説明

多臓器機能不全を予防するための方法及び組成物

本発明の一側面は、外傷の発生の24時間以内に、(i)可消化水溶性炭水化物と、(ii)肝臓グアノシン−5’−三リン酸(GTP)増加成分及び/又はアンギオテンシン変換酵素(ACE)阻害活性を有するペプチドとを哺乳動物に腸内投与することを含む、外傷を負っている哺乳動物の多臓器機能不全を予防する方法に関する。本発明の別の側面は、−20から200g/Lの溶解された可消化炭水化物と;−1から100g/Lのリボース均等物及び/又は2から2000mg/Lのフラボノイドと組み合わせた、5から5000mg/Lのグアノシン均等物と;又はACE阻害活性を有する0.01から10mMのペプチドと;45から97.95重量%の水とを含有する、水性液体組成物に関する。

【発明の詳細な説明】
【発明の技術分野】
【0001】
本発明の一側面は、外傷後の多臓器機能障害を予防する方法に関する。本方法は、外傷発生の直前及び/又は直後に、液体栄養組成物を腸内投与することを含む。
【0002】
本発明の別の側面は、前記方法で使用するための液体栄養組成物に関する。
【発明の背景】
【0003】
高度なモニタリングシステムとより効果的な単一臓器補助の登場により、患者が急性外傷から蘇生する可能性は増大し続けている。しかしながら、重大な病気の初期段階を「生存」した後、これらの患者は、しばしば、多臓器機能不全という臨床症候へと進行する。MODは、進行性の悪化と、それに続く、身体生理系の不全を特徴とする。これまでのところ、有効な治療が開発されていないので、MODの死亡率は高い。
【0004】
多臓器機能不全は、もはや、孤立した不全の連続とは見られていない。剖検を行うと、病変した臓器は似通ったパターンの組織損傷を呈するが、それらは、最初の傷害部位又は感染源からは離れていることが多い。この複雑な症候群は、かつて、心臓血管系の機能不全及び/又は単発性の臓器不全に過ぎないと考えられていたが、現在では、誘発因子に関わらず、傷害に対する持続的な炎症性応答によって媒介される全身性の障害と認識されている。多臓器機能不全は、臓器系の機能的状態及び病理的状態における、臓器系間での複雑な相互作用であることが明らかとなっている。
【0005】
虚血後におけるMODの誘導には、複数の機序が関与していることが推測されている。この単一及び多臓器機能不全(S)MODの誘導及び重篤度には、腸−肝臓−肺系が主要な役割を果たしている。より具体的には、腸は、しばしば、多臓器不全のけん引役と称される8−11。反応性酸素種の虚血後の増加は、(マクロファージ及びリンパ球によって)直接的又は間接的に、好中球を活性化し、その後、好中球は組織傷害を引き起こす炎症の部位に浸潤することができる。これらの好中球は、最近、回腸において傍細胞の輸送を増加させることも報告されている。腸の障壁のかかる損傷は、しばしば、上皮細胞を横断する細菌輸送を増加させ、それらの内毒素が患者の炎症の誘発(MODの誘発に関与すると報告されている。)をもたらすと報告されている。
【0006】
最近、酸化的ストレス及び好中球の活性化が、虚血再灌流傷害の2つの要であることが示唆されている12。再灌流(虚血後)が起こると、幾つかの機序によってROSが噴出され、これは、身体の抗酸化能を超えることがあり、酸化的ストレスを引き起こし得ることが一般的に認められている13−18。重要なことに、これらのROSは、炎症性転写因子NF−κBを活性化する。炎症性応答が必要であり得るが、虚血後には、炎症性応答の制御の大半が失われ、従って、炎症促進性のサイトカインTNFα及びIL−6が、それらの必要性を超えて増悪され得る。NF−κB誘導におけるこれらのROSの重要性は、例えば、血漿中のグルタチオンレベルを上方制御し、NFκB応答を減少させ、続いて、TNFαを低下させるN−アセチルシステインの添加によって実証される12
【0007】
術前の絶食は、ストレスに対する形態的及び代謝的応答を変化させることが報告されており19−21、例えば、細菌の転位及びそれらの内毒素が増加することが報告されている22−24。この増加した転位は、腸障壁機能の減少、肝機能の減少(特に、肝臓の細網内皮系(RES)のクッパー細胞P3)又は両者に起因するものであり得る。さらに、腸の虚血に起因する細網内皮系(RES)の機能不全が、特に絶食した動物中で報告されている25−28
【0008】
EP−A 0 564 511は、低浸透圧性(250−295mOsm/kg)であり、100mL当たり8から20gの炭水化物を含有する水溶液からなる、術前摂取用飲料を開示する。この飲料は、患者の術後炭水化物代謝に対する外科的手術の悪影響を抑制するために、及び手術時又は手術後の出血に対する患者の防御能を向上させるために使用し得る。
【0009】
米国特許第5,438,043号は、100mL当たり8から20グラムの炭水化物混合物の低浸透圧性水溶液を含む、術前に使用するための飲料を記載している。この米国特許は、溶解すると、11.7gのデキストリンを含有する100mL溶液を与える乾燥物質を記載している。EP−A 0 875 155は、400mL当たりに、5から130gの可溶性炭水化物と1から30gのグルタミン又はグルタミンとして計算されるグルタミン前駆体を含有する、手術前後に使用するための液体栄養組成物を記載している。この液体組成物は、麻酔及び胃の内容物排出という問題を引き起こさずに、同化代謝を維持するために、手術直前又は手術直後に投与されることが予定されている。
