説明

多言語対応表示方法及び多言語対応表示プログラム

【課題】ウェブアプリケーション側で利用者のコンピュータのブラウザに表示可能な言語を容易に選択して表示させること。
【解決手段】インターネット上のウェブアプリケーション2に、利用者1のコンピュータに登録されたブラウザに設定された言語情報を取得する言語取得機能101と、該取得したブラウザの言語情報とマッピングファイル111に格納したウェブアプリケーションが対応した言語とを比較し、前記ブラウザが表示可能な言語を選択する言語選択機能102と、この選択した言語の言語情報をリソースファイル112から抽出し、該抽出した言語情報の文字列を取得する文字列取得機能103とを実行させる多言語対応表示方法及びプログラム。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ウェブアプリケーションをブラウザによって画面表示する際の言語を容易に選択することができる多言語対応表示方法及び多言語対応表示プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年のインターネットサイトのウェブアプリケーションは、ブラウザによって設定した言語情報(ロケールID)に基づいて表示する言語の選択と、この選択された言語に対応するダイアログ(対話)メッセージ等の文字列の抽出及び表示処理が行われ、例えば、下記特許文献1には、ブラウザに設定した言語情報に優先順位をつけ、優先順位の高い言語情報からアプリケーションにて対応しているか否かを判定し、対応する言語がない場合はデフォルトの言語を選択して表示する技術が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開200−108749号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
前述の特許文献1記載の技術は、ユーザが予め設定した優先順位に従って言語を表示するため、ユーザの特段の操作なしにユーザに応じた言語の表示を行うことができるものの、ブラウザは複数会社によって多種存在し、ブラウザ種によって言語情報の表記の仕方が異なるため、各表記名に対してアプリケーション側で各種ブラウザに応じた複数の言語情報のダイアログ(対話)メッセージ等の文字列を用意する必要があり、アプリケーションの開発などに時間を要するという課題があった。これを具体的に説明すると、日本語の言語表記名が、マイクロソフトインターネットエクスプローラ(登録商標)では「ja−JP」、Firefoxでは「ja」と定められ、従来技術では多種のブラウザに応じた複数の言語情報文字列をインターネットサイトのウェブアプリケーション側で用意する必要があるという課題があった。
【0005】
本発明の目的は、前述の従来技術による課題を解決しようとするものであり、ブラウザによって言語表記名が異なった際にも、多種のブラウザに応じた複数の言語情報文字列をウェブアプリケーション側で用意せずに多言語を表示することができる多言語対応表示方法及び多言語対応表示プログラムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記目的を達成するために本発明は、ブラウザが登録された利用者のコンピュータとインターネットを介して接続されたコンピュータシステムのウェブアプリケーションが前記ブラウザに多種言語の文字を表示させるための多言語対応表示方法であって、前記コンピュータシステムが、前記ウェブアプリケーションが対応する言語及び言語情報を変換する定義を格納したマッピングファイルと、前記ウェブアプリケーションによりブラウザに表示する項目名と該項目名に対応した言語情報の文字列を格納したリソースファイルと、該言語情報の文字列を定義した定義テーブルを格納した文字列データベースとを備え、前記ウェブアプリケーションが、前記ブラウザに設定された言語情報を取得する言語取得機能と、該取得したブラウザの言語情報と前記マッピングファイルに格納したウェブアプリケーションが対応した言語とを比較し、前記ブラウザが表示可能な言語を選択する言語選択機能と、該言語選択機能が選択した言語の言語情報をリソースファイルから抽出し、該抽出した言語情報の文字列を取得する文字列取得機能とを有することを第1の特徴とし、該多言語対応表示方法において、前記ウェブアプリケーションの言語選択機能が、前記言語取得機能が取得したブラウザの言語情報と前記マッピングファイルに格納したウェブアプリケーションが対応した言語とが一致したとき、一致した言語を選択し、前記言語取得機能が取得したブラウザの言語情報と前記マッピングファイルに格納したウェブアプリケーションが対応した言語とが一致しないとき、ウェブブラウザが表示可能な言語を選択することを第2の特徴とする。
【0007】
また、本発明は、ブラウザが登録された利用者のコンピュータとインターネットを介して接続され、前記ウェブアプリケーションが対応する言語及び言語情報を変換する定義を格納したマッピングファイルと、前記ウェブアプリケーションによりブラウザに表示する項目名と該項目名に対応した言語情報の文字列を格納したリソースファイルと、該言語情報の文字列を定義した定義テーブルを格納した文字列データベースとを備えたコンピュータシステムのウェブアプリケーションが前記ブラウザに多種言語の文字を表示させるための多言語対応表示プログラムであって、前記ウェブアプリケーションに、前記ブラウザに設定された言語情報を取得する言語取得機能と、該取得したブラウザの言語情報と前記マッピングファイルに格納したウェブアプリケーションが対応した言語とを比較し、前記ブラウザが表示可能な言語を選択する言語選択機能と、該言語選択機能が選択した言語の言語情報をリソースファイルから抽出し、該抽出した言語情報の文字列を取得する文字