多相パーソナルケア組成物
本発明は、多相パーソナルケア組成物であって、少なくとも2つの視覚的に区別される相を含有し、そこで少なくとも1つの相が粒子を含有する多相パーソナルケア組成物に関する。相はパターンを形成し、長期間安定性を保ちながら物理的に接触して包装されている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、少なくとも2つの可視的に区別される相を含み、2つの相は、長期間安定性を保ちながら物理的に接触して包装されている、多相パーソナルケア組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
パーソナルケア組成物は、周知であり、広く使用されている。これらの組成物は、皮膚を清浄し、皮膚に潤いを与え、活性物質を送達し、欠点を隠し、皮脂に関わる油性/てかりを減少するために長い間使用されてきた。パーソナルケア組成物は、また、皮膚の色及び外観を変えるためにも使用されてきた。
【0003】
組成物及び従来技術における開示は、パーソナルケア組成物の技術分野において有用な進歩を提供するが、加えて、身体の全ての部位に有効に付着する、外観及び肌触り改善を迅速に提供する、改良されたパーソナルケア組成物の必要性が依然として存在する。組成物は、また、べたつきがなく、適用が容易である必要もある。従って、全ての種類の皮膚の輝きを増加し、皮膚の清浄さを向上させるため、独自の水準の光反射率、カラーシフト又は剥離を提供する、選択された濃度及びブレンドの粒子を含むパーソナルケア組成物を提供することが望ましい。更に、皮膚の光輝及び光沢を最大にする粒子を含むパーソナルケア組成物を提供することが望ましい。
【0004】
安定性を維持しながら、パーソナルケア製品から多相組成物を提供する一つの試みは、複室型包装の使用であった。これらのパッケージは、主に、異なる区画に個別にクレンジング組成物及びコンディショニング組成物を含み、この2つを単流又は複流で共分配できる。従って、別個のコンディショニング組成物及びクレンジング組成物は、長期にわたる保管の間及び適用直前には、物理的には分離し、安定した状態であるが、その後、分配中又は分配後に混合されて、物理的に安定した系からコンディショニング効果及びクレンジング効果を提供する。このような複室型送達系は、慣用系の使用よりも改良されたコンディショニング利益を提供するが、これら複室型パッケージからのクレンジング相とコンディショニング相との分配比が均一ではないため、一貫した一様な性能を達成することが困難な場合が多い。加えて、これらの包装系は、完成製品のコストが大幅に増大する。
【0005】
上記の皮膚コンディショニング、クレンジング及び外観利益をシャワー用又は入浴用組成物を介して送達することが更に好ましい。それ故に、伸びた発泡寿命及び改良された発泡特性による清浄、皮膚利益、例えば、絹のような肌触り、改良された柔らかな肌触り、及び改良された滑らかな肌触りを提供し、並びに独自の水準の光反射率、カラーシフト及び剥離を提供して、全ての種類の皮膚の輝きを増加する安定した多相パーソナルケア組成物の必要性が依然として存在する。長期間安定した状態を保ち、物理的に接触している少なくとも2相を含む多相パーソナルクレンジング組成物を配合することができることが、今では判明している。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従って本発明の目的は、少なくとも2つの可視的に区別される相を含む多相パーソナルケア組成物であって、少なくとも1つの相が粒子を含み、2相が安定性を維持しながら物理的に接触して包装されている、多相パーソナルケア組成物を提供することであり、この組成物は、改良された化粧品を提供するため、並びに優れた皮膚コンディショニング及びクレンジング利益も提供しながら、適用の間又はその後で改良された肌触りを提供し、全ての種類の皮膚に輝きを送達するために配合することができる。そのような組成物は、製品の起泡性能及び安定性を損なうことなく、十分に高濃度の有益剤を用いて配合できることが判明している。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、少なくとも2つの可視的に区別される相を含む多相パーソナルケア組成物であって;
相がパターンを形成し;
少なくとも1つの相が粒子を含み;
前記粒子が、化粧品用に有効な濃度で存在し;
前記2相が互いに物理的に接触して包装され、安定性を維持している多相パーソナルケア組成物に関する。
【0008】
本発明は、更に、少なくとも2相を含む多相パーソナルケア組成物であって、少なくとも1つの相が着色剤を含有しており、2相が肉眼で見えるパターンを形成するように、両方の相が単一パッケージ内に包装されている、多相パーソナルケア組成物に関する。
【0009】
本発明は、更に、少なくとも2つの可視的に区別される相を含む多相パーソナルケア組成物であって;
相がパターンを形成し;
少なくとも1つの相が粒子を含み;
第1相と第2相の比率が、90:10〜10:90であり;
前記2相が、互いに物理的に接触して包装され、安定性を維持している多相パーソナルケア組成物に関する。
【0010】
本発明は、更に、多相パーソナルケア組成物であって、下記:
a)クレンジング相を含む第1相であって、前記クレンジング相は、アニオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤、双極性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、石鹸、及びこれらの混合物から成る群から選択される界面活性剤を、クレンジング相の約1重量%〜約50重量%含み、
クレンジング相が、非ニュートン性ずり減粘であり、約3Pa・s(約3000cps)以上の粘度を有し、及び/又は少なくとも約0.1Paの降状点を有する、第1相;
b)疎水性組成物を含む利益相であって、前記疎水性組成物は、脂質類、炭化水素類、脂肪類、油類、疎水性植物抽出物、脂肪酸類、精油類、シリコーンオイル類、及びこれらの混合物から成る群から選択される疎水性物質を、利益相の約20重量%〜約100重量%含む利益相、を含み;
前記疎水性組成物が、約5〜約15のヴォーン溶解度パラメーターを有し、更に、クレンジング相と利益相の重量比が、約1:9〜約99:1であり、クレンジング相と利益相とが、同じパッケージ中で物理的に接触し、周囲条件下で少なくとも約180日間安定した状態を保ち、クレンジング相と利益相とが、ストライプ模様のパターンを形成し、ストライプの大きさは、幅が少なくとも約0.1mmであり、長さが少なくとも約1mmの長さであり、少なくとも1つの相が、粒子を含み、前記粒子が、好ましくは疎水性に変性された干渉顔料である、多相パーソナルケア組成物に関する。
【0011】
本発明は、また、上記の組成物を皮膚に適用することにより、皮膚を清浄する、皮膚に潤いを与える、皮膚に有効な成分及び粒子を皮膚に送達する方法も対象とする。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
本発明の多相パーソナルケア組成物は、少なくとも2つの可視的に区別できる相を含み、相はパターンを形成し、少なくとも1つの相は粒子を含み、前記粒子は、化粧品用に有効な濃度で存在し、前記2相は、互いに物理的に接触して包装され、安定性を維持している。
【0013】
本発明の組成物及び方法に関するこれら及び他の必須制限事項、並びに本明細書での使用に好適な多くの任意成分について、以下で詳細に説明する。
【0014】
用語「無水」は、本明細書で使用する時、特に指示のない限り、水を約10重量%未満、より好ましくは約5重量%未満、さらにより好ましくは約3重量%未満、さらにより好ましくは0重量%含有する組成物又は物質を意味する。
【0015】
用語「周囲条件」は、本明細書で使用する時、1気圧、相対湿度50%、25℃における周辺条件を意味する。
【0016】
用語「化粧品用に有効な濃度」は、本明細書で使用する時、組成物の使用中に利益を与える濃度である。
【0017】
用語「粘稠値」又は「k」は、本明細書で使用する時、粘度の尺度であり、その粘度が剪断力の関数である物質の粘度を定義するため、剪断指数と組み合わせて使用される。測定は25℃で行われ、その単位はポアズ(約0.1Pa・s(100cps)に等しい)である。
【0018】
用語「疎水性に変性された干渉顔料」又は「HMIP」は、本明細書で使用する時、干渉顔料の表面の一部分が、疎水性物質により、分子の物理的及び化学的結合の両方を含んで被覆されていることを意味する。
【0019】
用語「干渉顔料」は、本明細書で使用する時、粒子基材物質(一般に、小平板形状)の表面を薄膜でコーティングすることにより調製される真珠光沢を有する顔料を意味する。この薄膜は、高屈折率を有する透明又は半透明物質である。高屈折率物質は、小平板基材/コーティング層境界面からの反射及び入射光線と、コーティング層の表面からの入射光線の反射との相互干渉作用により得られる真珠光沢を示す。
【0020】
用語「多相の(multi-phased)」又は「多相(multi-phase)」は、本明細書で使用する時、本明細書の少なくとも2つの相が、それらが保存されているパッケージ内に別個であるが区別される物理的空間を占有しているが、互いに直接接触している(すなわち、これらは境界により分離されているのではなく、そしていかなる有意な程度によっても乳化又は混合していない)ことを意味する。本発明の一つの好ましい実施形態において、少なくとも2つの相を含む「多相の」パーソナルケア組成物が、可視的に区別されるパターンとして容器内に存在する。このパターンは、「多相の」組成物を混合又は均質化した結果として生じる。このパターンには、次の例:ストライプ模様、大理石模様、直線模様、中断ストライプ模様、チェック模様、斑点模様、すじ模様、クラスター模様、斑紋模様、幾何学模様、まだら模様、リボン模様、らせん模様(helical)、渦模様(swirl)、配列模様、ふ入り模様、織物模様、溝模様、隆起線模様、波形模様、正弦波模様、渦巻き模様(spiral)、ねじれ模様、曲線模様、周期模様、縞模様、横紋模様、輪郭模様、不均等模様、レース模様、織り込み又は織り出し模様、バスケット織り模様、まだら模様、並びにモザイク模様が挙げられるが、それらには限定されない。好ましくはパターンは、ストライプ模様、幾何学模様、大理石模様及びこれらの組み合わせから成る群から選択される。
【0021】
好ましい実施形態において、ストライプ模様は、パッケージの寸法にわたって相対的に一様且つ均一であってもよい。あるいは、ストライプ模様は、不均一、すなわち、波形であってもよいか、又は寸法において非一様であってもよい。ストライプ模様は、必ずしもパッケージの寸法全体にわたって伸びている必要はない。ストライプの大きさは、幅が、少なくとも約0.1mm及び長さが10mmであり、好ましくは幅が少なくとも約1mm及び長さが少なくとも20mmである。相は、多様な異なる色であってもよいか、又は粒子、光沢、若しくは真珠光沢を含んでもよい。
【0022】
用語「パーソナルケア組成物」は、本明細書で使用する時、皮膚又は毛髪への局所適用が意図される組成物を意味する。
【0023】
用語「相」は、本明細書で使用する時、1つの平均的な組成を有する組成物の範囲又は領域が、異なる平均的な組成を有する別の領域又は範囲と区別されていることを意味し、ここで、範囲は肉眼で見ることができる。このことは、区別される領域又は範囲を、1つの相が、顔料、染料、粒子、及び多様な任意成分を含むことができ、これにより異なる平均組成の領域又は範囲となる、2つの同様の相を含むことから除外しない。
【0024】
用語「安定」は、本明細書で使用する時、特に指示のない限り、周囲条件下で少なくとも約180日間物理的に接触した状態にある場合、少なくとも2つの「別個」の相を維持している組成物を意味する。「別個」とは、組成物の分配の前に、肉眼で観察して、相が実質的に混合されていないことを意味する。
【0025】
用語「剪断指数」又は「n」は、本明細書で使用する時、粘度の尺度であり、その粘度が剪断力の関数である物質の粘度を定義するため、粘稠度と組み合わせて使用される。測定は、25℃で行われ、その単位は、無次元である。
【0026】
語句「実質的に含まない」は、本明細書で使用する時、組成物が、所定の成分を組成物の約3重量%未満、好ましくは約1重量%未満、より好ましくは約0.5重量%未満、さらにより好ましくは約0.25重量%未満、最も好ましくは約0.1重量%未満含むことを意味する。
【0027】
ヴォーン溶解度パラメーター(VSP)は、本明細書で使用する時、疎水性物質を含む疎水性組成物の溶解度を定義するために使用されるパラメーターである。ヴォーン溶解度パラメーターは、多様な化学及び製剤技術において周知であり、典型的に約5〜約25cal/cm3の範囲を有する。
【0028】
本明細書で用いる全ての百分率、部及び比率は、特に明記しない限り、全組成物の重量による。このような全ての重量は、記載した成分に関する限り有効濃度に基づくものであり、従って特に明記しない限りは、市販材料に含まれるかもしれない溶媒又は副産物を含まない。
【0029】
本発明のパーソナルケア組成物及び方法は、本明細書に記載の発明必須要素及び制限事項と同様に、本明細書に記載されているか、さもなければ毛髪又は皮膚への局所適用が意図されるパーソナルケア組成物において有用である、あらゆる追加成分若しくは任意成分、構成要素、又は制限事項を含むこと、これらから成ること、あるいはこれらから本質的に成ることができる。
【0030】
(製品形態)
本発明の多相パーソナルケア組成物は、典型的には液体の形態である。用語「液体」は、本明細書で使用する時、一般にある程度流動性のある組成物を意味する。従って「液体」は、皮膚への局所適用が意図される液体、半液体、クリーム、ローション又はゲル組成物を挙げることができる。組成物は、以下で記載される粘度法により測定すると、典型的には約3Pa・s(約3,000cps)以上〜約1000Pa・s(約1,000,000cps)の粘度を示す。これらの組成物は、少なくとも2つの相を含有し、これらは本明細書の以下でより詳細に記載される。
【0031】
多相パーソナルケア組成物を本明細書に記載の方法により評価すると、好ましくは個別の相は、それぞれ、個別の方法論において特に指示がない限り、組み合わされる前に評価される。しかし、相が組み合わされている場合、各相は遠心分離、超遠心分離、ピペット操作、濾過、洗浄により分離されることができ、次に別個の相が評価されることができる。
【0032】
本発明の組成物及び方法を定義するために考慮される製品形態は全てリンスオフ型配合物であり、それは製品が皮膚又は毛髪に局所的に適用され、その後(すなわち数分内に)、皮膚又は毛髪が水によってすすがれるか、そうでなければ基材又はその他の好適な除去手段を使用することにより組成物の付着部分が拭き取られることを意味する。
【0033】
(相)
本発明の多相パーソナルケア組成物は、少なくとも2つの相を含み、組成物は第1相、第2相などを有することができる。第1相と第2相の比率は、約90:10〜約10:90、好ましくは約80:20〜約20:80、より好ましくは約70:30〜約30:70、さらにより好ましくは約60:40〜約40:60、なおより好ましくは約50:50である。相は、それぞれ、次を含む非限定例:クレンジング相、利益相、及び非発泡構造水相のうちの1つ以上であり、これらは、本明細書の以下でより詳細に記載される。
【0034】
1)クレンジング相
本発明の多相パーソナルケア組成物は、クレンジング相を含むことができる。本発明のクレンジング相は、皮膚又は毛髪への適用に好適な界面活性剤を含む。本明細書での使用に好適な界面活性剤には、皮膚への適用に好適であるあらゆる既知の、そうでなければ有効なクレンジング界面活性剤が挙げられ、そしてそうでなければ、水などの組成物のクレンジング相における他の必須成分と適合性がある。これらのクレンジング界面活性剤には、アニオン性、非イオン性、カチオン性、双極性、若しくは両性界面活性剤、又はこれらの組み合わせが挙げられる。本発明のクレンジング界面活性剤相は非ニュートン性ずり減粘の挙動を示す。好ましくは、クレンジング相は、以下で記載される粘度法により測定されると、3Pa・s(3,000以センチポアズ(「cps」))を超える、より好ましくは約5Pa・s(約5,000cps)を超える、さらにより好ましくは約10Pa・s(約10,000cps)を超える、なおさらにより好ましくは約20Pa・s(約20,000cps)を超える粘度を有する。
【0035】
好ましくは、クレンジング相は、以下で記載される降伏点法により測定されると、約0.1パスカル(Pa)を超える、より好ましくは約0.5パスカルを超える、さらにより好ましくは約1.0パスカルを超える、なおより好ましくは約2.0パスカルを超える、なおさらにより好ましくは約5パスカルを超える、さらになおさらにより好ましくは約10パスカルを超える降伏点を有する。
【0036】
多相パーソナルケア組成物のクレンジング相は、好ましくはクレンジング界面活性剤を、クレンジング相の約1重量%〜約50重量%、より好ましくは約4重量%〜約30重量%、さらにより好ましくは約5重量%〜約25重量%の範囲の濃度で含む。クレンジング相の好ましいpH範囲は、約5〜約8、より好ましくは約6である。
パーソナルケア組成物のクレンジング相は、同時係属出願番号60/532,798(2003年12月24日出願)で記載されている発泡量試験により測定すると、少なくとも約400ml、好ましくは約500mlを超える、より好ましくは約600mlを超える、さらにより好ましくは約800mlを超える、なおより好ましくは約1000mlを超える、なおさらにより好ましくは約1250mlを超える総発泡量を生じる。パーソナルケア組成物の発泡クレンジング相は、同時係属出願番号60/532,798(2003年12月24日出願)で記載されている発泡量試験により測定すると、少なくとも約100ml、好ましくは約200mlを超える、さらにより好ましくは約300mを超える瞬間発泡容量を生じるのが好ましい。
【0037】
クレンジング相での使用に好適なアニオン性界面活性剤には、アルキルサルフェート及びアルキルエーテルサルフェートが挙げられるこれらの物質は、それぞれ、式、ROSO3M及びRO(C2H4O)xSO3Mを有しており、式中、Rは、炭素原子数約8〜約24個のアルキル若しくはアルケニルであり、xは、1〜10であり、Mは、アンモニウム、ナトリウム、カリウム、及びトリエタノールアミンのような水溶性のカチオンである。アルキルエーテルサルフェート類は、典型的には、エチレンオキシドと約8〜約24個の炭素原子を有する一価アルコール類との縮合生成物として製造される。好ましくは、Rはアルキルサルフェート及びアルキルエーテルサルフェートの両方において約10〜約18個の炭素原子を有する。アルコール類は、脂肪類、例えばココヤシ油若しくは獣脂から誘導することができ、又は合成アルコールにすることができる。本明細書では、ココヤシ油から誘導されるラウリルアルコール及び直鎖アルコール類が好ましい。このようなアルコール類は、エチレンオキシドと約1〜約10、好ましくは約3〜約5、より好ましくは約3のモル比で反応し、得られる、例えばアルコール1モル当たり平均3モルのエチレンオキシドを有する分子種の混合物が硫酸化され、中和される。
【0038】
クレンジング相で使用してもよいアルキルエーテルサルフェート類の具体例は、ココナッツアルキルトリエチレングリコールエーテルサルフェート、タローアルキルトリエチレングリコールエーテルサルフェート、及びタローアルキルヘキサオキシエチレンサルフェートの、ナトリウム塩及びアンモニウム塩である。非常に好ましいアルキルエーテルサルフェートは、個々の化合物の混合物を含むものであり、前記混合物は約10〜約16個の炭素原子の平均アルキル鎖長、及び約1〜約4モルのエチレンオキシドの平均エトキシル化度を有する。
【0039】
他の好適なアニオン性界面活性剤には、一般式[R1-SO3−M]の有機硫酸反応生成物の水溶性塩が挙げられ、式中、R1は約8〜約24個、好ましくは約10〜約18個の炭素原子を有する、直鎖又は分枝鎖の飽和脂肪族炭化水素ラジカルから成る群から選択され、Mはカチオンである。好適な例は、約8〜約24個の炭素原子、好ましくは約10〜約18個の炭素原子を有する、イソ−、ネオ−、インエソ−、及びn−パラフィン類を含むメタン系炭化水素と、漂白及び加水分解を含めた既知のスルホン化法によって得られるスルホン化剤、例えば、SO3、H2SO4、発煙硫酸との有機硫酸反応生成物の塩である。好ましいものは、アルカリ金属及びアンモニウムスルホン化C10〜18n−パラフィンである。
【0040】
他の好適な界面活性剤は、マカッチャン(McCutcheon)の乳化剤及び洗剤(Emulsifiers and Detergents)1989年鑑、M.C.パブリッシング社(Publishing Co.)発行及び米国特許第3,929,678号で記載されている。
【0041】
クレンジング相での使用が好ましいアニオン性界面活性剤には、ラウリル硫酸アンモニウム、ラウレス硫酸アンモニウム、ラウリル硫酸トリエチルアミン、ラウレス硫酸トリエチルアミン、ラウリル硫酸トリエタノールアミン、ラウレス硫酸トリエタノールアミン、ラウリル硫酸モノエタノールアミン、ラウレス硫酸モノエタノールアミン、ラウリル硫酸ジエタノールアミン、ラウレス硫酸ジエタノールアミン、ラウリルモノグリセリド硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウレス硫酸ナトリウム、ラウレス硫酸カリウム、ラウリルサルコシン酸ナトリウム、ラウロイルサルコシン酸ナトリウム、ラウリルサルコシン、ココイルサルコシン、ココイル硫酸アンモニウム、ラウロイル硫酸アンモニウム、ココイル硫酸ナトリウム、ラウロイル硫酸ナトリウム、ココイル硫酸カリウム、ラウリル硫酸カリウム、ココイル硫酸モノエタノールアミン、トリデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、及びこれらの組み合わせが挙げられる。
【0042】
一部の実施形態では、例えばトリデセス硫酸ナトリウムのような分枝状アルキル鎖を有するアニオン性界面活性剤が好ましい。一部の実施形態では、アニオン性界面活性剤の混合物を使用してもよい。
【0043】
両性、双極性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、及び/又は非イオン性界面活性剤部類の追加的な界面活性剤を、クレンジング相組成物に組み込んでもよい。
【0044】
クレンジング相での使用に好適な両性界面活性剤には、脂肪族第二級及び第三級アミンの誘導体として広く記述されるものであって、その脂肪族ラジカルが直鎖又は分枝鎖であることができ、その脂肪族置換基の内の1つが約8〜約18個の炭素原子を含有し、そして1つがアニオン性水溶性基、例えば、カルボキシ、スルホネート、サルフェート、ホスフェート、若しくはホスホネートを含有する界面活性剤が挙げられる。この定義に該当する化合物の例は、3−ドデシルアミノプロピオン酸ナトリウム、3−ドデシルアミノプロパンスルホン酸ナトリウム、ラウリルサルコシン酸ナトリウム、米国特許第2,658,072号の教示に従ってドデシルアミンとイセチオン酸ナトリウムとを反応させることで調製されるようなN−アルキルタウリン類、米国特許第2,438,091号の教示に従って生成されるようなN−高級アルキルアスパラギン酸類、及び米国特許第2,528,378号に記載の生成物である。
【0045】
クレンジング相での使用に好適な双極性界面活性剤には、脂肪族第四級アンモニウム、ホスホニウム、及びスルホニウム化合物の誘導体類として広く記述されるものであって、その脂肪族ラジカルが直鎖又は分枝鎖であることができ、その脂肪族置換基のうちの1つが約8〜約18個の炭素原子を含有し、そして1つがアニオン性基、例えば、カルボキシ、スルホネート、サルフェート、ホスフェート、又はホスホネートを含有する界面活性剤が挙げられる。そのような好適な双極性界面活性剤は、下記の式により表されることができ、
【0046】
【化1】
式中、R2は約8〜約18個の炭素原子のアルキル、アルケニル、又はヒドロキシアルキルラジカル、0〜約10個のエチレンオキシド部分及び0〜約1個のグリセリル部分を含有し;Yは窒素、リン、及びイオウ原子から成る群から選択され;R3は約1〜約3個の炭素原子を含有するアルキル又はモノヒドロキシアルキル基であり;Xは、Yがイオウ原子のとき1であり、Yが窒素又はリン原子のとき2であり;R4は約1〜約4個の炭素原子のアルキレン又はヒドロキシアルキレンであり、Zはカルボキシレート、スルホネート、サルフェート、ホスホネート、及びホスフェート基から成る群から選択されるラジカルである。
【0047】
クレンジング相での使用に好適な他の双極性界面活性剤には、ココジメチルカルボキシメチルベタイン、ココアミドプロピルベタイン、ココベタイン、ラウリルアミドプロピルベタイン、オレイルベタイン、ラウリルジメチルカルボキシメチルベタイン、ラウリルジメチルαカルボキシエチルベタイン、セチルジメチルカルボキシメチルベタイン、ラウリルビス−(2−ヒドロキシエチル)カルボキシメチルベタイン、ステアリルビス−(2−ヒドロキシプロピル)カルボキシメチルベタイン、オレイルジメチルγ−カルボキシプロピルベタイン、及びラウリルビス−(2−ヒドロキシプロピル)α−カルボキシエチルベタインのような高級アルキルベタイン類を含むベタイン類が挙げられる。スルホベタイン類は、ココジメチルスルホプロピルベタイン、ステアリルジメチルスルホプロピルベタイン、ラウリルジメチルスルホエチルベタイン、ラウリルビス−(2−ヒドロキシエチル)スルホプロピルベタインなどで代表されてもよく、RCONH(CH2)3ラジカルがベタインの窒素原子に結合しているアミドベタイン類及びアミドスルホベタイン類も本発明で有用である。
【0048】
また、アンホアセテート類及びジアンホアセテート類を使用してもよい。
【0049】
【化2】
アンホアセテート類及びジアンホアセテート類は、式(上記)に従い、式中、Rは、炭素原子数8〜18個の脂肪族基である。Mは、ナトリウム、カリウム、アンモニウム、又は置換アンモニウムのようなカチオンである。一部の実施形態では、ラウロアンホ酢酸ナトリウム、ココアンホ酢酸ナトリウム、ラウロアンホ酢酸二ナトリウム、及びココジアンホ酢酸二ナトリウムが好ましい。
【0050】
また、カチオン性界面活性剤も、クレンジング相で使用することができるが、一般的にはあまり好ましくなく、組成物の約5重量%未満に相当することが好ましい。水性クレンジング相での使用に好適な非イオン性界面活性剤には、アルキレンオキシド基(性質上、親水性)と性質上、脂肪族又はアルキル芳香族であってもよい有機疎水性化合物との縮合生成物が挙げられる。
【0051】
A)構造化剤
本発明の組成物のクレンジング相は、任意選択ではあるが好ましくは、組成物中で熱力学的相、好ましくは層状の熱力学的相を形成するように作用する構造化剤を、約0.1重量%〜10重量%更に含む。層状相が本発明の組成物の相間の境界面の安定性を向上させると考えられている。
【0052】
好適な構造化剤には、脂肪酸若しくはそのエステル誘導体、脂肪族アルコール、トリヒドロキシステアリン(商品名チキシン(THIXCIN)(登録商標)Rでレックス社(Rheox,Inc.)から入手可能)、又はポリメチアクリルアミドプロピルトリモニウムクロリド(商品名ポリケア(POLYCARE)(登録商標)133でローディア(Rhodia)から入手可能)が挙げられる。好ましくは、層状構造化剤は、ラウリン酸又はトリヒドロキシステアリンから選択される。
