説明

多相アクリル系接着剤

【課題】破壊強靭性を示す多相アクリル系接着剤を提供する。
【解決手段】(A)全組成の1ないし25質量%のゴム、(B)全組成の25ないし75質量%の、アクリルもしくはメタクリル酸又はその誘導体を含むモノマー又はモノマーブレンド、(C)全組成の1ないし50質量%のポリウレタン又はメタ(アクリル化)ポリウレタン、及び(D)少なくとも1種のコアシェル粒子を含む未硬化の重合性組成物であり、硬化により、少なくとも2つの、相互貫入ネットワークの共連続相及び少なくとも2種のポリマー状包含物を含み、前記共連続相の1方は少なくとも1つのアクリルもしくはメタクリル酸モノマー又はその誘導体のポリマーを含む、硬化(メタ)アクリレートベースの接着剤組成物をもたらす未硬化の重合性組成物。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
概要
本発明は、未硬化及び硬化アクリル系接着剤に関し、その後者は、少なくとも2種類の異なるポリマー状ネットワーク及び少なくとも2種類の包含物を含む。硬化接着剤は、強化された破壊靭性を示す。
【背景技術】
【0002】
発明の背景
アクリル系接着剤は、不飽和化合物によって硬化し、ほとんどの場合、メタクリル酸のエステルのフリーラジカル重合によって硬化する。アクリル系接着剤は、室温における早い硬化、早い強度増加、多種多様な基材への良好な接着という利点を有する。しかしながら、メタクリル酸エステルモノマーは、しばしば、脆いポリマーをもたらす。構造的な接着結合を達成するために、アクリル系樹脂は強化されなければならない。これは、通常、接着剤配合物に耐衝撃性改良剤を添加することによって達成される。その例は、ポリクロロプレン(米国特許第3,333,025号明細書)、スチレン−ブタジエン−スチレン(米国特許第4,182,644号明細書)、コアシェルポリマー粒子(米国特許第4,942,201号明細書)、クロロスルホン化ポリエチレン(米国特許第4,106,971号明細書)、メタクリル官能性を有するポリウレタンオリゴマー(米国特許第3,873,640号明細書)、メタクリル官能化ブタジエンゴム(米国特許第4,769,419号明細書)である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
特に、室温以下の温度において、靭性が強化されたアクリル系接着剤への要求が存在する。
【課題を解決するための手段】
【0004】
特に本発明は以下の[1]〜[13]を対象とする。
[1](A)全組成の1ないし25質量%のゴム、(B)全組成の25ないし75質量%の、アクリルもしくはメタクリル酸又はその誘導体を含むモノマー又はモノマーブレンド、(C)全組成の1ないし50質量%のポリウレタン又はメタ(アクリル化)ポリウレタン、及び(D)少なくとも1種のコアシェル粒子を含む未硬化の重合性組成物。
[2]硬化により、少なくとも2つの、相互貫入ネットワークの共連続相及び少なくとも2種のポリマー状包含物を含み、前記共連続相の1方は少なくとも1つのアクリルもしくはメタクリル酸モノマー又はその誘導体のポリマーを含む、硬化(メタ)アクリレートベースの接着剤組成物をもたらす[1]に記載の未硬化の重合性組成物。
[3]コアシェル粒子の量が全組成の0.1ないし30質量%である[1]又は[2]に記載の未硬化の重合性組成物。
[4]少なくとも1種の第三アミンを含む[1]ないし[3]のいずれか1項に記載の未硬化の重合性組成物。
[5]第三アミンの量が全組成の0.5ないし7質量%である[4]に記載の未硬化の重合性組成物。
[6]第一調剤単位及び第二調剤単位を含む2部分カートリッジ(two−part cartridge)であって、前記第一調剤単位は(A)全組成の1ないし25質量%のゴム又はその前駆体、(B)全組成の25ないし75質量%の、アクリルもしくはメタクリル酸又はその誘導体を含むモノマー又はモノマーブレンド、(C)全組成の1ないし50質量%のポリウレタン又はメタ(アクリル化)ポリウレタン、及び(D)少なくとも1
種のコアシェル粒子、を含む第一組成物を含み、前記第二調剤単位は前記第一組成物の重合を誘導可能な化合物を少なくとも1種含む第二組成物を含む2部分カートリッジ。
[7]前記第一組成物が少なくとも1種の第三アミンをも含む[6]に記載の2部分カートリッジ。
[8]カートリッジに取付けられた静的混合装置を有する[6]又は[7]に記載の2部分カートリッジ。
[9]2つの基材を接着結合するための方法であって、(A)全組成の1ないし25質量%のゴム又はその前駆体、(B)全組成の25ないし75質量%の、アクリルもしくはメタクリル酸又はその誘導体を含むモノマー又はモノマーブレンド、(C)全組成の1ないし50質量%のポリウレタン又はメタ(アクリル化)ポリウレタン、及び(D)少なくとも1種のコアシェル粒子、を含む未硬化の重合性組成物を表面に塗布し、フリーラジカル重合によって重合/硬化させるところの方法。
[10]前記組成物が、更に少なくとも1種の第三アミンを含む[9]に記載の方法。
[11]フリーラジカル重合が、ジベンゾイルペルオキシドを含む組成物を前記未硬化の組成物に添加することによって開始される[9]に記載の方法。
[12]フリーラジカル重合が、トリアルキルボラン又はトリアルキルボランアミン錯体を含む組成物を添加することによって開始される[9]又は[10]に記載の方法。
[13]硬化後に、少なくとも2つの、相互貫入ネットワークの共連続相及び少なくとも2種のポリマー状包含物を含み、前記共連続相の1方は少なくとも1つのアクリルもしくはメタクリル酸モノマー又はその誘導体のポリマーを含む、硬化(メタ)アクリレートベースの接着剤組成物をもたらす[9]ないし[12]のいずれか1項に記載の方法。
【図面の簡単な説明】
【0005】
【図1】図1は、比較例1のTEM写真(倍率:×4600)を示す(写真に書き込まれた円は、電子ビームによって引き起こされた分解である。)。
【図2】図2は、比較例4のTEM写真(倍率:×11000)を示す。
【図3】図3は、比較例4のTEM写真(倍率:×11000)を示す。
【図4】図4は、実施例4のTEM写真(倍率:×8400)を示す。
【発明を実施するための形態】
【0006】
発明の詳細な説明
A.硬化組成物の形態
本発明の第一目的は、少なくとも2つの、相互貫入ネットワークの共連続相及び少なくとも2種のポリマー状包含物を含む硬化(メタ)アクリレートベースの接着剤組成物の提供であって、前記共連続相の1方はポリマー又は少なくとも1つのアクリル又はメタクリル酸モノマー又はその誘導体のポリマーかコポリマーを含む。
【0007】
概説した形態を持つ本発明に従った硬化アクリル系接着剤組成物は、特に、周囲温度以下の温度、とりわけ−40℃程度の温度において、改善された破壊靭性を示す。
【0008】
共連続相及びIPNs
ここで使用される用語‘‘共連続’’とは、各相が空間においてつながるため、ポリマーブレンドの分散相及び連続相の区別が困難となることを意味する。材料の選択次第で、第一相が第二相内に分散される領域も、第二相が第一相内に分散される領域でも同様にあり得る。様々な共連続形態の記載、及び、共連続形態を評価、分析及び特徴付けるための方法については、sperling及びそこに引用された文献を参照されたい(L.H.Sperling,Chapter 1‘‘Interpenetrating Polymer Networks:An Overview’’,Interpenetrating Polymer Networks,D.Klempner,L.H.Sperling及びL.A.Utracki著,Advances in Chemistr
