多重化装置、多重化装置用稼働状態表示方法、及び稼働状態表示用制御プログラム
【課題】本発明は、各機器にエラーが発生した場合の信頼性向上を図った多重化装置を提供する。
【解決手段】多重化装置1は、複数の電子機器10、20、各電子機器の稼働状態を表示する機器用表示部53、63、各電子機器が備えている機器制御部11A、21Aの相互間を接続するバス部70を含む。一の電子機器10は、他の一の電子機器20の稼働状態を監視する他電子機器用監視部11B、監視結果に応じて表示発光する他電子機器用表示発光源12、各部の動作を制御する機器制御部11Aを備える。他電子機器用表示発光源12の出力光を他の一の電子機器の機器用表示部53に向けて案内伝達する他電子機器用光伝達部52を設ける。
【解決手段】多重化装置1は、複数の電子機器10、20、各電子機器の稼働状態を表示する機器用表示部53、63、各電子機器が備えている機器制御部11A、21Aの相互間を接続するバス部70を含む。一の電子機器10は、他の一の電子機器20の稼働状態を監視する他電子機器用監視部11B、監視結果に応じて表示発光する他電子機器用表示発光源12、各部の動作を制御する機器制御部11Aを備える。他電子機器用表示発光源12の出力光を他の一の電子機器の機器用表示部53に向けて案内伝達する他電子機器用光伝達部52を設ける。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子機器にかかる多重化装置に関し、特に、ストレージ、サーバ等の電子機器の増設を意図してなされる多重化装置、多重化装置用稼働状態表示方法、及び稼働状態表示用制御プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
複数のストレージ等の電子機器を多重化してなる多重化装置の関連技術の例として、例えば特許文献1などが挙げられる。
この特許文献1における多重化装置では、複数のディスク装置を備えたRAID(Redundant Arrays of Inexpensive Disks)構成の例が示されている。RAIDは、ホスト計算機と同一の筐体に格納したり、ホスト計算機とは別のディスク筐体に格納したりして構成されている。
【0003】
このRAIDは、故障したディスク装置を交換するに際しては、ホスト計算機やRAID装置の電源を切らずに交換する活線挿抜を行うことが多い。このため、ディスク筐体には、故障したディスク装置はどれか、RAIDとして組み込まれているディスク装置はどれか、などをオペレータに視角的に知らせるためのLED等による表示手段、或いはオペレータにより故障ディスク装置が抜かれた場合に新しいディスク装置が挿入されたことを検出するための手段が設けられている。
【0004】
また、ディスク筐体の故障は多くの場合、RAIDシステムそのものの停止につながるので、これを避けるため、筐体内部の電源や冷却用のファン(fan)などが故障したことを検出する手段や、筐体内部の温度を監視する手段等が設けられている。
【0005】
更にこの特許文献1では、ホストに搭載したRAID制御手段に筐体管理手段が設けられ、更にディスク筐体には筐体管理手段とディスク抑止手段が設けられ、RAID制御手段とディスク筐体とディスク装置とのデータ転送のためのディスクI/Fバスとは筐体管理バスで接続し、ディスク抑止手段でディスク筐体内のディスク装置を部分的に抑止しながら搭載されているディスク装置を特定してその固有なIDをディスク筐体に登録することで、以後は当該固有IDでディスク装置毎のLED(表示手段)を点灯制御する構成が開示されている。
【0006】
又、上記表示手段は、故障したディスク装置を識別できるようにしたり、RAIDを構築するために使用されているディスク装置を識別できるようにしたり、ディスク装置の故障によって失ったデータを再現している途中であることを識別できるようにしたり、電源や、ファン、温度等、ディスク筐体体内部に異常が発生していることを識別できるようにするもので、多くは、LED等の素子により実現し、筐体管理手段が表示手段を制御するように構成されている。
【特許文献1】特開平9−330184号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、上述した多重化装置ににおける表示機構では、多重化を構成する一の機器において部品故障が発生した場合に故障側の一の機器に対応するランプ等でエラー表示を試みるように構成されている。このため、故障側の一の機器における電気回路が全く動作しない状況にあっては、当該故障側機器がフリーズし、故障側のランプ表示は必ずしも正しくなく、「正常動作」表示のままフリーズしている場合が時には発生する。同時に、故障状態にあるにもかかわらず「正常動作」を表示し、表示機構のランプ表示が信頼できないという事態が生じる。
【0008】
このような、前記ランプ表示に異変が発生すると、多重化装置を構成する一の電子機器に対応する一のランプと他の電子機器に対応する他のランプとの双方が、「正常動作」を表示し、故障箇所の特定ができないという不都合があった。
また、故障箇所が特定できないため、故障部品を交換する際には、他の機器の正常動作中の部品までも停止させ、システム全体を停止させなければ成らない場合も時には生じていた。
【0009】
本発明の目的は、上述した関連技術の不都合を改善することにあり、多重化装置における各機器にエラーが発生した場合にそのエラー表示を有効に且つ確実に成し得ると共にこれにより当該各機器のエラー表示に際しての信頼性向上を図った多重化装置、多重化装置用稼働状態表示方法、及び稼働状態表示制御プログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するため、本発明にかかる多重化装置では、複数の各電子機器と、この各電子機器に装備され当該各電子機器の稼働状態を表示する機器用表示部と、前記各電子機器が備えている機器制御部の相互間を接続するバス部とを含み、このバス部を介して前記各電子機器が多重化されて成る多重化装置であって、前記複数の電子機器の内の一の電子機器は、他の一の電子機器の稼働状態を監視する他電子機器用監視部と、この他電子機器用監視部での監視結果に応じて表示発光する他電子機器用表示発光源と、これら各部の動作を制御する機器制御部とをそれぞれ備え、前記一の電子機器が備えている他電子機器用表示発光源の出力光を前記他の一の電子機器の機器用表示部に向けて案内伝達する他電子機器用光伝達部を、前記一の電子機器と前記他の一の電子機器との相互間に設けたことを特徴としている。
【0011】
又、上記目的を達成するため、本発明にかかる多重化装置用稼働状態表示方法は、一方と他方からなる複数の電子機器と前記各電子機器に対応して設けられ前記各電子機器の稼働状態を各々表示する各表示部と前記各電子機器が備えている各機器制御部相互間を接続するバス部とを含むと共に当該バス部により前記各電子機器を多重化してなる多重化装置における、前記各電子機器の停止有無の稼働状態を表示するための多重化装置用稼働状態表示方法であって、前記複数の機器の内の一方の電子機器における機器制御部が前記他方の電子機器における機器制御部を監視し、続いて、前記一方の電子機器における機器制御部が前記他方の電子機器における機器制御部の停止を検出した場合に前記一方の電子機器が備えている他電子機器用表示発光源から所定の表示用光信号を出力し、しかる後、前記一方の電子機器における前記他電子機器表示発光源からの表示用光信号を光伝達部を介して前記他方の電子機器に対応する前記表示部に向けて案内伝達する、という手順を採っていることを特徴とする。
【0012】
更に、上記目的を達成するため、本発明にかかる稼働状態表示用制御プログラムでは、一方と他方からなる複数の電子機器と、前記各電子機器に対応して設けられ当該各電子機器の稼働状態を各々個別に表示する表示部と、前記各電子機器が備えている各機器制御部相互間を接続するバス部とを備え、且つ前記バス部により前記各電子機器が多重化されてなる多重化装置に、予め装備された制御用のコンピュータに対して、諸機能の実現を設定する稼働状態表示用制御プログラムであって、前述した一方と他方からなる複数の電子機器のうち一方の電子機器における機器制御部が前記他方の電子機器における機器制御部を監視する監視機能と、前記一方の電子機器の機器制御部が前記他方の電子機器の機器制御部の停止を検出すると直ちに作動して前記一方の電子機器に予め装備された他電子機器用表示発光源から所定の光信号を出力させる光出力制御機能と、を前記コンピュータに実現させ、これにより、前記一方の電子機器における前記他方の電子機器用表示発光源からの光を光伝達部を介して前記他方の電子機器に対応する表示部に向けて案内伝達させるようにしたことを特徴としている。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、一方の電子機器における故障停止が発生しても他方の電子機器がこれを検知して前記一方の電子機器の表示部を駆動表示するようにしたので、多重化装置における各電子機器のエラー表示等に際しては当該表示における信頼性が著しく向上し、各電子機器の内の故障箇所などの正確な特定ができるという従来にない優れた多重化装置、多重化装置用状態表示方法、及び状態表示制御プログラムを提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
〔第1の実施の形態〕
(基本的構成)
先ず、本第1実施形態における多重化装置の基本的構成を図1乃至図2に基づいて説明する。
この実施形態における多重化装置1は、複数の電子機器10,20と、この各電子機器10,20に装備され当該各電子機器10,20の稼働状態を表示する機器用表示部63,53と、前記各電子機器10,20が備えている機器制御部11A,21Aの相互間を接続するシステムバス等のバス部70とを備え、このバス部70を介して前記各電子機器10,20が多重化された構成となっている。
【0015】
この複数の電子機器10,20の内の一の電子機器10は、他の一の電子機器20の稼働状態を監視する他電子機器用監視部(第2機器用監視部)11Bと、この他電子機器用監視部11Bでの監視結果に応じて表示発光する他電子機器用表示発光源(第2機器用異常表示灯)12と、これら各部の動作を制御する機器制御部(第1機器制御部)11Aとを、それぞれ備えている。
【0016】
そして、図2に示すように、前述した一の電子機器10と他の一の電子機器20との相互間には、前記一の電子機器10が備えている他電子機器用表示発光源(第2機器用異常表示灯)12の出力光を他の一の電子機器20の第2機器用表示部53に向けて案内伝達する他電子機器用光伝達部(第2機器用光伝達部)52が装備されている。
【0017】
又、前述した複数の電子機器10,20の内の他の一の電子機器20は、前記一の電子機器10の稼働状態を監視する他電子器用監視部(第1機器用監視部)21Bと、この他電子器用監視部21Bでの監視結果に応じて表示発光する他電子器用表示発光源(第1機器用異常表示灯)22と、これら各部の動作を制御する機器制御部(第2機器制御部)21Aとを備えている。
そして、図4に示すように、前述した他の一の電子機器20が備えている他電子器用表示発光源(第1機器用異常表示灯)22の出力光を前記一の電子機器10が備えている第1機器用表示部63に向けて案内伝達する他電子機器用光伝達部(第1機器用光伝達部)62が、前記他方の電子機器20と前記一方の電子機器10との相互間に設けられている。
【0018】
ここで、上述した基本的構成は、二以上の複数の電子機器を前提としてその内の対応関係にある二つの電子機器について説明したが、この複数の電子機器を一方と他方の二つの電子機器で構成し、前記一の電子機器を前記一方の電子機器(又は第1の電子機器)10とし、前記他の一の電子機器を前記他方の電子機器(又は第2の電子機器)20としてもよい。
【0019】
そして、このような場合、本第1実施形態にあって、第2機器制御部21Aの停止を第1機器制御部11Aの第2機器用監視部11Bで検知した場合、一方の電子機器10と他方の電子機器20とを光接続する第2機器用光伝達部52を介して、他方(第2)の電子機器20側の第2機器用表示部53にLED等のランプ点灯(若しくは点滅)が成され、当該他方の電子機器(第2の電子機器)20が故障で動作不能となっているにもかかわらず、当該他方の電子機器(第2の電子機器)20側のパネル面(表示面)に正確に故障表示される。
【0020】
これにより、本実施形態の多重化装置にあっては、多重化装置(冗長化装置)における部品故障時の故障表示をより正確に行い、故障切り分けを短時間に且つ正確に行うことが可能となり、かかる点において上記多重化装置の信頼性が向上し、同時に故障切り分けの迅速処理が可能となることから稼働率をより一層向上させることができる。
【0021】
この場合、前述した機器用光伝達部52,62として、プリズム状ミラーによる光接続やループ状光経路による光接続などを組み合わせることにより、表示信頼性の向上を図りながら補修部品の一元化が可能となる。
【0022】
以下、これを更に具体的に説明する。
図1乃至図4において、本実施の形態の多重化装置1は、上下方向に積層され下方側に配置された一方の電子機器10(第1の電子機器:OBJECT A)と、上方側に配置された他方の電子機器20(第2の電子機器:OBJECT B)とを備えている。また、この多重化装置1は、一方の電子機器10と同層に設けられ当該一方の電子機器10の状態を表示する第1機器用表示部63(第1異常表示部:FAULT A)と、他方の電子機器20と同層に設けられ当該他方の電子機器20の状態を表示する第2機器用表示部53(第2異常表示部:FAULT B)とを備えている。
【0023】
更に、この多重化装置1は、前述したように、一方の電子機器10内に装備され当該一方の電子機器10内の第2機器用監視部11B及び他電子器用表示発光源(第2機器用異常表示灯)12の動作を制御する第1機器制御部11Aと、前述した他方の電子機器20内に装備され当該他方の電子機器20内の第1機器用監視部21B及び他電子器用表示発光源(第1機器用異常表示灯)22の動作を制御する第2機器制御部21Aと、これら各機器制御部11A,21Aの相互間を接続しこれにより前記一方と他方の各電子機器10,20の多重化(又は冗長化)を可能としたバス部70とを備えている。
【0024】
この多重化装置1では、一方の電子機器10及び他方の電子機器20をバス部70に接続することにより、この一方と他方の電子機器10,20を多重化(又は冗長化)した状態に構成した。そして、多重化装置(又は冗長化装置)1においては、一方の電子機器10の状態を当該一方の電子機器10と同層に配置された第1機器用表示部63に表示し、他方の電子機器20の状態を当該他方の電子機器20と同層に配置された第2機器用表示部53に表示するようにした。
【0025】
一方の電子機器(第1の電子機器)10は、自機器の第1機器制御部11Aに、他方の電子機器(第2の電子機器)20の第2機器制御部21Aの状態を監視する他電子機器用監視部(第2機器用監視部)11Bと、この第2機器用監視部11Bでの監視結果に応じて表示発光する第2機器用表示発光源(第2機器用異常表示灯)12とを備えて構成されている。
【0026】
又、前述したように、他方の電子機器(第2の電子機器)20は、自機器の第2機器制御部21Aに、前記一方の電子機器(第1の電子機器)10の第1機器制御部11Aの状態を監視する他電子機器用監視部(第1機器用監視部)21Bと、この第1機器用監視部21Bでの監視結果に応じて表示発光する第1機器用表示発光源(第1機器用異常表示灯)22とを備えて構成されている。
【0027】
ここで、図1は他方の電子機器20における第2制御部21Aが故障した際に右上から見た概念図であり、図2は上記図1の状態における右側面から見た概略構成図である。又、図3は一方の電子機器10における第1機器制御部11Aが故障した際に右上から見た概念図であり、図4は上記図3の状態における右側面から見た概略構成図である。
この図1及び図3においては、光経路を見やすくするために、「FAULT A」、「FAULT B」の部分を、左右分離して図示している。左右分離しない場合には、例えば図5に示すようになる。
【0028】
そして、多重化装置(又は冗長化装置)1は、図1及び図2に示すように、一方の電子機器10における第2機器用異常表示灯12(第2機器用表示発光源)からの光S1を他方の電子機器20に対応する第2機器用表示部53に向けて案内伝達する第2機器用光伝達部52を備えている。ここで、異常表示灯は故障表示灯としてもよい。
【0029】
更に、多重化装置(又は冗長化装置)1には、図3及び図4に示すように、他方の電子機器20における第1機器用異常表示灯22(第1機器用表示発光源)からの光S2を一方の電子機器10に対応する第1機器用表示部63に向けて案内伝達する第1機器用光伝達部62を更に備えている。
【0030】
ここで、一方の電子機器10は、第1機器制御部11Aのほか、第1機器制御部11にて制御される図示しない制御対象、及びその他の各部を含んでいてもよい。また、他方の電子機器20は、第2機器制御部21Aのほか、第2機器制御部21Aにて制御される図示しない制御対象、及びその他の各部を含んでよい。
【0031】
又、前述した第2機器用光伝達部52は、図2に示すように、第1の右プリズム状ミラー部52aと第1の右プリズム状ミラー部52bとを含んで構成される。プリズム状ミラー部は、プリズム(光伝達部材)の一面がミラー(光反射部)として機能するものを用いることができる。光反射部としては、プリズム状ミラーに限らず、種々の反射部材(ミラー)を用いることができる。
【0032】
同様に、前述した第1機器用光伝達部62は、図4に示すように、第1の左プリズム状ミラー部62aと第2の左プリズム状ミラー部62bとを含んで構成される。
そして、図1〜図2に示すように、第2機器用異常表示灯12からの光S1(右光経路)は、第1の右プリズム状ミラー部52aにて反射された後、さらに第2の右プリズム状ミラー部52bにて反射され、第2機器用表示部53(FAULT B)に至る。
【0033】
又、図3〜図4に示すように、第1機器用異常表示灯22からの光S2(左光経路)は、第1の左プリズム状ミラー部62aにて反射された後、さらに第2の左プリズム状ミラー部62bにて反射され、第1機器用表示部63(FAULT A)に至る。
【0034】
(動作の説明)
次に、上述した多重化装置1の動作を、図1乃至図8に基づいて説明する。
【0035】
先ず、一方の電子機器(第1の電子機器)10における他電子機器用監視部(第2機器用監視部)11Bは、バス部等のバス部70を経由して他方の電子機器(第2の電子機器)20における第2機器制御部21Aの稼働状態を、常時監視している(図6:ステップS101)。
【0036】
そして、この第2機器用監視部11Bが、バス部70を介して第2機器制御部21Aの停止を検知すると、前述した第1機器制御部11Aは、直ちに前述した第2機器用異常表示灯12を起動して、その出力光の点灯(若しくは点滅)動作制御を行う(図6:ステップS102)。
【0037】
続いて、一方の電子機器10の第2機器用異常表示灯12から発せられた光S1は、図1,図2の矢印で示す光経路に沿って進行し、第1の右プリズム状ミラー部52a及び第2の右プリズム状ミラー部52bを経由して他方の電子機器20側の第2機器用表示部53(FAULT B)から外部に向けて点灯出力される(図6:ステップS102)。
【0038】
又、他方の電子機器20における他電子機器用監視部(第1機器用監視部)21Bは、バス部等のバス部70を経由して一方の電子機器(第1の電子機器)10における第1制御部11Aの稼働状態を常時監視している(図6:ステップS104)。
【0039】
そして、この第1機器用監視部21Bが、バス部70を介して第1制御部11Aが停止したことを検知すると、前述した第2機器制御部21Aは、直ちに前述した第1機器用異常表示灯22を起動して、その出力光の点灯(若しくは点滅)動作制御を行う(図6:ステップS105)。
【0040】
続いて、他方の電子機器20の第1機器用異常表示灯22から発せられた光S2は、図3,図4の矢印で示す光経路に沿って進行し、左光経路の如く進行し、第1の左プリズム状ミラー部62aおよび第2の左プリズム状ミラー部62bを経由して一方の電子機器10側の第1機器用表示部63(FAULT A)から外部に向けて点灯出力される(図6:ステップS105)。
【0041】
ここで、本第1実施形態では、一方の電子機器10がストールしていても、他方の電子機器20から一方の電子機器10側の第1機器用異常表示灯をバス部70を用いることなく点灯(若しくは点滅)させることが可能に構成されている。
逆に、他方の電子機器20がストールしていた場合にあっても、一方の電子機器10から他方の電子機器20側の第2機器用異常表示灯をバス部70を用いることなく点灯(若しくは点滅)させることが可能に構成されている。
【0042】
以下、これを更に詳述する。
(全体の動作)
図6において、まず、一方の電子機器10の第1機器制御部11Aは、第2機器用監視部11Bを介して他方の電子機器20の第2機器制御部21Aの稼働状態を監視し、当該第2機器制御部21Aが停止したか否かを監視する(ステップS101:第2機器状態監視ステップ,第2機器状態監視機能)。
【0043】
このステップS101の第2機器状態監視ステップにおいて、第2機器用監視部11Bが第2機器制御部21Aの停止を検出しない場合には、当該第2機器用監視部11Bは第2機器用異常表示灯(第2機器用表示発光源)の動作の停止状態を維持する(ステップS103:第2機器用表示発光源の光出力停止ステップ、第2機器用光出力停止制御機能)。
この場合、第1機器制御部11Aは第2機器用異常表示灯(第2機器用表示発光源)の動作制御に際しては、例えば緑色点灯など表示色が変更するように制御を行ってもよい(第2機器用発光色変更制御ステップ,第2機器用発光色変更制御機能)。
【0044】
前記ステップS101の第2機器用状態監視ステップS101において、第1機器用監視部11Bが、第2機器制御部21Aの停止状態を検出した場合には、前記第1の電子機器における第1機器制御部11Aは、第2機器用監視部11Bを介して第2機器用異常表示灯(第2機器用表示発光源)12を稼働させ、異常(故障)である旨の光を出力する(第2機器用表示光出力ステップ,第2機器用表示光出力制御機能)。
【0045】
続いて、第2機器用異常表示灯(第2機器用表示発光源)12から光が出力されると、当該出力光を第2機器用光伝達部52を介して他方の電子機器20に対応する第2機器用表示部53に向けて案内伝達し、これにより第2機器用表示部53から所定の光が出力され、他方の電子機器20に異常が発生したことが外部に表示される(ステップS102:第2機器用光伝達ステップ,第2機器用光伝達機能)。
【0046】
次に、他方の電子機器20の第1機器用監視部21Bが前述した一方の電子機器10の第1機器制御部11Aの稼働状態を監視し、他方の電子機器20における第2機器制御部21Aにて、前述した一方の電子機器における第1機器制御部11Aが稼働停止したか否かを監視する(ステップS104:第1機器状態監視ステップ,第1機器状態監視機能)。即ち、他方の電子機器20から前記一方の電子機器10の第1機器制御部が稼働停止したか否か監視する。
【0047】
このステップS104の一方の電子機器状態監視ステップにおいて、他方の電子機器20の第1機器用監視部21Bが第1機器制御部11Aの稼働停止を検出しない場合には、当該第1機器用監視部21Bは第1機器用異常表示灯(第1機器用表示発光源)22の動作停止状態を維持する(ステップS106:第1機器用光出力停止ステップ、第1機器用光出力停止制御機能)。
【0048】
この場合、第2機器制御部21Aは第1機器用異常表示灯(第1機器用表示発光源)22の動作制御に際しては、例えば緑色点灯など表示色が変更するように制御を行ってもよい(第2機器用発光色変更制御ステップ,第2機器用発光色変更制御機能)。
【0049】
或いは、第2制御監視部が第1異常表示灯(第1の第1機器用表示発光源)22の動作において、例えば緑色点灯など表示色が変更する制御を行ってもよい(第1機器用表示発光色変更制御ステップ,第1機器用表示発光色変更制御機能)。
【0050】
一方、前記ステップS104の第1機器用状態監視ステップにおいて、第1機器用監視部21Bが、第1機器制御部11Aの停止状態を検出した場合には、前記第2の電子機器20における第2機器制御部21Aは、第2機器用監視部21Bを介して第1機器用異常表示灯(第2機器用表示発光源)22を稼働させ、異常(故障)である旨の光を出力する(第1機器用表示光出力ステップ,第1機器用表示光出力制御機能)。この場合、例えば、第1機器用異常表示灯(第2機器用表示発光源)22が点灯又は点滅の動作を行うように前記第1機器用監視部21Bによって制御される。
