多能性細胞の処理
本発明は、多能性細胞を処理するための方法を目的とし、GSK−3Bの酵素活性阻害剤で多能性細胞を処理することによって、多能性細胞を培養液中で効率的に増殖させ、かつ分化させることができる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、多能性細胞を処理するための方法を目的とし、GSK−3Bの酵素活性阻害剤で多能性細胞を処理することによって、多能性細胞を培養液中で効率的に増殖させ、かつ分化させることができる。
【背景技術】
【0002】
I型糖尿病のための細胞代替療法における進歩と、移植可能なランゲルハウス島の不足により、インスリン産生細胞、又は移植に適した細胞の源を開発することに、興味の焦点が当てられている。1つの手法は、例えば、胚幹細胞等の多能性細胞から機能的β細胞を生成することである。
【0003】
脊椎動物の胚発生において、多能性細胞は、原腸形成として公知のプロセスにて、3つの胚葉(外胚葉、中胚葉、及び内胚葉)を含む細胞のグループを生じる。例えば、甲状腺、胸腺、膵臓、腸、及び肝臓等の組織は、内胚葉から中間段階を経て発達する。このプロセスにおける中間段階は、胚体内胚葉の形成である。胚体内胚葉細胞は、HNF−3β、GATA4、Mixl1、CXCR4及びSox−17などの多くのマーカーを発現する。
【0004】
膵臓の形成は、胚体内胚葉の膵臓内胚葉への分化により起こる。膵臓内胚葉の細胞は膵臓−十二指腸ホメオボックス遺伝子、PDX−1を発現する。PDX−1が存在しない場合、膵臓は、腹側芽及び背側芽の形成を越えて発達しない。したがって、PDX−1の発現は、膵臓の器官形成における重要な過程である。成熟した膵臓は、他の細胞型の中でも、外分泌組織及び内分泌組織を含む。外分泌組織及び内分泌組織は、膵臓内胚葉の分化によって生じる。
【0005】
移植に十分な量の細胞物質を生成するには、培養液中で効率的に増殖することができ、かつ関心対象の組織、例えば、機能的β細胞に効率的に分化することができる、細胞物質の供給源が必要である。
【0006】
ヒト胚幹細胞を培養するための現行法は複雑であり、これらの方法は、細胞がその多能性を失わずに増殖するために、外生要因、つまり合成培地の使用を必要とする。更に、胚幹細胞の分化は、多くの場合、培養液中における細胞増殖の低下を引き起こす。
【0007】
一例を挙げれば、Cheon et al(BioReprod DOI:10.1095/biolreprod.105.046870、2005年10月19日)は、無フィーダー、無血清培養システムを開示し、ここで胚幹細胞は、胚幹細胞の自己複製を誘発することができる異なる増殖因子で補充された非血清代替(SR)培地中で維持される。
【0008】
別の例において、米国特許出願公開第20050233446号は、未分化の霊長類始原幹細胞を含む幹細胞の培養に有用な合成培地を開示している。溶液において、培地は、培養されている幹細胞と比較して実質的に等張等浸透圧である。所定の培養おいて、特定の培地は、基本培地と、実質的に未分化の始原幹細胞の増殖の支持に必要な、ある量のbFGF、インスリン、及びアスコルビン酸の各々とを含有する。
【0009】
別の例において、WO2005086845は、未分化の幹細胞を維持するための方法を開示し、同方法は、幹細胞を、細胞を未分化の状態に維持するのに十分な量のタンパク質のトランスフォーミング増殖因子−β(TGFβ)ファミリーのメンバー、タンパク質の繊維芽細胞増殖因子(FGF)ファミリーのメンバー、又はニコチンアミド(NIC)に、所望の結果を達成するのに十分な時間、暴露することを含む。
【0010】
グリコーゲンシンターゼキナーゼ−3(GSK−3)の阻害剤は、成体幹細胞の拡散及び増殖を促進することで知られている。一例では、Tateishi et al.(Biochemical and Biophysical Research Communications(2007)352:635)は、GSK−3阻害剤は、新生児又は成人の心臓から回収され、間葉系の特徴を有するヒト心臓幹細胞(hCSC)の増殖及び生存を亢進させることを示している。
【0011】
例えば、Rulifson et al(PNAS 144,6247〜6252,(2007))は、Wntシグナルは島β細胞の増殖を刺激すると記載している。
【0012】
別の例では、WO2007016485は、骨髄成体多能性幹細胞を含む非胚幹細胞の培養液にGSK−3阻害剤を添加すると、増殖中の多能性表現型を維持させ、その結果よりロバストな分化応答をもたらすことを報告している。
【0013】
別の例では、US2006030042は、フィーダー細胞層を使用せずに胚幹細胞を維持するために、Wntの添加又はGSK−3酵素活性の小分子阻害剤の添加のいずれかによって、GSK−3を阻害する方法を用いている。
【0014】
別の例では、WO2006026473は、c−mycの転写活性化及びc−mycタンパク質の安定化を通じて多能性細胞を安定させるために、GSK−3B阻害剤を添加することを報告している。
【0015】
別の例では、WO2006100490は、マウス又はヒト胚幹細胞を含む多能性幹細胞の自己複製集団を維持するために、GSK−3阻害剤とgp130アゴニストとを含有する幹細胞培地の使用を報告している。
【0016】
別の例では、Sato et al.(Nature Medicine(2004)10:55〜63)は、特定の薬理化合物を有するGSK−3阻害剤は、胚幹細胞の未分化の表現型を維持し、かつOct−3/4、Rex−1、及びNanogなどの多能性状態特異的転写因子の発現を持続させることができることを示している。
【0017】
別の例では、Maurer et al(Journal of Proteome Research(2007)6:1198〜1208)は、GSK−3阻害剤で処理された成体神経幹細胞は、特にβカテニン標的遺伝子の転写を促進し、かつアポトーシスを減少させることによって、神経分化を亢進させることを示すことを明らかにしている。
【0018】
別の例では、Gregory et al(Annals of the New York Academy of Sciences(2005)1049:97〜106)は、GSK−3B阻害剤がインビトロでの骨形成を亢進させることを報告している。
【0019】
別の例では、Feng et al(Biochemical and Biophysical Research Communcations(2004)324:1333〜1339)は、胚幹細胞の造血分化は、WntがGSK3の天然阻害剤である場合にはWnt/βカテニン経路の抑制を伴うことを示している。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0020】
したがって、膵臓内分泌細胞、膵臓ホルモン発現細胞、又は膵臓ホルモン分泌細胞に分化する可能性を維持する一方で、現在の臨床上の必要性に対処するために増殖され得るように多能性幹細胞株を処理する方法を開発する重大な必要性が今尚存在している。
【課題を解決するための手段】
【0021】
本発明は、多能性細胞をGSK−3Bの酵素活性阻害剤で処理することによって、多能性細胞を増殖及び分化するための方法を提供する。
【0022】
一実施形態において、本発明は多能性細胞を増殖及び分化するための方法を提供し、該方法は:
a.多能性細胞を培養する過程と、
b.多能性細胞をGSK−3Bの酵素活性阻害剤で処理する過程と、を含む。
【0023】
一実施形態において、多能性細胞は、胚体内胚葉系統に特徴的なマーカーを発現する細胞に分化される。
【0024】
多能性細胞はヒト胚幹細胞であってもよく、又は60/913475に開示される方法に従ってヒト胚幹細胞から誘導した多能性マーカーを発現する細胞であってもよい。
【0025】
一実施形態において、GSK−3Bの酵素活性阻害剤は式(I)の化合物である。
【0026】
【化1】
【0027】
一実施形態において、GSK−3Bの酵素活性阻害剤は、式(II)の化合物である。
【0028】
【化2】
【0029】
一実施形態において、GSK−3Bの酵素活性阻害剤は、式(III)の化合物である。
【0030】
【化3】
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】化合物JNJ 17189731の濃度範囲が、観察される細胞核の数によって決定される細胞数(パネルA)、及び免疫蛍光染色の強度によって決定されるSox−17の発現(パネルB)に与える影響を示す。結果は、IN Cell Analyzer 1000(GE Healthcare)を用いて、ヒト胚幹細胞系H1細胞(白色バー)、又はヒト胚幹細胞系H9細胞(黒色バー)から得た。
【図2】化合物JNJ 17163796の濃度範囲が、観察される細胞核の数によって決定される細胞数(パネルA)、及び免疫蛍光染色の強度によって決定されるSox−17の発現(パネルB)に与える影響を示す。結果は、IN Cell Analyzer 1000(GE Healthcare)を用いて、ヒト胚幹細胞系H1細胞(白色バー)、又はヒト胚幹細胞系H9細胞(黒色バー)から得た。
【図3】化合物JNJ 17223375の濃度範囲が、観察される細胞核の数によって決定される細胞数(パネルA)、及び免疫蛍光染色の強度によって決定されるSox−17の発現(パネルB)に与える影響を示す。結果は、IN Cell Analyzer 1000(GE Healthcare)を用いて、ヒト胚幹細胞系H1細胞(白色バー)、又はヒト胚幹細胞系H9細胞(黒色バー)から得た。
【図4】化合物JNJ 18157698の濃度範囲が、観察される細胞核の数によって決定される細胞数(パネルA)、及び免疫蛍光染色の強度によって決定されるSox−17の発現(パネルB)に与える影響を示す。結果は、IN Cell Analyzer 1000(GE Healthcare)を用いて、ヒト胚幹細胞系H1細胞(白色バー)、又はヒト胚幹細胞系H9細胞(黒色バー)から得た。
【図5】化合物JNJ 26158015の濃度範囲が、観察される細胞核の数によって決定される細胞数(パネルA)、及び免疫蛍光染色の強度によって決定されるSox−17の発現(パネルB)に与える影響を示す。結果は、IN Cell Analyzer 1000(GE Healthcare)を用いて、ヒト胚幹細胞系H1細胞(白色バー)、又はヒト胚幹細胞系H9細胞(黒色バー)から得た。
【図6】化合物JNJ 26483197の濃度範囲が、観察される細胞核の数によって決定される細胞数(パネルA)、及び免疫蛍光染色の強度によって決定されるSox−17の発現(パネルB)に与える影響を示す。結果は、IN Cell Analyzer 1000(GE Healthcare)を用いて、ヒト胚幹細胞系H1細胞(白色バー)、又はヒト胚幹細胞系H9細胞(黒色バー)から得た。
【図7】化合物JNJ 26483249の濃度範囲が、観察される細胞核の数によって決定される細胞数(パネルA)、及び免疫蛍光染色の強度によって決定されるSox−17の発現(パネルB)に与える影響を示す。結果は、IN Cell Analyzer 1000(GE Healthcare)を用いて、ヒト胚幹細胞系H1細胞(白色バー)、又はヒト胚幹細胞系H9細胞(黒色バー)から得た。
【図8】化合物JNJ 10220067の濃度範囲が、観察される細胞核の数によって決定される細胞数(パネルA)、及び免疫蛍光染色の強度によって決定されるSox−17の発現(パネルB)に与える影響を示す。結果は、IN Cell Analyzer 1000(GE Healthcare)を用いて、ヒト胚幹細胞系H1細胞(白色バー)、又はヒト胚幹細胞系H9細胞(黒色バー)から得た。
【図9】実施例8に記載の方法に従って、示されている化合物で処理された細胞を用いた免疫蛍光染色法及びフローサイトメトリー分析によって測定された細胞の表面上におけるCXCR4の発現を示す。
【図10】実施例8に記載の方法に従って、示されている化合物で処理された細胞における、リアルタイムPCRによって測定されたHNF−3β(パネルB)及びSox−17(パネルC)の発現を示す。
【図11】IN Cell Analyzer 1000(GE Healthcare)を用いた、示されている化合物の濃度範囲が、観察される細胞核の数によって決定される細胞の数(パネルA)、及び免疫蛍光染色の強度によって決定されるPdx−1の発現(パネルB)、に与える影響を示す。細胞は、実施例9に記載の方法に従って処理された。
【図12】リアルタイムPCRによって測定された、示されている化合物の濃度範囲が、Pdx−1の発現(白色バー)及びHNF−6(黒色バー)に与える影響を示す。細胞は、実施例9に記載の方法に従って処理された。
【図13】IN Cell Analyzer 1000(GE Healthcare)を用いた、示されている化合物の濃度範囲が、観察される細胞核の数によって決定される細胞の数(パネルA)、及び免疫蛍光染色の強度によって決定されるインスリンの発現(パネルB)に与える影響を示す。細胞は、実施例10に記載の方法に従って処理された。
【図14】リアルタイムPCRによって測定された、示されている化合物の濃度範囲が、Pdx−1の発現(白色バー)及びインスリン(黒色バー)に与える影響を示す。細胞は、実施例10に記載の方法に従って処理された。
【図15】IN Cell Analyzer 1000(GE Healthcare)を用いた、示されている化合物の濃度範囲が、観察される細胞核の数によって決定される細胞の数(パネルA)、及び免疫蛍光染色の強度によって決定されるインスリンの発現(パネルB)に与える影響を示す。細胞は、実施例11に記載の方法に従って処理された。
【発明を実施するための形態】
【0032】
開示を分かりやすくするため、限定を目的とすることなく、本発明の詳細な説明を、本発明の特定の特徴、実施形態、又は応用を説明又は図示した以下の小項目に分ける。
【0033】
定義
幹細胞は、単一の細胞レベルにて自己複製し、分化して後代細胞を生成する、それら両方の能力で定義される未分化細胞であり、後代細胞には、自己複製前駆細胞、非再生前駆細胞、及び最終分化細胞が含まれる。幹細胞はまた、インビトロで複数の胚葉(内胚葉、中胚葉及び外胚葉)から様々な細胞系統の機能的細胞に分化する能力によって、また移植後に複数の胚葉の組織を生じ、胚盤胞への注入後、全部ではないとしても殆どの組織を提供する能力によっても、特徴付けられる。
【0034】
幹細胞は、それらの発達能力により:(1)全胚及び胚体外細胞型を生じる能力を意味する全能性、(2)全胚細胞型を生じる能力を意味する多能性、(3)細胞系統の小集合を生じるが、全て特定の組織、器官又は生理的システム内で生じる能力を有することを意味する多能性(例えば、造血幹細胞(HSC)は、HSC(自己複製)、血液細胞に限定された寡能性前駆細胞、並びに血液の通常の構成要素である全細胞型及び要素(例えば、血小板)を含む子孫を産生できる)、(4)多能性幹細胞と比較して限定された細胞系統の小集合を生じる能力を有することを意味する寡能性、並びに(5)1つの細胞系統を生じる能力を有することを意味する単能性(例えば、精子形成幹細胞)に分類される。
【0035】
分化は、非特殊化の(「中立の」)又は比較的特殊化されていない細胞が、例えば、神経細胞又は筋細胞等の特殊化した細胞の特徴を獲得するプロセスである。分化した、又は分化を誘発された細胞は、細胞系統内でより特殊化した(「傾倒した」)状況を呈している細胞である。分化プロセスに適用した際の用語「傾倒した」は、通常の環境下で特定の細胞型又は細胞型の小集合に分化し続ける分化経路の地点に進行しており、通常の環境下で異なる細胞型に分化し、又はより分化されていない細胞型に戻ることができない細胞を指す。脱分化は、細胞が細胞系統内で比較的特殊化されて(又は傾倒して)いない状況に戻るプロセスを指す。本明細書で使用される場合、細胞系統は、細胞の遺伝、即ちその細胞がどの細胞から来たか、またどの細胞を生じ得るかを規定する。細胞系統は、細胞を発達及び分化の遺伝的スキーム内に配置する。系統特異的なマーカーは、関心対象の細胞の表現型に特異的に関連した特徴を指し、中立細胞の関心対象系統への分化を評価する際に使用することができる。
【0036】
「β−細胞系統」は、転写因子PDX−1と、次の転写因子、即ちNGN−3、Nkx2.2、Nkx6.1、NeuroD、Isl−1、HNF−3β、MAFA、Pax4、及びPax6うちの少なくとも1つとに関する遺伝子発現が陽性の細胞を指す。β細胞系統に特徴的なマーカーを発現する細胞は、β細胞を含む。
【0037】
本明細書で言うところの「胚体内胚葉系統に特徴的なマーカーを発現する細胞」とは、次のマーカー、即ちSOX−17、GATA−4、HNF−3β、GSC、Cer1、ノーダル(Nodal)、FGF8、ブラキュリ(Brachyury)、Mix様ホメオボックスタンパク質、FGF4 CD48、エオメソダーミン(eomesodermin)(EOMES)、DKK4、FGF17、GATA−6、CXCR4、C−Kit、CD99、又はOTX2のうちの少なくとも1つを発現する細胞を指す。内胚葉系統に特徴的なマーカーを発現する細胞は、原始線条前駆体細胞、原始線条細胞、中内胚葉細胞及び胚体内胚葉細胞を含む。
【0038】
本明細書で使用される場合、「膵臓内胚葉系統に特徴的なマーカーを発現する細胞」は、以下のマーカーの少なくとも1つを発現している細胞を指す:PDX−1、HNF−1β、PTF−1α、HNF−6、又はHB9。膵臓内胚葉系統に特徴的なマーカーを発現する細胞は、膵臓内胚葉細胞を含む。
【0039】
本明細書で使用される場合、「膵臓内分泌系統に特徴的なマーカーを発現する細胞」は、以下のマーカーの少なくとも1つを発現している細胞を指す:NGN−3、NeuroD、Islet−1、PDX−1、NKX6.1、Pax−4、Ngn−3、又はPTF−1α。膵臓内分泌系統に特徴的なマーカーを発現する細胞としては、膵臓内分泌細胞、膵臓ホルモン発現細胞及び膵臓ホルモン分泌細胞、並びにβ細胞系統の細胞が挙げられる。
【0040】
本明細書で使用される場合、「胚体内胚葉」は、原腸形成中、胚盤葉上層から生じ、胃腸管及びその誘導体を形成する細胞の特徴を保持する細胞を指す。胚体内胚葉細胞は、以下のマーカーを発現する:HNF−3β、GATA−4、SOX−17、Cerberus、OTX2、グースコイド、C−Kit、CD99、及びMixl1。
【0041】
本明細書で使用される場合、「胚体外内胚葉」は、以下のマーカーの少なくとも1つを発現している細胞の集団を指す:SOX−7、AFP、及びSPARC。
【0042】
本明細書で使用される場合、「マーカー」は、関心対象の細胞内で差異的に発現される核酸又はポリペプチド分子である。本文脈において、差異的な発現は、陽性マーカーのレベルの増大及び陰性マーカーのレベルの減少を意味する。検出可能なレベルのマーカー核酸又はポリペプチドは、他の細胞と比較して関心対象の細胞内で十分高く又は低く、そのため当技術分野で公知の多様な方法のいずれかを使用して、関心対象の細胞を他の細胞から識別及び区別することができる。
【0043】
本明細書で使用される場合、「中内胚葉細胞」は、以下のマーカーの少なくとも1つを発現している細胞を指す:CD48、eomesodermin(EOMES)、SOX−17、DKK4、HNF−3β、GSC、FGF17、GATA−6。
【0044】
本明細書で使用される場合、「膵臓内分泌細胞」又は「膵臓ホルモン発現細胞」は、以下のホルモンの少なくとも1つを発現することができる細胞を指す:インスリン、グルカゴン、ソマトスタチン、及び膵臓ポリペプチド。
【0045】
本明細書で使用される場合、「膵臓ホルモン分泌細胞」は、以下のホルモンの少なくとも1つを分泌できる細胞を指す:インスリン、グルカゴン、ソマトスタチン、及び膵臓ポリペプチド。
【0046】
本明細書で使用される場合、「前原始線条細胞」は、以下のマーカーの少なくとも1つを発現している細胞を指す:Nodal、又はFGF8。
【0047】
本明細書で使用される場合、「原始線条細胞」は、以下のマーカーの少なくとも1つを発現している細胞を指す:ブラキュリ(Brachyury)、Mix−様ホメオボックスタンパク質、又はFGF4。
【0048】
一実施形態において、本発明は、多能性細胞をGSK−3Bの酵素活性阻害剤で処理することを含む、多能性細胞を増殖及び分化する方法を提供する。
【0049】
一実施形態において、本発明は、次の過程を含む、多能性細胞を増殖及び分化するための方法を提供する:
c.多能性細胞を培養する過程と、
d.多能性細胞をGSK−3Bの酵素活性阻害剤で処理する過程。
【0050】
一実施形態において、多能性細胞は、胚体内胚葉系統に特徴的なマーカーを発現する細胞に分化される。
【0051】
胚体内胚葉系統に特徴的なマーカーは、SOX17、GATA4、Hnf−3β、GSC、Cer1、Nodal、FGF8、ブラキュリ(Brachyury)、Mix−様ホメオボックスタンパク質、FGF4 CD48、eomesodermin(EOMES)、DKK4、FGF17、GATA6、CXCR4、C−Kit、CD99、及びOTX2からなる群から選択される。胚体内胚葉系統に特徴的なマーカーの少なくとも1つを発現している多能性細胞から誘導される細胞が、本発明において想到される。本発明の一態様において、胚体内胚葉系統に特徴的なマーカーを発現する細胞は、原始線条前駆体細胞である。別の態様において、胚体内胚葉系統に特徴的なマーカーを発現する細胞は、中内胚葉細胞である。別の態様において、胚体内胚葉系統に特徴的なマーカーを発現する細胞は、胚体内胚葉細胞である。
【0052】
多能性細胞は、GSK−3Bの酵素活性阻害剤で約1〜約72時間処理されてもよい。あるいは、多能性細胞は、GSK−3Bの酵素活性阻害剤で約12〜約48時間処理されてもよい。あるいは、多能性細胞は、GSK−3Bの酵素活性阻害剤で約48時間処理されてもよい。
【0053】
一実施形態において、GSK−3Bの酵素活性阻害剤は、濃度約100nM〜約100μMで使用される。あるいは、GSK−3Bの酵素活性阻害剤は、濃度約1μM〜約10μMで使用される。あるいは、GSK−3Bの酵素活性阻害剤は、濃度約10μMで使用される。
【0054】
本発明の方法で使用するのに好適な化合物
一実施形態において、GSK−3Bの酵素活性阻害剤は式(I)の化合物:
【0055】
【化4】
[式中、
R1はフェニル、置換フェニルであり、フェニル置換基はC1〜5アルキル、ハロゲン、ニトロ、トリフルオロメチル及びニトリル、又はピリミジニルからなる群から選択され;
R2はフェニル、置換フェニル(ここでフェニル置換基はC1〜5アルキル、ハロゲン、ニトロ、トリフルオロメチル、及びニトリル、からなる群から選択される)、又は任意にC1〜4アルキルで置換されていてもよいピリミジニルであり、及びR1及びR2の少なくとも一方はピリミジニルである、
R3は水素、2−(トリメチルシリル)エトキシメチル、C1〜5アルキルカルボニル、アリールオキシカルボニル、アリールC1〜5アルキルオキシカルボニル、アリールC1〜5アルキル、置換アリールC1〜5アルキル(ここで1つ以上のアリール置換基は、独立して、C1〜5アルキル、C1〜5アルコキシ、ハロゲン、アミノ、C1〜5アルキルアミノ、及びジC1〜5アルキルアミノからなる群から選択される)、フタルイミドC1〜5アルキル、アミノC1〜5アルキル、ジアミノC1〜5アルキル、スクシンイミドC1〜5アルキル、C1〜5アルキルカルボニル、アリールカルボニル、C1〜5アルキルカルボニルC1〜5アルキル及びアリールオキシカルボニルC1〜5アルキルであり;
R4は、−(A)−(CH2)q−Xであり;
Aは、ビニレン、エチニレン又は
【0056】
【化5】
であり、
R5は、水素、C1〜5アルキル、フェニル、及びフェニルC1〜5アルキルからなる群から選択され;
qは0〜9であり;
Xは、水素、ヒドロキシ、ビニル、置換ビニル(ここで1つ以上のビニル置換基はそれぞれ、フッ素、臭素、塩素、及びヨウ素からなる群から選択される)、エチニル、置換エチニル(ここでエチニル置換基は、フッ素、臭素塩素、及びヨウ素からなる群から選択される)、C1〜5アルキル、置換されたC1〜5アルキル(ここで1つ以上のアルキル置換基はそれぞれ、C1〜5アルコキシ、トリハロアルキル、フタルイミド、及びアミノからなる群から選択される)、C3〜7シクロアルキル、C1〜5アルコキシ、置換されたC1〜5アルコキシ(ここでアルキル置換基は、フタルイミド及びアミノらなる群から選択される)、フタルイミドオキシ、フェノキシ、置換フェノキシ(ここで1つ以上のフェニル置換基はそれぞれ、C1〜5アルキル、ハロゲン、及びC1〜5アルコキシからなる群から選択される)、フェニル、置換フェニル(ここで1つ以上のフェニル置換基はそれぞれ、C1〜5アルキル、ハロゲン、及びC1〜5アルコキシからなる群から選択される)、アリールC1〜5アルキル、置換アリールC1〜5アルキル(ここで1つ以上のアリール置換基はそれぞれ、C1〜5アルキル、ハロゲン、及びC1〜5アルコキシからなる群から選択される)、アリールオキシC1〜5アルキルアミノ、C1〜5アルキルアミノ、ジC1〜5アルキルアミノ、ニトリル、オキシム、ベンジルオキシイミノ(benxyloxyimino)、C1〜5アルキルオキシイミノ、フタルイミド、スクシンイミド、C1〜5アルキルカルボニルオキシ、フェニルカルボニルオキシ、置換フェニルカルボニルオキシ(ここで1つ以上のフェニル置換基はそれぞれ、C1〜5アルキル、ハロゲン、及びC1〜5アルコキシからなる群から選択される)、フェニルC1〜5アルキルカルボニルオキシ(ここで1つ以上のフェニル置換基はそれぞれ、C1〜5アルキル、ハロゲン、及びC1〜5アルコキシからなる群から選択される)、アミノカルボニルオキシ、C1〜5アルキルアミノカルボニルオキシ、ジC1〜5アルキルアミノカルボニルオキシ、C1〜5アルキルカルボニルオキシ、置換されたC1〜5アルキルカルボニルオキシ(ここで1つ以上のアルキル置換基はそれぞれ、メチル、エチル、イソプロピル、及びヘキシルからなる群から選択される)、フェノキシカルボニルオキシ、置換フェノキシカルボニルオキシ(ここで1つ以上のフェニル置換基はそれぞれ、C1〜5アルキル、C1〜5アルコキシ、及びハロゲンからなる群から選択される)、C1〜5アルキルチオ、置換されたC1〜5アルキルチオ(ここでアルキル置換基は、ヒドロキシ及びフタルイミドからなる群から選択される)、C1〜5アルキルスルホニル、フェニルスルホニル、置換フェニルスルホニル(ここで1つ以上のフェニル置換基はそれぞれ、臭素、フッ素、塩素、C1〜5アルコキシ、及びトリフルオロメチルからなる群から選択される);但し、Aが
【0057】
【化6】
【0058】
qが0、及びXがHの場合は、R3は2−(トリメチルシリル)エトキシメチルでなくてもよい];及びその薬学上許容し得る塩からなる群から選択される。
【0059】
本発明の実施例は式(I)の化合物を含み、式中、R1は置換フェニル及びR2はピリミジン]−3−イルである。
【0060】
本発明の実施例は式(I)の化合物を含み、式中、R1は4−フルオロフェニルである。
【0061】
本発明の実施例は式(I)の化合物を含み、式中、R3は水素、アリールC1〜5アルキル、又は置換アリールC1〜5アルキルである。
【0062】
本発明の実施例は式(I)の化合物を含み、式中、R3は水素又はフェニルC1〜5アルキルである。
【0063】
本発明の実施例は式(I)の化合物を含み、式中、Aはエチニレン、及びqは0〜5である。
【0064】
本発明の実施例は式(I)の化合物を含み、式中、Xは、スクシンイミド、ヒドロキシ、メチル、フェニル、C1〜5アルキルスルホニル、C3〜6シクロアルキル、C1〜5アルキルカルボニルオキシ、C1〜5アルコキシ、フェニルカルボニルオキシ、C1〜5アルキルアミノ、ジC1〜5アルキルアミノ、又はニトリルである。
【0065】
式(I)の化合物は、同一出願人による米国特許第6,214,830号に開示されており、該特許の完全な開示は参照により本明細書に組み込まれる。
【0066】
本発明の実施例は式(I)の化合物を含み、この化合物は次のものからなる群から選択される:
【0067】
【表1】
【0068】
本発明の実施例は式(I)の化合物を含み、この化合物は次の式の化合物5である。
【0069】
【化7】
【0070】
一実施形態において、GSK−3Bの酵素活性阻害剤は式(II)の化合物:
【0071】
【化8】
[式中、
Rは、Ra、−C1〜8アルキル−Ra、−C2〜8アルケニル−Ra、−C2〜8アルキニル−Ra、及びシアノからなる群から選択され;
Raは、シクロアルキル、複素環、アリール、及びヘテロアリールからなる群から選択され;
R1は、水素、−C1〜8アルキル−R5、−C2〜8アルケニル−R5、−C2〜8アルキニル−R5、−C(O)−(C1〜8)アルキル−R9、−C(O)−アリール−R8、−C(O)−O−(C1〜8)アルキル−R9、−C(O)−O−アリール−R8、−C(O)−NH(C1〜8アルキル−R9)、−C(O)−NH(アリール−R8)、−C(O)−N(C1〜8アルキル−R9)2、−SO2−(C1〜8)アルキル−R9、−SO2−アリール−R8、−シクロアルキル−R6、−複素環−R6、−アリール−R6、及び−ヘテロアリール−R6からなる群から選択され;ここで、複素環及びヘテロアリールは、複素環又はヘテロアリール環の炭素原子を通して1の位置のアザインドール窒素原子と結合しており;
R5は、水素、−O−(C1〜8)アルキル、−O−(C1〜8)アルキル−OH、−O−(C1〜8)アルキル−O−(C1〜8)アルキル、−O−(C1〜8)アルキル−NH2、−O−(C1〜8)アルキル−NH(C1〜8アルキル)、−O−(C1〜8)アルキル−N(C1〜8アルキル)2、−O−(C1〜8)アルキル−S−(C1〜8)アルキル、−O−(C1〜8)アルキル−SO2−(C1〜8)アルキル、−O−(C1〜8)アルキル−SO2−NH2、−O−(C1〜8)アルキル−SO2−NH(C1〜8アルキル)、−O−(C1〜8)アルキル−SO2−N(C1〜8アルキル)2、−O−C(O)H、−O−C(O)−(C1〜8)アルキル、−O−C(O)−NH2、−O−C(O)−NH(C1〜8アルキル)、−O−C(O)−N(C1〜8アルキル)2、−O−(C1〜8)アルキル−C(O)H、−O−(C1〜8)アルキル−C(O)−(C1〜8)アルキル、−O−(C1〜8)アルキル−CO2H、−O−(C1〜8)アルキル−C(O)−O−(C1〜8)アルキル、−O−(C1〜8)アルキル−C(O)−NH2、−O−(C1〜8)アルキル−C(O)−NH(C1〜8アルキル)、−O−(C1〜8)アルキル−C(O)−N(C1〜8アルキル)2、−C(O)H、−C(O)−(C1〜8)アルキル、−CO2H、−C(O)−O−(C1〜8)アルキル、−C(O)−NH2、−C(NH)−NH2、−C(O)−NH(C1〜8アルキル)、−C(O)−N(C1〜8アルキル)2、−SH、−S−(C1〜8)アルキル、−S−(C1〜8)アルキル−S−(C1〜8)アルキル、−S−(C1〜8)アルキル−O−(C1〜8)アルキル、−S−(C1〜8)アルキル−O−(C1〜8)アルキル−OH、−S−(C1〜8)アルキル−O−(C1〜8)アルキル−NH2、−S−(C1〜8)アルキル−O−(C1〜8)アルキル−NH(C1〜8アルキル)、−S−(C1〜8)アルキル−O−(C1〜8)アルキル−N(C1〜8アルキル)2、−S−(C1〜8)アルキル−NH(C1〜8アルキル)、−SO2−(C1〜8)アルキル、−SO2−NH2、−SO2−NH(C1〜8アルキル)、−SO2−N(C1〜8アルキル)2、−N−R7、シアノ,(ハロ)1〜3、ヒドロキシ、ニトロ、オキソ、−シクロアルキル−R6、−複素環−R6、−アリール−R6、及び−ヘテロアリール−R6からなる群から独立して選択される1〜2個の置換基であり;
R6は、水素、−C1〜8アルキル、−C2〜8アルケニル、−C2〜8アルキニル、−C(O)H、−C(O)−(C1〜8)アルキル、−CO2H、−C(O)−O−(C1〜8)アルキル、−C(O)−NH2、−C(NH)−NH2、−C(O)−NH(C1〜8アルキル)、−C(O)−N(C1〜8)アルキル)2、−SO2−(C1〜8)アルキル、−SO2−NH2、−SO2−NH(C1〜8アルキル)、−SO2−N(C1〜8アルキル)2、−(C1〜8)アルキル−N−R7、−(C1〜8)アルキル−(ハロ)1〜3、−(C1〜8)アルキル−OH、−アリール−R8、−(C1〜8)アルキル−アリール−R8、及び−(C1〜8)アルキル−ヘテロアリール−R8からなる群から独立して選択される、炭素原子又は窒素原子に結合された1〜4個の置換基であり;但し、R6が炭素原子に結合されている場合には、R6は、−C1〜8アルコキシ、−(C1〜8)アルコキシ−(ハロ)1〜3、−SH、−S−(C1〜8)アルキル、−N−R7、シアノ、ハロ、ヒドロキシ、ニトロ、オキソ、及び−ヘテロアリール−R8からなる群から更に選択され;
R7は、水素、−C1〜8アルキル、−C2〜8アルケニル、−C2〜8アルキニル、−(C1〜8)アルキル−OH、−(C1〜8)アルキル−O−(C1〜8)アルキル、−(C1〜8)アルキル−NH2、−(C1〜8)アルキル−NH(C1〜8アルキル)、−(C1〜8)アルキル−N(C1〜8アルキル)2、−(C1〜8)アルキル−S−(C1〜8)アルキル、−C(O)H、−C(O)−(C1〜8)アルキル、−C(O)−O−(C1〜8)アルキル、−C(O)−NH2、−C(O)−NH(C1〜8アルキル)、−C(O)−N(C1〜8アルキル)2、−SO2−(C1〜8)アルキル、−SO2−NH2、−SO2−NH(C1〜8アルキル)、−SO2−N(C1〜8アルキル)2、−C(N)−NH2、−シクロアルキル−R8、−(C1〜8)アルキル−複素環−R8、−アリール−R8、−(C1〜8)アルキル−アリール−R8、及び−(C1〜8)アルキル−ヘテロアリール−R8からなる群から独立して選択される2個の置換基であり;
R8は、水素、−C1〜8アルキル、−(C1〜8)アルキル−(ハロ)1〜3及び−(C1〜8)アルキル−OHからなる群から独立して選択される、炭素原子又は窒素原子に結合された1〜4個の置換基であり;但し、R8が炭素原子に結合されている場合には、R8は、−C1〜8アルコキシ、−NH2、−NH(C1〜8アルキル)、−N(C1〜8アルキル)2、シアノ、ハロ、−(C1〜8)アルコキシ−(ハロ)1〜3、ヒドロキシ、及びニトロからなる群から更に選択され;
R9は、水素、−C1〜8アルコキシ、−NH2、−NH(C1〜8アルキル)、−N(C1〜8アルキル)2、シアノ、(ハロ)1〜3、ヒドロキシ、及びニトロからなる群から独立して選択される1〜2個の置換基であり;
R2は、水素、−C1〜8アルキル−R5、−C2〜8アルケニル−R5、−C2〜8アルキニル−R5、−C(O)H、−C(O)−(C1〜8)アルキル−R9、−C(O)−NH2、−C(O)−NH(C1〜8アルキル−R9)、−C(O)−N(C1〜8アルキル−R9)2、−C(O)−NH(アリール−R8)、−C(O)−シクロアルキル−R8、−C(O)−複素環−R8、−C(O)−アリール−R8、−C(O)−ヘテロアリール−R8、−CO2H、−C(O)−O−(C1〜8)アルキル−R9、−C(O)−O−アリール−R8、−SO2−(C1〜8)アルキル−R9、−SO2−アリール−R8、−シクロアルキル−R6、−アリール−R6及び−(C1〜8)アルキル−N−R7からなる群より独立して選択される、炭素原子又は窒素原子に結合された1個の置換基であり;但し、R2が炭素原子に結合されている場合には、R2は、−C1〜8アルコキシ−R5、−N−R7、シアノ、ハロゲン、ヒドロキシ、ニトロ、オキソ、−複素環−R6、及び−ヘテロアリール−R6からなる群から更に選択され;
R3は、水素、−C1〜8アルキル−R10、−C2〜8アルケニル−R10、−C2〜8アルキニル−R10、−C1〜8アルコキシ−R10、−C(O)H、−C(O)−(C1〜8)アルキル−R9、−C(O)−NH2、−C(O)−NH(C1〜8アルキル−R9)、−C(O)−N(C1〜8アルキル−R9)2、−C(O)−シクロアルキル−R8、−C(O)−複素環−R8、−C(O)−アリール−R8、−C(O)−ヘテロアリール−R8、−C(NH)−NH2、−CO2H、−C(O)−O−(C1〜8)アルキル−R9、−C(O)−O−アリール−R8、−SO2−(C1〜8)アルキル−R9、−SO2−アリール−R8、−N−R7、シアノ、ハロゲン、ヒドロキシ、ニトロ、−シクロアルキル−R8、−複素環−R8、−アリール−R8、及び−ヘテロアリール−R8からなる群より独立して選択される、炭素原子に結合された1〜3個の置換基であり;
R4は、水素、−C1〜8アルキル−R10、−C2〜8アルケニル−R10、−C2〜8アルキニル−R10、−C1〜8アルコキシ−R10、−C(O)H、−C(O)−(C1〜8)アルキル−R9、−C(O)−NH2、−C(O)−NH(C1〜8アルキル−R9)、−C(O)−N(C1〜8アルキル−R9)2、−C(O)−シクロアルキル−R8、−C(O)−複素環−R8、−C(O)−アリール−R8、−C(O)−ヘテロアリール−R8、−C(NH)−NH2、−CO2H、−C(O)−O−(C1〜8)アルキル−R9、−C(O)−O−アリール−R8、−SH、−S−(C1〜8)アルキル−R10、−SO2−(C1〜8)アルキル−R9、−SO2−アリール−R8、−SO2−NH2、−SO2−NH(C1〜8アルキル−R9)、−SO2−N(C1〜8アルキル−R9)2、−N−R7、シアノ、ハロゲン、ヒドロキシ、ニトロ、−シクロアルキル−R8、−複素環−R8、−アリール−R8、及び−ヘテロアリール−R8からなる群より独立して選択される、炭素原子に結合された1〜4個の置換基であり;
R10は、水素、−NH2、−NH(C1〜8アルキル)、−N(C1〜8アルキル)2、シアノ、(ハロ)1〜3、ヒドロキシ、ニトロ、及びオキソからなる群から独立して選択される1〜2個の置換基であり;並びに
Y及びZは、O、S、(H,OH)、及び(H,H)からなる群から独立して選択され;但し、Y及びZの一方がOであり且つ他方がO、S、(H,OH)、及び(H,H)からなる群から選択される];及びそれらの薬学上許容し得る塩である。
【0072】
本発明の実施形態は、式(II)の化合物を含み、式中、Rは、Ra、−C1〜4アルキル−Ra、−C2〜4アルケニル−Ra、−C2〜4アルキニル−Ra、及びシアノからなる群から選択される。
【0073】
本発明の実施形態は、式(II)の化合物を含み、式中、Raは、複素環、アリール、及びヘテロアリールからなる群から選択される。
【0074】
一実施形態において、Raは、ジヒドロ−ピラニル、フェニル、ナフチル、チエニル、ピロリル、イミダゾリル、ピラゾリル、ピリジニル、アザインドリル、インダゾリル、ベンゾフリル、ベンゾチエニル、ジベンゾフリル、及びジベンゾチエニルからなる群から選択される。
【0075】
本発明の実施形態は、式(II)の化合物を含み、式中、R1は、水素、−C1〜4アルキル−R5、−C2〜4アルケニル−R5、−C2〜4アルキニル−R5、−C(O)−(C1〜4)アルキル−R9、−C(O)−アリール−R8、−C(O)−O−(C1〜4)アルキル−R9、−C(O)−O−アリール−R8、−C(O)−NH(C1〜4アルキル−R9)、−C(O)−NH(アリール−R8)、−C(O)−N(C1〜4アルキル−R9)2、−SO2−(C1〜4)アルキル−R9、−SO2−アリール−R8、−シクロアルキル−R6、−複素環−R6、−アリール−R6及び−ヘテロアリール−R6からなる群から選択され;ここで、複素環及びヘテロアリールは、複素環又はヘテロアリール環の炭素原子を通して1の位置のアザインドール窒素原子と結合している。
【0076】
一実施形態において、R1は、水素、−C1〜4アルキル−R5、−アリール−R6、及び−ヘテロアリール−R6からなる群から選択され;ここで、ヘテロアリールは、ヘテロアリール環の炭素原子を通して1の位置のアザインドール窒素原子に結合されている。
【0077】
一実施形態において、R1は、水素、−C1〜4アルキル−R5、及び−ナフチル−R6からなる群から選択される。
【0078】
本発明の実施形態は、式(II)の化合物を含み、式中、R5は、水素、−O−(C1〜4)アルキル、−O−(C1〜4)アルキル−OH、−O−(C1〜4)アルキル−O−(C1〜4)アルキル、−O−(C1〜4)アルキル−NH2、−O−(C1〜4)アルキル−NH(C1〜4アルキル)、−O−(C1〜4)アルキル−N(C1〜4アルキル)2、−O−(C1〜4)アルキル−S−(C1〜4)アルキル、−O−(C1〜4)アルキル−SO2−(C1〜4)アルキル、−O−(C1〜4)アルキル−SO2−NH2、−O−(C1〜4)アルキル−SO2−NH(C1〜4アルキル)、−O−(C1〜4)アルキル−SO2−N(C1〜4アルキル)2、−O−C(O)H、−O−C(O)−(C1〜4)アルキル、−O−C(O)−NH2、−O−C(O)−NH(C1〜4アルキル)、−O−C(O)−N(C1〜4アルキル)2、−O−(C1〜4)アルキル−C(O)H、−O−(C1〜4)アルキル−C(O)−(C1〜4)アルキル、−O−(C1〜4)アルキル−CO2H、−O−(C1〜4)アルキル−C(O)−O−(C1〜4)アルキル、−O−(C1〜4)アルキル−C(O)−NH2、−O−(C1〜4)アルキル−C(O)−NH(C1〜4アルキル)、−O−(C1〜4)アルキル−C(O)−N(C1〜4アルキル)2、−C(O)H、−C(O)−(C1〜4)アルキル、−CO2H、−C(O)−O−(C1〜4)アルキル、−C(O)−NH2、−C(NH)−NH2、−C(O)−NH(C1〜4アルキル)、−C(O)−N(C1〜4アルキル)2、−SH、−S−(C1〜4)アルキル、−S−(C1〜4)アルキル−S−(C1〜4)アルキル、−S−(C1〜4)アルキル−O−(C1〜4)アルキル、−S−(C1〜4)アルキル−O−(C1〜4)アルキル−OH、−S−(C1〜4)アルキル−O−(C1〜4)アルキル−NH2、−S−(C1〜4)アルキル−O−(C1〜4)アルキル−NH(C1〜4アルキル)、−S−(C1〜4)アルキル−O−(C1〜4)アルキル−N(C1〜4アルキル)2、−S−(C1〜4)アルキル−NH(C1〜4アルキル)、−SO2−(C1〜4)アルキル、−SO2−NH2、−SO2−NH(C1〜4アルキル)、−SO2−N(C1〜4アルキル)2、−N−R7、シアノ、(ハロ)1〜3、ヒドロキシ、ニトロ、オキソ、−シクロアルキル−R6、−複素環−R6、−アリール−R6、及び−ヘテロアリール−R6からなる群から独立して選択される1〜2個の置換基である。
【0079】
一実施形態において、R5は、水素、−O−(C1〜4)アルキル、−N−R7、ヒドロキシ、及び−ヘテロアリール−R6からなる群から独立して選択される1〜2個の置換基である。
【0080】
一実施形態において、R5は、水素、−O−(C1〜4)アルキル、−N−R7、ヒドロキシ、−イミダゾリル−R6、−トリアゾリル−R6及び−テトラゾリル−R6からなる群から独立して選択される1〜2個の置換基である。
【0081】
本発明の実施形態は、式(II)の化合物を含み、式中、R6は、水素、−C1〜4アルキル、−C2〜4アルケニル、−C2〜4アルキニル、−C(O)H、−C(O)−(C1〜4)アルキル、−CO2H、−C(O)−O−(C1〜4)アルキル、−C(O)−NH2、−C(NH)−NH2、−C(O)−NH(C1〜4アルキル)、−C(O)−N(C1〜4)アルキル)2、−SO2−(C1〜4)アルキル、−SO2−NH2、−SO2−NH(C1〜4アルキル)、−SO2−N(C1〜4アルキル)2、−(C1〜4)アルキル−N−R7、−(C1〜4)アルキル−(ハロ)1〜3、−(C1〜4)アルキル−OH、−アリール−R8、−(C1〜4)アルキル−アリール−R8及び−(C1〜4)アルキル−ヘテロアリール−R8からなる群から独立して選択される、炭素原子又は窒素原子に結合された1〜4個の置換基である;但し、R6が炭素原子に結合されている場合には、R6は、−C1〜4アルコキシ、−(C1〜4)アルコキシ−(ハロ)1〜3、−SH、−S−(C1〜4)アルキル、−N−R7、シアノ、ハロ、ヒドロキシ、ニトロ、オキソ、及び−ヘテロアリール−R8からなる群から更に選択される。
【0082】
一実施形態では、R6は水素である。
【0083】
本発明の実施形態は、式(II)の化合物を含み、式中、R7は、水素、−C1〜4アルキル、−C2〜4アルケニル、−C2〜4アルキニル、−(C1〜4)アルキル−OH、−(C1〜4)アルキル−O−(C1〜4)アルキル、−(C1〜4)アルキル−NH2、−(C1〜4)アルキル−NH(C1〜4アルキル)、−(C1〜4)アルキル−N(C1〜4アルキル)2、−(C1〜4)アルキル−S−(C1〜4)アルキル、−C(O)H、−C(O)−(C1〜4)アルキル、−C(O)−O−(C1〜4)アルキル、−C(O)−NH2、−C(O)−NH(C1〜4アルキル)、−C(O)−N(C1〜4アルキル)2、−SO2−(C1〜4)アルキル、−SO2−NH2、−SO2−NH(C1〜4アルキル)、−SO2−N(C1〜4アルキル)2、−C(N)−NH2、−シクロアルキル−R8、−(C1〜4)アルキル−複素環−R8、−アリール−R8、−(C1〜4)アルキル−アリール−R8、及び−(C1〜4)アルキル−ヘテロアリール−R8からなる群から独立して選択される2個の置換基である。
【0084】
一実施形態において、R7は、水素、−C1〜4アルキル、−C(O)H、−C(O)−(C1〜4)アルキル、−C(O)−O−(C1〜4)アルキル、−SO2−NH2、−SO2−NH(C1〜4アルキル)及び−SO2−N(C1〜4アルキル)2からなる群から独立して選択される2個の置換基である。
【0085】
本発明の実施形態は、式(II)の化合物を含み、式中、R8は、水素、−C1〜4アルキル、−(C1〜4)アルキル−(ハロ)1〜3、及び−(C1〜4)アルキル−OHからなる群から独立して選択される、炭素原子又は窒素原子に結合された1〜4個の置換基である;但し、R8が炭素原子に結合されている場合には、R8は、−C1〜4アルコキシ、−NH2、−NH(C1〜4アルキル)、−N(C1〜4アルキル)2、シアノ、ハロ、−(C1〜4)アルコキシ−(ハロ)1〜3、ヒドロキシ、及びニトロからなる群から更に選択される。
【0086】
一実施形態では、R8は水素である。
【0087】
本発明の実施形態は、式(II)の化合物を含み、式中、R9は、水素、−C1〜4アルコキシ、−NH2、−NH(C1〜4アルキル)、−N(C1〜4アルキル)2、シアノ、(ハロ)1〜3、ヒドロキシ、及びニトロからなる群から独立して選択される1〜2個の置換基である。
【0088】
一実施形態では、R9は水素である。
【0089】
本発明の実施形態は、式(II)の化合物を含み、式中、R2は、水素、−C1〜4アルキル−R5、−C2〜4アルケニル−R5、−C2〜4アルキニル−R5、−C(O)H、−C(O)−(C1〜4)アルキル−R9、−C(O)−NH2、−C(O)−NH(C1〜4アルキル−R9)、−C(O)−N(C1〜4アルキル−R9)2、−C(O)−NH(アリール−R8)、−C(O)−シクロアルキル−R8、−C(O)−複素環−R8、−C(O)−アリール−R8、−C(O)−ヘテロアリール−R8、−CO2H、−C(O)−O−(C1〜4)アルキル−R9、−C(O)−O−アリール−R8、−SO2−(C1〜4)アルキル−R9、−SO2−アリール−R8、−シクロアルキル−R6、−アリール−R6、及び−(C1〜4)アルキル−N−R7からなる群から選択される、炭素原子又は窒素原子に結合された1個の置換基である;但し、R2が炭素原子に結合されている場合には、R2は、−C1〜4アルコキシ−R5、−N−R7、シアノ、ハロゲン、ヒドロキシ、ニトロ、オキソ、−複素環−R6、及び−ヘテロアリール−R6からなる群から更に選択される。
【0090】
一実施形態において、R2は、水素、−C1〜4アルキル−R5、−C2〜4アルケニル−R5、−C2〜4アルキニル−R5、−CO2H、−C(O)−O−(C1〜4)アルキル−R9、−シクロアルキル−R6、−アリール−R6、及び−(C1〜4)アルキル−N−R7からなる群から選択される、炭素原子又は窒素原子に結合された1個の置換基である;但し、R2が窒素原子に結合されている場合には、クオーターニウム塩(quaterniumsalt)は形成されず;そして但し、R2が炭素原子に結合されている場合には、R2は、−C1〜4アルコキシ−R5、−N−R7、シアノ、ハロゲン、ヒドロキシ、ニトロ、オキソ、−複素環−R6、及び−ヘテロアリール−R6からなる群から更に選択される。
【0091】
一実施形態において、R2は、水素、−C1〜4アルキル−R5、及び−アリール−R6からなる群から選択される、炭素原子又は窒素原子に結合された1個の置換基である;但し、R2が窒素原子に結合されている場合には、クオーターニウム塩(quaterniumsalt)は形成されず;そして但し、R2が炭素原子に結合されている場合には、R2は、−N−R7、ハロゲン、ヒドロキシ、及び−ヘテロアリール−R6からなる群から更に選択される。
【0092】
本発明の実施形態は、式(II)の化合物を含み、式中、R3は、水素、−C1〜4アルキル−R10、−C2〜4アルケニル−R10、−C2〜4アルキニル−R10、−C1〜4アルコキシ−R10、−C(O)H、−C(O)−(C1〜4)アルキル−R9、−C(O)−NH2、−C(O)−NH(C1〜4アルキル−R9)、−C(O)−N(C1〜4アルキル−R9)2、−C(O)−シクロアルキル−R8、−C(O)−複素環−R8、−C(O)−アリール−R8、−C(O)−ヘテロアリール−R8、−C(NH)−NH2、−CO2H、−C(O)−O−(C1〜4)アルキル−R9、−C(O)−O−アリール−R8、−SO2−(C1〜8)アルキル−R9、−SO2−アリール−R8、−N−R7、−(C1〜4)アルキル−N−R7、シアノ、ハロゲン、ヒドロキシ、ニトロ、−シクロアルキル−R8、−複素環−R8、−アリール−R8、及び−ヘテロアリール−R8からなる群から独立して選択される、炭素原子に結合された1〜3個の置換基である。
【0093】
一実施形態において、R3は、水素、−C1〜4アルキル−R10、−C2〜4アルケニル−R10、−C2〜4アルキニル−R10、−C1〜4アルコキシ−R10、−C(O)H、−CO2H、−NH2、−NH(C1〜4アルキル)、−N(C1〜4アルキル)2、シアノ、ハロゲン、ヒドロキシ、及びニトロからなる群から選択される、炭素原子に結合された1個の置換基である。
【0094】
一実施形態において、R3は、水素、−C1〜4アルキル−R10、−NH2、−NH(C1〜4アルキル)、−N(C1〜4アルキル)2、ハロゲン、及びヒドロキシからなる群から選択される、炭素原子に結合された1個の置換基である。
【0095】
本発明の実施形態は、式(II)の化合物を含み、式中、R4は、水素、−C1〜4アルキル−R10、−C2〜4アルケニル−R10、−C2〜4アルキニル−R10、−C1〜4アルコキシ−R10、−C(O)H、−C(O)−(C1〜4)アルキル−R9、−C(O)−NH2、−C(O)−NH(C1〜4アルキル−R9)、−C(O)−N(C1〜4アルキル−R9)2、−C(O)−シクロアルキル−R8、−C(O)−複素環−R8、−C(O)−アリール−R8、−C(O)−ヘテロアリール−R8、−C(NH)−NH2、−CO2H、−C(O)−O−(C1〜4)アルキル−R9、−C(O)−O−アリール−R8、−SH、−S−(C1〜4)アルキル−R10、−SO2−(C1〜4)アルキル−R9、−SO2−アリール−R8、−SO2−NH2、−SO2−NH(C1〜4アルキル−R9)、−SO2−N(C1〜4アルキル−R9)2、−N−R7、シアノ、ハロゲン、ヒドロキシ、ニトロ、−シクロアルキル−R8、−複素環−R8、−アリール−R8、及び−ヘテロアリール−R8からなる群から独立して選択される、炭素原子に結合された1〜4個の置換基である。
【0096】
一実施形態において、R4は、水素、−C1〜4アルキル−R10、−C2〜4アルケニル−R10、−C2〜4アルキニル−R10、−C1〜4アルコキシ−R10、−C(O)H、−CO2H、−NH2、−NH(C1〜4アルキル)、−N(C1〜4アルキル)2、シアノ、ハロゲン、ヒドロキシ、ニトロ、−シクロアルキル、−複素環、−アリール、及び−ヘテロアリールからなる群から独立して選択される、炭素原子に結合された1〜4個の置換基である。
【0097】
一実施形態において、R4は、水素、C1〜4アルキル−R10、C1〜4アルコキシ−R10、−NH2、−NH(C1〜4アルキル)、−N(C1〜4アルキル)2、ハロゲン、及びヒドロキシからなる群から独立して選択される、炭素原子に結合された1〜4個の置換基である。
【0098】
一実施形態において、R4は、水素、C1〜4アルキル−R10、C1〜4アルコキシ−R10、−NH2、−NH(C1〜4アルキル)、−N(C1〜4アルキル)2、塩素、フッ素、及びヒドロキシからなる群から独立して選択される、炭素原子に結合された1〜4個の置換基である。
【0099】
本発明の実施形態は、式(II)の化合物を含み、式中、R10は、水素、−NH2、−NH(C1〜4アルキル)、−N(C1〜4アルキル)2、シアノ、(ハロ)1〜3、ヒドロキシ、ニトロ、及びオキソからなる群から独立して選択される1〜2個の置換基である。
【0100】
一実施形態において、R10は、水素及び(ハロ)1〜3からなる群から独立して選択される1〜2個の置換基である。
【0101】
一実施形態において、R10は、水素及び(フルオロ)3からなる群から独立して選択される1〜2個の置換基である。
【0102】
本発明の実施形態は、式(II)の化合物を含み、式中、Y及びZは、O、S、(H,OH)、及び(H,H)からなる群から独立して選択される;但し、Y及びZの一方がOであり且つ他方がO、S、(H,OH)、及び(H,H)からなる群から選択される。
【0103】
一実施形態において、Y及びZは、O及び(H,H)からなる群から独立して選択される;但し、Y及びZの一方がOであり且つ他方がO及び(H,H)からなる群から選択される。
【0104】
一実施形態において、Y及びZは独立してOから選択される。
【0105】
式(II)の化合物は、同一出願人による米国特許第7,125,878号に開示されており、該特許の完全な開示は参照により本明細書に組み込まれる。
【0106】
本発明の実施例は式(II)の化合物を含み、この化合物は次のものからなる群から選択される:
【0107】
【表2−1】
【0108】
【表2−2】
【0109】
本発明の実施例は式(II)の化合物を含み、この化合物は次のものからなる群から選択される:
【0110】
【化9】
【0111】
一実施形態において、GSK−3Bの酵素活性阻害剤は、式(III)の化合物:
【0112】
【化10】
[式中、
A及びEは、水素置換された炭素原子及び窒素原子からなる群から独立して選択され;ここで、
【0113】
【化11】
は、1H−インドール、1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン、1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン、及び1H−インダゾールからなる群から独立して選択され;
ZはOから選択され;あるいは、Zはジヒドロから選択され;ここで、それぞれの水素原子は単結合で結合されている;
R4及びR5は、場合によりオキソで置換されているC1〜8アルキル、C2〜8アルケニル、及びC2〜8アルキニルから独立して選択され;
