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多色成形品の製造方法、成形型、及び多色成形品
説明

多色成形品の製造方法、成形型、及び多色成形品

【課題】意匠性をより高くすることが可能な多色成形品の製造方法を提供する。
【解決手段】スライド型70を成形空間80に進入させることで、ロアボード成形空間81を形成するスライド型進入工程と、ロアボード成形空間81に溶融樹脂を射出してロアボード40を成形するロアボード成形工程と、成形空間80からスライド型70を退避させることで、アッパーボード成形空間82を形成するスライド型退避工程と、アッパーボード成形空間82にロアボード40とは異なる色の溶融樹脂を射出してアッパーボード30を成形するアッパーボード成形工程と、を備え、スライド型進入工程においては、平坦面30Cを成形するための成形面53に、スライド型70の下面71の一部を当接させるとともに、スライド型70によって開口81Aを塞ぐことで、連結面30Bと表面40Aとの連結箇所をアッパーボード30とロアボード40との境界として設定することを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、多色成形品の製造方法、成形型、及び多色成形品に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、色が各々異なる第1成形品及び第2成形品とが一体的に形成された多色成形品の製造方法として、例えば下記特許文献1に記載のものが知られている。特許文献1に記載のものでは、多色成形品として、二色からなる車両用ドアトリムが例示されている。そして、成形型に形成された成形空間をスライド型(分割バー)によって第1成形空間と第2成形空間に分割し、各成形空間にそれぞれ色の異なる溶融樹脂を順番に射出することで第1成形品(ドアトリムアッパー)と第2成形品(ドアトリムロア)とを一体的に成形する製造方法が例示されている。また、成形型における成形面にシボ模様を形成することで、成形品の表面にシボ模様(凹凸模様)を形成し、意匠性を高くする構成のものも知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2010−184366号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述した製造方法においては、スライド型と成形型における成形面とを隙間なく当接させることで第1成形空間から第2成形空間へ溶融樹脂が漏れる事態を防ぐ必要がある。このため、成形型における成形面の一部をシボ模様が形成されていない平坦面とし、この平坦面にスライド型を当接させる必要がある。つまり、成形品の表面の一部には、シボ模様を形成することができない。成形品の表面(意匠面)において、一部のみシボ模様が形成されていないと、意匠性を損なう。このため、シボ模様が形成されていない面をなるべく目に付きにくい箇所に形成する必要がある。
【0005】
上述した特許文献1においては、成形面に凸部を設けることで、成形品に溝部を設ける構成が開示されている。このような凸部の先端面を上述した平坦面とすれば、目に付きにくい溝部の奥面をシボ模様が形成されていない面として設定することができる。しかしながら、このような方法では、成形面に溝部を形成する必要があり、意匠性を損なう可能性がある。
【0006】
本発明は上記のような事情に基づいて完成されたものであって、表面にシボ模様を有する多色成形品において、その意匠性をより高くすることが可能な多色成形品の製造方法を提供することを目的とする。また、このような多色成形品を成形することが可能な成形型を提供することを目的とする。また、このような多色成形品を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するため、本発明の多色成形品の製造方法は、板状をなし、相対的に上側に配される上側成形面部と、板状をなし、前記上側成形面部に対して下側に配されるとともに前記上側成形面部とは色が異なる下側成形面部と、を一体的に備える多色成形品の製造方法であって、前記多色成形品は、前記上側成形面部と前記下側成形面部との境界に沿って延設された段差部を有しており、前記段差部は、前記上側成形面部に形成された第1表面と、前記下側成形面部に形成され、前記第1表面よりも低い面である第2表面と、前記上側成形面部に形成され、前記第1表面と前記第2表面とを連結し、下方を向く連結面と、を有しており、前記第1表面及び前記第2表面の双方には、シボ模様が形成される一方で、前記連結面の少なくとも一部が、前記段差部の延設方向に沿って延び、シボ模様が形成されていない平坦面とされるものにおいて、当該多色成形品の製造方法は、一対の型を型閉じすることで前記多色成形品を成形するための成形空間を形成する型閉じ工程と、前記一対の型のうち一方の型に設けられたスライド型を前記成形空間に進入させることで、前記成形空間の一部を前記下側成形面部を成形するための下側成形面部成形空間として形成するスライド型進入工程と、前記下側成形面部成形空間に溶融樹脂を射出して前記下側成形面部を成形する下側成形面部成形工程と、前記成形空間から前記スライド型を退避させることで、前記成形空間の他部を前記上側成形面部を成形するための上側成形面部成形空間として形成するスライド型退避工程と、前記上側成形面部成形空間に前記下側成形面部とは異なる色の溶融樹脂を射出して前記上側成形面部を成形する上側成形面部成形工程と、を備え、前記スライド型進入工程においては、前記スライド型を、前記一対の型の開閉方向と交差する方向に沿って前記成形空間に進入させ、前記一対の型のうち、他方の型に形成された前記平坦面を成形するための成形面に、前記スライド型の表面の一部を当接させるとともに、前記スライド型によって前記下側成形面部成形空間における前記上側成形面部成形空間側の開口を塞ぐことで、前記連結面と前記第2表面との連結箇所を前記上側成形面部と前記下側成形面部との境界として設定することに特徴を有する。