【0051】
続いて、第1機器用異常表示灯(第2機器用表示発光源)22から光が出力されると、当該出力光は第1機器用光伝達部を介して、一方の電子機器10に対応する第1機器用表示部63に向けて案内伝達され、これにより、第1機器用表示部63から一方の電子機器10側から光が外部に向けて出力表示される(ステップS105:第1機器用光伝達ステップ,第1機器用光伝達機能)。
【0052】
このように、上記第1の実施形態にあっては、二重化構成の多重化装置1における各電子機器10,20の機器用監視部が、それぞれ正常な一方の電子機器1又は2が隣接する他の電子機器2又は1を常時監視し、異常状態の発生に際しては正常な電子機器側でこれを捕捉して異常な電子機器の表示部に当該電子機器が異常である旨、点灯表示するように構成した。
【0053】
このため、多重化装置(冗長化装置)1における部品故障時の故障表示がより正確に行われることとなり、故障切り分けを短時間に且つ正確に行うことが可能となり、かかる点において上記多重化装置1の信頼性が向上し、同時に故障切り分けの迅速処理が可能となることから稼働率をより一層向上させることができる。
【0054】
この場合、前述した機器用光伝達部52,62として、プリズム状ミラーによる光接続やループ状光経路による光接続などを組み合わせることにより、表示信頼性の向上を図りながら且つ補修部品の一元化が可能となり、更に、三重化以上の構成にも対応可能となり、各部品以外の箇所でランプなどによる故障表示をさせることも可能となるという利点がある。
【0055】
図7乃至図8には、上述した一方と他方の各の電子機器1,2における第1機器制御部11A又は第2機器制御部21Aの個別動作のフローチャートを示す。この各動作の内容は、前述した全体の動作説明(図6参照)に開示した内容と同一となっている。
一方、この場合、上述した第1実施例では、第1機器制御部11Aの動作後に第2機器制御部21Aの動作が実行される構成としたが、ここでは、例えば第1機器制御部11Aと第2機器制御部21Aとを個別に、そしてほぼ同時に作動させてもよい。
このようにすると、相互チェックの時間を短縮することができ、保守に際しての作業能率の向上を図ることができ、全体的な作業能率を著しく改善することができるという利点がある。
【0056】
以上のように、本第1実施形態によると、多重化装置における安定した動作状態表示を得ることができ、多重化装置において故障箇所切り分け時間の短縮化を図ることができ、更に、多重化装置において作業ミス防止効果によるシステム全体の安定動作を実現することが可能となる。
【0057】
又、多重化装置1にあって、正常な電子機器側からバス部70を介する電気的信号により故障側にランプ表示させる状態表示システムと比較すると、システムバス等のバス部70の構成が小さくなり信頼性向上の効果も期待できる。
【0058】
ここで、前述した動作説明における各ステップについては、その実行内容をコンピュータによる処理可能にプログラム化し、このソフトウエアプログラム(制御プログラム)を各電子機器が有するコンピュータに実行させるように構成するようにしてもよい。
さらには、システム全体の処理にあっては、各電子機器を多重化するための多重化装置を制御する多重化装置制御ソフトウエア(OS)が前記プログラムを実行する場合であってもよい。あるいは、別途全体制御用コンピュータにより実行する場合であってもよい。
【0059】
[第2の実施形態]
次に、本発明にかかる第2の実施の形態を、図9乃至図11に基づいて説明する。
ここで、前述した第1の実施形態の場合と同一の構成については同一の符号を用いるものとする。
【0060】
本第2の実施形態における多重化装置100では、図9に示すように、第1の電子機器(一方の電子機器)110側に、複数の表示部、即ち、第1機器用異常表示部163と、第1自己監視異常表示部164と、第1メジャーエラー表示部165と、第1マイナーエラー表示部166と、第1実行表示部167と、第1動作可表示部168と、が設けられて構成されている。
【0061】
また、上記多重化装置100では、図9に示すように、第2の電子機器(他方の電子機器)120側にも、前述した第1の電子機器(一方の電子機器)110側と同等の、第2異常表示部153と、第2自己監視異常表示部154と、第2メジャーエラー表示部155と、第2マイナーエラー表示部156と、第2実行表示部157と、第2動作可表示部158と、が設けられている。
【0062】
このような図9に示す多重化装置100において、各表示部と前述した第1実施形態における各構成要素とを組み合わせることにより、次のように、更に細かい状態表示を行うことが可能となる。
【0063】
即ち、この図9に示す多重化装置100では、図11に示すように、第1の電子機器110には、前述した第1実施形態の場合と同様に第2の電子機器120の稼働状態を監視すると共に前述した各表示部の表示動作を個別に駆動する第2機器用監視部111Bと、この第2機器用監視部111Bの動作を制御する第1機器制御部111Aとを備えている。
【0064】
そして、この第2機器用監視部111Bは、第1機器制御部111Aに付勢されて作動し、第2機器用異常表示灯112と、第1自己監視異常表示灯114と、第1メジャーエラー表示灯115と、第1マイナーエラー表示灯116と、第1実行表示灯117と、第1動作可表示灯118とをそれぞれ点灯(若しくは点滅)駆動することで、第2異常表示部153(FAULT B)と、第1自己監視異常表示部164と、第1メジャーエラー表示部165と、第1マイナーエラー表示部166と、第1実行表示部167と、第1動作可表示部168との各部の表示が実行されるようになっている。
【0065】
ここで、上記第2機器用監視部111Bは、第1機器制御部111Aに付勢されて本第2実施形態では各表示灯の点灯(若しくは点滅)制御を一括して行う構成したが、或いは各部の点灯(若しくは点滅)制御を各々独立して行うように構成してもよい。
【0066】
又、上記多重化装置100では、図10に示すように、第2の電子機器120には、前述した第1実施形態の場合と同様に第1の電子機器110の稼働状態を監視すると共に、前述した各表示部の表示動作を個別に駆動する第1機器用監視部121Bと、この第1機器用監視部121Bの動作を制御する第2機器制御部121Aとを備えている。
【0067】
そして、上記第1機器用監視部121Bが、第2機器制御部121Aに付勢されて作動し、第1機器用異常表示灯122と、第2自己監視異常表示灯124と、第2メジャーエラー表示灯125と、第2マイナーエラー表示灯126と、第2実行表示灯127と、第2動作可表示灯128とをそれぞれ点灯(若しくは点滅)駆動することで、第1異常表示部163(FAULT A)と、第2自己監視異常表示部154と、第2メジャーエラー表示部155と、第2マイナーエラー表示部156と、第2実行表示部157と、第2動作可表示部158との各部の表示が実行されるようになっている。
【0068】
ここで、上記第1機器用監視部121Bは、本第2実施形態では各部の点灯(若しくは点滅)制御を一括して行う構成したが、或いは各部の点灯(若しくは点滅)制御を各々独立して行うように構成してもよい。
【0069】
さらに、前述した第1実施形態と同様に、上記多重化装置100では、第1の電子機器110の故障をバス部170経由で検出した第2の電子機器120側の第2機器制御部121Aは、機器用監視部121Bを介して第1機器用異常表示灯122を点灯(若しくは点滅)制御する。
続いて、上記第1機器用異常表示灯122が発した光は、図示しない左プリズム状ミラーを経由して第1機器用異常表示部163から出力される。
【0070】
また、上記多重化装置100では、第2の電子機器120の故障をバス部170経由で検出した第1の電子機器110側の第1機器制御部111Aは、第2機器用監視部111Bを介して第2機器用異常表示灯112を点灯(若しくは点滅)制御する。
続いて、前記第2機器用異常表示灯112が発した光は、図示しない右プリズム状ミラーを経由して第2異常表示部153から出力される。
【0071】
その他の構成およびその動作は前述した第1実施形態と同様になっている。
本第2の実施形態は上述したように構成され動作するので、これによると、前述した第1実施形態の場合と同様の作用効果を奏しながらも、更に細かい状態表示を行うこともできるという利点がある。
【0072】
ここで、上述した各構成の動作内容及び各機能を、コンピュータが実行可能な内容にプログラム化し、これをコンピュータに実行させるように構成してもよい。
【0073】
[第3の実施形態]
次に、本発明にかかる多重化装置の第3の実施形態を図12に基づいて説明する。
ここで、図12は、本第3実施の形態における多重化装置の全体を示す概略構成を模式的に示す斜視図である。
【0074】
前述した第1実施の形態(図1〜図2参照)では、ランプ表示部分を各電子機器の前面側に設置する構成としたが、図12に示す本第3の実施形態では、ランプ表示部分を各電子機器210,220の側面に延設して設置した構成となっている。
即ち、第1,第2の複数の電子機器210,220の積層配置に際しては、前記第1,第2の各機器用表示部263,253が、前記電子機器210,220の積層方向と交差する方向の一側部に延設された位置で且つ正面に向けて設置されている。この場合、前記各光伝達部が、この配置状態に応じて構成されるようになっている。
【0075】
図12は、下側に位置する第1の電子機器210が故障した際に、その右上から見た図である。
この第3の実施形態における多重化装置200は、図12に示すように、第1の電子機器210と、第2機器用異常表示灯212と、光伝達部を構成するプリズム状ミラー部252a,252bと、第2機器用異常表示部253とを備えて構成されている。
【0076】
又、この多重化装置200は、前述した第1の電子機器210に積層された第2の電子機器220と、第1機器用異常表示灯222と、光伝達部を構成するプリズム状ミラー部262b,262aと、第1機器用異常表示部263と、システムバス等のバス部270とを備えて構成されている。その他の構成は前述した第1実施形態と同一となっている。
【0077】
次に、本第3の実施形態にかかる多重化装置200の動作を説明する。
先ず、多重化装置200では、第1の電子機器210の第2機器用監視部(不図示)は、前述した第1実施形態の場合と同様に、バス部270を経由して第2の電子機器220における図示しない第2機器制御部の稼働状態を常時監視している。
【0078】
そして、上記第1の電子機器210の第2機器用監視部が、バス部270を介して第2の電子機器220における第2機器制御部が停止したことを検知すると、当該第1の電子機器210に予め装備されている第1機器制御部が作動し、前述した第2機器用監視部を介して第2機器用異常表示灯212を起動制御し、当該第2機器用異常表示灯212を点灯(若しくは点滅)させ、表示光を出力制御する。
【0079】
続いて、第1の電子機器210の第2機器用異常表示灯212から発せられた光は、プリズム状ミラー部252a,252bを経由して第2の電子機器220に対応する第2機器用表示部としての第2異常表示部253(FAULT 2)側から外部に向けて出力表示される。
【0080】
一方、第2の電子機器220における第1機器用監視部(不図示)は、前述したバス部270を経由して第1の電子機器210における図示しない第1機器制御部の稼働状態を常時監視している。
【0081】
そして、上記第2の電子機器220の第1機器用監視部が、バス部270を介して第1の電子機器210における第1機器制御部が停止したことを検知すると、当該第2の電子機器220に予め装備されている第2機器制御部が作動し、前述した第1機器用監視部(不図示)を介して第1機器用異常表示灯222を起動制御し、当該第1機器用異常表示灯222を点灯(若しくは点滅)させ、表示光を出力制御する。
【0082】
続いて、第2の電子機器220の第1機器用異常表示灯222から発せられた光は、プリズム状ミラー部262b,262aを経由して第1の電子機器210に対応する第1機器用表示部としての第1異常表示部263(FAULT 1)側から外部に向けて出力表示される。
その他の構成およびその作用効果は前述した第1の実施形態と同一となっている。
【0083】
この第3の実施形態は以上のように構成され機能するので、これによると、前述した第1の実施形態と同様の作用効果を奏しながらも、ランプ表示部分を積層された各電子機器210,220の側面に位置して且つ正面に向けて設置したので、故障表示の自由度・多様性に対応することが可能となる。
【0084】
また、前記プリズム状ミラー部は、光ファイバーによる光接続に置き換えてもよい。ここ場合、光ファイバーによる光接続とすることで狭い場所も通ることが可能となることから、レイアウトの自由度が向上しその用途も広がる。
【0085】
更に、上記の各構成要素の動作説明において、上述した各ステップの動作内容及び各部の構成要素並びにそれらによる各機能をコンピュータ実行可能にプログラム化し、このプログラム(ソフトウエアプログラム)を前記電子機器が備えているコンピュータに実行させるようにしてもよい。
【0086】
[第4の実施の形態]
次に、第4の実施形態を図13に基づいて説明する。
ここで、この図13は、本第4実施の形態における多重化装置300の全体を示す概略構成を模式的に示す斜視図であり、上側の第2の電子機器が故障した際に、その右上から見た場合の図である。
【0087】
この第4の実施形態は、前述した第1実施形態がランプ表示部分を前述した各電子機器の枠内における前面側に設置したのに対して、ランプ表示部分を各電子機器の枠外の上部および下部に設置した点に特徴を有する。
【0088】
図13において、本第4実施形態にかかる多重化装置300は、一方の電子機器である第1の電子機器310と、第2機器用異常表示灯312と、ダミー表示灯313と、プリズム状ミラー部352a,352bを含む第2機器用光伝達部352と、第2機器用異常表示部353(FAULT B)とを備えて構成されている。
ここで、この第1の電子機器310は、前述した第1実施形態の場合と同様に、第2電子機器320の動作を監視する第2機器用監視部(不図示)と、この第2機器用監視部(不図示)および上記各表示灯の動作を制御する第1機器用制御部(不図示)とを備えて構成されている。
【0089】
更に、この多重化装置300は、他方の電子機器である第2の電子機器320と、第1機器用異常表示灯322と、ダミー表示灯323と、プリズム状ミラー部362b,362a,363bとを含む第1機器用光伝達部362と、第1機器用異常表示部363とを備えて構成されている。
ここで、この第2の電子機器320は、前述した第1実施形態の場合と同様に、第1の電子機器310の動作を監視する第1機器用監視部(不図示)と、この第1機器用監視部(不図示)および上記各表示灯の動作を制御する第2機器制御部(不図示)とを備えて構成されている。
又、第1,第2の各電子機器310,320は、相互に積層されて多重化され、バス部370を介して一体的に連結されている。
【0090】
即ち、上述した第1,第2の複数の機器310,320は、積層配置される際に、前記第1の電子機器310に点灯制御される第2機器用表示部353が、前記多重化装置300の積層方向の一端側(第2の電子機器320側)の天部に配設され、前記第2の電子機器310に点灯制御される第1機器用表示部363が、前記多重化装置300の積層方向の他端側である底部に配設されている。そして、前述した各光伝達部362,352が、この配置状態に対応して組み込まれている。
その他の構成は前述した第1実施形態と同一となっている。
【0091】
次に、この第4の実施形態の動作を、図13乃至図14を参照して説明する。
先ず、図13に示す多重化装置300では、第1の電子機器310における第1機器制御部(不図示)は、第2機器用監視部(不図示)およびバス部370を経由して第2の電子機器320を監視している。
【0092】
続いて、第1の電子機器310の第2機器用監視部が、第2の電子機器320の第2機器制御部の停止を検知すると、前述した第1の電子機器310内の第1機器制御部は、第2機器用監視部を介して第2異常表示灯312から光を出力し、点灯(若しくは点滅)制御する。
【0093】
その後、第1の電子機器310内の第2異常表示灯312から発せられた光は、プリズム状ミラー部352a,352bを経由して第2の電子機器320側に配置された第2機器用表示部である第2機器用異常表示部353(FAULT B)側から出力される。
【0094】
一方、第2の電子機器320における第1機器用監視部(不図示)は、バス部370を経由して第1の電子機器310内における第2機器制御部(不図示)の状態を常時監視している。
そして、第2の電子機器320における第1機器用監視部(不図示)が、第1機器用監視部の停止を検知すると、第1機器用監視部を介して第1機器用異常表示灯322から光を出力し、点灯(若しくは点滅)制御を行う。
【0095】
これにより、第2の電子機器320内の第1機器用異常表示灯322から発せられた光は、プリズム状ミラー部362b,362a,及び363bを経由して第1の電子機器310に対応する第1機器用表示部である第1機器用異常表示部363(FAULT 1)側から出力される。
【0096】
以下、上記動作を更に詳細に説明する。
(システム全体の動作)
図14に示すように、多重化装置300が備えたコンピュータ(又は第1の電子機器310が備えているコンピュータ)がバス部370を介して外部(例えば、図示しないホストコンピュータ)からロケーションID(制御部識別子)を取得する処理を行う(ステップS201:制御部識別子取得ステップ,制御部識別子取得機能)。
【0097】
続いて、多重化装置300の第1の電子機器310が備えているコンピュータが、取得したロケーションIDが「1」(第1の電子機器識別情報)であるか否か判定する(ステップS202:制御部識別子判定処理ステップ,制御部識別子判定機能)。
【0098】
ここで、ロケーションIDが「1」(第1の電子機器識別情報)は、バス部370の図13における下部に実装される第1の電子機器310がこれに対応する。また、ロケーションIDが「2」(第2の電子機器識別情報)の場合は、バス部370の図13における上部に実装される第2の電子機器320がこれに対応する。
【0099】
ステップS202において、ロケーションIDが「1」でないと判定された場合は、多重化装置300は、第2の電子機器320が作動し第1機器用異常表示灯322を(図13参照右側)を選択設定する(ステップS203)。
【0100】
一方、ステップS202において、ロケーションIDが「1」であると判定された場合は、多重化装置300は、第2の電子機器310が作動し第2機器用異常表示灯312((図13/左側)を選択設定する(ステップS211)。
【0101】
このステップS211に続いて、第1の電子機器310が第2の電子機器320の稼働状態を監視し、第1の電子機器310における第1機器制御部が前述したように第2の電子機器320の第2機器制御部の停止有無を検出する(ステップS212:第2機器用監視ステップ,第2機器用状態監視機能)。即ち、第1の電子機器310は第2の電子機器320が停止したかを検出する。
【0102】
上記ステップS212の第2機器用監視ステップにおいて、第1の電子機器310側が第2電子機器320側の停止を検出しない場合には、第1機器制御部は第2機器用監視部を介して第2機器用異常表示灯(第2機器用表示発光源)312の動作を停止する(ステップS214:第2機器用光源出力停止ステップ、第2機器用光源出力停止機能)。
この場合、第1の電子機器310の第1機器制御部は、第2機器用監視部を介して第2機器用異常表示灯(第2機器用表示発光源)312の動作を制御する際しては、例えば緑色点灯など表示色が変更する制御を行ってもよい(光源発光色変更制御ステップ,光源発光色変更制御機能)。
【0103】
一方、前記ステップS212の第2機器用監視ステップにおいて、第1の電子機器310側が第2電子機器320側の停止を検出した場合には、第1の電子機器310の第1機器制御部が第2機器用監視部を介して第2機器用異常表示灯(第2機器用表示発光源)312を動作させ、異常(故障)である旨の光を出力する(第2機器用表示光出力ステップ,第2機器用表示光出力制御機能)。
これにより、例えば、第1の電子機器310側の第2機器用監視部が点灯又は点滅する動作を行うように第2機器用異常表示灯312を駆動制御する。
【0104】
その後、上記第1の電子機器310の第2機器用異常表示灯(第2機器用表示発光源)312から光が出力されると、第2機器用光伝達部(プリズム状ミラー部352a,352b)を介して、第2の電子機器320に対応する第2機器用表示部(第2機器用異常表示部)353(FAULT B)に向けて案内伝達され、当該第2機器用異常表示部353が設置されている第2の電子機器320側から異常表示用の表示光が出力されることとなる(ステップS213:第2機器用光伝達ステップ,第2機器用光伝達機能)。
【0105】
次に、ステップS203に続いて、第2の電子機器320が第1の電子機器310の稼働状態を監視し、当該第2の電子機器320にて、前記第1の電子機器310が停止したか否かを検出する(ステップS204:第1機器稼働監視ステップ,第1機器用状態監視機能)。
【0106】
上記ステップS204の第1機器稼働監視ステップにおいて、第2の電子機器320側が第1の電子機器の稼働停止を検出しなかった場合には、第2の電子機器320側の第2機器制御部が第1機器用監視部を介して第1機器用異常表示灯(第1機器用表示発光源)322の動作を停止する(ステップS206:第1機器用表示光源出力停止ステップ,第1機器用光源出力停止制御機能)。
この場合、或いは、第2の電子機器320側で第1機器用異常表示灯(第1機器用表示発光源)322を、例えば緑色点灯など表示色を変更する制御を行ってもよい(第1機器用光源色変更制御ステップ,第1機器用光源発光色変更制御機能)。
【0107】
一方、前記ステップS204の第1機器用監視ステップにおいて、第2の電子機器320側が、第2電子機器310側の稼働停止を検出した場合には、第2の電子機器320において、第2機器制御部が第1機器用監視部を介して第1機器用異常表示灯(第1機器用表示発光源)322を動作させ、異常(故障)である旨の光を出力する(第1機器用表示光出力ステップ,第1機器用表示光出力制御機能)。
【0108】
その後、上記第2の電子機器320の第1機器用異常表示灯(第1機器用表示発光源)322から光が出力されると、第1機器用光伝達部(プリズム状ミラー部362a,362b,363b)を介して、第1の電子機器310に対応する第1機器用表示部(第1機器用異常表示部)363(FAULT A)に向けて案内伝達され当該第2機器用異常表示部363が設置されている第1の電子機器310側から異常表示用の表示光が出力されることとなる(ステップS205:第1機器用光伝達ステップ,第1機器用光伝達機能)。
【0109】
以降、前記各ステップを繰り返すことによって、上記多重化装置300では、二重化構成における各機器の状態表示制御が実行される。
【0110】
ここで、上述した図13,図14に示す多重化装置300にあっては、第1の電子機器310と第2の電子機器320とをその監視順序を相互に連携させた状態の例を説明したが、ロケーションIDが「1」の場合の第1の電子機器310における監視制御動作と、ロケーションIDが「2」の場合の第2の電子機器320における監視制御動作とを、図15,図16に示すように、それぞれ独立した状態で稼働させるように構成してもよい。この場合、それぞれ図15,図16の各稼働処理内容は、前記図14に開示した内容と同一となっている。
このようにすると、前述した第1実施形態における図7ないし図8の場合と同様の作用効果を得ることができる。
【0111】
ここで、上述した各構成部分における各動作機能については、それらをコンピュータが実施可能にプログラム化し、前述した対応する第1の電子機器310又は第2の電子機器の電子機器320が備えているコンピュータに実行させるように構成してもよい。
【0112】
以上のように、上記第4の実施形態によれば、前述した第1の実施形態の場合と同様の作用効果を有するほか、ランプ表示部分を第1の電子機器310の下側および第2の電子機器320の上側にそれぞれその全域にわたって設置し得るので、故障表示の自由度があり、従って故障表示の多様性に有効に対応することができるという利点がある。
【0113】