R2は、−C1〜8アルキル−、−C2〜8アルケニル−、−C2〜8アルキニル−、−O−(C1〜8)アルキル−O−、−O−(C2〜8)アルケニル−O−、−O−(C2〜8)アルキニル−O−、−C(O)−(C1〜8)アルキル−C(O)−(式中、上記のアルキル、アルケニル、及びアルキニル結合基のいずれも、C1〜8アルキル、C1〜8アルコキシ、C1〜8アルコキシ(C1〜8)アルキル、カルボキシル、カルボキシル(C1〜8)アルキル、−C(O)O−(C1〜8)アルキル、−C1〜8アルキル−C(O)O−(C1〜8)アルキル、アミノ(水素及びC1〜4アルキルからなる群から独立して選択された置換基で置換されている)、アミノ(C1〜8)アルキル(式中、アミノは、水素及びC1〜4アルキルからなる群から独立して選ばれた置換基で置換されている)、ハロゲン、(ハロ)1〜3(C1〜8)アルキル、(ハロ)1〜3(C1〜8)アルコキシ、ヒドロキシ、ヒドロキシ(C1〜8)アルキル及びオキソからなる群から独立して選ばれた1個〜4個の置換基で場合により置換されている直炭素鎖であり;そして、式中、上記のアルキル、アルケニル、及びアルキニル結合基のいずれも、複素環、アリール、ヘテロアリール、複素環(C1〜8)アルキル、アリール(C1〜8)アルキル、ヘテロアリール(C1〜8)アルキル、スピロシクロアルキル、及びスピロ複素環(式中、上記のシクロアルキル、複素環、アリール、及びヘテロアリール置換基のいずれも、C1〜8アルキル、C1〜8アルコキシ、C1〜8アルコキシ(C1〜8)アルキル、カルボキシル、カルボキシル(C1〜8)アルキル、アミノ(水素及びC1〜4アルキルからなる群から独立して選択された置換基で置換されている)、アミノ(C1〜8)アルキル(式中、アミノは、水素及びC1〜4アルキルからなる群から独立して選択された置換基で置換されている)、ハロゲン、(ハロ)1〜3(C1〜8)アルキル、(ハロ)1〜3(C1〜8)アルコキシ、ヒドロキシ及びヒドロキシ(C1〜8)アルキルからなる群から独立して選択された1個〜4個の置換基で場合により置換されており;そして式中、上記の複素環置換基のいずれも場合によりオキソで置換されている)からなる群から独立して選択された1個〜2個の置換基で場合により置換されている)、シクロアルキル、複素環、アリール、ヘテロアリール(式中、シクロアルキル、複素環、アリール、及びヘテロアリールは、C1〜8アルキル、C1〜8アルコキシ、C1〜8アルコキシ(C1〜8)アルキル、カルボキシル、カルボキシル(C1〜8)アルキル、アミノ(水素及びC1〜4アルキルからなる群から独立して選択された置換基で置換されている)、アミノ(C1〜8)アルキル(式中、アミノは、水素及びC1〜4アルキルからなる群から独立して選ばれた置換基で置換されている)、ハロゲン、(ハロ)1〜3(C1〜8)アルキル、(ハロ)1〜3(C1〜8)アルコキシ、ヒドロキシ及びヒドロキシ(C1〜8)アルキルからなる群から独立して選択された1個〜4個の置換基で場合により置換されており;そして式中、複素環は場合によりオキソで置換されている)、−(O−(CH2)1〜6)0〜5−O−、−O−(CH2)1〜6−O−(CH2)1〜6−O−、−O−(CH2)1〜6−O−(CH2)1〜6−O−(CH2)1〜6−O−、−(O−(CH2)1〜6)0〜5−NR6−、−O−(CH2)1〜6−NR6−(CH2)1〜6−O−、−O−(CH2)1〜6−O−(CH2)1〜6−NR6−、−(O−(CH2)1〜6)0〜5−S−、−O−(CH2)1〜6−S−(CH2)1〜6−O−、−O−(CH2)1〜6−O−(CH2)1〜6−S−、−NR6−、−NR6−NR7−、−NR6−(CH2)1〜6−NR7−、−NR6−(CH2)1〜6−NR7−(CH2)1〜6−NR8−、−NR6−C(O)−、−C(O)−NR6−、−C(O)−(CH2)0〜6−NR6−(CH2)0〜6−C(O)−、−NR6−(CH2)0〜6−C(O)−(CH2)1〜6−C(O)−(CH2)0〜6−NR7−、−NR6−C(O)−NR7−、−NR6−C(NR7)−NR8−、−O−(CH2)1〜6−NR6−(CH2)1〜6−S−、−S−(CH2)1〜6−NR6−(CH2)1〜6−O−、−S−(CH2)1〜6−NR6−(CH2)1〜6−S−、−NR6−(CH2)1〜6−S−(CH2)1〜6−NR7−、及び−SO2−(式中、R6、R7、及びR8は、水素、C1〜8アルキル、C1〜8アルコキシ(C1〜8)アルキル、カルボキシル(C1〜8)アルキル、アミノ(C1〜8)アルキル(式中、アミノは、水素及びC1〜4アルキルからなる群から独立して選択された置換基で置換されている)、ヒドロキシ(C1〜8)アルキル、複素環(C1〜8)アルキル、アリール(C1〜8)アルキル、及びヘテロアリール(C1〜8)アルキル(式中、上記の複素環、アリール、及びヘテロアリール置換基は、C1〜8アルキル、C1〜8アルコキシ、C1〜8アルコキシ(C1〜8)アルキル、カルボキシル、カルボキシル(C1〜8)アルキル、アミノ(水素及びC1〜4アルキルからなる群から独立して選択された置換基で置換されている)、アミノ(C1〜8)アルキル(式中、アミノは、水素及びC1〜4アルキルからなる群から独立して選択された置換基で置換されている)、ハロゲン、(ハロ)1〜3(C1〜8)アルキル、(ハロ)1〜3(C1〜8)アルコキシ、ヒドロキシ、及びヒドロキシ(C1〜8)アルキルからなる群から独立して選択された1個〜4個の置換基で場合により置換されており;そして式中、複素環は場合によりオキソで置換されている)からなる群から独立して選択される)からなる群から選択され;但し、A及びEが水素置換された炭素原子から選択された場合には、R2は、−C2〜8アルキニル−、−O−(C1〜8)アルキル−O−、−O−(C2〜8)アルケニル−O−、−O−(C2〜8)アルキニル−O−、−C(O)−(C1〜8)アルキル−C(O)−(式中、上記のアルキル、アルケニル、及びアルキニル結合基のいずれも、C1〜8アルキル、C1〜8アルコキシ、C1〜8アルコキシ(C1〜8)アルキル、カルボキシル、カルボキシル(C1〜8)アルキル、−C(O)O−(C1〜8)アルキル、−C1〜8アルキル−C(O)O−(C1〜8)アルキル、アミノ(水素及びC1〜4アルキルからなる群から独立して選択された置換基で置換されている)、アミノ(C1〜8)アルキル(式中、アミノは、水素及びC1〜4アルキルからなる群から独立して選択された置換基で置換されている)、ハロゲン、(ハロ)1〜3(C1〜8)アルキル、(ハロ)1〜3(C1〜8)アルコキシ、ヒドロキシ、ヒドロキシ(C1〜8)アルキル及びオキソからなる群から独立して選択された1個〜4個の置換基で場合により置換された直炭素鎖であり;そして式中、上記のアルキル、アルケニル、及びアルキニル結合基のいずれも複素環、アリール、ヘテロアリール、複素環(C1〜8)アルキル、アリール(C1〜8)アルキル、ヘテロアリール(C1〜8)アルキル、スピロシクロアルキル、及びスピロ複素環(式中、上記のシクロアルキル、複素環、アリール、及びヘテロアリール置換基のいずれも、C1〜8アルキル、C1〜8アルコキシ、C1〜8アルコキシ(C1〜8)アルキル、カルボキシル、カルボキシル(C1〜8)アルキル、アミノ(水素及びC1〜4アルキルからなる群から独立して選択された置換基で置換されている)、アミノ(C1〜8)アルキル(式中、アミノは水素及びC1〜4アルキルからなる群から独立して選択された置換基で置換されている)、ハロゲン、(ハロ)1〜3(C1〜8)アルキル、(ハロ)1〜3(C1〜8)アルコキシ、ヒドロキシ、及びヒドロキシ(C1〜8)アルキルからなる群から独立して選択された1個〜4個の置換基で場合により置換されており;そして式中、上記の複素環置換基のいずれも場合によりオキソで置換されている)からなる群から独立して選択された1個〜2個の置換基で場合により置換されている)、シクロアルキル(式中、シクロアルキルは、C1〜8アルキル、C1〜8アルコキシ、C1〜8アルコキシ(C1〜8)アルキル、カルボキシル、カルボキシル(C1〜8)アルキル、アミノ(水素及びC1〜4アルキルからなる群から独立して選択された置換基で置換されている)、アミノ(C1〜8)アルキル(式中、アミノは水素及びC1〜4アルキルからなる群から独立して選択された置換基で置換されている)、ハロゲン、(ハロ)1〜3(C1〜8)アルキル、(ハロ)1〜3(C1〜8)アルコキシ、ヒドロキシ、及びヒドロキシ(C1〜8)アルキルからなる群から独立して選択された1個〜4個の置換基で場合により置換されている)、−(O−(CH2)1〜6)1〜5−O−、−O−(CH2)1〜6−O−(CH2)1〜6−O−、−O−(CH2)1〜6−O−(CH2)1〜6−O−(CH2)
1〜6−O−、−(O−(CH2)1〜6)1〜5−NR6−、−O−(CH2)1〜6−NR6−(CH2)1〜6−O−、−O−(CH2)1〜6−O−(CH2)1〜6−NR6−、−(O−(CH2)1〜6)0〜5−S−、−O−(CH2)1〜6−S−(CH2)1〜6−O−、−O−(CH2)1〜6−O−(CH2)1〜6−S−、−NR6−NR7−、−NR6−(CH2)1〜6−NR7−、−NR6−(CH2)1〜6−NR7−(CH2)1〜6−NR8−、−NR9−C(O)−、−C(O)−NR9−、−C(O)−(CH2)0〜6−NR6−(CH2)0〜6−C(O)−、−NR6−(CH2)0〜6−C(O)−(CH2)1〜6−C(O)−(CH2)0〜6−NR7−、−NR6−C(O)−NR7−、−NR6−C(NR7)−NR8−、−O−(CH2)1〜6−NR6−(CH2)1〜6−S−、−S−(CH2)1〜6−NR6−(CH2)1〜6−O−、−S−(CH2)1〜6−NR6−(CH2)1〜6−S−及び−NR6−(CH2)1〜6−S−(CH2)1〜6−NR7−(式中、R6、R7、及びR8は、水素、C1〜8アルキル、C1〜8アルコキシ(C1〜8)アルキル、カルボキシル(C1〜8)アルキル、アミノ(C1〜8)アルキル(式中、アミノは水素及びC1〜4アルキルからなる群から独立して選択された置換基で置換されている)、ヒドロキシ(C1〜8)アルキル、複素環(C1〜8)アルキル、アリール(C1〜8)アルキル、及びヘテロアリール(C1〜8)アルキル(式中、上記の複素環、アリール及びヘテロアリール置換基は、C1〜8アルキル、C1〜8アルコキシ、C1〜8アルコキシ(C1〜8)アルキル、カルボキシル、カルボキシル(C1〜8)アルキル、アミノ(水素及びC1〜4アルキルからなる群から独立して選択された置換基で置換されている)、アミノ(C1〜8)アルキル(式中、アミノは水素及び水素及びC1〜4アルキルからなる群から独立して選択された置換基で置換されている)、ハロゲン、(ハロ)1〜3(C1〜8)アルキル、(ハロ)1〜3(C1〜8)アルコキシ、ヒドロキシ、及びヒドロキシ(C1〜8)アルキルからなる群から独立して選択された1個〜4個の置換基で場合により置換されており;そして式中、複素環は場合によりオキソで置換されている)よりなる群より独立して選ばれ;そして式中、R9は、C1〜8アルキル、C1〜8アルコキシ(C1〜8)アルキル、カルボキシル(C1〜8)アルキル、アミノ(C1〜8)アルキル(式中、アミノは水素及びC1〜4アルキルからなる群から独立して選択された置換基で置換されている)、ヒドロキシ(C1〜8)アルキル、複素環(C1〜8)アルキル、アリール(C1〜8)アルキル及びヘテロアリール(C1〜8)アルキル(式中、上記の複素環、アリール及びヘテロアリール置換基は、C1〜8アルキル、C1〜8アルコキシ、C1〜8アルコキシ(C1〜8)アルキル、カルボキシル、カルボキシル(C1〜8)アルキル、アミノ(水素及びC1〜4アルキルからなる群から独立して選択された置換基で置換されている)、アミノ(C1〜8)アルキル(式中、アミノは水素及びC1〜4アルキルからなる群から独立して選択された置換基で置換されている)、ハロゲン、(ハロ)1〜3(C1〜8)アルキル、(ハロ)1〜3(C1〜8)アルコキシ、ヒドロキシ及びヒドロキシ(C1〜8)アルキルからなる群から独立して選択された1個〜4個の置換基で場合により置換され;そして式中、複素環は場合によりオキソで置換されている)よりなる群より独立して選ばれる)よりなる群より選ばれ;並びに
R1及びR3は、水素、C1〜8アルキル、C2〜8アルケニル、C2〜8アルキニル(式中、アルキル、アルケニル及びアルキニルは、C1〜8アルコキシ、アルコキシ(C1〜8)アルキル、カルボキシル、カルボキシル(C1〜8)アルキル、アミノ(水素及びC1〜4アルキルからなる群から独立して選択された置換基で置換されている)、アミノ(C1〜8)アルキル(式中、アミノは水素及びC1〜4アルキルからなる群から独立して選択された置換基で置換されている)、(ハロ)1〜3、(ハロ)1〜3(C1〜8)アルキル、(ハロ)1〜3(C1〜8)アルコキシ、ヒドロキシ、ヒドロキシ(C1〜8)アルキル及びオキソからなる群から選択された置換基で場合により置換されている)、C1〜8アルコキシ、C1〜8アルキルカルボニル、(ハロ)1〜3(C1〜8)アルコキシ、C1〜8アルキルチオ、アリール、ヘテロアリール(式中、アリール及びヘテロアリールはC1〜8アルキル、C1〜8アルコキシ、アルコキシ(C1〜8)アルキル、カルボキシル、カルボキシル(C1〜8)アルキル、アミノ(水素及びC1〜4アルキルからなる群から独立して選択された置換基で置換されている)、アミノ(C1〜8)アルキル(式中、アミノは水素及びC1〜4アルキルからなる群から独立して選択された置換基で置換されている)、ハロゲン、(ハロ)1〜3(C1〜8)アルキル、(ハロ)1〜3(C1〜8)アルコキシ、ヒドロキシ、及びヒドロキシ(C1〜8)アルキルからなる群から選択された置換基で場合により置換されている)、アミノ(水素及びC1〜4アルキルからなる群から独立して選択された置換基で場合により置換されている)、シアノ、ハロゲン、ヒドロキシ、及びニトロ、からなる群から独立して選択される];及びそれらの薬学上許容し得る塩である。
【0114】
一実施形態において、式(III)の化合物は、以下からなる群から選択される化合物:
【0115】
【化12】
【0116】
【化13】
【0117】
【化14】
(式中、すべてのその他の変数は前記に定義されている);及びそれらの薬学上許容し得る塩である。
【0118】
一実施形態において、式(III)の化合物は、以下からなる群から選択される化合物:
【0119】
【化15】
(式中、すべてのその他の変数は前記に定義されている);及びそれらの薬学上許容し得る塩である。
【0120】
式(III)の化合物は、同一出願人による米国特許第6,828,327号に開示されており、該特許の完全な開示は参照により本明細書に組み込まれる。
【0121】
本発明の実施例は式(III)の化合物を含み、この化合物は次のものからなる群から選択される:
【0122】
【表3−1】
【0123】
【表3−2】
【0124】
本発明の実施例は式(III)の化合物を含み、この化合物は次のものからなる群から選択される。
【0125】
【化16】
【0126】
本発明の別の実施例は、以下から成る群から選択される化合物を含む:
【0127】
【表4−1】
【0128】
【表4−2】
【0129】
本発明の別の実施例は、以下からなる群から選択される。
【0130】
【化17】
【0131】
【化18】
【0132】
【化19】
【0133】
【化20】
【0134】
本発明の方法による処理に好適な細胞
本発明で使用するのに好適な多能性細胞は、ABCG2、クリプト、FoxD3、Connexin43、Connexin45、Oct4、SOX−2、Nanog、hTERT、UTF−1、ZFP42、SSEA−3、SSEA−4、Tra1−60、及びTra1−81からなる群から選択される多能性マーカーの少なくとも1つを発現する。
【0135】
一実施形態において、多能性細胞は胚幹細胞である。代替的な実施形態において、多能性細胞は、胚幹細胞由来の多能性マーカーを発現する細胞である。一実施形態において、胚幹細胞はヒト細胞である。
【0136】
ヒト胚幹細胞の分離、増殖及び培養
ヒト胚幹細胞の特長:ヒト胚幹細胞は、発生段階特異的胚性抗原(SSEA)3及び4の1つ以上、及びTra−1−60及びTra−1−81と呼ばれる抗体を用いて検出可能なマーカーを発現し得る(Thomson et al.、Science 282:1145,1998)。インビトロでのヒト胚幹細胞の分化は、SSEA−4、Tra−1−60、及びTra−1−81の発現(存在する場合)を消失させ、SSEA−1の発現を増大させる。未分化のヒト胚幹細胞は、通常、アルカリホスファターゼ活性を有し、この活性は、細胞を4%パラホルムアルデヒドで固定した後、製造業者(Vector Laboratories、Burlingame Calif.)によって述べられるようにVectorRedを基質として現像することによって検出することができる。未分化多能性幹細胞はまた、RT−PCRで検出されるように、一般にOct−4及びTERTも発現する。
【0137】
増殖したヒト胚幹細胞の他の望ましい表現型は、3つの全胚葉、即ち、内胚葉、中胚葉、及び外胚葉組織の細胞に分化する可能性である。ヒト胚幹細胞の多能性は、例えば細胞をSCIDマウスに注入し、4%パラホルムアルデヒドを使用して、形成された奇形腫を固定した後、それらを3つの胚層からの細胞型の痕跡に関して組織学的に検査することにより確認することができる。代替的に、多能性は、胚様体を形成し、この胚様体を3つの胚葉に関連したマーカーの存在に関して評価することにより決定することができる。
【0138】
増殖させたヒト胚幹細胞系は、標準的なGバンド法を用いて核型を決定し、対応する霊長類種の公表されている核型と比較することができる。「正常な核型」を有する細胞を獲得することが望ましく、これは細胞が正倍数体であることを意味し、全ヒト染色体が存在しかつ著しく変更されてはいない。
【0139】
ヒト胚幹細胞の供給源:使用が可能なヒト胚幹細胞の種類としては、妊娠期間中の任意の時期(必ずしもではないが、通常は妊娠約10〜12週よりも前)に採取した前胚性組織(例えば胚盤胞など)、胚性組織、胎児組織などの、妊娠後に形成される組織に由来するヒト胚細胞の樹立株が挙げられる。非限定的な例は、例えばヒト胚幹細胞株H1、H7、及びH9(WiCell)等のヒト胚幹細胞又はヒト胚生殖細胞の樹立株である。それらの細胞の最初の樹立又は安定化中に本開示の組成物を使用することも想定され、その場合、源となる細胞は、源となる組織から直接採取した一次多能性細胞であろう。フィーダー細胞の不在下で既に培養された多能性幹細胞集団から採取した細胞も好適である。例えば、BG01v(BresaGen、Athens、GA)等の変異ヒト胚幹細胞株も好適である。
【0140】
一実施形態において、ヒト胚幹細胞は、Thomsonら(米国特許第5,843,780号、Science 282:1145、1998年、Curr.Top.Dev.Biol.38:133ff.、1998年、Proc.Natl.Acad.Sci.U.S.A.92:7844、1995年)に記載されているように調製される。
【0141】
ヒト胚幹細胞の培養:一実施形態において、ヒト胚幹細胞は、本質的にフィーダー細胞を含有しないが、それでもなお、実質的な分化を受けずにヒト胚幹細胞の増殖を支持する培養システムで培養される。分化をともなわない無フィーダー細胞培養液中でのヒト胚幹細胞の増殖は、別の細胞種と予め培養することによって調整した培地を用いることで支持される。代替的に、無フィーダー培養液中での分化なしでのヒト胚幹細胞の増殖は、合成培地を使用して支持される。
【0142】
代替的な実施形態において、ヒト胚幹細胞は、様々な方法で胚幹細胞を支持する、初期培養されたフィーダー細胞層である。次に、ヒト胚を、本質的にフィーダー細胞を含有しないが、それでもなお、実質的な分化を受けずにヒト胚幹細胞の増殖を支持する培養システムに移す。
【0143】
本発明で使用するのに好適な馴化培地の例は、US20020072117、US6642048、WO2005014799、及びXu et al(Stem Cells 22:972〜980、2004)に開示されている。
【0144】
本発明で使用するのに好適な合成培地の例は、US20070010011に見出すことができる。
【0145】
好適な培地は以下の構成要素、例えば、ダルベッコ修正イーグル培地(DMEM)、Gibco# 11965−092、ノックアウトダルベッコ修正イーグル培地(KO DMEM)、Gibco# 10829−018、Ham’s F12/50% DMEM基本培地、200mM L−グルタミン、Gibco# 15039−027、非必須アミノ酸溶液、Gibco 11140−050、β−メルカプトエタノール、Sigma# M7522、ヒト組み換え塩基性繊維芽細胞増殖因子(bFGF)、Gibco# 13256−029から作製されてもよい。
【0146】
一実施形態において、ヒト胚幹細胞は、本発明の方法により処理される前に、処理された好適な培養基質に播かれる。一実施形態において、処理は、例えば基底膜から誘導されたもの、又は接着分子受容体−リガンド結合の一部を形成し得るもの等の細胞外マトリクス成分である。一実施形態において、好適な培養基質は、Matrigel(登録商標)(Becton Dickenson)である。Matrigel(登録商標)は、Engelbreth−Holm−Swarm腫瘍細胞からの可溶性製剤であり、室温でゲル化して再構成された基底膜を形成する。
【0147】
他の細胞外マトリクス成分及び成分混合物は代替物として好適である。他の細胞外マトリクス成分及び成分混合物は、ラミニン、フィブロネクチン、プロテオグリカン、エンタクチン、硫酸ヘパリンなどを、単独又は異なる組合せで含んでもよい。
【0148】
ヒト胚幹細胞は、細胞の生存、増殖、及び所望の特徴の維持を促進する培地の存在下、基質上に好適な分布にて播かれる。この特徴の全部は、播種分布に細心の注意を払うことから利益を得、当業者は容易に決定することができる。
【0149】
ヒト胚幹細胞由来の多能性マーカーを発現する細胞の分離、増殖、及び培養
一実施形態において、多能性マーカーを発現する細胞は、次の過程を含む方法によってヒト胚幹細胞から誘導される:
a.ヒト胚幹細胞を培養する過程、
b.ヒト胚幹細胞を、胚体内胚葉系統に特徴的なマーカーを発現する細胞に分化させる過程、及び
c.細胞を除去し、続いてこの細胞を、細胞を培養する前にタンパク質又は細胞外マトリクスで予め処理されていない組織培養基質上で、低酸素状態下で培養する過程。
【0150】
一実施形態において、多能性マーカーを発現する細胞は、次の過程を含む方法によってヒト胚幹細胞から誘導される:
a.ヒト胚幹細胞を培養する過程、
b.細胞を除去し、続いてこの細胞を、タンパク質又は細胞外マトリクスで予め処理されていない組織培養基質上で、低酸素状態下で培養する過程。
【0151】
タンパク質又は細胞外マトリクスで予め処理されていない組織培養基質上における低酸素状態下での細胞培養
一実施形態では、細胞は、細胞外マトリクスでコーティングされていない組織培養基質上で、低酸素状態下で、約1〜約20日間培養される。代替的な実施形態では、細胞は、細胞外マトリクスでコーティングされていない組織培養基質上で、低酸素状態下で、約5〜約20日間培養される。代替的な実施形態では、細胞は、細胞外マトリクスでコーティングされていない組織培養基質上で、低酸素状態下で、約15日間培養される。
【0152】
一実施形態では、低酸素状態は約1% O2〜約20% O2である。代替的な実施形態では、低酸素状態は約2% O2〜約10% O2である。代替的な実施形態において、低酸素状態は約3% O2である。
【0153】
細胞は、血清と、アクチビンAと、Wntリガンドとを含有する培地で、タンパク質又は細胞外マトリクスで予め処理されていない組織培養基質上で、低酸素状態下で培養される。あるいは、培地は、IGF−1を含有していてもよい。
【0154】
培地は、約2%〜約5%の範囲内の血清濃度を有してもよい。代替的な実施形態において、血清濃度は約2%であってもよい。
【0155】
アクチビンAは、濃度約1pg/mL〜約100μg/mLで使用されてもよい。代替的な実施形態において、濃度は、約1pg/mL〜約1μg/mLであってもよい。別の代替的な実施形態において、濃度は、約1pg/mL〜約100ng/mLであってもよい。別の代替的な実施形態において、濃度は、約50ng/mL〜約100ng/mLであってもよい。別の代替的な実施形態において、濃度は、約100ng/mLであってもよい。
【0156】
Wntリガンドは、Wnt−1、Wnt−3a、Wnt−5a及びWnt−7aからなる群から選択されてもよい。一実施形態において、Wntリガンドは、Wnt−1である。代替的な実施形態において、Wntリガンドは、Wnt−3aである。
【0157】
Wntリガンドは、濃度約1ng/mL〜約1000ng/mLで使用されてもよい。代替的な実施形態において、Wntリガンドは、濃度約10ng/mL〜約100ng/mLで使用されてもよい。一実施形態において、Wntリガンドの濃度は約20ng/mLである。
【0158】
IGF−1は、濃度約1ng/mL〜約100ng/mLで使用されてもよい。代替的な実施形態において、GF−1は、濃度約10ng/mL〜約100ng/mLで使用されてもよい。一実施形態において、IGF−1の濃度は約50ng/mLである。
【0159】
本発明の方法によって誘導される多能性マーカーを発現する細胞は、タンパク質又は細胞外マトリクスで予め処理されていない組織培養基質上において、低酸素状態下で、培養液中で増殖することができる。
【0160】
本発明の方法によって誘導される多能性マーカーを発現する細胞は、ABCG2、クリプト、FoxD3、Connexin43、Connexin45、Oct4、SOX−2、Nanog、hTERT、UTF−1、ZFP42、SSEA−3、SSEA−4、Tra1−60、及びTra1−81からなる群から選択される多能性マーカーの少なくとも1つを発現する。
【0161】
胚体内胚葉系統に特徴的なマーカーを発現する細胞の更なる分化
胚体内胚葉系統に特徴的なマーカーを発現する細胞は、当該技術分野の任意の方法によって、胚体内胚葉系統に特徴的なマーカーを発現する細胞に分化させてもよい。
【0162】
例えば、胚体内胚葉系統に特徴的なマーカーを発現する細胞は、D’AmourらNature Biotechnology 24、1392〜1401(2006年)に開示されている方法に従って、膵臓内胚葉系統に特徴的なマーカーを発現する細胞に分化され得る。
【0163】
例えば、胚体内胚葉系統に特徴的なマーカーを発現する細胞は、胚体内胚葉系統に特徴的なマーカーを発現する細胞を、繊維芽細胞増殖因子及びKAAD−シクロパミンで処理した後、繊維芽細胞増殖因子及びKAAD−シクロパミンを含有する培地を除去し、続いて細胞をレチノイン酸と、繊維芽細胞増殖因子と、KAAD−シクロパミンとを含有する培地中で培養することにより、膵臓内胚葉系統に特徴的なマーカーを発現する細胞に更に分化される。この方法の一例は、D’Amour et al,Nature Biotechnology,24:1392〜1401,(2006)に開示されている。
【0164】
膵臓内胚葉系統に特徴的なマーカーは、Pdx1、HNF−1β、PTF1a、HNF−6、HB9及びPROX1からなる群から選択される。本発明における使用に好適なものは、膵臓内胚葉系統の特徴を示す少なくとも1つのマーカーを発現する細胞である。本発明の一態様において、膵臓内胚葉系統に特徴的なマーカーを発現する細胞は、膵臓内胚葉細胞である。
【0165】
膵臓内胚葉系統に特徴的なマーカーを発現する細胞の更なる分化
膵臓内胚葉系統に特徴的なマーカーを発現する細胞は、当技術分野の任意の方法により、膵臓内分泌系統に特徴的なマーカーを発現する細胞に分化させてもよい。
【0166】
例えば、膵臓内胚葉系統に特徴的なマーカーを発現する細胞は、D’AmourらNature Biotechnology 24、1392〜1401(2006年)に開示されている方法に従って、膵臓内分泌系統に特徴的なマーカーを発現する細胞に分化され得る。
【0167】
膵臓内分泌系統に特徴的なマーカーは、NGN−3、NeuroD、Islet−1、Pdx−1、NKX6.1、Pax−4、Ngn−3、及びPTF−1αからなる群から選択される。一実施形態において、膵臓内分泌細胞は、以下のホルモンの少なくとも1つを発現することができる。インスリン、グルカゴン、ソマトスタチン、及び膵臓ポリペプチド。本発明で使用するに好適なものは、膵臓内分泌系統の特徴を示すマーカーを少なくとも1つ発現する細胞である。本発明の一態様において、膵臓内分泌系統に特徴的なマーカーを発現する細胞は、膵臓内分泌細胞である。膵臓内分泌細胞は、膵臓ホルモン発現細胞であってもよい。代替的に、膵臓内分泌細胞は、膵臓ホルモン分泌細胞であってもよい。
【0168】
本発明の一態様において、膵臓内分泌細胞は、β細胞系統に特徴的なマーカーを発現する細胞である。β細胞系統に特徴的なマーカーを発現する細胞は、Pdx1と、次の転写因子、即ち、NGN−3、Nkx2.2、Nkx6.1、NeuroD、Isl−1、HNF−3β、MAFA、Pax4、及びPax6の少なくとも1つを発現する。本発明の一態様では、β細胞系統に特徴的なマーカーを発現する細胞は、β細胞である。
【0169】
胚体内胚葉に特徴的なマーカーを発現する細胞系統(linage)の検出
胚体内胚葉系統に特徴的なマーカーを発現する細胞の形成は、以下の特定のプロトコルの前後に、マーカーの存在に関して試験することにより決定することができる。多能性幹細胞は、一般にそのようなマーカーを発現しない。したがって、多能性細胞の分化は、細胞がそれらの発現を開始した際に検出される。
【0170】
分化の効率は、胚体内胚葉系統に特徴的なマーカーを発現する細胞により発現されたタンパク質マーカーを特異的に認識する薬剤(例えば、抗体等)に、処理した細胞集団を暴露することにより測定することができる。
【0171】
培養又は単離された細胞中のタンパク質及び核酸マーカーの発現を評価する方法は、当技術分野にて標準的である。これらには、定量的逆転写ポリメラーゼ連鎖反応(RT−PCR)、ノーザンブロット法、インサイツハイブリダイゼーション(例えば、Current Protocols in Molecular Biology(Ausubelら、eds.2001年付録)参照)、及び切片材料の免疫組織学的解析等の免疫測定法、ウェスタンブロット、及び無傷細胞内に到達出来るマーカーに関して、フローサイトメトリー分析(FACS)(例えば、Harlow及びLane、Using Antibodies:A Laboratory Manual、ニューヨーク:Cold Spring Harbor Laboratory Press(1998年)参照)が含まれる。
【0172】
所定のタンパク質マーカーの検出に有用な抗体の例は、表IAに列挙されている。表IAに列挙した抗体により認識されるものと同一のマーカーに指向される代替的な抗体が利用可能であり、又は容易に開発し得ることに留意するべきである。それらの代替的な抗体を、本発明に従って単離された細胞内のマーカーの発現を評価するために、使用してもよい。
【0173】
例えば、多能性幹細胞の特徴は当業者に周知であり、多能性幹細胞の追加の特徴は、継続して同定されている。多能性幹細胞マーカーは、例えば、次のうちの1つ以上の発現を含む:ABCG2、クリプト、FoxD3、Connexin43、Connexin45、Oct4、Sox2、Nanog、hTERT、UTF−1、ZFP42、SSEA−3、SSEA−4、Tra1−60、Tra1−81。
【0174】
多能性幹細胞を本発明の方法で処理した後、処理した細胞集団を、胚体内胚葉系統に特徴的なマーカーを発現する細胞により発現される、例えばCXCR4等のタンパク質マーカーを特異的に認識する薬剤(例えば、抗体等)に暴露することにより、分化した細胞を精製することができる。
【0175】
膵臓内胚葉系統(linage)に特徴的なマーカーを発現する細胞の検出
膵臓内胚葉系統に特徴的なマーカーは、当業者に周知であり、膵臓内胚葉系統の特徴を示す追加のマーカーが、継続して同定されている。これらのマーカーは、本発明に従って処理された細胞が分化して膵臓内胚葉系統の特徴を示す性質を獲得したことを確認するために使用され得る。膵臓内胚葉系統に特異的なマーカーは、例えば、Hlxb9、PTF−1a、PDX−1、HNF−6、HNF−1β等の1つ以上の転写因子の発現を含む。
【0176】
分化の効率は、膵臓内胚葉系統に特徴的なマーカーを発現する細胞により発現されたタンパク質マーカーを特異的に認識する薬剤(例えば、抗体等)に、処理した細胞集団を暴露することにより測定することができる。
【0177】
培養又は単離された細胞中のタンパク質及び核酸マーカーの発現を評価する方法は、当技術分野にて標準的である。これらには、定量的逆転写ポリメラーゼ連鎖反応(RT−PCR)、ノーザンブロット法、インサイツハイブリダイゼーション(例えば、Current Protocols in Molecular Biology(Ausubelら、eds.2001年付録)参照)、及び切片材料の免疫組織学的解析等の免疫測定法、ウェスタンブロット、及び無傷細胞内に到達出来るマーカーに関して、フローサイトメトリー分析(FACS)(例えば、Harlow及びLane、Using Antibodies:A Laboratory Manual、ニューヨーク:Cold Spring Harbor Laboratory Press(1998年)参照)が含まれる。
【0178】
所定のタンパク質マーカーの検出に有用な抗体の例は、表IAに列挙されている。表IAに列挙した抗体により認識されるものと同一のマーカーに指向される代替的な抗体が利用可能であり、又は容易に開発し得ることに留意するべきである。それらの代替的な抗体を、本発明に従って単離された細胞内のマーカーの発現を評価するために、使用してもよい。
【0179】
膵臓内分泌系統(linage)に特徴的なマーカーを発現する細胞の検出
膵臓内分泌系統に特徴的なマーカーは、当業者に周知であり、膵臓内分泌系統の特徴を示す追加のマーカーが、継続して同定されている。これらのマーカーは、本発明に従って処理された細胞が分化して膵臓内分泌系統の特徴を示す性質を獲得したことを確認するために使用され得る。膵臓内分泌系統に特異的なマーカーは、1つ以上の、例えばNGN−3、NeuroD、Islet−1等の転写因子の発現を含む。
【0180】
β細胞系統の細胞に特徴的なマーカーは、当業者に周知であり、β細胞系統の細胞の特徴を示す追加のマーカーが、継続して同定されている。これらのマーカーは、本発明に従って処理された細胞が分化して、β−細胞系統の特徴を示す性質を獲得したことを確認するために使用し得る。β細胞系統に特異的な特徴は、1つ以上の、中でも例えば、Pdx1(膵臓及び十二指腸ホメオボックス遺伝子−1)、Nkx2.2、Nkx6.1、Isl1、Pax6、Pax4、NeuroD、Hnf1b、Hnf−6、Hnf−3β、及びMafA等の転写因子の発現を含む。これらの転写因子は、内分泌細胞の確認に関して当技術分野にて定着している。例えば、Edlund(Nature Reviews genetics 3:524〜632(2002年))を参照されたい。
【0181】
分化の効率は、膵臓内分泌系統に特徴的なマーカーを発現する細胞により発現されたタンパク質マーカーを特異的に認識する薬剤(例えば、抗体等)に、処理した細胞集団を暴露することにより測定することができる。代替的に、分化の効率は、β細胞系統に特徴的なマーカーを発現する細胞により発現されたタンパク質マーカーを特異的に認識する薬剤(例えば、抗体等)に、処理した細胞集団を暴露することにより測定することができる。
【0182】
培養又は単離された細胞中のタンパク質及び核酸マーカーの発現を評価する方法は、当技術分野にて標準的である。これらには、定量的逆転写ポリメラーゼ連鎖反応(RT−PCR)、ノーザンブロット法、インサイツハイブリダイゼーション(例えば、Current Protocols in Molecular Biology(Ausubelら、eds.2001年付録)参照)、及び切片材料の免疫組織学的解析等の免疫測定法、ウェスタンブロット、及び無傷細胞内に到達出来るマーカーに関して、フローサイトメトリー分析(FACS)(例えば、Harlow及びLane、Using Antibodies:A Laboratory Manual、ニューヨーク:Cold Spring Harbor Laboratory Press(1998年)参照)が含まれる。
【0183】
所定のタンパク質マーカーの検出に有用な抗体の例は、表IAに列挙されている。表IAに列挙した抗体により認識されるものと同一のマーカーに指向される代替的な抗体が利用可能であり、又は容易に開発し得ることに留意するべきである。それらの代替的な抗体を、本発明に従って単離された細胞内のマーカーの発現を評価するために、使用してもよい。
【0184】
本発明を以下の実施例により更に説明するが、本発明はこれらの実施例により限定されるものではない。
【実施例】
【0185】
(実施例1)
ヒト胚幹細胞の培養
幹細胞は、単一の細胞レベルにて自己複製し、分化して後代細胞を生成する、それら両方の能力で定義される未分化細胞であり、後代細胞には、自己複製前駆細胞、非再生前駆細胞、及び最終分化細胞が含まれる。幹細胞はまた、インビトロで複数の胚葉(内胚葉、中胚葉及び外胚葉)から様々な細胞系統の機能的細胞に分化する能力によって、また移植後に複数の胚葉の組織を生じ、胚盤胞への注入後、全部ではないとしても殆どの組織を提供する能力によっても、特徴付けられる。
【0186】
ヒト胚幹細胞株H1、H7及びH9をWiCell Research Institute、Inc.(Madison、WI)から獲得し、供給元の研究所から提供された取扱説明書に従って培養した。手短には、細胞を、20%ノックアウト血清代替、100nM MEM非必須アミノ酸、0.5mM β−メルカプトエタノール、4ng/mLヒト塩基性繊維芽細胞増殖因子(bFGF)を有する2mM L−グルタミン(全てInvitrogen/GIBCOより)で補充したDMEM/F12(インビトロジェン/GIBCO)からなるES細胞培地中にてマウス胚線維芽細胞(MEF)フィーダー細胞上で培養した。E13〜13.5マウス胚由来のMEF細胞をCharles Riverから購入した。MEF細胞を、10% FBS(Hyclone)、2mMグルタミン、及び100mM MEM非必須アミノ酸で補充したDMEM培地中で増殖させた。サブコンフルエントなMEF細胞培養物を10mg/mLのマイトマイシンC(Sigma,St.Louis,MO)により3時間処理して、細胞分割を停止させた後、トリプシン処理し、2×104/cm2で0.1%ウシゼラチン−被覆皿上に播いた。継代2〜4からのMEF細胞をフィーダー層として使用した。MEF細胞のフィーダー層に播いたヒト胚幹細胞を、加湿した組織培養インキュベーター内で5%CO2雰囲気中37℃で培養した。コンフルエントとなった際(播いてから約5〜7日後)、ヒト胚幹細胞を1mg/mLコラゲナーゼタイプIV(インビトロジェン/GIBCO)により5〜10分間処理し、次に5mLピペットを使用して表面を穏やかに擦り落とした。細胞を900rpmで5分間回転させ、ペレットを再懸濁し、1:3〜1:4の細胞の比で新鮮培地に再び播いた。
【0187】
平行して、H1、H7、及びH9ヒト胚幹細胞もまた、1:30希釈の成長因子低減Matrigel(商標)(BD Biosciences)でコーティングされているプレートに播種し、8ng/mLのbFGFで補充されたMEF馴化培地で培養した。Matrigel(商標)上で培養した細胞を、コラゲナーゼIV(Invitrogen/GIBCO)、Dispase(BD Biosciences)又はLiberase enzyme(Source)と共にルーチン的に継代させた。ヒト胚幹細胞培養物の一部を低酸素状態下(約3% O2)でインキュベートした。
【0188】
(実施例2)
ヒト胚幹細胞由来の多能性マーカーを発現する細胞の誘導及び培養
ヒト胚幹細胞系H1及びH9由来の種々の継代数(継代30〜54)の細胞を、低酸素状態下(約3% O2)で少なくとも3継代の間培養した。細胞は、8ng/mLのbFGFで補充されたMEF−CM中で培養され、実施例1に従ってMatrigelでコーティングされたプレートに播かれた。
【0189】
次に、細胞を、0.5%のFBS、20ng/mLのWNT−3a(Catalog# 1324−WN−002,RD Systems,MN)及び100ng/mLのアクチビンA(RD Systems,MN)で補充したDMEM/F12培地で2日間処理し、続いて2%のFBS及び100ng/mLのアクチビンA(AA)で補充したDMEM/F12培地で更に3〜4日間処理した。このプロトコルは、胚体内胚葉マーカーの有意な増加をもたらした。
【0190】
次に、細胞は、TrypLE(商標)Express溶液(Invitrogen、CA)で5分間処理された。放出された細胞をDMEM−F12+2% FBS培地で再懸濁し、遠心分離によって回収し、血球計を用いてカウントした。放出された細胞を、組織培養ポリスチレン(TCPS)で処理されたフラスコに、1000−10,000細胞/cm2で播種し、DMEM−F12+2% FBS+100ng/mLアクチビンA+20ng/mLWnt−3Aの中で、低酸素状態(約3% O2)下において37℃で標準組織培養インキュベーター中で培養した。TCPSフラスコは、MATRIGEL又はその他の細胞外マトリクスタンパク質でコーティングされていなかった。培地は毎日交換された。いくつかの培養物において、培地は、10−50ng/mLのIGF−I(インスリン成長因子−I、RD Systems,MNより入手)又は1X ITS(インスリン、トランスフェリン、及びセレン、Invitrogen,CAより入手)で更に補充された。培養条件の一部において、基本培地(DM−F12+2% FBS)は、0.1mMのメルカプトエタノール(Invitrogen,CA)及び非必須アミノ酸(1X,NEAA、Invitrogen,CAより入手)で更に補充された。
【0191】
培養後5〜15日目に、老化して見える多数の巨細胞に囲まれた明確な細胞群体が出現した。約50〜60%コンフルエンシーの時点で、TrypLE(商標)Express溶液に室温で5分間暴露させることによって培養物を継代させた。放出された細胞は、DMEM−F12+2% FBS培地で再懸濁し、遠心分離によって回収し、組織培養ポリスチレン(TCPS)で処理されたフラスコに10,000細胞/cm2でDMEM−F12+2% FBS+100ng/mLアクチビンA+20ng/mLWnt−3A+/−50ng/mLIGF−Iの中に播種した。この培地は以後「培養基」とも呼ぶ。
【0192】
(実施例3)
多能性マーカーを発現する細胞のヒト胚幹細胞の単個細胞浮遊液からの誘導
ヒト胚幹細胞系H1 P33及びH9 P45からの細胞を、低酸素状態(約3% O2)下で少なくとも3継代の間培養した。細胞は、8ng/mLのbFGFで補充されたMEF−CM中で培養され、実施例1に従ってMATRIGELコーティングされたプレートに播かれた。約60%コンフルエンシーの時点で、培養物はTrypLE(商標)Express溶液(Invitrogen,CA)に5分間暴露された。放出された細胞をDMEM−F12+2% FBS培地で再懸濁し、遠心分離によって回収し、血球計を用いてカウントした。放出された細胞を、組織培養ポリスチレン(TCPS)で処理されたフラスコに、1000〜10,000細胞/cm2で播種し、DM−F12+2% FBS+100ng/mLアクチビンA+20ng/mLWnt−3A+50ng/mLIGF−I+0.1mMメルカプトエタノール(Invitrogen,CA)及び非必須アミノ酸(1X,NEAA、Invitrogen,CAより入手)の中で、低酸素状態(約3%O2)下において37℃で標準組織培養インキュベーター中で培養した。TCPSフラスコは、MATRIGEL又はその他の細胞外マトリクスタンパク質でコーティングされていなかった。培地は毎日交換された。第1継代細胞をP1と呼ぶ。
【0193】
(実施例4)
ヒト胚幹細由来の多能性マーカーを発現する細胞の増殖に有用な種々の培養基
ヒト胚幹細由来の多能性マーカーを発現する細胞は、以下の培地組成物中において少なくとも2〜30継代の培養に成功した。
1.DM−F12+2% FBS+100ng/mL AA+20ng/mL Wnt−3A
2.DM−F12+2% FBS+100ng/mL AA+20ng/mL Wnt−3A+50ng/mL IGF−I
3.DM−F12+2% FBS+100ng/mL AA+20ng/mL Wnt−3A+10ng/mL IGF−I
4.DM−F12+2% FBS+50ng/mL AA+20ng/mL Wnt−3A+50ng/mL IGF−I
5.DM−F12+2% FBS+50ng/mL AA+10ng/mL Wnt−3A+50ng/mL IGF−I
6.DM−F12+2% FBS+50ng/mL AA+20ng/mL Wnt−3A+10ng/mL IGF−I
7.DM−F12+2% FBS+100ng/mL AA+10ng/mL Wnt−3A+10ng/mL IGF−I
8.HEScGRO合成培地(Chemicon,CA)
【0194】
上記で列挙された培地の基礎組成物は、RPMI、DMEM、CRML、Knockout(商標)DMEM、及びF12などの同様の培地で置き換えられてもよい。
【0195】
(実施例4)
GSK−3βの酵素活性阻害剤が多能性マーカーを発現する細胞の生存率に与える影響
多能性マーカーを発現する細胞の誘導及び維持を、実施例2に記載された通りに行った。細胞は、2% FCS(Invitrogen)、100ng/mLアクチビンA、20ng/mLWnt−3a、及び50ng/mLIGF(RD Biosystems)で補充されたDMEM:F12で増殖させた。細胞を、Falconポリスチレンフラスコに密度10,000細胞/cm2で播種し、37℃、5%CO2、低酸素において単層培養で増殖させた。60〜70%コンフルエンスに達した後、PBSで単層を洗い、かつTrypLE(Invitrogen)で3〜5分間でインキュベートして剥離及び単一細胞分散させることによって、細胞を継代させた。
【0196】
小分子の商標ライブラリーからGSK−3Bの酵素活性を阻害する能力に関して選択された試験化合物を使用して、スクリーニングを行った。このライブラリーからの化合物は、96ウェルプレートのフォーマットの50mM HEPES、30% DMSO中の1mMストックとして利用することができた。アッセイのため、多能性マーカーを発現する細胞を洗浄し、カウントし、かつ、96ウェルの底が透明で色の濃いウェルプレート(Costar)にウェルあたり20,000細胞の播種密度で通常の培養液中に播いた。この播種密度は、一晩培養物で最適な単層形成を得るために予め決定された。翌日、培養液を除去し、細胞単層をPBSで3回すすぎ、試験化合物を、最終アッセイ濃度10μMとなるようにそれぞれアッセイ培地で希釈した80μLアリコートでウェルに添加した。アッセイ2日目に、培地を各ウェルから除去して、アッセイ培地で希釈した新しいアリコートの試験化合物と交換した。1日目及び2日目のアッセイ培地は、0.5%FCS及び100ng/mLアクチビンAで補充されたDMEM:F12で構成された。培養3日及び4日目に、培地を各ウェルから除去して、2% FCS及び100ng/mLアクチビンAで補充されたDMEM:F12(試験化合物なし)と交換した。アッセイ4日目に、15μLのMTS(Promega)を各ウェルに添加し、SpectraMax(Molecular Devices)装置によって490nmで光学密度を読み取みとる前に、プレートを37℃で1.5〜4時間インキュベートした。平均、標準偏差、及び変動係数からなる統計的測定値を各二重セットごとに計算した。陽性対照(培養1日及び2日目にアクチビンA及びWnt3aで処理されたウェル)に対する各試験ウェルごとの毒性を計算した。
【0197】
表IIは、全スクリーニング結果を集めたものである。このアッセイでは多能性マーカーを発現する細胞は当初コンフルエント単層として播かれたので、この結果は4日間の培養期間にわたる毒性測定を表している。結果は対照の生存率の割合として表され、10μMスクリーニング濃度で使用されたある化合物の可変毒性を示している。この細胞を用いたアッセイでは、化合物の割合が多いと、毒性は最小又は測定不可能となる。
【0198】
選択した化合物の小パネルを、多能性マーカーを発現する細胞を用いて上記と同様のアッセイにおいて狭い用量漸増範囲にわたって繰り返し試験した。表IIIはこれらの結果をまとめたものであり、様々な毒性及び非毒性化合物に対する可変用量漸増効果を示している。
【0199】
(実施例5)
高含量スクリーニングアッセイを用いて測定したGSK−3βの酵素活性阻害剤がヒト胚幹細胞の分化及び増殖に与える影響
ヒト胚幹細胞(H9系)の維持を実施例1に記載の通りに実施した。細胞コロニーを、平均して4日ごとに継代させて未分化多能性状態のまま維持した。継代は、細胞培養物をコラゲナーゼ溶液(1mg/mL;Sigma−Aldrich)に37℃で10〜30分間暴露し、続いてピペットの先端で穏やかに擦り落として細胞塊を回収することによって行われた。塊を重力によって沈降させ、続いて洗浄して残留コラゲナーゼを除去した。細胞塊を、ルーチン維持培養用に1:3の比、又は直接アッセイ用に1:1の比で分割した。用いたヒト胚幹細胞系は継代50未満の継代数に維持され、正常核型の表現型及びマイコプラズマ汚染の欠如に関してルーチン的に評価された。
【0200】
アッセイで用いる細胞塊を通常の培養液で均一に再懸濁し、MATRIGELでコーティングされた96ウェルPackard VIEWPLATES(PerkinElmer)に100μL/ウェルの容量で播いた。8ng/mLのbFGFで補充されたMEF調整培地を初期播種及び回収に用いた。各ウェルから使用済みの培養液を吸引し、かつ同量の新しい培地と交換することによって、毎日の栄養補給を行った。プレートは、アッセイ期間中ずっと加湿した箱の中に入れられて37℃、5%CO2に保たれた。
【0201】
小分子の商標ライブラリーからGSK−3Bの酵素活性を阻害する能力に関して選択された試験化合物を使用して、スクリーニングを行った。このライブラリーからの化合物は、96ウェルプレートのフォーマットの50mM HEPES、30%DMSO中の1mMストックとして利用することができた。スクリーニング化合物は三重又は二重セットで試験された。各ウェルから培養液を吸引し、続いてPBSで3回洗浄して残留増殖因子及び血清を除去して一次スクリーニングアッセイを開始した。0.5%FCS(HyClone)と、100ng/mLアクチビンA(RD Biosystems)とで補充されたDMEM:F12基本培地(Invitrogen)と、試験化合物10μMとを含有するウェル当たり80〜100μLの試験量を加え戻した。陽性対照ウェルは同じ基本培地を収容したが、試験化合物を10〜20ng/mLのWnt3a(RD Biosystems)で置き換えた。陰性対照ウェルは、0.5%FCS及びアクチビンAのみ(AAのみ)を有する、あるいは、アクチビンA若しくはWnt3aなしに0.5%FCSを有する(未処理)基本培地を収容した。アッセイ2日目にウェルを吸引し、同一溶液を再度供給した。3日及び4日目に、全アッセイウェルは吸引され、2%FCS及び100ng/mLアクチビンAで補充された(試験化合物又はWnt3aを有さない)DMEM:F12に変更され、一方、平行陰性対照ウェルは、2% FCS及びアクチビンAのみ(AAのみ)を有する、あるいは、アクチビンAなしに2% FCSを有する(未処理)DMEM:F12に維持された。
【0202】
培養の最後に、96ウェルプレートの中の細胞を4%パラホルムアルデヒドで室温で20分間固定し、PBSで3回洗浄し、次に0.5%Triton X−100を用いて室温で20分間透明処理した。あるいは、細胞を氷冷70%エタノールで−20℃で一晩固定し、PBSで3回洗浄し、次に0.5%Triton X−100を用いて4℃で5分間透明処理した。固定及び透明処理の後、細胞をPBSで再度3回洗浄し、次に、室温で30分間PBS中において4%ニワトリ血清(Invitrogen)でブロックした。一次抗体(ヤギ抗ヒトSox17及びヤギ抗ヒトHnf−3β;RD Systems)を4%ニワトリ血清で1:100に希釈し、細胞に室温で1時間添加した。Alexa Fluor 488共役二次抗体(ニワトリ抗ヤギIgG;Molecular Probes)をPBSで1:200に希釈し、細胞をPBSで3回洗浄した後に添加した。細胞核を対比染色するために、5mMのDraq5(Alexis Biochemicals)を室温で5分間添加した。細胞をPBSで一度洗浄し、画像化するために100mL/ウェルPBS中に放置した。
【0203】
Draq5及びAlexa Fluor 488で染色された細胞用の二色性を利用するIN Cell Analyzer 1000(GE Healthcare)を使用して細胞を撮像した。暴露時間は、陽性対照ウェル、及び未処理の陰性対照のみに関しては二次抗体を有するウェルを使用して最適化された。処理及び染色手順の間のあらゆる細胞消失を補償するために、1ウェル当たり12の領域を得た。Sox−17及びHnf−3βに関する全細胞数及び全細胞強度を、IN Cell Developer Toolbox 1.6(GE Healthcare)ソフトウェアを使用して測定した。グレイスケール・レベル(基準線範囲100〜300)及び核サイズに基づいて、細胞核のセグメンテーションを決定した。平均値及び標準偏差を複製に関して計算した。全タンパク質発現量は、細胞×細胞の面積の全蛍光量として定義される全強度又は積分強度として報告された。300〜3000のグレイスケール範囲、及び0.4以上の形状因子の判定基準に基づいて背景を消去した。全強度データは、各ウェルごとの全強度をWnt3a/アクチビンA陽性対照の平均全強度で割って正規化された。各複製セットごとの平均値及び標準偏差に関する正規化データが計算された。
【0204】
表IVは、全スクリーニング結果をまとめて示している。表Vは、このスクリーニングのヒットの一覧である。強いヒットは対照値の120%以上と定義され、中程度のヒットは対照値の60〜120%の区間内に含まれると定義されている。有意な数の化合物がこのアッセイにおいて両方の増殖反応を誘導する。同時に、Sox17及びHnf−3b転写因子のタンパク質発現量で測定した場合、有意な数の化合物がこのアッセイにおいて分化を誘発する。
【0205】
(実施例6)
プレートリーダーアッセイを用いて測定されたGSK−3βの酵素活性阻害剤がヒト胚幹細胞の増殖に与える影響
ヒト胚幹細胞(H9又はH1系)の維持を実施例1に記載の通りに実施した。細胞コロニーを、平均して4日ごとに継代させて未分化多能性状態のまま維持した。継代は、細胞培養物をコラゲナーゼ溶液(1mg/mL;Sigma−Aldrich)に37℃で10〜30分間暴露し、続いてピペットの先端で穏やかに擦り落として細胞塊を回収することによって行われた。塊を沈降させ、洗浄して残留コラゲナーゼを除去した。細胞塊を、ルーチン維持培養用に1:3の単層部分比、又は直接アッセイ用に1:1の比で分割した。これら実施例で用いたヒト胚幹細胞系は継代50未満の継代数に維持され、正常核型の表現型、並びにマイコプラズマ汚染の欠如に関してルーチン的に評価された。
【0206】
アッセイで使用する細胞塊を通常の培養液で均一に再懸濁し、MATRIGELでコーティングされた96ウェルPackard VIEWPLATES(PerkinElmer)に100μL/ウェルの容量で播いた。8ng/mLのbFGFで補充されたMEF調整培地を初期播種及び回収に用いた。各ウェルから使用済みの培養液を吸引し、かつ同量の新しい培地と交換することによって、毎日の栄養補給を行った。プレートは、アッセイ期間中ずっと加湿した箱の中に入れられて37℃、5% CO2に保たれた。
【0207】
