トラガカント、メチルセルロース、ナトリウムカルボキシメチルセルロースおよび/またはポリビニルピロリドン;望むならばd)崩壊剤、例えば、デンプン、寒天、アルギン酸またはそのナトリウム塩、または起沸性混合物;および/またはe)吸収剤、着色剤、香味剤および甘味剤と共に含む錠剤またはゼラチンカプセルであり得る。注射用組成物は、水性等張溶液または懸濁液であってよく、そして坐薬は脂肪エマルジョンまたは懸濁液から製造する。本組成物は滅菌してよくおよび/またはアジュバント、例えば防腐剤、安定化剤、湿潤剤または乳化剤、溶解促進剤、浸透圧調整用塩および/または緩衝剤を含んでよい。加えて、それらはまた他の治療的に価値ある物質を含み得る。経皮投与のための適当な製剤は、有効量の本発明の化合物と担体を含む。担体は、宿主の皮膚の通過を助けるための吸収可能な薬理学的に許容される溶媒を含む。例えば、経皮デバイスは、裏打ち部材、所望により担体と共に化合物を含む貯蔵部、所望により、宿主の皮膚に制御されかつ予定された速度で長時間にわたり送達するための速度制御バリア、およびデバイスを皮膚に固定するための手段を含む、バンデージの形である。マトリックス経皮製剤もまた使用できる。例えば、皮膚および眼への局所投与に適当な製剤は、好ましくは当分野で既知の水性溶液、軟膏、クリームまたはゲルである。これらは、可溶化剤、安定化剤、張性増加剤、緩衝剤および防腐剤を含んでよい。
【0026】
本発明はまた、治療的有効量のここに記載の化合物を1種以上の薬学的に許容される担体と共に含む、医薬組成物にも関する。
本発明の化合物は、1種以上の治療剤と組み合わせて治療的有効量で投与できる(医薬組合せ)。
【0027】
故に、本発明はまた以下を含む、医薬組合せ、例えば組合せ製剤または医薬組成物(固定された組合せ)にも関する:1)上記で定義の本発明の化合物またはその薬学的に許容される塩;および2)以下から選択される少なくとも1種の活性成分:
a)抗糖尿病剤、例えばインスリン、インスリン誘導体および模倣剤;インスリン分泌促進物質、例えばスルホニルウレア、例えば、グリピジド、グリブリドおよびアマリール;インスリン分泌性スルホニルウレア受容体リガンド、例えばメグリチナイド、例えば、ナテグリニドおよびレパグリニド;インスリン増感剤、例えばタンパク質チロシンホスファターゼ−1B(PTP−1B)阻害剤、例えばPTP−112;GSK3(グリコーゲンシンターゼキナーゼ−3)阻害剤、例えばSB−517955、SB−4195052、SB−216763、NN−57−05441およびNN−57−05445;RXRリガンド、例えばGW−0791およびAGN−194204;ナトリウム依存性グルコース共輸送体阻害剤、例えばT−1095;グリコーゲンホスホリラーゼA阻害剤、例えばBAY R3401;ビグアナイド、例えばメトホルミン;アルファ−グルコシダーゼ阻害剤、例えばアカルボース;GLP−1(グルカゴン様ペプチド−1)、GLP−1類似体、例えばExendin−4およびGLP−1模倣剤;DPPIV(ジペプチジルペプチダーゼIV)阻害剤、例えばDPP728、LAF237(ビルダグリプチン− WO00/34241の実施例1)、MK−0431、サクサグリプチン、GSK23A;AGEブレーカー;チアゾリドン誘導体(グリタゾン)、例えばピオグリタゾン、ロシグリタゾン、または特許出願WO03/043985の実施例4に化合物19として記載の(R)−1−{4−[5−メチル−2−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−オキサゾル−4−イルメトキシ]−ベンゼンスルホニル}−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−2−カルボン酸、非グリタゾン型PPARγアゴニスト、例えばGI−262570;
【0028】
b)脂質低下剤、例えば3−ヒドロキシ−3−メチル−グルタリルコエンザイムA(HMG−CoA)レダクターゼ阻害剤、例えば、ロバスタチン、ピタバスタチン、シンバスタチン、プラバスタチン、セリバスタチン、メバスタチン、ベロスタチン(velostatin)、フルバスタチン、ダルバスタチン(dalvastatin)、アトルバスタチン、ロスバスタチンおよびリバスタチン(rivastatin);スクアレンシンダーゼ阻害剤;FXR(ファルネソイドX受容体)およびLXR(肝臓X受容体)リガンド;コレスチラミン;フィブラート;ニコチン酸およびアスピリン;
【0029】
c)抗肥満剤または食欲抑制剤、例えばフェンテルミン、レプチン、ブロモクリプチン、デキサンフェタミン、アンフェタミン、フェンフルラミン、デキスフェンフルラミン、シブトラミン、オーリスタット、デキスフェンフルラミン、マジンドール、フェンテルミン、フェンジメトラジン、ジエチルプロピオン、フルオキセチン、ブプロピオン、トピラメート、ジエチルプロピオン、ベンズフェタミン、フェニルプロパノールアミンまたはエコピパム(ecopipam)、エフェドリン、シュードエフェドリンまたはカンナビノイド受容体アンタゴニスト;
【0030】
d)抗高血圧剤、例えば、ループ利尿剤、例えばエタクリン酸、フロセミドおよびトルセミド;利尿剤、例えばチアジド誘導体、クロロチアジド、ヒドロクロロチアジド、アミロライド;アンギオテンシン変換酵素(ACE)阻害剤、例えばベナゼプリル、カプトプリル、エナラプリル、フォシノプリル、リシノプリル、モエキシプリル、ペリノドプリル(perinodopril)、キナプリル、ラミプリルおよびトランドラプリル;Na−K−ATPase膜ポンプの阻害剤、例えばジゴキシン;中性エンドペプチダーゼ(NEP)阻害剤、例えばチオルファン、terteo−チオルファン、SQ29072;ECE阻害剤、例えばSLV306;ACE/NEP阻害剤、例えばオマパトリラート、サムパトリラート(sampatrilat)およびファシドトリル;アンギオテンシンIIアンタゴニスト、例えばカンデサルタン、エプロサルタン、イルベサルタン、ロサルタン、テルミサルタンおよびバルサルタン、特にバルサルタン;レニン阻害剤、例えばアリスキレン、テルラキレン(terlakiren)、ジテキレン(ditekiren)、RO 66−1132、RO−66−1168;β−アドレナリン受容体ブロッカー、例えばアセブトロール、アテノロール、ベタキソロール、ビソプロロール、メトプロロール、ナドロール、プロプラノロール、ソタロールおよびチモロール;変力剤、例えばジゴキシン、ドブタミンおよびミルリノン;カルシウムチャネルブロッカー、例えばアムロジピン、ベプリジル、ジルチアゼム、フェロジピン、ニカルジピン、ニモジピン、ニフェジピン、ニソルジピンおよびベラパミル;アルドステロン受容体アンタゴニスト;およびアルドステロンシンダーゼ阻害剤;
【0031】
e)HDL増加化合物;
f)コレステロール吸収調節剤、例えばZetia(登録商標)およびKT6−971;
g)Apo−A1類似体および模倣剤;
h)トロンビン阻害剤、例えばキシメラガトラン;
i)アルドステロン阻害剤、例えばアナストロゾール(anastrazole)、ファドロゾール(fadrazole)、エプレレノン;
j)血小板凝集の阻害剤、例えばアスピリン、硫酸クロピドグレル;
k)エストロゲン、テストステロン、選択的エストロゲン受容体モジュレーター、選択的アンドロゲン受容体モジュレーター;
【0032】
l)化学療法剤、例えばアロマターゼ阻害剤、例えばフェマーラ、抗エストロゲン、トポイソメラーゼI阻害剤、トポイソメラーゼII阻害剤、微小管活性化剤、アルキル化剤、抗新生物代謝拮抗剤、プラチン化合物、タンパク質キナーゼ活性を低下させる化合物、例えばPDGF受容体チロシンキナーゼ阻害剤、好ましくは欧州特許出願EP−A−0564409に実施例21として記載のイマチニブ({N−{5−[4−(4−メチル−ピペラジノ−メチル)−ベンゾイルアミド]−2−メチルフェニル}−4−(3−ピリジル)−2−ピリミジン−アミン})または特許出願WO04/005281に実施例92として記載の4−メチル−N−[3−(4−メチル−イミダゾル−1−イル)−5−トリフルオロメチル−フェニル]−3−(4−ピリジン−3−イル−ピリミジン−2−イルアミノ)−ベンズアミド;および
m)5−HT受容体と相互作用する薬剤および/または5−HT受容体と相互作用する薬剤、例えばUS特許5510353に実施例13として記載のテガセロド、マレイン酸水素テガセロド、シサプリド、シランセトロン(cilansetron);
または、いずれの場合もそれらの薬学的に許容される塩;および所望により薬学的に許容される担体。
【0033】
最も好ましい組合せパートナーは、テガセロド、イマチニブ、ビルダグリプチン、メトホルミン、チアゾリドン誘導体(グリタゾン)、例えばピオグリタゾン、ロシグリタゾン、または(R)−1−{4−[5−メチル−2−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−オキサゾル−4−イルメトキシ]−ベンゼンスルホニル}−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−2−カルボン酸、スルホニルウレア受容体リガンド、アリスキレン、バルサルタン、オーリスタットまたはスタチン、例えばピタバスタチン、シンバスタチン、フルバスタチンまたはプラバスタチンである。
【0034】
好ましくは、本医薬組合せは、上記で定義の治療的有効量の本発明の化合物を、上記の治療的有効量のもう1種の治療剤と共に含み、例えば、各々当分野で報告されている治療有効量である。組合せパートナー(1)および(2)は、一緒に、交互にまたは別々に、一つの組合せた単位投与形態としてまたは別々の単位投与形態で投与できる。単位投与形態は、また固定された組合せであり得る。
【0035】
一般名または商品名により同定している活性剤の構造は、標準概論“The Merck Index”の現行版またはPhysician's Desk Referenceまたはデータベース、例えばPatents International(例えばIMS World Publications)またはCurrent Drugsから取り得る。それらの対応する内容は、引用によりここに包含させる。当業者は、これらの参照を元にして活性剤の同定が十分に可能であり、同様に、製造し、インビトロおよびインビボ両方での標準試験モデルにおいて医薬適応および特性を試験できる。
【0036】
他の好ましい局面において、本発明は、治療的有効量の上記のグループa)からm)から選択される少なくとも1種の活性成分、または、いずれの場合もそれらの薬学的に許容される塩と組み合わせて、治療的有効量のここに記載の化合物を含む、医薬組成物(固定された組合せ)に関する。
【0037】
異脂肪血症、高脂血症、高コレステロール血症、アテローム性動脈硬化症、高トリグリセリド血症、心不全、心筋梗塞、血管疾患、心血管疾患、高血圧、肥満、炎症、関節炎、癌、アルツハイマー病、皮膚障害、呼吸器疾患、眼障害、炎症性腸疾患、IBD(過敏性腸疾患)、潰瘍性大腸炎、クローン病、耐糖能障害、高血糖およびインスリン抵抗性が関与する状態、例えば1型および2型糖尿病、障害されたグルコース代謝(IGM)、耐糖能障害(IGT)、障害された空腹時グルコース(IFG)、およびシンドロームXの処置のための医薬の製造のための、ここに記載の医薬組成物または組合せ。
【0038】
このような治療剤は、エストロゲン、テストステロン、選択的エストロゲン受容体モジュレーター、選択的アンドロゲン受容体モジュレーター、インスリン、インスリン誘導体および模倣剤;インスリン分泌促進物質、例えばスルホニルウレア、例えば、グリピジドおよびアマリール;インスリン分泌性スルホニルウレア受容体リガンド、例えばメグリチナイド、例えば、ナテグリニドおよびレパグリニド;インスリン増感剤、例えばタンパク質チロシンホスファターゼ−1B(PTP−1B)阻害剤、GSK3(グリコーゲンシンターゼキナーゼ−3)阻害剤またはRXRリガンド;ビグアナイド、例えばメトホルミン;アルファ−グルコシダーゼ阻害剤、例えばアカルボース;GLP−1(グルカゴン様ペプチド−1)、GLP−1類似体、例えばExendin−4、およびGLP−1模倣剤;DPPIV(ジペプチジルペプチダーゼIV)阻害剤、例えばイソロイシン−チアゾリジド;DPP728およびLAF237、脂質低下剤、例えば3−ヒドロキシ−3−メチル−グルタリルコエンザイムA(HMG−CoA)レダクターゼ阻害剤、例えば、ロバスタチン、ピタバスタチン、シンバスタチン、プラバスタチン、セリバスタチン、メバスタチン、ベロスタチン(velostatin)、フルバスタチン、ダルバスタチン(dalvastatin)、アトルバスタチン、ロスバスタチン、フルインドスタチン(fluindostatin)およびリバスタチン(rivastatin)、スクアレンシンダーゼ阻害剤またはFXR(肝臓X受容体)およびLXR(ファルネソイドX受容体)リガンド、コレスチラミン、フィブラート、ニコチン酸およびアスピリンを含む。本発明の化合物は、他の活性成分と同時に、前にまたは後に、別々に同じまたは異なる投与経路で、または一緒に同じ医薬製剤で投与できる。
【0039】
本発明はまた:a)ここに開示の遊離形または薬学的に許容される塩形の本発明の化合物である第一剤、およびb)少なくとも1種の併用剤を含む、医薬組合せ、例えばキットを提供する。本キットは、その投与指示書を含んでよい。
【0040】
ここで使用される用語“併用投与”または“組合せ投与”などは、選択した複数知立剤の単独患者への投与を包含することを意図し、複数薬剤を必ずしも同じ投与経路でまたは同時に投与するものではない処置レジメンを含むことを意図する。ここで使用する用語“医薬組合せ”は、1種を超える活性成分の混合または組合せによりもたらされる製品を意味し、複数活性成分の固定されたおよび固定されていない両方の組合せを含む。用語”固定された組合せ”は、複数活性成分、例えば式Iの化合物と併用剤を、両方とも患者に同時に一つの物または投与量として投与することを意味する。用語“固定されていない組合せ”は、複数活性成分、例えば式Iの化合物と併用剤を、両方とも、患者に別々の物として同時に、一緒にまたは特定の時間制限なく連続的に患者に投与することを意味し、ここで、このような投与が患者体内で2化合物の治療的有効レベルを提供する。後者はまたカクテル療法、例えば、3種以上の活性成分の投与にも適用される。
【0041】
本発明の化合物の製造方法
本発明はまた本発明の化合物の製造方法を含む。記載の反応において、反応性官能基、例えばヒドロキシ、アミノ、イミノ、チオまたはカルボキシ基を、それらの基が最終生成物において望まれるとき、それらの反応への望まない参加を避けるために、保護する必要があるかもしれない。慣用の保護基を、標準実務に従い使用でき、例えば、T.W. Greene and G. M. Wuts in “Protective Groups in Organic Chemistry”, John Wiley and Sons, 1991を参照のこと。
【0042】
式4の化合物を、反応スキーム1の通り進行して製造できる:
【化4】

