説明

多重解像度光学システムおよびその製造方法

【課題】多重解像度光学システムおよびその製造方法を提供すること。
【解決手段】多重解像度レンズシステム(10)が、視野(FOV)(12)に向けられ、視野(12)から発する第1の複数の画像光子を受け取るように構成されたリレーレンズ(20)と、視野(12)から第2の複数の画像光子を受け取り、第2の複数の画像光子をリレーレンズ(20)に向けて送るように位置決めされた高解像度レンズ(22)と、シャッタデバイス(30)とを備え、シャッタデバイス(30)が、シャッタデバイス(30)の一領域にわたって、リレーレンズ(20)を通過した視野(12)からの画像光子を受け取り、それと同時に、シャッタデバイス(30)の該領域の一部分で重ね合わせて、高解像度レンズ(22)を通過してリレーレンズ(20)に向かう視野(12)の一部分からの画像光子を受け取るように位置決めされる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、一般に、高速アドレッシング可能な高解像度レンズシステム、より詳細には、低解像度モードと高解像度モードを含むカメラシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
光学認識カメラシステムは、例えば工業環境およびセキュリティ環境において画像内の物体を認識するために使用することができる。工業環境では、これらのシステムを工業用検査に使用することができ、基本的な検査(構成要素の有無)をするだけでなく、例えば、ある機構に指示し、部品を不合格にする、ロボットを位置決めする、またはデータベースを更新する役割も果たす。
【0003】
別の例として、セキュリティ用途では、カメラを使用して、大勢の人ひとりひとりの顔を識別することができる。そのような用途では、シーン内に大勢の人および他の物体を含むことがある広いシーンを映す第1のカメラと、より高い解像度を有し、大勢の人の中から一人を識別するために使用することができる顔認識アプリケーションを有する第2のカメラとを、システムが使用することができる。今日、2次元(2D)顔認識の方法が広く公開されており、商業的に使用されている。これらの方法は、大規模相関(large scale correlation)、キーポイント選択、ウェーブレット、および顔を主要な構成要素にセグメント化する、などのツールを含む。一例として、「セルフポートレート」モードは、特に、顔がカメラ視野の中心に位置決めされたときに写真を撮影するようになされている。
【0004】
今日、二重解像度システムまたは光学システムは、二重カメラシステムまたは機械的ズームに基づいていることが多い。これらのシステムでは、大視野のカメラがシーンを検査し、次いで高解像度カメラが特定の位置にパンおよびチルトされる。したがって、従来のシステムで高い倍率の場合には、指定される様々な位置に焦点を合わせるために小視野を移動させるために、パンおよびチルトのための何らかの手段が必要とされる。典型的なセキュリティカメラのパン・チルトユニットは、カメラ全体を移動させる大型のユニットであり、ステッパモータまたは電位差計を設けられたDCモータによって動力供給される。
【0005】
カメラ全体の移動を伴うこれらのシステムは、特にセキュリティ用途において、撮影されている被写体が、自分が実際に見られていることに感付いてしまう可能性があるという欠点がある。例えば、カメラ全体の移動は、撮影されている被写体の目に付くことがあり、被写体の移動と一致するようなそのようなカメラのパンおよびチルトから、その被写体が特に対象となっていることが分かることがある。また、典型的なシステムは、第2のカメラのコストがかかるという欠点を伴うことがあり、またパン/チルト機構の速度が、被写体の移動を追うには遅すぎることがある。さらに、これらのシステムは、構成要素の数により、またカメラをパン/チルトまたは自動合焦させるために使用される機械的メカニズムにより、信頼性が低いことがあり、これによって保守コストおよびシステムダウンタイムが増加することがある。したがって、信頼性、コスト、および性能の面から、顔認識システムにおける移動要素の数を最小限にすることが望ましい。
【0006】