各ウェルから培養液を吸引し、続いてPBSで3回洗浄して残留増殖因子及び血清を除去して一次スクリーニングアッセイを開始した。0.5% FCS(HyClone)と、100ng/mLアクチビンA(RD Biosystems)とで補充されたDMEM:F12基本培地(Invitrogen)と、試験化合物10μMとを含有するウェル当たり80〜100μLの試験量を加え戻した。陽性対照ウェルは同じ基本培地を収容したが、10〜20ng/mLのWnt3a(RD Biosystems)で置き換えた。陰性対照ウェルは、アクチビンA又はWnt3aなしに0.5% FCSを有する基本培地を収容した。スクリーニング化合物は三重に試験された。アッセイ2日目にウェルを吸引し、同一溶液を再度供給した。3日及び4日目に、2%FCSを有するDMEM:F12基本培地に維持された陰性対照ウェルを除いて、全アッセイウェルは吸引されて、2%FCS及び100ng/mLアクチビンAで補充されたDMEM:F12に変更された。
【0208】
アッセイ4日目に、15〜20μLのMTS(Promega)を各ウェルに添加し、プレートを37℃で1.5〜4時間インキュベートした。Molecular Devicesの光分析装置のプレートリーダーを使用して、OD490における濃度計測定値を測定した。複製セットの平均測定値を標準偏差及び変動係数とともに計算した。増殖の目安として対照値の割合を計算するために、実験ウェルをアクチビンA/Wnt3a陽性対照と比較した。
【0209】
表VIは、全スクリーニング結果をまとめて示している。表VIIは、このスクリーニングのヒットの一覧である。強いヒットは対照値の120%以上と定義され、中程度のヒットは対照値の60〜120%の区間内に含まれると定義されている。有意な数の化合物がこのアッセイにおいて増殖反応を誘導する。
【0210】
(実施例7)
GSK−3β酵素阻害剤がヒト胚幹細胞の分化及び増殖に与える影響:リード化合物の用量漸増
一次スクリーニングで同定されたヒットの活性を確認し、かつ用量漸増によって活性範囲を更に分析することが重要であった。一次スクリーニングヒットの選択的サブセットの新しいサンプルを乾燥粉末として入手し、可溶化して新しいストック試薬を作り、二次確認アッセイで希釈してヒト胚幹細胞への影響を評価した。
【0211】
2つの株のヒト胚幹細胞(H1及びH9)の培養を実施例1に記載の通りに実施した。細胞コロニーを、DMEM:F12で1:30に希釈されたMATRIGE(商標)を用いてmatrigel(商標)(Invitrogen)でコーティングされたポリスチレンプラスチック上で未分化多能性状態のまま維持した。細胞は平均して4日ごとの酵素継代によって分割された。継代は、細胞単層をコラゲナーゼ溶液(1mg/mL;Sigma−Aldrich)に37℃で10〜60分間暴露し、続いてピペットの先端で穏やかに擦り落として細胞塊を回収することによって行われた。塊を重力によって沈降させ、続いて洗浄して残留コラゲナーゼを除去した。細胞塊を、維持培養用に1:3の比、又は後続アッセイ用に1:1の比で分割した。ヒト胚幹細胞系は継代50未満に維持され、正常核型の表現型及びマイコプラズマ汚染の欠如に関してルーチン的に評価された。
【0212】
アッセイ用細胞の調製:アッセイで用いるH1又はH9胚幹細胞系の細胞塊を培養液で均一に再懸濁し、Matrigel(商標)でコーティングされた96ウェルPackard VIEWPLATES(PerkinElmer)に100μL/ウェルの容量で播いた。8ng/mLのbFGFで補充されたMEF調整培地を初期播種及び増殖に用いた。各ウェルから使用済みの培養液を吸引し、かつ同量の新しい培地と交換することによって、毎日の栄養補給を行った。アッセイを開始する前に、培養物を播種後1〜3日間増殖させた。プレートは、アッセイ期間中ずっと加湿した箱の中に入れられて37℃、5% CO2に保たれた。
【0213】
化合物及びアッセイ培地の調製:一次スクリーニングで得たヒットのサブセットを、追跡調査及び後続の二次アッセイに用いた。乾燥粉末として入手可能な12の化合物を、DMSO中に10mMストックとして可溶化し、−20℃で脱水して使用するまで保管した。アッセイ直前に、化合物ストックを0.5% FCS(HyClone)及び100ng/mLアクチビンA(RD Biosystems)で補充されたDMEM:F12基本培地(Invitrogen)で1:1000に希釈して10μM試験化合物を作った。これを更に、同様に0.5% FCS(HyClone)及び100ng/mLアクチビンA(RD Biosystems)で補充されたDMEM:F12基本培地で連続して倍数希釈して各化合物ごとに7点希釈曲線を作った。
【0214】
二次スクリーニングアッセイ:アッセイは、各ウェルの細胞単層から培養液を吸引し、続いてPBSで3回洗浄して残留増殖因子及び血清を除去して開始された。0.5%FCSと、100ng/mLアクチビンAを有しWnt3aを有さない異なる濃度の阻害化合物とで補充された培地を含有するウェル当たり100μLの試験量を加え戻した。陽性対照ウェルは、0.5% FCS及び20ng/mL Wnt3a(RD Biosystems)を有するが、試験化合物のない状態の同じ基本培地を収容した。陰性対照ウェルは、0.5%FCSを有するが、アクチビンA、Wnt3a、又は試験化合物のない状態の同じ基本培地を収容した。アッセイ2日目に、アッセイウェルは吸引され、同一濃度の試験化合物又は対照溶液を再度供給された。3日及び4日目に、全アッセイウェルは吸引され、試験化合物又はWnt3aの両方がない状態で2% FCS及び100ng/mLアクチビンAで補充されたDMEM:F12が供給された。平行陰性対照ウェルは、3日及び4日目は2% FCSを有するDMEM:F12に維持された。
【0215】
アッセイ評価:培養の最後に、96ウェルプレートの中の細胞をPBSで2回洗浄し、4%パラホルムアルデヒドで室温で20分間固定し、PBSで更に3回洗浄し、次に0.5% Triton X−100を用いて室温で20分間透明処理した。固定及び透明処理の後、細胞をPBSで再度3回洗浄し、次に、室温で30分間PBS中において4%ニワトリ血清(Invitrogen)でブロックした。一次抗体(ヤギ抗ヒトSox17;RD Systems)を4%ニワトリ血清で1:100に希釈し、細胞に室温で1時間添加した。Alexa Fluor 488共役二次抗体(ニワトリ抗ヤギIgG;Molecular Probes)をPBSで1:200に希釈し、細胞をPBSで3回洗浄した後各ウェルに添加した。細胞核を対比染色するために、2μg/mLのHoechst 33342(Invitrogen)を室温で10分間添加した。細胞をPBSで一度洗浄し、画像化するために100μL/ウェルPBS中に放置した。
【0216】
Hoechst 33342及びAlexa Fluor 488で染色された細胞用の51008bs二色性を利用するIN Cell Analyzer 1000(GE Healthcare)を使用して細胞を撮像した。暴露時間は、陽性対照ウェル、及び未処理の陰性対照として二次抗体のみで染色されたウェルを使用して最適化された。処理及び染色手順の間のあらゆる細胞消失を補償するために、1ウェル当たり15の領域を得た。各ウェルごとの全細胞の数及び全Sox−17強度の測定値を、IN Cell Developer Toolbox 1.7(GE Healthcare)ソフトウェアを使用して得た。グレイスケール・レベル(基準線範囲100〜300)及び核サイズに基づいて、細胞核のセグメンテーションを決定した。各複製セットごとの平均値及び標準偏差が計算された。全Sox17タンパク質発現量は、細胞×細胞の面積の全蛍光量として定義される全強度又は積分強度として報告された。300〜3000のグレイスケール範囲、及び0.4以上の形状因子の判定基準に基づいて背景を消去した。全強度データは、各ウェルごとの全強度をWnt3a/アクチビンA陽性対照の平均全強度で割って正規化された。各複製セットごとの平均値及び標準偏差に関する正規化データが計算された。
【0217】
結果
この二次アッセイにおける用量漸増によって活性が確認され、かつ作用強度が測定された8つのGSK−3B酵素阻害剤に関する結果が示されている。示したデータは、細胞の数及びSox17に与える化合物の影響を示しており、それぞれのデータ点は二重セットからの平均であり、同一領域及びウェルからパラメータごとに見つけ出された。この実施例において、Sox17の発現は胚体内胚葉分化を示している。H1ヒト胚幹細胞系を用いた細胞の数及びSox17強度に関する結果はそれぞれ表VIII及び表Iに示されている。H9ヒト胚幹細胞系に関する結果は表X及び表XIに示されている。陽性対照値は、細胞の数及びSox17強度に関して1.000に正規化された。陰性対照値は、両方の細胞株で、細胞の数は0.388未満、及びSox17強度は0.065未満であった。両方のヒト胚幹細胞系を比較し、かつ各化合物の用量漸増を含むこれらのデータの図式表現が、図1〜図8に示されている。細胞の数はパネルAに示され、Sox17強度はパネルBに示される。これらのデータは、各化合物がhES細胞の増殖及び胚体内胚葉の分化を促進することができ、かつ活性の最適範囲を同定することができることを確認している。
【0218】
(実施例8)
GSK−3β酵素阻害剤が胚体内胚葉に関連した追加のマーカーの発現に与える影響
リード化合物は、転写因子Sox17に加えて、胚体内胚葉分化を示す他のマーカーもまた誘導することができることを証明することが重要であった。ヒットの選択サブセットを、CXCR4、表面受容体タンパク質、及び胚体内胚葉の分化にも関連する転写因子であるHNF−3βの発現を促進する能力に関して試験した。
【0219】
アッセイ用細胞の調製:アッセイで用いるH1ヒト胚幹細胞系からの細胞塊を培養液で均一に再懸濁し、Matrigel(商標)でコーティングされた(1:30希釈物)6ウェルプレート(Corning)に2mL/ウェルの容量で播いた。8ng/mLのbFGFで補充されたMEF調整培地を初期播種及び増殖に用いた。各ウェルから使用済みの培養液を吸引し、かつ同量の新しい培地と交換することによって、毎日の栄養補給を行った。アッセイを開始する前に、培養物を播種後1〜3日間増殖させた。プレートは、アッセイ期間中ずっと37℃、5% CO2に保たれた。
【0220】
化合物及びアッセイ培地の調製:一次スクリーニングで得た7つのヒットのサブセットを、追跡調査及び後続の二次アッセイに用いた。適切な化合物を、DMSO中に10mMストックとして可溶化し、−20℃で脱水して使用するまで保管した。アッセイ直前に、化合物ストックを0.5% FCS(HyClone)及び100ng/mLアクチビンA(RD Biosystems)で補充されたDMEM:F12基本培地(Invitrogen)で1μM〜5μMの範囲の最終濃度に希釈した。
【0221】
アッセイ:アッセイは、各ウェルの細胞単層から培養液を吸引し、続いてPBSで3回洗浄して残留増殖因子及び血清を除去して開始された。0.5%FCSと、100ng/mLアクチビンAを有しWnt3aを有さない異なる濃度の阻害化合物とで補充された培地を含有するウェル当たり2mLの試験量を加え戻した。陽性対照ウェルは、100ng/mLアクチビンAと20ng/mL Wnt3a(RD Biosystems)と0.5% FCSとを有するが試験化合物がない状態の同じ基本培地を収容した。陰性対照ウェルは、0.5% FCSを有するが、アクチビンA、Wnt3a、又は試験化合物がない状態の基本培地を収容した。アッセイ2日目にアッセイウェルを吸引し、同一濃度の試験化合物又は対照溶液を再度供給した。3日及び4日目に、全アッセイウェルは吸引され、試験化合物又はWnt3aの両方がない状態で2%FCS及び100ng/mLアクチビンAで補充されたDMEM:F12が供給された。平行陰性対照ウェルは、3日及び4日目は2%FCSを有するDMEM:F12に維持された。
【0222】
アッセイ評価:培養の最後に、細胞単層はPBSで洗浄され、TrypLE(商標)Express溶液(Invitrogen,CA)で5分間インキュベートすることにより培養プレートから収集された。細胞をMEF調整培地で再懸濁し、2つの等しいサンプルに分割した。サンプルの1セットを様々な蛍光標識抗体で更に染色し、フローサイトメトリー(FACS)分析を施した。サンプルの第2の並列セットに定量PCRを施した。
【0223】
FACS分析を受けた細胞をPBSで洗浄し、PBS及びBD FACS染色緩衝液で希釈した0.125%ヒトγグロブリン(Sigma cat# G−4386)の中で4℃で15分間ブロックした。細胞のアリコート(それぞれ約105細胞)を、蛍光タグに直接結合され、かつCD9 PE(BD#555372)、CD9 PE(BD#555372)、又はCXCR−4 APC(RD Systems cat# FAB173A)に対する特異性を有する抗体で、4℃で30分間染色した。BD FACS染色緩衝液中における一連の洗浄後、生存率を評価するために細胞を7−AAD(BD#559925)で染色し、BD FACS Array装置(BD Biosciences)上で分析し、少なくとも10,000の事象を収集した。PE及びAPCのマウスIgG1kイソタイプコントロール抗体を用いて陽性細胞の割合をゲートした。
【0224】
定量PCR用の細胞を、RNAを抽出、精製しかつcDNAを合成するために処理した。RNAサンプルを、エタノール−含有、高塩濃度緩衝液の存在下、シリカゲル膜(RNeasyミニキット、(Qiagen、CA)に結合させた後、混入物を洗浄することにより精製した。RNAをTURBO DNA−フリーキット(Ambion,INC)を使用して更に精製し、次いで高品質RNAを水中に溶出した。収率及び純度を分光光度計のA260及びA280測定値によって評価した。Applied Biosystems、Inc.(ABI,CA)大容量cDNAアーカイブキットを用いて精製したRNAからcDNAコピーを作製した。
【0225】
特に指定のない限り、リアルタイムPCR増幅及び定量化のための全ての試薬はABIから購入した。ABI PRISM 7900配列検出システムを使用して、リアルタイムPCR反応を行った。TAQMANUNIVERSAL PCR MASTER MIX(ABI,CA)を、20ngの逆転写RNAと共に、20μLの全反応容積にて使用した。各cDNAサンプルを2回使用(run)して、ピペッティング誤差に関して補正した。プライマー及びFAM標識TAQMANプローブを濃度200nMで使用した。各標的遺伝子に関する発現レベルを、以前にABIにより開発されたヒトグリセルアルデヒド−3−リン酸デヒドロゲナーゼ(GAPDH)内在性対照を使用して正規化した。プライマー及びプローブの組合せを次に示す:CXCR4(Hs00237052)、GAPDH(4310884E)、HNF3b(Hs00232764)、Sox17(probe part# 450025,forward and reverse part#4304971)。
【0226】
最初50℃で2分間、次いで95℃で10分間のインキュベーションの後、サンプルを2段階、即ち、−95℃で15秒間の変性過程と、その後の60℃で1分間のアニーリング/伸長過程と、で40回サイクルした。GENEAMP 7000配列検出システムソフトウエアを使用して、データ解析を行った。各プライマー/プローブセットに関して、増幅の指数関数領域の中央において蛍光強度が特定の値に到達したサイクル数としてのCt値を決定した。比較Ct法を使用して、相対的な遺伝子発現レベルを計算した。手短に言えば、各cDNAサンプルに関して、内在性対照Ct値を関心対象遺伝子のCtから減算して、DCt値(ΔCt)を得た。標的の正規化した量を2−ΔCtとして計算し、増幅を100%効率と仮定した。最終的なデータを、標準物質サンプルに関して表した。
【0227】
結果
図9は、様々なGSK3阻害剤で処理した後にCXCR4表面受容体を発現する陽性細胞の割合のFACS分析を示す。未処理の細胞集団(陰性対照)又はアクチビンA及びWnt3で処理されている細胞(陽性対照)に対する、各化合物の1μM〜5μMの範囲の2種類の濃度が示されている。図10のパネルa、b、及びcは、やはり胚体内胚葉のマーカーであると考慮されるCXCR4、Sox17、及びHNF3βに関するリアルタイムPCRデータを示している。FACS及びリアルタイムPCR分析は共に、未処理の対照細胞と比べて、分化した細胞ではこれらマーカーのそれぞれの有意な増加が見られるを明示している。一部の例では、これらの胚体内胚葉マーカーの発現レベルは陽性対照と等しく、分化のこの段階においてGSK3阻害剤がWnt3aに取って代わることができることを実証している。
【0228】
(実施例9)
GSK−3β酵素阻害剤が膵臓内胚葉の形成に与える影響
胚体内胚葉の誘導の間にGSK3β阻害剤で処理することが、例えば、膵臓内胚葉などの他の細胞型のその後の分化を阻害しないこと証明することが重要であった。ヒットの選択サブセットを、膵臓内胚葉に関連する鍵となる転写因子であるPDX1及びHNF6の発現を促進する能力に関して試験した。
【0229】
ヒト胚幹細胞(H1及びH9系)の維持を実施例1に記載の通りに実施した。細胞コロニーを、平均して4日ごとに継代させて未分化多能性状態のまま維持した。継代は、細胞培養物をコラゲナーゼ溶液(1mg/mL;Sigma−Aldrich)に37℃で10〜30分間暴露し、続いてピペットの先端で穏やかに擦り落として細胞塊を回収することによって行われた。塊を重力によって沈降させ、続いて洗浄して残留コラゲナーゼを除去した。細胞塊を、ルーチン維持培養用に1:3の比で、又は後続アッセイ用に1:1の比で分割した。用いたヒト胚幹細胞系は継代50未満に維持され、正常核型の表現型及びマイコプラズマ汚染の欠如に関してルーチン的に評価された。
【0230】
アッセイの細胞調製:アッセイで使用するH1ヒト胚幹細胞系の細胞塊を培養液で均一に再懸濁し、MATRIGEL(商標)でコーティングされた(1:30希釈)24ウェルプレート(black well;Arctic White)に1mL/ウェルの容量で播いた。8ng/mLのbFGFで補充されたMEF調整培地をを初期播種及び増殖に用いた。2回目の実験において、H9系からのhES細胞の塊を96ウェルプレートの、マイトマイシンC(Sigma Chemical Co)で処理することによって予め不活性化されていたマウス胚性支持細胞(MEF)層に播いた。MEF単層上のhES細胞の培養液は、最小必須アミノ酸(Invitrogen)、L−グルタミン、及び2−メルカプトエタノールで補充された20% Knockout Serum Replacer(Invitrogen)を有するDMEM:F12で構成された。各ウェルから使用済みの培養液を吸引し、かつ同量の新しい培地と交換することによって、毎日の栄養補給を行った。アッセイを開始する前に、培養物を播種後1〜3日間増殖させた。プレートは、アッセイ期間中37℃、5%CO2に保たれた。
【0231】
化合物及びアッセイ培地の調製:一次スクリーニングで得た8つのヒットのサブセットを、追跡調査及び後続の二次アッセイに用いた。適切な化合物を、DMSO中に10mMストックとして可溶化し、−20℃で脱水して使用するまで保管した。アッセイ直前に、化合物ストックを添加剤を有する基本培地で1μM〜5μMの範囲の最終濃度に希釈した。
【0232】
アッセイ:このアッセイでは、GSK3阻害剤は、胚体内胚葉分化過程の1日目及び2日目のみにWnt3aの代わりに含められた。MATRIGEL(商標)上の胚幹細胞培養物は、各ウェルの細胞単層から培養液を吸引し、続いてPBSで3回洗浄して残留増殖因子及び血清を除去することによって、実施例7及び8に記載の通りに開始された。胚体内胚葉へ分化させるために、0.5% FCSを有するDMEM:F12培地と、100ng/mLアクチビンAを有しWnt3aを有さない異なる濃度の阻害化合物とを含有する試験量(24ウェルプレートに関してはウェル当たり0.5mL、96ウェルプレートに関してはウェル当たり100μL)を加え戻した。陽性対照ウェルは、0.5% FCSと100ng/mLアクチビンAと20ng/mL Wnt3a(RD Biosystems)とを有するが試験化合物がない状態の同じ基本培地を収容した。陰性対照ウェルは、0.5% FCSを有するが、アクチビンA、Wnt3a、又は試験化合物のない状態の同じ基本培地を収容した。アッセイ2日目にアッセイウェルを吸引し、同一濃度の試験化合物又は対照溶液を再度供給した。3日及び4日目に、全アッセイウェルは吸引され、試験化合物又はWnt3aの両方がない状態で2% FCS及び100ng/mLアクチビンAで補充されたDMEM:F12が供給された。平行陰性対照ウェルは、3日及び4日目は2% FCSを有するDMEM:F12に維持された。胚体内胚葉へ分化させるために、細胞を3日間処理し、2% FCSと、0.25μM KAADシクロパミン(EMD Biosciences)と、20ng/mL FGF7(RD Biosystems)とを含有するDMEM:F12基本培地を毎日供給した。次に、細胞を更に4日間処理し、1% B27(Invitrogen)と、0.25μM KAADシクロパミンと、2μMレチノイン酸(RA;Sigma−Aldrich)と、20ng/mL FGF7とを含有するDMEM:F12を毎日供給した。平行陰性対照ウェルは、2% FCS(段階2)又は1% B27(段階3)を含有するがあらゆるその他の添加剤を含有しないDMEM:F12基本培地にずっと維持された。
【0233】
H9ヒト胚細胞の平行培養物はMEFフィーダー層の上で増殖され、膵臓内胚葉へと分化した。胚体内胚葉分化は、異なる濃度の阻害化合物と100ng/mLアクチビンAと共に、1日目は血清を含有せず、2日及び3日目は0.2% FCSを含有するRPMI−1640(Invitrogen)からなる培地で細胞を培養することで達成された。陽性対照ウェルは、100ng/mLアクチビンAと20ng/mL Wnt3a(RD Biosystems)とを含有するが試験化合物が存在しない状態の(血清を有する又は有さない)基本培地を収容した。陰性対照ウェルは、アクチビンA、Wnt3a、又は試験化合物のない状態で血清を有する又は有さない同じ基本培地を収容した。アッセイ2日目にアッセイウェルを吸引し、同一濃度の試験化合物又は対照溶液を再度供給した。3日目に、全アッセイウェルは吸引され、試験化合物又はWnt3aの両方がない状態で2%FCS及び100ng/mLアクチビンAで補充されたRPMI−1640が供給された。平行陰性対照ウェルは、3日目は2%FCSを含有するRPMI−1640基本培地に維持された。細胞を4日間処理し、2%FCSと0.25mM KAADシクロパミン(EMD Biosciences)と、50ng/mL FGF10(RD Biosystems)とを含有するRPMI−1640基本培地を毎日供給することによって、細胞を膵臓内胚葉に分化させた。続いて、細胞を3日間処理し、1% B27(Invitrogen)と0.25mM KAADシクロパミンと2mMレチノイン酸(RA;Sigma−Aldrich)と50ng/mL FGF10とを含有するRPMI−1640を毎日供給した。平行陰性対照ウェルは、2% FCS(段階2)又は1% B27(段階3)を含有するがあらゆるその他の添加剤を含有しないRPMI−1640基本培地にずっと維持された。
【0234】
アッセイ評価:分化の最後に、細胞をリアルタイムPCRによって実施例8に記載の通りに遺伝子発現に関して検査した。高含量蛍光染色のため、6ウェルプレートの細胞をPBSで2回洗浄し、4%パラホルムアルデヒドで室温で20分間固定し、PBSで更に3回洗浄し、次に0.5%Triton X−100を用いて室温で20分間透明処理した。固定及び透明処理の後、細胞を再度PBSで3回洗浄し、室温で30分間PBS中において4%ニワトリ血清(Invitrogen)でブロックした。一次抗体(ヤギ抗ヒトPdx1;Santa Cruz)を4%ニワトリ血清で1:100に希釈し、室温で2時間細胞に添加した。Alexa Fluor488共役二次抗体(ニワトリ抗ヤギIgG;Molecular Probes)をPBSで1:200に希釈し、細胞をPBSで3回洗浄した後各ウェルに添加した。細胞核を対比染色するために、2μg/mL Hoechst 33342(Invitrogen)を室温で10分間添加した。細胞をPBSで一度洗浄し、画像化するために100μL/ウェルPBS中に放置した。
【0235】
Hoechst 33342及びAlexa Fluor 488で染色された細胞用の51008bs二色性を利用するIN Cell Analyzer 1000(GE Healthcare)を使用して細胞を撮像した。暴露時間は、陽性対照ウェル、及び二次抗体のみで染色されたウェルを用いて最適化された。処理及び染色手順の間のあらゆる細胞消失を補償するために、1ウェル当たり15の領域を得た。各ウェルごとの全細胞の数及び全Pdx1強度の測定値を、IN Cell Developer Toolbox 1.7(GE Healthcare)ソフトウェアを使用して得た。グレイスケール・レベル(基準線範囲100〜300)及び核サイズに基づいて、細胞核のセグメンテーションを決定した。各複製データセットに関して平均値及び標準偏差を計算した。全Pdx1タンパク質発現量は、細胞×細胞の面積の全蛍光量として定義される全強度又は積分強度として報告された。300〜3000のグレイスケール範囲の判定基準に基づいて背景を消去した。全強度データは、各ウェルごとの全強度をWnt3a/アクチビンA陽性対照の平均全強度で割って正規化された。各複製セットごとの平均値及び標準偏差に関する正規化データが計算された。
【0236】
定量PCR用の細胞をRLT緩衝液(Qiagen)に溶解し、次にRNAを抽出、精製しかつcDNAを合成するために処理した。RNAサンプルを、エタノール−含有、高塩濃度緩衝液の存在下、シリカゲル膜(Rneasy Mini Kit,Qiagen,CA)に結合させた後、混入物を洗浄することにより精製した。RNAをTURBO DNA−フリーキット(Ambion、INC)を使用して更に精製し、次いで高品質RNAを水中に溶出した。収率及び純度を分光光度計のA260及びA280測定値によって評価した。Applied Biosystems、Inc.(ABI,CA)大容量cDNAアーカイブキットを用いて精製したRNAからcDNAコピーを作製した。
【0237】
特に指定のない限り、リアルタイムPCR増幅及び定量化のための全ての試薬はABIから購入した。ABI PRISM7900配列検出システムを使用して、リアルタイムPCR反応を行った。TAQMAN UNIVERSAL PCR MASTER MIXを、20ngの逆転写RNAと共に、20μLの全反応容積にて使用した。各cDNAサンプルを2回使用(run)して、ピペッティング誤差に関して補正した。プライマー及びFAM標識TAQMANプローブを濃度200nMで使用した。各標的遺伝子に関する発現レベルを、以前にABIにより開発されたヒトグリセルアルデヒド−3−リン酸デヒドロゲナーゼ(GAPDH)内在性対照を使用して正規化した。プライマー及びプローブの組合せを次に示す:PDX1(Hs00236830_m1)、GAPDH(4310884E)、及びHNF6(Hs00413554_m1)。
【0238】
最初50℃で2分間、次いで95℃で10分間のインキュベーションの後、サンプルを2段階、即ち、−95℃で15秒間の変性過程と、その後の60℃で1分間のアニーリング/伸長過程と、で40回サイクルした。GENEAMPO7000配列検出システムソフトウエアを使用して、データ解析を行った。各プライマー/プローブセットに関して、増幅の指数関数領域の中央において蛍光強度が特定の値に到達したサイクル数としてのCt値を決定した。比較Ct法を使用して、相対的な遺伝子発現レベルを計算した。手短に言えば、各cDNAサンプルに関して、内在性対照Ct値を関心対象遺伝子のCtから減算して、ΔCt値(ΔCt)を得た。標的の正規化した量を2−ΔCtとして計算し、増幅を100%効率と仮定した。最終的なデータを、標準物質サンプルに関して表した。
【0239】
結果
8つのGSK−3β酵素阻害剤に関する結果が示されている。高含量分析で得た図1に示されるデータは、H1hES細胞系の細胞の数(パネルA)及びPdx1強度(パネルB)に与える影響を示しており、それぞれのデータ点は二重サンプルセットからの平均であり、同一領域及びウェルからパラメータごとに見つけ出された。リアルタイムPCRで得た図12に示されるデータは、これら小分子阻害剤が2つの転写因子であるPdx1及びHNF6の誘導発現に与える影響を示している。これらの実施例において、Pdx1及びHNF6の発現は膵臓内胚葉分化を示している。これらのアッセイのGSK3β阻害化合物は、細胞系列へのコミットメントの早期段階中にWnt3aの代替となることができ、結果生じる細胞は、分化の続いて起こる後期段階中に膵臓内胚葉を形成する能力を維持する。
【0240】
(実施例10)
GSK−3β酵素阻害剤が膵臓内分泌細胞の形成に与える影響
胚体内胚葉の誘導の間にGSK3β阻害剤で処理することが、例えば、膵臓内分泌細胞又はインスリン産生細胞などの他の細胞型のその後の分化を阻害しないこと証明することが重要であった。ヒットの選択したサブセットを、膵臓ホルモンの発現を促進する能力に関して試験した。
【0241】
アッセイのための細胞調製:実施例9に記載した方法に従って得た膵臓内胚葉細胞(96ウェルプレート及び24ウェルプレート上で培養した)を、続いて、細胞を膵臓ホルモン発現細胞に分化させる薬剤にさらした。
【0242】
MATRIGEL(商標)上のH1ヒト胚幹細胞系の培養物のアッセイは、各ウェルの細胞単層から培養液を吸引し、続いてPBSで3回洗浄して残留増殖因子及び血清を除去することによって、実施例7〜9に記載の通りに開始された。胚体内胚葉へ分化させるために、0.5% FCSを有する培地と、100ng/mLアクチビンAを有しWnt3aを有さない異なる濃度の阻害化合物とを含有する試験量(24ウェルプレートに関してはウェル当たり0.5mL、96ウェルプレートに関してはウェル当たり100μL)を添加した。陽性対照ウェルは、0.5% FCSと100ng/mLアクチビンAと20ng/mL Wnt3a(RD Biosystems)を有するが、試験化合物のない状態の同じ基本培地を収容した。陰性対照ウェルは、0.5% FCSを有するが、アクチビンA、Wnt3a、又は試験化合物のない状態の同じ基本培地を収容した。アッセイ2日目にアッセイウェルを吸引し、同一濃度の試験化合物又は対照溶液を再度供給した。3日及び4日目に、全アッセイウェルは吸引され、試験化合物又はWnt3aの両方がない状態で2% FCS及び100ng/mLアクチビンAで補充されたDMEM:F12が供給された。平行陰性対照ウェルは、3日、4日、及び5日目は2% FCSを含有するDMEM:F12基本培地に維持された。胚体内胚葉へ分化させるために、細胞を3日間処理し、2% FCSと、0.25μM KAADシクロパミン(EMD Biosciences)と、20ng/mL FGF7(RD Biosystems)とを含有するDMEM:F12基本培地を毎日供給した。続いて細胞を4日間処理し、1% B27(Invitrogen)と、0.25μM KAADシクロパミンと、2μMレチノイン酸(RA;Sigma−Aldrich)と、20ng/mL FGF7とを含有するDMEM:F12を毎日供給した。段階2及び3の間の平行陰性対照ウェルは、2%FCS又は1% B27を含有するがあらゆるその他の添加剤を含有しないDMEM:F12基本培地にずっと維持された。膵臓内胚葉の形成後、細胞を更に6日間継続して処理し、1% B27と、1μM DAPT(γセクレターゼ阻害剤:EMD Biosciences)と、50ng/mL Exendin4(Sigma−Aldrich)とを含有するDMEM:F12基本培地を毎日供給した。次に、細胞を別の3日間連続して処理し、1% B27、50ng/mL Exendin4と、50ng/mL IGF(RD Biosystems)と、50ng/mL HGF(RD Biosystems)とを含有するDMEM:F12基本培地を毎日供給した。平行陰性対照ウェルは、1%B27を含有するがあらゆるその他の添加剤を含有しないDMEM:F12基本培地にずっと維持された。
【0243】
アッセイ評価:培養の最後に、高含量分析又はリアルタイムPCRによって評価するために細胞を実施例7及び8と同様に処理した。
【0244】
高含量蛍光染色のため、96ウェルプレートの細胞をPBSで2回洗浄し、4%パラホルムアルデヒドで室温で20分間固定し、PBSで更に3回洗浄し、次に0.5% Triton X−100を用いて室温で20分間透明処理した。固定及び透明処理の後、細胞をPBSで再度3回洗浄し、次に、室温で30分間PBS中において4%ニワトリ血清(Invitrogen)でブロックした。一次抗体(モルモット抗ブタインスリン、ヒトインスリンと交差反応する;DakoCytomation)を4%ヤギ血清で1:500に希釈し、細胞に室温で1時間添加した。細胞をPBSで3回洗浄し、次に、4%ヤギ血清で1:100に希釈したAlexa Fluor 488共役二次抗体(ヤギ抗モルモットIgG;分子プローブ)で染色した。細胞核を対比染色するために、2μg/mL Hoechst 33342(Invitrogen)を室温で10分間添加した。細胞をPBSで一度洗浄し、画像化するために100μL/ウェルPBS中に放置した。
【0245】
Hoechst 33342及びAlexa Fluor 488で染色された細胞用の51008bs二色性を利用するIN Cell Analyzer 1000(GE Healthcare)を使用して細胞を撮像した。暴露時間は、陽性対照ウェル、及び二次抗体のみで染色されたウェルを用いて最適化された。処理及び染色手順の間のあらゆる細胞消失を補償するために、1ウェル当たり15の領域を得た。各ウェルごとの全細胞の数及び全インスリン強度の測定値を、IN Cell Developer Toolbox 1.7(GE Healthcare)ソフトウェアを使用して得た。グレイスケール・レベル(基準線範囲100〜300)及び核サイズに基づいて、細胞核のセグメンテーションを決定した。各複製セットごとの平均値及び標準偏差が計算された。全インスリンタンパク質発現量は、細胞×細胞の面積の全蛍光量として定義される全強度又は積分強度として報告された。300〜3000のグレイスケール範囲の判定基準に基づいて背景を消去した。全強度データは、各ウェルごとの全強度をWnt3a/アクチビンA陽性対照の平均全強度で割って正規化された。各三重セットごとの平均値及び標準偏差に関する正規化データが計算された。
【0246】
定量PCR用の細胞をRLT緩衝液(Qiagen)に溶解し、次にRNAを抽出、精製しかつcDNAを合成するために処理した。RNAサンプルを、エタノール−含有、高塩濃度緩衝液の存在下、シリカゲル膜(Rneasy Mini Kit,Qiagen,CA)に結合させた後、混入物を洗浄することにより精製した。RNAをTURBO DNA−フリーキット(Ambion,INC)を使用して更に精製し、次いで高品質RNAを水中に溶出した。収率及び純度を分光光度計のA260及びA280測定値によって評価した。Applied Biosystems、Inc.(ABI,CA)大容量cDNAアーカイブキットを用いて精製したRNAからcDNAコピーを作製した。
【0247】
特に指定のない限り、リアルタイムPCR増幅及び定量化のための全ての試薬はABIから購入した。ABI PRISM(登録商標)7900配列検出システムを使用して、リアルタイムPCR反応を行った。TAQMAN(登録商標)UNIVERSAL PCR MASTER MIX(登録商標)(ABI,CA)を、20ngの逆転写RNAと共に、20μLの全反応容積にて使用した。各cDNAサンプルを2回使用(run)して、ピペッティング誤差に関して補正した。プライマー及びFAM−ラベルTAQMAN(登録商標)プローブを、濃度200nMにて使用した。各標的遺伝子に関する発現レベルを、以前にABIにより開発されたヒトグリセルアルデヒド−3−リン酸デヒドロゲナーゼ(GAPDH)内在性対照を使用して正規化した。プライマー及びプローブの組合せを次に示す:PDX1(Hs00236830_m1)、インスリン(Hs00355773)、及びGAPDH(4310884E)。
【0248】
最初50℃で2分間、次いで95℃で10分間のインキュベーション後、サンプルを2段階、即ち、−95℃で15秒間の変性過程と、その後の60℃で1分間のアニーリング/伸長過程と、で40回サイクルした。GENEAMP(登録商標)7000配列検出システムソフトウエアを使用して、データ解析を行った。各プライマー/プローブセットに関して、増幅の指数関数領域の中央において蛍光強度が特定の値に到達したサイクル数としてのCt値を決定した。比較Ct法を使用して、相対的な遺伝子発現レベルを計算した。手短には、各cDNAサンプルに関して、内在性対照Ct値を関心対象遺伝子のCtから減算して、Ct値(ΔCt)を得た。標的の正規化した量を2−ΔCt、として計算し、増幅を100%効率と仮定した。最終的なデータを、標準物質サンプルに関して表した。
【0249】
結果
8つのGSK−3B酵素阻害剤に関する結果が示されている。高含量分析で得た図13に示されるデータは、H1hES細胞系の細胞の数(パネルA)及びインスリン強度(パネルB)に与える化合物の影響を示しており、それぞれのデータ点は三重セットからの平均であり、同一領域及びウェルからパラメータごとに見つけ出された。リアルタイムPCRで得た図14に示されるデータは、Pdx1及びインスリンに対する化合物の影響を示している。これらの実施例において、Pdx1及びインスリンの発現は膵臓内胚葉分化及びホルモン陽性細胞の生成を示している。これらのアッセイの選択GSK3β阻害化合物は、インスリン免疫染色及びリアルタイムPCRの両方から明らかなように、細胞系列へのコミットメントの早期段階中にWnt3aの代替となることができ、分化の続いて起こる後期段階中に膵臓β細胞の形成を誘導しかつ維持することができる。
【0250】
(実施例11)
膵臓内分泌細胞の形成に与えるGSK−3β酵素阻害剤の相加効果
細胞運命決定の複数段階の間に添加される場合は、GSK3β阻害剤で処理することにより膵臓β細胞の分化を改善することができることを証明することが重要であった。ヒットの選択サブセットを、膵臓ホルモン陽性細胞に関連するインスリンの発現を促進するために逐次定期的な添加によって試験した。
【0251】
アッセイ用細胞の調製:アッセイのための細胞調製:実施例9及び10に記載した方法に従って得た膵臓内胚葉細胞を(96ウェルプレート上で培養した)、続いて、後細胞を膵臓ホルモン発現細胞に分化させる薬剤にさらした。
【0252】
MATRIGEL(商標)上のH1ヒト胚幹細胞系の培養物のアッセイは、各ウェルの細胞単層から培養液を吸引し、続いてPBSで3回洗浄して残留増殖因子及び血清を除去することによって、実施例7〜9に記載の通りに開始された。胚体内胚葉へ分化させるために、0.5% FCSを有する培地と、100ng/mLアクチビンAを有しWnt3aを有さない異なる濃度の阻害化合物とを含有する試験量(96ウェルプレートに関してはウェル当たり100μL)を添加した。陽性対照ウェルは、試験化合物がない状態で基本培地と0.5% FCSと100ng/mLアクチビンAと20ng/mL Wnt3a(RD Biosystems)とを収容した。陰性対照ウェルは、0.5% FCSを有するが、アクチビンA、Wnt3a、又は試験化合物のない状態の同じ基本培地を収容した。アッセイ2日目にアッセイウェルを吸引し、同一濃度の試験化合物又は対照溶液を再度供給した。3日、4日及び5日目に、全アッセイウェルは吸引され、試験化合物又はWnt3aの両方がない状態で2% FCS及び100ng/mLアクチビンAで補充されたDMEM:F12が供給された。平行陰性対照ウェルは、3日、4日及び5日目は2%FCSを有するDMEM:F12に維持された。胚体内胚葉へ分化させるために、細胞を3日間処理し、2% FCSと、0.25μM KAADシクロパミン(EMD Biosciences)と、20ng/mL FGF7(RD Biosystems)とを含有するDMEM:F12基本培地を毎日供給した。続いて細胞を4日間処理し、1% B27(Invitrogen)と、0.25μM KAADシクロパミンと、2μMレチノイン酸(RA;Sigma−Aldrich)と、20ng/mL FGF7とを含有するDMEM:F12を毎日供給した。平行陰性対照ウェルは、2% FCS又は1%B27を含有するがあらゆるその他の添加剤を含有しないDMEM:F12基本培地にずっと維持された。膵臓内胚葉の形成後、細胞を更に6日間継続して処理し、1% B27と、1μM DAPT(γセクレターゼ阻害剤:EMD Biosciences)と、50ng/mL Exendin 4(Sigma−Aldrich)と、1μM TGFbeta R1阻害剤II(ALK5阻害剤:EMD Biosciences)とを含有するDMEM:F12基本培地を隔日で供給した。この6日間の間、GSK3β阻害剤を、分化の開始時の前回の処理と同じ濃度を用いてそれぞれにウェルに加え戻した。次に、細胞を別の3日間連続して処理し、1% B27、50ng/mL Exendin 4と、50ng/mL IGF(RD Biosystems)と、50ng/mL HGF(RD Biosystems)と、1μM TGFβ R1阻害剤II(ALK5阻害剤;EMD Biosciences)とを含有するDMEM:F12基本培地を隔日で供給した。この3日間の間、GSK3β阻害剤を、分化の開始時の前回の処理と同じ濃度を用いてそれぞれにウェルに加え戻した。陽性対照ウェルの平行セットを20ng/mL Wnt3aの存在下又は非存在下で処理した。平行陰性対照ウェルは、1%B27を含有するがあらゆるその他の添加剤を含有しないDMEM:F12基本培地にずっと維持された。
【0253】
アッセイ評価:アッセイ評価:培養の最後に、高含量分析によって評価するために細胞を上記実施例10と同様に処理した。
【0254】
高含量蛍光染色のため、96ウェルプレートの細胞をPBSで2回洗浄し、4%パラホルムアルデヒドで室温で20分間固定し、PBSで更に3回洗浄し、次に0.5% Triton X−100を用いて室温で20分間透明処理した。固定及び透明処理の後、細胞をPBSで再度3回洗浄し、次に、室温で30分間PBS中において4%ニワトリ血清(Invitrogen)でブロックした。一次抗体(モルモット抗ブタインスリン、ヒトインスリンと交差反応する;DakoCytomation)を4%ニワトリ血清で1:500に希釈し、室温で1時間細胞に添加した。細胞をPBSで3回洗浄し、次に、4%ヤギ血清で1:100に希釈したAlexa Fluor 488共役二次抗体(ヤギ抗モルモットIgG;分子プローブ)で染色した。細胞核を対比染色するために、2μg/mLのHoechst 33342(Invitrogen)を室温で10分間添加した。細胞をPBSで一度洗浄し、画像化するために100μL/ウェルPBS中に放置した。
【0255】
Hoechst 33342及びAlexa Fluor 488で染色された細胞用の51008bs二色性を利用するIN Cell Analyzer 1000(GE Healthcare)を使用して細胞を撮像した。暴露時間は、陽性対照ウェル、及び二次抗体のみで染色されたウェルを用いて最適化された。処理及び染色手順の間のあらゆる細胞消失を補償するために、1ウェル当たり15の領域を得た。各ウェルごとの全細胞の数及び全インスリン強度の測定値を、IN Cell Developer Toolbox 1.7(GE Healthcare)ソフトウェアを使用して得た。グレイスケール・レベル(基準線範囲100〜300)及び核サイズに基づいて、細胞核のセグメンテーションを決定した。各複製データセットに関して平均値及び標準偏差を計算した。全インスリンタンパク質発現量は、細胞×細胞の面積の全蛍光量として定義される全強度又は積分強度として報告された。300〜3000のグレイスケール範囲の判定基準に基づいて背景を消去した。全強度データは、各ウェルごとの全強度をWnt3a/アクチビンA陽性対照の平均全強度で割って正規化された。各三重セットごとの平均値及び標準偏差に関する正規化データが計算された。
【0256】
結果
8つのGSK−3B酵素阻害剤に関する結果が示されている。高含量分析で得た図15に示されるデータは、H1hES細胞系の細胞の数(パネルA)及びインスリン強度(パネルB)に与える化合物の影響を示しており、それぞれのデータ点は三重セットからの平均であり、同一領域及びウェルからパラメータごとに見つけ出された。この実施例では、インスリンの発現はホルモン陽性膵臓細胞への分化を示している。これらのアッセイの選択GSK3B阻害化合物は、細胞系列へのコミットメントの早期段階中にWnt3aの代替となることができ、後期段階で添加される場合、陽性対照サンプルに比べて高度のインスリン発現を促進すると思われる。
【0257】
本明細書を通して引用された刊行物は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。以上、本発明の様々な態様を実施例及び好ましい実施形態を参照して説明したが、本発明の範囲は、上記の説明文によってではなく、特許法の原則の下で適切に解釈される以下の特許請求の範囲によって定義されるものである点は認識されるであろう。
【0258】
【表5】
【0259】
【表6】
【0260】
【表7−1】
【0261】
【表7−2】
【0262】
【表7−3】
【0263】
【表7−4】
【0264】
【表7−5】
【0265】
【表7−6】
【0266】
【表8−1】
【0267】
【表8−2】
【0268】
【表9−1】
【0269】
【表9−2】
【0270】
【表9−3】
【0271】
【表9−4】
【0272】
【表9−5】
【0273】
【表9−6】
【0274】
【表9−7】
【0275】
【表10】
【0276】
【表11−1】
【0277】
【表11−2】
【0278】
【表11−3】
【0279】
【表11−4】
【0280】
【表11−5】
【0281】
【表11−6】
【0282】
【表11−7】
【0283】
【表12】
【0284】
【表13】
【0285】
【表14】
【0286】
【表15】
【0287】
【表16】
【図1A】
【図1B】
【図2A】
【図2B】
【図3A】
【図3B】
【図4A】
【図4B】
【図5A】
【図5B】
【図6A】
【図6B】
【図7A】
【図7B】
【図8A】
【図8B】
【技術分野】
【0001】
本発明は、多能性細胞を処理するための方法を目的とし、GSK−3Bの酵素活性阻害剤で多能性細胞を処理することによって、多能性細胞を培養液中で効率的に増殖させ、かつ分化させることができる。
【背景技術】
【0002】
I型糖尿病のための細胞代替療法における進歩と、移植可能なランゲルハウス島の不足により、インスリン産生細胞、又は移植に適した細胞の源を開発することに、興味の焦点が当てられている。1つの手法は、例えば、胚幹細胞等の多能性細胞から機能的β細胞を生成することである。
【0003】
脊椎動物の胚発生において、多能性細胞は、原腸形成として公知のプロセスにて、3つの胚葉(外胚葉、中胚葉、及び内胚葉)を含む細胞のグループを生じる。例えば、甲状腺、胸腺、膵臓、腸、及び肝臓等の組織は、内胚葉から中間段階を経て発達する。このプロセスにおける中間段階は、胚体内胚葉の形成である。胚体内胚葉細胞は、HNF−3β、GATA4、Mixl1、CXCR4及びSox−17などの多くのマーカーを発現する。
【0004】
膵臓の形成は、胚体内胚葉の膵臓内胚葉への分化により起こる。膵臓内胚葉の細胞は膵臓−十二指腸ホメオボックス遺伝子、PDX−1を発現する。PDX−1が存在しない場合、膵臓は、腹側芽及び背側芽の形成を越えて発達しない。したがって、PDX−1の発現は、膵臓の器官形成における重要な過程である。成熟した膵臓は、他の細胞型の中でも、外分泌組織及び内分泌組織を含む。外分泌組織及び内分泌組織は、膵臓内胚葉の分化によって生じる。
【0005】
移植に十分な量の細胞物質を生成するには、培養液中で効率的に増殖することができ、かつ関心対象の組織、例えば、機能的β細胞に効率的に分化することができる、細胞物質の供給源が必要である。
【0006】
ヒト胚幹細胞を培養するための現行法は複雑であり、これらの方法は、細胞がその多能性を失わずに増殖するために、外生要因、つまり合成培地の使用を必要とする。更に、胚幹細胞の分化は、多くの場合、培養液中における細胞増殖の低下を引き起こす。
【0007】
一例を挙げれば、Cheon et al(BioReprod DOI:10.1095/biolreprod.105.046870、2005年10月19日)は、無フィーダー、無血清培養システムを開示し、ここで胚幹細胞は、胚幹細胞の自己複製を誘発することができる異なる増殖因子で補充された非血清代替(SR)培地中で維持される。
【0008】
別の例において、米国特許出願公開第20050233446号は、未分化の霊長類始原幹細胞を含む幹細胞の培養に有用な合成培地を開示している。溶液において、培地は、培養されている幹細胞と比較して実質的に等張等浸透圧である。所定の培養おいて、特定の培地は、基本培地と、実質的に未分化の始原幹細胞の増殖の支持に必要な、ある量のbFGF、インスリン、及びアスコルビン酸の各々とを含有する。
【0009】
別の例において、WO2005086845は、未分化の幹細胞を維持するための方法を開示し、同方法は、幹細胞を、細胞を未分化の状態に維持するのに十分な量のタンパク質のトランスフォーミング増殖因子−β(TGFβ)ファミリーのメンバー、タンパク質の繊維芽細胞増殖因子(FGF)ファミリーのメンバー、又はニコチンアミド(NIC)に、所望の結果を達成するのに十分な時間、暴露することを含む。
【0010】
グリコーゲンシンターゼキナーゼ−3(GSK−3)の阻害剤は、成体幹細胞の拡散及び増殖を促進することで知られている。一例では、Tateishi et al.(Biochemical and Biophysical Research Communications(2007)352:635)は、GSK−3阻害剤は、新生児又は成人の心臓から回収され、間葉系の特徴を有するヒト心臓幹細胞(hCSC)の増殖及び生存を亢進させることを示している。
【0011】
例えば、Rulifson et al(PNAS 144,6247〜6252,(2007))は、Wntシグナルは島β細胞の増殖を刺激すると記載している。
【0012】
別の例では、WO2007016485は、骨髄成体多能性幹細胞を含む非胚幹細胞の培養液にGSK−3阻害剤を添加すると、増殖中の多能性表現型を維持させ、その結果よりロバストな分化応答をもたらすことを報告している。
【0013】
別の例では、US2006030042は、フィーダー細胞層を使用せずに胚幹細胞を維持するために、Wntの添加又はGSK−3酵素活性の小分子阻害剤の添加のいずれかによって、GSK−3を阻害する方法を用いている。
【0014】
別の例では、WO2006026473は、c−mycの転写活性化及びc−mycタンパク質の安定化を通じて多能性細胞を安定させるために、GSK−3B阻害剤を添加することを報告している。
【0015】
別の例では、WO2006100490は、マウス又はヒト胚幹細胞を含む多能性幹細胞の自己複製集団を維持するために、GSK−3阻害剤とgp130アゴニストとを含有する幹細胞培地の使用を報告している。
【0016】
別の例では、Sato et al.(Nature Medicine(2004)10:55〜63)は、特定の薬理化合物を有するGSK−3阻害剤は、胚幹細胞の未分化の表現型を維持し、かつOct−3/4、Rex−1、及びNanogなどの多能性状態特異的転写因子の発現を持続させることができることを示している。
【0017】
別の例では、Maurer et al(Journal of Proteome Research(2007)6:1198〜1208)は、GSK−3阻害剤で処理された成体神経幹細胞は、特にβカテニン標的遺伝子の転写を促進し、かつアポトーシスを減少させることによって、神経分化を亢進させることを示すことを明らかにしている。
【0018】
別の例では、Gregory et al(Annals of the New York Academy of Sciences(2005)1049:97〜106)は、GSK−3B阻害剤がインビトロでの骨形成を亢進させることを報告している。
【0019】
別の例では、Feng et al(Biochemical and Biophysical Research Communcations(2004)324:1333〜1339)は、胚幹細胞の造血分化は、WntがGSK3の天然阻害剤である場合にはWnt/βカテニン経路の抑制を伴うことを示している。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0020】
したがって、膵臓内分泌細胞、膵臓ホルモン発現細胞、又は膵臓ホルモン分泌細胞に分化する可能性を維持する一方で、現在の臨床上の必要性に対処するために増殖され得るように多能性幹細胞株を処理する方法を開発する重大な必要性が今尚存在している。
【課題を解決するための手段】
【0021】
本発明は、多能性細胞をGSK−3Bの酵素活性阻害剤で処理することによって、多能性細胞を増殖及び分化するための方法を提供する。
【0022】
一実施形態において、本発明は多能性細胞を増殖及び分化するための方法を提供し、該方法は:
a.多能性細胞を培養する過程と、
b.多能性細胞をGSK−3Bの酵素活性阻害剤で処理する過程と、を含む。
【0023】
一実施形態において、多能性細胞は、胚体内胚葉系統に特徴的なマーカーを発現する細胞に分化される。
【0024】
多能性細胞はヒト胚幹細胞であってもよく、又は60/913475に開示される方法に従ってヒト胚幹細胞から誘導した多能性マーカーを発現する細胞であってもよい。
【0025】
一実施形態において、GSK−3Bの酵素活性阻害剤は式(I)の化合物である。
【0026】
【化1】
【0027】
一実施形態において、GSK−3Bの酵素活性阻害剤は、式(II)の化合物である。
【0028】
【化2】
【0029】
一実施形態において、GSK−3Bの酵素活性阻害剤は、式(III)の化合物である。
【0030】
【化3】
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】化合物JNJ 17189731の濃度範囲が、観察される細胞核の数によって決定される細胞数(パネルA)、及び免疫蛍光染色の強度によって決定されるSox−17の発現(パネルB)に与える影響を示す。結果は、IN Cell Analyzer 1000(GE Healthcare)を用いて、ヒト胚幹細胞系H1細胞(白色バー)、又はヒト胚幹細胞系H9細胞(黒色バー)から得た。
【図2】化合物JNJ 17163796の濃度範囲が、観察される細胞核の数によって決定される細胞数(パネルA)、及び免疫蛍光染色の強度によって決定されるSox−17の発現(パネルB)に与える影響を示す。結果は、IN Cell Analyzer 1000(GE Healthcare)を用いて、ヒト胚幹細胞系H1細胞(白色バー)、又はヒト胚幹細胞系H9細胞(黒色バー)から得た。
【図3】化合物JNJ 17223375の濃度範囲が、観察される細胞核の数によって決定される細胞数(パネルA)、及び免疫蛍光染色の強度によって決定されるSox−17の発現(パネルB)に与える影響を示す。結果は、IN Cell Analyzer 1000(GE Healthcare)を用いて、ヒト胚幹細胞系H1細胞(白色バー)、又はヒト胚幹細胞系H9細胞(黒色バー)から得た。