(式中、R、RおよびRは、式Iについて定義の通りであり、そしてQは、好ましくはクロロ、ブロモまたはヨードである)。式4の化合物は、式2の化合物と式3の化合物を、適当な溶媒(例えば、DMFなど)および適当な塩基(例えば、炭酸カリウムなど)の存在下で反応させることにより、製造する。反応を、約50から約150℃の温度範囲で実施し、完了まで最大約24時間かかる。
【0043】
式5の化合物を、反応スキーム2の通り進行して製造できる:
【化5】

(式中、R、RおよびRは、式Iについて定義の通りである)。式5の化合物を、式4の化合物と適当な還元剤(例えば、水素など)、適当な溶媒(例えば、酢酸など)および適当な触媒(例えば、酸化白金など)と反応させることにより、製造する。反応を、約40から約70psiの範囲の圧力、約0から約50℃の温度で実施し、完了まで最大約24時間かかる。
【0044】
Wが発明の要約において定義の通りの式(a)である式8の化合物を、反応スキーム3の通り進行して製造できる:
反応スキーム3
【化6】

(式中、R20は、NHおよび−COOR23、−(CH)CNなどから選択され(R23はC1−6アルキルである);R、Rおよびnは、発明の要約において定義の通りであり;そしてQはハロゲン、好ましくはCl、IまたはBrである)。式8の化合物は、式6の化合物と式7の化合物を、適当な溶媒(例えば、アセトン、エタノールなど)の存在下で反応させることにより、形成させる。反応を、約50から約100℃の温度範囲で実施し、完了まで最大6時間かかる。
【0045】
Vがメチレンである式Iの化合物を、反応スキーム4の通り進行して製造できる:
【化7】

(式中、n、W、R、R、RおよびRは、式Iについて定義の通りであり、そしてQはクロロ、ブロモまたはヨードである)。式Iの化合物は、式5の化合物と式9の化合物を、適当な溶媒(例えば、1、2−ジクロロエタンなど)および適当な塩基(例えば、ジイソプロピルエチルアミンなど)の存在下で反応させることにより、製造する。反応を、約50から約120℃の温度範囲で実施し、完了まで最大約24時間かかる。
【0046】
VがC(O)である式Iの化合物を、反応スキーム5の通り進行して製造できる:
【化8】

(式中、n、W、R、R、RおよびRは、式Iについて定義の通りである)。式Iの化合物を、式5の化合物と式10の化合物を、適当な溶媒(例えば、THFなど)、適当な塩基(例えば、ジイソプロピルエチルアミンなど)および適当なアクティベーター(例えば、EDC/HOBtなど)の存在下で反応させることにより、製造する。反応を、約0から約50℃の温度範囲で実施し、完了まで最大約24時間かかる。
【0047】
Vが結合である式Iの化合物を、反応スキーム6の通り進行して製造できる:
【化9】

(式中、n、W、R、R、RおよびRは、式Iについて定義の通りである)。式Iの化合物を、式5の化合物と式11の化合物を、適当な溶媒(例えば、ジオキサンなど)、適当な触媒(例えば、Pd(dba)など)、適当なリガンド(例えば、ホスフィンリガンド、例えば(tBU)PHBFなど)、適当な無機塩基(例えば、炭酸セシウムなど)の存在下、適当な保護的雰囲気下(例えば、アルゴンなど)で反応させることにより製造する。反応を、約80から約150℃の温度範囲で実施し、完了まで最大約24時間かかる。
【0048】
Vが−C(O)NH−である式Iの化合物を、反応スキーム7の通り進行して製造できる:
【化10】

