説明

多花弁および球形の花序を有するガーベラ

【課題】一つまたは複数の多花弁型および球形の花序を産生するガーベラ・ジャメソニイ栽培品種を提供する。
【解決手段】多花弁型および球形の形質を遺伝的バックグラウンドに有する第一の単弁型植物を、雄性または雌性の親株のいずれかとして、半重型植物、重弁型植物、重弁多弁花型植物、またはその遺伝的バックグラウンドにおいて多花弁および球形の形質を有する第二の単弁型植物、と交配させる段階;単弁型、半重弁型、重弁型、または重弁多花型であるF1子孫を選択する段階、F1子孫を第二の半重弁型植物、第二の重弁型植物、第三の重弁多花型植物、その遺伝的バックグラウンドにおいて多花弁および球形の形質を有する第三の単弁型植物、と交配させる段階;ならびに、多花弁および球形の開花子孫を選択する段階から作ることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、その全内容物が参照により本明細書に組み入れられる、2005年10月28日に提出された米国特許仮出願第60/730,857号からの優先権を主張する。
【0002】
1.発明の分野
本発明は、i)花序1個あたり少なくとも320〜約550個の完全または部分的外花弁(舌状花)を有する、ii)花序1個あたり少なくとも150〜約300個の完全または部分的内花弁(管状花)を有する、およびiii)花序1個あたり少なくとも520〜約800個の完全または部分的総花弁(総小花)を有する一つまたは複数の花序を産生する多花弁および球形のガーベラ・ジャメソニイ(Gerbera jamesonii)植物の新しい、独特の安定な栽培品種に関する。本発明の多花弁型および球形のガーベラ・ジャメソニイ栽培品種は、i)花序1個あたり少なくとも320、330、340、350、360、370、380、390、400、410、420、430、440、450、460、470、480、490、500、510、520、530、540、550個、320〜550のあいだの任意の整数、または550個より多い完全または部分的外花弁(舌状花)、ii)花序1個あたり少なくとも150、160、170、180、190、200、210、220、230、240、250、260、270、280、290、300個、150〜300のあいだの任意の整数、または300個より多い完全または部分的内花弁(管状花)、およびiii)花序1個あたり少なくとも520、530、540、550、560、570、580、590、600、610、620、630、640、650、660、670、680、690、700、710、720、730、740、750、760、770、780、790、800個、520〜800のあいだの任意の整数、または800個より多い完全または部分的総花弁(総小花)を産生する。
【0003】
本発明は、単弁型(花序1個あたり少なくとも50〜約75個の完全または部分的外花弁)、半重弁型(花序1個あたり少なくとも130〜約170個の完全または部分的外花弁)、重弁型(花序1個あたり少なくとも250〜約270個の完全または部分的外花弁)、重弁多花型(花序1個あたり少なくとも270〜約320個の完全または部分的外花弁)のガーベラ・ジャメソニイ栽培品種から、他の単弁型、半重弁型、重弁型、および重弁多花型のガーベラ・ジャメソニイ植物に首尾よく遺伝子移入された多花弁型および球形の花序形質に関し、それと共に、花序または植物あたりの多花弁性の程度を増加させる方法に関する。多花弁型および球形の花序特徴はまた、花序の色、花序の品質、茎の品質、花序の生産性、および花瓶での寿命のような、望ましい多くのガーベラ・ジャメソニイ形質と組み合わせられている。
【背景技術】
【0004】
2.背景
本発明は、全般的に観賞用ガーベラ植物の分野に関する。ガーベラ属はキク科に属する。40より多い異なる種のガーベラが存在し、その種は、アフリカからマダガスカル、熱帯アジア、および南アメリカまで分布する。
【0005】
ガーベラは、全世界の装飾用園芸において重要な作物である。雑種形成を通して、ガーベラ種は表現型が多様であり、白、赤、オレンジ、ピンク、紫、および黄色を含む広範な花序の色を提供する。ガーベラの花序は、花瓶での寿命が長いことから、ガーベラの花序は商業的園芸業において広く用いられている。ガーベラの栽培品種は、切り花と共に鉢植え植物として生育させることができる。
【0006】
本発明は、切り花の生産に主に適しているが、いくつかの栽培品種はまた鉢植え植物としても用いることができる。本発明により完全に新しいタイプのガーベラの花序が産生されると、ガーベラの市場が拡大する。i)花序1個あたり少なくとも320〜約550個の完全または部分的外花弁(舌状花)を有する、ii)花序1個あたり少なくとも150〜約300個の完全または部分的内花弁(管状花)を有する、およびiii)花序1個あたり少なくとも520〜約800個の完全または部分的総花弁(総小花)を有する一つまたは複数の花序を産生する多花弁型および球形のガーベラ・ジャメソニイ栽培品種の品種改良は、異なるガーベラの開花型種と組み合わせることができる独自の新規ガーベラの花序型を提供して、それによってこの人気のある園芸植物において利用できる表現型特徴の範囲を拡大する。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の目的は、一つまたは複数の多花弁型および球形の花序を産生するガーベラ・ジャメソニイ栽培品種を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
発明の概要
本発明の目的は、花序1個あたり少なくとも320〜約550個の完全または部分的外花弁(舌状花)を有する、ii)花序1個あたり少なくとも150〜約300個の完全または部分的内花弁(管状花)を有する、およびiii)花序1個あたり少なくとも520〜約800個の完全または部分的総花弁(総小花)を有する一つまたは複数の多花弁型および球形の花序を産生するガーベラ・ジャメソニイ栽培品種を提供することである。
【0009】
本発明の目的は、植物によって産生される実質的に全ての花が、花序1個あたり少なくとも320〜約550個の完全または部分的外花弁(舌状花)を有する、ii)花序1個あたり少なくとも150〜約300個の完全または部分的内花弁(管状花)を有する、およびiii)花序1個あたり少なくとも520〜約800個の完全または部分的総花弁(総小花)を有する多花弁および球形であるガーベラ・ジャメソニイ栽培品種を提供することである。
【0010】
本発明のもう一つの目的は、多花弁型および球形の花序が、i)花序1個あたり少なくとも320、330、340、350、360、370、380、390、400、410、420、430、440、450、460、470、480、490、500、510、520、530、540、550個、320〜550のあいだの任意の整数、または550個より多い完全または部分的外花弁(舌状花)、ii)花序1個あたり少なくとも150、160、170、180、190、200、210、220、230、240、250、260、270、280、290、300個、150〜300のあいだの任意の整数、または300個より多い完全または部分的内花弁(管状花)、およびiii)花序1個あたり少なくとも520、530、540、550、560、570、580、590、600、610、620、630、640、650、660、670、680、690、700、710、720、730、740、750、760、770、780、790、800個、520〜800のあいだの任意の整数、または800個より多い完全または部分的総花弁(総小花)を有する、ガーベラ・ジャメソニイ栽培品種を提供することである。
【0011】
本発明のもう一つの目的は、多花弁型形質を多様な単弁型、半重弁型、重弁型および重弁多花型のガーベラ・ジャメソニイ遺伝的バックグラウンドに品種改良する方法を提供することである。
【0012】
本発明のもう一つの目的は、(a)その遺伝的バックグラウンドにおいて多花弁および球形の形質を有する第一の単弁型植物を、雄性または雌性の親株のいずれかとして(i)半重弁型植物、(ii)重弁型植物、(iii)重弁多花型植物、または(iv)その遺伝的バックグラウンドにおいて多花弁および球形の形質を有する第二の単弁型植物、と交配させる段階;(b)単弁型、半重弁型、重弁型、または重弁多花型であるF1子孫を選択する段階;(c)単弁型、半重弁型、重弁型、または重弁多花型であるF1子孫を(i)第二の半重弁型植物;(ii)第二の重弁型植物;(iii)第二の重弁多花型植物;(iv)その遺伝的バックグラウンドにおいて多花弁および球形の形質を有する第三の単弁型植物、と交配させる段階;ならびに(d)多花弁および球形の開花子孫を選択する段階を含む、i)花序1個あたり少なくとも320〜約550個の完全または部分的外花弁(舌状花)を有する、ii)花序1個あたり少なくとも150〜約300個の完全または部分的内花弁(管状花)を有する、およびiii)花序1個あたり少なくとも520〜約800個の完全または部分的総花弁(総小花)を有する一つまたは複数の花を産生する多花弁型および球形のガーベラ・ジャメソニイ植物を品種改良する方法を提供する。第一、第二、および第三の単弁型植物、または第一および第二の半重弁型、重弁型、もしくは重弁多花型植物は同じまたは異なる栽培品種である。
【0013】
本発明のもう一つの目的は、(a)第一の半重弁型を、雄性または雌性の親株のいずれかとして(i)第二の半重弁型植物、(ii)重弁型植物、(iii)重弁多花型植物、(iv)その遺伝的バックグラウンドにおいて多花弁および球形の形質を有する単弁型植物、または(v)その遺伝的バックグラウンドにおいて公知の多花弁および球形の形質を有しない単弁型植物と交配させる段階;(b)単弁型、半重弁型、重弁型、または重弁多花型であるF1子孫を選択する段階;(c)単弁型、半重弁型、重弁型、または重弁多花型であるF1子孫を(i)第二の重弁型植物;(ii)第二の重弁多花型植物;(iii)第三の半重弁型植物;(iv)その遺伝的バックグラウンドにおいて多花弁および球形の形質を有する第二の単弁型植物、または(v)その遺伝的バックグラウンドにおいて公知の多花弁および球形の形質を有しない第二の単弁型植物と交配させる段階;ならびに(d)多花弁および球形の開花子孫を選択する段階を含む、i)花序1個あたり少なくとも320〜約550個の完全または部分的外花弁(舌状花)を有する、ii)花序1個あたり少なくとも150〜約300個の完全または部分的内花弁(管状花)を有する、およびiii)花序1個あたり少なくとも520〜約800個の完全または部分的総花弁(総小花)を有する一つまたは複数の花序を産生する多花弁型および球形のガーベラ・ジャメソニイ植物の品種改良法を提供することである。第一および第二の単弁型、重弁型、もしくは重弁多花型植物または第一、第二および第三の半重弁型植物は同じ、または異なる栽培品種である。
【0014】
本発明のもう一つの目的は、(a)第一の重弁型植物を、雄性または雌性の親株のいずれかとして(i)半重弁型植物、(ii)重弁多花型植物、(iii)第二の重弁型植物、(iv)その遺伝的バックグラウンドにおいて多花弁および球形の形質を有する単弁型植物、または(iv)その遺伝的バックグラウンドにおいて公知の多花弁および球形の形質を有しない単弁型植物、と交配させる段階;(b)単弁型、半重弁型、重弁型、または重弁多花型であるF1子孫を選択する段階;(c)単弁型、半重弁型、重弁型、または重弁多花型であるF1子孫を(i)第三の重弁型植物;(ii)第二の半重弁型植物;(iii)第二の重弁多花型植物;(iv)その遺伝的バックグラウンドにおいて多花弁および球形の形質を有する第二の単弁型植物、または(v)その遺伝的バックグラウンドにおいて公知の多花弁および球形の形質を有しない第二の単弁型植物、と交配させる段階;ならびに(d)多花弁および球形の開花子孫を選択する段階を含む、花序1個あたり少なくとも320〜約550個の完全または部分的外花弁(舌状花)を有する、ii)花序1個あたり少なくとも150〜約300個の完全または部分的内花弁(管状花)を有する、およびiii)花序1個あたり少なくとも520〜約800個の完全または部分的総花弁(総小花)を有する一つまたは複数の花序を産生する多花弁型および球形のガーベラ・ジャメソニイ植物の品種改良法を提供することである。第一、第二、および第三の重弁型植物、または第一および第二の単弁型、半重弁型、もしくは重弁多花型植物は同じまたは異なる栽培品種である。
【0015】
本発明のもう一つの目的は、(a)第一の重弁多花型植物を、雄性または雌性の親株のいずれかとして(i)半重弁型植物、(ii)重弁型植物、(iii)その遺伝的バックグラウンドにおいて多花弁および球形の形質を有する単弁型植物、(iv)その遺伝的バックグラウンドにおいて公知の多花弁および球形の形質を有しない単弁型植物、または(v)第二の重弁多花型植物、と交配させる段階;(b)単弁型、半重弁型、重弁型、または重弁多花型であるF1子孫を選択する段階;(c)単弁型、半重弁型、重弁型、または重弁多花型であるF1子孫を(i)第二の半重弁型植物;(ii)第二の重弁型植物;(iii)その遺伝的バックグラウンドにおいて多花弁および球形の形質を有する第二の単弁型植物、(iv)その遺伝的バックグラウンドにおいて公知の多花弁および球形の形質を有しない第二の単弁型植物、または(v)第三の重弁多花型植物、と交配させる段階;ならびに(d)多花弁および球形の開花子孫を選択する段階を含む、花序1個あたり少なくとも320〜約550個の完全または部分的外花弁(舌状花)を有する、ii)花序1個あたり少なくとも150〜約300個の完全または部分的内花弁(管状花)を有する、およびiii)花序1個あたり少なくとも520〜約800個の完全または部分的総花弁(総小花)を有する一つまたは複数の花序を産生する多花弁型および球形のガーベラ・ジャメソニイ植物の品種改良法を提供することである。
【0016】
本発明のもう一つの目的は、(a)第一の多花弁型および球形の植物を、雄性または雌性の親株のいずれかとして(i)半重弁型植物、(ii)重弁型植物、(iii)重弁多花型植物、(iv)その遺伝的バックグラウンドにおいて多花弁および球形の形質を有する単弁型植物、(v)その遺伝的バックグラウンドにおいて公知の多花弁および球形の形質を有しない単弁型植物、または(vi)第二の多花弁型および球形の植物と交配させる段階;(b)(i)多花弁および球形の開花子孫、または(ii)半重弁型、重弁型、もしくは重弁多花型子孫であるF1を選択する段階;(c)半重弁型、重弁型、または重弁多花型であるF1子孫を(i)第二の半重弁型植物;(ii)第二の重弁型植物;(iii)第二の重弁多花型植物;(iv)その遺伝的バックグラウンドにおいて多花弁および球形の形質を有する第二の単弁型植物、または(v)その遺伝的バックグラウンドにおいて公知の多花弁および球形の形質を有しない第二の単弁型植物、または(vi)第三の多花弁型、と交配させる段階;ならびに(d)多花弁型および球形の開花子孫を選択する段階を含む、花序1個あたり少なくとも320〜約550個の完全または部分的外花弁(舌状花)を有する、ii)花序1個あたり少なくとも150〜約300個の完全または部分的内花弁(管状花)を有する、およびiii)花序1個あたり少なくとも520〜約800個の完全または部分的総花弁(総小花)を有する一つまたは複数の花序を産生する多花弁型および球形のガーベラ・ジャメソニイ植物の品種改良法を提供することである。第一、第二、および第三の多花弁型植物、または第一および第二の単弁型、半重弁型、重弁型、もしくは重弁多花型植物は同じまたは異なる栽培品種である。
【0017】
本発明のもう一つの目的は、請求項6、8、10、12、または14に従う方法の一つによって産生された、i)花序1個あたり少なくとも320〜約550個の完全または部分的外花弁(舌状花)を有する、ii)花序1個あたり少なくとも150〜約300個の完全または部分的内花弁(管状花)を有する、およびiii)花序1個あたり少なくとも520〜約800個の完全または部分的総花弁(総小花)を有する一つまたは複数の多花弁型および球形の花序を有するガーベラ・ジャメソニイ植物を提供することである。
【0018】
本発明のもう一つの目的は、ガーベラ・ジャメソニイ栽培品種「テルスンルタス(Tersunrutas)」、「テルスラム(Tersram)」、「テルスネブ(Tersunev)」、「テルヌーム(Ternoom)」、および「テルロブ(Terlob)」からなる群より選択される、請求項16記載のガーベラ・ジャメソニイ植物を提供することである。
【0019】
すなわち本発明は具体的には、
[1] 花序1個あたり少なくとも320〜約550個の完全または部分的外花弁(舌状花)を有する、ii)花序1個あたり少なくとも150〜約300個の完全または部分的内花弁(管状花)を有する、およびiii)花序1個あたり少なくとも520〜約800個の完全または部分的総花弁(総小花)の、一つまたは複数の多花弁型および球形の花序を有するガーベラ・ジャメソニイ(Gerbera jamesonii)植物、