又、前述したプリズム状ミラー部352a,352b;362a,362b,363bについては、これを光ファイバーによる光接続に置き換えることにより、狭い場所での設置が可能となり、レイアウトの自由度の向上を図ることができ、使用用途も広がるという利点がある。
【0114】
[第5の実施形態]
次に、第5の実施形態を図17に基づいて説明する。
この図17は、本第5実施の形態における多重化装置400の全体を示す概略構成を模式的に示した斜視図である。
【0115】
本第5の実施形態において、多重化装置400は、図17に示すように、背面側に配置したバス部470に対応して図17の上下方向に多重化されて配置された二つの電子機器410,420によって構成されている。この内、下側には第1の電子機器410(OBJECT A)が、上側には第2の電子機器420(OBJECT B)が、それぞれ実装されている。
【0116】
そして、この図17に示す第5の実施形態にあっては、第1,第2の各電子機器410,420の各一端面(前面)が同一面上に配置され、この各電子機器410,420の一端面内に、各電子機器用の異常表示面が配置された構成となっている。
即ち、第1の電子機器410の一端面内に第1機器用異常表示部422(FAULT A)の表示面463が配置され、第2の電子機器420の一端面内に第2機器用異常表示部412(FAULT B)の表示面453が配置されたレイアウト構成を有する。
【0117】
このため、プリズム状ミラー部452b,452a、プリズム状ミラー部462b,462aが、第2の電子機器420(OBJECT B)及び第1の電子機器410(OBJECT A)の内部に納まるように構成される。
その他の構成は前述した第1の実施形態(図1〜図4参照)と同一となっている。
【0118】
(動作説明)
次に、上記第5の実施形態の動作を図18を参照しつつ説明する。
この図18は、本第5の実施形態における多重化装置400おける全体の動作(情報処理手順)の一例を示すフローチャートである。
【0119】
この図18に示すように、上記多重化装置400が備えたコンピュータ(第1又は第2の電子機器が備えているコンピュータ)は、バス部470を介して図示しないホストコンピュータからロケーションID(制御部識別子)を取得する(ステップS301:制御機器識別子取得処理ステップ,制御機器識別子取得処理機能)。
【0120】
ここで、本第5実施形態では、第1又は第2の電子機器410,420がそれぞれ同時に個別に前記ロケーションID(制御部識別子)を取得するように構成され、その内容によっては各電子機器410,420の各々がロケーションID(制御部識別子)の内容を判断し、当該ロケーションID(制御部識別子)の適合した電子機器410又は420が前記ホストコンピュータに選択されて作動するように構成されている。
【0121】
尚、この場合、多重化装置400は前述した第1、第2の各電子機器410又は420の入力段にロケーションID(制御部識別子)を識別するためのCPUを予め装備しておき、当該CPUの判断で、前述した第1,第2の各電子機器410又は420の何れか(正常動作可能な方)が選択されるように構成してもよい。
【0122】
続いて、上記多重化装置400側で取得したロケーションIDが「1」(第1の電子機器識別情報)であるか否かが判定される(ステップS302:制御部識別子判定処理ステップ,制御部識別子判定処理機能)。
【0123】
ここで、ロケーションIDが「1」(第1の電子機器識別情報)の場合は、バス部470に対応して図17の下方側に実装された第1の電子機器410の識別子が入力されたことを意味する。又、ロケーションIDが「2」(第2の電子機器識別情報)の場合は、バス部470に対応して図17の上方側に実装された第2の電子機器420の識別子が入力されたことを意味する。
【0124】
前記ステップS302において、ロケーションIDが「1」でないと判定された場合は、多重化装置400が備えているコンピュータは第2の電子機器420の動作を意図して、第1異常表示灯は右側のもの(図17)を選択設定する処理を行う(ステップS303)。
【0125】
一方、ステップS302において、ロケーションIDが「1」であると判定された場合は、多重化装置400が備えているコンピュータは、第1の電子機器410の動作を意図して、第2異常表示灯は左側のもの(図17)を選択設定する処理を行う(ステップS311)。
【0126】
ステップS311に続いて、第1の電子機器410が第2の電子機器420の状態を監視し、第1の電子機器410にて、第2の電子機器420が停止したか否かを検出する(ステップS312:第2機器状態監視ステップ,第2機器状態監視機能)。
【0127】
前記ステップS312の第2機器状態監視ステップにおいて、第1の電子機器410が備えている第2機器用監視部が、第2の電子機器410の稼働停止を検出しない場合には、第1の電子機器410の第2機器用監視部が第2機器用異常表示灯(第2機器用表示発光源)412の動作を停止する(ステップS314:第2機器用表示光源出力停止ステップ,第2機器用表示光源出力停止機能)。
【0128】
この場合、第1の電子機器410の第2機器用監視部は、第2機器用異常表示灯(第1の第2機器用表示発光源)412の動作において、例えば緑色点灯など表示色が変更する制御を行ってもよい(第2機器用表示光色変更制御ステップ,第2機器用表示光色変更制御機能)。
【0129】
一方、前記ステップS312の第2機器状態監視ステップにおいて、第1の電子機器410の第1機器用監視部が、第2の電子機器420の稼働停止を検出した場合には、第1の機器410における第2機器用監視部が第2機器用異常表示灯(第2機器用表示発光源)412を動作させ、異常(故障)である旨の光を出力する(第2機器用表示光出力ステップ,第2機器用表示光出力機能)。この場合、例えば、第2機器用監視部は第2機器用異常表示灯412が点灯又は点滅するように動作制御する。
【0130】
その後、第2機器用異常表示灯(第2機器用表示発光源)412から光が出力されると、第2機器用光伝達部(プリズム状ミラー部452a・プリズム状ミラー部452b)を介して、第2の電子機器420に対応する第2機器用表示部としての第2異常表示部(FAULT B)453に向けて案内伝達することで、第2異常表示部453が設定された第2の電子機器420側から光が出力することとなる(ステップS313:第2機器用光伝達ステップ,第2機器用光伝達機能)。
【0131】
次に、ステップS303に続いて、第2の電子機器420が第1の電子機器410の稼働状態を監視し、第2の電子機器420における第1機器用監視部が第1の電子機器410(即ち、第1機器制御部)の稼働が停止したか否かを検出する(ステップS304:第1機器状態監視ステップ,第1機器状態監視機能)。
【0132】
前記ステップS304の第1機器状態監視ステップにおいて、第2機器用監視部が、第1の電子機器410の稼働停止を検出しない場合には、第2の電子機器420の第1機器用監視部が第1異常表示灯(第1機器用表示発光源)422の動作を停止する(ステップS306:第1機器用表示光源出力停止ステップ,第1機器用表示光源出力停止機能)。
【0133】
この場合、第2の電子機器420の第1機器用監視部が第1機器用異常表示灯(第1機器用表示発光源)422の動作において、例えば緑色点灯など表示色が変更する制御を行ってもよい(第1機器用表示光源発光色変更制御ステップ,第1機器用表示光源発光色変更制御機能)。
【0134】
一方、前記ステップS304(第1機器状態監視ステップ)において、第2機器用監視部が、第2の電子機器420の稼働停止を検出した場合には、第1の電子機器410内において第2機器用監視部が第1異常表示灯(第1機器用表示発光源)412を動作させ、異常(故障)である旨の光を出力する(第1機器用表示光源出力ステップ,第1機器用表示光源出力機能)。
【0135】
その後、第1異常表示灯(第1の第1機器用表示発光源)412から光が出力されると、第1機器用光伝達部(プリズム状ミラー部462a,462b)を介して、第1の電子機器410に対応する第1機器用表示部としての第1異常表示部463(FAULT A)に向けて案内伝達することで、第1の電子機器410側の第1機器用表示部463から表示光が出力されることとなる(ステップS305:第1機器用光伝達ステップ,第1機器用光伝達機能)。
【0136】
以降、前記各ステップを繰り返すことによって、この二重化構成の多重化装置における各機器の状態表示制御を行う。
【0137】
ここで、上述した図18に示す多重化装置400にあっては、第1の電子機器410と第2の電子機器420とをその監視順序を相互に連携させた状態の例を説明したが、ロケーションIDが「1」の場合の第1の電子機器410における監視制御動作と、ロケーションIDが「2」の場合の第2の電子機器420における監視制御動作とを、図19,図20に示すように、それぞれ独立した状態で稼働させるように構成してもよい。この場合、それぞれ図19,図20の各稼働処理内容は、前記図18に開示した内容と同一となっている。
【0138】
以上のように本第5の実施形態によれば、前述した第1の実施の形態と同様の作用効果を奏しながらも、ランプ表示部分を各制御部の内部に設置できるので、多重化装置における規模の小型化、省スペース化に寄与できる。
【0139】
その他の構成・動作およびその他のステップないしは機能並びにその作用効果については、前述した第1の実施形態の場合と同一となっている。
また、上記の説明において、上述した各ステップの動作内容、および各構成要素による各機能の内容をプログラム化し、このプログラムをコンピュータに実行させるように構成してもよい。
【0140】
[第6の実施の形態]
次に、本発明にかかる第6の実施形態を、図21に基づいて説明する。
この図21は、本第6の実施形態における多重化装置全体の概略構成の一例を模式的に示す斜視図である。
【0141】
この第6の実施形態は、上述した第5の実施形態と一部異なり、図21に示す本実施の形態の多重化装置500に示すように、バス部570に接続されて実装される第2の電子機器520(OBJECT B)及び第1の電子機器510(OBJECT A)の前面より、第1機器用異常表示部563(FAULT A)及び第2機器用異常表示部553(FAULT B)が突設されたレイアウト構成とした点に特徴を有する。
【0142】
この場合、プリズム状ミラー部552b,552a、プリズム状ミラー部562b,562aが、第2の電子機器520(OBJECT B)及び第1の電子機器510(OBJECT A)の外部に突出された構成となっている。
【0143】
その他の構成およびその動作機能並びにその作用効果については、前述した第5の実施形態と同一となっている。
【0144】
[第7の実施の形態]
次に、本発明にかかる第7の実施形態を図22乃至図26に基づいて説明する。
この第7の実施の形態は、第1,第2の各電子機器の異常表示部をそれぞれ第1表示部と第2表示部として二箇所に装備した点に特徴を有する。
【0145】
最初に、前述した第5の実施形態(図17参照)との相違点を説明し、本第7実施形態に必要性を説明する。
まず、前述した第5の実施形態(図17参照)にあって、例えば各電子機器410,420の故障が発生した場合を想定する。この場合、当該故障にかかる電子機器410又は420を作業員が交換した場合に前述した付属部品であるプリズム状ミラーの形状及び異常表示灯の上下(又は左右)位置が逆になる場合が生じる。
【0146】
例えば、比較例として図23を示す。この図23は、保守点検時に第1の電子機器410と第2の電子機器420とを上下入れ替えた場合の図を示す。かかる場合、図23では、どちらの機器用異常表示灯412,422を点灯させたとしても発した光が異常表示部453,463に届かない状態となってしまう。
【0147】
即ち、図23に示す多重化装置400Aおいては、異常表示灯422(FAULT B−LED)からの光(矢印P4)が異常表示部453(FAULT B)に至らない。また、異常表示灯412(FAULT A−LED)からの光(矢印Q4)が異常表示部463(FAULT A)に至らない事態が発生する。
【0148】
また、図27に示す多重化装置500Aおいては、異常表示灯522(FAULT B−LED)からの光(矢印P4)が異常表示部553(FAULT B)に至らない。また、異常表示灯512(FAULT A−LED)からの光(矢印Q5)が異常表示部563(FAULT A)に至らない事態が発生する。
【0149】
この場合、第1の電子機器410の場合と同じプリズム状ミラーの形状であり同じ位置に異常表示灯を有する補修部品を用意し、第2の電子機器420と同じプリズム状ミラーの形状であり同じ位置に異常表示灯を有する補修部品を用意すれば、交換できることにはなるが、この2つの補修部品に相互互換は無いことから補修部品が2種類になってしまうという不都合がある。
【0150】
本第7の実施形態では、図22に示すように、各電子機器610,620に異常表示灯を二箇所に装備して2つ点灯(若しくは点滅)させるようにし、それぞれをプリズム状ミラー及びプリズム状ミラーからループ状光経路を通して異常表示部に導くことにより、前述した図23の如き不都合を回避したもので、保守作業上、装置全体の有用性および信頼性が著しく高められたものとなっている。
【0151】
以下、これを具体的に説明する。
まず、この第7の実施形態における多重化装置600は、図22に示すように、第1の電子機器610と、第2の電子機器620と、バス部670とを含んで構成される。更に、2つの第2機器用異常表示灯612,613と、2つの第1機器用異常表示灯622,623と、プリズム状ミラー部652a,653b,662a,662bと、ループ状光経路654,664とを含む構成としている。
【0152】
前述した多重化装置600における表示部は、第1の電子機器610に対応する第1の表示部である一方の第1機器用表示部663(左側FAULT A:左側第1異常表示部)及び第2の表示部である他方の第1機器用表示部653(右側FAULT A:右側第1異常表示部)と、第2の電子機器620に対応する第1の表示部である一方の第2機器用表示部655(右側FAULT B:右側第2異常表示部)及び第2の表示部である他方の第2機器用表示部665(左側FAULT B:左側第2異常表示部)とを含む構成としている。
【0153】
第1の電子機器610内には、図25,図26に示すように、第2の電子機器620の状態を監視する第2機器用監視部611B及びその動作を制御する第1機器制御部611Aと、この第1機器制御部611A及び第2機器用監視部611Bでの監視結果に応じて表示発光する一方の第2機器用表示発光源である右側第2異常表示灯612(右側FAULT B−LED)と、前述した第1機器制御部611A及び第2機器用監視部611Bでの監視結果に応じて表示発光する他方の第2機器用表示発光源としての左側第2異常表示灯613(左側FAULT B−LED:図26参照)とを含んで構成される。
【0154】
又、第2の電子機器620内には、図25,図26に示すように、第1の電子機器610の稼働状態を監視する第1機器用監視部621B及びその動作を制御する第2機器制御部621Aと、この第2機器制御部621A及び第1機器用監視部621Bでの監視結果に応じて表示発光する一方の第1機器用表示発光源である左側第1異常表示灯622(右側FAULT A−LED)と、前述した第2機器制御部621A及び第1機器用監視部621Bでの監視結果に応じて表示発光する他方の第1機器用表示発光源としての右側第1異常表示灯623(左側FAULT A−LED:図26参照)とを含んで構成されている。
【0155】
この第7の実施形態における多重化装置600では、第1の電子機器610における一方の第2機器用表示発光源(右側第2異常表示灯:右側FAULT B−LED)612からの光を第2の電子機器620側に対応する一方の第2機器用表示部(右側FAULT B:右側第2異常表示部)655に向けて案内伝達する一方の第2機器用光伝達部(プリズム状ミラー部652a,652b:非ループ状光経路)が設けられている。
【0156】
また、この第7の実施形態における多重化装置600には、第2の電子機器620における前記一方の第1機器用表示発光源としての左側第1異常表示灯(左側FAULT A−LED)623からの光を第1の電子機器610側に対応する一方の第1機器用表示部(左側FAULT A:左側第1異常表示部)663に向けて案内伝達する一方の第1機器用光伝達部(プリズム状ミラー部662a,662b:非ループ状光経路)が設けられている。
【0157】
更に、本第7の実施形態における多重化装置600には、前記第1の電子機器610における前記他方の第2機器用表示発光源としての左側第2異常表示灯(左側FAULT B−LED)613からの光を、前記第2の電子機器620側に対応する前記他方の第2機器用表示部(左側FAULT B:左側第2異常表示部)665に向けて案内伝達する他方の第2機器用光伝達部としてのループ状光経路664が設けられている。
【0158】
又、前記第2の電子機器620における前記他方の第1機器用表示発光源としての右側第1異常表示灯(右側FAULT A−LED)622からの光を、前記第1の電子機器610に対応する前記他方の第1機器用表示部(左側FAULT B:左側第2異常表示部)665に向けて案内伝達する他方の第1機器用光伝達部としてのループ状光経路654が設けられている。
【0159】
ここで、ループ状光経路664、654は、例えば光ファイバーなどの柔軟性のある光伝達部材を用いて構成してもよいし、他の種々の光学系(複数の光学部材)を組み合わせて用いてもよい。
この場合、ループ状光経路664は、例えば図22に示すように、複数のプリズム状ミラー部664a ,664b,664c,664dを用いて構成されている。
【0160】
同様に、ループ状光経路654は、例えば図22に示すように、複数のプリズム状ミラー部654a ,654b,654c,654dを用いて構成されている。
更に、2つのループ状光経路664,654の内、経路長の長いループ状光経路654を光ファイバーで、経路長の短いループ状光経路664を複数のプリズム状ミラー部で構成してもよい。
【0161】
また、各表示灯は、LEDに限らず、種々の光源や表示部を用いることもできる。
【0162】
このように、前記複数の各電子機器610,620が積層配置される際に、前記一方と他方の各第1機器用表示部が同層に形成され、前記一方と他方の各第2機器用表示部が同層に形成され、前記一方の第1機器用表示部と前記一方の第2機器用表示部とが同列に形成され、他方の第1機器用表示部と他方の第2機器用表示部とが同列に配置される(図22参照)。
【0163】
この場合、図22に示すように、前記他方の第2機器用光伝達部と前記他方の第1機器用光伝達部とが、ループ状光経路により形成され、前記一方の第2機器用光伝達部と前記一方の第1機器用光伝達部とが、非ループ状光経路により形成されている。
【0164】
(動作説明)
次に、本第7実施形態の多重化装置600の動作を、図22を参照して説明する。
(図22:右側の2個の表示灯)
図22および図25に示すように、第1の電子機器610内の一方の第2機器用監視部611Bは、予め装備された第1機器制御部611Aの指示に従いバス部670を経由して第2の電子機器620の稼働状態を常時監視している。
【0165】
この場合、第1の電子機器610内の一方の第2機器用監視部611Bが、バス部670を介して第2の電子機器620が稼働停止したことを検知すると、前述した第1機器制御部611Aは、一方の第2機器用表示発光源(右側第2異常表示灯)612を起動させ、その出力光の点灯(若しくは点滅)制御を行う。
【0166】
その後、第1の電子機器610における右側第2異常表示灯612(一方の第2機器用表示発光源)から発せられた光は、一方の第2機器用光伝達部を構成するプリズム状ミラー部652a,652bを経由して第2の電子機器620に対応する一方の第2機器用表示部655(図22における右側のFAULT B)側から出力され、当該一方の第2機器用表示部655を点灯表示する。
【0167】
又、第2の電子機器620内の一方の第1機器用監視部621Bは、予め装備された第2機器制御部621Aの指示に従いバス部670を経由して第1の電子機器610の稼働状態を常時監視している。
【0168】
そして、この場合、第2の電子機器620内の一方の第1機器用監視部621Bが、バス部670を介して第1の電子機器610が稼働停止したことを検知すると、前述した第2機器制御部621Aは、第2の電子機器620内の一方の第1機器用表示発光源(右側第1異常表示灯)622を起動させ、その出力光の点灯(若しくは点滅)制御を行う。
【0169】
その後、第2の電子機器620における右側第1異常表示灯622(他方の第1機器用表示発光源)から発せられた光は、他方の第1機器用光伝達部を構成するプリズム状ミラー部652b,654,652aを経由して第1の電子機器610に対応する一方の第1機器用表示部653(図22における右側のFAULT A)側から出力され、当該第1の電子機器610の第1機器用表示部653を点灯表示する。
【0170】
(図22:左側の2個の表示灯)
図22および図26に示すように、第2の電子機器622内の他方の第1機器用監視部621Bは、予め装備された第2機器制御部621Aの指示に従いバス部670を経由して第1の電子機器610の稼働状態を常時監視している。
【0171】
この場合、第2の電子機器622内の他方の第1機器用監視部621Bが、バス部670を介して第1の電子機器610が稼働停止したことを検知すると、第2の電子機器620の第2機器制御部621Aは、前記他方の第1機器用監視部621Bを介して他方の第1機器用表示発光源(左側第1異常表示灯)623を起動させ、その出力光の点灯(若しくは点滅)制御を行う。
【0172】
その後、第2の電子機器620における左側第1異常表示灯(他方の第1機器用表示発光源)623から発せられた光は、他方の第1機器用光伝達部を構成するプリズム状ミラー部662b,662aを経由して第1の電子機器610に対応する他方の第1機器用表示部663(図22,図26における左側のFAULT A)側から出力され、当該他方の第1機器用表示部663を点灯表示する。
【0173】
又、第1の電子機器610内の他方の第2機器用監視部611Bは、予め装備された第1機器制御部611Aの指示に従いバス部670を経由して第2の電子機器620の稼働状態を常時監視している。
【0174】
そして、この場合、他方の第2機器用監視部611Bが、バス部670を介して第2の電子機器620が稼働停止したことを検知すると、前述した第1の電子機器610内の第1機器制御部611Aは、他方の第2機器用表示発光源(左側第2異常表示灯)613を起動させ、その出力光の点灯(若しくは点滅)制御を行う。
【0175】
その後、第1の電子機器610における左側第2異常表示灯(他方の第2機器用表示発光源)613から発せられた光は、他方の第2機器用光伝達部を構成するプリズム状ミラー部662a,664,662bを経由して第2の電子機器620に対応する他方の第2機器用表示部(図22,図26における左側のFAULT B)665側から出力され、当該他方の第2機器用表示部665を点灯表示する。
【0176】
ここで、前述したループ状光経路654,664は、例えば光ファイバーなどの柔軟性のある光伝達部材を用いて構成してもよいし、他の種々の光学系(複数の光学部材)を組み合わせて用いてもよい。例えば、ループ状光経路664は、図22に示すように、複数のプリズム状ミラー部664a ,664b,664c,及び664dを用いて構成することもできる。
【0177】
以上のように上記第7の実施形態によれば、前述した第1の実施形態の場合と同様の作用効果を奏しながらも、一方と他方の各電子機器を上下逆に配置しても表示灯の動作をそのまま継続して実行することができ、かかる点において、一方と他方の各電子機器交換時の補修部品種類を1種類にすることにより補修部品ストック削減が可能となるという利点が或る。また、2つの内の片方の表示灯が故障した場合にあっても故障表示ができることから、表示動作上の信頼性が向上し、安定した動作状態表示を得ることができる。
【0178】
その他の構成・動作およびその他のステップないしは機能並びにその作用効果については、前述した第1の実施形態の場合と同一となっている。また、上記の説明において、上述した各構成要素の動作ステップの動作内容及び各部の構成要素並びにそれらによる各機能をプログラム化し、このプログラム(ソフトウエアプログラム)をコンピュータに実行させてもよい。
【0179】
[第8の実施の形態]
次に、第8の実施形態を図26に基づいて説明する。