列取得機能とを実現させることを第3の特徴とし、該多言語対応表示プログラムにおいて、前記ウェブアプリケーションの言語選択機能に、前記言語取得機能が取得したブラウザの言語情報と前記マッピングファイルに格納したウェブアプリケーションが対応した言語とが一致したとき、一致した言語を選択し、前記言語取得機能が取得したブラウザの言語情報と前記マッピングファイルに格納したウェブアプリケーションが対応した言語とが一致しないとき、ウェブブラウザが表示可能な言語を選択させることを第4の特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明による多言語対応表示方法及びプログラムは、前記ウェブアプリケーションに、前記ブラウザに設定された言語情報を取得する言語取得機能と、該取得したブラウザの言語情報と前記マッピングファイルに格納したウェブアプリケーションが対応した言語とを比較し、前記ブラウザが表示可能な言語を選択する言語選択機能と、該言語選択機能が選択した言語の言語情報をリソースファイルから抽出し、該抽出した言語情報の文字列を取得する文字列取得機能とを実現させることによって、ウェブアプリケーション側で利用者のコンピュータのブラウザに表示可能な言語を選択して表示させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明の実施形態による多言語対応表示方法を実現するコンピュータシステムを示す図。
【図2】本発明の実施形態による言語選択処理のフロー図。
【図3】本発明の実施形態による言語選択処理のフロー図。
【図4】本発明の実施形態による文字列取得処理のフロー図。
【図5】本発明の実施形態によるリソースファイル例を示す図。
【図6】本発明の実施形態による文字列格納DB定義テーブル項目例を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明による多言語対応表示方法及び多言語対応表示プログラムが適用されるコンピュータシステムは、図1に示す如く、利用者1が利用者コンピュータを使用してアクセスされるインターネット上のウェブアプリケーション2と、該ウェブアプリケーション2が対応している言語及び言語情報を変換する定義情報を格納したマッピングファイル111と、前記ウェブアプリケーション2によりブラウザに表示する項目名と該項目名に対応した言語情報の文字列を格納したリソースファイル112と、該言語情報の文字列を定義した定義テーブルを格納した文字列データベース(DB)113とから構成される。なお、前記ウェブアプリケーション2とマッピングファイル111とリソースファイル112と文字列DB113は、インターネット上のコンピュータシステム上に構築されている。
【0011】
前記リソースファイル112は、図5に記載した如く、ブラウザに表示する項目の項目名501と、言語種を表す言語情報であるロケールID502と、前記項目名の内容を表すメッセージ503の各項目とからなり、例えば、項目名「TopLabel」に対してロケールIDが「ja」(日本語)、メッセージが「トップページ」、項目名「TopLabel」に対してロケールIDが「en」(英語)、メッセージが「TopPage」、項目名「MessageList_Label」に対してロケールIDが「ja」、メッセージが「メッセージ一覧」の如く、項目名に対して複数のブラウザに対応したロケールID(言語情報)が登録されている。
【0012】
前記文字列DB113は、ウェブアプリケーションで出力表示するダイアログ(対話)メッセージ等の文字列を定義するテーブルであって、図6(a)に示す如く、項目名と内容説明の各欄から成り、例えば、各関連付けを一意に表す項目名である「text_id」に対して内容説明「テキストID」、ダイアログメッセージを表示する言語の種類を定義する項目名「local_id」に対して内容説明「言語情報」、ダイアログメッセージの項目名「contents」に対して内容説明「内容」が設定され、具体的には、図6(b)に示す如く、「text_id」が「0001」に対して、「local_id」が「ja」、「contents」が「エラーメッセージ」のレコードと、「text_id」が「0002」に対して、「local_id」が「en」、「contents」が「ErrorMassage」のレコードと、「text_id」が「0003」に対して、「local_id」が「ch」、「contents」が「錯誤」のレコードの如く設定されている。
【0013】
さて、このように構成されたコンピュータシステムの多言語対応表示プログラムは、図2に示す如く、利用者1がコンピュータを用いてウェブアプリケーション2にアクセスしたとき、利用者1のコンピュータからのアクセス情報に基づいてブラウザで指定した言語情報を言語取得機能101が取得するステップ201を実行して言語選択機能102へ処理を渡すことによって、言語を取得し、図3に示す如く、言語選択機能102が、マッピングファイル111を参照してウェブアプリケーションにて対応する言語や言語情報を変換する定義を参照するステップ301と、言語取得機能101が取得した言語情報とマッピングファイル111の定義情報とを比較するステップ302と、該ステップ302において対応する言語があると判定したとき、その言語を文字列取得機能103へ渡して取得した言語を使用するステップ303と、前記ステップ302において言語を変更すると判定したとき、変更する言語を文字列取得機能103へ渡して言語情報を変更するステップ304と、前記ステップ302において変更対象の言語がないと判定したとき、デフォルトの言語情報を選択するステップ305とを実行することによって、ブラウザに対応した言語情報を選択して利用者1のコンピュータのブラウザに必要とする言語をアプリケーション側で対応する言語を決定することができる。