y Series #239,3−38,1994)。各ポリマーは連続構造の形態にあり、そこでは、各ポリマーの構造は、共連続マクロ構造を形成するために互いに絡み合っている。各構造は、絡み合っているけれども、互いに独立したままである。共連続相を有する材料は、多くの様々な方法によってつくられ得る。例えば、ポリマー状第一相材料をポリマー状第二相材料と機械的にブレンドすることにより、共連続系を達成し得る。共連続相は、まず、超臨界流体抽出法によって溶解し、その後、相分離し、熱及び/又は機械的せん断に曝露することによっても形成され得る。
【0009】
幾つかの方法及びそれらの組み合わせは、共連続相構造を同定し得る。1つの方法は、熱分析、特に熱動的機械分光法及び示差走査熱量測定である。個々のポリマーの熱転移のシフト及び/又はブロードは、相の混和性及び/又は分散性の度合いの尺度である。相分離がナノスケールのレベル(100nm未満)である場合、共連続相は、2つの成分の中間のガラス転移温度を有する界面相のような挙動を示す。共連続相構造の同定のための他の確実な方法は、硬化接着剤のミクロトーム部分の透過電子顕微鏡法(TEM)である。四酸化オスミニウムを用いたサンプルの染色は、相間の視覚で区別するのに役立つ。
【0010】
本発明に従った共連続相はまた、相互貫入ポリマーネットワーク(IPNs)の作成によっても得られる。
【0011】
ここで使用される用語‘‘相互貫入ネットワーク’’は、分子スケールで少なくとも部分的に交錯させられた2つ以上のネットワークを含むポリマー又はコポリマーを意味する。
【0012】
より重要なIPNsのいくつかは、同時IPNs、逐次IPNs、勾配IPNs、ラテックスIPNs、熱可塑IPNs及びセミ−IPNsを含む。これら及び他の種類のIPNs、それらの物理的性質(例えば、相図)及びそれらの製造及び特徴付けの方法は、例えばL.H.Sperling,‘‘Interpenetrating Polymer Networks:An Overview’’,Interpenetrating Polymer Networks,D.Klempner,L.H.Sperling及びL.A.Utracki著,Advances in Chemistry Series #239,3−38,1994に記載されている。
【0013】
同時IPNsは、2つ以上のポリマーネットワークの各モノマー又はプレポリマーと架橋剤及び活性剤を一緒に混合することによってつくられ得る。その後、各モノマー又はプレポリマーは、同時に妨害しあわない方法で反応させられる。例えば、一方の反応が連鎖重合の反応速度によって進められ得、他方の反応が段階重合によって進められ得る。
【0014】
順次IPNsは、まず、開始ポリマーネットワークを形成することによってつくられる。その後、1つ以上の更なるネットワークのモノマー、架橋剤及び活性剤を、開始ポリマーネットワーク中で膨張させ、そこでそのまま反応させて、更なるポリマーネットワークをもたらす。
【0015】
勾配IPNsは、IPNの全組成又は架橋密度が、材料の中である位置から別の位置へ巨視的に変わるような方法で合成される。このような系は、例えば、フィルムの内部を貫通している組成物の勾配を利用して、第一ポリマーネットワークが主にフィルムの片面に、第二ポリマーネットワークがフィルムのもう一方の片面に形成されることによって作られ得る。
【0016】
ラテックスIPNsは、ラテックスの形態(例えば、コア及びシェル構造)でつくられる。いくつかのバリエーションでは、2つ以上のラテックスが混合され、ポリマーを架橋
するフィルムを形成し得る。
【0017】
熱可塑性IPNsは、化学的な架橋の代わりに物理的な架橋を含むポリマーブレンドとIPNsの合成である。結果として、これらの材料は、いわば、熱可塑性エラストマーと同様に、高温においては自由に動き得るが、通常の使用温度においては、架橋されて、IPNsのような挙動を示す。
【0018】
セミ−IPNsは、1つ以上のポリマーが架橋され、かつ1つ以上のポリマーが直鎖状であるか又は枝分かれしている2種以上のポリマーから構成されている。共連続性は、多成分系並びに二成分系において達成され得る。
【0019】
ポリマー及びモノマー
本発明の少なくとも1つの共連続相、好ましくは2つの共連続相−並びに包含物−は、アクリル及び/又はメタクリル酸又はその誘導体のポリマーである。本発明の好ましい態様において、誘導体は、a)アクリル酸及び/又はメタクリル酸とモノ−、ジ−及びポリオールのエステル、b)アクリル酸及び/又はメタクリル酸とヒドロキシル官能化ポリエーテルのエステル、c)アクリル酸及び/又はメタクリル酸とヒドロキシル官能化ポリエステルのエステル、d)アクリル酸及び/又はメタクリル酸とヒドロキシル官能化脂環式及び芳香族化合物のエステルである。これらの誘導体は、更なる重合可能な官能基を含み得る。適当な誘導体はまた、ラジカル重合によって重合され得るので、アクリル基を有するオリゴマー又はポリマーであり得る。
【0020】
前記ポリマーをもたらす適当なモノマーの例は、メチルメタクリレート、メチルアクリレート、ブチルメタクリレート、t−ブチルメタクリレート、2−エチルヘキシアクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、エチルアクリレート、イソボルニルメタクリレート、イソボルニルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、グリシジルメタクリレート、テトラヒドロフルフリルメタクリレート、アクリルアミド、n−メチルアクリルアミドである。更なる例は、アミド−、シアノ−、クロロ−及びシラン置換基を含むヒドロキシル基以外の単官能化又は多官能化モノマーを含むアクリレート又はメタクリレートを含む。特定のアクリル又はメタクリルモノマーの組み合わせは、本発明に従って、あまり臭わない重合性組成物を提供するという点で特に有利なものであることが分かった。このようなモノマーの組み合わせは、好ましくは、a)モノマーブレンドの総質量に基づき10ないし90質量%のテトラヒドロフルフリルメタクリレート;b)モノマーブレンドの総質量に基づき5ないし80質量%の、2−エチルヘキシルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、2−エトキシエチルメタクリレート、シクロヘキシルメタクリレート、イソボルニルメタクリレート、イソオクチルアクリレート及びイソオクチルメタクリレートからなる群から選択される少なくとも1種のモノマー;及びc)モノマーブレンドの総質量に基づき0ないし70質量%の、イソブチルメタクリレート、n−ブチルメタクリレート、シクロヘキシルメタクリレート、シクロヘキシルアクリレート、n−ヘキシルメタクリレート、イソボルニルメタクリレート、イソデシルメタクリレート及びイソデシルアクリレートからなる群から選択される少なくとも1種のモノマーを含む。
【0021】
本発明において有用な重合性モノマー/オリゴマー類は、以下の一般式に相当する。
【化1】

(式中、Rは、水素原子、メチル基、エチル基、−CH2OH及び
【化2】

からなる群から選択され、
