説明

多糖類の抽出方法

【課題】柑橘果皮から多糖類、特にペクチンを、酸、アルカリ、キレート剤、又は乳化剤などの添加剤処理を行うことなく、不純物の少ない高分子を多く含むペクチンを高回収率で得ることが可能な、簡便な熱水抽出方法を提供する。
【解決手段】柑橘果皮を、120〜140℃、4〜30MPaの範囲での所定の条件で亜臨界水抽出処理のみを行うことで、酸、アルカリ、キレート剤、又は乳化剤などの添加剤処理を行うことなく、タンパク質や夾雑物の混在が非常に少ない高分子を多く含むペクチンを高回収率で得ることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、植物細胞組織、特に柑橘果皮からの多糖類、特にペクチン抽出方法に関する。更に詳細には、抽出条件として亜臨界水抽出条件を用いた、柑橘果皮からのペクチンの熱水抽出方法に関する。
【背景技術】
【0002】
限りある化石資源への高度依存を脱却する観点から、近年、バイオマス(生物資源)が注目されてきている。バイオマスとは、再生可能な生物由来の有機性資源で化石資源を除いたものを示す。
【0003】
バイオマスは、都市生ごみや畜産業での排泄物、さらには食品工業等における廃棄物などの廃棄物系と、もみ殻や果汁抽出残渣等の未利用資源系、バイオエタノール原料などの資源作物に分類される。特に、バイオマスをすべて余すところなく、物質やエネルギーとして使うシステム(バイオマスリファイナリー)構築のため、廃棄物系及び未利用系のバイオマスの有効利用法の開発が強く望まれている。
【0004】
多くの廃棄物系や未利用資源系のバイオマスには、植物細胞組織(細胞壁など)に由来するセルロース、ヘミセルロース、ペクチンなどの有用多糖類が含まれている。このうち、ペクチンについては、植物細胞組織中では不溶性となって存在しているため、そのまま熱水抽出することが難しい成分とされていた。
【0005】
このペクチン抽出方法としては、例えば、柑橘果皮(主にレモン)、リンゴ搾汁粕、ビートパルプ、コーンスターチ、アロエなどから酸、アルカリ、キレート剤などを用いて抽出・分離する方法が開発されているが(特許文献1〜3)、これらの方法は、酸、アルカリ、キレート剤などの中和、除去といった操作を繰り返し行う必要があり、回収操作を煩雑なものとしている。また、添加剤によってはペクチン分子の分解が起こり、ペクチンが低分子化してしまい、得られたペクチンのゲル化能などに影響がでる場合もある。
【0006】
特に柑橘果皮は、果実加工や果汁搾汁時に大量に排出される未利用資源であり、かつペクチンを多く含むものであるため、ペクチン原料として有用性の高いものと考えられる。しかし、上述の酸、アルカリ、キレート剤などの処理によるペクチン抽出方法では、製造コストや得られるペクチンの品質などが満足できるものでなく、この柑橘果皮から添加剤等を使用せず、有用な高分子のペクチンを熱水抽出により簡便に高回収率で得る方法の開発が望まれていた。
【特許文献1】特開2000−7703号公報
【特許文献2】特表2002−514663号公報
【特許文献3】特開2004−197001号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の目的は、柑橘果皮から、酸、アルカリ、キレート剤、又は乳化剤などの添加剤処理を行うことなく、不純物の少ない高分子を多く含むペクチンを高回収率で得ることが可能な、ペクチンの簡便な熱水抽出方法を提供することにある。そして、このペクチン抽出に際して、抽出と同時にペクチン溶出状況が確認できる方法の提供も目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するため、本発明者らは鋭意研究の結果、亜臨界水抽出に着目した。そして、柑橘果皮を120〜140℃、4〜30MPaの範囲での所定の亜臨界水抽出条件で加圧熱水抽出(亜臨界水抽出処理)のみを行うことで、酸、アルカリ、キレート剤、又は乳化剤などの添加剤処理を一切行うことなく、タンパク質や夾雑物の混在が非常に少ない高分子ペクチンを多く含むペクチン抽出物が得られ、また総ペクチン回収率70%以上という高回収率でペクチンが回収できることを見出し、本発明に至った。さらに付随して、亜臨界水抽出の抽出液pHを即時測定することで、抽出と同時にペクチンの溶出を確認することができることも見出した。
【0009】
すなわち、本発明の実施形態は次のとおりである。
