説明

多重特異性エピトープ結合性タンパク質およびその用途

本発明は、多重特異性エピトープ結合性タンパク質、その製造方法、および急性または慢性疾患の予防、管理、治療または診断におけるその使用に関する。


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【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1および第2ポリペプチド鎖を含んでなる単離された多重特異性エピトープ結合性タンパク質であって、該第1および/または第2鎖が少なくとも2つのエピトープ結合性ドメイン(EBD)および1以上のFc領域を含む、タンパク質。
【請求項2】
該第1鎖が、少なくとも1つのEBDのN末端側に連結された1以上のFc領域を含む、請求項1記載のタンパク質。
【請求項3】
該第1鎖が、N末端からC末端へと、1以上のFc領域-EBD-EBD、として配置されたドメインおよびFc領域を含む、請求項2記載のタンパク質。
【請求項4】
該第1鎖が、N末端からC末端へと、EBD-1以上のFc領域-EBD、として配置されたドメインおよびFc領域を含む、請求項2記載のタンパク質。
【請求項5】
該第1鎖が、少なくとも1つのEBDのC末端側に連結された1以上のFc領域を含む、請求項1記載のタンパク質。
【請求項6】
該第1鎖が、N末端からC末端へと、EBD-EBD-1以上のFc領域、として配置されたドメインおよびFc領域を含む、請求項5記載のタンパク質。
【請求項7】
該第1鎖が、N末端からC末端へと、EBD-1以上のFc領域-EBD-EBD、として配置されたドメインおよびFc領域を含む、請求項5記載のタンパク質。
【請求項8】
該第2鎖が、少なくとも1つのEBDのN末端側に連結された1以上のCκまたはCλ領域を含む、請求項1記載のタンパク質。
【請求項9】
該第2鎖が、少なくとも1つのEBDのC末端側に連結された1以上のCκまたはCλ領域を含む、請求項1記載のタンパク質。
【請求項10】
該第1および/または第2鎖が少なくとも3つのEBDを含む、請求項1記載のタンパク質。
【請求項11】
該第1および/または第2鎖が少なくとも4つのエピトープ結合性ドメインEBDを含む、請求項10記載のタンパク質。
【請求項12】
各Fc領域が少なくとも3つのEBDのN末端側に連結されている、請求項10または11記載のタンパク質。
【請求項13】
該ドメインおよびFc領域がN末端からC末端へと、1以上のFc領域-EBD-EBD-EBD、として配置されている、請求項12記載のタンパク質。
【請求項14】
該ドメインおよびFc領域がN末端からC末端へと、1以上のFc領域-EBD-EBD-EBD-EBD、として配置されている、請求項12記載のタンパク質。
【請求項15】
各Fc領域が少なくとも1つのEBDのC末端側に連結されている、請求項10または11記載のタンパク質。
【請求項16】
該ドメインおよびFc領域がN末端からC末端へと、EBD-EBD-EBD-1以上のFc領域、として配置されている、請求項15記載のタンパク質。
【請求項17】
該ドメインおよびFc領域がN末端からC末端へと、EBD-EBD-EBD-EBD-1以上のFc領域、として配置されている、請求項16記載のタンパク質。
【請求項18】
各Fc領域が少なくとも1つのEBDのN末端側におよび少なくとも1つのEBDのC末端側に連結されている、請求項10または11記載のタンパク質。
【請求項19】
該ドメインおよびFc領域がN末端からC末端へと、少なくとも1つのEBD-1以上のFc領域-少なくとも1つのEBD、として配置されている、請求項18記載のタンパク質。
【請求項20】
該ドメインおよびFc領域がN末端からC末端へと、EBD-EBD-1以上のFc領域-EBD、として配置されている、請求項18記載のタンパク質。
【請求項21】
該ドメインおよびFc領域がN末端からC末端へと、EBD-EBD-1以上のFc領域-EBD-EBD-EBD、として配置されている、請求項18記載のタンパク質。
【請求項22】
該ドメインおよびFc領域がN末端からC末端へと、EBD-EBD-EBD-1以上のFc領域-EBD、として配置されている、請求項18記載のタンパク質。
【請求項23】
該ドメインおよびFc領域がN末端からC末端へと、EBD-EBD-1以上のFc領域-EBD-EBD、として配置されている、請求項18記載のタンパク質。
【請求項24】