[2] ガーベラ種が、G.ジャメソニイ、G.ビリディフォリア(G. viridifolia)、G.セラータ(G. Serrata)、およびG. アンビグア(G. ambigua)からなる群より選択される、[1]記載のガーベラ植物、
[3] ガーベラ・ジャメソニイ栽培品種「テルスンルタス(Tersunrutas)」、「テルスラム(Tersram)」、「テルスネブ(Tersunev)」、「テルヌーム(Ternoom)」、および「テルロブ(Terlob)」からなる群より選択される、[1]記載のガーベラ・ジャメソニイ植物、
[4] 植物によって産生される実質的に全ての花序が多花弁で球形である、[1]記載のガーベラ・ジャメソニイ植物、
[5] 多花弁型花序が、i)花序1個あたり少なくとも320、330、340、350、360、370、380、390、400、410、420、430、440、450、460、470、480、490、500、510、520、530、540、550個、320〜550のあいだの任意の整数、または550個より多い完全または部分的外花弁(舌状花)、ii)花序1個あたり少なくとも150、160、170、180、190、200、210、220、230、240、250、260、270、280、290、300個、150〜300のあいだの任意の整数、または300個より多い完全または部分的内花弁(管状花)、およびiii)花序1個あたり少なくとも520、530、540、550、560、570、580、590、600、610、620、630、640、650、660、670、680、690、700、710、720、730、740、750、760、770、780、790、800個、520〜800のあいだの任意の整数、または800個より多い完全または部分的総花弁(総小花)を有する、多花弁型および球形のガーベラ・ジャメソニイ植物、
[6] i)花序1個あたり少なくとも320〜約550個の完全または部分的外花弁(舌状花)を有する、ii)花序1個あたり少なくとも150〜約300個の完全または部分的内花弁(管状花)を有する、およびiii)花序1個あたり少なくとも520〜約800個の完全または部分的総花弁(総小花)を有する一つまたは複数の花序を産生する多花弁型および球形のガーベラ・ジャメソニイ植物の品種改良法であって、以下の段階を含む方法:
a.多花弁および球形の形質を遺伝的バックグラウンドに有する第一の単弁型植物を、雄性または雌性の親株のいずれかとして
i.半重弁型植物;
ii.重弁型植物;
iii.重弁多花型植物;または
iv.その遺伝的バックグラウンドにおいて多花弁および球形の形質を有する第二の単弁型植物、と交配させる段階;
b.単弁型、半重弁型、重弁型、または重弁多花型であるF1子孫を選択する段階;
c.単弁型、半重弁型、重弁型、または重弁多花型であるF1子孫を
i.第二の半重弁型植物;
ii.第二の重弁型植物;
iii.第二の重弁多花型植物;
iv.その遺伝的バックグラウンドにおいて多花弁および球形の形質を有する第三の単弁型植物、と交配させる段階;ならびに
d.多花弁および球形の開花子孫を選択する段階、
[7] 第一、第二、および第三の単弁花植物、または第一および第二の半重弁型、重弁型、または重弁多花型植物が同じまたは異なる栽培品種である、[6]記載の方法、
[8] 花序1個あたり少なくとも320〜約550個の完全または部分的外花弁(舌状花)を有する、ii)花序1個あたり少なくとも150〜約300個の完全または部分的内花弁(管状花)を有する、およびiii)花序1個あたり少なくとも520〜約800個の完全または部分的総花弁(総小花)を有する一つまたは複数の花序を産生する多花弁型および球形のガーベラ・ジャメソニイ植物の品種改良法であって、以下の段階を含む方法:
a.第一の半重弁型を、雄性または雌性の親株のいずれかとして
i.第二の半重弁型植物;
ii.重弁型植物;
iii.重弁多花型植物;
iv.その遺伝的バックグラウンドにおいて多花弁および球形の形質を有する単弁型植物;または
v.その遺伝的バックグラウンドにおいて公知の多花弁および球形の形質を有しない単弁型植物、と交配させる段階;
b.単弁型、半重弁型、重弁型、または重弁多花型であるF1子孫を選択する段階;
c.単弁型、半重弁型、重弁型、または重弁多花型であるF1子孫を
i.第二の重弁型植物;
ii.第二の重弁多花型植物;
iii.第三の半重弁型植物;
iv.その遺伝的バックグラウンドにおいて多花弁および球形の形質を有する第二の単弁型植物;または
v.その遺伝的バックグラウンドにおいて公知の多花弁および球形の形質を有しない第二の単弁型植物、と交配させる段階;ならびに
d.多花弁および球形の開花子孫を選択する段階、
[9] 第一および第二の単弁型、重弁型、もしくは重弁多花型、または第一、第二、および第三の半重弁型植物が同じまたは異なる栽培品種である、[8]記載の方法、
[10] 花序1個あたり少なくとも320〜約550個の完全または部分的外花弁(舌状花)を有する、ii)花序1個あたり少なくとも150〜約300個の完全または部分的内花弁(管状花)を有する、およびiii)花序1個あたり少なくとも520〜約800個の完全または部分的総花弁(総小花)を有する一つまたは複数の花序を産生する多花弁型および球形のガーベラ・ジャメソニイ植物の品種改良法であって、以下の段階を含む方法:
a.第一の重弁型植物を、雄性または雌性の親株のいずれかとして
i.半重弁型植物;
ii.重弁多花型植物;
iii.第二の重弁型植物;
iv.その遺伝的バックグラウンドにおいて多花弁および球形の形質を有する単弁型植物;または
v.その遺伝的バックグラウンドにおいて公知の多花弁および球形の形質を有しない単弁型植物、と交配させる段階;
b.単弁型、半重弁型、重弁型、または重弁多花型であるF1子孫を選択する段階;
c.単弁型、半重弁型、重弁型、または重弁多花型であるF1子孫を
i.第三の重弁型植物;
ii.第二の半重弁型植物;
iii.第二の重弁多花型植物;
iv.その遺伝的バックグラウンドにおいて多花弁および球形の形質を有する第二の単弁型植物;または
v.その遺伝的バックグラウンドにおいて公知の多花弁および球形の形質を有しない第二の単弁型植物、と交配させる段階;ならびに
d.多花弁型および球形の開花子孫を選択する段階、
[11] 第一、第二、および第三の重弁型植物、または第一および第二の単弁型、半重弁型、または重弁多花型植物が同じまたは異なる栽培品種である、[10]記載の方法、
[12] i)花序1個あたり少なくとも320〜約550個の完全または部分的外花弁(舌状花)を有する、ii)花序1個あたり少なくとも150〜約300個の完全または部分的内花弁(管状花)を有する、およびiii)花序1個あたり少なくとも520〜約800個の完全または部分的総花弁(総小花)を有する一つまたは複数の花序を産生する多花弁型および球形のガーベラ・ジャメソニイ植物の品種改良法であって、以下の段階を含む方法:
a.第一の重弁多花型植物を、雄性または雌性の親株のいずれかとして
i.半重弁型植物;
ii.重弁型植物;
iii.その遺伝的バックグラウンドにおいて多花弁および球形の形質を有する単弁型植物;
iv.その遺伝的バックグラウンドにおいて公知の多花弁および球形の形質を有しない単弁型植物;または
v.第二の重弁多花型植物、と交配させる段階;
b.単弁型、半重弁型、重弁型、または重弁多花型であるF1子孫を選択する段階;
c.単弁型、半重弁型、重弁型、または重弁多花型であるF1子孫を
i.第二の半重弁型植物;
ii.第二の重弁型植物;
iii.その遺伝的バックグラウンドにおいて多花弁および球形の形質を有する第二の単弁型植物;
iv.その遺伝的バックグラウンドにおいて公知の多花弁および球形の形質を有しない第二の単弁型植物;または
v.第三の重弁多花型植物、と交配させる段階;ならびに
d.多花弁型および球形の開花子孫を選択する段階、
[13] 第一、第二、および第三の重弁多花型植物、または第一および第二の単弁型、半重弁型、または重弁型植物が同じまたは異なる栽培品種である、[12]記載の方法、
[14] i)花序1個あたり少なくとも320〜約550個の完全または部分的外花弁(舌状花)を有する、ii)花序1個あたり少なくとも150〜約300個の完全または部分的内花弁(管状花)を有する、およびiii)花序1個あたり少なくとも520〜約800個の完全または部分的総花弁(総小花)を有する一つまたは複数の花序を産生する多花弁型および球形のガーベラ・ジャメソニイ植物の品種改良法であって、以下の段階を含む方法:
a.第一の多花弁型および球形の植物を、雄性または雌性の親株のいずれかとして
i.半重弁型植物;
ii.重弁型植物;
iii.重弁多花型植物;
iv.その遺伝的バックグラウンドにおいて多花弁および球形の形質を有する単弁型植物;
v.その遺伝的バックグラウンドにおいて公知の多花弁および球形の形質を有しない単弁型植物;または
vi.第二の多花弁型および球形の植物、と交配させる段階;
b.以下のF1を選択する段階;
i.多花弁および球形の開花子孫;または
ii.半重弁型、重弁型、もしくは重弁多花型子孫;
c.半重弁型、重弁型、または重弁多花型であるF1子孫を
i.第二の半重弁型植物;
ii.第二の重弁型植物;
iii.第二の重弁多花型植物;
iv.その遺伝的バックグラウンドにおいて多花弁および球形の形質を有する第二の単弁型植物;
v.その遺伝的バックグラウンドにおいて公知の多花弁および球形の形質を有しない第二の単弁型植物;または
vi.第三の重弁多花型、と交配させる段階;ならびに
d.多花弁型および球形の開花子孫を選択する段階、
[15] 第一、第二、および第三の多花弁型植物、または第一および第二の単弁型、半重弁型、重弁型、もしくは重弁多花型植物が同じまたは異なる栽培品種である、[14]記載の方法、
[16] [6]、[8]、[10]、[12]、または[14]に従う方法の一つによって産生された、i)花序1個あたり少なくとも320〜約550個の完全または部分的外花弁(舌状花)を有する、ii)花序1個あたり少なくとも150〜約300個の完全または部分的内花弁(管状花)を有する、およびiii)花序1個あたり少なくとも520〜約800個の完全または部分的総花弁(総小花)を有する一つまたは複数の多花弁型および球形の花序を有するガーベラ・ジャメソニイ植物、および
[17] ガーベラ・ジャメソニイ栽培品種「テルスンルタス」、「テルスラム」、「テルスネブ」、「テルヌーム」、および「テルロブ」からなる群より選択される、[16]記載のガーベラ・ジャメソニイ植物
を提供するものである。
【発明の効果】
【0020】
本発明は、一つまたは複数の多花弁型および球形の花序を産生するガーベラ・ジャメソニイ栽培品種を提供する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
発明の詳細な説明
1.定義
以下の説明および表において、多くの用語が用いられる。本発明の明確および一貫した理解を提供するために、以下の定義を提供する。
【0022】
栽培品種または品種、は、同じ種に属し、構造的特徴および能力によって同じ種における他の品種と識別されうる類似の植物の群である。品種の二つの本質的な特徴は同一性および繁殖性である。同一性は、品種が認識されて、作物種における他の品種と識別されるために必要である。識別的な特徴は、形態学的特徴、色の特色、生理的機能、疾患/害虫の抵抗性/感受性、または性能であってもよい。ほとんどの農業品種は、品種を同定するそれらの特徴に関して純粋である。繁殖性は、それによって品種が同定される特徴が、子孫において均一かつ安定に再生されるために必要である。品種は系統に由来する;単一の遺伝子型または遺伝子型の混合物から増加させた集団は、系統、実験系統、または株と呼ばれる。系統が優れていると同定されれば、名称をつけられ、増加させて、「栽培された品種」または「栽培品種」として市販されうる。「品種」および「栽培品種」という語は、互換的に用いられるが、栽培品種は科学文献において一般的に用いられ、品種は米国の農業者および種子小売業者において用いられる用語である。
【0023】
単弁もしく単弁花、または単弁型は、花序1個あたり少なくとも50〜約75個の完全または部分的外花弁(舌状花)を有する一つもしくは複数の花序を産生するガーベラ・ジャメソニイ植物、または少なくとも50〜約75個の完全もしくは部分的外花弁(舌状花)を有するガーベラ・ジャメソニイ花序としてそれぞれ定義される。
【0024】
半重弁もしくは半重弁花、または半重弁型は、花序1個あたり少なくとも130〜約170個の完全もしくは部分的外花弁(舌状花)を有する一つもしくは複数の花序を産生するガーベラ・ジャメソニイ植物、または少なくとも130〜約170個の完全もしくは部分的外花弁(舌状花)を有するガーベラ・ジャメソニイの花序としてそれぞれ定義される。
【0025】
重弁もしくは重弁花、または重弁型は、花序1個あたり少なくとも250〜約270個の完全もしくは部分的外花弁(舌状花)を有する一つもしくは複数の花序を産生するガーベラ・ジャメソニイ植物、または少なくとも250〜約270個の完全もしくは部分的外花弁(舌状花)を有するガーベラ・ジャメソニイ花序としてそれぞれ定義される。
【0026】
重弁-多花もしくは重弁多花、または重弁多花型はそれぞれ、花序1個あたり少なくとも270〜約320個の完全もしくは部分的外花弁(舌状花)を有する一つもしくは複数の花序を産生するガーベラ・ジャメソニイ植物、または少なくとも270〜約320個の完全もしくは部分的外花弁(舌状花)を有するガーベラ・ジャメソニイ花序としてそれぞれ定義される。全ての重弁多花型は不完全産物である。多花弁形質はそれ自身、2世代後まで完全な程度として発現されない。
【0027】
多花弁もしくは多花弁花、または多花弁型はそれぞれ、花序1個あたり少なくとも320〜約550個の完全もしくは部分的外花弁(舌状花)を有する一つもしくは複数の花序を産生するガーベラ・ジャメソニイ植物、または少なくとも320〜約550個の完全もしくは部分的外花弁(舌状花)を有するガーベラ・ジャメソニイ花序としてそれぞれ定義される。好ましくは、本発明の多花弁型のガーベラ・ジャメソニイ植物は、実質的に全ての多花弁型花序を有する。本発明の多花弁型花序は、i)花序1個あたり少なくとも320、330、340、350、360、370、380、390、400、410、420、430、440、450、460、470、480、490、500、510、520、530、540、550個、320〜550のあいだの任意の整数、または550個より多い完全もしくは部分的外花弁(舌状花)、ii)花序1個あたり少なくとも150、160、170、180、190、200、210、220、230、240、250、260、270、280、290、300個、150〜300のあいだの任意の整数、または300個より多い完全もしくは部分的内花弁(管状花)、およびiii)花序1個あたり少なくとも520、530、540、550、560、570、580、590、600、610、620、630、640、650、660、670、680、690、700、710、720、730、740、750、760、770、780、790、800個、520〜800のあいだの任意の整数、または800個より多い完全もしくは部分的総花弁(総小花)を有する。本発明の多花弁型ガーベラ・ジャメソニイ植物は、花序1個あたり比較的均一な数の花弁を有する花序を産生することができ、この特徴は無性生殖を通して安定である。または、本発明の多花弁型ガーベラ・ジャメソニイ植物は、花序あたりの花弁の数が多様である花序を産生するすることができ、この特徴も同様に無性生殖を通して安定である。
【0028】
花序当たりの多花弁性の程度は、重弁型ガーベラ・ジャメソニイにおいて典型的に認められる250〜270個の完全または部分的外花弁(舌状花)を超えて産生される花序1個あたりの余分な完全または部分的外花弁(舌状花)の数の測定として定義される。花序1個当たりの多花弁性の程度が大きくなれば、花序1個当たりに産生される完全または部分的外花弁(舌状花)の数は多くなる。
【0029】
植物1個あたりの多花弁性の程度は、花序1個当たり少なくとも320個の完全または部分的(舌状花)花弁を有するガーベラ・ジャメソニイ植物あたりの花序の数の測定値として定義される。ガーベラ・ジャメソニイ植物あたりの多花弁性の程度が大きくなれば、花序1個あたり少なくとも320個の完全または部分的外花弁(舌状花)を有するガーベラ・ジャメソニイ植物によって産生される総花序の割合は高くなる。
【0030】
表1〜6および明細書を通して参照されるように、植物あたりの花序の品質、茎の品質、花序の生産性、および花瓶での寿命を、以下の五つの評点の測定として定義して、これを以下にさらに定義する:

花序の品質
以下の特徴によって定義される
A 花弁の基本構造、五つのカテゴリーに分類
B 外花弁の層の量、言及された層の量
C 花序の組成、隙間がある-緻密
D 脱水後の硬さ、五つのカテゴリーに分類
E 損傷に対する硬さ、五つのカテゴリーに分類。

茎の品質
以下の特徴によって定義される
A 茎の基本構造、中空または固結
B 厚さ、四つのカテゴリーに分類
C 48時間脱水後の折り曲げに対する感受性、五つのカテゴリーに分類
D 茎の長さ、六つのカテゴリーに分類。

【0031】
植物あたりの花瓶での寿命および生産性は、以下のように定義される:
花瓶での寿命 生産性
(日) 花の大きさ7〜8 cmに関する
(花/植物/年)
非常に良好 >16 >79
良好 12〜16 71〜79
平均的 8〜12 58〜70
不良 <8 <58
【0032】
ミニガーベラは、頭状花の直径が約7.0 cmであるガーベラ・ジャメソニイ栽培品種に対して本発明者らが指定した用語である。
【0033】
花序は、単一の構造において一つより多い花が存在する花のタイプとして定義される。
【0034】
頭状花は、共に単一の花を形成するように見える、密な、不定量の小さい個々の花(しばしば小花と呼ばれる)を含む複合花序型として定義される。小花の緻密な集合体は、無柄または亜無柄であり、時に頭状花序と呼ばれる複合花托上で密集している。キク科(Asteraceae)/キク科(Compositae)の頭状花序は、頭状花が一つの花のみであるように見えるが、何百もの個々の花で構成されることができる。
【0035】
花被は、生殖器官を取り囲む花の一部であり、一般的に萼(萼片を含む)および花冠(花弁を含む)であると定義される。
【0036】
萼は、花の花被の最も外側の部分であると定義される。萼は通常小さくて緑色であるが、時に目立って鮮やかな色をしている。花の萼は、萼片(花の真下に存在する小さい葉)から形成されて、つぼみにおいて花弁を包む。
【0037】
花冠は、花の花被の内側部分として定義される。花冠の単位が分離している場合、それらは花弁と呼ばれ、花冠は多弁であると言われる。
【0038】
花弁は、花冠の一単位として定義され、通常色を有し、または多かれ少なかれ目立つ。花が開くと、花弁は萼片と花の生殖器官とのあいだに存在する。頭状花において、花冠の花弁は同じ点から発生して、輪生または複数の輪生と呼ばれうる円周または複数の円周を形成することができる。
【0039】
小花は、特にキク科のような密な花序の一部としての、頭状花における非常に小さい個々の花として定義される。キク科/キク科の植物には典型的に、一つまたは双方のタイプの小花が含まれる:舌状花および管状花。キク科/キク科植物の舌状花および管状花は、放射相称である。
【0040】
舌状花は、長いストラップ状(小舌とも呼ばれる)を特徴とする頭状花の「花弁状」部分として定義される。キク科/キク科植物の頭状花において、「花弁様」小舌の最も外側の輪生または複数の輪生は舌状花である。本発明において、舌状花は時に「外花弁」と呼ばれる。
【0041】
管状花は、キク科/キク科植物の頭状花の内側の輪生に存在する筒状の花冠を有する小さい「花弁様」の花として定義される。本発明において、管状花は時に「内花弁」と呼ばれる。
【0042】
冠毛は、複合花序の基礎を取り囲み、肉眼では一般的に検出不可能な剛毛様の歯状突起または芽鱗によって覆われてもよい個々の舌状花および管状花の一部として定義される。
【0043】
2.植物の選択および品種改良
ガーベラ栽培品種の一般的品種改良法は、Barigozzi, C. and L. Quagliotti, 1978, 「Current Research on Breeding of Gerbera」, Proceedings of the Eucarpia Meeting on Carnation and Gerbera, Allasio, pp. 57〜68、およびVan Os, D.P.M., 1995, 「Stageverslag Gerbera Veredeling, Practical Period Agriculture」, University Wageningen, Dept. of Plant Breedingに記述されている。
【0044】
多花弁、球形のガーベラ・ジャメソニイ栽培品種の開発は、多くの選択を含む段階的プロセスであった。
【0045】
品種改良プログラムにおける第一の交配は、頭状花の直径が約12.0 cmまでである典型的なガーベラ・ジャメソニイ栽培品種より小さい頭状花を有するガーベラ・ジャメソニイ栽培品種を開発する努力の中で行われた。本発明者らの目的は、直径約7.0 cmの頭状花を有するより小さいガーベラ・ジャメソニイ栽培品種を開発することであった。第一の交配の子孫から、本発明者らは、頭状花の直径が約7.0 cmのガーベラ・ジャメソニイ栽培品種を発見して選択し、これをミニガーベラと呼んだ。代表的なミニガーベラ品種は米国植物特許第PP7,991号、第PP7,984号、第PP8,078号において認められる。
【0046】
表1は、より生産性が高く、花瓶での寿命が改善されたより小さいガーベラ・ジャメソニイ栽培品種を得るために、その特異的特徴に基づいて用いられ、選択された最も重要な親株を示す。
(表1)より小さいガーベラ・ジャメソニイを発明するために用いられた最も重要な親株

