Notice: Undefined variable: fterm_desc_sub in /mnt/www/biblio_conv.php on line 353
多能性幹細胞から誘導した細胞を精製するための方法
説明

多能性幹細胞から誘導した細胞を精製するための方法

本発明は、多能性幹細胞を分化させる方法を目的とする。具体的には、本発明は、膵内分泌系に特徴的なマーカーを発現している細胞へと分化させた細胞を、特有の表面マーカーを利用して性質決定する方法を提供する。本発明は、膵内分泌系に特徴的なマーカーを発現している細胞を、濃縮又は選別する方法も提供する。本発明は、本発明の方法により形成され、膵内分泌系に特徴的なマーカーを発現している細胞集団を混入する恐れのある細胞を枯渇させることで、移植後にインビボで形成される腫瘍の発生率を減少させる方法も提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本願は、2010年3月1日出願の米国特許仮出願第61/309,193号の優先権を主張する。
【0002】
(発明の分野)
本発明は、多能性幹細胞を分化させる方法を目的とする。具体的には、本発明は、膵内分泌系に特徴的なマーカーを発現している細胞へと分化させた細胞を、特有の表面マーカーを利用して性質決定する方法を提供する。本発明は、膵内分泌系に特徴的なマーカーを発現している細胞を、濃縮又は選別する方法も提供する。本発明は、本発明の方法により形成される膵内分泌系に特徴的なマーカーを発現している細胞集団に混入する恐れのある細胞を枯渇させることで、移植後にインビボで形成される腫瘍の発生率を減少させる方法も提供する。
【背景技術】
【0003】
多能性幹細胞は、すべての体細胞性組織及び臓器を構成する、分化型細胞を産生する、潜在能力を有する。細胞治療による糖尿病の処置は、ヒト膵島細胞と同様に機能し得る大量の細胞を産生することにより容易になる。したがって、多能性幹細胞から誘導されるこれらの細胞を産生することと、並びにこのような細胞を精製するための信頼性の高い方法とが必要とされている。
【0004】
多能性幹細胞及び多能性幹細胞から誘導される細胞集団で見出されるタンパク質及び他の細胞表面マーカーは、これらの集団を分離及び単離するための試薬を調製する際に有用である。細胞表面マーカーは、これらの細胞を更に特徴付けるのにも有用である。
【0005】
一例では、国際公開第2009131568号は、a)多能性幹細胞から誘導された、腸内胚葉細胞を含む細胞集団を、腸内胚葉細胞で発現している細胞表面マーカーに結合するリガンドに曝露すること(ここで、上記細胞表面マーカーは、CD49e、CD99、CD165、及びCD334からなる群から選択される);並びにb)腸内胚葉細胞を、多能性幹細胞から誘導された、リガンドと結合しない細胞から分離することで、上記腸内胚葉細胞を精製すること、を含む、腸内胚葉を精製する方法を開示する。
【0006】
別の例では、国際公開第2010000415号は、脂肪細胞、軟骨細胞及び膵臓細胞への分化能を有する幹細胞を単離する際に、単独で、あるいはCD56に結合する抗体又は抗体の機能断片と組み合わせで、TNAP抗原に結合する抗体又は抗体の機能断片を使用することを開示する。
【0007】
別の例では、米国特許第7371576号は、インスリン産生細胞又はインスリン産生細胞の凝集塊へと分化する傾向が非常に高い膵幹細胞の特有の画分を選別することを可能にする、選択的な細胞表面マーカーの発見について開示する。
【0008】
別の例では、米国特許第7585672号は、ヒト胚性幹細胞から誘導された培養物から内胚葉系及び膵臓系の細胞を濃縮するための方法を開示し、この方法は、(a)ヒト胚性幹細胞のインタクトなコロニーを培養して、臓側卵黄嚢(VYS)細胞により取り囲まれた、完全なインタクトな胚様体を形成させる工程であって、この際、ヒト胚性幹細胞は、Oct−4、発生段階特異的な胚表面抗原−3/4(SSEA 3/4)、及び上皮細胞接着分子(EpCAM)を発現する、工程;(b)胚葉体細胞を、内胚葉系及び膵臓系の細胞を含有している細胞集団へと分化させる条件下で、工程(a)の胚様体を培養する工程;(c)工程(b)の細胞集団を単独の細胞へと分散させる工程;(d)SSEA 3/4の発現が陽性の細胞を選別することで、工程(c)の細胞から未分化の細胞を除去する工程;(e)SSEA−1の発現が陽性の細胞を選別することで、工程(d)の残りの細胞からVYS細胞を除去する工程;及び(f)工程(e)の残りの細胞から、EpCAMの発現が陽性の細胞を選別することで、内胚葉系及び膵臓系の細胞を濃縮する工程、を含む。
【0009】
米国特許第7585672号は、ヒト胚性幹細胞から誘導された培養物から内胚葉系及び膵臓系の細胞を濃縮するための方法も開示し、この方法は、(a)ヒト胚性幹細胞のインタクトなコロニーを培養して、臓側卵黄嚢(VYS)細胞により取り囲まれた、完全なインタクトな胚様体を形成させる工程であって、この際、ヒト胚性幹細胞は、Oct−4、発生段階特異的な胚表面抗原−3/4(SSEA 3/4)、及び上皮細胞接着分子(EpCAM)を発現する、工程;(b)胚葉体細胞を、内胚葉系及び膵臓系の細胞を含有している細胞集団へと分化させる条件下で、工程(a)の胚様体を培養する工程;(c)工程(b)の細胞集団を有効量の線維芽細胞増殖因子10(FGFI 0)により処理する工程;及び(d)工程(c)の細胞集団を単独の細胞へと分散させ、内胚葉及び膵臓系の細胞を濃縮する工程、(e)SSEA−3/4の発現が陽性の細胞を選別することで、工程(d)の細胞から未分化の幹細胞を除去する工程;(f)SSEA−1の発現が陽性の細胞を選別することで、工程(e)の細胞からVYS細胞を除去する工程;及び(g)工程(f)の残りの細胞からEpCAMの発現が陽性の細胞を選別することで、内胚葉系及び膵臓系の細胞を濃縮する工程、を含む。
【0010】
米国特許第7585672号は、細胞集団から誘導された、腫瘍原性を持たない幹細胞を作製するための濃縮方法も開示し、この方法は、(a)ヒト胚性幹細胞のインタクトなコロニーを培養して、臓側卵黄嚢(VYS)細胞により取り囲まれた完全なインタクトな胚様体を作製する工程であって、この際、ヒト胚性幹細胞は、Oct−4、発生段階特異的な胚表面抗原−3/4(SSEA 3/4)、及び上皮細胞接着分子(EpCAM)を発現する、工程;(b)胚葉体細胞を、内胚葉系及び膵臓系の細胞を含有している細胞集団へと分化させる条件下で、工程(a)の胚様体を培養する工程;(c)工程(b)の細胞集団を単独の細胞へと分散させる工程;(d)SSEA 3/4の発現が陽性の細胞を選別することで、工程(c)の細胞から未分化の細胞を除去する工程;(e)SSEA−1の発現が陽性の細胞を選別することで、工程(d)の細胞からVYS細胞を除去する工程;並びに(f)工程(e)の残りの細胞から、EpCAMの発現が陽性の細胞を選別する工程、を含み、得られる細胞は、免疫不全状態のマウスに注入した場合に腫瘍を形成しない。
【0011】
別の例では、米国特許第20050260749号は、幹細胞から誘導された培養物から、内胚葉系及び膵臓系の細胞を濃縮する方法を開示し、この方法は、幹細胞を培養して胚様体を形成させる工程;及び胚葉体から、適切な種類の発現段階特異的な胚表面抗原を発現している胚葉体を選別する工程、並びに内胚葉細胞及び膵臓細胞へと分化させるにあたり、発現段階特異的な細胞表面抗原を発現しない胚様体のみを培養する工程、を含む。
【0012】
別の例では、米国特許第20100003749号は、膵臓幹細胞集団の単離を開示し、この案件では、膵臓幹細胞集団は、CD133+CD49f+膵臓幹細胞に関し濃縮されている。
【0013】
米国特許第20100003749号は、更に、膵臓細胞集団、膵臓由来の細胞集団、又は胃腸由来の細胞集団から、CD133+、CD49f+、又はCD133+CD49f+の細胞を選別すること;CD15+の細胞を除去することであって、ここで、残りの細胞はCD15−である、除去すること;残りの細胞を、増殖因子を1種以上含有している無血清培養培地に導入すること;並びに残りの細胞を培養培地で増殖させること、で生じる、プライマリーな膵臓組織(primary pancreatic tissue)からの膵臓幹細胞の単離を開示する。
【0014】
他の例では、Dorrell et.alは、「我々は、ヒト膵臓のすべての主要な細胞型の単離及び研究用の細胞表面マーカーに関する新規パネルを開発した。インタクトな、又は解離させたヒト膵島細胞によるBalb/Cマウスの差引き免疫化後にハイブリドーマを選別し、免疫組織化学及びフローサイトメトリーにより細胞型特異性及び細胞表面反応性を評価した。膵島(膵内分泌腺(panendocrine)又は膵島α細胞(α-specific))上の及び膵島のものではない膵臓細胞のサブセット(外分泌腺及び管)上の表面抗原への特異的な結合性により、抗体を識別した。これらの抗体を別個に又は組み合わせて使用することで、FACSにより、プライマリーなヒト膵臓からα細胞集団、β細胞集団、外分泌細胞集団、又は管細胞集団を単離し、ヒト膵島調製物の詳細な細胞組成について特徴付けした。これらの抗体は、ヒト膵島の増殖培養物が非内分泌細胞に由来したことと、亜集団を選別し、転写因子Pdx−1及びngn3を過剰発現させることにより、インスリン発現レベルを最大で通常の島細胞の1%にまで上昇させることができることとを示す際にも採用され、この培養系により、前述の結果は大きく改善された。これらの方法は、細胞治療に可能性のある、機能的に異なる膵臓細胞集団の解析及び単離を可能にする」(Stem Cell Research,Volume 1,Issue 3,September 2008,Pages 155〜156)と記載している。
【0015】
他の例では、Sugiyama et al.は、「我々は、最終的に、マウスからNGN3+細胞を精製するのに有用な、CD133及びCD49fと呼ばれる2つの抗原を同定した。CD133(プロミニン(prominin)−1とも呼ばれる)は、機能未知の膜貫通型タンパク質であり、かつ造血細胞前駆体及び神経幹細胞の既知のマーカーである。CD49fは、α6−インテグリンとも呼ばれ、ラミニンの受容体サブユニットである。CD133及びCD49fを認識する抗体を組み合わせることで、我々は4種の異なる膵臓細胞集団を分取した。免疫染色及びRT−PCRにより、細胞集団CD49fhigh CD133+(「フラクションI」、使用量のうち50%)は、CarbAを発現している分化した外分泌細胞により主に構成されることが明らかになった。CD49flow CD133−フラクション(「フラクションIII」、使用量のうち10%)は、インスリン及びグルカゴンなどの内分泌腺分泌物を発現しているホルモン+細胞を包含していた。対照的に、CD49flow CD133+フラクション(名称「フラクションII」、使用量のうち13%)は、NGN3+細胞を含有していたものの、ホルモン+細胞は含有していなかった。フラクションIIの細胞のうち、およそ8%は免疫染色可能なNGN3を産生していた。CD49f−CD133−フラクション(「フラクションIV」、使用量のうち25%)では、我々はNGN3、CarbA又は膵島ホルモンを発現している細胞を検出できなかった」(Diabetes,Obesity and Metabolism,Volume 10,Issue s4,Pages 179〜185)と記載している。
【0016】
別の例では、Fujikawa et al.は、「CD45−TER119−side−scatterlow GFPhigh細胞を選別したところ、高い増殖性を持つ、α−フェトプロテイン陽性の未熟内胚葉と特徴付けられる細胞がこの集団に存在していた。クローン解析及び電子顕微鏡による評価により、この集団中の各単独の細胞が、肝細胞だけでなく、胆嚢上皮細胞ヘも分化することができ、二系統への分化活性を示すことが明らかになった。それらは、表面マーカーを解析した場合には、インテグリン−α6及び−β1に関し陽性であったが、c−Kit及びThy1.1に関しては陰性であった」(Journal of Hepatlogy,Vol 39,pages 162〜170)と記載している。
【0017】
別の例では、Zhao et al.は、「本研究において、我々は、hES細胞誘導体から精製するにあたり、肝内胚葉細胞の表面マーカーとして最初にN−カドヘリンを同定し、ネズミ胚性間質フィーダー(STO)細胞と共培養することで、精製肝内胚葉細胞から肝前駆細胞を生成した。これらの肝前駆細胞は、100日超にわたり増殖させ及び継代することができる。興味深いことに、これらは初期肝臓マーカーAFP及び胆嚢系マーカーKRT7を共発現していたことから、肝細胞及び胆管細胞の両方の共通の祖先細胞であることが示唆された。更に、これらの前駆細胞は、遺伝子発現及び機能アッセイの両方により確認されるように、肝細胞様細胞及び胆管細胞様細胞への二分化能を維持させつつ広範に拡張することができた。したがって、本研究により、肝臓の発達を研究するための新規のインビトロモデル、並びに肝前駆細胞に基づく細胞治療用の新規資源が提供されることになる。」(PLoS ONE 4(7):e6468.doi:10.1371/joumal.pone.0006468)と記載している。
【0018】
別の例では、Cai et al.は、「PDX1+細胞の純度を更に高めるために、我々はCXCR4などの、ES細胞から誘導される内皮細胞のマーカーを用い、アクチビンA誘導型の細胞を選別した。CXCR4+集団のほとんどすべての細胞で内皮細胞マーカーSOX17が陽性であり、かつ90%超の細胞でFOXA2が陽性であったことから、CXCR4を高発現している内皮細胞集団が選別された。」(Journal of Molecular Cell Biology Advance Access originally published online on November 12,2009.Journal of Molecular Cell Biology 2010 2(1):50〜60;doi:10.1093/jmcb/mjp037)と記載している。
【0019】
別の例では、Koblas et al.は、「我々は、CD133陽性のヒト膵臓細胞集団が、ニューロゲニン−3を発現している内分泌腺前駆細胞、並びに多能性幹細胞のマーカー(ヒトテロメアーゼ、ABCG2、Oct−3/4、Nanog、及びRex−1)を発現している細胞を包含していることを見出した。これらの細胞は、インビトロでインスリン産生細胞ヘと分化させることができるものであり、及びグルコース依存性の様式でC−ペプチドを分泌した。我々の研究結果に基づき、我々は、CD133分子が、膵内分泌系前駆細胞の同定及び単離に好適な別の細胞表面マーカーを提示するものと仮定している」(Transplant Proc.2008 Mar;40(2):415−8)と記載している。
【0020】
別の例では、Sugiyama et al.は、「我々は、NGN3+細胞がCD133を発現していることを見出した。CD133は、明らかに膵管上皮細胞の頂端膜に局在している。」(PNAS 2007 104:175〜180;書籍として出版される前にインターネットで公開、2006年12月26日,doi:10.1073/pnas.0609490104)と記載している。
【0021】
