説明

多言語対応装置

【課題】選択された言語を用いたデータを迅速に、かつ確実に出力することができる多言語対応装置を提供することを課題とする。
【解決手段】デジタル複合機1は、USBメモリ2に格納されたハンガリー語に対応する言語データ34の追加を指示された場合(ステップS2においてYes)、言語データ34のコピーを開始する(ステップS3)。ハンガリー語を対応するフォントデータ42が記憶部17に格納されていない場合(ステップS4においてNo)、ハンガリー語のフォントに対応していないことが通知される(ステップS5)。フォントデータ42のコピーが指示された場合(ステップS7においてYes)、デジタル複合機1は、言語データのコピー終了後に(ステップS8においてYes)、フォントデータ42のコピーを開始する(ステップS9)。これにより、デジタル複合機1は、ハンガリー語の文字メッセージを出力することが可能となる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の言語に対応し、ユーザが選択した言語を用いたデータを出力する多言語対応装置に関する。
【背景技術】
【0002】
複数の言語に対応し、ユーザが選択した言語を用いた表示などを行う多言語対応装置が従来から存在する。たとえば、オフィスに設置されているデジタル複合機は、日本語、英語などの複数の言語に対応している。ユーザは、タッチパネル式ディスプレイの表示に用いられる言語を母国語などに設定することで、デジタル複合機を容易に操作することができる。
【0003】
日本語、英語に対応するデジタル複合機は、日本語および英語のそれぞれに対応する言語データを保持している。言語データには、操作メニューなどに表示される文字メッセージなどが言語ごとに記録されている。デジタル複合機に対して、日本語、英語以外の言語の言語データを追加することにより、デジタル複合機を新たな言語に対応させることができる。
【0004】
ただし、デジタル複合機は、各言語に対応した言語データだけでは、タッチパネル式ディスプレイへの文字メッセージの表示、あるいはデジタル複合機の動作レポートの印刷などを行うことができない。各言語に対応する表示用フォントデータおよび印刷用フォントデータが記録されたフォントデータを、デジタル複合機に予め保持させておく必要がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2006−58347号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記特許文献1には、複数の言語に対応し、使用する言語に応じたフォントデータを取得するナビゲーション装置が開示されている。特許文献1に開示されているナビゲーション装置は、ユーザがタッチパネル式ディスプレイに表示される表示言語を指定した場合に、表示言語に対応するフォントデータをフォントサーバから取得する。
【0007】
しかしながら、特許文献1に開示されているナビゲーション装置では、ユーザが表示言語を指定してからフォントサーバにアクセスするため、表示言語を用いた地図が表示されるまでに時間がかかるという問題がある。また、ナビゲーション装置がフォントサーバにアクセスできない場合、表示言語に基づいた画面表示ができないという問題がある。
【0008】
また、デジタル複合機において、フォントデータとして表示用フォントデータおよび印刷用フォントデータのいずれか一方のみしかインストールされていない場合、ユーザが、選択した言語を用いてデジタル複合機を操作できないケースが発生する。
【0009】
そこで、本発明は前記問題点に鑑み、選択された言語を用いたデータを迅速に、かつ確実に出力することができる多言語対応装置を提供することを目的とする。また、本発明は、選択された言語を用いたデータの表示および印刷を確実に実行することができる多言語対応装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するため、請求項1記載の発明は、多言語対応装置であって、指定された言語に対応する言語データを記憶部から取得する言語データ取得部と、前記データ取得部が取得した前記言語データを格納する言語データ格納部と、前記指定された言語に対応するフォントデータを自装置が保持しているかどうかを確認するフォント確認部と、前記フォント確認部が前記フォントデータを保持していないと判定した場合、前記自装置が前記フォントデータを保持していないことを通知する通知部と、を備えることを特徴とする。
【0011】
請求項2記載の発明は、請求項1に記載の多言語対応装置において、前記データ取得部は、前記フォント確認部が前記フォントデータを保持していないと判定した場合、前記言語データの取得に続いて前記フォントデータを記憶部から取得するフォントデータ取得部、を含むことを特徴とする。
【0012】
請求項3記載の発明は、請求項2に記載の多言語対応装置において、前記データ取得部は、前記フォント確認部が前記フォントデータを保持していないと判定した場合、前記フォントデータの取得の可否を確認する取得確認部、を含むことを特徴とする。
【0013】