【0014】
また、本実施形態によるコンピュータシステムの文字列取得機能103は、図4に示す如く、前記言語選択機能102によって選択した言語情報を基に、リソースファイル112を参照して文字列を取得するステップ401と、文字列DB113からウェブアプリケーションにて表示する文字列を取得するステップ402とを実行することによって、前記リソースファイル112及び文字列DB113から取得した文字列を利用者1のコンピュータのブラウザに表示するように動作する。
【0015】
以上述べた如く本実施形態による多言語対応表示方法は、ブラウザにて設定した言語情報を、通常のアプリケーション側で対応可能な言語情報か否かという判定の他に、他の言語での表示、例えば、言語情報がマイクロソフトインターネットエクスプローラ(登録商標)用の「ja−JP」の場合、Firefox用の「ja」に言語情報を変換して利用者のブラウザに各ブラウザ用の頁を用意することなく表示させることができる。具体的には、ウェブアプリケーション側で用意しているブラウザがマイクロソフトインターネットエクスプローラ(登録商標)であり、利用者のブラウザがFirefoxを日本語を表示する場合、ウェブアプリケーション側の多言語対応表示プログラムが、マイクロソフトインターネットエクスプローラ(登録商標)用の言語情報「jp−JP」をリソースファイルを参照してFirefox用の言語情報「jp」に変換すると共に、この変換した言語情報「jp」に応じたダイアログメッセージを文字列DB113から抽出して表示することによって、マイクロソフトインターネットエクスプローラ(登録商標)用に作成したウェブアプリケーションにおいても他のブラウザによる多言語を表示することができる。
【符号の説明】
【0016】
101 言語取得機能、102 言語選択機能、103 文字列取得機能、
111 マッピングファイル、112 リソースファイル、
113 文字列データベース

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ブラウザが登録された利用者のコンピュータとインターネットを介して接続されたコンピュータシステムのウェブアプリケーションが前記ブラウザに多種言語の文字を表示させるための多言語対応表示方法であって、
前記コンピュータシステムが、前記ウェブアプリケーションが対応する言語及び言語情報を変換する定義を格納したマッピングファイルと、前記ウェブアプリケーションによりブラウザに表示する項目名と該項目名に対応した言語情報の文字列を格納したリソースファイルと、該言語情報の文字列を定義した定義テーブルを格納した文字列データベースとを備え、前記ウェブアプリケーションが、前記ブラウザに設定された言語情報を取得する言語取得機能と、該取得したブラウザの言語情報と前記マッピングファイルに格納したウェブアプリケーションが対応した言語とを比較し、前記ブラウザが表示可能な言語を選択する言語選択機能と、該言語選択機能が選択した言語の言語情報をリソースファイルから抽出し、該抽出した言語情報の文字列を取得する文字列取得機能とを有することを特徴とする多言語対応表示方法。
【請求項2】
前記ウェブアプリケーションの言語選択機能が、前記言語取得機能が取得したブラウザの言語情報と前記マッピングファイルに格納したウェブアプリケーションが対応した言語とが一致したとき、一致した言語を選択し、前記言語取得機能が取得したブラウザの言語情報と前記マッピングファイルに格納したウェブアプリケーションが対応した言語とが一致しないとき、ウェブブラウザが表示可能な言語を選択することを特徴とする請求項1記載の多言語対応表示方法。
【請求項3】
ブラウザが登録された利用者のコンピュータとインターネットを介して接続され、前記ウェブアプリケーションが対応する言語及び言語情報を変換する定義を格納したマッピングファイルと、前記ウェブアプリケーションによりブラウザに表示する項目名と該項目名に対応した言語情報の文字列を格納したリソースファイルと、該言語情報の文字列を定義した定義テーブルを格納した文字列データベースとを備えたコンピュータシステムのウェブアプリケーションが前記ブラウザに多種言語の文字を表示させるための多言語対応表示プログラムであって、
前記ウェブアプリケーションに、前記ブラウザに設定された言語情報を取得する言語取得機能と、該取得したブラウザの言語情報と前記マッピングファイルに格納したウェブアプリケーションが対応した言語とを比較し、前記ブラウザが表示可能な言語を選択する言語選択機能と、該言語選択機能が選択した言語の言語情報をリソースファイルから抽出し、該抽出した言語情報の文字列を取得する文字列取得機能とを実現させることを特徴とする多言語対応表示プログラム。
【請求項4】
前記ウェブアプリケーションの言語選択機能に、前記言語取得機能が取得したブラウザの言語情報と前記マッピングファイルに格納したウェブアプリケーションが対応した言語とが一致したとき、一致した言語を選択し、前記言語取得機能が取得したブラウザの言語情報と前記マッピングファイルに格納したウェブアプリケーションが対応した言語とが一致しないとき、ウェブブラウザが表示可能な言語を選択させることを特徴とする請求項3記載の多言語対応表示プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2013−20539(P2013−20539A)
【公開日】平成25年1月31日(2013.1.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−154840(P2011−154840)
【出願日】平成23年7月13日(2011.7.13)
【出願人】(000233491)株式会社日立システムズ (394)
【Fターム(参考)】