【0010】
EP−A 0 302 807は、アミノ窒素源、炭水化物、食用性脂肪、無機物、ビタミン及び少なくとも一つのヌクレオシドを含有する栄養的にバランスが取れた液体栄養製品を記載している。実施例IXは、7.32%のマルトデキストリンと0.15%のヌクレオシド及び/又はヌクレオチドとを含有し、前記ヌクレオシド及び/又はヌクレオチドは150mgのグアノシン及び/又は30mgのグアノシン一リン酸を含有する水性液体製品を開示している。
【発明の概要】
【0011】
予定されている手術の前に、患者は、麻酔の安全性のために、並びに胃内容物の逆流及び吸引を防ぐために、最大24時間、少なくとも8時間絶食するのが通常である。また、手術又は重い外傷の後、患者は、しばしば、8時間以上にわたって、全く栄養素を摂取しない。
【0012】
本発明者らは、思いがけないことに、外傷後のMODの発生と、外傷の発生直前及び/又は発生直後の期間中の絶食の結果として起こる、可消化炭水化物の摂取の減少との間に相関が存在することを発見した。さらに、本発明者らは、肝臓グアノシン−5’−三リン酸(GTP)を増加させる成分及び/又はアンギオテンシン変換酵素(ACE)阻害活性を有するペプチドとともに、消化性水溶性炭水化物を含有する水性液体組成物の形態で、消化性の水溶性炭水化物の相当量を、外傷発生の直前又は直後に腸内投与することによって、MODのリスクが著しく軽減され得ることを確定した。本発明に従って有利に使用することができる肝臓GTP増加成分は、グアノシン均等物及びリボース均等物である。
【0013】
実験データは、絶食された動物に比べて、炭水化物溶液を手術前後に摂取した動物が、腸の透過性が著しく低く、肝臓、腎臓及び腸間膜のリンパ節への細菌の転位がずっと少なくなることも示唆する。これらのデータは、さらに、臓器当たりの酸化的ストレス及び肝臓のエネルギー状態の生化学的特性によって裏付けられる。
【0014】
本発明者らは理論に拘泥するものではないが、MODの発生に対する、可消化炭水化物の手術前後の投与の保護効果の背後に存在する機序は、何らかの形で、腸及び肝臓の両方に対する前記投与の効果と関連していると考えられている。この結果は、本発明の方法が外傷後の腸障壁機能の維持を補助することを示唆する。
【0015】
不可欠な肝機能及びMODとの関係を確立した後、本発明者らは、さらに、本発明の液体組成物のMODに対する予防効果が、肝臓グアノシン−5’−三リン酸(GTP)を増加することができる一又は複数の成分の有効量を前記組成物中に取り込ませることによってさらに増強されることを発見した。本発明者らは、肝臓GTP及びMODの発生との逆相関を発見した。肝臓GTPレベルは、グアノシン、リボース及び/又はこれらの成分の前駆体を投与することによって、本発明に従って、効果的に増加され得る。
【0016】
非対称性ジメチルアルギニン(ADMA)の血漿レベルの増加も、MODに対する、さらなるリスク因子を構成すると推測される。本発明の液体組成物中に、ACE阻害活性を有する有効量のペプチドを含めると、ADMAの血漿レベルが望ましくないほど高いレベルに達しないようにするのに役立つことも見出された。
【発明の詳細な説明】
【0017】
従って、本発明の一側面は、外傷を受けた哺乳動物において多臓器機能不全を予防する方法であって、(i)2から2000mgのグアノシン均等物、0.5から40gのリボース均等物及びそれらの組み合わせからなる群から選択される肝臓GTP増加成分と、(ii)少なくとも10g/L、好ましくは少なくとも20g/Lの可消化水溶性炭水化物を含有する水性液体組成物の形態の、少なくとも20gの可消化水溶性炭水化物とを、前記外傷の発生の24時間以内に、前記哺乳動物に、腸内投与することを含む方法に関する。
【0018】
本発明の別の側面は、外傷を受けた哺乳動物において多臓器機能不全を予防する方法であって、(i)ACE阻害活性を有し、本明細書において定義される1000未満のIC50濃度を示す0.05から100mmolのペプチドと、(ii)少なくとも10g/Lの可消化水溶性炭水化物を含有する水性液体組成物の形態の、少なくとも20gの可消化水溶性炭水化物とを、前記外傷の発生の24時間以内に、前記哺乳動物に、腸内投与することを含む方法に関する。IC−50濃度は、物質又は組成物がACE活性を阻害する効力の指標であり、以下の「方法」に記載されているように決定し得る。
【0019】
本明細書において使用される「可消化炭水化物」という用語は、消化管によってそのまま吸収され得る炭水化物、又は消化管によって吸収可能な成分へと分解され得る(但し、この分解は、腸管微生物叢による発酵的分解を含まない。)炭水化物を表す。
【0020】