R’は、塩素原子、メチル基及びエチル基からなる群から選択され、
R’’は、水素原子、ヒドロキシル基及び
【化3】

からなる群から選択され、
mは、少なくとも1と等しい整数を表し、例えば1ないし8又はそれ以上、好ましくは1ないし4を含み、
nは、少なくとも1と等しい整数、例えば1ないし20又はそれ以上を表し、
pは、0又は1を表わす。)。上記一般式に含まれるモノマーには、例えばエチレングリコールジメタアクリレート、エチレングリコールジアクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、テトラエチレングリコールジメタクリレート、ジグリセロールジアクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、ペンタエリトリトールトリアクリレート、トリメチルプロパントリメタクリレート及び他のポリエーテルジアクリレート及びジメタクリレートがある。この種の材料は、基本的に、米国特許第5,106,928号明細書及び米国特許第3,043,820号明細書に記載されている。
【0022】
前記ポリマーを構築するために有用な他の種類の重合性モノマーは、以下の一般式に相当する。
【化4】

[式中、
Rは、水素原子、塩素原子、メチル基又はエチル基を表し、
R’は、2ないし6個の炭素原子を有するアルキレン基を表し、
R’’は、(CH2m(式中、mは、0ないし8の整数を表す。)を表すか、又は、
【化5】

を表し、
nは、1ないし4の整数を表し、
R’’’は、メチル基を表す。]。この種の典型的なモノマーには、例えばビス(エチレングリコール)アジペートのジメチルアクリレート、ビス(エチレングリコール)マレエートのジメチルアクリレート、ビス(エチレングリコール)フタレートのジメチルアクリレート、ビス(テトラエチレングリコール)フタレートのジメチルアクリレート、ビス(テトラエチレングリコール)セバケートのジメチルアクリレート、ビス(テトラエチレングリコール)マレエートのジメチルアクリレート及び前記ジメタアクリレートに対応するジアクリレート及びクロロアクリレート等がある。この種の重合性モノマーは、基本的に、米国特許第5,106,928号明細書及び米国特許第3,457,212号明細書に記載されている。
【0023】
他の有用な本発明の重合性化合物類は、イソシアネート−ヒドロキシアクリレート又はイソシアネート−アミノアクリレート反応生成物であるモノマーを含む。この種の有用な化合物で典型的なものは、モノ−又はポリ−イソシアネート、例えばトルエンジイソシアネートと、非アクリレート部分においてヒドロキシ基又はアミノ基を含むアクリルエステル、例えばヒドロキシエチルメタクリレートとの反応生成物を含む。上記モノマー類は、基本的に、米国特許第5,106,928号明細書に記載されている。
【0024】
ここで有用な他のモノマー/オリゴマー/ポリマー類は、ビスフェノール型化合物のモノ−及びポリアクリレートエステル及びメタクリレートエステルであり、その多くが広く市販で入手可能である。これらの化合物は、以下の式によって記載され得る。
【化6】

(式中、
1は、メチル基、エチル基、カルボキシアルキル基又は水素原子を表し、
2は、水素原子、メチル基又はエチル基を表し、
3は、水素原子又はメチル基を表し、
4は、水素原子、塩素原子、メチル基又はエチル基を表し、
nは、0ないし8の整数を表す。)。上記した種類の典型的なモノマーには、4,4’−ビス−ヒドロキシエトキシ−ビスフェノールAのジメタクリレート及びジアクリレートエステル、ビスフェノールAのジメタクリレート及びジアクリレートエステル等がある。これらのモノマーは、基本的に、米国特許第5,106,928号明細書に記載されてい
る。
【0025】
本発明に適している(メタ)アクリレートは既知の化合物であり、幾つかは、例えば、サートマーカンパニーからSR203(登録商標:SR)、SR295(登録商標:SR)、SR350(登録商標:SR)、SR351(登録商標:SR)、SR367(登録商標:SR)、SR399(登録商標:SR)、SR444(登録商標:SR)、SR454(登録商標:SR)又はSR9041(登録商標:SR)等の商標名で市販入手可能である。
【0026】
ジ(メタ)アクリレートの適切な例は、脂環式又は芳香族ジオールのジ(メタ)アクリレートであり、例えば、1,4−ジヒドロキシメチルシクロヘキサン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−シクロヘキシル)プロパン、ビス(4−ヒドロキシ−シクロヘキシル)メタン、ヒドロキノン、4,4−ジヒドロキシビフェニル、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS、エトキシ化又はプロポキシ化ビスフェノールA、エトキシ化又はプロポキシ化ビスフェノールF又はエトキシ化又はプロポキシ化ビスフェノールSである。この種のジ(メタ)アクリレートは既知であり、中には市販で入手可能なものもある。
【0027】
市販で入手可能な多官能性モノマーの例は、日本化薬株式会社製のカヤラド(登録商標:KAYARAD)シリーズ、R−526、HDDA、NPGDA、TPGDA、MANDA、R−551、R−712、R−604、R−684、PET−30、GPO−303、TMPTA、THE−330、DPHA−2H、DPHA−2C、DPHA−21、D−310、D−330、DPCA−20、DPCA−30、DPCA−60、DPCA−120、DN−0075、DN−2475、T−1420、T−2020、T−2040、TPA−320、TPA−330、RP−1040、R−011、R−300、R−205;東亜合成化学工業株式会社製のアロニックス(登録商標:Aronix)シリーズ、M−210、M−220、M−233、M−240、M−215、M− 305、M−309、M−310、M−315、M−325、M−400、M−6200、M−6400である。更なる例は、共栄社化学工業株式会社製のライトアクリレート(登録商標:Light acrylate)BP−4EA、BP−4PA、BP−2EA、BP−2PA、DCP−A;第一工業製薬株式会社製のニューフロンティア(登録商標:New Frontier)BPE−4、TEICA、BR−42M、GX−8345;日本鋼化学株式会社製のASF−400;昭和高分子株式会社製のリポキシ(登録商標:Ripoxy)SP−1506、SP−1507、SP−1509、VR−77、SP−4010、SP−4060;新中村化学工業株式会社製のNKエステルA−BPE−4;三菱化学株式会社製のSA−1002;大阪有機化学工業株式会社製のビスコート(登録商標:Viscoat)シリーズ、ビスコート−195、ビスコート−230、ビスコート−260、ビスコート−310、ビスコート−214HP、ビスコート−295、ビスコート−300、ビスコート−360、ビスコート−GPT、ビスコート−400、ビスコート−700、ビスコート−540、ビスコート−3000、ビスコート−3700を含む。
【0028】
他の適切な(メタ)アクリレートは、フリーラジカル硬化性成分がトリ(メタ)アクリレート又はペンタ(メタ)アクリレートを含むものである。適切な芳香族トリ(メタ)アクリレートの例は、3価フェノール及びヒドロキシル基を3つ含むフェノール又はクレゾールノボラックのトリグリシジルエーテルと(メタ)アクリル酸の反応生成物である。