【0047】
表2は、表1の交配から得られた最も重要で、本発明において重要な役割を果たす実生を示す。
(表2)より小さい花序に関する交配から得られた最も重要な実生

【0048】
本発明者らは、いくつかのミニガーベラ栽培品種がまた、重弁開花ガーベラ・ジャメソニイ栽培品種において認められる花弁の典型的な数より多い数を有する第一の選択でもあったこともさらに認識した。これらのミニガーベラ栽培品種によって産生される花序は、i)花序1個あたり270個より多い完全または部分的外花弁(舌状花)、およびii)花序1個あたり400個より多い完全または部分的総花弁(総小花)を含む。
【0049】
ガーベラ・ジャメソニイ栽培品種の欠点は、輸送の際の易損性であることから、本発明者らは、花弁数の増加したさらなるミニガーベラ栽培品種を育種するために研究および開発を継続した。ガーベラ・ジャメソニイの花序1個あたりの花弁量を増加させると、輸送の際の損傷を低減することができ、したがってガーベラ園芸産業にとって有益となるであろう。
【0050】
典型的な重弁型花序より多い花弁数を産生する新しいガーベラ・ジャメソニイ栽培品種5個を選択した。表3において、これらの実生5個をそのそれぞれの形質と共に記載する。
(表3)典型的より多い重弁型開花を表現する品種改良プログラムに由来する第一の実生

【0051】
「M90.129」と「M90.149」と命名されたガーベラ・ジャメソニイ栽培品種の交配から得られた実生集団において、「M91.118」と命名された超重弁実生が最初に発見された。双方の親株は、ピンク色の花弁と黒い中心を有する半重弁型を特徴とした。得られた実生は、薄いピンク色の花弁と黒い中心を有する重弁型を特徴とした。
【0052】
2年後、表2における太字の親株間でなされた交配の結果としてその非常に重弁開花型に関して実生をさらに4個を選択した。
【0053】
表3に示したように、総花弁数は、花序1個あたり総花弁の平均値100〜120個から花序1個あたり総花弁の平均値約360個(花序1個あたりの総花弁は289〜468個)まで増加した。したがって、本発明者らは、花弁数250〜270個の典型的な重弁型花序を超える新規ガーベラ・ジャメソニイ栽培品種の発見に成功した。
【0054】
花弁数が増加したミニガーベラ品種は選択材料に表れた。しかし、ミニガーベラの花弁数がより多いことは、その当時、商業的園芸市場への導入の成功を促進するには十分な理由ではなかった。
【0055】
ミニガーベラの急速な開発は継続し、これによって本発明者らは、ミニガーベラの改善された花序の品質、形状、および生産性に対して尽力する機会を与えられた。本発明者らは、より小さくより強い花弁、より多い花弁数、およびより密な頭状花の大きさを有する花序を産生する新しい改善されたガーベラ・ジャメソニイ栽培品種を発見および選択することに集中した。
【0056】
表4において、新規品種改良プログラムの基礎を形成する最も重要な親株を記載する。親株は二つの主なカテゴリーに分類することができる。一つの群の親株は、花弁数、形状および形成に関する特徴について合格する。他の群の親株は、花瓶での寿命、花序および茎の性質、ならびに生産性に関する特徴について合格する。
(表4)品種改良プログラムにおいて用いられる重要な親株

【0057】
典型的より多い重弁開花を産生する特徴に基づいて、本発明らは新しい実生を選択した。品種改良プログラムは、受精能を完全に喪失することなく、花弁数の増加を有する花序を産生するガーベラ・ジャメソニイ栽培品種の交配を強化し、それに集中した。本発明者らによって検討されるさらなる親株の特徴は、花弁の形状、花序における花弁の配置、雄性および雌性小花間の分割、ならびに花序の全般的品質であった。このようにして得られた世代は稔性であることが示された。
【0058】
表5に記載の親株を品種改良プログラムにおいて用いた。親株は全て先に記述した必要かつ重要な特徴の少なくとも一つに従った。
(表5)品種改良プログラムにおいて用いた親株

【0059】
選択された実生を、大規模産生試験を行うことができるように、組織培養研究室に入れた。
【0060】
魅力的な多花弁および球形のガーベラ・ジャメソニイ栽培品種が開発され、「テルスンルタス」と命名された。「テルスンルタスの」実生を2002年に選択して、2002年に研究室に導入し、2003年に繁殖させて、2003および2004年に十分に試験した。この栽培品種は実施例2として本発明の記述に含まれる。2004年および2005年に、さらに4個の多花弁および球形のガーベラ・ジャメソニイ栽培品種が、異なる色で発見された(「テルスラム」、「テルスネブ」、「テルヌーム」および「テルロブ」)。これらの栽培品種は実施例3〜6として本発明の記述に含まれる。これらの新規ガーベラ・ジャメソニイ栽培品種は全て、頭状花の直径の大きさ約6.0〜8.0 cm、増加した花弁数(花序あたり少なくとも320〜約550の完全または部分的外花弁(舌状花))、良好な花瓶での寿命(少なくとも12日)、最小の茎の長さ50 cm、オープンの植物(open plant)型、および十分な生産性(花序≧50個/植物/年)という当初の一連の基準に従う。
【0061】
多花弁および球形のガーベラ・ジャメソニイ栽培品種の新たに発明された群の結果を表6に記載する。
(表6)多花弁および球形のガーベラ・ジャメソニイ栽培品種の品種改良プログラムの結果の要約

【0062】
多花弁および球形の形質を含むガーベラ・ジャメソニイ選択からの種子をアメリカン・タイプ・カルチャー・コレクション(American Type Culture Collection)(ATCC)、P.O. Box 1549, Manassas, VA 20108, U.S.A.に寄託して、ATCC寄託アクセッション番号PTA-7892を与えられた。種子625個を2006年9月25日にATCCに寄託した。寄託された種子は、ガーベラ・ジャメソニイ植物を産生し、雄性または雌性の親株のいずれかとして、遺伝的に多様なバックグラウンドの単弁型、半重弁型、重弁型、重弁-多花型のガーベラ・ジャメソニイ種と交配させることができ、本明細書に記述の方法に従って新しい多花弁および球形の選択を再現よく予測可能に産生することができる。
【0063】
4.植物生育条件
実生を、直径19.0 cmのポットにおいてコースグレードのココピート混合物において生育させた。生育遅延剤は使用せず、ガーベラ植物材料を害虫および病気から保護するために典型的な化学物質のみを用いた。
【0064】
分裂組織植物を、1日の平均気温18℃〜20℃、昼間の平均温度約20℃、夜間の平均温度約16℃の温室において、ロックウールスラブにおいて1スラブあたり植物5個を生育させた。植物は人工の光を加えた自然光条件で生育させた。自然光が250 W/m2未満の場合、人工の光を用いて光の強度を750 W/m2に増加させた。自然光の強度が750 W/m2を超える場合、スクリーンを閉じるか、または高い強度が長く持続すると予想される場合には、温室にのろを塗った。植物を、ピートを基本とした土壌混合物において生育させて、i)0.8μmol/lアンモニウム、1.0μmol/lカリウム、0.9μmol/lナトリウム、2.0μmol/lカルシウム、0.5μmol/lマグネシウム、0.2μmol/l未満のケイ素、1.0μmol/l硝酸塩、0.5μmol/l塩素、1.1μmol/l硫酸塩、0.2μmol/l未満の重炭酸塩、0.5μmol/l燐酸塩、10μmol/l鉄、7.0μmol/lマンガン、5.0μmol/l亜鉛、25μmol/lホウ素、1.3μmol/l銅、および0.8μmol/lモリブデンを含む、ii)pH 5.5〜5.7、ならびにiii)EC 1.0 mS/cmの溶液によって水やりを行った。
【0065】
温度、水分ストレス、および光の条件のような、ガーベラ植物の開花に一般的に有害な影響を及ぼす環境的ストレス因子が、選択された多花弁型ガーベラ・ジャメソニイ栽培品種の花序または植物あたりの多花弁性の程度に影響を及ぼしうるか否かについて決定する試験は行われていない。ガーベラ・ジャメソニイの花序または植物あたりの多花弁性の程度は、好ましい1日の温度平均24℃より、1日の温度平均28℃におけるように、温度の上昇と共にわずかに減少する可能性がある。花序または植物あたりの多花弁性の程度が温度および/または光の条件によって有害な影響を受けるガーベラ・ジャメソニイ栽培品種において、多花弁性の程度は環境ストレス因子を除去することによって回復させることができる。
【0066】
以下の実施例は、本発明の特異的および好ましい態様の代表として述べる。これらの実施例は、本発明の範囲を如何なるようにも制限すると解釈されない。多くの変更および改変ができ、それらも本発明の趣旨および範囲に含まれると理解すべきである。
【実施例】
【0067】
実施例1:遺伝子データ
ガーベラ・ジャメソニイの約30〜50の交配からのデータにより、多花弁型で球形の花序形質が多遺伝子性であることが示されている。ガーベラ・ジャメソニイにおける多花弁型で球形の花序形質を制御するための遺伝的基礎が何であるかとは無関係に、これらのデータは、多花弁型形質を多様なガーベラ・ジャメソニイ遺伝的バックグラウンドに再現よく予測可能に遺伝子移入できることを証明している。
【0068】
実施例2:ガーベラ・ジャメソニイ栽培品種「テルスンルタス」
本発明の本実施例は、栽培品種名「テルスンルタス」と呼ばれる新規の独特のガーベラ・ジャメソニイ栽培品種を含む。
【0069】
「テルスンルタス」は、2002年のクーデルスタット、オランダ(Kudelstaart, The Netherlands)における雑種形成プログラムに由来する。雌性の親株は、「MI00.009」と命名される特許を受けていないガーベラ・ジャメソニイであり、これはその重弁型と内曲、漏斗型の開花、および緑色の中心花弁を有する混合ピンク色の花弁を特徴とする。雄性の親株は、「M98.502」と命名される特許を受けていないガーベラ・ジャメソニイであり、半重弁型で内曲、漏斗型の開花、多い花弁数、ならびにオレンジ色の内環および暗色の中心を有する二色の黄色の花弁を特徴とする。新しい栽培品種「テルスンルタス」は、2002年11月頃にクーデルスタット、オランダにおいて制御された環境で記載の交配の子孫における単一の開花植物として本発明者らによって選択された。
【0070】
「テルスンルタス」の最初の無性生殖は、クーデルスタット、オランダにおいて2003年1月に栄養挿し木が採取された際に行われた。新しい栽培品種「テルスンルタス」は現在、挿し木および組織培養によって繁殖されている。2003〜2004年に開始された選択された単位に関する園芸試験から、「テルスンルタス」に関して本明細書において開示される特徴の組み合わせが堅固に固定され、無性生殖による連続的世代形成を通して保持されることが証明された。新しい栽培品種は、型どおりに再生する。
【0071】
以下の形質は繰り返し観察され、これらが組み合わさって新しい独特の栽培品種としてこのガーベラ・ジャメソニイを識別する、新しい栽培品種「テルスンルタス」の独自の特徴であると決定される:
1.i)花序1個あたり少なくとも320〜約550個の完全または部分的外花弁(舌状花)、ii)花序1個あたり少なくとも150〜約300個の完全または部分的内花弁(管状花)、およびiii)花序1個あたり少なくとも520〜約800個の完全または部分的総花弁(総小花)を有する花序;
2.球形を有する花序;
3.直径約7.5 cm〜8.0 cmを有する花序;
4.全般的にピンクの色調を有する花序(3メートルの距離から見て)。
【0072】
新規ガーベラ・ジャメソニイ栽培品種「テルスンルタス」は、起こりうる全ての環境条件では観察されていない。「テルスンルタス」の表現型は、植物の遺伝子型に如何なる変化もなく、温度、光の強度、および昼の長さのような環境の変動によって変化する可能性がある。以下の観察、測定、および比較は、クーデルスタット、オランダにおいて、商業的実践において一般的に用いられる条件とかなり近似する温室条件で生育させた「テルスンルタス」植物について記述する。
【0073】
「テルスンルタス」植物は、表7の以下の特徴において、特許を受けていない親である「MI00.009」および「M98.502」の植物とは異なる:
(表7)

