説明

多軸骨固定装置およびモジュールシステム

【課題】骨固定要素を所定方向に拡大された角度で旋回させることができる多軸骨固定装置を提供する。
【解決手段】骨に固定するための胴部(2)とヘッド(3)とを含む骨固定要素(1)と、第1の端部(5a)と開放された第2の端部(5b)とを含み、ヘッド(3)を受けるための開放された第2の端部と連通する境界縁と中空内部(54)とを含むヘッド受け部(5)とを備え、ヘッド受け部は、ヘッドを挟めるように柔軟となっている。ヘッド受け部の周りには、ロッド受け部(63,64)を有する係止リング(6)が取り付けられる。ヘッド(3)は、ヘッド受け部において旋回可能であり、係止リング(6)を用いてヘッド受け部を圧縮することにより所定の角度で係止することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、骨に固定するための骨固定要素と、骨固定要素のヘッドを受けるためのヘッド受け部と、ヘッド受け部の周りに取り付けられ、安定化ロッドをヘッド受け部および骨固定要素に結合させるための係止リングと、ロッドを留めるためのキャップと、アセンブリの全体を係止するための係止要素とを含む多軸骨固定装置に関する。キャップをヘッド受け部に接続すると、係止リングとロッドとキャップとから構成されるサブアセンブリは、ヘッド受け部に対して回転可能となる。係止要素は、ロッドに対して圧力を加えることで、ヘッド受け部においてヘッドを係止する位置に係止リングを動かし、同時にロッドを定着させる。多軸骨固定装置は、特に、骨固定要素の旋回角度を拡大するのに適している。
【背景技術】
【0002】
拡大された旋回角度を有する多軸骨固定装置は、米国特許第6,736,820号に記載されている。この骨固定装置は、骨ねじと、骨ねじのヘッドのための座部を有する受け部とを含む。受け部の自由端の縁は非対称に構成されているため、ねじ部材は、拡大された角度で少なくとも一方側に旋回することができる。
【0003】
他の多軸骨固定器が、米国特許出願公開第2005/0080415A1号に記載されている。骨固定器は、ロッドを受けるためのU字チャネルと、固定部材のヘッドを受けるための圧縮可能な凹部とを有する本体部材を含み、固定部材は、本体部材に対して最初に角度を付けることができる。骨固定器はさらに、本体部材に対して摺動可能に取り付けられ、ヘッド周りの凹部を圧縮することができるカラー部を含む。本体部材の下方の境界縁には皿領域を設け、固定部材が皿領域に対して配向される場合の角度を増大させてもよい。
【0004】
米国特許出願公開第2009/0149887A1号には、骨固定器を支持ロッドに接続するための、接続部本体とキャップとを含む装置が記載されている。本発明に関連する技術を開示するその他の先行文献として、下記の特許文献4〜7が挙げられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】米国特許第6,736,820B2号
【特許文献2】米国特許出願公開第2005/0080415A1号
【特許文献3】米国特許出願公開第2009/0149887A1号
【特許文献4】米国特許出願公開第2007/0055242A1号
【特許文献5】国際公開第2006/047707A2号
【特許文献6】米国特許出願公開第2007/0123862A1号
【特許文献7】米国特許出願公開第2011/0213419A1号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は、外形の小さい多軸骨固定装置を提供し、特に拡大された角度で骨固定要素を所定方向に旋回させることができる多軸骨固定装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この目的は、請求項1に係る多軸骨固定装置によって達成される。さらなる発展形は、従属請求項に記載されている。
【0008】
多軸骨固定装置は、キャップとキャップに受けられる係止要素とを用いて、ロッドとヘッドとを留めて定着させる。これにより、従来の受け部に見られるような、係止要素を締める際に受け部の部分が傾斜するという問題が起こらない。さらに、キャップを用いることにより、骨固定要素の軸方向または高さ方向における外形が小さくなる。
【0009】
多軸骨固定装置とともに、モジュールねじシステムを提供することができる。モジュールシステムは、係止リングが事前に組み付けられたヘッド受け部と、係止要素が事前に組み付けられたキャップと、異なる胴部を有する骨固定要素の一式とを含む。これを用いることにより、異なる直径、ねじ形状、または他の異なる特徴を有する様々な胴部を、特定の臨床症状における要件に応じて、ヘッド受け部および係止リングと組み合わせることができる。さらなるモジュールシステムにおいては、異なる最大旋回角度を許容するために異なる境界縁を有する異なるヘッド受け部が提供され、係止要素および様々な胴部を用いて係止リングおよびキャップに組み付けることができる。これにより、外科医は、インプラントに関して実質的に選択肢を有することとなる。このモジュール性により、在庫維持に係る費用を低減することができる。
【0010】