【0029】
他の種類の(メタ)アクリレートモノマーは、ヒドロキシル官能化(メタ)アクリレートとリン酸、ホスホン酸及びホスフィン酸のエステルである。このような化合物の例は、2−メタクリロイルオキシエチルホスフェート、ビス(2−メタクリロイルオキシエチル)ホスホネート、2−アクリロイルオキシエチルホスホネート、ビス−(2−アクリロイ
ルオキシエチル)ホスホネートである。
【0030】
硬化組成物の好ましい態様では、共連続相は、メタクリル酸又はその誘導体のポリマーとアクリレート−又はメタクリレート−誘導体化ポリウレタンの組み合わせを含む。メタクリル酸ポリマー及び有用なモノマーは、上記した通りである。メチルメタクリル酸のポリマーが最も好ましい。典型的には、誘導体化ポリウレタンは、ポリエーテル又はポリエステルポリオールと2官能性イソシアネートの反応生成物であり、ここで、中間体生成物は、遊離イソシアネート基を含む。続いて、ヒドロキシ官能性(メタ)アクリレートは、上記生成物のイソシアネート官能基と反応して、(メタ)アクリレート官能性オリゴマー又はポリマーをもたらす。
【0031】
硬化組成物の更なる好ましい態様では、他の共連続相は、ゴムポリマー、好ましくはカルボキシル化ブタジエンアクリロニトリルゴムを含む。ここで使用される‘‘ゴム’’は、ガラス転移温度が−15℃より低い弾性ポリマー又はコポリマーを意味する。本発明に従った好ましいゴムポリマーは、ブタジエン又はその誘導体のホモポリマー又はコポリマーである。好ましくは、硬化組成物は、ポリメタアクリレートとメタクリル化ポリウレタンの組み合わせを含む第一共連続相とカルボキシル化ブタジエン−ニトリルゴムを含む第二共連続相を含む。他のゴム材料の例は、ポリクロロプレン、ポリイソプレン、ポリブタジエンゴム及びそれらのコポリマーである。
【0032】
ポリマー状包含物
ポリマー状包含物は、微粒子の性質を有するもの(機能粒子)及びドメイン型の性質(domain−type nature)を有するものであり得る。後者は、多くの場合、硬化中のマトリックスへの相分離に由来する。ポリマー状包含物自体は、多相からなり得る。
【0033】
本発明の好ましい態様では、少なくとも1種のポリマー状包含物は、微粒子の性質を有するもの、好ましくは20ないし400nmの平均径を有するものである。
【0034】
好ましくは、微粒子の性質を有するポリマー状包含物は、コア−シェル粒子である。これらは、軟質の弾性コアと硬質の熱可塑性シェルからなる前もって作られたポリマー状粒子である。それらは、通常、グラフト共重合によって得られる。ABSコアシェル粒子の典型的な例は、ポリ(ブタジエン−コ−スチレン)ゴムコアとポリ(スチレン−コ−アクリロニトリル)シェルを含む。MBSコアシェル粒子の典型的な例は、スチレン−ブタジエンコアと(メタ)アクリルポリマー又はコポリマーのシェルを含む。アクリルコア−シェル粒子の典型的な例は、ブチルメタクリレートポリマー又はコポリマーのコアとポリ(メチルメタクリレート)のシェルを含む。シリコンコア−シェル粒子の典型的な例は、ポリシロキサンコアとポリ(メタ)アクリルシェルを含む。様々な等級にわたるコアシェル粒子は、市販で入手可能であり、プラスチックの耐衝撃性改良剤として使用される。本発明の未硬化の接着剤組成物に配合された場合、好ましくは、シェルは、接着剤の(メタ)アクリレートモノマー中で溶解又は膨張し、その後、接着剤の硬化は、接着剤マトリックスと粒子のゴムコアの良好な結合を確実にする。硬化組成物の好ましい態様において、コアシェル粒子は、ポリ(メチルメタクリレート−コ−ブタジエン−コ−スチレン)、ポリ(アクリロニトリル−コ−ブタジエン−コ−スチレン)、ポリスチレン−ブロック−ポリブタジエン−ブロック−ポリスチレン又はポリスチレン−ブロック−ポリブタジエン−ブロック−ポリメチルメタクリレート、ポリ(シロキサン−コ−メチルメタクリレート)、ポリ(ブチルメタクリレート−コ−メチルメタクリレート)又はそれらの混合物を含む。
【0035】
硬化組成物の更なる好ましい態様では、ポリマー状包含物の少なくとも1種はドメイン型の性質を有する。ここで使用される用語‘‘ドメイン’’は、化学組成及び物理的状態
において均一である物質領域を代用している。これらの領域は、サイズがかなり異なり得る(例えば、相マイクロドメイン及び相ナノドメイン)。
【0036】
好ましくは、ドメイン型の性質を有するポリマー状包含物は、接着硬化中の相分離に起因する。この場合、IPNsを形成するポリマーは、相分離ポリマー状包含物も形成し得る。ドメインはまた、接着硬化中の溶解性変化の結果としても形成され得る。硬化前に接着剤に溶解可能なポリマー、ゴム及びオリゴマーは、硬化中に、不溶性になり得、相は、硬化された接着剤中でドメインに分離する。好ましい態様において、ドメイン型のポリマー状包含物は、100nmないし10ミクロンの平均径を有する。
【0037】
更なる好ましい態様において、ドメイン型の性質を有するポリマー状包含物は、ゴム、好ましくはカルボキシル化ブタジエン−アクリロニトリルゴム−ポリ(メタ)アクリレートホモ−又はコポリマー、ポリウレタンホモ−又はコポリマー、ポリシロキサンホモ−又はコポリマー、ポリオレフィンホモ−又はコポリマー又はそれらの混合物から選択されたポリマーを含む。
【0038】
最も好ましくは、ポリマー状包含物は、コアシェル粒子と相分離ポリマーの組み合わせである。重要であり際立った強靭化は、例えば、直径20ないし200ナノメートルである球状粒子、それはここに分散又は平均500nmと測定される粒子の塊として分散され、100nmないし1ミクロンの範囲で相分離された球状ゴムドメイン及びサイズが1ないし3ミクロンのポリメチルメタクリレートの球状ドメインと結合しているような、物理的に様々な大きさをもった上記種類の混合物であるポリマー状包含物から達成される。
【0039】
本発明の硬化接着剤組成物は、本願明細書に記載されるような形態を持ち、例えば、−40℃における破壊靭性及び23℃におけるノッチ付アイゾッド衝撃強さとして測定される靭性の増強に特徴がある。驚くべきことに、本発明の組成物は、より低い温度、例えば−40℃の低温度においても、室温における対応する性能(接着)と比較して、非常に強い接着をもたらすことが発見された。
【0040】
本発明の更なる目的は、破壊靭性、特に、凍結温度より低い温度、とりわけ−40℃における破壊靭性を改善するための、前述に記載の硬化組成物の使用である。
【0041】
B.未硬化の接着剤組成物
本発明の更なる目的は、(A)全組成の1ないし25質量%のゴム、(B)全組成の25ないし75質量%の、アクリル又はメタクリル酸又はその誘導体を含むモノマー又はモノマーブレンド、(C)全組成の1ないし50質量%のポリウレタン又はメタ(アクリル化)ポリウレタン、及び(D)少なくとも1種のコアシェル粒子を含む未硬化の重合性組成物を提供することである。硬化すれば、これらの組成物は破壊靭性が改善される。本発明の好ましい態様において、これらの未硬化の組成物は、前述の硬化組成物の形態に従った形態をした硬化組成物をもたらす。(A)、(B)、(C)及び(D)における成分を代用する記載は、硬化組成物の形態を論じたA項に基づいて、上記で定義されている。
【0042】