(式中、n、W、R、R、RおよびRは、式Iについて定義の通りである)。式Iの化合物を、式5の化合物と式12の化合物を、適当な溶媒(例えば、THFなど)、適当な試薬(例えば、トリホスゲン、CDIなど)および適当な塩基(例えば、トリエチルアミンなど)の存在下で反応させることにより、製造する。反応を、約0から約50℃の温度範囲で実施し、完了まで最大6時間かかる。
【0049】
が−CR1112XCO13(そして、R13がC1−6アルキルである)である式Iの化合物を、それらの対応する酸(ここで、R13は水素である)に、鹸化反応により変換する。本反応は、適当な塩基(例えば、水酸化リチウムなど)および適当な溶媒混合物(例えば、THF/水など)の存在下で進行させ、約0℃から約50℃の温度で行い、完了まで最大約30時間かかる。
【0050】
詳細な反応条件は以下の実施例に記載する。
【0051】
本発明の化合物の製造のためのさらなる方法
本発明の化合物は、遊離塩基形の化合物と薬学的に許容される無機または有機酸を反応させることにより、薬学的に許容される酸付加塩として製造できる。あるいは、本発明の化合物の薬学的に許容される塩基付加塩を、遊離酸形の化合物と、薬学的に許容される無機または有機塩基を反応させることにより製造できる。あるいは、塩形の本発明の化合物を、塩形の出発物質または中間体を使用することにより製造できる。
【0052】
本発明の化合物の遊離酸または遊離塩基形は、対応する塩基付加塩または酸付加塩形からそれぞれ製造できる。例えば酸付加塩形の本発明の化合物を、対応する遊離塩基に、適当な塩基(例えば、水酸化アンモニウム溶液、水酸化ナトリウムなど)で処理することにより変換できる。塩基付加塩形の本発明の化合物を、適当な酸(例えば、塩酸など)で処理することにより対応する遊離酸に変換できる。
【0053】
酸化されていない形の本発明の化合物を、本発明の化合物のN−オキシドから、還元剤(例えば、硫黄、二酸化硫黄、トリフェニルホスフィン、リチウムボロハイドライド、水素化ホウ素ナトリウム、ホスホラストリクロライド、トリブロマイドなど)で、適当な不活性有機溶媒(例えばアセトニトリル、エタノール、水性ジオキサンなど)中、0から80℃で処理することにより製造できる。
【0054】
本発明の化合物のプロドラッグ誘導体は、当業者に既知の方法により製造できる(例えば、さらなる詳細はSaulnier et al., (1994), Bioorganic and Medicinal Chemistry Letters, Vol. 4, p. 1985を参照)。例えば、適当なプロドラッグは、誘導体化されていない本発明の化合物と適当なカルバミル化剤(例えば、1,1−アシルオキシアルキルカーボンクロリデート、パラ−ニトロフェニルカーボネートなど)と反応させることにより製造できる。
【0055】
本発明の化合物の被保護誘導体は、当業者に既知の手段で製造できる。保護基の創成およびそれらの除去に適用できる技術の詳細は、T. W. Greene, “Protecting Groups in Organic Chemistry”, 3rd edition, John Wiley and Sons, Inc., 1999に見ることができる。
【0056】
本発明の化合物は、溶媒和物(例えば、水和物)として製造でき、または本発明の工程中に形成される。本発明の化合物の水和物は、簡便には、水性/有機溶媒混合物からの再結晶により、ジオキシン、テトラヒドロフランまたはメタノールのような有機溶媒を使用して簡便には製造できる。
【0057】
本発明の化合物は、それらの個々の立体異性体として、化合物のラセミ混合物と光学活性分割剤を反応させ、ジアステレオ異性化合物のペアを形成させて、該ジアステレオマーを分離し、光学的に純粋なエナンチオマーを回収することにより製造できる。エナンチオマーの分割は、共有結合的に結合している本発明の化合物のジアステレオマー誘導体を使用して実施できるが、分離可能な複合体が好ましい(例えば、結晶性ジアステレオマー塩)。ジアステレオマーは異なる物理特性(例えば、融点、沸点、溶解、反応性など)を有し、これらの差異を利用して容易に分離できる。ジアステレオマーはクロマトグラフィーにより、または好ましくは、溶解度の差異に基づいた分離/分割技術により分離できる。次いで、光学的に純粋なエナンチオマーを、分割剤と共に、ラセミ化をもたらさない任意の実際的手段により回収する。ラセミ混合物からの化合物の立体異性体の分割に適用できる技術のさらなる詳細な記載は、Jean Jacques, Andre Collet, Samuel H. Wilen, “Enantiomers, Racemates and Resokution”, John Wiley and Sons, Inc., 1981に見ることができる。
【0058】
要約すると、式Iの化合物は:
(a)上記の反応スキームの工程;および
(b)所望により本発明の化合物の薬学的に許容される塩への変換;
(c)所望により塩形の本発明の化合物の非塩形への変換;
(d)所望により酸化されていない形の本発明の化合物の薬学的に許容されるN−オキシドへの変換;
(e)所望によりN−オキシド形の本発明の化合物のその酸化されていない形への変換;
(f)所望により異性体混合物からの個々の本発明の化合物の異性体への分割;
(g)所望により誘導体化されていない本発明の化合物の薬学的に許容されるプロドラッグ誘導体への変換;および
(h)所望によりロドラッグ誘導体の本発明の化合物のその誘導体化されていない形への変換
の工程を含む。
【0059】
出発物質の製造が特に記載されていない限り、その化合物は既知であるか、または当分野で既知の方法に準じて、または以下の実施例に記載の通り製造できる。
【0060】
当業者は、上記の変換が本発明の化合物の製造の単なる代表的方法であって、他の既知の方法が同様にできることを認識しよう。
【実施例】
【0061】
本発明を、本発明の式Iの化合物の製造を説明する以下の中間体および実施例によりさらに例示するが、これらに限定しない。
【0062】
【化11】

中間体2:2−(1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−6−イルオキシ)−2−メチルプロパン酸メチル。
工程A:6−ヒドロキシイソキノリン(1.0g、6.9mmol)および2−ブロモイソ酪酸メチル(3.4mL、27.5mmol)を乾燥DMF(20mL)に溶解する。粉末化炭酸カリウム(3.8g、27.5mmol)を添加し、混合物を100℃で16時間加熱する。混合物を冷却し、酢酸エチル(40mL)で希釈し、水(3×50mL)および塩水(50mL)で洗浄する。有機層を乾燥させ(MgSO)、濾過し、蒸発させ、シリカゲルクロマトグラフィー(0−100%勾配、酢酸エチルのヘキサン溶液)で精製して、2−(イソキノリン−6−イルオキシ)−2−メチルプロパン酸メチル1(1.25g、74%)を無色油状物として得る。MS C1416NO(M+H)の計算値 246.1、実測値246.1。
【0063】
工程B:2−(イソキノリン−6−イルオキシ)−2−メチルプロパン酸メチル1(1.1g、4.5mmol)を氷酢酸(20mL)に溶解する。PtO(〜50mg、触媒)を添加し、次いで容器をHで55psiまで加圧し、3回排気する、次いで55psiまで加圧し、r.t.で16時間振盪する。混合物をセライトを通して濾過し、次いで蒸発乾固し、ジクロロメタンに溶解し、蒸発させて、表題化合物2(0.99g、89%)を黄色油状物として得る。1H-NMR(400 MHz, CDCl3) δ = 6.96(d, J = 8.4 Hz, 1H), 6.70(dd, J = 2.4, 8.4 Hz, 1H), 6.64(d, J = 2.4 Hz, 1H), 4.243(s, 2H), 3.76(s, 3H), 3.40(s, 2H), 3.04(t, J = 6.4 Hz, 2H), 1.59(s, 6H)。MS C1420NO(M+H)の計算値 250.1、実測値250.1。
【0064】
【化12】

中間体3:2−(1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−7−イルオキシ)−2−メチルプロパン酸メチル。
中間体2の方法に従うが、6−ヒドロキシイソキノリンを7−ヒドロキシイソキノリンに変えて、表題化合物を黄色油状物として製造する:1H-NMR(400 MHz, CDCl3) δ = 7.04(d, J = 8.4 Hz, 1H), 6.74(dd, J = 2.4, 8.4 Hz, 1H), 6.52(d, J = 2.4 Hz, 1H), 4.23(s, 2H), 3.76(s, 3H), 3.43(d, J = 5.2 Hz, 2H), 3.02(t, J = 6.0 Hz, 2H), 1.55(s, 6H)。MS C1420NO(M+H)の計算値 250.1、実測値250.1。
【0065】
【化13】

中間体4:2−(1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−5−イルオキシ)−2−メチルプロパン酸メチル。
中間体2の方法に従うが、6−ヒドロキシイソキノリンを5−ヒドロキシイソキノリンに変えて、表題化合物を黄色油状物として製造する:1H-NMR(400 MHz, CDCl3) δ = 7.07(t, J = 8.0 Hz, 1H), 6.70(d, J = 7.6 Hz, 1H), 6.49(d, J = 8.0 Hz, 1H), 4.21(s, 2H), 3.74(s, 3H), 3.36(t, J = 6.4 Hz, 2H), 2.96(t, J = 6.4 Hz, 2H), 1.60(s, 6H)。MS C1420NO(M+H)の計算値 250.1、実測値250.2。
【0066】
【化14】