ヘッド受け部が自由境界縁を有し、この自由境界縁が固定要素を境界縁の第1の位置において境界縁の第2の位置よりも大きな旋回角度で旋回させるように構成されている場合、旋回角度は、使用される位置においてヘッド受け部の中心軸周りの360°の範囲で選択することができる。ヘッド受け部に対する骨固定要素の最大旋回角度は、真っ直ぐな位置から測定して45°以上である。たとえば、拡大された旋回角度の配向は、胴部軸においてロッド軸を含む面において選択することができる、または、ロッド軸に対して90°や任意の他の角度とすることができる。これにより、骨固定装置は、たとえば頸椎などの側方塊固定の用途に特に適したものとなる。
【0011】
骨固定装置の設計によって、高さおよび直径に関する寸法をさらに小さくすることができ、これにより、頸椎の手術または小児科応用、外傷、および切開を最小限にとどめる骨手術などの分野において小さいサイズの固定装置が必要とされる用途に特に適したものとなる。
【0012】
さらなる特徴および利点は、添付の図面を用いた実施形態の記載からより明らかとなる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】第1の実施形態に係る多軸骨固定装置の分解斜視図である。
【図2】図1の多軸骨固定装置が組み立てられた状態を示す斜視図である。
【図3】骨固定要素の第1の旋回位置において、ロッド軸に対して垂直な断面を示す多軸骨固定装置の断面図である。
【図4】骨固定要素の第2の旋回位置において、ロッド軸に対して垂直な断面を示す多軸骨固定装置の断面図である。
【図5】図4の一部の拡大図である。
【図6】第1の実施形態に係る多軸骨固定装置のヘッド受け部の斜視図である。
【図7】図6に示されるヘッド受け部の断面図である。
【図8】第1の実施形態に係る多軸骨固定装置の係止リングの斜視図である。
【図9】図8のB−B線に沿った係止リングの断面図である。
【図10】第1の実施形態に係る多軸骨固定装置のキャップを上から見た斜視図である。
【図11】骨固定装置のキャップを下から見た斜視図である。
【図12】キャップの側面図である。
【図13】90°回転させたキャップの他の側面図である。
【図14】キャップの上面図である。
【図15】図14のA−A線に沿ったキャップの断面図である。
【図16】図15の一部の拡大図である。
【図17】第1の実施形態に係る多軸骨固定装置の組み立ておよび使用の工程を示す図である。
【図18】第1の実施形態に係る多軸骨固定装置の組み立ておよび使用の工程を示す図である。
【図19】第1の実施形態に係る多軸骨固定装置の組み立ておよび使用の工程を示す図である。
【図20】第1の実施形態に係る多軸骨固定装置の組み立ておよび使用の工程を示す図である。
【図21】第1の実施形態に係る多軸骨固定装置の組み立ておよび使用の工程を示す図である。
【図22】第2の実施形態に係る多軸骨固定装置の分解斜視図である。
【図23】図22の多軸骨固定装置が組み立てられた状態を示す斜視図である。
【図24】骨固定装置の第1の旋回位置において、ロッド軸に対して垂直な断面を示す第2の実施形態に係る多軸骨固定装置の断面図である。
【図25】骨固定装置の第2の旋回位置において、ロッド軸に対して垂直な断面を示す第2の実施形態に係る多軸骨固定装置の断面図である。
【図26】図25の一部の拡大図である。
【図27】第2の実施形態に係る多軸骨固定装置のヘッド受け部を上から見た斜視図である。
【図28】図27のヘッド受け部の断面図である。
【図29】第2の実施形態に係る多軸骨固定装置の係止リングの斜視図である。
【図30】図29のD−D線に沿った係止リングの断面図である。
【図31】第2の実施形態に係る多軸骨固定装置のキャップを上から見た斜視図である。
【図32】第2の実施形態に係る多軸骨固定装置のキャップを下から見た斜視図である。
【図33】キャップの側面図である。
【図34】90°回転させたキャップの別の側面図である。
【図35】キャップの上面図である。
【図36】図35のC−C線に沿ったキャップの断面図である。
【図37】図36の一部の拡大図である。
【図38】第3の実施形態に係る多軸骨固定装置のヘッド受け部を上から見た斜視図である。
【図39】図38に示されるヘッド受け部の断面図である。
【図40】図38のヘッド受け部の上面図である。
【図41a】さらに他の実施形態に係る多軸骨固定装置のアセンブリを示す分解斜視図である。
【図41b】図41aの骨固定装置を組み立てた状態を示す図である。
【図41c】図41aおよび図41bの骨固定装置であって、挿入されたロッドの軸に対して垂直な面における断面を示す図である。
【図42a】図41a〜図41cの実施形態に係るヘッド受け部であって、ヘッド受け部の中心軸を含む面における断面を示す図である。
【図42b】図42aのヘッド受け部を下から見た斜視図である。
【図42c】図42aのヘッド受け部を上から見た斜視図である。
【図43】図41a〜図41cの実施形態に係るスロットリングを示す斜視図である。
【図44a】図41a〜図41cに係る多軸骨固定装置のキャップを底側から見た斜視図である。
【図44b】図41a〜図41cに係る多軸骨固定装置のキャップを上から見た斜視図である。
【図44c】図44aおよび図44bのキャップを示す上面図である。
【図44d】図44cのE−E線に沿った図44cのキャップの断面図である。
【図45a】図41a〜図41cの多軸骨固定装置の係止リングを上から見た斜視図である。
【図45b】図41a〜図41cの多軸骨固定装置の係止リングを底側から見た斜視図である。
【図45c】図45aおよび図45bの係止リングの上面図である。