(1)柑橘果皮から、酸、アルカリ、キレート剤、又は乳化剤による処理をいずれも行うことなく、120〜140℃、4MPaの条件での亜臨界水抽出処理のみを用いて抽出することを特徴とする、高分子ペクチンを多く含むペクチンの抽出方法。
(2)柑橘果皮から、酸、アルカリ、キレート剤、又は乳化剤による処理をいずれも行うことなく、130〜140℃、4〜30MPa、好ましくは140℃、4〜10MPaの条件での亜臨界水抽出処理のみを用いて抽出することを特徴とする、高分子ペクチンを多く含むペクチンの抽出方法。
(3)高分子ペクチンの分子量が4〜40万、更には5〜30万である(1)又は(2)に記載の方法。
(4)総ペクチン回収率が70%以上、更には75〜80%であることを特徴とする(1)〜(3)のいずれか1つに記載の方法。
(5)亜臨界水の抽出流量を0.5〜2.0ml/分とすることを特徴とする(1)〜(4)のいずれか1つに記載の方法。
(6)柑橘果皮から亜臨界水抽出処理を用いてペクチンを抽出する際に、抽出液のpHを即時測定することで、抽出と同時にペクチンの溶出を確認する方法。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、柑橘果皮から、酸、アルカリ、キレート剤、又は乳化剤などの添加剤処理を一切行うことなく、タンパク質や夾雑物の混在が非常に少ない、分子量4〜40万の高分子ペクチンが主体のペクチンを高回収率で得ることができる。さらに、亜臨界水抽出の抽出液pHを即時測定することで、抽出と同時にペクチンの溶出を確認することもできる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
本発明において、ペクチン抽出原料としては、果実加工や果汁搾汁時に大量に排出される柑橘果皮を使用する。柑橘果皮は、ユズ、レモン、ミカン、オレンジ、カボス、スダチ、ダイダイ、シークァーサー、ライム、グレープフルーツ、キンカンなどの由来が例示される。特に、ユズ果皮に関しては、他の柑橘類に比べてユズ果実は果皮の割合が多く(ユズ果実の50%以上)廃棄量も多いため、原料に非常に適している。また、ペクチン抽出原料として、生の柑橘果皮だけでなく、柑橘果皮乾燥物、その粉砕物や柑橘果皮から超臨界抽出により精油などを抽出した抽出残渣などを使用することも可能である。
【0012】
ペクチン抽出には、亜臨界水抽出条件を用いる。亜臨界水とは、飽和水蒸気圧以上の圧力をかけた100℃以上の加圧熱水を示す。但し、超臨界水(374℃以上、22MPa以上の加圧熱水)は含まれない。方法は、柑橘果皮を反応容器内に入れ、所定の流量で予備加熱した脱気水を通液する。そして、反応系に所定の条件で加圧加熱して亜臨界水抽出条件とする。亜臨界水通液後の抽出液は速やかに冷却し、回収する。本発明で用いる抽出装置の概略図を図1に示す。
【0013】
この亜臨界水抽出条件としては、温度120〜140℃の場合圧力4MPa、温度130〜140℃の場合圧力4〜30MPa(更には温度140℃、圧力4〜10MPa)が好ましい。温度は、140℃を超えると総ペクチン回収率は高くなるが、ペクチンの低分子化、夾雑物やタンパク質等の不純物大量混入などが起こり、得られるペクチンの品質が好ましくない。また、120℃を下回る温度では、ペクチンの抽出が充分な回収率で得られない。なお、120〜140℃の温度帯においては、圧力をより高くすると反比例して総ペクチン回収率が下がってしまうため、効率やコスト面などを考慮するとできる限り圧力4〜10MPa付近が望ましい。
【0014】
従来のペクチン抽出法では、植物細胞組織からの溶出をしやすくするために、抽出原料を酸やアルカリ処理してpH調整を行ったり、キレート剤を抽出時に添加したりする方法が採用されているが、本発明ではこれらの処理、添加は一切必要ない。また、抽出液中への夾雑物やタンパク質などの混入を防ぐため、抽出時に乳化剤を添加する方法も知られているが、本発明では所定の条件での亜臨界水抽出により不純物の混在が非常に少なくできるため、乳化剤の添加も全く必要ない。
【0015】
亜臨界水抽出時の流量については、特に限定はされないが、0.5〜2.0ml/分であることが好ましい。この範囲の流量とすることで、高分子ペクチンを多く含む抽出液を高濃度で得ることができ、かつ抽出に使用する亜臨界水の量を少なくすることができる。したがって、実用上非常に有効である。なお、この範囲より流量を多くしても、得られるペクチンの品質、回収率等には全く影響を与えない。