【0074】
本発明者らに公知の多くのガーベラ・ジャメソニイの市販の栽培品種の中で、「テルスンルタス」と比較して類似の栽培品種はない。
【0075】
以下の説明において、色の参照は、通常の意味での一般的な色を用いる場合を除き、ロイヤル・ホーティカルチャー・ソサイエティー・カラーチャート(Royal Horticultural Society Color Chart)(RHS)に基づいて行う。色の値は、クーデルスタット、オランダの温室において人工的な光の下で2005年9月15日午前9時30分に決定した。記述の植物の月齢は、約4ヶ月齢である。
【0076】
I.花序:
A 頭状花:
タイプ: 頭状花序
開花タイプ: 多花弁
直径: 小さい(約7.5〜8.0 cm)
色(距離3 メートルからの全般的色調): ピンク
形状: 外小花の強い内曲と、内小花の強い反り返りおよび刀 状小花の組み合わせによる球形
総包:
総包の接着点から頭状花の頂部までの高さ: 中等度(約25 mm)
高さ: 中等度(約8〜10 mm)
直径: 中等度(約40〜45 mm)
包葉の数: 中等度(約86個)
内列の縦軸: 反り返り
アントシアニン: ない、または先端部で非常に弱い
軟毛: 中等度
舌状花:
数: 非常に多い(472個)
全体的な形状: 倒卵形
外列の縦軸: 強く内曲
内列の縦軸: 内曲
雌性舌状花の縦軸: 内曲
雄性舌状花の縦軸: 反り返り
外舌状花:
断面: 凸型
長さ: 短い-中等度(約35 mm)
幅: 中等度(約10〜12 mm)
縦方向の襞: 中等度
頂部の角度: 鈍角
頂部の形状: 丸い
頂部の切り込み: 0〜1
切り込みの深さ: なしから非常に浅い
色(上面): 赤色、RHS 37A
色(下面): 赤色、RHS 37A
内側での色の分布: 均一
異なる色の端部: あり(0.5 mm、黄色、RHS 11B)
線条: なし
爪の斑点: あり(10%、黄色、RHS 4D)
B.管状花:
数: 250〜280個
円盤の直径: 小さい(約15〜17 mm)
色(成熟、上面): ピンク(赤色に最も近い、RHS 41B)
色(未成熟、頂部): 緑色、RHS 138B〜RHS 138C
上面花冠の主な色: 雌花:ピンク(赤色に最も近い、RHS 41B)
雄花:ピンク(赤色に最も近い、RHS 41B)
C.生殖器官:
花柱: 遠位部分の主な色:黄色-白色(RHS 158D)
柱頭: 主な色:明るい緑-黄色(RHS 1D)
葯: 主な色:黄色(RHS 12A)
他の部分と比較した頂部の色はより明るい。縦方向の 縞は存在しない
アントシアニン呈色の強度はなし
冠毛: 主な色:赤-紫色(RHS 72A)
他の部分と比較した頂部の色は同一である
閉じた円盤小花と比較した頂部のレベル:かなり低い
受精能: 受精能(雄花および雌花)と共に種子の状況は非常に 不良
D.花柄:
長さ: 長い(約58±3 cm)
断面: 楕円
帯化傾向: なし
厚さ: 厚い
強さ: 強い
軟毛: 密
色: 明るい黄色-緑色(RHS 144A)
アントシアニン呈色: 基部:中等度(灰-紫色、RHS 183D)
上部:なし
総包包葉: なし
II.植物:
A.全般的外観:
高さ: 35〜40 cm(如何なる花序も除く)
広がり: 60〜70 cm
B.葉:
葉身:
長さ: 中等度(約41±2 cm)
幅: 中等度(約17±2 cm)
厚さ: 中等度
水疱形成: 中等度
軟毛: 上面(中央脈を除く):中等度
葉における切断または切り込みの深さ: 基底部:深い
中心部:中等度
遠位部分:浅い
色: 上面:中等度の緑色(RHS 141A)
底面:緑色(RHS 138A)
上面の光沢: 弱い
頂部の角度: 急
頂部の形状: とがっている
葉の辺縁: 円鋸歯状
辺縁のひろがり: 大きい
葉柄:
長さ: 短い(約10±2 cm)
色: 黄-緑色、RHS 144A
アントシアニン呈色: 強い(灰色-赤色、RHS 178B)
C.病気/害虫の抵抗性/感受性: 特別な病気/害虫の抵抗性/感受性なし
【0077】
実施例3.ガーベラ・ジャメソニイ栽培品種「テルスラム」
本実施例は、栽培品種名「テルスラム」と呼ばれる新規で独特のガーベラ・ジャメソニイ栽培品種を含む。
【0078】
「テルスラム」は、2003年のクーデルスタット、オランダにおける雑種形成プログラムに由来する。雌性の親株は、「CH01.602」と命名される特許を受けていないガーベラ・ジャメソニイであり、重弁多花型と内曲の、漏斗型の開花、および赤色の花弁を特徴とする。雄性の親株は、「M02.502」と命名される特許を受けていないガーベラ・ジャメソニイであり、重弁型で内曲の、漏斗型の花、および赤色の花弁を特徴とする。新しい栽培品種「テルスラム」は、2003年11月頃にクーデルスタット、オランダの制御された環境において、記載の交配の子孫における単一の開花植物として本発明者らによって選択された。
【0079】
「テルスラム」の最初の無性生殖は、クーデルスタット、オランダにおいて2004年1月に栄養挿し木が採取された際に行われた。新しい栽培品種「テルスラム」は現在、挿し木および組織培養によって繁殖されている。2004〜2005年に開始された選択された単位の園芸試験から、「テルスラム」に関して本明細書において開示される特徴の組み合わせが堅固に固定され、無性生殖による連続的世代形成を通して保持されることが証明された。新しい栽培品種は、型どおりに再生する。
【0080】
以下の形質は繰り返し観察され、これらが組み合わさってこのガーベラ・ジャメソニイを新しい独特の栽培品種として識別する、新しい栽培品種「テルスンルタス」の独自の特徴であると決定される:
1.i)花序1個あたり少なくとも320〜約550個の完全または部分的外花弁(舌状花)、ii)花序1個あたり少なくとも150〜約300個の完全または部分的内花弁(管状花)、およびiii)花序1個あたり少なくとも520〜約800個の完全または部分的総花弁(総小花)を有する花序;
2.球形を有する花序;
3.直径約7.5 cm〜8.0 cmを有する花序;および
4.全般的に赤色の色調を有する花序(3メートルの距離から見て)。
【0081】
新規ガーベラ・ジャメソニイ栽培品種「テルスラム」は、起こりうる全ての環境条件では観察されていない。「テルスラム」の表現型は、植物の遺伝子型に如何なる変化もなく、温度、光の強度、および昼の長さのような環境の変動によって変化する可能性がある。以下の観察、測定、および比較は、クーデルスタット、オランダにおいて、商業的実践において一般的に用いられる条件とかなり近似する温室条件で生育させた「テルスラム」植物について記述する。
【0082】
「テルスラム」植物は、表8の以下の特徴において、特許を受けていない親である「CH01.602」および「M02.502」の植物とは異なる:
(表8)

【0083】
本発明者らに公知の多くのガーベラ・ジャメソニイの市販の栽培品種の中で、「テルスラム」と比較して類似の栽培品種はない。
【0084】
以下の説明において、色の参照は、通常の意味での一般的な色を用いる場合を除き、ロイヤル・ホーティカルチャー・ソサイエティー・カラーチャート(RHS)に基づいて行う。色の値は、クーデルスタット、オランダの温室において人工的な光の下で2005年9月15日午前10時30分に決定した。記述の植物の月齢は、約4ヶ月齢である。
【0085】
I.花序:
A 頭状花:
タイプ: 頭状花序
開花タイプ: 多花弁
直径: 小さい(約7.5〜8.0 cm)
色(距離3 メートルからの全般的色調): ピンク色
形状: 外小花の強い内曲と、内小花の強い反り返りおよび刀 状小花の組み合わせによる球形
総包:
総包の接着点から頭状花の頂部までの高さ: 中等度(約25〜30 mm)
高さ: 中等度(約8〜10 mm)
直径: 中等度(約40〜45 mm)
包葉の数: 中等度(約81個)
内列の縦軸: 反り返り
アントシアニン: あり
軟毛: 中等度
舌状花:
数: 非常に多い(419個)
全体的な形状: 倒卵形
外列の縦軸: 強く内曲
内列の縦軸: 内曲
雌性舌状花の縦軸: 内曲
雄性舌状花の縦軸: 反り返り
外舌状花:
断面: 凸型
長さ: 短い-中等度(約30〜35 mm)
幅: 広い(約12〜14 mm)
縦方向の襞: 強い
頂部の角度: 広く鈍角
頂部の形状: 丸い
頂部の切り込み: 1〜2
切り込みの深さ: 浅い
色(上面): 赤色、RHS 44A
色(下面): 赤色、RHS 44A
内側での色の分布: 均一
異なる色の端部: なし
線条: なし
爪の斑点: あり(5%、黄色、RHS 8A)
B.管状花:
数: 190〜220個
円盤の直径: 小さい(約15 mm)
色(成熟、上面): 赤色(RHS 44A)
色(未成熟、頂部): 赤色(RHS47A)
上面花冠の主な色: 雌花:赤色(RHS 44A)
雄花:赤色(RHS 44A)
C.生殖器官:
花柱: 遠位部分の主な色:明るい黄色(RHS 4C)
柱頭: 主な色:明るい黄色(RHS 4C)
葯: 主な色:下部(50%)茶色(RHS 166Cに近い)、30 %灰色がかった紫(RHS 187A)、上部、黄色/灰色(RHS 160A)
他の部分と比較した頂部の色はより明るい
縦方向の縞は存在しない
アントシアニン呈色の強度は強い
冠毛: 主な色:赤-紫色(RHS 71A)
他の部分と比較した頂部の色は同一である
閉じた円盤小花と比較した頂部のレベル:かなり低い
受精能: 受精能(雄花および雌花)と共に種子の状況は非常に 不良
D.花柄:
長さ: 長い(約62±3 cm)
断面: 楕円
帯化傾向: あり
厚さ: 中等度
強さ: 中等度
軟毛: 中等度
色: 明るい緑色(RHS 144A)
アントシアニン呈色: 基部:強い、灰-紫色(RHS 183D)
上部:なし
総包包葉: なし
II.植物:
A.全般的外観:
高さ: 35〜40 cm(如何なる花序も除く)
広がり: 65〜75 cm
B.葉
葉身
長さ: 中等度(約35±2 cm)
幅: 中等度(約16±1 cm)
厚さ: 中等度
水疱形成: 中等度
軟毛: 上面(中央脈を除く):中等度
葉における切断または切り込みの深さ: 基底部:深い
中心部:中等度
遠位部分:中等度
色: 上面:中等度の緑色(RHS 141A)
底面:緑色(RHS 138A)
上面の光沢: なし
頂部の角度: 急
頂部の形状: 丸い
葉の辺縁: 鋸歯状
辺縁のひろがり: 中等度
葉柄:
長さ: 中等度(約13±2 cm)
色: 黄-緑色、RHS 144A
アントシアニン呈色: 強い(灰-紫色、RHS 183A)
C.病気/害虫の抵抗性/感受性: 特別な病気/害虫の抵抗性/感受性なし
【0086】
実施例4:ガーベラ・ジャメソニイ栽培品種「テルスネブ」
本実施例は、栽培品種名「テルスネブ」と呼ばれる新規で独特のガーベラ・ジャメソニイ栽培品種を含む。
【0087】
「テルスラム」は、2003年のクーデルスタット、オランダにおける雑種形成プログラムに由来する。雌性の親株は、「VA3298」と命名される特許を受けていないガーベラ・ジャメソニイであり、半重弁型と内曲の、平坦な形状の開花、および中心花弁の色が緑色であるクリーム色の花弁を特徴とする。雄性の親株は、「CH02.651」と命名される特許を受けていないガーベラ・ジャメソニイ栽培品種であり、重弁多花型で丸い形状の開花、および赤色の花弁を特徴とする。新しい栽培品種「テルスネブ」は、2003年10月頃にクーデルスタット、オランダの制御された環境において、記載の交配の子孫における単一の開花植物として本発明者らによって選択された。
【0088】
「テルスネブ」の最初の無性生殖は、クーデルスタット、オランダにおいて2004年1月に栄養挿し木が採取された際に行われた。新しい栽培品種「テルスネブ」は現在、挿し木および組織培養によって繁殖されている。2004〜2005年に開始された選択された単位の園芸試験から、「テルスネブ」に関して本明細書において開示される特徴の組み合わせが堅固に固定され、無性生殖による連続的世代形成を通して保持されることが証明された。新しい栽培品種は、型どおりに再生する。
【0089】
以下の形質は繰り返し観察され、これらが組み合わさってこのガーベラを新しい独特の栽培品種として識別する、新しい栽培品種「テルスネブ」の独自の特徴であると決定される:
1.i)花序1個あたり少なくとも320〜約550個の完全または部分的外花弁(舌状花)、ii)花序1個あたり少なくとも150〜約300個の完全または部分的内花弁(管状花)、およびiii)花序1個あたり少なくとも520〜約800個の完全または部分的総花弁(総小花)を有する花序;
2.球形を有する花序;
3.直径約6.5 cm〜7.0 cmを有する花序;および
4.全般的に紫色の色調を有する花序(3メートルの距離から見て)。
【0090】
新規ガーベラ・ジャメソニイ栽培品種「テルスネブ」は、起こりうる全ての環境条件では観察されていない。「テルスネブ」の表現型は、植物の遺伝子型に如何なる変化もなく、温度、光の強度、および昼の長さのような環境の変動によって変化する可能性がある。以下の観察、測定、および比較は、クーデルスタット、オランダにおいて、商業的実践において一般的に用いられる条件とかなり近似する温室条件で生育させた「テルスネブ」植物について記述する。
【0091】
「テルスネブ」植物は、表9の以下の特徴において、特許を受けていない親である「VA3298」および「CH02.651」の植物とは異なる:
(表9)