中間体7:2−(1,2,3,4−テトラヒドロ−5−メチルイソキノリン−6−イルオキシ)−2−メチルプロパン酸メチル。
工程A:2−(イソキノリン−6−イルオキシ)−2−メチルプロパン酸メチル1(55mg、0.22mmol)をジクロロメタン(4mL)に溶解する。臭素(18μL、0.34mmol)を添加し、r.tで2時間撹拌する。溶媒を蒸発により除去して、2−(5−ブロモイソキノリン−6−イルオキシ)−2−メチルプロパン酸メチル5を黄色油状物として得る。1H-NMR(400 MHz, CDCl3) δ = 9.53(s, 1H), 8.45(d, J = 6.8 Hz, 1H), 8.35(d, J = 6.4 Hz, 1H), 8.12(d, J = 9.2 Hz, 1H), 7.27(d, J = 9.2 Hz, 1H), 3.75(s, 3H), 1.73(s, 6H)。MS C1415BrNO(M+H)の計算値 324.0、実測値324.0。
【0067】
工程B:2−(5−ブロモイソキノリン−6−イルオキシ)−2−メチルプロパン酸メチル5(500mg、1.5mmol)をDMF(0.5mL)に溶解する。(CH)Sn(280μL、2.0mmol)および(PhP)PdCl(220mg、0.31mmol)を添加し、混合物をマイクロ波(180℃)に、10分、密封チューブ中で付す。混合物を水(5mL)で希釈し、EtOAc(10mL)で抽出し、水(2×5mL)および塩水(5mL)で洗浄する。有機層を乾燥させ(MgSO)、濾過し、濃縮し、逆相HPLC(HO/MeCN勾配)で精製して、2−(5−メチルイソキノリン−6−イルオキシ)−2−メチルプロパン酸メチル6(310mg、76%)を無色油状物として得る:1H-NMR(400 MHz, CDCl3) δ = 9.18(br. s, 1H), 8.5(br. s, 1H), 7.84(d, J = 9.2 Hz, 1H), 7.75(s, 1H), 7.04(d, J = 8.8 Hz, 1H), 3.74(s, 3H), 2.41(s, 3H), 1.59(s, 6H)。MS C1518NO(M+H)の計算値 260.1、実測値260.1。
【0068】
工程C:2−(5−メチルイソキノリン−6−イルオキシ)−2−メチルプロパン酸メチル6(310mg、1.2mmol)を氷酢酸(20mL)に溶解する。PtO(〜20mg、触媒)を添加し、次いで容器をHで55psiまで加圧し、3回排気する、次いで55psiまで加圧し、r.t.で16時間振盪する。混合物をセライトを通して濾過し、1.0N NaOHの添加により塩基性にし、酢酸エチル(40mL)で抽出する。塩水(20mL)で洗浄し、乾燥させ(MgSO)、濾過し、蒸発させて、表題化合物7(0.28g、91%)を黄色油状物として得る。1H-NMR(400 MHz, CDCl3) δ = 6.81(d, J = 8.4 Hz, 1H), 6.57(d, J = 8.4 Hz, 1H), 4.26(s, 2H), 3.77(s, 3H), 3.46(s, 2H), 3.00(m, 2H), 2.13(s, 3H), 1.59(s, 6H)。MS C1522NO(M+H)の計算値 264.2、実測値264.1。
【0069】
【化15】

中間体9:2−(1,2,3,4−テトラヒドロ−1−オキソイソキノリン−6−イルオキシ)−2−メチルプロパン酸メチル。
工程A:3,4−ジヒドロ−6−メトキシイソキノリン−1(2H)−オン(760mg、4.3mmol)を48%水性HBr(5mL)に溶解し、100℃で72時間加熱する。混合物を冷却し、NaHCO飽和溶液(50mL)に注ぎ、酢酸エチル(2×20mL)で抽出する。有機フラクションを合わせ、塩水(20mL)で洗浄し、乾燥させ(MgSO)、濾過し、蒸発させて、粗3,4−ジヒドロ−6−ヒドロキシイソキノリン−1(2H)−オン8(193mg、27%)を得て、それを工程Bにさらに精製せずに使用する。
【0070】
工程B:3,4−ジヒドロ−6−ヒドロキシイソキノリン−1(2H)−オン8(193mg、1.2mmol)および2−ブロモイソ酪酸メチル(0.60mL、4.7mmol)を無水DMF(10mL)に溶解する。粉末化炭酸カリウム(0.65g、4.7mmol)を添加し、混合物を100℃で16時間加熱する。混合物を冷却し、酢酸エチル(20mL)で希釈し、水(3×20mL)および塩水(20mL)で洗浄する。有機層を乾燥させ(MgSO)、濾過し、蒸発させて、表題化合物9を得る。MS C1418NO(M+H)の計算値 264.1、実測値264.1。
【0071】
【化16】

中間体10:2−(1,2,3,4−テトラヒドロ−1−オキソイソキノリン−7−イルオキシ)−2−メチルプロパン酸メチル
中間体10、工程Bの方法に従うが、3,4−ジヒドロ−6−ヒドロキシイソキノリン−1(2H)−オンを3,4−ジヒドロ−7−ヒドロキシイソキノリン−1(2H)−オンに変えて、表題化合物を黄色油状物として製造する。MS C1418NO(M+H)の計算値 264.1、実測値264.1。
【0072】
【化17】

中間体11:4−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−チアゾル−2−イルアミン。
2−ブロモ−1−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−エタノン(10g、37.4mmol)およびチオウレア(2.85g、37.4mmol)を乾燥アセトン(100mL)に溶解し、2時間加熱還流する。溶液を冷却し、rtで2時間撹拌し、次いで濾過し、アセトン洗浄して、4−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−チアゾル−2−イルアミン11(9.35g、100%)を白色結晶として得る。1H-NMR(400 MHz, DMSO-d6) δ = 8.30(br. s, 2H), 7.98(d, J = 8.0 Hz, 2H), 7.84(d, J = 8.0 Hz, 2H), 7.42(s, 1H)。MS C10S(M+H)の計算値 245.0、実測値245.1。
【0073】
【化18】

中間体14:2−(クロロメチル)−4−(4−(トリフルオロメチル)フェニル)チアゾール。
工程A:2−ブロモ−1−(4−(トリフルオロメチル)フェニル)エタノン(17g、63mmol)およびチオオキサム酸エチル(8.4g、63mmol)を還流でEtOH(20mL)中2時間加熱する。混合物を冷却し、濾過し、MeOHで洗浄して、4−(4−(トリフルオロメチル)フェニル)チアゾール−2−カルボン酸エチル12(13.3g、70%)を白色粉末として得る:1H-NMR(400 MHz, CDCl3) δ = 8.07(d, J = 8.0 Hz, 2H), 7.85(s, 1H), 7.69(d, J = 8.4 Hz, 2H), 4.51(q, J = 7.2 Hz, 2H), 1.46(t, J = 7.2 Hz, 3H)。MS C1311NOS(M+H)の計算値 302.0、実測値302.0。
【0074】
工程B:4−(4−(トリフルオロメチル)フェニル)チアゾール−2−カルボン酸エチル12(5.0g、16.6mmol)を乾燥THF(35mL)に溶解し、0℃に冷却する。LiAlH(25mL、THF中1.0N)を溶液に滴下し、0℃で1時間撹拌する。反応を1N HCl(50mL)の滴下によりクエンチし、酢酸エチル(50mL)で抽出する。有機層を塩水(20mL)で洗浄し、乾燥させ(MgSO)、濾過し、蒸発させて、(4−(4−(トリフルオロメチル)フェニル)チアゾル−2−イル)メタノール13(3.7g、78%)を黄色油状物として得る。MS C11NOS(M+H)の計算値 260.0、実測値260.0。
【0075】
工程C:(4−(4−(トリフルオロメチル)フェニル)チアゾル−2−イル)メタノール13(1.68g、6.5mmol)を乾燥THF(20mL)に溶解する。塩化チオニル(0.94mL、13.0mmol)を添加し、混合物をr.t.で2時間撹拌し、次いでNaHCO飽和溶液(40mL)に注ぎ、酢酸エチル(40mL)で抽出する。有機層を乾燥させ(MgSO)、濾過し、蒸発させて、表題化合物(1.47g、82%)を黄色固体として得る:1H-NMR(400 MHz, CDCl3) δ = 8.00(d, J = 8.0 Hz, 2H), 7.68(d, J = 8.0 Hz, 2H), 7.63(s, 1H), 4.92(s, 2H)。MS C11ClFNS(M+H)の計算値 278.0、実測値278.1。
【0076】
【化19】

中間体15:4−(4−(トリフルオロメチル)フェニル)チアゾール−2−カルボン酸。
4−(4−(トリフルオロメチル)フェニル)チアゾール−2−カルボン酸エチル12(4.5g、15mmol)をTHF(100mL)に溶解し、次いで1N LiOH(22mL、22mmol)を添加し、混合物を2時間加熱還流する。反応を1N HCl(100mL)で酸性化し、酢酸エチル(2×200mL)で抽出する。有機層を合わせ、塩水(50mL)で洗浄し、乾燥させ(MgSO)、濾過し、蒸発させる。残渣を酢酸エチル/ヘキサンから再結晶し、濾過して、表題化合物15(2.28g、56%)を白色固体として得る:1H-NMR(400 MHz, CDCl3) δ = 8.05(d, J = 8.4 Hz, 2H), 7.98(s, 1H), 7.73(d, J = 8.0 Hz, 2H)。MS C11NOS(M+H)の計算値 274.0、実測値274.0。
【0077】
【化20】