【図4】化合物JNJ 18157698の濃度範囲が、観察される細胞核の数によって決定される細胞数(パネルA)、及び免疫蛍光染色の強度によって決定されるSox−17の発現(パネルB)に与える影響を示す。結果は、IN Cell Analyzer 1000(GE Healthcare)を用いて、ヒト胚幹細胞系H1細胞(白色バー)、又はヒト胚幹細胞系H9細胞(黒色バー)から得た。
【図5】化合物JNJ 26158015の濃度範囲が、観察される細胞核の数によって決定される細胞数(パネルA)、及び免疫蛍光染色の強度によって決定されるSox−17の発現(パネルB)に与える影響を示す。結果は、IN Cell Analyzer 1000(GE Healthcare)を用いて、ヒト胚幹細胞系H1細胞(白色バー)、又はヒト胚幹細胞系H9細胞(黒色バー)から得た。
【図6】化合物JNJ 26483197の濃度範囲が、観察される細胞核の数によって決定される細胞数(パネルA)、及び免疫蛍光染色の強度によって決定されるSox−17の発現(パネルB)に与える影響を示す。結果は、IN Cell Analyzer 1000(GE Healthcare)を用いて、ヒト胚幹細胞系H1細胞(白色バー)、又はヒト胚幹細胞系H9細胞(黒色バー)から得た。
【図7】化合物JNJ 26483249の濃度範囲が、観察される細胞核の数によって決定される細胞数(パネルA)、及び免疫蛍光染色の強度によって決定されるSox−17の発現(パネルB)に与える影響を示す。結果は、IN Cell Analyzer 1000(GE Healthcare)を用いて、ヒト胚幹細胞系H1細胞(白色バー)、又はヒト胚幹細胞系H9細胞(黒色バー)から得た。
【図8】化合物JNJ 10220067の濃度範囲が、観察される細胞核の数によって決定される細胞数(パネルA)、及び免疫蛍光染色の強度によって決定されるSox−17の発現(パネルB)に与える影響を示す。結果は、IN Cell Analyzer 1000(GE Healthcare)を用いて、ヒト胚幹細胞系H1細胞(白色バー)、又はヒト胚幹細胞系H9細胞(黒色バー)から得た。
【図9】実施例8に記載の方法に従って、示されている化合物で処理された細胞を用いた免疫蛍光染色法及びフローサイトメトリー分析によって測定された細胞の表面上におけるCXCR4の発現を示す。
【図10】実施例8に記載の方法に従って、示されている化合物で処理された細胞における、リアルタイムPCRによって測定されたHNF−3β(パネルB)及びSox−17(パネルC)の発現を示す。
【図11】IN Cell Analyzer 1000(GE Healthcare)を用いた、示されている化合物の濃度範囲が、観察される細胞核の数によって決定される細胞の数(パネルA)、及び免疫蛍光染色の強度によって決定されるPdx−1の発現(パネルB)、に与える影響を示す。細胞は、実施例9に記載の方法に従って処理された。
【図12】リアルタイムPCRによって測定された、示されている化合物の濃度範囲が、Pdx−1の発現(白色バー)及びHNF−6(黒色バー)に与える影響を示す。細胞は、実施例9に記載の方法に従って処理された。
【図13】IN Cell Analyzer 1000(GE Healthcare)を用いた、示されている化合物の濃度範囲が、観察される細胞核の数によって決定される細胞の数(パネルA)、及び免疫蛍光染色の強度によって決定されるインスリンの発現(パネルB)に与える影響を示す。細胞は、実施例10に記載の方法に従って処理された。
【図14】リアルタイムPCRによって測定された、示されている化合物の濃度範囲が、Pdx−1の発現(白色バー)及びインスリン(黒色バー)に与える影響を示す。細胞は、実施例10に記載の方法に従って処理された。
【図15】IN Cell Analyzer 1000(GE Healthcare)を用いた、示されている化合物の濃度範囲が、観察される細胞核の数によって決定される細胞の数(パネルA)、及び免疫蛍光染色の強度によって決定されるインスリンの発現(パネルB)に与える影響を示す。細胞は、実施例11に記載の方法に従って処理された。
【発明を実施するための形態】
【0032】
開示を分かりやすくするため、限定を目的とすることなく、本発明の詳細な説明を、本発明の特定の特徴、実施形態、又は応用を説明又は図示した以下の小項目に分ける。
【0033】
定義
幹細胞は、単一の細胞レベルにて自己複製し、分化して後代細胞を生成する、それら両方の能力で定義される未分化細胞であり、後代細胞には、自己複製前駆細胞、非再生前駆細胞、及び最終分化細胞が含まれる。幹細胞はまた、インビトロで複数の胚葉(内胚葉、中胚葉及び外胚葉)から様々な細胞系統の機能的細胞に分化する能力によって、また移植後に複数の胚葉の組織を生じ、胚盤胞への注入後、全部ではないとしても殆どの組織を提供する能力によっても、特徴付けられる。
【0034】
幹細胞は、それらの発達能力により:(1)全胚及び胚体外細胞型を生じる能力を意味する全能性、(2)全胚細胞型を生じる能力を意味する多能性、(3)細胞系統の小集合を生じるが、全て特定の組織、器官又は生理的システム内で生じる能力を有することを意味する多能性(例えば、造血幹細胞(HSC)は、HSC(自己複製)、血液細胞に限定された寡能性前駆細胞、並びに血液の通常の構成要素である全細胞型及び要素(例えば、血小板)を含む子孫を産生できる)、(4)多能性幹細胞と比較して限定された細胞系統の小集合を生じる能力を有することを意味する寡能性、並びに(5)1つの細胞系統を生じる能力を有することを意味する単能性(例えば、精子形成幹細胞)に分類される。
【0035】
分化は、非特殊化の(「中立の」)又は比較的特殊化されていない細胞が、例えば、神経細胞又は筋細胞等の特殊化した細胞の特徴を獲得するプロセスである。分化した、又は分化を誘発された細胞は、細胞系統内でより特殊化した(「傾倒した」)状況を呈している細胞である。分化プロセスに適用した際の用語「傾倒した」は、通常の環境下で特定の細胞型又は細胞型の小集合に分化し続ける分化経路の地点に進行しており、通常の環境下で異なる細胞型に分化し、又はより分化されていない細胞型に戻ることができない細胞を指す。脱分化は、細胞が細胞系統内で比較的特殊化されて(又は傾倒して)いない状況に戻るプロセスを指す。本明細書で使用される場合、細胞系統は、細胞の遺伝、即ちその細胞がどの細胞から来たか、またどの細胞を生じ得るかを規定する。細胞系統は、細胞を発達及び分化の遺伝的スキーム内に配置する。系統特異的なマーカーは、関心対象の細胞の表現型に特異的に関連した特徴を指し、中立細胞の関心対象系統への分化を評価する際に使用することができる。
【0036】
「β−細胞系統」は、転写因子PDX−1と、次の転写因子、即ちNGN−3、Nkx2.2、Nkx6.1、NeuroD、Isl−1、HNF−3β、MAFA、Pax4、及びPax6うちの少なくとも1つとに関する遺伝子発現が陽性の細胞を指す。β細胞系統に特徴的なマーカーを発現する細胞は、β細胞を含む。
【0037】
本明細書で言うところの「胚体内胚葉系統に特徴的なマーカーを発現する細胞」とは、次のマーカー、即ちSOX−17、GATA−4、HNF−3β、GSC、Cer1、ノーダル(Nodal)、FGF8、ブラキュリ(Brachyury)、Mix様ホメオボックスタンパク質、FGF4 CD48、エオメソダーミン(eomesodermin)(EOMES)、DKK4、FGF17、GATA−6、CXCR4、C−Kit、CD99、又はOTX2のうちの少なくとも1つを発現する細胞を指す。内胚葉系統に特徴的なマーカーを発現する細胞は、原始線条前駆体細胞、原始線条細胞、中内胚葉細胞及び胚体内胚葉細胞を含む。
【0038】
本明細書で使用される場合、「膵臓内胚葉系統に特徴的なマーカーを発現する細胞」は、以下のマーカーの少なくとも1つを発現している細胞を指す:PDX−1、HNF−1β、PTF−1α、HNF−6、又はHB9。膵臓内胚葉系統に特徴的なマーカーを発現する細胞は、膵臓内胚葉細胞を含む。
【0039】
本明細書で使用される場合、「膵臓内分泌系統に特徴的なマーカーを発現する細胞」は、以下のマーカーの少なくとも1つを発現している細胞を指す:NGN−3、NeuroD、Islet−1、PDX−1、NKX6.1、Pax−4、Ngn−3、又はPTF−1α。膵臓内分泌系統に特徴的なマーカーを発現する細胞としては、膵臓内分泌細胞、膵臓ホルモン発現細胞及び膵臓ホルモン分泌細胞、並びにβ細胞系統の細胞が挙げられる。
【0040】
本明細書で使用される場合、「胚体内胚葉」は、原腸形成中、胚盤葉上層から生じ、胃腸管及びその誘導体を形成する細胞の特徴を保持する細胞を指す。胚体内胚葉細胞は、以下のマーカーを発現する:HNF−3β、GATA−4、SOX−17、Cerberus、OTX2、グースコイド、C−Kit、CD99、及びMixl1。
【0041】
本明細書で使用される場合、「胚体外内胚葉」は、以下のマーカーの少なくとも1つを発現している細胞の集団を指す:SOX−7、AFP、及びSPARC。
【0042】
本明細書で使用される場合、「マーカー」は、関心対象の細胞内で差異的に発現される核酸又はポリペプチド分子である。本文脈において、差異的な発現は、陽性マーカーのレベルの増大及び陰性マーカーのレベルの減少を意味する。検出可能なレベルのマーカー核酸又はポリペプチドは、他の細胞と比較して関心対象の細胞内で十分高く又は低く、そのため当技術分野で公知の多様な方法のいずれかを使用して、関心対象の細胞を他の細胞から識別及び区別することができる。
【0043】
本明細書で使用される場合、「中内胚葉細胞」は、以下のマーカーの少なくとも1つを発現している細胞を指す:CD48、eomesodermin(EOMES)、SOX−17、DKK4、HNF−3β、GSC、FGF17、GATA−6。
【0044】
本明細書で使用される場合、「膵臓内分泌細胞」又は「膵臓ホルモン発現細胞」は、以下のホルモンの少なくとも1つを発現することができる細胞を指す:インスリン、グルカゴン、ソマトスタチン、及び膵臓ポリペプチド。
【0045】
本明細書で使用される場合、「膵臓ホルモン分泌細胞」は、以下のホルモンの少なくとも1つを分泌できる細胞を指す:インスリン、グルカゴン、ソマトスタチン、及び膵臓ポリペプチド。
【0046】
本明細書で使用される場合、「前原始線条細胞」は、以下のマーカーの少なくとも1つを発現している細胞を指す:Nodal、又はFGF8。
【0047】
本明細書で使用される場合、「原始線条細胞」は、以下のマーカーの少なくとも1つを発現している細胞を指す:ブラキュリ(Brachyury)、Mix−様ホメオボックスタンパク質、又はFGF4。
【0048】
一実施形態において、本発明は、多能性細胞をGSK−3Bの酵素活性阻害剤で処理することを含む、多能性細胞を増殖及び分化する方法を提供する。
【0049】
一実施形態において、本発明は、次の過程を含む、多能性細胞を増殖及び分化するための方法を提供する:
c.多能性細胞を培養する過程と、
d.多能性細胞をGSK−3Bの酵素活性阻害剤で処理する過程。
【0050】
一実施形態において、多能性細胞は、胚体内胚葉系統に特徴的なマーカーを発現する細胞に分化される。
【0051】
胚体内胚葉系統に特徴的なマーカーは、SOX17、GATA4、Hnf−3β、GSC、Cer1、Nodal、FGF8、ブラキュリ(Brachyury)、Mix−様ホメオボックスタンパク質、FGF4 CD48、eomesodermin(EOMES)、DKK4、FGF17、GATA6、CXCR4、C−Kit、CD99、及びOTX2からなる群から選択される。胚体内胚葉系統に特徴的なマーカーの少なくとも1つを発現している多能性細胞から誘導される細胞が、本発明において想到される。本発明の一態様において、胚体内胚葉系統に特徴的なマーカーを発現する細胞は、原始線条前駆体細胞である。別の態様において、胚体内胚葉系統に特徴的なマーカーを発現する細胞は、中内胚葉細胞である。別の態様において、胚体内胚葉系統に特徴的なマーカーを発現する細胞は、胚体内胚葉細胞である。
【0052】
多能性細胞は、GSK−3Bの酵素活性阻害剤で約1〜約72時間処理されてもよい。あるいは、多能性細胞は、GSK−3Bの酵素活性阻害剤で約12〜約48時間処理されてもよい。あるいは、多能性細胞は、GSK−3Bの酵素活性阻害剤で約48時間処理されてもよい。
【0053】
一実施形態において、GSK−3Bの酵素活性阻害剤は、濃度約100nM〜約100μMで使用される。あるいは、GSK−3Bの酵素活性阻害剤は、濃度約1μM〜約10μMで使用される。あるいは、GSK−3Bの酵素活性阻害剤は、濃度約10μMで使用される。
【0054】
本発明の方法で使用するのに好適な化合物
一実施形態において、GSK−3Bの酵素活性阻害剤は式(I)の化合物:
【0055】
【化4】
[式中、
R1はフェニル、置換フェニルであり、フェニル置換基はC1〜5アルキル、ハロゲン、ニトロ、トリフルオロメチル及びニトリル、又はピリミジニルからなる群から選択され;
R2はフェニル、置換フェニル(ここでフェニル置換基はC1〜5アルキル、ハロゲン、ニトロ、トリフルオロメチル、及びニトリル、からなる群から選択される)、又は任意にC1〜4アルキルで置換されていてもよいピリミジニルであり、及びR1及びR2の少なくとも一方はピリミジニルである、
R3は水素、2−(トリメチルシリル)エトキシメチル、C1〜5アルキルカルボニル、アリールオキシカルボニル、アリールC1〜5アルキルオキシカルボニル、アリールC1〜5アルキル、置換アリールC1〜5アルキル(ここで1つ以上のアリール置換基は、独立して、C1〜5アルキル、C1〜5アルコキシ、ハロゲン、アミノ、C1〜5アルキルアミノ、及びジC1〜5アルキルアミノからなる群から選択される)、フタルイミドC1〜5アルキル、アミノC1〜5アルキル、ジアミノC1〜5アルキル、スクシンイミドC1〜5アルキル、C1〜5アルキルカルボニル、アリールカルボニル、C1〜5アルキルカルボニルC1〜5アルキル及びアリールオキシカルボニルC1〜5アルキルであり;
R4は、−(A)−(CH2)q−Xであり;
Aは、ビニレン、エチニレン又は
【0056】
【化5】
であり、
R5は、水素、C1〜5アルキル、フェニル、及びフェニルC1〜5アルキルからなる群から選択され;
qは0〜9であり;
Xは、水素、ヒドロキシ、ビニル、置換ビニル(ここで1つ以上のビニル置換基はそれぞれ、フッ素、臭素、塩素、及びヨウ素からなる群から選択される)、エチニル、置換エチニル(ここでエチニル置換基は、フッ素、臭素塩素、及びヨウ素からなる群から選択される)、C1〜5アルキル、置換されたC1〜5アルキル(ここで1つ以上のアルキル置換基はそれぞれ、C1〜5アルコキシ、トリハロアルキル、フタルイミド、及びアミノからなる群から選択される)、C3〜7シクロアルキル、C1〜5アルコキシ、置換されたC1〜5アルコキシ(ここでアルキル置換基は、フタルイミド及びアミノらなる群から選択される)、フタルイミドオキシ、フェノキシ、置換フェノキシ(ここで1つ以上のフェニル置換基はそれぞれ、C1〜5アルキル、ハロゲン、及びC1〜5アルコキシからなる群から選択される)、フェニル、置換フェニル(ここで1つ以上のフェニル置換基はそれぞれ、C1〜5アルキル、ハロゲン、及びC1〜5アルコキシからなる群から選択される)、アリールC1〜5アルキル、置換アリールC1〜5アルキル(ここで1つ以上のアリール置換基はそれぞれ、C1〜5アルキル、ハロゲン、及びC1〜5アルコキシからなる群から選択される)、アリールオキシC1〜5アルキルアミノ、C1〜5アルキルアミノ、ジC1〜5アルキルアミノ、ニトリル、オキシム、ベンジルオキシイミノ(benxyloxyimino)、C1〜5アルキルオキシイミノ、フタルイミド、スクシンイミド、C1〜5アルキルカルボニルオキシ、フェニルカルボニルオキシ、置換フェニルカルボニルオキシ(ここで1つ以上のフェニル置換基はそれぞれ、C1〜5アルキル、ハロゲン、及びC1〜5アルコキシからなる群から選択される)、フェニルC1〜5アルキルカルボニルオキシ(ここで1つ以上のフェニル置換基はそれぞれ、C1〜5アルキル、ハロゲン、及びC1〜5アルコキシからなる群から選択される)、アミノカルボニルオキシ、C1〜5アルキルアミノカルボニルオキシ、ジC1〜5アルキルアミノカルボニルオキシ、C1〜5アルキルカルボニルオキシ、置換されたC1〜5アルキルカルボニルオキシ(ここで1つ以上のアルキル置換基はそれぞれ、メチル、エチル、イソプロピル、及びヘキシルからなる群から選択される)、フェノキシカルボニルオキシ、置換フェノキシカルボニルオキシ(ここで1つ以上のフェニル置換基はそれぞれ、C1〜5アルキル、C1〜5アルコキシ、及びハロゲンからなる群から選択される)、C1〜5アルキルチオ、置換されたC1〜5アルキルチオ(ここでアルキル置換基は、ヒドロキシ及びフタルイミドからなる群から選択される)、C1〜5アルキルスルホニル、フェニルスルホニル、置換フェニルスルホニル(ここで1つ以上のフェニル置換基はそれぞれ、臭素、フッ素、塩素、C1〜5アルコキシ、及びトリフルオロメチルからなる群から選択される);但し、Aが
【0057】
【化6】
【0058】
qが0、及びXがHの場合は、R3は2−(トリメチルシリル)エトキシメチルでなくてもよい];及びその薬学上許容し得る塩からなる群から選択される。
【0059】
本発明の実施例は式(I)の化合物を含み、式中、R1は置換フェニル及びR2はピリミジン]−3−イルである。
【0060】
本発明の実施例は式(I)の化合物を含み、式中、R1は4−フルオロフェニルである。
【0061】
本発明の実施例は式(I)の化合物を含み、式中、R3は水素、アリールC1〜5アルキル、又は置換アリールC1〜5アルキルである。
【0062】
本発明の実施例は式(I)の化合物を含み、式中、R3は水素又はフェニルC1〜5アルキルである。
【0063】
本発明の実施例は式(I)の化合物を含み、式中、Aはエチニレン、及びqは0〜5である。
【0064】
本発明の実施例は式(I)の化合物を含み、式中、Xは、スクシンイミド、ヒドロキシ、メチル、フェニル、C1〜5アルキルスルホニル、C3〜6シクロアルキル、C1〜5アルキルカルボニルオキシ、C1〜5アルコキシ、フェニルカルボニルオキシ、C1〜5アルキルアミノ、ジC1〜5アルキルアミノ、又はニトリルである。
【0065】
式(I)の化合物は、同一出願人による米国特許第6,214,830号に開示されており、該特許の完全な開示は参照により本明細書に組み込まれる。
【0066】
本発明の実施例は式(I)の化合物を含み、この化合物は次のものからなる群から選択される:
【0067】
【表1】
【0068】
本発明の実施例は式(I)の化合物を含み、この化合物は次の式の化合物5である。
【0069】
【化7】
【0070】
一実施形態において、GSK−3Bの酵素活性阻害剤は式(II)の化合物:
【0071】
【化8】
[式中、
Rは、Ra、−C1〜8アルキル−Ra、−C2〜8アルケニル−Ra、−C2〜8アルキニル−Ra、及びシアノからなる群から選択され;
Raは、シクロアルキル、複素環、アリール、及びヘテロアリールからなる群から選択され;
R1は、水素、−C1〜8アルキル−R5、−C2〜8アルケニル−R5、−C2〜8アルキニル−R5、−C(O)−(C1〜8)アルキル−R9、−C(O)−アリール−R8、−C(O)−O−(C1〜8)アルキル−R9、−C(O)−O−アリール−R8、−C(O)−NH(C1〜8アルキル−R9)、−C(O)−NH(アリール−R8)、−C(O)−N(C1〜8アルキル−R9)2、−SO2−(C1〜8)アルキル−R9、−SO2−アリール−R8、−シクロアルキル−R6、−複素環−R6、−アリール−R6、及び−ヘテロアリール−R6からなる群から選択され;ここで、複素環及びヘテロアリールは、複素環又はヘテロアリール環の炭素原子を通して1の位置のアザインドール窒素原子と結合しており;
R5は、水素、−O−(C1〜8)アルキル、−O−(C1〜8)アルキル−OH、−O−(C1〜8)アルキル−O−(C1〜8)アルキル、−O−(C1〜8)アルキル−NH2、−O−(C1〜8)アルキル−NH(C1〜8アルキル)、−O−(C1〜8)アルキル−N(C1〜8アルキル)2、−O−(C1〜8)アルキル−S−(C1〜8)アルキル、−O−(C1〜8)アルキル−SO2−(C1〜8)アルキル、−O−(C1〜8)アルキル−SO2−NH2、−O−(C1〜8)アルキル−SO2−NH(C1〜8アルキル)、−O−(C1〜8)アルキル−SO2−N(C1〜8アルキル)2、−O−C(O)H、−O−C(O)−(C1〜8)アルキル、−O−C(O)−NH2、−O−C(O)−NH(C1〜8アルキル)、−O−C(O)−N(C1〜8アルキル)2、−O−(C1〜8)アルキル−C(O)H、−O−(C1〜8)アルキル−C(O)−(C1〜8)アルキル、−O−(C1〜8)アルキル−CO2H、−O−(C1〜8)アルキル−C(O)−O−(C1〜8)アルキル、−O−(C1〜8)アルキル−C(O)−NH2、−O−(C1〜8)アルキル−C(O)−NH(C1〜8アルキル)、−O−(C1〜8)アルキル−C(O)−N(C1〜8アルキル)2、−C(O)H、−C(O)−(C1〜8)アルキル、−CO2H、−C(O)−O−(C1〜8)アルキル、−C(O)−NH2、−C(NH)−NH2、−C(O)−NH(C1〜8アルキル)、−C(O)−N(C1〜8アルキル)2、−SH、−S−(C1〜8)アルキル、−S−(C1〜8)アルキル−S−(C1〜8)アルキル、−S−(C1〜8)アルキル−O−(C1〜8)アルキル、−S−(C1〜8)アルキル−O−(C1〜8)アルキル−OH、−S−(C1〜8)アルキル−O−(C1〜8)アルキル−NH2、−S−(C1〜8)アルキル−O−(C1〜8)アルキル−NH(C1〜8アルキル)、−S−(C1〜8)アルキル−O−(C1〜8)アルキル−N(C1〜8アルキル)2、−S−(C1〜8)アルキル−NH(C1〜8アルキル)、−SO2−(C1〜8)アルキル、−SO2−NH2、−SO2−NH(C1〜8アルキル)、−SO2−N(C1〜8アルキル)2、−N−R7、シアノ,(ハロ)1〜3、ヒドロキシ、ニトロ、オキソ、−シクロアルキル−R6、−複素環−R6、−アリール−R6、及び−ヘテロアリール−R6からなる群から独立して選択される1〜2個の置換基であり;
R6は、水素、−C1〜8アルキル、−C2〜8アルケニル、−C2〜8アルキニル、−C(O)H、−C(O)−(C1〜8)アルキル、−CO2H、−C(O)−O−(C1〜8)アルキル、−C(O)−NH2、−C(NH)−NH2、−C(O)−NH(C1〜8アルキル)、−C(O)−N(C1〜8)アルキル)2、−SO2−(C1〜8)アルキル、−SO2−NH2、−SO2−NH(C1〜8アルキル)、−SO2−N(C1〜8アルキル)2、−(C1〜8)アルキル−N−R7、−(C1〜8)アルキル−(ハロ)1〜3、−(C1〜8)アルキル−OH、−アリール−R8、−(C1〜8)アルキル−アリール−R8、及び−(C1〜8)アルキル−ヘテロアリール−R8からなる群から独立して選択される、炭素原子又は窒素原子に結合された1〜4個の置換基であり;但し、R6が炭素原子に結合されている場合には、R6は、−C1〜8アルコキシ、−(C1〜8)アルコキシ−(ハロ)1〜3、−SH、−S−(C1〜8)アルキル、−N−R7、シアノ、ハロ、ヒドロキシ、ニトロ、オキソ、及び−ヘテロアリール−R8からなる群から更に選択され;
R7は、水素、−C1〜8アルキル、−C2〜8アルケニル、−C2〜8アルキニル、−(C1〜8)アルキル−OH、−(C1〜8)アルキル−O−(C1〜8)アルキル、−(C1〜8)アルキル−NH2、−(C1〜8)アルキル−NH(C1〜8アルキル)、−(C1〜8)アルキル−N(C1〜8アルキル)2、−(C1〜8)アルキル−S−(C1〜8)アルキル、−C(O)H、−C(O)−(C1〜8)アルキル、−C(O)−O−(C1〜8)アルキル、−C(O)−NH2、−C(O)−NH(C1〜8アルキル)、−C(O)−N(C1〜8アルキル)2、−SO2−(C1〜8)アルキル、−SO2−NH2、−SO2−NH(C1〜8アルキル)、−SO2−N(C1〜8アルキル)2、−C(N)−NH2、−シクロアルキル−R8、−(C1〜8)アルキル−複素環−R8、−アリール−R8、−(C1〜8)アルキル−アリール−R8、及び−(C1〜8)アルキル−ヘテロアリール−R8からなる群から独立して選択される2個の置換基であり;
R8は、水素、−C1〜8アルキル、−(C1〜8)アルキル−(ハロ)1〜3及び−(C1〜8)アルキル−OHからなる群から独立して選択される、炭素原子又は窒素原子に結合された1〜4個の置換基であり;但し、R8が炭素原子に結合されている場合には、R8は、−C1〜8アルコキシ、−NH2、−NH(C1〜8アルキル)、−N(C1〜8アルキル)2、シアノ、ハロ、−(C1〜8)アルコキシ−(ハロ)1〜3、ヒドロキシ、及びニトロからなる群から更に選択され;
R9は、水素、−C1〜8アルコキシ、−NH2、−NH(C1〜8アルキル)、−N(C1〜8アルキル)2、シアノ、(ハロ)1〜3、ヒドロキシ、及びニトロからなる群から独立して選択される1〜2個の置換基であり;
R2は、水素、−C1〜8アルキル−R5、−C2〜8アルケニル−R5、−C2〜8アルキニル−R5、−C(O)H、−C(O)−(C1〜8)アルキル−R9、−C(O)−NH2、−C(O)−NH(C1〜8アルキル−R9)、−C(O)−N(C1〜8アルキル−R9)2、−C(O)−NH(アリール−R8)、−C(O)−シクロアルキル−R8、−C(O)−複素環−R8、−C(O)−アリール−R8、−C(O)−ヘテロアリール−R8、−CO2H、−C(O)−O−(C1〜8)アルキル−R9、−C(O)−O−アリール−R8、−SO2−(C1〜8)アルキル−R9、−SO2−アリール−R8、−シクロアルキル−R6、−アリール−R6及び−(C1〜8)アルキル−N−R7からなる群より独立して選択される、炭素原子又は窒素原子に結合された1個の置換基であり;但し、R2が炭素原子に結合されている場合には、R2は、−C1〜8アルコキシ−R5、−N−R7、シアノ、ハロゲン、ヒドロキシ、ニトロ、オキソ、−複素環−R6、及び−ヘテロアリール−R6からなる群から更に選択され;
R3は、水素、−C1〜8アルキル−R10、−C2〜8アルケニル−R10、−C2〜8アルキニル−R10、−C1〜8アルコキシ−R10、−C(O)H、−C(O)−(C1〜8)アルキル−R9、−C(O)−NH2、−C(O)−NH(C1〜8アルキル−R9)、−C(O)−N(C1〜8アルキル−R9)2、−C(O)−シクロアルキル−R8、−C(O)−複素環−R8、−C(O)−アリール−R8、−C(O)−ヘテロアリール−R8、−C(NH)−NH2、−CO2H、−C(O)−O−(C1〜8)アルキル−R9、−C(O)−O−アリール−R8、−SO2−(C1〜8)アルキル−R9、−SO2−アリール−R8、−N−R7、シアノ、ハロゲン、ヒドロキシ、ニトロ、−シクロアルキル−R8、−複素環−R8、−アリール−R8、及び−ヘテロアリール−R8からなる群より独立して選択される、炭素原子に結合された1〜3個の置換基であり;
R4は、水素、−C1〜8アルキル−R10、−C2〜8アルケニル−R10、−C2〜8アルキニル−R10、−C1〜8アルコキシ−R10、−C(O)H、−C(O)−(C1〜8)アルキル−R9、−C(O)−NH2、−C(O)−NH(C1〜8アルキル−R9)、−C(O)−N(C1〜8アルキル−R9)2、−C(O)−シクロアルキル−R8、−C(O)−複素環−R8、−C(O)−アリール−R8、−C(O)−ヘテロアリール−R8、−C(NH)−NH2、−CO2H、−C(O)−O−(C1〜8)アルキル−R9、−C(O)−O−アリール−R8、−SH、−S−(C1〜8)アルキル−R10、−SO2−(C1〜8)アルキル−R9、−SO2−アリール−R8、−SO2−NH2、−SO2−NH(C1〜8アルキル−R9)、−SO2−N(C1〜8アルキル−R9)2、−N−R7、シアノ、ハロゲン、ヒドロキシ、ニトロ、−シクロアルキル−R8、−複素環−R8、−アリール−R8、及び−ヘテロアリール−R8からなる群より独立して選択される、炭素原子に結合された1〜4個の置換基であり;
R10は、水素、−NH2、−NH(C1〜8アルキル)、−N(C1〜8アルキル)2、シアノ、(ハロ)1〜3、ヒドロキシ、ニトロ、及びオキソからなる群から独立して選択される1〜2個の置換基であり;並びに
Y及びZは、O、S、(H,OH)、及び(H,H)からなる群から独立して選択され;但し、Y及びZの一方がOであり且つ他方がO、S、(H,OH)、及び(H,H)からなる群から選択される];及びそれらの薬学上許容し得る塩である。
【0072】
本発明の実施形態は、式(II)の化合物を含み、式中、Rは、Ra、−C1〜4アルキル−Ra、−C2〜4アルケニル−Ra、−C2〜4アルキニル−Ra、及びシアノからなる群から選択される。
【0073】
本発明の実施形態は、式(II)の化合物を含み、式中、Raは、複素環、アリール、及びヘテロアリールからなる群から選択される。
【0074】
一実施形態において、Raは、ジヒドロ−ピラニル、フェニル、ナフチル、チエニル、ピロリル、イミダゾリル、ピラゾリル、ピリジニル、アザインドリル、インダゾリル、ベンゾフリル、ベンゾチエニル、ジベンゾフリル、及びジベンゾチエニルからなる群から選択される。
【0075】
本発明の実施形態は、式(II)の化合物を含み、式中、R1は、水素、−C1〜4アルキル−R5、−C2〜4アルケニル−R5、−C2〜4アルキニル−R5、−C(O)−(C1〜4)アルキル−R9、−C(O)−アリール−R8、−C(O)−O−(C1〜4)アルキル−R9、−C(O)−O−アリール−R8、−C(O)−NH(C1〜4アルキル−R9)、−C(O)−NH(アリール−R8)、−C(O)−N(C1〜4アルキル−R9)2、−SO2−(C1〜4)アルキル−R9、−SO2−アリール−R8、−シクロアルキル−R6、−複素環−R6、−アリール−R6及び−ヘテロアリール−R6からなる群から選択され;ここで、複素環及びヘテロアリールは、複素環又はヘテロアリール環の炭素原子を通して1の位置のアザインドール窒素原子と結合している。
【0076】
一実施形態において、R1は、水素、−C1〜4アルキル−R5、−アリール−R6、及び−ヘテロアリール−R6からなる群から選択され;ここで、ヘテロアリールは、ヘテロアリール環の炭素原子を通して1の位置のアザインドール窒素原子に結合されている。
【0077】
一実施形態において、R1は、水素、−C1〜4アルキル−R5、及び−ナフチル−R6からなる群から選択される。
【0078】
本発明の実施形態は、式(II)の化合物を含み、式中、R5は、水素、−O−(C1〜4)アルキル、−O−(C1〜4)アルキル−OH、−O−(C1〜4)アルキル−O−(C1〜4)アルキル、−O−(C1〜4)アルキル−NH2、−O−(C1〜4)アルキル−NH(C1〜4アルキル)、−O−(C1〜4)アルキル−N(C1〜4アルキル)2、−O−(C1〜4)アルキル−S−(C1〜4)アルキル、−O−(C1〜4)アルキル−SO2−(C1〜4)アルキル、−O−(C1〜4)アルキル−SO2−NH2、−O−(C1〜4)アルキル−SO2−NH(C1〜4アルキル)、−O−(C1〜4)アルキル−SO2−N(C1〜4アルキル)2、−O−C(O)H、−O−C(O)−(C1〜4)アルキル、−O−C(O)−NH2、−O−C(O)−NH(C1〜4アルキル)、−O−C(O)−N(C1〜4アルキル)2、−O−(C1〜4)アルキル−C(O)H、−O−(C1〜4)アルキル−C(O)−(C1〜4)アルキル、−O−(C1〜4)アルキル−CO2H、−O−(C1〜4)アルキル−C(O)−O−(C1〜4)アルキル、−O−(C1〜4)アルキル−C(O)−NH2、−O−(C1〜4)アルキル−C(O)−NH(C1〜4アルキル)、−O−(C1〜4)アルキル−C(O)−N(C1〜4アルキル)2、−C(O)H、−C(O)−(C1〜4)アルキル、−CO2H、−C(O)−O−(C1〜4)アルキル、−C(O)−NH2、−C(NH)−NH2、−C(O)−NH(C1〜4アルキル)、−C(O)−N(C1〜4アルキル)2、−SH、−S−(C1〜4)アルキル、−S−(C1〜4)アルキル−S−(C1〜4)アルキル、−S−(C1〜4)アルキル−O−(C1〜4)アルキル、−S−(C1〜4)アルキル−O−(C1〜4)アルキル−OH、−S−(C1〜4)アルキル−O−(C1〜4)アルキル−NH2、−S−(C1〜4)アルキル−O−(C1〜4)アルキル−NH(C1〜4アルキル)、−S−(C1〜4)アルキル−O−(C1〜4)アルキル−N(C1〜4アルキル)2、−S−(C1〜4)アルキル−NH(C1〜4アルキル)、−SO2−(C1〜4)アルキル、−SO2−NH2、−SO2−NH(C1〜4アルキル)、−SO2−N(C1〜4アルキル)2、−N−R7、シアノ、(ハロ)1〜3、ヒドロキシ、ニトロ、オキソ、−シクロアルキル−R6、−複素環−R6、−アリール−R6、及び−ヘテロアリール−R6からなる群から独立して選択される1〜2個の置換基である。
【0079】
一実施形態において、R5は、水素、−O−(C1〜4)アルキル、−N−R7、ヒドロキシ、及び−ヘテロアリール−R6からなる群から独立して選択される1〜2個の置換基である。
【0080】
一実施形態において、R5は、水素、−O−(C1〜4)アルキル、−N−R7、ヒドロキシ、−イミダゾリル−R6、−トリアゾリル−R6及び−テトラゾリル−R6からなる群から独立して選択される1〜2個の置換基である。
【0081】
本発明の実施形態は、式(II)の化合物を含み、式中、R6は、水素、−C1〜4アルキル、−C2〜4アルケニル、−C2〜4アルキニル、−C(O)H、−C(O)−(C1〜4)アルキル、−CO2H、−C(O)−O−(C1〜4)アルキル、−C(O)−NH2、−C(NH)−NH2、−C(O)−NH(C1〜4アルキル)、−C(O)−N(C1〜4)アルキル)2、−SO2−(C1〜4)アルキル、−SO2−NH2、−SO2−NH(C1〜4アルキル)、−SO2−N(C1〜4アルキル)2、−(C1〜4)アルキル−N−R7、−(C1〜4)アルキル−(ハロ)1〜3、−(C1〜4)アルキル−OH、−アリール−R8、−(C1〜4)アルキル−アリール−R8及び−(C1〜4)アルキル−ヘテロアリール−R8からなる群から独立して選択される、炭素原子又は窒素原子に結合された1〜4個の置換基である;但し、R6が炭素原子に結合されている場合には、R6は、−C1〜4アルコキシ、−(C1〜4)アルコキシ−(ハロ)1〜3、−SH、−S−(C1〜4)アルキル、−N−R7、シアノ、ハロ、ヒドロキシ、ニトロ、オキソ、及び−ヘテロアリール−R8からなる群から更に選択される。
【0082】
一実施形態では、R6は水素である。
【0083】
本発明の実施形態は、式(II)の化合物を含み、式中、R7は、水素、−C1〜4アルキル、−C2〜4アルケニル、−C2〜4アルキニル、−(C1〜4)アルキル−OH、−(C1〜4)アルキル−O−(C1〜4)アルキル、−(C1〜4)アルキル−NH2、−(C1〜4)アルキル−NH(C1〜4アルキル)、−(C1〜4)アルキル−N(C1〜4アルキル)2、−(C1〜4)アルキル−S−(C1〜4)アルキル、−C(O)H、−C(O)−(C1〜4)アルキル、−C(O)−O−(C1〜4)アルキル、−C(O)−NH2、−C(O)−NH(C1〜4アルキル)、−C(O)−N(C1〜4アルキル)2、−SO2−(C1〜4)アルキル、−SO2−NH2、−SO2−NH(C1〜4アルキル)、−SO2−N(C1〜4アルキル)2、−C(N)−NH2、−シクロアルキル−R8、−(C1〜4)アルキル−複素環−R8、−アリール−R8、−(C1〜4)アルキル−アリール−R8、及び−(C1〜4)アルキル−ヘテロアリール−R8からなる群から独立して選択される2個の置換基である。
【0084】
一実施形態において、R7は、水素、−C1〜4アルキル、−C(O)H、−C(O)−(C1〜4)アルキル、−C(O)−O−(C1〜4)アルキル、−SO2−NH2、−SO2−NH(C1〜4アルキル)及び−SO2−N(C1〜4アルキル)2からなる群から独立して選択される2個の置換基である。
【0085】
本発明の実施形態は、式(II)の化合物を含み、式中、R8は、水素、−C1〜4アルキル、−(C1〜4)アルキル−(ハロ)1〜3、及び−(C1〜4)アルキル−OHからなる群から独立して選択される、炭素原子又は窒素原子に結合された1〜4個の置換基である;但し、R8が炭素原子に結合されている場合には、R8は、−C1〜4アルコキシ、−NH2、−NH(C1〜4アルキル)、−N(C1〜4アルキル)2、シアノ、ハロ、−(C1〜4)アルコキシ−(ハロ)1〜3、ヒドロキシ、及びニトロからなる群から更に選択される。
【0086】
一実施形態では、R8は水素である。
【0087】
本発明の実施形態は、式(II)の化合物を含み、式中、R9は、水素、−C1〜4アルコキシ、−NH2、−NH(C1〜4アルキル)、−N(C1〜4アルキル)2、シアノ、(ハロ)1〜3、ヒドロキシ、及びニトロからなる群から独立して選択される1〜2個の置換基である。
【0088】
一実施形態では、R9は水素である。
【0089】
本発明の実施形態は、式(II)の化合物を含み、式中、R2は、水素、−C1〜4アルキル−R5、−C2〜4アルケニル−R5、−C2〜4アルキニル−R5、−C(O)H、−C(O)−(C1〜4)アルキル−R9、−C(O)−NH2、−C(O)−NH(C1〜4アルキル−R9)、−C(O)−N(C1〜4アルキル−R9)2、−C(O)−NH(アリール−R8)、−C(O)−シクロアルキル−R8、−C(O)−複素環−R8、−C(O)−アリール−R8、−C(O)−ヘテロアリール−R8、−CO2H、−C(O)−O−(C1〜4)アルキル−R9、−C(O)−O−アリール−R8、−SO2−(C1〜4)アルキル−R9、−SO2−アリール−R8、−シクロアルキル−R6、−アリール−R6、及び−(C1〜4)アルキル−N−R7からなる群から選択される、炭素原子又は窒素原子に結合された1個の置換基である;但し、R2が炭素原子に結合されている場合には、R2は、−C1〜4アルコキシ−R5、−N−R7、シアノ、ハロゲン、ヒドロキシ、ニトロ、オキソ、−複素環−R6、及び−ヘテロアリール−R6からなる群から更に選択される。
【0090】
一実施形態において、R2は、水素、−C1〜4アルキル−R5、−C2〜4アルケニル−R5、−C2〜4アルキニル−R5、−CO2H、−C(O)−O−(C1〜4)アルキル−R9、−シクロアルキル−R6、−アリール−R6、及び−(C1〜4)アルキル−N−R7からなる群から選択される、炭素原子又は窒素原子に結合された1個の置換基である;但し、R2が窒素原子に結合されている場合には、クオーターニウム塩(quaterniumsalt)は形成されず;そして但し、R2が炭素原子に結合されている場合には、R2は、−C1〜4アルコキシ−R5、−N−R7、シアノ、ハロゲン、ヒドロキシ、ニトロ、オキソ、−複素環−R6、及び−ヘテロアリール−R6からなる群から更に選択される。
【0091】
一実施形態において、R2は、水素、−C1〜4アルキル−R5、及び−アリール−R6からなる群から選択される、炭素原子又は窒素原子に結合された1個の置換基である;但し、R2が窒素原子に結合されている場合には、クオーターニウム塩(quaterniumsalt)は形成されず;そして但し、R2が炭素原子に結合されている場合には、R2は、−N−R7、ハロゲン、ヒドロキシ、及び−ヘテロアリール−R6からなる群から更に選択される。
【0092】
本発明の実施形態は、式(II)の化合物を含み、式中、R3は、水素、−C1〜4アルキル−R10、−C2〜4アルケニル−R10、−C2〜4アルキニル−R10、−C1〜4アルコキシ−R10、−C(O)H、−C(O)−(C1〜4)アルキル−R9、−C(O)−NH2、−C(O)−NH(C1〜4アルキル−R9)、−C(O)−N(C1〜4アルキル−R9)2、−C(O)−シクロアルキル−R8、−C(O)−複素環−R8、−C(O)−アリール−R8、−C(O)−ヘテロアリール−R8、−C(NH)−NH2、−CO2H、−C(O)−O−(C1〜4)アルキル−R9、−C(O)−O−アリール−R8、−SO2−(C1〜8)アルキル−R9、−SO2−アリール−R8、−N−R7、−(C1〜4)アルキル−N−R7、シアノ、ハロゲン、ヒドロキシ、ニトロ、−シクロアルキル−R8、−複素環−R8、−アリール−R8、及び−ヘテロアリール−R8からなる群から独立して選択される、炭素原子に結合された1〜3個の置換基である。
【0093】
一実施形態において、R3は、水素、−C1〜4アルキル−R10、−C2〜4アルケニル−R10、−C2〜4アルキニル−R10、−C1〜4アルコキシ−R10、−C(O)H、−CO2H、−NH2、−NH(C1〜4アルキル)、−N(C1〜4アルキル)2、シアノ、ハロゲン、ヒドロキシ、及びニトロからなる群から選択される、炭素原子に結合された1個の置換基である。
【0094】
一実施形態において、R3は、水素、−C1〜4アルキル−R10、−NH2、−NH(C1〜4アルキル)、−N(C1〜4アルキル)2、ハロゲン、及びヒドロキシからなる群から選択される、炭素原子に結合された1個の置換基である。
【0095】
本発明の実施形態は、式(II)の化合物を含み、式中、R4は、水素、−C1〜4アルキル−R10、−C2〜4アルケニル−R10、−C2〜4アルキニル−R10、−C1〜4アルコキシ−R10、−C(O)H、−C(O)−(C1〜4)アルキル−R9、−C(O)−NH2、−C(O)−NH(C1〜4アルキル−R9)、−C(O)−N(C1〜4アルキル−R9)2、−C(O)−シクロアルキル−R8、−C(O)−複素環−R8、−C(O)−アリール−R8、−C(O)−ヘテロアリール−R8、−C(NH)−NH2、−CO2H、−C(O)−O−(C1〜4)アルキル−R9、−C(O)−O−アリール−R8、−SH、−S−(C1〜4)アルキル−R10、−SO2−(C1〜4)アルキル−R9、−SO2−アリール−R8、−SO2−NH2、−SO2−NH(C1〜4アルキル−R9)、−SO2−N(C1〜4アルキル−R9)2、−N−R7、シアノ、ハロゲン、ヒドロキシ、ニトロ、−シクロアルキル−R8、−複素環−R8、−アリール−R8、及び−ヘテロアリール−R8からなる群から独立して選択される、炭素原子に結合された1〜4個の置換基である。
【0096】
一実施形態において、R4は、水素、−C1〜4アルキル−R10、−C2〜4アルケニル−R10、−C2〜4アルキニル−R10、−C1〜4アルコキシ−R10、−C(O)H、−CO2H、−NH2、−NH(C1〜4アルキル)、−N(C1〜4アルキル)2、シアノ、ハロゲン、ヒドロキシ、ニトロ、−シクロアルキル、−複素環、−アリール、及び−ヘテロアリールからなる群から独立して選択される、炭素原子に結合された1〜4個の置換基である。
【0097】
一実施形態において、R4は、水素、C1〜4アルキル−R10、C1〜4アルコキシ−R10、−NH2、−NH(C1〜4アルキル)、−N(C1〜4アルキル)2、ハロゲン、及びヒドロキシからなる群から独立して選択される、炭素原子に結合された1〜4個の置換基である。
【0098】
一実施形態において、R4は、水素、C1〜4アルキル−R10、C1〜4アルコキシ−R10、−NH2、−NH(C1〜4アルキル)、−N(C1〜4アルキル)2、塩素、フッ素、及びヒドロキシからなる群から独立して選択される、炭素原子に結合された1〜4個の置換基である。
【0099】
本発明の実施形態は、式(II)の化合物を含み、式中、R10は、水素、−NH2、−NH(C1〜4アルキル)、−N(C1〜4アルキル)2、シアノ、(ハロ)1〜3、ヒドロキシ、ニトロ、及びオキソからなる群から独立して選択される1〜2個の置換基である。
【0100】
一実施形態において、R10は、水素及び(ハロ)1〜3からなる群から独立して選択される1〜2個の置換基である。
【0101】
一実施形態において、R10は、水素及び(フルオロ)3からなる群から独立して選択される1〜2個の置換基である。
【0102】
本発明の実施形態は、式(II)の化合物を含み、式中、Y及びZは、O、S、(H,OH)、及び(H,H)からなる群から独立して選択される;但し、Y及びZの一方がOであり且つ他方がO、S、(H,OH)、及び(H,H)からなる群から選択される。
【0103】
一実施形態において、Y及びZは、O及び(H,H)からなる群から独立して選択される;但し、Y及びZの一方がOであり且つ他方がO及び(H,H)からなる群から選択される。
【0104】
一実施形態において、Y及びZは独立してOから選択される。
【0105】
式(II)の化合物は、同一出願人による米国特許第7,125,878号に開示されており、該特許の完全な開示は参照により本明細書に組み込まれる。
【0106】
本発明の実施例は式(II)の化合物を含み、この化合物は次のものからなる群から選択される:
【0107】
【表2−1】
【0108】
【表2−2】
【0109】
本発明の実施例は式(II)の化合物を含み、この化合物は次のものからなる群から選択される:
【0110】
【化9】
【0111】
一実施形態において、GSK−3Bの酵素活性阻害剤は、式(III)の化合物:
【0112】
【化10】
[式中、
A及びEは、水素置換された炭素原子及び窒素原子からなる群から独立して選択され;ここで、
【0113】
【化11】
は、1H−インドール、1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン、1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン、及び1H−インダゾールからなる群から独立して選択され;
ZはOから選択され;あるいは、Zはジヒドロから選択され;ここで、それぞれの水素原子は単結合で結合されている;
R4及びR5は、場合によりオキソで置換されているC1〜8アルキル、C2〜8アルケニル、及びC2〜8アルキニルから独立して選択され;
R2は、−C1〜8アルキル−、−C2〜8アルケニル−、−C2〜8アルキニル−、−O−(C1〜8)アルキル−O−、−O−(C2〜8)アルケニル−O−、−O−(C2〜8)アルキニル−O−、−C(O)−(C1〜8)アルキル−C(O)−(式中、上記のアルキル、アルケニル、及びアルキニル結合基のいずれも、C1〜8アルキル、C1〜8アルコキシ、C1〜8アルコキシ(C1〜8)アルキル、カルボキシル、カルボキシル(C1〜8)アルキル、−C(O)O−(C1〜8)アルキル、−C1〜8アルキル−C(O)O−(C1〜8)アルキル、アミノ(水素及びC1〜4アルキルからなる群から独立して選択された置換基で置換されている)、アミノ(C1〜8)アルキル(式中、アミノは、水素及びC1〜4アルキルからなる群から独立して選ばれた置換基で置換されている)、ハロゲン、(ハロ)1〜3(C1〜8)アルキル、(ハロ)1〜3(C1〜8)アルコキシ、ヒドロキシ、ヒドロキシ(C1〜8)アルキル及びオキソからなる群から独立して選ばれた1個〜4個の置換基で場合により置換されている直炭素鎖であり;そして、式中、上記のアルキル、アルケニル、及びアルキニル結合基のいずれも、複素環、アリール、ヘテロアリール、複素環(C1〜8)アルキル、アリール(C1〜8)アルキル、ヘテロアリール(C1〜8)アルキル、スピロシクロアルキル、及びスピロ複素環(式中、上記のシクロアルキル、複素環、アリール、及びヘテロアリール置換基のいずれも、C1〜8アルキル、C1〜8アルコキシ、C1〜8アルコキシ(C1〜8)アルキル、カルボキシル、カルボキシル(C1〜8)アルキル、アミノ(水素及びC1〜4アルキルからなる群から独立して選択された置換基で置換されている)、アミノ(C1〜8)アルキル(式中、アミノは、水素及びC1〜4アルキルからなる群から独立して選択された置換基で置換されている)、ハロゲン、(ハロ)1〜3(C1〜8)アルキル、(ハロ)1〜3(C1〜8)アルコキシ、ヒドロキシ及びヒドロキシ(C1〜8)アルキルからなる群から独立して選択された1個〜4個の置換基で場合により置換されており;そして式中、上記の複素環置換基のいずれも場合によりオキソで置換されている)からなる群から独立して選択された1個〜2個の置換基で場合により置換されている)、シクロアルキル、複素環、アリール、ヘテロアリール(式中、シクロアルキル、複素環、アリール、及びヘテロアリールは、C1〜8アルキル、C1〜8アルコキシ、C1〜8アルコキシ(C1〜8)アルキル、カルボキシル、カルボキシル(C1〜8)アルキル、アミノ(水素及びC1〜4アルキルからなる群から独立して選択された置換基で置換されている)、アミノ(C1〜8)アルキル(式中、アミノは、水素及びC1〜4アルキルからなる群から独立して選ばれた置換基で置換されている)、ハロゲン、(ハロ)1〜3(C1〜8)アルキル、(ハロ)1〜3(C1〜8)アルコキシ、ヒドロキシ及びヒドロキシ(C1〜8)アルキルからなる群から独立して選択された1個〜4個の置換基で場合により置換されており;そして式中、複素環は場合によりオキソで置換されている)、−(O−(CH2)1〜6)0〜5−O−、−O−(CH2)1〜6−O−(CH2)1〜6−O−、−O−(CH2)1〜6−O−(CH2)1〜6−O−(CH2)1〜6−O−、−(O−(CH2)1〜6)0〜5−NR6−、−O−(CH2)1〜6−NR6−(CH2)1〜6−O−、−O−(CH2)1〜6−O−(CH2)1〜6−NR6−、−(O−(CH2)1〜6)0〜5−S−、−O−(CH2)1〜6−S−(CH2)1〜6−O−、−O−(CH2)1〜6−O−(CH2)1〜6−S−、−NR6−、−NR6−NR7−、−NR6−(CH2)1〜6−NR7−、−NR6−(CH2)1〜6−NR7−(CH2)1〜6−NR8−、−NR6−C(O)−、−C(O)−NR6−、−C(O)−(CH2)0〜6−NR6−(CH2)0〜6−C(O)−、−NR6−(CH2)0〜6−C(O)−(CH2)1〜6−C(O)−(CH2)0〜6−NR7−、−NR6−C(O)−NR7−、−NR6−C(NR7)−NR8−、−O−(CH2)1〜6−NR6−(CH2)1〜6−S−、−S−(CH2)1〜6−NR6−(CH2)1〜6−O−、−S−(CH2)1〜6−NR6−(CH2)1〜6−S−、−NR6−(CH2)1〜6−S−(CH2)1〜6−NR7−、及び−SO2−(式中、R6、R7、及びR8は、水素、C1〜8アルキル、C1〜8アルコキシ(C1〜8)アルキル、カルボキシル(C1〜8)アルキル、アミノ(C1〜8)アルキル(式中、アミノは、水素及びC1〜4アルキルからなる群から独立して選択された置換基で置換されている)、ヒドロキシ(C1〜8)アルキル、複素環(C1〜8)アルキル、アリール(C1〜8)アルキル、及びヘテロアリール(C1〜8)アルキル(式中、上記の複素環、アリール、及びヘテロアリール置換基は、C1〜8アルキル、C1〜8アルコキシ、C1〜8アルコキシ(C1〜8)アルキル、カルボキシル、カルボキシル(C1〜8)アルキル、アミノ(水素及びC1〜4アルキルからなる群から独立して選択された置換基で置換されている)、アミノ(C1〜8)アルキル(式中、アミノは、水素及びC1〜4アルキルからなる群から独立して選択された置換基で置換されている)、ハロゲン、(ハロ)1〜3(C1〜8)アルキル、(ハロ)1〜3(C1〜8)アルコキシ、ヒドロキシ、及びヒドロキシ(C1〜8)アルキルからなる群から独立して選択された1個〜4個の置換基で場合により置換されており;そして式中、複素環は場合によりオキソで置換されている)からなる群から独立して選択される)からなる群から選択され;但し、A及びEが水素置換された炭素原子から選択された場合には、R2は、−C2〜8アルキニル−、−O−(C1〜8)アルキル−O−、−O−(C2〜8)アルケニル−O−、−O−(C2〜8)アルキニル−O−、−C(O)−(C1〜8)アルキル−C(O)−(式中、上記のアルキル、アルケニル、及びアルキニル結合基のいずれも、C1〜8アルキル、C1〜8アルコキシ、C1〜8アルコキシ(C1〜8)アルキル、カルボキシル、カルボキシル(C1〜8)アルキル、−C(O)O−(C1〜8)アルキル、−C1〜8アルキル−C(O)O−(C1〜8)アルキル、アミノ(水素及びC1〜4アルキルからなる群から独立して選択された置換基で置換されている)、アミノ(C1〜8)アルキル(式中、アミノは、水素及びC1〜4アルキルからなる群から独立して選択された置換基で置換されている)、ハロゲン、(ハロ)1〜3(C1〜8)アルキル、(ハロ)1〜3(C1〜8)アルコキシ、ヒドロキシ、ヒドロキシ(C1〜8)アルキル及びオキソからなる群から独立して選択された1個〜4個の置換基で場合により置換された直炭素鎖であり;そして式中、上記のアルキル、アルケニル、及びアルキニル結合基のいずれも複素環、アリール、ヘテロアリール、複素環(C1〜8)アルキル、アリール(C1〜8)アルキル、ヘテロアリール(C1〜8)アルキル、スピロシクロアルキル、及びスピロ複素環(式中、上記のシクロアルキル、複素環、アリール、及びヘテロアリール置換基のいずれも、C1〜8アルキル、C1〜8アルコキシ、C1〜8アルコキシ(C1〜8)アルキル、カルボキシル、カルボキシル(C1〜8)アルキル、アミノ(水素及びC1〜4アルキルからなる群から独立して選択された置換基で置換されている)、アミノ(C1〜8)アルキル(式中、アミノは水素及びC1〜4アルキルからなる群から独立して選択された置換基で置換されている)、ハロゲン、(ハロ)1〜3(C1〜8)アルキル、(ハロ)1〜3(C1〜8)アルコキシ、ヒドロキシ、及びヒドロキシ(C1〜8)アルキルからなる群から独立して選択された1個〜4個の置換基で場合により置換されており;そして式中、上記の複素環置換基のいずれも場合によりオキソで置換されている)からなる群から独立して選択された1個〜2個の置換基で場合により置換されている)、シクロアルキル(式中、シクロアルキルは、C1〜8アルキル、C1〜8アルコキシ、C1〜8アルコキシ(C1〜8)アルキル、カルボキシル、カルボキシル(C1〜8)アルキル、アミノ(水素及びC1〜4アルキルからなる群から独立して選択された置換基で置換されている)、アミノ(C1〜8)アルキル(式中、アミノは水素及びC1〜4アルキルからなる群から独立して選択された置換基で置換されている)、ハロゲン、(ハロ)1〜3(C1〜8)アルキル、(ハロ)1〜3(C1〜8)アルコキシ、ヒドロキシ、及びヒドロキシ(C1〜8)アルキルからなる群から独立して選択された1個〜4個の置換基で場合により置換されている)、−(O−(CH2)1〜6)1〜5−O−、−O−(CH2)1〜6−O−(CH2)1〜6−O−、−O−(CH2)1〜6−O−(CH2)1〜6−O−(CH2)
