説明

多糖類ゲルとその製造方法

【課題】
難水溶性の多糖類又はその誘導体を原料とし、原料に特別な前処理を施すことなくゲルを製造することができる多糖類ゲルの製造方法を提供する。
【解決手段】
難水溶性の多糖類又はその誘導体からなる原料にイオン液体を含む溶媒を加えた混合物に放射線を照射する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は難水溶性の多糖類を原料とする多糖類ゲルとその製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
石油合成系高分子は、現代社会において多様性と利便性を供与している一方で、その原料である石油の枯渇、および廃棄処理に伴う熱や二酸化炭素の排出や、燃焼ガスおよび残留物に含まれる環境負荷物質による汚染が問題となる。天然高分子の一種である多糖類は、このような石油合成系高分子とは異なり、コンポスト化(堆肥化)処理によって消化・分解され、土に還元することができる資源循環型で環境にやさしい材料であることから、食品、医薬品、化粧品、医療器材、液晶ディスプレイ、および分離膜など多岐の分野においての利用が期待されている。
【0003】
例えば、代表的な多糖類であるセルロースは高級植物細胞膜の約40〜70%を形成し、地球上の植物質でもっとも存在量が多いことから、古くより紙、木材材料、綿を含む繊維材料等の主成分として利用されてきた。本出願人においても、アルキルセルロース誘導体、キチン誘導体、キトサン誘導体を原料とし、水との混合物に放射線を照射することによって使い捨てオムツなどの衛生用品や保湿材として医療、化粧品の分野に利用可能な橋かけ構造を有するゲルを製造する方法を提案している(例えば、特許文献1,2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2001−2703号公報
【特許文献2】特開2003−160602号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、セルロースをはじめ、カニやエビの殻から抽出されるキチン、およびキトサン等は難水溶性であり、そのまま原料として使用することは成形加工に制約があることから、化学処理などの前処理を原料に施すことが必要であった。本出願人が提案している上記方法においても、セルロース、キチン、およびキトサンは水に溶けず放射線照射によって目的のゲルを得ることができないため、前処理によって原料に官能基としてヒドロキシ基又はカルボキシル基を導入することが必要であった。
【0006】
本発明は、以上のとおりの背景から、難水溶性の多糖類又はその誘導体を原料とし、原料に特別な前処理を施すことなくゲルを製造することができる多糖類ゲルの製造方法及び多糖類ゲルを提供することを課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するため、本発明の多糖類ゲルの製造方法は、難水溶性の多糖類又はその誘導体からなる原料にイオン液体を含む溶媒を加えた混合物に放射線を照射してゲルを得ることを特徴とする。
【0008】
この多糖類ゲルの製造方法においては、前記放射線の照射線量が、0.1〜500kGyの範囲であることが好ましい。
【0009】
この多糖類ゲルの製造方法においては、前記混合物は、前記原料100重量部に対して前記イオン液体が200〜10000重量部の割合で加えられていることが好ましい。
【0010】
この多糖類ゲルの製造方法においては、前記溶媒は水を含有し、前記混合物は、含水分量0.5〜50重量%の割合であることが好ましい。
【0011】
この多糖類ゲルの製造方法においては、前記原料は、セルロース、キチン、キトサン及びそれらの誘導体から選ばれる少なくとも1種であることが好ましい。
【0012】