【0008】
本発明によれば、平坦面を成形するための成形面にスライド型の表面の一部を当接させることで、両面の間に隙間が生じる事態を抑制でき、溶融樹脂が当該隙間に侵入する事態を抑制できる。これにより、上側成形面部と下側成形面部とをそれぞれ確実に成形することができる。
【0009】
さらに、シボ模様が形成されていない平坦面は、下方を向く連結面の一部として形成されるため、多色成形品を上方から視た場合においては、平坦面(シボ模様が形成されていない面)が視えない。言い換えると、シボ模様が形成された第1表面及び第2表面が連続的に視認されることとなり、意匠性を損なうことがない。
【0010】
さらに、本発明では、上側成形面部と下側成形面部との境界を連結面(下方を向く面)と第2表面との連結箇所に設定することができる。これにより、多色成形品を上方から視た場合において、上側成形面部と下側成形面部との境界が視認されることがなく、意匠性をより高くできる。
【0011】
上記方法において、前記成形空間に対する前記スライド型の進入方向及び退避方向は、前記平坦面を成形するための前記成形面から遠ざかるにつれて、前記上側成形面部成形空間から遠ざかる方向に沿うものとすることができる。
【0012】
仮に、平坦面を成形するための成形面(スライド型との当接箇所)と直交する方向からスライド型を進入させる構成では、スライド型の移動経路と上側成形面部成形空間とが重なりやすくなる。つまり、上側成形面部成形空間からスライド型を退避させにくくなり、成形上好ましくない。このような事態を抑制するためには、段差部の段差を大きくする必要があるが、段差部が大きくなると、意匠性が低下するおそれがある。本発明によれば、スライド型の進入方向及び退避方向が、成形面から遠ざかるにつれて上側成形面部成形空間から遠ざかる方向に沿うものとされる。このような構成とすれば、スライド型の移動経路と上側成形面部成形空間とが重なりにくくなり、上側成形面部成形空間からスライド型を退避させやすくなる。この結果、段差部の段差をより小さくできる。
【0013】
また、前記多色成形品は、第1板部と、前記第1板部の周端から前記第1板部に対して屈曲する形で立ち上がる第2板部と、を備え、前記段差部が前記第1板部と前記第2板部の双方に亘って延設される構成を有するものであり、前記スライド型進入工程においては、前記第1板部及び前記第2板部の屈曲形状に倣う形状をなす前記開口を、前記スライド型の表面の他部によって塞ぐものとすることができる。
【0014】
本発明によれば、第1板部及び第2板部の屈曲形状に対応した形状をなす開口を、スライド型の表面の他部によって塞ぐことができる。これにより、屈曲形状をなす第1板部及び第2板部を成形することができる。
【0015】
次に、上記課題を解決するために、本発明の成形型は、板状をなし、相対的に上側に配される上側成形面部と、板状をなし、前記上側成形面部に対して下側に配されるとともに前記上側成形面部とは色が異なる下側成形面部と、を一体的に備える多色成形品を成形することが可能な成形型であって、前記多色成形品は、前記上側成形面部と前記下側成形面部との境界に沿って延設された段差部を有するものであり、前記段差部は、前記上側成形面部に形成された第1表面と、前記下側成形面部に形成され、前記第1表面よりも低い面である第2表面と、前記上側成形面部に形成され、前記第1表面と前記第2表面とを連結し、下方を向く連結面と、を有しており、前記第1表面及び前記第2表面の双方には、シボ模様が形成される一方で、前記連結面の少なくとも一部が、前記段差部の延設方向に沿って延び、シボ模様が形成されていない平坦面とされるものにおいて、当該成形型は、型閉じされることで前記多色成形品を成形するための成形空間を形成可能な一対の型と、前記一対の型のうち一方の型に設けられ、前記一対の型の開閉方向と交差する方向に沿って前記成形空間に進入することで、前記成形空間の一部を前記下側成形面部を成形するための下側成形面部成形空間として形成可能なスライド型と、を備え、前記他方の型は、前記平坦面を成形するための成形面を有し、前記成形空間に進入した前記スライド型は、前記スライド型の表面の一部が前記平坦面を成形するための成形面に当接されるとともに、当該スライド型が前記下側成形面部成形空間における前記上側成形面部成形空間側の開口を塞ぐことで、前記連結面と前記第2表面との連結箇所を前記上側成形面部と前記下側成形面部との境界として設定することが可能な構成であることに特徴を有する。
【0016】