ここで、前述した第7の実施形態と同一の構成部材については同一の符号を用いるものとする。
【0180】
この第8の実施の形態は、前述した第7の実施形態において、図22における左側と右側の各2個の表示部653,655および663,665と、それに連なる左側と右側の各機器用光伝達部(一方と他方の第1機器用光伝達部および一方と他方の第2機器用光伝達部)とを、前述した第1及び第2の各電子機器610,620の前面から突出して設置した点に特徴を有する。
【0181】
即ち、この図26では、前述した第7の実施形態(図22参照)の各表示部(左側と右側の各2個の表示部653,655および663,665)を、その対応する各電子機器の前面から突設して、それぞれ753,755および763,765とした点に特徴を有する。
【0182】
この図26に示す第8の実施の形態は、前述した第7の実施形態が図17(第5の実施形態)における保守点検時の不都合を改善したのと同様に、図21(第6の実施形態)における保守点検時の不都合を改善した内容となっている。
比較例として図27を示す。この図27は、前述した図21(第6の実施形態)において、保守点検時に第1の電子機器510と第2の電子機器520とを上下入れ換えて設置し多重化装置500Aとした場合を示す。
この図27の場合、どちらの異常表示灯512,522を点灯させても、その出力光が当該表示部553,563に届かないという事態が生じる。もともと保守上のミスで発生する内容のものではあるが、本第8実施形態では、かかる事態の発生に対しても、これに対応して装置の安全動作を確保し得るようにした点に特徴を有する。
【0183】
その他の具体的な構成内容およびその機能、更には全体的な作用効果は、前述した第7の実施形態と同一となっている。又、この図26に示す第8の実施形態は、表示部が突設された分だけオペレータによる故障箇所の認識が容易となり、保守点検を迅速化が期待できるという利点を有する。
【0184】
[第9の実施の形態]
次に、本発明にかかる第9の実施の形態について、図28に基づいて説明する。この図28は、本第9の実施形態による多重化装置全体の概略構成の一例(二重化横実装)を模式的に示す正面図である。
【0185】
この第9の実施形態にかかる多重化装置800は、前述した第7の実施形態における二重化構成の一方と他方の電子機器と同等のものを横に2個接続した二重化横実装の構成にした点に特徴を有する。
【0186】
具体的には、本第9の実施形態における多重化装置800では、図28に示すように、第1の電子機器810と、第2の電子機器820と、バス部870とを備えている。
更に、この多重化装置800では、2つの第2異常表示灯812,813と、2つの第1異常表示灯822,823と、ループ状光経路852,862と、その他の各光経路とを備えて構成されている。
【0187】
以下、これを詳述する。
図28に示すように、多重化装置800における表示部(前面)には、第1の電子機器810に対応する一方の第1機器用表示部863(左側FAULT A:左側第1異常表示部)及び他方の第1機器用表示部865(右側FAULT A:右側第1異常表示部)と、第2の電子機器820に対応する一方の第2機器用表示部853(右側FAULT B:右側第2異常表示部)及び他方の第2機器用表示部855(左側FAULT B:左側第2異常表示部)とが配設されている。
【0188】
又、前述した第1の電子機器810内には、図29に示すように、第2の電子機器820の状態を監視する第2機器用監視部811Bと、この第2機器用監視部811Bの動作を制御する第1機器制御部811Aと、前記第2機器用監視部811Bでの監視結果に応じて表示発光する一方の第2機器用表示発光源812(左側第2異常表示灯:左側FAULT A−LED)と、同じく第2機器用監視部811Bでの監視結果に応じて表示発光する他方の第2機器用表示発光源813(右側第2異常表示灯:右側FAULT B−LED)とを備えて構成されている。
【0189】
更に、前述した第2の電子機器820内には、図29に示すように、第1の電子機器810の状態を監視する第1機器用監視部821Bと、この第1機器用監視部821Bの動作を制御する第2機器制御部821Aと、前記第1機器用監視部821Bでの監視結果に応じて表示発光する一方の第1機器用表示発光源822(左側第1異常表示灯:左側FAULT A−LED)と、同じく第2機器用監視部821Bでの監視結果に応じて表示発光する他方の第1機器用表示発光源823(右側第2異常表示灯:右側FAULT B−LED)とを備えて構成されている。
【0190】
多重化装置800には、第1の電子機器810における一方の第2機器用表示発光源(左側第2異常表示灯812:左側FAULT B−LED)からの光を第2の電子機器820側の対応する一方の第2機器用表示部855(左側FAULT B:左側第1異常表示部)に向けて案内伝達する第1機器用光伝達部(非ループ状光経路)が図28の中央下部に埋設して設けられている。
ここで、非ループ状光経路は、右側第2異常表示灯812(右側FAULT B−LED)と第2機器用表示部855(左側FAULT B)とが互いに隣接する構成となっている。このため、光接続専用のプリズム状ミラー部等が不要となる構成とすることもできる。
【0191】
また、前記多重化装置800には、第2の電子機器820における前記一方の第1機器用表示発光源(右側第1異常表示灯823:右側FAULT A−LED)からの光を第1の電子機器810側における一方の第1機器用表示部863(左側FAULT A:左側第1異常表示部)に向けて案内伝達する第1機器用光伝達部としてのループ状光経路862が設けられている。
【0192】
更に、多重化装置800には、第1の電子機器810における他方の第2機器用表示発光源(左側第2異常表示灯813:左側FAULT B−LED)からの光を第2の電子機器820側における対応する他方の第2機器用表示部853(右側FAULT B:右側第2異常表示部)に向けて案内伝達する第2機器用光伝達部としてのループ状光経路852が設けられている。
【0193】
更に又、第2の電子機器820における前記他方の第1機器用表示発光源としての左側第1異常表示灯822(左側FAULT A−LED)からの光を第1の電子機器810に対応する他方の第1機器用表示部865(右側FAULT B:右側第2異常表示部)に向けて案内伝達する第1機器用光伝達部としての非ループ状光経路が図28の中央上部に埋設して設けられている。
ここで、非ループ状光経路は、左側第1異常表示灯822(左側FAULT A−LED)と第1機器用表示部865(右側FAULT A)とが互いに隣接する構成となっている。
【0194】
さらに、ループ状光経路852,862は、例えば光ファイバーなどの柔軟性のある光伝達部材を用いて構成してもよいし、他の種々の光学系(複数の光学部材)を組み合わせて用いてもよい。例えば、図28に示すように、ループ状光経路852,862は、複数のプリズム状ミラー部852a,852b,852c,852d、862a,862b,862c,862dを用いて構成してもよい。
【0195】
また、各表示灯は、LEDに限らず、種々の光源や表示部を用いることもできる。
【0196】
(動作説明)
次に、図28を参照して、本第9の実施形態における多重化装置800の動作について説明する。
【0197】
(図28:左側2個の表示灯)
第1の電子機器810内の第2機器用監視部811Bは、第1機器制御部811Aの指令によりシステムバス870を経由して、第2の電子機器820の稼働状態を常時監視している。
【0198】
続いて、第1の電子機器810内の第2機器用監視部811Bが第2の電子機器820の稼働停止を検知すると、第1機器制御部811Aは第2機器用監視部811Bを介して一方と他方の第2機器用表示発光源(第2異常表示灯)813,812を駆動して光を出力し、点灯(若しくは点滅)させる制御を行う。
【0199】
そして、この第1の電子機器810における一方の第2機器用表示発光源(第2異常表示灯)813から発せられた光は、一方の第2機器用光伝達部(ループ状光経路)852を経由して第2の電子機器820に対応する一方の第2機器用表示部853(図26における右側のFAULT B)側から出力表示される。
【0200】
同時に、第1の電子機器810における他方の第2異常表示灯812(第2機器用表示発光源)から発せられた光は、隣接する他方の第2機器用表示部855(図28における左側のFAULT B)に直接入力し、他方の第2機器用表示部855側から出力表示される。
【0201】
(図28:左側の2個の表示灯)
第2の電子機器820内の第1機器用監視部821Bは、第2機器制御部821Aの指令によりシステムバス870を経由して、第1の電子機器810の稼働状態を常時監視している。
【0202】
続いて、第2の電子機器820内の第2機器用監視部821Bが第1の電子機器810の稼働停止を検知すると、第2機器制御部821Aは第1機器用監視部821Bを介して一方と他方の第1機器用表示発光源(第1異常表示灯)822,823を駆動して光を出力し、点灯(若しくは点滅)させる制御を行う。
【0203】
そして、この第2の電子機器810における一方の第2機器用表示発光源(第2異常表示灯)822から発せられた光は、隣接する他方の第1機器用表示部865(図28における右側のFAULT A)に直接入力し、他方の第1機器用表示部865側から出力表示される。
【0204】
同時に、第2の電子機器820における他方の第2異常表示灯823(第2機器用表示発光源)から発せられた光は、第1機器用光伝達部(ループ状光経路)862を経由して第1の電子機器810に対応する一方の第1機器用表示部863(図28における左側のFAULT A)に送り込まれ、当該一方の第1機器用表示部863側から出力表示される。
【0205】
このように、第1異常表示灯822,823が発した光は隣接する第1異常表示部865に出力表示され、若しくは、第1異常表示灯823が発した光はループ状光経路862を経由して第1異常表示部863から出力表示される。
【0206】
ここで、本第9の実施形態において、二つの第1異常表示部865,863と、二つの第2異常表示部853,855は、プリズム状ミラーでは無く、磨りガラス程度に光の透過率が低い・透明度の低い媒体を用いても良い。
【0207】
その他の構成・動作およびその他のステップないしは機能並びにその作用効果については、前述した第1の実施形態の場合と同一となっている。また、上記の説明において、上述した各ステップの動作内容及び各部の構成要素並びにそれらによる各機能をプログラム化し、このプログラム(ソフトウエアプログラム)をコンピュータに実行させてもよい。
【0208】
また、電子機器の多重化装置としては、電子計算機の冗長化部品(冗長化されたストレージコントローラや冗長化サーバのコントローラ並びに冗長化されたサーバ監視機構)や冗長化された各種ネットワークスイッチ及び冗長化された構内交換機等に用いてもよい。
例えば、サーバを多重化した多重化装置において、電子機器の一例であるサーバには、複数のCPUやメモリ、HDD、チップセット、その他の回路などの主要コンポーネントが1つの電子機器内に装備されている場合を含む。これらの複数の電子機器である各サーバを多重化した多重化装置においては、一つのOS(オペレーティングシステム)(全体制御部)にて多重化装置を制御することができる。この場合、障害が発生すると、障害部分の一のサーバを切り離し、他の新たなサーバに交換することにより、故障したモジュールを交換し運用を継続して行うことができるようになっている。
さらに、バス部は、システムバスにより構成してもよいし、システムバスに加えて監視用バスなどの他の種々のバスを構成してもよい。
また、前述した実施の形態において、メジャーエラー、マイナーエラーは、各電子機器において定義されている各種エラー要素の各閾値に基づいて各電子機器の各機器制御部がメジャーエラー、マイナーエラー判定をすることができる。例えばエラー要素の一例として温度異常などを挙げることもできる。
【産業上の利用可能性】
【0209】
本発明は、電子機器全般に適用可能であり、より詳細には、電子計算機の冗長化部品といった用途に適用できる。
【図面の簡単な説明】
【0210】
【図1】本発明の第1の実施形態による多重化装置の全体的構成を示す図で、特に他方の電子機器の異常時における表示動作を組み込んだ説明図である。
【図2】図1の多重化装置の制御系及び光学系(右側のプリズム状ミラー)の構成の一例を示すブロック図である。
【図3】図1の多重化装置全体の概略構成を示す図で、特に一方の電子機器の異常時における表示動作を組み込んだ説明図である。
【図4】図3の多重化装置の制御系及び光学系(左側のプリズム状ミラー)の構成の一例を模式的に示すブロック図である。
【図5】図1に開示した第1の実施形態における多重化装置全体の表示部の概略構成を模式的に示す斜視図である。
【図6】図1に開示した第1の実施形態おける多重化装置全体の動作手順の一例を示すフローチャートである。
【図7】図6に開示したフローチャートの一部で第1の電子機器の第1機器制御部の動作を示すフローチャートである。
【図8】図6に開示したフローチャートの一部で第2の電子機器の第2機器制御部の動作を示すフローチャートである。
【図9】本発明の第2の実施形態による多重化装置における表示部の概略構成の一例を示す説明図である。
【図10】図9に示す多重化装置における第2の電子機器(OBJECT B)の制御系の構成の一例を示すブロック図である。
【図11】図9に示す多重化装置における第1の電子機器(OBJECT A)の制御系の構成の一例を示すブロック図である。
【図12】本発明の第3の実施形態における多重化装置全体の概略構成の一例を模式的に示す斜視図である。
【図13】本発明の第4の実施形態における多重化装置全体の概略構成の一例を模式的に示す斜視図である。
【図14】図13に示す実施形態のよる多重化装置全体の動作手順の一例を示すフローチャートである。
【図15】図14に開示したフローチャートの一部で、第1の電子機器の第1機器制御部の動作を示すフローチャートである。
【図16】図14に開示したフローチャートの一部で、第2の電子機器の第2機器制御部の動作を示すフローチャートである。
【図17】本発明の第5の実施形態における多重化装置全体の概略構成の一例を模式的に示す斜視図である。
【図18】図17に示す第5の実施形態のよる多重化装置全体の動作手順の一例を示すフローチャートである。
【図19】図18に開示したフローチャートの一部で、第1の電子機器の第1機器制御部の動作を示すフローチャートである。
【図20】図18に開示したフローチャートの一部で、第2の電子機器の第2機器制御部の動作を示すフローチャートである。
【図21】本発明の第6の実施形態における多重化装置全体の概略構成の一例を模式的に示す斜視図である。
【図22】本発明の第7の実施形態における多重化装置全体の概略構成の一例を模式的に示す斜視図である。
【図23】図22に示す第7の実施形態における多重化装置で保守時の不都合を示す説明図である。
【図24】図22に示す第7の実施形態における多重化装置の制御ブロック図および同図右側に位置する二個の表示部にかかる右側プリズム状ミラーの反射手順を示す説明図である。
【図25】図22に示す第7の実施形態における多重化装置の制御ブロック図および同図左側に位置する二個の表示部にかかる左側プリズム状ミラーの反射手順を示す説明図である。
【図26】本発明の第8の実施形態における多重化装置の全体の概略構成の一例を模式的に示す正面図である。
【図27】図26に示す第8の実施形態における多重化装置で保守時の不都合を示す説明図である。
【図28】本発明の第9の実施形態における多重化装置の全体の概略構成の一例(二重化横実装)を模式的に示す正面図である。
【図29】図28に開示した第9の実施形態における多重化装置の各電子機器が有する左右各二個の表示部にかかる駆動制御ブロック図である。
【符号の説明】
【0211】
1,100,200,300,400,500,600,700,800,900・・・・・・多重化装置
10,110,210,310,410,510,610,710,810,910・・・・第1の電子機器
11A,21A,111A,611A,811A・・・・・第1機器制御部
11B,21B,111B,611B,811B・・・・・第2機器用監視部
12,112,212,312,412,512,612,613,812,813・・・・・・第2機器用異常表示灯(一方の第2機器用表示発光源)
20,120,220,320,420,520,620,720,820,920・・・・・・第2の電子機器
21A,22A,121A,621A,821A・・・・・第2機器制御部
21B,22B,121B,621B,821B・・・・・第1機器用監視部
22,122,222,322,422,522,622,623,822,823・・・・・・第1機器用異常表示灯(一方の第1機器用表示発光源)
52,352,664,852・・・・・第2機器用光伝達部
53,253,353,453,553,655,665,755,765・・・・・・・第2機器用表示部
62,362,654,862・・・・・第1機器用光伝達部
63,263,363,463,563,653,663,753,763・・・・・・・・第1機器用表示部
70,170,270,370,470,570,670,770,870・・・・・・・・バス部
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子機器にかかる多重化装置に関し、特に、ストレージ、サーバ等の電子機器の増設を意図してなされる多重化装置、多重化装置用稼働状態表示方法、及び稼働状態表示用制御プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
複数のストレージ等の電子機器を多重化してなる多重化装置の関連技術の例として、例えば特許文献1などが挙げられる。
この特許文献1における多重化装置では、複数のディスク装置を備えたRAID(Redundant Arrays of Inexpensive Disks)構成の例が示されている。RAIDは、ホスト計算機と同一の筐体に格納したり、ホスト計算機とは別のディスク筐体に格納したりして構成されている。
【0003】
このRAIDは、故障したディスク装置を交換するに際しては、ホスト計算機やRAID装置の電源を切らずに交換する活線挿抜を行うことが多い。このため、ディスク筐体には、故障したディスク装置はどれか、RAIDとして組み込まれているディスク装置はどれか、などをオペレータに視角的に知らせるためのLED等による表示手段、或いはオペレータにより故障ディスク装置が抜かれた場合に新しいディスク装置が挿入されたことを検出するための手段が設けられている。
【0004】
また、ディスク筐体の故障は多くの場合、RAIDシステムそのものの停止につながるので、これを避けるため、筐体内部の電源や冷却用のファン(fan)などが故障したことを検出する手段や、筐体内部の温度を監視する手段等が設けられている。
【0005】
更にこの特許文献1では、ホストに搭載したRAID制御手段に筐体管理手段が設けられ、更にディスク筐体には筐体管理手段とディスク抑止手段が設けられ、RAID制御手段とディスク筐体とディスク装置とのデータ転送のためのディスクI/Fバスとは筐体管理バスで接続し、ディスク抑止手段でディスク筐体内のディスク装置を部分的に抑止しながら搭載されているディスク装置を特定してその固有なIDをディスク筐体に登録することで、以後は当該固有IDでディスク装置毎のLED(表示手段)を点灯制御する構成が開示されている。
【0006】
又、上記表示手段は、故障したディスク装置を識別できるようにしたり、RAIDを構築するために使用されているディスク装置を識別できるようにしたり、ディスク装置の故障によって失ったデータを再現している途中であることを識別できるようにしたり、電源や、ファン、温度等、ディスク筐体体内部に異常が発生していることを識別できるようにするもので、多くは、LED等の素子により実現し、筐体管理手段が表示手段を制御するように構成されている。
【特許文献1】特開平9−330184号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、上述した多重化装置ににおける表示機構では、多重化を構成する一の機器において部品故障が発生した場合に故障側の一の機器に対応するランプ等でエラー表示を試みるように構成されている。このため、故障側の一の機器における電気回路が全く動作しない状況にあっては、当該故障側機器がフリーズし、故障側のランプ表示は必ずしも正しくなく、「正常動作」表示のままフリーズしている場合が時には発生する。同時に、故障状態にあるにもかかわらず「正常動作」を表示し、表示機構のランプ表示が信頼できないという事態が生じる。
【0008】
このような、前記ランプ表示に異変が発生すると、多重化装置を構成する一の電子機器に対応する一のランプと他の電子機器に対応する他のランプとの双方が、「正常動作」を表示し、故障箇所の特定ができないという不都合があった。
また、故障箇所が特定できないため、故障部品を交換する際には、他の機器の正常動作中の部品までも停止させ、システム全体を停止させなければ成らない場合も時には生じていた。
【0009】
本発明の目的は、上述した関連技術の不都合を改善することにあり、多重化装置における各機器にエラーが発生した場合にそのエラー表示を有効に且つ確実に成し得ると共にこれにより当該各機器のエラー表示に際しての信頼性向上を図った多重化装置、多重化装置用稼働状態表示方法、及び稼働状態表示制御プログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するため、本発明にかかる多重化装置では、複数の各電子機器と、この各電子機器に装備され当該各電子機器の稼働状態を表示する機器用表示部と、前記各電子機器が備えている機器制御部の相互間を接続するバス部とを含み、このバス部を介して前記各電子機器が多重化されて成る多重化装置であって、前記複数の電子機器の内の一の電子機器は、他の一の電子機器の稼働状態を監視する他電子機器用監視部と、この他電子機器用監視部での監視結果に応じて表示発光する他電子機器用表示発光源と、これら各部の動作を制御する機器制御部とをそれぞれ備え、前記一の電子機器が備えている他電子機器用表示発光源の出力光を前記他の一の電子機器の機器用表示部に向けて案内伝達する他電子機器用光伝達部を、前記一の電子機器と前記他の一の電子機器との相互間に設けたことを特徴としている。
【0011】
又、上記目的を達成するため、本発明にかかる多重化装置用稼働状態表示方法は、一方と他方からなる複数の電子機器と前記各電子機器に対応して設けられ前記各電子機器の稼働状態を各々表示する各表示部と前記各電子機器が備えている各機器制御部相互間を接続するバス部とを含むと共に当該バス部により前記各電子機器を多重化してなる多重化装置における、前記各電子機器の停止有無の稼働状態を表示するための多重化装置用稼働状態表示方法であって、前記複数の機器の内の一方の電子機器における機器制御部が前記他方の電子機器における機器制御部を監視し、続いて、前記一方の電子機器における機器制御部が前記他方の電子機器における機器制御部の停止を検出した場合に前記一方の電子機器が備えている他電子機器用表示発光源から所定の表示用光信号を出力し、しかる後、前記一方の電子機器における前記他電子機器表示発光源からの表示用光信号を光伝達部を介して前記他方の電子機器に対応する前記表示部に向けて案内伝達する、という手順を採っていることを特徴とする。
【0012】
更に、上記目的を達成するため、本発明にかかる稼働状態表示用制御プログラムでは、一方と他方からなる複数の電子機器と、前記各電子機器に対応して設けられ当該各電子機器の稼働状態を各々個別に表示する表示部と、前記各電子機器が備えている各機器制御部相互間を接続するバス部とを備え、且つ前記バス部により前記各電子機器が多重化されてなる多重化装置に、予め装備された制御用のコンピュータに対して、諸機能の実現を設定する稼働状態表示用制御プログラムであって、前述した一方と他方からなる複数の電子機器のうち一方の電子機器における機器制御部が前記他方の電子機器における機器制御部を監視する監視機能と、前記一方の電子機器の機器制御部が前記他方の電子機器の機器制御部の停止を検出すると直ちに作動して前記一方の電子機器に予め装備された他電子機器用表示発光源から所定の光信号を出力させる光出力制御機能と、を前記コンピュータに実現させ、これにより、前記一方の電子機器における前記他方の電子機器用表示発光源からの光を光伝達部を介して前記他方の電子機器に対応する表示部に向けて案内伝達させるようにしたことを特徴としている。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、一方の電子機器における故障停止が発生しても他方の電子機器がこれを検知して前記一方の電子機器の表示部を駆動表示するようにしたので、多重化装置における各電子機器のエラー表示等に際しては当該表示における信頼性が著しく向上し、各電子機器の内の故障箇所などの正確な特定ができるという従来にない優れた多重化装置、多重化装置用状態表示方法、及び状態表示制御プログラムを提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