【0053】
本発明の好ましい実施形態において、クレンジング相で使用される界面活性剤は、非ニュートン性ずり減粘挙動(本明細書では自由流組成物と呼ぶ)を示し、界面活性剤の混合物であることもできる。好適な界面活性剤混合物は、水、少なくとも1つのアニオン性界面活性剤、電解質、及び少なくとも1つのアルカノールアミドを含むことができる。非ニュートン性ずり減粘挙動を示すクレンジング相を使用することにより、得られる多相パーソナルケア組成物の安定性を増大できることが判明している。アルカノールアミドは、存在する場合、次の一般構造を有し、
【0054】
【化3】
式中、Rは、C8〜C24、又は好ましくは一部の実施形態ではC8〜C22、又は他の実施形態ではC8〜C18の、飽和又は不飽和の、直鎖又は分枝状の脂肪族基であり、R1及びR2は、同一又は異なって、C2〜C4直鎖又は分枝状脂肪族基であり、xは、0〜10であり;yは、1〜10であり、xとyの合計は、10以下である。
【0055】
組成物中のアルカノールアミドの量は、典型的には、クレンジング相の約0.1重量%〜約10重量%であり、一部の実施形態では、好ましくはクレンジング相の約2重量%〜約5重量%である。好適なアルカノールアミド類には、コカミドMEA(ココモノエタノールアミド)及びコカミドMIPA(ココモノイソプロプラノールアミド(Coco monoisopropranolamide))が挙げられる。
【0056】
電解質は、使用される場合、それ自体を組成物に添加することができるか、又は原材料の1つに含まれる対イオンによってその場で形成することができる。電解質には、好ましくは、リン酸塩、塩化物、硫酸塩、又はクエン酸塩を含むアニオンと、ナトリウム、アンモニウム、カリウム、マグネシウム、又はこれらの混合物を含むカチオンが挙げられる。一部の好ましい電解質は、塩化ナトリウム若しくは塩化アンモニウム、又は硫酸ナトリウム若しくは硫酸アンモニウムである。好ましい電解質は、塩化ナトリウムである。
【0057】
電解質は、存在する時には、自由流動組成物の形成を促進する量で存在するべきである。一般に、この量は、クレンジング相の約0.1重量%〜約15重量%、好ましくは約1重量%〜約6重量%であるが、必要であれば変更してもよい。
【0058】
本発明の一つの実施形態において、クレンジング相は、アニオン性界面活性剤(例えば、ナトリウムトリデセスサルフェート)、アンホ酢酸界面活性剤(例えば、ラウロアンホ酢酸ナトリウム)及びアルカノールアミド(例えば、ココアミドMEA)を含む。この実施形態のクレンジング相は、好ましくは電解質(例えば、塩化ナトリウム)を更に含む。
【0059】
B)等方性
本発明のクレンジング相は、任意選択に等方性の熱力学的相を含んでよい。等方性熱力学的相は、そのミクロ構造が溶液中の距離又は方向により変化しない完全に混和性の構成成分から構成される界面活性剤溶液を含む。好ましくは、等方性熱力学的相に見られる界面活性剤は、層状の熱力学的相において前述されたものと同一のものである。多相パーソナルケア組成物の等方性熱力学的相は、スピンドル番号S41のブルックフィールド・コーン・アンド・プレート粘度計(Brookfield Cone and Plate viscometer)を使用して0.5RPMで測定すると、好ましくは、約3〜100Pa・s(約3,000〜約100,000センチポアズ(cps))の範囲の粘度を有する。より好ましくは粘度は、約10〜100Pa・s(約10,000〜約100,000cps)であり、さらにより好ましくは粘度は、約20〜80Pa・s(約20,000〜約80,000cps)である。
【0060】
C)有機カチオン沈着ポリマー
本発明の多相パーソナルケア組成物は、本明細書の以下に記載する有益剤の付着助剤として、クレンジング相に有機カチオン沈着ポリマーを追加的に含んでもよい。カチオン沈着ポリマーの濃度は、好ましくはクレンジング相組成物の約0.025重量%〜約3重量%、より好ましくは約0.05重量%〜約2重量%、さらにより好ましくは約0.1重量%〜約1重量%の範囲である。
【0061】
本発明の多相パーソナルケア組成物での使用に好適なカチオン沈着ポリマーは、第四級アンモニウム又はカチオン性プロトン化アミノ部分のようなカチオン性窒素含有部分を含有する。カチオン性プロトン化アミン類は、パーソナルクレンジング組成物の特定の種類及び選択されたpHに応じて、第一級、第二級、又は第三級アミン(好ましくは第二級又は第三級)であることができる。カチオン沈着ポリマーの平均分子量は、約5,000〜約10,000,000、好ましくは少なくとも約100,000、より好ましくは少なくとも約200,000であるが、好ましくは約2,000,000以下、より好ましくは、約1,500,000以下である。ポリマー類はまた、カチオン電荷密度がパーソナルクレンジング組成物の意図された使用のpHにおいて約0.2meq/g〜約5meq/gの範囲、好ましくは少なくとも約0.4meq/g、より好ましくは少なくとも約0.6meq/gであり、このpHは一般にpH約4〜pH約9、好ましくはpH約5〜pH約8の範囲である。
【0062】
電荷密度は当該技術分野で周知の技術に従って制御し調節することができる。本明細書で使用する時、カチオン性ポリマー類の「電荷密度」はポリマーの1グラム原子量(分子量)当たりのカチオン部位の数として定義され、カチオン電荷のmeq/gにより表すことができる。一般に、ポリマーのアミン又は第四級アンモニウム部分の比率の調整、並びにアミン類の場合は多相パーソナルケア組成物のpHが、電荷密度に影響することになる。
【0063】
ポリマー類が、水中、多相パーソナルケア組成物中、又は多相パーソナルケア組成物のコアセルベート相中で可溶性を維持する限り、並びに対イオンがパーソナルクレンジング組成物の必須構成成分と物理的及び化学的に適合性があるか、さもなければ製品性能、安定性又は審美性を過度に損なわない限り、カチオン沈着ポリマー類と関連してあらゆるアニオン性対イオンを使用することができる。このような対イオンの非限定例としては、ハロゲン化物(例えば、塩素、フッ素、臭素、ヨウ素)、硫酸塩及び硫酸メチルが挙げられる。
【0064】
多相パーソナルケア組成物に使用されるカチオン沈着ポリマー類の非限定例としては、カチオン性セルロース誘導体のような多糖類ポリマー類が挙げられる。好ましいカチオン性セルロースポリマー類はトリメチルアンモニウム置換エポキシドと反応させたヒドロキシエチルセルロースの塩類であり、産業界(CTFA)ではポリクオタニウム(Polyquaternium)10と呼ばれ、これはアマコール社(Amerchol Corp.)(米国ニュージャージー州エディソン)(Edison,N.J.,USA)より、ポリマー類のポリマー(Polymer)KG、JR及びLRシリーズとして入手可能であり、最も好ましいものはKG−30Mである。
【0065】
他の好適なカチオン沈着ポリマー類としては、グアーヒドロキシプロピルトリモニウムクロリドのようなカチオン性グアーガム誘導体類が挙げられ、その具体的な例としては、ローディア社(Rhodia Inc.)より市販されているジャガー(Jaguar)シリーズ(好ましくはジャガーC−17)、及びアクアロン(Aqualon)より市販されているN−ハンス(N-Hance)ポリマーシリーズが挙げられる。
【0066】
本明細書のカチオン性ポリマー類はクレンジング相に可溶であるか、又は好ましくはカチオン沈着ポリマーと本明細書中で前述されたアニオン性界面活性剤構成成分によって形成される多相パーソナルケア組成物の複合コアセルベート相に可溶である。カチオン沈着ポリマーの複合コアセルベート類は、また、多相パーソナルケア組成物中の他の帯電物質と共に形成されることができる。
【0067】
コアセルベートの形成は、分子量、構成成分濃度、相互作用するイオン性構成成分の比率、イオン強度(例えば塩類の添加による、イオン強度の調整を包含する)、カチオン性及びアニオン性構成成分の電荷密度、pH、並びに温度のような種々の基準に依存する。コアセルベート系及びこれらのパラメーターの効果は、例えば、J.カエレス(Caelles)ら、「混合系におけるアニオン性及びカチオン性化合物」("Anionic and Cationic Compounds in Mixed Systems")、化粧品及び洗面用品(Cosmetics & Toiletries)、第106巻、1991年4月、第49頁〜第54頁、C.J.ファン.オス(Oss)、「コアセルベーション、複合コアセルベーション及び凝集」("Coacervation,Complex-Coacervation and Flocculation")、分散の科学及び技術誌(J.Dispersion Science and Technology)、第9巻(5,6)、1988〜89年、第561頁〜第573頁、及びD.J.ブルゲス(Burgess)、「複合コアセルべート系の実用分析」("Practical Analysis of Complex Coacervate Systems")、コロイド・アンチ・境界面科学誌(J.of Colloid anti Interface Science)第140巻、No.1、1990年11月、第227頁〜第238頁に記載されており、これらの記載は参照として本明細書に組み入れられる。
【0068】
カチオン沈着ポリマーが多相パーソナルケア組成物中でコアセルベート相に存在すること、又は皮膚にクレンジング組成物を適用するか若しくは皮膚からクレンジング組成物をすすぐときに、コアセルベート相を形成することは特に有利であると考えられている。複合コアセルベートはより容易に皮膚に付着し、これにより利益物質の改良された付着が得られると考えられている。従って、一般に、カチオン沈着ポリマーが多相パーソナルケア組成物中にコアセルベート相として存在するか、又は希釈の際にコアセルベート相を形成することが好ましい。コアセルベートが多相パーソナルケア組成物に既に存在しないのであれば、カチオン沈着ポリマーが、好ましくは、水による希釈の際に多相パーソナルケア組成物に複合コアセルベートを形成する。
【0069】
複合コアセルベートの形成を分析する技術は、当該技術分野において既知である。例えば、希釈のいずれかの選択された段階において多相パーソナルケア組成物の遠心分離分析を使用して、コアセルベート相が形成されたか否かを確認することができる。
【0070】
2)利益相
本発明の多相パーソナルケア組成物は、利益相を含むことができる。本発明における利益相は、好ましくは無水である。利益相は、疎水性物質を含む疎水性組成物類を含む。利益相は、疎水性物質を約20%〜約100%、好ましくは少なくとも約35%、最も好ましくは少なくとも約50%含む。本発明での使用に好適な疎水性組成物は、約5〜約15のヴォーン溶解度パラメーターを有する。疎水性組成物は、好ましくは、選択された粘稠度(k)及び剪断指数(n)を含む、後述する定義されたレオロジー特性を有するものから選択される。これらの好ましいレオロジー特性は、一般に、疎水性物質の皮膚への付着が改良されている多相パーソナルケア組成物を提供するのに特に有用である。
【0071】
A)ヴォーン溶解度パラメーター値(VSP)
多相パーソナルケア組成物の利益相で使用される疎水性組成物は、約5〜約15、好ましくは約5〜10、より好ましくは約6〜約9のヴォーン溶解度パラメーター(VSP)を有する。これらの溶解度パラメーターは、配合分野では周知であり、ヴォーン(Vaughan)により、化粧品及び洗面用品(Cosmetics and Toiletries)、103巻、第47頁〜第69頁、1988年10月、において定義されている。
【0072】
約5〜約15の範囲のVSP値を有する疎水性物質の非限定例には、次のものが挙げられる:
【0073】
【表1】
溶解度、製品、パッケージ、浸透及び保存における効果(Solubility,Effects in Product,Package,Penetration and Preservation)、C.D.ヴォーン(Vaughan)、化粧品及び洗面用品(Cosmetics and Toiletries)、103巻、1988年10月による報告。
【0074】
B)レオロジー
組成物の利益相で使用される疎水性組成物は、粘稠度(k)及び剪断指数(n)により定義される好ましいレオロジー特性を有する。好ましい粘稠度の範囲は、約0.001〜10Pa・s(約1〜10,000ポアズ/(1/秒)(1逆秒当たりのポアズ))、好ましくは約0.01〜5Pa・s(約10〜5000ポアズ/(1/秒))、より好ましくは約0.05〜4Pa・s(約50〜4000ポアズ/(1/秒))である。剪断指数の範囲は、約0.025〜0.9、好ましくは約0.05〜0.5、より好ましくは約0.09〜0.4である。
【0075】
疎水性組成物は、前述の範囲で定義された粘稠度(k)及び剪断指数(n)の値によって特徴付けることができ、これらの定義範囲は、毛髪又は皮膚への多相パーソナルケア組成物の適用中及び適用後における付着の向上及びべたつきの低減を提供するように選択される。
【0076】
剪断指数(n)及び粘稠度(k)は、周知であり、適用された剪断速度により変わる粘度を有する物質の粘度(μ)特性を報告するために産業界で認められている基準である。
【0077】
疎水性組成物の粘度(μ)は、剪断速度を適用し、得られた剪断応力を測定するか、又はTAインストルメンツ(Instruments)AR2000(TAインストルメンツ(Instruments)、米国デラウエア州ニュー・カッスル(New Castle,DE,USA)19720)のようなレオメーターを使用し、プログラム化した方法でその逆をすることにより、特徴付けることができる。粘度は、下記の方法に従って異なる剪断速度で決定される。最初に、多相パーソナルケア組成物に存在するような組成及び特性を有する疎水性組成物を得る。すなわち、組成物は、例えば試料が結晶を含有する場合、ほぼ同じ速度で結晶化されるように、同様の方法でプロセスされる。疎水性組成物のアリコートは、多相組成物中で組み合わせる前に得ることができ、これは当業者に慣用のやり方である。また、疎水性組成物は、例えば、遠心分離、ピペット操作、ふるい分け、すすぎ、又は疎水性組成物を回収する他の方法により、多相パーソナルケア組成物から回収することができる。AR2000レオメーターは、約0.1Pa〜約1,000Paの応力を、5分間隔、25℃でランピングして試料を剪断するようにプログラムされる。隙間1mmの4cm平行板形状が慣用であるが、隙間は、必要に応じて増大又は減少することができ、例えば、疎水性組成物が大きい粒子を含有する場合、隙間は大きくなる必要があるかもしれない。少なくとも100 1/秒の剪断速度が試験で得られるか、又は試験は、十進応力当たり約1.25分で応力が増加するプログラム化された速度を維持しながら、より高い最終応力値で繰り返される。これらの結果を下記の広く受け入れられている指数法則モデルに適合させる。対数の対数で表されるプロットの粘度及び剪断速度データをプロットし、一様に、剪断速度が上昇し、粘度が下降している領域のデータのみを使用することにより、剪断された領域のデータが含まれる。例えば、流れがほとんど起きない低い剪断応力での最初の平坦領域は、考慮に入れない。典型的には、約0.1〜10.0 1/秒の剪断速度の粘度が有用であり、十分なデータポイントが取られて広く受け入れられている指数法則モデルに適合される(例えば、コールソン(Coulson)及びリチャードソン(Richardson)による化学工学(Chemical Engineering)、ペルガモン(Pergamon)、1982年、又はバード(Bird)、スチュワード(Steward)及びライトフット(Lightfoot)、ウイリー(Wiley)による輸送現象(Transport Phenomena)、1960年を参照すること):
μ=k(γ’)(n-1)
対数の対数で表される勾配で得られる値は、(n−1)であり、ここでnは、剪断指数であり、kで得られる値は、ポアズ/(1/秒)の粘稠度である。例えば、ペトロラタム(スーパー・ホワイト・プロトペット(Super White Protopet)、ウイトコ(Witco))は、約2Pa・s(約2,000ポアズ/(1/秒))の粘稠度及び約0.2の剪断指数を有し、ペトロラタム50%とハイドロブライト(Hydrobrite)1000鉱油(ウイトコ)50%のブレンドは、約0.4Pa・s(約400ポアズ/(1/秒))の粘稠度及び約0.25の剪断指数を有する。
【0078】
疎水性組成物は、疎水性物質を含む。本明細書での使用に好適な疎水性物質の非限定例には、種々の炭化水素類、油類及びろう類、シリコーン類、脂肪酸誘導体、コレステロール、コレステロール誘導体、ジグリセリド類、トリグリセリド類、植物油類、植物油誘導体、アセトグリセリドエステル類、アルキルエステル類、アルケニルエステル類、ポリグリセリン脂肪酸エステル類、ラノリン及びその誘導体、ろうエステル類,蜜蝋誘導体、ステロール類及びリン脂質類、並びにこれらの組み合わせを挙げることができる。
【0079】
本明細書での使用に好適な炭化水素、油類、及びろう類の非限定例には、ペトロラタム、鉱油、微結晶ろう類、ポリアルケン類、パラフィン類、ケラシン、オゾケライト、ポリエチレン、ペルヒドロスクアレン、及びこれらの組み合わせが挙げられる。
【0080】
本明細書の疎水性物質としての使用に好適なシリコーン油類の非限定例には、ジメチコンコポリオール、ジメチルポリシロキサン、ジエチルポリシロキサン、混合C1〜C30アルキルポリシロキサン類、フェニルジメチコン、ジメチコノール、及びこれらの組み合わせが挙げられる。好ましいものは、ジメチコン、ジメチコノール、混合C1〜C30アルキルポリシロキサン、及びこれらの組み合わせから選択される不揮発性シリコーン類である。本明細書で有用なシリコーン油類の非限定例は、米国特許第5,011,681号(チオッティ(Ciotti)ら)に記載されている。
【0081】
本明細書の疎水性物質としての使用に好適なジグリセリド類及びトリグリセリド類の非限定例には、ヒマシ油、大豆油、マレエート化大豆油のような誘導体化した大豆油類、ベニバナ油、綿実油、トウモロコシ油、クルミ油、ピーナッツ油、オリーブ油、タラ肝油、アーモンド油、アボカド油、パーム油及びゴマ油、植物油類、ヒマワリ種子油、及び植物油誘導体;ココヤシ油及び誘導体化したココヤシ油、綿実油及び誘導体化した綿実油、ホホバ油、カカオバター、並びにこれらの組み合わせが挙げられる。
【0082】
本明細書の疎水性物質としての使用に好適なアセトグリセリドエステル類の非限定例には、アセチル化モノグリセリド類が挙げられる。
【0083】
本明細書の疎水性物質としての使用に好適なアルキルエステル類の非限定例には、脂肪酸類のイソプロピルエステル類、及び長鎖(すなわち、C10〜C24)脂肪酸類の長鎖エステル類、例えばセチルリシノレエートが含まれ、その非限定例には、パルミチン酸イソプロピル、ミリスチン酸イソプロピル、セチルリコノレエート(cetyl riconoleate)、及びステアリルリコノレエート(stearyl riconoleate)が挙げられる。他の例は、ラウリン酸ヘキシル、ラウリン酸イソヘキシル、ミリスチン酸ミリスチル、パルミチン酸イソヘキシル、オレイン酸デシル、オレイン酸イソデシル、ステアリン酸ヘキサデシル、ステアリン酸デシル、イソステアリン酸イソプロピル、アジピン酸ジイソプロピル、アジピン酸ジイソヘキシル、アジピン酸ジヘキシルデシル、セバシン酸ジイソプロピル、イソノナン酸アシル乳酸ラウリル、乳酸ミリスチル、乳酸セチル、及びこれらの組み合わせである。
【0084】
本明細書の疎水性物質としての使用に好適なアルケニルエステル類の非限定例には、ミリスチン酸オレイル、ステアリン酸オレイル、オレイン酸オレイル、及びこれらの組み合わせが挙げられる。
【0085】
本明細書の疎水性物質としての使用に好適なポリグリセリン脂肪酸エステル類の非限定例としては、デカグリセリルジステアレート、デカグリセリルジイソステアレート、デカグリセリルモノミリエート、デカグリセリルモノラウレート、ヘキサグリセリルモノオレエート、及びこれらの組み合わせが挙げられる。
【0086】
本明細書の疎水性物質としての使用に好適なラノリン及びラノリン誘導体の非限定例には、ラノリン、ラノリン油、ラノリンろう、ラノリンアルコール類、ラノリン脂肪酸類、イソプロピルラノレート、アセチル化ラノリン、アセチル化ラノリンアルコール類、ラノリンアルコールリノレエート、ラノリンアルコールリコノレエート(lanolin alcohol riconoleate)、及びこれらの組み合わせが挙げられる。
【0087】
さらに他の好適な疎水性物質としては、ミルクトリグリセリド類(例えば、ヒドロキシル化ミルクグリセリド)及びポリオール脂肪酸ポリエステル類が挙げられる。
【0088】
さらに他の好適な疎水性物質には、ろうエステル類が挙げられ、その非限定例には、蜜蝋及び蜜蝋誘導体、鯨蝋、ミリスチン酸ミリスチル、ステアリン酸ステアリル、及びこれらの組み合わせが挙げられる。また有用なものは、カルナウバろう及びキャンデリラろうのような植物性ろう類;コレステロール、コレステロール脂肪酸エステル類のようなステロール類;及びレシチンのようなリン脂質類及び誘導体、スフィンゴ脂質類、セラミド類、スフィンゴ糖脂質類、並びにこれらの組み合わせである。
【0089】
組成物の利益相は、好ましくは1つ以上の疎水性物質を含むことができ、疎水性物質の少なくとも20重量%は、ペトロラタム、鉱油、ヒマワリ種子油、微結晶ろう類、パラフィン類、オゾケライト、ポリエチレン、ポリブテン、ポリデセン及びペルヒドロスクアレンジメチコン類、シクロメチコン類、アルキルシロキサン類、ポリメチルシロキサン類及びメチルフェニルポリシロキサン類、ラノリン、ラノリン油、ラノリンろう、ラノリンアルコール類、ラノリン脂肪酸類、イソプロピルラノレート、アセチル化ラノリン、アセチル化ラノリンアルコール類、ラノリンアルコールリノレエート、ラノリンアルコールリコノレエート(lanolin alcohol riconoleate)、ヒマシ油、大豆油、マレエート化大豆油、ベニバナ油、綿実油、トウモロコシ油、クルミ油、ピーナッツ油、オリーブ油、タラ肝油、アーモンド油、アボカド油、パーム油、及びゴマ油、並びにこれらの組み合わせから選択される。より好ましくは、疎水性物質の少なくとも約50重量%は、ペトロラタム、鉱油、パラフィン類、ポリエチレン、ポリブテン、ポリデセン、ジメチコン類、アルキルシロキサン類、シクロメチコン類、ラノリン、ラノリン油、ラノリンろうから成る群から選択される。残りの疎水性皮膚コンディショニング剤は、好ましくはパルミチン酸イソプロピル、セチルリコノレエート、イソノナン酸オクチル、パルミチン酸オクチル、ステアリン酸イソセチル、ヒドロキシル化ミルクグリセリド及びこれらの組み合わせから選択される。
【0090】
3)非発泡構造水相
本発明の多相パーソナルケア組成物は、非発泡構造水相を含むことができる。本発明の組成物の非発泡構造水相は、水構造化剤及び水を含む。非発泡構造水相は、親水性であることができ、好ましい実施形態において、非発泡構造水相は、親水性ゲル化水相である。加えて、本発明の非発泡構造水相は、典型的には、界面活性剤を非発泡構造水相の約5重量%未満、好ましくは約3重量%未満、より好ましくは約1重量%未満含む。本発明の一つの実施形態において、非発泡構造水相は、界面活性剤を含有しない。
【0091】
パーソナルケア組成物の非発泡構造水相は、同時係属出願番号60/532,798(2003年12月24日出願)で記載されている発泡量試験により測定すると、好ましくは約350ml以下、より好ましくは約330ml以下、さらにより好ましくは約300ml以下の総発泡量を生じる。パーソナルケア組成物の非発泡構造水相は、同時係属出願番号60/532,798(2003年12月24日出願)で記載されている発泡量試験により測定すると、好ましくは約150ml以下、好ましくは約130ml以下、さらにより好ましくは約100ml以下の瞬間発泡容量を生じる。
【0092】
好ましくは、非発泡構造水相は、後述する降伏点法により測定すると、少なくとも約0.1Pa、好ましくは少なくとも約1Pa、より好ましくは少なくとも約10Paの降伏点を示す。好ましくは、非発泡構造水相は、同時係属出願番号60/532,798(2003年12月24日出願)で記載されている水移動度法により測定すると、約2.5秒未満、より好ましくは約2秒未満、さらにより好ましくは約1秒未満の水移動度を示す。
【0093】
好ましくは、非発泡構造水相は、後述する相関曇指数法で測定すると、約50%相関曇未満、より好ましくは約30%相関曇未満、さらにより好ましくは約20%相関曇未満、なおより好ましくは約10%相関曇未満の相関曇りを示す。
【0094】
非発泡構造水相は、粘稠度(k)及び剪断指数(n)により定義される好ましいレオロジー特性を有する。非発泡構造水相の好ましい粘稠度は、約0.01〜100Pa・s(約10〜約100,000ポアズ/(1/秒))、好ましくは約0.01〜10Pa・s(約10〜約10,000ポアズ/(1/秒))、より好ましくは約0.1〜1Pa・s(約100〜1,000ポアズ/(1/秒))である。非発泡構造水相の剪断指数は、約0.1〜約0.8、好ましくは約0.1〜約0.5、より好ましくは約0.20〜約0.4の範囲である。
【0095】
剪断指数(n)及び粘稠度(k)は、周知であり、適用された剪断速度の関数である粘度を有する組成物の粘度特性を報告するために産業界で認められている基準である。これらの値を得るために使用される方法論が、前記でより詳細に記載された。
【0096】
本発明の非発泡構造水相は、水を非発泡構造水相の約30重量%〜約99重量%含む。非発泡構造水相は、一般に、水を非発泡構造水相の約50重量%を超えて、好ましくは約60重量%を超えて、よりさらに好ましくは約70重量%をこえて、なおより好ましくは約80重量%を超えて含む。
【0097】
非発泡構造水相は、典型的には、約5〜約8、より好ましくは約7のpHを有する。非発泡構造水相は、適正なpH範囲を促進するために、任意選択にpH調整剤を含むことができる。
【0098】
非発泡構造水相は、実効カチオン性電荷、実効アニオン性電荷、又は実効中性電荷を有することができる。好ましい実施形態において、非発泡構造水相は実効アニオン性電荷を有する。
【0099】
本発明の非発泡構造水相は、本明細書で後述するような任意成分を更に含むことができる。非発泡構造水相の好ましい任意性分には、顔料、pH調整剤、及び防腐剤が挙げられる。一つの実施形態において、非発泡構造水相は、水構造化剤(例えば、アクリレート類/イソデカン酸ビニルクロスポリマー)、水、pH調整剤(例えば、トリエタノールアミン)、及び防腐剤(例えば、1,3−ジメチロール−5,5−ジメチルヒダントイン(商品名グリダント(GLYDANT)(登録商標)でロンザ(Lonza)から入手可能な「DMDMH」)を含む。
【0100】
A)水構造化剤
本発明の非発泡構造水相は、水構造化剤を非発泡構造水相の約0.1重量%〜約30重量%、好ましくは約0.5重量%〜約20重量%、より好ましくは約0.5重量%〜約10重量%、さらにより好ましくは約0.5重量%〜約5含む。
【0101】