レンズ自体に高精度アクチュエータを組み込むことが、複数解像度カメラに関する1つの解決策となりうる。小型の単純なアクチュエータにより、システム全体を動かすことなく、限られたパン、チルト、および合焦を行うことができるようになる。しかし、この技術は圧電式の親ねじに基づくものであり、典型的には短い移動距離および軽荷重の能力しかなく、したがって比較的小さいレンズに限定される。全体として、圧電合焦メカニズムを有するこれらのシステムは高価になる傾向がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】米国特許出願公開第2006/0175549号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
したがって、上述した欠点を克服する光学システムおよびその製造方法を提供することが望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、多重解像度光学システムおよびその製造方法である。
【0010】
一態様によれば、多重解像度レンズシステムが、視野(FOV)に向けられ、視野から発する第1の複数の画像光子を受け取るように構成されたリレーレンズと、視野から第2の複数の画像光子を受け取り、第2の複数の画像光子をリレーレンズに向けて送るように位置決めされた高解像度レンズと、シャッタデバイスとを備え、シャッタデバイスが、シャッタデバイスの一領域にわたって、リレーレンズを通過した該視野の画像光子を受け取り、それと同時に、シャッタデバイスの該領域の一部分で重ね合わせて、高解像度レンズを通過してリレーレンズに向かう視野の一部分からの画像光子を受け取るように位置決めされる。
【0011】
別の態様によれば、レンズアセンブリを製造する方法が、第1の開口および第2の開口を有するハウジングを提供するステップと、視野(FOV)から第1の開口に向かって進む画像光子を受け取り、その画像光子を第2の開口に向けて送るように、ハウジング内でリレーレンズを位置決めするステップとを含む。さらに、この方法は、ハウジング内で第1の開口とリレーレンズの間に高解像度レンズを位置決めするステップと、リレーレンズと第2の開口の間にシャッタデバイスを位置決めするステップとを含む。
【0012】
別の態様によれば、コンピュータプログラムが記憶されているコンピュータ可読記憶媒体であって、コンピュータプログラムが、完全な視野からリレーレンズを通ってシャッタデバイスに向かって進む光子から生成される完全な視野(FOV)の画像を生成し、画像内の第1の対象物体を識別して拡大し、識別された第1の対象物体からリレーレンズを通してシャッタデバイスに向けて光子を受け取って送るように高解像度レンズを位置決めするように構成される。
【0013】
様々な他の特徴および利点は、以下の詳細な説明および図面から明らかになろう。
【0014】
図面は、本発明を実施するために現在企図されている好ましい実施形態を示す。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の一実施形態による解像度光学システムを示す図である。
【図2】図1の解像度光学システムを操作する方法を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
第1の低い解像度で大勢の人ひとりひとりの顔を観察し、次いで第2の高い解像度を使用して大勢の人の中の一人の顔に自動的にズームインするためのセキュリティカメラまたは光学システムについて、本発明の実施形態の動作環境を以下に説明する。本明細書で説明するシステムは、自動顔認識機能を搭載して使用することができ、または警備員が手動で操作して、大勢の人に一通り目を通し、次いで大勢の人の中の一人の顔に焦点を合わせることもできる。さらに、本明細書で説明するシステムおよび方法は、顔認識に関連するセキュリティ環境に限定されず、一例として監視全般に使用することができる。例えば、低い解像度で広い視野(FOV)をスキャンまたは観察することができ、特定の監視のために対象の物体または対象のシナリオを識別したときに、対象の物体のクローズアップまたは高解像度視野を得ることができる。
【0017】
また、動作環境は、セキュリティ環境または監視環境に限定されない。例えば、工業検査用途では、本発明の実施形態に従って、低解像度視野で複数の部品を観察することができ、次いで部品の1つのクローズアップまたは高解像度画像を得ることができる。したがって、本明細書で説明する本発明の実施形態は、単一の二重解像度カメラを使用して低解像度視野と視野内の物体の高解像度画像とを迅速に切り替えることができることから利益を得ることができるいかなる撮像システムまたは用途にも適用可能である。
【0018】