請求項4記載の発明は、請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の多言語対応装置において、前記フォントデータは、前記言語データに記録された文字列の表示に用いられる表示用フォントデータ、を含むことを特徴とする。
【0014】
請求項5記載の発明は、請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の多言語対応装置において、前記フォントデータは、前記言語データに記録された文字列の印刷処理に用いられる印刷用フォントデータ、を含むことを特徴とする。
【0015】
請求項6記載の発明は、請求項2または請求項3に記載の多言語対応装置において、前記フォントデータは、前記言語データに記録された文字列の表示に用いられる表示用フォントデータと、前記言語データに記録された文字列の印刷処理に用いられる印刷用フォントデータと、を含み、前記フォントデータ取得部は、前記フォント確認部が前記フォントデータを保持していないと判定した場合、前記表示用フォントデータと前記印刷用フォントデータとを前記記憶部から取得することを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
本発明に係る多言語対応装置は、指定された言語に対応する言語データを取得するときに、指定された言語に対応するフォントデータを保持しているかどうかを確認する。フォントデータを保持していないと判定した場合、その旨がユーザに通知される。言語データの取得時に、フォントデータが取得されないことを防ぐことができるため、本発明に係る多言語対応装置は、指定された言語を用いたデータを確実に出力することができる。
【0017】
また、本発明に係る多言語対応装置は、フォントデータを保持していないと判定した倍にフォントデータを自動的に取得するため、フォントデータを確実に取得することができる。したがって、本発明に係る多言語対応装置は、指定された言語を用いたデータを、確実かつ迅速に出力することができる。また、本発明に係る多言語対応装置は、表示用フォントデータと印刷用フォントデータとを同時に取得するため、指定された言語を用いたデータの表示および印刷を確実に実行することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本実施の形態のデジタル複合機の構成を示すブロック図である。
【図2】言語管理テーブルを示す図である。
【図3】言語データを追加する処理を示すフローチャートである。
【図4】言語管理テーブルを示す図である。
【図5】言語管理テーブルを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
{デジタル複合機1の全体構成}
以下、図面を参照しつつ本発明の実施の形態について説明する。図1は、本実施の形態に係るデジタル複合機1の構成を示すブロック図である。
【0020】
デジタル複合機1は、コピー機能、ファクシミリ機能、スキャナ機能、プリンタ機能などを備える多機能装置であり、英語、フランス語に対応している。このようなデジタル複合機1がオフィスなどに設置される。オフィスの社員(ユーザ)は、デジタル複合機1で使用する言語を英語、フランス語のいずれかに選択し、選択した言語が用いられた操作メニューを操作して、デジタル複合機1の各種機能を利用することができる。
【0021】
また、デジタル複合機1を英語、フランス語以外の他の言語に対応させることが可能である。これにより、他の言語を日常的に使用するユーザも、デジタル複合機1を容易に操作することができる。デジタル複合機1を新たな言語に対応させるための処理については、後述する。
【0022】
デジタル複合機1は、制御部11と、操作部12と、タッチパネル式ディスプレイ13と、スキャナ部14と、ファクシミリ部15と、プリンタ部16と、記憶部17と、USB(Universal Serial Bus)ポート18とを備えている。
【0023】
制御部11は、デジタル複合機1の全体制御を行う中央処理部であり、言語管理部111と、出力データ作成部112とを備えている。
【0024】
言語管理部111は、デジタル複合機1が保持する言語データ31、32およびフォントデータ41を管理する。言語データおよびフォントデータの詳細については、後述する。出力データ作成部112は、選択された言語を用いた出力用データを作成する。具体的には、出力データ作成部112は、タッチパネル式ディスプレイ13に表示される操作メニュー用の画面データを、選択された言語を用いて作成する。出力データ作成部112は、デジタル複合機1の動作履歴などを示す動作レポートを選択された言語を用いて作成し、プリンタ部16に印刷させる。
【0025】
操作部12は、デジタル複合機1に対する各種の指示を入力するハードウェアキーなどで構成される。タッチパネル式ディスプレイ13は、デジタル複合機1に関する情報、および各種の操作メニューを表示する。ユーザは、操作部12およびタッチパネル式ディスプレイ13(以下、本体操作部という)を利用して、デジタル複合機1の各種操作をすることができる。
【0026】