別の例では、Kobayashi et al.は、「胚性膵上皮及び後の管上皮では、膵臓が発達するにつれて内分泌及び外分泌細胞が増加することが既知であるが、同定されたこれらの細胞に関する特異的な表面マーカーは存在しない。この度、我々は、マウス膵臓の発達時に、これらの上皮細胞に特異的なマーカーとしてDolichos Biflorus Agglutinin(DBA)を利用した。フルオレセインDBA及び膵臓特異的な細胞マーカーを用いる免疫蛍光研究の結果から、我々は、DBAは特異的に上皮を検出する一方で、内分泌細胞又は腺房細胞のいずれも区別しなかったことを見出した。我々は、膵臓細胞集団の発達時の混合物からこれらの推定上の多能性細胞を精製するために、このマーカーを更に免疫磁気ビーズによる分離系(Dynabead系)においてマーカーとして利用した。この手順は、膵臓の発達において、分化研究及び細胞系の選別に使用することができ、また、細胞工学に使用できる可能性のある膵臓前駆細胞の選別にも使用することができる。」(Biochemical及びBiophysical Research Communications,Volume 293,Issue 2,2002年5月3日,691〜697頁)と記載している。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0022】
多能性幹細胞から得られた細胞により発現されているマーカーを同定することで、これらの細胞に対する理解を深めることができ、インビボ及びインビトロでのそれらの同定の一助となる場合があり、並びに研究及び使用に際しては、インビトロにおいて、それらの発現が陽性である細胞を濃縮することが可能になり得る。したがって、多能性幹細胞から誘導された細胞、具体的には、膵内分泌系に特徴的なマーカーを発現している細胞を、単離及び特徴付けするのに有用なツールが未だに必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0023】
一実施形態では、本発明は、多能性幹細胞集団を、膵内分泌系に特徴的なマーカーを発現している細胞集団へと分化させる方法を提供し、この方法は以下の工程を含む:
a.多能性幹細胞集団を培養する工程、
b.多能性幹細胞集団を、胚体内胚葉系に特徴的なマーカーを発現している細胞集団へと分化させる工程、
c.胚体内胚葉系に特徴的なマーカーを発現している細胞集団を、初期腸管系に特徴的なマーカーを発現している細胞へと分化させる工程、
d.初期腸管系に特徴的なマーカーを発現している細胞集団を、膵内胚葉系に特徴的なマーカーを発現している細胞集団へと分化させる工程、並びに
e.膵内胚葉系に特徴的なマーカーを発現している細胞集団を、膵内分泌系に特徴的なマーカーを発現している細胞集団へと分化させる工程。
【0024】
一実施形態では、膵内分泌系に特徴的なマーカーを発現している細胞集団は動物に移植され、この場合、膵内分泌系に特徴的なマーカーを発現している細胞はインスリン産生細胞を形成する。一実施形態では、インスリン産生細胞の生成効率は、移植前に、膵内分泌系に特徴的なマーカーを発現している細胞集団を濃縮することで増加する。
【0025】
一実施形態では、インスリン産生細胞の生成効率は、C−ペプチドの発現が、移植後、検出可能なレベルに到達するまでにかかる時間を測定することで判定される。
【0026】
別の実施形態では、濃縮させることで、移植した細胞の、移植後のテラトーマ形成能が減少する。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】細胞集団CD56+CD13-、CD56-CD13-及びCD56-CD13+での、NEUROD(パネルa)、NGN3(パネルb)、PDX1(パネルc)、及びNKX6.1(パネルd)の発現を、リアルタイムPCRによる検出結果として示す。発現量(Fold expression)は、未分化のH1胚性幹細胞と比較して示す。
【図1−1】細胞集団CD56+CD13−、CD56−CD13−及びCD56−CD13+での、NKX2.2(パネルe)及びPAX4(パネルf)の発現を、リアルタイムPCRによる検出結果として示す。発現量(Fold expression)は、未分化のH1胚性幹細胞と比較して示す。
【図2】CD133に対する抗体を用いて選別した細胞集団での、NEUROD(パネルa)、NGN3(パネルb)、PDX1(パネルc)、及びNKX6.1(パネルd)の発現を、リアルタイムPCRによる検出結果として示す。発現量は、未分化のH1胚性幹細胞と比較して示す。
【図2−1】CD133に対する抗体を用いて選別した細胞集団での、NKX2.2(パネルe)及びPAX4(パネルf)の発現を、リアルタイムPCRによる検出結果として示す。発現量は、未分化のH1胚性幹細胞と比較して示す。
【図3】CD49cに対する抗体を用いて選別した細胞集団での、NEUROD(パネルa)、NGN3(パネルb)、PDX1(パネルc)、及びNKX6.1(パネルd)の発現を、リアルタイムPCRによる検出結果として示す。発現量は、未分化のH1胚性幹細胞と比較して示す。
【図4】CD56及びCD15に対する抗体を用いて選別した細胞集団における、NEUROD(パネルa)、NGN3(パネルb)、PDX1(パネルc)、及びNKX6.1(パネルd)の発現を、リアルタイムPCRによる検出結果として示す。発現量は、未分化のH1胚性幹細胞と比較して示す。
【図4−1】CD56及びCD15に対する抗体を用いて選別した細胞集団における、インスリン(パネルe)及びグルカゴン(パネルf)の発現を、リアルタイムPCRによる検出結果として示す。発現量は、未分化のH1胚性幹細胞と比較して示す。
【図5】CD15に対する抗体を用いて選別した細胞集団での、NEUROD(パネルa)、NGN3(パネルb)、PDX1(パネルc)、及びNKX6.1(パネルd)の発現を、リアルタイムPCRによる検出結果として示す。発現量は、未分化のH1胚性幹細胞と比較して示す。
【図5−1】CD15に対する抗体を用いて選別した細胞集団での、NKX2.2(パネルe)、PAX−4(パネルf)、グルカゴン(パネルg)及びインスリン(パネルh)の発現を、リアルタイムPCRによる検出結果として示す。発現量は、未分化のH1胚性幹細胞と比較して示す。
【図6】CD56及びCD57に対する抗体を用いて選別した細胞集団での、NEUROD(パネルa)、NGN3(パネルb)、PDX1(パネルc)、及びNKX6.1(パネルd)の発現を、リアルタイムPCRによる検出結果として示す。発現量は、未分化のH1胚性幹細胞と比較して示す。
【図6−1】CD56及びCD57に対する抗体を用いて選別した細胞集団での、NKX2.2(パネルe)、インスリン(パネルf)、及びグルカゴン(パネルg)の発現を、リアルタイムPCRによる検出結果として示す。発現量は、未分化のH1胚性幹細胞と比較して示す。
【図7】CD56及びCD184に対する抗体を用いて選別した細胞集団での、ZIC1(パネルa)、アルブミン(パネルb)、CDX2(パネルc)、NGN3(パネルd)、PAX4(パネルe)、及びNEUROD(パネルf)の発現を、リアルタイムPCRによる検出結果として示す。発現量は、未分化のH1胚性幹細胞と比較して示す。
【図7−1】CD56及びCD184に対する抗体を用いて選別した細胞集団での、NKX6.1(パネルg)、PTF1 α(パネルh)、及びPDX1(パネルi)の発現を、リアルタイムPCRによる検出結果として示す。発現量は、未分化のH1胚性幹細胞と比較して示す。
【図8】CD98に対する抗体を用いて選別した細胞集団での、NEUROD(パネルa)、NGN3(パネルb)、インスリン(パネルc)、及びグルカゴン(パネルd)の発現を、リアルタイムPCRによる検出結果として示す。発現量は、未分化のH1胚性幹細胞と比較して示す。
【図9】CD47に対する抗体を用いて選別した細胞集団での、NEUROD(パネルa)、NGN3(パネルb)、PDX1(パネルc)、及びNKX6.1(パネルd)、の発現を、リアルタイムPCRによる検出結果として示す。発現量は、未分化のH1胚性幹細胞と比較して示す。
【図9−1】CD47に対する抗体を用いて選別した細胞集団での、NKX2.2(パネルe)及びPAX4(パネルf)の発現を、リアルタイムPCRによる検出結果として示す。発現量は、未分化のH1胚性幹細胞と比較して示す。
【図10】CD47に対する抗体を用いて選別した細胞集団での、PDX−1(パネルa)、NKX6.1(パネルb)、NKX2.2(パネルc)、及びPAX−4(パネルd)の発現を、リアルタイムPCRによる検出結果として示す。発現量は、未分化のH1胚性幹細胞と比較して示す。
【図10−1】CD47に対する抗体を用いて選別した細胞集団での、PTF1a(パネルe)、NGN3(パネルf)、インスリン(パネルg)及びグルカゴン(パネルh)の発現を、リアルタイムPCRによる検出結果として示す。発現量は、未分化のH1胚性幹細胞と比較して示す。
【図11】LIF受容体に対する抗体を用いて選別した細胞集団における、HNF4 α(パネルa)、及びLIF受容体(パネルb)の発現を、リアルタイムPCRによる検出結果として示す。発現量は、実施例1に概略される分化プロトコルの、ステージIIの2日目の選別されていない細胞と比較して示す。
【図12】SSEA4を発現している細胞を磁気ビーズを用い枯渇させた細胞集団での、OCT4(パネルa)、NANOG(パネルb)、SOX2(パネルc)、及びグースコイド(パネルd)の発現を、リアルタイムPCRによる検出結果として示す。発現量は、未分化のH1胚性幹細胞と比較して示す。
【図13】SSEA4を発現している細胞をFACSを用い枯渇させた細胞集団における、OCT4(パネルa)、NANOG(パネルb)、SOX2(パネルc)、及びグースコイド(パネルd)の発現を、リアルタイムPCRによる検出結果として示す。発現量は、未分化のH1胚性幹細胞と比較して示す。
【発明を実施するための形態】
【0028】
開示を分かりやすくするため、限定を目的とすることなく、「発明を実施するための形態」を本発明の特定の特徴、実施形態、又は用途を、説明又は例示する下記の小項目に分割する。
【0029】
定義
「β細胞系」は、転写因子PDX−1、及び以下の転写因子、すなわち、NGN3、NKX2.2、NKX6.1、NEUROD、ISL1、HNF−3 β、MAFA、PAX4、及びPAX6のうちの少なくとも1つについて遺伝子の発現が陽性である細胞を指す。β細胞系に特徴的なマーカーを発現している細胞としては、β細胞が挙げられる。
【0030】
本明細書で使用するとき、「胚体内胚葉系に特徴的なマーカーを発現している細胞」とは、以下のマーカー、すなわちSOX17、GATA4、HNF−3 β、GSC、CER1、Nodal、FGF8、Brachyury、Mix様ホメオボックスタンパク質、FGF4 CD48、エオメソダーミン(eomesodermin)(EOMES)、DKK4、FGF17、GATA6、CD184、C−Kit、CD99又はOTX2のうちの少なくとも1つを発現する細胞を指す。胚体内胚葉系に特徴的なマーカーを発現している細胞としては、原始線条前駆体細胞、原始線条細胞、中内胚葉細胞及び胚体内胚葉細胞が挙げられる。
【0031】
「初期腸管系に特徴的なマーカーを発現している細胞」は、以下のマーカー、すなわち、HNF−1 β、又はHNF−4 αのうちの少なくとも1つを発現している細胞を指す。
【0032】
本明細書で使用するとき、「膵内胚葉系に特徴的なマーカーを発現している細胞」は、以下のマーカー、すなわち、PDX1、HNF−1 β、PTF−1 α、HNF6、又はHB9のうちの少なくとも1つを発現している細胞を指す。膵内胚葉系に特徴的なマーカーを発現している細胞としては、膵内胚葉細胞が挙げられる。
【0033】
本明細書で使用するとき、「膵内分泌系に特徴的なマーカーを発現している細胞」は、以下のマーカー、すなわち、NGN3、NEUROD、ISLI、PDX1、NKX6.1、PAX4、NGN3、又はPTF−1 αのうちの少なくとも1つを発現している細胞を指す。膵内分泌系に特徴的なマーカーを発現している細胞としては、膵内分泌細胞、膵臓ホルモン発現細胞及び膵臓ホルモン分泌細胞、並びにβ細胞系の細胞が挙げられる。
【0034】
本明細書で使用するとき、「胚体内胚葉」は、原腸形成中、胚盤葉上層から生じ、胃腸管及びその誘導体を形成する細胞の特徴を保有している細胞を指す。胚体内胚葉細胞は、以下のマーカー、すなわち、CD184、HNF−3 β、GATA4、SOX17、ケルベロス、OTX2、グースコイド、c−Kit、CD99、及びMixl1を発現する。
【0035】
本明細書で使用するとき、「マーカー」は、対象とする細胞での発現の仕方が異なる核酸又はポリペプチド分子である。この文脈において、差異的な発現は、陽性マーカーのレベルの増大及び陰性マーカーのレベルの減少を意味する。マーカー核酸又はポリペプチドの検出可能なレベルは、他の細胞と比較して対象とする細胞において充分に高いか又は低いことから、当該技術分野において知られる各種の方法のいずれを用いても対象とする細胞を他の細胞から識別及び区別することが可能である。
【0036】
本明細書で使用するとき、「膵内分泌細胞」又は「膵臓ホルモン発現細胞」とは、以下のホルモンのうちの少なくとも1つを発現することが可能な細胞を指す:インスリン、グルカゴン、ソマトスタチン、及び膵臓ポリペプチド。
【0037】
本明細書で使用するとき、「膵臓ホルモン分泌細胞」は、以下のホルモンのうちの少なくとも1つを分泌できる細胞を指す:インスリン、グルカゴン、ソマトスタチン、及び膵臓ポリペプチド。
【0038】
本明細書で使用するとき、「前原始線条細胞」は、以下のマーカーのうちの少なくとも1つを発現する細胞を指す:Nodal、又はFGF8。
【0039】
本明細書で使用するとき、「原始線条細胞」は、以下のマーカーのうちの少なくとも1つを発現している細胞を指す:Brachyury、Mix様ホメオボックスタンパク質、又はFGF4。
【0040】
幹細胞は、単独の細胞レベルで自己複製し、分化して後代細胞を生成するという、これらの両方の能力で定義される未分化細胞であり、後代細胞には、自己複製前駆細胞、非再生前駆細胞、及び最終分化細胞が含まれる。幹細胞はまた、インビトロで複数の胚葉層(内胚葉、中胚葉及び外胚葉)から様々な細胞系の機能的細胞へと分化する能力によって、また移植後に複数の胚葉層の組織を生じ、胚盤胞への注入後、すべてではないとしても殆どの組織を提供する能力によっても、特徴付けられる。
【0041】
幹細胞は、発生上の能力によって、(i)すべての胚性及び胚体外細胞型を生ずる能力を有することを意味する分化全能性、(ii)すべての胚性細胞のタイプを生ずる能力を有することを意味する分化万能性、(iii)細胞系のサブセットを生ずる能力を有するが、それらがすべて特定の組織、臓器、又は生理学的システムのものであるような分化多能性(例えば、造血幹細胞(HSC)は、HSC(自己複製性)、血球限定的寡能性前駆細胞、及び血液の通常の成分であるすべての細胞型及び要素(例、血小板)を含む子孫細胞を生じ得る)、(iv)多能性幹細胞よりも限定された細胞系のサブセットを生ずる能力を有することを意味する分化寡能性、及び(v)単一の細胞系(例、精原幹細胞)を生ずる能力を有することを意味する分化単一性に分類される。
【0042】
分化は、専門化されていない(「中立の」)又は比較的専門化されていない細胞が、例えば、神経細胞又は筋細胞などの専門化された細胞の特徴を獲得するプロセスである。分化細胞又は分化を誘導された細胞は、細胞系内でより専門化された(「分化決定された」)状況を呈している細胞である。分化のプロセスについて用いられる場合、「分化決定された」なる用語は、通常の条件下で特定の細胞型又は細胞型のサブセットにまで分化し続けるが、通常の条件下では異なる細胞型には分化できず、分化のより未熟な細胞型にも戻ることができない点にまで分化経路を進んだ細胞のことを指す。脱分化とは、細胞が、細胞系においてより専門化(又は分化決定)されていない位置にまで戻るプロセスのことを指す。本明細書で使用するとき、細胞系とは、その細胞の遺伝、すなわちその細胞がどの細胞から生じたものであり、どのような細胞を生じ得るか、ということを定義するものである。ある細胞系とは、発生及び分化の遺伝スキーム内にその細胞を位置付けるものである。系統特異的マーカーとは、対象とする系統の細胞の表現型と特異的に関連した特徴を指し、分化決定されていない細胞の、対象とする系統への分化を評価するために使用することができる。