本発明によれば、平坦面を成形するための成形面にスライド型の表面の一部を当接させることで、両面の間に隙間が生じる事態を抑制でき、溶融樹脂が当該隙間に侵入する事態を抑制できる。これにより、上側成形面部と下側成形面部とをそれぞれ確実に成形することができる。
【0017】
さらに、シボ模様が形成されていない平坦面は、下方を向く連結面の一部として形成されるため、多色成形品を上方から視た場合においては、平坦面(シボ模様が形成されていない面)が視えない。言い換えると、シボ模様が形成された第1表面及び第2表面が連続的に視認されることとなり、意匠性を損なうことがない。
【0018】
さらに、本発明では、上側成形面部と下側成形面部との境界を連結面(下方を向く面)と第2表面との連結箇所に設定することができる。これにより、多色成形品を上方から視た場合において、上側成形面部と下側成形面部との境界が視認されることがなく、意匠性をより高くできる。
【0019】
次に、上記課題を解決するために、本発明の多色成形品は、板状をなし、相対的に上側に配される上側成形面部と、板状をなし、前記上側成形面部に対して下側に配されるとともに前記上側成形面部とは色が異なる下側成形面部と、を一体的に備える多色成形品であって、前記上側成形面部と前記下側成形面部との境界に沿って段差部が延設され、前記段差部は、前記上側成形面部に形成された第1表面と、前記下側成形面部に形成され、前記第1表面よりも低い面である第2表面と、前記上側成形面部に形成され、前記第1表面と前記第2表面とを連結し、下方を向く連結面と、を有しており、前記第1表面及び前記第2表面の双方には、シボ模様が形成される一方で、前記連結面の少なくとも一部が、前記段差部の延設方向に沿って延び、シボ模様が形成されていない平坦面とされ、前記連結面と前記第2表面との連結箇所が前記上側成形面部と前記下側成形面部との境界とされることに特徴を有する。
【0020】
本発明においては、シボ模様が形成されていない平坦面は、下方を向く連結面の一部として形成されるため、多色成形品を上方から視た場合においては、平坦面(シボ模様が形成されていない面)が視えない。言い換えると、シボ模様が形成された第1表面及び第2表面が連続的に視認されることとなり、意匠性を損なうことがない。
【0021】
さらに、本発明では、連結面(下方を向く面)と第2表面との連結箇所が、上側成形面部と下側成形面部との境界とされる。これにより、多色成形品を上方から視た場合において、上側成形面部と下側成形面部との境界が視認されることがなく、意匠性をより高くできる。
【発明の効果】
【0022】
本発明によれば、表面にシボ模様を有する多色成形品において、その意匠性をより高くすることが可能な多色成形品の製造方法を提供することができる。また、このような多色成形品を製造することが可能な成形型を提供することができる。また、このような多色成形品を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本発明の実施形態に係るドアトリムを示す正面図
【図2】図1のトリムボードの要部における主面部及び立壁部を示す斜視図(図1の一点鎖線Dで囲んだ部分に対応)
【図3】本発明の実施形態に係る成形型を示す断面図(図2のA−A線で切断した図に対応)
【図4】図3の状態からロアボード成形空間に樹脂を射出した状態を示す断面図
【図5】図4の状態からスライド型を退避させてアッパーボード成形空間を形成した状態を示す断面図
【図6】図5の状態からアッパーボード成形空間に樹脂を射出した状態を示す断面図
【図7】本発明の実施形態に係る成形型を示す断面図(図2のB−B線で切断した図に対応)
【図8】図7の状態からロアボード成形空間に樹脂を射出した状態を示す断面図
【図9】図8の状態からスライド型を退避させてアッパーボード成形空間を形成した状態を示す断面図
【図10】図9の状態からアッパーボード成形空間に樹脂を射出した状態を示す断面図
【図11】本発明の実施形態に係る成形型を示す断面図(図2のC−C線で切断した図に対応)
【図12】他の実施形態を示す断面図
【図13】比較例を示す断面図
【発明を実施するための形態】
【0024】
<実施形態1>
本発明の実施形態1を図1ないし図13によって説明する。本実施形態では、車両用ドアに取り付けられるドアトリム10を例示する。図1は、本実施形態のドアトリム10を示す正面図である。ドアトリム10は、例えば、ポリプロピレン(ポリオレフィン系樹脂)等の熱可塑性合成樹脂を板状に形成してなるトリムボード20を備えている。
【0025】
トリムボード20(多色成形品)は、図1及び図2に示すように、正面視にて略方形状をなす主面部21(第1板部)と、主面部21の側端(周端)から、それぞれ裏側(車室外側)に立ち上がる立壁部22(第2板部)とを主体に構成されている。言い換えると、立壁部22は、主面部21に対して屈曲する形で立ち上がる構成となっている。なお、立壁部22は、主面部21における車両前後方向における各端部から、それぞれ立設されている。図2においては、車両後側に配される立壁部22を図示してある。
【0026】
主面部21は、車両ドアにおける車室内側の面のほぼ全面を構成するものである。主面部21には、図1に示すように、車室内側に張り出す形でアームレスト12が形成されている。また、主面部21には、スピーカグリル16、ドアポケット18などが取り付けられている。
【0027】
