説明

多重スルファターゼ欠損症およびその他のスルファターゼ欠損症の診断および治療

本発明は、多重スルファターゼ欠損症(MSD)およびその他のスルファターゼ欠損症の診断および治療のための方法および組成物に関する。より詳細には、本発明は、スルファターゼ上での翻訳後修飾を調節する、単離された分子に関する。このような調節は適正なスルファターゼ機能のために必須である。


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【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)SEQ ID NO:1記載のヌクレオチド配列からなる分子とストリンジェントな条件下でハイブリダイズする核酸分子であって、Cα-ホルミルグリシン生成活性を有するポリペプチド(FGE)をコードする核酸分子;
(b)遺伝暗号の縮重性のために(a)の核酸分子とはコドン配列が異なる核酸分子;および
(c)(a)または(b)の相補物
からなる群より選択される、単離された核酸分子。
【請求項2】
SEQ ID NO:1記載のヌクレオチド配列を含む、請求項1記載の単離された核酸分子。
【請求項3】
SEQ ID NO:3記載のヌクレオチド配列またはその断片からなる、請求項1記載の単離された核酸分子。
【請求項4】
(a)SEQ ID NO:1記載のヌクレオチド配列の固有断片;および
(b)(a)の相補物
からなる群より選択される、単離された核酸分子。
【請求項5】
固有断片が、少なくとも:8ヌクレオチド、10ヌクレオチド、12ヌクレオチド、14ヌクレオチド、16ヌクレオチド、18ヌクレオチド、20ヌクレオチド、22ヌクレオチド、24ヌクレオチド、26ヌクレオチド、28ヌクレオチド、30ヌクレオチド、40ヌクレオチド、50ヌクレオチド、75ヌクレオチド、100ヌクレオチドおよび200ヌクレオチドからなる群より選択される、請求項4記載の単離された核酸分子。
【請求項6】
免疫原性のあるポリペプチドをコードする、請求項4記載の単離された核酸分子。
【請求項7】
プロモーターと機能的に結合した請求項1、2、3、4、5または6記載の単離された核酸分子を含む発現ベクター。
【請求項8】
プロモーターと機能的に結合した請求項4記載の単離された核酸分子を含む発現ベクター。
【請求項9】
請求項7記載の発現ベクターによる形質転換またはトランスフェクションを受けた宿主細胞。
【請求項10】
請求項8記載の発現ベクターによる形質転換またはトランスフェクションを受けた宿主細胞。
【請求項11】
ポリペプチドまたはポリペプチドの断片がCα-ホルミルグリシン生成活性を有する、請求項1、2、3または4記載の核酸分子によってコードされる単離されたポリペプチド。
【請求項12】
請求項2記載の核酸分子によってコードされる、請求項11記載の単離されたポリペプチド。
【請求項13】
SEQ ID NO:2のアミノ酸1〜374の配列を有するポリペプチドを含む、請求項12記載の単離されたポリペプチド。
【請求項14】
ポリペプチドまたはポリペプチドの断片が免疫原性である、請求項1、2、3または4記載の核酸分子によってコードされる単離されたポリペプチド。
【請求項15】
ポリペプチドの断片または断片の一部分がヒト抗体と結合する、請求項14記載の単離されたポリペプチド。
【請求項16】
請求項1、2、3または4記載の単離された核酸分子によってコードされるポリペプチドと選択的に結合する、単離された結合性ポリペプチド。
【請求項17】
SEQ ID NO:2のアミノ酸の配列を有するポリペプチドと結合する、請求項16記載の単離された結合性ポリペプチド。
【請求項18】
抗体、またはFab断片、F(ab)2断片もしくはCDR3領域を含む断片からなる群より選択される抗体断片である、請求項17記載の単離された結合性ポリペプチド。
【請求項19】
Cα-ホルミルグリシン生成活性を有する単離されたポリペプチドのファミリーであって、
該ポリペプチドのそれぞれがアミノ末端からカルボキシル末端の順に
(a)アミノ末端サブドメイン1;
(b)少なくとも8つのトリプトファンを含む120〜140アミノ酸を含むサブドメイン2;
(c)35〜45アミノ酸を含むカルボキシ末端サブドメイン3
を含み、
サブドメイン2が、SEQ ID NO:2、5、46、48、50、52、54、56、58、60、62、64、66、68、70、72、74、76および78からなる群より選択されるポリペプチドのサブドメイン2に対して少なくとも約50%の相同性を有し、かつ