図1を参照すると、本発明の一実施形態に従って、解像度撮像システム10が図示されている。撮像システム10は、低解像度レンズ構成を使用して広視野12を観察することによって一次画像を生成し、次いで高解像度レンズ構成を使用して一次画像内の物体に焦点を合わせ、その物体の画像を拡大することができるレンズシステムである。撮像システム10は、第1の開口16と第2の開口18を有するハウジング14を含む。撮像システム10は、広視野12を観察するように、またはそこから光子を受け取るように位置決めされたリレーレンズ20を含み、広視野12に基づいて一次画像を生成する。リレーレンズ20の前方に、二次レンズまたは高解像度レンズ22があり、このレンズ22は、リレーレンズ20よりも開口数が小さく、リレーレンズ20を完全には遮らない。広視野12内のより小さい領域または部分領域24を観察するために、高解像度レンズ22は、リレーレンズ20に対して横方向23に沿って、撮像システム10内で位置決めすることができる。一代替形態では、高解像度レンズ22は、電子的にアドレッシングすることができる液晶レンズでよい。高解像度レンズ22とリレーレンズ20は、協働して、広視野12の一次画像の中から捕捉された小さい領域のみの無限遠での二次または小視野画像(コリメートされた視野)を生成するように構成される。一実施形態では、高解像度レンズ22からより小さい領域または部分領域24までの距離に相当する焦点距離を有する高解像度レンズ22が選択される。
【0019】
撮像システム10は集束レンズ26を含み、この集束レンズ26は、典型的には位置が固定されており、リレーレンズ20の後方に位置決めされて、より小さい領域または部分領域24の小視野画像をセンサまたはデジタル化入力部28で再び集束させて中心に合わせる。一実施形態では、デジタル化入力部28は、ハウジング14の第2の開口18に取り付けられ、別の実施形態では、デジタル化入力部28は、ハウジング14とは別個であり、ハウジング14に取り付けられていない。撮像システム10は、制御可能な遮断デバイス30を含み、この遮断デバイス30は、例えばLCDまたは機械的シャッタを含むことがあり、これを制御して、選択的に、遮断デバイス30の一部分を通って光子が伝送するのを遮り、閉じられていない部分を光子が通過できるようにする。例えば、より小さい領域または部分領域24の画像は、高解像度レンズ22、リレーレンズ20、および制御可能な遮断デバイス30を通り、第1の領域32に広がることができる。同時に、広視野12からの一次画像が、リレーレンズ20、次いで制御可能な遮断デバイス30を通り、その第2の領域34に広がる。リレーレンズ20は、一次画像を受け取って、制御可能な遮断デバイス30に画像を送るようにサイズ設定されて位置決めされる。一実施形態では、遮断デバイス30がリレーレンズ20に対して適切に位置決めされるように、リレーレンズ20と制御可能な遮断デバイス30の距離に相当する焦点距離36を有するリレーレンズ20が選択される。
【0020】
撮像システム10は、デジタル化入力部28および高解像度レンズ22に結合された制御装置38を含む。高解像度レンズ22とリレーレンズ20は、協働して、広視野12の部分領域24の無限遠での二次画像(コリメートされた視野)を生成し、これがデジタル化入力部28に向けられる。それと同時に、リレーレンズ20は、広視野12を含む一次画像の大視野画像を重ね合わせ、これもまたデジタル化入力部28に向けられる。二次画像は部分領域24から生成され、例として、大勢の人の中の一人の顔や、例えば製造環境での検査対象の物体を含むことができる。したがって、広視野12を観察することができる静止位置で撮像システム10を保つことで、撮像システム10を広視野12に向けることができる。一実施形態(図示せず)では、撮像システム10は、制御装置38などの制御装置を介して、またはそれ自体遠隔からアクセス可能であり制御可能であるインターネット上のウェブページなどの遠隔アクセスデバイスを介して制御することができる回転可能デバイスに位置決めすることができる。
【0021】
次に、図2と、図1の撮像システム10とを参照して、図1の解像度光学システムを操作するための技法100を示す。技法100は、ステップ102で始まり、ステップ104で、図1のハウジング14内に含まれるものなどレンズシステムが、広視野に面するように位置決めされる。ステップ106で、ユーザは、制御可能な遮断デバイス30の第1の領域32を介して高解像度レンズ22から進む二次画像光子を選択的に遮断することによって、図1の広視野12など広視野を観察することができる。したがって、制御可能な遮断デバイス30の第1の領域32が閉じられるが、それにも関わらず、広いFOV12の完全な一次画像をデジタル化入力部28で生成することができることを当業者は理解されよう。