【図45d】図45cのF−F線に沿った図45cの係止リングの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
図1〜図5に示されるように、第1の実施形態に係る多軸骨固定装置は、ねじ切り部分を有する胴部2と、球台形状のヘッド3とを含む、骨ねじの形態の骨固定要素1を含む。ヘッド3は、工具と係合するための凹部4を有する。骨固定装置はさらに、骨固定要素のヘッド3を受けるためのヘッド受け部5と、たとえば脊椎安定化ロッドなどのロッド7を受け、ロッド7を骨固定要素1に接続するための係止リング6とを含む。さらに、骨固定装置は、ロッド7を留めるためのキャップ8と、ロッドおよびヘッド3を係止させるための止めねじの形態の係止要素9とを含む。
【0015】
特に図6〜図9を参照すると、ヘッド受け部5は、第1の端部5aと、対向する第2の端部5bと、同軸の貫通孔5cとを含む。第1の端部5aに隣接して、実質的に外方向に延在する縁部51が設けられる。縁部51は、第1の端部5aの反対側に周方向に延在するアンダーカット部52を有する。アンダーカット部52は、外方向および第2の端部5bに向けて傾斜する面によって形成される。アンダーカット部52は、キャップ8の一部と係合する役割がある。
【0016】
ヘッド受け部5はさらに、第2の端部5bに向かって広がる円錐形状の外表面部53を含む。第2の端部5bにおけるヘッド受け部の最大外径は、第1の端部5aにおける最大外径よりも小さい。骨固定要素1の球台形状のヘッド3のための収容空間を形成する内部中空球形部54は、ヘッド受け部5に形成される。内部中空球形部54は、ヘッド3の最大外径を含む領域を覆う側から骨固定要素のヘッドを包むように構成される。
【0017】
第2の端部5bに向けて開放される複数の切り込み55が設けられる。切り込み55は、内部中空部54を実質的に貫通して延在し、ヘッド3が受けられるヘッド受け部の領域を柔軟にする。切り込みの大きさや数によって、ヘッド受け部に所望の弾性が付与される。ヘッド受け部5の弾性は、ヘッド受け部を広げることによって固定要素1のヘッド3を挿入することができ、ヘッド受け部を圧縮することによって挟むことができるようになっている。
【0018】
第2の端部5bの境界縁は、非対称となっている。示される実施形態において、これは、内部中空空間54の壁に設けられた皿領域または凹み領域56によって実現される。これにより、固定要素1の中心軸がヘッド受け部5の中心軸Cに対して同軸である場合における直立位置に対して、凹み領域56の位置で旋回角度αにまで旋回することができ(図3)、この旋回角度α1は、反対方向への旋回角度α(図4)よりも大きい。凹み領域56は、以下に記載するように、係止リング6に対する拡大された旋回角度の位置を規定する。
【0019】
係止リング6は、図8および図9においてより詳細に示される。係止リング6は、僅かに円錐状の外表面部61を有し、その内側には湾曲した内表面部62を有する。この湾曲は、係止リングの中心に向けられている。湾曲した表面部62は、球状の湾曲を有することができるが、他の種類の湾曲も有することができる。係止リングの内径は、係止リング6がヘッド受け部5の外側円錐表面部53に沿って摺動することができるようになっている。これにより、ヘッド受け部5を下方向に摺動させるにつれ、ヘッド受け部5に対する圧縮量が増大する。
【0020】
係止リング6は、ヘッド受け部5の縁部51と向かい合う側において、径方向で互いに対向するように配置された2つの突出部63を含む。図2に示されるように、突出部63の高さは、ヘッド受け部5の周囲に係止リング6が取り付けられた場合にヘッド受け部の第1の端部5aから上方に突出するように設定されている。突出部の自由端の各々には凹部64が設けられる。凹部64の形状は、少なくとも一部が最大の直径を有する欠円となっている。欠円形状の凹部64の直径は、ロッド7の直径に実質的に対応する。凹部64によって、各突出部63は、ロッド7が間に嵌め込まれる直立脚部63a,63bを含む。
【0021】
ヘッド受け部5の柔軟性、および開放された第2の端部5bにおけるヘッド受け部5の大きさにより、係止リング6は、第2の端部5bから組み付けることによって、ヘッド受け部5に取り付けることができる。係止リングがヘッド受け部5に取り付けられた時、係止リングは、ヘッド受け部5周りを自由に回転することができる。部品の寸法は、ヘッド3が僅かな摩擦力でヘッド受け部5に予備的に保持され、係止リング6が僅かな摩擦力でヘッド受け部の周りに予備的に保持されるように設計される。
【0022】
図10から図16を参照し、キャップについて記載する。キャップ8は、第1の端部8aと第2の端部8bとを有する、実質的に筒状の部品である。第1の端部8aには、係止要素9を受けるために同軸でねじ切りされた貫通孔81が設けられる。第2の端部8bにおいては、実質的に立方形状の凹部82が設けられる。この凹部82は、ねじ切りされた貫通孔81の軸に対して垂直に延びるシリンダ軸を有する筒状凹部82aに続く。凹部82および82aの深さは、ロッド7が凹部によって覆われ、さらにキャップをヘッド受け部5に取り付けることができるように設定される。
【0023】
キャップの第2の端部8bは、さらに同軸の実質的に円錐状の凹部83を含む。これにより、キャップの壁の厚さは第2の端部に向けて低減される。内方向に突出する縁部84は、傾斜した表面を有するアンダーカット部85を含む第2の端部に設けられる。傾斜面の傾斜は実質的にヘッド受け部5のアンダーカット部52の傾斜に対応する。アンダーカット部85を有する縁部84の大きさは、ヘッド受け部5の縁部51において縁部84がアンダーカット部52と係合することができるように設定される。