該ドメインおよびFc領域がN末端からC末端へと、EBD-1以上のFc領域-EBD-EBD-EBD、として配置されている、請求項18記載のタンパク質。
【請求項25】
該第1ポリペプチド鎖が、N末端からC末端へと、scFv-scFv-Fc領域-scFv、として配置された3つのscFvおよびFc領域を含み、また該第2ポリペプチド鎖が、N末端からC末端へと、scFv-scFv-Fc領域-scFvとして配置された3つのscFvおよびFc領域を含む、請求項10記載のタンパク質。
【請求項26】
該第1ポリペプチド鎖が、N末端からC末端へと、scFv-scFv-Fc領域-scFv-scFv、として配置された4つのscFvおよびFc領域を含み、また該第2ポリペプチド鎖が、N末端からC末端へと、scFv-scFv-Fc領域-scFv-scFv、として配置された4つのscFvおよびFc領域を含む、請求項11記載のタンパク質。
【請求項27】
該タンパク質が第1および第2鎖を含み、
a.該第1鎖が、N末端からC末端へと、scFv-抗体可変領域-Fc領域、として配置されたscFv、抗体可変領域およびFc領域を含み、
b.該第2鎖が、N末端からC末端へと、抗体可変領域-CκまたはCλ、として配置された抗体可変領域およびCカッパ/ラムダ領域を含む、請求項1記載のタンパク質。
【請求項28】
該タンパク質が第1および第2鎖を含み、
a.該第1鎖が、N末端からC末端へと、抗体可変領域-Fc領域、として配置された抗体可変領域およびFc領域を含み、
b.該第2鎖が、N末端からC末端へと、scFv-抗体可変領域-CκまたはCλ、として配置されたscFv、抗体可変領域およびCカッパ/ラムダ領域を含む、
請求項1記載のタンパク質。
【請求項29】
該タンパク質が第1および第2鎖を含み、
a.該第1鎖が、N末端からC末端へと、scFv-抗体可変領域-Fc領域、として配置されたscFv、抗体可変領域およびFc領域を含み、
b.該第2鎖が、N末端からC末端へと、scFv-抗体可変領域-CκまたはCλ、として配置されたscFv、抗体可変領域およびCカッパ/ラムダ領域を含む、請求項1記載のタンパク質。
【請求項30】
少なくとも2つのEBDが少なくとも1つのFc領域のC末端側に連結されている、請求項27〜29のいずれか1項記載のタンパク質。
【請求項31】
該タンパク質が抗体重鎖および抗体軽鎖を含む、請求項27〜30のいずれか1項記載のタンパク質。
【請求項32】
第1および第2ポリペプチド鎖を含んでなる多重特異性エピトープ結合性タンパク質であって、該第1および/または第2鎖が少なくとも2つのEBDおよび1以上のCH1ドメインを含む、タンパク質。
【請求項33】
該タンパク質がCカッパ/ラムダドメインを更に含む、請求項32記載のタンパク質。
【請求項34】
該第1鎖が、N末端からC末端へと、scFv-CH1-scFv、として配置されたCH1ドメインに連結された2つのscFvを含み、該第2鎖が、N末端からC末端へと、scFv-Cカッパ/ラムダ-scFv、として配置されたCカッパ/ラムダドメインに連結された2つのscFvを含む、請求項33記載のタンパク質。
【請求項35】
該第1および/または第2鎖が抗体ヒンジドメインの全部または一部を含む、請求項34記載のタンパク質。
【請求項36】
該第1および第2ポリペプチド鎖がジスルフィド結合により連結されている、請求項35記載のタンパク質。
【請求項37】
少なくとも第1および第2鎖を含んでなる多重特異性エピトープ結合性タンパク質であって、該第1鎖が2つの可変ドメインおよびCκまたはCλドメインを含み、該第2鎖が2つの可変ドメイン、CH1、ヒンジ、CH2およびCH3ドメインを含み、ここで、該第1鎖内の可変ドメインが該第2鎖内の可変ドメインに結合し少なくとも2つの異なるエピトープ結合性部位を形成している、多重特異性エピトープ結合性タンパク質。
【請求項38】
該第1鎖が、N末端からC末端へと配置された第1エピトープおよび第2エピトープに特異的な可変ドメインを含み、該第2鎖が、N末端からC末端へと配置された該第1および第2エピトープに特異的な可変ドメインを含む、請求項37記載のタンパク質。
【請求項39】
第1および第2鎖を含んでなる多重特異性エピトープ結合性タンパク質であって、該第1鎖が少なくとも2つの抗体可変ドメインおよび少なくとも1つのCH1および/またはCカッパ/ラムダドメインを含み、ここで、該第1鎖内の可変ドメインが該第2鎖内の可変ドメインに結合し少なくとも2つの異なるエピトープ結合性部位を形成している、多重特異性エピトープ結合性タンパク質。