水構造化剤は、典型的には、無機水構造化剤、電荷ポリマー水構造体、水溶性ポリマー構造化剤、結合的水構造化剤、及びこれらの混合物から成る群から選択される。
【0102】
パーソナルクレンジング組成物で使用される無機水構造化剤の非限定例には、シリカ類、粘土類、例えば合成ケイ酸塩類(サザン・クレー(Southern Clay)製のラポナイト(Laponite)XLG及びラポナイトXLS)、又はこれらの混合物が挙げられる。
【0103】
パーソナルクレンジング組成物で使用される電荷ポリマー水構造化剤の非限定例には、アクリレート類/イソデカン酸ビニルクロスポリマー(3V製のスタビレン(Stabylen)30)、アクリレート類/C10〜30アクリル酸アルキルクロスポリマー(ペムレン(Pemulen)TR1及びTR2)、カルボマー類、アンモニウムアクリロイルジメチルタウレート/VPコポリマー(クラリアント(Clariant)製のアリストフレックス(Aristoflex)AVC)、アンモニウムアクリロイルジメチルタウレート/ベヘネス−25メタクリレートクロスポリマー(クラリアント製のアリストフレックスHMB)、アクリレート類/セテス−20イタコネートコポリマー(ナショナル・スターチ(National Starch)製のストラクチャー(Structure)3001)、ポリアクリルアミド(SEPPIC製のセピゲル(Sepigel)305)、又はこれらの混合物が挙げられる。
【0104】
パーソナルクレンジング組成物で使用される水溶性ポリマー水構造化剤の非限定例には、セルローズ性ゲル、ヒドロキシプロピルデンプンホスフェート(ナショナル・スターチ製のストラクチャード(Structured)XL)、ポリビニルアルコール、又はこれらの混合物が挙げられる。
【0105】
パーソナルクレンジング組成物で使用される結合性水構造化剤の非限定例には、キサンタムガム(xanthum gum)、ゲラムガム(gellum gum)、ペクチン、アルギネート、又はこれらの混合物が挙げられる。
【0106】
(粒子)
本発明の多相パーソナルケア組成物は、粒子を含むことができる。多様な形状及び密度の非水溶性固体粒子が有用である。好ましい実施形態では、粒子は、球形、楕円形、不規則、又は他のあらゆる形状を有する傾向があり、最大寸法と最小寸法の比(縦横比として定義される)は約10未満である。より好ましくは、粒子の縦横比は、約8未満であり、さらにより好ましくは、粒子の縦横比は、約5未満である。
【0107】
本発明の粒子は、約100μm未満(後述される粒径測定に基づく平均容量)の粒径、好ましくは約80μm未満、より好ましくは約60μm未満の粒径を有する。
【0108】
本発明の粒子は、好ましくは、約0.1μmを超える粒径、好ましくは約0.5μmを超える粒径、より好ましくは約1μmを超える粒径、なおより好ましくは約2μmを超える粒径、さらにより好ましくは約3μmを超える粒径、なおさらにより好ましくは約4μmを超える粒径を有する。
【0109】
粒子は、直径約1μm〜約70μm、より好ましくは約2μm〜約65μm、さらにより好ましくは約2μm〜約60μmの直径を有する。
【0110】
本発明の多相パーソナルケア組成物は、化粧品用に有効な濃度で粒子を含む。好ましくは、粒子は、組成物の少なくとも約0.1重量%、より好ましくは組成物の少なくとも約0.2重量%、さらにより好ましくは少なくとも約0.5重量%、なおより好ましくは少なくとも約1重量%、さらになおより好ましくは組成物の少なくとも約2重量%で存在する。本発明の多相パーソナルケア組成物において、好ましくは、粒子は、組成物の約50重量%以下、より好ましくは約30重量%以下、なおより好ましくは約20重量%以下、さらにより好ましくは組成物の約10重量%以下で含まれる。
【0111】
好ましくは、粒子は、また、組成物の典型的な加工により顕著に影響されない物理的特性を有する。好ましくは、約70℃を超える融点を有する粒子が使用され、より好ましくは約80℃を超える融点を有する、さらにより好ましくは約95℃を超える融点を有する粒子が使用される。本明細書で使用するとき、融点は、粒子が液体又は流体状態へ転移する温度、又は顕著な変形若しくは物理的特性の変化を受ける温度を意味する。加えて、本発明の粒子の多くは架橋されているか、又は架橋表面膜を有する。これらの粒子は明確な融点を示さない。架橋粒子も、また、組成物を製造するときに使用される加工及び保存条件下で安定である限り有用である。
【0112】
本発明において存在することができる粒子は、天然、合成、又は半合成であることができる。加えて、ハイブリッド粒子も存在することができる。合成粒子は、架橋又は非架橋のポリマーのいずれからでも製造することができる。本発明の粒子は表面電荷を有することができるか、又はその表面は、界面活性剤、ポリマー、及び無機物質のような有機若しくは無機物質により改質されることができる。粒子錯体が存在することができる。
【0113】
天然粒子の非限定例には、商品名サイパーネット(Sipernet)でデグサ・ヒュルス(Degussa−Huls)から入手可能である、親水性及び疎水性形態の種々の沈殿シリカ粒子が挙げられる。商品名サイパーネットD11(商標)でデグサから入手可能な疎水性の無定形合成シリカである、プリシピテーテッド(Precipitated)(商標)が好ましい粒子である。スノーテックス(Snowtex)コロイド状シリカ粒子は、日産化学アメリカ社(Nissan Chemical America Corporation)より入手可能である。
【0114】
合成粒子の非限定例には、ナイロン、シリコーン樹脂、ポリ(メタ)アクリレート類、ポリエチレン、ポリエステル、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリウレタン、ポリアミド、エポキシ樹脂、尿素樹脂、及びアクリル粉末が挙げられる。有用な粒子の非限定例は、マイクロイーズ(Microease)110S、114S、116(微粉化合成ろう)、マイクロポリ(Micropoly)210、250S(微粉化ポリエチレン)、マイクロスリップ(Microslip)(微粉化ポリテトラフルオロエチレン)、及びマイクロシルク(Microsilk)(ポリエチレンとポリテトラフルオロエチレンとの組み合わせ)であり、これらすべてがマイクロ・パウダー社(Micro Powder,Inc.)から入手可能である。追加の例には、フェノメネックス(Phenomenex)から入手可能なルナ(Luna)(滑らかなシリカ粒子)粒子、コボ・プロダクツ社(Kobo Products,Inc.)から入手可能なMP−2200(ポリメチルメタクリレート)、EA−209(エチレン/アクリレートコポリマー)、SP−501(ナイロン−12)、ES−830(ポリメチルメタクリレート)、BPD−800、BPD−500(ポリウレタン)粒子、及びGEシリコーンズ(GE Silicones)から商品名トスパール(Tospearl)粒子として販売されるシリコーン樹脂が挙げられる。ガンツパール(Ganzpearl)GS−0605架橋ポリスチレン(プレスパース(Presperse)から入手可能)もまた有用である。
【0115】
ハイブリッド粒子の非限定例には、ガンツパールGSC−30SR(絹雲母と架橋ポリスチレンのハイブリッド粉末)、及びSM−1000、SM−200(プレスパースより入手可能である雲母とシリカのハイブリッド粉末)が挙げられる。
【0116】
(剥離剤粒子)
剥離剤粒子は、ポリエチレン、微結晶ろう、ホホバエステル類、無定形(amourphors)シリカ、タルク、トラカルシウムオルトリン酸塩(tracalcium orthophosphate)、又はこれらのブレンドなどから成る群から選択される。剥離剤粒子は、粒子の長軸に沿って約100μm〜約600μm、好ましくは約100μm〜約300μmの粒径寸法を有する。剥離剤粒子は、約4Mohs未満、好ましくは約3Mohs未満の硬度を有する。このように測定される硬度は、特定の物質の破砕に対する抵抗性の基準である。これは、粒子状成分の研磨性の比較的良好な指標であることが知られている。モーススケールに従って硬度が上昇するように配列された物質の例は以下である:h(硬度)−1:タルク;h−2:セッコウ、岩塩、一般的な結晶性塩、重晶石、白亜、ブリムストン;h−4:蛍石、軟質リン酸塩、マグネサイト、石灰岩;h−5:アパタイト、硬質リン酸塩、硬質石灰岩、クロマイト、ボーキサイト;h−6:長石、イルメナイト、ホルンブレンド類;h−7:石英、花崗岩;h−8:トパーズ;h−9:コランダム(corrundum)、エメリー;及びh−10:ダイヤモンド。
【0117】
好ましくは、剥離剤粒子は、クレンジング基材と区別される色を有する。剥離剤粒子は、好ましくは、組成物の約10重量%未満、好ましくは約5重量%未満の濃度で存在する。
【0118】
(光沢粒子)
本発明の多相パーソナルケア組成物は、多相パーソナルケア組成物の少なくとも1つの相に光沢粒子を含むことができる。光沢粒子の非限定例には下記が含まれる:干渉顔料、多層顔料、金属粒子、固晶及び液晶、又はこれらの組み合わせ。
【0119】
干渉顔料は、粒子基材物質の表面を薄膜でコーティングすることにより調製される真珠光沢を有する顔料である。粒子基材物質は、一般に、小平板形状である。この薄膜は、高屈折率を有する透明又は半透明物質である。高屈折率物質は、小平板基材/コーティング層境界面からの反射及び入射光線と、コーティング層の表面からの入射光線の反射との相互干渉作用により得られる真珠光沢を示す。多相パーソナルケア組成物の干渉顔料は、好ましくは組成物の約20重量%以下、より好ましくは約10重量%以下、さらにより好ましくは約7重量%以下、なおより好ましくは多相パーソナルケア組成物の約5重量%以下で含まれる。多相パーソナルケア組成物の干渉顔料は、好ましくは多相パーソナルケア組成物の少なくとも約0.1重量%、より好ましくは少なくとも約0.2重量%、さらにより好ましくは少なくとも約0.5重量%、なおより好ましくは組成物の少なくとも約1重量%で含まれる。顔料が、同時係属出願番号60/469,075(2003年5月8日出願)で記載されている色素付着テープストリップ法(Pigment Deposition Tape Strip Method)で記載されているように、適用され、すすがれる場合、皮膚に付着した染料は、好ましくは、少なくとも0.5μg/cm2、より好ましくは少なくとも1μg/cm2、さらにより好ましくは少なくとも5μg/cm2である。
【0120】
本発明の干渉顔料は小平板微粒子である。多相パーソナルケア組成物の小平板微粒子は、好ましくは約5μm以下、より好ましくは約2μm以下、さらにより好ましくは約1μm以下の厚さを有する。多相パーソナルケア組成物の小平板微粒子は、好ましくは少なくとも約0.02μm、より好ましくは少なくとも約0.05μm、さらにより好ましくは少なくとも約0.1μm、なおより好ましくは少なくとも約0.2μmの厚さを有する。
【0121】
粒径は、不透明度及び艶を決定する。粒径は、粒子状物質の直径厚を測定することにより決定される。用語「直径」は、本明細書で使用する時、粒子状物質の長軸に沿った最長距離を意味する。直径は、マルヴァーン・インストルメンツ(Malvern Instruments)により製造された粒径分析機マスターサイザー(Mastersizer)2000のような、当該技術分野において既知のあらゆる好適な方法により決定することができる。多相パーソナルケア組成物の干渉顔料は、好ましくは約200μm以下、より好ましくは100μm以下、さらにより好ましくは約80μm以下、なおより好ましくは約60μm以下の平均直径を有する。多相パーソナルケア組成物の干渉顔料は、好ましくは少なくとも約0.1μm、より好ましくは少なくとも約1.0μm、さらにより好ましくは少なくとも約2.0μm、なおより好ましくは少なくとも約5.0μmの直径を有する。
【0122】
多相パーソナルケア組成物の干渉顔料は、多層構造を含む。微粒子の中心は、通常1.8未満の屈折率(RI)を持つ平坦な基材である。多種多様な粒子基材が本明細書において有用である。非限定例は、天然雲母、合成雲母、グラファイト、タルク、カオリン、アルミナフレーク、オキシ塩化ビスマス、シリカフレーク、ガラスフレーク、セラミックス、二酸化チタン、CaSO4、CaCO3、BaSO4、ボロシリケート及びこれらの混合物、好ましくは雲母、シリカ及びアルミナフレークである。
【0123】
薄膜の1つの層又は薄膜の多層が、上記記載の基材の表面にコーティングされる。薄膜は、屈折率の高い物質から作られている。これらの物質の屈折率は通常1.8を超える。
【0124】
多種多様な薄膜が本明細書において有用である。非限定例は、TiO2、Fe2O3、SnO2、Cr2O3、ZnO、ZnS、ZnO、SnO、ZrO2、CaF2、Al2O3、BiOCl、及びこれらの混合物であるか、又は別個の層の形態で、好ましくはTiO2、Fe2O3、Cr2O3、SnO2である。多層構造では、薄膜は、全て高屈折率の物質から構成されるか、又は高RI膜を最上層にし、高及び低RI物質の薄膜を交互にして構成され得る。
【0125】
干渉色は、薄膜の厚さの関数であり、特定の色のための厚さは、異なる物質により異なることがある。TiO2では、40nm〜60nmの層、又はその整数倍が銀色を生み出し、60nm〜80nmでは黄色、80nm〜100nmでは赤色、100nm〜130nmでは青色、130nm〜160nmでは緑色である。干渉色に加えて、他の透明な吸収性顔料を、TiO2層の上面に又はこの層と同時に沈殿させることができる。慣用の物質は、赤又は黒酸化鉄、フェロシアン化第二鉄、酸化クロム又はカルミンである。干渉顔料の色は、その白色度に加えて、肌の色に対するヒトの感じ方に著しく影響を与えることが判明した。一般に、好ましい色は、銀色、金色、赤色、緑色及びこれらの混合物である。
【0126】
本明細書で有用な干渉顔料の非限定例には、商品名プレスティージ(PRESTIGE)(登録商標)、フロナック(FLONAC)(登録商標)でパースパーズ社(Persperse,Inc.)から供給されているもの;商品名チミロン(TIMIRON)(登録商標)、コロローナ(COLORONA)(登録商標)、ジクローナ(DICHRONA)(登録商標)及びキシローナ(XIRONA)(登録商標)でEMDケミカルス社(Chemicals,Inc.)から供給されているもの;並びに商品名フラメンコ(FLAMENCO)(登録商標)、チミカ(TIMICA)(登録商標)、デュオクロム(DUOCHROME)(登録商標)でイングルハード社(Engelhard Co.)から供給されているものが挙げられる。
【0127】
本発明の実施形態において、干渉顔料表面は、疎水性であるか、又は疎水性に変性されている。同時係属出願番号60/469,075(2003年5月8日出願)で記載されている粒子接触角試験を使用して、干渉顔料の接触角が決定される。接触角が大きいほど、干渉顔料の疎水性が大きい。本発明の干渉顔料は、少なくとも60°、より好ましくは80°を超える、さらにより好ましくは100°を超える、なおより好ましくは100°を超える接触角を有する。疎水性に変性された干渉顔料又はHMIPは、相中にHMIPを閉じ込め、HMIPのより多くの付着を可能にする。好ましくはHMIPと相の比率は、1:1〜約1:70、より好ましくは1:2〜約1:50、さらにより好ましくは1:3〜約1:40、最も好ましくは1:7〜約1:35である。
【0128】
本発明の実施形態において、HMIPは、好ましくは利益相中に閉じ込められている。これには、利益相の粒径は一般にHMIPよりも大きくなることが必要となる。本発明の好ましい実施形態において、利益相粒子は、利益粒子当たり少量のHMIPしか含有しない。好ましくは20未満、より好ましくは10未満、最も好ましくは5未満である。これらのパラメーター、利益相液滴のHMIPに対する相対的な大きさ及び利益粒子当たりのHMIP粒子のおおよその数は、光学顕微鏡による視覚検査を使用して決定することができる。
【0129】
HMIP及び利益相は、プレミックスにより又は別個で組成物中に混合することができる。別個の添加の場合、疎水性顔料は、処方をプロセスしている間に利益相を仕切る。本発明のHMIPは、好ましくは、全粒子重量の約20重量%以下、より好ましくは約15重量%以下、さらにより好ましくは約10重量%以下で含まれる、疎水性コーティングを有する。本発明のHMIPは、好ましくは、全粒子重量の少なくとも約0.1重量%、より好ましくは少なくとも約0.5重量%、さらにより好ましくは少なくとも約1重量%で含まれる、疎水性コーティングを有する。本明細書で有用な疎水性表面処理の非限定例には、シリコーン類、アクリレートシリコーンコポリマー類、アクリレートポリマー類、アルキルシラン、イソプロピルチタントリイソステアレート、ステアリン酸ナトリウム、ミリスチン酸マグネシウム、ペルフルオロアルコールホスフェート、ペルフルオロポリメチルイソプロピルエーテル、レシチン、カルナウバろう、ポリエチレン、キトサン、ラウロイルリシン、植物液体抽出物及びこれらの混合物、好ましくはシリコーン類、シラン類及びステアレート類が挙げられる。表面処理会社には、USコスメティクス(US Cosmetics)、KOBOプロダクツ社(KOBO Products Inc.)及びカードル社(Cardre Inc.)が挙げられる。
【0130】
(任意成分)
種々の好適な任意成分を多相パーソナルケア組成物に使用することができる。こうした任意成分とは、最も典型的には、化粧品での使用が認可された、CTFA化粧品成分ハンドブック(CTFA Cosmetic Ingredient Handbook)、第2版、化粧品工業会(The Cosmetic,Toiletries,and Fragrance Association,Inc.)、1988年、1992年のような参考文献に記載されている物質である。これらの任意物質は、本明細書に記載のそれぞれの相を含む、本発明の組成物のあらゆる態様で使用することができる。
【0131】
非限定的な任意成分には、保湿剤及び溶質が挙げられる。多様な保湿剤及び溶質を使用することができ、これらは、パーソナルケア組成物の約0.1重量%〜約50重量%、好ましくは約0.5重量%〜約35重量%、より好ましくは約2重量%〜約20重量%の濃度で存在することができる。好ましい保湿剤はグリセリンである。
【0132】
好ましい水溶性有機物質は、下記構造のポリオール:
R1−O(CH2−CR2HO)nH
(式中、R1=H、C1〜C4アルキルであり;R2=H、CH3であり、そしてn=1〜200である);C2〜C10アルカンジオール類;グアニジン;グリコール酸及びグリコール酸塩(例えば、アンモニウム及び第四級アルキルアンモニウム);乳酸及び乳酸塩(例えば、アンモニウム及び第四級アルキルアンモニウム);ソルビトール、グリセロール、ヘキサントリオール、プロピレングリコール、ヘキシレングリコールなどのような多価アルコール類;ポリエチレングリコール;糖類及びデンプン類;糖及びデンプン誘導体(例えば、アルコキシル化グルコース);パンテノール(D−、L−、及びD,L−形態を含む);ピロリドンカルボン酸;ヒアルロン酸;ラクトアミドモノエタノールアミン;アセトアミドモノエタノールアミン;尿素;及び一般構造(HOCH2CH2)xNHyのエタノールアミン類(式中、x=1〜3であり、y=0〜2であり、x+y=3である)、並びにこれらの混合物から成る群から選択される。最も好ましいポリオール類は、グリセリン、ポリオキシプロピレン(1)グリセロール及びポリオキシプロピレン(3)グリセロール、ソルビトール、ブチレングリコール、プロピレングリコール、スクロース、尿素、及びトリエタノールアミンから成る群から選択される。
【0133】
非イオン性のポリエチレン/ポリプロピレングリコールポリマー類は、好ましくは皮膚コンディショニング剤として使用される。本明細書で有用な特に好ましいポリマー類は、xが2に等しく、nが平均値約2,000を有するPEG−2M(PEG2−Mは、また、ユニオンカーバイド(Union Carbide)製のポリオックス(Polyox)WSR(登録商標)N−10として、及びPEG−2,000としても知られている);xが2に等しく、nが平均値約5,000を有するPEG−5M(PEG5−Mは、また、両方ともにユニオンカーバイド製のポリオックスWSR(登録商標)35及びポリオックスWSR(登録商標)N−80として、並びにPEG−5,000及びポリエチレングリコール200,000としても知られている);xが2に等しく、nが平均値約7,000を有するPEG−7M(PEG7−Mは、また、ユニオンカーバイド製のポリオックスWSR(登録商標)N−750としても知られている);xが2に等しく、nが平均値約9,000を有するPEG−9M(PEG9−Mは、また、ユニオンカーバイド製のポリオックスWSR(登録商標)N−3333としても知られている);xが2に等しく、nが平均値約14,000を有するPEG−14M(PEG14−Mは、また、両方ともユニオンカーバイド製のポリオックスWSR−205及びポリオックスWSR(登録商標)N−3000としても知られている);並びに、xが2に等しく、nが平均値約90,000を有するPEG−90Mである。(PEG−90Mは、また、ユニオンカーバイド製のポリオックスWSR(登録商標)−301としても知られている。)
これらの任意成分の他の非限定例には、ビタミン類及びそれらの誘導体(例えば、アスコルビン酸、ビタミンE、トコフェリルアセテートなど);日焼け止め剤;増粘剤(例えば、ポリオールアルコキシエステル、クローダ(Croda)からクロシックス(Crothix)として入手可能);クレンジング組成物の抗菌保全性を維持する防腐剤;抗ニキビ薬(レゾルシノール、サリチル酸など);酸化防止剤;アロエベラ抽出物、アラントインなどのような皮膚沈静・皮膚治癒剤;キレート化剤及び金属イオン封鎖剤;並びに、芳香剤、精油類、皮膚感覚剤、顔料、真珠光沢剤(例えば、雲母及び二酸化チタン)、レーキ、着色剤など(例えば、丁子油、メンソール、カンファー、ユーカリ油、及びオイゲノール)のような審美的目的に適した剤が挙げられる。
【0134】
(粘度法)
ウエルズ−ブルックフィールド・コーン/プレート・モデル(Wells-Brookfield Cone/Plate Model)DV−II+粘度計を使用して、本明細書の非発泡構造水相及び発泡クレンジング相の粘度を決定することができる。この決定は、それぞれのコーン及びプレート上における小さな2つのピン間の隙間が0.013mmである2.4cmの2゜のコーンの測定システムによって、25℃で実施される。測定は、0.5mlの試料を注入し、次にコーンを設定速度の1rpmで回転することにより実施される。コーンの回転に対する抵抗が、液体試料の剪断応力に比例したトルクを生み出す。トルク量は、試料を装填した2分後に読み取られ、粘度計により、コーンの幾何学定数、回転速度、及び応力関連トルクに基づき絶対センチポアズ単位(mPa*s)に計算される。
【0135】
(降状点法)
TAインストルメンツ(Instruments)AR2000応力レオメーターを使用して、非発泡構造水相又は発泡クレンジング相の降状点を決定することができる。本明細書における目的では、降状点とは、液体非発泡構造水相又は発泡クレンジング相に1%のひずみを生み出すために必要な応力の量である。決定は、4cm平行プレート測定システム及び1mm隙間により25℃で実施される。この決定は、5分間隔で剪断応力(典型的には、約0.1Pa〜約500Pa0)をプログラム化して印加することにより実施される。試料の変形を起こすのはこの応力の量であり、剪断応力対ひずみの曲線を作成することができる。この曲線から、液体非発泡構造水相の降状点を決定することができる。液体非発泡構造水相又は発泡クレンジング相は、組成物中で組み合わせる前に測定されるか、又は組成物中で組み合わせた後、組成物を、遠心分離、ピペット操作、機械的な切断、すすぎ、濾過、又は他の分離手段のような適切な物理的分離手段により分離してから、測定される。
【0136】
(相関曇指数法)
マクベス(Macbeth)色測定システムである、球体形状光学ヘッドを有するグレタッグ・マクベス(Gretag Macbeth)モデル7000を使用して、相関曇指数法が実施される。この機器は、反射率及び透過モードの両方で較正が行われる必要がある。この両方の較正は、相関曇指数を得るために使用される。
【0137】
試料を調製するため、組成物は、存在するかもしれないあらゆる空泡を除去するため、3000rpmで約3分間遠心分離される。次に組成物を、光学セルに、空気が取り込まれることを回避するためにゆっくりと注ぐ。空気が取り込まれた場合には、試料を室温で30分放置して脱気させる。空泡が依然として残る場合は、最初にセルを空にし、次にセルを清潔にして乾燥し、次に前と同様に再び充填する。例えばふき取ることにより、セルの外側表面にこぼれたあらゆる組成物を除去する。組成物の試料は、元の較正温度から2C以内でなければならない。
【0138】
試料が調製されると、機器は、Cイルミネート(Illuminate)、観測角2°及び平均化なしを使用する慣用の実験室設定にするべきである。次に機器の設定をCRIOLL設定に構成する。これは、反射成分を含め、UVを除き、測定モードを反射率に変えることにより行われる。これらの変更は、機器の内部に試料セルホルダーがない状態で行われる。次に試料のない大型の試料セルホルダーを機器の内部に置き、画面のプロンプトに従って機器を較正する。測定モードを透過に切り替えると、機器はBTIOLL設定を示す。画面上のプロンプトに従って機器を較正する。
【0139】
次に機器を、測定モード、相関曇り、に切り替える。すると機器の設定は、XHIOLLになる。画面上のプロンプトに従って機器を較正する。機器の新しい設定は、CHIOLLとなる。次に操作者は、ツールバーの指示アイコンをクリックして、相関曇りの結果を示す画面を開く。標準として空のセルで実施する。
【0140】
光学セルを分析される組成物の試料で充填し、空気の取り込みがないことを確実にする。試行として実施し、相関曇りの結果を百分率で報告する。機器の較正は、少なくとも8時間毎に実施されなければならない。
【0141】
(粒径測定法):
粒径測定法は当該技術分野において既知の典型的なものであり、10倍の対物レンズを用いる標準透過光による標準ニコン(Nikon)光学顕微鏡を使用する。精度を上げるため、以下の手順では、ルシア(Lucia)Gソフトウェア(ニコン(Nikon)製)が使用される。分析の第1工程では、ユーザーが走査し、バルクを示す視野を選択しなければならず、通常これは正確性のために複数の調製物を必要とする。観察された画像は、JVCビデオカメラを介して標準モニターに伝送され、各粒子は標準測定マクロを用いて測定され、すなわち粒子の両側をクリックすると直径が測定される。非球形粒子を考慮に入れるために、「直径」は常にモニターに対して水平に評価する。1つの平面において測定することによって、この技術が自動的に非球形の形状用に補正し、多数の粒子を測定することによって平均直径と等価となる。等価な直径は長軸及び短軸を測定し、縦横比の式から等価な直径を計算することによって決定してもよいが、上記技術によりほぼ正確な結果が得られる。
【0142】