本明細書において使用される「グアノシン均等物」という用語は、グアノシン並びにグアノシンの塩及びグアノシンの前駆体、特に、前駆体分子のインビボ変換(例えば、加水分解)によってグアノシン又はグアノシン塩を遊離することができる前駆体を包含する。加水分解されて、グアノシン又はグアノシン塩を産生することができるグアノシン前駆体の典型的な例は、グアノシンエステルである。
【0021】
「リボース均等物」という用語は、グアニン均等物及び葉酸均等物に関して上記した定義に従って定義される。リボース均等物は、合成若しくは天然のリボースの形態で、又は、例えば、核酸塩基付加物の形態の前駆体として(例えば、リボースグアノシン付加物として)投与し得る。リボース前駆体の他の適切な例には、リボースエステルが含まれる。
【0022】
「腸内投与する」という用語には、経口投与(経口胃管栄養法投与を含む。)及び直腸投与が包含されるが、経口投与が最も好ましい。別段の記載がなければ、本願に記載される投薬量は、単一の服用又は単一の投与行為中に送達される量を表す。本発明の組成物がガラス又は容器から摂取される場合、単一の服用又は単一の投与中に送達される量は、典型的には、前記ガラス又は容器の容積に等しいと思われる。
【0023】
本方法を用いて予防的に治療することができるMODを引き起こし得る外傷の例には、手術並びに火傷、病変及び出血などの主要な傷害が含まれる。本発明の方法は、手術、特に、予め予定が決められた手術に起因するMODを予防するのに特に適している。例えば、予め予定が決められた手術の場合、外傷の発生する前に、本発明の液体組成物を投与することが可能である。外傷の発生前に液体組成物を投与することには、患者に液体組成物を飲むように単に依頼することによって組成物を投与できる、及び実際の外傷が発生したときに効果が発揮されるという重要な利点がある。
【0024】
本発明に従って使用される可消化炭水化物は、単糖、二糖及び多糖を適切に含むことができる。本発明の特に好ましい実施形態では、可消化水溶性炭水化物は、大部分がグルコースをベースとする。本実施形態において、前記可消化水溶性炭水化物は、該可消化炭水化物の分子量に対して計算される、最大6%の量でグルコース以外の糖を必要に応じて含有する。可消化グルコースをベースとする炭水化物中に生じ得る他の糖質の例には、D−フルクトース、D−アラビノース、D−ラムノース、D−リボース及びD−ガラクトースが含まれるが、これらの糖質は、本炭水化物の末端に位置しないことが好ましい。オリゴ糖及び多糖のグルコース単位は、好ましくは、可消化であるために、主としてα1−4結合又はα1−6結合を結合を介して接続される。本発明の可消化炭水化物には、直鎖及び分枝鎖オリゴ糖及び多糖がともに含まれる。糖単位の数は、数値nによって表される。オリゴ糖は、3から10の数を有し、多糖は、11から1000、好ましくは11から60の数を有する。
【0025】
好ましくは、単糖及び二糖に比べて、多糖はより遅く吸収されるので、本発明の液体組成物は、30から200g/Lの可消化多糖を含有する。別の好ましい実施形態では、前記組成物は、多糖と単糖及び/又は二糖との組み合わせを含有する。より好ましくは、前記可消化炭水化物は、60−99重量%の可消化オリゴ糖及び/又は多糖と、1から40重量%の可消化単糖及び/又は二糖とを含む。可消化水溶性オリゴ糖の適切な例は、グルコースシロップである。可消化水溶性多糖の適切な例には、デキストリン、マルトデキストリン、デンプン、デキストラン及びそれらの組み合わせが含まれる。最も好ましくは、水溶性多糖は、デキストリン、マルトデキストリン及びそれらの組み合わせ(デキストリンが最も好ましい。)からなる群から選択される、少なくとも50重量%、より好ましくは少なくとも80重量%の多糖を含有する。特に好ましい実施形態において、前記可消化炭水化物は、少なくとも1重量%の単糖、特に少なくとも1重量%のフルクトースを含む。典型的には、前記可消化炭水化物は、単糖形態で20重量%以下のフルクトースを含有するであろう。
【0026】
本発明の特に好ましい実施形態において、前記方法は、外傷の発生の24時間以内に、少なくとも50g、より好ましくは少なくとも70gの可消化水溶性炭水化物を、水性形態組成物の形態で腸内投与することを含む。前記液体組成物は、単回の大量瞬時投与として投与することができ、あるいは、24時間の間に、2以上の投薬で投与することができる。好ましくは、液体組成物は、24時間の間に、少なくとも2回の分離した投薬で投与され、投与行為は、少なくとも1時間を隔てることが好ましい。特に適切なプロトコールは、外傷の24から8時間前にわたる期間中に、少なくとも40gの可消化炭水化物を送達するために、及び外傷の8から1時間前の期間中に、少なくとも20gの可消化炭水化物を送達するために、十分な量の本発明の液体組成物を投与することを含む。
【0027】
好ましい実施形態において、本発明の方法は、外傷発生の24時間以内に、
2から400mg、より好ましくは5から40mgのグアノシン均等物;
3から10gのリボース均等物、より好ましくは2から10gのD−リボース均等物;
及びそれらの組み合わせ;
からなる群から選択される肝臓GTP増加成分を投与することを含む。
【0028】
