説明

多目的携帯用テント

【課題】人が野外で過す時、紫外線、真夏の熱射光を気にすることなく日光浴、休息が可能でゆったりとした日影空間が形成でき、組立、折畳みが簡単且つ、軽量コンパクトで携帯性に優れた多目的テントに関する。
【解決手段】四辺形の紫外線、熱遮光カットシート11と、前記シートの骨材とシートを固定する固定手段と、その固定手段により固定された先端に向けて細くしたバネ性状の骨材14,15およびそれに繋がる2本の支柱材12,13と、アンカー紐21およびアンカーピン23と、を有し、前記バネ性状骨材と2本の支柱で支えることにより、前記シートに人の活動を容易にするアーチ状のふくらみを形成し、人が紫外線を浴びることなく日光浴、休息、あるいは避暑の環境を得る、さらに伸縮自在な骨材および支柱と一枚の四辺形のシートで構成することにより、軽量コンパクトに折り畳み携帯できる機能を有してなるテントを提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は人が太陽光の下で日光浴、休息する時に体を紫外線、熱射光から守る健康器具、レジャー用具を目的とした携帯用テントに関するものである。
【背景技術】
【0002】
人が健康を維持していく上で適度な太陽光を浴びることが大切なことは周知の通りであり、休日野外に出て日光浴、ハイキング、海水浴等を通じて太陽光を浴び心身の健康を図ることは重要なことである。ところが近年オゾン層の破壊による紫外線の人体への影響が地球規模の環境問題となっており、皮膚がん、白内障、美容ではしみそばかす、肌荒れ、肌の老化等の原因としてその対策に世界各国ともに苦慮しているところである。特に北欧など北の国では、乾燥した澄んだ空気により紫外線の透過率が高く、また2〜3ヶ月の夏の間しか太陽光を浴びるチャンスがないことから、その期間中全身日光浴をする習慣もあり、統計的に見て近年皮膚がんが急増傾向にあるなど深刻な問題を抱えていると聞く。日本においてもアウトドアーレジャーのベストシーズンである4月以降もっとも紫外線の強い時期に入るため、太陽光の下で過ごす場合の紫外線暴露時間を少なくする必要性が認識され、現在その防護用品として、化粧品、メガネ、衣類、日よけ用品等多方面の分野で紫外防護を目的とした発明、考案がなされている。
【0003】
人が野外の太陽光の下で過ごすときに紫外線防護、直射日光の遮断などの目的で従来日傘、パラソルなどでUVカット布あるいは熱射光遮断布を使ったものがすでに多く出回っている。また、最近四角いシートの四隅にスチール製の柱を立てて日影作りを目的としたレジャー用テントも市販されている。しかし、積極的に日光浴をするための紫外線カットテント等は存在しない。折りたたみ日傘は、携帯性に優れ、野外で過ごすときの快適な日影作りに有効な手段であるが、常に手で持つ必要があり長時間の休息の空間作りには適さない。パラソルも専用スタンドを使えば適度な日影作りには適しているが中心にシャフトがありスタンドも中央に設けることになり、人が寝そべって使うときなど全身を日影で包み込むような空間作りには適さず、かつ大きな日影を作ろうとすれば大型のパラソルを用いることになり、携帯性がなくなり車等での運搬を余儀なくされる。最近出回っている四角いシートの四隅に柱を立てて日影を作るテントにおいても人が内部でくつろげる空間を作ろうとすると大掛かりになりリュック、バッグ等に入れて簡単に持ち運びできる携帯性に優れたものは存在していない。特開平05−006049等
【特許文献1】特開平05−006049
【特許文献2】特開平08−199860
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の第一の目的は、上述の従来技術の問題に鑑み、一人または複数人の人が太陽光の下で座ったり寝そべったりしながら休息するときに、中で動きやすく、且つ全身を覆う日影空間を作ることが可能なテントを提供すること。第二の目的は、紫外線を浴びることなく日光浴ができる健康器具としての機能および、海、山、ハイキングで紫外線、熱射光にさらされること無く手軽に休息スペースを得ることができるレジャー用品としての機能を有するテントを提供すること。