【0016】
本発明により得られる高分子のペクチンとは、分子量4〜40万、更には分子量5〜30万のペクチンを示す。ペクチンは食品工業において主に増粘剤として使用されており、その粘性はペクチン分子量と相関している。つまり、ペクチンの分子量はその増粘剤としての品質に大きく影響している。本発明は、柑橘果皮中から、高分子のペクチンを多く抽出することができるため、非常に有用な方法である。
【0017】
また、本発明による柑橘果皮からの総ペクチン(高分子ペクチン、分子量4万以下の低分子ペクチン、及びカラクツロン酸モノマーを含むトータルペクチン)回収率は、70%以上、更には75〜80%となり、非常に高回収率となる。なお、本発明の120〜140℃の温度帯において圧力を高くするほど回収率は下がり、130〜140℃においては4〜30MPaで全て回収率70%を超えるが、120℃においては4MPaでしか回収率70%を超えない。また、回収率75%を指標とすると、140℃おいては4〜30MPaで全て回収率75%を超えるが、120〜130℃においては4MPaでしか回収率75%を超えない。
【0018】
さらに、本発明では、亜臨界水抽出時の抽出液pHを即時測定することで、抽出と同時にペクチンの溶出を確認することができる。ペクチン溶出量が増えることにより、抽出液のpHはより酸性域に振れ(pHが下がり)、溶出量が減ると抽出液のpHはもとの値に戻る。このpH挙動データを即時取得することで、ペクチン抽出と同時に溶出状況を確認することができるため、より不純物の少ないペクチン溶液の取得が可能となる。
【実施例】
【0019】
以下、本発明の実施例について述べるが、本発明はこれらのみに限定されるものではない。なお、以下の実施例は全て図1に示した装置によって反応を行った。
【0020】
(実施例1:亜臨界水温度のペクチン溶出への影響確認)
ペクチン抽出原料として、乾燥ユズ果皮粉末(粒子径120〜400μm)0.5gを用いた。抽出条件としては、果皮粉末を反応容器内に入れ、十分に脱気した蒸留水を3.5ml/分の流量で反応器内に通水し、回収口より気泡が無くなったのを確認後、4MPaまで背圧弁にて容器内を昇圧した後に通液温度を80〜160℃まで徐々に昇温し、各温度帯にて7mlずつ抽出液を回収した。得られた抽出液のペクチン定量は、ジメチルフェノール−硫酸法にてガラクツロン酸のモノマーを定量した。
【0021】
図2に示すように、100℃から徐々にペクチン溶出が確認され、160℃付近までペクチン溶出があることが明らかとなった。また、120〜140℃付近で最も急激にペクチン溶出があることも示された。
【0022】
(実施例2:亜臨界水温度のペクチン分子量及びペクチン以外の成分溶出への影響確認)
実施例1と温度、流量以外の条件は同様とし、流量0.5ml/分で、温度を80℃から120℃、140℃、160℃の各温度帯に急激に昇温して、得られたペクチン抽出液の容態(外観、臭い等)確認、総ペクチン量、ペクチン分子量、タンパク質量の測定を行った。タンパク質の定量はケルダール法により行った。ペクチン分子量は高速液体クロマトグラフィーにより測定した。
【0023】
図3に示すように、120℃、140℃で抽出したペクチン溶液は濁り等が無く、糖類の過分解物特有のフラン化合物の香り等もない。これに対し、160℃で抽出したペクチン溶液は、濁り、着色、臭いが顕著であった。さらに、図4に示すように、160℃で抽出したペクチン溶液にはタンパク質が多く混在しているが、120℃、140℃で抽出したペクチン溶液のタンパク質量は非常に少ないものであった。したがって、120℃、140℃で抽出したペクチンは不純物の混在が非常に少ない好適なものであることが明らかになった。
【0024】
また、図5に示すように、160℃で抽出したペクチンは分子量1〜2万以下のものがほとんどであり、明確に低分子化が進んでいる。ペクチンはその高次構造によりゲル化特性を示すものであるが、160℃で回収したものは非常に低分子化が進んでおり食品添加物としてのペクチン(増粘剤)の性状を好適に有してはいない。これに対し、120℃、140℃で抽出したものは、ペクチン分子量として4〜40万のものが大半を占めている。つまり、ペクチンの増粘剤としての有用性を失うことなく抽出できることを示している。さらに付随して、温度設定により用途に応じた様々な分子量のペクチン回収が可能であることも示している。