1〜6−O−、−(O−(CH2)1〜6)1〜5−NR6−、−O−(CH2)1〜6−NR6−(CH2)1〜6−O−、−O−(CH2)1〜6−O−(CH2)1〜6−NR6−、−(O−(CH2)1〜6)0〜5−S−、−O−(CH2)1〜6−S−(CH2)1〜6−O−、−O−(CH2)1〜6−O−(CH2)1〜6−S−、−NR6−NR7−、−NR6−(CH2)1〜6−NR7−、−NR6−(CH2)1〜6−NR7−(CH2)1〜6−NR8−、−NR9−C(O)−、−C(O)−NR9−、−C(O)−(CH2)0〜6−NR6−(CH2)0〜6−C(O)−、−NR6−(CH2)0〜6−C(O)−(CH2)1〜6−C(O)−(CH2)0〜6−NR7−、−NR6−C(O)−NR7−、−NR6−C(NR7)−NR8−、−O−(CH2)1〜6−NR6−(CH2)1〜6−S−、−S−(CH2)1〜6−NR6−(CH2)1〜6−O−、−S−(CH2)1〜6−NR6−(CH2)1〜6−S−及び−NR6−(CH2)1〜6−S−(CH2)1〜6−NR7−(式中、R6、R7、及びR8は、水素、C1〜8アルキル、C1〜8アルコキシ(C1〜8)アルキル、カルボキシル(C1〜8)アルキル、アミノ(C1〜8)アルキル(式中、アミノは水素及びC1〜4アルキルからなる群から独立して選択された置換基で置換されている)、ヒドロキシ(C1〜8)アルキル、複素環(C1〜8)アルキル、アリール(C1〜8)アルキル、及びヘテロアリール(C1〜8)アルキル(式中、上記の複素環、アリール及びヘテロアリール置換基は、C1〜8アルキル、C1〜8アルコキシ、C1〜8アルコキシ(C1〜8)アルキル、カルボキシル、カルボキシル(C1〜8)アルキル、アミノ(水素及びC1〜4アルキルからなる群から独立して選択された置換基で置換されている)、アミノ(C1〜8)アルキル(式中、アミノは水素及び水素及びC1〜4アルキルからなる群から独立して選択された置換基で置換されている)、ハロゲン、(ハロ)1〜3(C1〜8)アルキル、(ハロ)1〜3(C1〜8)アルコキシ、ヒドロキシ、及びヒドロキシ(C1〜8)アルキルからなる群から独立して選択された1個〜4個の置換基で場合により置換されており;そして式中、複素環は場合によりオキソで置換されている)よりなる群より独立して選ばれ;そして式中、R9は、C1〜8アルキル、C1〜8アルコキシ(C1〜8)アルキル、カルボキシル(C1〜8)アルキル、アミノ(C1〜8)アルキル(式中、アミノは水素及びC1〜4アルキルからなる群から独立して選択された置換基で置換されている)、ヒドロキシ(C1〜8)アルキル、複素環(C1〜8)アルキル、アリール(C1〜8)アルキル及びヘテロアリール(C1〜8)アルキル(式中、上記の複素環、アリール及びヘテロアリール置換基は、C1〜8アルキル、C1〜8アルコキシ、C1〜8アルコキシ(C1〜8)アルキル、カルボキシル、カルボキシル(C1〜8)アルキル、アミノ(水素及びC1〜4アルキルからなる群から独立して選択された置換基で置換されている)、アミノ(C1〜8)アルキル(式中、アミノは水素及びC1〜4アルキルからなる群から独立して選択された置換基で置換されている)、ハロゲン、(ハロ)1〜3(C1〜8)アルキル、(ハロ)1〜3(C1〜8)アルコキシ、ヒドロキシ及びヒドロキシ(C1〜8)アルキルからなる群から独立して選択された1個〜4個の置換基で場合により置換され;そして式中、複素環は場合によりオキソで置換されている)よりなる群より独立して選ばれる)よりなる群より選ばれ;並びに
R1及びR3は、水素、C1〜8アルキル、C2〜8アルケニル、C2〜8アルキニル(式中、アルキル、アルケニル及びアルキニルは、C1〜8アルコキシ、アルコキシ(C1〜8)アルキル、カルボキシル、カルボキシル(C1〜8)アルキル、アミノ(水素及びC1〜4アルキルからなる群から独立して選択された置換基で置換されている)、アミノ(C1〜8)アルキル(式中、アミノは水素及びC1〜4アルキルからなる群から独立して選択された置換基で置換されている)、(ハロ)1〜3、(ハロ)1〜3(C1〜8)アルキル、(ハロ)1〜3(C1〜8)アルコキシ、ヒドロキシ、ヒドロキシ(C1〜8)アルキル及びオキソからなる群から選択された置換基で場合により置換されている)、C1〜8アルコキシ、C1〜8アルキルカルボニル、(ハロ)1〜3(C1〜8)アルコキシ、C1〜8アルキルチオ、アリール、ヘテロアリール(式中、アリール及びヘテロアリールはC1〜8アルキル、C1〜8アルコキシ、アルコキシ(C1〜8)アルキル、カルボキシル、カルボキシル(C1〜8)アルキル、アミノ(水素及びC1〜4アルキルからなる群から独立して選択された置換基で置換されている)、アミノ(C1〜8)アルキル(式中、アミノは水素及びC1〜4アルキルからなる群から独立して選択された置換基で置換されている)、ハロゲン、(ハロ)1〜3(C1〜8)アルキル、(ハロ)1〜3(C1〜8)アルコキシ、ヒドロキシ、及びヒドロキシ(C1〜8)アルキルからなる群から選択された置換基で場合により置換されている)、アミノ(水素及びC1〜4アルキルからなる群から独立して選択された置換基で場合により置換されている)、シアノ、ハロゲン、ヒドロキシ、及びニトロ、からなる群から独立して選択される];及びそれらの薬学上許容し得る塩である。
【0114】
一実施形態において、式(III)の化合物は、以下からなる群から選択される化合物:
【0115】
【化12】
【0116】
【化13】
【0117】
【化14】
(式中、すべてのその他の変数は前記に定義されている);及びそれらの薬学上許容し得る塩である。
【0118】
一実施形態において、式(III)の化合物は、以下からなる群から選択される化合物:
【0119】
【化15】
(式中、すべてのその他の変数は前記に定義されている);及びそれらの薬学上許容し得る塩である。
【0120】
式(III)の化合物は、同一出願人による米国特許第6,828,327号に開示されており、該特許の完全な開示は参照により本明細書に組み込まれる。
【0121】
本発明の実施例は式(III)の化合物を含み、この化合物は次のものからなる群から選択される:
【0122】
【表3−1】
【0123】
【表3−2】
【0124】
本発明の実施例は式(III)の化合物を含み、この化合物は次のものからなる群から選択される。
【0125】
【化16】
【0126】
本発明の別の実施例は、以下から成る群から選択される化合物を含む:
【0127】
【表4−1】
【0128】
【表4−2】
【0129】
本発明の別の実施例は、以下からなる群から選択される。
【0130】
【化17】
【0131】
【化18】
【0132】
【化19】
【0133】
【化20】
【0134】
本発明の方法による処理に好適な細胞
本発明で使用するのに好適な多能性細胞は、ABCG2、クリプト、FoxD3、Connexin43、Connexin45、Oct4、SOX−2、Nanog、hTERT、UTF−1、ZFP42、SSEA−3、SSEA−4、Tra1−60、及びTra1−81からなる群から選択される多能性マーカーの少なくとも1つを発現する。
【0135】
一実施形態において、多能性細胞は胚幹細胞である。代替的な実施形態において、多能性細胞は、胚幹細胞由来の多能性マーカーを発現する細胞である。一実施形態において、胚幹細胞はヒト細胞である。
【0136】
ヒト胚幹細胞の分離、増殖及び培養
ヒト胚幹細胞の特長:ヒト胚幹細胞は、発生段階特異的胚性抗原(SSEA)3及び4の1つ以上、及びTra−1−60及びTra−1−81と呼ばれる抗体を用いて検出可能なマーカーを発現し得る(Thomson et al.、Science 282:1145,1998)。インビトロでのヒト胚幹細胞の分化は、SSEA−4、Tra−1−60、及びTra−1−81の発現(存在する場合)を消失させ、SSEA−1の発現を増大させる。未分化のヒト胚幹細胞は、通常、アルカリホスファターゼ活性を有し、この活性は、細胞を4%パラホルムアルデヒドで固定した後、製造業者(Vector Laboratories、Burlingame Calif.)によって述べられるようにVectorRedを基質として現像することによって検出することができる。未分化多能性幹細胞はまた、RT−PCRで検出されるように、一般にOct−4及びTERTも発現する。
【0137】
増殖したヒト胚幹細胞の他の望ましい表現型は、3つの全胚葉、即ち、内胚葉、中胚葉、及び外胚葉組織の細胞に分化する可能性である。ヒト胚幹細胞の多能性は、例えば細胞をSCIDマウスに注入し、4%パラホルムアルデヒドを使用して、形成された奇形腫を固定した後、それらを3つの胚層からの細胞型の痕跡に関して組織学的に検査することにより確認することができる。代替的に、多能性は、胚様体を形成し、この胚様体を3つの胚葉に関連したマーカーの存在に関して評価することにより決定することができる。
【0138】
増殖させたヒト胚幹細胞系は、標準的なGバンド法を用いて核型を決定し、対応する霊長類種の公表されている核型と比較することができる。「正常な核型」を有する細胞を獲得することが望ましく、これは細胞が正倍数体であることを意味し、全ヒト染色体が存在しかつ著しく変更されてはいない。
【0139】
ヒト胚幹細胞の供給源:使用が可能なヒト胚幹細胞の種類としては、妊娠期間中の任意の時期(必ずしもではないが、通常は妊娠約10〜12週よりも前)に採取した前胚性組織(例えば胚盤胞など)、胚性組織、胎児組織などの、妊娠後に形成される組織に由来するヒト胚細胞の樹立株が挙げられる。非限定的な例は、例えばヒト胚幹細胞株H1、H7、及びH9(WiCell)等のヒト胚幹細胞又はヒト胚生殖細胞の樹立株である。それらの細胞の最初の樹立又は安定化中に本開示の組成物を使用することも想定され、その場合、源となる細胞は、源となる組織から直接採取した一次多能性細胞であろう。フィーダー細胞の不在下で既に培養された多能性幹細胞集団から採取した細胞も好適である。例えば、BG01v(BresaGen、Athens、GA)等の変異ヒト胚幹細胞株も好適である。
【0140】
一実施形態において、ヒト胚幹細胞は、Thomsonら(米国特許第5,843,780号、Science 282:1145、1998年、Curr.Top.Dev.Biol.38:133ff.、1998年、Proc.Natl.Acad.Sci.U.S.A.92:7844、1995年)に記載されているように調製される。
【0141】
ヒト胚幹細胞の培養:一実施形態において、ヒト胚幹細胞は、本質的にフィーダー細胞を含有しないが、それでもなお、実質的な分化を受けずにヒト胚幹細胞の増殖を支持する培養システムで培養される。分化をともなわない無フィーダー細胞培養液中でのヒト胚幹細胞の増殖は、別の細胞種と予め培養することによって調整した培地を用いることで支持される。代替的に、無フィーダー培養液中での分化なしでのヒト胚幹細胞の増殖は、合成培地を使用して支持される。
【0142】
代替的な実施形態において、ヒト胚幹細胞は、様々な方法で胚幹細胞を支持する、初期培養されたフィーダー細胞層である。次に、ヒト胚を、本質的にフィーダー細胞を含有しないが、それでもなお、実質的な分化を受けずにヒト胚幹細胞の増殖を支持する培養システムに移す。
【0143】
本発明で使用するのに好適な馴化培地の例は、US20020072117、US6642048、WO2005014799、及びXu et al(Stem Cells 22:972〜980、2004)に開示されている。
【0144】
本発明で使用するのに好適な合成培地の例は、US20070010011に見出すことができる。
【0145】
好適な培地は以下の構成要素、例えば、ダルベッコ修正イーグル培地(DMEM)、Gibco# 11965−092、ノックアウトダルベッコ修正イーグル培地(KO DMEM)、Gibco# 10829−018、Ham’s F12/50% DMEM基本培地、200mM L−グルタミン、Gibco# 15039−027、非必須アミノ酸溶液、Gibco 11140−050、β−メルカプトエタノール、Sigma# M7522、ヒト組み換え塩基性繊維芽細胞増殖因子(bFGF)、Gibco# 13256−029から作製されてもよい。
【0146】
一実施形態において、ヒト胚幹細胞は、本発明の方法により処理される前に、処理された好適な培養基質に播かれる。一実施形態において、処理は、例えば基底膜から誘導されたもの、又は接着分子受容体−リガンド結合の一部を形成し得るもの等の細胞外マトリクス成分である。一実施形態において、好適な培養基質は、Matrigel(登録商標)(Becton Dickenson)である。Matrigel(登録商標)は、Engelbreth−Holm−Swarm腫瘍細胞からの可溶性製剤であり、室温でゲル化して再構成された基底膜を形成する。
【0147】
他の細胞外マトリクス成分及び成分混合物は代替物として好適である。他の細胞外マトリクス成分及び成分混合物は、ラミニン、フィブロネクチン、プロテオグリカン、エンタクチン、硫酸ヘパリンなどを、単独又は異なる組合せで含んでもよい。
【0148】
ヒト胚幹細胞は、細胞の生存、増殖、及び所望の特徴の維持を促進する培地の存在下、基質上に好適な分布にて播かれる。この特徴の全部は、播種分布に細心の注意を払うことから利益を得、当業者は容易に決定することができる。
【0149】
ヒト胚幹細胞由来の多能性マーカーを発現する細胞の分離、増殖、及び培養
一実施形態において、多能性マーカーを発現する細胞は、次の過程を含む方法によってヒト胚幹細胞から誘導される:
a.ヒト胚幹細胞を培養する過程、
b.ヒト胚幹細胞を、胚体内胚葉系統に特徴的なマーカーを発現する細胞に分化させる過程、及び
c.細胞を除去し、続いてこの細胞を、細胞を培養する前にタンパク質又は細胞外マトリクスで予め処理されていない組織培養基質上で、低酸素状態下で培養する過程。
【0150】
一実施形態において、多能性マーカーを発現する細胞は、次の過程を含む方法によってヒト胚幹細胞から誘導される:
a.ヒト胚幹細胞を培養する過程、
b.細胞を除去し、続いてこの細胞を、タンパク質又は細胞外マトリクスで予め処理されていない組織培養基質上で、低酸素状態下で培養する過程。
【0151】
タンパク質又は細胞外マトリクスで予め処理されていない組織培養基質上における低酸素状態下での細胞培養
一実施形態では、細胞は、細胞外マトリクスでコーティングされていない組織培養基質上で、低酸素状態下で、約1〜約20日間培養される。代替的な実施形態では、細胞は、細胞外マトリクスでコーティングされていない組織培養基質上で、低酸素状態下で、約5〜約20日間培養される。代替的な実施形態では、細胞は、細胞外マトリクスでコーティングされていない組織培養基質上で、低酸素状態下で、約15日間培養される。
【0152】
一実施形態では、低酸素状態は約1% O2〜約20% O2である。代替的な実施形態では、低酸素状態は約2% O2〜約10% O2である。代替的な実施形態において、低酸素状態は約3% O2である。
【0153】
細胞は、血清と、アクチビンAと、Wntリガンドとを含有する培地で、タンパク質又は細胞外マトリクスで予め処理されていない組織培養基質上で、低酸素状態下で培養される。あるいは、培地は、IGF−1を含有していてもよい。
【0154】
培地は、約2%〜約5%の範囲内の血清濃度を有してもよい。代替的な実施形態において、血清濃度は約2%であってもよい。
【0155】
アクチビンAは、濃度約1pg/mL〜約100μg/mLで使用されてもよい。代替的な実施形態において、濃度は、約1pg/mL〜約1μg/mLであってもよい。別の代替的な実施形態において、濃度は、約1pg/mL〜約100ng/mLであってもよい。別の代替的な実施形態において、濃度は、約50ng/mL〜約100ng/mLであってもよい。別の代替的な実施形態において、濃度は、約100ng/mLであってもよい。
【0156】
Wntリガンドは、Wnt−1、Wnt−3a、Wnt−5a及びWnt−7aからなる群から選択されてもよい。一実施形態において、Wntリガンドは、Wnt−1である。代替的な実施形態において、Wntリガンドは、Wnt−3aである。
【0157】
Wntリガンドは、濃度約1ng/mL〜約1000ng/mLで使用されてもよい。代替的な実施形態において、Wntリガンドは、濃度約10ng/mL〜約100ng/mLで使用されてもよい。一実施形態において、Wntリガンドの濃度は約20ng/mLである。
【0158】
IGF−1は、濃度約1ng/mL〜約100ng/mLで使用されてもよい。代替的な実施形態において、GF−1は、濃度約10ng/mL〜約100ng/mLで使用されてもよい。一実施形態において、IGF−1の濃度は約50ng/mLである。
【0159】
本発明の方法によって誘導される多能性マーカーを発現する細胞は、タンパク質又は細胞外マトリクスで予め処理されていない組織培養基質上において、低酸素状態下で、培養液中で増殖することができる。
【0160】
本発明の方法によって誘導される多能性マーカーを発現する細胞は、ABCG2、クリプト、FoxD3、Connexin43、Connexin45、Oct4、SOX−2、Nanog、hTERT、UTF−1、ZFP42、SSEA−3、SSEA−4、Tra1−60、及びTra1−81からなる群から選択される多能性マーカーの少なくとも1つを発現する。
【0161】
胚体内胚葉系統に特徴的なマーカーを発現する細胞の更なる分化
胚体内胚葉系統に特徴的なマーカーを発現する細胞は、当該技術分野の任意の方法によって、胚体内胚葉系統に特徴的なマーカーを発現する細胞に分化させてもよい。
【0162】
例えば、胚体内胚葉系統に特徴的なマーカーを発現する細胞は、D’AmourらNature Biotechnology 24、1392〜1401(2006年)に開示されている方法に従って、膵臓内胚葉系統に特徴的なマーカーを発現する細胞に分化され得る。
【0163】
例えば、胚体内胚葉系統に特徴的なマーカーを発現する細胞は、胚体内胚葉系統に特徴的なマーカーを発現する細胞を、繊維芽細胞増殖因子及びKAAD−シクロパミンで処理した後、繊維芽細胞増殖因子及びKAAD−シクロパミンを含有する培地を除去し、続いて細胞をレチノイン酸と、繊維芽細胞増殖因子と、KAAD−シクロパミンとを含有する培地中で培養することにより、膵臓内胚葉系統に特徴的なマーカーを発現する細胞に更に分化される。この方法の一例は、D’Amour et al,Nature Biotechnology,24:1392〜1401,(2006)に開示されている。
【0164】
膵臓内胚葉系統に特徴的なマーカーは、Pdx1、HNF−1β、PTF1a、HNF−6、HB9及びPROX1からなる群から選択される。本発明における使用に好適なものは、膵臓内胚葉系統の特徴を示す少なくとも1つのマーカーを発現する細胞である。本発明の一態様において、膵臓内胚葉系統に特徴的なマーカーを発現する細胞は、膵臓内胚葉細胞である。
【0165】
膵臓内胚葉系統に特徴的なマーカーを発現する細胞の更なる分化
膵臓内胚葉系統に特徴的なマーカーを発現する細胞は、当技術分野の任意の方法により、膵臓内分泌系統に特徴的なマーカーを発現する細胞に分化させてもよい。
【0166】
例えば、膵臓内胚葉系統に特徴的なマーカーを発現する細胞は、D’AmourらNature Biotechnology 24、1392〜1401(2006年)に開示されている方法に従って、膵臓内分泌系統に特徴的なマーカーを発現する細胞に分化され得る。
【0167】
膵臓内分泌系統に特徴的なマーカーは、NGN−3、NeuroD、Islet−1、Pdx−1、NKX6.1、Pax−4、Ngn−3、及びPTF−1αからなる群から選択される。一実施形態において、膵臓内分泌細胞は、以下のホルモンの少なくとも1つを発現することができる。インスリン、グルカゴン、ソマトスタチン、及び膵臓ポリペプチド。本発明で使用するに好適なものは、膵臓内分泌系統の特徴を示すマーカーを少なくとも1つ発現する細胞である。本発明の一態様において、膵臓内分泌系統に特徴的なマーカーを発現する細胞は、膵臓内分泌細胞である。膵臓内分泌細胞は、膵臓ホルモン発現細胞であってもよい。代替的に、膵臓内分泌細胞は、膵臓ホルモン分泌細胞であってもよい。
【0168】
本発明の一態様において、膵臓内分泌細胞は、β細胞系統に特徴的なマーカーを発現する細胞である。β細胞系統に特徴的なマーカーを発現する細胞は、Pdx1と、次の転写因子、即ち、NGN−3、Nkx2.2、Nkx6.1、NeuroD、Isl−1、HNF−3β、MAFA、Pax4、及びPax6の少なくとも1つを発現する。本発明の一態様では、β細胞系統に特徴的なマーカーを発現する細胞は、β細胞である。
【0169】
胚体内胚葉に特徴的なマーカーを発現する細胞系統(linage)の検出
胚体内胚葉系統に特徴的なマーカーを発現する細胞の形成は、以下の特定のプロトコルの前後に、マーカーの存在に関して試験することにより決定することができる。多能性幹細胞は、一般にそのようなマーカーを発現しない。したがって、多能性細胞の分化は、細胞がそれらの発現を開始した際に検出される。
【0170】
分化の効率は、胚体内胚葉系統に特徴的なマーカーを発現する細胞により発現されたタンパク質マーカーを特異的に認識する薬剤(例えば、抗体等)に、処理した細胞集団を暴露することにより測定することができる。
【0171】
培養又は単離された細胞中のタンパク質及び核酸マーカーの発現を評価する方法は、当技術分野にて標準的である。これらには、定量的逆転写ポリメラーゼ連鎖反応(RT−PCR)、ノーザンブロット法、インサイツハイブリダイゼーション(例えば、Current Protocols in Molecular Biology(Ausubelら、eds.2001年付録)参照)、及び切片材料の免疫組織学的解析等の免疫測定法、ウェスタンブロット、及び無傷細胞内に到達出来るマーカーに関して、フローサイトメトリー分析(FACS)(例えば、Harlow及びLane、Using Antibodies:A Laboratory Manual、ニューヨーク:Cold Spring Harbor Laboratory Press(1998年)参照)が含まれる。
【0172】
所定のタンパク質マーカーの検出に有用な抗体の例は、表IAに列挙されている。表IAに列挙した抗体により認識されるものと同一のマーカーに指向される代替的な抗体が利用可能であり、又は容易に開発し得ることに留意するべきである。それらの代替的な抗体を、本発明に従って単離された細胞内のマーカーの発現を評価するために、使用してもよい。
【0173】
例えば、多能性幹細胞の特徴は当業者に周知であり、多能性幹細胞の追加の特徴は、継続して同定されている。多能性幹細胞マーカーは、例えば、次のうちの1つ以上の発現を含む:ABCG2、クリプト、FoxD3、Connexin43、Connexin45、Oct4、Sox2、Nanog、hTERT、UTF−1、ZFP42、SSEA−3、SSEA−4、Tra1−60、Tra1−81。
【0174】
多能性幹細胞を本発明の方法で処理した後、処理した細胞集団を、胚体内胚葉系統に特徴的なマーカーを発現する細胞により発現される、例えばCXCR4等のタンパク質マーカーを特異的に認識する薬剤(例えば、抗体等)に暴露することにより、分化した細胞を精製することができる。
【0175】
膵臓内胚葉系統(linage)に特徴的なマーカーを発現する細胞の検出
膵臓内胚葉系統に特徴的なマーカーは、当業者に周知であり、膵臓内胚葉系統の特徴を示す追加のマーカーが、継続して同定されている。これらのマーカーは、本発明に従って処理された細胞が分化して膵臓内胚葉系統の特徴を示す性質を獲得したことを確認するために使用され得る。膵臓内胚葉系統に特異的なマーカーは、例えば、Hlxb9、PTF−1a、PDX−1、HNF−6、HNF−1β等の1つ以上の転写因子の発現を含む。
【0176】
分化の効率は、膵臓内胚葉系統に特徴的なマーカーを発現する細胞により発現されたタンパク質マーカーを特異的に認識する薬剤(例えば、抗体等)に、処理した細胞集団を暴露することにより測定することができる。
【0177】
培養又は単離された細胞中のタンパク質及び核酸マーカーの発現を評価する方法は、当技術分野にて標準的である。これらには、定量的逆転写ポリメラーゼ連鎖反応(RT−PCR)、ノーザンブロット法、インサイツハイブリダイゼーション(例えば、Current Protocols in Molecular Biology(Ausubelら、eds.2001年付録)参照)、及び切片材料の免疫組織学的解析等の免疫測定法、ウェスタンブロット、及び無傷細胞内に到達出来るマーカーに関して、フローサイトメトリー分析(FACS)(例えば、Harlow及びLane、Using Antibodies:A Laboratory Manual、ニューヨーク:Cold Spring Harbor Laboratory Press(1998年)参照)が含まれる。
【0178】
所定のタンパク質マーカーの検出に有用な抗体の例は、表IAに列挙されている。表IAに列挙した抗体により認識されるものと同一のマーカーに指向される代替的な抗体が利用可能であり、又は容易に開発し得ることに留意するべきである。それらの代替的な抗体を、本発明に従って単離された細胞内のマーカーの発現を評価するために、使用してもよい。
【0179】
膵臓内分泌系統(linage)に特徴的なマーカーを発現する細胞の検出
膵臓内分泌系統に特徴的なマーカーは、当業者に周知であり、膵臓内分泌系統の特徴を示す追加のマーカーが、継続して同定されている。これらのマーカーは、本発明に従って処理された細胞が分化して膵臓内分泌系統の特徴を示す性質を獲得したことを確認するために使用され得る。膵臓内分泌系統に特異的なマーカーは、1つ以上の、例えばNGN−3、NeuroD、Islet−1等の転写因子の発現を含む。
【0180】
β細胞系統の細胞に特徴的なマーカーは、当業者に周知であり、β細胞系統の細胞の特徴を示す追加のマーカーが、継続して同定されている。これらのマーカーは、本発明に従って処理された細胞が分化して、β−細胞系統の特徴を示す性質を獲得したことを確認するために使用し得る。β細胞系統に特異的な特徴は、1つ以上の、中でも例えば、Pdx1(膵臓及び十二指腸ホメオボックス遺伝子−1)、Nkx2.2、Nkx6.1、Isl1、Pax6、Pax4、NeuroD、Hnf1b、Hnf−6、Hnf−3β、及びMafA等の転写因子の発現を含む。これらの転写因子は、内分泌細胞の確認に関して当技術分野にて定着している。例えば、Edlund(Nature Reviews genetics 3:524〜632(2002年))を参照されたい。
【0181】
分化の効率は、膵臓内分泌系統に特徴的なマーカーを発現する細胞により発現されたタンパク質マーカーを特異的に認識する薬剤(例えば、抗体等)に、処理した細胞集団を暴露することにより測定することができる。代替的に、分化の効率は、β細胞系統に特徴的なマーカーを発現する細胞により発現されたタンパク質マーカーを特異的に認識する薬剤(例えば、抗体等)に、処理した細胞集団を暴露することにより測定することができる。
【0182】
培養又は単離された細胞中のタンパク質及び核酸マーカーの発現を評価する方法は、当技術分野にて標準的である。これらには、定量的逆転写ポリメラーゼ連鎖反応(RT−PCR)、ノーザンブロット法、インサイツハイブリダイゼーション(例えば、Current Protocols in Molecular Biology(Ausubelら、eds.2001年付録)参照)、及び切片材料の免疫組織学的解析等の免疫測定法、ウェスタンブロット、及び無傷細胞内に到達出来るマーカーに関して、フローサイトメトリー分析(FACS)(例えば、Harlow及びLane、Using Antibodies:A Laboratory Manual、ニューヨーク:Cold Spring Harbor Laboratory Press(1998年)参照)が含まれる。
【0183】
所定のタンパク質マーカーの検出に有用な抗体の例は、表IAに列挙されている。表IAに列挙した抗体により認識されるものと同一のマーカーに指向される代替的な抗体が利用可能であり、又は容易に開発し得ることに留意するべきである。それらの代替的な抗体を、本発明に従って単離された細胞内のマーカーの発現を評価するために、使用してもよい。
【0184】
本発明を以下の実施例により更に説明するが、本発明はこれらの実施例により限定されるものではない。
【実施例】
【0185】
(実施例1)
ヒト胚幹細胞の培養
幹細胞は、単一の細胞レベルにて自己複製し、分化して後代細胞を生成する、それら両方の能力で定義される未分化細胞であり、後代細胞には、自己複製前駆細胞、非再生前駆細胞、及び最終分化細胞が含まれる。幹細胞はまた、インビトロで複数の胚葉(内胚葉、中胚葉及び外胚葉)から様々な細胞系統の機能的細胞に分化する能力によって、また移植後に複数の胚葉の組織を生じ、胚盤胞への注入後、全部ではないとしても殆どの組織を提供する能力によっても、特徴付けられる。
【0186】
ヒト胚幹細胞株H1、H7及びH9をWiCell Research Institute、Inc.(Madison、WI)から獲得し、供給元の研究所から提供された取扱説明書に従って培養した。手短には、細胞を、20%ノックアウト血清代替、100nM MEM非必須アミノ酸、0.5mM β−メルカプトエタノール、4ng/mLヒト塩基性繊維芽細胞増殖因子(bFGF)を有する2mM L−グルタミン(全てInvitrogen/GIBCOより)で補充したDMEM/F12(インビトロジェン/GIBCO)からなるES細胞培地中にてマウス胚線維芽細胞(MEF)フィーダー細胞上で培養した。E13〜13.5マウス胚由来のMEF細胞をCharles Riverから購入した。MEF細胞を、10% FBS(Hyclone)、2mMグルタミン、及び100mM MEM非必須アミノ酸で補充したDMEM培地中で増殖させた。サブコンフルエントなMEF細胞培養物を10mg/mLのマイトマイシンC(Sigma,St.Louis,MO)により3時間処理して、細胞分割を停止させた後、トリプシン処理し、2×104/cm2で0.1%ウシゼラチン−被覆皿上に播いた。継代2〜4からのMEF細胞をフィーダー層として使用した。MEF細胞のフィーダー層に播いたヒト胚幹細胞を、加湿した組織培養インキュベーター内で5%CO2雰囲気中37℃で培養した。コンフルエントとなった際(播いてから約5〜7日後)、ヒト胚幹細胞を1mg/mLコラゲナーゼタイプIV(インビトロジェン/GIBCO)により5〜10分間処理し、次に5mLピペットを使用して表面を穏やかに擦り落とした。細胞を900rpmで5分間回転させ、ペレットを再懸濁し、1:3〜1:4の細胞の比で新鮮培地に再び播いた。
【0187】
平行して、H1、H7、及びH9ヒト胚幹細胞もまた、1:30希釈の成長因子低減Matrigel(商標)(BD Biosciences)でコーティングされているプレートに播種し、8ng/mLのbFGFで補充されたMEF馴化培地で培養した。Matrigel(商標)上で培養した細胞を、コラゲナーゼIV(Invitrogen/GIBCO)、Dispase(BD Biosciences)又はLiberase enzyme(Source)と共にルーチン的に継代させた。ヒト胚幹細胞培養物の一部を低酸素状態下(約3% O2)でインキュベートした。
【0188】
(実施例2)
ヒト胚幹細胞由来の多能性マーカーを発現する細胞の誘導及び培養
ヒト胚幹細胞系H1及びH9由来の種々の継代数(継代30〜54)の細胞を、低酸素状態下(約3% O2)で少なくとも3継代の間培養した。細胞は、8ng/mLのbFGFで補充されたMEF−CM中で培養され、実施例1に従ってMatrigelでコーティングされたプレートに播かれた。
【0189】
次に、細胞を、0.5%のFBS、20ng/mLのWNT−3a(Catalog# 1324−WN−002,RD Systems,MN)及び100ng/mLのアクチビンA(RD Systems,MN)で補充したDMEM/F12培地で2日間処理し、続いて2%のFBS及び100ng/mLのアクチビンA(AA)で補充したDMEM/F12培地で更に3〜4日間処理した。このプロトコルは、胚体内胚葉マーカーの有意な増加をもたらした。
【0190】
次に、細胞は、TrypLE(商標)Express溶液(Invitrogen、CA)で5分間処理された。放出された細胞をDMEM−F12+2% FBS培地で再懸濁し、遠心分離によって回収し、血球計を用いてカウントした。放出された細胞を、組織培養ポリスチレン(TCPS)で処理されたフラスコに、1000−10,000細胞/cm2で播種し、DMEM−F12+2% FBS+100ng/mLアクチビンA+20ng/mLWnt−3Aの中で、低酸素状態(約3% O2)下において37℃で標準組織培養インキュベーター中で培養した。TCPSフラスコは、MATRIGEL又はその他の細胞外マトリクスタンパク質でコーティングされていなかった。培地は毎日交換された。いくつかの培養物において、培地は、10−50ng/mLのIGF−I(インスリン成長因子−I、RD Systems,MNより入手)又は1X ITS(インスリン、トランスフェリン、及びセレン、Invitrogen,CAより入手)で更に補充された。培養条件の一部において、基本培地(DM−F12+2% FBS)は、0.1mMのメルカプトエタノール(Invitrogen,CA)及び非必須アミノ酸(1X,NEAA、Invitrogen,CAより入手)で更に補充された。
【0191】
培養後5〜15日目に、老化して見える多数の巨細胞に囲まれた明確な細胞群体が出現した。約50〜60%コンフルエンシーの時点で、TrypLE(商標)Express溶液に室温で5分間暴露させることによって培養物を継代させた。放出された細胞は、DMEM−F12+2% FBS培地で再懸濁し、遠心分離によって回収し、組織培養ポリスチレン(TCPS)で処理されたフラスコに10,000細胞/cm2でDMEM−F12+2% FBS+100ng/mLアクチビンA+20ng/mLWnt−3A+/−50ng/mLIGF−Iの中に播種した。この培地は以後「培養基」とも呼ぶ。
【0192】
(実施例3)
多能性マーカーを発現する細胞のヒト胚幹細胞の単個細胞浮遊液からの誘導
ヒト胚幹細胞系H1 P33及びH9 P45からの細胞を、低酸素状態(約3% O2)下で少なくとも3継代の間培養した。細胞は、8ng/mLのbFGFで補充されたMEF−CM中で培養され、実施例1に従ってMATRIGELコーティングされたプレートに播かれた。約60%コンフルエンシーの時点で、培養物はTrypLE(商標)Express溶液(Invitrogen,CA)に5分間暴露された。放出された細胞をDMEM−F12+2% FBS培地で再懸濁し、遠心分離によって回収し、血球計を用いてカウントした。放出された細胞を、組織培養ポリスチレン(TCPS)で処理されたフラスコに、1000〜10,000細胞/cm2で播種し、DM−F12+2% FBS+100ng/mLアクチビンA+20ng/mLWnt−3A+50ng/mLIGF−I+0.1mMメルカプトエタノール(Invitrogen,CA)及び非必須アミノ酸(1X,NEAA、Invitrogen,CAより入手)の中で、低酸素状態(約3%O2)下において37℃で標準組織培養インキュベーター中で培養した。TCPSフラスコは、MATRIGEL又はその他の細胞外マトリクスタンパク質でコーティングされていなかった。培地は毎日交換された。第1継代細胞をP1と呼ぶ。
【0193】
(実施例4)
ヒト胚幹細由来の多能性マーカーを発現する細胞の増殖に有用な種々の培養基
ヒト胚幹細由来の多能性マーカーを発現する細胞は、以下の培地組成物中において少なくとも2〜30継代の培養に成功した。
1.DM−F12+2% FBS+100ng/mL AA+20ng/mL Wnt−3A
2.DM−F12+2% FBS+100ng/mL AA+20ng/mL Wnt−3A+50ng/mL IGF−I
3.DM−F12+2% FBS+100ng/mL AA+20ng/mL Wnt−3A+10ng/mL IGF−I
4.DM−F12+2% FBS+50ng/mL AA+20ng/mL Wnt−3A+50ng/mL IGF−I
5.DM−F12+2% FBS+50ng/mL AA+10ng/mL Wnt−3A+50ng/mL IGF−I
6.DM−F12+2% FBS+50ng/mL AA+20ng/mL Wnt−3A+10ng/mL IGF−I
7.DM−F12+2% FBS+100ng/mL AA+10ng/mL Wnt−3A+10ng/mL IGF−I
8.HEScGRO合成培地(Chemicon,CA)
【0194】
上記で列挙された培地の基礎組成物は、RPMI、DMEM、CRML、Knockout(商標)DMEM、及びF12などの同様の培地で置き換えられてもよい。
【0195】
(実施例4)
GSK−3βの酵素活性阻害剤が多能性マーカーを発現する細胞の生存率に与える影響
多能性マーカーを発現する細胞の誘導及び維持を、実施例2に記載された通りに行った。細胞は、2% FCS(Invitrogen)、100ng/mLアクチビンA、20ng/mLWnt−3a、及び50ng/mLIGF(RD Biosystems)で補充されたDMEM:F12で増殖させた。細胞を、Falconポリスチレンフラスコに密度10,000細胞/cm2で播種し、37℃、5%CO2、低酸素において単層培養で増殖させた。60〜70%コンフルエンスに達した後、PBSで単層を洗い、かつTrypLE(Invitrogen)で3〜5分間でインキュベートして剥離及び単一細胞分散させることによって、細胞を継代させた。
【0196】
小分子の商標ライブラリーからGSK−3Bの酵素活性を阻害する能力に関して選択された試験化合物を使用して、スクリーニングを行った。このライブラリーからの化合物は、96ウェルプレートのフォーマットの50mM HEPES、30% DMSO中の1mMストックとして利用することができた。アッセイのため、多能性マーカーを発現する細胞を洗浄し、カウントし、かつ、96ウェルの底が透明で色の濃いウェルプレート(Costar)にウェルあたり20,000細胞の播種密度で通常の培養液中に播いた。この播種密度は、一晩培養物で最適な単層形成を得るために予め決定された。翌日、培養液を除去し、細胞単層をPBSで3回すすぎ、試験化合物を、最終アッセイ濃度10μMとなるようにそれぞれアッセイ培地で希釈した80μLアリコートでウェルに添加した。アッセイ2日目に、培地を各ウェルから除去して、アッセイ培地で希釈した新しいアリコートの試験化合物と交換した。1日目及び2日目のアッセイ培地は、0.5%FCS及び100ng/mLアクチビンAで補充されたDMEM:F12で構成された。培養3日及び4日目に、培地を各ウェルから除去して、2% FCS及び100ng/mLアクチビンAで補充されたDMEM:F12(試験化合物なし)と交換した。アッセイ4日目に、15μLのMTS(Promega)を各ウェルに添加し、SpectraMax(Molecular Devices)装置によって490nmで光学密度を読み取みとる前に、プレートを37℃で1.5〜4時間インキュベートした。平均、標準偏差、及び変動係数からなる統計的測定値を各二重セットごとに計算した。陽性対照(培養1日及び2日目にアクチビンA及びWnt3aで処理されたウェル)に対する各試験ウェルごとの毒性を計算した。
【0197】
表IIは、全スクリーニング結果を集めたものである。このアッセイでは多能性マーカーを発現する細胞は当初コンフルエント単層として播かれたので、この結果は4日間の培養期間にわたる毒性測定を表している。結果は対照の生存率の割合として表され、10μMスクリーニング濃度で使用されたある化合物の可変毒性を示している。この細胞を用いたアッセイでは、化合物の割合が多いと、毒性は最小又は測定不可能となる。
【0198】
選択した化合物の小パネルを、多能性マーカーを発現する細胞を用いて上記と同様のアッセイにおいて狭い用量漸増範囲にわたって繰り返し試験した。表IIIはこれらの結果をまとめたものであり、様々な毒性及び非毒性化合物に対する可変用量漸増効果を示している。
【0199】
(実施例5)
高含量スクリーニングアッセイを用いて測定したGSK−3βの酵素活性阻害剤がヒト胚幹細胞の分化及び増殖に与える影響
ヒト胚幹細胞(H9系)の維持を実施例1に記載の通りに実施した。細胞コロニーを、平均して4日ごとに継代させて未分化多能性状態のまま維持した。継代は、細胞培養物をコラゲナーゼ溶液(1mg/mL;Sigma−Aldrich)に37℃で10〜30分間暴露し、続いてピペットの先端で穏やかに擦り落として細胞塊を回収することによって行われた。塊を重力によって沈降させ、続いて洗浄して残留コラゲナーゼを除去した。細胞塊を、ルーチン維持培養用に1:3の比、又は直接アッセイ用に1:1の比で分割した。用いたヒト胚幹細胞系は継代50未満の継代数に維持され、正常核型の表現型及びマイコプラズマ汚染の欠如に関してルーチン的に評価された。
【0200】
アッセイで用いる細胞塊を通常の培養液で均一に再懸濁し、MATRIGELでコーティングされた96ウェルPackard VIEWPLATES(PerkinElmer)に100μL/ウェルの容量で播いた。8ng/mLのbFGFで補充されたMEF調整培地を初期播種及び回収に用いた。各ウェルから使用済みの培養液を吸引し、かつ同量の新しい培地と交換することによって、毎日の栄養補給を行った。プレートは、アッセイ期間中ずっと加湿した箱の中に入れられて37℃、5%CO2に保たれた。
【0201】
小分子の商標ライブラリーからGSK−3Bの酵素活性を阻害する能力に関して選択された試験化合物を使用して、スクリーニングを行った。このライブラリーからの化合物は、96ウェルプレートのフォーマットの50mM HEPES、30%DMSO中の1mMストックとして利用することができた。スクリーニング化合物は三重又は二重セットで試験された。各ウェルから培養液を吸引し、続いてPBSで3回洗浄して残留増殖因子及び血清を除去して一次スクリーニングアッセイを開始した。0.5%FCS(HyClone)と、100ng/mLアクチビンA(RD Biosystems)とで補充されたDMEM:F12基本培地(Invitrogen)と、試験化合物10μMとを含有するウェル当たり80〜100μLの試験量を加え戻した。陽性対照ウェルは同じ基本培地を収容したが、試験化合物を10〜20ng/mLのWnt3a(RD Biosystems)で置き換えた。陰性対照ウェルは、0.5%FCS及びアクチビンAのみ(AAのみ)を有する、あるいは、アクチビンA若しくはWnt3aなしに0.5%FCSを有する(未処理)基本培地を収容した。アッセイ2日目にウェルを吸引し、同一溶液を再度供給した。3日及び4日目に、全アッセイウェルは吸引され、2%FCS及び100ng/mLアクチビンAで補充された(試験化合物又はWnt3aを有さない)DMEM:F12に変更され、一方、平行陰性対照ウェルは、2% FCS及びアクチビンAのみ(AAのみ)を有する、あるいは、アクチビンAなしに2% FCSを有する(未処理)DMEM:F12に維持された。
【0202】
培養の最後に、96ウェルプレートの中の細胞を4%パラホルムアルデヒドで室温で20分間固定し、PBSで3回洗浄し、次に0.5%Triton X−100を用いて室温で20分間透明処理した。あるいは、細胞を氷冷70%エタノールで−20℃で一晩固定し、PBSで3回洗浄し、次に0.5%Triton X−100を用いて4℃で5分間透明処理した。固定及び透明処理の後、細胞をPBSで再度3回洗浄し、次に、室温で30分間PBS中において4%ニワトリ血清(Invitrogen)でブロックした。一次抗体(ヤギ抗ヒトSox17及びヤギ抗ヒトHnf−3β;RD Systems)を4%ニワトリ血清で1:100に希釈し、細胞に室温で1時間添加した。Alexa Fluor 488共役二次抗体(ニワトリ抗ヤギIgG;Molecular Probes)をPBSで1:200に希釈し、細胞をPBSで3回洗浄した後に添加した。細胞核を対比染色するために、5mMのDraq5(Alexis Biochemicals)を室温で5分間添加した。細胞をPBSで一度洗浄し、画像化するために100mL/ウェルPBS中に放置した。
【0203】
Draq5及びAlexa Fluor 488で染色された細胞用の二色性を利用するIN Cell Analyzer 1000(GE Healthcare)を使用して細胞を撮像した。暴露時間は、陽性対照ウェル、及び未処理の陰性対照のみに関しては二次抗体を有するウェルを使用して最適化された。処理及び染色手順の間のあらゆる細胞消失を補償するために、1ウェル当たり12の領域を得た。Sox−17及びHnf−3βに関する全細胞数及び全細胞強度を、IN Cell Developer Toolbox 1.6(GE Healthcare)ソフトウェアを使用して測定した。グレイスケール・レベル(基準線範囲100〜300)及び核サイズに基づいて、細胞核のセグメンテーションを決定した。平均値及び標準偏差を複製に関して計算した。全タンパク質発現量は、細胞×細胞の面積の全蛍光量として定義される全強度又は積分強度として報告された。300〜3000のグレイスケール範囲、及び0.4以上の形状因子の判定基準に基づいて背景を消去した。全強度データは、各ウェルごとの全強度をWnt3a/アクチビンA陽性対照の平均全強度で割って正規化された。各複製セットごとの平均値及び標準偏差に関する正規化データが計算された。
【0204】
表IVは、全スクリーニング結果をまとめて示している。表Vは、このスクリーニングのヒットの一覧である。強いヒットは対照値の120%以上と定義され、中程度のヒットは対照値の60〜120%の区間内に含まれると定義されている。有意な数の化合物がこのアッセイにおいて両方の増殖反応を誘導する。同時に、Sox17及びHnf−3b転写因子のタンパク質発現量で測定した場合、有意な数の化合物がこのアッセイにおいて分化を誘発する。
【0205】
(実施例6)
プレートリーダーアッセイを用いて測定されたGSK−3βの酵素活性阻害剤がヒト胚幹細胞の増殖に与える影響
ヒト胚幹細胞(H9又はH1系)の維持を実施例1に記載の通りに実施した。細胞コロニーを、平均して4日ごとに継代させて未分化多能性状態のまま維持した。継代は、細胞培養物をコラゲナーゼ溶液(1mg/mL;Sigma−Aldrich)に37℃で10〜30分間暴露し、続いてピペットの先端で穏やかに擦り落として細胞塊を回収することによって行われた。塊を沈降させ、洗浄して残留コラゲナーゼを除去した。細胞塊を、ルーチン維持培養用に1:3の単層部分比、又は直接アッセイ用に1:1の比で分割した。これら実施例で用いたヒト胚幹細胞系は継代50未満の継代数に維持され、正常核型の表現型、並びにマイコプラズマ汚染の欠如に関してルーチン的に評価された。
【0206】
アッセイで使用する細胞塊を通常の培養液で均一に再懸濁し、MATRIGELでコーティングされた96ウェルPackard VIEWPLATES(PerkinElmer)に100μL/ウェルの容量で播いた。8ng/mLのbFGFで補充されたMEF調整培地を初期播種及び回収に用いた。各ウェルから使用済みの培養液を吸引し、かつ同量の新しい培地と交換することによって、毎日の栄養補給を行った。プレートは、アッセイ期間中ずっと加湿した箱の中に入れられて37℃、5% CO2に保たれた。
【0207】
各ウェルから培養液を吸引し、続いてPBSで3回洗浄して残留増殖因子及び血清を除去して一次スクリーニングアッセイを開始した。0.5% FCS(HyClone)と、100ng/mLアクチビンA(RD Biosystems)とで補充されたDMEM:F12基本培地(Invitrogen)と、試験化合物10μMとを含有するウェル当たり80〜100μLの試験量を加え戻した。陽性対照ウェルは同じ基本培地を収容したが、10〜20ng/mLのWnt3a(RD Biosystems)で置き換えた。陰性対照ウェルは、アクチビンA又はWnt3aなしに0.5% FCSを有する基本培地を収容した。スクリーニング化合物は三重に試験された。アッセイ2日目にウェルを吸引し、同一溶液を再度供給した。3日及び4日目に、2%FCSを有するDMEM:F12基本培地に維持された陰性対照ウェルを除いて、全アッセイウェルは吸引されて、2%FCS及び100ng/mLアクチビンAで補充されたDMEM:F12に変更された。
【0208】
アッセイ4日目に、15〜20μLのMTS(Promega)を各ウェルに添加し、プレートを37℃で1.5〜4時間インキュベートした。Molecular Devicesの光分析装置のプレートリーダーを使用して、OD490における濃度計測定値を測定した。複製セットの平均測定値を標準偏差及び変動係数とともに計算した。増殖の目安として対照値の割合を計算するために、実験ウェルをアクチビンA/Wnt3a陽性対照と比較した。
【0209】
表VIは、全スクリーニング結果をまとめて示している。表VIIは、このスクリーニングのヒットの一覧である。強いヒットは対照値の120%以上と定義され、中程度のヒットは対照値の60〜120%の区間内に含まれると定義されている。有意な数の化合物がこのアッセイにおいて増殖反応を誘導する。
【0210】
(実施例7)
GSK−3β酵素阻害剤がヒト胚幹細胞の分化及び増殖に与える影響:リード化合物の用量漸増
一次スクリーニングで同定されたヒットの活性を確認し、かつ用量漸増によって活性範囲を更に分析することが重要であった。一次スクリーニングヒットの選択的サブセットの新しいサンプルを乾燥粉末として入手し、可溶化して新しいストック試薬を作り、二次確認アッセイで希釈してヒト胚幹細胞への影響を評価した。
【0211】
2つの株のヒト胚幹細胞(H1及びH9)の培養を実施例1に記載の通りに実施した。細胞コロニーを、DMEM:F12で1:30に希釈されたMATRIGE(商標)を用いてmatrigel(商標)(Invitrogen)でコーティングされたポリスチレンプラスチック上で未分化多能性状態のまま維持した。細胞は平均して4日ごとの酵素継代によって分割された。継代は、細胞単層をコラゲナーゼ溶液(1mg/mL;Sigma−Aldrich)に37℃で10〜60分間暴露し、続いてピペットの先端で穏やかに擦り落として細胞塊を回収することによって行われた。塊を重力によって沈降させ、続いて洗浄して残留コラゲナーゼを除去した。細胞塊を、維持培養用に1:3の比、又は後続アッセイ用に1:1の比で分割した。ヒト胚幹細胞系は継代50未満に維持され、正常核型の表現型及びマイコプラズマ汚染の欠如に関してルーチン的に評価された。
【0212】
アッセイ用細胞の調製:アッセイで用いるH1又はH9胚幹細胞系の細胞塊を培養液で均一に再懸濁し、Matrigel(商標)でコーティングされた96ウェルPackard VIEWPLATES(PerkinElmer)に100μL/ウェルの容量で播いた。8ng/mLのbFGFで補充されたMEF調整培地を初期播種及び増殖に用いた。各ウェルから使用済みの培養液を吸引し、かつ同量の新しい培地と交換することによって、毎日の栄養補給を行った。アッセイを開始する前に、培養物を播種後1〜3日間増殖させた。プレートは、アッセイ期間中ずっと加湿した箱の中に入れられて37℃、5% CO2に保たれた。
【0213】
化合物及びアッセイ培地の調製:一次スクリーニングで得たヒットのサブセットを、追跡調査及び後続の二次アッセイに用いた。乾燥粉末として入手可能な12の化合物を、DMSO中に10mMストックとして可溶化し、−20℃で脱水して使用するまで保管した。アッセイ直前に、化合物ストックを0.5% FCS(HyClone)及び100ng/mLアクチビンA(RD Biosystems)で補充されたDMEM:F12基本培地(Invitrogen)で1:1000に希釈して10μM試験化合物を作った。これを更に、同様に0.5% FCS(HyClone)及び100ng/mLアクチビンA(RD Biosystems)で補充されたDMEM:F12基本培地で連続して倍数希釈して各化合物ごとに7点希釈曲線を作った。
【0214】
二次スクリーニングアッセイ:アッセイは、各ウェルの細胞単層から培養液を吸引し、続いてPBSで3回洗浄して残留増殖因子及び血清を除去して開始された。0.5%FCSと、100ng/mLアクチビンAを有しWnt3aを有さない異なる濃度の阻害化合物とで補充された培地を含有するウェル当たり100μLの試験量を加え戻した。陽性対照ウェルは、0.5% FCS及び20ng/mL Wnt3a(RD Biosystems)を有するが、試験化合物のない状態の同じ基本培地を収容した。陰性対照ウェルは、0.5%FCSを有するが、アクチビンA、Wnt3a、又は試験化合物のない状態の同じ基本培地を収容した。アッセイ2日目に、アッセイウェルは吸引され、同一濃度の試験化合物又は対照溶液を再度供給された。3日及び4日目に、全アッセイウェルは吸引され、試験化合物又はWnt3aの両方がない状態で2% FCS及び100ng/mLアクチビンAで補充されたDMEM:F12が供給された。平行陰性対照ウェルは、3日及び4日目は2% FCSを有するDMEM:F12に維持された。
【0215】
アッセイ評価:培養の最後に、96ウェルプレートの中の細胞をPBSで2回洗浄し、4%パラホルムアルデヒドで室温で20分間固定し、PBSで更に3回洗浄し、次に0.5% Triton X−100を用いて室温で20分間透明処理した。固定及び透明処理の後、細胞をPBSで再度3回洗浄し、次に、室温で30分間PBS中において4%ニワトリ血清(Invitrogen)でブロックした。一次抗体(ヤギ抗ヒトSox17;RD Systems)を4%ニワトリ血清で1:100に希釈し、細胞に室温で1時間添加した。Alexa Fluor 488共役二次抗体(ニワトリ抗ヤギIgG;Molecular Probes)をPBSで1:200に希釈し、細胞をPBSで3回洗浄した後各ウェルに添加した。細胞核を対比染色するために、2μg/mLのHoechst 33342(Invitrogen)を室温で10分間添加した。細胞をPBSで一度洗浄し、画像化するために100μL/ウェルPBS中に放置した。
【0216】
Hoechst 33342及びAlexa Fluor 488で染色された細胞用の51008bs二色性を利用するIN Cell Analyzer 1000(GE Healthcare)を使用して細胞を撮像した。暴露時間は、陽性対照ウェル、及び未処理の陰性対照として二次抗体のみで染色されたウェルを使用して最適化された。処理及び染色手順の間のあらゆる細胞消失を補償するために、1ウェル当たり15の領域を得た。各ウェルごとの全細胞の数及び全Sox−17強度の測定値を、IN Cell Developer Toolbox 1.7(GE Healthcare)ソフトウェアを使用して得た。グレイスケール・レベル(基準線範囲100〜300)及び核サイズに基づいて、細胞核のセグメンテーションを決定した。各複製セットごとの平均値及び標準偏差が計算された。全Sox17タンパク質発現量は、細胞×細胞の面積の全蛍光量として定義される全強度又は積分強度として報告された。300〜3000のグレイスケール範囲、及び0.4以上の形状因子の判定基準に基づいて背景を消去した。全強度データは、各ウェルごとの全強度をWnt3a/アクチビンA陽性対照の平均全強度で割って正規化された。各複製セットごとの平均値及び標準偏差に関する正規化データが計算された。
【0217】
結果
この二次アッセイにおける用量漸増によって活性が確認され、かつ作用強度が測定された8つのGSK−3B酵素阻害剤に関する結果が示されている。示したデータは、細胞の数及びSox17に与える化合物の影響を示しており、それぞれのデータ点は二重セットからの平均であり、同一領域及びウェルからパラメータごとに見つけ出された。この実施例において、Sox17の発現は胚体内胚葉分化を示している。H1ヒト胚幹細胞系を用いた細胞の数及びSox17強度に関する結果はそれぞれ表VIII及び表Iに示されている。H9ヒト胚幹細胞系に関する結果は表X及び表XIに示されている。陽性対照値は、細胞の数及びSox17強度に関して1.000に正規化された。陰性対照値は、両方の細胞株で、細胞の数は0.388未満、及びSox17強度は0.065未満であった。両方のヒト胚幹細胞系を比較し、かつ各化合物の用量漸増を含むこれらのデータの図式表現が、図1〜図8に示されている。細胞の数はパネルAに示され、Sox17強度はパネルBに示される。これらのデータは、各化合物がhES細胞の増殖及び胚体内胚葉の分化を促進することができ、かつ活性の最適範囲を同定することができることを確認している。
【0218】
(実施例8)
GSK−3β酵素阻害剤が胚体内胚葉に関連した追加のマーカーの発現に与える影響
リード化合物は、転写因子Sox17に加えて、胚体内胚葉分化を示す他のマーカーもまた誘導することができることを証明することが重要であった。ヒットの選択サブセットを、CXCR4、表面受容体タンパク質、及び胚体内胚葉の分化にも関連する転写因子であるHNF−3βの発現を促進する能力に関して試験した。