好ましい態様では、未硬化の重合性組成物は、全組成の0.1ないし30質量%の量のコアシェル粒子を含む。更なる好ましい態様において、未硬化の重合性組成物はまた、少なくとも1種の第三アミンをも含む。好ましくは、第三アミンは、全組成の0.5ないし7質量%で存在する。適切な第三アミンは、芳香族第三アミンである。好ましい第三アミンは、ジヒドロキシエチルp−トルイジエン、ジイソプロピルp−トルイジエン、ジメチルp−トルイジエン、N,N−ジメチルアニリン、2,4,6−トリス[(ジメチルアミノ)メチル]フェノールである。
【0043】
未硬化の重合性組成物の好ましい態様は、(A)全組成の5ないし20質量%のゴム、(B)全組成の30ないし70質量%の、アクリル又はメタクリル酸又はその誘導体を含むモノマー又はモノマーブレンド、(C)全組成の10ないし40質量%のポリウレタン又はメタ(アクリル化)ポリウレタン、(D)1ないし20質量%の少なくとも1種のコアシェル粒子を含む。特に好ましい態様は、(A)全組成の10ないし15質量%のゴム、(B)全組成の40ないし60質量%の、アクリル又はメタクリル酸又はその誘導体を含むモノマー又はモノマーブレンド、(C)全組成の25ないし35質量%のポリウレタン又はメタ(アクリル化)ポリウレタン、(D)2ないし10質量%の少なくとも1種のコアシェル粒子を含む。
【0044】
好ましいモノマー及びオリゴマーは、‘‘ポリマー及びモノマー’’の項に引用されているものである。徹底した開示の目的で、それをこの項でも言及する。
【0045】
好ましい、成分(B)の誘導体は、前に概説した通り、a)アクリル酸及び/又はメタクリル酸とモノ−、ジ−及びポリオールのエステル、b)アクリル酸及び/又はメタクリル酸とヒドロキシル官能化ポリエーテルのエステル、c)アクリル酸及び/又はメタクリル酸とヒドロキシル官能化ポリエステルのエステル、d)アクリル酸及び/又はメタクリル酸とヒドロキシル官能化脂環式及び芳香族化合物のエステルである。これらの誘導体は、更なる重合可能な官能基を含み得る。
【0046】
前に概説した通り、特定のアクリル又はメタクリルモノマーの組み合わせは、あまり臭わない重合性組成物を提供するという点で、成分(B)として特に有利なものであることがわかった。このようなモノマーの組み合わせは、好ましくは、a)モノマーブレンドの総質量に基づき10ないし90質量%のテトラヒドロフルフリルメタクリレート;b)モノマーブレンドの総質量に基づき5ないし80質量%の、2−エチルヘキシルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、2−エトキシエチルメタクリレート、シクロヘキシルメタクリレート、イソボルニルメタクリレート、イソオクチルアクリレート及びイソオクチルメタクリレートからなる群から選択される少なくとも1種のモノマー;及びc)モノマーブレンドの総質量に基づき0ないし70質量%の、イソブチルメタクリレート、n−ブチルメタクリレート、シクロヘキシルメタクリレート、シクロヘキシルアクリレート、n−ヘキシルメタクリレート、イソボルニルメタクリレート、イソデシルメタクリレート及びイソデシルアクリレートからなる群から選択される少なくとも1種のモノマーを含む。
【0047】
これらのモノマーの他に、本発明の未硬化の重合性組成物は、更なるオリゴマー、ポリマー、コポリマー及びゴムを含み得、好ましくは、それらは、重合又は架橋可能な不飽和基、又は、ホモ−又は共重合可能な更なる官能基を有する。ゴムを定義するために、‘‘ポリマー及びモノマー’’の項に戻って言及する。これらのオリゴマー、ポリマー、コポリマー、ゴムは、共連続相の一部を形成し得、又は、共連続相の一部になり得、及び/又は、硬化接着剤マトリックス中に包含物を形成し得る。ポリマー状包含物はまた、上記した反応性モノマーにも基づき得る。通常、これらの包含物は、共連続相内の相分離ドメインの形態にある。
【0048】
コア−シェル粒子は、前記‘‘ポリマー状包含物’’の項に記載されており、開示の目的で、この項でも言及する。
【0049】
接着剤は、所望の性能を付与する添加剤、例えば、様々な種類のワックス、無機充填剤、中空微小球体、疎水性又は親水性ナノクレー、難燃剤、顔料、染料、ヒュームド・シリカ、カップリング剤、例えばシラン、及び接着促進剤、例えば有機又は無機酸を含み得る。
【0050】
本発明の接着剤は、金属及びエンジニアリングプラスチックを含む様々な材料に対して高い接着性を有する。それらは、同様の又は異なる基材を接着結合することによって、技術的に品質の高い接着部を提供する。特に、それらは破壊靭性を改善する。
【0051】
重合開始剤
本発明の未硬化の接着剤組成物は、フリーラジカルによって重合される。ラジカルは、通常、還元−酸化プロセスによってもたらされるため、還元剤が接着剤の一部に配合され、かつ酸化剤は他の部分に配合される。接着剤の2つの部分が混合されると、フリーラジカルが生じ、その後、硬化が起こる。レドックス系の例は、ペルオキシドと第三芳香族アミン;塩化スルホン化ポリエチレンと第三アミン;スルホニルハロゲン化物と有機又は無機酸及び遷移金属塩;金属イオンとサッカリン及び/又は1−アセチル−2−フェニルヒドラジンである。フリーラジカルはまた、トリアルキルボランの酸化によっても同様にもたらされ得る。本発明の接着剤は、トリアルキルボラン錯体の形態の重合開始剤及び解離剤、例えば国際公開第05/044867号パンフレットに記載されるものを含み得る。
【0052】
C.結合方法
本発明の更なる目的は、2つの基材を接着結合するための方法であって、そこでは(A)全組成の1ないし25質量%のゴム又はその前駆体、(B)全組成の25ないし75質量%の、アクリル又はメタクリル酸又はその誘導体を含むモノマー又はモノマーブレンド、(C)全組成の1ないし50質量%のポリウレタン又はメタ(アクリル化)ポリウレタン、(D)少なくとも1種のコアシェル粒子を含む組成物を表面に塗布し、フリーラジカル重合によって重合/硬化させる方法である。
【0053】
好ましいモノマー(B)は、A項(‘‘ポリマー及びモノマー’’)に列挙した未硬化の組成物の好ましい態様は、B項(‘‘未硬化の接着剤組成物’’)に列挙した。開示の目的で、これらの項に戻って言及する。
【0054】
好ましい方法は、更に少なくとも1種の第三アミンを含む組成物を使用する。適当な第三アミンは、芳香族第三アミンである。好ましい第三アミンは、ジヒドロキシエチルp−トルイジエン、ジイソプロピルp−トルイジエン、ジメチルp−トルイジエン、N,N−ジメチルアニリン、2,4,6−トリス[(ジメチルアミノ)メチル]フェノールである。
【0055】
好ましい態様において、フリーラジカル重合は、トリアルキルボラン又はトリアルキルボランアミン錯体を含む組成物を添加することによって開始される。
【0056】
好ましいトリアルキルボランは、トリメチルボラン、トリエチルボラン、トリプロピルボラン、トリイソプロピルボラン、トリブチルボラン及びトリイソブチルボランである。好ましい錯体は、上記トリアルキルボランと脂肪族及び芳香族アミン及びポリアミドの錯体である。最も好ましい錯体は、国際公開第05/044867号パンフレットに記載されるような、シリコンを含むアミン化合物に基づくものである。
【0057】
他の好ましい態様において、フリーラジカル重合は、ジベンゾイルペルオキシドを含む組成物を未硬化の組成物に添加することによって開始される。特に好ましいのは、硬化後に、前述に記載の組成物がもたらされる方法である。
【0058】
D.調剤単位