【0043】
培養中の細胞を記載するために様々な用語が用いられる。「維持」は、一般に、細胞集団の増加をもたらし得る又はもたらし得ない、細胞の成長及び/又は分裂を促進する条件下で、増殖培地中に細胞を置くことを意味する。「継代」は、細胞増殖及び/又は細胞分裂を促進する条件下で、細胞を1番目の培養容器から取り出し、それらの細胞を2番目の培養容器へと設置するプロセスを指す。
【0044】
特定の細胞集団又は細胞株は、しばしば継代された回数によって呼称されるか特徴付けられる。例えば、10回継代された培養細胞集団はP10培養物と呼ばれる場合がある。初代培養、すなわち組織から細胞を単離した後の最初の培養はP0と称される。最初の継代培養の後、細胞は2次培養(P1又は継代数1)と記載される。2回目の継代培養の後では細胞は3次培養物(P2又は継代数2)となる、といった具合である。当業者であれば、継代期間中に集団は何度も倍加し得るものであり、したがってある培養の集団倍加の回数は継代数よりも大きいことは理解されるであろう。各継代間の期間での細胞の増殖(すなわち集団倍加数)は、播種密度、基質、培地、培養条件、及び継代間の時間が挙げられるがこれらに限定されない多くの因子に依存する。
【0045】
膵内分泌系に特徴的なマーカーを発現している細胞の濃縮
一実施形態では、本発明は、多能性幹細胞集団を、膵内分泌系に特徴的なマーカーを発現している細胞集団へと分化させる方法を提供し、この方法は以下の工程を含む:
a.多能性幹細胞集団を培養する工程、
b.多能性幹細胞集団を、胚体内胚葉系に特徴的なマーカーを発現している細胞集団へと分化させる工程、
c.胚体内胚葉系に特徴的なマーカーを発現している細胞集団を、初期腸管系に特徴的なマーカーを発現している細胞へと分化させる工程、
d.初期腸管系に特徴的なマーカーを発現している細胞集団を、膵内胚葉系に特徴的なマーカーを発現している細胞集団へと分化させる工程、並びに
e.膵内胚葉系に特徴的なマーカーを発現している細胞集団を、膵内分泌系に特徴的なマーカーを発現している細胞集団へと分化させる工程。
【0046】
一実施形態では、膵内分泌系に特徴的なマーカーを発現している細胞集団は動物に移植され、この場合、膵内分泌系に特徴的なマーカーを発現している細胞はインスリン産生細胞を生成する。一実施形態では、インスリン産生細胞の生成効率は、移植前に、膵内分泌系に特徴的なマーカーを発現している細胞集団を濃縮することで増加する。
【0047】
一実施形態では、インスリン産生細胞の生成効率は、C−ペプチドの発現が、移植後、検出可能なレベルに到達するまでにかかる時間を測定することで判定される。
【0048】
別の実施形態では、濃縮させることで、移植した細胞の、移植後のテラトーマ形成能が減少する。
【0049】
膵内分泌系のマーカーを発現している細胞は、細胞表面上に見出される、細胞表面抗原に特異的に結合する試薬に対する抗原の結合により、同定又は選別される。
【0050】
別の実施形態では、膵内分泌系に特徴的なマーカーを発現している細胞は、動物に移植する前に、インスリン産生細胞へと更に分化させる。インスリン産生細胞は、細胞表面上に見出される、細胞表面抗原に特異的に結合する試薬に対する抗原の結合により、同定又は選別される。
【0051】
代替的実施形態では、本発明は、多能性幹細胞集団を、膵内分泌系に特徴的なマーカーを発現している細胞集団へと分化させる方法を提供し、この方法は以下の工程を含む:
a.多能性幹細胞集団を培養する工程、
b.多能性幹細胞集団を、胚体内胚葉系に特徴的なマーカーを発現している細胞集団へと分化させる工程、
c.胚体内胚葉系に特徴的なマーカーを発現している細胞集団を、初期腸管系に特徴的なマーカーを発現している細胞へと分化させる工程、
d.初期腸管系に特徴的なマーカーを発現している細胞集団を濃縮する工程、
e.初期腸管系に特徴的なマーカーを発現している細胞集団を、膵内胚葉系に特徴的なマーカーを発現している細胞集団へと分化させる工程、並びに
f.膵内胚葉系に特徴的なマーカーを発現している細胞集団を、膵内分泌系に特徴的なマーカーを発現している細胞集団へと分化させる工程。
【0052】
一実施形態では、膵内分泌系に特徴的なマーカーを発現している細胞集団は動物に移植され、この場合、膵内分泌系に特徴的なマーカーを発現している細胞はインスリン産生細胞を形成する。一実施形態では、インスリン産生細胞の生成効率は、移植前に、初期腸管系に特徴的なマーカーを発現している細胞集団を濃縮することで増加する。
【0053】
初期腸管系のマーカーを発現している細胞は、細胞表面に見出される、細胞表面抗原に特異的に結合する試薬に対する抗原の結合により、同定又は選別される。
【0054】
膵内分泌系に特徴的なマーカーを発現している細胞の濃縮を促進する表面抗原
一実施形態では、動物に移植する前に、膵内分泌系に特徴的なマーカーを発現している細胞集団は、CD9、CD13、CD15、CD47、CD56、CD73、CD117、CD133、CD184、CD200、CD318、CD326及びSSEA4からなる群から選択されるマーカーに結合することのできる、少なくとも1種の試薬により処理される。
【0055】
一実施形態では、少なくとも1種の試薬により処理することで、マーカーCD56の発現が陽性であり、かつマーカーCD13の発現が陰性である、膵内分泌系に特徴的なマーカーを発現している細胞集団が得られる。
【0056】
一実施形態では、少なくとも1種の試薬により処理することで、マーカーCD56の発現が陽性であり、かつマーカーCD15の発現が陰性である、膵内分泌系に特徴的なマーカーを発現している細胞集団が得られる。
【0057】
一実施形態では、少なくとも1種の試薬により処理することで、マーカーCD133の発現が陰性である、膵内分泌系に特徴的なマーカーを発現している細胞集団が得られる。
【0058】
一実施形態では、少なくとも1種の試薬により処理することで、マーカーCD15の発現が陰性である、膵内分泌系に特徴的なマーカーを発現している細胞集団が得られる。
【0059】
一実施形態では、少なくとも1種の試薬により処理することで、マーカーCD184の発現が陽性である、膵内分泌系に特徴的なマーカーを発現している細胞集団が得られる。
【0060】
一実施形態では、少なくとも1種の試薬により処理することで、マーカーSSEA4の発現が陰性である、膵内分泌系に特徴的なマーカーを発現している細胞集団が得られる。
【0061】
インスリン産生細胞の濃縮を促進する表面抗原
一実施形態では、動物に移植する前に、膵内分泌系に特徴的なマーカーを発現している細胞集団を、インスリン産生細胞集団へと更に分化させる。インスリン産生細胞集団を、CD47、CD56、CD57 CD98及びSSEA4からなる群から選択されるマーカーと結合することのできる少なくとも1種の試薬により処理する。
【0062】
一実施形態では、少なくとも1種の試薬により処理することで、マーカーCD56及びCD57の発現が陽性であるインスリン産生細胞集団が得られる。あるいは、インスリン産生細胞集団は、CD98の発現が陽性であってもよい。あるいは、インスリン産生細胞集団は、CD47の発現が陰性であってもよい。
【0063】
一実施形態では、少なくとも1種の試薬により処理することで、マーカーSSEA4の発現が陰性であるインスリン産生細胞集団が得られる。
【0064】
CD13は、大多数の末梢血単球及び顆粒球で発現されている。CD13は、ほとんどの急性骨髄性白血病、急性転化した慢性骨髄性白血病、少数のリンパ性白血病及び骨髄細胞株でも発現されている。CD13は、線維芽細胞及び内皮細胞などの数種類の非造血細胞でも、並びに血漿中で可溶性の形態でも見出される。CD13は、B細胞、T細胞、血小板、又は赤血球では発現しない。CD13は、活性ペプチドの代謝、増殖及び分化の調節、貪食作用、並びに殺菌性/殺腫瘍性において役割を果たす。CD13もヒトコロナウイルス(HCV)の受容体として働く。
【0065】
CD15は、糖タンパク質、糖脂質、及びプロテオグリカン上で発現され得る炭水化物接着分子である。CD15は、好中球で見られる貪食作用及び走化性を介在するものであり、ホジキン病患者、一部のB細胞型慢性リンパ球性白血病患者、急性リンパ性白血病患者、及びほとんどの急性非リンパ性白血病患者で発現される。CD15はLewis x及びSSEA−1(ステージ特異的胚抗原1)とも呼ばれ、マウス多能性幹細胞のマーカーにもなり、着床前胚において、細胞の接着及び移動に重要な役割を果たす。
【0066】
CD47は膜タンパク質であり、細胞外マトリックスへの細胞接着に応じて生じる、細胞内のカルシウム濃度の上昇に関与する。このタンパク質はまた、トロンボスポンジンのC末端にある細胞結合ドメインの受容体でもあり、膜輸送及びシグナル伝達で機能し得る。
【0067】
神経細胞接着分子(NCAM)としても既知であるCD56は、同種親和性の結合を行なう糖タンパク質であり、神経細胞、神経膠細胞、骨格筋細胞及びナチュラルキラー細胞の表面に発現する。NCAMは、細胞間接着、神経突起伸長、シナプス可塑性、並びに学習及び記憶に機能することが示唆されている。
【0068】
HNK−1又はLeu−7としても既知のCD57は、特定の細胞型の細胞外タンパク質で検出された、抗原性のオリゴ糖断片である。血液中では、CD57はNK及びT細胞のサブセットを包含する単核細胞の15〜20%で見られるが、赤血球、単球、顆粒球、又は血小板では見られない。同様に、CD57の発現は様々な神経系細胞型でも見出すことができる。
【0069】
CD98は大型中性アミノ酸輸送体(LAT1)の小型のサブユニットを含む糖タンパク質である。LAT1はヘテロ二量体の膜輸送タンパク質であり、中性の分枝状(バリン、ロイシン、イソロイシン)及び芳香族(トリプトファン、チロシン)アミノ酸を選択的に輸送する。
【0070】
CD133は、ヒト及びげっ歯目においてプロミニン1(PROM1)としても既知である糖タンパク質である。CD133は膜貫通型糖タンパク質のペンタスパン(pentaspan)(5−膜貫通型、5−TM)のメンバーであり、細胞の突起に特異的に局在する。CD133は、造血幹細胞、血管内皮前駆細胞、神経膠芽腫、神経幹細胞、及び膠幹細胞で発現される。Corbeil et al.,Biochem Biophys Res Commun 285(4):939〜14,2001.doi:10.1006/bbrc.2001.5271.PMID 11467842を参照されたい。
【0071】
初期腸管系に特徴的なマーカーを発現している細胞の濃縮を促進する表面抗原
代替的実施形態では、本発明は、多能性幹細胞集団を、膵内分泌系に特徴的なマーカーを発現している細胞集団へと分化させる方法を提供し、この方法は以下の工程を含む:
a.多能性幹細胞集団を培養する工程、
b.多能性幹細胞集団を、胚体内胚葉系に特徴的なマーカーを発現している細胞集団へと分化させる工程、
c.胚体内胚葉系に特徴的なマーカーを発現している細胞集団を、初期腸管系に特徴的なマーカーを発現している細胞へと分化させる工程、
d.初期腸管系に特徴的なマーカーを発現している細胞集団を濃縮する工程、
e.初期腸管系に特徴的なマーカーを発現している細胞集団を、膵内胚葉系に特徴的なマーカーを発現している細胞集団へと分化させる工程、並びに
f.膵内胚葉系に特徴的なマーカーを発現している細胞集団を、膵内分泌系に特徴的なマーカーを発現している細胞集団へと分化させる工程。
【0072】
一実施形態では、膵内分泌系に特徴的なマーカーを発現している細胞集団は動物に移植され、この場合、膵内分泌系に特徴的なマーカーを発現している細胞はインスリン産生細胞を形成する。一実施形態では、インスリン産生細胞の生成効率は、移植前に、初期腸管系に特徴的なマーカーを発現している細胞集団を濃縮することで増加する。
【0073】
初期腸管系に特徴的なマーカーを発現している細胞集団は、LIF受容体と結合することのできる少なくとも1種の試薬により処理する。
【0074】
膵内分泌系に特徴的なマーカーを発現している細胞、初期腸管系に特徴的なマーカーを発現している細胞又はインスリン産生細胞を、実施例に更に記載されるように濃縮、枯渇、単離、選別、及び/又は精製することもできる。本明細書で使用するとき、用語「濃縮した」又は「精製した」、あるいは「他の既知の細胞集団を枯渇させることにより濃縮した又は精製した」とは、細胞集団が濃縮及び/又は精製されるよう、細胞を何らかの選別プロセスにかけたことを示す。同様に、対象とする細胞が、比較的濃縮され及び/又は精製されている場合も考慮され、すなわち、別の細胞集団と比較して、「濃縮」又は「精製」前の多能性幹細胞と比較して、あるいは元の細胞培養物又は開始時細胞培養物と比較して、特定の分化細胞集団が有意に多い場合も考慮される。
【0075】
所定の分化細胞型の濃縮又は精製には、他の細胞型からの、1種以上の既知の細胞型の「枯渇」又は「分離」又は「選別」も包含され得る。一実施形態では、細胞集団は、不必要な分化細胞型を枯渇させることにより精製され得る。既知の又は未知の細胞型の培養物を枯渇させることにより、膵内分泌系に特徴的なマーカーを発現している細胞を濃縮及び精製することが有利である場合がある。この方法では、濃縮又は精製した細胞集団は、抗体に対して結合又は付着しない。精製する集団から抗体を除去する必要がないことから、細胞治療用に濃縮又は精製された細胞を使用することは、改良され得る。
【0076】
例えば、濃縮、枯渇、単離、分離、選別及び/又は精製方法としては、選択的培養条件法が挙げられる。この方法では、任意の望ましくない細胞型にとって、培養条件が有害なものである。
【0077】
例えば、濃縮、枯渇、単離、分離、選別及び/又は精製方法としては、抗体コーティングした磁気ビーズ法、アフィニティクロマトグラフィー、並びに固体マトリックス若しくは固相補足培地、例えばプレート、カラムに取り込んだ抗体による「パニング」、又はその他の都合の良いかつ利用可能な技術も挙げられる。正確に分離する技術としては、細胞表面及び細胞内のパラメーター、加えて形状変化及び粒度の測定に有用であり、並びに抗体又はプローブ結合試薬として使用されるビーズの解析に有用である、フローサイトメトリーが挙げられる。フローサイトメトリーアッセイによる読み取り情報としては、限定するものではないが、別個の蛍光抗体により検出される細胞表面分子若しくはサイトカインに関連する、平均蛍光値又は平均蛍光強度、蛍光強度の分散、あるいはこれらの間の何らかの関係性が挙げられる。
【0078】
フローサイトメトリーを包含する分析工程を含む、実施形態の一部の態様では、最小パラメーター、又はビーズの特性は、少なくとも1つの蛍光波長における散乱(FS及び/又はSS)である。フローサイトメトリーを使用することで、細胞表面タンパク質、又はそれらの立体構造的な修飾若しくは翻訳後修飾の有無;細胞内タンパク質又は分泌タンパク質の有無などのパラメーターを定量化することができる。この場合、透過処理により抗体(又はプローブ)の接近が可能になる。フローサイトメトリー法は当該技術分野において既知であり、以下の文献に記載されている:Flow Cytometry and Cell Storing(Springer Lab Manual),Radbruch,Ed.,Springer Verlag,2000;Ormerod,Flow Cytometry,Springer Verlag,1999;Flow Cytometry Protocols(Methods in Molecular Biology,No 91),Jaroszeski and Heller,Eds.,Humana Press,1998;Current Protocols in Cytometry,Robinson et al.,eds,John Wiley & Sons,New York,N.Y.,2000。
【0079】