スキャナ部14は、オートドキュメントフィーダ(図示省略)にセットされた原稿を読み取って画像データを作成する。ファクシミリ部15は、公衆回線網(図示省略)を介したファクシミリ通信を行う。プリンタ部16は、スキャナ部14が作成した画像データ、図示しないパーソナルコンピュータから送信された印刷データ、出力データ作成部112が作成した動作レポートなどを印刷する。ファクシミリ部15の送受信履歴情報、各ユーザの使用履歴情報などが、デジタル複合機1の動作レポートとして印刷される。
【0027】
記憶部17は、ハードディスク装置、あるいはフラッシュメモリなどの記憶装置で構成され、言語データ31、32と、フォントデータ41と、言語管理テーブル50とを格納している。言語データ31、32は、それぞれ英語、フランス語に対応する文字メッセージの集合である。フォントデータ41は、英語、フランス語に対応するフォントが記録されたデータである。言語管理テーブル50は、デジタル複合機1が保持する言語データおよびフォントデータの管理に用いられる。
【0028】
USBポート18は、デジタル複合機1にUSBメモリ2などのUSB機器を接続するためのインタフェースである。
【0029】
{言語データおよびフォントデータの詳細}
次に、言語データおよびフォントデータについて説明する。上述したように、言語データ31、32は、それぞれ英語、フランス語に対応した様々な文字メッセージが記録されたデータである。英語、フランス語には、文字コードとしてISO(International Organization for Standardization)8859−1(Latin−1)が用いられている。このため、言語データ31、32に記録される文字メッセージは、Latin−1の文字コードの並びとなる。
【0030】
フォントデータ41は、Latin−1の文字コードに対応するフォントを記録しており、表示用フォントデータと、印刷用フォントデータとを有する。表示用フォントデータは、タッチパネル式ディスプレイ13に文字メッセージを表示するときに用いられる。印刷用フォントデータは、出力データ作成部112が動作レポートを作成する際に用いられる。
【0031】
なお、プリンタ部16は、フォントデータ41の印刷用フォントデータとは別に、プリンタ部16専用のフォントデータを保持している。このため、プリンタ部16が図示しないパーソナルコンピュータから送信された印刷データを印刷する場合には、プリンタ部16専用のフォントデータが用いられる。
【0032】
言語データ31、32、フォントデータ41は、言語管理テーブル50により管理される。図2は、言語管理テーブル50を示す図である。図2に示すように、ID1、2に対して、言語名として英語、フランス語がそれぞれ対応付けられている。英語、フランス語のそれぞれに対応する言語データ31、32が、Latin−1をサポートするフォントデータ41に対応付けられている。このように、言語データとフォントデータとは、一対一の関係であるとは限らない。
【0033】
次に、選択された言語に基づく文字メッセージの出力について説明する。たとえば、英語の文字メッセージをタッチパネル式ディスプレイ13に表示させる場合、出力データ作成部112は、言語管理テーブル50を参照して、文字メッセージの表示に言語データ31とフォントデータ41とを用いることを確認する。出力データ作成部112は、言語データ31から表示対象の文字メッセージを取得する。そして、表示対象の文字メッセージの文字コードに対応する表示用フォントを用いた画面データが作成され、タッチパネル式ディスプレイ13に出力される。
【0034】
同様に、出力データ作成部112は、英語を用いた動作レポートを作成する場合、言語データ31とフォントデータ41を用いて動作レポートを作成する。動作レポートは、画像データとしてプリンタ部16に出力され、印刷用紙に印刷される。
【0035】
{言語データの追加処理}
次に、デジタル複合機1を新たな言語に対応させるための処理について、図3を用いて説明する。図3は、言語データが新たに追加される場合における、デジタル複合機1の動作を示すフローチャートである。
【0036】
図3に示す処理は、一般的には、デジタル複合機1のメーカーのサービスマンの操作に基づいて行われる。初期状態として、デジタル複合機1は、図2に示す言語管理テーブル50を保持しており、英語およびフランス語に対応している。
【0037】
まず、サービスマンが、本体操作部を操作して、タッチパネル式ディスプレイ13に言語管理メニューを表示させる(ステップS1)。言語管理メニューには、デジタル複合機1が現時点で対応する言語の一覧が言語管理テーブル50に基づいて表示される。サービスマンは、言語管理メニューを参照して、デジタル複合機1が英語、フランス語以外の言語に対応していないことを確認する。
【0038】
サービスマンは、言語データ33、34、フォントデータ42が格納されたUSBメモリ2を、USBポート18に接続する。言語データ33は、スペイン語に対応しており、文字コードとしてLatin−1が用いられている。言語データ34は、ハンガリー語に対応しており、文字コードとしてISO8859−2(Latin−2)が用いられている。フォントデータ42は、Latin−2の文字コードに対応するフォントが記録されたデータである。
【0039】
言語管理部111は、USBメモリ2が接続された場合、USBメモリ2に格納されている言語データの一覧を表示する。サービスマンは、追加対象の言語データを指定して、指定した言語データの追加を指示する(ステップS2においてYes)。デジタル複合機1は、追加対象の言語データの記憶部17へのコピーを開始する(ステップS3)。