最も大きな粒子を最初に数え、それによってすべての粒子を数え、測定したと確信するのが典型的な人間の特性であるため、モニター上で数えた粒子の各々に対して小さいドットを(通常消すことのできるペンを用いて)つけておくべきである。ある視野において1つずつ目に見える粒子を数え終わるまでこのカウント手順が続けられる。非常に小さい粒径の分布の場合には、この作業は400カウントを超えることもある。より大きい粒径の場合には、各視野当たり約100カウントと予測されるが、このような場合は別の視野を選択し、少なくとも200個の個々の粒子が数えられるようにする。要約すると、全ての場合で、少なくとも200個の個々の粒子が測定されるべきであり、全ての場合で1つの視野の全ての粒子(実際には上限が400〜500)が数えられる。本明細書で示された例の全てを平均して、1試料当たり約300個の粒子が測定される。分析は、(技法を実証するため標準体積平均を手計算する)とするか、又はより典型的には、体積平均を報告するデータを自動的に分類する標準測定マクロを使用する(上記で測定した直径に基づく球状の形状を仮定する)ことができる。
【0143】
(使用方法)
本発明の多相パーソナルクレンジング組成物は、好ましくは、適用される表面への皮膚クレンジング剤、疎水性物質、及び粒子の有効な送達を提供するのに十分な量で、皮膚又は毛髪の所望の領域に局所的適用される。組成物は、皮膚に直接適用することができるか、又は、クレンジングパフ、洗い布、スポンジ、若しくは他の手段を使用して間接的に適用することができる。組成物は、好ましくは、局所適用の前、その間、又はその後に水で希釈され、次に皮膚又は毛髪はすすがれるか又は拭き取られ、好ましくは、水を使用して、若しくは水不溶性基材と水とを組み合わせて使用して、適用された表面からすすぎ落とされる。
【0144】
従って、本発明は、また、本発明の組成物の前述した適用を通じて皮膚をクレンジングする方法も対象とする。また、本発明の方法は、本発明の組成物の前述した適用を通じて、適用された表面に、所望の皮膚活性剤の有効な送達を提供する方法、及び本明細書に記載のそのような有効な送達によってもたらされる利益を提供する方法も対象とする。
【0145】
(製造方法)
本発明の多相パーソナルクレンジング組成物は、所望の多相製品形態を作製及び配合するのに好適なあらゆる既知の技術、ないしは別の有効な技術によって調製してもよい。練り歯磨きチューブでの充填技術と回転台設計とを組み合わせることが有効である。加えて、本発明は、米国特許第6,213,166号で開示された方法及び装置により調製することができる。この方法及び装置は、2つ以上の組成物が単一の容器に渦巻き形状で充填されることを可能にする。この方法は、容器を充填するために少なくとも2つのノズルを用いることが必要となる。容器が静止型ミキサー上に置かれ、組成物が容器に導入されると、回転する。
【0146】
あるいは、最初に、ポンプとホースが取り付けられた別個の保存タンク中に別個の組成物を置くことにより、少なくとも2つの相を組み合わせることが有効である。次に相は、予め決められた量が単一の組み合わせセクションにポンプで送られる。次に相は、組み合わせセクションから混合セクションに移動され、相は、得られる単一の製品が区別できる相のパターンを示すように、混合セクションで混合される。パターンは、ストライプ模様、大理石模様、幾何学的模様、及びこれらの混合物から成る群から選択される。次の工程は、混合セクションで混合された製品をホースを介して単一ノズルにポンプで送り、次に、ノズルを容器中に置き、容器を得られた製品で充填することに関する。本発明の具体的な実施形態に適用される方法の具体的な非限定例が、以下の実施例において記載される。
【0147】
多相パーソナルクレンジング組成物が様々な色のパターンを含む場合、消費者がパッケージを通してそのパターンを見ることができるように、これらの組成物を透明又は半透明のパッケージに包装することが望ましいことがある。また、主題組成物の粘度のため、消費者に、分配を容易にするために、パッケージのキャップを下にして、パッケージを上下逆に保管させる指示書を含むことが望ましいかもしれない。
【0148】
本明細書全体にわたって記載されるあらゆる最大数値限定は、それより小さいあらゆる数値限定を、そのような小さい数値限定が本明細書に明示的に記載されたものとして包含すると理解されるべきである。本明細書全体にわたって記載されるあらゆる最小数値限定は、それより大きいあらゆる数値限定を、そのような大きい数値限定が本明細書に明示的に記載されたものとして包含する。本明細書全体にわたって記載されるあらゆる数値範囲は、より広い数値範囲内にあるあらゆるより狭い数値範囲を、そのような狭い数値範囲が本明細書に全て明示的に記載されたものとして包含する。
【0149】
他に指定がない限り、本明細書の明細、実施例、及び請求の範囲における全ての部、比率、及び百分率は重量基準であり、全ての数値限定は、当該技術分野において許容可能な通常の程度の精度で使用される。
【実施例】
【0150】
以下の実施例は、本発明の範囲内にある実施形態を更に説明し、実証する。実施例は、単に例示の目的のために示されており、本発明の精神及び範囲を逸脱することなく、その多くの変更が可能であるため、本発明を限定するものとして解釈されるべきではない。
【0151】
下記の試料は、それぞれ第1相をパーソナルケア組成物の50重量%、第2相を多相パーソナルケア組成物の50重量%含む多相パーソナルケア組成物である。特定の相の各構成成分の量は、構成成分を含有する特定の相の重量に基づく重量%で提示されている。
【0152】
(実施例1〜5)
下記に記載された実施例は、多相組成物の非限定例である。
【0153】
【表2】
上記組成物は、慣用の配合及び混合技術によって調製することができる。最初にクエン酸を水に1:3の割合で加えてクエン酸プレミックスを形成することによって、第1相組成物を調製する。次に、次の成分を次の順序で主混合容器に加える:水、ミラケア(Miracare)SLB−365、塩化ナトリウム、安息香酸ナトリウム、EDTA二ナトリウム、グリダント。主混合容器の攪拌を開始する。別個の混合容器において、ポリマー類(ポリクオテリウム(Polyquaterium)10、ジャガー(Jaguar)C−17、又はN−ハンス(Hance)3196)を水中に比率1:10で分散させ、ポリマープレミックスを形成する。攪拌を継続しながら、完全に分散したポリマープレミックスを主混合容器内に加える。ポリオックス(Polyox)WSR301を水中に分散させ、次に主混合容器に加える。次に、残りの水と香料をバッチに加える。均一な溶液が形成されるまで攪拌を保持する。
【0154】
第2相は、ペトロラタムを混合容器に加えることにより調製することができる。容器を88℃(190°F)に加熱する次に鉱油及び粒子を加える。バッチを強く剪断して粒子の良好な分散を確実にする。バッチの攪拌を保持し、バッチを周囲温度にゆっくりと冷ます。
【0155】
これらの相は、最初に、ポンプ及びホースを取り付けられた別個のタンク中に別個の相を置くことにより、合わせることができる。次に相は、予め定められた量が単一の組み合わせセクションにポンプで送られる。次に相は、組み合わせセクションから混合セクションに移動され、相は、得られる単一の製品が区別できる相のパターンを示すように、混合セクションで混合される。パターンは、ストライプ模様、大理石模様、幾何学的模様、及びこれらの混合物から成る群から選択される。次の工程は、混合セクションで混合された製品をホースを介して単一ノズルにポンプで送り、次に、ノズルを容器中に置き、容器を得られた製品で充填することに関する。ストライプの大きさは、幅が約6mm、長さが100mmである。製品は周囲環境下で少なくとも180日間安定した状態を保つ。
【0156】
(実施例6〜10)
下記に記載された実施例は、多相組成物の非限定例である。
【0157】
【表3】
上記組成物は、慣用の配合及び混合技術によって調製することができる。最初にクエン酸を水に1:3の割合で加えてクエン酸プレミックスを形成することによって、第1相組成物を調製する。次に、次の成分を次の順序で主混合容器に加える:水、ミラケア(Miracare)SLB−365、塩化ナトリウム、安息香酸ナトリウム、EDTA二ナトリウム、グリダント。主混合容器の攪拌を開始する。別個の混合容器において、ポリマー類(ポリクオテリウム(Polyquaterium)10、ジャガー(Jaguar)C−17、又はN−ハンス(Hance)3196)を水中に比率1:10で分散させ、ポリマープレミックスを形成する。攪拌を継続しながら、完全に分散したポリマープレミックスを主混合容器に加える。ポリオックス(Polyox)WSR301を水中に分散させ、次に主混合容器に加える。次に、残りの水と香料をバッチに加える。均一な溶液が形成されるまで攪拌を保持する。
【0158】
第2相は、ペトロラタムを混合容器に加えることにより調製することができる。容器を88℃(190°F)に加熱する。次に鉱油及び粒子を加える。バッチを強く剪断して粒子の良好な分散を確実にする。バッチの攪拌を保持し、バッチを周囲温度にゆっくりと冷ます。
【0159】
これらの相は、最初にポンプ及びホースが取り付けられた別個のタンク中に別個の相を置くことにより、合わせることができる。次に相は、予め定められた量が単一の組み合わせセクションにポンプで送られる。次に相は、組み合わせセクションから混合セクションに移動され、相は、得られる単一の製品が区別できる相のパターンを示すように、混合セクションで混合される。パターンは、ストライプ模様、大理石模様、幾何学的模様、及びこれらの混合物から成る群から選択される。次の工程は、混合セクションで混合された製品をホースを介して単一ノズルにポンプで送り、次に、ノズルを容器中に置き、容器を得られた製品で充填することに関する。ストライプの大きさは、幅が約6mm、長さが100mmである。製品は周囲環境下で少なくとも180日間安定な状態を保つ。
【0160】
(実施例11〜13)
下記に記載された実施例は、多相組成物の非限定例である。
【0161】
【表4】
上記の第1相組成物は、慣用の配合及び混合技術によって調製することができる。実施例11の第1相組成物は、最初に次のプレミックス:クエン酸の水中プレミックス(クエン酸と水の割合が1:3)、ジャガー(Jaguar)C−17及びN−ハンス(N-Hance)3196のグアーポリマーの水中プレミックス(グアーポリマーと水の割合が1:10)、JR−30Mのユーケア(UCARE)の水中プレミックス(ユーケアと水の割合が約1:30)、PEG−90M及びPEG−14Mのポリオックス(Polyox)のグリセリン中プレミックス(ポリオックスとグリセリンの割合が約1:2)を作成することによって、調製することができる。次に、次の成分を主混合容器に加える:ラウリル硫酸アンモニウム、ラウレス−3硫酸アンモニウム、クエン酸プレミックス、ミラノールL−32ウルトラ(Miranol L-32 ultra)、塩化ナトリウム、安息香酸ナトリウム、EDTA二ナトリウム、ラウリン酸、チキシン(Thixcin)R、グアープレミックス、ユーケア(UCARE)プレミックス、ポリオックス(Polyox)プレミックス、及び水の残り。攪拌しながら、88℃(190°F)に達するまで容器を加熱する。それを約10分間混合する。ゆっくり攪拌しながら、バッチを冷水浴で43℃(110°F)に達するまで冷却する。次の成分:グリダント、香料、二酸化チタンを加える。均一な溶液が形成されるまで混合を保持する。
【0162】
実施例12の組成物は、最初に次のプレミックス:クエン酸の水中プレミックス(クエン酸と水の割合が1:3)、N−ハンス(N-Hance)3196のグアーポリマーの水中プレミックス(グアーポリマーと水の割合が1:10)、及びPEG−14Mのポリオックス(Polyox)のグリセリン中プレミックス(ポリオックスとグリセリンの割合が約1:2)を作成することによって、調製することができる。次に、次の成分を主混合容器に加える:ラウリル硫酸アンモニウム、ラウレス−3硫酸アンモニウム、クエン酸プレミックス、ミラノールL−32ウルトラ(Miranol L-32 ultra)、塩化ナトリウム、安息香酸ナトリウム、EDTA二ナトリウム、ラウリン酸、チキシン(Thixcin)R、グアープレミックス、ポリオックス(Polyox)プレミックス、ポリケア(Polycare)133、メルカート・プラス(Merquat Plus)3300、モノシル(Monosil)PLN、及び水の残り。攪拌しながら、88℃(190°F)に達するまで容器を加熱する。それを約10分間混合する。ゆっくり攪拌しながら、バッチを冷水浴で43℃(110°F)に達するまで冷却する。次の成分:グリダント、香料、二酸化チタンを加える。均一な溶液が形成されるまで混合を保持する
実施例13の組成物は、最初に次のプレミックス:クエン酸の水中プレミックス(クエン酸と水の割合が1:3)、N−ハンス(N-Hance)3196のグアーポリマーの水中プレミックス(グアーポリマーと水の割合が1:10)、及びPEG−14Mのポリオックス(Polyox)のグリセリン中プレミックス(ポリオックスとグリセリンの割合が約1:2)を作成することによって、調製することができる。次に、次の成分を主混合容器に加える:ラウリル硫酸アンモニウム、ラウレス−3硫酸アンモニウム、クエン酸プレミックス、ミラノールL−32ウルトラ(Miranol L-32 ultra)、塩化ナトリウム、安息香酸ナトリウム、EDTA二ナトリウム、ラウリン酸、チキシン(Thixcin)R、グアープレミックス、ポリオックス(Polyox)プレミックス、モナシル(Monasil)PLN、及び水の残り。攪拌しながら、88℃(190°F)に達するまで容器を加熱する。それを約10分間混合する。ゆっくり攪拌しながら、バッチを冷水浴で43℃(110°F)に達するまで冷却する。次の成分:グリダント、香料、二酸化チタンを加える。均一な溶液が形成されるまで混合を保持する。
【0163】
第2相は、ペトロラタムを混合容器に加えることにより、調製することができる。容器を88℃(190°F)に加熱する。次に、鉱油、化粧品顔料、及びドライフロー(Dry-Flo)AF又はトスパール(Tospearl)を攪拌しながら加える。ゆっくり攪拌しながら容器を冷却する。
【0164】
これらの相は、最初に、ポンプ及びホースが取り付けられた別個のタンク中に別個の相を置くことにより、合わせることができる。次に相は、予め定められた量が単一の組み合わせセクションにポンプで送られる。次に相は、組み合わせセクションから混合セクションに移動され、相は、得られる単一の製品が区別できる相のパターンを示すように、混合セクションで混合される。パターンは、ストライプ模様、大理石模様、幾何学的模様、及びこれらの混合物から成る群から選択される。次の工程は、混合セクションで混合された製品をホースを介して単一ノズルにポンプで送り、次に、ノズルを容器中に置き、容器を得られた製品で充填することに関する。ストライプの大きさは、幅が約6mm、長さが100mmである。製品は周囲環境下で少なくとも180日間安定な状態を保つ。
(実施例14〜16)
下記の実施例は、本発明の多相組成物の非限定例である。
【0165】
【表5】
上記組成物は、慣用の配合及び混合技術によって調製することができる。第1相組成物は、最初にクエン酸を水に1:3の割合で加えてクエン酸プレミックスを形成することより調製される。次に、次の成分を次の順序で主混合容器に加える:水、ミラケア(Miracare)SLB−354、塩化ナトリウム、安息香酸ナトリウム、EDTA二ナトリウム、グリダント。主混合容器の攪拌を開始する。別個の混合容器において、ポリマー類(N−ハンス(Hance)3196)を水中に比率1:10で分散させ、ポリマープレミックスを形成する。攪拌を継続しながら、完全に分散したポリマープレミックスを主混合容器に加える。ポリオックス(Polyox)WSR301を水中に分散させ、次に主混合容器に加える。次に、残りの水と香料をバッチに加える。均一な溶液が形成されるまで攪拌を保持する。
【0166】
第2相は、スタビレン(Stabylen)30を混合容器中の水にゆっくりと加えることによって、調製することができる。次に、トリエタノールアミン、グリダント、ユニスフェア(Unisphere)NT−2806(ピンク色)を攪拌しながら加える。均一になるまで混合する。
【0167】
これらの相は、最初に、ポンプ及びホースが取り付けられた別個のタンク中に別個の相を置くことにより、合わせることができる。次に相は、予め定められた量が単一の組み合わせセクションにポンプで送られる。次に相は、組み合わせセクションから混合セクションに移動され、相は、得られる単一の製品が区別できる相のパターンを示すように、混合セクションで混合される。パターンは、ストライプ模様、大理石模様、幾何学的模様、及びこれらの混合物から成る群から選択される。次の工程は、混合セクションで混合された製品をホースを介して単一ノズルにポンプで送り、次に、ノズルを容器中に置き、容器を得られた製品で充填することに関する。ストライプの大きさは、幅が約6mm、長さが100mmである。製品は周囲環境下で少なくとも180日間安定な状態を保つ。
【0168】
発明の詳細な説明で引用したすべての文献は、関連部分において本明細書に参考として組み込まれているが、いずれの文献の引用も、それが本発明に対する先行技術であるとの容認と解釈されるべきではない。
【0169】
本発明の特定の実施形態を例示し、記載したが、本発明の精神及び範囲から逸脱することなく他の様々な変更及び修正を実施できることが、当業者には自明であろう。従って、本発明の範囲内にあるそのような全ての変更及び修正を、添付の特許請求の範囲で扱うものとする。
【技術分野】
【0001】
本発明は、少なくとも2つの可視的に区別される相を含み、2つの相は、長期間安定性を保ちながら物理的に接触して包装されている、多相パーソナルケア組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
パーソナルケア組成物は、周知であり、広く使用されている。これらの組成物は、皮膚を清浄し、皮膚に潤いを与え、活性物質を送達し、欠点を隠し、皮脂に関わる油性/てかりを減少するために長い間使用されてきた。パーソナルケア組成物は、また、皮膚の色及び外観を変えるためにも使用されてきた。
【0003】
組成物及び従来技術における開示は、パーソナルケア組成物の技術分野において有用な進歩を提供するが、加えて、身体の全ての部位に有効に付着する、外観及び肌触り改善を迅速に提供する、改良されたパーソナルケア組成物の必要性が依然として存在する。組成物は、また、べたつきがなく、適用が容易である必要もある。従って、全ての種類の皮膚の輝きを増加し、皮膚の清浄さを向上させるため、独自の水準の光反射率、カラーシフト又は剥離を提供する、選択された濃度及びブレンドの粒子を含むパーソナルケア組成物を提供することが望ましい。更に、皮膚の光輝及び光沢を最大にする粒子を含むパーソナルケア組成物を提供することが望ましい。
【0004】
安定性を維持しながら、パーソナルケア製品から多相組成物を提供する一つの試みは、複室型包装の使用であった。これらのパッケージは、主に、異なる区画に個別にクレンジング組成物及びコンディショニング組成物を含み、この2つを単流又は複流で共分配できる。従って、別個のコンディショニング組成物及びクレンジング組成物は、長期にわたる保管の間及び適用直前には、物理的には分離し、安定した状態であるが、その後、分配中又は分配後に混合されて、物理的に安定した系からコンディショニング効果及びクレンジング効果を提供する。このような複室型送達系は、慣用系の使用よりも改良されたコンディショニング利益を提供するが、これら複室型パッケージからのクレンジング相とコンディショニング相との分配比が均一ではないため、一貫した一様な性能を達成することが困難な場合が多い。加えて、これらの包装系は、完成製品のコストが大幅に増大する。
【0005】
上記の皮膚コンディショニング、クレンジング及び外観利益をシャワー用又は入浴用組成物を介して送達することが更に好ましい。それ故に、伸びた発泡寿命及び改良された発泡特性による清浄、皮膚利益、例えば、絹のような肌触り、改良された柔らかな肌触り、及び改良された滑らかな肌触りを提供し、並びに独自の水準の光反射率、カラーシフト及び剥離を提供して、全ての種類の皮膚の輝きを増加する安定した多相パーソナルケア組成物の必要性が依然として存在する。長期間安定した状態を保ち、物理的に接触している少なくとも2相を含む多相パーソナルクレンジング組成物を配合することができることが、今では判明している。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従って本発明の目的は、少なくとも2つの可視的に区別される相を含む多相パーソナルケア組成物であって、少なくとも1つの相が粒子を含み、2相が安定性を維持しながら物理的に接触して包装されている、多相パーソナルケア組成物を提供することであり、この組成物は、改良された化粧品を提供するため、並びに優れた皮膚コンディショニング及びクレンジング利益も提供しながら、適用の間又はその後で改良された肌触りを提供し、全ての種類の皮膚に輝きを送達するために配合することができる。そのような組成物は、製品の起泡性能及び安定性を損なうことなく、十分に高濃度の有益剤を用いて配合できることが判明している。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、少なくとも2つの可視的に区別される相を含む多相パーソナルケア組成物であって;
相がパターンを形成し;
少なくとも1つの相が粒子を含み;
前記粒子が、化粧品用に有効な濃度で存在し;
前記2相が互いに物理的に接触して包装され、安定性を維持している多相パーソナルケア組成物に関する。
【0008】
本発明は、更に、少なくとも2相を含む多相パーソナルケア組成物であって、少なくとも1つの相が着色剤を含有しており、2相が肉眼で見えるパターンを形成するように、両方の相が単一パッケージ内に包装されている、多相パーソナルケア組成物に関する。
【0009】
本発明は、更に、少なくとも2つの可視的に区別される相を含む多相パーソナルケア組成物であって;
相がパターンを形成し;
少なくとも1つの相が粒子を含み;
第1相と第2相の比率が、90:10〜10:90であり;
前記2相が、互いに物理的に接触して包装され、安定性を維持している多相パーソナルケア組成物に関する。
【0010】
本発明は、更に、多相パーソナルケア組成物であって、下記:
a)クレンジング相を含む第1相であって、前記クレンジング相は、アニオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤、双極性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、石鹸、及びこれらの混合物から成る群から選択される界面活性剤を、クレンジング相の約1重量%〜約50重量%含み、
クレンジング相が、非ニュートン性ずり減粘であり、約3Pa・s(約3000cps)以上の粘度を有し、及び/又は少なくとも約0.1Paの降状点を有する、第1相;
b)疎水性組成物を含む利益相であって、前記疎水性組成物は、脂質類、炭化水素類、脂肪類、油類、疎水性植物抽出物、脂肪酸類、精油類、シリコーンオイル類、及びこれらの混合物から成る群から選択される疎水性物質を、利益相の約20重量%〜約100重量%含む利益相、を含み;
前記疎水性組成物が、約5〜約15のヴォーン溶解度パラメーターを有し、更に、クレンジング相と利益相の重量比が、約1:9〜約99:1であり、クレンジング相と利益相とが、同じパッケージ中で物理的に接触し、周囲条件下で少なくとも約180日間安定した状態を保ち、クレンジング相と利益相とが、ストライプ模様のパターンを形成し、ストライプの大きさは、幅が少なくとも約0.1mmであり、長さが少なくとも約1mmの長さであり、少なくとも1つの相が、粒子を含み、前記粒子が、好ましくは疎水性に変性された干渉顔料である、多相パーソナルケア組成物に関する。
【0011】
本発明は、また、上記の組成物を皮膚に適用することにより、皮膚を清浄する、皮膚に潤いを与える、皮膚に有効な成分及び粒子を皮膚に送達する方法も対象とする。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
本発明の多相パーソナルケア組成物は、少なくとも2つの可視的に区別できる相を含み、相はパターンを形成し、少なくとも1つの相は粒子を含み、前記粒子は、化粧品用に有効な濃度で存在し、前記2相は、互いに物理的に接触して包装され、安定性を維持している。
【0013】
本発明の組成物及び方法に関するこれら及び他の必須制限事項、並びに本明細書での使用に好適な多くの任意成分について、以下で詳細に説明する。
【0014】
用語「無水」は、本明細書で使用する時、特に指示のない限り、水を約10重量%未満、より好ましくは約5重量%未満、さらにより好ましくは約3重量%未満、さらにより好ましくは0重量%含有する組成物又は物質を意味する。
【0015】
用語「周囲条件」は、本明細書で使用する時、1気圧、相対湿度50%、25℃における周辺条件を意味する。
【0016】
用語「化粧品用に有効な濃度」は、本明細書で使用する時、組成物の使用中に利益を与える濃度である。
【0017】
用語「粘稠値」又は「k」は、本明細書で使用する時、粘度の尺度であり、その粘度が剪断力の関数である物質の粘度を定義するため、剪断指数と組み合わせて使用される。測定は25℃で行われ、その単位はポアズ(約0.1Pa・s(100cps)に等しい)である。
【0018】
用語「疎水性に変性された干渉顔料」又は「HMIP」は、本明細書で使用する時、干渉顔料の表面の一部分が、疎水性物質により、分子の物理的及び化学的結合の両方を含んで被覆されていることを意味する。
【0019】
用語「干渉顔料」は、本明細書で使用する時、粒子基材物質(一般に、小平板形状)の表面を薄膜でコーティングすることにより調製される真珠光沢を有する顔料を意味する。この薄膜は、高屈折率を有する透明又は半透明物質である。高屈折率物質は、小平板基材/コーティング層境界面からの反射及び入射光線と、コーティング層の表面からの入射光線の反射との相互干渉作用により得られる真珠光沢を示す。
【0020】
用語「多相の(multi-phased)」又は「多相(multi-phase)」は、本明細書で使用する時、本明細書の少なくとも2つの相が、それらが保存されているパッケージ内に別個であるが区別される物理的空間を占有しているが、互いに直接接触している(すなわち、これらは境界により分離されているのではなく、そしていかなる有意な程度によっても乳化又は混合していない)ことを意味する。本発明の一つの好ましい実施形態において、少なくとも2つの相を含む「多相の」パーソナルケア組成物が、可視的に区別されるパターンとして容器内に存在する。このパターンは、「多相の」組成物を混合又は均質化した結果として生じる。このパターンには、次の例:ストライプ模様、大理石模様、直線模様、中断ストライプ模様、チェック模様、斑点模様、すじ模様、クラスター模様、斑紋模様、幾何学模様、まだら模様、リボン模様、らせん模様(helical)、渦模様(swirl)、配列模様、ふ入り模様、織物模様、溝模様、隆起線模様、波形模様、正弦波模様、渦巻き模様(spiral)、ねじれ模様、曲線模様、周期模様、縞模様、横紋模様、輪郭模様、不均等模様、レース模様、織り込み又は織り出し模様、バスケット織り模様、まだら模様、並びにモザイク模様が挙げられるが、それらには限定されない。好ましくはパターンは、ストライプ模様、幾何学模様、大理石模様及びこれらの組み合わせから成る群から選択される。
