説明

多重周波数電位変換方法

【課題】立ち上がり時間とたち下がり時間が大幅に異なる交番電流をコイルに流すことにより、コイル周辺に生じる電界を、プラスあるいはマイナスに自由に変更する方法であって、この電界によって影響範囲にある液体、気体又は固体の電位を任意に変換する方法を開発・提供する。
【解決手段】気体、液体、固体の流路を形成する管体の外周にコイルを巻きつけ、該コイル周囲に、金属物質などを置くことにより、交番磁界の波形を歪ませて、片側の極性に大きく影響を与えることを特徴とする多重周波数電位変換方法であり、コイルに与える電流を、プラス側か、マイナス側か、どちらかの極性へ限定し、あるいは、立ち上がり時間と、たちさがり時間の大幅に異なる交番電流をコイルに流すことにより、コイル周辺に生ずる電界の最高強度を、プラスあるいはマイナスに自由に変更することを特徴とする多重周波数電位変換方法である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、多重周波数電位変換方法に関するものであり、特に、気体や液体及び物体を構成する分子の電位を自由に変換する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の技術は、正弦波をコイルに印加していたので、コイルの周辺には交番磁界、交番電界が発生していた。この従来の技術でも様々な同期周波数を持つ複数の異なる物質に、磁界及び電界の影響を与えることは多少は可能であったが、交流であるので、1サイクル中の半分ずつの時間で極性が反転するので、正負打ち消しあって効果の認められる顕著な影響を与えることは困難であった。
【0003】
また、目的物質に影響を与える最適な周波数帯は、相手の物質によっても周囲の条件によても一定しないので、印可する周波数を低周波数域から高周波数域まで掃引させたり、搬送波を中心に周波数変調をかけて、等価的に周波数を掃引させる方式が採られていた。
【0004】
しかし、特定の物質に磁界電界の影響を与えることができる時間は、全時間中の短い時間だけが利用されているのが現状であった。
【0005】
しかし、気体、液体そして固体に、+(プラス),−(マイナス)いずれかの電位を、外部から印加できるならば、さまざまな可能性が生じる。
【0006】
その方法としては、ランプ波(のこぎり波、鋸歯状波)のような立ち上がり時間と、たち下がり時間が大幅に異なる交流電流をコイルに流すと、コイルには正負ピーク電流が大幅に異なる非対称電流が流れて、この電流によって周囲には正負が非対称な磁界と電界が誘起される。
【0007】
即ち,電界の強度をEとすれば、E=L・di/dt
但し、Lは、コイルのインダクタンス iは、Lに流れる電流 tは、経過時間を示すものである。
Eによってコイルに電流が流れ、この電流によってコイル周囲には磁界と電界が誘起される。
【0008】
ランプ波は、立ち上がり時間>>たち下がり時間であるので、立ち上がり時間中の誘起電界を、E1、立ち上がり時間中の誘起電界をE2とすれば、E1<<−E2となる。
−記号は、E1とE2は極性が逆であることを示す。
【0009】
誘起電界中に物質を構成する分子をおくと、分子を構成する原子は周囲の電界によってプラス、あるいはマイナスに帯電すると考えられる。
【0010】
原子の周囲に、強力なプラス電界があれば、原子核を構成する電子はマイナス電位を有しているので、プラス電界に吸引されて、原子はプラスに帯電する。
反対にマイナス電界が有ればマイナスに帯電する。
【0011】
原子核に対して影響を与える程度を考察する。
電力密度S(W/m2)は、電界E(V/m)と空間インピーダンスZ(Ω)によって下記のようになる。
S=E2 /Z
空間インピーダンスが等しければ、S=kE2
ただし、kは比例定数。
よって、分子を帯電させる影響力は、E1<<E2 であるので、E2 が支配的になる。さらに極弱い磁界電界においては相手物質に影響を与えない不感帯電位(しきい値 スレッショルド)があるはずで、これを超えたら影響は急激に増大する。
【0012】
コイルに流れる電流方向を反対にすれば、誘起電界は逆になるので、電界の極性は容易に反転できるものである。
【0013】
従って、結論としては、コイルに流すランプ波電流の極性によって、分子の電位はプラス、マイナスのいずれにもなり得る。
【0014】
しかし、コイルに周波数が時間的に変化する方形波の交流電流を流しながら、該コイルを巻いたパイプ内を被処理流体を流す技術は公開されている。例えば、特許文献1のように。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0015】
【特許文献1】特開2005−199274号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0016】
しかし、発明が解決しようとする課題は、液体、気体又は固体に異電位を与え、例えば、立ち上がり時間とたち下がり時間が大幅に異なる交番電流をコイルに流すことにより、コイル周辺に生じる電界を、プラスあるいはマイナスに自由に変更する方法であって、この電界によって影響範囲にある液体、気体又は固体の電位を任意に変換する方法を開発・提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0017】
この発明による課題を解決するための手段としては、立ち上がり時間とたち下がり時間が大幅に異なる交番電流をコイルに流すことにより、コイル周辺に生じる電界を、プラスあるいはマイナスに自由に変更する方法であって、この電界によって影響範囲にある液体、気体又は固体の電位を任意に変換ものである。
【発明の効果】
【0018】
この発明によると、気体、液体、固体等の流体物質相互間に、プラス極性か、マイナス極性か、いずれかの電位を与えることによって、融合または拡散作用を任意に行うことが出来る。即ち,両物質を同電位にすれば反発しあい、異電位にすれば吸着し合う。
これを利用することにより、異種物質同士を一体化させたり、分離させる等が、それぞれの物質に与える電位によって自在になるとはの極めて有益なる効果を奏する。
【0019】
沢山の周波数の電界を同時に放射することにより、相手物質の性状または周囲条件によって異なる最適な周波数に、いずれかの放射主は数が合致して、最高効率を与えることができる等の効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】この発明の一実施例を示すコイルを流す電流波形と、それによってコイルの周囲に誘起する電界強度との関係を示す説明図である。
【図2】この発明の全体を構成する概念図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、この発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、この発明については、以下の記述に限定されるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲においては適宜変更可能である。
【実施例】
【0022】
そこで、この発明の一実施例を詳細に説明すると、気体、液体、固体の外周または内側に、コイルを巻きつけ、あるいは埋め込んで、該コイルにランプ波電流を流すことにより、当該電流によってコイル近辺に誘起される電位を、プラスあるいはマイナスに帯電させることを特徴とする多重周波数電位変換方法から構成される。
【0023】
また、コイルに与える電流は、プラス側か、マイナス側か、どちらかの極性へ限定するよう構成する方法である。
【0024】
さらに、立ち上がり時間とたちさがり時間の大幅に異なる交番電流をコイルに流すことにより、コイル周辺に生ずる電界の最高強度を、プラスあるいはマイナスに自由に変更できるよう構成する方法である。
【0025】
また、物質の性状がかわっても、沢山の周波数の電界を同時に放射しているので、相手物質の性状に最適な周波数がどれかヒットして、最高効率を与えることができるよう構成する方法である。
【0026】
さらに、この発明の他の実施例においては、気体、液体、固体等の流体物質相互間に、複数のコイルに交番電流を流し、それぞれプラス極性か、マイナス極性のか、いずれかの電位を与えることを特徴とする多重周波数電位変換方法である。
【0027】
この方法により、それぞれの物質に任意の電位を与え、物質同士が異電位であれば吸引し合い、混合する際に有利となり、同電位にすれば反発し合って異種物質の分離が容易になるものである。
【0028】
さらに、この発明の一実施例を具体化する装置例を、図2に基づいて説明すると、複数のランプ波発生部(11 ),(12 )〜(1n )を設け、この発生部のランプ波は、低周波数から高周波数まで、必要に応じて多数の周波数を発生されるものである。
【0029】
前記ランプ波発生部より発生した低周波数から高周波数は、合成部分(加算回路)(2)に接続し、該合成部分(2)は、増幅器(3)を介して極性反転回路(4)に接続し、該極性反転回路(4)にコイル(5)を設けたものである。
【0030】
前記極性反転回路(4)は、コイル(5)に流れる電流の方向を切り換える回路であり、増幅器(3)内部で変換も可能であり、または、コイル(5)の方向を逆にしてもよいものである。
【産業上の利用可能性】
【0031】
この発明の多重周波数電位変換方法の技術を確立し、該技術を実施・販売することにより、産業上利用可能性があるものである。
【符号の説明】
【0032】
1 ,12 ,1n ランプ発生部
2 合成部分
3 増幅器
4 極性反転回路
5 コイル