〔第1の実施の形態〕
(基本的構成)
先ず、本第1実施形態における多重化装置の基本的構成を図1乃至図2に基づいて説明する。
この実施形態における多重化装置1は、複数の電子機器10,20と、この各電子機器10,20に装備され当該各電子機器10,20の稼働状態を表示する機器用表示部63,53と、前記各電子機器10,20が備えている機器制御部11A,21Aの相互間を接続するシステムバス等のバス部70とを備え、このバス部70を介して前記各電子機器10,20が多重化された構成となっている。
【0015】
この複数の電子機器10,20の内の一の電子機器10は、他の一の電子機器20の稼働状態を監視する他電子機器用監視部(第2機器用監視部)11Bと、この他電子機器用監視部11Bでの監視結果に応じて表示発光する他電子機器用表示発光源(第2機器用異常表示灯)12と、これら各部の動作を制御する機器制御部(第1機器制御部)11Aとを、それぞれ備えている。
【0016】
そして、図2に示すように、前述した一の電子機器10と他の一の電子機器20との相互間には、前記一の電子機器10が備えている他電子機器用表示発光源(第2機器用異常表示灯)12の出力光を他の一の電子機器20の第2機器用表示部53に向けて案内伝達する他電子機器用光伝達部(第2機器用光伝達部)52が装備されている。
【0017】
又、前述した複数の電子機器10,20の内の他の一の電子機器20は、前記一の電子機器10の稼働状態を監視する他電子器用監視部(第1機器用監視部)21Bと、この他電子器用監視部21Bでの監視結果に応じて表示発光する他電子器用表示発光源(第1機器用異常表示灯)22と、これら各部の動作を制御する機器制御部(第2機器制御部)21Aとを備えている。
そして、図4に示すように、前述した他の一の電子機器20が備えている他電子器用表示発光源(第1機器用異常表示灯)22の出力光を前記一の電子機器10が備えている第1機器用表示部63に向けて案内伝達する他電子機器用光伝達部(第1機器用光伝達部)62が、前記他方の電子機器20と前記一方の電子機器10との相互間に設けられている。
【0018】
ここで、上述した基本的構成は、二以上の複数の電子機器を前提としてその内の対応関係にある二つの電子機器について説明したが、この複数の電子機器を一方と他方の二つの電子機器で構成し、前記一の電子機器を前記一方の電子機器(又は第1の電子機器)10とし、前記他の一の電子機器を前記他方の電子機器(又は第2の電子機器)20としてもよい。
【0019】
そして、このような場合、本第1実施形態にあって、第2機器制御部21Aの停止を第1機器制御部11Aの第2機器用監視部11Bで検知した場合、一方の電子機器10と他方の電子機器20とを光接続する第2機器用光伝達部52を介して、他方(第2)の電子機器20側の第2機器用表示部53にLED等のランプ点灯(若しくは点滅)が成され、当該他方の電子機器(第2の電子機器)20が故障で動作不能となっているにもかかわらず、当該他方の電子機器(第2の電子機器)20側のパネル面(表示面)に正確に故障表示される。
【0020】
これにより、本実施形態の多重化装置にあっては、多重化装置(冗長化装置)における部品故障時の故障表示をより正確に行い、故障切り分けを短時間に且つ正確に行うことが可能となり、かかる点において上記多重化装置の信頼性が向上し、同時に故障切り分けの迅速処理が可能となることから稼働率をより一層向上させることができる。
【0021】
この場合、前述した機器用光伝達部52,62として、プリズム状ミラーによる光接続やループ状光経路による光接続などを組み合わせることにより、表示信頼性の向上を図りながら補修部品の一元化が可能となる。
【0022】
以下、これを更に具体的に説明する。
図1乃至図4において、本実施の形態の多重化装置1は、上下方向に積層され下方側に配置された一方の電子機器10(第1の電子機器:OBJECT A)と、上方側に配置された他方の電子機器20(第2の電子機器:OBJECT B)とを備えている。また、この多重化装置1は、一方の電子機器10と同層に設けられ当該一方の電子機器10の状態を表示する第1機器用表示部63(第1異常表示部:FAULT A)と、他方の電子機器20と同層に設けられ当該他方の電子機器20の状態を表示する第2機器用表示部53(第2異常表示部:FAULT B)とを備えている。
【0023】
更に、この多重化装置1は、前述したように、一方の電子機器10内に装備され当該一方の電子機器10内の第2機器用監視部11B及び他電子器用表示発光源(第2機器用異常表示灯)12の動作を制御する第1機器制御部11Aと、前述した他方の電子機器20内に装備され当該他方の電子機器20内の第1機器用監視部21B及び他電子器用表示発光源(第1機器用異常表示灯)22の動作を制御する第2機器制御部21Aと、これら各機器制御部11A,21Aの相互間を接続しこれにより前記一方と他方の各電子機器10,20の多重化(又は冗長化)を可能としたバス部70とを備えている。
【0024】
この多重化装置1では、一方の電子機器10及び他方の電子機器20をバス部70に接続することにより、この一方と他方の電子機器10,20を多重化(又は冗長化)した状態に構成した。そして、多重化装置(又は冗長化装置)1においては、一方の電子機器10の状態を当該一方の電子機器10と同層に配置された第1機器用表示部63に表示し、他方の電子機器20の状態を当該他方の電子機器20と同層に配置された第2機器用表示部53に表示するようにした。
【0025】
一方の電子機器(第1の電子機器)10は、自機器の第1機器制御部11Aに、他方の電子機器(第2の電子機器)20の第2機器制御部21Aの状態を監視する他電子機器用監視部(第2機器用監視部)11Bと、この第2機器用監視部11Bでの監視結果に応じて表示発光する第2機器用表示発光源(第2機器用異常表示灯)12とを備えて構成されている。
【0026】
又、前述したように、他方の電子機器(第2の電子機器)20は、自機器の第2機器制御部21Aに、前記一方の電子機器(第1の電子機器)10の第1機器制御部11Aの状態を監視する他電子機器用監視部(第1機器用監視部)21Bと、この第1機器用監視部21Bでの監視結果に応じて表示発光する第1機器用表示発光源(第1機器用異常表示灯)22とを備えて構成されている。
【0027】
ここで、図1は他方の電子機器20における第2制御部21Aが故障した際に右上から見た概念図であり、図2は上記図1の状態における右側面から見た概略構成図である。又、図3は一方の電子機器10における第1機器制御部11Aが故障した際に右上から見た概念図であり、図4は上記図3の状態における右側面から見た概略構成図である。
この図1及び図3においては、光経路を見やすくするために、「FAULT A」、「FAULT B」の部分を、左右分離して図示している。左右分離しない場合には、例えば図5に示すようになる。
【0028】
そして、多重化装置(又は冗長化装置)1は、図1及び図2に示すように、一方の電子機器10における第2機器用異常表示灯12(第2機器用表示発光源)からの光S1を他方の電子機器20に対応する第2機器用表示部53に向けて案内伝達する第2機器用光伝達部52を備えている。ここで、異常表示灯は故障表示灯としてもよい。
【0029】
更に、多重化装置(又は冗長化装置)1には、図3及び図4に示すように、他方の電子機器20における第1機器用異常表示灯22(第1機器用表示発光源)からの光S2を一方の電子機器10に対応する第1機器用表示部63に向けて案内伝達する第1機器用光伝達部62を更に備えている。
【0030】
ここで、一方の電子機器10は、第1機器制御部11Aのほか、第1機器制御部11にて制御される図示しない制御対象、及びその他の各部を含んでいてもよい。また、他方の電子機器20は、第2機器制御部21Aのほか、第2機器制御部21Aにて制御される図示しない制御対象、及びその他の各部を含んでよい。
【0031】
又、前述した第2機器用光伝達部52は、図2に示すように、第1の右プリズム状ミラー部52aと第1の右プリズム状ミラー部52bとを含んで構成される。プリズム状ミラー部は、プリズム(光伝達部材)の一面がミラー(光反射部)として機能するものを用いることができる。光反射部としては、プリズム状ミラーに限らず、種々の反射部材(ミラー)を用いることができる。
【0032】
同様に、前述した第1機器用光伝達部62は、図4に示すように、第1の左プリズム状ミラー部62aと第2の左プリズム状ミラー部62bとを含んで構成される。
そして、図1〜図2に示すように、第2機器用異常表示灯12からの光S1(右光経路)は、第1の右プリズム状ミラー部52aにて反射された後、さらに第2の右プリズム状ミラー部52bにて反射され、第2機器用表示部53(FAULT B)に至る。
【0033】
又、図3〜図4に示すように、第1機器用異常表示灯22からの光S2(左光経路)は、第1の左プリズム状ミラー部62aにて反射された後、さらに第2の左プリズム状ミラー部62bにて反射され、第1機器用表示部63(FAULT A)に至る。
【0034】
(動作の説明)
次に、上述した多重化装置1の動作を、図1乃至図8に基づいて説明する。
【0035】
先ず、一方の電子機器(第1の電子機器)10における他電子機器用監視部(第2機器用監視部)11Bは、バス部等のバス部70を経由して他方の電子機器(第2の電子機器)20における第2機器制御部21Aの稼働状態を、常時監視している(図6:ステップS101)。
【0036】
そして、この第2機器用監視部11Bが、バス部70を介して第2機器制御部21Aの停止を検知すると、前述した第1機器制御部11Aは、直ちに前述した第2機器用異常表示灯12を起動して、その出力光の点灯(若しくは点滅)動作制御を行う(図6:ステップS102)。
【0037】
続いて、一方の電子機器10の第2機器用異常表示灯12から発せられた光S1は、図1,図2の矢印で示す光経路に沿って進行し、第1の右プリズム状ミラー部52a及び第2の右プリズム状ミラー部52bを経由して他方の電子機器20側の第2機器用表示部53(FAULT B)から外部に向けて点灯出力される(図6:ステップS102)。
【0038】
又、他方の電子機器20における他電子機器用監視部(第1機器用監視部)21Bは、バス部等のバス部70を経由して一方の電子機器(第1の電子機器)10における第1制御部11Aの稼働状態を常時監視している(図6:ステップS104)。
【0039】
そして、この第1機器用監視部21Bが、バス部70を介して第1制御部11Aが停止したことを検知すると、前述した第2機器制御部21Aは、直ちに前述した第1機器用異常表示灯22を起動して、その出力光の点灯(若しくは点滅)動作制御を行う(図6:ステップS105)。
【0040】
続いて、他方の電子機器20の第1機器用異常表示灯22から発せられた光S2は、図3,図4の矢印で示す光経路に沿って進行し、左光経路の如く進行し、第1の左プリズム状ミラー部62aおよび第2の左プリズム状ミラー部62bを経由して一方の電子機器10側の第1機器用表示部63(FAULT A)から外部に向けて点灯出力される(図6:ステップS105)。
【0041】
ここで、本第1実施形態では、一方の電子機器10がストールしていても、他方の電子機器20から一方の電子機器10側の第1機器用異常表示灯をバス部70を用いることなく点灯(若しくは点滅)させることが可能に構成されている。
逆に、他方の電子機器20がストールしていた場合にあっても、一方の電子機器10から他方の電子機器20側の第2機器用異常表示灯をバス部70を用いることなく点灯(若しくは点滅)させることが可能に構成されている。
【0042】
以下、これを更に詳述する。
(全体の動作)
図6において、まず、一方の電子機器10の第1機器制御部11Aは、第2機器用監視部11Bを介して他方の電子機器20の第2機器制御部21Aの稼働状態を監視し、当該第2機器制御部21Aが停止したか否かを監視する(ステップS101:第2機器状態監視ステップ,第2機器状態監視機能)。
【0043】
このステップS101の第2機器状態監視ステップにおいて、第2機器用監視部11Bが第2機器制御部21Aの停止を検出しない場合には、当該第2機器用監視部11Bは第2機器用異常表示灯(第2機器用表示発光源)の動作の停止状態を維持する(ステップS103:第2機器用表示発光源の光出力停止ステップ、第2機器用光出力停止制御機能)。
この場合、第1機器制御部11Aは第2機器用異常表示灯(第2機器用表示発光源)の動作制御に際しては、例えば緑色点灯など表示色が変更するように制御を行ってもよい(第2機器用発光色変更制御ステップ,第2機器用発光色変更制御機能)。
【0044】
前記ステップS101の第2機器用状態監視ステップS101において、第1機器用監視部11Bが、第2機器制御部21Aの停止状態を検出した場合には、前記第1の電子機器における第1機器制御部11Aは、第2機器用監視部11Bを介して第2機器用異常表示灯(第2機器用表示発光源)12を稼働させ、異常(故障)である旨の光を出力する(第2機器用表示光出力ステップ,第2機器用表示光出力制御機能)。
【0045】
続いて、第2機器用異常表示灯(第2機器用表示発光源)12から光が出力されると、当該出力光を第2機器用光伝達部52を介して他方の電子機器20に対応する第2機器用表示部53に向けて案内伝達し、これにより第2機器用表示部53から所定の光が出力され、他方の電子機器20に異常が発生したことが外部に表示される(ステップS102:第2機器用光伝達ステップ,第2機器用光伝達機能)。
【0046】
次に、他方の電子機器20の第1機器用監視部21Bが前述した一方の電子機器10の第1機器制御部11Aの稼働状態を監視し、他方の電子機器20における第2機器制御部21Aにて、前述した一方の電子機器における第1機器制御部11Aが稼働停止したか否かを監視する(ステップS104:第1機器状態監視ステップ,第1機器状態監視機能)。即ち、他方の電子機器20から前記一方の電子機器10の第1機器制御部が稼働停止したか否か監視する。
【0047】
このステップS104の一方の電子機器状態監視ステップにおいて、他方の電子機器20の第1機器用監視部21Bが第1機器制御部11Aの稼働停止を検出しない場合には、当該第1機器用監視部21Bは第1機器用異常表示灯(第1機器用表示発光源)22の動作停止状態を維持する(ステップS106:第1機器用光出力停止ステップ、第1機器用光出力停止制御機能)。
【0048】
この場合、第2機器制御部21Aは第1機器用異常表示灯(第1機器用表示発光源)22の動作制御に際しては、例えば緑色点灯など表示色が変更するように制御を行ってもよい(第2機器用発光色変更制御ステップ,第2機器用発光色変更制御機能)。
【0049】
或いは、第2制御監視部が第1異常表示灯(第1の第1機器用表示発光源)22の動作において、例えば緑色点灯など表示色が変更する制御を行ってもよい(第1機器用表示発光色変更制御ステップ,第1機器用表示発光色変更制御機能)。
【0050】
一方、前記ステップS104の第1機器用状態監視ステップにおいて、第1機器用監視部21Bが、第1機器制御部11Aの停止状態を検出した場合には、前記第2の電子機器20における第2機器制御部21Aは、第2機器用監視部21Bを介して第1機器用異常表示灯(第2機器用表示発光源)22を稼働させ、異常(故障)である旨の光を出力する(第1機器用表示光出力ステップ,第1機器用表示光出力制御機能)。この場合、例えば、第1機器用異常表示灯(第2機器用表示発光源)22が点灯又は点滅の動作を行うように前記第1機器用監視部21Bによって制御される。
【0051】
続いて、第1機器用異常表示灯(第2機器用表示発光源)22から光が出力されると、当該出力光は第1機器用光伝達部を介して、一方の電子機器10に対応する第1機器用表示部63に向けて案内伝達され、これにより、第1機器用表示部63から一方の電子機器10側から光が外部に向けて出力表示される(ステップS105:第1機器用光伝達ステップ,第1機器用光伝達機能)。
【0052】
このように、上記第1の実施形態にあっては、二重化構成の多重化装置1における各電子機器10,20の機器用監視部が、それぞれ正常な一方の電子機器1又は2が隣接する他の電子機器2又は1を常時監視し、異常状態の発生に際しては正常な電子機器側でこれを捕捉して異常な電子機器の表示部に当該電子機器が異常である旨、点灯表示するように構成した。
【0053】
このため、多重化装置(冗長化装置)1における部品故障時の故障表示がより正確に行われることとなり、故障切り分けを短時間に且つ正確に行うことが可能となり、かかる点において上記多重化装置1の信頼性が向上し、同時に故障切り分けの迅速処理が可能となることから稼働率をより一層向上させることができる。
【0054】
この場合、前述した機器用光伝達部52,62として、プリズム状ミラーによる光接続やループ状光経路による光接続などを組み合わせることにより、表示信頼性の向上を図りながら且つ補修部品の一元化が可能となり、更に、三重化以上の構成にも対応可能となり、各部品以外の箇所でランプなどによる故障表示をさせることも可能となるという利点がある。
【0055】
図7乃至図8には、上述した一方と他方の各の電子機器1,2における第1機器制御部11A又は第2機器制御部21Aの個別動作のフローチャートを示す。この各動作の内容は、前述した全体の動作説明(図6参照)に開示した内容と同一となっている。
一方、この場合、上述した第1実施例では、第1機器制御部11Aの動作後に第2機器制御部21Aの動作が実行される構成としたが、ここでは、例えば第1機器制御部11Aと第2機器制御部21Aとを個別に、そしてほぼ同時に作動させてもよい。
このようにすると、相互チェックの時間を短縮することができ、保守に際しての作業能率の向上を図ることができ、全体的な作業能率を著しく改善することができるという利点がある。
【0056】
以上のように、本第1実施形態によると、多重化装置における安定した動作状態表示を得ることができ、多重化装置において故障箇所切り分け時間の短縮化を図ることができ、更に、多重化装置において作業ミス防止効果によるシステム全体の安定動作を実現することが可能となる。
【0057】
又、多重化装置1にあって、正常な電子機器側からバス部70を介する電気的信号により故障側にランプ表示させる状態表示システムと比較すると、システムバス等のバス部70の構成が小さくなり信頼性向上の効果も期待できる。
【0058】
ここで、前述した動作説明における各ステップについては、その実行内容をコンピュータによる処理可能にプログラム化し、このソフトウエアプログラム(制御プログラム)を各電子機器が有するコンピュータに実行させるように構成するようにしてもよい。
さらには、システム全体の処理にあっては、各電子機器を多重化するための多重化装置を制御する多重化装置制御ソフトウエア(OS)が前記プログラムを実行する場合であってもよい。あるいは、別途全体制御用コンピュータにより実行する場合であってもよい。
【0059】
[第2の実施形態]
次に、本発明にかかる第2の実施の形態を、図9乃至図11に基づいて説明する。
ここで、前述した第1の実施形態の場合と同一の構成については同一の符号を用いるものとする。
【0060】
本第2の実施形態における多重化装置100では、図9に示すように、第1の電子機器(一方の電子機器)110側に、複数の表示部、即ち、第1機器用異常表示部163と、第1自己監視異常表示部164と、第1メジャーエラー表示部165と、第1マイナーエラー表示部166と、第1実行表示部167と、第1動作可表示部168と、が設けられて構成されている。
【0061】
また、上記多重化装置100では、図9に示すように、第2の電子機器(他方の電子機器)120側にも、前述した第1の電子機器(一方の電子機器)110側と同等の、第2異常表示部153と、第2自己監視異常表示部154と、第2メジャーエラー表示部155と、第2マイナーエラー表示部156と、第2実行表示部157と、第2動作可表示部158と、が設けられている。
【0062】
このような図9に示す多重化装置100において、各表示部と前述した第1実施形態における各構成要素とを組み合わせることにより、次のように、更に細かい状態表示を行うことが可能となる。
【0063】
即ち、この図9に示す多重化装置100では、図11に示すように、第1の電子機器110には、前述した第1実施形態の場合と同様に第2の電子機器120の稼働状態を監視すると共に前述した各表示部の表示動作を個別に駆動する第2機器用監視部111Bと、この第2機器用監視部111Bの動作を制御する第1機器制御部111Aとを備えている。
【0064】
そして、この第2機器用監視部111Bは、第1機器制御部111Aに付勢されて作動し、第2機器用異常表示灯112と、第1自己監視異常表示灯114と、第1メジャーエラー表示灯115と、第1マイナーエラー表示灯116と、第1実行表示灯117と、第1動作可表示灯118とをそれぞれ点灯(若しくは点滅)駆動することで、第2異常表示部153(FAULT B)と、第1自己監視異常表示部164と、第1メジャーエラー表示部165と、第1マイナーエラー表示部166と、第1実行表示部167と、第1動作可表示部168との各部の表示が実行されるようになっている。
【0065】
ここで、上記第2機器用監視部111Bは、第1機器制御部111Aに付勢されて本第2実施形態では各表示灯の点灯(若しくは点滅)制御を一括して行う構成したが、或いは各部の点灯(若しくは点滅)制御を各々独立して行うように構成してもよい。
【0066】
又、上記多重化装置100では、図10に示すように、第2の電子機器120には、前述した第1実施形態の場合と同様に第1の電子機器110の稼働状態を監視すると共に、前述した各表示部の表示動作を個別に駆動する第1機器用監視部121Bと、この第1機器用監視部121Bの動作を制御する第2機器制御部121Aとを備えている。
【0067】
そして、上記第1機器用監視部121Bが、第2機器制御部121Aに付勢されて作動し、第1機器用異常表示灯122と、第2自己監視異常表示灯124と、第2メジャーエラー表示灯125と、第2マイナーエラー表示灯126と、第2実行表示灯127と、第2動作可表示灯128とをそれぞれ点灯(若しくは点滅)駆動することで、第1異常表示部163(FAULT A)と、第2自己監視異常表示部154と、第2メジャーエラー表示部155と、第2マイナーエラー表示部156と、第2実行表示部157と、第2動作可表示部158との各部の表示が実行されるようになっている。
【0068】
ここで、上記第1機器用監視部121Bは、本第2実施形態では各部の点灯(若しくは点滅)制御を一括して行う構成したが、或いは各部の点灯(若しくは点滅)制御を各々独立して行うように構成してもよい。
【0069】
さらに、前述した第1実施形態と同様に、上記多重化装置100では、第1の電子機器110の故障をバス部170経由で検出した第2の電子機器120側の第2機器制御部121Aは、機器用監視部121Bを介して第1機器用異常表示灯122を点灯(若しくは点滅)制御する。
続いて、上記第1機器用異常表示灯122が発した光は、図示しない左プリズム状ミラーを経由して第1機器用異常表示部163から出力される。
【0070】
また、上記多重化装置100では、第2の電子機器120の故障をバス部170経由で検出した第1の電子機器110側の第1機器制御部111Aは、第2機器用監視部111Bを介して第2機器用異常表示灯112を点灯(若しくは点滅)制御する。
続いて、前記第2機器用異常表示灯112が発した光は、図示しない右プリズム状ミラーを経由して第2異常表示部153から出力される。
【0071】
その他の構成およびその動作は前述した第1実施形態と同様になっている。
本第2の実施形態は上述したように構成され動作するので、これによると、前述した第1実施形態の場合と同様の作用効果を奏しながらも、更に細かい状態表示を行うこともできるという利点がある。
【0072】
ここで、上述した各構成の動作内容及び各機能を、コンピュータが実行可能な内容にプログラム化し、これをコンピュータに実行させるように構成してもよい。