肝臓GTPは、葉酸又はその均等物を使用することによって、さらに増加させることができる。このように、好ましい実施形態において、本発明の方法は、外傷の24時間以内に、0.1から10mg、好ましくは0.2から5mgの葉酸均等物を腸内投与することを含む。「葉酸均等物」という用語は、葉酸及び葉酸の塩並びに葉酸又は葉酸の塩の前駆体、特に、前駆体分子のインビボ変換(例えば、加水分解)によって葉酸、葉酸塩、又は代謝的に活性な形態の葉酸を遊離することができる前駆体を包含する。適切な前駆体の例には、テトラヒドロ葉酸(テトラヒドロプテロイル)ポリグルタミン酸、テトラヒドロ葉酸グルタミン酸、並びに5−メチル及び/又は10−メチル置換されたそれらの類縁体が含まれる。本発明の葉酸均等物は、テトラヒドロ形態を使用することが好ましければ、ジヒドロ形態中にプテロイル基を含むこともできる。
【0029】
表記濃度範囲の葉酸を含めることは、GTPの生合成に対する補助を与える。本発明において、葉酸を使用することの別の利点は、ADMA血漿濃度に対する好ましい影響である(下記参照)29。葉酸とリボースの組み合わせは、肝臓GTPレベルを維持/回復する上で特に有効である。このように、特に好ましい実施形態では、本発明の方法は葉酸とリボースの組み合わせを使用する。
【0030】
特に好ましい実施形態において、本発明の方法は、外傷の発生の24時間以内に、2から100mgのグアノシン均等物、より好ましくは5から40mgのグアノシン均等物を投与することを含む。グアノシンは、GTPの前駆体である。思いがけないことに、本発明者らは、GTPの前駆体となり得るこれ以外の前駆体、例えば、グアニン及びグアノシン一リン酸(GMP)は、ずっと適切でないことを発見した。
【0031】
本発明の極めて好ましい実施形態において、前記方法は、外傷の発生の24時間以内に、ACE阻害活性を有し、1000μM未満のIC−50濃度を示すペプチド0.1から50mmolを投与することを含む。本発明者らは理論に拘泥することを望むものではないが、ACE阻害剤は、内皮細胞に対するNOの生物学的利用性を増加させ、これにより、内皮機能を向上させ得ると考えられる。ADMAは、尿中への排出によって、並びに肝臓及び腎臓中、及び内皮細胞中に豊富に発現されているジメチルアルガニンジメチルアミノヒドロラーゼによる代謝によって除去される。肝臓及び腎臓の排除機能は、血管新生が著しいこれらの臓器中の内皮細胞によって媒介されるという仮説が立てられている。このため、内皮細胞の生存性は、ADMAのクリアランスにとって不可欠であろう。この仮説は、血管疾患を有する患者又は血管疾患に対するリスク因子(高コレステロール血症及び高血圧など)を有する者では、ADMAレベルが通常増加するという観察によって、さらに裏付けられる。これらの全ての症状では、内皮機能が損なわれているのに対して、肝機能及び腎機能は、しばしば影響を受けていない。
【0032】
本発明の有利なさらに別の実施形態において、本発明の方法は、外傷の発生の24時間以内に、0.5から200mg、好ましくは1から100mg、最も好ましくは5から50mgの量で、フラボノイドを同時投与することを含む。ルテオリン、ケルセチン及びアピゲニンなどのフラボノイドは、キサンチンオキシダーゼの優れた阻害剤であること、及び、マロンジアルデヒドの血漿濃度に対するそれらの効果によって実証されるように、酸化的ストレスを阻害することが明らかにされている。さらに、フラボノイドは、肝臓GTPの維持及び回復を補助することも見出された。特に好ましい実施形態において、本発明の組成物は、ルテオリン、ケルセチン、アピゲニン及びそれらの組み合わせからなる群から選択されるフラボノイドを、好ましくは少なくとも2mg/L、より好ましくは少なくとも5mg/L、最も好ましくは少なくとも10mg/Lの濃度で含有する。
【0033】
本発明の別の側面は、本発明の方法で使用するための水性液体栄養組成物に関する。より具体的には、本側面は、
・20から200g/Lの溶解された可消化炭水化物;
・5から5000mg/Lのグアノシン均等物、並びに以下のうち少なくとも一つ:
・1から100g/Lのリボース均等物;
・2から2000mg/Lのフラボノイド;及び
・45から97.95重量%の水を含有する、腸内投与に適した水性液体組成物に関する。
【0034】
好ましい一実施形態において、前記水性液体組成物は、少なくとも1から100g/Lのリボース均等物を含有する。別の好ましい実施形態において、前記液体組成物は、2から2000mg/Lのフラボノイドを含有する。特に好ましいのは、表記の量で、グアノシン均等物、リボース均等物及びフラボノイドを含有する液体組成物である。
【0035】
本発明のさらに別の側面は、
・20から200g/Lの溶解された可消化炭水化物と;
・1000μM未満のIC−50濃度を示す、ACE阻害活性を有する0.01から10mMのペプチドと;及び
・45から97.95重量%の水と
を含有する、腸内投与に適した水性液体組成物に関する。
【0036】