【請求項40】
該第1鎖が抗体重鎖可変ドメイン(VH)、CH1ドメイン、抗体軽鎖可変ドメイン(VL)およびCカッパ/ラムダドメインを含む、請求項39記載のタンパク質。
【請求項41】
該第1鎖がN末端からC末端へと、VH-CH1-VL-Cカッパ/ラムダ、として構成されている、請求項40記載のタンパク質。
【請求項42】
該第1鎖がN末端からC末端へと、VL-Cカッパ/ラムダ-VH1-CH1、として構成されている、請求項40記載のタンパク質。
【請求項43】
該第1鎖が2つの抗体重鎖可変ドメイン(VH)および2つのCH1ドメインを含む、請求項39記載のタンパク質。
【請求項44】
該第1鎖がN末端からC末端へと、VH-CH1-VH-CH1、として構成されている、請求項43記載のタンパク質。
【請求項45】
該第1鎖が2つの抗体軽鎖可変ドメイン(VL)および2つのCカッパ/ラムダドメインを含む、請求項39記載のタンパク質。
【請求項46】
該第1鎖がN末端からC末端へと、VL-Cカッパ/ラムダ-VL-Cカッパ/ラムダ、として構成されている、請求項45記載のタンパク質。
【請求項47】
該第1鎖がFc領域を更に含む、請求項39〜46のいずれか1項記載のタンパク質。
【請求項48】
該第2鎖がFc領域を含まない、請求項39〜46のいずれか1項記載のタンパク質。
【請求項49】
少なくとも第1および第2ポリペプチド鎖を含んでなる逆転(inverted)抗体タンパク質であって、該第1鎖が、CH1ドメインに連結された少なくとも1つの抗体重鎖可変領域(VH)を含み、該第2鎖が、Cカッパ/ラムダドメインに連結された抗体軽鎖可変領域(VL)を含み、該Cカッパ/ラムダ領域が更にFc領域に連結されており、ここで、該第1鎖内の可変領域が該第2鎖内の可変領域に結合しエピトープ結合性部位を形成している、タンパク質。
【請求項50】
該第1鎖が該第2鎖にジスルフィド結合している、請求項49記載のタンパク質。
【請求項51】
抗体様軽鎖および抗体様重鎖を含んでなる多重特異性エピトープ結合性タンパク質であって、該軽鎖が2つの可変ドメインおよびCκまたはCλドメインを含み、該重鎖が2つの可変ドメイン、CH1、ヒンジ、CH2およびCH3ドメインを含み、ここで、該軽鎖内の可変ドメインが該重鎖内の可変ドメインに結合し少なくとも2つの異なるエピトープ結合性部位を形成している、タンパク質。
【請求項52】
該軽鎖が、N末端からC末端へと配置された、第1エピトープおよび第2エピトープに特異的な可変ドメインを含み、該重鎖が、N末端からC末端へと配置された、該第1および第2エピトープに特異的な可変ドメインを含む、請求項51記載のタンパク質。
【請求項53】
該タンパク質が、少なくとも2つの連結されたEBDを更に含む、請求項52記載のタンパク質。
【請求項54】
少なくとも1つのEBDが該重鎖のC末端に連結されている、請求項53記載のタンパク質。
【請求項55】
少なくとも1つのEBDが該軽鎖のN末端に連結されている、請求項53記載のタンパク質。
【請求項56】
少なくとも1つのEBDが該重鎖のN末端に連結されている、請求項53記載のタンパク質。
【請求項57】
抗体軽鎖および抗体重鎖を含んでなる多重特異性エピトープ結合性タンパク質であって、該重鎖が、少なくとも2つの連結されたEBDを更に含む、タンパク質。
【請求項58】
少なくとも1つのEBDが該重鎖のC末端に連結されている、請求項57記載のタンパク質。
【請求項59】
少なくとも1つのEBDが該重鎖のN末端に連結されている、請求項57記載のタンパク質。
【請求項60】
少なくとも1つのEBDが該重鎖のN末端およびC末端に連結されている、請求項57記載のタンパク質。
【請求項61】
第1および第2ポリペプチド鎖を含んでなる多重特異性エピトープ結合性タンパク質であって、該第1および/または第2鎖が少なくとも3つのEBDを含み、該第1鎖がCκまたはCλドメインを含み、該第2鎖がCH1ドメインを含む、タンパク質。
【請求項62】
図1〜5のいずれか1つに示される構造形態を含んでなる多重特異性エピトープ結合性タンパク質。
【請求項63】
各EBDが同一エピトープに特異的である、請求項1〜24、30〜36、または53〜61のいずれか1項記載のタンパク質。
【請求項64】
少なくとも2つのEBDが、異なるエピトープに特異的である、請求項1〜24、30〜36、または53〜61のいずれか1項記載のタンパク質。
【請求項65】
各エピトープが同一抗原上に位置する、請求項63または64記載のタンパク質。