【0021】
好ましい実施形態において、ストライプ模様は、パッケージの寸法にわたって相対的に一様且つ均一であってもよい。あるいは、ストライプ模様は、不均一、すなわち、波形であってもよいか、又は寸法において非一様であってもよい。ストライプ模様は、必ずしもパッケージの寸法全体にわたって伸びている必要はない。ストライプの大きさは、幅が、少なくとも約0.1mm及び長さが10mmであり、好ましくは幅が少なくとも約1mm及び長さが少なくとも20mmである。相は、多様な異なる色であってもよいか、又は粒子、光沢、若しくは真珠光沢を含んでもよい。
【0022】
用語「パーソナルケア組成物」は、本明細書で使用する時、皮膚又は毛髪への局所適用が意図される組成物を意味する。
【0023】
用語「相」は、本明細書で使用する時、1つの平均的な組成を有する組成物の範囲又は領域が、異なる平均的な組成を有する別の領域又は範囲と区別されていることを意味し、ここで、範囲は肉眼で見ることができる。このことは、区別される領域又は範囲を、1つの相が、顔料、染料、粒子、及び多様な任意成分を含むことができ、これにより異なる平均組成の領域又は範囲となる、2つの同様の相を含むことから除外しない。
【0024】
用語「安定」は、本明細書で使用する時、特に指示のない限り、周囲条件下で少なくとも約180日間物理的に接触した状態にある場合、少なくとも2つの「別個」の相を維持している組成物を意味する。「別個」とは、組成物の分配の前に、肉眼で観察して、相が実質的に混合されていないことを意味する。
【0025】
用語「剪断指数」又は「n」は、本明細書で使用する時、粘度の尺度であり、その粘度が剪断力の関数である物質の粘度を定義するため、粘稠度と組み合わせて使用される。測定は、25℃で行われ、その単位は、無次元である。
【0026】
語句「実質的に含まない」は、本明細書で使用する時、組成物が、所定の成分を組成物の約3重量%未満、好ましくは約1重量%未満、より好ましくは約0.5重量%未満、さらにより好ましくは約0.25重量%未満、最も好ましくは約0.1重量%未満含むことを意味する。
【0027】
ヴォーン溶解度パラメーター(VSP)は、本明細書で使用する時、疎水性物質を含む疎水性組成物の溶解度を定義するために使用されるパラメーターである。ヴォーン溶解度パラメーターは、多様な化学及び製剤技術において周知であり、典型的に約5〜約25cal/cm3の範囲を有する。
【0028】
本明細書で用いる全ての百分率、部及び比率は、特に明記しない限り、全組成物の重量による。このような全ての重量は、記載した成分に関する限り有効濃度に基づくものであり、従って特に明記しない限りは、市販材料に含まれるかもしれない溶媒又は副産物を含まない。
【0029】
本発明のパーソナルケア組成物及び方法は、本明細書に記載の発明必須要素及び制限事項と同様に、本明細書に記載されているか、さもなければ毛髪又は皮膚への局所適用が意図されるパーソナルケア組成物において有用である、あらゆる追加成分若しくは任意成分、構成要素、又は制限事項を含むこと、これらから成ること、あるいはこれらから本質的に成ることができる。
【0030】
(製品形態)
本発明の多相パーソナルケア組成物は、典型的には液体の形態である。用語「液体」は、本明細書で使用する時、一般にある程度流動性のある組成物を意味する。従って「液体」は、皮膚への局所適用が意図される液体、半液体、クリーム、ローション又はゲル組成物を挙げることができる。組成物は、以下で記載される粘度法により測定すると、典型的には約3Pa・s(約3,000cps)以上〜約1000Pa・s(約1,000,000cps)の粘度を示す。これらの組成物は、少なくとも2つの相を含有し、これらは本明細書の以下でより詳細に記載される。
【0031】
多相パーソナルケア組成物を本明細書に記載の方法により評価すると、好ましくは個別の相は、それぞれ、個別の方法論において特に指示がない限り、組み合わされる前に評価される。しかし、相が組み合わされている場合、各相は遠心分離、超遠心分離、ピペット操作、濾過、洗浄により分離されることができ、次に別個の相が評価されることができる。
【0032】
本発明の組成物及び方法を定義するために考慮される製品形態は全てリンスオフ型配合物であり、それは製品が皮膚又は毛髪に局所的に適用され、その後(すなわち数分内に)、皮膚又は毛髪が水によってすすがれるか、そうでなければ基材又はその他の好適な除去手段を使用することにより組成物の付着部分が拭き取られることを意味する。
【0033】
(相)
本発明の多相パーソナルケア組成物は、少なくとも2つの相を含み、組成物は第1相、第2相などを有することができる。第1相と第2相の比率は、約90:10〜約10:90、好ましくは約80:20〜約20:80、より好ましくは約70:30〜約30:70、さらにより好ましくは約60:40〜約40:60、なおより好ましくは約50:50である。相は、それぞれ、次を含む非限定例:クレンジング相、利益相、及び非発泡構造水相のうちの1つ以上であり、これらは、本明細書の以下でより詳細に記載される。
【0034】
1)クレンジング相
本発明の多相パーソナルケア組成物は、クレンジング相を含むことができる。本発明のクレンジング相は、皮膚又は毛髪への適用に好適な界面活性剤を含む。本明細書での使用に好適な界面活性剤には、皮膚への適用に好適であるあらゆる既知の、そうでなければ有効なクレンジング界面活性剤が挙げられ、そしてそうでなければ、水などの組成物のクレンジング相における他の必須成分と適合性がある。これらのクレンジング界面活性剤には、アニオン性、非イオン性、カチオン性、双極性、若しくは両性界面活性剤、又はこれらの組み合わせが挙げられる。本発明のクレンジング界面活性剤相は非ニュートン性ずり減粘の挙動を示す。好ましくは、クレンジング相は、以下で記載される粘度法により測定されると、3Pa・s(3,000以センチポアズ(「cps」))を超える、より好ましくは約5Pa・s(約5,000cps)を超える、さらにより好ましくは約10Pa・s(約10,000cps)を超える、なおさらにより好ましくは約20Pa・s(約20,000cps)を超える粘度を有する。
【0035】
好ましくは、クレンジング相は、以下で記載される降伏点法により測定されると、約0.1パスカル(Pa)を超える、より好ましくは約0.5パスカルを超える、さらにより好ましくは約1.0パスカルを超える、なおより好ましくは約2.0パスカルを超える、なおさらにより好ましくは約5パスカルを超える、さらになおさらにより好ましくは約10パスカルを超える降伏点を有する。
【0036】
多相パーソナルケア組成物のクレンジング相は、好ましくはクレンジング界面活性剤を、クレンジング相の約1重量%〜約50重量%、より好ましくは約4重量%〜約30重量%、さらにより好ましくは約5重量%〜約25重量%の範囲の濃度で含む。クレンジング相の好ましいpH範囲は、約5〜約8、より好ましくは約6である。
パーソナルケア組成物のクレンジング相は、同時係属出願番号60/532,798(2003年12月24日出願)で記載されている発泡量試験により測定すると、少なくとも約400ml、好ましくは約500mlを超える、より好ましくは約600mlを超える、さらにより好ましくは約800mlを超える、なおより好ましくは約1000mlを超える、なおさらにより好ましくは約1250mlを超える総発泡量を生じる。パーソナルケア組成物の発泡クレンジング相は、同時係属出願番号60/532,798(2003年12月24日出願)で記載されている発泡量試験により測定すると、少なくとも約100ml、好ましくは約200mlを超える、さらにより好ましくは約300mを超える瞬間発泡容量を生じるのが好ましい。
【0037】
クレンジング相での使用に好適なアニオン性界面活性剤には、アルキルサルフェート及びアルキルエーテルサルフェートが挙げられるこれらの物質は、それぞれ、式、ROSO3M及びRO(C2H4O)xSO3Mを有しており、式中、Rは、炭素原子数約8〜約24個のアルキル若しくはアルケニルであり、xは、1〜10であり、Mは、アンモニウム、ナトリウム、カリウム、及びトリエタノールアミンのような水溶性のカチオンである。アルキルエーテルサルフェート類は、典型的には、エチレンオキシドと約8〜約24個の炭素原子を有する一価アルコール類との縮合生成物として製造される。好ましくは、Rはアルキルサルフェート及びアルキルエーテルサルフェートの両方において約10〜約18個の炭素原子を有する。アルコール類は、脂肪類、例えばココヤシ油若しくは獣脂から誘導することができ、又は合成アルコールにすることができる。本明細書では、ココヤシ油から誘導されるラウリルアルコール及び直鎖アルコール類が好ましい。このようなアルコール類は、エチレンオキシドと約1〜約10、好ましくは約3〜約5、より好ましくは約3のモル比で反応し、得られる、例えばアルコール1モル当たり平均3モルのエチレンオキシドを有する分子種の混合物が硫酸化され、中和される。
【0038】
クレンジング相で使用してもよいアルキルエーテルサルフェート類の具体例は、ココナッツアルキルトリエチレングリコールエーテルサルフェート、タローアルキルトリエチレングリコールエーテルサルフェート、及びタローアルキルヘキサオキシエチレンサルフェートの、ナトリウム塩及びアンモニウム塩である。非常に好ましいアルキルエーテルサルフェートは、個々の化合物の混合物を含むものであり、前記混合物は約10〜約16個の炭素原子の平均アルキル鎖長、及び約1〜約4モルのエチレンオキシドの平均エトキシル化度を有する。
【0039】
他の好適なアニオン性界面活性剤には、一般式[R1-SO3−M]の有機硫酸反応生成物の水溶性塩が挙げられ、式中、R1は約8〜約24個、好ましくは約10〜約18個の炭素原子を有する、直鎖又は分枝鎖の飽和脂肪族炭化水素ラジカルから成る群から選択され、Mはカチオンである。好適な例は、約8〜約24個の炭素原子、好ましくは約10〜約18個の炭素原子を有する、イソ−、ネオ−、インエソ−、及びn−パラフィン類を含むメタン系炭化水素と、漂白及び加水分解を含めた既知のスルホン化法によって得られるスルホン化剤、例えば、SO3、H2SO4、発煙硫酸との有機硫酸反応生成物の塩である。好ましいものは、アルカリ金属及びアンモニウムスルホン化C10〜18n−パラフィンである。
【0040】
他の好適な界面活性剤は、マカッチャン(McCutcheon)の乳化剤及び洗剤(Emulsifiers and Detergents)1989年鑑、M.C.パブリッシング社(Publishing Co.)発行及び米国特許第3,929,678号で記載されている。
【0041】
クレンジング相での使用が好ましいアニオン性界面活性剤には、ラウリル硫酸アンモニウム、ラウレス硫酸アンモニウム、ラウリル硫酸トリエチルアミン、ラウレス硫酸トリエチルアミン、ラウリル硫酸トリエタノールアミン、ラウレス硫酸トリエタノールアミン、ラウリル硫酸モノエタノールアミン、ラウレス硫酸モノエタノールアミン、ラウリル硫酸ジエタノールアミン、ラウレス硫酸ジエタノールアミン、ラウリルモノグリセリド硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウレス硫酸ナトリウム、ラウレス硫酸カリウム、ラウリルサルコシン酸ナトリウム、ラウロイルサルコシン酸ナトリウム、ラウリルサルコシン、ココイルサルコシン、ココイル硫酸アンモニウム、ラウロイル硫酸アンモニウム、ココイル硫酸ナトリウム、ラウロイル硫酸ナトリウム、ココイル硫酸カリウム、ラウリル硫酸カリウム、ココイル硫酸モノエタノールアミン、トリデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、及びこれらの組み合わせが挙げられる。
【0042】
一部の実施形態では、例えばトリデセス硫酸ナトリウムのような分枝状アルキル鎖を有するアニオン性界面活性剤が好ましい。一部の実施形態では、アニオン性界面活性剤の混合物を使用してもよい。
【0043】
両性、双極性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、及び/又は非イオン性界面活性剤部類の追加的な界面活性剤を、クレンジング相組成物に組み込んでもよい。
【0044】
クレンジング相での使用に好適な両性界面活性剤には、脂肪族第二級及び第三級アミンの誘導体として広く記述されるものであって、その脂肪族ラジカルが直鎖又は分枝鎖であることができ、その脂肪族置換基の内の1つが約8〜約18個の炭素原子を含有し、そして1つがアニオン性水溶性基、例えば、カルボキシ、スルホネート、サルフェート、ホスフェート、若しくはホスホネートを含有する界面活性剤が挙げられる。この定義に該当する化合物の例は、3−ドデシルアミノプロピオン酸ナトリウム、3−ドデシルアミノプロパンスルホン酸ナトリウム、ラウリルサルコシン酸ナトリウム、米国特許第2,658,072号の教示に従ってドデシルアミンとイセチオン酸ナトリウムとを反応させることで調製されるようなN−アルキルタウリン類、米国特許第2,438,091号の教示に従って生成されるようなN−高級アルキルアスパラギン酸類、及び米国特許第2,528,378号に記載の生成物である。
【0045】
クレンジング相での使用に好適な双極性界面活性剤には、脂肪族第四級アンモニウム、ホスホニウム、及びスルホニウム化合物の誘導体類として広く記述されるものであって、その脂肪族ラジカルが直鎖又は分枝鎖であることができ、その脂肪族置換基のうちの1つが約8〜約18個の炭素原子を含有し、そして1つがアニオン性基、例えば、カルボキシ、スルホネート、サルフェート、ホスフェート、又はホスホネートを含有する界面活性剤が挙げられる。そのような好適な双極性界面活性剤は、下記の式により表されることができ、
【0046】
【化1】
式中、R2は約8〜約18個の炭素原子のアルキル、アルケニル、又はヒドロキシアルキルラジカル、0〜約10個のエチレンオキシド部分及び0〜約1個のグリセリル部分を含有し;Yは窒素、リン、及びイオウ原子から成る群から選択され;R3は約1〜約3個の炭素原子を含有するアルキル又はモノヒドロキシアルキル基であり;Xは、Yがイオウ原子のとき1であり、Yが窒素又はリン原子のとき2であり;R4は約1〜約4個の炭素原子のアルキレン又はヒドロキシアルキレンであり、Zはカルボキシレート、スルホネート、サルフェート、ホスホネート、及びホスフェート基から成る群から選択されるラジカルである。
【0047】
クレンジング相での使用に好適な他の双極性界面活性剤には、ココジメチルカルボキシメチルベタイン、ココアミドプロピルベタイン、ココベタイン、ラウリルアミドプロピルベタイン、オレイルベタイン、ラウリルジメチルカルボキシメチルベタイン、ラウリルジメチルαカルボキシエチルベタイン、セチルジメチルカルボキシメチルベタイン、ラウリルビス−(2−ヒドロキシエチル)カルボキシメチルベタイン、ステアリルビス−(2−ヒドロキシプロピル)カルボキシメチルベタイン、オレイルジメチルγ−カルボキシプロピルベタイン、及びラウリルビス−(2−ヒドロキシプロピル)α−カルボキシエチルベタインのような高級アルキルベタイン類を含むベタイン類が挙げられる。スルホベタイン類は、ココジメチルスルホプロピルベタイン、ステアリルジメチルスルホプロピルベタイン、ラウリルジメチルスルホエチルベタイン、ラウリルビス−(2−ヒドロキシエチル)スルホプロピルベタインなどで代表されてもよく、RCONH(CH2)3ラジカルがベタインの窒素原子に結合しているアミドベタイン類及びアミドスルホベタイン類も本発明で有用である。
【0048】
また、アンホアセテート類及びジアンホアセテート類を使用してもよい。
【0049】
【化2】
アンホアセテート類及びジアンホアセテート類は、式(上記)に従い、式中、Rは、炭素原子数8〜18個の脂肪族基である。Mは、ナトリウム、カリウム、アンモニウム、又は置換アンモニウムのようなカチオンである。一部の実施形態では、ラウロアンホ酢酸ナトリウム、ココアンホ酢酸ナトリウム、ラウロアンホ酢酸二ナトリウム、及びココジアンホ酢酸二ナトリウムが好ましい。
【0050】
また、カチオン性界面活性剤も、クレンジング相で使用することができるが、一般的にはあまり好ましくなく、組成物の約5重量%未満に相当することが好ましい。水性クレンジング相での使用に好適な非イオン性界面活性剤には、アルキレンオキシド基(性質上、親水性)と性質上、脂肪族又はアルキル芳香族であってもよい有機疎水性化合物との縮合生成物が挙げられる。
【0051】
A)構造化剤
本発明の組成物のクレンジング相は、任意選択ではあるが好ましくは、組成物中で熱力学的相、好ましくは層状の熱力学的相を形成するように作用する構造化剤を、約0.1重量%〜10重量%更に含む。層状相が本発明の組成物の相間の境界面の安定性を向上させると考えられている。
【0052】
好適な構造化剤には、脂肪酸若しくはそのエステル誘導体、脂肪族アルコール、トリヒドロキシステアリン(商品名チキシン(THIXCIN)(登録商標)Rでレックス社(Rheox,Inc.)から入手可能)、又はポリメチアクリルアミドプロピルトリモニウムクロリド(商品名ポリケア(POLYCARE)(登録商標)133でローディア(Rhodia)から入手可能)が挙げられる。好ましくは、層状構造化剤は、ラウリン酸又はトリヒドロキシステアリンから選択される。
【0053】
本発明の好ましい実施形態において、クレンジング相で使用される界面活性剤は、非ニュートン性ずり減粘挙動(本明細書では自由流組成物と呼ぶ)を示し、界面活性剤の混合物であることもできる。好適な界面活性剤混合物は、水、少なくとも1つのアニオン性界面活性剤、電解質、及び少なくとも1つのアルカノールアミドを含むことができる。非ニュートン性ずり減粘挙動を示すクレンジング相を使用することにより、得られる多相パーソナルケア組成物の安定性を増大できることが判明している。アルカノールアミドは、存在する場合、次の一般構造を有し、
【0054】
【化3】
式中、Rは、C8〜C24、又は好ましくは一部の実施形態ではC8〜C22、又は他の実施形態ではC8〜C18の、飽和又は不飽和の、直鎖又は分枝状の脂肪族基であり、R1及びR2は、同一又は異なって、C2〜C4直鎖又は分枝状脂肪族基であり、xは、0〜10であり;yは、1〜10であり、xとyの合計は、10以下である。
【0055】
組成物中のアルカノールアミドの量は、典型的には、クレンジング相の約0.1重量%〜約10重量%であり、一部の実施形態では、好ましくはクレンジング相の約2重量%〜約5重量%である。好適なアルカノールアミド類には、コカミドMEA(ココモノエタノールアミド)及びコカミドMIPA(ココモノイソプロプラノールアミド(Coco monoisopropranolamide))が挙げられる。
【0056】
電解質は、使用される場合、それ自体を組成物に添加することができるか、又は原材料の1つに含まれる対イオンによってその場で形成することができる。電解質には、好ましくは、リン酸塩、塩化物、硫酸塩、又はクエン酸塩を含むアニオンと、ナトリウム、アンモニウム、カリウム、マグネシウム、又はこれらの混合物を含むカチオンが挙げられる。一部の好ましい電解質は、塩化ナトリウム若しくは塩化アンモニウム、又は硫酸ナトリウム若しくは硫酸アンモニウムである。好ましい電解質は、塩化ナトリウムである。
【0057】
電解質は、存在する時には、自由流動組成物の形成を促進する量で存在するべきである。一般に、この量は、クレンジング相の約0.1重量%〜約15重量%、好ましくは約1重量%〜約6重量%であるが、必要であれば変更してもよい。
【0058】
本発明の一つの実施形態において、クレンジング相は、アニオン性界面活性剤(例えば、ナトリウムトリデセスサルフェート)、アンホ酢酸界面活性剤(例えば、ラウロアンホ酢酸ナトリウム)及びアルカノールアミド(例えば、ココアミドMEA)を含む。この実施形態のクレンジング相は、好ましくは電解質(例えば、塩化ナトリウム)を更に含む。
【0059】
B)等方性
本発明のクレンジング相は、任意選択に等方性の熱力学的相を含んでよい。等方性熱力学的相は、そのミクロ構造が溶液中の距離又は方向により変化しない完全に混和性の構成成分から構成される界面活性剤溶液を含む。好ましくは、等方性熱力学的相に見られる界面活性剤は、層状の熱力学的相において前述されたものと同一のものである。多相パーソナルケア組成物の等方性熱力学的相は、スピンドル番号S41のブルックフィールド・コーン・アンド・プレート粘度計(Brookfield Cone and Plate viscometer)を使用して0.5RPMで測定すると、好ましくは、約3〜100Pa・s(約3,000〜約100,000センチポアズ(cps))の範囲の粘度を有する。より好ましくは粘度は、約10〜100Pa・s(約10,000〜約100,000cps)であり、さらにより好ましくは粘度は、約20〜80Pa・s(約20,000〜約80,000cps)である。
【0060】
C)有機カチオン沈着ポリマー
本発明の多相パーソナルケア組成物は、本明細書の以下に記載する有益剤の付着助剤として、クレンジング相に有機カチオン沈着ポリマーを追加的に含んでもよい。カチオン沈着ポリマーの濃度は、好ましくはクレンジング相組成物の約0.025重量%〜約3重量%、より好ましくは約0.05重量%〜約2重量%、さらにより好ましくは約0.1重量%〜約1重量%の範囲である。
【0061】
本発明の多相パーソナルケア組成物での使用に好適なカチオン沈着ポリマーは、第四級アンモニウム又はカチオン性プロトン化アミノ部分のようなカチオン性窒素含有部分を含有する。カチオン性プロトン化アミン類は、パーソナルクレンジング組成物の特定の種類及び選択されたpHに応じて、第一級、第二級、又は第三級アミン(好ましくは第二級又は第三級)であることができる。カチオン沈着ポリマーの平均分子量は、約5,000〜約10,000,000、好ましくは少なくとも約100,000、より好ましくは少なくとも約200,000であるが、好ましくは約2,000,000以下、より好ましくは、約1,500,000以下である。ポリマー類はまた、カチオン電荷密度がパーソナルクレンジング組成物の意図された使用のpHにおいて約0.2meq/g〜約5meq/gの範囲、好ましくは少なくとも約0.4meq/g、より好ましくは少なくとも約0.6meq/gであり、このpHは一般にpH約4〜pH約9、好ましくはpH約5〜pH約8の範囲である。
【0062】
電荷密度は当該技術分野で周知の技術に従って制御し調節することができる。本明細書で使用する時、カチオン性ポリマー類の「電荷密度」はポリマーの1グラム原子量(分子量)当たりのカチオン部位の数として定義され、カチオン電荷のmeq/gにより表すことができる。一般に、ポリマーのアミン又は第四級アンモニウム部分の比率の調整、並びにアミン類の場合は多相パーソナルケア組成物のpHが、電荷密度に影響することになる。
【0063】
ポリマー類が、水中、多相パーソナルケア組成物中、又は多相パーソナルケア組成物のコアセルベート相中で可溶性を維持する限り、並びに対イオンがパーソナルクレンジング組成物の必須構成成分と物理的及び化学的に適合性があるか、さもなければ製品性能、安定性又は審美性を過度に損なわない限り、カチオン沈着ポリマー類と関連してあらゆるアニオン性対イオンを使用することができる。このような対イオンの非限定例としては、ハロゲン化物(例えば、塩素、フッ素、臭素、ヨウ素)、硫酸塩及び硫酸メチルが挙げられる。
【0064】
多相パーソナルケア組成物に使用されるカチオン沈着ポリマー類の非限定例としては、カチオン性セルロース誘導体のような多糖類ポリマー類が挙げられる。好ましいカチオン性セルロースポリマー類はトリメチルアンモニウム置換エポキシドと反応させたヒドロキシエチルセルロースの塩類であり、産業界(CTFA)ではポリクオタニウム(Polyquaternium)10と呼ばれ、これはアマコール社(Amerchol Corp.)(米国ニュージャージー州エディソン)(Edison,N.J.,USA)より、ポリマー類のポリマー(Polymer)KG、JR及びLRシリーズとして入手可能であり、最も好ましいものはKG−30Mである。
【0065】
他の好適なカチオン沈着ポリマー類としては、グアーヒドロキシプロピルトリモニウムクロリドのようなカチオン性グアーガム誘導体類が挙げられ、その具体的な例としては、ローディア社(Rhodia Inc.)より市販されているジャガー(Jaguar)シリーズ(好ましくはジャガーC−17)、及びアクアロン(Aqualon)より市販されているN−ハンス(N-Hance)ポリマーシリーズが挙げられる。
【0066】
本明細書のカチオン性ポリマー類はクレンジング相に可溶であるか、又は好ましくはカチオン沈着ポリマーと本明細書中で前述されたアニオン性界面活性剤構成成分によって形成される多相パーソナルケア組成物の複合コアセルベート相に可溶である。カチオン沈着ポリマーの複合コアセルベート類は、また、多相パーソナルケア組成物中の他の帯電物質と共に形成されることができる。
【0067】
コアセルベートの形成は、分子量、構成成分濃度、相互作用するイオン性構成成分の比率、イオン強度(例えば塩類の添加による、イオン強度の調整を包含する)、カチオン性及びアニオン性構成成分の電荷密度、pH、並びに温度のような種々の基準に依存する。コアセルベート系及びこれらのパラメーターの効果は、例えば、J.カエレス(Caelles)ら、「混合系におけるアニオン性及びカチオン性化合物」("Anionic and Cationic Compounds in Mixed Systems")、化粧品及び洗面用品(Cosmetics & Toiletries)、第106巻、1991年4月、第49頁〜第54頁、C.J.ファン.オス(Oss)、「コアセルベーション、複合コアセルベーション及び凝集」("Coacervation,Complex-Coacervation and Flocculation")、分散の科学及び技術誌(J.Dispersion Science and Technology)、第9巻(5,6)、1988〜89年、第561頁〜第573頁、及びD.J.ブルゲス(Burgess)、「複合コアセルべート系の実用分析」("Practical Analysis of Complex Coacervate Systems")、コロイド・アンチ・境界面科学誌(J.of Colloid anti Interface Science)第140巻、No.1、1990年11月、第227頁〜第238頁に記載されており、これらの記載は参照として本明細書に組み入れられる。
【0068】
カチオン沈着ポリマーが多相パーソナルケア組成物中でコアセルベート相に存在すること、又は皮膚にクレンジング組成物を適用するか若しくは皮膚からクレンジング組成物をすすぐときに、コアセルベート相を形成することは特に有利であると考えられている。複合コアセルベートはより容易に皮膚に付着し、これにより利益物質の改良された付着が得られると考えられている。従って、一般に、カチオン沈着ポリマーが多相パーソナルケア組成物中にコアセルベート相として存在するか、又は希釈の際にコアセルベート相を形成することが好ましい。コアセルベートが多相パーソナルケア組成物に既に存在しないのであれば、カチオン沈着ポリマーが、好ましくは、水による希釈の際に多相パーソナルケア組成物に複合コアセルベートを形成する。
【0069】