トリムボード20は、図1及び図2に示すように、アッパーボード30(上側成形面部)と、アッパーボード30とは色が異なるロアボード40(下側成形面部)と、を備えている。トリムボード20は、アッパーボード30とロアボード40との境界に沿って延設された段差部23を有している。つまり、トリムボード20は、この段差部23を境界として、色が異なる材質で形成されている。また、段差部23は、水平方向に沿って延びている。
【0028】
アッパーボード30は、板状をなし、トリムボード20において相対的に上側に配される部分である。ロアボード40は、板状をなし、アッパーボード30に対して下側に配される部分である。また、アッパーボード30及びロアボード40は後述する射出成形によって一体的に成形される。
【0029】
段差部23は、図6に示すように、ロアボード40をアッパーボード30に対して、車室外側(図6の右側)にずらした形で成形することで形成されている。つまり、段差部23は、アッパーボード30の表面30A(車室表側の面、第1表面)と、この表面30Aよりも車室外側に低いロアボード40の表面40A(車室表側の面、第2表面)と、表面30Aと表面40Aとを連結し、下方を向く連結面30Bと、を有している。
【0030】
また、図2及び図6に示すように、連結面30Bは、アッパーボード30に形成されている。つまり、アッパーボード30とロアボード40の境界(トリムボード20における色の境目)は、連結面30Bと表面40Aとの連結箇所となっている。
【0031】
図2に示すように、段差部23は、主面部21と立壁部22に亘って屈曲される形で形成されている。なお、図2に示すように、段差部23は、主面部21と立壁部22とで断面形状が異なるものとされる。以下の説明では、主面部21における段差部23に符号23Aを付し、立壁部22における段差部23に符号23Bを付すものとする。なお、図2においては、主面部21における段差部23Aの断面形状を図示しやすくするために、主面部21を断面線L1にて切断した図を示してある。
【0032】
また、アッパーボード30の表面30Aのうち、主面部21における表面に符号31Aを付し、立壁部22における表面に符号32Aを付すものとする。また、図6及び図10に示すように、アッパーボード30の連結面30Bのうち、主面部21における連結面に符号31Bを付し、立壁部22における連結面に符号32Bを付すものとする。さらには、ロアボード40の表面40Aのうち、主面部21における表面に符号41Aを付し、立壁部22における表面に符号42Aを付すものとする。
【0033】
図2及び図10に示すように、立壁部22は、下方に向かうにつれてトリムボード20の内側に傾斜する形状をなしている。また、立壁部22の表面32Aと、立壁部22の表面42Aは、その大部分が面一をなす構成とされる。
【0034】
また、図3に示すように、連結面30Bの一部、表面30A、表面40Aには、それぞれシボ模様が形成されている。そして、連結面30Bにおける表面40A側の端部は、シボ模様が形成されていない平坦面30Cとされる。この平坦面30Cは、アッパーボード30及びロアボード40を後述する成形型50によって成形する際に必要な面とされる。
【0035】
この平坦面30Cは、段差部23の延設方向に沿って延び、図6及び図10に示すように、アッパーボード30とロアボード40の境界面と面一をなしている。以下の説明では、平坦面30Cのうち、主面部21における平坦面に符号31Cを付し、立壁部22における平坦面に符号32Cを付すものとする。
【0036】
次に、トリムボード20(アッパーボード30及びロアボード40)を製造する成形型50の構成について、図3ないし図11の図面を参照しながら説明する。成形型50は、図3に示すように、互いに開閉可能な一対の型(第1型51及び第2型61)と、第2型61(一対の型のうち一方の型)の内部に設けられたスライド型70(中子)と、を備えている。
【0037】
第1型51及び第2型61は、図示しない駆動手段によって、開閉可能に設けられている。第1型51及び第2型61を型閉じすることで、トリムボード20を成形するための成形空間80(キャビティ)を形成し、この成形空間80に溶融樹脂を射出することで、トリムボード20を成形することが可能となっている。
【0038】
そして、図11に示すように成形空間80は、主面部21及び立壁部22の形状に沿った屈曲形状をなしている。図3ないし図6は、成形型50の成形空間80において、トリムボード20の主面部21を成形する部分(主面部成形空間)を示す断面図である。また、図7ないし図10は、成形型50の成形空間80において、トリムボード20の立壁部22を成形する部分(立壁部成形空間)を示す断面図である。
【0039】
第1型51における第2型61との対向面(成形面)には、図3及び図7に示すように、トリムボード20の段差部23を成形するための型側段差部52が形成されている。つまり、第1型51における第2型61との対向面は、トリムボード20の表面(表面30A、連結面30B、表面40A)の形状に倣った形状をなしている。
【0040】