【0073】
[第3の実施形態]
次に、本発明にかかる多重化装置の第3の実施形態を図12に基づいて説明する。
ここで、図12は、本第3実施の形態における多重化装置の全体を示す概略構成を模式的に示す斜視図である。
【0074】
前述した第1実施の形態(図1〜図2参照)では、ランプ表示部分を各電子機器の前面側に設置する構成としたが、図12に示す本第3の実施形態では、ランプ表示部分を各電子機器210,220の側面に延設して設置した構成となっている。
即ち、第1,第2の複数の電子機器210,220の積層配置に際しては、前記第1,第2の各機器用表示部263,253が、前記電子機器210,220の積層方向と交差する方向の一側部に延設された位置で且つ正面に向けて設置されている。この場合、前記各光伝達部が、この配置状態に応じて構成されるようになっている。
【0075】
図12は、下側に位置する第1の電子機器210が故障した際に、その右上から見た図である。
この第3の実施形態における多重化装置200は、図12に示すように、第1の電子機器210と、第2機器用異常表示灯212と、光伝達部を構成するプリズム状ミラー部252a,252bと、第2機器用異常表示部253とを備えて構成されている。
【0076】
又、この多重化装置200は、前述した第1の電子機器210に積層された第2の電子機器220と、第1機器用異常表示灯222と、光伝達部を構成するプリズム状ミラー部262b,262aと、第1機器用異常表示部263と、システムバス等のバス部270とを備えて構成されている。その他の構成は前述した第1実施形態と同一となっている。
【0077】
次に、本第3の実施形態にかかる多重化装置200の動作を説明する。
先ず、多重化装置200では、第1の電子機器210の第2機器用監視部(不図示)は、前述した第1実施形態の場合と同様に、バス部270を経由して第2の電子機器220における図示しない第2機器制御部の稼働状態を常時監視している。
【0078】
そして、上記第1の電子機器210の第2機器用監視部が、バス部270を介して第2の電子機器220における第2機器制御部が停止したことを検知すると、当該第1の電子機器210に予め装備されている第1機器制御部が作動し、前述した第2機器用監視部を介して第2機器用異常表示灯212を起動制御し、当該第2機器用異常表示灯212を点灯(若しくは点滅)させ、表示光を出力制御する。
【0079】
続いて、第1の電子機器210の第2機器用異常表示灯212から発せられた光は、プリズム状ミラー部252a,252bを経由して第2の電子機器220に対応する第2機器用表示部としての第2異常表示部253(FAULT 2)側から外部に向けて出力表示される。
【0080】
一方、第2の電子機器220における第1機器用監視部(不図示)は、前述したバス部270を経由して第1の電子機器210における図示しない第1機器制御部の稼働状態を常時監視している。
【0081】
そして、上記第2の電子機器220の第1機器用監視部が、バス部270を介して第1の電子機器210における第1機器制御部が停止したことを検知すると、当該第2の電子機器220に予め装備されている第2機器制御部が作動し、前述した第1機器用監視部(不図示)を介して第1機器用異常表示灯222を起動制御し、当該第1機器用異常表示灯222を点灯(若しくは点滅)させ、表示光を出力制御する。
【0082】
続いて、第2の電子機器220の第1機器用異常表示灯222から発せられた光は、プリズム状ミラー部262b,262aを経由して第1の電子機器210に対応する第1機器用表示部としての第1異常表示部263(FAULT 1)側から外部に向けて出力表示される。
その他の構成およびその作用効果は前述した第1の実施形態と同一となっている。
【0083】
この第3の実施形態は以上のように構成され機能するので、これによると、前述した第1の実施形態と同様の作用効果を奏しながらも、ランプ表示部分を積層された各電子機器210,220の側面に位置して且つ正面に向けて設置したので、故障表示の自由度・多様性に対応することが可能となる。
【0084】
また、前記プリズム状ミラー部は、光ファイバーによる光接続に置き換えてもよい。ここ場合、光ファイバーによる光接続とすることで狭い場所も通ることが可能となることから、レイアウトの自由度が向上しその用途も広がる。
【0085】
更に、上記の各構成要素の動作説明において、上述した各ステップの動作内容及び各部の構成要素並びにそれらによる各機能をコンピュータ実行可能にプログラム化し、このプログラム(ソフトウエアプログラム)を前記電子機器が備えているコンピュータに実行させるようにしてもよい。
【0086】
[第4の実施の形態]
次に、第4の実施形態を図13に基づいて説明する。
ここで、この図13は、本第4実施の形態における多重化装置300の全体を示す概略構成を模式的に示す斜視図であり、上側の第2の電子機器が故障した際に、その右上から見た場合の図である。
【0087】
この第4の実施形態は、前述した第1実施形態がランプ表示部分を前述した各電子機器の枠内における前面側に設置したのに対して、ランプ表示部分を各電子機器の枠外の上部および下部に設置した点に特徴を有する。
【0088】
図13において、本第4実施形態にかかる多重化装置300は、一方の電子機器である第1の電子機器310と、第2機器用異常表示灯312と、ダミー表示灯313と、プリズム状ミラー部352a,352bを含む第2機器用光伝達部352と、第2機器用異常表示部353(FAULT B)とを備えて構成されている。
ここで、この第1の電子機器310は、前述した第1実施形態の場合と同様に、第2電子機器320の動作を監視する第2機器用監視部(不図示)と、この第2機器用監視部(不図示)および上記各表示灯の動作を制御する第1機器用制御部(不図示)とを備えて構成されている。
【0089】
更に、この多重化装置300は、他方の電子機器である第2の電子機器320と、第1機器用異常表示灯322と、ダミー表示灯323と、プリズム状ミラー部362b,362a,363bとを含む第1機器用光伝達部362と、第1機器用異常表示部363とを備えて構成されている。
ここで、この第2の電子機器320は、前述した第1実施形態の場合と同様に、第1の電子機器310の動作を監視する第1機器用監視部(不図示)と、この第1機器用監視部(不図示)および上記各表示灯の動作を制御する第2機器制御部(不図示)とを備えて構成されている。
又、第1,第2の各電子機器310,320は、相互に積層されて多重化され、バス部370を介して一体的に連結されている。
【0090】
即ち、上述した第1,第2の複数の機器310,320は、積層配置される際に、前記第1の電子機器310に点灯制御される第2機器用表示部353が、前記多重化装置300の積層方向の一端側(第2の電子機器320側)の天部に配設され、前記第2の電子機器310に点灯制御される第1機器用表示部363が、前記多重化装置300の積層方向の他端側である底部に配設されている。そして、前述した各光伝達部362,352が、この配置状態に対応して組み込まれている。
その他の構成は前述した第1実施形態と同一となっている。
【0091】
次に、この第4の実施形態の動作を、図13乃至図14を参照して説明する。
先ず、図13に示す多重化装置300では、第1の電子機器310における第1機器制御部(不図示)は、第2機器用監視部(不図示)およびバス部370を経由して第2の電子機器320を監視している。
【0092】
続いて、第1の電子機器310の第2機器用監視部が、第2の電子機器320の第2機器制御部の停止を検知すると、前述した第1の電子機器310内の第1機器制御部は、第2機器用監視部を介して第2異常表示灯312から光を出力し、点灯(若しくは点滅)制御する。
【0093】
その後、第1の電子機器310内の第2異常表示灯312から発せられた光は、プリズム状ミラー部352a,352bを経由して第2の電子機器320側に配置された第2機器用表示部である第2機器用異常表示部353(FAULT B)側から出力される。
【0094】
一方、第2の電子機器320における第1機器用監視部(不図示)は、バス部370を経由して第1の電子機器310内における第2機器制御部(不図示)の状態を常時監視している。
そして、第2の電子機器320における第1機器用監視部(不図示)が、第1機器用監視部の停止を検知すると、第1機器用監視部を介して第1機器用異常表示灯322から光を出力し、点灯(若しくは点滅)制御を行う。
【0095】
これにより、第2の電子機器320内の第1機器用異常表示灯322から発せられた光は、プリズム状ミラー部362b,362a,及び363bを経由して第1の電子機器310に対応する第1機器用表示部である第1機器用異常表示部363(FAULT 1)側から出力される。
【0096】
以下、上記動作を更に詳細に説明する。
(システム全体の動作)
図14に示すように、多重化装置300が備えたコンピュータ(又は第1の電子機器310が備えているコンピュータ)がバス部370を介して外部(例えば、図示しないホストコンピュータ)からロケーションID(制御部識別子)を取得する処理を行う(ステップS201:制御部識別子取得ステップ,制御部識別子取得機能)。
【0097】
続いて、多重化装置300の第1の電子機器310が備えているコンピュータが、取得したロケーションIDが「1」(第1の電子機器識別情報)であるか否か判定する(ステップS202:制御部識別子判定処理ステップ,制御部識別子判定機能)。
【0098】
ここで、ロケーションIDが「1」(第1の電子機器識別情報)は、バス部370の図13における下部に実装される第1の電子機器310がこれに対応する。また、ロケーションIDが「2」(第2の電子機器識別情報)の場合は、バス部370の図13における上部に実装される第2の電子機器320がこれに対応する。
【0099】
ステップS202において、ロケーションIDが「1」でないと判定された場合は、多重化装置300は、第2の電子機器320が作動し第1機器用異常表示灯322を(図13参照右側)を選択設定する(ステップS203)。
【0100】
一方、ステップS202において、ロケーションIDが「1」であると判定された場合は、多重化装置300は、第2の電子機器310が作動し第2機器用異常表示灯312((図13/左側)を選択設定する(ステップS211)。
【0101】
このステップS211に続いて、第1の電子機器310が第2の電子機器320の稼働状態を監視し、第1の電子機器310における第1機器制御部が前述したように第2の電子機器320の第2機器制御部の停止有無を検出する(ステップS212:第2機器用監視ステップ,第2機器用状態監視機能)。即ち、第1の電子機器310は第2の電子機器320が停止したかを検出する。
【0102】
上記ステップS212の第2機器用監視ステップにおいて、第1の電子機器310側が第2電子機器320側の停止を検出しない場合には、第1機器制御部は第2機器用監視部を介して第2機器用異常表示灯(第2機器用表示発光源)312の動作を停止する(ステップS214:第2機器用光源出力停止ステップ、第2機器用光源出力停止機能)。
この場合、第1の電子機器310の第1機器制御部は、第2機器用監視部を介して第2機器用異常表示灯(第2機器用表示発光源)312の動作を制御する際しては、例えば緑色点灯など表示色が変更する制御を行ってもよい(光源発光色変更制御ステップ,光源発光色変更制御機能)。
【0103】
一方、前記ステップS212の第2機器用監視ステップにおいて、第1の電子機器310側が第2電子機器320側の停止を検出した場合には、第1の電子機器310の第1機器制御部が第2機器用監視部を介して第2機器用異常表示灯(第2機器用表示発光源)312を動作させ、異常(故障)である旨の光を出力する(第2機器用表示光出力ステップ,第2機器用表示光出力制御機能)。
これにより、例えば、第1の電子機器310側の第2機器用監視部が点灯又は点滅する動作を行うように第2機器用異常表示灯312を駆動制御する。
【0104】
その後、上記第1の電子機器310の第2機器用異常表示灯(第2機器用表示発光源)312から光が出力されると、第2機器用光伝達部(プリズム状ミラー部352a,352b)を介して、第2の電子機器320に対応する第2機器用表示部(第2機器用異常表示部)353(FAULT B)に向けて案内伝達され、当該第2機器用異常表示部353が設置されている第2の電子機器320側から異常表示用の表示光が出力されることとなる(ステップS213:第2機器用光伝達ステップ,第2機器用光伝達機能)。
【0105】
次に、ステップS203に続いて、第2の電子機器320が第1の電子機器310の稼働状態を監視し、当該第2の電子機器320にて、前記第1の電子機器310が停止したか否かを検出する(ステップS204:第1機器稼働監視ステップ,第1機器用状態監視機能)。
【0106】
上記ステップS204の第1機器稼働監視ステップにおいて、第2の電子機器320側が第1の電子機器の稼働停止を検出しなかった場合には、第2の電子機器320側の第2機器制御部が第1機器用監視部を介して第1機器用異常表示灯(第1機器用表示発光源)322の動作を停止する(ステップS206:第1機器用表示光源出力停止ステップ,第1機器用光源出力停止制御機能)。
この場合、或いは、第2の電子機器320側で第1機器用異常表示灯(第1機器用表示発光源)322を、例えば緑色点灯など表示色を変更する制御を行ってもよい(第1機器用光源色変更制御ステップ,第1機器用光源発光色変更制御機能)。
【0107】
一方、前記ステップS204の第1機器用監視ステップにおいて、第2の電子機器320側が、第2電子機器310側の稼働停止を検出した場合には、第2の電子機器320において、第2機器制御部が第1機器用監視部を介して第1機器用異常表示灯(第1機器用表示発光源)322を動作させ、異常(故障)である旨の光を出力する(第1機器用表示光出力ステップ,第1機器用表示光出力制御機能)。
【0108】
その後、上記第2の電子機器320の第1機器用異常表示灯(第1機器用表示発光源)322から光が出力されると、第1機器用光伝達部(プリズム状ミラー部362a,362b,363b)を介して、第1の電子機器310に対応する第1機器用表示部(第1機器用異常表示部)363(FAULT A)に向けて案内伝達され当該第2機器用異常表示部363が設置されている第1の電子機器310側から異常表示用の表示光が出力されることとなる(ステップS205:第1機器用光伝達ステップ,第1機器用光伝達機能)。
【0109】
以降、前記各ステップを繰り返すことによって、上記多重化装置300では、二重化構成における各機器の状態表示制御が実行される。
【0110】
ここで、上述した図13,図14に示す多重化装置300にあっては、第1の電子機器310と第2の電子機器320とをその監視順序を相互に連携させた状態の例を説明したが、ロケーションIDが「1」の場合の第1の電子機器310における監視制御動作と、ロケーションIDが「2」の場合の第2の電子機器320における監視制御動作とを、図15,図16に示すように、それぞれ独立した状態で稼働させるように構成してもよい。この場合、それぞれ図15,図16の各稼働処理内容は、前記図14に開示した内容と同一となっている。
このようにすると、前述した第1実施形態における図7ないし図8の場合と同様の作用効果を得ることができる。
【0111】
ここで、上述した各構成部分における各動作機能については、それらをコンピュータが実施可能にプログラム化し、前述した対応する第1の電子機器310又は第2の電子機器の電子機器320が備えているコンピュータに実行させるように構成してもよい。
【0112】
以上のように、上記第4の実施形態によれば、前述した第1の実施形態の場合と同様の作用効果を有するほか、ランプ表示部分を第1の電子機器310の下側および第2の電子機器320の上側にそれぞれその全域にわたって設置し得るので、故障表示の自由度があり、従って故障表示の多様性に有効に対応することができるという利点がある。
【0113】
又、前述したプリズム状ミラー部352a,352b;362a,362b,363bについては、これを光ファイバーによる光接続に置き換えることにより、狭い場所での設置が可能となり、レイアウトの自由度の向上を図ることができ、使用用途も広がるという利点がある。
【0114】
[第5の実施形態]
次に、第5の実施形態を図17に基づいて説明する。
この図17は、本第5実施の形態における多重化装置400の全体を示す概略構成を模式的に示した斜視図である。
【0115】
本第5の実施形態において、多重化装置400は、図17に示すように、背面側に配置したバス部470に対応して図17の上下方向に多重化されて配置された二つの電子機器410,420によって構成されている。この内、下側には第1の電子機器410(OBJECT A)が、上側には第2の電子機器420(OBJECT B)が、それぞれ実装されている。
【0116】
そして、この図17に示す第5の実施形態にあっては、第1,第2の各電子機器410,420の各一端面(前面)が同一面上に配置され、この各電子機器410,420の一端面内に、各電子機器用の異常表示面が配置された構成となっている。
即ち、第1の電子機器410の一端面内に第1機器用異常表示部422(FAULT A)の表示面463が配置され、第2の電子機器420の一端面内に第2機器用異常表示部412(FAULT B)の表示面453が配置されたレイアウト構成を有する。
【0117】
このため、プリズム状ミラー部452b,452a、プリズム状ミラー部462b,462aが、第2の電子機器420(OBJECT B)及び第1の電子機器410(OBJECT A)の内部に納まるように構成される。
その他の構成は前述した第1の実施形態(図1〜図4参照)と同一となっている。
【0118】
(動作説明)
次に、上記第5の実施形態の動作を図18を参照しつつ説明する。
この図18は、本第5の実施形態における多重化装置400おける全体の動作(情報処理手順)の一例を示すフローチャートである。
【0119】
この図18に示すように、上記多重化装置400が備えたコンピュータ(第1又は第2の電子機器が備えているコンピュータ)は、バス部470を介して図示しないホストコンピュータからロケーションID(制御部識別子)を取得する(ステップS301:制御機器識別子取得処理ステップ,制御機器識別子取得処理機能)。
【0120】
ここで、本第5実施形態では、第1又は第2の電子機器410,420がそれぞれ同時に個別に前記ロケーションID(制御部識別子)を取得するように構成され、その内容によっては各電子機器410,420の各々がロケーションID(制御部識別子)の内容を判断し、当該ロケーションID(制御部識別子)の適合した電子機器410又は420が前記ホストコンピュータに選択されて作動するように構成されている。
【0121】
尚、この場合、多重化装置400は前述した第1、第2の各電子機器410又は420の入力段にロケーションID(制御部識別子)を識別するためのCPUを予め装備しておき、当該CPUの判断で、前述した第1,第2の各電子機器410又は420の何れか(正常動作可能な方)が選択されるように構成してもよい。
【0122】
続いて、上記多重化装置400側で取得したロケーションIDが「1」(第1の電子機器識別情報)であるか否かが判定される(ステップS302:制御部識別子判定処理ステップ,制御部識別子判定処理機能)。
【0123】
ここで、ロケーションIDが「1」(第1の電子機器識別情報)の場合は、バス部470に対応して図17の下方側に実装された第1の電子機器410の識別子が入力されたことを意味する。又、ロケーションIDが「2」(第2の電子機器識別情報)の場合は、バス部470に対応して図17の上方側に実装された第2の電子機器420の識別子が入力されたことを意味する。
【0124】
前記ステップS302において、ロケーションIDが「1」でないと判定された場合は、多重化装置400が備えているコンピュータは第2の電子機器420の動作を意図して、第1異常表示灯は右側のもの(図17)を選択設定する処理を行う(ステップS303)。
【0125】
一方、ステップS302において、ロケーションIDが「1」であると判定された場合は、多重化装置400が備えているコンピュータは、第1の電子機器410の動作を意図して、第2異常表示灯は左側のもの(図17)を選択設定する処理を行う(ステップS311)。
【0126】
ステップS311に続いて、第1の電子機器410が第2の電子機器420の状態を監視し、第1の電子機器410にて、第2の電子機器420が停止したか否かを検出する(ステップS312:第2機器状態監視ステップ,第2機器状態監視機能)。
【0127】
前記ステップS312の第2機器状態監視ステップにおいて、第1の電子機器410が備えている第2機器用監視部が、第2の電子機器410の稼働停止を検出しない場合には、第1の電子機器410の第2機器用監視部が第2機器用異常表示灯(第2機器用表示発光源)412の動作を停止する(ステップS314:第2機器用表示光源出力停止ステップ,第2機器用表示光源出力停止機能)。
【0128】
この場合、第1の電子機器410の第2機器用監視部は、第2機器用異常表示灯(第1の第2機器用表示発光源)412の動作において、例えば緑色点灯など表示色が変更する制御を行ってもよい(第2機器用表示光色変更制御ステップ,第2機器用表示光色変更制御機能)。
【0129】
一方、前記ステップS312の第2機器状態監視ステップにおいて、第1の電子機器410の第1機器用監視部が、第2の電子機器420の稼働停止を検出した場合には、第1の機器410における第2機器用監視部が第2機器用異常表示灯(第2機器用表示発光源)412を動作させ、異常(故障)である旨の光を出力する(第2機器用表示光出力ステップ,第2機器用表示光出力機能)。この場合、例えば、第2機器用監視部は第2機器用異常表示灯412が点灯又は点滅するように動作制御する。
【0130】
その後、第2機器用異常表示灯(第2機器用表示発光源)412から光が出力されると、第2機器用光伝達部(プリズム状ミラー部452a・プリズム状ミラー部452b)を介して、第2の電子機器420に対応する第2機器用表示部としての第2異常表示部(FAULT B)453に向けて案内伝達することで、第2異常表示部453が設定された第2の電子機器420側から光が出力することとなる(ステップS313:第2機器用光伝達ステップ,第2機器用光伝達機能)。
【0131】
次に、ステップS303に続いて、第2の電子機器420が第1の電子機器410の稼働状態を監視し、第2の電子機器420における第1機器用監視部が第1の電子機器410(即ち、第1機器制御部)の稼働が停止したか否かを検出する(ステップS304:第1機器状態監視ステップ,第1機器状態監視機能)。
【0132】
前記ステップS304の第1機器状態監視ステップにおいて、第2機器用監視部が、第1の電子機器410の稼働停止を検出しない場合には、第2の電子機器420の第1機器用監視部が第1異常表示灯(第1機器用表示発光源)422の動作を停止する(ステップS306:第1機器用表示光源出力停止ステップ,第1機器用表示光源出力停止機能)。
【0133】
この場合、第2の電子機器420の第1機器用監視部が第1機器用異常表示灯(第1機器用表示発光源)422の動作において、例えば緑色点灯など表示色が変更する制御を行ってもよい(第1機器用表示光源発光色変更制御ステップ,第1機器用表示光源発光色変更制御機能)。
【0134】
一方、前記ステップS304(第1機器状態監視ステップ)において、第2機器用監視部が、第2の電子機器420の稼働停止を検出した場合には、第1の電子機器410内において第2機器用監視部が第1異常表示灯(第1機器用表示発光源)412を動作させ、異常(故障)である旨の光を出力する(第1機器用表示光源出力ステップ,第1機器用表示光源出力機能)。
【0135】
その後、第1異常表示灯(第1の第1機器用表示発光源)412から光が出力されると、第1機器用光伝達部(プリズム状ミラー部462a,462b)を介して、第1の電子機器410に対応する第1機器用表示部としての第1異常表示部463(FAULT A)に向けて案内伝達することで、第1の電子機器410側の第1機器用表示部463から表示光が出力されることとなる(ステップS305:第1機器用光伝達ステップ,第1機器用光伝達機能)。
【0136】
以降、前記各ステップを繰り返すことによって、この二重化構成の多重化装置における各機器の状態表示制御を行う。
【0137】