サブドメイン3が、SEQ ID NO:2、5、46、48、50、52、54、56、58、60、62、64、66、68、70、72、74、76および78からなる群より選択されるポリペプチドのサブドメイン3に対して少なくとも約75%の相同性を有し、しかも長さがほぼ等しい、単離されたポリペプチドのファミリー。
【請求項20】
ポリペプチドのそれぞれのサブドメイン3が、SEQ ID NO:2、5、46、48、50、52、54、56、58、60、62、64、66、68、70、72、74、76および78からなる群より選択されるポリペプチドのサブドメイン3に対して少なくとも約80%〜約100%の相同性を有する、請求項19記載のポリペプチド。
【請求項21】
対象におけるFGE発現のレベルを決定するための方法であって、対象におけるFGE発現のレベルを決定するために対象由来の被験試料におけるFGEの発現を測定する段階を含む方法。
【請求項22】
被験試料において測定されたFGE発現を、既知レベルの発現を含む対照におけるFGE発現と比較する段階を含む、請求項21記載の方法。
【請求項23】
FGEの発現がFGE mRNAの発現である、請求項21記載の方法。
【請求項24】
FGEの発現がFGEポリペプチドの発現である、請求項21記載の方法。
【請求項25】
被験試料が組織である、請求項21記載の方法。
【請求項26】
被験試料が生物性液体である、請求項21記載の方法。
【請求項27】
FGE mRNAの発現をPCRを用いて測定する、請求項23記載の方法。
【請求項28】
FGE mRNAの発現をノーザンブロット法を用いて測定する、請求項23記載の方法。
【請求項29】
FGEポリペプチドの発現を、FGEに対するモノクローナル抗体を用いて測定する、請求項24記載の方法。
【請求項30】
FGEポリペプチドの発現を、FGEに対するポリクローナル抗血清を用いて測定する、請求項24記載の方法。
【請求項31】
FGEの発現をCα-ホルミルグリシン生成活性を用いて測定する、請求項24記載の方法。
【請求項32】
Cα-ホルミルグリシン生成活性の調節に有用な作用因子(agent)を同定するための方法であって、
(a)Cα-ホルミルグリシン生成活性を有する分子を作用因子候補と接触させる段階、
(b)その分子のCα-ホルミルグリシン生成活性を測定する段階、および
(c)作用因子候補がその分子のCα-ホルミルグリシン生成活性を調節するか否かを判定するために、分子の測定されたCα-ホルミルグリシン生成活性を対照と比較する段階を含み、
分子が、SEQ ID NO:1記載のヌクレオチド配列を有する核酸分子、またはその発現産物である、方法。
【請求項33】
対象における多重スルファターゼ欠損症(Multiple Sulfatase Deficiency)を診断する方法であって、
(a)多重スルファターゼ欠損症を有することが疑われる対象由来の生物試料を作用因子と接触させる段階であって、該作用因子が(i)SEQ ID NO:1記載のヌクレオチド配列を有するFGE核酸分子、(ii)(i)の核酸分子の発現産物、または(iii)(ii)の発現産物の断片からなる群より選択される分子と特異的に結合する段階;および
(b)結合した作用因子の量を測定し、それによって該核酸分子の発現またはその発現産物の発現が異常であるか否かを判定する段階
を含み、異常な発現によって対象における多重スルファターゼ欠損症が診断される、方法。
【請求項34】
核酸分子またはその発現産物の異常な発現を特徴とする状態を診断する方法であって、
(a)対象由来の生物試料を作用因子と接触させる段階であって、該作用因子が該核酸分子、その発現産物またはその発現産物の断片と特異的に結合する段階;および
(b)結合した作用因子の量を測定し、それによって該核酸分子の発現またはその発現産物の発現が異常であるか否かを判定する段階であって、異常な発現によってその状態が診断される段階
を含み、核酸分子がSEQ ID NO:1記載のヌクレオチド配列を有し、状態が多重スルファターゼ欠損症である、方法。
【請求項35】
核酸分子またはその発現産物の異常な発現を特徴とする、対象における多重スルファターゼ欠損症を判定するための方法であって、
対象における多重スルファターゼ欠損症の判定法(determination)として、患者由来の試料を、
(i)SEQ ID NO:1記載のヌクレオチド配列を有する核酸分子、
(ii)その核酸分子によってコードされるポリペプチド、
(iii)そのポリペプチドに由来するペプチド、および
(iv)そのポリペプチドまたはペプチドと選択的に結合する抗体、