また、第1型51における第2型61との対向面には、スライド型70との当接面(後述する成形面53)を除いて、シボ模様(図3において波線で図示)が形成されている。このシボ模様によってトリムボード20の表面にシボ模様が形成される。また、第1型51(一対の型のうち他方の型)の成形面において、平坦面30Cを成形するための成形面53(型側段差部52の上面)は、シボ模様が形成されておらず平坦な面とされる。なお、第2型61における第1型51との対向面は、トリムボード20の裏側の面の形状に倣った形状をなしている。
【0041】
スライド型70は、成形空間80に進入することで、成形空間80を分断することが可能となっている。これにより、スライド型70によって、成形空間80の一部をロアボード40を成形するためのロアボード成形空間81(下側成形面部成形空間)として形成することができる。
【0042】
また、成形空間80のうち、ロアボード成形空間81を除いた空間(成形空間80の他部)は、アッパーボード30を成形するためのアッパーボード成形空間82(上側成形面部成形空間)とされる。なお、本実施形態の成形型50は、ロアボード成形空間81に連通して配置された第1ゲート(図示せず)と、アッパーボード成形空間82に連通して配置された第2ゲート(図示せず)と、を備えている。これにより、射出装置(図示せず)から、各ゲートを通じて、ロアボード成形空間81及びアッパーボード成形空間82に対して個別に溶融樹脂を供給可能な構成となっている。
【0043】
スライド型70は、図5及び図9に示すように、第2型61においてアッパーボード成形空間82と連通された収容空間62に収容されている。スライド型70は、図3に示すように、油圧シリンダ72などの駆動装置によって駆動可能とされ、成形空間80に対して、一対の型51,61の開閉方向(図5の左右方向)と交差する方向(図5の斜め方向)に沿って進入可能となっている。なお、スライド型70の駆動手段は、油圧シリンダ72に限定されず適宜変更可能である。
【0044】
より具体的には、成形空間80に対するスライド型70の進入方向及び退避方向は、成形面53から遠ざかるにつれて、アッパーボード成形空間82(より正確には、アッパーボード成形空間82のうち、主面部21を成形する部分)から遠ざかる方向に沿うものとされる。
【0045】
つまり、スライド型70は、成形面53に近づくにつれて、アッパーボード成形空間82のうち、主面部21を成形する部分に近づく形で成形空間80に進入可能とされる(図5においては、スライド型70は、下側に向かうにつれて左側に向かう形で進入可能とされる)。また、スライド型70は、成形面53から遠ざかるにつれて、アッパーボード成形空間82のうち、主面部21を成形する部分から遠ざかる形で成形空間80から退避可能とされる。
【0046】
そして、成形空間80にスライド型70が進入した状態では、スライド型70の下面71の一部(端部)が、第1型51の成形面53に対して隙間なく当接可能となっている。スライド型70の下面71の一部が、第1型51の成形面53に対して当接した状態では、図3及び図7に示すように、スライド型70の下面71の他部(成形面53との当接箇所以外の部分)によって、ロアボード成形空間81におけるアッパーボード成形空間82側の開口81A(ロアボード成形空間81におけるアッパーボード成形空間82側の端部)が塞がれる構成となっている。
【0047】
また、図11に示すように、成形空間80は、断面視において、主面部21及び立壁部22の形状に倣う屈曲形状をなしており、ロアボード成形空間81におけるアッパーボード成形空間82側の開口81Aも、主面部21及び立壁部22の形状に倣う屈曲形状をなしている。スライド型70の下面71は、屈曲形状をなす成形空間80の断面(ロアボード成形空間81におけるアッパーボード成形空間82側の開口81A)をその全面に亘って覆う(塞ぐ)ことが可能な構成となっている。
【0048】
次に、成形型50によるトリムボード20の製造方法について、図3ないし図11の図面を参照しながら説明する。本実施形態におけるトリムボード20の製造方法は、型閉じ工程と、スライド型70によってロアボード成形空間81を形成するスライド型進入工程と、ロアボード40を成形するロアボード成形工程(下側成形面部成形工程)と、アッパーボード成形空間82を形成するスライド型退避工程と、アッパーボード30を成形するアッパーボード成形工程(上側成形面部成形工程)と、を備えている。
【0049】
<型閉じ工程>
まず、第1型51及び第2型61を型閉じする。これにより、互いの対向面の間に成形空間80が形成される(図3参照)。
【0050】
<スライド型進入工程>
次に、スライド型70を成形空間80に進入させ、スライド型70の下面71の一部を第1型51の成形面53に当接させる(図3及び図7参照)。これと同時に、スライド型70の下面71によって、ロアボード成形空間81におけるアッパーボード成形空間82側の開口81Aが塞がれる(図11)。これにより、成形空間80の一部がロアボード成形空間81として形成される。
【0051】
なお、ここで言う「ロアボード成形空間81におけるアッパーボード成形空間82側の開口を塞いだ状態」とは、ロアボード成形空間81に溶融樹脂を射出した際に、その溶融樹脂が、スライド型70によって遮断され、アッパーボード成形空間82側に流れ込まない状態のことである。なお、第1型51の成形面53には、シボ模様が形成されていないため、スライド型70の下面71を当接させた際に隙間が生じることがない。
【0052】