ステップ108で、ユーザまたは物体認識ソフトウェアが、対象物体について一次画像をスキャンして、一次画像内の対象物体をより詳細に見る必要があるかどうか判断する。ステップ110で、例えばより小さい領域または部分領域24においてそのような対象物体を認識または識別すると、ステップ112で、高解像度レンズ22が、ハウジング14内部で横方向で位置決めされて、その領域24に向けられる。ステップ114で、より小さい領域または部分領域24の画像光子が第1の領域32を通過できるように、制御可能な遮断デバイス30を切り替えることができ、それと同時に、制御可能な遮断デバイス30の第2の領域34の残りの部分を閉じる。プロセスは、ステップ116で終了する。
【0022】
したがって、広視野12の画像光子は、制御可能な遮断デバイス30の第2の領域34に送られ、それと同時に、高解像度レンズ22から進むより小さい領域または部分領域24の画像光子は、制御可能な遮断デバイス30の第1の領域32に送られる。広視野12からの画像光子をデジタル化入力部28に通すか、それとも部分領域24からの画像光子をデジタル化入力部28に通すかは、単純に、制御可能な遮断デバイス30のどの領域を閉じるかを選択することによって迅速に切り替えることができる。制御可能な遮断デバイス30は、例えば、大視野(広視野)光線または小視野(狭視野)光線を選択的に遮断するLCDまたは同様の遮断デバイスでよい。代替形態では、例として、高解像度レンズ22の位置、リレーレンズ20の後方の二次画像の位置、または制御可能な遮断デバイス30の後方の集束レンズ26で遮断を行うことができる。例えば、制御可能な遮断デバイスは、第1の代替位置38または第2の代替位置40に位置決めすることができ、制御可能な遮断デバイス30に関して説明したのと同様に制御下で遮断することができる。
【0023】
したがって、上述したように、2つの画像を同時に使用可能であり、制御可能な遮断デバイス30によって、または選択的に遮断する他の手段によって、選択的にデジタル化入力部28に向けることができる。
【0024】
代替実施形態には、デジタル画像セグメンテーション、カラーフィルタリング、またはデジタル化入力部28に投影すべき画像を選択するための他の既知の方法が含まれる。一実施形態では、フレームを1つだけ使用して、被写体または物体の各高解像度画像を迅速に取り込むことができ、人が観察することができる連続的な画像として広視野画像を使用できるようにする。
【0025】
本発明の実施形態は、可視光スペクトルに基づいて、または夜間または暗い環境から熱画像を生成するための赤外線(IR)スペクトルなど別のスペクトルに基づいて、光子から画像を生成するために設計することができる。したがって、撮像すべき光子の所望のスペクトル(可視光、近赤外など)に応じて、制御可能な遮断デバイス30は、それに対応して所望のスペクトルでの光子を選択的に遮断または許可することができる機能を含むように構成される。
【0026】
したがって、本発明の実施形態は、広視野画像とクローズアップ画像の高速アクセス切替えを実現する。解像度が異なる2つの画像を1つのレンズシステムに組み込むことによって、第2のカメラおよびパン・チルトシステムにかかる追加のコストがなくなる。さらに、撮像システム内部で高解像度レンズを横方向で位置決定することができる機能を備えることによって、視野内の特定の対象領域を位置特定してそこに焦点を合わせるために、信頼性の高い頑強な(robust)手段が提供される。システムは、移動部品が少数しかなく、したがって高い信頼性を実現することができる。また、そのようなシステムは、監視中に被写体にとって気になるものでなく、被写体に気付かれることなく被写体を観察し、被写体に焦点を合わせることができる。さらに、そのようなシステムは、コストを比較的低くするために、現行の設備に後付けすることができ、既存のシステムに勝る画像品質の改良を望むユーザにとって魅力的な選択肢となる。
【0027】
したがって、本発明の実施形態は、局所画像を生成するために視野内の特定の領域を選択する手段を光学システム内で移動させることによって、2つの別個のカメラを備えるシステムを使用する必要をなくし、またはパンおよびチルトカメラを使用する必要をなくす。広視野または大視野画像でのマッピング位置は、別個のパンおよびチルトカメラのより複雑な操作を行うのではなく、横方向で位置決めを行うことができる単純な高解像度レンズによって直接アドレッシングすることができる。また、本発明の実施形態は、非常に迅速に特定の位置に向ける(すなわち、カメラ全体を移動させるのではなく、内部レンズを短距離だけ移動させる)ことができることにより、かつ2つの画像のいずれかを選択するためにLCDまたは機械的シャッタなど電子手段を使用することができることにより、画像間での高速の切替えを可能にする。