本発明の接着剤は、2つの部分からなり、ツーバレルカートリッジを含む様々な方法でパッケージされ得る。好都合なのは、一方の部分は還元剤を含み、他方、もう一方の部分
は、酸化剤を含むことである。2つの部分を混合すると、ラジカルが生じ、接着剤が硬化する。接着剤の各部分は、表面に塗布され、接着部の集合部分上で2つの部分が互いに接触するような方法で結合され得る。これは、接着剤配合物の第一部分を片面上に塗布し、第二部分を反対の片面上に塗布することを含む。もう一つの方法として、それらは、2つのビードとして互いに隣接して又は重ねられて塗布され得る(ビード−オン−ビード)。しかしながら、好ましくは、2つの部分は、適切なミキサー中で一緒に混合され、その後、結合される片面又は両面上に調剤されることである。
【0059】
本発明の更なる目的は、第一調剤単位及び第二調剤単位を含む2部分カートリッジ(two−part cartridge)の提供であって、前記第一調剤単位は(A)全組成の1ないし25質量%のゴム又はその前駆体、(B)全組成の25ないし75質量%の、アクリル又はメタクリル酸又はその誘導体を含むモノマー又はモノマーブレンド、(C)全組成の1ないし50質量%のポリウレタン又はメタ(アクリル化)ポリウレタン、及び(D)少なくとも1種のコアシェル粒子を含む第一組成物を含み、及び前記第二調剤単位は前記第一組成物の重合を誘導できる化合物を少なくとも1種含む第二組成物を含む。
【0060】
好ましいモノマーは、Aの項(‘‘ポリマー及びモノマー’’)に基づいて列挙したものである。用語‘‘ゴム’’は、Aの項に基づいて同様に定義したとおりである。未硬化組成物の好ましい態様は、Bの項‘‘未硬化の接着剤組成物’’に基づいて列挙したものである。開示の目的で、これらの項へ戻って言及する。本発明の好ましい態様では、2部分カートリッジの第一組成物は、少なくとも1種の第三アミンをも含む。更なる好ましい態様では、静的混合ユニットが2部分カートリッジに取付けられる。2つの組成物は、様々な体積比で混合され得る。発明の例で使用される体積比は、1:1、2:1及び10:1であり、市販で入手可能なカートリッジと調剤装置において適切であり得る。好ましい体積比は、(9−11):1、より好ましくは(9.5−10.5):1、最も好ましくは(9.8−10.2):1の間で変わり得る。
【0061】
実験方法
試験片の注入成形
接着剤配合物を、アゴメット ハードナー レッド ペースト(登録商標:Agomet)(ジベンゾイルペルオキシドを22−25質量%含むハンツマン アドバンスト マテリアルズ社製の市販品)と、10:1の質量比で組み合わせ、完全に混合し、アイゾッド試験のために80mm×80mm×4mmのアルミニウム金型で注入成形し、そして、破壊靭性及びTEM試験のために80mm×80mm×8mmのアルミニウム金型で注入成形した。接着剤と接触する金型の表面を、接着するのを避けるために、裏面粘着式のテフロン(登録商標)フィルムで覆った。材料を、室温において硬化させた。24時間後に、成形品の取り出しを行った。試験片を、特定の試験のために必要とされる寸法に機械加工した。
【0062】
動的機械熱分光法
4mm×4mm×10mmのサイズの試験片を、10Hzの動的周波数、25Nの動的ローディング及び2℃/分の熱傾斜速度を使用して、−100℃ないし+150℃の温度間隔において圧縮モードで分析した。貯蔵弾性率、損失弾性率及びtan δを3℃の間隔毎に記録した。tan δの最大値に対応する温度を、ガラス転移温度(Tg)としてとった。
【0063】
透過電子顕微鏡法(TEM)
3mm×3mm×8mmの寸法の試験片を調製し、ミクロトームし、一端を薄切りして角錐とした。角錐の頂点をダイヤモンドナイフで薄切りして、0.1mm×0.1mmの領域を得た。その後、試験片を、10日間、四酸化オスミウムで着色した。着色後、ミク
ロトームにより、調製された表面から80nmないし120nmの超薄形材を薄切りし、水上に浮かせ、TEM分析のために銅グリッドに移した。分析は、サンプルの特性に基づき、1500ないし50000の範囲の倍率を使用して、120kVにおいて行った。
【0064】
1c及びG1cを測定するための線形弾性破壊力学法
寸法b×w×l=7.5mm×15mm×65mmの試験片を調製した。中点 32.5mmにおいて深さ5mmのノッチを被削した。試験の直前に、尖っているノッチを、新しいかみそりの刃を使用して、機械加工部分に切断した。全てのノッチの深さは、6.75ないし8.25mmに制限した。ノッチ付き試験片を、3点屈曲配置で試験した。60mmの試験スパン及び10mm/分のクロスヘッド速度を使用した。試験は、圧縮して行い、破壊が起こるまで、又は、材料が非常に強靭な場合には、ヒンジが形成されるまで続行した。試験及び計算は、Linear Elastic Fracture Mechanics Standard for Determination of K1c and G1c for Plastics,March 1990,European Structural Integrity Societyを厳格に順守して行った。試験は、−40℃で行った。5つの試験片の平均結果を報告する。
【0065】
ノッチ付きアイゾット衝撃強さ
ノッチ付きアイゾット衝撃強さを、ノッチ型がAの試験片4を使用して、ISO 180−1982(E)に従って室温(23℃)において試験した。
5つの試験片の平均結果を報告する。
【0066】
接着強度の測定
プラスチック試験片のサイズは、85mm×25mm×3mmである。プラスチック基材をイソパノールでふくことによって脱脂した。アルミニウム試験片のサイズは114mm×25mm×1.6mmである。アルミニウム基材を、トリクロロエチレンを用いて脱脂し、サンドブラストで磨き、アセトンですすいだ。接着剤組成物を、一対の基材の一方の表面上に塗布した。2つの表面を対にし、圧縮型チュービングクランプで互いに固定した。重複部分は、アルミニウム試験片では25.0mm×12.5mmとプラスチック試験片では25.0mm×5.0mmである。重複部分から絞り出された少量の接着フィレットを残したままにした。接着部を、23℃において24時間、硬化させた。その後、クランプを取り除き、アルミニウム接合部で15mm/分、プラスチック接合部で10mm/分のクロスヘッド速度において、ISO 4587に従って、接着部の引張剪断強さ(TSS)を試験した。TSS値を、メガパスカル(MPa)で記録した。5つの試験接合部の平均値を報告する。
接合部を引っ張る前に、重なり剪断接合部をジグで10分間保持して、−40℃としたこと以外は前記したのと同様の方法(即ち、25×12.5mmの重複、23℃において24時間、硬化し、15mm/分のクロスヘッド速度において引っ張る)で、−40℃におけるアルミニウムの重なり剪断を測定した。ジグは、液体窒素を使用して−40℃とした絶縁周囲カバーでとり巻いた。
【0067】
材料
以下の材料が、実施例の配合物の調製において使用された:
MMA:アルドリッチ社製メチルメタクリレート。
MA:アルドリッチ社製メタクリル酸。
MAPU:生成物がヒドロキシエチルメタクリレートで末端をキャップ化されるところの分子量1000のポリ(テトラヒドロフラン)とトリレン2,4−ジイソシアネート(TDI)の反応生成物に基づくメタクリル化ポリウレタン。MAPUの合成は、米国特許第3,873,643号明細書の技術に従って行われる。生成物は、10質量%のメチルメタクリレートで希釈される。
