説明

多重鎖真核ディスプレイベクターとその使用

【課題】多重鎖ポリペプチドの生物活性が宿主細胞の表面で現れるように、多重鎖ポリペプチドを宿主細胞の表面に表示することが可能な真核発現ベクターが提供される。
【解決手段】免疫グロブリンFab断片のような生物学的に活性な多重鎖ポリペプチドのディスプレイを可能にする。多重鎖ポリペプチドの真核宿主細胞の表面での成功したディスプレイを記載して可能にする。宿主細胞において別々かつ独立的に多重鎖ポリペプチド鎖を発現するのに好ましいベクターが記載される。こうした適合ベクターセットの使用により、真核ディスプレイベクターの生成における柔軟性及び汎用性、例えば、多重鎖ポリペプチドの様々な個別鎖を発現するベクターを組み合わせるか又は組換えることによって多重鎖ポリペプチドを産生して表示する能力を提供する。こうしたベクターセットを使用して、新規な鎖の組合せの全レパートリーを設計することができる。


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【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)細胞表面アンカーへ連結する生物学的に活性な多重鎖ポリペプチドの第一鎖を含むポリペプチドをコードする第一のポリヌクレオチドであって、該細胞表面アンカーのアミノ酸配列が、該細胞表面アンカーと融合するポリペプチドのアミノ酸配列と共には天然には生じないものである、前記第一のポリヌクレオチド;及び
(b)細胞表面アンカーに連結していない多重鎖ポリペプチドの第二鎖をコードする第二のポリヌクレオチド;
を含む、多重鎖ポリペプチド真核ディスプレイベクターであって、
ここで真核宿主細胞において多重鎖ポリペプチドの両鎖の発現及び分泌を指令するように作動可能であり、そして、多重鎖ポリペプチドの第一鎖が細胞表面アンカーによって真核宿主細胞の表面に結合し、そして多重鎖ポリペプチドの両鎖は、多重鎖ポリペプチドの生物活性が真核宿主細胞の表面に現れるように会合する、前記ベクター。
【請求項2】
(c)多重鎖ポリペプチドの第三鎖をコードする第三のポリヌクレオチド、
をさらに含む、請求項1に記載の真核ディスプレイベクター。
【請求項3】
(d)多重鎖ポリペプチドの第四鎖をコードする第四のポリヌクレオチド、
をさらに含む、請求項2に記載の真核ディスプレイベクター。
【請求項4】
多重鎖ポリペプチドが二本鎖ポリペプチドである、請求項1に記載の真核ディスプレイベクター。
【請求項5】
多重鎖ポリペプチドが四本鎖ポリペプチドであり、ここで四本鎖ポリペプチドは2本の第一鎖と2本の第二鎖からなる、請求項1に記載の真核ディスプレイベクター。
【請求項6】
多重鎖ポリペプチドが、免疫グロブリンFab断片、T細胞受容体の細胞外ドメイン、MHCクラスI分子、及びMHCクラスII分子から成る群より選択される二本鎖ポリペプチドである、請求項1に記載の真核ディスプレイベクター。
【請求項7】
多重鎖ポリペプチドが、免疫グロブリン(Ig)又はIg断片である、請求項1に記載の真核ディスプレイベクター。
【請求項8】
多重鎖ポリペプチドが、IgA、IgD、IgE、IgG、及びIgMから成る群より選択される免疫グロブリンである、請求項7に記載の真核ディスプレイベクター。
【請求項9】
多重鎖ポリペプチドがIgGである、請求項8に記載の真核ディスプレイベクター。
【請求項10】
多重鎖ポリペプチドがFabである、請求項7に記載の真核ディスプレイベクター。
【請求項11】
アンカーが真核細胞の細胞表面タンパク質である、請求項1に記載の真核ディスプレイベクター。
【請求項12】
アンカーが、真核宿主細胞の細胞表面へ固着する、真核細胞の細胞表面タンパク質の一部である、請求項1に記載の真核ディスプレイベクター。
【請求項13】
アンカーが、α-アグルチニン、a-アグルチニン成分Aga1p及びAga2p、及びFLO1から成る群より選択される、請求項1に記載の真核ディスプレイベクター。
【請求項14】
発現時に、第一鎖と細胞表面アンカーが融合タンパク質として真核宿主細胞において発現される、請求項1に記載の真核ディスプレイベクター。
【請求項15】
発現時に、第一鎖がJun/Fos連結により細胞表面アンカーへ連結する、請求項1に記載の真核ディスプレイベクター。
【請求項16】
発現時に、多重鎖ポリペプチドの第一鎖がAga2pへ融合し、Aga2pはAga1pへ共有結合し、次いでこれが真核宿主細胞表面へ連結する、請求項14に記載の真核ディスプレイベクター。
【請求項17】
第一のポリヌクレオチドがAga2pシグナル配列へ作動可能に連結し、第二のポリヌクレオチドがAga2pシグナル配列へ作動可能に連結する、請求項1に記載の真核ディスプレイベクター。
【請求項18】
第一のポリヌクレオチドが第一のエピトープタグをコードするポリヌクレオチドへインフレームで連結し、第二のポリヌクレオチドが第二のエピトープタグをコードするポリヌクレオチドへインフレームで連結する、請求項1に記載の真核ディスプレイベクター。