【請求項66】
各エピトープが、異なる抗原上に位置する、請求項65記載のタンパク質。
【請求項67】
2以上のEBDが同一エピトープに特異的である、請求項1〜24、30〜36、または53〜61のいずれか1項記載のタンパク質。
【請求項68】
該タンパク質が、哺乳動物に投与された際またはin vitroにおいて、少なくとも2つ、少なくとも3つ、少なくとも4つ、少なくとも5つ、少なくとも6つのエピトープに同時に結合できる、請求項1〜67のいずれか1項記載のタンパク質。
【請求項69】
少なくとも1つのEBDが、同一の単離された機能性EBDよりも低いアフィニティでエピトープに特異的に結合する、請求項1〜24、30〜36、または53〜61のいずれか1項記載のタンパク質。
【請求項70】
該EBDが、最もN末端側のEBD、N末端から2番目のEBDおよびN末端から3番目のEBDよりなる群から選ばれる、請求項69記載のタンパク質。
【請求項71】
少なくとも1つのEBDが、scFv、一本鎖ダイアボディ、抗体模倣体(mimetic)および抗体可変ドメインよりなる群から選ばれる、請求項1〜24、30〜36、53〜61、63〜67および69〜70のいずれか1項記載のタンパク質。
【請求項72】
該抗体模倣体が、ミニボディ(minibody)、マキシボディ(maxybody)、アビマー(avimer)、Fn3に基づくタンパク質スカフォールド、アンクリンリピート、VASPポリペプチド、鳥類膵ポリペプチド(aPP)、テトラネクチン(Tetranectin)、アフィリリン(affililin)、ノッチン(knottin)、SH3、PDZドメイン、プロテインAドメイン、リポカリン(lipocalin)、トランスフェリンおよびクニツ(kunitz)ドメインよりなる群から選ばれる、請求項71記載のタンパク質。
【請求項73】
該タンパク質が、異なる細胞表面受容体に特異的に結合し、該細胞表面受容体を阻害しおよび/または中和する、請求項1〜72のいずれか1項記載のタンパク質。
【請求項74】
該細胞表面受容体が同一の受容体である、請求項73記載のタンパク質。
【請求項75】
該細胞表面受容体が同一の受容体ではない、請求項74記載のタンパク質。
【請求項76】
該タンパク質が、異なる可溶性リガンドに特異的に結合し、該リガンドを阻害しおよび/または中和する、請求項1〜75のいずれか1項記載のタンパク質。
【請求項77】
該可溶性リガンドが同一である、請求項76記載のタンパク質。
【請求項78】
該可溶性リガンドが同一ではない、請求項76記載のタンパク質。
【請求項79】
該タンパク質が、異なる標的タンパク質に特異的に結合し、該標的タンパク質を阻害しおよび/または中和する、請求項1〜78のいずれか1項記載のタンパク質。
【請求項80】
該標的タンパク質が同一である、請求項79記載のタンパク質。
【請求項81】
該標的タンパク質が同一ではない、請求項79記載のタンパク質。
【請求項82】
少なくとも1つのEBDが、該タンパク質から単離された同一EBDの機能活性を保持する、請求項1〜24、30〜36、53〜61、63〜67および69〜70のいずれか1項記載のタンパク質。
【請求項83】
該タンパク質が、該タンパク質から単離された各EBDを含む組成物と少なくとも同等の機能活性を有する、請求項1〜24、30〜36、53〜61、63〜67および69〜70のいずれか1項記載のタンパク質。
【請求項84】
該タンパク質が、該タンパク質から単離された各EBDを含む組成物よりも高い機能活性を有する、請求項1〜24、30〜36、53〜61、63〜67および69〜70のいずれか1項記載のタンパク質。
【請求項85】
該タンパク質が、該タンパク質から単離された各EBDを含む組成物と比べて50%低い機能活性を有する、請求項1〜24、30〜36、53〜61、63〜67および69〜70のいずれか1項記載のタンパク質。
【請求項86】
該タンパク質が、T細胞、B細胞、マスト細胞、好酸球、好塩基球、好中球、樹状細胞、単球、マクロファージおよび腫瘍細胞よりなる群から選ばれる細胞集団を枯渇させる機能活性を有する、請求項1〜85のいずれか1項記載のタンパク質。
【請求項87】
該タンパク質が、T細胞、B細胞、マスト細胞、好酸球、好塩基球、好中球、樹状細胞、単球、マクロファージおよび腫瘍細胞よりなる群から選ばれる細胞の増殖を阻害または低減させる機能活性を有する、請求項1〜85のいずれか1項記載のタンパク質。
【請求項88】