【0025】
(実施例3:の亜臨界水温度及び圧力の総ペクチン回収率への影響確認)
ペクチン抽出原料として、実施例1と同様に乾燥ユズ果皮粉末0.5gを用いた。抽出条件としては、果皮粉末を反応容器内に入れ、十分に脱気した蒸留水を0.5ml/分の流量で反応器内に通水し、回収口より気泡が無くなったのを確認後、所定の圧力(4、10、20、30MPa)まで背圧弁にて容器内を昇圧した後に通液温度を80℃から所定の温度(110、120、130、140、150、160℃)に急激に昇温して、得られたペクチン抽出液を7mlずつ回収し、ペクチンの定量及び回収率を測定した。
【0026】
図6は、4MPaの圧力条件化で各温度に昇温設定したときのペクチン溶出量(上段)、及び積算収率(下段)を示している。上段のグラフより、高い温度に昇温するほど速やかにペクチン溶出が促されることがわかった。しかし、下段のグラフから、160℃では回収率が明らかに低下しており、過分解(ガラクツロン酸の分解)が進行していることがわかる。また、110℃においては十分にペクチンの遊離が進行していないことがわかる。これに対し、120から40℃で抽出したときは回収率76%程度に収束し、過分解等を受けずに抽出されていることが示された。
【0027】
図7では、120〜150℃の温度帯で抽出した場合に、圧力が総ペクチン回収率に及ぼす影響を示している。120〜140℃温度帯では、低圧であるほど回収率が増している。逆に150℃では高圧であるほど回収率が増す傾向を示していた。また、140℃の時に最も回収率が高く、4〜30MPaの圧力帯で76〜80%の高収率で回収されることが示された。さらに、130℃でも4〜30MPaの圧力帯で70%以上の高回収率であることが示された。
【0028】
圧力が設備投資などのコストに及ぼす影響としては、高圧装置ほど、ポンプの出力、安全面で管の肉厚、それに伴う熱交換を考慮する必要がある。本発明では、比較的低圧でもペクチンの抽出が可能となることが示され、設備投資およびランニングコストの低減が可能となることが示された。なお、総ペクチンを75〜80%の回収率で抽出できる温度帯および圧力帯を図8に示した。
【0029】
(実施例4:亜臨界水流量のペクチン溶出への影響確認)
ペクチン抽出原料として、実施例1と同様乾燥ユズ果皮粉末0.5gを用いた。抽出条件としては、果皮粉末を反応容器内に入れ、十分に脱気した蒸留水を所定の流量(0.5、1.0、2.0ml/分)で反応器内に通水し、回収口より気泡が無くなったのを確認後、4MPaまで背圧弁にて容器内を昇圧した後に通液温度を80℃から140℃まで急激に昇温し、7mlずつ抽出液を回収してペクチンの定量及び回収率を測定した。
【0030】
図9に各流量で通水したときのペクチンの溶出状況を示している。流量が多くなるにつれペクチンの溶出はなだらかになり1フラクション当たりの溶出されたペクチン濃度が低下していることが明らかとなった。つまり、低流量であるほど高濃度でペクチン回収が可能になることが示された。
【0031】
図10では、原料中に含まれるペクチンに対する本法でのペクチン積算収率を示している。どの流量においても収率は76〜77%程度と高収率であることが示され、140℃でのガラクツロン酸の過分解は、いずれの流量でも起こらないことが明らかとなった。
【0032】
通常、亜臨界水の流量を下げれば抽出効率(回収率)が下がると考えられる。現に、110℃や150〜160℃では流量と回収率は相関している。しかし、120〜140℃においては、回収率は流量に依存するのでなく、反応管内の滞留時間に依存することが示された。これらは、比較的低温域において、抽出に使用する亜臨界水量を少なくすることが可能であることを示しており、コスト低減や得られるペクチンの品質向上などが見込まれ、産業上非常に有用である。
【0033】
(実施例5:ペクチン溶出と抽出液pHの関係確認)
ペクチン抽出原料として、実施例1と同様に乾燥ユズ果皮粉末0.5gを用いた。抽出条件としては、果皮粉末を反応容器内に入れ、十分に脱気した蒸留水を所定の流量(0.5、1.0、2.0ml/分)で反応器内に通水し、回収口より気泡が無くなったのを確認後、4MPaまで背圧弁にて容器内を昇圧した後に通液温度を80℃から所定の温度(120、140、160℃)に急激に昇温して、得られたペクチン抽出液を7mlずつ回収し、ペクチンの定量及び抽出液pHを測定した。
【0034】