複合コアセルベートの形成を分析する技術は、当該技術分野において既知である。例えば、希釈のいずれかの選択された段階において多相パーソナルケア組成物の遠心分離分析を使用して、コアセルベート相が形成されたか否かを確認することができる。
【0070】
2)利益相
本発明の多相パーソナルケア組成物は、利益相を含むことができる。本発明における利益相は、好ましくは無水である。利益相は、疎水性物質を含む疎水性組成物類を含む。利益相は、疎水性物質を約20%〜約100%、好ましくは少なくとも約35%、最も好ましくは少なくとも約50%含む。本発明での使用に好適な疎水性組成物は、約5〜約15のヴォーン溶解度パラメーターを有する。疎水性組成物は、好ましくは、選択された粘稠度(k)及び剪断指数(n)を含む、後述する定義されたレオロジー特性を有するものから選択される。これらの好ましいレオロジー特性は、一般に、疎水性物質の皮膚への付着が改良されている多相パーソナルケア組成物を提供するのに特に有用である。
【0071】
A)ヴォーン溶解度パラメーター値(VSP)
多相パーソナルケア組成物の利益相で使用される疎水性組成物は、約5〜約15、好ましくは約5〜10、より好ましくは約6〜約9のヴォーン溶解度パラメーター(VSP)を有する。これらの溶解度パラメーターは、配合分野では周知であり、ヴォーン(Vaughan)により、化粧品及び洗面用品(Cosmetics and Toiletries)、103巻、第47頁〜第69頁、1988年10月、において定義されている。
【0072】
約5〜約15の範囲のVSP値を有する疎水性物質の非限定例には、次のものが挙げられる:
【0073】
【表1】
溶解度、製品、パッケージ、浸透及び保存における効果(Solubility,Effects in Product,Package,Penetration and Preservation)、C.D.ヴォーン(Vaughan)、化粧品及び洗面用品(Cosmetics and Toiletries)、103巻、1988年10月による報告。
【0074】
B)レオロジー
組成物の利益相で使用される疎水性組成物は、粘稠度(k)及び剪断指数(n)により定義される好ましいレオロジー特性を有する。好ましい粘稠度の範囲は、約0.001〜10Pa・s(約1〜10,000ポアズ/(1/秒)(1逆秒当たりのポアズ))、好ましくは約0.01〜5Pa・s(約10〜5000ポアズ/(1/秒))、より好ましくは約0.05〜4Pa・s(約50〜4000ポアズ/(1/秒))である。剪断指数の範囲は、約0.025〜0.9、好ましくは約0.05〜0.5、より好ましくは約0.09〜0.4である。
【0075】
疎水性組成物は、前述の範囲で定義された粘稠度(k)及び剪断指数(n)の値によって特徴付けることができ、これらの定義範囲は、毛髪又は皮膚への多相パーソナルケア組成物の適用中及び適用後における付着の向上及びべたつきの低減を提供するように選択される。
【0076】
剪断指数(n)及び粘稠度(k)は、周知であり、適用された剪断速度により変わる粘度を有する物質の粘度(μ)特性を報告するために産業界で認められている基準である。
【0077】
疎水性組成物の粘度(μ)は、剪断速度を適用し、得られた剪断応力を測定するか、又はTAインストルメンツ(Instruments)AR2000(TAインストルメンツ(Instruments)、米国デラウエア州ニュー・カッスル(New Castle,DE,USA)19720)のようなレオメーターを使用し、プログラム化した方法でその逆をすることにより、特徴付けることができる。粘度は、下記の方法に従って異なる剪断速度で決定される。最初に、多相パーソナルケア組成物に存在するような組成及び特性を有する疎水性組成物を得る。すなわち、組成物は、例えば試料が結晶を含有する場合、ほぼ同じ速度で結晶化されるように、同様の方法でプロセスされる。疎水性組成物のアリコートは、多相組成物中で組み合わせる前に得ることができ、これは当業者に慣用のやり方である。また、疎水性組成物は、例えば、遠心分離、ピペット操作、ふるい分け、すすぎ、又は疎水性組成物を回収する他の方法により、多相パーソナルケア組成物から回収することができる。AR2000レオメーターは、約0.1Pa〜約1,000Paの応力を、5分間隔、25℃でランピングして試料を剪断するようにプログラムされる。隙間1mmの4cm平行板形状が慣用であるが、隙間は、必要に応じて増大又は減少することができ、例えば、疎水性組成物が大きい粒子を含有する場合、隙間は大きくなる必要があるかもしれない。少なくとも100 1/秒の剪断速度が試験で得られるか、又は試験は、十進応力当たり約1.25分で応力が増加するプログラム化された速度を維持しながら、より高い最終応力値で繰り返される。これらの結果を下記の広く受け入れられている指数法則モデルに適合させる。対数の対数で表されるプロットの粘度及び剪断速度データをプロットし、一様に、剪断速度が上昇し、粘度が下降している領域のデータのみを使用することにより、剪断された領域のデータが含まれる。例えば、流れがほとんど起きない低い剪断応力での最初の平坦領域は、考慮に入れない。典型的には、約0.1〜10.0 1/秒の剪断速度の粘度が有用であり、十分なデータポイントが取られて広く受け入れられている指数法則モデルに適合される(例えば、コールソン(Coulson)及びリチャードソン(Richardson)による化学工学(Chemical Engineering)、ペルガモン(Pergamon)、1982年、又はバード(Bird)、スチュワード(Steward)及びライトフット(Lightfoot)、ウイリー(Wiley)による輸送現象(Transport Phenomena)、1960年を参照すること):
μ=k(γ’)(n-1)
対数の対数で表される勾配で得られる値は、(n−1)であり、ここでnは、剪断指数であり、kで得られる値は、ポアズ/(1/秒)の粘稠度である。例えば、ペトロラタム(スーパー・ホワイト・プロトペット(Super White Protopet)、ウイトコ(Witco))は、約2Pa・s(約2,000ポアズ/(1/秒))の粘稠度及び約0.2の剪断指数を有し、ペトロラタム50%とハイドロブライト(Hydrobrite)1000鉱油(ウイトコ)50%のブレンドは、約0.4Pa・s(約400ポアズ/(1/秒))の粘稠度及び約0.25の剪断指数を有する。
【0078】
疎水性組成物は、疎水性物質を含む。本明細書での使用に好適な疎水性物質の非限定例には、種々の炭化水素類、油類及びろう類、シリコーン類、脂肪酸誘導体、コレステロール、コレステロール誘導体、ジグリセリド類、トリグリセリド類、植物油類、植物油誘導体、アセトグリセリドエステル類、アルキルエステル類、アルケニルエステル類、ポリグリセリン脂肪酸エステル類、ラノリン及びその誘導体、ろうエステル類,蜜蝋誘導体、ステロール類及びリン脂質類、並びにこれらの組み合わせを挙げることができる。
【0079】
本明細書での使用に好適な炭化水素、油類、及びろう類の非限定例には、ペトロラタム、鉱油、微結晶ろう類、ポリアルケン類、パラフィン類、ケラシン、オゾケライト、ポリエチレン、ペルヒドロスクアレン、及びこれらの組み合わせが挙げられる。
【0080】
本明細書の疎水性物質としての使用に好適なシリコーン油類の非限定例には、ジメチコンコポリオール、ジメチルポリシロキサン、ジエチルポリシロキサン、混合C1〜C30アルキルポリシロキサン類、フェニルジメチコン、ジメチコノール、及びこれらの組み合わせが挙げられる。好ましいものは、ジメチコン、ジメチコノール、混合C1〜C30アルキルポリシロキサン、及びこれらの組み合わせから選択される不揮発性シリコーン類である。本明細書で有用なシリコーン油類の非限定例は、米国特許第5,011,681号(チオッティ(Ciotti)ら)に記載されている。
【0081】
本明細書の疎水性物質としての使用に好適なジグリセリド類及びトリグリセリド類の非限定例には、ヒマシ油、大豆油、マレエート化大豆油のような誘導体化した大豆油類、ベニバナ油、綿実油、トウモロコシ油、クルミ油、ピーナッツ油、オリーブ油、タラ肝油、アーモンド油、アボカド油、パーム油及びゴマ油、植物油類、ヒマワリ種子油、及び植物油誘導体;ココヤシ油及び誘導体化したココヤシ油、綿実油及び誘導体化した綿実油、ホホバ油、カカオバター、並びにこれらの組み合わせが挙げられる。
【0082】
本明細書の疎水性物質としての使用に好適なアセトグリセリドエステル類の非限定例には、アセチル化モノグリセリド類が挙げられる。
【0083】
本明細書の疎水性物質としての使用に好適なアルキルエステル類の非限定例には、脂肪酸類のイソプロピルエステル類、及び長鎖(すなわち、C10〜C24)脂肪酸類の長鎖エステル類、例えばセチルリシノレエートが含まれ、その非限定例には、パルミチン酸イソプロピル、ミリスチン酸イソプロピル、セチルリコノレエート(cetyl riconoleate)、及びステアリルリコノレエート(stearyl riconoleate)が挙げられる。他の例は、ラウリン酸ヘキシル、ラウリン酸イソヘキシル、ミリスチン酸ミリスチル、パルミチン酸イソヘキシル、オレイン酸デシル、オレイン酸イソデシル、ステアリン酸ヘキサデシル、ステアリン酸デシル、イソステアリン酸イソプロピル、アジピン酸ジイソプロピル、アジピン酸ジイソヘキシル、アジピン酸ジヘキシルデシル、セバシン酸ジイソプロピル、イソノナン酸アシル乳酸ラウリル、乳酸ミリスチル、乳酸セチル、及びこれらの組み合わせである。
【0084】
本明細書の疎水性物質としての使用に好適なアルケニルエステル類の非限定例には、ミリスチン酸オレイル、ステアリン酸オレイル、オレイン酸オレイル、及びこれらの組み合わせが挙げられる。
【0085】
本明細書の疎水性物質としての使用に好適なポリグリセリン脂肪酸エステル類の非限定例としては、デカグリセリルジステアレート、デカグリセリルジイソステアレート、デカグリセリルモノミリエート、デカグリセリルモノラウレート、ヘキサグリセリルモノオレエート、及びこれらの組み合わせが挙げられる。
【0086】
本明細書の疎水性物質としての使用に好適なラノリン及びラノリン誘導体の非限定例には、ラノリン、ラノリン油、ラノリンろう、ラノリンアルコール類、ラノリン脂肪酸類、イソプロピルラノレート、アセチル化ラノリン、アセチル化ラノリンアルコール類、ラノリンアルコールリノレエート、ラノリンアルコールリコノレエート(lanolin alcohol riconoleate)、及びこれらの組み合わせが挙げられる。
【0087】
さらに他の好適な疎水性物質としては、ミルクトリグリセリド類(例えば、ヒドロキシル化ミルクグリセリド)及びポリオール脂肪酸ポリエステル類が挙げられる。
【0088】
さらに他の好適な疎水性物質には、ろうエステル類が挙げられ、その非限定例には、蜜蝋及び蜜蝋誘導体、鯨蝋、ミリスチン酸ミリスチル、ステアリン酸ステアリル、及びこれらの組み合わせが挙げられる。また有用なものは、カルナウバろう及びキャンデリラろうのような植物性ろう類;コレステロール、コレステロール脂肪酸エステル類のようなステロール類;及びレシチンのようなリン脂質類及び誘導体、スフィンゴ脂質類、セラミド類、スフィンゴ糖脂質類、並びにこれらの組み合わせである。
【0089】
組成物の利益相は、好ましくは1つ以上の疎水性物質を含むことができ、疎水性物質の少なくとも20重量%は、ペトロラタム、鉱油、ヒマワリ種子油、微結晶ろう類、パラフィン類、オゾケライト、ポリエチレン、ポリブテン、ポリデセン及びペルヒドロスクアレンジメチコン類、シクロメチコン類、アルキルシロキサン類、ポリメチルシロキサン類及びメチルフェニルポリシロキサン類、ラノリン、ラノリン油、ラノリンろう、ラノリンアルコール類、ラノリン脂肪酸類、イソプロピルラノレート、アセチル化ラノリン、アセチル化ラノリンアルコール類、ラノリンアルコールリノレエート、ラノリンアルコールリコノレエート(lanolin alcohol riconoleate)、ヒマシ油、大豆油、マレエート化大豆油、ベニバナ油、綿実油、トウモロコシ油、クルミ油、ピーナッツ油、オリーブ油、タラ肝油、アーモンド油、アボカド油、パーム油、及びゴマ油、並びにこれらの組み合わせから選択される。より好ましくは、疎水性物質の少なくとも約50重量%は、ペトロラタム、鉱油、パラフィン類、ポリエチレン、ポリブテン、ポリデセン、ジメチコン類、アルキルシロキサン類、シクロメチコン類、ラノリン、ラノリン油、ラノリンろうから成る群から選択される。残りの疎水性皮膚コンディショニング剤は、好ましくはパルミチン酸イソプロピル、セチルリコノレエート、イソノナン酸オクチル、パルミチン酸オクチル、ステアリン酸イソセチル、ヒドロキシル化ミルクグリセリド及びこれらの組み合わせから選択される。
【0090】
3)非発泡構造水相
本発明の多相パーソナルケア組成物は、非発泡構造水相を含むことができる。本発明の組成物の非発泡構造水相は、水構造化剤及び水を含む。非発泡構造水相は、親水性であることができ、好ましい実施形態において、非発泡構造水相は、親水性ゲル化水相である。加えて、本発明の非発泡構造水相は、典型的には、界面活性剤を非発泡構造水相の約5重量%未満、好ましくは約3重量%未満、より好ましくは約1重量%未満含む。本発明の一つの実施形態において、非発泡構造水相は、界面活性剤を含有しない。
【0091】
パーソナルケア組成物の非発泡構造水相は、同時係属出願番号60/532,798(2003年12月24日出願)で記載されている発泡量試験により測定すると、好ましくは約350ml以下、より好ましくは約330ml以下、さらにより好ましくは約300ml以下の総発泡量を生じる。パーソナルケア組成物の非発泡構造水相は、同時係属出願番号60/532,798(2003年12月24日出願)で記載されている発泡量試験により測定すると、好ましくは約150ml以下、好ましくは約130ml以下、さらにより好ましくは約100ml以下の瞬間発泡容量を生じる。
【0092】
好ましくは、非発泡構造水相は、後述する降伏点法により測定すると、少なくとも約0.1Pa、好ましくは少なくとも約1Pa、より好ましくは少なくとも約10Paの降伏点を示す。好ましくは、非発泡構造水相は、同時係属出願番号60/532,798(2003年12月24日出願)で記載されている水移動度法により測定すると、約2.5秒未満、より好ましくは約2秒未満、さらにより好ましくは約1秒未満の水移動度を示す。
【0093】
好ましくは、非発泡構造水相は、後述する相関曇指数法で測定すると、約50%相関曇未満、より好ましくは約30%相関曇未満、さらにより好ましくは約20%相関曇未満、なおより好ましくは約10%相関曇未満の相関曇りを示す。
【0094】
非発泡構造水相は、粘稠度(k)及び剪断指数(n)により定義される好ましいレオロジー特性を有する。非発泡構造水相の好ましい粘稠度は、約0.01〜100Pa・s(約10〜約100,000ポアズ/(1/秒))、好ましくは約0.01〜10Pa・s(約10〜約10,000ポアズ/(1/秒))、より好ましくは約0.1〜1Pa・s(約100〜1,000ポアズ/(1/秒))である。非発泡構造水相の剪断指数は、約0.1〜約0.8、好ましくは約0.1〜約0.5、より好ましくは約0.20〜約0.4の範囲である。
【0095】
剪断指数(n)及び粘稠度(k)は、周知であり、適用された剪断速度の関数である粘度を有する組成物の粘度特性を報告するために産業界で認められている基準である。これらの値を得るために使用される方法論が、前記でより詳細に記載された。
【0096】
本発明の非発泡構造水相は、水を非発泡構造水相の約30重量%〜約99重量%含む。非発泡構造水相は、一般に、水を非発泡構造水相の約50重量%を超えて、好ましくは約60重量%を超えて、よりさらに好ましくは約70重量%をこえて、なおより好ましくは約80重量%を超えて含む。
【0097】
非発泡構造水相は、典型的には、約5〜約8、より好ましくは約7のpHを有する。非発泡構造水相は、適正なpH範囲を促進するために、任意選択にpH調整剤を含むことができる。
【0098】
非発泡構造水相は、実効カチオン性電荷、実効アニオン性電荷、又は実効中性電荷を有することができる。好ましい実施形態において、非発泡構造水相は実効アニオン性電荷を有する。
【0099】
本発明の非発泡構造水相は、本明細書で後述するような任意成分を更に含むことができる。非発泡構造水相の好ましい任意性分には、顔料、pH調整剤、及び防腐剤が挙げられる。一つの実施形態において、非発泡構造水相は、水構造化剤(例えば、アクリレート類/イソデカン酸ビニルクロスポリマー)、水、pH調整剤(例えば、トリエタノールアミン)、及び防腐剤(例えば、1,3−ジメチロール−5,5−ジメチルヒダントイン(商品名グリダント(GLYDANT)(登録商標)でロンザ(Lonza)から入手可能な「DMDMH」)を含む。
【0100】
A)水構造化剤
本発明の非発泡構造水相は、水構造化剤を非発泡構造水相の約0.1重量%〜約30重量%、好ましくは約0.5重量%〜約20重量%、より好ましくは約0.5重量%〜約10重量%、さらにより好ましくは約0.5重量%〜約5含む。
【0101】
水構造化剤は、典型的には、無機水構造化剤、電荷ポリマー水構造体、水溶性ポリマー構造化剤、結合的水構造化剤、及びこれらの混合物から成る群から選択される。
【0102】
パーソナルクレンジング組成物で使用される無機水構造化剤の非限定例には、シリカ類、粘土類、例えば合成ケイ酸塩類(サザン・クレー(Southern Clay)製のラポナイト(Laponite)XLG及びラポナイトXLS)、又はこれらの混合物が挙げられる。
【0103】
パーソナルクレンジング組成物で使用される電荷ポリマー水構造化剤の非限定例には、アクリレート類/イソデカン酸ビニルクロスポリマー(3V製のスタビレン(Stabylen)30)、アクリレート類/C10〜30アクリル酸アルキルクロスポリマー(ペムレン(Pemulen)TR1及びTR2)、カルボマー類、アンモニウムアクリロイルジメチルタウレート/VPコポリマー(クラリアント(Clariant)製のアリストフレックス(Aristoflex)AVC)、アンモニウムアクリロイルジメチルタウレート/ベヘネス−25メタクリレートクロスポリマー(クラリアント製のアリストフレックスHMB)、アクリレート類/セテス−20イタコネートコポリマー(ナショナル・スターチ(National Starch)製のストラクチャー(Structure)3001)、ポリアクリルアミド(SEPPIC製のセピゲル(Sepigel)305)、又はこれらの混合物が挙げられる。
【0104】
パーソナルクレンジング組成物で使用される水溶性ポリマー水構造化剤の非限定例には、セルローズ性ゲル、ヒドロキシプロピルデンプンホスフェート(ナショナル・スターチ製のストラクチャード(Structured)XL)、ポリビニルアルコール、又はこれらの混合物が挙げられる。
【0105】
パーソナルクレンジング組成物で使用される結合性水構造化剤の非限定例には、キサンタムガム(xanthum gum)、ゲラムガム(gellum gum)、ペクチン、アルギネート、又はこれらの混合物が挙げられる。
【0106】
(粒子)
本発明の多相パーソナルケア組成物は、粒子を含むことができる。多様な形状及び密度の非水溶性固体粒子が有用である。好ましい実施形態では、粒子は、球形、楕円形、不規則、又は他のあらゆる形状を有する傾向があり、最大寸法と最小寸法の比(縦横比として定義される)は約10未満である。より好ましくは、粒子の縦横比は、約8未満であり、さらにより好ましくは、粒子の縦横比は、約5未満である。
【0107】
本発明の粒子は、約100μm未満(後述される粒径測定に基づく平均容量)の粒径、好ましくは約80μm未満、より好ましくは約60μm未満の粒径を有する。
【0108】
本発明の粒子は、好ましくは、約0.1μmを超える粒径、好ましくは約0.5μmを超える粒径、より好ましくは約1μmを超える粒径、なおより好ましくは約2μmを超える粒径、さらにより好ましくは約3μmを超える粒径、なおさらにより好ましくは約4μmを超える粒径を有する。
【0109】
粒子は、直径約1μm〜約70μm、より好ましくは約2μm〜約65μm、さらにより好ましくは約2μm〜約60μmの直径を有する。
【0110】
本発明の多相パーソナルケア組成物は、化粧品用に有効な濃度で粒子を含む。好ましくは、粒子は、組成物の少なくとも約0.1重量%、より好ましくは組成物の少なくとも約0.2重量%、さらにより好ましくは少なくとも約0.5重量%、なおより好ましくは少なくとも約1重量%、さらになおより好ましくは組成物の少なくとも約2重量%で存在する。本発明の多相パーソナルケア組成物において、好ましくは、粒子は、組成物の約50重量%以下、より好ましくは約30重量%以下、なおより好ましくは約20重量%以下、さらにより好ましくは組成物の約10重量%以下で含まれる。
【0111】
好ましくは、粒子は、また、組成物の典型的な加工により顕著に影響されない物理的特性を有する。好ましくは、約70℃を超える融点を有する粒子が使用され、より好ましくは約80℃を超える融点を有する、さらにより好ましくは約95℃を超える融点を有する粒子が使用される。本明細書で使用するとき、融点は、粒子が液体又は流体状態へ転移する温度、又は顕著な変形若しくは物理的特性の変化を受ける温度を意味する。加えて、本発明の粒子の多くは架橋されているか、又は架橋表面膜を有する。これらの粒子は明確な融点を示さない。架橋粒子も、また、組成物を製造するときに使用される加工及び保存条件下で安定である限り有用である。
【0112】
本発明において存在することができる粒子は、天然、合成、又は半合成であることができる。加えて、ハイブリッド粒子も存在することができる。合成粒子は、架橋又は非架橋のポリマーのいずれからでも製造することができる。本発明の粒子は表面電荷を有することができるか、又はその表面は、界面活性剤、ポリマー、及び無機物質のような有機若しくは無機物質により改質されることができる。粒子錯体が存在することができる。
【0113】
天然粒子の非限定例には、商品名サイパーネット(Sipernet)でデグサ・ヒュルス(Degussa−Huls)から入手可能である、親水性及び疎水性形態の種々の沈殿シリカ粒子が挙げられる。商品名サイパーネットD11(商標)でデグサから入手可能な疎水性の無定形合成シリカである、プリシピテーテッド(Precipitated)(商標)が好ましい粒子である。スノーテックス(Snowtex)コロイド状シリカ粒子は、日産化学アメリカ社(Nissan Chemical America Corporation)より入手可能である。
【0114】
合成粒子の非限定例には、ナイロン、シリコーン樹脂、ポリ(メタ)アクリレート類、ポリエチレン、ポリエステル、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリウレタン、ポリアミド、エポキシ樹脂、尿素樹脂、及びアクリル粉末が挙げられる。有用な粒子の非限定例は、マイクロイーズ(Microease)110S、114S、116(微粉化合成ろう)、マイクロポリ(Micropoly)210、250S(微粉化ポリエチレン)、マイクロスリップ(Microslip)(微粉化ポリテトラフルオロエチレン)、及びマイクロシルク(Microsilk)(ポリエチレンとポリテトラフルオロエチレンとの組み合わせ)であり、これらすべてがマイクロ・パウダー社(Micro Powder,Inc.)から入手可能である。追加の例には、フェノメネックス(Phenomenex)から入手可能なルナ(Luna)(滑らかなシリカ粒子)粒子、コボ・プロダクツ社(Kobo Products,Inc.)から入手可能なMP−2200(ポリメチルメタクリレート)、EA−209(エチレン/アクリレートコポリマー)、SP−501(ナイロン−12)、ES−830(ポリメチルメタクリレート)、BPD−800、BPD−500(ポリウレタン)粒子、及びGEシリコーンズ(GE Silicones)から商品名トスパール(Tospearl)粒子として販売されるシリコーン樹脂が挙げられる。ガンツパール(Ganzpearl)GS−0605架橋ポリスチレン(プレスパース(Presperse)から入手可能)もまた有用である。
【0115】
ハイブリッド粒子の非限定例には、ガンツパールGSC−30SR(絹雲母と架橋ポリスチレンのハイブリッド粉末)、及びSM−1000、SM−200(プレスパースより入手可能である雲母とシリカのハイブリッド粉末)が挙げられる。
【0116】
(剥離剤粒子)
剥離剤粒子は、ポリエチレン、微結晶ろう、ホホバエステル類、無定形(amourphors)シリカ、タルク、トラカルシウムオルトリン酸塩(tracalcium orthophosphate)、又はこれらのブレンドなどから成る群から選択される。剥離剤粒子は、粒子の長軸に沿って約100μm〜約600μm、好ましくは約100μm〜約300μmの粒径寸法を有する。剥離剤粒子は、約4Mohs未満、好ましくは約3Mohs未満の硬度を有する。このように測定される硬度は、特定の物質の破砕に対する抵抗性の基準である。これは、粒子状成分の研磨性の比較的良好な指標であることが知られている。モーススケールに従って硬度が上昇するように配列された物質の例は以下である:h(硬度)−1:タルク;h−2:セッコウ、岩塩、一般的な結晶性塩、重晶石、白亜、ブリムストン;h−4:蛍石、軟質リン酸塩、マグネサイト、石灰岩;h−5:アパタイト、硬質リン酸塩、硬質石灰岩、クロマイト、ボーキサイト;h−6:長石、イルメナイト、ホルンブレンド類;h−7:石英、花崗岩;h−8:トパーズ;h−9:コランダム(corrundum)、エメリー;及びh−10:ダイヤモンド。
【0117】
好ましくは、剥離剤粒子は、クレンジング基材と区別される色を有する。剥離剤粒子は、好ましくは、組成物の約10重量%未満、好ましくは約5重量%未満の濃度で存在する。
【0118】
(光沢粒子)
本発明の多相パーソナルケア組成物は、多相パーソナルケア組成物の少なくとも1つの相に光沢粒子を含むことができる。光沢粒子の非限定例には下記が含まれる:干渉顔料、多層顔料、金属粒子、固晶及び液晶、又はこれらの組み合わせ。
【0119】
干渉顔料は、粒子基材物質の表面を薄膜でコーティングすることにより調製される真珠光沢を有する顔料である。粒子基材物質は、一般に、小平板形状である。この薄膜は、高屈折率を有する透明又は半透明物質である。高屈折率物質は、小平板基材/コーティング層境界面からの反射及び入射光線と、コーティング層の表面からの入射光線の反射との相互干渉作用により得られる真珠光沢を示す。多相パーソナルケア組成物の干渉顔料は、好ましくは組成物の約20重量%以下、より好ましくは約10重量%以下、さらにより好ましくは約7重量%以下、なおより好ましくは多相パーソナルケア組成物の約5重量%以下で含まれる。多相パーソナルケア組成物の干渉顔料は、好ましくは多相パーソナルケア組成物の少なくとも約0.1重量%、より好ましくは少なくとも約0.2重量%、さらにより好ましくは少なくとも約0.5重量%、なおより好ましくは組成物の少なくとも約1重量%で含まれる。顔料が、同時係属出願番号60/469,075(2003年5月8日出願)で記載されている色素付着テープストリップ法(Pigment Deposition Tape Strip Method)で記載されているように、適用され、すすがれる場合、皮膚に付着した染料は、好ましくは、少なくとも0.5μg/cm2、より好ましくは少なくとも1μg/cm2、さらにより好ましくは少なくとも5μg/cm2である。