該タンパク質が、T細胞、B細胞、マスト細胞、好酸球、好塩基球、好中球、樹状細胞、単球、マクロファージおよび腫瘍細胞よりなる群から選ばれる細胞からの炎症伝達物質の分泌を阻害または低減させる機能活性を有する、請求項1〜85のいずれか1項記載のタンパク質。
【請求項89】
該タンパク質が、T細胞、マスト細胞、好酸球、好塩基球、好中球、単球およびマクロファージよりなる群から選ばれる細胞からの細胞質顆粒の分泌を阻害または低減させる機能活性を有する、請求項1〜85のいずれか1項記載のタンパク質。
【請求項90】
該タンパク質が、T細胞、B細胞、マスト細胞、好酸球、好塩基球、好中球、樹状細胞、単球、マクロファージおよび腫瘍細胞よりなる群から選ばれる細胞における活性化刺激に対する応答を阻害または低減させる機能活性を有する、請求項1〜85のいずれか1項記載のタンパク質。
【請求項91】
該タンパク質が、1以上のエピトープの結合によりタンパク質を活性化する機能活性を有する、請求項1〜85のいずれか1項記載のタンパク質。
【請求項92】
該タンパク質が、1以上のエピトープの結合によりタンパク質を不活性化する機能活性を有する、請求項1〜85のいずれか1項記載のタンパク質。
【請求項93】
該タンパク質が、哺乳動物に投与された場合またはin vitroにおいて、エフェクター機能を有する、請求項1〜85のいずれか1項記載のタンパク質。
【請求項94】
該エフェクター機能が抗体依存性細胞傷害である、請求項93記載のタンパク質。
【請求項95】
該エフェクター機能が補体依存性細胞傷害である、請求項93記載のタンパク質。
【請求項96】
請求項1〜95のいずれか1項記載のタンパク質またはそのエピトープ結合性部分をコードする単離された核酸分子。
【請求項97】
請求項96記載の核酸分子を含んでなる発現ベクター。
【請求項98】
請求項97記載の発現ベクターを含んでなる宿主細胞。
【請求項99】
請求項1〜95のいずれか1項記載のタンパク質の製造方法であって、該製造方法が該タンパク質の規模拡張可能な製造プロセスを含んでなり、そのような規模拡張可能な製造プロセスが約10mg/L〜約300mg/Lの該タンパク質の製造効率をもたらし、該タンパク質が少なくとも1つの機能活性を保持する、方法。
【請求項100】
該製造プロセスから製造されたタンパク質が、HPSECによる測定で5重量%以下のタンパク質の凝集レベルを示す、請求項99記載の方法。
【請求項101】
該製造プロセスにより製造されたタンパク質が、rCGEによる測定で5重量%以下のタンパク質の凝集レベルを示す、請求項99記載の方法。
【請求項102】
該製造プロセスにより製造されたタンパク質が、HPSECによる測定で、無傷の該タンパク質に相当するピークにおける全ピーク面積の80%以上として示される低レベルの断片化を示す、請求項99記載の方法。
【請求項103】
請求項1〜95のいずれか1項記載のタンパク質を含んでなる液体製剤であって、該製剤がHPSECによる測定で5重量%以下のタンパク質の凝集レベルを示す、液体製剤。
【請求項104】
請求項1〜95のいずれか1項記載のタンパク質を含んでなる液体製剤であって、該製剤がrCGEによる測定で5重量%以下のタンパク質の凝集レベルを示す、液体製剤。
【請求項105】
請求項1〜95のいずれか1項記載のタンパク質を含んでなる液体製剤であって、該製剤が、HPSECによる測定で、無傷の該タンパク質に相当するピークにおける全ピーク面積の80%以上として示される低レベルの断片化を示す、液体製剤。
【請求項106】
製薬上許容される賦形剤中に請求項1〜95のいずれか1項記載のタンパク質の治療的有効量を含んでなる無菌製剤。
【請求項107】
癌またはその症状の改善、治療または予防方法であって、それを要する患者に、請求項106記載の製剤を投与することによる方法。
【請求項108】
該癌が、頭部、頸部、眼、口、喉、食道、胸部、骨、肺、結腸、直腸、結腸直腸、胃、脾臓、腎臓部、骨格筋、皮下組織、転移性メラノーマ、子宮内膜、前立腺、乳房、卵巣、精巣、皮膚、甲状腺、血液、リンパ節、腎臓、肝臓、膵臓、脳または中枢神経系の癌である、請求項107記載の方法。
【請求項109】
好酸球、好塩基球、好中球、T細胞、B細胞、マスト細胞、単球および腫瘍細胞よりなる群から選ばれる細胞集団を、哺乳動物において枯渇させる方法であって、該細胞を請求項106記載の製剤と接触させることを含んでなる方法。
【請求項110】
哺乳動物中の病原体を請求項106記載の製剤と接触させることを含んでなる、該病原体を殺すかまたは標的化する方法。