【0028】
開示した方法および装置の技術面での貢献は、低解像度モードと高解像度モードを含む、コンピュータで実施されるカメラシステムを提供することである。
【0029】
本発明の実施形態を、コンピュータプログラムが記憶されているコンピュータ可読記憶媒体にインターフェースさせて、コンピュータ可読記憶媒体によって制御することができることを当業者は理解されよう。コンピュータ可読記憶媒体は、1つまたは複数の電子構成要素、ハードウェア構成要素、および/またはコンピュータソフトウェア構成要素など複数の構成要素を含む。これらの構成要素は、あるシーケンスの、1つまたは複数の実装または実施形態の1つまたは複数の部分を実施するためのソフトウェア、ファームウェア、および/またはアセンブリ言語などの命令を一般に記憶する1つまたは複数のコンピュータ可読記憶媒体を含むことができる。これらのコンピュータ可読記憶媒体は、一般に、非一時的かつ/または有形である。そのようなコンピュータ可読記憶媒体の例としては、コンピュータの記録可能データ記憶媒体、および/または記憶デバイスが挙げられる。コンピュータ可読記憶媒体は、例えば磁気、電気、光学、生物学、および/または原子データ記憶媒体の1つまたは複数を使用することができる。さらに、そのような媒体は、例えば、フレキシブルディスク、磁気テープ、CD−ROM、DVD−ROM、ハードディスクドライブ、および/または電子メモリの形態を取ることができる。列挙していない他の形態の非一時的および/または有形のコンピュータ可読記憶媒体も、本発明の実施形態と共に採用することができる。
【0030】
システムを実際に構成するとき、複数のそのような構成要素を組み合わせることも、分割することもできる。さらに、当業者には理解されるように、そのような構成要素は、多くのプログラミング言語の任意のもので書かれた、またはそのようなプログラミング言語で実装された一組および/または一連のコンピュータ命令を含むことができる。さらに、命令のシーケンスを表すコンピュータデータ信号を具体的に表すために、搬送波など他の形態のコンピュータ可読媒体を使用することもできる。命令シーケンスは、1つまたは複数のコンピュータによって実行されるときに、シーケンスの1つまたは複数の実装または実施の1つまたは複数の部分をコンピュータに実施させる。
【0031】
一実施形態によれば、多重解像度レンズシステムが、視野(FOV)に向けられ、視野から発する第1の複数の画像光子を受け取るように構成されたリレーレンズと、視野から第2の複数の画像光子を受け取り、第2の複数の画像光子をリレーレンズに向けて送るように位置決めされた高解像度レンズと、シャッタデバイスとを備え、シャッタデバイスが、シャッタデバイスの一領域にわたって、リレーレンズを通過した視野からの画像光子を受け取り、それと同時に、シャッタデバイスの該領域の一部分で重ね合わせて、高解像度レンズを通過してリレーレンズに向かう視野の一部分からの画像光子を受け取るように位置決めされたシャッタデバイスとを含む。
【0032】
別の実施形態によれば、レンズアセンブリを製造する方法が、第1の開口および第2の開口を有するハウジングを提供するステップと、視野(FOV)から第1の開口を通って進む画像光子を受け取り、その画像光子を第2の開口に向けて送るように、ハウジング内でリレーレンズを位置決めするステップとを含む。さらに、この方法は、ハウジング内で第1の開口とリレーレンズの間に高解像度レンズを位置決めするステップと、リレーレンズと第2の開口の間にシャッタデバイスを位置決めするステップとを含む。
【0033】
さらに別の実施形態によれば、コンピュータプログラムが記憶されているコンピュータ可読記憶媒体であって、コンピュータプログラムが、完全な視野からリレーレンズを通ってシャッタデバイスに向かって進む光子から生成される完全な視野(FOV)の画像を生成し、画像内の第1の対象物体を識別して拡大し、識別された第1の対象物体からリレーレンズを通してシャッタデバイスに向けて光子を受け取って送るように高解像度レンズを位置決めするように構成される。
【0034】