図11は、140℃で抽出を行ったときの各流量(0.5、1.0、2.0ml/分)におけるペクチン溶出状況と、その抽出液(フラクション)のpH推移の関係を示している。どの流量においてもペクチンの溶出に伴いpHが低下していくことが明らかとなった。
【0035】
図12は、流量0.5ml/分において各温度(120、140、160℃)で抽出を行ったときのペクチン溶出状況と、その抽出液(フラクション)のpH推移の関係を示している。図11と同様に、ペクチンの溶出に伴うpHの低下が確認された。これらのように、抽出液のpHを即時に測定することで、ペクチンの溶出を抽出と同時に確認することが可能であることが示された。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】本発明に用いる抽出装置の概略図を示す。
【図2】4MPaの亜臨界水を温度上昇させた時のペクチン抽出量を示す。
【図3】圧力4MPaで、120℃、140℃、160℃の各温度でのユズ果皮からペクチンを抽出した時の抽出液の容態を示す(図面代用写真)。
【図4】圧力4MPaで、120℃、140℃、160℃の各温度でのユズ果皮からペクチンを抽出した際のペクチンとタンパク質の溶出挙動を示す。
【図5】圧力4MPaで、120℃、140℃、160℃の各温度でのユズ果皮からペクチンを抽出したペクチンの分子量分布を示す。
【図6】圧力4MPaでユズ果皮からペクチンを抽出した時の、110〜160℃の各温度でのペクチン溶出状況(上段)、及び各温度で抽出したときのペクチン積算収率(下段)を示す。
【図7】ペクチン抽出温度、圧力、総ペクチン回収率の相関を示す。
【図8】総ペクチン回収率が75〜80%となる温度帯及び圧力帯を示す。
【図9】圧力4MPa、140℃でのユズ果皮からペクチンを抽出した時の、亜臨界水各流量(0.5、1.0、2.0ml/分)でのペクチン溶出状況を示す。
【図10】圧力4MPa、140℃でのユズ果皮からペクチンを抽出した時の、亜臨界各流量(0.5、1.0、2.0ml/分)でのペクチン積算収率を示す。
【図11】圧力4MPa、140℃でのユズ果皮からペクチンを抽出した時の、亜臨界水各流量(0.5、1.0、2.0ml/分)におけるペクチン溶出状況とそのpH推移を示す。
【図12】圧力4MPa、流量0.5ml/分でのユズ果皮からペクチンを抽出した時の、各抽出温度(120℃、140℃、160℃)でのペクチン溶出状況とそのpH推移を示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
柑橘果皮から、120〜140℃、4MPaの条件での亜臨界水抽出処理のみを用いて抽出することを特徴とするペクチンの抽出方法。
【請求項2】
柑橘果皮から、130〜140℃、4〜30MPaの条件での亜臨界水抽出処理のみを用いて抽出することを特徴とするペクチンの抽出方法。
【請求項3】
ペクチンの分子量が4〜40万である請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
総ペクチン回収率が70%以上であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の方法。
【請求項5】
亜臨界水の抽出流量を0.5〜2.0ml/分とすることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の方法。
【請求項6】
柑橘果皮から亜臨界水抽出処理を用いてペクチンを抽出する際に、抽出液のpHを即時測定することで、抽出と同時にペクチンの溶出を確認する方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2010−116524(P2010−116524A)
【公開日】平成22年5月27日(2010.5.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−292548(P2008−292548)
【出願日】平成20年11月14日(2008.11.14)
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第1項適用申請有り 社団法人 化学工学会関西支部 発行,「化学工学会 姫路大会講演要旨集」,平成20年10月17日発行
【出願人】(300000018)株式会社 アスキー (2)
【Fターム(参考)】