CBN:米国のゼオン ケミカルズ社からニポール 1072CG(登録商標:Nipol)として得られる部分的にカルボキシル化されたブタジエン−ニトリルゴム。
EGMP:アルドリッチ社製エチレングリコールメタクリレートホスフェート。
DHEPT:独国のローム ゲーエムベーハー社製N,N−ビス−(2−ヒドロキシエチル)p−トルイジエン。
TDMAMP:アルドリッチ社製2,4,6−トリス[(ジメチルアミノ)メチル]フェノール。
C140:メタブレンC140、アトフィナ社製MBSコア−シェル粒子衝撃改質剤。
C350:メタブレンC350、アトフィナ社製MBSコア−シェル粒子衝撃改質剤。
E901:メタブレンE901、アトフィナ社製MBSコア−シェル粒子衝撃改質剤。
アゴメット ハードナー レッド ペースト(登録商標:Agomet):ジベンゾイルペルオキシドを22−25質量%含むハンツマン アドバンスト マテリアルズ社製の市販品。
安定剤:アルドリッチ社製クロラニル酸及びスイス国、チバ スペシャルティ ケミカルズ社製イルガノックス 1330(登録商標:Irganox)。
【0068】
未硬化の重合性接着剤製品(一般的な方法)
高速分散機を使用して、CBNをMMA中に溶解させた。この溶液にMAPUを添加し、均一な溶液が得られるまで、混合物を攪拌した。MBSコア−シェル粒子を添加し、均一な生成物になるまで分散させた。その後、TDMAMP、DHEPT及び安定剤を添加し、混合物を均一化した。最終的に、MA及びEGMPを添加し、混合物を均一化した。混合の間の温度は60℃を超えないべきである。
試験のためのサンプル又は接着剤接合部を調製するために、重合性接着剤及びアゴメット ハードナー レッド ペースト(登録商標:Agomet)を、10:1の質量比で混合した。
【実施例】
【0069】
実施例
比較例1
接着剤を、上記したように、特定量で以下の成分を混合することによって調製した:
MMA−263.22g
MA−15.00g
EGMP−10.50g
DHEPT−8.25g
TDMAMP−3.00g
安定剤:0.03g
硬化した接着剤は、120℃において1つのTgを示した。−40℃におけるG1cは、99J/m2であった。室温におけるノッチ付きアイゾットは、1.3kJ/m2であった。アルミニウム接着部の引張剪断強さは23℃において7MPaであり、−40℃において4MPaであった。
TEMは、特徴のない均一な構造を明らかにした。
【0070】
比較例2
接着剤を、上記したように、特定量で以下の成分を混合することによって調製した:
MMA−203.22g
MA−15.00g
EGMP−10.50g
DHEPT−8.25g
TDMAMP−3.00g
C140−60.00g
安定剤−0.03g
硬化した接着剤は、115℃において1つのTgを示した。−40℃におけるG1cを測定すると、183J/m2であった。室温におけるノッチ付きアイゾットは、1.5kJ
/m2と測定された。アルミニウム接着部の引張剪断強さは23℃において22MPaで
あり、−40℃において10MPaであった。
TEMにより、特徴のない均一なマトリックスの中に直径80ミクロンの球状粒子が分散し、その全ての粒子が個々に分散していることが明らかになった。
【0071】
比較例3
接着剤を、上記したように、特定量で以下の成分を混合することによって調製した:
MMA−203.22g
MA−15.00g
EGMP−10.50g
DHEPT−8.25g
TDMAMP−3.00g
E901−60.00g
安定剤−0.03g
硬化した接着剤は、−70℃と+112℃において2つのTgを示した。−40℃におけるG1cを測定すると、974J/m2であった。室温におけるノッチ付きアイゾットは
、3.8kJ/m2と測定された。アルミニウム接着部の引張剪断強さは23℃において
22MPaであり、−40℃において23MPaであった。
TEMにより、特徴のない均一なマトリックス中に直径80ミクロンの球状粒子が分散し、それは個々に分散、又は、平均値が500nmと測定される粒子の塊として分散されることが明らかになった。
【0072】
比較例4
接着剤を、上記したように、特定量で以下の成分を混合することによって調製した:
MMA−179.41g
MAPU−83.81g
MA−15.00g
EGMP−10.50g
DHEPT−8.25g
TDMAMP−3.00g
安定剤−0.03g
硬化した接着剤は、90℃において1つのTgを示した。−40℃におけるG1cを測定すると、517J/m2であった。室温におけるノッチ付きアイゾットは、1.5kJ/
2と測定された。アルミニウム接着部の引張剪断強さは23℃において25MPaであ
り、−40℃において17MPaであった。
TEMは、共連続相マトリックスを明らかにした。
【0073】
比較例5
接着剤を、上記したように、特定量で以下の成分を混合することによって調製した:
MMA−179.37g
MAPU−55.20g
CBN−34.50g
MA−15.00g
EGMP−10.50g
DHEPT−2.40g
TDMAMP−3.00g
安定剤−0.03g
硬化した接着剤は、101℃において1つのTgを示した。−40℃におけるG1cを測定すると、1987J/m2であった。室温におけるノッチ付きアイゾットは、2.9k
J/m2と測定された。
TEMにより、共連続相マトリックスの中に100nmないし1ミクロンの範囲内の相分離球状ゴムドメインが分散されることが明らかになった。
【0074】
実施例1
接着剤を、上記したように、特定量において以下の成分を混合することによって調製した:
MMA−104.79g
MAPU−83.43g
MA−15.00g
EGMP−10.50g
DHEPT−8.25g
TDMAMP−3.00g
C350−75.00g
安定剤−0.03g
硬化した接着剤は、−36℃と+67℃において2つのTgを示した。−40℃におけるG1cを測定すると、2360J/m2であった。室温におけるノッチ付きアイゾットは
、39.6kJ/m2と測定された。アルミニウム接着部の引張剪断強さは23℃におい
て14MPaであり、−40℃において37MPaであった。
TEMにより、共連続相マトリックスの中に直径80ミクロンの球状粒子が分散され、それは個々に分散、又は、平均値が500nmと測定される粒子の塊として分散されることが明らかになった。該マトリックスはまた、サイズが1ないし3ミクロンのポリメチルメタクリレートの球状ドメインも含んでいる。
【0075】
実施例2
接着剤を、上記したように、特定量で以下の成分を混合することによって調製した:
MMA−161.51g
MAPU−55.30g
CBN−26.07g
MA−15.00g
EGMP−10.50g
DHEPT−2.49g
TDMAMP−3.00g
C350−26.10g
安定剤−0.03g
硬化した接着剤は、100℃において1つのTgを示した。−40℃におけるG1cを測定すると、2770J/m2であった。室温におけるノッチ付きアイゾットは、8.2k
J/m2と測定された。アルミニウム接着部の引張剪断強さは23℃において32MPa
であり、−40℃において40MPaであった。
TEMにより、共連続相マトリックスの中に直径80ミクロンの球状粒子が分散され、それは個々に分散、又は、平均値が500nmと測定される粒子の塊として分散され、同様に、2ないし3ミクロンの範囲内の相分離球状ゴムドメインも分散され、同じように、サイズが1ないし3ミクロンのポリメチルメタクリレートの球状ドメインも分散されることが明らかになった。