上記の説明では、例を使用して、最良の形態を含めて本発明を開示した。また、任意のデバイスまたはシステムの作成および使用、ならびに任意の組み込まれる方法の実施を含めて、当業者が本発明を実施することができるようにした。本発明の特許保護範囲は、特許請求の範囲によって定義され、当業者が想定する他の例も含むことがある。そのような他の例は、特許請求の範囲の記述と異なっていない構造要素を有する場合、または特許請求の範囲の記述から実質的に異なっていない均等な構造要素を含む場合に、特許請求の範囲の範囲内にあるものと意図される。
【符号の説明】
【0035】
10 撮像システム
12 広視野
14 ハウジング
16 第1の開口
18 第2の開口
20 リレーレンズ
22 高解像度レンズ
24 小さい領域
26 集束レンズ
28 デジタル化入力部
30 遮断デバイス
32 第1の領域
34 第2の領域
36 焦点距離
38 制御装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
視野(FOV)(12)に向けられ、前記視野(12)から発する第1の複数の画像光子を受け取るように構成されたリレーレンズ(20)と、
前記視野(12)から第2の複数の画像光子を受け取り、前記第2の複数の画像光子を前記リレーレンズ(20)に向けて送るように位置決めされた高解像度レンズ(22)と、
シャッタデバイス(30)とを備え、前記シャッタデバイス(30)が、
前記シャッタデバイス(30)の一領域にわたって、前記リレーレンズ(20)を通過した前記視野(12)の画像光子を受け取り、
それと同時に、前記シャッタデバイス(30)の前記領域の一部分で重ね合わせて、前記高解像度レンズ(22)を通過して前記リレーレンズ(20)に向かう前記視野(12)の一部分からの画像光子を受け取るように位置決めされる、多重解像度レンズシステム(10)。
【請求項2】
前記視野の選択された部分から前記リレーレンズ(20)に向けて画像光子を送るように、前記高解像度レンズ(22)を横方向で位置決めし直し、
前記視野の選択された部分から画像デジタル化入力部(28)に向けて画像光子を選択的に送るように前記シャッタデバイス(30)を操作する
ように構成された制御装置(38)を備える請求項1記載のシステム(10)。
【請求項3】
前記シャッタデバイス(30)と前記画像デジタル化入力部(28)の間に位置決めされ、選択的に送られた画像光子を前記画像デジタル化入力部(28)に向けて集束させるように構成された集束レンズ(26)を備える請求項2記載のシステム(10)。
【請求項4】
前記制御装置(38)が、前記視野(12)を変えることなく、前記高解像度レンズ(22)を横方向で位置決めし直し、前記シャッタデバイス(30)を操作するように構成されている請求項2記載のシステム(10)。
【請求項5】
画像光子が通過できるように選択的に前記シャッタデバイス(30)が稼働されているときに、前記高解像度レンズ(22)を通って前記リレーレンズ(20)に向かって進む視野(12)の一部分からの画像光子を受け取るように位置決めされた集束レンズ(26)を備える請求項1記載のシステム(10)。
【請求項6】
前記高解像度レンズ(22)が、前記視野(12)の画像光子を前記リレーレンズ(20)に向けて選択的に集束するために、前記リレーレンズ(20)に対して横方向で位置決め可能である請求項1記載のシステム(10)。
【請求項7】
前記高解像度レンズ(22)が、約10mm〜15mmの間の焦点距離を有する請求項1記載のシステム(10)。
【請求項8】
前記シャッタ(30)の好ましい領域を画像光子が通過できるように、前記シャッタ(30)を選択的に稼働させることができる請求項1記載のシステム(10)。
【請求項9】
前記シャッタ(30)が、機械的シャッタおよび液晶ディスプレイの1つである請求項8記載のシステム(10)。
【請求項10】
前記リレーレンズ(20)の開口数が、前記高解像度レンズ(22)の開口数よりも大きい請求項1記載のシステム(10)。
【請求項11】
前記リレーレンズ(20)の焦点距離(36)が、前記高解像度レンズ(22)の焦点距離よりも長い請求項1記載のシステム(10)。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate


【公開番号】特開2012−3262(P2012−3262A)
【公開日】平成24年1月5日(2012.1.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−130777(P2011−130777)
【出願日】平成23年6月13日(2011.6.13)
【出願人】(390041542)ゼネラル・エレクトリック・カンパニイ (6,332)
【Fターム(参考)】