【0040】
追加対象の言語データがコピーされている間に、言語管理部111は、追加対象の言語データに対応するフォントデータをデジタル複合機1が保持しているかどうかについて確認する(ステップS4)。
【0041】
以下、ステップS4以降の処理について、デジタル複合機1がスペイン語に対応する言語データ33のコピー中である場合を例にして説明する。言語管理部111は、ステップS4において、言語データ33のコピー中に、Latin−1に対応するフォントデータ41が記憶部17に格納されているかどうかを確認する。既にフォントデータ41が記憶部17に格納されているため(ステップS4においてYes)、デジタル複合機1は、言語データ33のコピーを継続する。そして、言語データ33のコピーが終了することにより(ステップS12においてYes)、言語管理部111は、言語管理テーブル50を更新し(ステップS11)、図3に示す処理を終了する。
【0042】
図4は、言語データ33のコピーに伴って更新された言語管理テーブル50を示す図である。図4に示すように、言語管理テーブル50にID3が新たに追加され、スペイン語に対応する言語データ33、およびLatin−1に対応するフォントデータ41が、ID3に対応付けられている。これにより、デジタル複合機1のユーザは、スペイン語を選択することが可能になる。
【0043】
次に、ステップS4以降の処理について、デジタル複合機1がハンガリー語に対応する言語データ34のコピー中である場合について説明する。ステップS4において、言語管理部111は、ハンガリー語をサポートするLatin−2のフォントデータ42が記憶部17に格納されていないことを確認する(ステップS4においてNo)。言語管理部111は、ハンガリー語に対応するフォントデータ42を保持していないことを示すメッセージをタッチパネル式ディスプレイ13に表示する(ステップS5)。
【0044】
ステップS5の処理により、サービスマンは、言語データ34とともに、Latin−2に対応するフォントデータ42をデジタル複合機1に追加する必要があることを認識できる。したがって、ユーザがハンガリー語を選択したときに、ハンガリー語の文字メッセージを出力できない状態を防ぐことができる。
【0045】
言語管理部111は、USBメモリ2にフォントデータ42が格納されていることを確認し、フォントデータ42を記憶部17にコピーするかどうかを確認する画面を表示する(ステップS6)。
【0046】
フォントデータ42のコピーが指示された場合(ステップS7においてYes)、デジタル複合機1は、言語データ34のコピーが終了したかどうかを確認する(ステップS8)。言語データ34のコピーが終了した場合(ステップS8においてYes)、デジタル複合機1は、フォントデータ42のコピーを開始する(ステップS9)。フォントデータ42のコピーが終了した場合(ステップS10においてYes)、言語管理部111は、言語管理テーブル50を更新して(ステップS11)、図3に示す処理を終了する。
【0047】
図5は、言語データ34およびフォントデータ42のコピーに伴って更新された、言語管理テーブル50を示す図である。図5に示すように、言語管理テーブル50にID3が新たに追加され、ハンガリー語に対応する言語データ34、およびLatin−2に対応するフォントデータ42が、ID3に対応付けられている。これにより、デジタル複合機1のユーザは、ハンガリー語を選択することが可能になる。
【0048】
このように、デジタル複合機1は、新たな言語に対応する言語データをコピーする際に、新たな言語に対応するフォントデータも同時にコピーする。これにより、デジタル複合機1は、新たな言語に対応する文字メッセージを確実に出力することができる。なお、デジタル複合機1は、USBメモリ2からフォントデータ42を検出した場合、ステップS6に示す処理を実行することなく、フォントデータ42のコピーを開始してもよい。
【0049】
ステップS7において、サービスマンがフォントデータのコピーを指示しない場合(ステップS7においてNo)、デジタル複合機1は、ステップS12に示す処理に進む。フォントデータ42のコピーを指示しない場合とは、たとえば、USBメモリ2にLatin2に対応する他の言語の言語データが格納されており、その言語データを引き続き記憶部17にコピーする場合が考えられる。
【0050】
デジタル複合機1は、言語データ34のコピーが終了した後で(ステップS12においてYes)、言語管理テーブル50を更新する。図5に示す言語管理テーブル50において、ID3の「使用フォントデータ」が空欄となる。フォントデータ42のコピーが行われない場合、サービスマンは、図3に示す処理の後で、フォントデータ42のコピーを改めて実行する必要がある。
【0051】
なお、USBメモリ2にフォントデータ42が格納されていない場合、デジタル複合機1は、ステップS5に示す処理の後にステップS12に示す処理を実行すればよい。この場合、ステップS5に示す処理において、記憶部17にフォントデータが格納されていないことの他に、USBメモリ2にフォントデータが格納されていないことも合わせて通知すればよい。