からなる群より選択されるパラメーターに関してモニタリングする段階を含む方法。
【請求項36】
試料が生物性液体または組織である、請求項35記載の方法。
【請求項37】
モニタリングの段階が、試料を、
(a)(i)の核酸分子とストリンジェントな条件下で選択的にハイブリダイズする単離された核酸分子、
(b)(ii)のポリペプチドまたは(iii)のペプチドと選択的に結合する抗体、および
(c)(iv)の抗体と結合するポリペプチドまたはペプチド、
からなる群より選択される検出可能な作用因子と接触させる段階を含む、請求項35記載の方法。
【請求項38】
抗体、ポリペプチド、ペプチドまたは核酸が、放射性標識または酵素によって標識されている、請求項37記載の方法。
【請求項39】
試料をペプチドに関してアッセイする段階を含む、請求項35記載の方法。
【請求項40】
以下のものを含むパッケージを含むキット:
請求項1記載の単離された核酸またはその発現産物と選択的に結合する作用因子;および
作用因子と請求項1記載の該単離された核酸またはその発現産物との結合の測定値と比較するための対照。
【請求項41】
対照が測定値と比較するための既定値である、請求項40記載のキット。
【請求項42】
対照が請求項1記載の核酸の発現産物のエピトープを含む、請求項40記載のキット。
【請求項43】
イズロン酸2-スルファターゼ、スルファミダーゼ、N-アセチルガラクトサミン6-スルファターゼ、N-アセチルグルコサミン6-スルファターゼ、アリールスルファターゼA、アリールスルファターゼB、アリールスルファターゼC、アリールスルファターゼD、アリールスルファターゼE、アリールスルファターゼF、アリールスルファターゼG、HSulf-1、HSulf-2、HSulf-3、HSulf-4、HSulf-5およびHSulf-6からなる群より選択されるポリペプチド、またはそのペプチドと選択的に結合する、第2の作用因子;ならびに
第2の作用因子と該ポリペプチドまたはそのペプチドとの結合の測定値と比較するための対照
をさらに含む、請求項40記載のキット。
【請求項44】
対象における多重スルファターゼ欠損症を治療するための方法であって、
このような治療を必要とする対象に対して、Cα-ホルミルグリシン生成活性を調節する作用因子を、対象における多重スルファターゼ欠損症を治療するために有効な量で投与する段階を含む方法。
【請求項45】
イズロン酸2-スルファターゼ、スルファミダーゼ、N-アセチルガラクトサミン6-スルファターゼ、N-アセチルグルコサミン6-スルファターゼ、アリールスルファターゼA、アリールスルファターゼB、アリールスルファターゼC、アリールスルファターゼD、アリールスルファターゼE、アリールスルファターゼF、アリールスルファターゼG、HSulf-1、HSulf-2、HSulf-3、HSulf-4、HSulf-5またはHSulf-6をコードする核酸分子、その核酸分子の発現産物、およびその核酸分子の発現産物の断片、からなる群より選択される作用因子を同時投与する段階をさらに含む、請求項44記載の方法。
【請求項46】
Cα-ホルミルグリシン生成活性を調節する作用因子が、請求項1〜8記載の核酸分子、またはSEQ ID NO:1、3、4、45、47、49、51、53、55、57、59、61、63、65、67、69、71、73、75、77および80〜87からなる群より選択される配列を有する核酸である、請求項44記載の方法。
【請求項47】
Cα-ホルミルグリシン生成活性を調節する作用因子が、請求項11〜15、19、20記載のペプチド、またはSEQ ID NO:2、5、46、48、50、52、54、56、58、60、62、64、66、68、70、72、74、76および78からなる群より選択される配列を有するペプチドである、請求項44記載の方法。
【請求項48】
Cα-ホルミルグリシン生成活性を調節する作用因子が、請求項18記載のFGE核酸分子、またはSEQ ID NO:1、3、4、45、47、49、51、53、55、57、59、61、63、65、67、69、71、73、75、77および80〜87からなる群より選択される配列を有するFGE核酸分子、を発現する細胞によって産生される、請求項44記載の方法。
【請求項49】
FGE核酸分子を発現する細胞が外因性FGE核酸分子を発現する、請求項48記載の方法。
【請求項50】
FGE核酸分子を発現する細胞が内因性FGE核酸分子を発現する、請求項48記載の方法。
【請求項51】
対象におけるCα-ホルミルグリシン生成活性を高めるための方法であって、