さらに第三の目的は、軽量でコンパクトに折り畳みができ、ハンドバッグ、リュックサックなどに納まる携帯性に優れたテントを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記第一の目的を達成するために請求項1に係るテントは、一人または数人の人が休息する場所として適当な広さの日影を作りうる幅と長さを有する四辺形のシートと、前記シートと骨材を固定する固定手段と、前記固定手段により固定された先端に向けて細くしたバネ性状骨材よびそれに繋がる2本の支柱材と、四辺形のシートの4角に設けたアンカー用紐とアンカーピンからなり、2本の支柱を立て4本のアンカー用紐をアンカーピンに固定し、適当な張力になるよう紐の長さを調整することにより、ポケットに入った骨材がアーチ状に曲がり適当なふくらみを持った形でテントを張るよう構成したものである。
【0006】
上記第二の目的を達成するため請求項1および2にかかるテントは、シートの材質をUVカットフイルムを布状にした素材で構成し、紫外線のみを遮断し人が日光浴できる空間を作り、健康器具として活用できる構成にした。また、真夏の強い太陽光の下で人が休息するとき、紫外線と熱射光から皮膚や目を守ることを可能にするために、前記シート材質をUVカットおよび熱射光カット布、あるいは完全遮光布を用いることにより健康器具及びレジャー用具としての機能を持たせる構成にした。
【0007】
上記第三の目的を達成するため請求項1及び2にかかるテントは、支柱とバネ性状骨材を直径を異にする複数のパイプ構成とし、収納するときは最大径のパイプの中に納まり、結果として2本の短いパイプと一枚の四辺形のシートとしてコンパクトに折りたたみ収納、持ち運びができる構造にしている。
【発明の効果】
【0008】
前記第一の手段によれば、2本の支柱を立て4本のアンカー用紐の張力を調整することにより、シートに固定されたバネ性状の骨材がアーチ状に曲がり、シートに適当なふくらみが生じ、人が内部で動き易い空間が生じる効果がある。
【0009】
前記第二の手段によれば、シートの材質をUVカットフイルムを布状にしたもの、又はUVカット及び熱射光カット布、又は完全遮光布で製作し、かつ、携帯性を持たせたことにより、健康作りのための日光浴、ハイキング、山登り、海水浴等レジャー時の休息空間作り等春夏秋冬いつでもどこでもそのときの目的に合わせて使い分けができ、紫外線を気にすること無く太陽の下で過ごすことができる効果がある。
【0010】
前記第三の手段によれば、支柱とバネ性状骨材を直径を異にする複数のパイプ構成とすることにより収納する時に最大径のパイプの中に納まり、結果として2本の短いパイプと一枚の四辺形のシートとしてコンパクトに折りたたみ収納ができ、且つ軽量化が可能で、折り畳み傘のような手軽さでハンドバッグやリュックサックに入れて携帯できる効果がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
本発明の実施例について図面を参照しながら説明する。
【実施例1】
【0012】
図1は本発明のテントを張った状態を示している。シート11は直径を異にする支柱12,13とその先端に接続された、直径を異にするバネ性状骨材14、15により支えられ、4本のアンカー用紐21および地面に打ち込まれたアンカーピン23によって地上に固定している。また、アンカー紐21には長さ調整金具22を取り付けシートが適当な張力になるように長さを調整できるようにしている。
【0013】
図2はテントを張る前の支柱とバネ性状骨材を伸ばした状態の平面図を示している。四辺形のシート11の2箇所にバネ性状骨材用ポケット16を設け、同ポケット内に先端に向けて細くし且つ2段のパイプ構成としたバネ性状骨材14,15を挿入している。骨材15の先端には同骨材をポケットに通すための案内用紐17を、骨材14の後端には二段のパイプ構成とした支柱12,13を取り付けている。なお、支柱およびバネ性状骨材の異径パイプ化による段数は機能上何段でも構わず、持ち運び時の携帯性を考慮して決めればよい。案内用紐の先端にはクリップ18を取り付け、骨材挿入後フリーになった紐のシートへの固定および、ポケットからの抜け防止を図っている。シート11の四隅にはアンカー紐固定用補強プレート19および穴20を設けている。なお、四辺形シート11は、正方形、長方形、台形いずれでも構わない。
【0014】