また、スライド型70の下面71は、平坦面30Cを成形するための成形面53と面一をなす形で配される。これにより、トリムボード20における連結面30Bと表面40Aとの連結箇所が、アッパーボード30とロアボード40との境界として設定される。
【0053】
<ロアボード成形工程(下側成形面部成形工程)>
次に、ロアボード成形空間81に溶融樹脂を射出し、ロアボード成形空間81内に溶融樹脂を充填する。やがて、この溶融樹脂が冷え固まると、ロアボード40が成形される(図4及び図8参照)。
【0054】
<スライド型退避工程>
次に、成形空間80からスライド型70を退避させ、収容空間62に収容する。これにより、成形空間80の他部がアッパーボード成形空間82として形成される(図5及び図9参照)。
【0055】
<アッパーボード成形工程(上側成形面部成形工程)>
次に、アッパーボード成形空間82にロアボード40とは異なる色の溶融樹脂を射出し、アッパーボード成形空間82内に溶融樹脂を充填する。アッパーボード成形空間82に溶融樹脂を射出することで、ロアボード40の端部においては、ロアボード40を形成する樹脂と射出された溶融樹脂とが互いに融けて混ざり合う。
【0056】
やがて、アッパーボード成形空間82に充填された溶融樹脂が冷え固まるとアッパーボード30が成形され、これと同時に、アッパーボード30及びロアボード40との境界において両部品が接合された状態となる(図6及び図10参照)。より具体的には、アッパーボード30の連結面30Bとロアボード40の表面40Aとの連結箇所が、アッパーボード30とロアボード40との境界とされる。以上の工程によって、アッパーボード30及びロアボード40とが一体的に形成されたトリムボード20の製造が完了する。
【0057】
次に、本実施形態の効果について説明する。本実施形態によれば、平坦面30Cを成形するための成形面53にスライド型70の下面71の一部を当接させることで、両面の間に隙間が生じる事態を抑制でき、溶融樹脂が当該隙間に侵入する事態を抑制できる。これにより、アッパーボード30とロアボード40とを、それぞれ確実に成形することができる。
【0058】
また、シボ模様が形成されていない平坦面30Cは、下方を向く連結面30Bの一部として形成されるため、トリムボード20を上方から視た場合においては、平坦面30C(シボ模様が形成されていない面)が視えない。言い換えると、上方から視た場合には、シボ模様が形成された表面30A及び表面40Aが連続的に視認されることとなり、意匠性を損なうことがない。
【0059】
また、本実施形態では、アッパーボード30とロアボード40との境界を連結面30B(下方を向く面)と表面40Aとの連結箇所に設定することができる。これにより、トリムボード20を上方から視た場合において、アッパーボード30とロアボード40との境界が視認されることがなく、意匠性をより高くできる。
【0060】
なお、ドアトリム10(トリムボード20)は、車両において、乗員の目の高さよりも下方に配される部材とされる。このため、通常、乗員はトリムボード20をその上方から視ることとなり、下方から視ることは殆どない。これにより、本実施形態においては、乗員が、平坦面30C、及びアッパーボード30とロアボード40との境界(色が変化する境界)を視認することを抑制でき、意匠性を高くできる。
【0061】
また、成形空間80に対するスライド型70の進入方向及び退避方向は、平坦面30Cを成形するための成形面53から遠ざかるにつれて、アッパーボード成形空間82から遠ざかる方向に沿うものとされる。
【0062】
本実施形態においては、図12に示すように、平坦面30Cを成形するための成形面53と直交する方向(図12の上下方向)からスライド型170を進入させる構成としてもよい。しかし、平坦面30Cを成形するための成形面53(スライド型との当接箇所)と直交する方向からスライド型を進入させる構成では、スライド型の移動経路とアッパーボード成形空間とが重なりやすくなる。
【0063】
つまり、アッパーボード成形空間82からスライド型70を退避させにくくなり、成形上好ましくない。このような事態を抑制するためには、図12に示すように、型側段差部152(つまり、段差部23)の段差を大きくする必要がある。しかし、段差部23の段差が大きくなると、段差部23が目に付き易くなり、意匠性が低下するおそれがある。
【0064】
そこで、本実施形態では、スライド型70の進入方向及び退避方向が、成形面53から遠ざかるにつれてアッパーボード成形空間82から遠ざかる方向に沿う(言い換えると、成形面53に近づくにつれてアッパーボード成形空間82に近づく方向に沿う)ものとした。このような構成とすれば、スライド型70の移動経路とアッパーボード成形空間82とが重なりにくくなり、アッパーボード成形空間82からスライド型70を退避させやすくなる。このため、図12に示すように、段差部の段差を大きくする必要がない。この結果、段差部23の段差をより小さくできる。
【0065】
また、トリムボード20は、主面部21と、主面部21の周端から主面部21に対して屈曲する形で立ち上がる立壁部22と、を備え、段差部23が主面部21と立壁部22の双方に亘って延設される構成を有するものであり、スライド型進入工程においては、主面部21及び立壁部22の屈曲形状に対応した形状をなす開口81Aを、スライド型70の下面71の他部によって塞ぐこととしている。