細胞の染色強度は、フローサイトメトリーによりモニターすることもでき、フローサイトメトリーでは、蛍光色素の定量的レベルをレーザーが検出する(特異的な試薬、例えば固体が結合している、細胞表面マーカーの量を比例する)。フローサイトメトリー、すなわちFACSを使用することで、特異的な試薬への結合強度に基づき、並びに細胞の大きさ及び光散乱などの他のパラメーターに基づき、細胞集団を分離することもできる。完全な染色の程度は特定の蛍光色素及び試薬製品によって異なり得るが、データは、対照に対して標準化化することができる。対照に対し分布を標準化するために、各細胞を、特定の染色強度を有するデータポイントとして記録する。
【0080】
対照に対し分布を標準化するために、各細胞を、特定の染色強度を有するデータポイントとして記録する。これらのデータポイントは対数スケールに従って示すことができ、任意の染色強度が測定ユニットになる。一例では、集団中で最も明るい細胞は、染色強度の最も低い細胞と比較して、4log以上の強度があるものとして記載される。この方式で示される場合、染色強度の対数値が最も大きい細胞が明るく、その一方、染色強度の最も低い細胞は陰性であることが明白である。染色強度が2〜3logになる染色強度の「低い」染色細胞は、陰性及び陽性細胞と比べ特有の特性を有する場合がある。別の対照は、表面におけるマーカーの密度が明確である基材、例えば、強度が陽性である対照を提供するよう作製されたビーズ又は細胞株を用いることができる。「低い」という表記は、染色レベルが、対照と一致するアイソタイプの輝度を上回るものの、その強度が、集団で標準的に見られる最も輝度の高い染色細胞には及ばないことを示す。
【0081】
選択されたパラメーターの読み取りは同時に行うことができ、又は単一解析時には、例えば、蛍光抗体を細胞表面分子に対して使用することにより、順番に行なうこともできる。例として、これらは、フローサイトメトリーによる4種以上の蛍光色素の同時解析を可能にする、異なる蛍光色素、蛍光ビーズ、タグ、例えば、量子ドットなどによりタグ付けすることができる。例えば、表記「陰性」は、染色レベルが、陰性対照と一致するアイソタイプの輝度以下であることを意味するのに対し、表記「薄暗い」は、染色レベルが陰性の染色のレベルに近いものであることを意味するが、ただし、対照と一致するアイソタイプよりも輝度が高い場合もある。
【0082】
例えば、異なるレベルの蛍光化合物を含む細胞種、及び本明細書に上記されるものなどを含む細胞種ユニットの差異について標識するにあたり、個別の細胞の識別子に関する、例えば、異なる細胞種又は細胞型変異体に関する識別子は、蛍光物質であり得る。実施形態の一部の態様では、2種の細胞種が混合され、ここで、1つは標識され、もう1つは未標識である。実施形態の一部の態様では、3種以上の細胞種が包含され、各細胞種は、異なる濃度の標識化合物とインキュベーションすること、又は異なる時間にわたってインキュベーションすることにより、異なるレベルの蛍光標識がされ得る。別個の単位の細胞種が、複数種の蛍光の強度、例えば、カルボキシフルオレスセインスクシンイミジルエステル(CFSE)などの第1の蛍光色の蛍光強度、テトラメチルローダミンイソチオシアネート(TRITC)などの選択された第2の蛍光色の蛍光強度、及び第3の蛍光色の蛍光強度などにより互いに識別されるように、大量の細胞集団の識別子として2色以上の異なる蛍光色の強度を標識する蛍光マトリックスを使用することができる。あるいは、異なる細胞種の固有光散乱特性、又は解析に包含される試験パラメータのBioMAPの特徴を、細胞種識別子のユニットとして蛍光標識に加え、又は蛍光標識の代わりに使用することもできる。
【0083】
別の態様では、従来の親和性又は抗体技術を用い、細胞を濃縮、枯渇、分離、選別、及び/又は精製することもできる。例えば、リガンド及び/又は抗体に、標識、例えば、磁気ビーズ;アビジン又はストレプトアビジンに対して高親和性で結合するビオチン;蛍光標示式細胞分取器で使用することのできる蛍光色素;ハプテン;及び同様物などを結合させることで、特定の細胞種の分離を容易にすることもできる。
【0084】
一実施形態では、本明細書に記載のリガンド、作用剤、及び/又は抗体を、直接的に又は間接的に超常磁性微小粒子(微小粒子)などの磁気試薬と結合させることもできる。当該技術分野において既知の様々な化学的連結基を使用することで、磁性粒子に直接結合させることもできる。一部の実施形態では、側鎖アミノ基又はスルフヒドリル(sufhydryl)、及びヘテロ官能性(heterofunctional)架橋剤により、抗体を微小粒子に結合させる。
【0085】
様々なヘテロ官能性化合物を、実体を連結させるために使用することができる。例えば、少なくとも、抗体上に、反応性スルフヒドリル基を有する3−(2−ピリジジチオ(pyridyidithio))プロピオン酸N−ヒドロキシこはく酸イミドエステル(SPDP)又は4−(N−マレイミドメチル)−シクロヘキサン−l−カルボン酸N−ヒドロキシこはく酸イミドエステル(SMCC)、及び磁性粒子上に反応性アミノ基を使用することができる。磁気分離デバイスの一例は、参照によりその全体が本案件に組み込まれる、国際公開第90/07380号、PCT/US第96/00953号、及び欧州特許第438,520号に記載されている。
【0086】
精製した細胞集団は、任意の適切な培地に回収することもできる。例えば、好適な培地としては、ダルベッコ変法イーグル培地(dMEM)、ハンクス平衡緩衝塩溶液(HBSS)、ダルベッコリン酸緩衝生理食塩水(dPBS)、RPMI、イスコフ改変ダルベッコ培地(IMDM)、5mMのEDTAを添加したリン酸緩衝生理食塩水(PBS)などが挙げられ、しばしばウシ胎児血清(FCS)、ウシ血清アルブミン(BSA)、ヒト血清アルブミン(HSA)、及びStemPro(登録商標)hESC SFMが添加される。
【0087】
一実施形態では、膵内分泌系に特徴的なマーカーを発現していない細胞を選別する少なくとも1種の剤で処理することで、膵内分泌系に特徴的なマーカーを発現している細胞が濃縮される。別の実施形態では、インスリン産生細胞を選別する少なくとも1種の剤で処理することで、膵内分泌系に特徴的なマーカーを発現している細胞が濃縮される。
【0088】
本明細書に記載の方法を用いることで、未処理の細胞集団又は細胞培養物と比較して細胞含量が少なくとも約2倍〜約1000倍になるよう、細胞集団又は細胞培養物を濃縮することができる。一部の実施形態では、膵内分泌系に特徴的なマーカーを発現している細胞は、未処理の細胞集団又は細胞培養物と比較して少なくとも約5倍〜約500倍に濃縮され得る。他の実施形態では、膵内分泌系に特徴的なマーカーを発現している細胞は、未処理の細胞集団又は細胞培養物と比較して少なくとも約10倍〜約200倍に濃縮され得る。更に他の実施形態では、膵内分泌系に特徴的なマーカーを発現している細胞は、未処理の細胞集団又は細胞培養物と比較して少なくとも約20倍〜約100倍に濃縮され得る。更に他の実施形態では、膵内分泌系に特徴的なマーカーを発現している細胞は、未処理の細胞集団又は細胞培養物と比較して少なくとも約40倍〜約80倍に濃縮され得る。特定の実施形態では、膵内分泌系に特徴的なマーカーを発現している細胞は、未処理の細胞集団又は細胞培養物と比較して少なくとも約2倍〜約20倍に濃縮され得る。
【0089】
多能性幹細胞から誘導された細胞の特徴付け
幹細胞から分化させた細胞の編成は、所定の分化細胞型に特徴的なマーカーの発現を判定することにより特定され得る。一部の実施形態では、分化細胞の同定及び特徴付けは、特定のマーカーの発現又は発現レベルの違い、及び1種以上のマーカーのパターンによりなされる。
【0090】
特に、1種以上のマーカーの存在又は非存在、高発現又は低発現により、細胞種を典型化及び同定することができる。同様に、特定のマーカーは一過性発現する場合があり、これにより、マーカーは発達時の一ステージでは高発現し、発達時の別のステージでは発現が乏しくなる場合がある。特定のマーカーの発現は、細胞培養物又は細胞集団の、そのマーカーが標準化又は基準化した対照マーカーと比較して細胞中に存在するレベルを測定することで判定できる。このようなプロセスでは、マーカーの発現の測定は、定性的なものであるか又は定量的なものであり得る。マーカー遺伝子により産生されるマーカーの発現を定量化する方法の一つは、定量的PCR(Q−PCR)の使用を介するものである。Q−PCRを実施する方法は、当該技術分野において周知である。当該技術分野において既知である他の方法を使用して、マーカー遺伝子の発現を定量化することもできる。例えば、マーカー遺伝子産物の発現は、対象とするマーカー遺伝子産物に特異的な抗体を用い検出することができる(例えば、ウエスタンプロット及びフローサイトメトリー解析など)。特定の実施形態では、分化した細胞に特徴的なマーカー遺伝子の発現に加えて、分化した細胞に特徴的なマーカー遺伝子の発現の有意な欠失も判定される。
【0091】
組織特異的な遺伝子産物の発現は、ノーザンブロット解析、ドットブロットハイブリダイゼーション解析、又は標準的な増幅方法で配列特異的なプライマーを用いる逆転写ポリメーラーぜ連鎖反応(RT−PCR)により、mRNAレベルで判定することもできる。更に詳細には、米国特許第5,843,780号を参照されたい。本開示に列挙される特定のマーカーに関する配列データは、GenBankなどの公共のデータベースから入手することができる。
【0092】
多能性幹細胞は、ステージ特異的胚抗原(SSEA)3及び4、並びにTra−1〜60及びTra−1〜81と呼ばれる抗体によって検出可能なマーカーのうちの1つ以上を発現している(Thomson et al.,Science 282:1145,1998)。インビトロで多能性幹細胞を分化させると、SSEA−4、Tra−1〜60、及びTra−1〜81の発現が減少し(存在する場合)、SSEA−1の発現が上昇する。未分化の多能性幹細胞は、典型的には、細胞を4%パラホルムアルデヒドで固定した後、製造業者(Vector Laboratories(Burlingame Calif.))によって記載されるようにVector Redを基質として現像することによって検出することができる、アルカリホスファターゼ活性を有しする。未分化の多能性幹細胞はまた、RT−PCRにより検出されるように、一般にOCT4及びTERTも発現する。
【0093】
膵内胚葉系に特徴的なマーカーは、PDX1、HNF1 β、PTF1 α、HNF6、HB9及びPROX1からなる群から選択される。膵内胚葉系に特徴的なこれらのマーカーのうちの少なくとも1つを発現する細胞が本発明における使用に適している。本発明の一態様では、膵内胚葉系に特徴的なマーカーを発現している細胞は、膵内胚葉細胞である。
【0094】
胚体内胚葉系に特徴的なマーカーは、SOX17、GATA4、HNF3 β、GSC、CER1、Nodal、FGF8、Brachyury、Mix様ホメオボックスタンパク質、FGF4、CD48、エオメソダーミン(EOMES)、DKK4、FGF17、GATA6、CD184、C−Kit、CD99、及びOTX2からなる群から選択される。胚体内胚葉系に特徴的なマーカーのうちの少なくとも1つを発現している細胞は本発明での使用に好適である。本発明の一態様では、胚体内胚葉系に特徴的なマーカーを発現している細胞は、原始線条前駆細胞である。別の態様では、胚体内胚葉系に特徴的なマーカーを発現している細胞は、中内胚葉細胞である。別の態様では、胚体内胚葉系に特徴的なマーカーを発現している細胞は、胚体内胚葉細胞である。
【0095】
膵内分泌系に特徴的なマーカーは、NGN3、NEUROD、ISL1、PDX1、NKX6.1、PAX4、NGN3、及びPTF−1 αからなる群から選択される。一実施形態では、膵内分泌細胞は、以下のホルモン:インスリン、グルカゴン、ソマトスタチン、及び膵臓ポリペプチドのうちの少なくとも1つを発現することができる。本発明で使用するに好適なものは、膵内分泌系の特徴を示すマーカーを少なくとも1つ発現する細胞である。本発明の一態様において、膵内分泌系に特徴的なマーカーを発現している細胞は、膵内分泌細胞である。膵内分泌細胞は、膵臓ホルモン発現細胞であってよい。また、膵内分泌細胞は膵臓ホルモン分泌細胞であってもよい。
【0096】
本発明の一態様では、膵内分泌細胞は、β細胞系に特徴的なマーカーを発現している細胞である。β細胞系に特徴的なマーカーを発現している細胞は、PDX1と、以下の転写因子、すなわち、NGN3、NKX2.2、NKX6.1、NEUROD、ISL1、HNF3 β、MAFA、PAX4、及びPAX6のうちの少なくとも1つを発現している。本発明の一態様では、β細胞系に特徴的なマーカーを発現している細胞は、β細胞である。
【0097】
多能性幹細胞
多能性幹細胞の特徴付け
多能性幹細胞は、発生段階特異的胚性抗原(SSEA)3及び4のうちの1つ以上、及びTra−1〜60及びTra−1〜81と呼ばれる抗体を用いて検出可能なマーカーを発現し得る(Thomson et al.,Science 282:1145,1998)。インビトロで多能性幹細胞を分化させると、SSEA−4、Tra−1〜60、及びTra−1〜81の発現が消失し(存在する場合)、SSEA−1の発現が増大する。未分化の多能性幹細胞は、典型的には、細胞を4%パラホルムアルデヒドで固定し、次いで製造業者(Vector Laboratories(Burlingame Calif.))によって記載されるようにVector Redを基質として現像することによって検出することができる、アルカリホスファターゼ活性を有する。未分化の多能性幹細胞は、典型的には、RT−PCRによって検出されるOct−4及びTERTも発現している。
【0098】
増殖させた多能性幹細胞の別の望ましい表現型は、3つの胚葉のすべて、すなわち、内胚葉、中胚葉、及び外胚葉組織の細胞に分化する能力である。幹細胞の多能性は、例えば、細胞を重症複合免疫不全症(SCID)マウスに注入し、形成される奇形腫を4%パラホルムアルデヒドで固定し、次いでこれを3胚葉由来の細胞型の根拠について組織学的に調べることによって確認することができる。代替的に、多能性は、胚様体を形成し、この胚様体を3つの胚葉に関連したマーカーの存在に関して評価することにより決定することができる。
【0099】
増殖させた多能性幹細胞株は、標準的なGバンド法を使用し、対応する霊長類種の発表されている核型と比較することで、核型を決定することができる。細胞は「正常な核型」を有することが望ましく、「正常な核型」とは、細胞が正倍数体であり、ヒト染色体がすべて揃っておりかつ目立った変化のないことを意味する。
【0100】
多能性幹細胞の供給源
使用可能な多能性幹細胞の種類としては、妊娠期間中の任意の時期(必ずしもではないが、通常は妊娠約10〜12週よりも前)に採取した前胚性組織(例えば胚盤胞など)、胚性組織、胎児組織などの、妊娠後に形成される組織に由来する多能性細胞の株化細胞系が含まれる。非限定的な例は、例えばヒト胚性幹細胞株H1、H7及びH9(WiCell)などのヒト胚性幹細胞又はヒト胚生殖細胞の樹立株である。更に、こうした細胞の初期の株化又は安定化の際に本開示の組成物を使用することも考えられるが、その場合は、供給源となる細胞は供給源の組織から直接採取される1次多能性細胞である。フィーダー細胞の非存在下で既に培養された多能性幹細胞集団から得られる細胞も、フィーダー細胞の存在下で既に培養された多能性幹細胞集団と同様、好適である。例えば、BG01v(BresaGen,Athens,GA)などの変異型ヒト胚幹細胞株も好適である。例えば、Takahashi et al.(Cell 131:1〜12(2007))によって開示される細胞などの成人ヒト体細胞から誘導される細胞も好適である。
【0101】