この多糖類ゲルの製造方法においては、前記イオン液体は、その構成するカチオンが、イミダゾリウムカチオン、ピリジニウムカチオン、ピロリジニウムカチオン、ピペリジニウムカチオン、ホスホニウムカチオン、又はアンモニウムカチオンであり、その構成するアニオンが、カルボン酸アニオン、ハロゲンアニオン、ビス(トリフルオロスルフォニル)アミド、テトラフルオロボレート、又はヘキサフルオロホスフェートであることが好ましい。
【0013】
また、本発明の多糖類ゲルは、上記したいずれかの方法によって得られた多糖類ゲルであって、難水溶性の多糖類またはその誘導体からなり橋かけ構造を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、難水溶性の多糖類又はその誘導体を原料とし、原料に特別な前処理を施すことなく多糖類ゲルを製造することができる。また、難水溶性の多糖類またはその誘導体からなり橋かけ構造を有する多糖類ゲルを得ることができる。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明の実施形態である多糖類ゲルの製造方法は、上記のとおり、難水溶性の多糖類又はその誘導体からなる原料にイオン液体を含む溶媒を加えた混合物に放射線を照射する。
【0016】
従来、天然高分子であるセルロース、キチン、キトサンなどはそのままでは水に溶けず、放射線照射による加工が困難であることから、高分子にヒドロキシ基又はカルボキシル基を導入して水溶性にするなどの前処理を施していた。本発明の実施形態である多糖類ゲルの製造方法では、原料に特別な前処理を施すことなく多糖類ゲルを得ることができる。
【0017】
本実施形態の多糖類ゲルの製造方法においては、例えば、粉末状の原料を、イオン液体を含む溶媒に徐々に添加して混合物を形成する。この混合物は、原料の濃度に依存するが、低濃度の溶液、高濃度の粘稠な溶液として得られる。また、混合物の全部もしくは一部がペースト(糊)状やスラリーの状態として得られることも含む。このように本実施形態では、イオン液体を含む溶媒を用いることで、原料が溶解した状態又は均一に分散した状態の混合物を得ることができる。
【0018】
本実施形態においては、得られた混合物に放射線を照射する。
放射線の線種としては、重イオン線、アルファ線、ベータ線等の粒子線や、電子線、エックス線、ガンマ線等の電離性放射線を挙げることができる。重イオン等の大きな粒子線は多糖類分子に与える影響にムラができる可能性があることから、工業的によく用いられている電子線やガンマ線の使用が望ましい。
【0019】
混合物に照射する放射線の照射線量は、多糖類およびその誘導体を橋かけするのに必要十分な線量であればよい。好ましくは0.1〜500kGyの範囲である。さらに好ましい範囲は1〜100kGyであり、特に5〜60kGyであることが望ましい。0.1〜500kGyの範囲の放射線照射によって、混合物中の多糖類およびその誘導体をより効果的に橋かけし、多糖類ゲルを得ることができる。
【0020】
放射線照射時の温度は、使用するイオン液体によって異なるが、一般的には25〜100℃の範囲内に設定することができる。例えば、ハライドをアニオンとしたイオン液体の場合は融点である70℃以上に設定され、カルボン酸アニオンなどの有機酸イオンをアニオンとしたイオン液体の場合は融点である25℃以上に設定されることが考慮される。
【0021】
混合物の調製にあたり、多糖類又はその誘導体からなる原料とイオン液体との混合比は、例えば、原料100重量部に対してイオン液体が200〜10000重量部の割合とすることができる。かかる混合比とすることにより、原料を効果的に溶解することができる。原料の溶解性やイオン液体のコストなどを勘案すると、原料100重量部に対してイオン液体が200〜1000重量部、なかでも原料100重量部に対してイオン液体が300〜800重量部であることが望ましい。
【0022】
また、混合物の調製にあたり、イオン液体以外の溶媒として水を原料に加えることもできる。水は、市水、工業用水、脱気水、脱イオン水、ゲル濾過水、蒸留水等であり、酸素やイオン等が含まれていないものが好ましい。
【0023】