特に好ましい実施形態において、前記液体組成物は、さらに少なくとも5mg/Lのグアノシン均等物を含有する。別の特に好ましい実施形態において、前記液体組成物は、さらに、少なくとも1g/L、より好ましくは、少なくとも3g/Lのリボース均等物を含有する。典型的には、液体組成物中に含有されるリボース均等物の量は、100g/Lを超えず、好ましくは、50g/Lを超えない。本発明のさらに別の有利な実施形態では、前記水性液体組成物は、2から2000mg/Lの濃度でフラボノイドを含有する。
【0037】
好ましくは、本発明の組成物は、ACE阻害活性を有するペプチド又はこのようなペプチドの混合物を、該ペプチド又はペプチドの混合物のIC−50濃度の10%以上、好ましくは50%以上の濃度で含有する。ACE阻害ペプチドは、タンパク質加水分解物、特に乳タンパク質加水分解物の形態で、本発明の組成物中に適切に取り込ませることができる。
本発明の液体組成物は、少なくとも10mg/Lのグアノシン均等物を有利に含有する。一般に、前記組成物中のグアノシン均等物の濃度は2000mg/L、好ましくは1000mg/L、より好ましくは500mg/Lを超えない。
【0038】
別の好ましい実施形態において、本発明の液体組成物は、0.2から400mg/Lの葉酸均等物を含有する。より好ましくは、前記組成物は、0.5から100mg/Lの葉酸均等物を含有する。
【0039】
好ましくは、フラボノイドは、少なくとも5mg/L、より好ましくは少なくとも10mg/Lの濃度で、本発明の組成物中に含有される。通常、フラボノイドの濃度は、1000mg/Lを超えず、好ましくは500mg/Lを超えない。ルテオリン、ケルセチン及びアピゲニンなどのフラボノイドは、キサンチンオキシダーゼの優れた阻害剤であること、及び、マロンジアルデヒドの血漿濃度に対するそれらの効果によって実証されるように、酸化的ストレスを阻害することが明らかされた。さらに、フラボノイドは、肝臓GTPレベルの維持及び回復を補助することも見出された。特に好ましい実施形態において、本発明の組成物は、少なくとも2mg/L、好ましくは少なくとも5mg/Lの濃度でルテオリン、ケルセチン、アピゲニン及びそれらの組み合わせからなる群から選択されるフラボノイドを含有する。
【0040】
嚥下が困難である患者又は吐き気を催す患者などの場合、前記可消化炭水化物は濃縮された液体形態で送達できることが重要である。従って、可消化水溶性炭水化物を、少なくとも50g/L、より好ましくは少なくとも70g/L、最も好ましくは少なくとも80g/Lの濃度で含めることが好ましい。
【0041】
逆流のリスクを最小限に抑え、また、胃内の滞留時間を最小限に抑えるために、液体組成物は30g/L未満の脂質、より好ましくは20g/L未満の脂質、最も好ましくは10g/Lの脂質を含有することが好ましい。同様の理由で、本発明の組成物のタンパク質レベルも、比較的低いことが好ましく、特に40g/L未満とすることが好ましい。逆流のリスクを軽減するための別の方法は、服用の容量サイズを(例えば、100mL未満に)減らすか、又は十二指腸中に管を与えることである。
【0042】
本発明の液体組成物は、例えば、溶液、懸濁液又はエマルジョンの形態を採ることができる。実質的に未溶解成分を全く含有しない溶液の形態で(例えば、液体組成物が澄んで、透明であるという事実によって示される。)液体組成物を使用することが好ましい。
【0043】
本発明のさらに別の側面は、水で戻して、本発明の水性液体組成物にすることができる組成物に関する。典型的には、液体で戻すことができる組成物は、液体濃縮物、ペースト、粉末、顆粒、錠剤などの形態を採ることができる。好ましくは、液体で戻すことができる組成物は、乾燥製品であり、特に、10重量%未満、好ましくは7重量%未満の水分含量を有する乾燥産物である。
【参考文献】
【0044】

方法
IC−50濃度の測定
本願において、IC−50濃度とは、以下に記載されている検査条件を用いて、ある物質がアンギオテンシン変換酵素(ACE)の活性を50%減少させる濃度である。
【0045】
ACEは、基質FAPGG(N−[3−(2−フリル)アクリロイル]−L−フェニルアラニルグリシルグリシンを切断して、FAPとGGにすることができる。変化を受けていない基質は、340nmの波長で、分光学的に検出することができる。切断産物は、前記波長で検出することができない。ACEが添加された、基質の水溶液の吸光度は、基質の酵素的切断の結果、時が経過するにつれて減少するであろう。物質のACE阻害特性を評価するために、これらの物質は様々な濃度でACE−基質混合物中に導入される。340nmの吸光度を20分間追跡し、このデータから、吸収が減少する速度を計算する。
【0046】
この方法は、較正のために、陽性対照と陰性対照を使用する。
【0047】
陰性対照:ACE及びFAPPG(検査物質なし)
陽性対照;ACE/FAPGG及び薬理学的ACE阻害剤(例えば、カプトトリル、25nM)
材料:
96ウェルプレート
マイクロプレートリーダー(340nmフィルター;速度論プロトコール)
アンギオテンシン変換酵素、0.16mU/μL、exSigma(R)(A−6778)
FAPGG、2mg/mL(5mM) ex Sigma(F−7131)