中間体17:2−(4−(4−(トリフルオロメチル)フェニル)チアゾル−2−イル)酢酸。
工程A:2−ブロモ−1−(4−(トリフルオロメチル)フェニル)エタノン(5.3g、20mmol)および2−シアノチオアセトアミド(2.0g、20mmol)を、還流で、EtOH(20mL)中、2時間加熱する。溶媒を蒸発させて、粗2−(4−(4−(トリフルオロメチル)フェニル)チアゾル−2−イル)アセトニトリル16を得て、それを工程Bにさらに精製することなく使用する。MS C12S(M+H)の計算値 269.0、実測値269.0。
【0078】
工程B:2−(4−(4−(トリフルオロメチル)フェニル)チアゾル−2−イル)アセトニトリル16(20mmol)をメトキシエタノール(100mL)および水(20mL)の混合物に溶解する。水酸化カリウム(6.7g、120mmol)を添加し、混合物を100℃で16時間加熱する。混合物を1N HClでpH1に酸性化し、酢酸エチル(2×200mL)で抽出する。有機層を合わせ、水(200mL)および塩水(50mL)で洗浄し、乾燥させ(MgSO)、濾過し、蒸発させて、表題化合物17(4.3g、76%)を白色固体として得る:1H-NMR(400 MHz, CDCl3) δ = 7.97(d, J = 8.4 Hz, 2H), 7.69(d, J = 8.4 Hz, 2H), 7.60(s, 1H), 4.21(s, 2H)。MS C12NOS(M+H)の計算値 288.0、実測値288.0。
【0079】
【化21】

中間体19:2−クロロ−4−(4−(トリフルオロメチル)フェニル)チアゾール。
工程A:2−ブロモ−1−(4−(トリフルオロメチル)フェニル)エタノン(2.0g、7.5mmol)およびNaSCN(728mg、9.0mmol)を、還流でEtOH(10mL)中、2時間加熱する。混合物を1N HCl(10mL)で酸性化し、酢酸エチル(20mL)で抽出し、塩水(10mL)で洗浄し、乾燥させ(MgSO)、濾過し、蒸発させて、粗1−(4−(トリフルオロメチル)フェニル)−2−チオシアナトエタノン18を得て、それを工程Bにさらに精製することなく使用する。MS C10NOS(M+H)の計算値 246.0、実測値246.0。
【0080】
工程B:1−(4−(トリフルオロメチル)フェニル)−2−チオシアナトエタノン18(7.4mmol)をTHF(5mL)および4.0N HClのジオキサン溶液(5mL)の混合物に溶解し、16時間加熱還流する。混合物を冷却し、飽和NaHCO溶液で中和し、次いでEtOAc(20mL)で抽出し、乾燥させ(MgSO)、濾過し、蒸発させ、逆相HPLC(HO/MeCN勾配)で精製して、表題化合物19(360mg、18%)を得る:1H-NMR(400 MHz, CDCl3) δ = 7.97(d, J = 8.4 Hz, 2H), 7.67(d, J = 8.4 Hz, 2H), 7.47(s, 1H)。MS C10ClFNS(M+H)の計算値 264.0、実測値264.0。
【0081】
【化22】

中間体24:2−(ブロモメチル)−5−(4−(トリフルオロメチル)フェニル)チアゾール。
工程A:エチルエチニルエーテル(6.0g、85.6mmol)のTHF(100mL)溶液に、ボラン−テトラヒドロ(hydron)フラン錯体(THF中1.0mol、28.53mL、28.53mmol)で添加する0℃、次いで混合物をRTに温め、2時間撹拌する。上記溶液を1−ヨード−4−トリフルオロメチル−ベンゼン(19.0g、71.33mmol)、トリフェニルホスフィン(598mg、2.28mmol)、酢酸パラジウム(II)(128mg、0.571mmol)および水酸化ナトリウム(8.5g、214.0mmol)のTHF(200mL)中の混合物に添加する。上記混合物を15時間加熱還流し、次いで冷却し、EtOAc(1000mL)で希釈し、飽和NaCOおよび塩水および水で洗浄する。有機層を乾燥させ(MgSO)、濾過し、濃縮して、粗生成物を得て、それをシリカゲルクロマトグラフィーでエーテル/ヘキサンを使用して精製して、1−(2−エトキシ−ビニル)−4−トリフルオロメチル−ベンゼン20(9.40g、60.0%)を白色固体として得る:MS C1112O(M+H)の計算値 217.1、実測値217.1。
【0082】
工程B:1−(2−エトキシ−ビニル)−4−トリフルオロメチル−ベンゼン20(9.24g、42.74mmol)をEtOH(200mL)溶液に溶解し、次いでNBS(7.61g、42.74mmol)を添加し、rtで2時間撹拌する。混合物を濃縮して、粗生成物を得て、それをシリカゲルクロマトグラフィーでEtOAc/ヘキサンにより精製して、1−(1−ブロモ−2,2−ジエトキシ−エチル)−4−トリフルオロメチル−ベンゼン21(12.87g、88.2%)を無色油状物として得る。
【0083】
工程C:1−(1−ブロモ−2,2−ジエトキシ−エチル)−4−トリフルオロメチル−ベンゼン21(10.57g、30.78mmol)をクロロホルム(180mL)溶液に溶解し、次いでAcO(2.90mL、30.78mmol)、NaOAc.3HO(2.52g、18.5mmol)およびAcCl(1.53mL、21.6mmol)を添加し、56℃で5時間撹拌する。混合物をクロロホルム(140mL)で希釈し、飽和NaHCOおよび塩水で洗浄する。有機層を乾燥させ(MgSO)、濾過し、濃縮して、粗ビフェニル−4−イル−ブロモ−アセトアルデヒド22を濃油状物として得て(8.20g、100%)、それを精製せずに次工程に使用する。
【0084】
工程D:アルデヒド22(100mg、0.375mmol)をEtOH(1.0mL)に溶解し、次いでチオアセトアミド(28.13mg、0.375mmol)を添加し、混合物を90℃で15時間撹拌する。溶液をEtOAc(50mL)で希釈し、飽和NaHCO(30mL)および塩水(10mL)で洗浄する。有機層を乾燥させ(MgSO)、濾過し、濃縮して、粗生成物を得て、それをシリカゲルクロマトグラフィーでEtOAc/ヘキサンにより精製して、2−メチル−5−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−チアゾール23(43mg、46.8%)を白色固体として得る:1H-NMR(400 MHz, CDCl3) δ = 7.78(s, 1H), 7.51-7.56(m, 5H), 4.28-7.41(m, 4H), 2.69(s, 3H)。MS C1614NS(M+H)の計算値 252.1、実測値252.0。
【0085】
工程E:2−メチル−5−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−チアゾール23(1.3g、5.3mmol)およびN−ブロモスクシンイミド(1.24g、6.9mmol)を四塩化炭素(100mL)に溶解し、40℃に加熱する。2,2−アゾ−ビス−イソブチロニトリル(AIBN、88mg、0.53mmol)を添加し、混合物を70℃で12時間加熱する。反応混合物を冷却し、水(100mL)で希釈し、ジクロロメタン(40mL)で抽出し、乾燥させ(MgSO)、濾過し、蒸発させ、シリカゲル(EtOAc/ヘキサン勾配)で精製して、表題化合物24を黄色粉末として得る(935mg、54%)。MS C11BrFNS(M+H)の計算値 321.9、実測値252.00。
【0086】
【化23】

実施例A1
2−(2−((4−(4−(トリフルオロメチル)フェニル)チアゾル−2−イル)メチル)−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−6−イルオキシ)−2−メチルプロパン酸
工程A:アミン2(40mg、0.16mmol)、クロライド14(45mg、0.16mmol)およびジイソプロピルエチルアミン(79μL、0.48mmol)を1,2−ジクロロエタン(3mL)に溶解し、80℃で16時間加熱する。溶媒を真空で除去して、粗2−(2−((4−(4−(トリフルオロメチル)フェニル)チアゾル−2−イル)メチル)−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−6−イルオキシ)−2−メチルプロパン酸メチル25を得て、それを工程Bにさらに精製せずに使用する。MS C2526S(M+H)の計算値 491.2、実測値491.1。
【0087】
工程B:工程Aからの残渣をTHF(3mL)および1N LiOH(1mL)に溶解する。混合物を70℃で12時間撹拌し、次いで1N HCl(〜5mL)で酸性化し、EtOAc(10mL)で抽出し、乾燥させ(MgSO)、濾過し、蒸発させ、逆相HPLC(HO/MeCN勾配)で精製して、表題化合物A1(29mg、38%)を得る:1H-NMR(400 MHz, CDCl3) δ = 7.99(d, J = 8.0 Hz, 2H), 7.74(s, 1H), 7.70(d, J = 8.0 Hz, 2H), 6.93(m, 1H), 6.74(m, 2H), 4.74(s, 2H), 4.47(s, 2H), 3.55(br s, 2H), 3.11(br s, 2H), 1.60(s, 6H)。MS C2424S(M+H)の計算値 477.2、実測値477.1。
【0088】
【化24】