本発明の単離されたFGE核酸分子またはその発現産物を、対象に対して、対象におけるCα-ホルミルグリシン生成活性を高めるために有効な量で投与する段階を含む方法。
【請求項52】
多重スルファターゼ欠損症を有する対象を治療するための方法であって、
このような治療を必要とする対象に対して、Cα-ホルミルグリシン生成活性を調節する作用因子を、対象におけるCα-ホルミルグリシン生成活性を高めるために有効な量で投与する段階を含む方法。
【請求項53】
Cα-ホルミルグリシン生成活性を調節する作用因子が、請求項1〜8記載のセンス核酸、またはSEQ ID NO:1、3、4、45、47、49、51、53、55、57、59、61、63、65、67、69、71、73、75、77および80〜87からなる群より選択される配列を有するFGE核酸分子である、請求項52記載の方法。
【請求項54】
Cα-ホルミルグリシン生成活性を調節する作用因子が、請求項11〜15、19、20記載の単離されたポリペプチド、またはSEQ ID NO:2、5、46、48、50、52、54、56、58、60、62、64、66、68、70、72、74、76および78からなる群より選択される配列を有するペプチドである、請求項52記載の方法。
【請求項55】
細胞におけるCα-ホルミルグリシン生成活性を高めるための方法であって、
細胞を、細胞におけるCα-ホルミルグリシン生成活性を高めるために有効な量にある、請求項1記載の単離された核酸分子またはその発現産物と接触させる段階を含む方法。
【請求項56】
以下のものを含む薬学的組成物:
多重スルファターゼ欠損症を治療するための薬学的有効量にある、請求項1〜8のいずれか一項記載の単離された核酸分子、SEQ ID NO:1、3、4、45、47、49、51、53、55、57、59、61、63、65、67、69、71、73、75、77および80〜87からなる群より選択される配列を有するFGE核酸分子、またはその発現産物;ならびに
薬学的に許容される担体。
【請求項57】
多重スルファターゼ欠損症の治療に有用な作用因子候補を同定するための方法であって、
細胞または組織における核酸分子のセットの発現を、作用因子候補の非存在下において、核酸分子のセットの第1の量の発現が許容される条件下で判定する段階であって、核酸分子のセットが、
(a)SEQ ID NO:1記載のヌクレオチド配列からなる群より選択される分子とストリンジェントな条件下でハイブリダイズし、かつCα-ホルミルグリシン生成活性(FGE)を有するポリペプチドをコードする、核酸分子、
(b)遺伝暗号の縮重性のために(a)または(b)の核酸分子とはコドン配列が異なる核酸分子、
(c)SEQ ID NO:1、3、4、45、47、49、51、53、55、57、59、61、63、65、67、69、71、73、75、77および80〜87からなる群より選択される配列を有する核酸分子、ならびに
(d)(a)または(b)または(c)の相補物、からなる群より選択される少なくとも1つの核酸分子を含む段階;
細胞または組織を作用因子候補と接触させる段階;ならびに
核酸分子のセットの発現の試験量(test amount)を検出する段階
を含み、
作用因子候補の存在下での発現の試験量が発現の第1の量に比して大きいことにより、作用因子候補が多重スルファターゼ欠損症の治療に有用であることが示される、方法。
【請求項58】
固体基質に対して固定された、核酸分子、それらの発現産物、またはそれらの断片のセットから本質的になる固相核酸分子アレイであって、それぞれの核酸分子が、SEQ ID NO:2、5、46、48、50、52、54、56、58、60、62、64、66、68、70、72、74、76および78、イズロン酸2-スルファターゼ、スルファミダーゼ、N-アセチルガラクトサミン6-スルファターゼ、N-アセチルグルコサミン6-スルファターゼ、アリールスルファターゼA、アリールスルファターゼB、アリールスルファターゼC、アリールスルファターゼD、アリールスルファターゼE、アリールスルファターゼF、アリールスルファターゼG、HSulf-1、HSulf-2、HSulf-3、HSulf-4、HSulf-5およびHSulf-6からなる群より選択されるポリペプチドをコードする、固相核酸分子アレイ。
【請求項59】
少なくとも1つの対照核酸分子をさらに含む、請求項58記載の固相核酸分子アレイ。
【請求項60】