一実施形態において、ヒト胚幹細胞は、Thomson et al.(米国特許第5,843,780号、Science 282:1145,1998、Curr.Top.Dev.Biol.38:133 ff.,1998、Proc.Natl.Acad.Sci.U.S.A.92:7844,1995)に記載されているように調製される。
【0102】
体細胞から誘導された多能性幹細胞も想到される。一実施形態では、本発明での使用に好適な多能性幹細胞は、Takahashi et al.(Cell 126:663〜676,2006)に記載の方法に従って誘導することができる。
【0103】
別の実施形態では、本発明での使用に好適な多能性幹細胞は、Li et al.(Cell Stem Cell 4:16〜19,2009)に記載の方法に従って誘導することができる。
【0104】
別の実施形態では、本発明での使用に好適な多能性幹細胞は、Maherali et al.(Cell Stem Cell 1:55〜70,2007)に記載の方法に従って誘導することができる。
【0105】
別の実施形態では、本発明での使用に好適な多能性幹細胞は、Stadtfeld et.al(Cell Stem Cell 2:230〜240)に記載の方法に従って誘導することができる。
【0106】
別の実施形態では、本発明での使用に好適な多能性幹細胞は、Nakagawa et al.(Nature Biotechnology 26:101〜106,2008)に記載の方法に従って誘導することができる。
【0107】
別の実施形態では、本発明での使用に好適な多能性幹細胞は、Takahashi et al.(Cell 131:861〜872,2007)に記載の方法に従って誘導することができる。
【0108】
別の実施形態では、本発明での使用に好適な多能性幹細胞は、米国特許出願第61/256,149号(Centocor R&D,Inc.に譲渡)に記載の方法に従って誘導することができる。
【0109】
多能性幹細胞の培養
一実施形態では、多能性幹細胞は、本発明の方法に従って培養するのに先立って、様々な点で多能性幹細胞を支持するフィーダー細胞又は細胞外マトリクスタンパク質の層上で培養する。例えば、多能性幹細胞を、細胞を実質的に分化させずに多能性幹細胞の増殖を支持するフィーダー細胞層上で培養する。フィーダー細胞層上での分化をともなわない多能性幹細胞の増殖は、(i)フィーダー細胞層を含んでいる培養容器を得て、(ii)別の細胞型と予め培養することによって馴化させた培地を用いることで、又は例えば無血清又は更には化学合成培地などの非馴化培地を用いることで支持される。
【0110】
別の例では、フィーダー細胞を実質的に含まないにも関わらず、多能性幹細胞を実質的に分化させずに増殖を支持する培養系で多能性幹細胞を培養する。無フィーダー細胞培養での分化をともなわない多能性幹細胞の増殖は、(i)1種以上の細胞外マトリクスタンパク質を有する固体基質表面上の吸着層、及び(ii)別の細胞型と予め培養することによって馴化させた培地、又は、例えば無血清又は更には化学合成培地などの非馴化培地を用いることで支持される。
【0111】
別の実施形態では、多能性幹細胞を、別の細胞型と予め培養することによって馴化培地、又は、例えば無血清又は更には化学合成培地などの非馴化培地中、少なくとも約0.5%の窒素を含有し、酸素と窒素の合計量が17.2%以上であり、接触角が少なくとも約13.9°である表面改質プレート上で培養する。
【0112】
培地:本発明における使用に適した細胞培地の一実施例を、米国特許出願公開第20020072117号に見出すこともできる。本発明での使用に適した細胞培養培地の別の例を、米国特許第6642048号に見出すこともできる。本発明での使用に適した細胞培養培地の別の例を、国際公開第2005014799号に見出すこともできる。本発明での使用に適した細胞培地の別の例を、Xu et al.(Stem Cells 22:972〜980,2004)に見出すこともできる。本発明での使用に適した細胞培地の別の例を、米国特許出願公開第20070010011号に見出すこともできる。本発明での使用に適した細胞培地の別の実施例を、Cheon et al.(BioReprod DOI:10.1095/biolreprod.105.046870;19 Oct 2005)に見出すこともできる。本発明での使用に適した細胞培地の別の例を、Levenstein et al.(Stem Cells 24:568〜574,2006)に見出すこともできる。本発明での使用に適した細胞培地の別の例を、米国特許第20050148070号に見出すこともできる。本発明での使用に適した細胞培地の別の例を、米国特許第20050233446号に見出すこともできる。本発明での使用に適した細胞培地の別の例を、米国特許第6800480号に見出すこともできる。本発明での使用に適した細胞培地の別の例を、米国特許出願公開第20050244962号に見出すこともできる。本発明での使用に適した細胞培地の別の例を、国際公開第2005065354号に見出すこともできる。本発明での使用に適した細胞培地の別の例を、国際公開第2005086845号に見出すこともできる。
【0113】
好適な培地はまた、以下の成分、例えば、ダルベッコ改変イーグル培地(DMEM)、Gibco No.11965−092;ノックアウトダルベッコ改変イーグル培地(KO DMEM)、Gibco No.10829−018;ハムF12/50% DMEM基礎培地;200mL L−グルタミン、Gibco No.15039−027;非必須アミノ酸溶液、Gibco No.11140−050;β−メルカプトエタノール、Sigma No.M7522;ヒト組み換え塩基性線維芽細胞増殖因子(bFGF)、Gibco No.13256−029などから調製することもできる。
【0114】
多能性幹細胞の分化
一実施形態では、多能性幹細胞を培地で増殖させ、次いで別の細胞型への分化を促進するような方式で処理する。例えば、本発明の方法を使用して形成される多能性幹細胞を、国際公開第2007030870号に開示されている方法に従って神経前駆細胞及び心筋細胞へと分化させることもできる。
【0115】
別の例では、本発明の方法を使用して形成される多能性幹細胞を、米国特許第6,458,589号に開示されている方法に従って肝細胞へと分化させることもできる。
【0116】
本発明の方法を使用して形成される多能性幹細胞の、胚体内胚葉系に特徴的なマーカーを発現している細胞への分化
本発明の方法を使用して形成される多能性幹細胞を、当該技術分野の任意の方法により胚体内胚葉系に特徴的なマーカーを発現している細胞へと分化させることもできる。
【0117】
例えば、本発明の方法を使用して形成される多能性幹細胞を、D’Amour et al.,Nature Biotechnology 23,1534〜1541(2005)に開示されている方法に従って、胚体内胚葉系に特徴的なマーカーを発現している細胞に分化させることもできる。
【0118】
例えば、本発明の方法を使用して形成される多能性幹細胞を、Shinozaki et al.,Development 131,1651〜1662(2004)に開示されている方法に従って、胚体内胚葉系に特徴的なマーカーを発現している細胞に分化させることもできる。
【0119】
例えば、本発明の方法を使用して形成される多能性幹細胞を、McLean et al.,Stem Cells 25,29〜38(2007)に開示されている方法に従って、胚体内胚葉系に特徴的なマーカーを発現している細胞に分化させることもできる。
【0120】
例えば、本発明の方法を使用して形成される多能性幹細胞を、D’Amour et al.,Nature Biotechnology 24,1392〜1401(2006)に開示されている方法に従って、胚体内胚葉系に特徴的なマーカーを発現している細胞に分化させることもできる。
【0121】
別の例では、本発明の方法を使用して形成される多能性幹細胞を、LifeScan,Inc.に譲渡された、米国特許出願公開第11/736,908号に開示されている方法に従って、胚体内胚葉系に特徴的なマーカーを発現している細胞へと分化させることもできる。
【0122】
別の例では、本発明の方法を使用して形成される多能性幹細胞を、LifeScan,Inc.に譲渡された、米国特許出願公開第11/779,311号に開示されている方法に従って、胚体内胚葉系に特徴的なマーカーを発現している細胞へと分化させることもできる。
【0123】
別の例では、本発明の方法を使用して形成される多能性幹細胞を、LifeScan,Inc.に譲渡された、米国特許出願公開第12/493,741号に開示されている方法に従って、胚体内胚葉系に特徴的なマーカーを発現している細胞へと分化させることもできる。
【0124】
別の例では、本発明の方法を使用して形成される多能性幹細胞を、LifeScan,Inc.に譲渡された、米国特許出願第12/494,789号に開示されている方法に従って、胚体内胚葉系に特徴的なマーカーを発現している細胞へと分化させることもできる。
【0125】
胚体内胚葉系に特徴的なマーカーを発現している細胞の形成は、以下の特定のプロトコルの前後に、マーカーの存在に関して試験することにより判定することができる。多能性幹細胞は、典型的にはそのようなマーカーを発現しない。したがって、多能性細胞の分化は、細胞がそれらの発現を開始した際に検出されることになる。
【0126】
本発明の方法を使用して形成される多能性幹細胞の、膵内胚葉系に特徴的なマーカーを発現している細胞への分化
本発明の方法を使用して形成される多能性幹細胞は、当該技術分野の任意の方法により、胚体内胚葉系に特徴的なマーカーを発現している細胞に分化させることもできる。
【0127】
例えば、多能性幹細胞は、D’Amour et al.,Nature Biotechnology 24,1392〜1401(2006)に開示されている方法に従って、膵内胚葉系に特徴的なマーカーを発現している細胞へと分化させることもできる。
【0128】
例えば、本発明の方法に従って得られる、胚体内胚葉系に特徴的なマーカーを発現している細胞は、この胚体内胚葉系に特徴的なマーカーを発現している細胞を線維芽細胞増殖因子及びヘッジホッグシグナル伝達経路阻害剤KAAD−シクロパミンで処理し、次いで線維芽細胞増殖因子及びKAAD−シクロパミンを含有する培地を除去した後に、レチノイン酸、線維芽細胞増殖因子及びKAAD−シクロパミンを含有する培地中で培養することにより、膵内胚葉系に特徴的なマーカーを発現している細胞へと更に分化する。この方法の例は、Nature Biotechnology 24,1392〜1401(2006)に開示されている。
【0129】
例えば、本発明の方法に従って得られる、胚体内胚葉系に特徴的なマーカーを発現している細胞は、この胚体内胚葉系に特徴的なマーカーを発現している細胞を米国特許出願第11/736,908号(LifeScan,Inc.に譲渡)に開示された方法に従いレチノイン酸及び1種の線維芽細胞増殖因子で所定の時間処理することによって、膵内胚葉系に特徴的なマーカーを発現している細胞へと更に分化する。
【0130】
例えば、本発明の方法に従って得られる、胚体内胚葉系に特徴的なマーカーを発現している細胞を、レチノイン酸(Sigma−Aldrich,MO)及びエキセンディン4で処理し、次いでDAPT(Sigma−Aldrich,MO)及びエキセンディン4を含有している培地を除去し、続いてエキセンディン1、IGF−1及びHGFを含む培地で細胞を培養することにより、膵内胚葉系に特徴的なマーカーを発現している細胞へと更に分化させる。この方法の例は、Nature Biotechnology 24,1392〜1401(2006)に開示されている。
【0131】
例えば、本発明の方法に従って得られる、膵内胚葉系に特徴的なマーカーを発現している細胞は、膵内胚葉系に特徴的なマーカーを発現している細胞をエキセンディン4を含有している培地で培養し、次にエキセンディン4を含有している培地を除去し、続いて細胞をエキセンディン1、IGF−1及びHGFを含有している培地で培養することにより、膵内分泌系に特徴的なマーカーを発現している細胞へと更に分化する。この方法の例は、D’Amour et al.,Nature Biotechnology,2006に開示されている。
【0132】
例えば、本発明の方法に従って得られる、膵内胚葉系に特徴的なマーカーを発現している細胞は、DAPT(Sigma−Aldrich,MO)及びエキセンディン4を含有している培地で培養することにより、膵内分泌系に特徴的なマーカーを発現している細胞へと更に分化する。この方法の例は、D’Amour et al.,Nature Biotechnology,2006に開示されている。
【0133】
例えば、本発明の方法に従って得られる、膵内胚葉系に特徴的なマーカーを発現している細胞は、エキセンディン4を含有している培地で培養することにより、膵内分泌系に特徴的なマーカーを発現している細胞へと更に分化する。この方法の例は、D’Amour et al.,Nature Biotechnology,2006に開示されている。
【0134】
例えば、本発明の方法に従って得られる膵内胚葉系に特徴的なマーカーを発現している細胞は、LifeScan,Inc.に譲渡された、米国特許出願第11/736,908号に開示された方法に従って、ノッチシグナル伝達経路を阻害する因子で処理することにより、膵内分泌系に特徴的なマーカーを発現している細胞へと更に分化する。
【0135】
例えば、本発明の方法に従って得られる膵内胚葉系に特徴的なマーカーを発現している細胞は、LifeScan,Inc.に譲渡された、米国特許出願第11/779,311号に開示された方法に従って、ノッチシグナル伝達経路を阻害する因子で処理することにより、膵内分泌系に特徴的なマーカーを発現している細胞へと更に分化する。
【0136】
例えば、膵内胚葉系に特徴的なマーカーを発現している細胞は、米国特許出願第60/953,178号(LifeScan,Inc.に譲渡)に開示された方法に従って、ノッチシグナル伝達経路を阻害する因子で処理することにより、膵内分泌系に特徴的なマーカーを発現している細胞へと更に分化する。
【0137】
例えば、本発明の方法に従って得られる膵内胚葉系に特徴的なマーカーを発現している細胞は、米国特許出願第60/990,529号(LifeScan,Inc.に譲渡)に開示された方法に従って、ノッチシグナル伝達経路を阻害する因子で処理することにより、膵内分泌系に特徴的なマーカーを発現している細胞へと更に分化する。
【0138】
本発明の方法を使用して形成される多能性幹細胞の、膵内分泌系に特徴的なマーカーを発現している細胞への分化
本発明の方法を使用して形成される多能性幹細胞は、当該技術の任意の方法により、膵内分泌系に特徴的なマーカーを発現している細胞へと分化させることもできる。
【0139】
例えば、本発明の方法に従って得られる、膵内胚葉系に特徴的なマーカーを発現している細胞は、膵内胚葉系に特徴的なマーカーを発現している細胞をエキセンディン4を含有している培地で培養し、次にエキセンディン4を含有している培地を除去し、続いて細胞をエキセンディン1、IGF−1及びHGFを含有している培地で培養することにより、膵内分泌系に特徴的なマーカーを発現している細胞へと更に分化する。この方法の例は、D’Amour et al.,Nature Biotechnology,2006に開示されている。
【0140】
例えば、本発明の方法に従って得られる、膵内胚葉系に特徴的なマーカーを発現している細胞は、膵内胚葉系に特徴的なマーカーを発現している細胞を、DAPT(Sigma−Aldrich,MO)及びエキセンディン4を含有している培地で培養することにより、膵内分泌系に特徴的なマーカーを発現している細胞へと更に分化する。この方法の例は、D’Amour et al.,Nature Biotechnology,2006に開示されている。