実施例B1
2−(2−((4−(4−(トリフルオロメチル)フェニル)チアゾル−2−イル)(オキソ)メチル)−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−6−イルオキシ)−2−メチルプロパン酸
工程A:4−(4−(トリフルオロメチル)フェニル)チアゾール−2−カルボン酸15(55mg、0.20mmol)をTHF(4mL)に溶解し、0℃に冷却する。ジイソプロピルエチルアミン(73μL、0.44mmol)および1−[3−(ジメチルアミノ)プロピル]−3−エチルカルボジイミド(EDCI、42mg、0.22mmol)を添加し、0℃で5分撹拌し、次いで1−ヒドロキシベンゾトリアゾール水和物(HOBT、34mg、0.22mmol)を添加し、さらに30分撹拌する。2−(1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−6−イルオキシ)−2−メチルプロパン酸メチル2(50mg、0.20mmol)を添加し、混合物をrtで14時間撹拌する。溶媒を真空で除去して、粗2−(2−((4−(4−(トリフルオロメチル)フェニル)チアゾル−2−イル)(オキソ)メチル)−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−6−イルオキシ)−2−メチルプロパン酸メチル26を得て、それを工程Bにさらに精製せずに使用する。MS C2524S(M+H)の計算値 505.1、実測値505.1。
【0089】
工程B:工程Aからの残渣をTHF(3mL)および1N LiOH(1mL)に溶解する。混合物をrtで12時間撹拌し、次いで1N HCl(〜5mL)で酸性化し、EtOAc(10mL)で抽出し、乾燥させ(MgSO)、濾過し、蒸発させ、逆相HPLC(HO/MeCN勾配)で精製して、表題化合物B1(32mg、32%)を得る:1H-NMR(400 MHz, CDCl3) δ = 8.01(d, J = 8.0 Hz, 2H), 7.82(s, 1H), 7.71(d, J = 8.0 Hz, 2H), 7.11(d, J = 8.4 Hz, 1H), 6.82(m, 2H), 4.89(s, 2H), 4.60(t, J = 6.0 Hz, 2H), 3.06(t, J = 6.0 Hz, 1H), 1.61(s, 6H)。MS C2421S(M+H)の計算値 490.1、実測値490.1。
【0090】
【化25】

実施例C1
2−(2−(4−(4−(トリフルオロメチル)フェニル)チアゾル−2−イル)−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−6−イルオキシ)−2−メチルプロパン酸
工程A:2−(1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−6−イルオキシ)−2−メチルプロパン酸メチル2(20mg、0.08mmol)、2−クロロ−4−(4−(トリフルオロメチル)フェニル)チアゾール19(21mg、0.08mmol)、(t−Bu)PHBF(2.3mg、0.008mmol)、Pd(dba)(3.6mg、0.004mmol)および粉末化炭酸セシウム(52mg、0.16mmol)を火炎乾燥した容器に入れる。無水1,4−ジオキサン(0.4mL)を添加し、容器を密封し、次いでアルゴンをフラッシュし、排気し(3×)、その後アルゴンで満たし、120℃で18時間加熱して、粗2−(2−(4−(4−(トリフルオロメチル)フェニル)チアゾル−2−イル)−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−6−イルオキシ)−2−メチルプロパン酸メチル27を得る。MS C2424S(M+H)の計算値 477.1、実測値477.1。
【0091】
工程B:THF(1mL)および1N LiOH(0.5mL)を直接工程Aからの反応混合物に添加し、rtで3時間撹拌する。混合物を次いで1N HCl(〜5mL)で酸性化し、EtOAc(10mL)で抽出し、乾燥させ(MgSO)、濾過し、蒸発させ、逆相HPLC(HO/MeCN勾配)で精製して、表題化合物C1(24mg、64%)を得る:1H-NMR(400 MHz, CDCl3) δ = 7.79(d, J = 8.0 Hz, 2H), 7.58(d, J = 8.4 Hz, 2H), 7.19(s, 1H), 6.95(d, J = 8.0 Hz, 1H), 6.71(m, 2H), 4.63(s, 2H), 3.71(t, J = 6.0 Hz, 2H), 2.87(t, J = 6.0 Hz, 2H), 1.50(s, 6H)。MS C2322S(M+H)の計算値 462.1、実測値462.1。
【0092】
【化26】

実施例D1およびD2
2−(2−(4−(4−(トリフルオロメチル)フェニル)チアゾル−2−イルカルバモイル)−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−6−イルオキシ)−2−メチルプロパン酸D1および2−(2−(N−(4−(4−(トリフルオロメチル)フェニル)チアゾル−2−イル)−N−メチルカルバモイル)−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−6−イルオキシ)−2−メチルプロパン酸D2
工程A:4−(4−(トリフルオロメチル)フェニル)チアゾル−2−アミン11(58mg、0.24mmol)を無水THF(5mL)およびトリエチルアミン(100μL、0.72mmol)に溶解し、0℃に冷却する。トリホスゲン(24mg、0.08mmol)を添加し、0℃で5分撹拌し、次いで2−(1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−6−イルオキシ)−2−メチルプロパン酸メチル2(60mg、0.24mmol)を添加し、混合物をrtで3時間撹拌する。反応混合物を水(10mL)で希釈し、EtOAc(10mL)で抽出し、塩水(5mL)で洗浄し、乾燥させ(MgSO)、濾過し、蒸発させ、逆相HPLC(HO/MeCN勾配)で精製して、2−(2−(4−(4−(トリフルオロメチル)フェニル)チアゾル−2−イルカルバモイル)−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−6−イルオキシ)−2−メチルプロパン酸メチル28(34mg、27%)を得る:1H-NMR(400 MHz, CDCl3) δ = 7.88(d, J = 8.0 Hz, 2H), 7.66(d, J = 8.4 Hz, 2H), 7.16(s, 1H), 6.99(d, J = 8.0 Hz, 1H), 6.67(m, 2H), 4.62(s, 2H), 3.78(s, 3H), 3.75(t, J = 6.0 Hz, 2H), 3.59(m, 2H), 2.86(t, J = 6.0 Hz, 2H), 1.59(s, 6H)。MS C2525S(M+H)の計算値 520.1、実測値520.1。
【0093】
工程B:(D2についてのみ)2−(2−(4−(4−(トリフルオロメチル)フェニル)チアゾル−2−イルカルバモイル)−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−6−イルオキシ)−2−メチルプロパン酸メチル28(20mg、0.038mmol)を乾燥アセトニトリル(5mL)に溶解する。粉末化炭酸セシウム(44mg、0.13mmol)およびヨードメタン(8μL、0.11mmol)を添加し、混合物をrtで2時間撹拌する。反応混合物を水(10mL)で希釈し、EtOAc(10mL)で抽出し、塩水(5mL)で洗浄し、乾燥させ(MgSO)、濾過し、蒸発させて、粗2−(2−(N−(4−(4−(トリフルオロメチル)フェニル)チアゾル−2−イル)−N−メチルカルバモイル)−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−6−イルオキシ)−2−メチルプロパン酸メチル29を得て、それをさらに精製することなく工程Cに使用する。
【0094】
工程C:中間体28(D1)または29(D2)をTHF(3mL)に溶解し、次いで1N LiOH(1.0mL)を添加し、rtで4時間撹拌する。混合物を1N HCl(〜5mL)で酸性化し、EtOAc(10mL)で抽出し、乾燥させ(MgSO)、濾過し、蒸発させ、逆相HPLC(HO/MeCN勾配)で精製して、表題化合物D1(18mg、92%)(1H-NMR(400 MHz, CDCl3) δ = 7.77(d, J = 8.0 Hz, 2H), 7.68(d, J = 8.4 Hz, 2H), 7.07(s, 1H), 6.90(d, J = 8.0 Hz, 1H), 6.79(dd, J = 2.4, 8.0 Hz, 1H), 6.73(s, 1H), 4.46(s, 2H), 3.61(br s, 2H), 2.68(t, J = 5.6 Hz, 2H), 1.69(s, 6H)。MS C2423S(M+H)の計算値 506.1、実測値506.1)およびD2(8mg、40%)(1H-NMR(400 MHz, CDCl3) δ = 7.96(d, J = 8.0 Hz, 2H), 7.64(d, J = 8.0 Hz, 2H), 7.18(s, 1H), 7.01(d, J = 8.4 Hz, 1H), 6.78(m, 2H), 4.55(s, 2H), 3.66(t, J = 6.0 Hz, 2H), 3.64(s, 3H), 2.96(t, J = 6.0 Hz, 2H), 1.60(s, 6H)。MS C2525S(M+H)の計算値 520.1、実測値520.1)を得る。
【0095】
適当な出発物質を使用して上記実施例に記載の方法を繰り返すことにより、表1に同定する以下の式Iの化合物を得る。
【表1】