【0024】
キャップはさらに、工具を用いてキャップを保持する、取り付ける、または取り外すための2つの係合部分86を含む。係合部分86は、第1の端部8aから第2の端部8bへ所定の距離を残して延在し、ロッド受け凹部82,82aに対して90°で各々が配置される。係合部分86は、工具と係合するように構成された凹部として形成される。係合部分86におけるキャップの壁の厚さは、低減される。係合部分86の位置において、キャップは切り込み87を有し、この切り込み87は、それぞれの係合部分から第2の端部8bに向けてキャップの壁を完全に貫通して延在する。この切り込み87によって、キャップの壁部はある程度柔軟になり、ヘッド受け部分5の縁部51の後ろ側でキャップの縁部84が留められるようにヘッド受け部にキャップを取り付けることができる。
【0025】
止めねじの形態の係止要素9は、ねじ切りされた貫通孔81にねじ込まれるように構成される。ねじは、角ねじとして示されているが、たとえばメートルねじなども他のねじの形態も使用することができる。
【0026】
ヘッド受け部5、係止リング6、キャップ8、および係止要素9、ならびに骨固定要素1は、たとえばチタンまたはステンレス鋼などの生体適合材料、または、たとえばニチノールなどのニッケルチタン合金のような生体適合合金、または、たとえばポリエーテルエーテルケトン(PEEK)のような生体適合プラスチック材料からなる。これらの全ての部品は、同じ材料または異なる材料から作ることができる。
【0027】
図17から図21を参照すると、多軸骨固定装置の組み立ておよび使用の工程が説明される。図17に示されるように、係止リングが第2の端部5bからヘッド受け部5に取り付けられる。図18に示されるように、ロッドを受けるための突出部63がヘッド受け部5の第1の端部5aから上方に延在する。ヘッド受け部5および係止リング6は、事前に組み立てられた状態でもたらされてもよい。図18に示される第2の工程において、特定の臨床用途に使用される適切な胴部2を有する骨固定要素1が、ヘッド受け部5と係止リングとによって形成されるアセンブリに対して第2の端部5bから取り付けられる。係止リング6は、その第1の端部6aがヘッド受け部5の縁部51に対して当接する最上位置にある。ヘッド3は、ヘッド受け部の内部中空部54に挿入される。ヘッド受け部が柔軟であるため、このようなことが可能となる。
【0028】
この段階において、骨固定装置のモジュール性により、手術中または手術の前に、所定の胴部を有する所定の骨固定要素とヘッド受け部とを組み合わせることができる。ヘッド受け部5と係止リング6とが取り付けられた時、これらはまだ互いに回転可能である。これにより、凹み領域56を有するヘッド受け部5の位置は、係止リング6に対してヘッド受け部5を回転させることによって自由に選択することができる。これゆえに、所定の胴部を有する骨固定要素と組み合せることができる、事前に規定された異なる最大旋回角度を有する異なるヘッド受け部を設けることによって、適切な骨固定装置が容易に選択され、組み立てられる。
【0029】
組み立てられた多軸骨固定装置は、骨または脊椎に挿入される。代替的な使用例として、骨固定要素が骨または脊椎に最初に挿入され、その後にヘッド受け部5と係止リング6とを組み合せたものがスクリューを移植した後にヘッド3に対して取り付けられる。
【0030】
図19に示されるように、ロッド7は、突出部63に設けられた凹部64に挿入される。凹部64は、最大直径よりも大きい直径を含む切円形を有しているため、ロッドは、凹部に嵌め込むことができ、その場所に予備的に保持することができる。ロッド7と係止リング6とからなるアセンブリの全体は、まだヘッド受け部5に対して回転することが可能である。
【0031】
図20に示されるように、次の工程において、係止要素9が挿入されたキャップ8が、アセンブリに配置される。キャップの壁部は僅かに柔軟であるため、キャップはヘッド受け部に嵌め込むことができ、その縁部84は、ヘッド受け部5の縁部51の後ろに取り付けることができ、アンダーカット部85,85は互いに係合し合う。これは、図5に詳細に示される。
【0032】
図21に示されるように、最後に、止めねじの形態の係止要素9は、その下方側がロッド7に対して押し付けられるまで締められる。その結果、ロッド7は、係止リング6を下方向に押し、ヘッド受け部5を圧縮する。最終的に係止要素9を締めることによって、ロッド7およびヘッド3を同時に係止させることができる。
【0033】
図3から図5を参照すると、骨固定要素は、凹部領域56を含む側に旋回した場合、装置の中心軸Cに対して最大の旋回角度αで位置決めすることができる(図3)。図4に示されるように、骨固定要素は、旋回角度αより小さい旋回角度α2で反対方向または他の方向に向けて第2の旋回位置に位置決めすることができる。
【0034】
図22および図23を参照し、多軸骨固定装置の第2の実施形態が記載される。第1の実施形態の部品および部分と同じ部品および部分は、同じ参照符号が付され、それらについては繰り返し記載しない。第2の実施形態に係る骨固定装置は、ヘッド受け部、係止リング、およびキャップの設計が第1の実施形態に係る骨固定装置とは異なる。
【0035】