【0092】
本発明者らに公知の多くのガーベラ・ジャメソニイの市販の栽培品種の中で、「テルスネブ」と比較して類似の栽培品種はない。
【0093】
以下の説明において、色の参照は、通常の意味での一般的な色を用いる場合を除き、ロイヤル・ホーティカルチャー・ソサイエティー・カラーチャート(RHS)に基づいて行う。色の値は、クーデルスタット、オランダの温室において、人工的な光の下で2005年9月15日午前11時30分に決定した。記述の植物の月齢は、約4ヶ月齢である。
【0094】
I.花序:
A 頭状花:
タイプ: 頭状花序
開花タイプ: 多花弁
直径: 小さい(約6.5〜7.0 cm)
色(距離3 メートルからの全般的色調): 紫色
形状: 外小花の強い内曲、内小花の強い反り返りおよび刀状 小花の組み合わせによる球形
総包:
総包の接着点から頭状花の頂部までの高さ: 低い(約20〜25 mm)
高さ: 低い(約6〜8 mm)
直径: 小さい(約35〜40 mm)
包葉の数: 中等度(約80個)
内列の縦軸: 反り返り
アントシアニン: あり
軟毛: 中等度
舌状花:
数: 非常に多い(335個)
全体的な形状: 倒卵形
外列の縦軸: 強く内曲
内列の縦軸: 内曲
雌性舌状花の縦軸: 内曲
雄性舌状花の縦軸: 反り返り
外舌状花:
断面: 凸型
長さ: 短い-中等度(約30〜33 mm)
幅: 中等度(約9〜10 mm)
縦方向の襞: 強い
頂部の角度: 鈍角
頂部の形状: 丸い
頂部の切り込み: 0〜2
切り込みの深さ: 浅い
色(上面): 紫-赤色、RHS 57B
色(下面): 紫-赤色、RHS 57B
内側での色の分布: 均一
異なる色の端部: なし
線条: なし
爪の斑点: あり(5%、赤-紫色、RHS 65D)
B.管状花:
数: 185〜210個
円盤の直径: 小さい(約19 mm)
色(成熟、上面): 紫色(RHS 57Bに最も近い)
色(未成熟、頂部): 赤-紫色、RHS 60B
上面花冠の主な色: 雌花:紫色(RHS 57Bに最も近い)
雄花:紫色(RHS 57Bに最も近い)
C.生殖器官:
花柱: 遠位部分の主な色:黄-白色(RHS 158D)
柱頭: 主な色:黄-白色(RHS 158D)
葯: 主な色:茶色(RHS 177Aに最も近い)。
他の部分と比較した頂部の色はより明るい。
縦方向の縞は存在しない。
アントシアニン呈色の強度は強い。
冠毛: 主な色:明るい黄色(RHS 11C)
他の部分と比較した頂部の色はより暗い(灰黄色RHS 161B)
閉じた円盤小花と比較した頂部のレベル:かなり低い
受精能: 受精能(雄花および雌花)と共に種子の状況は非常に 不良
D.花柄:
長さ: 長い(約58±3 cm)
断面: 楕円
帯化傾向: あり
厚さ: 厚い
強さ: 強い
軟毛: 中等度
色: 明るい緑色(RHS 144A)
アントシアニン呈色: 基部:なし
上部:なし
総包包葉: なし
II.植物:
A.全般的外観:
高さ: 35〜40 cm(如何なる花序も除く)
広がり: 60〜70 cm
B.葉:
葉身:
長さ: 中等度(約34±2 cm)
幅: 中等度(約15±2 cm)
厚さ: 中等度
水疱形成: 中等度
軟毛: 上面(中央脈を除く):まばら
葉における切断または切り込みの深さ: 基部:浅い
中心部:中等度
遠位部分:浅い
色: 上面:中等度の緑色(RHS 141A)
底面:緑色(RHS 138A)
上面の光沢: 弱い
頂部の角度: 急
頂部の形状: 尖っている
葉の辺縁: 円鋸歯状
辺縁のひろがり: 大きい
葉柄:
長さ: 中等度(約13±1 cm)
色: RHS 144A
アントシアニン呈色: なし
C.病気/害虫の抵抗性/感受性: 特別な病気/害虫の抵抗性/感受性なし
【0095】
実施例5:ガーベラ・ジャメソニイ栽培品種「テルヌーム」
本実施例は、栽培品種名「テルヌーム」と呼ばれる新規で独特のガーベラ・ジャメソニイ栽培品種を含む。
【0096】
「テルヌーム」は、2003年のクーデルスタット、オランダにおける雑種形成プログラムに由来する。雌性の親株は、「CH02.645」と命名される特許を受けていないガーベラ・ジャメソニイであり、重弁多花型と丸い形状の開花、およびオレンジ色の花弁を特徴とする。雄性の親株は、「CH02.653」と命名される特許を受けていないガーベラ・ジャメソニイであり、重弁多花型で丸い形状の開花、および中心部が緑色のピンク色の花弁を特徴とする。新しい栽培品種「テルヌーム」は、2003年11月頃にクーデルスタット、オランダの制御された環境において、記載の交配の子孫から本発明者らによって選択された。
【0097】
「テルヌーム」の最初の無性生殖は、クーデルスタット、オランダにおいて2004年1月に栄養挿し木が採取された際に行われた。新しい栽培品種「テルヌーム」は現在、挿し木および組織培養によって繁殖されている。2004〜2005年に開始された選択された単位の園芸試験から、「テルヌーム」に関して本明細書において開示される特徴の組み合わせが堅固に固定され、無性生殖による連続世代形成を通して保持されることが証明された。新しい栽培品種は、型どおりに再生する。
【0098】
以下の形質は繰り返し観察され、これらが組み合わさってこのガーベラ・ジャメソニイを新しい独特の栽培品種として識別する、新しい栽培品種「テルヌーム」の独自の特徴であると決定される:
1.i)花序1個あたり少なくとも320〜約550個の完全または部分的外花弁(舌状花)、ii)花序1個あたり少なくとも150〜約300個の完全または部分的内花弁(管状花)、およびiii)花序1個あたり少なくとも520〜約800個の完全または部分的総花弁(総小花)を有する花序;
2.球形を有する花序;
3.直径約7.0cm〜7.5 cmを有する花序;および
4.全般的に明るい黄-オレンジ色の色調を有する花序(3メートルの距離から見て)。
【0099】
新規ガーベラ・ジャメソニイ栽培品種「テルヌーム」は、起こりうる全ての環境条件では観察されていない。「テルヌーム」の表現型は、植物の遺伝子型に如何なる変化もなく、温度、光の強度、および昼の長さのような環境の変動によって変化する可能性がある。以下の観察、測定、および比較は、クーデルスタット、オランダにおいて、商業的実践において一般的に用いられる条件とかなり近似する温室条件で生育させた「テルヌーム」植物について記述する。
【0100】
「テルヌーム」植物は、表10の以下の特徴において、特許を受けていない親
である「CH02.645」および「CH02.653」の植物とは異なる:
(表10)