【0096】
【表2】

【0097】
【表3】

【0098】
【表4】

【0099】
【表5】

【0100】
転写アッセイ
トランスフェクションアッセイを使用して、本発明の化合物がPPARの転写活性を調節する能力を評価する。簡単に言うと、PPARδ、PPARαまたはPPARγのいずれかのリガンド結合ドメイン(LBD)に融合した酵母GAL4のDNA結合ドメインを含むキメラタンパク質のための発現ベクターを、ルシフェラーゼ遺伝子がGAL4結合部位の制御下にあるレポータープラスミドと共に、一過性トランスフェクションを介して哺乳動物細胞に挿入する。PPARモジュレーターに暴露されると、PPAR転写活性が変わり、これがルシフェラーゼレベルの変化によりモニターできる。トランスフェクトした細胞がPPARアゴニストに暴露されると、PPAR依存性転写活性が増加し、ルシフェラーゼレベルが上昇する。
【0101】
293Tヒト胚腎臓細胞(8x10)を、実験開始1日前に175cmフラスコの、10%FBS、1%ペニシリン/ストレプトマイシン/ファンギゾン(Fungizome)、DMEM培地中に播種する。細胞をPBS(30mL)での洗浄により回収し、次いでトリプシン(0.05%;3mL)を使用して解離させる。トリプシンをアッセイ培地(DMEM、CA−デキストランウシ胎児血清(5%))の添加により不活化する。細胞を遠沈し、170,000細胞/mlに再懸濁する。GAL4−PPAR LBD発現プラスミド(1μg)、UAS−ルシフェラーゼレポータープラスミド(1μg)、Fugene(3:1比;6μL)および無血清培地(200μL)のトランスフェクション混合物を調節し、15−40分、室温でインキュベートした。トランスフェクション混合物を細胞に添加して、0.16M細胞/mLとし、次いで細胞(50μl/ウェル)を384白色、固体底、TC処理プレートに播種する。細胞をさらに37℃、5.0%COで5−7時間インキュベートする。12点シリーズの希釈(ハーフログ連続希釈)を、10μMの化合物の出発濃度で、各試験化合物についてDMSO中に調製する。試験化合物(500nl)をアッセイプレートの各ウェルの細胞に添加し、細胞を37℃、5.0%COで18−24時間インキュベートする。細胞溶解/ルシフェラーゼアッセイ緩衝液Bright-GloTM(25%;25μl;Promega)を各ウェルに添加する。さらに5分、室温でインキュベーション後、ルシフェラーゼ活性を測定する。
【0102】
生蛍光値を、それらを各プレートに存在するDMSOコントロールの値で割ることにより標準化する。標準化データを解析し、用量−応答曲線を、Prizmグラフ適合プログラムを使用して適合させる。EC50を、化合物が最大および最低の間の半分の応答を誘発する濃度として定義する。相対的効果(またはパーセント効果)を既知を、参照PPARモジュレーターと本化合物により誘発された応答を比較することにより計算する。
【0103】
遊離形または薬学的に許容される塩形の式Iの化合物は、例えば、本明細書に記載のインビトロ試験により示される通り、価値ある薬理学的特性を示す。本発明の化合物は、好ましくはPPARδおよび/またはPPARαおよび/またはPPARγについて、5μM未満、より好ましくは1μM未満、より好ましくは500nm未満、より好ましくは100nM未満のEC50を有する。本発明の化合物は、好ましくはPPARδについて、PPARαに対するのと等しいかそれより小さいEC50を有し、これはPPARγよりも少なくとも10倍低いEC50である。
【0104】
ここに記載の実施例および態様は説明の目的のみであり、それに照らした種々の改変または変化が当業者には示唆され、本明細書の精神および範囲内および添付の特許請求の範囲に含まれることは理解すべきである。ここに引用する全ての刊行物、特許および特許出願は全ての目的のために引用により本明細書に包含させる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式I:
【化1】

〔式中:
nは、0、1および2から選択され;
は、−CR1112XCO13であり;ここで、Xは、結合およびC1−4アルキレンから選択され;そしてR11およびR12は、独立して、水素、C1−4アルキルおよびC1−4アルコキシから選択されるか;またはR11およびR12は、R11およびR12が結合している炭素原子と一緒になってC3−12シクロアルキルを形成し;そしてR13は、水素およびC1−6アルキルから選択され;
およびRは、独立して水素およびC1−6アルキルから選択され;
Vは、結合、C1−4アルキレン、−C(O)NR−および−XC(O)X−から選択され;ここで、XおよびXは、独立して結合およびC1−4アルキレンから選択され;Rは、水素およびC1−6アルキルから選択され;
Wは、(a)および(b):
【化2】

(式中、Yは、OおよびSから選択され;そしてRは、水素およびC1−6アルキルから選択される)から選択される2価基であり;
Zは、−CH−および−C(O)−から選択され;
は、水素、ハロ、C1−6アルキル、ハロ置換C1−6アルキル、C1−6アルコキシおよびハロ置換C1−6アルコキシである。〕
の化合物、およびそれらの薬学的に許容される塩、水和物、溶媒和物および異性体。
【請求項2】
nが、0および1から選択され;
が、−OCR1112XCO13であり;ここで、Xが、結合およびC1−4アルキレンから選択され;そして、R11およびR12が、独立して、水素、C1−4アルキルおよびC1−4アルコキシから選択されるか;またはR11およびR12が、R11およびR12が結合している炭素原子と一緒になってC3−12シクロアルキルを形成し;そしてR13は、水素およびC1−6アルキルから選択され;
およびRが、独立して水素およびC1−6アルキルから選択され;
Vが、結合、C1−4アルキレン、−C(O)NR−および−XC(O)X−から選択され;ここで、XおよびXが、独立して結合およびC1−4アルキレンから選択され;Rが、水素およびC1−6アルキルから選択され;
Wが、(a)および(b):
【化3】