【0219】
アッセイ用細胞の調製:アッセイで用いるH1ヒト胚幹細胞系からの細胞塊を培養液で均一に再懸濁し、Matrigel(商標)でコーティングされた(1:30希釈物)6ウェルプレート(Corning)に2mL/ウェルの容量で播いた。8ng/mLのbFGFで補充されたMEF調整培地を初期播種及び増殖に用いた。各ウェルから使用済みの培養液を吸引し、かつ同量の新しい培地と交換することによって、毎日の栄養補給を行った。アッセイを開始する前に、培養物を播種後1〜3日間増殖させた。プレートは、アッセイ期間中ずっと37℃、5% CO2に保たれた。
【0220】
化合物及びアッセイ培地の調製:一次スクリーニングで得た7つのヒットのサブセットを、追跡調査及び後続の二次アッセイに用いた。適切な化合物を、DMSO中に10mMストックとして可溶化し、−20℃で脱水して使用するまで保管した。アッセイ直前に、化合物ストックを0.5% FCS(HyClone)及び100ng/mLアクチビンA(RD Biosystems)で補充されたDMEM:F12基本培地(Invitrogen)で1μM〜5μMの範囲の最終濃度に希釈した。
【0221】
アッセイ:アッセイは、各ウェルの細胞単層から培養液を吸引し、続いてPBSで3回洗浄して残留増殖因子及び血清を除去して開始された。0.5%FCSと、100ng/mLアクチビンAを有しWnt3aを有さない異なる濃度の阻害化合物とで補充された培地を含有するウェル当たり2mLの試験量を加え戻した。陽性対照ウェルは、100ng/mLアクチビンAと20ng/mL Wnt3a(RD Biosystems)と0.5% FCSとを有するが試験化合物がない状態の同じ基本培地を収容した。陰性対照ウェルは、0.5% FCSを有するが、アクチビンA、Wnt3a、又は試験化合物がない状態の基本培地を収容した。アッセイ2日目にアッセイウェルを吸引し、同一濃度の試験化合物又は対照溶液を再度供給した。3日及び4日目に、全アッセイウェルは吸引され、試験化合物又はWnt3aの両方がない状態で2%FCS及び100ng/mLアクチビンAで補充されたDMEM:F12が供給された。平行陰性対照ウェルは、3日及び4日目は2%FCSを有するDMEM:F12に維持された。
【0222】
アッセイ評価:培養の最後に、細胞単層はPBSで洗浄され、TrypLE(商標)Express溶液(Invitrogen,CA)で5分間インキュベートすることにより培養プレートから収集された。細胞をMEF調整培地で再懸濁し、2つの等しいサンプルに分割した。サンプルの1セットを様々な蛍光標識抗体で更に染色し、フローサイトメトリー(FACS)分析を施した。サンプルの第2の並列セットに定量PCRを施した。
【0223】
FACS分析を受けた細胞をPBSで洗浄し、PBS及びBD FACS染色緩衝液で希釈した0.125%ヒトγグロブリン(Sigma cat# G−4386)の中で4℃で15分間ブロックした。細胞のアリコート(それぞれ約105細胞)を、蛍光タグに直接結合され、かつCD9 PE(BD#555372)、CD9 PE(BD#555372)、又はCXCR−4 APC(RD Systems cat# FAB173A)に対する特異性を有する抗体で、4℃で30分間染色した。BD FACS染色緩衝液中における一連の洗浄後、生存率を評価するために細胞を7−AAD(BD#559925)で染色し、BD FACS Array装置(BD Biosciences)上で分析し、少なくとも10,000の事象を収集した。PE及びAPCのマウスIgG1kイソタイプコントロール抗体を用いて陽性細胞の割合をゲートした。
【0224】
定量PCR用の細胞を、RNAを抽出、精製しかつcDNAを合成するために処理した。RNAサンプルを、エタノール−含有、高塩濃度緩衝液の存在下、シリカゲル膜(RNeasyミニキット、(Qiagen、CA)に結合させた後、混入物を洗浄することにより精製した。RNAをTURBO DNA−フリーキット(Ambion,INC)を使用して更に精製し、次いで高品質RNAを水中に溶出した。収率及び純度を分光光度計のA260及びA280測定値によって評価した。Applied Biosystems、Inc.(ABI,CA)大容量cDNAアーカイブキットを用いて精製したRNAからcDNAコピーを作製した。
【0225】
特に指定のない限り、リアルタイムPCR増幅及び定量化のための全ての試薬はABIから購入した。ABI PRISM 7900配列検出システムを使用して、リアルタイムPCR反応を行った。TAQMANUNIVERSAL PCR MASTER MIX(ABI,CA)を、20ngの逆転写RNAと共に、20μLの全反応容積にて使用した。各cDNAサンプルを2回使用(run)して、ピペッティング誤差に関して補正した。プライマー及びFAM標識TAQMANプローブを濃度200nMで使用した。各標的遺伝子に関する発現レベルを、以前にABIにより開発されたヒトグリセルアルデヒド−3−リン酸デヒドロゲナーゼ(GAPDH)内在性対照を使用して正規化した。プライマー及びプローブの組合せを次に示す:CXCR4(Hs00237052)、GAPDH(4310884E)、HNF3b(Hs00232764)、Sox17(probe part# 450025,forward and reverse part#4304971)。
【0226】
最初50℃で2分間、次いで95℃で10分間のインキュベーションの後、サンプルを2段階、即ち、−95℃で15秒間の変性過程と、その後の60℃で1分間のアニーリング/伸長過程と、で40回サイクルした。GENEAMP 7000配列検出システムソフトウエアを使用して、データ解析を行った。各プライマー/プローブセットに関して、増幅の指数関数領域の中央において蛍光強度が特定の値に到達したサイクル数としてのCt値を決定した。比較Ct法を使用して、相対的な遺伝子発現レベルを計算した。手短に言えば、各cDNAサンプルに関して、内在性対照Ct値を関心対象遺伝子のCtから減算して、DCt値(ΔCt)を得た。標的の正規化した量を2−ΔCtとして計算し、増幅を100%効率と仮定した。最終的なデータを、標準物質サンプルに関して表した。
【0227】
結果
図9は、様々なGSK3阻害剤で処理した後にCXCR4表面受容体を発現する陽性細胞の割合のFACS分析を示す。未処理の細胞集団(陰性対照)又はアクチビンA及びWnt3で処理されている細胞(陽性対照)に対する、各化合物の1μM〜5μMの範囲の2種類の濃度が示されている。図10のパネルa、b、及びcは、やはり胚体内胚葉のマーカーであると考慮されるCXCR4、Sox17、及びHNF3βに関するリアルタイムPCRデータを示している。FACS及びリアルタイムPCR分析は共に、未処理の対照細胞と比べて、分化した細胞ではこれらマーカーのそれぞれの有意な増加が見られるを明示している。一部の例では、これらの胚体内胚葉マーカーの発現レベルは陽性対照と等しく、分化のこの段階においてGSK3阻害剤がWnt3aに取って代わることができることを実証している。
【0228】
(実施例9)
GSK−3β酵素阻害剤が膵臓内胚葉の形成に与える影響
胚体内胚葉の誘導の間にGSK3β阻害剤で処理することが、例えば、膵臓内胚葉などの他の細胞型のその後の分化を阻害しないこと証明することが重要であった。ヒットの選択サブセットを、膵臓内胚葉に関連する鍵となる転写因子であるPDX1及びHNF6の発現を促進する能力に関して試験した。
【0229】
ヒト胚幹細胞(H1及びH9系)の維持を実施例1に記載の通りに実施した。細胞コロニーを、平均して4日ごとに継代させて未分化多能性状態のまま維持した。継代は、細胞培養物をコラゲナーゼ溶液(1mg/mL;Sigma−Aldrich)に37℃で10〜30分間暴露し、続いてピペットの先端で穏やかに擦り落として細胞塊を回収することによって行われた。塊を重力によって沈降させ、続いて洗浄して残留コラゲナーゼを除去した。細胞塊を、ルーチン維持培養用に1:3の比で、又は後続アッセイ用に1:1の比で分割した。用いたヒト胚幹細胞系は継代50未満に維持され、正常核型の表現型及びマイコプラズマ汚染の欠如に関してルーチン的に評価された。
【0230】
アッセイの細胞調製:アッセイで使用するH1ヒト胚幹細胞系の細胞塊を培養液で均一に再懸濁し、MATRIGEL(商標)でコーティングされた(1:30希釈)24ウェルプレート(black well;Arctic White)に1mL/ウェルの容量で播いた。8ng/mLのbFGFで補充されたMEF調整培地をを初期播種及び増殖に用いた。2回目の実験において、H9系からのhES細胞の塊を96ウェルプレートの、マイトマイシンC(Sigma Chemical Co)で処理することによって予め不活性化されていたマウス胚性支持細胞(MEF)層に播いた。MEF単層上のhES細胞の培養液は、最小必須アミノ酸(Invitrogen)、L−グルタミン、及び2−メルカプトエタノールで補充された20% Knockout Serum Replacer(Invitrogen)を有するDMEM:F12で構成された。各ウェルから使用済みの培養液を吸引し、かつ同量の新しい培地と交換することによって、毎日の栄養補給を行った。アッセイを開始する前に、培養物を播種後1〜3日間増殖させた。プレートは、アッセイ期間中37℃、5%CO2に保たれた。
【0231】
化合物及びアッセイ培地の調製:一次スクリーニングで得た8つのヒットのサブセットを、追跡調査及び後続の二次アッセイに用いた。適切な化合物を、DMSO中に10mMストックとして可溶化し、−20℃で脱水して使用するまで保管した。アッセイ直前に、化合物ストックを添加剤を有する基本培地で1μM〜5μMの範囲の最終濃度に希釈した。
【0232】
アッセイ:このアッセイでは、GSK3阻害剤は、胚体内胚葉分化過程の1日目及び2日目のみにWnt3aの代わりに含められた。MATRIGEL(商標)上の胚幹細胞培養物は、各ウェルの細胞単層から培養液を吸引し、続いてPBSで3回洗浄して残留増殖因子及び血清を除去することによって、実施例7及び8に記載の通りに開始された。胚体内胚葉へ分化させるために、0.5% FCSを有するDMEM:F12培地と、100ng/mLアクチビンAを有しWnt3aを有さない異なる濃度の阻害化合物とを含有する試験量(24ウェルプレートに関してはウェル当たり0.5mL、96ウェルプレートに関してはウェル当たり100μL)を加え戻した。陽性対照ウェルは、0.5% FCSと100ng/mLアクチビンAと20ng/mL Wnt3a(RD Biosystems)とを有するが試験化合物がない状態の同じ基本培地を収容した。陰性対照ウェルは、0.5% FCSを有するが、アクチビンA、Wnt3a、又は試験化合物のない状態の同じ基本培地を収容した。アッセイ2日目にアッセイウェルを吸引し、同一濃度の試験化合物又は対照溶液を再度供給した。3日及び4日目に、全アッセイウェルは吸引され、試験化合物又はWnt3aの両方がない状態で2% FCS及び100ng/mLアクチビンAで補充されたDMEM:F12が供給された。平行陰性対照ウェルは、3日及び4日目は2% FCSを有するDMEM:F12に維持された。胚体内胚葉へ分化させるために、細胞を3日間処理し、2% FCSと、0.25μM KAADシクロパミン(EMD Biosciences)と、20ng/mL FGF7(RD Biosystems)とを含有するDMEM:F12基本培地を毎日供給した。次に、細胞を更に4日間処理し、1% B27(Invitrogen)と、0.25μM KAADシクロパミンと、2μMレチノイン酸(RA;Sigma−Aldrich)と、20ng/mL FGF7とを含有するDMEM:F12を毎日供給した。平行陰性対照ウェルは、2% FCS(段階2)又は1% B27(段階3)を含有するがあらゆるその他の添加剤を含有しないDMEM:F12基本培地にずっと維持された。
【0233】
H9ヒト胚細胞の平行培養物はMEFフィーダー層の上で増殖され、膵臓内胚葉へと分化した。胚体内胚葉分化は、異なる濃度の阻害化合物と100ng/mLアクチビンAと共に、1日目は血清を含有せず、2日及び3日目は0.2% FCSを含有するRPMI−1640(Invitrogen)からなる培地で細胞を培養することで達成された。陽性対照ウェルは、100ng/mLアクチビンAと20ng/mL Wnt3a(RD Biosystems)とを含有するが試験化合物が存在しない状態の(血清を有する又は有さない)基本培地を収容した。陰性対照ウェルは、アクチビンA、Wnt3a、又は試験化合物のない状態で血清を有する又は有さない同じ基本培地を収容した。アッセイ2日目にアッセイウェルを吸引し、同一濃度の試験化合物又は対照溶液を再度供給した。3日目に、全アッセイウェルは吸引され、試験化合物又はWnt3aの両方がない状態で2%FCS及び100ng/mLアクチビンAで補充されたRPMI−1640が供給された。平行陰性対照ウェルは、3日目は2%FCSを含有するRPMI−1640基本培地に維持された。細胞を4日間処理し、2%FCSと0.25mM KAADシクロパミン(EMD Biosciences)と、50ng/mL FGF10(RD Biosystems)とを含有するRPMI−1640基本培地を毎日供給することによって、細胞を膵臓内胚葉に分化させた。続いて、細胞を3日間処理し、1% B27(Invitrogen)と0.25mM KAADシクロパミンと2mMレチノイン酸(RA;Sigma−Aldrich)と50ng/mL FGF10とを含有するRPMI−1640を毎日供給した。平行陰性対照ウェルは、2% FCS(段階2)又は1% B27(段階3)を含有するがあらゆるその他の添加剤を含有しないRPMI−1640基本培地にずっと維持された。
【0234】
アッセイ評価:分化の最後に、細胞をリアルタイムPCRによって実施例8に記載の通りに遺伝子発現に関して検査した。高含量蛍光染色のため、6ウェルプレートの細胞をPBSで2回洗浄し、4%パラホルムアルデヒドで室温で20分間固定し、PBSで更に3回洗浄し、次に0.5%Triton X−100を用いて室温で20分間透明処理した。固定及び透明処理の後、細胞を再度PBSで3回洗浄し、室温で30分間PBS中において4%ニワトリ血清(Invitrogen)でブロックした。一次抗体(ヤギ抗ヒトPdx1;Santa Cruz)を4%ニワトリ血清で1:100に希釈し、室温で2時間細胞に添加した。Alexa Fluor488共役二次抗体(ニワトリ抗ヤギIgG;Molecular Probes)をPBSで1:200に希釈し、細胞をPBSで3回洗浄した後各ウェルに添加した。細胞核を対比染色するために、2μg/mL Hoechst 33342(Invitrogen)を室温で10分間添加した。細胞をPBSで一度洗浄し、画像化するために100μL/ウェルPBS中に放置した。
【0235】
Hoechst 33342及びAlexa Fluor 488で染色された細胞用の51008bs二色性を利用するIN Cell Analyzer 1000(GE Healthcare)を使用して細胞を撮像した。暴露時間は、陽性対照ウェル、及び二次抗体のみで染色されたウェルを用いて最適化された。処理及び染色手順の間のあらゆる細胞消失を補償するために、1ウェル当たり15の領域を得た。各ウェルごとの全細胞の数及び全Pdx1強度の測定値を、IN Cell Developer Toolbox 1.7(GE Healthcare)ソフトウェアを使用して得た。グレイスケール・レベル(基準線範囲100〜300)及び核サイズに基づいて、細胞核のセグメンテーションを決定した。各複製データセットに関して平均値及び標準偏差を計算した。全Pdx1タンパク質発現量は、細胞×細胞の面積の全蛍光量として定義される全強度又は積分強度として報告された。300〜3000のグレイスケール範囲の判定基準に基づいて背景を消去した。全強度データは、各ウェルごとの全強度をWnt3a/アクチビンA陽性対照の平均全強度で割って正規化された。各複製セットごとの平均値及び標準偏差に関する正規化データが計算された。
【0236】
定量PCR用の細胞をRLT緩衝液(Qiagen)に溶解し、次にRNAを抽出、精製しかつcDNAを合成するために処理した。RNAサンプルを、エタノール−含有、高塩濃度緩衝液の存在下、シリカゲル膜(Rneasy Mini Kit,Qiagen,CA)に結合させた後、混入物を洗浄することにより精製した。RNAをTURBO DNA−フリーキット(Ambion、INC)を使用して更に精製し、次いで高品質RNAを水中に溶出した。収率及び純度を分光光度計のA260及びA280測定値によって評価した。Applied Biosystems、Inc.(ABI,CA)大容量cDNAアーカイブキットを用いて精製したRNAからcDNAコピーを作製した。
【0237】
特に指定のない限り、リアルタイムPCR増幅及び定量化のための全ての試薬はABIから購入した。ABI PRISM7900配列検出システムを使用して、リアルタイムPCR反応を行った。TAQMAN UNIVERSAL PCR MASTER MIXを、20ngの逆転写RNAと共に、20μLの全反応容積にて使用した。各cDNAサンプルを2回使用(run)して、ピペッティング誤差に関して補正した。プライマー及びFAM標識TAQMANプローブを濃度200nMで使用した。各標的遺伝子に関する発現レベルを、以前にABIにより開発されたヒトグリセルアルデヒド−3−リン酸デヒドロゲナーゼ(GAPDH)内在性対照を使用して正規化した。プライマー及びプローブの組合せを次に示す:PDX1(Hs00236830_m1)、GAPDH(4310884E)、及びHNF6(Hs00413554_m1)。
【0238】
最初50℃で2分間、次いで95℃で10分間のインキュベーションの後、サンプルを2段階、即ち、−95℃で15秒間の変性過程と、その後の60℃で1分間のアニーリング/伸長過程と、で40回サイクルした。GENEAMPO7000配列検出システムソフトウエアを使用して、データ解析を行った。各プライマー/プローブセットに関して、増幅の指数関数領域の中央において蛍光強度が特定の値に到達したサイクル数としてのCt値を決定した。比較Ct法を使用して、相対的な遺伝子発現レベルを計算した。手短に言えば、各cDNAサンプルに関して、内在性対照Ct値を関心対象遺伝子のCtから減算して、ΔCt値(ΔCt)を得た。標的の正規化した量を2−ΔCtとして計算し、増幅を100%効率と仮定した。最終的なデータを、標準物質サンプルに関して表した。
【0239】
結果
8つのGSK−3β酵素阻害剤に関する結果が示されている。高含量分析で得た図1に示されるデータは、H1hES細胞系の細胞の数(パネルA)及びPdx1強度(パネルB)に与える影響を示しており、それぞれのデータ点は二重サンプルセットからの平均であり、同一領域及びウェルからパラメータごとに見つけ出された。リアルタイムPCRで得た図12に示されるデータは、これら小分子阻害剤が2つの転写因子であるPdx1及びHNF6の誘導発現に与える影響を示している。これらの実施例において、Pdx1及びHNF6の発現は膵臓内胚葉分化を示している。これらのアッセイのGSK3β阻害化合物は、細胞系列へのコミットメントの早期段階中にWnt3aの代替となることができ、結果生じる細胞は、分化の続いて起こる後期段階中に膵臓内胚葉を形成する能力を維持する。
【0240】
(実施例10)
GSK−3β酵素阻害剤が膵臓内分泌細胞の形成に与える影響
胚体内胚葉の誘導の間にGSK3β阻害剤で処理することが、例えば、膵臓内分泌細胞又はインスリン産生細胞などの他の細胞型のその後の分化を阻害しないこと証明することが重要であった。ヒットの選択したサブセットを、膵臓ホルモンの発現を促進する能力に関して試験した。
【0241】
アッセイのための細胞調製:実施例9に記載した方法に従って得た膵臓内胚葉細胞(96ウェルプレート及び24ウェルプレート上で培養した)を、続いて、細胞を膵臓ホルモン発現細胞に分化させる薬剤にさらした。
【0242】
MATRIGEL(商標)上のH1ヒト胚幹細胞系の培養物のアッセイは、各ウェルの細胞単層から培養液を吸引し、続いてPBSで3回洗浄して残留増殖因子及び血清を除去することによって、実施例7〜9に記載の通りに開始された。胚体内胚葉へ分化させるために、0.5% FCSを有する培地と、100ng/mLアクチビンAを有しWnt3aを有さない異なる濃度の阻害化合物とを含有する試験量(24ウェルプレートに関してはウェル当たり0.5mL、96ウェルプレートに関してはウェル当たり100μL)を添加した。陽性対照ウェルは、0.5% FCSと100ng/mLアクチビンAと20ng/mL Wnt3a(RD Biosystems)を有するが、試験化合物のない状態の同じ基本培地を収容した。陰性対照ウェルは、0.5% FCSを有するが、アクチビンA、Wnt3a、又は試験化合物のない状態の同じ基本培地を収容した。アッセイ2日目にアッセイウェルを吸引し、同一濃度の試験化合物又は対照溶液を再度供給した。3日及び4日目に、全アッセイウェルは吸引され、試験化合物又はWnt3aの両方がない状態で2% FCS及び100ng/mLアクチビンAで補充されたDMEM:F12が供給された。平行陰性対照ウェルは、3日、4日、及び5日目は2% FCSを含有するDMEM:F12基本培地に維持された。胚体内胚葉へ分化させるために、細胞を3日間処理し、2% FCSと、0.25μM KAADシクロパミン(EMD Biosciences)と、20ng/mL FGF7(RD Biosystems)とを含有するDMEM:F12基本培地を毎日供給した。続いて細胞を4日間処理し、1% B27(Invitrogen)と、0.25μM KAADシクロパミンと、2μMレチノイン酸(RA;Sigma−Aldrich)と、20ng/mL FGF7とを含有するDMEM:F12を毎日供給した。段階2及び3の間の平行陰性対照ウェルは、2%FCS又は1% B27を含有するがあらゆるその他の添加剤を含有しないDMEM:F12基本培地にずっと維持された。膵臓内胚葉の形成後、細胞を更に6日間継続して処理し、1% B27と、1μM DAPT(γセクレターゼ阻害剤:EMD Biosciences)と、50ng/mL Exendin4(Sigma−Aldrich)とを含有するDMEM:F12基本培地を毎日供給した。次に、細胞を別の3日間連続して処理し、1% B27、50ng/mL Exendin4と、50ng/mL IGF(RD Biosystems)と、50ng/mL HGF(RD Biosystems)とを含有するDMEM:F12基本培地を毎日供給した。平行陰性対照ウェルは、1%B27を含有するがあらゆるその他の添加剤を含有しないDMEM:F12基本培地にずっと維持された。
【0243】
アッセイ評価:培養の最後に、高含量分析又はリアルタイムPCRによって評価するために細胞を実施例7及び8と同様に処理した。
【0244】
高含量蛍光染色のため、96ウェルプレートの細胞をPBSで2回洗浄し、4%パラホルムアルデヒドで室温で20分間固定し、PBSで更に3回洗浄し、次に0.5% Triton X−100を用いて室温で20分間透明処理した。固定及び透明処理の後、細胞をPBSで再度3回洗浄し、次に、室温で30分間PBS中において4%ニワトリ血清(Invitrogen)でブロックした。一次抗体(モルモット抗ブタインスリン、ヒトインスリンと交差反応する;DakoCytomation)を4%ヤギ血清で1:500に希釈し、細胞に室温で1時間添加した。細胞をPBSで3回洗浄し、次に、4%ヤギ血清で1:100に希釈したAlexa Fluor 488共役二次抗体(ヤギ抗モルモットIgG;分子プローブ)で染色した。細胞核を対比染色するために、2μg/mL Hoechst 33342(Invitrogen)を室温で10分間添加した。細胞をPBSで一度洗浄し、画像化するために100μL/ウェルPBS中に放置した。
【0245】
Hoechst 33342及びAlexa Fluor 488で染色された細胞用の51008bs二色性を利用するIN Cell Analyzer 1000(GE Healthcare)を使用して細胞を撮像した。暴露時間は、陽性対照ウェル、及び二次抗体のみで染色されたウェルを用いて最適化された。処理及び染色手順の間のあらゆる細胞消失を補償するために、1ウェル当たり15の領域を得た。各ウェルごとの全細胞の数及び全インスリン強度の測定値を、IN Cell Developer Toolbox 1.7(GE Healthcare)ソフトウェアを使用して得た。グレイスケール・レベル(基準線範囲100〜300)及び核サイズに基づいて、細胞核のセグメンテーションを決定した。各複製セットごとの平均値及び標準偏差が計算された。全インスリンタンパク質発現量は、細胞×細胞の面積の全蛍光量として定義される全強度又は積分強度として報告された。300〜3000のグレイスケール範囲の判定基準に基づいて背景を消去した。全強度データは、各ウェルごとの全強度をWnt3a/アクチビンA陽性対照の平均全強度で割って正規化された。各三重セットごとの平均値及び標準偏差に関する正規化データが計算された。
【0246】
定量PCR用の細胞をRLT緩衝液(Qiagen)に溶解し、次にRNAを抽出、精製しかつcDNAを合成するために処理した。RNAサンプルを、エタノール−含有、高塩濃度緩衝液の存在下、シリカゲル膜(Rneasy Mini Kit,Qiagen,CA)に結合させた後、混入物を洗浄することにより精製した。RNAをTURBO DNA−フリーキット(Ambion,INC)を使用して更に精製し、次いで高品質RNAを水中に溶出した。収率及び純度を分光光度計のA260及びA280測定値によって評価した。Applied Biosystems、Inc.(ABI,CA)大容量cDNAアーカイブキットを用いて精製したRNAからcDNAコピーを作製した。
【0247】
特に指定のない限り、リアルタイムPCR増幅及び定量化のための全ての試薬はABIから購入した。ABI PRISM(登録商標)7900配列検出システムを使用して、リアルタイムPCR反応を行った。TAQMAN(登録商標)UNIVERSAL PCR MASTER MIX(登録商標)(ABI,CA)を、20ngの逆転写RNAと共に、20μLの全反応容積にて使用した。各cDNAサンプルを2回使用(run)して、ピペッティング誤差に関して補正した。プライマー及びFAM−ラベルTAQMAN(登録商標)プローブを、濃度200nMにて使用した。各標的遺伝子に関する発現レベルを、以前にABIにより開発されたヒトグリセルアルデヒド−3−リン酸デヒドロゲナーゼ(GAPDH)内在性対照を使用して正規化した。プライマー及びプローブの組合せを次に示す:PDX1(Hs00236830_m1)、インスリン(Hs00355773)、及びGAPDH(4310884E)。
【0248】
最初50℃で2分間、次いで95℃で10分間のインキュベーション後、サンプルを2段階、即ち、−95℃で15秒間の変性過程と、その後の60℃で1分間のアニーリング/伸長過程と、で40回サイクルした。GENEAMP(登録商標)7000配列検出システムソフトウエアを使用して、データ解析を行った。各プライマー/プローブセットに関して、増幅の指数関数領域の中央において蛍光強度が特定の値に到達したサイクル数としてのCt値を決定した。比較Ct法を使用して、相対的な遺伝子発現レベルを計算した。手短には、各cDNAサンプルに関して、内在性対照Ct値を関心対象遺伝子のCtから減算して、Ct値(ΔCt)を得た。標的の正規化した量を2−ΔCt、として計算し、増幅を100%効率と仮定した。最終的なデータを、標準物質サンプルに関して表した。
【0249】
結果
8つのGSK−3B酵素阻害剤に関する結果が示されている。高含量分析で得た図13に示されるデータは、H1hES細胞系の細胞の数(パネルA)及びインスリン強度(パネルB)に与える化合物の影響を示しており、それぞれのデータ点は三重セットからの平均であり、同一領域及びウェルからパラメータごとに見つけ出された。リアルタイムPCRで得た図14に示されるデータは、Pdx1及びインスリンに対する化合物の影響を示している。これらの実施例において、Pdx1及びインスリンの発現は膵臓内胚葉分化及びホルモン陽性細胞の生成を示している。これらのアッセイの選択GSK3β阻害化合物は、インスリン免疫染色及びリアルタイムPCRの両方から明らかなように、細胞系列へのコミットメントの早期段階中にWnt3aの代替となることができ、分化の続いて起こる後期段階中に膵臓β細胞の形成を誘導しかつ維持することができる。
【0250】
(実施例11)
膵臓内分泌細胞の形成に与えるGSK−3β酵素阻害剤の相加効果
細胞運命決定の複数段階の間に添加される場合は、GSK3β阻害剤で処理することにより膵臓β細胞の分化を改善することができることを証明することが重要であった。ヒットの選択サブセットを、膵臓ホルモン陽性細胞に関連するインスリンの発現を促進するために逐次定期的な添加によって試験した。
【0251】
アッセイ用細胞の調製:アッセイのための細胞調製:実施例9及び10に記載した方法に従って得た膵臓内胚葉細胞を(96ウェルプレート上で培養した)、続いて、後細胞を膵臓ホルモン発現細胞に分化させる薬剤にさらした。
【0252】
MATRIGEL(商標)上のH1ヒト胚幹細胞系の培養物のアッセイは、各ウェルの細胞単層から培養液を吸引し、続いてPBSで3回洗浄して残留増殖因子及び血清を除去することによって、実施例7〜9に記載の通りに開始された。胚体内胚葉へ分化させるために、0.5% FCSを有する培地と、100ng/mLアクチビンAを有しWnt3aを有さない異なる濃度の阻害化合物とを含有する試験量(96ウェルプレートに関してはウェル当たり100μL)を添加した。陽性対照ウェルは、試験化合物がない状態で基本培地と0.5% FCSと100ng/mLアクチビンAと20ng/mL Wnt3a(RD Biosystems)とを収容した。陰性対照ウェルは、0.5% FCSを有するが、アクチビンA、Wnt3a、又は試験化合物のない状態の同じ基本培地を収容した。アッセイ2日目にアッセイウェルを吸引し、同一濃度の試験化合物又は対照溶液を再度供給した。3日、4日及び5日目に、全アッセイウェルは吸引され、試験化合物又はWnt3aの両方がない状態で2% FCS及び100ng/mLアクチビンAで補充されたDMEM:F12が供給された。平行陰性対照ウェルは、3日、4日及び5日目は2%FCSを有するDMEM:F12に維持された。胚体内胚葉へ分化させるために、細胞を3日間処理し、2% FCSと、0.25μM KAADシクロパミン(EMD Biosciences)と、20ng/mL FGF7(RD Biosystems)とを含有するDMEM:F12基本培地を毎日供給した。続いて細胞を4日間処理し、1% B27(Invitrogen)と、0.25μM KAADシクロパミンと、2μMレチノイン酸(RA;Sigma−Aldrich)と、20ng/mL FGF7とを含有するDMEM:F12を毎日供給した。平行陰性対照ウェルは、2% FCS又は1%B27を含有するがあらゆるその他の添加剤を含有しないDMEM:F12基本培地にずっと維持された。膵臓内胚葉の形成後、細胞を更に6日間継続して処理し、1% B27と、1μM DAPT(γセクレターゼ阻害剤:EMD Biosciences)と、50ng/mL Exendin 4(Sigma−Aldrich)と、1μM TGFbeta R1阻害剤II(ALK5阻害剤:EMD Biosciences)とを含有するDMEM:F12基本培地を隔日で供給した。この6日間の間、GSK3β阻害剤を、分化の開始時の前回の処理と同じ濃度を用いてそれぞれにウェルに加え戻した。次に、細胞を別の3日間連続して処理し、1% B27、50ng/mL Exendin 4と、50ng/mL IGF(RD Biosystems)と、50ng/mL HGF(RD Biosystems)と、1μM TGFβ R1阻害剤II(ALK5阻害剤;EMD Biosciences)とを含有するDMEM:F12基本培地を隔日で供給した。この3日間の間、GSK3β阻害剤を、分化の開始時の前回の処理と同じ濃度を用いてそれぞれにウェルに加え戻した。陽性対照ウェルの平行セットを20ng/mL Wnt3aの存在下又は非存在下で処理した。平行陰性対照ウェルは、1%B27を含有するがあらゆるその他の添加剤を含有しないDMEM:F12基本培地にずっと維持された。
【0253】
アッセイ評価:アッセイ評価:培養の最後に、高含量分析によって評価するために細胞を上記実施例10と同様に処理した。
【0254】
高含量蛍光染色のため、96ウェルプレートの細胞をPBSで2回洗浄し、4%パラホルムアルデヒドで室温で20分間固定し、PBSで更に3回洗浄し、次に0.5% Triton X−100を用いて室温で20分間透明処理した。固定及び透明処理の後、細胞をPBSで再度3回洗浄し、次に、室温で30分間PBS中において4%ニワトリ血清(Invitrogen)でブロックした。一次抗体(モルモット抗ブタインスリン、ヒトインスリンと交差反応する;DakoCytomation)を4%ニワトリ血清で1:500に希釈し、室温で1時間細胞に添加した。細胞をPBSで3回洗浄し、次に、4%ヤギ血清で1:100に希釈したAlexa Fluor 488共役二次抗体(ヤギ抗モルモットIgG;分子プローブ)で染色した。細胞核を対比染色するために、2μg/mLのHoechst 33342(Invitrogen)を室温で10分間添加した。細胞をPBSで一度洗浄し、画像化するために100μL/ウェルPBS中に放置した。
【0255】
Hoechst 33342及びAlexa Fluor 488で染色された細胞用の51008bs二色性を利用するIN Cell Analyzer 1000(GE Healthcare)を使用して細胞を撮像した。暴露時間は、陽性対照ウェル、及び二次抗体のみで染色されたウェルを用いて最適化された。処理及び染色手順の間のあらゆる細胞消失を補償するために、1ウェル当たり15の領域を得た。各ウェルごとの全細胞の数及び全インスリン強度の測定値を、IN Cell Developer Toolbox 1.7(GE Healthcare)ソフトウェアを使用して得た。グレイスケール・レベル(基準線範囲100〜300)及び核サイズに基づいて、細胞核のセグメンテーションを決定した。各複製データセットに関して平均値及び標準偏差を計算した。全インスリンタンパク質発現量は、細胞×細胞の面積の全蛍光量として定義される全強度又は積分強度として報告された。300〜3000のグレイスケール範囲の判定基準に基づいて背景を消去した。全強度データは、各ウェルごとの全強度をWnt3a/アクチビンA陽性対照の平均全強度で割って正規化された。各三重セットごとの平均値及び標準偏差に関する正規化データが計算された。
【0256】
結果
8つのGSK−3B酵素阻害剤に関する結果が示されている。高含量分析で得た図15に示されるデータは、H1hES細胞系の細胞の数(パネルA)及びインスリン強度(パネルB)に与える化合物の影響を示しており、それぞれのデータ点は三重セットからの平均であり、同一領域及びウェルからパラメータごとに見つけ出された。この実施例では、インスリンの発現はホルモン陽性膵臓細胞への分化を示している。これらのアッセイの選択GSK3B阻害化合物は、細胞系列へのコミットメントの早期段階中にWnt3aの代替となることができ、後期段階で添加される場合、陽性対照サンプルに比べて高度のインスリン発現を促進すると思われる。
【0257】
本明細書を通して引用された刊行物は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。以上、本発明の様々な態様を実施例及び好ましい実施形態を参照して説明したが、本発明の範囲は、上記の説明文によってではなく、特許法の原則の下で適切に解釈される以下の特許請求の範囲によって定義されるものである点は認識されるであろう。
【0258】
【表5】
【0259】
【表6】
【0260】
【表7−1】
【0261】
【表7−2】
【0262】
【表7−3】
【0263】
【表7−4】
【0264】
【表7−5】
【0265】
【表7−6】
【0266】
【表8−1】
【0267】
【表8−2】
【0268】
【表9−1】
【0269】
【表9−2】
【0270】
【表9−3】
【0271】
【表9−4】
【0272】
【表9−5】
【0273】
【表9−6】
【0274】
【表9−7】
【0275】
【表10】
【0276】
【表11−1】
【0277】
【表11−2】
【0278】
【表11−3】
【0279】
【表11−4】
【0280】
【表11−5】
【0281】
【表11−6】
【0282】
【表11−7】
【0283】
【表12】
【0284】
【表13】
【0285】
【表14】
【0286】
【表15】
【0287】
【表16】
【図1A】
【図1B】
【図2A】
【図2B】
【図3A】
【図3B】
【図4A】
【図4B】
【図5A】
【図5B】
【図6A】
【図6B】
【図7A】
【図7B】
【図8A】
【図8B】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
多能性細胞を増殖及び分化するための方法であって、
a.前記多能性細胞を培養する過程と、
b.前記多能性細胞をGSK−3Bの酵素活性阻害剤で処理する過程と、を含む方法。
【請求項2】
前記多能性細胞が胚幹細胞である、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記多能性細胞が、胚幹細胞由来の多能性マーカーを発現する細胞である、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記多能性マーカーを発現する細胞が、ABCG2、クリプト、FoxD3、Connexin43、Connexin45、Oct4、SOX−2、Nanog、hTERT、UTF−1、ZFP42、SSEA−3、SSEA−4、Tra1−60、及びTra1−81からなる群から選択される多能性マーカーのうちの少なくとも1つを発現する、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記多能性細胞が胚体内胚葉系統に特徴的なマーカーを発現する細胞に分化される、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記多能性細胞が前記GSK−3Bの酵素活性阻害剤で約1〜約72時間処理される、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記多能性細胞が前記GSK−3Bの酵素活性阻害剤で約12〜約48時間処理される、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記多能性細胞が前記GSK−3Bの酵素活性阻害剤で約48時間処理される、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記GSK−3Bの酵素活性阻害剤が濃度約100nM〜約100μMで用いられる、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記GSK−3Bの酵素活性阻害剤が濃度約1μM〜約10μMで用いられる、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
前記GSK−3Bの酵素活性阻害剤が濃度約10μMで用いられる、請求項1に記載の方法。
【請求項12】
前記GSK−3Bの酵素活性阻害剤が式(I)の化合物である、請求項1に記載の方法:
【化1】
式(I)
【請求項13】
R1が、フェニル、置換フェニル(ここで該フェニル置換基はC1〜5アルキル、ハロゲン、ニトロ、トリフルオロメチル及びニトリルからなる群から選択される)、又はピリミジニルである、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
R2がフェニル、置換フェニル(ここで該フェニル置換基はC1〜5アルキル、ハロゲン、ニトロ、トリフルオロメチル及びニトリルからなる群から選択される)、又は任意にC1〜4アルキルで置換されていてもよいピリミジニルであり、及びR1及びR2の少なくとも一方はピリミジニルである、請求項12に記載の方法。
【請求項15】
R3は水素、2−(トリメチルシリル)エトキシメチル、C1〜5アルキルカルボニル、アリールオキシカルボニル、アリールC1〜5アルキルオキシカルボニル、アリールC1〜5アルキル、置換アリールC1〜5アルキル(ここで該1つ以上のアリール置換基は、独立して、C1〜5アルキル、C1〜5アルコキシ、ハロゲン、アミノ、C1〜5アルキルアミノ、及びジC1〜5アルキルアミノからなる群から選択される)、フタルイミドC1〜5アルキル、アミノC1〜5アルキル、ジアミノC1〜5アルキル、スクシンイミドC1〜5アルキル、C1〜5アルキルカルボニル、アリールカルボニル、C1〜5アルキルカルボニルC1〜5アルキル及びアリールオキシカルボニルC1〜5アルキルアルキルである、請求項12に記載の方法。
【請求項16】
R4が−(A)−(CH2)q−Xである、請求項12に記載の方法。
【請求項17】
Aが、ビニレン、エチニレン、又は
【化2】
である、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
R5が、水素、C1〜5アルキル、フェニル及びフェニルC1〜5アルキルからなる群から選択される、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
qが0〜9である、請求項16に記載の方法。
【請求項20】
Xが、水素、ヒドロキシ、ビニル、置換ビニル(ここで該1つ以上のビニル置換基はそれぞれ、フッ素、臭素、塩素、及びヨウ素から選択される)、エチニル、置換エチニル(ここで該エチニル置換基は、フッ素、臭素塩素、及びヨウ素からなる群から選択される)、C1〜5アルキル、置換されたC1〜5アルキル(ここで該1つ以上のアルキル置換基はそれぞれ、C1〜5アルコキシ、トリハロアルキル、フタルイミド、及びアミノからなる群から選択される)、C3〜7シクロアルキル、C1〜5アルコキシ、置換されたC1〜5アルコキシ(ここで該アルキル置換基は、フタルイミド及びアミノからなる群から選択される)、フタルイミドオキシ、フェノキシ、置換フェノキシ(ここで該1つ以上のフェニル置換基はそれぞれ、C1〜5アルキル、ハロゲン、及びC1〜5アルコキシからなる群から選択される)、フェニル、置換フェニル(ここで該1つ以上のフェニル置換基はそれぞれ、C1〜5アルキル、ハロゲン、及びC1〜5アルコキシからなる群から選択される)、アリールC1〜5アルキル、置換アリールC1〜5アルキル(ここで該1つ以上のアリール置換基はそれぞれ、C1〜5アルキル、ハロゲン、及びC1〜5アルコキシからなる群から選択される)、アリールオキシC1〜5アルキルアミノ、C1〜5アルキルアミノ、ジC1〜5アルキルアミノ、ニトリル、オキシム、ベンジルオキシイミノ(Benxyloxyimino)、C1〜5アルキルオキシイミノ、フタルイミド、スクシンイミド、C1〜5アルキルカルボニルオキシ、フェニルカルボニルオキシ、置換フェニルカルボニルオキシ(ここで該1つ以上のフェニル置換基はそれぞれ、C1〜5アルキル、ハロゲン、及びC1〜5アルコキシからなる群から選択される)、フェニルC1〜5アルキルカルボニルオキシ(ここで該1つ以上のフェニル置換基はそれぞれ、C1〜5アルキル、ハロゲン、及びC1〜5アルコキシからなる群から選択される)、アミノカルボニルオキシ、C1〜5アルキルアミノカルボニルオキシ、ジC1〜5アルキルアミノカルボニルオキシ、C1〜5アルキルカルボニルオキシ、置換されたC1〜5アルキルカルボニルオキシ(ここで該1つ以上のアルキル置換基はそれぞれ、メチル、エチル、イソプロピル、及びヘキシルからなる群から選択される)、フェノキシカルボニルオキシ、置換フェノキシカルボニルオキシ(ここで該1つ以上のフェニル置換基はそれぞれ、C1〜5アルキル、C1〜5アルコキシ、及びハロゲンからなる群から選択される)、C1〜5アルキルチオ、置換されたC1〜5アルキルチオ(ここで該アルキル置換基は、ヒドロキシ及びフタルイミドからなる群から選択される)、C1〜5アルキルスルホニル、フェニルスルホニル、置換フェニルスルホニル(ここで該1つ以上のフェニル置換基はそれぞれ、臭素、フッ素、塩素、C1〜5アルコキシ、及びトリフルオロメチルからなる群から選択される);但し、Aが
【化3】
qが0、及びXがHの場合は、R3は2−(トリメチルシリル)エトキシメチルでなくてもよい];及びその薬学上許容し得る塩、からなる群から選択される、請求項16に記載の方法。
【請求項21】
R1が置換フェニルであり、R2がピリミジン−3−イルである、請求項12に記載の方法。
【請求項22】
R1が4−フルオロフェニルである、請求項12に記載の方法。
【請求項23】
R3が、水素、アリールC1〜5アルキル、又は置換アリールC1〜5アルキルである、請求項12に記載の方法。
【請求項24】
R3が水素又はフェニルC1〜5アルキルである、請求項12に記載の方法。
【請求項25】
Aがエチニレンであり、qが0〜5である、請求項16に記載の方法。
【請求項26】
Xが、スクシンイミド、ヒドロキシ、メチル、フェニル、C1〜5アルキルスルホニル、C3〜6シクロアルキル、C1〜5アルキルカルボニルオキシ、C1〜5アルコキシ、フェニルカルボニルオキシ、C1〜5アルキルアミノ、ジC1〜5アルキルアミノ又はニトリルである、請求項16に記載の方法。
【請求項27】
前記式1の化合物が、4−(4−フルオロフェニル)−2−(4−ヒドロキシブチン−1−イル)−1−(3−フェニルプロピル)−5−(4−ピリジル)イミダゾールである、請求項12に記載の方法。
【請求項28】
前記GSK−3Bの酵素活性阻害剤が式(II)の化合物である、請求項1に記載の方法:
【化4】
【請求項29】
Rが、Ra、−C1〜8アルキル−Ra、−C2〜8アルケニル−Ra、−C2〜8アルキニル−Ra及びシアノからなる群から選択される、請求項28に記載の方法。
【請求項30】
Raが、シクロアルキル、複素環、アリール及びヘテロアリールからなる群から選択される、請求項29に記載の方法。
【請求項31】
R1が、水素、−C1〜8アルキル−R5、−C2〜8アルケニル−R5、−C2〜8アルキニル−R5、−C(O)−(C1〜8)アルキル−R9、−C(O)−アリール−R8、−C(O)−O−(C1〜8)アルキル−R9、−C(O)−O−アリール−R8、−C(O)−NH(C1〜8アルキル−R9)、−C(O)−NH(アリール−R8)、−C(O)−N(C1〜8アルキル−R9)2、−SO2−(C1〜8)アルキル−R9、−SO2−アリール−R8、−シクロアルキル−R6、−複素環−R6、−アリール−R6及び−ヘテロアリール−R6からなる群から選択され;ここで、複素環及びヘテロアリールは、複素環又はヘテロアリール環の炭素原子を通して1の位置のアザインドール窒素原子と結合する、請求項28に記載の方法。
【請求項32】
R5が、水素、−O−(C1〜8)アルキル、−O−(C1〜8)アルキル−OH、−O−(C1〜8)アルキル−O−(C1〜8)アルキル、−O−(C1〜8)アルキル−NH2、−O−(C1〜8)アルキル−NH(C1〜8アルキル)、−O−(C1〜8)アルキル−N(C1〜8アルキル)2、−O−(C1〜8)アルキル−S−(C1〜8)アルキル、−O−(C1〜8)アルキル−SO2−(C1〜8)アルキル、−O−(C1〜8)アルキル−SO2−NH2、−O−(C1〜8)アルキル−SO2−NH(C1〜8アルキル)、−O−(C1〜8)アルキル−SO2−N(C1〜8アルキル)2、−O−C(O)H、−O−C(O)−(C1〜8)アルキル、−O−C(O)−NH2、−O−C(O)−NH(C1〜8アルキル)、−O−C(O)−N(C1〜8アルキル)2、−O−(C1〜8)アルキル−C(O)H、−O−(C1〜8)アルキル−C(O)−(C1〜8)アルキル、−O−(C1〜8)アルキル−CO2H、−O−(C1〜8)アルキル−C(O)−O−(C1〜8)アルキル、−O−(C1〜8)アルキル−C(O)−NH2、−O−(C1〜8)アルキル−C(O)−NH(C1〜8アルキル)、−O−(C1〜8)アルキル−C(O)−N(C1〜8アルキル)2、−C(O)H、−C(O)−(C1〜8)アルキル、−CO2H、−C(O)−O−(C1〜8)アルキル、−C(O)−NH2、−C(NH)−NH2、−C(O)−NH(C1〜8アルキル)、−C(O)−N(C1〜8アルキル)2、−SH、−S−(C1〜8)アルキル、−S−(C1〜8)アルキル−S−(C1〜8)アルキル、−S−(C1〜8)アルキル−O−(C1〜8)アルキル、−S−(C1〜8)アルキル−O−(C1〜8)アルキル−OH、−S−(C1〜8)アルキル−O−(C1〜8)アルキル−NH2、−S−(C1〜8)アルキル−O−(C1〜8)アルキル−NH(C1〜8アルキル)、−S−(C1〜8)アルキル−O−(C1〜8)アルキル−N(C1〜8アルキル)2、−S−(C1〜8)アルキル−NH(C1〜8アルキル)、−SO2−(C1〜8)アルキル、−SO2−NH2、−SO2−NH(C1〜8アルキル)、−SO2−N(C1〜8アルキル)2、−N−R7、シアノ,(ハロ)1〜3、ヒドロキシ、ニトロ、オキソ、−シクロアルキル−R6、−複素環−R6、−アリール−R6及び−ヘテロアリール−R6からなる群から独立して選択される1〜2個の置換基である、請求31に記載の方法。
【請求項33】
R6が、水素、−C1〜8アルキル、−C2〜8アルケニル、−C2〜8アルキニル、−C(O)H、−C(O)−(C1〜8)アルキル、−CO2H、−C(O)−O−(C1〜8)アルキル、−C(O)−NH2、−C(NH)−NH2、−C(O)−NH(C1〜8アルキル)、−C(O)−N(C1〜8)アルキル)2、−SO2−(C1〜8)アルキル、−SO2−NH2、−SO2−NH(C1〜8アルキル)、−SO2−N(C1〜8アルキル)2、−(C1〜8)アルキル−N−R7、−(C1〜8)アルキル−(ハロ)1〜3、−(C1〜8)アルキル−OH、−アリール−R8、−(C1〜8)アルキル−アリール−R8及び−(C1〜8)アルキル−ヘテロアリール−R8からなる群から独立して選択される、炭素原子又は窒素原子に結合された1〜4個の置換基である;但し、R6が炭素原子に結合されている場合には、R6は、−C1〜8アルコキシ、−(C1〜8)アルコキシ−(ハロ)1〜3、−SH、−S−(C1〜8)アルキル、−N−R7、シアノ、ハロ、ヒドロキシ、ニトロ、オキソ及び−ヘテロアリール−R8からなる群から更に選択される、請求項31に記載の方法。
【請求項34】
R7が、水素、−C1〜8アルキル、−C2〜8アルケニル、−C2〜8アルキニル、−(C1〜8)アルキル−OH、−(C1〜8)アルキル−O−(C1〜8)アルキル、−(C1〜8)アルキル−NH2、−(C1〜8)アルキル−NH(C1〜8アルキル)、−(C1〜8)アルキル−N(C1〜8アルキル)2、−(C1〜8)アルキル−S−(C1〜8)アルキル、−C(O)H、−C(O)−(C1〜8)アルキル、−C(O)−O−(C1〜8)アルキル、−C(O)−NH2、−C(O)−NH(C1〜8アルキル)、−C(O)−N(C1〜8アルキル)2、−SO2−(C1〜8)アルキル、−SO2−NH2、−SO2−NH(C1〜8アルキル)、−SO2−N(C1〜8アルキル)2、−C(N)−NH2、−シクロアルキル−R8、−(C1〜8)アルキル−複素環−R8、−アリール−R8、−(C1〜8)アルキル−アリール−R8及び−(C1〜8)アルキル−ヘテロアリール−R8からなる群から独立して選択される2個の置換基である、請求33に記載の方法。
【請求項35】
R8が、水素、−C1〜8アルキル、−(C1〜8)アルキル−(ハロ)1〜3及び−(C1〜8)アルキル−OHからなる群から独立して選択される、炭素原子又は窒素原子に結合された1〜4個の置換基である;但し、R8が炭素原子に結合されている場合には、R8は、−C1〜8アルコキシ、−NH2、−NH(C1〜8アルキル)、−N(C1〜8アルキル)2、シアノ、ハロ、−(C1〜8)アルコキシ−(ハロ)1〜3、ヒドロキシ及びニトロからなる群から更に選択される、請求31に記載の方法。
【請求項36】
R9が、水素、−C1〜8アルコキシ、−NH2、−NH(C1〜8アルキル)、−N(C1〜8アルキル)2、シアノ、(ハロ)1〜3、ヒドロキシ及びニトロからなる群から独立して選択される1〜2個の置換基である、請求31に記載の方法。
【請求項37】
R2が、水素、−C1〜8アルキル−R5、−C2〜8アルケニル−R5、−C2〜8アルキニル−R5、−C(O)H、−C(O)−(C1〜8)アルキル−R9、−C(O)−NH2、−C(O)−NH(C1〜8アルキル−R9)、−C(O)−N(C1〜8アルキル−R9)2、−C(O)−NH(アリール−R8)、−C(O)−シクロアルキル−R8、−C(O)−複素環−R8、−C(O)−アリール−R8、−C(O)−ヘテロアリール−R8、−CO2H、−C(O)−O−(C1〜8)アルキル−R9、−C(O)−O−アリール−R8、−SO2−(C1〜8)アルキル−R9、−SO2−アリール−R8、−シクロアルキル−R6、−アリール−R6及び−(C1〜8)アルキル−N−R7からなる群より独立して選択される、炭素原子又は窒素原子に結合された1個の置換基である;但し、R2が炭素原子に結合されている場合には、R2は、−C1〜8アルコキシ−R5、−N−R7、シアノ、ハロゲン、ヒドロキシ、ニトロ、オキソ、−複素環−R6及び−ヘテロアリール−R6からなる群から更に選択される、請求28に記載の方法。
【請求項38】
R3が、水素、−C1〜8アルキル−R10、−C2〜8アルケニル−R10、−C2〜8アルキニル−R10、−C1〜8アルコキシ−R10、−C(O)H、−C(O)−(C1〜8)アルキル−R9、−C(O)−NH2、−C(O)−NH(C1〜8アルキル−R9)、−C(O)−N(C1〜8アルキル−R9)2、−C(O)−シクロアルキル−R8、−C(O)−複素環−R8、−C(O)−アリール−R8、−C(O)−ヘテロアリール−R8、−C(NH)−NH2、−CO2H、−C(O)−O−(C1〜8)アルキル−R9、−C(O)−O−アリール−R8、−SO2−(C1〜8)アルキル−R9、−SO2−アリール−R8、−N−R7、シアノ、ハロゲン、ヒドロキシ、ニトロ、−シクロアルキル−R8、−複素環−R8、−アリール−R8及び−ヘテロアリール−R8からなる群より独立して選択される、炭素原子に結合された1〜3個の置換基である、請求28に記載の方法。
【請求項39】
R10が、水素、−NH2、−NH(C1〜8アルキル)、−N(C1〜8アルキル)2、シアノ,(ハロ)1〜3、ヒドロキシ、ニトロ及びオキソからなる群から独立して選択される1〜2個の置換基である、請求38に記載の方法。
【請求項40】
R4が、水素、−C1〜8アルキル−R10、−C2〜8アルケニル−R10、−C2〜8アルキニル−R10、−C1〜8アルコキシ−R10、−C(O)H、−C(O)−(C1〜8)アルキル−R9、−C(O)−NH2、−C(O)−NH(C1〜8アルキル−R9)、−C(O)−N(C1〜8アルキル−R9)2、−C(O)−シクロアルキル−R8、−C(O)−複素環−R8、−C(O)−アリール−R8、−C(O)−ヘテロアリール−R8、−C(NH)−NH2、−CO2H、−C(O)−O−(C1〜8)アルキル−R9、−C(O)−O−アリール−R8、−SH、−S−(C1〜8)アルキル−R10、−SO2−(C1〜8)アルキル−R9、−SO2−アリール−R8、−SO2−NH2、−SO2−NH(C1〜8アルキル−R9)、−SO2−N(C1〜8アルキル−R9)2、−N−R7、シアノ、ハロゲン、ヒドロキシ、ニトロ、−シクロアルキル−R8、−複素環−R8、−アリール−R8及び−ヘテロアリール−R8からなる群より独立して選択される、炭素原子に結合された1〜4個の置換基である、請求28に記載の方法。