特に図22から図28に示されるように、ヘッド受け部5′は、径方向から見て第2の端部5bを越えて延在する縁部51′を含む。第1の端部5aに隣接する筒状の凹部51a′の内径は、第2の端部5bにおけるヘッド受け部の外径よりも大きい。さらに、溝51b′には、第1の端部5aとは反対を向くアンダーカット部52′が設けられる。溝51b′およびアンダーカット部52′は、キャップの一部と係合する役割を持つ。
【0036】
図29および図30に示されるように、係止リング6′は、係止リングの外周に配置されるロッド受け突出部を含む。ヘッド受け部の上方に突出する突出部63の高さは小さく、キャップはこれに対応して短くすることができる。これにより、骨固定装置は、全体として軸方向における外形が小さくなる。
【0037】
図30から図37を参照すると、キャップ8′は、第2の端部8bに隣接して外方向に突出する縁部84′を含む。縁部84′は、アンダーカット部85′を有し、アンダーカット部85′は、ヘッド受け部5′のアンダーカット部52′と協働する傾斜面を有する。さらに、キャップ8′は、第2の端部に隣接して縁部84′を含む、僅かに円錐形状の外表面部分88を有する。円錐部分は、筒状部分89に隣接する。内部においては、キャップは、筒状のボア83′を有する。円錐状の外表面部分88の領域において、キャップの壁の厚さは、第2の端部8bに向けて僅かに低減される。工具のための係合部分86′は、筒状部分89のみに向けて延在する。切り込み87′は、円錐状の外表面部分88を完全に貫通し、キャップがこの領域において柔軟となる。ロッドを受ける凹部82′はU字形状である。他のすべての部品は、第1の実施形態と同じである。第1の実施形態と類似の第2の実施形態に係る骨固定装置の組み立ておよび使用は、図24から図26に示される違いがあり、キャップ8′は、内側からヘッド受け部5′の溝51b′に嵌め込まれる。
【0038】
図38から図40を参照すると、ヘッド受け部の設計が第1の実施形態に係る骨固定装置とは異なる多軸骨固定装置の第3の実施形態が示される。ヘッド受け部5″は、軸方向の貫通孔5c″を有し、貫通孔5c″は、第1の端部5aからヘッド3の直径よりも大きい直径を有する第2の端部5bの方向に向けて延在し、ヘッド3を通すことができる。中空内部54′は、ヘッドのための座部を形成する球形部分54a′と、第2の端部5bに対向する側に設けられ、第1の端部5aに向けて狭まり、ヘッドに対する障害を形成する狭部54b′とを含む。切り込み55′は、狭部54b′に完全に延在する。それゆえに、ヘッド受け部5″により、上部搭載型の骨固定装置が提供される。これにより、骨固定要素を第1の端部5aから挿入して軸方向の貫通孔5c″を貫通させることができ、球形部分54a′に設置されるまで切り込みによって広げられる狭部をヘッドが通る。狭部54b′のおかげで、ヘッド3がひとたび挿入されると、ヘッド3が第1の端部5aの方向に向けて何らかの事情で押し出されることが防止される。
【0039】
組み立ておよび使用は第1の実施形態と同様であり、骨固定要素が第1の端部5aから挿入される点が異なる。
【0040】
骨固定装置の第2の実施形態もまた、上部搭載型の骨固定装置として設計することができることを理解すべきである。これを可能とするために、ヘッド受け部は、ヘッドを受けるための中空内部が第3の実施形態におけるヘッド受け部と同様に成形される必要がある。
【0041】
図41a〜図45dは、図1〜図4に示される実施形態に大部分が対応する代替的な実施形態を示す。多軸骨固定装置は、ねじ切り部分を有する胴部2と、球台形状のヘッド3とを含む、骨ねじの形態の骨固定要素1を含む。ヘッド3は、工具と係合するための凹部4を有する。骨固定装置はさらに、骨固定要素1のヘッド3を受けるためのヘッド受け部5″と、たとえば脊椎安定化ロッドなどのロッド7を受け、ロッド7を骨固定要素1に接続するための係止リング6″とを含む。さらに、骨固定装置は、ロッド7を留めるためのキャップ8″と、ロッド7およびヘッド3を係止するための止めねじの形態の係止要素9とを含む。
【0042】
ヘッド受け部5″は、たとえばヘッド3などのねじヘッドを受け、スロットリング5fを用いてキャップ8″に対して取り付けられる、または接続される。胴部2は、骨に設置される、または取り付けられる。係止リング6″は、ヘッド受け部5″に対して、たとえば端部5bなどの下側から取り付けられ、ヘッド受け部5″に圧力を加えることによって、ヘッド3がヘッド受け部5″に挿入された場合にねじ1のヘッド3を係止する。
【0043】
図42a〜図42cを参照し、ヘッド受け部5″についてさらに以下に記載する。図42aおよび図42bに示されるように、ヘッド受け部5″は、上記の実施形態と同様に、特定の場所または位置において大きな旋回角度をもたらす。環状の溝または切り込み5nが、ヘッド受け部5″の第1の端部5aの付近に形成される。スロットリング5fは、リング5fのスロットを歪める、または広げることによって環状の溝または切り込み5nの周囲または中に嵌め込まれるように適合される。ひとたび環状の溝5nの周りに取り付けられると、スロットリング5fは、キャップ8″において対応する環状の切り込みまたは溝に対して張力を付与することができ、ヘッド受け部5″がキャップ8″に対して取り付けられる。
【0044】