【0141】
例えば、本発明の方法に従って得られる、膵内胚葉系に特徴的なマーカーを発現している細胞は、エキセンディン4を含有している培地で培養することにより、膵内分泌系に特徴的なマーカーを発現している細胞へと更に分化する。この方法の例は、D’Amour et al.,Nature Biotechnology,2006に開示されている。
【0142】
例えば、本発明の方法に従って得られる膵内胚葉系に特徴的なマーカーを発現している細胞は、LifeScan,Inc.に譲渡された、米国特許出願第11/736,908号に開示された方法に従って、ノッチシグナル伝達経路を阻害する因子で処理することにより、膵内分泌系に特徴的なマーカーを発現している細胞へと更に分化する。
【0143】
例えば、本発明の方法に従って得られる膵内胚葉系に特徴的なマーカーを発現している細胞は、LifeScan,Inc.に譲渡された、米国特許出願第11/779,311号に開示された方法に従って、ノッチシグナル伝達経路を阻害する因子で処理することにより、膵内分泌系に特徴的なマーカーを発現している細胞へと更に分化する。
【0144】
例えば、膵内胚葉系に特徴的なマーカーを発現している細胞は、米国特許出願第60/953,178号(LifeScan,Inc.に譲渡)に開示された方法に従って、ノッチシグナル伝達経路を阻害する因子で処理することにより、膵内分泌系に特徴的なマーカーを発現している細胞へと更に分化する。
【0145】
例えば、本発明の方法に従って得られる、膵内胚葉系に特徴的なマーカーを発現している細胞は、米国特許出願第60/990,529号(LifeScan,Inc.に譲渡)に開示された方法に従って、ノッチシグナル伝達経路を阻害する因子で処理することにより、膵内分泌系に特徴的なマーカーを発現している細胞へと更に分化する。
【0146】
本発明を以下の実施例によって更に説明するが、本発明はこれらの実施例により限定されるものではない。
【実施例】
【0147】
(実施例1)
ウシ胎児血清の非存在下での、ヒト胚性幹細胞株H1の、膵内分泌細胞への分化
様々な継代数のヒト胚性幹細胞株H1細胞(p40〜p52)を、マトリゲル(1:30希釈)をコーティングしたディッシュで培養し、以下の複数工程プロトコルを用い膵臓系に分化させた:
a.ステージI(胚体内胚葉):ヒト胚性幹細胞を、2%のBSA(脂肪酸不含)(カタログ番号68700,Proliant,IA)、及び100ng/mLのアクチビンA(R&D Systems,MN)に加え、20ng/mLのWNT−3a(カタログ番号1324−WN−002,R&D Systems,MN)及び8ng/mLのbFGF(カタログ番号100−18B,PeproTech,NJ)を添加したRPMI培地で1日間培養した。次いで、細胞を、2%のBSA及び100ng/mLのアクチビンAに加え8ng/mLのbFGFを添加したRPMI培地で更に2日間処理した。次いで
b.ステージII(初期腸管):細胞を、RPMI+2%のBSA(脂肪酸不含)及び50ng/mLのFGF7及び0.25μMのSANT−1(#S4572,Sigma,MO)で2〜3日間処理した。次いで
c.ステージIII(前腸後部(Posterior foregut)):細胞を、1:200希釈したITS−X(Invitrogen,CA)及び0.1% BSA(Lipid Rich)(Invitrogen,カタログ番号11021−045)、50ng/mLのFGF7、0.25μMのSANT−1、2μMのレチノイン酸(RA)(Sigma、MO)、100ng/mLのノギン(R&D Systems,MN)、及び20ng/mLのアクチビンAを添加したDMEM/高グルコースで4日間処理した;特定の変法では、ノギンを濃度2μMのAMPK阻害剤6−[4−(2−ピペリジン−1−イルエトキシ)フェニル]−3−ピリジン−4−イルピラゾロ[1,5−a]ピリミジン(Sigma,製品番号.P5499)で置き換えた。更に他の変法では、P38阻害剤(4−[4−(4−フルオロフェニル)−1−(3−フェニルプロピル)−5−ピリジン−4イル−1H−イミダゾール−2−イル]ブタ−3−イン−1−オール)(米国特許第6,521655号に開示)を2.5μMで添加した。次いで、
d.ステージIV(膵内分泌前駆体):細胞を、1:200希釈したITS−X(Invitrogen,CA)及び0.1%のBSA(Invitrogen,Ca)、100ng/mLのノギン、1μMのALK5阻害剤(SD−208,Molecular Pharmacology 2007 72:152〜161に開示)を添加したDMEM/高グルコースで3日間処理した。次いで、
e.ステージV(膵内分泌細胞):細胞を、1:200希釈したITS−X(Invitrogen,CA)、0.1%のBSA(Invitrogen,Ca)、1μMのALK5阻害剤II(カタログ番号616452,Calbiochem,Ca)を添加したDMEM/高グルコースで7日間処理した。次いで、
f.ステージVI(成熟膵内分泌細胞):細胞を、1:200希釈したITS−X(Invitrogen,CA)、0.1%のBSA(Invitrogen,Ca)を添加したDMEM/高グルコースで7日間処理し、培地は1日おきに交換した。
【0148】
(実施例2)
フローサイトメトリーによる特徴付け及び濃縮した様々な膵細胞系の選別
実施例1に概説される分化プロセスの様々なステージを形成する新規細胞集団の単離及び特徴付けを促進するために、様々なステージから得た細胞の詳細な特徴付けをフローサイトメトリーにより行った。使用した抗体、及び様々な分化ステージにおける表面マーカーの発現レベルの、完全な一覧を表Iに示す。
【0149】
様々な継代数(p40〜p52)のヒト胚性幹細胞株H1細胞を、マトリゲルをコーティングしたプレートで培養し、実施例1に記載のプロトコルを用い膵内分泌細胞ヘと分化させた。
【0150】
異なる成熟ステージにある細胞(前腸後部(ステージIII)、内分泌腺前駆細胞(ステージIV)、膵内分泌細胞(ステージV)又は成熟膵内分泌細胞(ステージVI)を37℃で2〜3分間TrypLE Express(Invitrogen製品番号12604,CA)中でインキュベーションすることで、穏やかに遊離させ、2%のBSA(BD製品番号554657,CA)を含有しているBD FACS染色緩衝液で2度洗浄した。およそ0.5〜1×106個の細胞を、染色に備え100〜200μLのブロッキング緩衝液(染色緩衝液(BD,CA)に1:4希釈した0.5%のヒトγ−グロブリン)に再懸濁させた。一次抗体を直接結合させる染色に際し、適切な抗体を最終希釈濃度1:20で細胞に添加し、細胞を4℃で30分間インキュベートした。未結合の抗体に関し、一次抗体を希釈率1:50〜1:100で細胞に添加し、細胞を4℃で30分間インキュベートし、染色緩衝液で2度洗浄した。次いで、細胞を、1:500希釈した適切な二次抗体中でインキュベートした。染色した細胞を300μLの染色緩衝液に再懸濁し、生細胞/死細胞を識別するため、BD FACS Canto IIでの解析前に5〜10μLの7AADを添加した。
【0151】
フローサイトメトリー解析に関し、およそ30〜40×106個の細胞を細胞選別の際に同様に加工した。細胞を、表IIに示すような適切な抗体で染色した。細胞を、表IIに要約されるように2つ又は3つの下位集団に選別した。細胞選別ゲートは、対照に一致するイソタイプに基づいて設定した。選別した細胞のアリコートを選別後に純度に関し解析した後、重要な膵臓マーカーの発現に関しPCR解析した。予選別した試料及び様々な画分から、Rneasyミニキット(Qiagen,CA)を用いRNAを回収した。
【0152】
選別に使用した細胞表面マーカーは、実施例1に概説される分化プロトコルの異なるステージにて解析される細胞集団の、多様なマーカーの発現に基づいて選択した。本研究で採用したマーカーを表IIに開示する。簡潔に言えば、表IIに開示される表面マーカーを、単独で、又は組み合わせて用いて様々な細胞集団を選別した。選別した細胞試料を用い、膵内分泌系に特徴的なマーカーの発現についてリアルタイムPCRにより解析した。
【0153】
膵内分泌系に特徴的なマーカーを発現している細胞の選別
実施例1に概説される分化プロトコルのステージIVから得た細胞集団の選別には、CD56及びCD13に対する抗体を使用した。3つの細胞集団:a)細胞集団CD56+CD13-、b)細胞集団CD56-CD13-、及びc)細胞集団CD56-CD13+を識別した。CD56+CD13-集団は、ステージIVの選別されていない細胞、又はCD56-CD13-細胞集団、又はCD56-CD13+細胞集団と比較した場合に、選別後におよそ1.3倍に濃縮され、選別された細胞は、NEUROD、NGN3、PDX1、NKX6.1、NKX2.2及びPAX−4を包含する膵内分泌系に特徴的なマーカーの発現に関し非常に濃縮されていた。図1のパネルa〜fを参照のこと。
【0154】
実験の第2シリーズでは、実施例1に概説される分化プロトコルのステージIVから得た細胞集団を、CD133に対する抗体を使用して選別した。2つの細胞集団:a)細胞集団CD133+、及びb)細胞集団CD133-を識別した。CD133-集団は、ステージIVの選別されていない細胞、又はCD133+細胞集団と比較した場合に、選別後におよそ1.9倍に濃縮され、選別された細胞は、NEUROD、NGN3、PDX1、NKX6.1、NKX2.2及びPAX−4を包含する膵内分泌系に特徴的なマーカーの発現に関し非常に濃縮されていた。図2のパネルa〜fを参照のこと。
【0155】
実験の第3シリーズでは、実施例1に概説される分化プロトコルのステージIVから得た細胞集団を、CD49cに対する抗体を使用して選別した。2つの細胞集団:a)細胞集団CD49cHI、及びb)細胞集団CD49cLOを識別した。CD49cLO細胞は、選別されていない細胞、又はCD49cHI細胞集団と比較した場合に、選別後におよそ3.1倍に濃縮され、選別された細胞は、NEUROD、NGN3、PDX1、及びNKX6.1を包含する膵内分泌系に特徴的なマーカーの発現に関し非常に濃縮されていた。図3のパネルa〜dを参照のこと。
【0156】
実験の第4シリーズでは、実施例1に概説される分化プロトコルのステージIVから得た細胞集団を、CD56及びCD15に対する抗体を使用して選別した。次の細胞集団を識別した:a)細胞集団CD56+CD15LO、b)細胞集団CD56+CD15HI、c)細胞集団CD15+及びd)細胞集団CD15-。細胞集団CD15-は選別後におよそ1.1倍に濃縮された。細胞集団CD56+CD15loは、選別されていない細胞、又は細胞集団CD56+CD15hiと比較した場合に、選別後非常に濃縮され、選別された細胞は、NEUROD、NGN3、PDX1、NKX6.1、インスリン及びグルカゴンを包含する膵内分泌系に特徴的なマーカーの発現に関し非常に濃縮されていた。図4のパネルa〜fを参照のこと。同様にして、単一マーカーを使用して選別した細胞集団CD15-は、選別されていない細胞、又は細胞集団CD15+と比較した場合に、NEUROD、NGN3、PDX1、NKX6.1、NKX2.2、PAX−4、グルカゴン及びインスリンを包含する膵内分泌系に特徴的なマーカーの発現に関し非常に濃縮されていた。図5のパネルa〜hを参照のこと。
【0157】
実験の第5シリーズでは、実施例1に概説される分化プロトコルのステージIVから得た細胞集団を、CD56及びCD57に対する抗体を使用して選別した。2つの細胞集団:a)細胞集団CD56+CD57+、及びb)細胞集団CD56+CD57-を識別した。細胞集団CD56+CD57+は、選別後におよそ1.9倍に濃縮された。CD56+CD57+細胞は、選別されていない細胞、又は細胞集団CD56+CD57-と比較した場合に、NEUROD、NGN3、PDX1、NKX6.1、NKX2.2並びにインスリン及びグルカゴンを包含する膵内胚葉系に特徴的なマーカーの発現に関し非常に濃縮されていた。図6のパネルa〜gを参照されたい。実施例1に概説される分化プロトコルのステージVの細胞集団を、CD56及びCD57に対する抗体を用い選別した場合にも、同様の結果が観察された。
【0158】
実験の第6シリーズでは、実施例1に概説される分化プロトコルのステージIVから得た細胞集団を、CD56及びCD184に対する抗体を使用して選別した。3つの細胞集団を識別した:a)細胞集団CD184+、b)細胞集団CD184-、及びc)細胞集団CD56+CD184-。表IVは、濃縮前後の細胞におけるCD184の発現について要約する。細胞集団CD184+を、PAX4、NEUROD、NKX6.1、PDX1及びPTF1 αを包含する膵内分泌系に特徴的なマーカーの発現に関し濃縮した。ZIC1、アルブミン及びCDX2の発現は減少していた。図7のパネルa〜iを参照のこと。
【0159】
インスリン産生細胞の選別
実施例1に概説される分化プロトコルのステージVIから得た細胞集団の選別には、CD98に対する抗体を使用した。2つの細胞集団を識別した:a)細胞集団CD98+(Hi)、及びb)細胞集団CD98-(Lo)。細胞集団CD98+(Hi)は、選別後におよそ1.6倍に濃縮された。NEUROD、NGN3、インスリン、及びグルカゴンの発現に関しCD98+(Hi)細胞を濃縮した。図8のパネルa〜dを参照のこと。
【0160】
実験の別のシリーズでは、実施例1に概説される分化プロトコルのステージVから得た細胞集団を、CD47に対する抗体を使用して選別した。2つの細胞集団:a)細胞集団CD47Hi(+)、及びb)細胞集団CD47Lo(-)を識別した。細胞CD47Lo(-)は選別後におよそ3.3倍に濃縮された。NEUROD、NGN3、PDX1、NKX6.1、NKX2.2及びPAX4の発現に関しCD47Lo(-)細胞を濃縮した。図9のパネルa〜fを参照のこと。
【0161】
実験の別のシリーズでは、実施例1に概説される分化プロトコルのステージVIから得た細胞集団を、CD47に対する抗体を使用して選別した。2つの細胞集団:a)細胞集団CD47Hi(+)、及びb)細胞集団CD47Lo(-)を識別した。CD47Lo(-)細胞を、PDX−1、NKX6.1、NKX2.2、PAX−4、PTF1a、NGN3、インスリン及びグルカゴンの発現に関し濃縮した。図10のパネルa〜hを参照のこと。
【0162】
(実施例3)
初期腸管ステージ(ステージ2)のLif受容体陽性細胞の選別
継代数44のヒト胚性幹細胞株H1の細胞を、マトリゲルをコーティングしたプレートで培養し、以下のプロトコルを用いてインスリン産生細胞へと分化させた:
a.2%のBSA(脂肪酸不含)(カタログ番号68700,Proliant,IA)、及び100ng/mLのアクチビンA(R&D Systems,MN)に加え20ng/mLのWNT−3a(カタログ番号1324−WN−002,R&D Systems,MN)及び8ng/mLのbFGF(カタログ番号100−18B,PeproTech,NJ)を添加したRPMI培地で1日処理した後に、2%のBSA、100ng/mLのアクチビンA、8ng/mLのbFGFを添加したRPMI培地で更に2日間処理し(ステージ1)、次いで
b.RPMI+2%のBSA+50ng/mLのFGF7+0.25μMのSANT−1(#S4572,Sigma,MO)で3日間処理し(ステージ2)、次いで
c.DMEM/高グルコース+1:200希釈したITS−X(Invitrogen,CA)+0.1%のBSA(Invitrogen,Ca)+50ng/mLのFGF7(Peprotech,NJ)+0.25μMのSANT−1+2μMのレチノイン酸(RA)(Sigma,MO)+100ng/mLのノギン(R & D Systems,MN)及び20ng/mLのアクチビンAで4日間処理し(ステージ3)、次いで