核酸分子のセットが、SEQ ID NO:2、5、46、48、50、52、54、56、58、60、62、64、66、68、70、72、74、76および78、イズロン酸2-スルファターゼ、スルファミダーゼ、N-アセチルガラクトサミン6-スルファターゼ、N-アセチルグルコサミン6-スルファターゼ、アリールスルファターゼA、アリールスルファターゼB、アリールスルファターゼC、アリールスルファターゼD、アリールスルファターゼE、アリールスルファターゼF、アリールスルファターゼG、HSulf-1、HSulf-2、HSulf-3、HSulf-4、HSulf-5およびHSulf-6からなる群より選択されるポリペプチドをコードする少なくとも1つの核酸分子を含む、請求項58記載の固相核酸分子アレイ。
【請求項61】
核酸分子のセットが少なくとも2つの核酸分子を含み、それぞれの核酸分子が、SEQ ID NO:2、5、46、48、50、52、54、56、58、60、62、64、66、68、70、72、74、76および78、イズロン酸2-スルファターゼ、スルファミダーゼ、N-アセチルガラクトサミン6-スルファターゼ、N-アセチルグルコサミン6-スルファターゼ、アリールスルファターゼA、アリールスルファターゼB、アリールスルファターゼC、アリールスルファターゼD、アリールスルファターゼB、アリールスルファターゼF、アリールスルファターゼG、HSulf-1、HSulf-2、HSulf-3、HSulf-4、HSulf-5およびHSulf-6からなる群より選択されるポリペプチドをコードする、請求項58記載の固相核酸分子アレイ。
【請求項62】
細胞におけるスルファターゼ活性を高めるための方法であって、
スルファターゼを発現する細胞を、細胞におけるスルファターゼ活性を高めるために有効な量にある、請求項1〜8記載の単離された核酸分子、またはSEQ ID NO:1、3、4、45、47、49、51、53、55、57、59、61、63、65、67、69、71、73、75、77および80〜87からなる群より選択される配列を有する核酸分子、またはその発現産物と接触させる段階を含む方法。
【請求項63】
細胞が内因性スルファターゼを発現する、請求項62記載の方法。
【請求項64】
細胞が外因性スルファターゼを発現する、請求項62記載の方法。
【請求項65】
内因性スルファターゼが活性化される、請求項63記載の方法。
【請求項66】
スルファターゼが、イズロン酸2-スルファターゼ、スルファミダーゼ、N-アセチルガラクトサミン6-スルファターゼ、N-アセチルグルコサミン6-スルファターゼ、アリールスルファターゼA、アリールスルファターゼB、アリールスルファターゼC、アリールスルファターゼD、アリールスルファターゼE、アリールスルファターゼF、アリールスルファターゼG、HSulf1、HSulf-2、HSulf-3、HSulf-4、HSulf-5およびHSulf-6からなる群より選択される、請求項62〜66のいずれか一項記載の方法。
【請求項67】
細胞が哺乳動物細胞である、請求項62記載の方法。
【請求項68】
スルファターゼ欠損症を治療するための薬学的有効量にある、細胞によって産生されたスルファターゼ;および
薬学的に許容される担体
を含む薬学的組成物であって、
細胞が、請求項1〜8記載の単離された核酸分子、またはSEQ ID NO:1、3、4、45、47、49、51、67、69、71、73、75、77および80〜87)からなる群より選択される配列を有する核酸分子、またはその発現産物を含む作用因子と接触させられている、薬学的組成物。
【請求項69】
SEQ ID NO:2に少なくとも1つの差異(variation)を含むアミノ酸配列を含み、この少なくとも1つの差異に:Met1Arg;Met1Val;Ser155Pro;Cys218Tyr;Ala279Val;Arg327Stop;Cys336Arg;Arg345Cys;Arg349Trp;Arg349Trp;Arg349Gln;Ser359Stop;またはそれらの組み合わせが含まれる、バリアント型FGEポリペプチドをコードする、ヒトFGE遺伝子の単離されたバリアント型アレル。
【請求項70】
SEQ ID NO:2に少なくとも1つの差異を含むアミノ酸配列を含み、この少なくとも1つの差異に:Met1Arg;Met1Val;Ser155Pro;Cys218Tyr;Ala279Val;Arg327Stop;Cys336Arg;Arg345Cys;Arg349Trp;Arg349Trp;Arg349Gln;Ser359Stop;またはそれらの組み合わせが含まれる、単離されたバリアント型ヒトFGEポリペプチド。
【請求項71】
請求項69記載のバリアント型ヒトFGEポリペプチドを免疫原として有する抗体。
【請求項72】