【0120】
本発明の干渉顔料は小平板微粒子である。多相パーソナルケア組成物の小平板微粒子は、好ましくは約5μm以下、より好ましくは約2μm以下、さらにより好ましくは約1μm以下の厚さを有する。多相パーソナルケア組成物の小平板微粒子は、好ましくは少なくとも約0.02μm、より好ましくは少なくとも約0.05μm、さらにより好ましくは少なくとも約0.1μm、なおより好ましくは少なくとも約0.2μmの厚さを有する。
【0121】
粒径は、不透明度及び艶を決定する。粒径は、粒子状物質の直径厚を測定することにより決定される。用語「直径」は、本明細書で使用する時、粒子状物質の長軸に沿った最長距離を意味する。直径は、マルヴァーン・インストルメンツ(Malvern Instruments)により製造された粒径分析機マスターサイザー(Mastersizer)2000のような、当該技術分野において既知のあらゆる好適な方法により決定することができる。多相パーソナルケア組成物の干渉顔料は、好ましくは約200μm以下、より好ましくは100μm以下、さらにより好ましくは約80μm以下、なおより好ましくは約60μm以下の平均直径を有する。多相パーソナルケア組成物の干渉顔料は、好ましくは少なくとも約0.1μm、より好ましくは少なくとも約1.0μm、さらにより好ましくは少なくとも約2.0μm、なおより好ましくは少なくとも約5.0μmの直径を有する。
【0122】
多相パーソナルケア組成物の干渉顔料は、多層構造を含む。微粒子の中心は、通常1.8未満の屈折率(RI)を持つ平坦な基材である。多種多様な粒子基材が本明細書において有用である。非限定例は、天然雲母、合成雲母、グラファイト、タルク、カオリン、アルミナフレーク、オキシ塩化ビスマス、シリカフレーク、ガラスフレーク、セラミックス、二酸化チタン、CaSO4、CaCO3、BaSO4、ボロシリケート及びこれらの混合物、好ましくは雲母、シリカ及びアルミナフレークである。
【0123】
薄膜の1つの層又は薄膜の多層が、上記記載の基材の表面にコーティングされる。薄膜は、屈折率の高い物質から作られている。これらの物質の屈折率は通常1.8を超える。
【0124】
多種多様な薄膜が本明細書において有用である。非限定例は、TiO2、Fe2O3、SnO2、Cr2O3、ZnO、ZnS、ZnO、SnO、ZrO2、CaF2、Al2O3、BiOCl、及びこれらの混合物であるか、又は別個の層の形態で、好ましくはTiO2、Fe2O3、Cr2O3、SnO2である。多層構造では、薄膜は、全て高屈折率の物質から構成されるか、又は高RI膜を最上層にし、高及び低RI物質の薄膜を交互にして構成され得る。
【0125】
干渉色は、薄膜の厚さの関数であり、特定の色のための厚さは、異なる物質により異なることがある。TiO2では、40nm〜60nmの層、又はその整数倍が銀色を生み出し、60nm〜80nmでは黄色、80nm〜100nmでは赤色、100nm〜130nmでは青色、130nm〜160nmでは緑色である。干渉色に加えて、他の透明な吸収性顔料を、TiO2層の上面に又はこの層と同時に沈殿させることができる。慣用の物質は、赤又は黒酸化鉄、フェロシアン化第二鉄、酸化クロム又はカルミンである。干渉顔料の色は、その白色度に加えて、肌の色に対するヒトの感じ方に著しく影響を与えることが判明した。一般に、好ましい色は、銀色、金色、赤色、緑色及びこれらの混合物である。
【0126】
本明細書で有用な干渉顔料の非限定例には、商品名プレスティージ(PRESTIGE)(登録商標)、フロナック(FLONAC)(登録商標)でパースパーズ社(Persperse,Inc.)から供給されているもの;商品名チミロン(TIMIRON)(登録商標)、コロローナ(COLORONA)(登録商標)、ジクローナ(DICHRONA)(登録商標)及びキシローナ(XIRONA)(登録商標)でEMDケミカルス社(Chemicals,Inc.)から供給されているもの;並びに商品名フラメンコ(FLAMENCO)(登録商標)、チミカ(TIMICA)(登録商標)、デュオクロム(DUOCHROME)(登録商標)でイングルハード社(Engelhard Co.)から供給されているものが挙げられる。
【0127】
本発明の実施形態において、干渉顔料表面は、疎水性であるか、又は疎水性に変性されている。同時係属出願番号60/469,075(2003年5月8日出願)で記載されている粒子接触角試験を使用して、干渉顔料の接触角が決定される。接触角が大きいほど、干渉顔料の疎水性が大きい。本発明の干渉顔料は、少なくとも60°、より好ましくは80°を超える、さらにより好ましくは100°を超える、なおより好ましくは100°を超える接触角を有する。疎水性に変性された干渉顔料又はHMIPは、相中にHMIPを閉じ込め、HMIPのより多くの付着を可能にする。好ましくはHMIPと相の比率は、1:1〜約1:70、より好ましくは1:2〜約1:50、さらにより好ましくは1:3〜約1:40、最も好ましくは1:7〜約1:35である。
【0128】
本発明の実施形態において、HMIPは、好ましくは利益相中に閉じ込められている。これには、利益相の粒径は一般にHMIPよりも大きくなることが必要となる。本発明の好ましい実施形態において、利益相粒子は、利益粒子当たり少量のHMIPしか含有しない。好ましくは20未満、より好ましくは10未満、最も好ましくは5未満である。これらのパラメーター、利益相液滴のHMIPに対する相対的な大きさ及び利益粒子当たりのHMIP粒子のおおよその数は、光学顕微鏡による視覚検査を使用して決定することができる。
【0129】
HMIP及び利益相は、プレミックスにより又は別個で組成物中に混合することができる。別個の添加の場合、疎水性顔料は、処方をプロセスしている間に利益相を仕切る。本発明のHMIPは、好ましくは、全粒子重量の約20重量%以下、より好ましくは約15重量%以下、さらにより好ましくは約10重量%以下で含まれる、疎水性コーティングを有する。本発明のHMIPは、好ましくは、全粒子重量の少なくとも約0.1重量%、より好ましくは少なくとも約0.5重量%、さらにより好ましくは少なくとも約1重量%で含まれる、疎水性コーティングを有する。本明細書で有用な疎水性表面処理の非限定例には、シリコーン類、アクリレートシリコーンコポリマー類、アクリレートポリマー類、アルキルシラン、イソプロピルチタントリイソステアレート、ステアリン酸ナトリウム、ミリスチン酸マグネシウム、ペルフルオロアルコールホスフェート、ペルフルオロポリメチルイソプロピルエーテル、レシチン、カルナウバろう、ポリエチレン、キトサン、ラウロイルリシン、植物液体抽出物及びこれらの混合物、好ましくはシリコーン類、シラン類及びステアレート類が挙げられる。表面処理会社には、USコスメティクス(US Cosmetics)、KOBOプロダクツ社(KOBO Products Inc.)及びカードル社(Cardre Inc.)が挙げられる。
【0130】
(任意成分)
種々の好適な任意成分を多相パーソナルケア組成物に使用することができる。こうした任意成分とは、最も典型的には、化粧品での使用が認可された、CTFA化粧品成分ハンドブック(CTFA Cosmetic Ingredient Handbook)、第2版、化粧品工業会(The Cosmetic,Toiletries,and Fragrance Association,Inc.)、1988年、1992年のような参考文献に記載されている物質である。これらの任意物質は、本明細書に記載のそれぞれの相を含む、本発明の組成物のあらゆる態様で使用することができる。
【0131】
非限定的な任意成分には、保湿剤及び溶質が挙げられる。多様な保湿剤及び溶質を使用することができ、これらは、パーソナルケア組成物の約0.1重量%〜約50重量%、好ましくは約0.5重量%〜約35重量%、より好ましくは約2重量%〜約20重量%の濃度で存在することができる。好ましい保湿剤はグリセリンである。
【0132】
好ましい水溶性有機物質は、下記構造のポリオール:
R1−O(CH2−CR2HO)nH
(式中、R1=H、C1〜C4アルキルであり;R2=H、CH3であり、そしてn=1〜200である);C2〜C10アルカンジオール類;グアニジン;グリコール酸及びグリコール酸塩(例えば、アンモニウム及び第四級アルキルアンモニウム);乳酸及び乳酸塩(例えば、アンモニウム及び第四級アルキルアンモニウム);ソルビトール、グリセロール、ヘキサントリオール、プロピレングリコール、ヘキシレングリコールなどのような多価アルコール類;ポリエチレングリコール;糖類及びデンプン類;糖及びデンプン誘導体(例えば、アルコキシル化グルコース);パンテノール(D−、L−、及びD,L−形態を含む);ピロリドンカルボン酸;ヒアルロン酸;ラクトアミドモノエタノールアミン;アセトアミドモノエタノールアミン;尿素;及び一般構造(HOCH2CH2)xNHyのエタノールアミン類(式中、x=1〜3であり、y=0〜2であり、x+y=3である)、並びにこれらの混合物から成る群から選択される。最も好ましいポリオール類は、グリセリン、ポリオキシプロピレン(1)グリセロール及びポリオキシプロピレン(3)グリセロール、ソルビトール、ブチレングリコール、プロピレングリコール、スクロース、尿素、及びトリエタノールアミンから成る群から選択される。
【0133】
非イオン性のポリエチレン/ポリプロピレングリコールポリマー類は、好ましくは皮膚コンディショニング剤として使用される。本明細書で有用な特に好ましいポリマー類は、xが2に等しく、nが平均値約2,000を有するPEG−2M(PEG2−Mは、また、ユニオンカーバイド(Union Carbide)製のポリオックス(Polyox)WSR(登録商標)N−10として、及びPEG−2,000としても知られている);xが2に等しく、nが平均値約5,000を有するPEG−5M(PEG5−Mは、また、両方ともにユニオンカーバイド製のポリオックスWSR(登録商標)35及びポリオックスWSR(登録商標)N−80として、並びにPEG−5,000及びポリエチレングリコール200,000としても知られている);xが2に等しく、nが平均値約7,000を有するPEG−7M(PEG7−Mは、また、ユニオンカーバイド製のポリオックスWSR(登録商標)N−750としても知られている);xが2に等しく、nが平均値約9,000を有するPEG−9M(PEG9−Mは、また、ユニオンカーバイド製のポリオックスWSR(登録商標)N−3333としても知られている);xが2に等しく、nが平均値約14,000を有するPEG−14M(PEG14−Mは、また、両方ともユニオンカーバイド製のポリオックスWSR−205及びポリオックスWSR(登録商標)N−3000としても知られている);並びに、xが2に等しく、nが平均値約90,000を有するPEG−90Mである。(PEG−90Mは、また、ユニオンカーバイド製のポリオックスWSR(登録商標)−301としても知られている。)
これらの任意成分の他の非限定例には、ビタミン類及びそれらの誘導体(例えば、アスコルビン酸、ビタミンE、トコフェリルアセテートなど);日焼け止め剤;増粘剤(例えば、ポリオールアルコキシエステル、クローダ(Croda)からクロシックス(Crothix)として入手可能);クレンジング組成物の抗菌保全性を維持する防腐剤;抗ニキビ薬(レゾルシノール、サリチル酸など);酸化防止剤;アロエベラ抽出物、アラントインなどのような皮膚沈静・皮膚治癒剤;キレート化剤及び金属イオン封鎖剤;並びに、芳香剤、精油類、皮膚感覚剤、顔料、真珠光沢剤(例えば、雲母及び二酸化チタン)、レーキ、着色剤など(例えば、丁子油、メンソール、カンファー、ユーカリ油、及びオイゲノール)のような審美的目的に適した剤が挙げられる。
【0134】
(粘度法)
ウエルズ−ブルックフィールド・コーン/プレート・モデル(Wells-Brookfield Cone/Plate Model)DV−II+粘度計を使用して、本明細書の非発泡構造水相及び発泡クレンジング相の粘度を決定することができる。この決定は、それぞれのコーン及びプレート上における小さな2つのピン間の隙間が0.013mmである2.4cmの2゜のコーンの測定システムによって、25℃で実施される。測定は、0.5mlの試料を注入し、次にコーンを設定速度の1rpmで回転することにより実施される。コーンの回転に対する抵抗が、液体試料の剪断応力に比例したトルクを生み出す。トルク量は、試料を装填した2分後に読み取られ、粘度計により、コーンの幾何学定数、回転速度、及び応力関連トルクに基づき絶対センチポアズ単位(mPa*s)に計算される。
【0135】
(降状点法)
TAインストルメンツ(Instruments)AR2000応力レオメーターを使用して、非発泡構造水相又は発泡クレンジング相の降状点を決定することができる。本明細書における目的では、降状点とは、液体非発泡構造水相又は発泡クレンジング相に1%のひずみを生み出すために必要な応力の量である。決定は、4cm平行プレート測定システム及び1mm隙間により25℃で実施される。この決定は、5分間隔で剪断応力(典型的には、約0.1Pa〜約500Pa0)をプログラム化して印加することにより実施される。試料の変形を起こすのはこの応力の量であり、剪断応力対ひずみの曲線を作成することができる。この曲線から、液体非発泡構造水相の降状点を決定することができる。液体非発泡構造水相又は発泡クレンジング相は、組成物中で組み合わせる前に測定されるか、又は組成物中で組み合わせた後、組成物を、遠心分離、ピペット操作、機械的な切断、すすぎ、濾過、又は他の分離手段のような適切な物理的分離手段により分離してから、測定される。
【0136】
(相関曇指数法)
マクベス(Macbeth)色測定システムである、球体形状光学ヘッドを有するグレタッグ・マクベス(Gretag Macbeth)モデル7000を使用して、相関曇指数法が実施される。この機器は、反射率及び透過モードの両方で較正が行われる必要がある。この両方の較正は、相関曇指数を得るために使用される。
【0137】
試料を調製するため、組成物は、存在するかもしれないあらゆる空泡を除去するため、3000rpmで約3分間遠心分離される。次に組成物を、光学セルに、空気が取り込まれることを回避するためにゆっくりと注ぐ。空気が取り込まれた場合には、試料を室温で30分放置して脱気させる。空泡が依然として残る場合は、最初にセルを空にし、次にセルを清潔にして乾燥し、次に前と同様に再び充填する。例えばふき取ることにより、セルの外側表面にこぼれたあらゆる組成物を除去する。組成物の試料は、元の較正温度から2C以内でなければならない。
【0138】
試料が調製されると、機器は、Cイルミネート(Illuminate)、観測角2°及び平均化なしを使用する慣用の実験室設定にするべきである。次に機器の設定をCRIOLL設定に構成する。これは、反射成分を含め、UVを除き、測定モードを反射率に変えることにより行われる。これらの変更は、機器の内部に試料セルホルダーがない状態で行われる。次に試料のない大型の試料セルホルダーを機器の内部に置き、画面のプロンプトに従って機器を較正する。測定モードを透過に切り替えると、機器はBTIOLL設定を示す。画面上のプロンプトに従って機器を較正する。
【0139】
次に機器を、測定モード、相関曇り、に切り替える。すると機器の設定は、XHIOLLになる。画面上のプロンプトに従って機器を較正する。機器の新しい設定は、CHIOLLとなる。次に操作者は、ツールバーの指示アイコンをクリックして、相関曇りの結果を示す画面を開く。標準として空のセルで実施する。
【0140】
光学セルを分析される組成物の試料で充填し、空気の取り込みがないことを確実にする。試行として実施し、相関曇りの結果を百分率で報告する。機器の較正は、少なくとも8時間毎に実施されなければならない。
【0141】
(粒径測定法):
粒径測定法は当該技術分野において既知の典型的なものであり、10倍の対物レンズを用いる標準透過光による標準ニコン(Nikon)光学顕微鏡を使用する。精度を上げるため、以下の手順では、ルシア(Lucia)Gソフトウェア(ニコン(Nikon)製)が使用される。分析の第1工程では、ユーザーが走査し、バルクを示す視野を選択しなければならず、通常これは正確性のために複数の調製物を必要とする。観察された画像は、JVCビデオカメラを介して標準モニターに伝送され、各粒子は標準測定マクロを用いて測定され、すなわち粒子の両側をクリックすると直径が測定される。非球形粒子を考慮に入れるために、「直径」は常にモニターに対して水平に評価する。1つの平面において測定することによって、この技術が自動的に非球形の形状用に補正し、多数の粒子を測定することによって平均直径と等価となる。等価な直径は長軸及び短軸を測定し、縦横比の式から等価な直径を計算することによって決定してもよいが、上記技術によりほぼ正確な結果が得られる。
【0142】
最も大きな粒子を最初に数え、それによってすべての粒子を数え、測定したと確信するのが典型的な人間の特性であるため、モニター上で数えた粒子の各々に対して小さいドットを(通常消すことのできるペンを用いて)つけておくべきである。ある視野において1つずつ目に見える粒子を数え終わるまでこのカウント手順が続けられる。非常に小さい粒径の分布の場合には、この作業は400カウントを超えることもある。より大きい粒径の場合には、各視野当たり約100カウントと予測されるが、このような場合は別の視野を選択し、少なくとも200個の個々の粒子が数えられるようにする。要約すると、全ての場合で、少なくとも200個の個々の粒子が測定されるべきであり、全ての場合で1つの視野の全ての粒子(実際には上限が400〜500)が数えられる。本明細書で示された例の全てを平均して、1試料当たり約300個の粒子が測定される。分析は、(技法を実証するため標準体積平均を手計算する)とするか、又はより典型的には、体積平均を報告するデータを自動的に分類する標準測定マクロを使用する(上記で測定した直径に基づく球状の形状を仮定する)ことができる。
【0143】
(使用方法)
本発明の多相パーソナルクレンジング組成物は、好ましくは、適用される表面への皮膚クレンジング剤、疎水性物質、及び粒子の有効な送達を提供するのに十分な量で、皮膚又は毛髪の所望の領域に局所的適用される。組成物は、皮膚に直接適用することができるか、又は、クレンジングパフ、洗い布、スポンジ、若しくは他の手段を使用して間接的に適用することができる。組成物は、好ましくは、局所適用の前、その間、又はその後に水で希釈され、次に皮膚又は毛髪はすすがれるか又は拭き取られ、好ましくは、水を使用して、若しくは水不溶性基材と水とを組み合わせて使用して、適用された表面からすすぎ落とされる。
【0144】
従って、本発明は、また、本発明の組成物の前述した適用を通じて皮膚をクレンジングする方法も対象とする。また、本発明の方法は、本発明の組成物の前述した適用を通じて、適用された表面に、所望の皮膚活性剤の有効な送達を提供する方法、及び本明細書に記載のそのような有効な送達によってもたらされる利益を提供する方法も対象とする。
【0145】
(製造方法)
本発明の多相パーソナルクレンジング組成物は、所望の多相製品形態を作製及び配合するのに好適なあらゆる既知の技術、ないしは別の有効な技術によって調製してもよい。練り歯磨きチューブでの充填技術と回転台設計とを組み合わせることが有効である。加えて、本発明は、米国特許第6,213,166号で開示された方法及び装置により調製することができる。この方法及び装置は、2つ以上の組成物が単一の容器に渦巻き形状で充填されることを可能にする。この方法は、容器を充填するために少なくとも2つのノズルを用いることが必要となる。容器が静止型ミキサー上に置かれ、組成物が容器に導入されると、回転する。
【0146】
あるいは、最初に、ポンプとホースが取り付けられた別個の保存タンク中に別個の組成物を置くことにより、少なくとも2つの相を組み合わせることが有効である。次に相は、予め決められた量が単一の組み合わせセクションにポンプで送られる。次に相は、組み合わせセクションから混合セクションに移動され、相は、得られる単一の製品が区別できる相のパターンを示すように、混合セクションで混合される。パターンは、ストライプ模様、大理石模様、幾何学的模様、及びこれらの混合物から成る群から選択される。次の工程は、混合セクションで混合された製品をホースを介して単一ノズルにポンプで送り、次に、ノズルを容器中に置き、容器を得られた製品で充填することに関する。本発明の具体的な実施形態に適用される方法の具体的な非限定例が、以下の実施例において記載される。
【0147】
多相パーソナルクレンジング組成物が様々な色のパターンを含む場合、消費者がパッケージを通してそのパターンを見ることができるように、これらの組成物を透明又は半透明のパッケージに包装することが望ましいことがある。また、主題組成物の粘度のため、消費者に、分配を容易にするために、パッケージのキャップを下にして、パッケージを上下逆に保管させる指示書を含むことが望ましいかもしれない。
【0148】
本明細書全体にわたって記載されるあらゆる最大数値限定は、それより小さいあらゆる数値限定を、そのような小さい数値限定が本明細書に明示的に記載されたものとして包含すると理解されるべきである。本明細書全体にわたって記載されるあらゆる最小数値限定は、それより大きいあらゆる数値限定を、そのような大きい数値限定が本明細書に明示的に記載されたものとして包含する。本明細書全体にわたって記載されるあらゆる数値範囲は、より広い数値範囲内にあるあらゆるより狭い数値範囲を、そのような狭い数値範囲が本明細書に全て明示的に記載されたものとして包含する。
【0149】
他に指定がない限り、本明細書の明細、実施例、及び請求の範囲における全ての部、比率、及び百分率は重量基準であり、全ての数値限定は、当該技術分野において許容可能な通常の程度の精度で使用される。
【実施例】
【0150】
以下の実施例は、本発明の範囲内にある実施形態を更に説明し、実証する。実施例は、単に例示の目的のために示されており、本発明の精神及び範囲を逸脱することなく、その多くの変更が可能であるため、本発明を限定するものとして解釈されるべきではない。
【0151】
下記の試料は、それぞれ第1相をパーソナルケア組成物の50重量%、第2相を多相パーソナルケア組成物の50重量%含む多相パーソナルケア組成物である。特定の相の各構成成分の量は、構成成分を含有する特定の相の重量に基づく重量%で提示されている。
【0152】
(実施例1〜5)
下記に記載された実施例は、多相組成物の非限定例である。
【0153】
【表2】
上記組成物は、慣用の配合及び混合技術によって調製することができる。最初にクエン酸を水に1:3の割合で加えてクエン酸プレミックスを形成することによって、第1相組成物を調製する。次に、次の成分を次の順序で主混合容器に加える:水、ミラケア(Miracare)SLB−365、塩化ナトリウム、安息香酸ナトリウム、EDTA二ナトリウム、グリダント。主混合容器の攪拌を開始する。別個の混合容器において、ポリマー類(ポリクオテリウム(Polyquaterium)10、ジャガー(Jaguar)C−17、又はN−ハンス(Hance)3196)を水中に比率1:10で分散させ、ポリマープレミックスを形成する。攪拌を継続しながら、完全に分散したポリマープレミックスを主混合容器内に加える。ポリオックス(Polyox)WSR301を水中に分散させ、次に主混合容器に加える。次に、残りの水と香料をバッチに加える。均一な溶液が形成されるまで攪拌を保持する。
【0154】
第2相は、ペトロラタムを混合容器に加えることにより調製することができる。容器を88℃(190°F)に加熱する次に鉱油及び粒子を加える。バッチを強く剪断して粒子の良好な分散を確実にする。バッチの攪拌を保持し、バッチを周囲温度にゆっくりと冷ます。
【0155】
これらの相は、最初に、ポンプ及びホースを取り付けられた別個のタンク中に別個の相を置くことにより、合わせることができる。次に相は、予め定められた量が単一の組み合わせセクションにポンプで送られる。次に相は、組み合わせセクションから混合セクションに移動され、相は、得られる単一の製品が区別できる相のパターンを示すように、混合セクションで混合される。パターンは、ストライプ模様、大理石模様、幾何学的模様、及びこれらの混合物から成る群から選択される。次の工程は、混合セクションで混合された製品をホースを介して単一ノズルにポンプで送り、次に、ノズルを容器中に置き、容器を得られた製品で充填することに関する。ストライプの大きさは、幅が約6mm、長さが100mmである。製品は周囲環境下で少なくとも180日間安定した状態を保つ。
【0156】
(実施例6〜10)
下記に記載された実施例は、多相組成物の非限定例である。
【0157】
【表3】
上記組成物は、慣用の配合及び混合技術によって調製することができる。最初にクエン酸を水に1:3の割合で加えてクエン酸プレミックスを形成することによって、第1相組成物を調製する。次に、次の成分を次の順序で主混合容器に加える:水、ミラケア(Miracare)SLB−365、塩化ナトリウム、安息香酸ナトリウム、EDTA二ナトリウム、グリダント。主混合容器の攪拌を開始する。別個の混合容器において、ポリマー類(ポリクオテリウム(Polyquaterium)10、ジャガー(Jaguar)C−17、又はN−ハンス(Hance)3196)を水中に比率1:10で分散させ、ポリマープレミックスを形成する。攪拌を継続しながら、完全に分散したポリマープレミックスを主混合容器に加える。ポリオックス(Polyox)WSR301を水中に分散させ、次に主混合容器に加える。次に、残りの水と香料をバッチに加える。均一な溶液が形成されるまで攪拌を保持する。
【0158】
第2相は、ペトロラタムを混合容器に加えることにより調製することができる。容器を88℃(190°F)に加熱する。次に鉱油及び粒子を加える。バッチを強く剪断して粒子の良好な分散を確実にする。バッチの攪拌を保持し、バッチを周囲温度にゆっくりと冷ます。
【0159】
これらの相は、最初にポンプ及びホースが取り付けられた別個のタンク中に別個の相を置くことにより、合わせることができる。次に相は、予め定められた量が単一の組み合わせセクションにポンプで送られる。次に相は、組み合わせセクションから混合セクションに移動され、相は、得られる単一の製品が区別できる相のパターンを示すように、混合セクションで混合される。パターンは、ストライプ模様、大理石模様、幾何学的模様、及びこれらの混合物から成る群から選択される。次の工程は、混合セクションで混合された製品をホースを介して単一ノズルにポンプで送り、次に、ノズルを容器中に置き、容器を得られた製品で充填することに関する。ストライプの大きさは、幅が約6mm、長さが100mmである。製品は周囲環境下で少なくとも180日間安定な状態を保つ。
【0160】
(実施例11〜13)
下記に記載された実施例は、多相組成物の非限定例である。
【0161】
【表4】