d.DMEM/高グルコース+1:200希釈したITS−X(Invitrogen,CA)+0.1% BSA(Invitrogen,Ca)+100ng/mLのノギン+1μMのALK5阻害剤(SCI0120)+で3日間処理した(ステージ4)
【0163】
ステージ2の細胞を、TrypLE Express(Invitrogen,Carlsbad,CA)を用い単独の細胞へと分散させ、ステージ4の基本培地(DM−Hg+ITS−X+BSA)で洗浄した。放出された細胞をスピンダウンし、得られた細胞ペレットを、2%のBSA、0.05%のアジ化ナトリウム/PBS(Sigma,MO)からなる染色緩衝液に懸濁した。必要に応じて、0.1%γ−グロブリン(Sigma)溶液を使用して、細胞のFc−受容体を15分間ブロックした。アリコート(およそ105個の細胞)を、モノクローナル抗体と結合させた(106個の細胞あたり抗体5μL)Lif受容体−フィリコエリトリン(PE)(R & D Systems,MN)と共にインキュベートした。対照には、適切なアイソタイプと一致する抗体と、未染色の細胞を包含させた。抗体を用いるインキュベーションは、すべて4℃で30分間行い、その後細胞を染色緩衝液で洗浄した。染色した細胞をFACS Aria(BD,Ca)で選別した。予分類試料(presort sample)、Lif受容体+フラクション及びLif受容体陰性フラクションから、RNA(Rneasy Mini Kit,Qiagen,CA)を回収した。Lif受容体の発現レベル及び発現パターンを表IIIに要約する。
【0164】
表IIIは、ステージ2の2日及び3日目でのLif受容体の発現を要約する。ステージ2の3日目では、細胞のおよそ70%がLif受容体を発現していた。表IIIに要約されるように、ステージ2の細胞ではLif受容体が高発現であったことが特徴的であったが、ステージ3及び4の細胞ではLif受容体の発現は最低限のものであった。図11中のパネルa〜bに示されるとおり、Lif受容体が豊富であるステージ2の細胞は、未選別の細胞又はLif受容体陰性の細胞と比較して、HNF4 αの発現が有意に上昇した。リアルタイムPCRにより測定されたLif受容体mRNAの発現は、Lif−受容体陽性細胞を含有している細胞フラクションでも豊富であった。
【0165】
(実施例4)
インビボでの腫瘍形成を低減させるためにSSEA−4+細胞を枯渇させるための磁気ビーズによる細胞選別
SSEA4抗原の発現はヒト胚性幹細胞の多能性の重要な指標であり、分化過程でこのマーカーの発現は非常に下方制御される。しかしながら、残りのSSEA−4陽性細胞も、ある程度分化させた細胞を移植させた後に観察される腫瘍及び/又は奇形腫に対して応答性である恐れがある。奇形腫の形成を低減させるにあたり、分化させた細胞集団に混入しているSSEA4+細胞を移植前に枯渇させるための方法が開発されてきた。
【0166】
ヒト胚性幹細胞株H1(継代数40〜52)を、実施例1に概説される分化プロトコルの様々なステージへと分化させた。SSEA−4を枯渇させる概念及び有効性を証明するために、本実験では、まず始めに、細胞がSSEA−4を依然として高発現していることを保証するために、細胞をただ初期腸管ステージ(実施例1に概説される分化プロトコルのステージ2)に分化させた。続く実験において、実施例1に概説される分化プロトコルのステージ4で、分化させた細胞集団からSSEA−4を発現している細胞を枯渇させた。観察結果については表Vを参照されたい。37℃で2〜3分間、TrypLE Express(Invitrogen # 12604,CA)と共にインキュベートすることで、細胞を単独の細胞へと穏やかに遊離させた。枯渇時の、細胞の生存性及び活性を向上させるため、細胞を回収する前に、すべての単離緩衝液に10μMのY−27632(カタログ番号Y 0503,Sigma,St Louis MO)又は0.5μMのThiazovivin(カタログ番号04−0017,Stemgent,San Diego,CA)を含む抗アポトーシス剤を細胞に添加した。
【0167】
0.1%のBSA及び2mMのEDTAを添加したリン酸緩衝生理食塩水(PBS)(Ca2+及びMg2+は不含)からなる分離緩衝液で、細胞を洗浄した。10〜100×106個の細胞を、500μLあたりの最終的な細胞密度が5×106個になるように分離緩衝液に再懸濁した。細胞500μLあたり25μLのSSEA−4抗体を添加し、持続的に混合するために穏やかに揺らす装置を用い、細胞を室温で15〜20分間インキュベートした。300xgで8分間スピンさせて、分離緩衝液で細胞を洗浄した。上清を除去し、細胞を元の容量の緩衝液に再懸濁し、細胞懸濁液500μL毎に、予洗浄したSSEA−4 Depletion beads(DynaBeads(登録商標)SSEA−4,Invitrogen,#11160D)を50μL加えた。細胞及びビーズを混合し、持続的に穏やかに傾斜及び回転させながら室温で15〜20分間インキュベートした。穏やかにピペッティングすることで細胞を混合し、磁気上に5分間配置した。SSEA−4陰性細胞を含有している上清を新しいチューブに移し、残留ビーズを取り除くために、このプロセスを2〜3回繰り返した。ビーズに結合したSSEA4+細胞を磁場から放出させ、両方の細胞集団を計数し、FACS及びPCR解析のために加工した。未分化のH1細胞、初期腸細胞及びステージIVの細胞の、細胞の選別前及び選別後のSSEA4の発現レベルを、どちらも表Vに要約する。
【0168】
実施例1に概説される分化プロトコルのステージIIで分離した細胞集団では、選別前に細胞の20.5%がSSEA4マーカーを発現していた。対照的に、選別後には細胞の1.8%がSSEA4を発現していた(表V)。枯渇により、SSEA−4陽性細胞のうち91.2%が除去されたことになる。内分泌腺前駆細胞を用いる別の実験では、枯渇前には細胞の25.3%がSSEA−4を発現していたが、枯渇後にはわずかに0.9%のみがSSEA−4を発現しており、SSEA−4陽性細胞のうち95.5%が除去されていた(表V)。分化細胞とは対照的に、未分化の胚性幹細胞集団では91.2%がSSEA4を発現していた。
【0169】
選別されたSSEA4+細胞は、OCT4、NANOG、SOX2及びグースコイドを包含する多能性マーカーを非常に高発現していた(図12のパネルa〜d)。
【0170】
(実施例5)
FACSによるSSEA4+(HI)及びSSEA4(LO)細胞の選別
分化細胞から多能性マーカー(SSEA−4+)に富む細胞をフローサイトメトリーにより枯渇させることの調査及びその確認のため、細胞を実施例1に記載のようにステージVIヘと分化させた。TrypleE Expressの細胞解離緩衝液を用い、培養物から細胞を解離させ、実施例2で記載されたように選別するにあたり細胞を調製した。SSEA−4抗体(R&D Systems,Minneapolis,MN,カタログ番号FAB1435P)を使用し、SSEA−4(+)Hi細胞群及びSSEA−4(−)Lo細胞群として識別される2つの細胞画分へと分離した。分離した細胞画分を、実施例4に記載されるようにRT−PCRにより、多能性マーカーの発現について解析した。実施例5に記載されるように、磁気ビーズを用い分離した、SSEA−4を枯渇させた画分及び濃縮させた画分も同様に、選別されたSSEA−4(+)Hi細胞では、SSEA−4(−)Lo細胞とは異なり多能性マーカーのOCT4、NANOG、SOX2及びグースコイドの発現度が非常に高かった。図13のパネルa〜dを参照のこと。
【0171】
(実施例6)
SSEA−4を枯渇させた細胞集団のインビボ移植
予備実験では、SSEA−4を枯渇させた細胞を、実施例1に概説される分化プロトコルのステージIVへと分化させ、次いでマウスの腎被膜ヘと移植し、細胞が生存し、生着するかを試験した。移植したマウスから得たデータを表VIに要約する。
【0172】
5〜6週齢のオスのscid−beigeマウス(C.B−Igh−1b/GbmsTac−Prkdcscid−Lystbg N7)をTaconic Farmsより購入した。滅菌した餌と水を自由に利用できるような状態で、マウスをmicroisolatorケージ内に収容した。外科手術を準備するため、マウスをイヤータグで同定し、体重を測定し、手持ち式glucometer(LifeScan;One Touch)を用いて血糖を測定した。マウスにイソフルランと酸素の混合物で麻酔をかけ、手術部位を小動物用はさみで剪毛した。マウスには手術前に皮下に0.1mg/kgのBuprenexを投与した。70%イソプロピルアルコール、10%ポビドンヨード、及び70%イソプロピルアルコールで連続的に洗浄して手術部位の用意をし、皮膚層と筋層を貫通させて左側切開部を作製した。左腎を露出させ、0.9%塩化ナトリウムで保湿させた。24G×3/4”I.V.カテーテルを使用して腎臓被膜を貫通させた後、針を除去した。次いで腎臓被膜下でカテーテルを腎臓の遠位端まで前進させた。
【0173】
マウスの手術前準備の間に、細胞を1.5mL遠心管で遠心し、次いで細胞ペレットを回収するのに十分な量の培地を残しつつほとんどの上清を除去した。細胞をRainin製Pos−Dポジティブディスプレイスメント式ピペットに回収し、ピペットを反転させて重力により細胞を沈降させた。移植用に充填した細胞調製物を残して過剰な培地を除去した。
【0174】
移植に際し、Pos−Dピペットチップをカテーテルのハブにしっかりと取り付け、腎臓皮膜下でカテーテルを通してピペットから細胞を分配し、腎臓の遠位極に供給した。カテーテルの内腔に少量の培地を流し、残留している細胞を放出させ、カテーテルを引き抜いた。腎臓皮膜を低温焼灼でシールし、腎臓を解剖学的な元の位置に戻した。5−0 vicrylを用いて連続縫合することで筋を縫合し、皮膚を創傷クリップにより閉じた。マウスには手術後に1.0mg/kg Metacamを皮下投与した。マウスを麻酔から覚めさせ、完全に回復させた。
【0175】
移植後に、マウスを週に1回秤量し、週に2回血糖を測定した。移植に続き、マウスには様々な間隔で3g/kgグルコースを腹腔内投与し、グルコース注入の60分後に、ヘパリンを少量含有している遠心管に後眼窩静脈洞から血液を吸引した。血液を遠心分離し、2本目の遠心管中に血漿を配置し、ドライアイス上で凍結させ、その後、ヒトcペプチドアッセイを実施するまでの間−80℃で保管した。ヒトc−ペプチドレベルは製造者による取扱説明書に従って、Mercodia/ALPCO社の診断用超高感度CペプチドELISAを用いて測定した。
【0176】
屠殺時には、上記のように血液を回収し、マウスを安楽死させた。腎被膜から移植片を採取し、リアルタイムqPCR、免疫組織化学、及び病理の面から解析した。
【0177】
三群のマウスに、それぞれi)細胞クラスター、ii)単独の細胞(枯渇させず)及びiii)SSEA4を枯渇させた単独の細胞、から構成される3.3×106個の細胞を移植した。ステージIVへと分化させた細胞は、SSEA−4の枯渇に際し、穏やかに掻き取って小さな細胞クラスターにするか、又はTrypleEにより単独の細胞へと剥離させるかした。実施例5に概説されるようなSSEA−4の枯渇後、移植する前に、低接着プレート(Costar,Coming Incorporated,NYカタログ番号3471)を用い、細胞クラスター及び単独の細胞調製物のどちらも、前駆(ステージIV)細胞分化培地に一晩再播種した。10μMの濃度で、rock阻害剤Y−27632ジヒドロクロリド一水和物(Sigma,カタログ番号Y0503)を一晩培養物に添加した。移植後、マウスを上記のように最大で12週間にわたって監視した。移植片の生存率は、単独の細胞レシピエント(枯渇又は未枯渇)では視覚的には確認されなかったが、5匹中2匹のマウスで細胞クラスターの受容が観察された。細胞クラスターを受容した、5匹中1匹のマウスでは、移植後12週間の時点ではC−ペプチド濃度が検出可能なレベルになっていた。予備実験では移植片の生存率が低かったのは、細胞の品質が低下していたこと、及び移植細胞数が少なかったことが原因である。
【0178】
ヒト胚細胞を、胚体内胚葉(DE)、膵内胚葉(PE)及び膵前駆体が包含される、いくつかの中間段階を経て、成熟した、膵内分泌細胞ヘと分化させる複数工程は、表面マーカーの発現の動的な変化と関連付けられるものである。この分化プロトコルでは、外胚葉細胞型及び中胚葉細胞型を含む、限定されていない複数系統の細胞の不均一な集団が生じるが、膵分化培地において表面マーカーの発現の変化を追うことで、細胞の濃縮及び精製に有用であり得るマーカーを識別することができる。表VIIは、発現の増加又は減少のいずれかが証明された表面マーカーの要約を示す。これらの表面マーカーの発現は、膵内胚葉細胞の陰性又は陽性の選別に有用であり得る。分化プロセス中に発現が減少したマーカーとしては、CD117、CD133、CD181、CD184、CD200、CD221、CD326、CD55、CD57、CD9、及びCD98が挙げられる。分化プロセス中に発現が減少したマーカーとしては、CD13、CD141、CD15、CD318、CD46、CD47、CD49c、CD49e、CD56、及びCD73が挙げられる。これらのマーカーを単独で、又は様々に組み合わせて使用することで、膵臓内胚葉及び前駆細胞に関し濃縮された細胞集団を精製することができる。
【0179】
(実施例7)
フローサイトメトリーによる選別手順
成熟段階が異なる細胞を、TrypLE Express(Invitrogen# 12604,CA)で37℃で2〜3分インキュベートすることで穏やかに剥離させ、2%のBSAを含有させたBD FACS染色緩衝液(BD # 554657,CA)で2回洗浄した。染色させるため、細胞の収率に基づき、20〜50×106個の単独細胞を、2〜3mLのブロッキング緩衝液(0.5%のヒトγ−グロブリンを染色緩衝液(BD,CA)に1:4希釈させたもの)に再懸濁した。フルオロフォアを結合させた一次抗体を最終希釈率1:20で細胞に添加し、細胞を4℃で30分間インキュベートした。洗浄後、染色した細胞を2〜3mLの染色緩衝液に再懸濁した。解析及び細胞選別に先立ち、生細胞/死細胞の識別のために、50〜60μLの7AADを添加した。対照IgG抗体と一致するアイソタイプを陰性対照の染色に使用した。選別前のフルオロフォアの補償値を算出するにあたり、細胞は未染色のままにするか、あるいは、フルオレセインイソチオシアネート(FITC)、フィリコエリトリン(PE)又はアロフィコシアニン(APC)、核染料7−アミノアクチノマイシン(Aminoactinomucin)D(7−AAD)のうちのいずれかのフルオロフォアで染色するかした。
【0180】
BD FACSAria細胞選別機及びBD FACSDivaソフトウェアを用い細胞選別を実施した。対照細胞と一致するアイソタイプを使用して、各細胞選別の陰性ゲートを設定した。各細胞選別実験に関し、光電子増倍管(PMT)の電圧設定は適切なフルオロフォア補償値を用い調整し、明るい集団(陽性(+)又はHi)及び暗い集団又は細胞サブセット(陰性(−)又はLo)を検出した。典型的には、陽性細胞集団(+又はHi)は、第3 decade以上のオーダー(104)であるのに対し、陰性集団は第1〜第2 decade(102〜103)にあった。設定されたゲートを用い、100μMのノズルを用い、流速1.0で細胞を選別した。選別後に細胞の少量のアリコートを分析して、選別した細胞サブセットの精製具合を評価した。RT−PCR解析にあたり、Rneasyミニキット(Qiagen,CA)を使用し、予選別及び選別細胞からRNAを回収した。
【0181】
本明細書の全体を通じて引用した刊行物は、その全体を参照により本明細書に組み込むものとする。以上、本発明の様々な態様を実施例及び好ましい実施形態を参照して説明したが、本発明の範囲は、上記の説明文によってではなく、特許法の原則の下で適宜解釈される以下の「特許請求の範囲」によって定義されるものである点は認識されるであろう。
【0182】
【表1−1】