【0101】
本発明者らに公知の多くのガーベラ・ジャメソニイの市販の栽培品種の中で、「テルヌーム」と比較して類似の栽培品種はない。
【0102】
以下の説明において、色の参照は、通常の意味での一般的な色を用いる場合を除き、ロイヤル・ホーティカルチャー・ソサイエティー・カラーチャート(RHS)に基づいて行う。色の値は、クーデルスタット、オランダの温室において人工的な光の下で2005年9月15日午後12時30分に決定した。記述の植物の月齢は、約4ヶ月齢である。
【0103】
I.花序:
A 頭状花:
タイプ: 頭状花序
開花タイプ: 多花弁
直径: 小さい(約7.0〜7.5 cm)
色(距離3 メートルからの全般的色調): 明るい黄-オレンジ色
形状: 外小花の強い内曲、内小花の強い反り返りおよび刀状 小花の組み合わせによる球形
総包:
総包の接着点から頭状花の頂部までの高さ: 中等度(約25 mm)
高さ: 中等度(約8 mm)
直径: 中等度(約40〜45 mm)
包葉の数: 多い(約100個)
内列の縦軸: 反り返り
アントシアニン: ない、または先端部で非常に弱い
軟毛: 中等度
舌状花:
数: 非常に多い(492個)
全体的な形状: 倒卵形
外列の縦軸: 強く内曲
内列の縦軸: 内曲
雌性舌状花の縦軸: 内曲
雄性舌状花の縦軸: 反り返り
外舌状花:
断面: 凸型
長さ: 短い(約25〜30 mm)
幅: 中等度(約9〜10 mm)
縦方向の襞: 中等度
頂部の角度: 鈍角
頂部の形状: 丸い
頂部の切り込み: 0〜1
切り込みの深さ: 浅い
色(上面): RHS 19B
色(下面): RHS 19B
内側での色の分布: 均一
異なる色の端部: なし
線条: なし
爪の斑点: なし
B.管状花:
数: 195〜220個
円盤の直径: 小さい(約18〜19 mm)
色(成熟、上面): オレンジ色(RHS 29B)
色(未成熟、頂部): 緑色、RHS 142A
上面花冠の主な色: 雌花:黄-オレンジ色(RHS 22C)
雄花:オレンジ色(RHS 29B)
C.生殖器官:
花柱: 遠位部分の主な色:明るい黄色(RHS 4D)
柱頭: 主な色:明るい黄色(RHS 4C)
葯: 主な色:黄-オレンジ色(RHS 17C)
他の部分と比較した頂部の色はより暗い。
縦方向の縞が存在する
アントシアニン呈色の強度は弱い。
冠毛: 主な色:明るい黄色(RHS 2B)
他の部分と比較した頂部の色はより暗い(赤-紫色、 RHS 72A)
閉じた円盤小花と比較した頂部のレベル:かなり低い
受精能: 受精能(雄花および雌花)と共に種子の状況は非常に 不良
D.花柄:
長さ: 長い(約56±3 cm)
断面: 丸い
帯化傾向: なし
厚さ: 中等度
強さ: 中等度
軟毛: 密
色: 明るい緑色(RHS 144A)
アントシアニン呈色: 基部:弱い(灰色がかった緑色、RHS 197A)
上部:なし
総包包葉: なし
II.植物:
A.全般的外観:
高さ: 30〜35 cm(如何なる花序も除く)
広がり: 50〜60 cm
B.葉:
葉身:
長さ: 短い(約21±2 cm)
幅: 狭い(約7.5±1 cm)
厚さ: 厚い
水疱形成: 強い
軟毛: 上面(中央脈を除く):中等度
葉における切断または切り込みの深さ: 基底部:深い
中心部:深い
遠位部分:中等度
色: 上面:暗い緑色(RHS 139A)
底面:RHS 138A
上面の光沢: 強い
頂部の角度: 急
頂部の形状: 丸い
葉の辺縁: 鋸歯状
辺縁のひろがり: 小さい
葉柄:
長さ: 長い(約17±1 cm)
色: 黄-緑色、RHS 146B
アントシアニン呈色: 弱い(灰-オレンジ色、RHS 174A)
C.病気/害虫の抵抗性/感受性: 特別な病気/害虫の抵抗性/感受性なし
【0104】
実施例6:ガーベラ・ジャメソニイ栽培品種「テルロブ」
本実施例は、栽培品種名「テルロブ」と呼ばれる新規で独特のガーベラ・ジャメソニイ栽培品種を含む。
【0105】
「テルロブ」は、2004年のクーデルスタット、オランダにおける雑種形成プログラムに由来する。雌性の親株は、「CH04.653」(新規「テルスネブ」実生選択から採取された実生)と命名される特許を受けていないガーベラ・ジャメソニイであり、これはその重弁多花型および球形の開花、および紫色の花弁を特徴とする。雄性の親株は、「M93.002」と命名される特許を受けていないガーベラ・ジャメソニイであり、重弁多花型で丸い形状の開花、および混合ピンク色の花弁を特徴とする。新しい栽培品種は、2004年10月頃にクーデルスタット、オランダの制御された環境において、記載の交配の子孫における単一の開花植物として本発明者らによって選択された。
【0106】
「テルロブ」の最初の無性生殖は、クーデルスタット、オランダにおいて2004年12月に栄養挿し木が採取された際に行われた。新しい栽培品種「テルロブ」は現在、挿し木および組織培養によって繁殖されている。2004〜2005年に開始された選択された単位の園芸試験から、「テルロブ」に関して本明細書において開示される特徴の組み合わせが堅固に固定され、無性生殖による連続的世代形成を通して保持されることが証明された。新しい栽培品種は、型どおりに再生する。さらに、交配の継続は、花弁の数、および花弁の特異的な形式に対して、増加した効果を示した。
【0107】
以下の形質は繰り返し観察され、これらが組み合わさってこのガーベラ・ジャメソニイを新しい独特の栽培品種として識別する、新しい栽培品種「テルロブ」の独自の特徴であると決定される:
1.i)花序1個あたり少なくとも320〜約550個の完全または部分的外花弁(舌状花)、ii)花序1個あたり少なくとも150〜約300個の完全または部分的内花弁(管状花)、およびiii)花序1個あたり少なくとも520〜約800個の完全または部分的総花弁(総小花)を有する花序;
2.球形を有する花序;
3.直径約6.0 cm〜6.5 cmを有する花序;および
4.全般的に紫色の色調を有する花序(3メートルの距離から見て)。
【0108】
新規ガーベラ・ジャメソニイ栽培品種「テルロブ」は、起こりうる全ての環境条件では観察されていない。「テルロブ」の表現型は、植物の遺伝子型に如何なる変化もなく、温度、光の強度、および昼の長さのような環境の変動によって変化する可能性がある。以下の観察、測定、および比較は、クーデルスタット、オランダにおいて、商業的実践において一般的に用いられる条件とかなり近似する温室条件で生育させた「テルロブ」植物について記述する。
【0109】
「テルロブ」植物は、表11の以下の特徴において、特許を受けていない親である「CH04.625」および「M93.002」の植物とは異なる:
(表11)