【0052】
以上説明したように、本実施の形態に係るデジタル複合機1は、新たな言語に対応する言語データがコピーされる際に、新たな言語に対応するフォントデータの有無を確認する。そして、新たな言語に対応するフォントデータを保持していない場合、デジタル複合機1は、フォントデータのコピーが必要であることをサービスマンに通知する。これにより、新たな言語に対応する言語データのみがデジタル複合機1に格納されることを防ぐことができる。したがって、デジタル複合機1は、新たな言語が選択されたときにも、選択された言語に応じて操作メニューなどを迅速に出力することができる。
【0053】
なお、本実施の形態では、フォントデータ41、42にそれぞれ表示用フォントデータおよび印刷用フォントデータが含まれている例について説明したが、これに限られない。たとえば、表示用フォントデータと印刷用フォントデータとが別々のデータであり、各フォントデータを個別にコピーできるようにしてもよい。
【0054】
また、本実施の形態では、USBメモリ2を用いて言語データおよびフォントデータをデジタル複合機1に追加する例について説明したが、これに限られない。たとえば、デジタル複合機1は、ローカルエリアネットワークを介して接続するサーバなどから、言語データおよびフォントデータを取得するようにしてもよい。
【0055】
また、本実施の形態では、言語データの追加処理時に追加対象の言語データを一つずつ指定する例について説明したが、複数の言語データを追加対象として指定してもよい。この場合、図3に示すフローチャートのステップS3〜S12の処理が指定された言語データの数に応じて繰り返される。
【0056】
また、本実施の形態では、言語データ31〜34、フォントデータ41、42が記憶部17に格納される例について説明したが、これに限られない。言語データ31、32、フォントデータ41が、図示しないROM(Read Only Memory)に格納され、言語データ33、34、フォントデータ42が記憶部17に格納されるようにしてもよい。
【符号の説明】
【0057】
1 デジタル複合機
2 USBメモリ
11 制御部
12 操作部
13 タッチパネル式ディスプレイ
16 プリンタ部
17 記憶部
111 言語管理部
112 出力データ作成部
31、32、33、34 言語データ
41、42 フォントデータ
50 言語管理テーブル


【特許請求の範囲】
【請求項1】
指定された言語に対応する言語データを記憶部から取得する言語データ取得部と、
前記データ取得部が取得した前記言語データを格納する言語データ格納部と、
前記指定された言語に対応するフォントデータを自装置が保持しているかどうかを確認するフォント確認部と、
前記フォント確認部が前記フォントデータを保持していないと判定した場合、前記自装置が前記フォントデータを保持していないことを通知する通知部と、
を備えることを特徴とする多言語対応装置。
【請求項2】
請求項1に記載の多言語対応装置において、
前記データ取得部は、
前記フォント確認部が前記フォントデータを保持していないと判定した場合、前記言語データの取得に続いて前記フォントデータを記憶部から取得するフォントデータ取得部、
を含むことを特徴とする多言語対応装置。
【請求項3】
請求項2に記載の多言語対応装置において、
前記データ取得部は、
前記フォント確認部が前記フォントデータを保持していないと判定した場合、前記フォントデータの取得の可否を確認する取得確認部、
を含むことを特徴とする多言語対応装置。
【請求項4】
請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の多言語対応装置において、
前記フォントデータは、
前記言語データに記録された文字列の表示に用いられる表示用フォントデータ、
を含むことを特徴とする多言語対応装置。
【請求項5】
請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の多言語対応装置において、
前記フォントデータは、
前記言語データに記録された文字列の印刷処理に用いられる印刷用フォントデータ、
を含むことを特徴とする多言語対応装置。
【請求項6】
請求項2または請求項3に記載の多言語対応装置において、
前記フォントデータは、
前記言語データに記録された文字列の表示に用いられる表示用フォントデータと、
前記言語データに記録された文字列の印刷処理に用いられる印刷用フォントデータと、
を含み、
前記フォントデータ取得部は、
前記フォント確認部が前記フォントデータを保持していないと判定した場合、前記表示用フォントデータと前記印刷用フォントデータとを前記記憶部から取得することを特徴とする多言語対応装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2010−217951(P2010−217951A)
【公開日】平成22年9月30日(2010.9.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−60599(P2009−60599)
【出願日】平成21年3月13日(2009.3.13)
【出願人】(000006297)村田機械株式会社 (4,916)
【Fターム(参考)】