ヘッド受け部5″は、特定の場所または位置において大きな旋回角度をもたらすと記載されたが、スロットリング5fを用いてヘッド受け部5″とキャップ8″との間に張力を付与するなどの本実施形態の特徴も適用され得て、ヘッド受け部5″の第2の端部5bに平坦な環状の縁部が形成される場合などにおいては、ヘッド受け部5″は特定の位置において大きな旋回角度をもたらさない。
【0045】
図44a〜図44dを参照し、代替的な実施形態に係るキャップ8″について記載し、第1の実施形態に係るキャップ8と比較する。キャップ8″は、スロットリング5fの一部を収容するための環状の切り込みまたは溝8rを第2の端部8bの付近に有する。第1の実施形態においては、キャップ8は、キャップ8を広げるための切り込み87を有するのに対し、代替的な本実施形態においては、切り込みを要しない。なぜなら、キャップ8″とヘッド受け部5″との間の張力は、スロットリング5fによって付与されるためである。代替的に、スロットリング5fを用いることによって切り込みの数を減らすことができる。たとえば、切り込みを2つの代わりに1つとすることができる。
【0046】
図43を参照し、スロットリング5fの実施形態について記載する。スロットリング5fは、縦方向の内縁部5iと、下方向に傾斜した外縁部5tと、下面5mに対して実質的に平行な上面5uとを有する。スロット5qは、リング5fを広げてヘッド受け部5″の環状の溝5nの周囲または中に取り付けることを可能とし、これにより、リング5fは、ヘッド受け部5″とキャップ8″とが組み立てられた場合にキャップ8″の環状の溝8rに対する抑制力を付与することができる。
【0047】
図41aおよび図41cを参照すると、示されるように、スロットリング5fの断面は、取り付けられた場合にリング5fの外縁部5tが外方向および下方向に(すなわち、ヘッド3またはヘッド受け部5″の第2の端部5bの方向に)傾斜する台形状としてもよい。傾斜した外縁部5tの角度は、たとえば、アセンブリの中心軸Cに対して約45°としてもよい。リング5fの内縁部5iは、取り付けられた場合に台形を形成するリング5fの上面5uおよび下面5mに対して実質的に直角とし、中心軸Cに対して実質的に平行としてもよい。
【0048】
図41aおよび図45a〜図45dを参照すると、係止リング6″は、安定性および強度に鑑み最適化することができる。たとえば、凹部64′の側壁を厚くし、上記の実施形態と比較してより安定性を高めてもよい。すなわち、係止リング6″の壁は、より重要となり得る様々な領域、または限界強度点においてより厚くしてもよい。
【0049】
さらに、図41a〜図41cを再度参照すると、代替的な実施形態において、スロットリング5fは、ヘッド受け部5′の一部において、挿入されたヘッド3から離れて配置された環状の溝または切り込み5nと合致する。これにより、スロットリング5fは、ロッド7を受ける端部5aの付近において、受け部5″とキャップ8″の環状の切り込みまたは溝8rとの間に張力を付与する役割を持つ。さらに、スロットリング5fは、組み立てられると、切り込みまたは溝8rに広がり、キャップ8″とヘッド受け部5″とを併せて保持する。
【0050】
一部の実施形態において、ヘッド受け部5″の環状の溝5nにリング5fが最初に配置され得て、部品は事前に組み立てられた状態でたとえば実践者に提供され得る。係止リング6″は、ヘッド受け部5″の周りに事前に組み付けてもよい。作業時において、ロッド7は係止リング6″の凹部64′に挿入される。次に、キャップ8″は、ヘッド受け部5″に配置され、リング5fの傾斜面5tは、キャップ8″がリング5f上を下方向に摺動してヘッド受け部5″と結合するように配向される。図41cに示されるように、リング5fは、組み立てによってキャップ8″の溝8rに広がり、キャップ8″とヘッド受け部5″とを保持する。
【0051】
上記の代替的な実施形態においては、スロットリング5fは台形状の断面を有すると記載されたが、リングの断面形状を他の形状とすることも可能である。たとえば、外縁部の形状を、円形、楕円形、または他の湾曲した形状とすることができる。同様に、スロットリングの内縁部は、たとえば、円形、楕円形、または他の湾曲した形状など、他の異なる形状とすることができる。
【0052】
環状の溝または切り込み5nの形状は、たとえば、リング5fの内縁部5iの正方形の形状と結合させるために、示されるように正方形または長方形の切り込みとしてもよい。しかし、たとえば、異なる形状のリングと対応する態様で好適かつ容易に結合させるために、台形などのさまざまな異なる形状を環状の溝または切り込み5nは有することができる。
【0053】
上記の代替的な実施形態は、キャップ、係止リング、および骨固定装置の全体がより安定的または頑丈となるように提供される。
【0054】
他の変更も考えられる。係止リング、およびこれと協働するヘッド受け部の外側表面部分の構成も異なる態様で形成することができる。たとえば、係止リングの内側表面をテーパ状として、ヘッド受け部の外表面のテーパ状部分と協働させることができる。または、ヘッド受け部の外側表面部分を、丸みを帯びた凸状とすることができ、係止リングの内面も直線状またはテーパ状とすることができる。係止リングおよびヘッド受け部の協働する面は、互いに平行とすることができ、これにより、ヘッド部分の挟み込みが、係止リングとヘッド受け部との締まり嵌めによって実現される。
【0055】
骨固定要素は、胴部の長さ、直径、またはねじ形状が異なるさまざまな骨固定要素または貫通チャネルを有するものを使用することができる。またフック、くぎ、または他の固定要素も使用することができる。