ここで、上述した図18に示す多重化装置400にあっては、第1の電子機器410と第2の電子機器420とをその監視順序を相互に連携させた状態の例を説明したが、ロケーションIDが「1」の場合の第1の電子機器410における監視制御動作と、ロケーションIDが「2」の場合の第2の電子機器420における監視制御動作とを、図19,図20に示すように、それぞれ独立した状態で稼働させるように構成してもよい。この場合、それぞれ図19,図20の各稼働処理内容は、前記図18に開示した内容と同一となっている。
【0138】
以上のように本第5の実施形態によれば、前述した第1の実施の形態と同様の作用効果を奏しながらも、ランプ表示部分を各制御部の内部に設置できるので、多重化装置における規模の小型化、省スペース化に寄与できる。
【0139】
その他の構成・動作およびその他のステップないしは機能並びにその作用効果については、前述した第1の実施形態の場合と同一となっている。
また、上記の説明において、上述した各ステップの動作内容、および各構成要素による各機能の内容をプログラム化し、このプログラムをコンピュータに実行させるように構成してもよい。
【0140】
[第6の実施の形態]
次に、本発明にかかる第6の実施形態を、図21に基づいて説明する。
この図21は、本第6の実施形態における多重化装置全体の概略構成の一例を模式的に示す斜視図である。
【0141】
この第6の実施形態は、上述した第5の実施形態と一部異なり、図21に示す本実施の形態の多重化装置500に示すように、バス部570に接続されて実装される第2の電子機器520(OBJECT B)及び第1の電子機器510(OBJECT A)の前面より、第1機器用異常表示部563(FAULT A)及び第2機器用異常表示部553(FAULT B)が突設されたレイアウト構成とした点に特徴を有する。
【0142】
この場合、プリズム状ミラー部552b,552a、プリズム状ミラー部562b,562aが、第2の電子機器520(OBJECT B)及び第1の電子機器510(OBJECT A)の外部に突出された構成となっている。
【0143】
その他の構成およびその動作機能並びにその作用効果については、前述した第5の実施形態と同一となっている。
【0144】
[第7の実施の形態]
次に、本発明にかかる第7の実施形態を図22乃至図26に基づいて説明する。
この第7の実施の形態は、第1,第2の各電子機器の異常表示部をそれぞれ第1表示部と第2表示部として二箇所に装備した点に特徴を有する。
【0145】
最初に、前述した第5の実施形態(図17参照)との相違点を説明し、本第7実施形態に必要性を説明する。
まず、前述した第5の実施形態(図17参照)にあって、例えば各電子機器410,420の故障が発生した場合を想定する。この場合、当該故障にかかる電子機器410又は420を作業員が交換した場合に前述した付属部品であるプリズム状ミラーの形状及び異常表示灯の上下(又は左右)位置が逆になる場合が生じる。
【0146】
例えば、比較例として図23を示す。この図23は、保守点検時に第1の電子機器410と第2の電子機器420とを上下入れ替えた場合の図を示す。かかる場合、図23では、どちらの機器用異常表示灯412,422を点灯させたとしても発した光が異常表示部453,463に届かない状態となってしまう。
【0147】
即ち、図23に示す多重化装置400Aおいては、異常表示灯422(FAULT B−LED)からの光(矢印P4)が異常表示部453(FAULT B)に至らない。また、異常表示灯412(FAULT A−LED)からの光(矢印Q4)が異常表示部463(FAULT A)に至らない事態が発生する。
【0148】
また、図27に示す多重化装置500Aおいては、異常表示灯522(FAULT B−LED)からの光(矢印P4)が異常表示部553(FAULT B)に至らない。また、異常表示灯512(FAULT A−LED)からの光(矢印Q5)が異常表示部563(FAULT A)に至らない事態が発生する。
【0149】
この場合、第1の電子機器410の場合と同じプリズム状ミラーの形状であり同じ位置に異常表示灯を有する補修部品を用意し、第2の電子機器420と同じプリズム状ミラーの形状であり同じ位置に異常表示灯を有する補修部品を用意すれば、交換できることにはなるが、この2つの補修部品に相互互換は無いことから補修部品が2種類になってしまうという不都合がある。
【0150】
本第7の実施形態では、図22に示すように、各電子機器610,620に異常表示灯を二箇所に装備して2つ点灯(若しくは点滅)させるようにし、それぞれをプリズム状ミラー及びプリズム状ミラーからループ状光経路を通して異常表示部に導くことにより、前述した図23の如き不都合を回避したもので、保守作業上、装置全体の有用性および信頼性が著しく高められたものとなっている。
【0151】
以下、これを具体的に説明する。
まず、この第7の実施形態における多重化装置600は、図22に示すように、第1の電子機器610と、第2の電子機器620と、バス部670とを含んで構成される。更に、2つの第2機器用異常表示灯612,613と、2つの第1機器用異常表示灯622,623と、プリズム状ミラー部652a,653b,662a,662bと、ループ状光経路654,664とを含む構成としている。
【0152】
前述した多重化装置600における表示部は、第1の電子機器610に対応する第1の表示部である一方の第1機器用表示部663(左側FAULT A:左側第1異常表示部)及び第2の表示部である他方の第1機器用表示部653(右側FAULT A:右側第1異常表示部)と、第2の電子機器620に対応する第1の表示部である一方の第2機器用表示部655(右側FAULT B:右側第2異常表示部)及び第2の表示部である他方の第2機器用表示部665(左側FAULT B:左側第2異常表示部)とを含む構成としている。
【0153】
第1の電子機器610内には、図25,図26に示すように、第2の電子機器620の状態を監視する第2機器用監視部611B及びその動作を制御する第1機器制御部611Aと、この第1機器制御部611A及び第2機器用監視部611Bでの監視結果に応じて表示発光する一方の第2機器用表示発光源である右側第2異常表示灯612(右側FAULT B−LED)と、前述した第1機器制御部611A及び第2機器用監視部611Bでの監視結果に応じて表示発光する他方の第2機器用表示発光源としての左側第2異常表示灯613(左側FAULT B−LED:図26参照)とを含んで構成される。
【0154】
又、第2の電子機器620内には、図25,図26に示すように、第1の電子機器610の稼働状態を監視する第1機器用監視部621B及びその動作を制御する第2機器制御部621Aと、この第2機器制御部621A及び第1機器用監視部621Bでの監視結果に応じて表示発光する一方の第1機器用表示発光源である左側第1異常表示灯622(右側FAULT A−LED)と、前述した第2機器制御部621A及び第1機器用監視部621Bでの監視結果に応じて表示発光する他方の第1機器用表示発光源としての右側第1異常表示灯623(左側FAULT A−LED:図26参照)とを含んで構成されている。
【0155】
この第7の実施形態における多重化装置600では、第1の電子機器610における一方の第2機器用表示発光源(右側第2異常表示灯:右側FAULT B−LED)612からの光を第2の電子機器620側に対応する一方の第2機器用表示部(右側FAULT B:右側第2異常表示部)655に向けて案内伝達する一方の第2機器用光伝達部(プリズム状ミラー部652a,652b:非ループ状光経路)が設けられている。
【0156】
また、この第7の実施形態における多重化装置600には、第2の電子機器620における前記一方の第1機器用表示発光源としての左側第1異常表示灯(左側FAULT A−LED)623からの光を第1の電子機器610側に対応する一方の第1機器用表示部(左側FAULT A:左側第1異常表示部)663に向けて案内伝達する一方の第1機器用光伝達部(プリズム状ミラー部662a,662b:非ループ状光経路)が設けられている。
【0157】
更に、本第7の実施形態における多重化装置600には、前記第1の電子機器610における前記他方の第2機器用表示発光源としての左側第2異常表示灯(左側FAULT B−LED)613からの光を、前記第2の電子機器620側に対応する前記他方の第2機器用表示部(左側FAULT B:左側第2異常表示部)665に向けて案内伝達する他方の第2機器用光伝達部としてのループ状光経路664が設けられている。
【0158】
又、前記第2の電子機器620における前記他方の第1機器用表示発光源としての右側第1異常表示灯(右側FAULT A−LED)622からの光を、前記第1の電子機器610に対応する前記他方の第1機器用表示部(左側FAULT B:左側第2異常表示部)665に向けて案内伝達する他方の第1機器用光伝達部としてのループ状光経路654が設けられている。
【0159】
ここで、ループ状光経路664、654は、例えば光ファイバーなどの柔軟性のある光伝達部材を用いて構成してもよいし、他の種々の光学系(複数の光学部材)を組み合わせて用いてもよい。
この場合、ループ状光経路664は、例えば図22に示すように、複数のプリズム状ミラー部664a ,664b,664c,664dを用いて構成されている。
【0160】
同様に、ループ状光経路654は、例えば図22に示すように、複数のプリズム状ミラー部654a ,654b,654c,654dを用いて構成されている。
更に、2つのループ状光経路664,654の内、経路長の長いループ状光経路654を光ファイバーで、経路長の短いループ状光経路664を複数のプリズム状ミラー部で構成してもよい。
【0161】
また、各表示灯は、LEDに限らず、種々の光源や表示部を用いることもできる。
【0162】
このように、前記複数の各電子機器610,620が積層配置される際に、前記一方と他方の各第1機器用表示部が同層に形成され、前記一方と他方の各第2機器用表示部が同層に形成され、前記一方の第1機器用表示部と前記一方の第2機器用表示部とが同列に形成され、他方の第1機器用表示部と他方の第2機器用表示部とが同列に配置される(図22参照)。
【0163】
この場合、図22に示すように、前記他方の第2機器用光伝達部と前記他方の第1機器用光伝達部とが、ループ状光経路により形成され、前記一方の第2機器用光伝達部と前記一方の第1機器用光伝達部とが、非ループ状光経路により形成されている。
【0164】
(動作説明)
次に、本第7実施形態の多重化装置600の動作を、図22を参照して説明する。
(図22:右側の2個の表示灯)
図22および図25に示すように、第1の電子機器610内の一方の第2機器用監視部611Bは、予め装備された第1機器制御部611Aの指示に従いバス部670を経由して第2の電子機器620の稼働状態を常時監視している。
【0165】
この場合、第1の電子機器610内の一方の第2機器用監視部611Bが、バス部670を介して第2の電子機器620が稼働停止したことを検知すると、前述した第1機器制御部611Aは、一方の第2機器用表示発光源(右側第2異常表示灯)612を起動させ、その出力光の点灯(若しくは点滅)制御を行う。
【0166】
その後、第1の電子機器610における右側第2異常表示灯612(一方の第2機器用表示発光源)から発せられた光は、一方の第2機器用光伝達部を構成するプリズム状ミラー部652a,652bを経由して第2の電子機器620に対応する一方の第2機器用表示部655(図22における右側のFAULT B)側から出力され、当該一方の第2機器用表示部655を点灯表示する。
【0167】
又、第2の電子機器620内の一方の第1機器用監視部621Bは、予め装備された第2機器制御部621Aの指示に従いバス部670を経由して第1の電子機器610の稼働状態を常時監視している。
【0168】
そして、この場合、第2の電子機器620内の一方の第1機器用監視部621Bが、バス部670を介して第1の電子機器610が稼働停止したことを検知すると、前述した第2機器制御部621Aは、第2の電子機器620内の一方の第1機器用表示発光源(右側第1異常表示灯)622を起動させ、その出力光の点灯(若しくは点滅)制御を行う。
【0169】
その後、第2の電子機器620における右側第1異常表示灯622(他方の第1機器用表示発光源)から発せられた光は、他方の第1機器用光伝達部を構成するプリズム状ミラー部652b,654,652aを経由して第1の電子機器610に対応する一方の第1機器用表示部653(図22における右側のFAULT A)側から出力され、当該第1の電子機器610の第1機器用表示部653を点灯表示する。
【0170】
(図22:左側の2個の表示灯)
図22および図26に示すように、第2の電子機器622内の他方の第1機器用監視部621Bは、予め装備された第2機器制御部621Aの指示に従いバス部670を経由して第1の電子機器610の稼働状態を常時監視している。
【0171】
この場合、第2の電子機器622内の他方の第1機器用監視部621Bが、バス部670を介して第1の電子機器610が稼働停止したことを検知すると、第2の電子機器620の第2機器制御部621Aは、前記他方の第1機器用監視部621Bを介して他方の第1機器用表示発光源(左側第1異常表示灯)623を起動させ、その出力光の点灯(若しくは点滅)制御を行う。
【0172】
その後、第2の電子機器620における左側第1異常表示灯(他方の第1機器用表示発光源)623から発せられた光は、他方の第1機器用光伝達部を構成するプリズム状ミラー部662b,662aを経由して第1の電子機器610に対応する他方の第1機器用表示部663(図22,図26における左側のFAULT A)側から出力され、当該他方の第1機器用表示部663を点灯表示する。
【0173】
又、第1の電子機器610内の他方の第2機器用監視部611Bは、予め装備された第1機器制御部611Aの指示に従いバス部670を経由して第2の電子機器620の稼働状態を常時監視している。
【0174】
そして、この場合、他方の第2機器用監視部611Bが、バス部670を介して第2の電子機器620が稼働停止したことを検知すると、前述した第1の電子機器610内の第1機器制御部611Aは、他方の第2機器用表示発光源(左側第2異常表示灯)613を起動させ、その出力光の点灯(若しくは点滅)制御を行う。
【0175】
その後、第1の電子機器610における左側第2異常表示灯(他方の第2機器用表示発光源)613から発せられた光は、他方の第2機器用光伝達部を構成するプリズム状ミラー部662a,664,662bを経由して第2の電子機器620に対応する他方の第2機器用表示部(図22,図26における左側のFAULT B)665側から出力され、当該他方の第2機器用表示部665を点灯表示する。
【0176】
ここで、前述したループ状光経路654,664は、例えば光ファイバーなどの柔軟性のある光伝達部材を用いて構成してもよいし、他の種々の光学系(複数の光学部材)を組み合わせて用いてもよい。例えば、ループ状光経路664は、図22に示すように、複数のプリズム状ミラー部664a ,664b,664c,及び664dを用いて構成することもできる。
【0177】
以上のように上記第7の実施形態によれば、前述した第1の実施形態の場合と同様の作用効果を奏しながらも、一方と他方の各電子機器を上下逆に配置しても表示灯の動作をそのまま継続して実行することができ、かかる点において、一方と他方の各電子機器交換時の補修部品種類を1種類にすることにより補修部品ストック削減が可能となるという利点が或る。また、2つの内の片方の表示灯が故障した場合にあっても故障表示ができることから、表示動作上の信頼性が向上し、安定した動作状態表示を得ることができる。
【0178】
その他の構成・動作およびその他のステップないしは機能並びにその作用効果については、前述した第1の実施形態の場合と同一となっている。また、上記の説明において、上述した各構成要素の動作ステップの動作内容及び各部の構成要素並びにそれらによる各機能をプログラム化し、このプログラム(ソフトウエアプログラム)をコンピュータに実行させてもよい。
【0179】
[第8の実施の形態]
次に、第8の実施形態を図26に基づいて説明する。
ここで、前述した第7の実施形態と同一の構成部材については同一の符号を用いるものとする。
【0180】
この第8の実施の形態は、前述した第7の実施形態において、図22における左側と右側の各2個の表示部653,655および663,665と、それに連なる左側と右側の各機器用光伝達部(一方と他方の第1機器用光伝達部および一方と他方の第2機器用光伝達部)とを、前述した第1及び第2の各電子機器610,620の前面から突出して設置した点に特徴を有する。
【0181】
即ち、この図26では、前述した第7の実施形態(図22参照)の各表示部(左側と右側の各2個の表示部653,655および663,665)を、その対応する各電子機器の前面から突設して、それぞれ753,755および763,765とした点に特徴を有する。
【0182】
この図26に示す第8の実施の形態は、前述した第7の実施形態が図17(第5の実施形態)における保守点検時の不都合を改善したのと同様に、図21(第6の実施形態)における保守点検時の不都合を改善した内容となっている。
比較例として図27を示す。この図27は、前述した図21(第6の実施形態)において、保守点検時に第1の電子機器510と第2の電子機器520とを上下入れ換えて設置し多重化装置500Aとした場合を示す。
この図27の場合、どちらの異常表示灯512,522を点灯させても、その出力光が当該表示部553,563に届かないという事態が生じる。もともと保守上のミスで発生する内容のものではあるが、本第8実施形態では、かかる事態の発生に対しても、これに対応して装置の安全動作を確保し得るようにした点に特徴を有する。
【0183】
その他の具体的な構成内容およびその機能、更には全体的な作用効果は、前述した第7の実施形態と同一となっている。又、この図26に示す第8の実施形態は、表示部が突設された分だけオペレータによる故障箇所の認識が容易となり、保守点検を迅速化が期待できるという利点を有する。
【0184】
[第9の実施の形態]
次に、本発明にかかる第9の実施の形態について、図28に基づいて説明する。この図28は、本第9の実施形態による多重化装置全体の概略構成の一例(二重化横実装)を模式的に示す正面図である。
【0185】
この第9の実施形態にかかる多重化装置800は、前述した第7の実施形態における二重化構成の一方と他方の電子機器と同等のものを横に2個接続した二重化横実装の構成にした点に特徴を有する。
【0186】
具体的には、本第9の実施形態における多重化装置800では、図28に示すように、第1の電子機器810と、第2の電子機器820と、バス部870とを備えている。
更に、この多重化装置800では、2つの第2異常表示灯812,813と、2つの第1異常表示灯822,823と、ループ状光経路852,862と、その他の各光経路とを備えて構成されている。
【0187】
以下、これを詳述する。
図28に示すように、多重化装置800における表示部(前面)には、第1の電子機器810に対応する一方の第1機器用表示部863(左側FAULT A:左側第1異常表示部)及び他方の第1機器用表示部865(右側FAULT A:右側第1異常表示部)と、第2の電子機器820に対応する一方の第2機器用表示部853(右側FAULT B:右側第2異常表示部)及び他方の第2機器用表示部855(左側FAULT B:左側第2異常表示部)とが配設されている。
【0188】
又、前述した第1の電子機器810内には、図29に示すように、第2の電子機器820の状態を監視する第2機器用監視部811Bと、この第2機器用監視部811Bの動作を制御する第1機器制御部811Aと、前記第2機器用監視部811Bでの監視結果に応じて表示発光する一方の第2機器用表示発光源812(左側第2異常表示灯:左側FAULT A−LED)と、同じく第2機器用監視部811Bでの監視結果に応じて表示発光する他方の第2機器用表示発光源813(右側第2異常表示灯:右側FAULT B−LED)とを備えて構成されている。
【0189】
更に、前述した第2の電子機器820内には、図29に示すように、第1の電子機器810の状態を監視する第1機器用監視部821Bと、この第1機器用監視部821Bの動作を制御する第2機器制御部821Aと、前記第1機器用監視部821Bでの監視結果に応じて表示発光する一方の第1機器用表示発光源822(左側第1異常表示灯:左側FAULT A−LED)と、同じく第2機器用監視部821Bでの監視結果に応じて表示発光する他方の第1機器用表示発光源823(右側第2異常表示灯:右側FAULT B−LED)とを備えて構成されている。
【0190】
多重化装置800には、第1の電子機器810における一方の第2機器用表示発光源(左側第2異常表示灯812:左側FAULT B−LED)からの光を第2の電子機器820側の対応する一方の第2機器用表示部855(左側FAULT B:左側第1異常表示部)に向けて案内伝達する第1機器用光伝達部(非ループ状光経路)が図28の中央下部に埋設して設けられている。
ここで、非ループ状光経路は、右側第2異常表示灯812(右側FAULT B−LED)と第2機器用表示部855(左側FAULT B)とが互いに隣接する構成となっている。このため、光接続専用のプリズム状ミラー部等が不要となる構成とすることもできる。
【0191】
また、前記多重化装置800には、第2の電子機器820における前記一方の第1機器用表示発光源(右側第1異常表示灯823:右側FAULT A−LED)からの光を第1の電子機器810側における一方の第1機器用表示部863(左側FAULT A:左側第1異常表示部)に向けて案内伝達する第1機器用光伝達部としてのループ状光経路862が設けられている。
【0192】
更に、多重化装置800には、第1の電子機器810における他方の第2機器用表示発光源(左側第2異常表示灯813:左側FAULT B−LED)からの光を第2の電子機器820側における対応する他方の第2機器用表示部853(右側FAULT B:右側第2異常表示部)に向けて案内伝達する第2機器用光伝達部としてのループ状光経路852が設けられている。
【0193】
更に又、第2の電子機器820における前記他方の第1機器用表示発光源としての左側第1異常表示灯822(左側FAULT A−LED)からの光を第1の電子機器810に対応する他方の第1機器用表示部865(右側FAULT B:右側第2異常表示部)に向けて案内伝達する第1機器用光伝達部としての非ループ状光経路が図28の中央上部に埋設して設けられている。
ここで、非ループ状光経路は、左側第1異常表示灯822(左側FAULT A−LED)と第1機器用表示部865(右側FAULT A)とが互いに隣接する構成となっている。
【0194】
さらに、ループ状光経路852,862は、例えば光ファイバーなどの柔軟性のある光伝達部材を用いて構成してもよいし、他の種々の光学系(複数の光学部材)を組み合わせて用いてもよい。例えば、図28に示すように、ループ状光経路852,862は、複数のプリズム状ミラー部852a,852b,852c,852d、862a,862b,862c,862dを用いて構成してもよい。
【0195】
また、各表示灯は、LEDに限らず、種々の光源や表示部を用いることもできる。
【0196】
(動作説明)
次に、図28を参照して、本第9の実施形態における多重化装置800の動作について説明する。
【0197】
(図28:左側2個の表示灯)
第1の電子機器810内の第2機器用監視部811Bは、第1機器制御部811Aの指令によりシステムバス870を経由して、第2の電子機器820の稼働状態を常時監視している。
【0198】
続いて、第1の電子機器810内の第2機器用監視部811Bが第2の電子機器820の稼働停止を検知すると、第1機器制御部811Aは第2機器用監視部811Bを介して一方と他方の第2機器用表示発光源(第2異常表示灯)813,812を駆動して光を出力し、点灯(若しくは点滅)させる制御を行う。
【0199】
そして、この第1の電子機器810における一方の第2機器用表示発光源(第2異常表示灯)813から発せられた光は、一方の第2機器用光伝達部(ループ状光経路)852を経由して第2の電子機器820に対応する一方の第2機器用表示部853(図26における右側のFAULT B)側から出力表示される。
【0200】
同時に、第1の電子機器810における他方の第2異常表示灯812(第2機器用表示発光源)から発せられた光は、隣接する他方の第2機器用表示部855(図28における左側のFAULT B)に直接入力し、他方の第2機器用表示部855側から出力表示される。
【0201】
(図28:左側の2個の表示灯)