【請求項41】
R10が、水素、−NH2、−NH(C1〜8アルキル)、−N(C1〜8アルキル)2、シアノ,(ハロ)1〜3、ヒドロキシ、ニトロ及びオキソからなる群から独立して選択される1〜2個の置換基である、請求40に記載の方法。
【請求項42】
Y及びZが、O、S、(H,OH)、及び(H,H)からなる群から独立して選択される;但し、Y及びZの一方がOであり且つ他方がO、S、(H,OH)、及び(H,H)からなる群から選択される;及びそれらの薬学上許容し得る塩である、請求28に記載の方法。
【請求項43】
Rが、Ra、−C1〜4アルキル−Ra、−C2〜4アルケニル−Ra、−C2〜4アルキニル−Ra及びシアノからなる群から選択される、請求28に記載の方法。
【請求項44】
Raが、複素環、アリール及びヘテロアリールからなる群から選択される、請求29に記載の方法。
【請求項45】
Raが、ジヒドロ−ピラニル、フェニル、ナフチル、チエニル、ピロリル、イミダゾリル、ピラゾリル、ピリジニル、アザインドリル、インダゾリル、ベンゾフリル、ベンゾチエニル、ジベンゾフリル及びジベンゾチエニルからなる群から選択される、請求29に記載の方法。
【請求項46】
R1が、水素、−C1〜4アルキル−R5、−C2〜4アルケニル−R5、−C2〜4アルキニル−R5、−C(O)−(C1〜4)アルキル−R9、−C(O)−アリール−R8、−C(O)−O−(C1〜4)アルキル−R9、−C(O)−O−アリール−R8、−C(O)−NH(C1〜4アルキル−R9)、−C(O)−NH(アリール−R8)、−C(O)−N(C1〜4アルキル−R9)2、−SO2−(C1〜4)アルキル−R9、−SO2−アリール−R8、−シクロアルキル−R6、−複素環−R6、−アリール−R6及び−ヘテロアリール−R6からなる群から選択され;ここで、複素環及びヘテロアリールは、複素環又はヘテロアリール環の炭素原子を通して1の位置のアザインドール窒素原子と結合している、請求28に記載の方法。
【請求項47】
R1が、水素、−C1〜4アルキル−R5、−アリール−R6及び−ヘテロアリール−R6からなる群から選択され;ここで、ヘテロアリールは、ヘテロアリール環の炭素原子を通して1の位置のアザインドール窒素原子に結合されている、請求28に記載の方法。
【請求項48】
R1が、水素、−C1〜4アルキル−R5及び−ナフチル−R6からなる群から選択される、請求28に記載の方法。
【請求項49】
R5が、水素、−O−(C1〜4)アルキル、−O−(C1〜4)アルキル−OH、−O−(C1〜4)アルキル−O−(C1〜4)アルキル、−O−(C1〜4)アルキル−NH2、−O−(C1〜4)アルキル−NH(C1〜4アルキル)、−O−(C1〜4)アルキル−N(C1〜4アルキル)2、−O−(C1〜4)アルキル−S−(C1〜4)アルキル、−O−(C1〜4)アルキル−SO2−(C1〜4)アルキル、−O−(C1〜4)アルキル−SO2−NH2、−O−(C1〜4)アルキル−SO2−NH(C1〜4アルキル)、−O−(C1〜4)アルキル−SO2−N(C1〜4アルキル)2、−O−C(O)H、−O−C(O)−(C1〜4)アルキル、−O−C(O)−NH2、−O−C(O)−NH(C1〜4アルキル)、−O−C(O)−N(C1〜4アルキル)2、−O−(C1〜4)アルキル−C(O)H、−O−(C1〜4)アルキル−C(O)−(C1〜4)アルキル、−O−(C1〜4)アルキル−CO2H、−O−(C1〜4)アルキル−C(O)−O−(C1〜4)アルキル、−O−(C1〜4)アルキル−C(O)−NH2、−O−(C1〜4)アルキル−C(O)−NH(C1〜4アルキル)、−O−(C1〜4)アルキル−C(O)−N(C1〜4アルキル)2、−C(O)H、−C(O)−(C1〜4)アルキル、−CO2H、−C(O)−O−(C1〜4)アルキル、−C(O)−NH2、−C(NH)−NH2、−C(O)−NH(C1〜4アルキル)、−C(O)−N(C1〜4アルキル)2、−SH、−S−(C1〜4)アルキル、−S−(C1〜4)アルキル−S−(C1〜4)アルキル、−S−(C1〜4)アルキル−O−(C1〜4)アルキル、−S−(C1〜4)アルキル−O−(C1〜4)アルキル−OH、−S−(C1〜4)アルキル−O−(C1〜4)アルキル−NH2、−S−(C1〜4)アルキル−O−(C1〜4)アルキル−NH(C1〜4アルキル)、−S−(C1〜4)アルキル−O−(C1〜4)アルキル−N(C1〜4アルキル)2、−S−(C1〜4)アルキル−NH(C1〜4アルキル)、−SO2−(C1〜4)アルキル、−SO2−NH2、−SO2−NH(C1〜4アルキル)、−SO2−N(C1〜4アルキル)2、−N−R7、シアノ,(ハロ)1〜3、ヒドロキシ、ニトロ、オキソ、−シクロアルキル−R6、−複素環−R6、−アリール−R6及び−ヘテロアリール−R6からなる群から独立して選択される1〜2個の置換基である、請求31に記載の方法。
【請求項50】
R5が、水素、−O−(C1〜4)アルキル、−N−R7、ヒドロキシ及び−ヘテロアリール−R6からなる群から独立して選択される1〜2個の置換基である、請求31に記載の方法。
【請求項51】
R5が、水素、−O−(C1〜4)アルキル、−N−R7、ヒドロキシ、−イミダゾリル−R6、−トリアゾリル−R6及び−テトラゾリル−R6からなる群から独立して選択される1〜2個の置換基である、請求31に記載の方法。
【請求項52】
R6が、水素、−C1〜4アルキル、−C2〜4アルケニル、−C2〜4アルキニル、−C(O)H、−C(O)−(C1〜4)アルキル、−CO2H、−C(O)−O−(C1〜4)アルキル、−C(O)−NH2、−C(NH)−NH2、−C(O)−NH(C1〜4アルキル)、−C(O)−N(C1〜4)アルキル)2、−SO2−(C1〜4)アルキル、−SO2−NH2、−SO2−NH(C1〜4アルキル)、−SO2−N(C1〜4アルキル)2、−(C1〜4)アルキル−N−R7、−(C1〜4)アルキル−(ハロ)1〜3、−(C1〜4)アルキル−OH、−アリール−R8、−(C1〜4)アルキル−アリール−R8及び−(C1〜4)アルキル−ヘテロアリール−R8からなる群から独立して選択される、炭素原子又は窒素原子に結合された1〜4個の置換基である;但し、R6が炭素原子に結合されている場合には、R6は、−C1〜4アルコキシ、−(C1〜4)アルコキシ−(ハロ)1〜3、−SH、−S−(C1〜4)アルキル、−N−R7、シアノ、ハロ、ヒドロキシ、ニトロ、オキソ及び−ヘテロアリール−R8からなる群から更に選択される、請求31に記載の方法。
【請求項53】
R6が水素である、請求31に記載の方法。
【請求項54】
R7が、水素、−C1〜4アルキル、−C2〜4アルケニル、−C2〜4アルキニル、−(C1〜4)アルキル−OH、−(C1〜4)アルキル−O−(C1〜4)アルキル、−(C1〜4)アルキル−NH2、−(C1〜4)アルキル−NH(C1〜4アルキル)、−(C1〜4)アルキル−N(C1〜4アルキル)2、−(C1〜4)アルキル−S−(C1〜4)アルキル、−C(O)H、−C(O)−(C1〜4)アルキル、−C(O)−O−(C1〜4)アルキル、−C(O)−NH2、−C(O)−NH(C1〜4アルキル)、−C(O)−N(C1〜4アルキル)2、−SO2−(C1〜4)アルキル、−SO2−NH2、−SO2−NH(C1〜4アルキル)、−SO2−N(C1〜4アルキル)2、−C(N)−NH2、−シクロアルキル−R8、−(C1〜4)アルキル−複素環−R8、−アリール−R8、−(C1〜4)アルキル−アリール−R8及び−(C1〜4)アルキル−ヘテロアリール−R8からなる群から独立して選択される2個の置換基である、請求33に記載の方法。
【請求項55】
R7が、水素、−C1〜4アルキル、−C(O)H、−C(O)−(C1〜4)アルキル、−C(O)−O−(C1〜4)アルキル、−SO2−NH2、−SO2−NH(C1〜4アルキル)及び−SO2−N(C1〜4アルキル)2からなる群から独立して選択される2個の置換基である、請求33に記載の方法。
【請求項56】
R8が、水素、−C1〜4アルキル、−(C1〜4)アルキル−(ハロ)1〜3及び−(C1〜4)アルキル−OHからなる群から独立して選択される、炭素原子又は窒素原子に結合された1〜4個の置換基である;但し、R8が炭素原子に結合されている場合には、R8は、−C1〜4アルコキシ、−NH2、−NH(C1〜4アルキル)、−N(C1〜4アルキル)2、シアノ、ハロ、−(C1〜4)アルコキシ−(ハロ)1〜3、ヒドロキシ及びニトロからなる群から更に選択される、請求31に記載の方法。
【請求項57】
R8が水素である、請求31に記載の方法。
【請求項58】
R9が、水素、−C1〜4アルコキシ、−NH2、−NH(C1〜4アルキル)、−N(C1〜4アルキル)2、シアノ,(ハロ)1〜3、ヒドロキシ及びニトロからなる群から独立して選択される1〜2個の置換基である、請求31に記載の方法。
【請求項59】
R9が水素である、請求31に記載の方法。
【請求項60】
R2が、水素、−C1〜4アルキル−R5、−C2〜4アルケニル−R5、−C2〜4アルキニル−R5、−C(O)H、−C(O)−(C1〜4)アルキル−R9、−C(O)−NH2、−C(O)−NH(C1〜4アルキル−R9)、−C(O)−N(C1〜4アルキル−R9)2、−C(O)−NH(アリール−R8)、−C(O)−シクロアルキル−R8、−C(O)−複素環−R8、−C(O)−アリール−R8、−C(O)−ヘテロアリール−R8、−CO2H、−C(O)−O−(C1〜4)アルキル−R9、−C(O)−O−アリール−R8、−SO2−(C1〜4)アルキル−R9、−SO2−アリール−R8、−シクロアルキル−R6、−アリール−R6及び−(C1〜4)アルキル−N−R7からなる群より独立して選択される、炭素原子又は窒素原子に結合された1個の置換基である;但し、R2が炭素原子に結合されている場合には、R2は、−C1〜4アルコキシ−R5、−N−R7、シアノ、ハロゲン、ヒドロキシ、ニトロ、オキソ、−複素環−R6及び−ヘテロアリール−R6からなる群から更に選択される、請求28に記載の方法。
【請求項61】
R2が、水素、−C1〜4アルキル−R5、−C2〜4アルケニル−R5、−C2〜4アルキニル−R5、−CO2H、−C(O)−O−(C1〜4)アルキル−R9、−シクロアルキル−R6、−アリール−R6及び−(C1〜4)アルキル−N−R7からなる群より独立して選択される、炭素原子又は窒素原子に結合された1個の置換基である;但し、R2が窒素原子に結合されている場合には、クオーターニウム塩(quaterniumsalt)は形成されず;そして但し、R2が炭素原子に結合されている場合には、R2は、−C1〜4アルコキシ−R5、−N−R7、シアノ、ハロゲン、ヒドロキシ、ニトロ、オキソ、−複素環−R6及び−ヘテロアリール−R6からなる群から更に選択される、請求28に記載の方法。
【請求項62】
R2が、水素、−C1〜4アルキル−R5及び−アリール−R6からなる群より独立して選択される、炭素原子又は窒素原子に結合された1個の置換基である;但し、R2が窒素原子に結合されている場合には、クオーターニウム塩(quaterniumsalt)は形成されず;そして但し、R2が炭素原子に結合されている場合には、R2は、−N−R7、ハロゲン、ヒドロキシ及び−ヘテロアリール−R6からなる群から更に選択される、請求28に記載の方法。
【請求項63】
R3が、水素、−C1〜4アルキル−R10、−C2〜4アルケニル−R10、−C2〜4アルキニル−R10、−C1〜4アルコキシ−R10、−C(O)H、−C(O)−(C1〜4)アルキル−R9、−C(O)−NH2、−C(O)−NH(C1〜4アルキル−R9)、−C(O)−N(C1〜4アルキル−R9)2、−C(O)−シクロアルキル−R8、−C(O)−複素環−R8、−C(O)−アリール−R8、−C(O)−ヘテロアリール−R8、−C(NH)−NH2、−CO2H、−C(O)−O−(C1〜4)アルキル−R9、−C(O)−O−アリール−R8、−SO2−(C1〜8)アルキル−R9、−SO2−アリール−R8、−N−R7、−(C1〜4)アルキル−N−R7、シアノ、ハロゲン、ヒドロキシ、ニトロ、−シクロアルキル−R8、−複素環−R8、−アリール−R8及び−ヘテロアリール−R8からなる群より独立して選択される、炭素原子に結合された1〜3個の置換基である、請求28に記載の方法。
【請求項64】
R3が、水素、−C1〜4アルキル−R10、−C2〜4アルケニル−R10、−C2〜4アルキニル−R10、−C1〜4アルコキシ−R10、−C(O)H、−CO2H、−NH2、−NH(C1〜4アルキル)、−N(C1〜4アルキル)2、シアノ、ハロゲン、ヒドロキシ及びニトロからなる群から選択される、炭素原子に結合された1個の置換基である、請求28に記載の方法。
【請求項65】
R3が、水素、−C1〜4アルキル−R10、−NH2、−NH(C1〜4アルキル)、−N(C1〜4アルキル)2、ハロゲン及びヒドロキシからなる群から選択される、炭素原子に結合された1個の置換基である、請求28に記載の方法。
【請求項66】
R4が、水素、−C1〜4アルキル−R10、−C2〜4アルケニル−R10、−C2〜4アルキニル−R10、−C1〜4アルコキシ−R10、−C(O)H、−C(O)−(C1〜4)アルキル−R9、−C(O)−NH2、−C(O)−NH(C1〜4アルキル−R9)、−C(O)−N(C1〜4アルキル−R9)2、−C(O)−シクロアルキル−R8、−C(O)−複素環−R8、−C(O)−アリール−R8、−C(O)−ヘテロアリール−R8、−C(NH)−NH2、−CO2H、−C(O)−O−(C1〜4)アルキル−R9、−C(O)−O−アリール−R8、−SH、−S−(C1〜4)アルキル−R10、−SO2−(C1〜4)アルキル−R9、−SO2−アリール−R8、−SO2−NH2、−SO2−NH(C1〜4アルキル−R9)、−SO2−N(C1〜4アルキル−R9)2、−N−R7、シアノ、ハロゲン、ヒドロキシ、ニトロ、−シクロアルキル−R8、−複素環−R8、−アリール−R8及び−ヘテロアリール−R8からなる群より独立して選択される、炭素原子に結合された1〜4個の置換基である、請求28に記載の方法。
【請求項67】
R4が、水素、−C1〜4アルキル−R10、−C2〜4アルケニル−R10、−C2〜4アルキニル−R10、−C1〜4アルコキシ−R10、−C(O)H、−CO2H、−NH2、−NH(C1〜4アルキル)、−N(C1〜4アルキル)2、シアノ、ハロゲン、ヒドロキシ、ニトロ、−シクロアルキル、−複素環、−アリール及び−ヘテロアリールからなる群より独立して選択される、炭素原子に結合された1〜4個の置換基である、請求28に記載の方法。
【請求項68】
R4が、水素、C1〜4アルキル−R10、C1〜4アルコキシ−R10、−NH2、−NH(C1〜4アルキル)、−N(C1〜4アルキル)2、ハロゲン及びヒドロキシからなる群より独立して選択される、炭素原子に結合された1〜4個の置換基である、請求28に記載の方法。
【請求項69】
R4が、水素、C1〜4アルキル−R10、C1〜4アルコキシ−R10、−NH2、−NH(C1〜4アルキル)、−N(C1〜4アルキル)2、塩素、フッ素及びヒドロキシからなる群より独立して選択される、炭素原子に結合された1〜4個の置換基である、請求28に記載の方法。
【請求項70】
R10が、水素、−NH2、−NH(C1〜4アルキル)、−N(C1〜4アルキル)2、シアノ,(ハロ)1〜3、ヒドロキシ、ニトロ及びオキソからなる群から独立して選択される1〜2個の置換基でありる、請求38及び41に記載の方法。
【請求項71】
R10が、水素及び(ハロ)1〜3からなる群から独立して選択される1〜2個の置換基である、請求38及び41に記載の方法。
【請求項72】
R10水素及び(フルオロ)3からなる群から独立して選択される1〜2個の置換基である、請求38及び41に記載の方法。
【請求項73】
Y及びZが、O、S、(H,OH)、及び(H,H)からなる群から独立して選択される;但し、Y及びZの一方がOであり且つ他方がO、S、(H,OH)、及び(H,H)からなる群から選択される、請求28に記載の方法。
【請求項74】
Y及びZが、O及び(H,H)からなる群から独立して選択される;但し、Y及びZの一方がOであり且つ他方がO及び(H,H)からなる群から選択される、請求28に記載の方法。
【請求項75】
Y及びZが独立してOから選択される、請求28に記載の方法。
【請求項76】
前記式IIの化合物が、3−[1−(3−ヒドロキシプロピル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−3−イル]−4−[2−(トリフルオロメチル)フェニル]−1H−ピロール−2,5−ジオンである、請求28に記載の方法。
【請求項77】
前記式IIの化合物が、3−[1−(3−ヒドロキシプロピル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−3−イル]−4−(1−メチル−1H−ピラゾール−3−イル)−1H−ピロール−2,5−ジオンである、請求28に記載の方法。
【請求項78】
前記式IIの化合物が、3−[1−(3−ヒドロキシ−プロピル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−3−イル]−4−ピラジン−2−イル−ピロール−2,5−ジオンである、請求28に記載の方法。
【請求項79】
前記式IIの化合物が、3−(2,4−ジメトキシ−ピリミジン−5−イル)−4−[1−(3−ヒドロキシ−プロピル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−3−イル]−ピロール−2,5−ジオンである、請求28に記載の方法。
【請求項80】
前記式IIの化合物が、4−{3−[4−(2,4−ジメトキシ−ピリミジン−5−イル)−2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−3−イル]−ピロロ[2,3−b]ピリジン−1−イル}−ブチロニトリルである、請求28に記載の方法。
【請求項81】
前記式IIの化合物が、4−{3−[4−(1−メチル−1H−ピラゾール−3−イル)−2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−3−イル]−ピロロ[2,3−b]ピリジン−1−イル}−ブチロニトリルである、請求28に記載の方法。
【請求項82】
前記式IIの化合物が、3−(2,4−ジメトキシ−ピリミジン−5−イル)−4−(1−フェネチル−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−3−イル)−ピロール−2,5−ジオンである、請求28に記載の方法。
【請求項83】
前記GSK−3Bの酵素活性阻害剤が式(III)の化合物である、請求項1に記載の方法:
【化5】
【請求項84】
A及びEが、水素置換された炭素原子及び窒素原子からなる群から独立して選択され;ここで、
【化6】
は、1H−インドール、1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン、1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン及び1H−インダゾールからなる群から独立して選択される、請求83に記載の方法。
【請求項85】
ZがOから選択され;あるいは、Zがジヒドロから選択され;ここで、それぞれの水素原子が単結合で結合されている、請求83に記載の方法。
【請求項86】
R4及びR5が、場合によりオキソで置換されているC1〜8アルキル、C2〜8アルケニル、及びC2〜8アルキニルから独立して選択される、請求83に記載の方法。
【請求項87】
R2が、−C1〜8アルキル−、−C2〜8アルケニル−、−C2〜8アルキニル−、−O−(C1〜8)アルキル−O−、−O−(C2〜8)アルケニル−O−、−O−(C2〜8)アルキニル−O−、−C(O)−(C1〜8)アルキル−C(O)−(式中、該アルキル、アルケニル、及びアルキニル結合基のいずれも、C1〜8アルキル、C1〜8アルコキシ、C1〜8アルコキシ(C1〜8)アルキル、カルボキシル、カルボキシル(C1〜8)アルキル、−C(O)O−(C1〜8)アルキル、−C1〜8アルキル−C(O)O−(C1〜8)アルキル、アミノ(水素及びC1〜4アルキルからなる群から独立して選択された置換基で置換されている)、アミノ(C1〜8)アルキル(式中、アミノは、水素及びC1〜4アルキルからなる群から独立して選ばれた置換基で置換されている)、ハロゲン,(ハロ)1〜3(C1〜8)アルキル、(ハロ)1〜3(C1〜8)アルコキシ、ヒドロキシ、ヒドロキシ(C1〜8)アルキル及びオキソからなる群から独立して選ばれた1個〜4個の置換基で場合により置換されている直炭素鎖であり;そして、式中、該アルキル、アルケニル、及びアルキニル結合基のいずれも、複素環、アリール、ヘテロアリール、複素環(C1〜8)アルキル、アリール(C1〜8)アルキル、ヘテロアリール(C1〜8)アルキル、スピロシクロアルキル、及びスピロ複素環(式中、該シクロアルキル、複素環、アリール、及びヘテロアリール置換基のいずれも、C1〜8アルキル、C1〜8アルコキシ、C1〜8アルコキシ(C1〜8)アルキル、カルボキシル,カルボキシル(C1〜8)アルキル、アミノ(水素及びC1〜4アルキルからなる群から独立して選択された置換基で置換されている)、アミノ(C1〜8)アルキル(式中、アミノは、水素及びC1〜4アルキルからなる群から独立して選択された置換基で置換されている)、ハロゲン,(ハロ)1〜3(C1〜8)アルキル,(ハロ)1〜3(C1〜8)アルコキシ、ヒドロキシ及びヒドロキシ(C1〜8)アルキルからなる群から独立して選択された1個〜4個の置換基で場合により置換されており;そして式中、上記の複素環置換基のいずれも場合によりオキソで置換されている)からなる群から独立して選択された1個〜2個の置換基で場合により置換されている)、シクロアルキル、複素環、アリール、ヘテロアリール(式中、シクロアルキル、複素環、アリール、及びヘテロアリールは、C1〜8アルキル、C1〜8アルコキシ、C1〜8アルコキシ(C1〜8)アルキル、カルボキシル、カルボキシル(C1〜8)アルキル、アミノ(水素及びC1〜4アルキルからなる群から独立して選択された置換基で置換されている)、アミノ(C1〜8)アルキル(式中、アミノは、水素及びC1〜4アルキルからなる群から独立して選ばれた置換基で置換されている)、ハロゲン、(ハロ)1〜3(C1〜8)アルキル,(ハロ)1〜3(C1〜8)アルコキシ、ヒドロキシ及びヒドロキシ(C1〜8)アルキルからなる群から独立して選択された1個〜4個の置換基で場合により置換されており;そして式中、複素環は場合によりオキソで置換されている)、−(O−(CH2)1〜6)0〜5−O−、−O−(CH2)1〜6−O−(CH2)1〜6−O−、−O−(CH2)1〜6−O−(CH2)1〜6−O−(CH2)1〜6−O−、−(O−(CH2)1〜6)0〜5−NR6−、−O−(CH2)1〜6−NR6−(CH2)1〜6−O−、−O−(CH2)1〜6−O−(CH2)1〜6−NR6−、−(O−(CH2)1〜6)0〜5−S−、−O−(CH2)1〜6−S−(CH2)1〜6−O−、−O−(CH2)1〜6−O−(CH2)1〜6−S−、−NR6−、−NR6−NR7−、−NR6−(CH2)1〜6−NR7−、−NR6−(CH2)1〜6−NR7−(CH2)1〜6−NR8−、−NR6−C(O)−、−C(O)−NR6−、−C(O)−(CH2)0〜6−NR6−(CH2)0〜6−C(O)−、−NR6−(CH2)0〜6−C(O)−(CH2)1〜6−C(O)−(CH2)0〜6−NR7−、−NR6−C(O)−NR7−、−NR6−C(NR7)−NR8−、−O−(CH2)1〜6−NR6−(CH2)1〜6−S−、−S−(CH2)1〜6−NR6−(CH2)1〜6−O−、−S−(CH2)1〜6−NR6−(CH2)1〜6−S−、−NR6−(CH2)1〜6−S−(CH2)1〜6−NR7−、及び−SO2−(式中、R6、R7、及びR8は、水素、C1〜8アルキル、C1〜8アルコキシ(C1〜8)アルキル、カルボキシル(C1〜8)アルキル、アミノ(C1〜8)アルキル(式中、アミノは、水素及びC1〜4アルキルからなる群から独立して選択された置換基で置換されている)、ヒドロキシ(C1〜8)アルキル、複素環(C1〜8)アルキル、アリール(C1〜8)アルキル、及びヘテロアリール(C1〜8)アルキル(式中、該複素環、アリール、及びヘテロアリール置換基は、C1〜8アルキル、C1〜8アルコキシ、C1〜8アルコキシ(C1〜8)アルキル、カルボキシル、カルボキシル(C1〜8)アルキル、アミノ(水素及びC1〜4アルキルからなる群から独立して選択された置換基で置換されている)、アミノ(C1〜8)アルキル(式中、アミノは、水素及びC1〜4アルキルからなる群から独立して選択された置換基で置換されている)、ハロゲン、(ハロ)1〜3(C1〜8)アルキル,(ハロ)1〜3(C1〜8)アルコキシ、ヒドロキシ、及びヒドロキシ(C1〜8)アルキルからなる群から独立して選択された1個〜4個の置換基で場合により置換されており;そして式中、複素環は場合によりオキソで置換されている)からなる群から独立して選択される)からなる群から選択され;但し、A及びEが水素置換された炭素原子から選択された場合には、R2は、−C2〜8アルキニル−、−O−(C1〜8)アルキル−O−、−O−(C2〜8)アルケニル−O−、−O−(C2〜8)アルキニル−O−、−C(O)−(C1〜8)アルキル−C(O)−(式中、該アルキル、アルケニル、及びアルキニル結合基のいずれも、C1〜8アルキル、C1〜8アルコキシ、C1〜8アルコキシ(C1〜8)アルキル、カルボキシル、カルボキシル(C1〜8)アルキル、−C(O)O−(C1〜8)アルキル、−C1〜8アルキル−C(O)O−(C1〜8)アルキル、アミノ(水素及びC1〜4アルキルからなる群から独立して選択された置換基で置換されている)、アミノ(C1〜8)アルキル(式中、アミノは、水素及びC1〜4アルキルからなる群から独立して選択された置換基で置換されている)、ハロゲン、(ハロ)1〜3(C1〜8)アルキル,(ハロ)1〜3(C1〜8)アルコキシ、ヒドロキシ、ヒドロキシ(C1〜8)アルキル及びオキソからなる群から独立して選択された1個〜4個の置換基で場合により置換された直炭素鎖であり;そして式中、該アルキル、アルケニル、及びアルキニル結合基のいずれも複素環、アリール、ヘテロアリール、複素環(C1〜8)アルキル、アリール(C1〜8)アルキル、ヘテロアリール(C1〜8)アルキル、スピロシクロアルキル、及びスピロ複素環(式中、該シクロアルキル、複素環、アリール、及びヘテロアリール置換基のいずれも、C1〜8アルキル、C1〜8アルコキシ、C1〜8アルコキシ(C1〜8)アルキル、カルボキシル、カルボキシル(C1〜8)アルキル、アミノ(水素及びC1〜4アルキルからなる群から独立して選択された置換基で置換されている)、アミノ(C1〜8)アルキル(式中、アミノは水素及びC1〜4アルキルからなる群から独立して選択された置換基で置換されている)、ハロゲン、(ハロ)1〜3(C1〜8)アルキル、(ハロ)1〜3(C1〜8)アルコキシ、ヒドロキシ、及びヒドロキシ(C1〜8)アルキルからなる群から独立して選択された1個〜4個の置換基で場合により置換されており;そして式中、該複素環置換基のいずれも場合によりオキソで置換されている)からなる群から独立して選択された1個〜2個の置換基で場合により置換されている)、シクロアルキル(式中、シクロアルキルは、C1〜8アルキル、C1〜8アルコキシ、C1〜8アルコキシ(C1〜8)アルキル、カルボキシル、カルボキシル(C1〜8)アルキル、アミノ(水素及びC1〜4アルキルからなる群から独立して選択された置換基で置換されている)、アミノ(C1〜8)アルキル(式中、アミノは水素及びC1〜4アルキルからなる群から独立して選択された置換基で置換されている)、ハロゲン、(ハロ)1〜3(C1〜8)アルキル、(ハロ)1〜3(C1〜8)アルコキシ、ヒドロキシ、及びヒドロキシ(C1〜8)アルキルからなる群から独立して選択された1個〜4個の置換基で場合により置換されている)、−(O−(CH2)1〜6)1〜5−O−、−O−(CH2)1〜6−O−(CH2)1〜6−O−、−O−(CH2)1〜6−O−(CH2)1〜6−O−(CH2)1〜6−O−、−(O−
(CH2)1〜6)1〜5−NR6−、−O−(CH2)1〜6−NR6−(CH2)1〜6−O−、−O−(CH2)1〜6−O−(CH2)1〜6−NR6−、−(O−(CH2)1〜6)0〜5−S−、−O−(CH2)1〜6−S−(CH2)1〜6−O−、−O−(CH2)1〜6−O−(CH2)1〜6−S−、−NR6−NR7−、−NR6−(CH2)1〜6−NR7−、−NR6−(CH2)1〜6−NR7−(CH2)1〜6−NR8−、−NR9−C(O)−、−C(O)−NR9−、−C(O)−(CH2)0〜6−NR6−(CH2)0〜6−C(O)−、−NR6−(CH2)0〜6−C(O)−(CH2)1〜6−C(O)−(CH2)0〜6−NR7−、−NR6−C(O)−NR7−、−NR6−C(NR7)−NR8−、−O−(CH2)1〜6−NR6−(CH2)1〜6−S−、−S−(CH2)1〜6−NR6−(CH2)1〜6−O−、−S−(CH2)1〜6−NR6−(CH2)1〜6−S−及び−NR6−(CH2)1〜6−S−(CH2)1〜6−NR7−(式中、R6、R7、及びR8は、水素、C1〜8アルキル、C1〜8アルコキシ(C1〜8)アルキル、カルボキシル(C1〜8)アルキル、アミノ(C1〜8)アルキル(式中、アミノは水素及びC1〜4アルキルからなる群から独立して選択された置換基で置換されている)、ヒドロキシ(C1〜8)アルキル、複素環(C1〜8)アルキル、アリール(C1〜8)アルキル、及びヘテロアリール(C1〜8)アルキル(式中、該複素環、アリール及びヘテロアリール置換基は、C1〜8アルキル、C1〜8アルコキシ、C1〜8アルコキシ(C1〜8)アルキル、カルボキシル、カルボキシル(C1〜8)アルキル、アミノ(水素及びC1〜4アルキルからなる群から独立して選択された置換基で置換されている)、アミノ(C1〜8)アルキル(式中、アミノは水素及び水素及びC1〜4アルキル)、ハロゲン,(ハロ)1〜3(C1〜8)アルキル,(ハロ)1〜3(C1〜8)アルコキシ、ヒドロキシ、及びヒドロキシ(C1〜8)アルキルからなる群から独立して選択された1個〜4個の置換基で場合により置換されており;そして式中、複素環は場合によりオキソで置換されている)よりなる群より独立して選ばれ;そして式中、R9は、C1〜8アルキル、C1〜8アルコキシ(C1〜8)アルキル、カルボキシル(C1〜8)アルキル、アミノ(C1〜8)アルキル(式中、アミノは水素及びC1〜4アルキルからなる群から独立して選択された置換基で置換されている)、ヒドロキシ(C1〜8)アルキル、複素環(C1〜8)アルキル、アリール(C1〜8)アルキル及びヘテロアリール(C1〜8)アルキル(式中、該複素環、アリール及びヘテロアリール置換基は、C1〜8アルキル、C1〜8アルコキシ、C1〜8アルコキシ(C1〜8)アルキル、カルボキシル、カルボキシル(C1〜8)アルキル、アミノ(水素及びC1〜4アルキルからなる群から独立して選択された置換基で置換されている)、アミノ(C1〜8)アルキル(式中、アミノは水素及びC1〜4アルキルからなる群から独立して選択された置換基で置換されている)、ハロゲン、(ハロ)1〜3(C1〜8)アルキル,(ハロ)1〜3(C1〜8)アルコキシ、ヒドロキシ及びヒドロキシ(C1〜8)アルキルからなる群から独立して選択された1個〜4個の置換基で場合により置換され;そして式中、複素環は場合によりオキソで置換されている)よりなる群より独立して選ばれる)よりなる群より選ばれる、請求83に記載の方法。
【請求項88】
R1及びR3が、水素、C1〜8アルキル、C2〜8アルケニル、C2〜8アルキニル(式中、アルキル、アルケニル及びアルキニルは、C1〜8アルコキシ、アルコキシ(C1〜8)アルキル、カルボキシル、カルボキシル(C1〜8)アルキル、アミノ(水素及びC1〜4アルキルからなる群から独立して選択された置換基で置換されている)、アミノ(C1〜8)アルキル(式中、アミノは水素及びC1〜4アルキルからなる群から独立して選択された置換基で置換されている)、(ハロ)1〜3、(ハロ)1〜3(C1〜8)アルキル、(ハロ)1〜3(C1〜8)アルコキシ、ヒドロキシ、ヒドロキシ(C1〜8)アルキル及びオキソからなる群から選択された置換基で場合により置換されている)、C1〜8アルコキシ、C1〜8アルキルカルボニル、(ハロ)1〜3(C1〜8)アルコキシ、C1〜8アルキルチオ、アリール、ヘテロアリール(式中、アリール及びヘテロアリールはC1〜8アルキル、C1〜8アルコキシ、アルコキシ(C1〜8)アルキル、カルボキシル、カルボキシル(C1〜8)アルキル、アミノ(水素及びC1〜4アルキルからなる群から独立して選択された置換基で置換されている)、アミノ(C1〜8)アルキル(式中、アミノは水素及びC1〜4アルキルからなる群から独立して選択された置換基で置換されている)、ハロゲン、(ハロ)1〜3(C1〜8)アルキル、(ハロ)1〜3(C1〜8)アルコキシ、ヒドロキシ、及びヒドロキシ(C1〜8)アルキルからなる群から選択された置換基で場合により置換されている)、アミノ(水素及びC1〜4アルキルからなる群から独立して選択された置換基で場合により置換されている)、シアノ、ハロゲン、ヒドロキシ、及びニトロ;及びそれらの薬学上許容し得る塩からなる群から独立して選択される、請求83に記載の方法。
【請求項89】
前記式(III)の化合物が、6,7,9,10,12,13,15,16−オクタヒドロ−23H−5,26:17,22−ジメテノ−5H−ジピリド[2,3−k:3’,2’−q]ピロロ[3,4−n][1,4,7,10,19]トリオキサジアザシクロヘンイコシン−23,25(24H)−ジオンである、請求83に記載の方法。
【請求項90】
前記式(III)の化合物が、10,11,13,14,16,17,19,20,22,23−デカヒドロ−9,4:24,29−ジメテノ−1H−ジピリド[2,3−n:3’,2’−t]ピロロ[3,4−q][1,4,7,10,13,22]テトラオキサジアザシクロテトラコシン−1,3(2H)−ジオンである、請求83に記載の方法。
【請求項91】
前記式(III)の化合物が、10,11,13,14,16,17,19,20,22,23,25,26−ドデカヒドロ−9,4:27,32−ジメテノ−1H−ジピリド[2,3−q:3’,2’−w]ピロロ[3,4−t][1,4,7,10,13,16,25]ペンタオキサジアザシクロヘプタコシン−1,3(2H)−ジオンである、請求83に記載の方法。
【請求項92】
前記式(III)の化合物が、6,7,9,10,12,13−ヘキサヒドロ−20H−5,23:14,19−ジメテノ−5H−ジベンゾ[h,n]ピロロ[3,4−k][1,4,7,16]ジオキサジアザシクロオクタデシン−20,22(21H)−ジオンである、請求83に記載の方法。
【請求項93】
前記式(III)の化合物が、6,7,9,10,12,13,15,16−オクタヒドロ−23H−5,26:17,22−ジメテノ−5H−ジベンゾ[k,q]ピロロ[3,4−n][1,4,7,10,19]トリオキサジアザシクロヘンエイコシン−23,25(24H)−ジオンである、請求83に記載の方法。
【請求項94】
前記式(III)の化合物が、10,11,13,14,16,17,19,20,22,23−デカヒドロ−9,4:24,29−ジメテノ−1H−ジベンゾ[n,t]ピロロ[3,4−q][1,4,7,10,13,22]テトラオキサジアザシクロテトラコシン−1,3(2H)−ジオンである、請求83に記載の方法。
【請求項95】
前記式(III)の化合物が化合物1aである、請求83に記載の方法。
【請求項96】
前記式(III)の化合物が、3−[1−[3−[(2−ヒドロキシエチル)メチルアミノ]プロピル]−1H−インダゾール−3−イル]−4−[1−(3−ピリジニル)−1H−インドール−3−イル]−1H−ピロール−2,5−ジオンである、請求83に記載の方法。
【請求項97】
前記式(III)の化合物が、3,5−ジクロロ−N−[3−クロロ−4−[(3,4,12,12a−テトラヒドロ−1H−[1,4]チアジノ[3,4−c][1,4]ベンゾジアゼピン−11(6H)−イル)カルボニル]フェニル]−ベンズアミドである、請求83に記載の方法。
【請求項98】
前記式(III)の化合物が、3−[1−(2−ヒドロキシ−エチル)−1H−インドール−3−イル]−4−(1−ピリジン−3−イル−1H−インドール−3−イル)−ピロール−2,5−ジオンである、請求83に記載の方法。
【請求項99】
前記式(III)の化合物が、3−(2−メトキシ−フェニル)−4−(1−ピリジン−3−イル−1H−インドール−3−イル)−ピロール−2,5−ジオンである、請求83に記載の方法。
【請求項100】
前記式(III)の化合物が、6−[[2−[[4−(2,4−ジクロロフェニル)−5−(4−メチル−1H−イミダゾール−2−イル)−2−ピリミジニル]アミノ]エチル]アミノ]−3−ピリジンカルボニトリルである、請求83に記載の方法。
【請求項101】
前記式(III)の化合物が、3−(5−クロロ−1−メチル−1H−インドール−3−イル)−4−[1−(3−イミダゾール−1−イル−プロピル)−1H−インダゾール−3−イル]−ピロール−2,5−ジオンである、請求83に記載の方法。
【請求項102】
前記式(III)の化合物が、3−(5−クロロ−1−メチル−1H−インドール−3−イル)−4−[1−(3−[1,2,3]トリアゾール−1−イル−プロピル)−1H−インダゾール−3−イル]−ピロール−2,5−ジオンである、請求83に記載の方法。
【請求項103】
前記式(III)の化合物が、3−[1−(3−ヒドロキシ−プロピル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−3−イル]−4−(1−メチル−1H−ピラゾール−3−イル)−ピロール−2,5−ジオンである、請求83に記載の方法。
【請求項104】
前記式(III)の化合物が化合物10aである、請求83に記載の方法。
【請求項105】
前記式(III)の化合物が、3−[1−(3−ヒドロキシ−3−メチル−ブチル)−1H−インダゾール−3−イル]−4−(1−ピリジン−3−イル−1H−インドール−3−イル)−ピロール−2,5−ジオンである、請求83に記載の方法。
【請求項106】
前記式(III)の化合物が、3−[1−(2−ヒドロキシ−エチル)−1H−インダゾール−3−イル]−4−(1−ピリミジン−5−イル−1H−インドール−3−イル)−ピロール−2,5−ジオンである、請求83に記載の方法。
【請求項107】
前記式(III)の化合物が、3−[1−(2−ヒドロキシ−エチル)−1H−インドール−3−イル]−4−(1−ピリミジン−5−イル−1H−インドール−3−イル)−ピロール−2,5−ジオンである、請求83に記載の方法。
【請求項108】
前記式(III)の化合物が、(11Z)−8,9,10,13,14,15−ヘキサヒドロ−2,6:17,21−ジ(メテノ)ピロロ[3,4−h][1,15,7]ジオキサザシクロトリコシン−22,24(1H,23H)−ジオンである、請求83に記載の方法。
【請求項109】
前記式(III)の化合物が、3−(5−クロロ−1−ピリジン−3−イル−1H−インドール−3−イル)−4−[1−(3−ヒドロキシ−プロピル)−1H−インダゾール−3−イル]−ピロール−2,5−ジオンである、請求83に記載の方法。
【請求項110】
前記式(III)の化合物が、3−(2−メトキシ−フェニル)−4−[1−(3−メトキシ−プロピル)−1H−ピロロ[3,2−c]ピリジン−3−イル]−ピロール−2,5−ジオンである、請求83に記載の方法。
【請求項111】
前記式(III)の化合物が、3−[1−(3−ヒドロキシ−プロピル)−1H−インダゾール−3−イル]−4−[1−(テトラヒドロ−ピラン−4−イル)−1H−インドール−3−イル]−ピロール−2,5−ジオンである、請求83に記載の方法。
【請求項112】
前記式(III)の化合物が、2−{3−[4−(5−クロロ−1−メチル−1H−インドール−3−イル)−2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−3−イル]−インダゾール−1−イル}−N−(2−ヒドロキシ−エチル)−アセトアミドである、請求83に記載の方法。
【請求項113】
前記式(III)の化合物が、4−(3−クロロ−フェニル)−6−(3−ジメチルアミノ−プロピル)−5,6−ジヒドロ−4H−2,4,6−トリアザ−シクロペンタ[c]フッ素−1,3−ジオンである、請求83に記載の方法。
【請求項114】
前記式(III)の化合物が、14−エチル−6,7,9,10,13,14,15,16−オクタヒドロ−12H,23H−5,26:17,22−ジメテノジベンゾ[k,q]ピロロ[3,4−n][1,4,7,10,19]ジオキサトリアザシクロヘンエイコシン−23,25(24H)−ジオンである、請求83に記載の方法。
【請求項115】
前記式(III)の化合物が、14−ベンジル−6,7,9,10,13,14,15,16−オクタヒドロ−12H,23H−5,26:17,22−ジ(メテノ)ジベンゾ[k,q]ピロロ[3,4−n][1,4,7,10,19]ジオキサトリアザシクロヘンイコシン−23,25(24H)−ジオンである、請求83に記載の方法。
【請求項116】
前記式(III)の化合物が、3−(1−{2−[2−(2−ヒドロキシ−エトキシ)−エトキシ]−エチル}−1H−インドール−3−イル)−4−[1−(2−ヒドロキシ−エチル)−1H−インドール−3−イル]−ピロール−2,5−ジオンである、請求83に記載の方法。
【請求項117】
前記式(III)の化合物が、6,7,8,9,10,11,12,13−オクタヒドロ−8,11−ジメチル−5,23:14,19−ジメテノ−20H−ジベンゾ[k,q]ピロロ[3,4−n][1,4,7,10]テトラアザシクロオクタデシン−20,22(21H)−ジオンである、請求83に記載の方法。
【請求項118】
前記式(III)の化合物が、7,8,9,10,12,13,16,17,18,19−デカヒドロ−8,17−ジメチル−15H,26H−5,29:20,25−ジメテノ−6H−ジベンゾ[k,q]ピロロ[3,4−n][1,4,7,10,19,22]ジオキサテトラアザシクロテトラコシン−26,28(27H)−ジオンである、請求83に記載の方法。
【請求項119】
前記式(III)の化合物が、14−(2−フリルメチル)−6,7,9,10,13,14,15,16−オクタヒドロ−12H,23H−5,26:17,22−ジ(メテノ)ジベンゾ[k,q]ピロロ[3,4−n][1,4,7,10,19]ジオキサトリアザシクロヘンイコシン−23,25(24H)−ジオンである、請求83に記載の方法。
【請求項120】
前記式(III)の化合物が、14−(2−チエニルメチル)−6,7,9,10,13,14,15,16−オクタヒドロ−12H,23H−5,26:17,22−ジ(メテノ)ジベンゾ[k,q]ピロロ[3,4−n][1,4,7,10,19]ジオキサトリアザシクロヘンイコシン−23,25(24H)−ジオンである、請求83に記載の方法。
【請求項121】
前記式(III)の化合物が、14−(1−ナフチルメチル)−6,7,9,10,13,14,15,16−オクタヒドロ−12H,23H−5,26:17,22−ジ(メテノ)ジベンゾ[k,q]ピロロ[3,4−n][1,4,7,10,19]ジオキサトリアザシクロヘンイコシン−23,25(24H)−ジオンである、請求83に記載の方法。
【請求項122】
前記式(III)の化合物が、14−(ピリジン−4−イルメチル)−6,7,9,10,13,14,15,16−オクタヒドロ−12H,23H−5,26:17,22−ジ(メテノ)ジベンゾ[k,q]ピロロ[3,4−n][1,4,7,10,19]ジオキサトリアザシクロヘンイコシン−23,25(24H)−ジオンである、請求83に記載の方法。
【請求項123】
前記式(III)の化合物が、3−[1−(2−{2−[2−(1,2,3,4−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルアミノ)−エトキシ]−エトキシ}−エチル)−1H−インドール−3−イル]−4−{1−[2−(1,2,3,4−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルアミノ)−エチル]−1H−インドール−3−イル}−ピロール−2,5−ジオンである、請求83に記載の方法。
【請求項124】
前記式(III)の化合物が、3−[1−(3−ジメチルアミノ−フェニル)−1H−インドール−3−イル]−4−[1−(2−ヒドロキシ−エチル)−1H−インダゾール−3−イル]−ピロール−2,5−ジオンである、請求83に記載の方法。
【請求項125】
前記式(III)の化合物が、3−[5−クロロ−1−(6−ジメチルアミノ−ピリジン−3−イル)−1H−インドール−3−イル]−4−[1−(2−ヒドロキシ−エチル)−1H−インダゾール−3−イル]−ピロール−2,5−ジオンである、請求83に記載の方法。
【請求項126】
前記式(III)の化合物が、5−(5−クロロ−3−{4−[1−(2−ヒドロキシ−エチル)−1H−インダゾール−3−イル]−2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−3−イル}−インドール−1−イル)−ニコチン酸メチルエステルである、請求83に記載の方法。
【請求項1】
多能性細胞を増殖及び分化するための方法であって、
a.前記多能性細胞を培養する過程と、
b.前記多能性細胞をGSK−3Bの酵素活性阻害剤で処理する過程と、を含む方法。
【請求項2】
前記多能性細胞が胚幹細胞である、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記多能性細胞が、胚幹細胞由来の多能性マーカーを発現する細胞である、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記多能性マーカーを発現する細胞が、ABCG2、クリプト、FoxD3、Connexin43、Connexin45、Oct4、SOX−2、Nanog、hTERT、UTF−1、ZFP42、SSEA−3、SSEA−4、Tra1−60、及びTra1−81からなる群から選択される多能性マーカーのうちの少なくとも1つを発現する、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記多能性細胞が胚体内胚葉系統に特徴的なマーカーを発現する細胞に分化される、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記多能性細胞が前記GSK−3Bの酵素活性阻害剤で約1〜約72時間処理される、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記多能性細胞が前記GSK−3Bの酵素活性阻害剤で約12〜約48時間処理される、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記多能性細胞が前記GSK−3Bの酵素活性阻害剤で約48時間処理される、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記GSK−3Bの酵素活性阻害剤が濃度約100nM〜約100μMで用いられる、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記GSK−3Bの酵素活性阻害剤が濃度約1μM〜約10μMで用いられる、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
前記GSK−3Bの酵素活性阻害剤が濃度約10μMで用いられる、請求項1に記載の方法。
【請求項12】
前記GSK−3Bの酵素活性阻害剤が式(I)の化合物である、請求項1に記載の方法:
【化1】
式(I)
【請求項13】
R1が、フェニル、置換フェニル(ここで該フェニル置換基はC1〜5アルキル、ハロゲン、ニトロ、トリフルオロメチル及びニトリルからなる群から選択される)、又はピリミジニルである、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
R2がフェニル、置換フェニル(ここで該フェニル置換基はC1〜5アルキル、ハロゲン、ニトロ、トリフルオロメチル及びニトリルからなる群から選択される)、又は任意にC1〜4アルキルで置換されていてもよいピリミジニルであり、及びR1及びR2の少なくとも一方はピリミジニルである、請求項12に記載の方法。
【請求項15】
R3は水素、2−(トリメチルシリル)エトキシメチル、C1〜5アルキルカルボニル、アリールオキシカルボニル、アリールC1〜5アルキルオキシカルボニル、アリールC1〜5アルキル、置換アリールC1〜5アルキル(ここで該1つ以上のアリール置換基は、独立して、C1〜5アルキル、C1〜5アルコキシ、ハロゲン、アミノ、C1〜5アルキルアミノ、及びジC1〜5アルキルアミノからなる群から選択される)、フタルイミドC1〜5アルキル、アミノC1〜5アルキル、ジアミノC1〜5アルキル、スクシンイミドC1〜5アルキル、C1〜5アルキルカルボニル、アリールカルボニル、C1〜5アルキルカルボニルC1〜5アルキル及びアリールオキシカルボニルC1〜5アルキルアルキルである、請求項12に記載の方法。
【請求項16】
R4が−(A)−(CH2)q−Xである、請求項12に記載の方法。
【請求項17】
Aが、ビニレン、エチニレン、又は
【化2】
である、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
R5が、水素、C1〜5アルキル、フェニル及びフェニルC1〜5アルキルからなる群から選択される、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
qが0〜9である、請求項16に記載の方法。
【請求項20】
Xが、水素、ヒドロキシ、ビニル、置換ビニル(ここで該1つ以上のビニル置換基はそれぞれ、フッ素、臭素、塩素、及びヨウ素から選択される)、エチニル、置換エチニル(ここで該エチニル置換基は、フッ素、臭素塩素、及びヨウ素からなる群から選択される)、C1〜5アルキル、置換されたC1〜5アルキル(ここで該1つ以上のアルキル置換基はそれぞれ、C1〜5アルコキシ、トリハロアルキル、フタルイミド、及びアミノからなる群から選択される)、C3〜7シクロアルキル、C1〜5アルコキシ、置換されたC1〜5アルコキシ(ここで該アルキル置換基は、フタルイミド及びアミノからなる群から選択される)、フタルイミドオキシ、フェノキシ、置換フェノキシ(ここで該1つ以上のフェニル置換基はそれぞれ、C1〜5アルキル、ハロゲン、及びC1〜5アルコキシからなる群から選択される)、フェニル、置換フェニル(ここで該1つ以上のフェニル置換基はそれぞれ、C1〜5アルキル、ハロゲン、及びC1〜5アルコキシからなる群から選択される)、アリールC1〜5アルキル、置換アリールC1〜5アルキル(ここで該1つ以上のアリール置換基はそれぞれ、C1〜5アルキル、ハロゲン、及びC1〜5アルコキシからなる群から選択される)、アリールオキシC1〜5アルキルアミノ、C1〜5アルキルアミノ、ジC1〜5アルキルアミノ、ニトリル、オキシム、ベンジルオキシイミノ(Benxyloxyimino)、C1〜5アルキルオキシイミノ、フタルイミド、スクシンイミド、C1〜5アルキルカルボニルオキシ、フェニルカルボニルオキシ、置換フェニルカルボニルオキシ(ここで該1つ以上のフェニル置換基はそれぞれ、C1〜5アルキル、ハロゲン、及びC1〜5アルコキシからなる群から選択される)、フェニルC1〜5アルキルカルボニルオキシ(ここで該1つ以上のフェニル置換基はそれぞれ、C1〜5アルキル、ハロゲン、及びC1〜5アルコキシからなる群から選択される)、アミノカルボニルオキシ、C1〜5アルキルアミノカルボニルオキシ、ジC1〜5アルキルアミノカルボニルオキシ、C1〜5アルキルカルボニルオキシ、置換されたC1〜5アルキルカルボニルオキシ(ここで該1つ以上のアルキル置換基はそれぞれ、メチル、エチル、イソプロピル、及びヘキシルからなる群から選択される)、フェノキシカルボニルオキシ、置換フェノキシカルボニルオキシ(ここで該1つ以上のフェニル置換基はそれぞれ、C1〜5アルキル、C1〜5アルコキシ、及びハロゲンからなる群から選択される)、C1〜5アルキルチオ、置換されたC1〜5アルキルチオ(ここで該アルキル置換基は、ヒドロキシ及びフタルイミドからなる群から選択される)、C1〜5アルキルスルホニル、フェニルスルホニル、置換フェニルスルホニル(ここで該1つ以上のフェニル置換基はそれぞれ、臭素、フッ素、塩素、C1〜5アルコキシ、及びトリフルオロメチルからなる群から選択される);但し、Aが
【化3】
qが0、及びXがHの場合は、R3は2−(トリメチルシリル)エトキシメチルでなくてもよい];及びその薬学上許容し得る塩、からなる群から選択される、請求項16に記載の方法。
【請求項21】
R1が置換フェニルであり、R2がピリミジン−3−イルである、請求項12に記載の方法。
【請求項22】
R1が4−フルオロフェニルである、請求項12に記載の方法。
【請求項23】
R3が、水素、アリールC1〜5アルキル、又は置換アリールC1〜5アルキルである、請求項12に記載の方法。
【請求項24】
R3が水素又はフェニルC1〜5アルキルである、請求項12に記載の方法。
【請求項25】
Aがエチニレンであり、qが0〜5である、請求項16に記載の方法。
【請求項26】
Xが、スクシンイミド、ヒドロキシ、メチル、フェニル、C1〜5アルキルスルホニル、C3〜6シクロアルキル、C1〜5アルキルカルボニルオキシ、C1〜5アルコキシ、フェニルカルボニルオキシ、C1〜5アルキルアミノ、ジC1〜5アルキルアミノ又はニトリルである、請求項16に記載の方法。
【請求項27】
前記式1の化合物が、4−(4−フルオロフェニル)−2−(4−ヒドロキシブチン−1−イル)−1−(3−フェニルプロピル)−5−(4−ピリジル)イミダゾールである、請求項12に記載の方法。
【請求項28】
前記GSK−3Bの酵素活性阻害剤が式(II)の化合物である、請求項1に記載の方法:
【化4】
【請求項29】
Rが、Ra、−C1〜8アルキル−Ra、−C2〜8アルケニル−Ra、−C2〜8アルキニル−Ra及びシアノからなる群から選択される、請求項28に記載の方法。
【請求項30】
Raが、シクロアルキル、複素環、アリール及びヘテロアリールからなる群から選択される、請求項29に記載の方法。
【請求項31】
R1が、水素、−C1〜8アルキル−R5、−C2〜8アルケニル−R5、−C2〜8アルキニル−R5、−C(O)−(C1〜8)アルキル−R9、−C(O)−アリール−R8、−C(O)−O−(C1〜8)アルキル−R9、−C(O)−O−アリール−R8、−C(O)−NH(C1〜8アルキル−R9)、−C(O)−NH(アリール−R8)、−C(O)−N(C1〜8アルキル−R9)2、−SO2−(C1〜8)アルキル−R9、−SO2−アリール−R8、−シクロアルキル−R6、−複素環−R6、−アリール−R6及び−ヘテロアリール−R6からなる群から選択され;ここで、複素環及びヘテロアリールは、複素環又はヘテロアリール環の炭素原子を通して1の位置のアザインドール窒素原子と結合する、請求項28に記載の方法。
【請求項32】