原料に水を加える場合、例えば、原料100重量部に対して水10〜10000重量部の割合で加えることができる。原料の溶解性を考慮すると、混合物の含水分量が0.5〜50重量%、なかでも0.5〜30重量%、特に0.5〜20重量%となるように水を加えることが好ましい。
【0024】
本実施形態の多糖類ゲルの製造方法において、原料となる難水溶性の多糖類の具体例としては、セルロース、キチン、キトサン、アルギン酸(ナトリウムなどの金属塩型は含まない)、デキストラン、ヒアルロン酸(ナトリウムなどの金属塩型は含まない)、βグルカン等が挙げられる。
【0025】
本実施形態の多糖類ゲルの製造方法において、原料となる難水溶性の多糖類誘導体は、上記した多糖類の誘導体である。多糖類誘導体は、上記した多糖類を化学修飾して作製したものでも、市販品ものでも構わない。多糖類誘導体のうちセルロース誘導体の具体例としては、酢酸セルロース、エチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート、セルロースアセテートヘキサヒドロフタレート、ヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートフタレート、ヒドロキシプロピルメチルセルロースヘキサヒドロフタレート、ヒドロキシプロピルメチルセルローステトラヒドロフタレート等が挙げられる。キチン誘導体の具体例としては、アセチルキチン、ベンジルキチン等が挙げられる。キトサン誘導体の具体例としては、ハロアシルキトサン、ベンジルキトサン、ベンゾイルキトサン等が挙げられる。
【0026】
以上の多糖類およびその誘導体は、単独又は2種以上を原料として使用することができる。
【0027】
本実施形態の多糖類ゲルの製造方法において、使用されるイオン液体を構成するカチオンとしては、イミダゾリウムカチオン、ピリジニウムカチオン、ピロリジニウムカチオン、ピペリジニウムカチオン、ホスホニウムカチオン、アンモニウムカチオンなどが挙げられる。また、イオン液体を構成するアニオンとしては、ギ酸アニオン、酢酸アニオンなどのカルボン酸アニオンを含む有機酸イオン、塩素アニオン、臭素アニオン、ヨウ素アニオンなどのハロゲンアニオン、ビス(トリフルオロスルフォニル)アミド、テトラフルオロボレート、ヘキサフルオロホスフェートなどが挙げられる。
【0028】
このようなイオン液体の具体例としては、塩化1−エチル−3−メチルイミダゾリウム、臭化1−エチル−3−メチルイミダゾリウム、1−エチル−3−メチルイミダゾリウム ビス(トリフルオロスルフォニル)アミド、ギ酸1−エチル−3−メチルイミダゾリウム、酢酸1−エチル−3−メチルイミダゾリウム、塩化1−ブチル−3−メチルイミダゾリウム、臭化1−ブチル−3−メチルイミダゾリウム、1−ブチル−3−メチルイミダゾリウム テトラフルオロボレ−ト、1−ブチル−3−メチルイミダゾリウム ビス(トリフルオロスルフォニル)アミド、チオシアン酸1−ブチル−3−メチルイミダゾリウム、塩化3−メチル−オクチルイミダゾリウム、塩化3−メチル−ヘキサデシルイミダゾリウム、塩化−N−エチルピリジニウム、臭化−N−エチルピリジニウム、塩化−N−ブチルピリジニウム、臭化−N−ブチルピリジニウム、塩化−N−オクチルピリジニウム、塩化4−メチル−N−ブチルピリジニウム、臭化4−メチル−N−ブチルピリジニウム、N−メチル−N−プロピルピロリジニウム ビス(トリフルオロスルフォニル)アミド、 ヨウ化1,1−ジメチルピロリジニウム、塩化1−ブチル−1−メチルピロリジニウム、塩化1−へキシル−1−メチルピロリジニウム、塩化1−メチル−1−オクチルピロリジニウム、N−ブチル−N−メチルピロリジニウム ビス(トリフルオロスルフォニル)アミド、 N−メチル−N−プロピルピペリジニウム ビス(トリフルオロスルフォニル)アミド、 塩化トリへキシル(テトラデシル)ホスホニウム、トリへキシル(テトラデシル)ホスホニウム テトラフルオロボレート、N,N−ジエチルメチル−(2−メトキシエチル)アンモニウム ビス(トリフルオロスルフォニル)アミド、N,N−ジエチルメチル−(2−メトキシエチル)アンモニウム テトラフルオロボレート、N,N−ジエチルメチル−(2−メトキシエチル)アンモニウム ヘキサフルオロホスフェート、塩化N,N−ジエチルメチル−(2−メトキシエチル)アンモニウム、臭化N,N−ジエチルメチル−(2−メトキシエチル)アンモニウム、ギ酸N,N−ジエチルメチル−(2−メトキシエチル)アンモニウム、酢酸N,N−ジエチルメチル−(2-メトキシエチル)アンモニウム等が挙げられる。これらのイオン液体は、単独で、又は2種以上の混合物として使用してもよい。