【0056】
旋回角度を拡大するために、傾斜した状態で底部が切り取られた対称なヘッド受け部分を使用することができ、これにより、旋回することができる、または大きな周面積を得ることができる。凹み領域は、中心軸Cに対して垂直な開口部を付与する対称なヘッド受け部における切り込みによって実現することもできる。
【0057】
ロッド受凹部は、半円、四半分円、またはU字形状とすることができ、ロッドを収容するように構成された任意の形状とすることができる。
【符号の説明】
【0058】
1 骨固定要素、2 胴部、3 ヘッド、5,5′,5″ ヘッド受け部、5a 第1の端部、5b 第2の端部、6,6′ 係止リング、63,64 ロッド受け部、8,8′ キャップ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
多軸骨固定装置であって、
骨に固定するための胴部(2)とヘッド(3)とを含む骨固定要素(1)と、
第1の端部(5a)と開放された第2の端部(5b)とを含み、ヘッド(3)を受けるための開放された第2の端部と連通する境界縁と中空内部とを含む、ヘッド受け部(5,5′,5″)とを備え、ヘッド受け部は、ヘッドを挟めるように柔軟であり、多軸骨固定装置はさらに、
ヘッド受け部の周りに取り付けられる係止リング(6,6′)を備え、係止リングは、ロッド受け部(63,64)を含み、
ヘッド(3)は、ヘッド受け部において旋回可能であり、係止リング(6,6′)を用いてヘッド受け部を圧縮することにより所定の角度で係止することができ、多軸骨固定装置はさらに、
ロッドを覆い、ヘッド受け部と係合するように構成されたキャップ(8,8′)と、
キャップを通って延在し、ロッドと係合するように構成された係止要素とを備え、
ロッドが挿入されると、キャップ(8,8″)および係止リング(6,6′)はヘッド受け部(5,5′,5″)に対して回転することができ、係止要素を締めると、ロッドと骨固定要素とは互いに係止される、多軸骨固定装置。
【請求項2】
ヘッド受け部の開放端(5b)は、境界縁を有し、境界縁は、固定要素(1)を境界縁の第1の位置において境界縁の第2の位置よりも大きな旋回角度で旋回させるように構成される、請求項1に記載の多軸骨固定装置。
【請求項3】
境界縁は、骨固定要素が旋回した場合に拡大された旋回角度をもたらす凹部領域(56)を有する、請求項1または2に記載の多軸骨固定装置。
【請求項4】
ヘッド受け部(5,5′,5″)は、キャップと係合するためのアンダーカット部(52,52′)を有する第1の端部(5a)に隣接する第1の部分(51,51′)を含む、請求項1から3のいずれか1項に記載の多軸骨固定装置。
【請求項5】
ヘッド受け部(5′)は、キャップと係合するための溝(51b′)を有する、請求項1から4のいずれか1項に記載の多軸骨固定装置。
【請求項6】
ヘッド受け部(5)は、第1の端部(5a)に向けて外径が小さくなり、開放端(5b)に向けて外径が大きくなる外表面を有する第2の部分(53)を含む、請求項1から5のいずれか1項に記載の多軸骨固定装置。
【請求項7】
ヘッド受け部(5)は、壁に複数の切り込み(55,55′)を含む、請求項1から6のいずれか1項に記載の多軸骨固定装置。
【請求項8】
ヘッド(3)は、球形の外側表面部分を含み、ヘッド受け部は、ヘッドのための球形の座部部分(54,54a′)を含む、請求項1から7のいずれか1項に記載の多軸骨固定装置。
【請求項9】
ヘッド受け部(5)は、ヘッド(3)の最大外径よりも小さい直径を有する貫通孔(5c)を第1の端部に含む、請求項8に記載の多軸骨固定装置。
【請求項10】
ヘッド受け部(5′)は、ヘッド(3)の直径よりも大きい直径を有する貫通孔(5c″)を第1端部に含み、第1の端部(5a)とヘッドのための座部(54a′)との間には、第1の端部(5a)にヘッドが挿入される場合に拡張することができる狭部(54b′)が設けられる、請求項8に記載の多軸骨固定装置。
【請求項11】
係止リング(6,6′)は、周方向において互いに対向する2つの突出部(63)を含み、突出部の各々は、ロッドを挿入して予備的に保持するよう構成された凹部(64)を含む、請求項1から10のいずれか1項に記載の多軸骨固定装置。
【請求項12】
凹部は切円形状の外形を有し、切円部分は、半円よりも大きいのが好ましい、請求項11に記載の多軸骨固定装置。
【請求項13】
キャップは、ヘッド受け部に対面する第1の端部(8a)と、第1の端部(8a)に対向する第2の端部(8b)と、ロッドを通過させるために周方向において対向する2つの凹部(82,82′)とを有する、請求項1から12のいずれか1項に記載の多軸骨固定装置。
【請求項14】
キャップ(8,8′)は、ねじ切りされた貫通孔(81)を含み、係止要素(9)は、貫通孔に設けられた止めねじである、請求項1から13のいずれか1項に記載の多軸骨固定装置。
【請求項15】
キャップ(8,8′)は、側壁において少なくとも1つの軸方向の切り込み(87,87′)を含み、径方向においてキャップを柔軟にする、請求項1から14のいずれか1項に記載の多軸骨固定装置。
【請求項16】
キャップ(8′)は、ヘッド受け部の一部(51,51′)と係合するためのアンダーカット部(85,85′)を有する周方向の突出部分(84,84′)を含む、請求項1から15のいずれか1項に記載の多軸骨固定装置。
【請求項17】