【0066】
本実施形態によれば、主面部21及び立壁部22の屈曲形状に倣う形状をなす開口81Aを、スライド型70の下面71の他部によって塞ぐことができる。これにより、屈曲形状をなす主面部21及び立壁部22を成形することができる。
【0067】
なお、成形空間80に対して、第1型51及び第2型61の型閉じ方向と同じ方向からスライド型70を進入させる構成では、主面部21及び立壁部22の屈曲形状に倣う形状をなす開口81Aを完全に塞ぐことができない。この理由について、図13の比較例を用いて説明する。
【0068】
図13に示すように、断面視において屈曲する形状をなす開口3A及び開口3Bを有する成形型において、第1型1及び第2型2の型閉じ方向と同じ方向からスライド型4を進入させる構成(進入後のスライド型4を2点鎖線で示す)では、成形面3A1にスライド型4を当接させることで、開口3Aを塞ぐことはできる。しかしながら、成形面3B1とスライド型4の間には、隙間SAが生じてしまい、開口3Bを完全に塞ぐことができない。このため、溶融樹脂が隙間SAを通過してしまう結果、成形品を成形することができない。
【0069】
この点、本実施形態では、成形空間80に対して、第1型51及び第2型61の型閉じ方向と交差する方向からスライド型70を進入させることで、上述したように、開口81Aを完全に塞ぐことができる。
【0070】
<他の実施形態>
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば、次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれる。
【0071】
(1)上記実施形態においては、多色成形品として、2色からなるトリムボード20を例示したが、これに限定されない。本発明は、2色以上の成形品を含む多色成形品について適用可能である。例えば、多色成形品としては、トリムボード20以外に、インストルメントパネル、ピラートリム等の車両用内装材を例示することもでき、乗員の目線(目の高さ)よりも下方に配されうる車両用内装材に対して本発明を適用することもできる。また、多色成形品は、車両用内装材に限定されるものではない。また、上側成形面部は、アッパーボード30に限定されず適宜変更可能である。そして、下側成形面部は、上側成形面部に対して下側に配されるとともに上側成形面部とは色が異なる部材であればよく、ロアボード40に限定されない。
【0072】
(2)段差部23の形成箇所(言い換えると、アッパーボード30とロアボード40との境界)は上記実施形態に限定されず適宜変更可能である。
【0073】
(3)上記実施形態では、主面部21と立壁部22を備えるトリムボード20において、主面部21と立壁部22の双方に亘って段差部23を形成する構成としたが、これに限定されない。例えば、主面部21のみを備えたトリムボード20であってもよい。
【0074】
(4)上記実施形態では、第1板部及び第2板部として、それぞれ主面部21及び立壁部22をそれぞれ例示したが、これに限定されない。本発明は、屈曲する形状をなす2つの板部(第1板部と第2板部)の双方に亘って段差部が延びる構成のものについて適用可能である。
【符号の説明】
【0075】
20…トリムボード(多色成形品)、21…主面部(第1板部)、22…立壁部(第1板部の周端から第1板部に対して屈曲する形で立ち上がる第2板部)、23…段差部、30…アッパーボード(上側成形面部)、30A…表面(上側成形面部に形成された第1表面)、30B…連結面、30C…平坦面、40…ロアボード(下側成形面部)、40A…表面(下側成形面部に形成され、第1表面よりも低い面である第2表面)、50…成形型、51…第1型(一対の型のうち他方の型)、53…成形面(平坦面を成形するための成形面)、61…第2型(一対の型のうち一方の型)、70…スライド型、71…スライド型の下面(スライド型の表面)、80…成形空間、81…ロアボード成形空間(下側成形面部成形空間)、81A…ロアボード成形空間におけるアッパーボード成形空間側の開口(下側成形面部成形空間における上側成形面部成形空間側の開口)、82…アッパーボード成形空間(上側成形面部成形空間)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
板状をなし、相対的に上側に配される上側成形面部と、
板状をなし、前記上側成形面部に対して下側に配されるとともに前記上側成形面部とは色が異なる下側成形面部と、を一体的に備える多色成形品の製造方法であって、
前記多色成形品は、前記上側成形面部と前記下側成形面部との境界に沿って延設された段差部を有しており、
前記段差部は、
前記上側成形面部に形成された第1表面と、
前記下側成形面部に形成され、前記第1表面よりも低い面である第2表面と、
前記上側成形面部に形成され、前記第1表面と前記第2表面とを連結し、下方を向く連結面と、を有しており、
前記第1表面及び前記第2表面の双方には、シボ模様が形成される一方で、前記連結面の少なくとも一部が、前記段差部の延設方向に沿って延び、シボ模様が形成されていない平坦面とされるものにおいて、
当該多色成形品の製造方法は、