(式中、YがSであり;そしてRが、水素およびC1−6アルキルから選択される)2価基であり;
Zが、−CH−および−C(O)−から選択され;
が、ハロ、C1−6アルキルおよびハロ置換C1−6アルキルから選択される、
請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
が、−CHCOH、−(CH)COH、−OC(CH)COHおよび−OCHCOHから選択され;RおよびRが、独立して水素、メチルおよびメトキシから選択され;そしてRがトリフルオロメチルである、請求項2に記載の化合物。
【請求項4】
Vが、結合、−C(O)−、−C(O)NH−、−C(O)N(CH)−、−CH−および−C(O)CH−から選択される、請求項3に記載の化合物。
【請求項5】
2−(2−(4−(4−(トリフルオロメチル)フェニル)−チアゾル−2−イルカルバモイル)−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−6−イルオキシ)−2−メチルプロパン酸;2−(2−(N−(4−(4−(トリフルオロメチル)フェニル)チアゾル−2−イル)−N−メチル−カルバモイル)−1,2,3,4−テトラヒドロ−イソキノリン−6−イルオキシ)−2−メチルプロパン酸;2−(2−(4−(4−(トリフルオロメチル)フェニル)チアゾル−2−イル)−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−6−イルオキシ)−2−メチルプロパン酸;2−(2−((4−(4−(トリフルオロメチル)フェニル)チアゾル−2−イル)(オキソ)メチル)−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−6−イルオキシ)−2−メチルプロパン酸;2−(2−((4−(4−(トリフルオロメチル)フェニル)チアゾル−2−イル)メチル)−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−6−イルオキシ)−2−メチルプロパン酸;2−メチル−2−{2−[4−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−チアゾル−2−イルメチル]−1,2,3,4−テトラヒドロ−イソキノリン−7−イルオキシ}−プロピオン酸;2−メチル−2−{2−[4−メチル−2−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−チアゾル−5−イルメチル]−1,2,3,4−テトラヒドロ−イソキノリン−7−イルオキシ}−プロピオン酸;2−メチル−2−{2−[4−メチル−2−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−チアゾル−5−イルメチル]−1,2,3,4−テトラヒドロ−イソキノリン−6−イルオキシ}−プロピオン酸;2−メチル−2−{2−[5−メチル−2−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−チアゾル−4−イルメチル]−1,2,3,4−テトラヒドロ−イソキノリン−5−イルオキシ}−プロピオン酸;2−メチル−2−{2−[5−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−チアゾル−2−イルメチル]−1,2,3,4−テトラヒドロ−イソキノリン−6−イルオキシ}−プロピオン酸;2−メチル−2−{2−[4−メチル−2−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−チアゾル−5−イルメチル]−1−オキソ−1,2,3,4−テトラヒドロ−イソキノリン−7−イルオキシ}−プロピオン酸;2−メチル−2−{2−[4−メチル−2−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−チアゾル−5−イルメチル]−1−オキソ−1,2,3,4−テトラヒドロ−イソキノリン−6−イルオキシ}−プロピオン酸;2−メチル−2−{2−[4−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−チアゾール−2−カルボニル]−1,2,3,4−テトラヒドロ−イソキノリン−7−イルオキシ}−プロピオン酸;2−メチル−2−(2−{2−[4−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−チアゾル−2−イル]−アセチル}−1,2,3,4−テトラヒドロ−イソキノリン−6−イルオキシ)−プロピオン酸;2−メチル−2−(2−{メチル−[4−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−チアゾル−2−イル]−カルバモイル}−1,2,3,4−テトラヒドロ−イソキノリン−7−イルオキシ)−プロピオン酸;2−メチル−2−{5−メチル−2−[4−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−チアゾル−2−イルカルバモイル]−1,2,3,4−テトラヒドロ−イソキノリン−6−イルオキシ}−プロピオン酸;および2−メチル−2−(5−メチル−2−{メチル−[4−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−チアゾル−2−イル]−カルバモイル}−1,2,3,4−テトラヒドロ−イソキノリン−6−イルオキシ)−プロピオン酸から選択される、請求項1に記載の化合物。
【請求項6】
動物におけるPPAR活性の調節が疾患の病状および/または症状を予防、阻止または軽減できる疾患または状態の処置方法であって、該動物に治療的有効量の請求項1に記載の化合物を投与することを含む、方法。
【請求項7】
PPAR活性が、PPARα、PPARδおよびPPARγから選択される少なくとも1種のPPARである、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
PPAR活性がPPARαおよびPPARδの両方である、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
該疾患または障害が、異脂肪血症、高脂血症、高コレステロール血症、アテローム性動脈硬化症、アテローム発生、高トリグリセリド血症、心不全、心筋梗塞、血管疾患、心血管疾患、高血圧、肥満、カヘキシー、炎症、関節炎、癌、摂食障害、神経性摂食障害、過食症、アルツハイマー病、皮膚障害、呼吸器疾患、眼障害、過敏性腸疾患、潰瘍性大腸炎、クローン病、1型糖尿病、2型糖尿病およびシンドロームXから選択される、請求項6に記載の方法。
【請求項10】
該疾患または障害が、HIV消耗性症候群、長期間の重病、筋肉量および/または筋肉強度の低下、低下した除脂肪体重、高齢者における筋肉強度および機能の維持、低下した筋肉持久性および筋肉機能、および高齢者における脆弱から選択される、請求項6に記載の方法。
【請求項11】
動物におけるPPAR活性が疾患の病状および/または症状に関与する疾患の処置用薬剤の製造における、請求項1から5のいずれかに記載の化合物の使用。
【請求項12】
PPAR活性がPPARα、PPARδおよびPPARγから選択される少なくとも1種のPPARである、請求項11に記載の使用。
【請求項13】
PPAR活性がPPARαおよびPPARδの両方である、請求項12に記載の使用。
【請求項14】
治療的有効量の請求項1から5のいずれかに記載の化合物を、1種以上の薬学的に許容される賦形剤と共に含む、医薬組成物。
【請求項15】
1)請求項1から5のいずれかに記載の化合物またはそれらの医薬的に許容される塩;および2)以下から選択される少なくとも1種の活性成分:
a)抗糖尿病剤、例えばインスリン、インスリン誘導体および模倣剤;インスリン分泌促進物質、例えばスルホニルウレア、例えば、グリピジド、グリブリドおよびアマリール;インスリン分泌性スルホニルウレア受容体リガンド、例えばメグリチナイド、例えば、ナテグリニドおよびレパグリニド;インスリン増感剤、例えばタンパク質チロシンホスファターゼ−1B(PTP−1B)阻害剤、例えばPTP−112;GSK3(グリコーゲンシンターゼキナーゼ−3)阻害剤、例えばSB−517955、SB−4195052、SB−216763、NN−57−05441およびNN−57−05445;RXRリガンド、例えばGW−0791およびAGN−194204;ナトリウム依存性グルコース共輸送体阻害剤、例えばT−1095;グリコーゲンホスホリラーゼA阻害剤、例えばBAY R3401;ビグアナイド、例えばメトホルミン;アルファ−グルコシダーゼ阻害剤、例えばアカルボース;GLP−1(グルカゴン様ペプチド−1)、GLP−1類似体、例えばExendin−4およびGLP−1模倣剤;ジペプチジルペプチダーゼIV阻害剤、例えばDPP728、ビルダグリプチン、MK−0431、サクサグリプチン、GSK23A;AGEブレーカー;チアゾリドン誘導体(グリタゾン)、例えばピオグリタゾン、ロシグリタゾン、または(R)−1−{4−[5−メチル−2−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−オキサゾル−4−イルメトキシ]−ベンゼンスルホニル}−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−2−カルボン酸、非グリタゾン型PPARγアゴニスト、例えばGI−262570;
b)脂質低下剤、例えば3−ヒドロキシ−3−メチル−グルタリルコエンザイムA(HMG−CoA)レダクターゼ阻害剤、例えば、ロバスタチン、ピタバスタチン、シンバスタチン、プラバスタチン、セリバスタチン、メバスタチン、ベロスタチン(velostatin)、フルバスタチン、ダルバスタチン(dalvastatin)、アトルバスタチン、ロスバスタチンおよびリバスタチン(rivastatin);スクアレンシンダーゼ阻害剤;FXR(ファルネソイドX受容体)およびLXR(肝臓X受容体)リガンド;コレスチラミン;フィブラート;ニコチン酸およびアスピリン;
c)抗肥満剤または食欲抑制剤、例えばフェンテルミン、レプチン、ブロモクリプチン、デキサンフェタミン、アンフェタミン、フェンフルラミン、デキスフェンフルラミン、シブトラミン、オーリスタット、デキスフェンフルラミン、マジンドール、フェンテルミン、フェンジメトラジン、ジエチルプロピオン、フルオキセチン、ブプロピオン、トピラメート、ジエチルプロピオン、ベンズフェタミン、フェニルプロパノールアミンまたはエコピパム(ecopipam)、エフェドリン、シュードエフェドリンまたはカンナビノイド受容体アンタゴニスト;
d)抗高血圧剤、例えば、ループ利尿剤、例えばエタクリン酸、フロセミドおよびトルセミド;利尿剤、例えばチアジド誘導体、クロロチアジド、ヒドロクロロチアジド、アミロライド;アンギオテンシン変換酵素(ACE)阻害剤、例えばベナゼプリル、カプトプリル、エナラプリル、フォシノプリル、リシノプリル、モエキシプリル、ペリノドプリル(perinodopril)、キナプリル、ラミプリルおよびトランドラプリル;Na−K−ATPase膜ポンプの阻害剤、例えばジゴキシン;中性エンドペプチダーゼ(NEP)阻害剤、例えばチオルファン、terteo−チオルファン、SQ29072;ECE阻害剤、例えばSLV306;ACE/NEP阻害剤、例えばオマパトリラート、サムパトリラート(sampatrilat)およびファシドトリル;アンギオテンシンIIアンタゴニスト、例えばカンデサルタン、エプロサルタン、イルベサルタン、ロサルタン、テルミサルタンおよびバルサルタン、特にバルサルタン;レニン阻害剤、例えばアリスキレン、テルラキレン(terlakiren)、ジテキレン(ditekiren)、RO 66−1132、RO−66−1168;β−アドレナリン受容体ブロッカー、例えばアセブトロール、アテノロール、ベタキソロール、ビソプロロール、メトプロロール、ナドロール、プロプラノロール、ソタロールおよびチモロール;変力剤、例えばジゴキシン、ドブタミンおよびミルリノン;カルシウムチャネルブロッカー、例えばアムロジピン、ベプリジル、ジルチアゼム、フェロジピン、ニカルジピン、ニモジピン、ニフェジピン、ニソルジピンおよびベラパミル;アルドステロン受容体アンタゴニスト;およびアルドステロンシンダーゼ阻害剤;
e)HDL増加化合物;
f)コレステロール吸収調節剤、例えばZetia(登録商標)およびKT6−971;
g)Apo−A1類似体および模倣剤;
h)トロンビン阻害剤、例えばキシメラガトラン;
i)アルドステロン阻害剤、例えばアナストロゾール(anastrazole)、ファドロゾール(fadrazole)、エプレレノン;
j)血小板凝集の阻害剤、例えばアスピリン、硫酸クロピドグレル;
k)エストロゲン、テストステロン、選択的エストロゲン受容体モジュレーター、選択的アンドロゲン受容体モジュレーター;
l)化学療法剤、例えばアロマターゼ阻害剤、例えばフェマーラ、抗エストロゲン、トポイソメラーゼI阻害剤、トポイソメラーゼII阻害剤、微小管活性化剤、アルキル化剤、抗新生物代謝拮抗剤、プラチン化合物、タンパク質キナーゼ活性を低下させる化合物、例えばPDGF受容体チロシンキナーゼ阻害剤、好ましくはイマチニブまたは4−メチル−N−[3−(4−メチル−イミダゾル−1−イル)−5−トリフルオロメチル−フェニル]−3−(4−ピリジン−3−イル−ピリミジン−2−イルアミノ)−ベンズアミド;および
m)5−HT受容体と相互作用する薬剤および/または5−HT受容体と相互作用する薬剤、例えばテガセロド、マレイン酸水素テガセロド、シサプリド、シランセトロン(cilansetron);
または、いずれの場合もそれらの薬学的に許容される塩;および所望により薬学的に許容される担体を含む、医薬組合せ、とりわけ医薬組成物。
【請求項16】
異脂肪血症、高脂血症、高コレステロール血症、アテローム性動脈硬化症、高トリグリセリド血症、心不全、心筋梗塞、血管疾患、心血管疾患、高血圧、肥満、炎症、関節炎、癌、アルツハイマー病、皮膚障害、呼吸器疾患、眼障害、炎症性腸疾患、IBD(過敏性腸疾患)、潰瘍性大腸炎、クローン病、耐糖能障害、高血糖およびインスリン抵抗性が関与する状態、例えば1型および2型糖尿病、障害されたグルコース代謝(IGM)、耐糖能障害(IGT)、障害された空腹時グルコース(IFG)、およびシンドロームXの処置または予防のための、請求項14に記載の医薬組成物または請求項15に記載の組合せ。
【請求項17】
医薬として使用するための、請求項1から5のいずれかに記載の化合物、または請求項10に記載の医薬組成物、または請求項11に記載の組合せ。
【請求項18】
異脂肪血症、高脂血症、高コレステロール血症、アテローム性動脈硬化症、高トリグリセリド血症、心不全、心筋梗塞、血管疾患、心血管疾患、高血圧、肥満、炎症、関節炎、癌、アルツハイマー病、皮膚障害、呼吸器疾患、眼障害、炎症性腸疾患、IBD(過敏性腸疾患)、潰瘍性大腸炎、クローン病、耐糖能障害、高血糖およびインスリン抵抗性が関与する状態、例えば1型および2型糖尿病、障害されたグルコース代謝(IGM)、耐糖能障害(IGT)、障害された空腹時グルコース(IFG)、およびシンドロームXの処置または予防用薬剤の製造のための、請求項1から5のいずれかに記載の化合物、または請求項14に記載の医薬組成物、または請求項15に記載の組合せの使用。

【公表番号】特表2009−525275(P2009−525275A)
【公表日】平成21年7月9日(2009.7.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−552420(P2008−552420)
【出願日】平成19年1月25日(2007.1.25)
【国際出願番号】PCT/US2007/002115
【国際公開番号】WO2007/089557
【国際公開日】平成19年8月9日(2007.8.9)
【出願人】(503261524)アイアールエム・リミテッド・ライアビリティ・カンパニー (158)
【氏名又は名称原語表記】IRM,LLC
【Fターム(参考)】