【特許請求の範囲】
【請求項1】
気体、液体、固体の外周または内側に、コイルを巻きつけ、あるいは埋め込んで、該コイルにランプ波電流を流すことにより、当該電流によってコイル近辺に誘起される電位を、プラスあるいはマイナスに帯電させることを特徴とする多重周波数電位変換方法。
【請求項2】
前記の多重波数電位変換方法において、コイルに与える電流を、プラス側か、マイナス側か、どちらかの極性へ限定することを特徴とする請求項1記載の多重周波数電位変換方法。
【請求項3】
前記の多重波数電位変換方法において、立ち上がり時間と、立ち下がり時間の大幅に異なる交番電流をコイルに流すことにより、コイル周辺に生ずる電界を、プラスあるいはマイナスに自由に変更することを特徴とする請求項1記載の多重周波数電位変換方法。
【請求項4】
前記の多重波数電位変換方法において、物質の性状がかわっても、沢山の周波数の電界を同時に放射することにより、相手物質の性状に最適な周波数がどれか合致し、最高効率を与えることを特徴とする請求項1記載の多重周波数電位変換方法。
【請求項5】
気体、液体、固体等の流体物質相互間に、複数のコイルに交番電流を流し、それぞれプラス極性か、マイナス極性のか、いずれかの電位を与えることを特徴とする多重周波数電位変換方法。

【図1】
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【図2】
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