図3はテントを張る前の支柱とバネ性状骨材を縮めた状態図を示している。前述の通り、支柱および骨材は径の異なる4段のパイプ構造とし、縮めたとき支柱12の中へ収まる構造としている。このとき案内用紐17はポケット16内を貫通し骨材の先端と繋がっている。このときクリップ18は抜け止めの役割を果たしている。
【実施例2】
【0015】
図4はテントを張る前の支柱とバネ性状骨材の状態図を示している。最先端のバネ性状骨材25を、二段目以降のバネ性状骨材14、及び支柱12、13と分離して単独でシートに接着、又は面ファスナー24で着脱可能な状態に貼り付けている。組み立てる時は、分離されている二段目以降の支柱12,13、及び骨材14を先端部のバネ性状骨材25に接続し、分解するときには前記骨材の接続を分離し、最先端部の骨材25はシート11と一緒に折りたたむか、又はシート11から外して別々に折りたたみコンパクトに収納できるようにしている。
【実施例3】
【0016】
図5は反支柱側のアンカー位置を変えることにより、テントの張り形状を変えたときの状態図である。四辺形のシートの前側(支柱側)の高さは支柱の高さにより固定されるが、後側は支柱が無くフリーになっており、後側のアンカーの位置を変えることによりテントと地面との隙間を自在に変えることができる構造にとなっている。図5では反支柱側のアンカー紐を外し、アンカー紐固定用穴20に直接アンカーピン23を差込み留めた図であり、反支柱側シート端は地上に接触している。
【実施例4】
【0017】
図6は反支柱側のアンカー位置を変えることにより、テントの張り形状を変えた状態図である。反支柱側アンカー紐21を周囲の木の枝等に固定しテントを地面と平行に張っている。これにより大人数がテント内に入ることが可能となる。このように太陽光の方向に応じて日影の位置を変化させる、または中に入る人数により空間の大きさを変えることができる。
【0018】
図7、図8は実施例1のテント張り状態図に人のシルエットを入れた実使用状態図である。図7において、二本のバネ性状骨材により形成されるテント天井のアーチ形ふくらみにより、人が座っても圧迫感を感じない動きやすい空間ができている。また、図8においては人が寝そべっても支柱が邪魔になることなく日陰の中央に寝そべることが可能であり日影を最大限に休息エリアとして活用できていることが判る。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】テント張り状態図(実施例1)
【図2】テントの平面図(支柱伸時)
【図3】テントの平面図(支柱縮時)
【図4】テントの平面図(実施例2)
【図5】テント張り状態図(実施例3)
【図6】テント張り状態図(実施例4)
【図7】人が座った時の実使用状態図
【図8】人が寝そべった時の実使用状態図
【符号の説明】
【0020】
11 テント用シート
12 支柱
13 支柱
14 バネ性状骨材
15 バネ性状骨材
16 骨材用ポケット
17 誘導紐
18 クリップ
19 補強プレート
20 アンカー紐固定穴
21 アンカー紐
22 長さ調整金具
23 アンカーピン
24 面ファスナー
25 最先端バネ性状骨材


【特許請求の範囲】
【請求項1】
四辺形のシートと、前記シートの骨材とシートの固定手段と、前記固定手段により固定された先端に向けて細くしたバネ性状の骨材およびそれに繋がる2本の支柱材と、前記シートの4角に設けたアンカー固定用の紐およびアンカーピンと、により構成されたことを特徴とするテント。
【請求項2】
前記シートの材質を、UVカット布、又はUVカット及び熱射光カット布、又は完全遮光布としたことを特徴とする請求項1に記載のテント。
【請求項3】
前記バネ性状骨材とそれに繋がる支柱は、伸縮自在な部分を有することを特徴とする請求項1又は2に記載のテント。


【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図1】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2007−100459(P2007−100459A)
【公開日】平成19年4月19日(2007.4.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−294495(P2005−294495)
【出願日】平成17年10月7日(2005.10.7)
【出願人】(305020974)
【Fターム(参考)】