【0183】
【表1−2】

【0184】
【表1−3】

【0185】
【表2】

【0186】
【表3】

【0187】
【表4】

【0188】
【表5】

【0189】
【表6】

【0190】
【表7】

・「表面マーカーに関連する変化」は、細胞が胚体内胚葉(DE,ステージI)から膵内胚葉(PE,ステージIII)へと、及び最終的には内分泌細胞(ステージV/VI)へと分化する場合に、特定の表面マーカーの発現レベルが増加するのか又は減少するのかについて記載する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
膵内分泌系に特徴的なマーカーを発現している細胞集団からのインスリン産生細胞の生成効率を増加させる方法であって:
a.多能性幹細胞集団を培養する工程、
b.前記多能性幹細胞集団を、胚体内胚葉系に特徴的なマーカーを発現している細胞集団へと分化させる工程、
c.前記胚体内胚葉系に特徴的なマーカーを発現している細胞集団を、初期腸管系に特徴的なマーカーを発現している細胞へと分化させる工程、
d.前記初期腸管系に特徴的なマーカーを発現している細胞集団を、膵内胚葉系に特徴的なマーカーを発現している細胞集団へと分化させる工程、並びに
e.前記膵内胚葉系に特徴的なマーカーを発現している細胞集団を、膵内分泌系に特徴的なマーカーを発現している細胞集団へと分化させる工程、並びに
f.前記膵内分泌系に特徴的なマーカーを発現している細胞を、哺乳動物に少なくともある程度の量移植する工程、を含む、方法。
【請求項2】
前記初期腸管系に特徴的なマーカーを発現している細胞集団が濃縮されている、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記初期腸管に特徴的なマーカーを発現している細胞集団が、前記初期腸管系に特徴的なマーカーを発現している細胞集団を、Lif受容体に結合することのできる試薬と接触させることで濃縮される、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記膵内分泌系に特徴的なマーカーを発現している細胞集団を、CD9、CD13、CD15、CD47、CD56、CD73、CD117、CD133、CD184、CD200、CD318、CD326及びSSEA4からなる群から選択されるマーカーと結合することのできる少なくとも1種の試薬と接触させる、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記哺乳動物がヒトである、請求項1に記載の方法。

【図1】
image rotate

【図1−1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図2−1】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図4−1】
image rotate

【図5】
image rotate

【図5−1】
image rotate

【図6】
image rotate

【図6−1】
image rotate

【図7】
image rotate

【図7−1】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図9−1】
image rotate

【図10】
image rotate

【図10−1】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate


【公表番号】特表2013−520992(P2013−520992A)
【公表日】平成25年6月10日(2013.6.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−556130(P2012−556130)
【出願日】平成23年2月28日(2011.2.28)
【国際出願番号】PCT/US2011/026443
【国際公開番号】WO2011/109279
【国際公開日】平成23年9月9日(2011.9.9)
【出願人】(509087759)ヤンセン バイオテツク,インコーポレーテツド (77)
【Fターム(参考)】