一対の型を型閉じすることで前記多色成形品を成形するための成形空間を形成する型閉じ工程と、
前記一対の型のうち一方の型に設けられたスライド型を前記成形空間に進入させることで、前記成形空間の一部を前記下側成形面部を成形するための下側成形面部成形空間として形成するスライド型進入工程と、
前記下側成形面部成形空間に溶融樹脂を射出して前記下側成形面部を成形する下側成形面部成形工程と、
前記成形空間から前記スライド型を退避させることで、前記成形空間の他部を前記上側成形面部を成形するための上側成形面部成形空間として形成するスライド型退避工程と、
前記上側成形面部成形空間に前記下側成形面部とは異なる色の溶融樹脂を射出して前記上側成形面部を成形する上側成形面部成形工程と、を備え、
前記スライド型進入工程においては、
前記スライド型を、前記一対の型の開閉方向と交差する方向に沿って前記成形空間に進入させ、
前記一対の型のうち、他方の型に形成された前記平坦面を成形するための成形面に、前記スライド型の表面の一部を当接させるとともに、前記スライド型によって前記下側成形面部成形空間における前記上側成形面部成形空間側の開口を塞ぐことで、前記連結面と前記第2表面との連結箇所を前記上側成形面部と前記下側成形面部との境界として設定することを特徴とする多色成形品の製造方法。
【請求項2】
前記成形空間に対する前記スライド型の進入方向及び退避方向は、
前記平坦面を成形するための前記成形面から遠ざかるにつれて、前記上側成形面部成形空間から遠ざかる方向に沿うものとされることを特徴とする請求項1に記載の多色成形品の製造方法。
【請求項3】
前記多色成形品は、第1板部と、前記第1板部の周端から前記第1板部に対して屈曲する形で立ち上がる第2板部と、を備え、前記段差部が前記第1板部と前記第2板部の双方に亘って延設される構成を有するものであり、
前記スライド型進入工程においては、
前記第1板部及び前記第2板部の屈曲形状に倣う形状をなす前記開口を、前記スライド型の表面の他部によって塞ぐことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の多色成形品の製造方法。
【請求項4】
板状をなし、相対的に上側に配される上側成形面部と、
板状をなし、前記上側成形面部に対して下側に配されるとともに前記上側成形面部とは色が異なる下側成形面部と、を一体的に備える多色成形品を成形することが可能な成形型であって、
前記多色成形品は、前記上側成形面部と前記下側成形面部との境界に沿って延設された段差部を有するものであり、
前記段差部は、
前記上側成形面部に形成された第1表面と、
前記下側成形面部に形成され、前記第1表面よりも低い面である第2表面と、
前記上側成形面部に形成され、前記第1表面と前記第2表面とを連結し、下方を向く連結面と、を有しており、
前記第1表面及び前記第2表面の双方には、シボ模様が形成される一方で、前記連結面の少なくとも一部が、前記段差部の延設方向に沿って延び、シボ模様が形成されていない平坦面とされるものにおいて、
当該成形型は、
型閉じされることで前記多色成形品を成形するための成形空間を形成可能な一対の型と、
前記一対の型のうち一方の型に設けられ、前記一対の型の開閉方向と交差する方向に沿って前記成形空間に進入することで、前記成形空間の一部を前記下側成形面部を成形するための下側成形面部成形空間として形成可能なスライド型と、を備え、
前記他方の型は、前記平坦面を成形するための成形面を有し、
前記成形空間に進入した前記スライド型は、前記スライド型の表面の一部が前記平坦面を成形するための成形面に当接されるとともに、当該スライド型が前記下側成形面部成形空間における前記上側成形面部成形空間側の開口を塞ぐことで、前記連結面と前記第2表面との連結箇所を前記上側成形面部と前記下側成形面部との境界として設定することが可能な構成であることを特徴とする成形型。
【請求項5】
板状をなし、相対的に上側に配される上側成形面部と、
板状をなし、前記上側成形面部に対して下側に配されるとともに前記上側成形面部とは色が異なる下側成形面部と、を一体的に備える多色成形品であって、
前記上側成形面部と前記下側成形面部との境界に沿って段差部が延設され、
前記段差部は、
前記上側成形面部に形成された第1表面と、
前記下側成形面部に形成され、前記第1表面よりも低い面である第2表面と、
前記上側成形面部に形成され、前記第1表面と前記第2表面とを連結し、下方を向く連結面と、を有しており、
前記第1表面及び前記第2表面の双方には、シボ模様が形成される一方で、前記連結面の少なくとも一部が、前記段差部の延設方向に沿って延び、シボ模様が形成されていない平坦面とされ、
前記連結面と前記第2表面との連結箇所が前記上側成形面部と前記下側成形面部との境界とされることを特徴とする多色成形品。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2013−107328(P2013−107328A)
【公開日】平成25年6月6日(2013.6.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−255033(P2011−255033)
【出願日】平成23年11月22日(2011.11.22)
【出願人】(000241500)トヨタ紡織株式会社 (2,945)
【Fターム(参考)】