【0076】
実施例3
接着剤を、上記したように、特定量で以下の成分を混合することによって調製した:
MMA−136.14g
MAPU−89.73g
CBN−34.56g
MA−15.00g
EGMP−10.50g
DHEPT−2.49g
TDMAMP−3.00g
C350−8.55g
安定剤−0.03g
硬化した接着剤は、90℃において1つのTgを示した。−40℃におけるG1cを測定すると、5435J/m2であった。室温におけるノッチ付きアイゾットは、18.6k
J/m2と測定された。アルミニウム接着部の引張剪断強さは23℃において25MPa
であり、−40℃において39MPaであった。
TEMにより、共連続相マトリックスの中に直径80ミクロンの球状粒子が分散され、それは個々に分散、又は、平均値が500nmと測定される粒子の塊として分散され、同様に、100nmないし1ミクロンの範囲内の相分離球状ゴムドメインも分散され、同じように、サイズが1ないし3ミクロンのポリメチルメタクリレートの球状ドメインも分散されることが明らかになった。
【0077】
表1
前記実施例及び比較例の結果を表1に明らかにするために要約した。
【表1】

【表2】

【0078】
実施例4
接着剤を、上記したように、特定量で以下の成分を混合することによって調製した:
MMA−136.71g
MAPU−83.43g
CBN−34.53g
MA−15.00g
EGMP−10.50g
DHEPT−8.25g
TDMAMP−3.00g
C350−8.55g
安定剤−0.03g
硬化した接着剤は、85℃において1つのTgを示した。−40℃におけるG1cを測定すると、4239J/m2であった。室温におけるノッチ付きアイゾットは、21.0k
J/m2と測定された。アルミニウム接着部の引張剪断強さは23℃において25MPa
であり、−40℃において37MPaであった。
TEMにより、共連続相マトリックスの中に直径80ミクロンの球状粒子が分散され、それは個々に分散、又は、平均値が500nmと測定される粒子の塊として分散され、同様に、100nmないし1ミクロンの範囲内の相分離球状ゴムドメインも分散され、同じように、サイズが1ないし3ミクロンのポリメチルメタクリレートの球状ドメインも分散されることが明らかになった。
接着剤を、上記方法に従って、接着剤接合部をつくるために使用した。
結果を表2に示す。
表2
【表3】

ABS=アクリロニトリルブタジエンスチレンコポリマー。
PVC=塩化ポリビニル。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0079】
【特許文献1】米国特許第3,333,025号明細書
【特許文献2】米国特許第4,182,644号明細書
【特許文献3】米国特許第4,942,201号明細書
【特許文献4】米国特許第4,106,971号明細書
【特許文献5】米国特許第3,873,640号明細書
【特許文献6】米国特許第4,769,419号明細書

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(A)全組成の1ないし25質量%のゴム、(B)全組成の25ないし75質量%の、アクリルもしくはメタクリル酸又はその誘導体を含むモノマー又はモノマーブレンド、(C)全組成の1ないし50質量%のポリウレタン又はメタ(アクリル化)ポリウレタン、及び(D)少なくとも1種のコアシェル粒子を含む未硬化の重合性組成物。
【請求項2】
硬化により、少なくとも2つの、相互貫入ネットワークの共連続相及び少なくとも2種のポリマー状包含物を含み、前記共連続相の1方は少なくとも1つのアクリルもしくはメタクリル酸モノマー又はその誘導体のポリマーを含む、硬化(メタ)アクリレートベースの接着剤組成物をもたらす請求項1に記載の未硬化の重合性組成物。
【請求項3】
コアシェル粒子の量が全組成の0.1ないし30質量%である請求項1又は2に記載の未硬化の重合性組成物。
【請求項4】
少なくとも1種の第三アミンを含む請求項1ないし3のいずれか1項に記載の未硬化の重合性組成物。
【請求項5】
第三アミンの量が全組成の0.5ないし7質量%である請求項4に記載の未硬化の重合性組成物。
【請求項6】
第一調剤単位及び第二調剤単位を含む2部分カートリッジ(two−part cartridge)であって、前記第一調剤単位は(A)全組成の1ないし25質量%のゴム又はその前駆体、(B)全組成の25ないし75質量%の、アクリルもしくはメタクリル酸又はその誘導体を含むモノマー又はモノマーブレンド、(C)全組成の1ないし50質量%のポリウレタン又はメタ(アクリル化)ポリウレタン、及び(D)少なくとも1種のコアシェル粒子、を含む第一組成物を含み、前記第二調剤単位は前記第一組成物の重合を誘導可能な化合物を少なくとも1種含む第二組成物を含む2部分カートリッジ。
【請求項7】
前記第一組成物が少なくとも1種の第三アミンをも含む請求項6に記載の2部分カートリッジ。
【請求項8】
カートリッジに取付けられた静的混合装置を有する請求項6又は7に記載の2部分カートリッジ。
【請求項9】
2つの基材を接着結合するための方法であって、(A)全組成の1ないし25質量%のゴム又はその前駆体、(B)全組成の25ないし75質量%の、アクリルもしくはメタクリル酸又はその誘導体を含むモノマー又はモノマーブレンド、(C)全組成の1ないし50質量%のポリウレタン又はメタ(アクリル化)ポリウレタン、及び(D)少なくとも1種のコアシェル粒子、を含む未硬化の重合性組成物を表面に塗布し、フリーラジカル重合によって重合/硬化させるところの方法。
【請求項10】
前記組成物が、更に少なくとも1種の第三アミンを含む請求項9に記載の方法。
【請求項11】
フリーラジカル重合が、ジベンゾイルペルオキシドを含む組成物を前記未硬化の組成物に添加することによって開始される請求項9に記載の方法。
【請求項12】
フリーラジカル重合が、トリアルキルボラン又はトリアルキルボランアミン錯体を含む組成物を添加することによって開始される請求項9又は10に記載の方法。
【請求項13】
硬化後に、少なくとも2つの、相互貫入ネットワークの共連続相及び少なくとも2種のポリマー状包含物を含み、前記共連続相の1方は少なくとも1つのアクリルもしくはメタクリル酸モノマー又はその誘導体のポリマーを含む、硬化(メタ)アクリレートベースの接着剤組成物をもたらす請求項9ないし12のいずれか1項に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2013−32531(P2013−32531A)
【公開日】平成25年2月14日(2013.2.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−204826(P2012−204826)
【出願日】平成24年9月18日(2012.9.18)
【分割の表示】特願2008−544959(P2008−544959)の分割
【原出願日】平成18年12月5日(2006.12.5)
【出願人】(300052420)ハンツマン アドバンスト マテリアルズ (スイッツァランド) ゲーエムベーハー (26)
【氏名又は名称原語表記】HUNTSMAN ADVANCED MATERIALS (SWITZERLAND) GMBH
【Fターム(参考)】