多軸骨固定装置のモジュールシステムであって、
骨に固定するための軸(2)とヘッド(3)とを各々が有する少なくとも2つの骨固定要素(1)を備え、骨固定要素は、少なくとも胴部の設計が異なり、モジュールシステムはさらに、
第1の端部(5a)と開放された第2の端部(5b)とを含み、ヘッド(3)を受けるための開放された第2の端部と連通する境界縁と中空内部とを含む、ヘッド受け部(5,5′,5″)とを備え、ヘッド受け部は、ヘッドを挟めるように柔軟であり、モジュールシステムはさらに、
ヘッド受け部の周りに取り付けられる係止リング(6,6′)を備え、係止リングは、ロッド受け部(63,64)を含み、
ヘッド(3)は、ヘッド受け部において旋回可能であり、係止リング(6,6′)を用いてヘッド受け部を圧縮することにより所定の角度で係止することができ、モジュールシステムはさらに、
ロッドを覆い、ヘッド受け部と係合するように構成されたキャップ(8,8′)と、
キャップを通って延在し、ロッドと係合するように構成された係止要素とを備え、
ロッドが挿入されると、キャップ(8,8″)および係止リング(6,6′)はヘッド受け部(5,5′,5″)に対して回転することができ、係止要素を締めると、ロッドと骨固定要素とは互いに係止され、
骨固定要素は、ヘッド受け部に対して選択的に接続することができる、モジュールシステム。
【請求項18】
ヘッド受け部の開放端(5b)は、境界縁の第2の位置よりも境界縁の第1の位置においてより大きな角度で固定要素(1)を旋回させるように構成された境界縁を有し、少なくとも2つのヘッド受け部が設けられ、ヘッド受け部は最大旋回角度が異なり、ヘッド受け部は、骨固定要素の2つのうちの1つと選択的に接続することができる、請求項17に記載のモジュールシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【図35】
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【図36】
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【図37】
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【図38】
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【図39】
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【図40】
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【図41a】
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【図41b】
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【図41c】
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【図42a】
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【図42b】
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【図42c】
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【図43】
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【図44a】
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【図44b】
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【図44c】
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【図44d】
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【図45a】
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【図45b】
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【図45c】
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【図45d】
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【公開番号】特開2013−103132(P2013−103132A)
【公開日】平成25年5月30日(2013.5.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−247347(P2012−247347)
【出願日】平成24年11月9日(2012.11.9)
【出願人】(511211737)ビーダーマン・テクノロジーズ・ゲゼルシャフト・ミット・ベシュレンクテル・ハフツング・ウント・コンパニー・コマンディートゲゼルシャフト (30)
【氏名又は名称原語表記】BIEDERMANN TECHNOLOGIES GMBH & CO. KG
【Fターム(参考)】