【0110】
本発明者らに公知の多くのガーベラ・ジャメソニイの市販の栽培品種の中で、「テルロブ」と比較して類似の栽培品種はない。
【0111】
以下の説明において、色の参照は、通常の意味での一般的な色を用いる場合を除き、ロイヤル・ホーティカルチャー・ソサイエティー・カラーチャート(RHS)に基づいて行う。色の値は、クーデルスタット、オランダの温室において人工的な光の下で2005年9月15日午後1時30分に決定した。記述の植物の月齢は、約4ヶ月齢である。
【0112】
I.花序:
A 頭状花:
タイプ: 頭状花序
開花タイプ: 多花弁
直径: 小さい(約6.0〜6.5 cm)
色(距離3 メートルからの全般的色調): 紫色
形状: 外小花の強い内曲、内小花の強い反り返りおよび刀状 小花の組み合わせによる球形
総包:
総包の接着点から頭状花の頂部までの高さ: 低い(約20 mm)
高さ: 低い(約3〜4 mm)
直径: 小さい(約35〜40 mm)
包葉の数: 中等度(約73個)
内列の縦軸: 反り返り
アントシアニン: あり
軟毛: 中等度
舌状花:
数: 非常に多い(492個)
全体的な形状: 倒卵形
外列の縦軸: 強く内曲
内列の縦軸: 内曲
雌性舌状花の縦軸: 内曲
雄性舌状花の縦軸: 反り返り
外舌状花:
断面: 凸型
長さ: 短い(約25〜27 mm)
幅: 中等度(約7〜9 mm)
縦方向の襞: 強い
頂部の角度: 広い鈍角
頂部の形状: 丸い
頂部の切り込み: 1〜2
切り込みの深さ: 中等度から深い
色(上面): 赤-紫色、RHS 63A
色(下面): 赤-紫色、RHS 70C
内側での色の分布: 均一
異なる色の端部: なし
線条: なし
爪の斑点: (5%、白色、RHS 155A)
B.管状花:
数: 165〜295個
円盤の直径: 小さい(約15 mm)
色(成熟、上面): 紫色(RHS 60Bに最も近い)
色(未成熟、頂部): 赤-紫色、RHS 70B
上面花冠の主な色: 雌花:紫色(RHS 63Aに最も近い)
雄花:紫色(RHS 60Bに最も近い)
C.生殖器官:
花柱: 遠位部分の主な色:白色(RHS 155C)
柱頭: 主な色:ピンク色(RHS 63Cに最も近い)
葯: 主な色:茶色(灰色-紫色、RHS 187A)
他の部分と比較した頂部の色はより明るい
縦方向の縞が存在する
アントシアニン呈色の強度は強い。
冠毛: 主な色:明るい黄-緑色(RHS 154D)
他の部分と比較した頂部の色はより暗い(赤-紫色RHS 61A)
閉じた円盤小花と比較した頂部のレベル:かなり低い
受精能: 受精能(雄花および雌花)と共に種子の状況は非常に 不良
D.花柄:
長さ: 中等度(約48±5 cm)
断面: 楕円
帯化傾向: あり
厚さ: 厚い
強さ: 強い
軟毛: 中等度
色: 明るい黄-緑色(RHS 144A)
アントシアニン呈色: 基部:弱い(灰色がかった茶色、RHS 199B)
上部:なし
総包包葉: なし
II.植物:
A.全般的外観:
高さ: 35〜40 cm(如何なる花序も除く)
広がり: 60〜70 cm
B.葉:
葉身:
長さ: 中等度(約32±2 cm)
幅: 中等度(約19±1 cm)
厚さ: 中等度
水疱形成: 中等度
軟毛: 上面(中央脈を除く):まばら
葉における切断または切り込みの深さ: 基底部:深い
中心部:深い
遠位部分:中等度
色: 上面:中等度の緑色(RHS 141A)
底面:緑色、RHS 138A
上面の光沢: 弱い
頂部の角度: 急
頂部の形状: 丸い
葉の辺縁: 鋸歯状
辺縁のひろがり: 中等度
葉柄:
長さ: 長い(約20±2 cm)
色: 黄色-緑色、RHS 144A
アントシアニン呈色: 弱い(灰色-オレンジ色、RHS 177B)
C.病気/害虫の抵抗性/感受性: 特別な病気/害虫の抵抗性/感受性なし
【0113】
本明細書に記述の実施例は、本発明を説明するためであって、本発明を制限すると意図されない。本発明の異なる態様が本発明に従って記述されている。記述の方法および植物に対して多くの改変および変更を行ってもよく、これらも本発明の趣旨および範囲に含まれる。
【0114】
前述は特に好ましい態様を参照するが、本発明はそのように制限されるとは理解されない。開示の態様に様々な改変を行ってもよく、そのような改変は以下の特許請求の範囲によって定義される本発明の範囲内であると意図されることは当業者に想起されるであろう。本明細書において言及した刊行物および特許出願は全て、本発明が属する当業者のレベルを示している。
【0115】
刊行物および特許出願は、それぞれの個々の刊行物または特許出願が特におよび個々にその全体が参照により本明細書に組み入れられるのと同じ程度に、参照により本明細書に組み入れられる。
【図面の簡単な説明】
【0116】
本特許または出願ファイルは、カラーで実行された少なくとも一つの図面を含む。カラーの図面を有する本特許または特許出願刊行物のコピーは、要請に応じて必要な料金を支払えば特許庁によって提供されるであろう。
【図1A】ガーベラ・ジャメソニイ栽培品種「テルスンルタス」の典型的な花序の上からの透視図。
【図1B】ガーベラ・ジャメソニイ栽培品種「テルスンルタス」の典型的な花序の横からの透視図。
【図1C】ガーベラ・ジャメソニイ栽培品種「テルスンルタス」の花序の典型的な刀状舌状花と比較した典型的な外舌状花の拡大図。
【図1D】多花弁、球形のガーベラ・ジャメソニイ栽培品種「テルスンルタス」の系図。
【図2A】ガーベラ・ジャメソニイ栽培品種「テルスラム」の典型的な花序の上からの透視図。
【図2B】ガーベラ・ジャメソニイ栽培品種「テルスラム」の典型的な花序の横からの透視図。
【図2C】ガーベラ・ジャメソニイ栽培品種「テルスラム」の花序の典型的な刀状舌状花と比較した典型的な外舌状花の拡大図。
【図2D】多花弁、球形のガーベラ・ジャメソニイ栽培品種「テルスラム」の系図。
【図3A】ガーベラ・ジャメソニイ栽培品種「テルスネブ」の典型的な花序の上からの透視図。
【図3B】ガーベラ・ジャメソニイ栽培品種「テルスネブ」の典型的な花序の横からの透視図。
【図3C】ガーベラ・ジャメソニイ栽培品種「テルスネブ」の花序の典型的な刀状舌状花と比較した典型的な外舌状花の拡大図。
【図3D】多花弁、球形のガーベラ・ジャメソニイ栽培品種「テルスネブ」の系図。
【図4A】ガーベラ・ジャメソニイ栽培品種「テルヌーム」の典型的な花序の上からの透視図。
【図4B】ガーベラ・ジャメソニイ栽培品種「テルヌーム」の典型的な花序の横からの透視図。
【図4C】ガーベラ・ジャメソニイ栽培品種「テルヌーム」の花序の典型的な刀状舌状花と比較した典型的な外舌状花の拡大図。
【図4D】多花弁、球形のガーベラ・ジャメソニイ栽培品種「テルヌーム」の系図。
【図5A】ガーベラ・ジャメソニイ栽培品種「テルロブ」の典型的な花序の上からの透視図。
【図5B】ガーベラ・ジャメソニイ栽培品種「テルロブ」の典型的な花序の横からの透視図。
【図5C】ガーベラ・ジャメソニイ栽培品種「テルロブ」の花序の典型的な刀状舌状花と比較した典型的な外舌状花の拡大図。
【図5D】多花弁、球形のガーベラ・ジャメソニイ栽培品種「テルロブ」の系図。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
花序1個あたり少なくとも320〜約550個の完全または部分的外花弁(舌状花)を有する、ii)花序1個あたり少なくとも150〜約300個の完全または部分的内花弁(管状花)を有する、およびiii)花序1個あたり少なくとも520〜約800個の完全または部分的総花弁(総小花)の、一つまたは複数の多花弁型および球形の花序を有するガーベラ・ジャメソニイ(Gerbera jamesonii)植物。
【請求項2】
ガーベラ種が、G.ジャメソニイ、G.ビリディフォリア(G. viridifolia)、G.セラータ(G. Serrata)、およびG. アンビグア(G. ambigua)からなる群より選択される、請求項1記載のガーベラ植物。
【請求項3】
ガーベラ・ジャメソニイ栽培品種「テルスンルタス(Tersunrutas)」、「テルスラム(Tersram)」、「テルスネブ(Tersunev)」、「テルヌーム(Ternoom)」、および「テルロブ(Terlob)」からなる群より選択される、請求項1記載のガーベラ・ジャメソニイ植物。
【請求項4】
植物によって産生される実質的に全ての花序が多花弁で球形である、請求項1記載のガーベラ・ジャメソニイ植物。
【請求項5】
多花弁型花序が、i)花序1個あたり少なくとも320、330、340、350、360、370、380、390、400、410、420、430、440、450、460、470、480、490、500、510、520、530、540、550個、320〜550のあいだの任意の整数、または550個より多い完全または部分的外花弁(舌状花)、ii)花序1個あたり少なくとも150、160、170、180、190、200、210、220、230、240、250、260、270、280、290、300個、150〜300のあいだの任意の整数、または300個より多い完全または部分的内花弁(管状花)、およびiii)花序1個あたり少なくとも520、530、540、550、560、570、580、590、600、610、620、630、640、650、660、670、680、690、700、710、720、730、740、750、760、770、780、790、800個、520〜800のあいだの任意の整数、または800個より多い完全または部分的総花弁(総小花)を有する、多花弁型および球形のガーベラ・ジャメソニイ植物。
【請求項6】
i)花序1個あたり少なくとも320〜約550個の完全または部分的外花弁(舌状花)を有する、ii)花序1個あたり少なくとも150〜約300個の完全または部分的内花弁(管状花)を有する、およびiii)花序1個あたり少なくとも520〜約800個の完全または部分的総花弁(総小花)を有する一つまたは複数の花序を産生する多花弁型および球形のガーベラ・ジャメソニイ植物の品種改良法であって、以下の段階を含む方法:
a.多花弁および球形の形質を遺伝的バックグラウンドに有する第一の単弁型植物を、雄性または雌性の親株のいずれかとして
i.半重弁型植物;
ii.重弁型植物;
iii.重弁多花型植物;または
iv.その遺伝的バックグラウンドにおいて多花弁および球形の形質を有する第二の単弁型植物、と交配させる段階;
b.単弁型、半重弁型、重弁型、または重弁多花型であるF1子孫を選択する段階;
c.単弁型、半重弁型、重弁型、または重弁多花型であるF1子孫を
i.第二の半重弁型植物;
ii.第二の重弁型植物;
iii.第二の重弁多花型植物;
iv.その遺伝的バックグラウンドにおいて多花弁および球形の形質を有する第三の単弁型植物、と交配させる段階;ならびに
d.多花弁および球形の開花子孫を選択する段階。
【請求項7】
第一、第二、および第三の単弁花植物、または第一および第二の半重弁型、重弁型、または重弁多花型植物が同じまたは異なる栽培品種である、請求項6記載の方法。
【請求項8】
花序1個あたり少なくとも320〜約550個の完全または部分的外花弁(舌状花)を有する、ii)花序1個あたり少なくとも150〜約300個の完全または部分的内花弁(管状花)を有する、およびiii)花序1個あたり少なくとも520〜約800個の完全または部分的総花弁(総小花)を有する一つまたは複数の花序を産生する多花弁型および球形のガーベラ・ジャメソニイ植物の品種改良法であって、以下の段階を含む方法:
a.第一の半重弁型を、雄性または雌性の親株のいずれかとして
i.第二の半重弁型植物;
ii.重弁型植物;
iii.重弁多花型植物;
iv.その遺伝的バックグラウンドにおいて多花弁および球形の形質を有する単弁型植物;または
v.その遺伝的バックグラウンドにおいて公知の多花弁および球形の形質を有しない単弁型植物、と交配させる段階;
b.単弁型、半重弁型、重弁型、または重弁多花型であるF1子孫を選択する段階;
c.単弁型、半重弁型、重弁型、または重弁多花型であるF1子孫を
i.第二の重弁型植物;
ii.第二の重弁多花型植物;
iii.第三の半重弁型植物;
iv.その遺伝的バックグラウンドにおいて多花弁および球形の形質を有する第二の単弁型植物;または
v.その遺伝的バックグラウンドにおいて公知の多花弁および球形の形質を有しない第二の単弁型植物、と交配させる段階;ならびに
d.多花弁および球形の開花子孫を選択する段階。
【請求項9】
第一および第二の単弁型、重弁型、もしくは重弁多花型、または第一、第二、および第三の半重弁型植物が同じまたは異なる栽培品種である、請求項8記載の方法。
【請求項10】
花序1個あたり少なくとも320〜約550個の完全または部分的外花弁(舌状花)を有する、ii)花序1個あたり少なくとも150〜約300個の完全または部分的内花弁(管状花)を有する、およびiii)花序1個あたり少なくとも520〜約800個の完全または部分的総花弁(総小花)を有する一つまたは複数の花序を産生する多花弁型および球形のガーベラ・ジャメソニイ植物の品種改良法であって、以下の段階を含む方法:
a.第一の重弁型植物を、雄性または雌性の親株のいずれかとして
i.半重弁型植物;
ii.重弁多花型植物;
iii.第二の重弁型植物;
iv.その遺伝的バックグラウンドにおいて多花弁および球形の形質を有する単弁型植物;または
v.その遺伝的バックグラウンドにおいて公知の多花弁および球形の形質を有しない単弁型植物、と交配させる段階;
b.単弁型、半重弁型、重弁型、または重弁多花型であるF1子孫を選択する段階;
c.単弁型、半重弁型、重弁型、または重弁多花型であるF1子孫を
i.第三の重弁型植物;
ii.第二の半重弁型植物;
iii.第二の重弁多花型植物;
iv.その遺伝的バックグラウンドにおいて多花弁および球形の形質を有する第二の単弁型植物;または
v.その遺伝的バックグラウンドにおいて公知の多花弁および球形の形質を有しない第二の単弁型植物、と交配させる段階;ならびに
d.多花弁型および球形の開花子孫を選択する段階。
【請求項11】
第一、第二、および第三の重弁型植物、または第一および第二の単弁型、半重弁型、または重弁多花型植物が同じまたは異なる栽培品種である、請求項10記載の方法。
【請求項12】
i)花序1個あたり少なくとも320〜約550個の完全または部分的外花弁(舌状花)を有する、ii)花序1個あたり少なくとも150〜約300個の完全または部分的内花弁(管状花)を有する、およびiii)花序1個あたり少なくとも520〜約800個の完全または部分的総花弁(総小花)を有する一つまたは複数の花序を産生する多花弁型および球形のガーベラ・ジャメソニイ植物の品種改良法であって、以下の段階を含む方法:
a.第一の重弁多花型植物を、雄性または雌性の親株のいずれかとして
i.半重弁型植物;
ii.重弁型植物;
iii.その遺伝的バックグラウンドにおいて多花弁および球形の形質を有する単弁型植物;
iv.その遺伝的バックグラウンドにおいて公知の多花弁および球形の形質を有しない単弁型植物;または
v.第二の重弁多花型植物、と交配させる段階;
b.単弁型、半重弁型、重弁型、または重弁多花型であるF1子孫を選択する段階;
c.単弁型、半重弁型、重弁型、または重弁多花型であるF1子孫を
i.第二の半重弁型植物;
ii.第二の重弁型植物;
iii.その遺伝的バックグラウンドにおいて多花弁および球形の形質を有する第二の単弁型植物;
iv.その遺伝的バックグラウンドにおいて公知の多花弁および球形の形質を有しない第二の単弁型植物;または
v.第三の重弁多花型植物、と交配させる段階;ならびに
d.多花弁型および球形の開花子孫を選択する段階。
【請求項13】
第一、第二、および第三の重弁多花型植物、または第一および第二の単弁型、半重弁型、または重弁型植物が同じまたは異なる栽培品種である、請求項12記載の方法。
【請求項14】
i)花序1個あたり少なくとも320〜約550個の完全または部分的外花弁(舌状花)を有する、ii)花序1個あたり少なくとも150〜約300個の完全または部分的内花弁(管状花)を有する、およびiii)花序1個あたり少なくとも520〜約800個の完全または部分的総花弁(総小花)を有する一つまたは複数の花序を産生する多花弁型および球形のガーベラ・ジャメソニイ植物の品種改良法であって、以下の段階を含む方法:
a.第一の多花弁型および球形の植物を、雄性または雌性の親株のいずれかとして
i.半重弁型植物;
ii.重弁型植物;
iii.重弁多花型植物;
iv.その遺伝的バックグラウンドにおいて多花弁および球形の形質を有する単弁型植物;
v.その遺伝的バックグラウンドにおいて公知の多花弁および球形の形質を有しない単弁型植物;または
vi.第二の多花弁型および球形の植物、と交配させる段階;
b.以下のF1を選択する段階;
i.多花弁および球形の開花子孫;または
ii.半重弁型、重弁型、もしくは重弁多花型子孫;
c.半重弁型、重弁型、または重弁多花型であるF1子孫を
i.第二の半重弁型植物;
ii.第二の重弁型植物;
iii.第二の重弁多花型植物;
iv.その遺伝的バックグラウンドにおいて多花弁および球形の形質を有する第二の単弁型植物;
v.その遺伝的バックグラウンドにおいて公知の多花弁および球形の形質を有しない第二の単弁型植物;または
vi.第三の重弁多花型、と交配させる段階;ならびに
d.多花弁型および球形の開花子孫を選択する段階。
【請求項15】
第一、第二、および第三の多花弁型植物、または第一および第二の単弁型、半重弁型、重弁型、もしくは重弁多花型植物が同じまたは異なる栽培品種である、請求項14記載の方法。
【請求項16】
請求項6、8、10、12、または14に従う方法の一つによって産生された、i)花序1個あたり少なくとも320〜約550個の完全または部分的外花弁(舌状花)を有する、ii)花序1個あたり少なくとも150〜約300個の完全または部分的内花弁(管状花)を有する、およびiii)花序1個あたり少なくとも520〜約800個の完全または部分的総花弁(総小花)を有する一つまたは複数の多花弁型および球形の花序を有するガーベラ・ジャメソニイ植物。
【請求項17】
ガーベラ・ジャメソニイ栽培品種「テルスンルタス」、「テルスラム」、「テルスネブ」、「テルヌーム」、および「テルロブ」からなる群より選択される、請求項16記載のガーベラ・ジャメソニイ植物。

【図1A】
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【図1B】
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【図1C】
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【図1D】
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【図2A】
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【図2B】
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【図2C】
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【図2D】
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【図3A】
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【図3B】
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【図3C】
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【図3D】
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【図4A】
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【図4B】
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【図4C】
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【図4D】
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【図5A】
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【図5B】
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【図5C】
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【図5D】
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【公開番号】特開2007−125013(P2007−125013A)
【公開日】平成19年5月24日(2007.5.24)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2006−292076(P2006−292076)
【出願日】平成18年10月27日(2006.10.27)
【出願人】(506361960)テラ ニグラ ホールディングス ビー.ブイ. (1)
【Fターム(参考)】