【請求項111】
哺乳動物中のサイトカインを請求項106記載の製剤と接触させることを含んでなる、サイトカインを不活性化し、阻害し、または枯渇させる方法。
【請求項112】
該サイトカインがC5aである、請求項111記載の方法。
【請求項113】
請求項106記載の製剤を投与することによる、必要のある患者における炎症または自己免疫疾患の予防、治療、管理または診断方法。
【請求項114】
請求項106記載の製剤を投与することによる、必要のある患者における血管新生の抑制方法。
【請求項115】
該患者が癌、関節リウマチ、SLEまたはシェーグレン症候群を有する、請求項113または114記載の方法。
【請求項116】
該タンパク質が、哺乳動物に投与された場合またはin vitroで細胞の集団を同定しおよび/または枯渇させるものであり、該細胞が、異なる細胞表面エピトープの発現により規定され、そのような異なる細胞表面エピトープは該タンパク質の少なくとも1つのエピトープ結合性ドメインに選択的に結合する、請求項1〜95のいずれか1項記載のタンパク質。
【請求項117】
該細胞集団が、腫瘍細胞、癌幹細胞、B細胞およびT細胞よりなる群から選ばれる、請求項116記載のタンパク質。
【請求項118】
該タンパク質が、腫瘍細胞上に提示される細胞表面抗原群に特異的なエピトープ結合性ドメインを含む、請求項1〜95のいずれか1項記載のタンパク質。
【請求項119】
該細胞表面抗原群が同時には提示されない、請求項118記載のタンパク質。
【請求項120】
該タンパク質が哺乳動物に投与される場合、少なくとも1つのエピトープ結合性ドメインが関与する場合に該タンパク質が腫瘍細胞に対する抗体エフェクター機能を惹起する、請求項118または119記載のタンパク質。
【請求項121】
該タンパク質が少なくとも1つのエピトープ結合性ドメインを含み、該タンパク質が哺乳動物に投与された場合またはin vitroにおいて、該結合性ドメインが、細胞に送達されるべき積荷分子に特異的である、請求項1〜95のいずれか1項記載のタンパク質。
【請求項122】
該積荷分子が、細胞毒性薬、代謝拮抗物質、毒素、ペプチド、DNA分子、RNA分子、小分子、放射性同位体、発蛍光団、酵素、酵素インヒビター、プロドラッグまたはミトコンドリア毒よりなる群から選ばれる、請求項121記載のタンパク質。
【請求項123】
該タンパク質が、該細胞に結合するとインターナリゼーションされる、請求項121または122記載のタンパク質。
【請求項124】
積荷分子に特異的なエピトープ結合性ドメインが、約pH7.4において該積荷分子に対する高い結合アフィニティを示し、約pH6.0において該積荷分子に対する低い結合アフィニティを示す、請求項121〜123のいずれか1項記載のタンパク質。
【請求項125】
標的細胞集団を同定し、枯渇させ、活性化し、または抑制する方法であって、請求項1〜95のいずれか1項記載のタンパク質を、哺乳動物に投与された場合またはin vitroにおいて、標的細胞集団と接触させることを含んでなり、ここで該タンパク質が非標的細胞集団を有意に枯渇させず、活性化せず、または抑制しない、方法。
【請求項126】
該タンパク質が、対照エピトープ結合性タンパク質よりも増加した、標的細胞集団に対するアビディティを示し、ここで該対照エピトープ結合性タンパク質が、
a.該多重特異性エピトープ結合性タンパク質中に存在するエピトープ結合性ドメインのサブセット、または
b.該多重特異性エピトープ結合性タンパク質中に存在する少なくとも1つの単離されたエピトープ結合性ドメイン
のいずれかを含む、請求項125記載の方法。
【請求項127】
該サブセットが、少なくとも1つ、少なくとも2つ、少なくとも3つ、少なくとも4つ、少なくとも5つ、少なくとも6つ、少なくとも7つ、または少なくとも8つのエピトープ結合性ドメインを含む、請求項126記載の方法。
【請求項128】
該標的細胞が、癌細胞、癌幹細胞、T細胞、B細胞、メラノーマ細胞、リンパ腫細胞、腫瘍細胞、プレB細胞、プレT細胞、好塩基球、単球およびマクロファージよりなる群から選ばれる、請求項125〜127のいずれか1項記載の方法。
【請求項129】
請求項1〜95または116〜124のいずれか1項記載のタンパク質を使用する、患者における急性または慢性疾患の予防、管理、治療または診断方法。
【請求項130】
請求項107〜115または125〜128のいずれか1項記載の方法を使用する、患者における急性または慢性疾患の予防、管理、治療または診断方法。
【請求項131】