上記の第1相組成物は、慣用の配合及び混合技術によって調製することができる。実施例11の第1相組成物は、最初に次のプレミックス:クエン酸の水中プレミックス(クエン酸と水の割合が1:3)、ジャガー(Jaguar)C−17及びN−ハンス(N-Hance)3196のグアーポリマーの水中プレミックス(グアーポリマーと水の割合が1:10)、JR−30Mのユーケア(UCARE)の水中プレミックス(ユーケアと水の割合が約1:30)、PEG−90M及びPEG−14Mのポリオックス(Polyox)のグリセリン中プレミックス(ポリオックスとグリセリンの割合が約1:2)を作成することによって、調製することができる。次に、次の成分を主混合容器に加える:ラウリル硫酸アンモニウム、ラウレス−3硫酸アンモニウム、クエン酸プレミックス、ミラノールL−32ウルトラ(Miranol L-32 ultra)、塩化ナトリウム、安息香酸ナトリウム、EDTA二ナトリウム、ラウリン酸、チキシン(Thixcin)R、グアープレミックス、ユーケア(UCARE)プレミックス、ポリオックス(Polyox)プレミックス、及び水の残り。攪拌しながら、88℃(190°F)に達するまで容器を加熱する。それを約10分間混合する。ゆっくり攪拌しながら、バッチを冷水浴で43℃(110°F)に達するまで冷却する。次の成分:グリダント、香料、二酸化チタンを加える。均一な溶液が形成されるまで混合を保持する。
【0162】
実施例12の組成物は、最初に次のプレミックス:クエン酸の水中プレミックス(クエン酸と水の割合が1:3)、N−ハンス(N-Hance)3196のグアーポリマーの水中プレミックス(グアーポリマーと水の割合が1:10)、及びPEG−14Mのポリオックス(Polyox)のグリセリン中プレミックス(ポリオックスとグリセリンの割合が約1:2)を作成することによって、調製することができる。次に、次の成分を主混合容器に加える:ラウリル硫酸アンモニウム、ラウレス−3硫酸アンモニウム、クエン酸プレミックス、ミラノールL−32ウルトラ(Miranol L-32 ultra)、塩化ナトリウム、安息香酸ナトリウム、EDTA二ナトリウム、ラウリン酸、チキシン(Thixcin)R、グアープレミックス、ポリオックス(Polyox)プレミックス、ポリケア(Polycare)133、メルカート・プラス(Merquat Plus)3300、モノシル(Monosil)PLN、及び水の残り。攪拌しながら、88℃(190°F)に達するまで容器を加熱する。それを約10分間混合する。ゆっくり攪拌しながら、バッチを冷水浴で43℃(110°F)に達するまで冷却する。次の成分:グリダント、香料、二酸化チタンを加える。均一な溶液が形成されるまで混合を保持する
実施例13の組成物は、最初に次のプレミックス:クエン酸の水中プレミックス(クエン酸と水の割合が1:3)、N−ハンス(N-Hance)3196のグアーポリマーの水中プレミックス(グアーポリマーと水の割合が1:10)、及びPEG−14Mのポリオックス(Polyox)のグリセリン中プレミックス(ポリオックスとグリセリンの割合が約1:2)を作成することによって、調製することができる。次に、次の成分を主混合容器に加える:ラウリル硫酸アンモニウム、ラウレス−3硫酸アンモニウム、クエン酸プレミックス、ミラノールL−32ウルトラ(Miranol L-32 ultra)、塩化ナトリウム、安息香酸ナトリウム、EDTA二ナトリウム、ラウリン酸、チキシン(Thixcin)R、グアープレミックス、ポリオックス(Polyox)プレミックス、モナシル(Monasil)PLN、及び水の残り。攪拌しながら、88℃(190°F)に達するまで容器を加熱する。それを約10分間混合する。ゆっくり攪拌しながら、バッチを冷水浴で43℃(110°F)に達するまで冷却する。次の成分:グリダント、香料、二酸化チタンを加える。均一な溶液が形成されるまで混合を保持する。
【0163】
第2相は、ペトロラタムを混合容器に加えることにより、調製することができる。容器を88℃(190°F)に加熱する。次に、鉱油、化粧品顔料、及びドライフロー(Dry-Flo)AF又はトスパール(Tospearl)を攪拌しながら加える。ゆっくり攪拌しながら容器を冷却する。
【0164】
これらの相は、最初に、ポンプ及びホースが取り付けられた別個のタンク中に別個の相を置くことにより、合わせることができる。次に相は、予め定められた量が単一の組み合わせセクションにポンプで送られる。次に相は、組み合わせセクションから混合セクションに移動され、相は、得られる単一の製品が区別できる相のパターンを示すように、混合セクションで混合される。パターンは、ストライプ模様、大理石模様、幾何学的模様、及びこれらの混合物から成る群から選択される。次の工程は、混合セクションで混合された製品をホースを介して単一ノズルにポンプで送り、次に、ノズルを容器中に置き、容器を得られた製品で充填することに関する。ストライプの大きさは、幅が約6mm、長さが100mmである。製品は周囲環境下で少なくとも180日間安定な状態を保つ。
(実施例14〜16)
下記の実施例は、本発明の多相組成物の非限定例である。
【0165】
【表5】
上記組成物は、慣用の配合及び混合技術によって調製することができる。第1相組成物は、最初にクエン酸を水に1:3の割合で加えてクエン酸プレミックスを形成することより調製される。次に、次の成分を次の順序で主混合容器に加える:水、ミラケア(Miracare)SLB−354、塩化ナトリウム、安息香酸ナトリウム、EDTA二ナトリウム、グリダント。主混合容器の攪拌を開始する。別個の混合容器において、ポリマー類(N−ハンス(Hance)3196)を水中に比率1:10で分散させ、ポリマープレミックスを形成する。攪拌を継続しながら、完全に分散したポリマープレミックスを主混合容器に加える。ポリオックス(Polyox)WSR301を水中に分散させ、次に主混合容器に加える。次に、残りの水と香料をバッチに加える。均一な溶液が形成されるまで攪拌を保持する。
【0166】
第2相は、スタビレン(Stabylen)30を混合容器中の水にゆっくりと加えることによって、調製することができる。次に、トリエタノールアミン、グリダント、ユニスフェア(Unisphere)NT−2806(ピンク色)を攪拌しながら加える。均一になるまで混合する。
【0167】
これらの相は、最初に、ポンプ及びホースが取り付けられた別個のタンク中に別個の相を置くことにより、合わせることができる。次に相は、予め定められた量が単一の組み合わせセクションにポンプで送られる。次に相は、組み合わせセクションから混合セクションに移動され、相は、得られる単一の製品が区別できる相のパターンを示すように、混合セクションで混合される。パターンは、ストライプ模様、大理石模様、幾何学的模様、及びこれらの混合物から成る群から選択される。次の工程は、混合セクションで混合された製品をホースを介して単一ノズルにポンプで送り、次に、ノズルを容器中に置き、容器を得られた製品で充填することに関する。ストライプの大きさは、幅が約6mm、長さが100mmである。製品は周囲環境下で少なくとも180日間安定な状態を保つ。
【0168】
発明の詳細な説明で引用したすべての文献は、関連部分において本明細書に参考として組み込まれているが、いずれの文献の引用も、それが本発明に対する先行技術であるとの容認と解釈されるべきではない。
【0169】
本発明の特定の実施形態を例示し、記載したが、本発明の精神及び範囲から逸脱することなく他の様々な変更及び修正を実施できることが、当業者には自明であろう。従って、本発明の範囲内にあるそのような全ての変更及び修正を、添付の特許請求の範囲で扱うものとする。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも2つの可視的に区別される相を含む多相パーソナルケア組成物であって;
相がパターンを形成し;
少なくとも1つの相が粒子を含み;
前記粒子が、化粧品用に有効な濃度で存在し;
前記相が互いに物理的に接触して包装され、安定性を維持している
多相パーソナルケア組成物。
【請求項2】
前記相が、クレンジング相、利益相、非発泡構造水相及びこれらの組み合わせから成る群から選択される、請求項1に記載の多相パーソナルケア組成物。
【請求項3】
前記パターンが、ストライプ模様、幾何学的模様、大理石模様及びこれらの組み合わせから成る群から選択され、好ましくは前記パターンがストライプ模様であり、前記ストライプ模様のパターンが、少なくとも0.1mmの幅及び10mmの長さを有する、請求項1又は2のいずれか1項に記載の多相パーソナルケア組成物。
【請求項4】
前記粒子を組成物の少なくとも0.1重量%含み、好ましくは前記粒子を組成物の少なくとも0.2重量%含み;好ましくは前記粒子が、100μm未満、好ましくは1μm〜70μmの粒径を有し;より好ましくは前記粒子が、天然、合成、半合成、ハイブリッド及びこれらの組み合わせから成る群から選択され;さらにより好ましくは前記粒子が、剥離剤粒子、光沢粒子、及びこれらの組み合わせから成る群から選択され;なおさらにより好ましくは前記光沢粒子が、干渉顔料であり;前記干渉顔料が、疎水性に変性された干渉顔料であり;前記組成物が、前記疎水性に変性された干渉顔料を前記組成物の少なくとも0.1重量%含み;好ましくは前記組成物が、少なくとも0.5μg/cm2の前記疎水性に変性された干渉顔料を皮膚に付着する、請求項1〜3のいずれか1項に記載の多相パーソナルケア組成物。
【請求項5】
少なくとも1つの相が、前記クレンジング相であって:
(i)少なくとも1つのアニオン性界面活性剤;
(ii)少なくとも1つの電解質;
(iii)少なくとも1つのアルカノールアミド:
(iv)任意選択に、追加の慣用の界面活性剤類;及び
(v)水
を含むクレンジング相であり;
クレンジング相が、非ニュートン性ずり減粘であり;
クレンジング相が、3000cps以上の粘度を有する、請求項1〜4のいずれか1項に記載の多相パーソナルクレンジング組成物。
【請求項6】
クレンジング相が、界面活性剤を前記クレンジング相の1重量%〜50重量%含む、請求項5に記載の多相パーソナルケア組成物。
【請求項7】
前記電解質が、
i)リン酸塩、塩化物、硫酸塩、クエン酸塩及びこれらの混合物から成る群から選択されるアニオン、及び
ii)ナトリウム、アンモニウム、カリウム、マグネシウム及びこれらの混合物から成る群から選択されるカチオンを含み;電解質が、前記クレンジング相の0.1重量%〜15重量%の濃度で存在する、請求項5に記載の多相パーソナルケア組成物。
【請求項8】
クレンジング相が、層状構造化剤を追加的に含み、前記層状構造化剤が、脂肪酸類、脂肪酸エステル類、トリヒドロキシステアリン、脂肪族アルコール類、及びこれらの混合物から成る群から選択される、請求項1〜7のいずれか1項に記載の多相パーソナルケア組成物。
【請求項9】
カチオン沈着ポリマーを更に含む、請求項1〜8のいずれか1項に記載の多相パーソナルケア組成物。
【請求項10】
少なくとも2つの可視的に区別される相を含む多相パーソナルケア組成物であって;
前記相がパターンを形成し;
少なくとも1つの相が粒子を含み;
第1相と第2相の比率が、90:10〜10:90であり;
前記相が、互いに物理的に接触して包装され、安定性を維持している
多相パーソナルケア組成物。
【請求項11】
前記相が、クレンジング相、利益相、非発泡構造水相及びこれらの組み合わせから成る群から選択される、請求項10に記載の多相パーソナルケア組成物。
【請求項12】
前記パターンが、ストライプ模様、幾何学模様、大理石模様及びこれらの組み合わせから成る群から選択される、請求項1〜11のいずれか1項に記載の多相パーソナルケア組成物。
【請求項13】
前記粒子を、組成物の少なくとも0.1重量%含み;好ましくは前記粒子が、天然、合成、半合成、ハイブリッド及びこれらの組み合わせから成る群から選択され;より好ましくは前記粒子が、剥離剤粒子、光沢粒子、及びこれらの組み合わせから成る群から選択され;さらにより好ましくは前記光沢粒子が、干渉顔料であり;前記干渉顔料が、疎水性に変性された干渉顔料であり;前記組成物が、前記疎水性に変性された干渉顔料を前記組成物の少なくとも0.1重量%含む、請求項1〜12のいずれか1項に記載の多相パーソナルケア組成物。
【請求項14】
多相パーソナルケア組成物であって:
a)クレンジング相を含む第1相であって、前記クレンジング相は、アニオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤、双極性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、石鹸、及びこれらの混合物から成る群から選択される界面活性剤を、前記クレンジング相の1重量%〜50重量%含み;
前記クレンジング相が、非ニュートン性ずり減粘であり、3000cps以上の粘度を有し、及び/又は少なくとも0.1Paの降状点を有する、第1相;
b)疎水性組成物を含む利益相であって、前記疎水性組成物は、脂質類、炭化水素類、脂肪類、油類、疎水性植物抽出物、脂肪酸類、精油類、シリコーンオイル類、及びこれらの混合物から成る群から選択される疎水性物質を、前記利益相の20重量%〜100重量%含む、利益相
を含み、
疎水性組成物を含む前記利益相が、5〜15のヴォーン溶解度パラメーターを有し、更に、前記クレンジング相と前記利益相の重量比が、1:9〜99:1であり、前記クレンジング相と利益相とが、同じパッケージ中で物理的に接触し、周囲条件下で少なくとも180日間安定した状態を保ち;前記クレンジング相と利益相とが、少なくとも0.1mmの幅、少なくとも1mmの長さのストライプの大きさを有するストライプ模様のパターンを形成し;少なくとも1つの相が、粒子を含み;前記粒子が、疎水性に変性された干渉顔料であり;前記組成物が、前記疎水性に変性された干渉顔料を組成物の少なくとも0.1重量%含む、多相パーソナルケア組成物。
【請求項15】
前記利益相が、実質的に界面活性剤を含まない、請求項14に記載の多相パーソナルケア組成物。
【請求項16】
前記疎水性物質が、ペトロラタム、鉱油微晶性ろう類、パラフィン類、オゾケライト、ポリエチレン、ポリブテン、ポリデセン及びペルヒドロスクアレン、ジメチコン類、シクロメチコン類、アルキルシロキサン類、ポリメチルシロキサン類及びメチルフェニルポリシロキサン類、ラノリン、ラノリン油、ラノリンろう、ラノリンアルコール類、ラノリン脂肪酸類、イソプロピルラノレート、アセチル化ラノリン、アセチル化ラノリンアルコール類、ラノリンアルコールリノレエート、ラノリンアルコールリコノレート(riconoleate)ヒマシ油、大豆油、ヒマワリ種子油、マレイン酸(maleated)大豆油、ベニバナ油、綿実油、トウモロコシ油、クルミ油、ピーナッツ油、オリーブ油、タラ肝油、アーモンド油、アボカド油、パーム油及びゴマ油、並びにこれらの組み合わせから成る群から選択される、請求項1〜15のいずれか1項に記載のストライプ模様相パーソナルクレンジング組成物。
【請求項17】
少なくとも1つの相が着色剤を含み、好ましくは前記組成物が透明の容器に包装されている、請求項1〜16のいずれか1項に記載の多相パーソナルケア組成物。
【請求項18】
前記組成物が、スキンケア活性物質を追加的に含み、スキンケア活性物質が、ビタミン類及びその誘導体、日焼け止め剤、防腐剤、抗ニキビ薬剤、酸化防止剤、皮膚沈静及び皮膚治癒、キレート化剤及び金属イオン封鎖剤、精油類、皮膚感覚剤、及びこれらの混合物から成る群から選択される、請求項1〜17のいずれか1項に記載の多相パーソナルクレンジング組成物。
【請求項19】
多相パーソナルケア組成物であって:
a)クレンジング相を含む第1相であって、前記クレンジング相は、アニオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤、双極性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、石鹸、及びこれらの混合物から成る群から選択される界面活性剤を、クレンジング相の1重量%〜50重量%含み;
前記クレンジング相が、非ニュートン性ずり減粘であり、3000cps以上の粘度を有し、及び/又は少なくとも0.1Paの降状点を有する、第1相;
b)少なくとも10ポアズ/(1/s)の粘稠度及び少なくとも0.1Paの降状点を有する別個の非発泡構造水相を含む、少なくとも1つの追加の相
を含み;
少なくとも1つの相が、粒子を含み、前記粒子が、疎水性に変性された干渉顔料であり;クレンジング相と非発泡構造水相の比率が、10:1〜1:10であり:
クレンジング相と非発泡構造水相とが、パターンとして存在し;前記パターンが、ストライプ模様のパターンであり;ストライプの大きさは、幅が少なくとも0.1mm、長さが少なくとも1mmである
多相パーソナルケア組成物。
【請求項20】
皮膚利益を皮膚又は毛髪に送達する方法であって:
a)請求項1に記載の組成物の有効量を、クレンジングパフ、洗い布、スポンジ及びヒトの手から成る群から選択される手段の上に分配する工程と;
b)前記手段を使用して、前記組成物を皮膚又は毛髪に局所適用する工程と;
c)水で皮膚又は毛髪をすすぐことにより、前記組成物を皮膚又は毛髪から除去する工程と
を含む方法。
【請求項1】
少なくとも2つの可視的に区別される相を含む多相パーソナルケア組成物であって;
相がパターンを形成し;
少なくとも1つの相が粒子を含み;
前記粒子が、化粧品用に有効な濃度で存在し;
前記相が互いに物理的に接触して包装され、安定性を維持している
多相パーソナルケア組成物。
【請求項2】
前記相が、クレンジング相、利益相、非発泡構造水相及びこれらの組み合わせから成る群から選択される、請求項1に記載の多相パーソナルケア組成物。
【請求項3】
前記パターンが、ストライプ模様、幾何学的模様、大理石模様及びこれらの組み合わせから成る群から選択され、好ましくは前記パターンがストライプ模様であり、前記ストライプ模様のパターンが、少なくとも0.1mmの幅及び10mmの長さを有する、請求項1又は2のいずれか1項に記載の多相パーソナルケア組成物。
【請求項4】
前記粒子を組成物の少なくとも0.1重量%含み、好ましくは前記粒子を組成物の少なくとも0.2重量%含み;好ましくは前記粒子が、100μm未満、好ましくは1μm〜70μmの粒径を有し;より好ましくは前記粒子が、天然、合成、半合成、ハイブリッド及びこれらの組み合わせから成る群から選択され;さらにより好ましくは前記粒子が、剥離剤粒子、光沢粒子、及びこれらの組み合わせから成る群から選択され;なおさらにより好ましくは前記光沢粒子が、干渉顔料であり;前記干渉顔料が、疎水性に変性された干渉顔料であり;前記組成物が、前記疎水性に変性された干渉顔料を前記組成物の少なくとも0.1重量%含み;好ましくは前記組成物が、少なくとも0.5μg/cm2の前記疎水性に変性された干渉顔料を皮膚に付着する、請求項1〜3のいずれか1項に記載の多相パーソナルケア組成物。
【請求項5】
少なくとも1つの相が、前記クレンジング相であって:
(i)少なくとも1つのアニオン性界面活性剤;
(ii)少なくとも1つの電解質;
(iii)少なくとも1つのアルカノールアミド:
(iv)任意選択に、追加の慣用の界面活性剤類;及び
(v)水
を含むクレンジング相であり;
クレンジング相が、非ニュートン性ずり減粘であり;
クレンジング相が、3000cps以上の粘度を有する、請求項1〜4のいずれか1項に記載の多相パーソナルクレンジング組成物。
【請求項6】
クレンジング相が、界面活性剤を前記クレンジング相の1重量%〜50重量%含む、請求項5に記載の多相パーソナルケア組成物。
【請求項7】
前記電解質が、
i)リン酸塩、塩化物、硫酸塩、クエン酸塩及びこれらの混合物から成る群から選択されるアニオン、及び
ii)ナトリウム、アンモニウム、カリウム、マグネシウム及びこれらの混合物から成る群から選択されるカチオンを含み;電解質が、前記クレンジング相の0.1重量%〜15重量%の濃度で存在する、請求項5に記載の多相パーソナルケア組成物。
【請求項8】
クレンジング相が、層状構造化剤を追加的に含み、前記層状構造化剤が、脂肪酸類、脂肪酸エステル類、トリヒドロキシステアリン、脂肪族アルコール類、及びこれらの混合物から成る群から選択される、請求項1〜7のいずれか1項に記載の多相パーソナルケア組成物。
【請求項9】
カチオン沈着ポリマーを更に含む、請求項1〜8のいずれか1項に記載の多相パーソナルケア組成物。
【請求項10】
少なくとも2つの可視的に区別される相を含む多相パーソナルケア組成物であって;
前記相がパターンを形成し;
少なくとも1つの相が粒子を含み;
第1相と第2相の比率が、90:10〜10:90であり;
前記相が、互いに物理的に接触して包装され、安定性を維持している
多相パーソナルケア組成物。
【請求項11】
前記相が、クレンジング相、利益相、非発泡構造水相及びこれらの組み合わせから成る群から選択される、請求項10に記載の多相パーソナルケア組成物。
【請求項12】
前記パターンが、ストライプ模様、幾何学模様、大理石模様及びこれらの組み合わせから成る群から選択される、請求項1〜11のいずれか1項に記載の多相パーソナルケア組成物。
【請求項13】
前記粒子を、組成物の少なくとも0.1重量%含み;好ましくは前記粒子が、天然、合成、半合成、ハイブリッド及びこれらの組み合わせから成る群から選択され;より好ましくは前記粒子が、剥離剤粒子、光沢粒子、及びこれらの組み合わせから成る群から選択され;さらにより好ましくは前記光沢粒子が、干渉顔料であり;前記干渉顔料が、疎水性に変性された干渉顔料であり;前記組成物が、前記疎水性に変性された干渉顔料を前記組成物の少なくとも0.1重量%含む、請求項1〜12のいずれか1項に記載の多相パーソナルケア組成物。
【請求項14】
多相パーソナルケア組成物であって:
a)クレンジング相を含む第1相であって、前記クレンジング相は、アニオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤、双極性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、石鹸、及びこれらの混合物から成る群から選択される界面活性剤を、前記クレンジング相の1重量%〜50重量%含み;
前記クレンジング相が、非ニュートン性ずり減粘であり、3000cps以上の粘度を有し、及び/又は少なくとも0.1Paの降状点を有する、第1相;
b)疎水性組成物を含む利益相であって、前記疎水性組成物は、脂質類、炭化水素類、脂肪類、油類、疎水性植物抽出物、脂肪酸類、精油類、シリコーンオイル類、及びこれらの混合物から成る群から選択される疎水性物質を、前記利益相の20重量%〜100重量%含む、利益相
を含み、
疎水性組成物を含む前記利益相が、5〜15のヴォーン溶解度パラメーターを有し、更に、前記クレンジング相と前記利益相の重量比が、1:9〜99:1であり、前記クレンジング相と利益相とが、同じパッケージ中で物理的に接触し、周囲条件下で少なくとも180日間安定した状態を保ち;前記クレンジング相と利益相とが、少なくとも0.1mmの幅、少なくとも1mmの長さのストライプの大きさを有するストライプ模様のパターンを形成し;少なくとも1つの相が、粒子を含み;前記粒子が、疎水性に変性された干渉顔料であり;前記組成物が、前記疎水性に変性された干渉顔料を組成物の少なくとも0.1重量%含む、多相パーソナルケア組成物。
【請求項15】
前記利益相が、実質的に界面活性剤を含まない、請求項14に記載の多相パーソナルケア組成物。
【請求項16】
前記疎水性物質が、ペトロラタム、鉱油微晶性ろう類、パラフィン類、オゾケライト、ポリエチレン、ポリブテン、ポリデセン及びペルヒドロスクアレン、ジメチコン類、シクロメチコン類、アルキルシロキサン類、ポリメチルシロキサン類及びメチルフェニルポリシロキサン類、ラノリン、ラノリン油、ラノリンろう、ラノリンアルコール類、ラノリン脂肪酸類、イソプロピルラノレート、アセチル化ラノリン、アセチル化ラノリンアルコール類、ラノリンアルコールリノレエート、ラノリンアルコールリコノレート(riconoleate)ヒマシ油、大豆油、ヒマワリ種子油、マレイン酸(maleated)大豆油、ベニバナ油、綿実油、トウモロコシ油、クルミ油、ピーナッツ油、オリーブ油、タラ肝油、アーモンド油、アボカド油、パーム油及びゴマ油、並びにこれらの組み合わせから成る群から選択される、請求項1〜15のいずれか1項に記載のストライプ模様相パーソナルクレンジング組成物。
【請求項17】
少なくとも1つの相が着色剤を含み、好ましくは前記組成物が透明の容器に包装されている、請求項1〜16のいずれか1項に記載の多相パーソナルケア組成物。
【請求項18】
前記組成物が、スキンケア活性物質を追加的に含み、スキンケア活性物質が、ビタミン類及びその誘導体、日焼け止め剤、防腐剤、抗ニキビ薬剤、酸化防止剤、皮膚沈静及び皮膚治癒、キレート化剤及び金属イオン封鎖剤、精油類、皮膚感覚剤、及びこれらの混合物から成る群から選択される、請求項1〜17のいずれか1項に記載の多相パーソナルクレンジング組成物。
【請求項19】
多相パーソナルケア組成物であって:
a)クレンジング相を含む第1相であって、前記クレンジング相は、アニオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤、双極性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、石鹸、及びこれらの混合物から成る群から選択される界面活性剤を、クレンジング相の1重量%〜50重量%含み;
前記クレンジング相が、非ニュートン性ずり減粘であり、3000cps以上の粘度を有し、及び/又は少なくとも0.1Paの降状点を有する、第1相;
b)少なくとも10ポアズ/(1/s)の粘稠度及び少なくとも0.1Paの降状点を有する別個の非発泡構造水相を含む、少なくとも1つの追加の相
を含み;
少なくとも1つの相が、粒子を含み、前記粒子が、疎水性に変性された干渉顔料であり;クレンジング相と非発泡構造水相の比率が、10:1〜1:10であり:
クレンジング相と非発泡構造水相とが、パターンとして存在し;前記パターンが、ストライプ模様のパターンであり;ストライプの大きさは、幅が少なくとも0.1mm、長さが少なくとも1mmである
多相パーソナルケア組成物。
【請求項20】
皮膚利益を皮膚又は毛髪に送達する方法であって:
a)請求項1に記載の組成物の有効量を、クレンジングパフ、洗い布、スポンジ及びヒトの手から成る群から選択される手段の上に分配する工程と;
b)前記手段を使用して、前記組成物を皮膚又は毛髪に局所適用する工程と;
c)水で皮膚又は毛髪をすすぐことにより、前記組成物を皮膚又は毛髪から除去する工程と
を含む方法。
【公表番号】特表2007−526206(P2007−526206A)
【公表日】平成19年9月13日(2007.9.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−501307(P2006−501307)
【出願日】平成16年5月10日(2004.5.10)
【国際出願番号】PCT/US2004/014433
【国際公開番号】WO2004/100919
【国際公開日】平成16年11月25日(2004.11.25)
【出願人】(590005058)ザ プロクター アンド ギャンブル カンパニー (2,280)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成19年9月13日(2007.9.13)
【国際特許分類】
【出願日】平成16年5月10日(2004.5.10)
【国際出願番号】PCT/US2004/014433
【国際公開番号】WO2004/100919
【国際公開日】平成16年11月25日(2004.11.25)
【出願人】(590005058)ザ プロクター アンド ギャンブル カンパニー (2,280)
【Fターム(参考)】
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