ポリクローナル抗体である、請求項71記載の抗体。
【請求項73】
モノクローナル抗体である、請求項71記載の抗体。
【請求項74】
キメラ抗体である、請求項71記載の抗体。
【請求項75】
検出可能なように標識されている、請求項71記載の抗体。
【請求項76】
検出可能な標識が、放射性元素、蛍光を発する化学物質、または酵素を含む、請求項75記載の抗体。
【請求項77】
細胞によって産生されるスルファターゼ全体に対する活性型スルファターゼの比が上昇しているスルファターゼ産生細胞であって、
(i)発現が高度化しているスルファターゼ;および
(ii)発現が高度化しているホルミルグリシン生成酵素
を含み、
細胞によって産生されるスルファターゼ全体に対する活性型スルファターゼの比が、ホルミルグリシン生成酵素の非存在下で細胞によって産生されるスルファターゼ全体に対する活性型スルファターゼの比よりも少なくとも5%上昇している細胞。
【請求項78】
細胞によって産生されるスルファターゼ全体に対する活性型スルファターゼの比が、ホルミルグリシン生成酵素の非存在下で細胞によって産生されるスルファターゼ全体に対する活性型スルファターゼの比よりも少なくとも10%上昇している、請求項77記載の方法。
【請求項79】
細胞によって産生されるスルファターゼ全体に対する活性型スルファターゼの比が、ホルミルグリシン生成酵素の非存在下で細胞によって産生されるスルファターゼ全体に対する活性型スルファターゼの比よりも少なくとも20%上昇している、請求項77記載の方法。
【請求項80】
細胞によって産生されるスルファターゼ全体に対する活性型スルファターゼの比が、ホルミルグリシン生成酵素の非存在下で細胞によって産生されるスルファターゼ全体に対する活性型スルファターゼの比よりも少なくとも50%上昇している、請求項77記載の方法。
【請求項81】
細胞によって産生されるスルファターゼ全体に対する活性型スルファターゼの比が、ホルミルグリシン生成酵素の非存在下で細胞によって産生されるスルファターゼ全体に対する活性型スルファターゼの比よりも少なくとも100%上昇している、請求項77記載の方法。
【請求項82】
スルファターゼ欠損症を治療するためにスルファターゼをこのような治療を必要とする対象に対して投与することにより、スルファターゼを用いてスルファターゼ欠損症を治療するための方法であって、その改良点が、対象に対して、スルファターゼの比活性を上昇させるために有効な量にあるホルミルグリシン生成酵素と接触させたスルファターゼを投与する段階を含む、方法。
【請求項83】
スルファターゼが、イズロン酸2-スルファターゼ、スルファミダーゼ、N-アセチルガラクトサミン6-スルファターゼ、N-アセチルグルコサミン6-スルファターゼ、アリールスルファターゼA、アリールスルファターゼB、アリールスルファターゼC、アリールスルファターゼD、アリールスルファターゼE、アリールスルファターゼF、アリールスルファターゼG、HSulf-1、HSulf-2、HSulf-3、HSulf-4、HSulf-5およびHSulf-6からなる群より選択される、請求項82記載の方法。
【請求項84】
ホルミルグリシン生成酵素が、請求項1〜8記載の核酸分子、またはSEQ ID NO:1、3、4、45、47、49、51、53、55、57、59、61、63、65、67、69、71、73、75、77および80〜87からなる群より選択される配列を有する核酸によってコードされる、請求項82記載の方法。
【請求項85】
ホルミルグリシン生成酵素が、請求項11〜15、19、20記載のペプチド、またはSEQ ID NO:2、5、46、48、50、52、54、56、58、60、62、64、66、68、70、72、74、76および78からなる群より選択される配列を有するペプチドである、請求項82記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公表番号】特表2006−517412(P2006−517412A)
【公表日】平成18年7月27日(2006.7.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−503413(P2006−503413)
【出願日】平成16年2月10日(2004.2.10)
【国際出願番号】PCT/US2004/003632
【国際公開番号】WO2004/072275
【国際公開日】平成16年8月26日(2004.8.26)
【出願人】(504396117)トランスカリヨティック セラピーズ インコーポレーテッド (4)
【Fターム(参考)】