アブリン、ブルシン、シクトキシン、ジフテリア毒素、ボツリヌス毒素、志賀毒素、内毒素、破傷風毒素、百日咳毒素、炭疽毒素、コレラ毒素、ファルカリノール(falcarinol)、アルファ毒素、ゲルダナマイシン(geldanamycin)、ゲロニン、ロタウストラリン(lotaustralin)、リシン、ストリキニーネ、ヘビ毒毒素およびテトラドトキシンよりなる群から選ばれる1以上の物質への曝露に関連した毒性を低減するための、哺乳動物における請求項1〜95または116〜124のいずれか1項記載のタンパク質の使用方法。
【請求項132】
請求項1〜95または116〜124のいずれか1項記載のタンパク質を使用して、溶液から少なくとも1つの可溶性化合物を検出および/または精製する方法。
【請求項133】
該溶液が体液、細胞培養培地、発酵培養液、生物学的サンプルまたは飲料水である、請求項132記載の方法。
【請求項134】
該体液が、血液、汗、リンパ液、尿、涙、胆汁、唾液、血清、羊水、耳脂(耳垢)、カウパー液、精液、乳び、び汁、脳脊髄液、糞便、糞便水、膵液、滑液、眼房水、腸液、母乳、粘液、胸水、膿、皮脂および嘔吐物よりなる群から選ばれる、請求項133記載の方法。
【請求項135】
請求項1〜95または116〜124のいずれか1項記載のタンパク質を使用する、哺乳動物におけるサイトカインストームの毒性の低減方法。
【請求項136】
請求項1〜95または116〜124のいずれか1項記載のタンパク質を使用する、哺乳動物における療法誘発性毒性の低減方法であって、該療法が生物学的療法である、方法。
【請求項137】
該タンパク質が、該生物学的療法に由来する少なくとも1つのエピトープ結合性ドメインを含む、請求項136記載の方法。
【請求項138】
該タンパク質が、該生物学的療法の少なくとも1つの成分と競合する少なくとも1つのエピトープ結合性ドメインを含む、請求項136記載の方法。
【請求項139】
該タンパク質が、哺乳動物に投与された場合に少なくとも1日の半減期を示す、請求項1〜95または116〜124のいずれか1項記載のタンパク質。

【図1−A】
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【図1−B】
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【図2−A】
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【図2−B】
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【図2−C】
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【図2−D】
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【図3−A】
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【図3−B】
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【図3−C】
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【図3−D】
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【図3−E】
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【図3−F】
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【図4−A】
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【図4−B】
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【図4−C】
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【図4−D】
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【図4−E】
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【図4−F】
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【図4−G】
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【図4−H】
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【図4−I】
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【図4−J】
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【図4−K】
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【図4−L】
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【図4−M】
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【図4−N】
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【図4−O】
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【図4−P】
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【図4−Q】
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【図4−R】
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【図4−S】
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【図4−T】
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【図4−U】
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【図4−V】
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【図4−W】
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【図5−A】
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【図5−B】
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【図5−C】
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【図5−D】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【図35】
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【図36】
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【図37】
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【図38】
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【図39−1】
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【図39−2】
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【図40】
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【公表番号】特表2010−535032(P2010−535032A)
【公表日】平成22年11月18日(2010.11.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−520165(P2010−520165)
【出願日】平成20年7月30日(2008.7.30)
【国際出願番号】PCT/US2008/071656
【国際公開番号】WO2009/018386
【国際公開日】平成21年2月5日(2009.2.5)
【出願人】(504333972)メディミューン,エルエルシー (108)
【Fターム(参考)】