ACE緩衝液:17.6mg/mL(300mM)NaCl、12mg/mL(50nM) Hepes, pH 7.5
方法:
マイクロプレートリーダーのインキュベータを37℃になるように調節する
ACE緩衝液中に検査成分を溶解し、希釈する
96ウェルプレート中の60μL/ウェルの試料(陽性及び陰性対照を含む。)をピペットで取る
30μL/ウェルのFAPGG(2mg/mL、ACE緩衝液中)を添加
このプレートを37℃で5分間インキュベートする
10μL/ウェルのACE(0.16mU/μL)を添加する
340nmの吸光度を20分間測定する(速度論プロトコール、80回測定、15秒ごとに1回測定)
【実施例】
【0048】
実施例1
投与すべき水性液体組成物は、200mLの一回分の中に、100mL当たり以下のものを含む。
【0049】
グルコース 1g
マルトデキストリンDE 5 10g
グアノシン 5mg
この液体は、外傷の発生から24時間以内に、2回投与されるべきである。
【0050】
実施例2
投与すべき水性液体組成物は、200mLの一回分の中に、100mL当たり以下のものを含む。
【0051】
グルコースシロップ DE 12 11.5g
グルコース 2g
葉酸 100μg
グアノシン 2mg
この液体は、外傷の発生から24時間以内に、3回投与されるべきである。
【0052】
実施例3
投与すべき水性液体組成物は、200mLの一回分の中に、100mL当たり以下のものを含む。
【0053】
デキストリン 11.5g
グルコース 2g
葉酸 100μg
αS1−カゼイン加水分解物 7g
EX DMV International; 6%のC12ペプチドを含有
この液体は、外傷の発生から24時間以内に、4回投与されるべきである。
【0054】
実施例4
投与すべき水性液体組成物は、125mLの一回分の中に、100mL当たり以下のものを含む。
【0055】
グルコースシロップ DE 19 11.5g
グルコース 2g
葉酸 200μg
カゼイン加水分解物 1.75g
6μMのIC−50を有する0.05g(76μmol)のACE阻害ペプチドを含有する
この液体は、外傷の発生から24時間以内に、4回投与されるべきである。
【0056】
実施例5
投与すべき水性液体組成物は、200mLの一回分の中に、100mL当たり以下のものを含む。
【0057】
マルトース 1g
グルコースシロップ DE 29 10g
葉酸 200μg
GTP 5mg
リボース 1g
大豆タンパク質加水分解物 2g
200μM未満のIC−50を有する少なくとも0.1gのACE阻害ペプチドを含有する。
【0058】
この液体は、外傷の発生から24時間以内に、2回分で投与されるべきである。
【0059】
実施例6
投与すべき水性液体組成物は、500mLの一回分の中に、100mL当たり以下のものを含む。
【0060】
マルトース 1g
グルコースシロップ DE 32 10g
葉酸 50μg
GTP 1mg
リボース 0.5g
αS1カゼインタンパク質加水分解物 2g
ex DMV International;8%のC12ペプチドを含有
この液体は、経管栄養法によって外傷の発生から24時間以内に2回分で投与されるべきである。
【0061】
実施例7
200mLの水で、一回分に戻されるべき粉末製剤:
デキストリン 23g
グルコース 4g
葉酸 200μg
カゼイン加水分解物 1.74g
5μMのIC−50を有する0.05gのACE阻害ペプチドを含有する
戻された液体は、外傷の発生から24時間以内に、4回分で投与されるべきである。
【0062】
実施例8
術前に炭水化物を補充することによって、術後の臓器機能が向上し、多臓器機能不全に随伴するリスク因子が減少するかどうかを明らかにするために、ラット研究を実施した。
【0063】
方法:
上腸間膜静脈をクランプで締める前に、雄のwistarラットの一群を16時間絶食した(水は自由に摂取可能)。介入群には、113gのデキストリンと12.7gのフルクトース/Lの他、飲み水中の塩及びクエン酸の等張混合液を与え、手術の5日前から開始し、手術日まで続けた。水を自由に与えたものを対照とした。瀉血によって、動物を屠殺し、腸の透過性と細菌の転位を直ちに測定し、臓器機能のパラメータを測定するために、血漿及び様々な臓器の試料を液体窒素中に凍結した。偽断食動物を対照とした。
【0064】
結果−腸
絶食動物における虚血再灌流は、腸の透過性を著しく増加させた(図1)。術前に炭水化物飲料を自由に与えると、一晩絶食した虚血ラットに比べて、腸の障壁機能が有意に(P<0.05)良好に保存されることが示された(図1)。
【0065】
結果−細菌の転位
手術を受けた絶食ラットは、偽絶食ラット又は偽摂食ラットに比べると、肝臓、腎臓及び腸間膜リンパ節への細菌転位の増加を示した(図2A−C)。炭水化物飲料の術前補充は、IR絶食動物に比べて、肝臓、腎臓及び腸間膜リンパ節への細菌の転位を有意に減少させた(図3A−C)。さらに、術前摂食動物の脾臓には、細菌転位が減少する傾向(P=0.07)が見られた(図2D)。
【0066】
結果−肺