第2の電子機器820内の第1機器用監視部821Bは、第2機器制御部821Aの指令によりシステムバス870を経由して、第1の電子機器810の稼働状態を常時監視している。
【0202】
続いて、第2の電子機器820内の第2機器用監視部821Bが第1の電子機器810の稼働停止を検知すると、第2機器制御部821Aは第1機器用監視部821Bを介して一方と他方の第1機器用表示発光源(第1異常表示灯)822,823を駆動して光を出力し、点灯(若しくは点滅)させる制御を行う。
【0203】
そして、この第2の電子機器810における一方の第2機器用表示発光源(第2異常表示灯)822から発せられた光は、隣接する他方の第1機器用表示部865(図28における右側のFAULT A)に直接入力し、他方の第1機器用表示部865側から出力表示される。
【0204】
同時に、第2の電子機器820における他方の第2異常表示灯823(第2機器用表示発光源)から発せられた光は、第1機器用光伝達部(ループ状光経路)862を経由して第1の電子機器810に対応する一方の第1機器用表示部863(図28における左側のFAULT A)に送り込まれ、当該一方の第1機器用表示部863側から出力表示される。
【0205】
このように、第1異常表示灯822,823が発した光は隣接する第1異常表示部865に出力表示され、若しくは、第1異常表示灯823が発した光はループ状光経路862を経由して第1異常表示部863から出力表示される。
【0206】
ここで、本第9の実施形態において、二つの第1異常表示部865,863と、二つの第2異常表示部853,855は、プリズム状ミラーでは無く、磨りガラス程度に光の透過率が低い・透明度の低い媒体を用いても良い。
【0207】
その他の構成・動作およびその他のステップないしは機能並びにその作用効果については、前述した第1の実施形態の場合と同一となっている。また、上記の説明において、上述した各ステップの動作内容及び各部の構成要素並びにそれらによる各機能をプログラム化し、このプログラム(ソフトウエアプログラム)をコンピュータに実行させてもよい。
【0208】
また、電子機器の多重化装置としては、電子計算機の冗長化部品(冗長化されたストレージコントローラや冗長化サーバのコントローラ並びに冗長化されたサーバ監視機構)や冗長化された各種ネットワークスイッチ及び冗長化された構内交換機等に用いてもよい。
例えば、サーバを多重化した多重化装置において、電子機器の一例であるサーバには、複数のCPUやメモリ、HDD、チップセット、その他の回路などの主要コンポーネントが1つの電子機器内に装備されている場合を含む。これらの複数の電子機器である各サーバを多重化した多重化装置においては、一つのOS(オペレーティングシステム)(全体制御部)にて多重化装置を制御することができる。この場合、障害が発生すると、障害部分の一のサーバを切り離し、他の新たなサーバに交換することにより、故障したモジュールを交換し運用を継続して行うことができるようになっている。
さらに、バス部は、システムバスにより構成してもよいし、システムバスに加えて監視用バスなどの他の種々のバスを構成してもよい。
また、前述した実施の形態において、メジャーエラー、マイナーエラーは、各電子機器において定義されている各種エラー要素の各閾値に基づいて各電子機器の各機器制御部がメジャーエラー、マイナーエラー判定をすることができる。例えばエラー要素の一例として温度異常などを挙げることもできる。
【産業上の利用可能性】
【0209】
本発明は、電子機器全般に適用可能であり、より詳細には、電子計算機の冗長化部品といった用途に適用できる。
【図面の簡単な説明】
【0210】
【図1】本発明の第1の実施形態による多重化装置の全体的構成を示す図で、特に他方の電子機器の異常時における表示動作を組み込んだ説明図である。
【図2】図1の多重化装置の制御系及び光学系(右側のプリズム状ミラー)の構成の一例を示すブロック図である。
【図3】図1の多重化装置全体の概略構成を示す図で、特に一方の電子機器の異常時における表示動作を組み込んだ説明図である。
【図4】図3の多重化装置の制御系及び光学系(左側のプリズム状ミラー)の構成の一例を模式的に示すブロック図である。
【図5】図1に開示した第1の実施形態における多重化装置全体の表示部の概略構成を模式的に示す斜視図である。
【図6】図1に開示した第1の実施形態おける多重化装置全体の動作手順の一例を示すフローチャートである。
【図7】図6に開示したフローチャートの一部で第1の電子機器の第1機器制御部の動作を示すフローチャートである。
【図8】図6に開示したフローチャートの一部で第2の電子機器の第2機器制御部の動作を示すフローチャートである。
【図9】本発明の第2の実施形態による多重化装置における表示部の概略構成の一例を示す説明図である。
【図10】図9に示す多重化装置における第2の電子機器(OBJECT B)の制御系の構成の一例を示すブロック図である。
【図11】図9に示す多重化装置における第1の電子機器(OBJECT A)の制御系の構成の一例を示すブロック図である。
【図12】本発明の第3の実施形態における多重化装置全体の概略構成の一例を模式的に示す斜視図である。
【図13】本発明の第4の実施形態における多重化装置全体の概略構成の一例を模式的に示す斜視図である。
【図14】図13に示す実施形態のよる多重化装置全体の動作手順の一例を示すフローチャートである。
【図15】図14に開示したフローチャートの一部で、第1の電子機器の第1機器制御部の動作を示すフローチャートである。
【図16】図14に開示したフローチャートの一部で、第2の電子機器の第2機器制御部の動作を示すフローチャートである。
【図17】本発明の第5の実施形態における多重化装置全体の概略構成の一例を模式的に示す斜視図である。
【図18】図17に示す第5の実施形態のよる多重化装置全体の動作手順の一例を示すフローチャートである。
【図19】図18に開示したフローチャートの一部で、第1の電子機器の第1機器制御部の動作を示すフローチャートである。
【図20】図18に開示したフローチャートの一部で、第2の電子機器の第2機器制御部の動作を示すフローチャートである。
【図21】本発明の第6の実施形態における多重化装置全体の概略構成の一例を模式的に示す斜視図である。
【図22】本発明の第7の実施形態における多重化装置全体の概略構成の一例を模式的に示す斜視図である。
【図23】図22に示す第7の実施形態における多重化装置で保守時の不都合を示す説明図である。
【図24】図22に示す第7の実施形態における多重化装置の制御ブロック図および同図右側に位置する二個の表示部にかかる右側プリズム状ミラーの反射手順を示す説明図である。
【図25】図22に示す第7の実施形態における多重化装置の制御ブロック図および同図左側に位置する二個の表示部にかかる左側プリズム状ミラーの反射手順を示す説明図である。
【図26】本発明の第8の実施形態における多重化装置の全体の概略構成の一例を模式的に示す正面図である。
【図27】図26に示す第8の実施形態における多重化装置で保守時の不都合を示す説明図である。
【図28】本発明の第9の実施形態における多重化装置の全体の概略構成の一例(二重化横実装)を模式的に示す正面図である。
【図29】図28に開示した第9の実施形態における多重化装置の各電子機器が有する左右各二個の表示部にかかる駆動制御ブロック図である。
【符号の説明】
【0211】
1,100,200,300,400,500,600,700,800,900・・・・・・多重化装置
10,110,210,310,410,510,610,710,810,910・・・・第1の電子機器
11A,21A,111A,611A,811A・・・・・第1機器制御部
11B,21B,111B,611B,811B・・・・・第2機器用監視部
12,112,212,312,412,512,612,613,812,813・・・・・・第2機器用異常表示灯(一方の第2機器用表示発光源)
20,120,220,320,420,520,620,720,820,920・・・・・・第2の電子機器
21A,22A,121A,621A,821A・・・・・第2機器制御部
21B,22B,121B,621B,821B・・・・・第1機器用監視部
22,122,222,322,422,522,622,623,822,823・・・・・・第1機器用異常表示灯(一方の第1機器用表示発光源)
52,352,664,852・・・・・第2機器用光伝達部
53,253,353,453,553,655,665,755,765・・・・・・・第2機器用表示部
62,362,654,862・・・・・第1機器用光伝達部
63,263,363,463,563,653,663,753,763・・・・・・・・第1機器用表示部
70,170,270,370,470,570,670,770,870・・・・・・・・バス部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の各電子機器と、この各電子機器に装備され当該各電子機器の稼働状態を表示する機器用表示部と、前記各電子機器が備えている機器制御部の相互間を接続するバス部とを含み、このバス部を介して前記各電子機器が多重化されて成る多重化装置であって、
前記複数の電子機器の内の一の電子機器は、他の一の電子機器の稼働状態を監視する他電子機器用監視部と、この他電子機器用監視部での監視結果に応じて表示発光する他電子機器用表示発光源と、これら各部の動作を制御する機器制御部とをそれぞれ備え、
前記一の電子機器が備えている他電子機器用表示発光源の出力光を前記他の一の電子機器の機器用表示部に向けて案内伝達する他電子機器用光伝達部を、前記一の電子機器と前記他の一の電子機器との相互間に設けたことを特徴とする多重化装置。
【請求項2】
請求項1に記載の多重化装置において、
前記他の一の電子機器は、前記一の電子機器の稼働状態を監視する他電子機器用監視部と、この他電子機器用監視部での監視結果に応じて表示発光する他電子機器用表示発光源と、これら各部の動作を制御する機器制御部とを備え、
前記他の一の電子機器が備えている他電子機器用表示発光源の出力光を前記一の電子機器が備えている機器用表示部に向けて案内伝達する他電子機器用光伝達部を、前記他の一の電子機器と前記一の電子機器との相互間に設けたことを特徴とする多重化装置。
【請求項3】
請求項2に記載の多重化装置において、
前記複数の各電子機器を一方と他方の二つの電子機器で構成し、前記一の電子機器を前記一方の電子機器とし、前記他の一の電子機器を前記他方の電子機器としたことを特徴とする多重化装置。
【請求項4】
請求項3に記載の多重化装置において、
前記一方と他方の各電子機器の機器用表示部を、それぞれ前記機器用表示部としての第1表示部とこの第1表示部と同等に機能する第2表示部とにより構成し、
前記一方と他方の電子機器における各機器制御部に、前記各他電子機器用監視部での監視結果に応じて表示発光する第2の他電子機器用表示発光源を、それぞれ併設し、
前記一方の電子機器における前記第2の他電子機器用表示発光源からの出力光を前記他方の電子機器に装備された第2表示部に向けて案内し伝達する第2の他電子機器用光伝達部を設けると共に、
前記他方の電子機器における前記第2の他電子機器用表示発光源からの出力光を前記一方の電子機器に装備された第2表示部に向けて案内し伝達する第2の他電子機器用光伝達部を設けたことを特徴とする多重化装置。
【請求項5】
請求項4に記載の多重化装置において、
複数の前記電子機器を積層配置するに際しては、前記一方の電子機器における前記第1及び第2の各表示部を同層に配設すると共に、前記他方の各電子機器における前記第1及び第2の各表示部を同層に配設し、
前記一方と他方の各電子機器における各第1の表示部を同列に配設すると共に、前記一方と他方の各電子機器における各第2の表示部を同列に配設し、
前記各第2表示部に対応する前記各他電子機器用表示発光源からの出力光を伝達する前記第2の各他電子機器用光伝達部を、それぞれループ状光経路にて形成し、
前記各第1の表示部に対応する前記各他電子機器用表示発光源からの出力光を伝達する前記各他電子機器用光伝達部を、それぞれ非ループ状光経路にて形成したことを特徴とする多重化装置。
【請求項6】
請求項4に記載の多重化装置において、
前記一方と他方の電子機器の並列配置に際しては、前記一方と他方の各電子機器における前記第2の他電子機器用表示発光源と前記第2の表示部とをそれぞれ隣接して配置すると共に、前記一方と他方の各電子機器における前記第1の他電子機器用表示発光源と前記第1の表示部とをそれぞれ相互に離れた位置に配設し、
前記一方と他方の各電子機器における前記第2の表示部に前記第2の他電子機器用表示発光源からの出力光を伝達する他電子機器用光伝達部を、それぞれ非ループ状光経路にて形成すると共に、
前記一方と他方の各電子機器における前記第1の表示部に前記各他電子機器用表示発光源からの出力光を伝達する前記他電子機器用光伝達部を、それぞれループ状光経路により形成したことを特徴とする多重化装置。
【請求項7】
請求項4に記載の多重化装置において、
前記一方と他方の電子機器の積層配置に際しては、前記一方の電子機器における前記第1の表示部および前記他方の電子機器における前記第1の表示部を、それぞれ前記電子機器の積層方向と交差する方向の一方の側部分に配設し、
前記各表示部に対応して前記各他電子機器用光伝達部を配設したことを特徴とする多重化装置。
【請求項8】
請求項4に記載の多重化装置において、
前記一方と他方の電子機器の積層配置に際しては、前記他方の電子機器における第1の表示部が当該他方の電子機器における積層方向の外端部に配設され、前記一方の電子機器における第1の表示部が当該一方の電子機器における積層方向の外端部に配設され、
前記各表示部に対応して前記各他電子機器用光伝達部を配設したことを特徴とする多重化装置。
【請求項9】
請求項1乃至8の内のいずれか一項に記載の多重化装置において、
前記各他電子機器用光伝達部は、一又は複数のプリズム状ミラーを含んで構成されていることを特徴とする多重化装置。
【請求項10】
請求項1乃至8の内のいずれか一項に記載の多重化装置において、
前記各他電子機器用光伝達部は、その一部に光ファイバーを含むことを特徴とした多重化装置。
【請求項11】
一方と他方からなる複数の電子機器と前記各電子機器に対応して設けられ前記各電子機器の稼働状態を各々表示する各表示部と前記各電子機器が備えている各機器制御部相互間を接続するバス部とを含むと共に当該バス部により前記各電子機器を多重化してなる多重化装置における、前記各電子機器の停止有無の稼働状態を表示するための多重化装置用稼働状態表示方法であって、
前記複数の機器の内の一方の電子機器における機器制御部が前記他方の電子機器における機器制御部を監視し、
続いて、前記一方の電子機器における機器制御部が前記他方の電子機器における機器制御部の停止を検出した場合に前記一方の電子機器が備えている他電子機器用表示発光源から所定の表示用光信号を出力し、
しかる後、前記一方の電子機器における前記他電子機器表示発光源からの表示用光信号を光伝達部を介して前記他方の電子機器に対応する前記表示部に向けて案内伝達することを特徴とした多重化装置用稼働状態表示方法。
【請求項12】
一方と他方からなる複数の電子機器と、前記各電子機器に対応して設けられ当該各電子機器の稼働状態を各々個別に表示する表示部と、前記各電子機器が備えている各機器制御部相互間を接続するバス部とを備え、且つ前記バス部により前記各電子機器が多重化されてなる多重化装置に、予め装備された制御用のコンピュータに対して、諸機能の実現を設定する稼働状態表示用制御プログラムであって、
前記一方と他方からなる複数の電子機器のうち一方の電子機器における機器制御部が前記他方の電子機器における機器制御部を監視する監視機能と、前記一方の電子機器の機器制御部が前記他方の電子機器の機器制御部の停止を検出すると直ちに作動して前記一方の電子機器に予め装備された他電子機器用表示発光源から所定の光信号を出力させる光出力制御機能と、を前記コンピュータに実現させ、
これにより、前記一方の電子機器における前記他方の電子機器用表示発光源からの光を光伝達部を介して前記他方の電子機器に対応する表示部に向けて案内伝達させるようにしたことを特徴とする稼働状態表示用制御プログラム。
【請求項1】
複数の各電子機器と、この各電子機器に装備され当該各電子機器の稼働状態を表示する機器用表示部と、前記各電子機器が備えている機器制御部の相互間を接続するバス部とを含み、このバス部を介して前記各電子機器が多重化されて成る多重化装置であって、
前記複数の電子機器の内の一の電子機器は、他の一の電子機器の稼働状態を監視する他電子機器用監視部と、この他電子機器用監視部での監視結果に応じて表示発光する他電子機器用表示発光源と、これら各部の動作を制御する機器制御部とをそれぞれ備え、
前記一の電子機器が備えている他電子機器用表示発光源の出力光を前記他の一の電子機器の機器用表示部に向けて案内伝達する他電子機器用光伝達部を、前記一の電子機器と前記他の一の電子機器との相互間に設けたことを特徴とする多重化装置。
【請求項2】
請求項1に記載の多重化装置において、
前記他の一の電子機器は、前記一の電子機器の稼働状態を監視する他電子機器用監視部と、この他電子機器用監視部での監視結果に応じて表示発光する他電子機器用表示発光源と、これら各部の動作を制御する機器制御部とを備え、
前記他の一の電子機器が備えている他電子機器用表示発光源の出力光を前記一の電子機器が備えている機器用表示部に向けて案内伝達する他電子機器用光伝達部を、前記他の一の電子機器と前記一の電子機器との相互間に設けたことを特徴とする多重化装置。
【請求項3】
請求項2に記載の多重化装置において、
前記複数の各電子機器を一方と他方の二つの電子機器で構成し、前記一の電子機器を前記一方の電子機器とし、前記他の一の電子機器を前記他方の電子機器としたことを特徴とする多重化装置。
【請求項4】
請求項3に記載の多重化装置において、
前記一方と他方の各電子機器の機器用表示部を、それぞれ前記機器用表示部としての第1表示部とこの第1表示部と同等に機能する第2表示部とにより構成し、
前記一方と他方の電子機器における各機器制御部に、前記各他電子機器用監視部での監視結果に応じて表示発光する第2の他電子機器用表示発光源を、それぞれ併設し、
前記一方の電子機器における前記第2の他電子機器用表示発光源からの出力光を前記他方の電子機器に装備された第2表示部に向けて案内し伝達する第2の他電子機器用光伝達部を設けると共に、
前記他方の電子機器における前記第2の他電子機器用表示発光源からの出力光を前記一方の電子機器に装備された第2表示部に向けて案内し伝達する第2の他電子機器用光伝達部を設けたことを特徴とする多重化装置。
【請求項5】
請求項4に記載の多重化装置において、
複数の前記電子機器を積層配置するに際しては、前記一方の電子機器における前記第1及び第2の各表示部を同層に配設すると共に、前記他方の各電子機器における前記第1及び第2の各表示部を同層に配設し、
前記一方と他方の各電子機器における各第1の表示部を同列に配設すると共に、前記一方と他方の各電子機器における各第2の表示部を同列に配設し、
前記各第2表示部に対応する前記各他電子機器用表示発光源からの出力光を伝達する前記第2の各他電子機器用光伝達部を、それぞれループ状光経路にて形成し、
前記各第1の表示部に対応する前記各他電子機器用表示発光源からの出力光を伝達する前記各他電子機器用光伝達部を、それぞれ非ループ状光経路にて形成したことを特徴とする多重化装置。
【請求項6】
請求項4に記載の多重化装置において、
前記一方と他方の電子機器の並列配置に際しては、前記一方と他方の各電子機器における前記第2の他電子機器用表示発光源と前記第2の表示部とをそれぞれ隣接して配置すると共に、前記一方と他方の各電子機器における前記第1の他電子機器用表示発光源と前記第1の表示部とをそれぞれ相互に離れた位置に配設し、
前記一方と他方の各電子機器における前記第2の表示部に前記第2の他電子機器用表示発光源からの出力光を伝達する他電子機器用光伝達部を、それぞれ非ループ状光経路にて形成すると共に、
前記一方と他方の各電子機器における前記第1の表示部に前記各他電子機器用表示発光源からの出力光を伝達する前記他電子機器用光伝達部を、それぞれループ状光経路により形成したことを特徴とする多重化装置。
【請求項7】
請求項4に記載の多重化装置において、
前記一方と他方の電子機器の積層配置に際しては、前記一方の電子機器における前記第1の表示部および前記他方の電子機器における前記第1の表示部を、それぞれ前記電子機器の積層方向と交差する方向の一方の側部分に配設し、
前記各表示部に対応して前記各他電子機器用光伝達部を配設したことを特徴とする多重化装置。
【請求項8】
請求項4に記載の多重化装置において、
前記一方と他方の電子機器の積層配置に際しては、前記他方の電子機器における第1の表示部が当該他方の電子機器における積層方向の外端部に配設され、前記一方の電子機器における第1の表示部が当該一方の電子機器における積層方向の外端部に配設され、
前記各表示部に対応して前記各他電子機器用光伝達部を配設したことを特徴とする多重化装置。
【請求項9】
請求項1乃至8の内のいずれか一項に記載の多重化装置において、
前記各他電子機器用光伝達部は、一又は複数のプリズム状ミラーを含んで構成されていることを特徴とする多重化装置。
【請求項10】
請求項1乃至8の内のいずれか一項に記載の多重化装置において、
前記各他電子機器用光伝達部は、その一部に光ファイバーを含むことを特徴とした多重化装置。
【請求項11】
一方と他方からなる複数の電子機器と前記各電子機器に対応して設けられ前記各電子機器の稼働状態を各々表示する各表示部と前記各電子機器が備えている各機器制御部相互間を接続するバス部とを含むと共に当該バス部により前記各電子機器を多重化してなる多重化装置における、前記各電子機器の停止有無の稼働状態を表示するための多重化装置用稼働状態表示方法であって、
前記複数の機器の内の一方の電子機器における機器制御部が前記他方の電子機器における機器制御部を監視し、
続いて、前記一方の電子機器における機器制御部が前記他方の電子機器における機器制御部の停止を検出した場合に前記一方の電子機器が備えている他電子機器用表示発光源から所定の表示用光信号を出力し、
しかる後、前記一方の電子機器における前記他電子機器表示発光源からの表示用光信号を光伝達部を介して前記他方の電子機器に対応する前記表示部に向けて案内伝達することを特徴とした多重化装置用稼働状態表示方法。
【請求項12】
一方と他方からなる複数の電子機器と、前記各電子機器に対応して設けられ当該各電子機器の稼働状態を各々個別に表示する表示部と、前記各電子機器が備えている各機器制御部相互間を接続するバス部とを備え、且つ前記バス部により前記各電子機器が多重化されてなる多重化装置に、予め装備された制御用のコンピュータに対して、諸機能の実現を設定する稼働状態表示用制御プログラムであって、
前記一方と他方からなる複数の電子機器のうち一方の電子機器における機器制御部が前記他方の電子機器における機器制御部を監視する監視機能と、前記一方の電子機器の機器制御部が前記他方の電子機器の機器制御部の停止を検出すると直ちに作動して前記一方の電子機器に予め装備された他電子機器用表示発光源から所定の光信号を出力させる光出力制御機能と、を前記コンピュータに実現させ、
これにより、前記一方の電子機器における前記他方の電子機器用表示発光源からの光を光伝達部を介して前記他方の電子機器に対応する表示部に向けて案内伝達させるようにしたことを特徴とする稼働状態表示用制御プログラム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【公開番号】特開2010−9320(P2010−9320A)
【公開日】平成22年1月14日(2010.1.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−167973(P2008−167973)
【出願日】平成20年6月26日(2008.6.26)
【出願人】(000232140)NECフィールディング株式会社 (373)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年1月14日(2010.1.14)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年6月26日(2008.6.26)
【出願人】(000232140)NECフィールディング株式会社 (373)
【Fターム(参考)】
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