【0029】
以上の本実施形態の製造方法によって、難水溶性の多糖類またはその誘導体からなり橋かけ構造を有する多糖類ゲルを得ることができる。セルロース、キチン、キトサンなどの多糖類は、植物、動物由来の天然高分子であるため、これを原料とする多糖類ゲルは環境に優しい材料である。
【0030】
得られた多糖類ゲルは、水、又は、メタノール、エタノール、アセトン、ジクロロメタン、ジメチルアセトアミド等の有機溶剤を吸収可能であり、吸収体や保湿材として、使い捨てオムツなどの衛生用品や医療、化粧品の分野に利用することができる。例えば、多糖類ゲルの自重1に対して1重量倍以上の水又は有機溶剤を吸収可能な多糖類ゲルを得ることができる。
【0031】
以下に実施例を示し、さらに詳しく説明する。もちろん以下の例によって本発明が限定されることはない。
【実施例】
【0032】
<実施例1>
【0033】
セルロース(MERCK社製)100重量部に酢酸1−エチル−3−メチルイミダゾリウム310重量部及び水90重量部を加え、25℃において20重量%濃度のセルロース溶液を得た。この溶液の含水分量は18重量%である。この溶液に対してγ線を温度25℃で5〜60kGy照射した。
セルロースの橋かけ反応は5kGyから始まり、10kGyでゲル分率が最大値10%となることが確認できた。
【0034】
得られたゲルの5%塩化リチウム・ジメチルアセトアミドの吸収率は、ドライゲル1重量部当たり10重量部であった。
【0035】
なお、セルロースにイオン液体を加えず水のみを加えた混合物にγ線を照射したところ、その照射後の試料においてはゲルの形成を確認できなかった。
【0036】
上記ゲル分率は次のようにして求めた(下記実施例のゲル分率についても同様の方法で求めた)。
放射線照射後に得られた試料を乾燥し、更に50℃の真空乾燥器中で恒量になるまで乾燥させた。乾燥した試料を200メッシュのステンレス網に入れ、室温で24時間多量の蒸留水に浸漬した。このとき、橋かけしていない溶解部分は蒸留水側に移るため、ゲル成分のみがステンレス網中に残る。ゲル成分を包含したステンレス網を蒸留水でよく洗浄してから、更にメタノール中に1時間浸漬し、その後50℃で24時間乾燥させた。ゲル分率は次式により算出した。
ゲル分率(%)=(溶解成分を除いたゲル乾燥重量/初期乾燥重量)×100
【0037】
上記5%塩化リチウム・ジメチルアセトアミドの吸収率は次のようにして求めた(下記実施例の5%塩化リチウム・ジメチルアセトアミドの吸収率についても同様の方法で求めた)。
放射線照射後に得られた試料を多量の5%塩化リチウム・ジメチルアセトアミド溶液に室温で24時間浸漬後、多量の蒸留水で洗浄し、残留ゲルを凍結乾燥してドライゲルを得る。
ジメチルアセトアミドの吸収率は、得られたドライゲルを多量の5%塩化リチウム・ジメチルアセトアミドに漬け、1gのドライゲルが吸収する5%塩化リチウム・ジメチルアセトアミドの量(25℃ジメチルアセトアミド中平衡重量)で表わした。
【0038】
<実施例2>
キチン(フナコシ株式会社製)100重量部に臭化1−ブチル−3−メチルイミダゾリウム730重量部及び水170重量部を加え、25℃において10重量%濃度のキチンのスラリー状の混合物を得た。この混合物の含水分量は17重量%である。この混合物に対してγ線を25℃で10kGy照射した。照射後の試料のゲル分率は46%であり、ゲルが生成されていることを確認した。
【0039】