肺は、ミエロペルオキシダーゼ活性によって示されるように、偽絶食群に比べて、IR絶食群で好中球浸潤の増加を示した(図3A)。炭水化物混合物を術前に補充した群は、IR絶食ラットに比べて、有意な(P<0.02)減少を示した(図2A)。さらに、IR絶食群は、術前補充群に比べて、有意に(P=0.014)減少したGSH濃度を示した。これに対して、IR補充群のGSH濃度は、偽絶食動物のレベルで、ほぼ保持された(図3B)。MDA濃度によって示される酸化的ストレスは、IR絶食動物と比べて、減少する傾向(P<0.1)を示した。
【0067】
結果−全身的パラメータ
術前に自由に炭水化物飲料を飲むことができたラットは、IR絶食ラットと比べて、尿素濃度の有意な(P=0.028)減少を示した(図4)。
【0068】
結果−血漿ADMA及びIL−6濃度
最近、臓器機能不全に対するリスク因子であることが示唆された、非対称性ジメチルアルギニン(ADMA)濃度は、偽絶食ラットに比べて、IR摂食ラットで有意に増加した(P<0.02)(図5A)。重要なことに、術前補充された群は、有意に(P<0.01)減少したADMA濃度を示し、それぞれ、IR絶食動物及び偽絶食動物と比較すると、ADMAの増加が失われることが示された(図5A)。単一及び多臓器機能不全((S)MOD)の発生及び重篤度に、濃度依存的に関連している別のパラメータは、炎症促進性のサイトカインであるIL−6である。IL−6濃度は、炭水化物混合物を術前に補充した群では、IR絶食ラットに比べて、有意な(P=0.02)減少を示した(図5B)。
【0069】
結論
結論的には、炭水化物の術前投与は、MODを減少させた。この減少は、腸の障壁機能の改善と細菌の転位の低下によって示された。さらに、肺の炎症、肺の酸化的ストレス及び血漿尿素は減少した。炭水化物摂食ラットにおける、臓器機能パラメータのこのような改善は、ADMA及びIL−6濃度の同時減少と平行して起こった。MOD及びMOD関連因子の減少に対する、術前の炭水化物補充の有益な効果は、術後の回復を改善するために術前栄養が重要な役割を果たすことを示唆している。
実施例9
実施例8に記載したモデルを使用してラット研究を行った。介入グループには、術前に自由な摂食を行わせるか、又はフラボノイド混合物を餌に追加して、術前に自由な摂食を行わせた。15kgの後者には、4gのケルセチン、3gのルテオリン、3gのアピゲニンス、5gのエピカテキン及び10gの緑茶抽出物が添加された。瀉血後に、肝臓GTPレベル、血漿クレアチニン及び血漿尿素レベルを測定した。得られた結果を図6−8に示す。
【0070】
図6から推定できるように、肝臓GTPは、IR絶食動物に比べて、摂食したIR絶食ラットで増加し、IR摂食+フラボノイドラットではさらに増加した(P<0.05)。
【0071】
図7は、虚血再灌流絶食動物に比べて、虚血再灌流摂食動物において腎臓機能が改善されることを示しており、フラボノイドを追加して摂食させた虚血再灌流摂食動物では、さらに改善しており、偽処理のレベルに戻る(p<0.05)。
【0072】
図8は、虚血再灌流絶食動物に比べて、虚血再灌流摂食動物において血漿尿素レベルが改善されることを示しており、フラボノイドを追加して摂食させた虚血再灌流摂食動物では、さらに改善されることを示している(p<0.05)。
実施例10
HepG2細胞、ヒト肝癌細胞株をATCCから取得した。10% FCS;1% NEAA; 1% ペニシリン/ストレプトマイシン混合物を補充したMEM中で、これらを生育させた。最初に、約1から2×10細胞の密度で細胞を播種し、分裂させ、70から90%の集密度を示した時点で、新しいフラスコに移した。0.35×10細胞/ウェルを含有する96ウェルのマイクロタイタープレート(ex Micronic, Leyslstad, NL)を、37℃、5% COで24時間インキュベートした。無葉酸培地を1時間添加することによって、HepG2に葉酸誘発を行った。葉酸誘発を行ったこの細胞を、増加する濃度の葉酸又はリボースに留めた細胞と比較した。
【0073】
ヌクレオチド測定
van Hoorn et al., Analytical Biochemistry(2003), 320,82−87によって記載されているとおりに、ヌクレオチドを測定した。
【0074】
本研究のために行われた実験:
1.葉酸を枯渇させた培地又は2.27μMの葉酸を含有する培地中の何れかで、HepG2細胞を6.5時間インキュベートする
本実験によって、2.27μMの葉酸の存在下にあるHepG2細胞は、図9から明らかなように、葉酸を誘発した細胞に比べて、GTP濃度を有意に増加した。
【0075】
同様の実験で、リボースが類似のGTP増加効果を有すること、さらに、リボースが葉酸の効果に対して相加効果を有し得ることが示された(図10)。
【図面の簡単な説明】
【0076】
【図1】腸の透過性
【図2】細菌の転位
【図3】肺の炎症及び酸化能
【図4】血漿尿素
【図5】ADMAおよびIL−6濃度
【図6】肝臓中のGTP濃度
【図7】腎臓機能[血漿クレアチニン]
【図8】血漿尿素レベル
【図9】細胞のGTPレベルに対する葉酸の効果