R5が、水素、−O−(C1〜8)アルキル、−O−(C1〜8)アルキル−OH、−O−(C1〜8)アルキル−O−(C1〜8)アルキル、−O−(C1〜8)アルキル−NH2、−O−(C1〜8)アルキル−NH(C1〜8アルキル)、−O−(C1〜8)アルキル−N(C1〜8アルキル)2、−O−(C1〜8)アルキル−S−(C1〜8)アルキル、−O−(C1〜8)アルキル−SO2−(C1〜8)アルキル、−O−(C1〜8)アルキル−SO2−NH2、−O−(C1〜8)アルキル−SO2−NH(C1〜8アルキル)、−O−(C1〜8)アルキル−SO2−N(C1〜8アルキル)2、−O−C(O)H、−O−C(O)−(C1〜8)アルキル、−O−C(O)−NH2、−O−C(O)−NH(C1〜8アルキル)、−O−C(O)−N(C1〜8アルキル)2、−O−(C1〜8)アルキル−C(O)H、−O−(C1〜8)アルキル−C(O)−(C1〜8)アルキル、−O−(C1〜8)アルキル−CO2H、−O−(C1〜8)アルキル−C(O)−O−(C1〜8)アルキル、−O−(C1〜8)アルキル−C(O)−NH2、−O−(C1〜8)アルキル−C(O)−NH(C1〜8アルキル)、−O−(C1〜8)アルキル−C(O)−N(C1〜8アルキル)2、−C(O)H、−C(O)−(C1〜8)アルキル、−CO2H、−C(O)−O−(C1〜8)アルキル、−C(O)−NH2、−C(NH)−NH2、−C(O)−NH(C1〜8アルキル)、−C(O)−N(C1〜8アルキル)2、−SH、−S−(C1〜8)アルキル、−S−(C1〜8)アルキル−S−(C1〜8)アルキル、−S−(C1〜8)アルキル−O−(C1〜8)アルキル、−S−(C1〜8)アルキル−O−(C1〜8)アルキル−OH、−S−(C1〜8)アルキル−O−(C1〜8)アルキル−NH2、−S−(C1〜8)アルキル−O−(C1〜8)アルキル−NH(C1〜8アルキル)、−S−(C1〜8)アルキル−O−(C1〜8)アルキル−N(C1〜8アルキル)2、−S−(C1〜8)アルキル−NH(C1〜8アルキル)、−SO2−(C1〜8)アルキル、−SO2−NH2、−SO2−NH(C1〜8アルキル)、−SO2−N(C1〜8アルキル)2、−N−R7、シアノ,(ハロ)1〜3、ヒドロキシ、ニトロ、オキソ、−シクロアルキル−R6、−複素環−R6、−アリール−R6及び−ヘテロアリール−R6からなる群から独立して選択される1〜2個の置換基である、請求31に記載の方法。
【請求項33】
R6が、水素、−C1〜8アルキル、−C2〜8アルケニル、−C2〜8アルキニル、−C(O)H、−C(O)−(C1〜8)アルキル、−CO2H、−C(O)−O−(C1〜8)アルキル、−C(O)−NH2、−C(NH)−NH2、−C(O)−NH(C1〜8アルキル)、−C(O)−N(C1〜8)アルキル)2、−SO2−(C1〜8)アルキル、−SO2−NH2、−SO2−NH(C1〜8アルキル)、−SO2−N(C1〜8アルキル)2、−(C1〜8)アルキル−N−R7、−(C1〜8)アルキル−(ハロ)1〜3、−(C1〜8)アルキル−OH、−アリール−R8、−(C1〜8)アルキル−アリール−R8及び−(C1〜8)アルキル−ヘテロアリール−R8からなる群から独立して選択される、炭素原子又は窒素原子に結合された1〜4個の置換基である;但し、R6が炭素原子に結合されている場合には、R6は、−C1〜8アルコキシ、−(C1〜8)アルコキシ−(ハロ)1〜3、−SH、−S−(C1〜8)アルキル、−N−R7、シアノ、ハロ、ヒドロキシ、ニトロ、オキソ及び−ヘテロアリール−R8からなる群から更に選択される、請求項31に記載の方法。
【請求項34】
R7が、水素、−C1〜8アルキル、−C2〜8アルケニル、−C2〜8アルキニル、−(C1〜8)アルキル−OH、−(C1〜8)アルキル−O−(C1〜8)アルキル、−(C1〜8)アルキル−NH2、−(C1〜8)アルキル−NH(C1〜8アルキル)、−(C1〜8)アルキル−N(C1〜8アルキル)2、−(C1〜8)アルキル−S−(C1〜8)アルキル、−C(O)H、−C(O)−(C1〜8)アルキル、−C(O)−O−(C1〜8)アルキル、−C(O)−NH2、−C(O)−NH(C1〜8アルキル)、−C(O)−N(C1〜8アルキル)2、−SO2−(C1〜8)アルキル、−SO2−NH2、−SO2−NH(C1〜8アルキル)、−SO2−N(C1〜8アルキル)2、−C(N)−NH2、−シクロアルキル−R8、−(C1〜8)アルキル−複素環−R8、−アリール−R8、−(C1〜8)アルキル−アリール−R8及び−(C1〜8)アルキル−ヘテロアリール−R8からなる群から独立して選択される2個の置換基である、請求33に記載の方法。
【請求項35】
R8が、水素、−C1〜8アルキル、−(C1〜8)アルキル−(ハロ)1〜3及び−(C1〜8)アルキル−OHからなる群から独立して選択される、炭素原子又は窒素原子に結合された1〜4個の置換基である;但し、R8が炭素原子に結合されている場合には、R8は、−C1〜8アルコキシ、−NH2、−NH(C1〜8アルキル)、−N(C1〜8アルキル)2、シアノ、ハロ、−(C1〜8)アルコキシ−(ハロ)1〜3、ヒドロキシ及びニトロからなる群から更に選択される、請求31に記載の方法。
【請求項36】
R9が、水素、−C1〜8アルコキシ、−NH2、−NH(C1〜8アルキル)、−N(C1〜8アルキル)2、シアノ、(ハロ)1〜3、ヒドロキシ及びニトロからなる群から独立して選択される1〜2個の置換基である、請求31に記載の方法。
【請求項37】
R2が、水素、−C1〜8アルキル−R5、−C2〜8アルケニル−R5、−C2〜8アルキニル−R5、−C(O)H、−C(O)−(C1〜8)アルキル−R9、−C(O)−NH2、−C(O)−NH(C1〜8アルキル−R9)、−C(O)−N(C1〜8アルキル−R9)2、−C(O)−NH(アリール−R8)、−C(O)−シクロアルキル−R8、−C(O)−複素環−R8、−C(O)−アリール−R8、−C(O)−ヘテロアリール−R8、−CO2H、−C(O)−O−(C1〜8)アルキル−R9、−C(O)−O−アリール−R8、−SO2−(C1〜8)アルキル−R9、−SO2−アリール−R8、−シクロアルキル−R6、−アリール−R6及び−(C1〜8)アルキル−N−R7からなる群より独立して選択される、炭素原子又は窒素原子に結合された1個の置換基である;但し、R2が炭素原子に結合されている場合には、R2は、−C1〜8アルコキシ−R5、−N−R7、シアノ、ハロゲン、ヒドロキシ、ニトロ、オキソ、−複素環−R6及び−ヘテロアリール−R6からなる群から更に選択される、請求28に記載の方法。
【請求項38】
R3が、水素、−C1〜8アルキル−R10、−C2〜8アルケニル−R10、−C2〜8アルキニル−R10、−C1〜8アルコキシ−R10、−C(O)H、−C(O)−(C1〜8)アルキル−R9、−C(O)−NH2、−C(O)−NH(C1〜8アルキル−R9)、−C(O)−N(C1〜8アルキル−R9)2、−C(O)−シクロアルキル−R8、−C(O)−複素環−R8、−C(O)−アリール−R8、−C(O)−ヘテロアリール−R8、−C(NH)−NH2、−CO2H、−C(O)−O−(C1〜8)アルキル−R9、−C(O)−O−アリール−R8、−SO2−(C1〜8)アルキル−R9、−SO2−アリール−R8、−N−R7、シアノ、ハロゲン、ヒドロキシ、ニトロ、−シクロアルキル−R8、−複素環−R8、−アリール−R8及び−ヘテロアリール−R8からなる群より独立して選択される、炭素原子に結合された1〜3個の置換基である、請求28に記載の方法。
【請求項39】
R10が、水素、−NH2、−NH(C1〜8アルキル)、−N(C1〜8アルキル)2、シアノ,(ハロ)1〜3、ヒドロキシ、ニトロ及びオキソからなる群から独立して選択される1〜2個の置換基である、請求38に記載の方法。
【請求項40】
R4が、水素、−C1〜8アルキル−R10、−C2〜8アルケニル−R10、−C2〜8アルキニル−R10、−C1〜8アルコキシ−R10、−C(O)H、−C(O)−(C1〜8)アルキル−R9、−C(O)−NH2、−C(O)−NH(C1〜8アルキル−R9)、−C(O)−N(C1〜8アルキル−R9)2、−C(O)−シクロアルキル−R8、−C(O)−複素環−R8、−C(O)−アリール−R8、−C(O)−ヘテロアリール−R8、−C(NH)−NH2、−CO2H、−C(O)−O−(C1〜8)アルキル−R9、−C(O)−O−アリール−R8、−SH、−S−(C1〜8)アルキル−R10、−SO2−(C1〜8)アルキル−R9、−SO2−アリール−R8、−SO2−NH2、−SO2−NH(C1〜8アルキル−R9)、−SO2−N(C1〜8アルキル−R9)2、−N−R7、シアノ、ハロゲン、ヒドロキシ、ニトロ、−シクロアルキル−R8、−複素環−R8、−アリール−R8及び−ヘテロアリール−R8からなる群より独立して選択される、炭素原子に結合された1〜4個の置換基である、請求28に記載の方法。
【請求項41】
R10が、水素、−NH2、−NH(C1〜8アルキル)、−N(C1〜8アルキル)2、シアノ,(ハロ)1〜3、ヒドロキシ、ニトロ及びオキソからなる群から独立して選択される1〜2個の置換基である、請求40に記載の方法。
【請求項42】
Y及びZが、O、S、(H,OH)、及び(H,H)からなる群から独立して選択される;但し、Y及びZの一方がOであり且つ他方がO、S、(H,OH)、及び(H,H)からなる群から選択される;及びそれらの薬学上許容し得る塩である、請求28に記載の方法。
【請求項43】
Rが、Ra、−C1〜4アルキル−Ra、−C2〜4アルケニル−Ra、−C2〜4アルキニル−Ra及びシアノからなる群から選択される、請求28に記載の方法。
【請求項44】
Raが、複素環、アリール及びヘテロアリールからなる群から選択される、請求29に記載の方法。
【請求項45】
Raが、ジヒドロ−ピラニル、フェニル、ナフチル、チエニル、ピロリル、イミダゾリル、ピラゾリル、ピリジニル、アザインドリル、インダゾリル、ベンゾフリル、ベンゾチエニル、ジベンゾフリル及びジベンゾチエニルからなる群から選択される、請求29に記載の方法。
【請求項46】
R1が、水素、−C1〜4アルキル−R5、−C2〜4アルケニル−R5、−C2〜4アルキニル−R5、−C(O)−(C1〜4)アルキル−R9、−C(O)−アリール−R8、−C(O)−O−(C1〜4)アルキル−R9、−C(O)−O−アリール−R8、−C(O)−NH(C1〜4アルキル−R9)、−C(O)−NH(アリール−R8)、−C(O)−N(C1〜4アルキル−R9)2、−SO2−(C1〜4)アルキル−R9、−SO2−アリール−R8、−シクロアルキル−R6、−複素環−R6、−アリール−R6及び−ヘテロアリール−R6からなる群から選択され;ここで、複素環及びヘテロアリールは、複素環又はヘテロアリール環の炭素原子を通して1の位置のアザインドール窒素原子と結合している、請求28に記載の方法。
【請求項47】
R1が、水素、−C1〜4アルキル−R5、−アリール−R6及び−ヘテロアリール−R6からなる群から選択され;ここで、ヘテロアリールは、ヘテロアリール環の炭素原子を通して1の位置のアザインドール窒素原子に結合されている、請求28に記載の方法。
【請求項48】
R1が、水素、−C1〜4アルキル−R5及び−ナフチル−R6からなる群から選択される、請求28に記載の方法。
【請求項49】
R5が、水素、−O−(C1〜4)アルキル、−O−(C1〜4)アルキル−OH、−O−(C1〜4)アルキル−O−(C1〜4)アルキル、−O−(C1〜4)アルキル−NH2、−O−(C1〜4)アルキル−NH(C1〜4アルキル)、−O−(C1〜4)アルキル−N(C1〜4アルキル)2、−O−(C1〜4)アルキル−S−(C1〜4)アルキル、−O−(C1〜4)アルキル−SO2−(C1〜4)アルキル、−O−(C1〜4)アルキル−SO2−NH2、−O−(C1〜4)アルキル−SO2−NH(C1〜4アルキル)、−O−(C1〜4)アルキル−SO2−N(C1〜4アルキル)2、−O−C(O)H、−O−C(O)−(C1〜4)アルキル、−O−C(O)−NH2、−O−C(O)−NH(C1〜4アルキル)、−O−C(O)−N(C1〜4アルキル)2、−O−(C1〜4)アルキル−C(O)H、−O−(C1〜4)アルキル−C(O)−(C1〜4)アルキル、−O−(C1〜4)アルキル−CO2H、−O−(C1〜4)アルキル−C(O)−O−(C1〜4)アルキル、−O−(C1〜4)アルキル−C(O)−NH2、−O−(C1〜4)アルキル−C(O)−NH(C1〜4アルキル)、−O−(C1〜4)アルキル−C(O)−N(C1〜4アルキル)2、−C(O)H、−C(O)−(C1〜4)アルキル、−CO2H、−C(O)−O−(C1〜4)アルキル、−C(O)−NH2、−C(NH)−NH2、−C(O)−NH(C1〜4アルキル)、−C(O)−N(C1〜4アルキル)2、−SH、−S−(C1〜4)アルキル、−S−(C1〜4)アルキル−S−(C1〜4)アルキル、−S−(C1〜4)アルキル−O−(C1〜4)アルキル、−S−(C1〜4)アルキル−O−(C1〜4)アルキル−OH、−S−(C1〜4)アルキル−O−(C1〜4)アルキル−NH2、−S−(C1〜4)アルキル−O−(C1〜4)アルキル−NH(C1〜4アルキル)、−S−(C1〜4)アルキル−O−(C1〜4)アルキル−N(C1〜4アルキル)2、−S−(C1〜4)アルキル−NH(C1〜4アルキル)、−SO2−(C1〜4)アルキル、−SO2−NH2、−SO2−NH(C1〜4アルキル)、−SO2−N(C1〜4アルキル)2、−N−R7、シアノ,(ハロ)1〜3、ヒドロキシ、ニトロ、オキソ、−シクロアルキル−R6、−複素環−R6、−アリール−R6及び−ヘテロアリール−R6からなる群から独立して選択される1〜2個の置換基である、請求31に記載の方法。
【請求項50】
R5が、水素、−O−(C1〜4)アルキル、−N−R7、ヒドロキシ及び−ヘテロアリール−R6からなる群から独立して選択される1〜2個の置換基である、請求31に記載の方法。
【請求項51】
R5が、水素、−O−(C1〜4)アルキル、−N−R7、ヒドロキシ、−イミダゾリル−R6、−トリアゾリル−R6及び−テトラゾリル−R6からなる群から独立して選択される1〜2個の置換基である、請求31に記載の方法。
【請求項52】
R6が、水素、−C1〜4アルキル、−C2〜4アルケニル、−C2〜4アルキニル、−C(O)H、−C(O)−(C1〜4)アルキル、−CO2H、−C(O)−O−(C1〜4)アルキル、−C(O)−NH2、−C(NH)−NH2、−C(O)−NH(C1〜4アルキル)、−C(O)−N(C1〜4)アルキル)2、−SO2−(C1〜4)アルキル、−SO2−NH2、−SO2−NH(C1〜4アルキル)、−SO2−N(C1〜4アルキル)2、−(C1〜4)アルキル−N−R7、−(C1〜4)アルキル−(ハロ)1〜3、−(C1〜4)アルキル−OH、−アリール−R8、−(C1〜4)アルキル−アリール−R8及び−(C1〜4)アルキル−ヘテロアリール−R8からなる群から独立して選択される、炭素原子又は窒素原子に結合された1〜4個の置換基である;但し、R6が炭素原子に結合されている場合には、R6は、−C1〜4アルコキシ、−(C1〜4)アルコキシ−(ハロ)1〜3、−SH、−S−(C1〜4)アルキル、−N−R7、シアノ、ハロ、ヒドロキシ、ニトロ、オキソ及び−ヘテロアリール−R8からなる群から更に選択される、請求31に記載の方法。
【請求項53】
R6が水素である、請求31に記載の方法。
【請求項54】
R7が、水素、−C1〜4アルキル、−C2〜4アルケニル、−C2〜4アルキニル、−(C1〜4)アルキル−OH、−(C1〜4)アルキル−O−(C1〜4)アルキル、−(C1〜4)アルキル−NH2、−(C1〜4)アルキル−NH(C1〜4アルキル)、−(C1〜4)アルキル−N(C1〜4アルキル)2、−(C1〜4)アルキル−S−(C1〜4)アルキル、−C(O)H、−C(O)−(C1〜4)アルキル、−C(O)−O−(C1〜4)アルキル、−C(O)−NH2、−C(O)−NH(C1〜4アルキル)、−C(O)−N(C1〜4アルキル)2、−SO2−(C1〜4)アルキル、−SO2−NH2、−SO2−NH(C1〜4アルキル)、−SO2−N(C1〜4アルキル)2、−C(N)−NH2、−シクロアルキル−R8、−(C1〜4)アルキル−複素環−R8、−アリール−R8、−(C1〜4)アルキル−アリール−R8及び−(C1〜4)アルキル−ヘテロアリール−R8からなる群から独立して選択される2個の置換基である、請求33に記載の方法。
【請求項55】
R7が、水素、−C1〜4アルキル、−C(O)H、−C(O)−(C1〜4)アルキル、−C(O)−O−(C1〜4)アルキル、−SO2−NH2、−SO2−NH(C1〜4アルキル)及び−SO2−N(C1〜4アルキル)2からなる群から独立して選択される2個の置換基である、請求33に記載の方法。
【請求項56】
R8が、水素、−C1〜4アルキル、−(C1〜4)アルキル−(ハロ)1〜3及び−(C1〜4)アルキル−OHからなる群から独立して選択される、炭素原子又は窒素原子に結合された1〜4個の置換基である;但し、R8が炭素原子に結合されている場合には、R8は、−C1〜4アルコキシ、−NH2、−NH(C1〜4アルキル)、−N(C1〜4アルキル)2、シアノ、ハロ、−(C1〜4)アルコキシ−(ハロ)1〜3、ヒドロキシ及びニトロからなる群から更に選択される、請求31に記載の方法。
【請求項57】
R8が水素である、請求31に記載の方法。
【請求項58】
R9が、水素、−C1〜4アルコキシ、−NH2、−NH(C1〜4アルキル)、−N(C1〜4アルキル)2、シアノ,(ハロ)1〜3、ヒドロキシ及びニトロからなる群から独立して選択される1〜2個の置換基である、請求31に記載の方法。
【請求項59】
R9が水素である、請求31に記載の方法。
【請求項60】
R2が、水素、−C1〜4アルキル−R5、−C2〜4アルケニル−R5、−C2〜4アルキニル−R5、−C(O)H、−C(O)−(C1〜4)アルキル−R9、−C(O)−NH2、−C(O)−NH(C1〜4アルキル−R9)、−C(O)−N(C1〜4アルキル−R9)2、−C(O)−NH(アリール−R8)、−C(O)−シクロアルキル−R8、−C(O)−複素環−R8、−C(O)−アリール−R8、−C(O)−ヘテロアリール−R8、−CO2H、−C(O)−O−(C1〜4)アルキル−R9、−C(O)−O−アリール−R8、−SO2−(C1〜4)アルキル−R9、−SO2−アリール−R8、−シクロアルキル−R6、−アリール−R6及び−(C1〜4)アルキル−N−R7からなる群より独立して選択される、炭素原子又は窒素原子に結合された1個の置換基である;但し、R2が炭素原子に結合されている場合には、R2は、−C1〜4アルコキシ−R5、−N−R7、シアノ、ハロゲン、ヒドロキシ、ニトロ、オキソ、−複素環−R6及び−ヘテロアリール−R6からなる群から更に選択される、請求28に記載の方法。
【請求項61】
R2が、水素、−C1〜4アルキル−R5、−C2〜4アルケニル−R5、−C2〜4アルキニル−R5、−CO2H、−C(O)−O−(C1〜4)アルキル−R9、−シクロアルキル−R6、−アリール−R6及び−(C1〜4)アルキル−N−R7からなる群より独立して選択される、炭素原子又は窒素原子に結合された1個の置換基である;但し、R2が窒素原子に結合されている場合には、クオーターニウム塩(quaterniumsalt)は形成されず;そして但し、R2が炭素原子に結合されている場合には、R2は、−C1〜4アルコキシ−R5、−N−R7、シアノ、ハロゲン、ヒドロキシ、ニトロ、オキソ、−複素環−R6及び−ヘテロアリール−R6からなる群から更に選択される、請求28に記載の方法。
【請求項62】
R2が、水素、−C1〜4アルキル−R5及び−アリール−R6からなる群より独立して選択される、炭素原子又は窒素原子に結合された1個の置換基である;但し、R2が窒素原子に結合されている場合には、クオーターニウム塩(quaterniumsalt)は形成されず;そして但し、R2が炭素原子に結合されている場合には、R2は、−N−R7、ハロゲン、ヒドロキシ及び−ヘテロアリール−R6からなる群から更に選択される、請求28に記載の方法。
【請求項63】
R3が、水素、−C1〜4アルキル−R10、−C2〜4アルケニル−R10、−C2〜4アルキニル−R10、−C1〜4アルコキシ−R10、−C(O)H、−C(O)−(C1〜4)アルキル−R9、−C(O)−NH2、−C(O)−NH(C1〜4アルキル−R9)、−C(O)−N(C1〜4アルキル−R9)2、−C(O)−シクロアルキル−R8、−C(O)−複素環−R8、−C(O)−アリール−R8、−C(O)−ヘテロアリール−R8、−C(NH)−NH2、−CO2H、−C(O)−O−(C1〜4)アルキル−R9、−C(O)−O−アリール−R8、−SO2−(C1〜8)アルキル−R9、−SO2−アリール−R8、−N−R7、−(C1〜4)アルキル−N−R7、シアノ、ハロゲン、ヒドロキシ、ニトロ、−シクロアルキル−R8、−複素環−R8、−アリール−R8及び−ヘテロアリール−R8からなる群より独立して選択される、炭素原子に結合された1〜3個の置換基である、請求28に記載の方法。
【請求項64】
R3が、水素、−C1〜4アルキル−R10、−C2〜4アルケニル−R10、−C2〜4アルキニル−R10、−C1〜4アルコキシ−R10、−C(O)H、−CO2H、−NH2、−NH(C1〜4アルキル)、−N(C1〜4アルキル)2、シアノ、ハロゲン、ヒドロキシ及びニトロからなる群から選択される、炭素原子に結合された1個の置換基である、請求28に記載の方法。
【請求項65】
R3が、水素、−C1〜4アルキル−R10、−NH2、−NH(C1〜4アルキル)、−N(C1〜4アルキル)2、ハロゲン及びヒドロキシからなる群から選択される、炭素原子に結合された1個の置換基である、請求28に記載の方法。
【請求項66】
R4が、水素、−C1〜4アルキル−R10、−C2〜4アルケニル−R10、−C2〜4アルキニル−R10、−C1〜4アルコキシ−R10、−C(O)H、−C(O)−(C1〜4)アルキル−R9、−C(O)−NH2、−C(O)−NH(C1〜4アルキル−R9)、−C(O)−N(C1〜4アルキル−R9)2、−C(O)−シクロアルキル−R8、−C(O)−複素環−R8、−C(O)−アリール−R8、−C(O)−ヘテロアリール−R8、−C(NH)−NH2、−CO2H、−C(O)−O−(C1〜4)アルキル−R9、−C(O)−O−アリール−R8、−SH、−S−(C1〜4)アルキル−R10、−SO2−(C1〜4)アルキル−R9、−SO2−アリール−R8、−SO2−NH2、−SO2−NH(C1〜4アルキル−R9)、−SO2−N(C1〜4アルキル−R9)2、−N−R7、シアノ、ハロゲン、ヒドロキシ、ニトロ、−シクロアルキル−R8、−複素環−R8、−アリール−R8及び−ヘテロアリール−R8からなる群より独立して選択される、炭素原子に結合された1〜4個の置換基である、請求28に記載の方法。
【請求項67】
R4が、水素、−C1〜4アルキル−R10、−C2〜4アルケニル−R10、−C2〜4アルキニル−R10、−C1〜4アルコキシ−R10、−C(O)H、−CO2H、−NH2、−NH(C1〜4アルキル)、−N(C1〜4アルキル)2、シアノ、ハロゲン、ヒドロキシ、ニトロ、−シクロアルキル、−複素環、−アリール及び−ヘテロアリールからなる群より独立して選択される、炭素原子に結合された1〜4個の置換基である、請求28に記載の方法。
【請求項68】
R4が、水素、C1〜4アルキル−R10、C1〜4アルコキシ−R10、−NH2、−NH(C1〜4アルキル)、−N(C1〜4アルキル)2、ハロゲン及びヒドロキシからなる群より独立して選択される、炭素原子に結合された1〜4個の置換基である、請求28に記載の方法。
【請求項69】
R4が、水素、C1〜4アルキル−R10、C1〜4アルコキシ−R10、−NH2、−NH(C1〜4アルキル)、−N(C1〜4アルキル)2、塩素、フッ素及びヒドロキシからなる群より独立して選択される、炭素原子に結合された1〜4個の置換基である、請求28に記載の方法。
【請求項70】
R10が、水素、−NH2、−NH(C1〜4アルキル)、−N(C1〜4アルキル)2、シアノ,(ハロ)1〜3、ヒドロキシ、ニトロ及びオキソからなる群から独立して選択される1〜2個の置換基でありる、請求38及び41に記載の方法。
【請求項71】
R10が、水素及び(ハロ)1〜3からなる群から独立して選択される1〜2個の置換基である、請求38及び41に記載の方法。
【請求項72】
R10水素及び(フルオロ)3からなる群から独立して選択される1〜2個の置換基である、請求38及び41に記載の方法。
【請求項73】
Y及びZが、O、S、(H,OH)、及び(H,H)からなる群から独立して選択される;但し、Y及びZの一方がOであり且つ他方がO、S、(H,OH)、及び(H,H)からなる群から選択される、請求28に記載の方法。
【請求項74】
Y及びZが、O及び(H,H)からなる群から独立して選択される;但し、Y及びZの一方がOであり且つ他方がO及び(H,H)からなる群から選択される、請求28に記載の方法。
【請求項75】
Y及びZが独立してOから選択される、請求28に記載の方法。
【請求項76】
前記式IIの化合物が、3−[1−(3−ヒドロキシプロピル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−3−イル]−4−[2−(トリフルオロメチル)フェニル]−1H−ピロール−2,5−ジオンである、請求28に記載の方法。
【請求項77】
前記式IIの化合物が、3−[1−(3−ヒドロキシプロピル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−3−イル]−4−(1−メチル−1H−ピラゾール−3−イル)−1H−ピロール−2,5−ジオンである、請求28に記載の方法。
【請求項78】
前記式IIの化合物が、3−[1−(3−ヒドロキシ−プロピル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−3−イル]−4−ピラジン−2−イル−ピロール−2,5−ジオンである、請求28に記載の方法。
【請求項79】
前記式IIの化合物が、3−(2,4−ジメトキシ−ピリミジン−5−イル)−4−[1−(3−ヒドロキシ−プロピル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−3−イル]−ピロール−2,5−ジオンである、請求28に記載の方法。
【請求項80】
前記式IIの化合物が、4−{3−[4−(2,4−ジメトキシ−ピリミジン−5−イル)−2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−3−イル]−ピロロ[2,3−b]ピリジン−1−イル}−ブチロニトリルである、請求28に記載の方法。
【請求項81】
前記式IIの化合物が、4−{3−[4−(1−メチル−1H−ピラゾール−3−イル)−2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−3−イル]−ピロロ[2,3−b]ピリジン−1−イル}−ブチロニトリルである、請求28に記載の方法。
【請求項82】
前記式IIの化合物が、3−(2,4−ジメトキシ−ピリミジン−5−イル)−4−(1−フェネチル−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−3−イル)−ピロール−2,5−ジオンである、請求28に記載の方法。
【請求項83】
前記GSK−3Bの酵素活性阻害剤が式(III)の化合物である、請求項1に記載の方法:
【化5】
【請求項84】
A及びEが、水素置換された炭素原子及び窒素原子からなる群から独立して選択され;ここで、
【化6】
は、1H−インドール、1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン、1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン及び1H−インダゾールからなる群から独立して選択される、請求83に記載の方法。
【請求項85】
ZがOから選択され;あるいは、Zがジヒドロから選択され;ここで、それぞれの水素原子が単結合で結合されている、請求83に記載の方法。
【請求項86】
R4及びR5が、場合によりオキソで置換されているC1〜8アルキル、C2〜8アルケニル、及びC2〜8アルキニルから独立して選択される、請求83に記載の方法。
【請求項87】
R2が、−C1〜8アルキル−、−C2〜8アルケニル−、−C2〜8アルキニル−、−O−(C1〜8)アルキル−O−、−O−(C2〜8)アルケニル−O−、−O−(C2〜8)アルキニル−O−、−C(O)−(C1〜8)アルキル−C(O)−(式中、該アルキル、アルケニル、及びアルキニル結合基のいずれも、C1〜8アルキル、C1〜8アルコキシ、C1〜8アルコキシ(C1〜8)アルキル、カルボキシル、カルボキシル(C1〜8)アルキル、−C(O)O−(C1〜8)アルキル、−C1〜8アルキル−C(O)O−(C1〜8)アルキル、アミノ(水素及びC1〜4アルキルからなる群から独立して選択された置換基で置換されている)、アミノ(C1〜8)アルキル(式中、アミノは、水素及びC1〜4アルキルからなる群から独立して選ばれた置換基で置換されている)、ハロゲン,(ハロ)1〜3(C1〜8)アルキル、(ハロ)1〜3(C1〜8)アルコキシ、ヒドロキシ、ヒドロキシ(C1〜8)アルキル及びオキソからなる群から独立して選ばれた1個〜4個の置換基で場合により置換されている直炭素鎖であり;そして、式中、該アルキル、アルケニル、及びアルキニル結合基のいずれも、複素環、アリール、ヘテロアリール、複素環(C1〜8)アルキル、アリール(C1〜8)アルキル、ヘテロアリール(C1〜8)アルキル、スピロシクロアルキル、及びスピロ複素環(式中、該シクロアルキル、複素環、アリール、及びヘテロアリール置換基のいずれも、C1〜8アルキル、C1〜8アルコキシ、C1〜8アルコキシ(C1〜8)アルキル、カルボキシル,カルボキシル(C1〜8)アルキル、アミノ(水素及びC1〜4アルキルからなる群から独立して選択された置換基で置換されている)、アミノ(C1〜8)アルキル(式中、アミノは、水素及びC1〜4アルキルからなる群から独立して選択された置換基で置換されている)、ハロゲン,(ハロ)1〜3(C1〜8)アルキル,(ハロ)1〜3(C1〜8)アルコキシ、ヒドロキシ及びヒドロキシ(C1〜8)アルキルからなる群から独立して選択された1個〜4個の置換基で場合により置換されており;そして式中、上記の複素環置換基のいずれも場合によりオキソで置換されている)からなる群から独立して選択された1個〜2個の置換基で場合により置換されている)、シクロアルキル、複素環、アリール、ヘテロアリール(式中、シクロアルキル、複素環、アリール、及びヘテロアリールは、C1〜8アルキル、C1〜8アルコキシ、C1〜8アルコキシ(C1〜8)アルキル、カルボキシル、カルボキシル(C1〜8)アルキル、アミノ(水素及びC1〜4アルキルからなる群から独立して選択された置換基で置換されている)、アミノ(C1〜8)アルキル(式中、アミノは、水素及びC1〜4アルキルからなる群から独立して選ばれた置換基で置換されている)、ハロゲン、(ハロ)1〜3(C1〜8)アルキル,(ハロ)1〜3(C1〜8)アルコキシ、ヒドロキシ及びヒドロキシ(C1〜8)アルキルからなる群から独立して選択された1個〜4個の置換基で場合により置換されており;そして式中、複素環は場合によりオキソで置換されている)、−(O−(CH2)1〜6)0〜5−O−、−O−(CH2)1〜6−O−(CH2)1〜6−O−、−O−(CH2)1〜6−O−(CH2)1〜6−O−(CH2)1〜6−O−、−(O−(CH2)1〜6)0〜5−NR6−、−O−(CH2)1〜6−NR6−(CH2)1〜6−O−、−O−(CH2)1〜6−O−(CH2)1〜6−NR6−、−(O−(CH2)1〜6)0〜5−S−、−O−(CH2)1〜6−S−(CH2)1〜6−O−、−O−(CH2)1〜6−O−(CH2)1〜6−S−、−NR6−、−NR6−NR7−、−NR6−(CH2)1〜6−NR7−、−NR6−(CH2)1〜6−NR7−(CH2)1〜6−NR8−、−NR6−C(O)−、−C(O)−NR6−、−C(O)−(CH2)0〜6−NR6−(CH2)0〜6−C(O)−、−NR6−(CH2)0〜6−C(O)−(CH2)1〜6−C(O)−(CH2)0〜6−NR7−、−NR6−C(O)−NR7−、−NR6−C(NR7)−NR8−、−O−(CH2)1〜6−NR6−(CH2)1〜6−S−、−S−(CH2)1〜6−NR6−(CH2)1〜6−O−、−S−(CH2)1〜6−NR6−(CH2)1〜6−S−、−NR6−(CH2)1〜6−S−(CH2)1〜6−NR7−、及び−SO2−(式中、R6、R7、及びR8は、水素、C1〜8アルキル、C1〜8アルコキシ(C1〜8)アルキル、カルボキシル(C1〜8)アルキル、アミノ(C1〜8)アルキル(式中、アミノは、水素及びC1〜4アルキルからなる群から独立して選択された置換基で置換されている)、ヒドロキシ(C1〜8)アルキル、複素環(C1〜8)アルキル、アリール(C1〜8)アルキル、及びヘテロアリール(C1〜8)アルキル(式中、該複素環、アリール、及びヘテロアリール置換基は、C1〜8アルキル、C1〜8アルコキシ、C1〜8アルコキシ(C1〜8)アルキル、カルボキシル、カルボキシル(C1〜8)アルキル、アミノ(水素及びC1〜4アルキルからなる群から独立して選択された置換基で置換されている)、アミノ(C1〜8)アルキル(式中、アミノは、水素及びC1〜4アルキルからなる群から独立して選択された置換基で置換されている)、ハロゲン、(ハロ)1〜3(C1〜8)アルキル,(ハロ)1〜3(C1〜8)アルコキシ、ヒドロキシ、及びヒドロキシ(C1〜8)アルキルからなる群から独立して選択された1個〜4個の置換基で場合により置換されており;そして式中、複素環は場合によりオキソで置換されている)からなる群から独立して選択される)からなる群から選択され;但し、A及びEが水素置換された炭素原子から選択された場合には、R2は、−C2〜8アルキニル−、−O−(C1〜8)アルキル−O−、−O−(C2〜8)アルケニル−O−、−O−(C2〜8)アルキニル−O−、−C(O)−(C1〜8)アルキル−C(O)−(式中、該アルキル、アルケニル、及びアルキニル結合基のいずれも、C1〜8アルキル、C1〜8アルコキシ、C1〜8アルコキシ(C1〜8)アルキル、カルボキシル、カルボキシル(C1〜8)アルキル、−C(O)O−(C1〜8)アルキル、−C1〜8アルキル−C(O)O−(C1〜8)アルキル、アミノ(水素及びC1〜4アルキルからなる群から独立して選択された置換基で置換されている)、アミノ(C1〜8)アルキル(式中、アミノは、水素及びC1〜4アルキルからなる群から独立して選択された置換基で置換されている)、ハロゲン、(ハロ)1〜3(C1〜8)アルキル,(ハロ)1〜3(C1〜8)アルコキシ、ヒドロキシ、ヒドロキシ(C1〜8)アルキル及びオキソからなる群から独立して選択された1個〜4個の置換基で場合により置換された直炭素鎖であり;そして式中、該アルキル、アルケニル、及びアルキニル結合基のいずれも複素環、アリール、ヘテロアリール、複素環(C1〜8)アルキル、アリール(C1〜8)アルキル、ヘテロアリール(C1〜8)アルキル、スピロシクロアルキル、及びスピロ複素環(式中、該シクロアルキル、複素環、アリール、及びヘテロアリール置換基のいずれも、C1〜8アルキル、C1〜8アルコキシ、C1〜8アルコキシ(C1〜8)アルキル、カルボキシル、カルボキシル(C1〜8)アルキル、アミノ(水素及びC1〜4アルキルからなる群から独立して選択された置換基で置換されている)、アミノ(C1〜8)アルキル(式中、アミノは水素及びC1〜4アルキルからなる群から独立して選択された置換基で置換されている)、ハロゲン、(ハロ)1〜3(C1〜8)アルキル、(ハロ)1〜3(C1〜8)アルコキシ、ヒドロキシ、及びヒドロキシ(C1〜8)アルキルからなる群から独立して選択された1個〜4個の置換基で場合により置換されており;そして式中、該複素環置換基のいずれも場合によりオキソで置換されている)からなる群から独立して選択された1個〜2個の置換基で場合により置換されている)、シクロアルキル(式中、シクロアルキルは、C1〜8アルキル、C1〜8アルコキシ、C1〜8アルコキシ(C1〜8)アルキル、カルボキシル、カルボキシル(C1〜8)アルキル、アミノ(水素及びC1〜4アルキルからなる群から独立して選択された置換基で置換されている)、アミノ(C1〜8)アルキル(式中、アミノは水素及びC1〜4アルキルからなる群から独立して選択された置換基で置換されている)、ハロゲン、(ハロ)1〜3(C1〜8)アルキル、(ハロ)1〜3(C1〜8)アルコキシ、ヒドロキシ、及びヒドロキシ(C1〜8)アルキルからなる群から独立して選択された1個〜4個の置換基で場合により置換されている)、−(O−(CH2)1〜6)1〜5−O−、−O−(CH2)1〜6−O−(CH2)1〜6−O−、−O−(CH2)1〜6−O−(CH2)1〜6−O−(CH2)1〜6−O−、−(O−
(CH2)1〜6)1〜5−NR6−、−O−(CH2)1〜6−NR6−(CH2)1〜6−O−、−O−(CH2)1〜6−O−(CH2)1〜6−NR6−、−(O−(CH2)1〜6)0〜5−S−、−O−(CH2)1〜6−S−(CH2)1〜6−O−、−O−(CH2)1〜6−O−(CH2)1〜6−S−、−NR6−NR7−、−NR6−(CH2)1〜6−NR7−、−NR6−(CH2)1〜6−NR7−(CH2)1〜6−NR8−、−NR9−C(O)−、−C(O)−NR9−、−C(O)−(CH2)0〜6−NR6−(CH2)0〜6−C(O)−、−NR6−(CH2)0〜6−C(O)−(CH2)1〜6−C(O)−(CH2)0〜6−NR7−、−NR6−C(O)−NR7−、−NR6−C(NR7)−NR8−、−O−(CH2)1〜6−NR6−(CH2)1〜6−S−、−S−(CH2)1〜6−NR6−(CH2)1〜6−O−、−S−(CH2)1〜6−NR6−(CH2)1〜6−S−及び−NR6−(CH2)1〜6−S−(CH2)1〜6−NR7−(式中、R6、R7、及びR8は、水素、C1〜8アルキル、C1〜8アルコキシ(C1〜8)アルキル、カルボキシル(C1〜8)アルキル、アミノ(C1〜8)アルキル(式中、アミノは水素及びC1〜4アルキルからなる群から独立して選択された置換基で置換されている)、ヒドロキシ(C1〜8)アルキル、複素環(C1〜8)アルキル、アリール(C1〜8)アルキル、及びヘテロアリール(C1〜8)アルキル(式中、該複素環、アリール及びヘテロアリール置換基は、C1〜8アルキル、C1〜8アルコキシ、C1〜8アルコキシ(C1〜8)アルキル、カルボキシル、カルボキシル(C1〜8)アルキル、アミノ(水素及びC1〜4アルキルからなる群から独立して選択された置換基で置換されている)、アミノ(C1〜8)アルキル(式中、アミノは水素及び水素及びC1〜4アルキル)、ハロゲン,(ハロ)1〜3(C1〜8)アルキル,(ハロ)1〜3(C1〜8)アルコキシ、ヒドロキシ、及びヒドロキシ(C1〜8)アルキルからなる群から独立して選択された1個〜4個の置換基で場合により置換されており;そして式中、複素環は場合によりオキソで置換されている)よりなる群より独立して選ばれ;そして式中、R9は、C1〜8アルキル、C1〜8アルコキシ(C1〜8)アルキル、カルボキシル(C1〜8)アルキル、アミノ(C1〜8)アルキル(式中、アミノは水素及びC1〜4アルキルからなる群から独立して選択された置換基で置換されている)、ヒドロキシ(C1〜8)アルキル、複素環(C1〜8)アルキル、アリール(C1〜8)アルキル及びヘテロアリール(C1〜8)アルキル(式中、該複素環、アリール及びヘテロアリール置換基は、C1〜8アルキル、C1〜8アルコキシ、C1〜8アルコキシ(C1〜8)アルキル、カルボキシル、カルボキシル(C1〜8)アルキル、アミノ(水素及びC1〜4アルキルからなる群から独立して選択された置換基で置換されている)、アミノ(C1〜8)アルキル(式中、アミノは水素及びC1〜4アルキルからなる群から独立して選択された置換基で置換されている)、ハロゲン、(ハロ)1〜3(C1〜8)アルキル,(ハロ)1〜3(C1〜8)アルコキシ、ヒドロキシ及びヒドロキシ(C1〜8)アルキルからなる群から独立して選択された1個〜4個の置換基で場合により置換され;そして式中、複素環は場合によりオキソで置換されている)よりなる群より独立して選ばれる)よりなる群より選ばれる、請求83に記載の方法。
【請求項88】
R1及びR3が、水素、C1〜8アルキル、C2〜8アルケニル、C2〜8アルキニル(式中、アルキル、アルケニル及びアルキニルは、C1〜8アルコキシ、アルコキシ(C1〜8)アルキル、カルボキシル、カルボキシル(C1〜8)アルキル、アミノ(水素及びC1〜4アルキルからなる群から独立して選択された置換基で置換されている)、アミノ(C1〜8)アルキル(式中、アミノは水素及びC1〜4アルキルからなる群から独立して選択された置換基で置換されている)、(ハロ)1〜3、(ハロ)1〜3(C1〜8)アルキル、(ハロ)1〜3(C1〜8)アルコキシ、ヒドロキシ、ヒドロキシ(C1〜8)アルキル及びオキソからなる群から選択された置換基で場合により置換されている)、C1〜8アルコキシ、C1〜8アルキルカルボニル、(ハロ)1〜3(C1〜8)アルコキシ、C1〜8アルキルチオ、アリール、ヘテロアリール(式中、アリール及びヘテロアリールはC1〜8アルキル、C1〜8アルコキシ、アルコキシ(C1〜8)アルキル、カルボキシル、カルボキシル(C1〜8)アルキル、アミノ(水素及びC1〜4アルキルからなる群から独立して選択された置換基で置換されている)、アミノ(C1〜8)アルキル(式中、アミノは水素及びC1〜4アルキルからなる群から独立して選択された置換基で置換されている)、ハロゲン、(ハロ)1〜3(C1〜8)アルキル、(ハロ)1〜3(C1〜8)アルコキシ、ヒドロキシ、及びヒドロキシ(C1〜8)アルキルからなる群から選択された置換基で場合により置換されている)、アミノ(水素及びC1〜4アルキルからなる群から独立して選択された置換基で場合により置換されている)、シアノ、ハロゲン、ヒドロキシ、及びニトロ;及びそれらの薬学上許容し得る塩からなる群から独立して選択される、請求83に記載の方法。
【請求項89】
前記式(III)の化合物が、6,7,9,10,12,13,15,16−オクタヒドロ−23H−5,26:17,22−ジメテノ−5H−ジピリド[2,3−k:3’,2’−q]ピロロ[3,4−n][1,4,7,10,19]トリオキサジアザシクロヘンイコシン−23,25(24H)−ジオンである、請求83に記載の方法。
【請求項90】
前記式(III)の化合物が、10,11,13,14,16,17,19,20,22,23−デカヒドロ−9,4:24,29−ジメテノ−1H−ジピリド[2,3−n:3’,2’−t]ピロロ[3,4−q][1,4,7,10,13,22]テトラオキサジアザシクロテトラコシン−1,3(2H)−ジオンである、請求83に記載の方法。
【請求項91】
前記式(III)の化合物が、10,11,13,14,16,17,19,20,22,23,25,26−ドデカヒドロ−9,4:27,32−ジメテノ−1H−ジピリド[2,3−q:3’,2’−w]ピロロ[3,4−t][1,4,7,10,13,16,25]ペンタオキサジアザシクロヘプタコシン−1,3(2H)−ジオンである、請求83に記載の方法。
【請求項92】
前記式(III)の化合物が、6,7,9,10,12,13−ヘキサヒドロ−20H−5,23:14,19−ジメテノ−5H−ジベンゾ[h,n]ピロロ[3,4−k][1,4,7,16]ジオキサジアザシクロオクタデシン−20,22(21H)−ジオンである、請求83に記載の方法。
【請求項93】
前記式(III)の化合物が、6,7,9,10,12,13,15,16−オクタヒドロ−23H−5,26:17,22−ジメテノ−5H−ジベンゾ[k,q]ピロロ[3,4−n][1,4,7,10,19]トリオキサジアザシクロヘンエイコシン−23,25(24H)−ジオンである、請求83に記載の方法。
【請求項94】
前記式(III)の化合物が、10,11,13,14,16,17,19,20,22,23−デカヒドロ−9,4:24,29−ジメテノ−1H−ジベンゾ[n,t]ピロロ[3,4−q][1,4,7,10,13,22]テトラオキサジアザシクロテトラコシン−1,3(2H)−ジオンである、請求83に記載の方法。
【請求項95】
前記式(III)の化合物が化合物1aである、請求83に記載の方法。
【請求項96】
前記式(III)の化合物が、3−[1−[3−[(2−ヒドロキシエチル)メチルアミノ]プロピル]−1H−インダゾール−3−イル]−4−[1−(3−ピリジニル)−1H−インドール−3−イル]−1H−ピロール−2,5−ジオンである、請求83に記載の方法。
【請求項97】
前記式(III)の化合物が、3,5−ジクロロ−N−[3−クロロ−4−[(3,4,12,12a−テトラヒドロ−1H−[1,4]チアジノ[3,4−c][1,4]ベンゾジアゼピン−11(6H)−イル)カルボニル]フェニル]−ベンズアミドである、請求83に記載の方法。
【請求項98】
前記式(III)の化合物が、3−[1−(2−ヒドロキシ−エチル)−1H−インドール−3−イル]−4−(1−ピリジン−3−イル−1H−インドール−3−イル)−ピロール−2,5−ジオンである、請求83に記載の方法。
【請求項99】
前記式(III)の化合物が、3−(2−メトキシ−フェニル)−4−(1−ピリジン−3−イル−1H−インドール−3−イル)−ピロール−2,5−ジオンである、請求83に記載の方法。
【請求項100】
前記式(III)の化合物が、6−[[2−[[4−(2,4−ジクロロフェニル)−5−(4−メチル−1H−イミダゾール−2−イル)−2−ピリミジニル]アミノ]エチル]アミノ]−3−ピリジンカルボニトリルである、請求83に記載の方法。
【請求項101】
前記式(III)の化合物が、3−(5−クロロ−1−メチル−1H−インドール−3−イル)−4−[1−(3−イミダゾール−1−イル−プロピル)−1H−インダゾール−3−イル]−ピロール−2,5−ジオンである、請求83に記載の方法。
【請求項102】
前記式(III)の化合物が、3−(5−クロロ−1−メチル−1H−インドール−3−イル)−4−[1−(3−[1,2,3]トリアゾール−1−イル−プロピル)−1H−インダゾール−3−イル]−ピロール−2,5−ジオンである、請求83に記載の方法。
【請求項103】
前記式(III)の化合物が、3−[1−(3−ヒドロキシ−プロピル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−3−イル]−4−(1−メチル−1H−ピラゾール−3−イル)−ピロール−2,5−ジオンである、請求83に記載の方法。
【請求項104】
前記式(III)の化合物が化合物10aである、請求83に記載の方法。
【請求項105】
前記式(III)の化合物が、3−[1−(3−ヒドロキシ−3−メチル−ブチル)−1H−インダゾール−3−イル]−4−(1−ピリジン−3−イル−1H−インドール−3−イル)−ピロール−2,5−ジオンである、請求83に記載の方法。
【請求項106】
前記式(III)の化合物が、3−[1−(2−ヒドロキシ−エチル)−1H−インダゾール−3−イル]−4−(1−ピリミジン−5−イル−1H−インドール−3−イル)−ピロール−2,5−ジオンである、請求83に記載の方法。
【請求項107】
前記式(III)の化合物が、3−[1−(2−ヒドロキシ−エチル)−1H−インドール−3−イル]−4−(1−ピリミジン−5−イル−1H−インドール−3−イル)−ピロール−2,5−ジオンである、請求83に記載の方法。
【請求項108】
前記式(III)の化合物が、(11Z)−8,9,10,13,14,15−ヘキサヒドロ−2,6:17,21−ジ(メテノ)ピロロ[3,4−h][1,15,7]ジオキサザシクロトリコシン−22,24(1H,23H)−ジオンである、請求83に記載の方法。
【請求項109】
前記式(III)の化合物が、3−(5−クロロ−1−ピリジン−3−イル−1H−インドール−3−イル)−4−[1−(3−ヒドロキシ−プロピル)−1H−インダゾール−3−イル]−ピロール−2,5−ジオンである、請求83に記載の方法。
【請求項110】
前記式(III)の化合物が、3−(2−メトキシ−フェニル)−4−[1−(3−メトキシ−プロピル)−1H−ピロロ[3,2−c]ピリジン−3−イル]−ピロール−2,5−ジオンである、請求83に記載の方法。
【請求項111】
前記式(III)の化合物が、3−[1−(3−ヒドロキシ−プロピル)−1H−インダゾール−3−イル]−4−[1−(テトラヒドロ−ピラン−4−イル)−1H−インドール−3−イル]−ピロール−2,5−ジオンである、請求83に記載の方法。
【請求項112】
前記式(III)の化合物が、2−{3−[4−(5−クロロ−1−メチル−1H−インドール−3−イル)−2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−3−イル]−インダゾール−1−イル}−N−(2−ヒドロキシ−エチル)−アセトアミドである、請求83に記載の方法。
【請求項113】
前記式(III)の化合物が、4−(3−クロロ−フェニル)−6−(3−ジメチルアミノ−プロピル)−5,6−ジヒドロ−4H−2,4,6−トリアザ−シクロペンタ[c]フッ素−1,3−ジオンである、請求83に記載の方法。
【請求項114】
前記式(III)の化合物が、14−エチル−6,7,9,10,13,14,15,16−オクタヒドロ−12H,23H−5,26:17,22−ジメテノジベンゾ[k,q]ピロロ[3,4−n][1,4,7,10,19]ジオキサトリアザシクロヘンエイコシン−23,25(24H)−ジオンである、請求83に記載の方法。
【請求項115】
前記式(III)の化合物が、14−ベンジル−6,7,9,10,13,14,15,16−オクタヒドロ−12H,23H−5,26:17,22−ジ(メテノ)ジベンゾ[k,q]ピロロ[3,4−n][1,4,7,10,19]ジオキサトリアザシクロヘンイコシン−23,25(24H)−ジオンである、請求83に記載の方法。
【請求項116】
前記式(III)の化合物が、3−(1−{2−[2−(2−ヒドロキシ−エトキシ)−エトキシ]−エチル}−1H−インドール−3−イル)−4−[1−(2−ヒドロキシ−エチル)−1H−インドール−3−イル]−ピロール−2,5−ジオンである、請求83に記載の方法。
【請求項117】
前記式(III)の化合物が、6,7,8,9,10,11,12,13−オクタヒドロ−8,11−ジメチル−5,23:14,19−ジメテノ−20H−ジベンゾ[k,q]ピロロ[3,4−n][1,4,7,10]テトラアザシクロオクタデシン−20,22(21H)−ジオンである、請求83に記載の方法。
【請求項118】
前記式(III)の化合物が、7,8,9,10,12,13,16,17,18,19−デカヒドロ−8,17−ジメチル−15H,26H−5,29:20,25−ジメテノ−6H−ジベンゾ[k,q]ピロロ[3,4−n][1,4,7,10,19,22]ジオキサテトラアザシクロテトラコシン−26,28(27H)−ジオンである、請求83に記載の方法。
【請求項119】
前記式(III)の化合物が、14−(2−フリルメチル)−6,7,9,10,13,14,15,16−オクタヒドロ−12H,23H−5,26:17,22−ジ(メテノ)ジベンゾ[k,q]ピロロ[3,4−n][1,4,7,10,19]ジオキサトリアザシクロヘンイコシン−23,25(24H)−ジオンである、請求83に記載の方法。
【請求項120】
前記式(III)の化合物が、14−(2−チエニルメチル)−6,7,9,10,13,14,15,16−オクタヒドロ−12H,23H−5,26:17,22−ジ(メテノ)ジベンゾ[k,q]ピロロ[3,4−n][1,4,7,10,19]ジオキサトリアザシクロヘンイコシン−23,25(24H)−ジオンである、請求83に記載の方法。
【請求項121】
前記式(III)の化合物が、14−(1−ナフチルメチル)−6,7,9,10,13,14,15,16−オクタヒドロ−12H,23H−5,26:17,22−ジ(メテノ)ジベンゾ[k,q]ピロロ[3,4−n][1,4,7,10,19]ジオキサトリアザシクロヘンイコシン−23,25(24H)−ジオンである、請求83に記載の方法。
【請求項122】
前記式(III)の化合物が、14−(ピリジン−4−イルメチル)−6,7,9,10,13,14,15,16−オクタヒドロ−12H,23H−5,26:17,22−ジ(メテノ)ジベンゾ[k,q]ピロロ[3,4−n][1,4,7,10,19]ジオキサトリアザシクロヘンイコシン−23,25(24H)−ジオンである、請求83に記載の方法。
【請求項123】
前記式(III)の化合物が、3−[1−(2−{2−[2−(1,2,3,4−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルアミノ)−エトキシ]−エトキシ}−エチル)−1H−インドール−3−イル]−4−{1−[2−(1,2,3,4−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルアミノ)−エチル]−1H−インドール−3−イル}−ピロール−2,5−ジオンである、請求83に記載の方法。
【請求項124】
前記式(III)の化合物が、3−[1−(3−ジメチルアミノ−フェニル)−1H−インドール−3−イル]−4−[1−(2−ヒドロキシ−エチル)−1H−インダゾール−3−イル]−ピロール−2,5−ジオンである、請求83に記載の方法。
【請求項125】
前記式(III)の化合物が、3−[5−クロロ−1−(6−ジメチルアミノ−ピリジン−3−イル)−1H−インドール−3−イル]−4−[1−(2−ヒドロキシ−エチル)−1H−インダゾール−3−イル]−ピロール−2,5−ジオンである、請求83に記載の方法。
【請求項126】
前記式(III)の化合物が、5−(5−クロロ−3−{4−[1−(2−ヒドロキシ−エチル)−1H−インダゾール−3−イル]−2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−3−イル}−インドール−1−イル)−ニコチン酸メチルエステルである、請求83に記載の方法。
【図9】
【図10A】
【図10B】
【図10C】
【図11A】
【図11B】
【図12】
【図13A】
【図13B】
【図14】
【図15A】
【図15B】
【図10A】
【図10B】
【図10C】
【図11A】
【図11B】
【図12】
【図13A】
【図13B】
【図14】
【図15A】
【図15B】
【公表番号】特表2011−518563(P2011−518563A)
【公表日】平成23年6月30日(2011.6.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−506409(P2011−506409)
【出願日】平成21年4月22日(2009.4.22)
【国際出願番号】PCT/US2009/041356
【国際公開番号】WO2009/132068
【国際公開日】平成21年10月29日(2009.10.29)
【出願人】(509087759)セントコア・オーソ・バイオテツク・インコーポレーテツド (77)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成23年6月30日(2011.6.30)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年4月22日(2009.4.22)
【国際出願番号】PCT/US2009/041356
【国際公開番号】WO2009/132068
【国際公開日】平成21年10月29日(2009.10.29)
【出願人】(509087759)セントコア・オーソ・バイオテツク・インコーポレーテツド (77)
【Fターム(参考)】
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