得られたゲルの5%塩化リチウム・ジメチルアセトアミドの吸収率は、ドライゲル1重量部当たり10重量部であった。
また、得られたゲルの水の吸収率は、ドライゲル1重量部当たり7.5重量部であった。この水の吸収率は、上記した5%塩化リチウム・ジメチルアセトアミドの吸収率の測定に使用したドライゲルと同様の方法で得たドライゲルを多量の水に漬け、1gのドライゲルが吸収する水の量(25℃水中平衡重量)で表わした。
【0040】
なお、キチンにイオン液体を加えず水のみを加えた混合物にγ線を照射したところ、その照射後の試料においてはゲルの形成を確認できなかった。
【0041】
<実施例3>
ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート(信越化学工業株式会社製)100重量部にギ酸N,N−ジエチルメチル−(2−メトキシエチル)アンモニウム、およびN,N−ジエチルメチル−(2−メトキシエチル)アンモニウム ビス(トリフルオロスルフォニル)アミドをそれぞれ200重量部加え、25℃において20重量%濃度のセルロース溶液を得た。この溶液に対してγ線を25℃で20kGy照射した。
照射後の試料について動的粘弾性測定を行ったところ、振動数1〜100rad/sの測定領域において試料の弾性率がほぼ一定となり、ゲル材料の挙動を示すことが分かった。このことからゲルが形成されていることが確認できた。また、照射後の試料はアセトンを吸収することも確認できた。
【0042】
なお、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレートにイオン液体を加えず水のみを加えた混合物にγ線を照射したところ、その照射後の試料においてはゲルの形成を確認できなかった。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
難水溶性の多糖類又はその誘導体からなる原料にイオン液体を含む溶媒を加えた混合物に放射線を照射してゲルを得ることを特徴とする多糖類ゲルの製造方法。
【請求項2】
前記放射線の照射線量が、0.1〜500kGyの範囲であることを特徴とする請求項1に記載の多糖類ゲルの製造方法。
【請求項3】
前記混合物は、前記原料100重量部に対して前記イオン液体が200〜10000重量部の割合で加えられていることを特徴とする請求項1又は2に記載の多糖類ゲルの製造方法。
【請求項4】
前記溶媒は水を含有し、前記混合物は、含水分量0.5〜50重量%の割合であることを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の多糖類ゲルの製造方法。
【請求項5】
前記原料は、セルロース、キチン、キトサン及びそれらの誘導体から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の多糖類ゲルの製造方法。
【請求項6】
前記イオン液体は、その構成するカチオンが、イミダゾリウムカチオン、ピリジニウムカチオン、ピロリジニウムカチオン、ピペリジニウムカチオン、ホスホニウムカチオン、又はアンモニウムカチオンであり、その構成するアニオンが、カルボン酸アニオン、又はハロゲンアニオン、ビス(トリフルオロスルフォニル)アミド、テトラフルオロボレート、又はヘキサフルオロホスフェートであることを特徴とする請求項1から5のいずれか一項に記載の多糖類ゲルの製造方法。
【請求項7】
請求項1から6のいずれかの方法によって得られた多糖類ゲルであって、難水溶性の多糖類またはその誘導体からなり橋かけ構造を有することを特徴とする多糖類ゲル。

【公開番号】特開2013−71942(P2013−71942A)
【公開日】平成25年4月22日(2013.4.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−209750(P2011−209750)
【出願日】平成23年9月26日(2011.9.26)
【出願人】(505374783)独立行政法人日本原子力研究開発機構 (727)
【Fターム(参考)】