【図10】細胞のGTPレベルに対するリボースおよび葉酸の相加効果

【特許請求の範囲】
【請求項1】
外傷を負っている哺乳動物において多臓器機能不全を予防する方法であって、前記外傷の発生の24時間以内に、(i)2〜2000mgのグアノシン均等物;0.5〜40gのリボース均等物;及びそれらの組み合わせからなる群から選択される肝臓GTP増加成分と、(ii)少なくとも10g/Lの可消化水溶性炭水化物を含有する水性液体組成物の形態の、少なくとも20gの可消化水溶性炭水化物とを、前記哺乳動物に腸内投与することを含む方法において使用するための水性液体組成物の製造における、可消化水溶性炭水化物及び肝臓グアノシン−5’−三リン酸(GTP)増加成分の使用。
【請求項2】
前記方法が、アンギオテンシン変換酵素(ACE)阻害活性を有し、本明細書に定義されているIC−50濃度が1000μM未満である0.05〜100mmolのペプチドを、外傷の発生の24時間以内に投与することを含む、請求項1に記載の使用。
【請求項3】
外傷を負っている哺乳動物において多臓器機能不全を予防する方法であって、前記外傷の発生の24時間以内に、(i)ACE阻害活性を有し、本明細書に定義されているIC−50濃度が1000μM未満である0.05〜100mmolのペプチドと、(ii)少なくとも10g/Lの可消化水溶性炭水化物を含有する水性液体組成物の形態の、少なくとも20gの可消化水溶性炭水化物とを、前記哺乳動物に腸内投与することを含む方法において使用するための水性液体組成物の製造における、可消化水溶性炭水化物及びACE阻害活性を有するペプチドの使用。
【請求項4】
前記方法が、2〜2000mgのグアノシン均等物;0.1〜10gの葉酸均等物;0.5〜40gのリボース均等物;及びそれらの組み合わせからなる群から選択される肝臓GTP増加成分を、外傷の発生の24時間以内に投与することを含む、請求項3に記載の使用。
【請求項5】
前記外傷が手術であり、好ましくは予めスケジュールが定められた手術である、先行する請求項の何れか一項に記載の使用。
【請求項6】
前記液体組成物が外傷の発生の前に投与される、先行する請求項の何れか一項に記載の使用。
【請求項7】
前記液体組成物が30〜200g/Lの可消化多糖を含有する、先行する請求項の何れか一項に記載の使用。
【請求項8】
前記可消化水溶性炭水化物が、デキストリン、マルトデキストリン、デンプン、デキストラン及びそれらの組み合わせからなる群から選択される、先行する請求項の何れか一項に記載の使用。
【請求項9】
前記方法が、外傷の発生の24時間以内に、少なくとも50gの可消化水溶性炭水化物を、水性液体組成物の形態で腸内投与することを含む、先行する請求項の何れか一項に記載の使用。
【請求項10】
前記方法が、外傷の発生の24時間以内に、2〜2000mgのグアノシン均等物を投与することを含む、先行する請求項の何れか一項に記載の使用。
【請求項11】
・20〜200g/Lの溶解された可消化炭水化物と;
・5〜5000mg/Lのグアノシン均等物と;
・少なくとも一つの1〜100g/Lのリボース均等物及び2〜2000mg/Lのフラボノイドと;
・45〜97.95重量%の水と
を含有する、腸内投与に適した水性液体組成物。
【請求項12】
5〜5000mg/Lのグアノシン均等物及び少なくとも1〜100g/Lのリボース均等物を含有する、請求項11に記載の水性液体組成物。
【請求項13】
・20〜200g/Lの溶解された可消化炭水化物と;
・ACE阻害活性を有し、1000μM未満のIC−50濃度を示す0.01〜10mMのペプチドと;
・45〜97.95重量%の水と
を含有する、腸内投与に適した水性液体組成物。
【請求項14】
前記組成物が、5〜5000mg/Lのグアノシン均等物及び/又は1〜100g/Lのリボース均等物を含有する、請求項13に記載の液体組成物。
【請求項15】
前記組成物が、0.2〜400mg/Lの葉酸均等物を含有する、請求項11〜14の何れか一項に記載の液体組成物。
【請求項16】
前記組成物が、2〜2000mg/Lの範囲内の濃度でフラボノイドを含有する、請求項11〜15の何れか一項に記載の液体組成物。
【請求項17】
前記液体組成物が透明な水溶液である、請求項11〜16の何れか一項に記載の液体組成物。
【請求項18】
請求項11〜17の何れか一項に記載の液体組成物に水で戻すことができる組成物。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公表番号】特表2007−505899(P2007−505899A)
【公表日】平成19年3月15日(2007.3.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−526846(P2006−526846)
【出願日】平成16年9月20日(2004.9.20)
【国際出願番号】PCT/NL2004/000650
【国際公開番号】WO2005/027660
【国際公開日】平成17年3月31日(2005.3.31)
【出願人】(505296821)エヌ.ブイ.・ヌートリシア (32)
【Fターム(参考)】