【請求項19】
多重鎖ポリペプチドの両鎖をコードする複数のポリヌクレオチドのすべてを包含するポリヌクレオチドセグメントの5’端及び3’端に位置する制限エンドヌクレアーゼ認識部位をさらに含む、請求項1に記載の真核ディスプレイベクター。
【請求項20】
多重鎖ポリペプチドの両鎖をコードする複数のポリヌクレオチドのそれぞれの5’端及び3’端に位置する制限エンドヌクレアーゼ認識部位をさらに含む、請求項1に記載の真核ディスプレイベクター。
【請求項21】
請求項1に記載の真核ディスプレイベクターを含むベクターライブラリー。
【請求項22】
多重鎖ポリペプチドの異種集団を含む、請求項21に記載のベクターライブラリー。
【請求項23】
請求項1に記載のベクターを利用することを含む、生物学的に活性な多重鎖ポリペプチドを真核宿主細胞の表面に表示する方法。
【請求項24】
ベクターセット、二元ディスプレイベクター、及び二元酵母ディスプレイベクターから成る群より選択されるベクターである、請求項1に記載の真核ディスプレイベクター。
【請求項25】
多重鎖ポリペプチドが二本鎖ポリペプチドであり、真核ディスプレイベクターは第一の真核ベクターと第二の真核ベクターを含むベクターセットであり、それぞれのベクターは二本鎖ポリペプチドの1本の鎖をコードするポリヌクレオチドを含む、請求項24に記載の真核ディスプレイベクター。
【請求項26】
真核ディスプレイベクターがベクターセットであり、多重鎖ポリペプチドは三本鎖ポリペプチドであり、そしてこのベクターセットは、第一の真核ベクター、第二の真核ベクター、及び第三の真核ベクターを含み、それぞれのベクターは三本鎖ポリペプチドの1本の鎖をコードするポリヌクレオチドを含む、請求項24に記載の真核ディスプレイベクター。
【請求項27】
少なくとも以下の3つのベクター:
(a)細胞表面アンカーへ連結する四本鎖ポリペプチドの第一鎖をコードする第一のポリヌクレオチドを含み、真核宿主細胞において第一鎖の発現及び分泌を指令するように作動可能である第一の真核ベクター;
(b)四本鎖ポリペプチドの第一鎖をコードする第一のポリヌクレオチドを含み、真核宿主細胞において第一鎖の発現及び分泌を指令するように作動可能である第二の真核ベクター;並びに
(c)四本鎖ポリペプチドの第二鎖をコードする第二のポリヌクレオチドを含み、真核宿主細胞において第二鎖の発現及び分泌を指令するように作動可能である第三の真核ベクター、
を含み、それによりベクターセットを形成するベクターセットであり、
該ベクターセットで形質転換された真核宿主細胞は、第一及び第二のポリヌクレオチドの発現時に、四本鎖ポリペプチドの第一鎖が細胞表面アンカーによって真核宿主細胞の表面に結合し、そして四本鎖ポリペプチドの生物活性を真核宿主細胞の表面で現す、請求項24に記載の真核ディスプレイベクター。
【請求項28】
二元ディスプレイベクターであり、アンカーは、真核細胞の表面上のアンカーとして作動可能であり、かつファージの表面上のアンカーとして作動可能なポリペプチドである、請求項24に記載の真核ディスプレイベクター。
【請求項29】
アンカーが、真核宿主細胞の細胞表面とファージの表面へ固着する細胞表面タンパク質の一部である、請求項28に記載の二元ディスプレイベクター。
【請求項30】
二元ディスプレイベクターであり、第一のポリヌクレオチドは第一シグナル配列をコードするポリヌクレオチドへ作動可能に連結し、第二のポリヌクレオチドは第二シグナル配列をコードするポリヌクレオチドへ作動可能に連結し、ここで第一シグナル配列と第二シグナル配列は、細菌細胞において作動可能であり、かつ真核細胞において作動可能である、請求項24に記載の真核ディスプレイベクター。
【請求項31】
二元ディスプレイベクターであり、第一のポリヌクレオチドは第一プロモーターへ作動可能に連結し、第二のポリヌクレオチドは第二プロモーターへ作動可能に連結し、ここで第一プロモーターと第二プロモーターは、ともに細菌細胞において作動可能であり、かつ真核細胞において作動可能である、請求項24に記載の真核ディスプレイベクター。
【請求項32】
(a)酵母において作動可能な細胞表面アンカーへ連結するIg重鎖のVH領域及びCH1領域を含む第一のポリペプチドをコードする第一のポリヌクレオチド;及び
(b)Ig軽鎖を含む第二のポリペプチドをコードする第二のポリヌクレオチド;
を含む、酵母Fabディスプレイベクターであって、
ここで、酵母宿主細胞において多重鎖ポリペプチドの両鎖の発現及び分泌を指令するように作動可能であり、第一のポリペプチドが細胞表面アンカーによって酵母宿主細胞の表面に結合し、そして多重鎖ポリペプチドの両鎖は、会合して酵母宿主細胞の表面に生物学的に活性なFabを形成する、前記ベクター。
【請求項33】
アンカーが、α-アグルチニン、a-アグルチニン成分Aga1p及びAga2p、及びFLO1から成る群より選択される、請求項32に記載の酵母Fabディスプレイベクター。
【請求項34】
発現時に、VH領域及びCH1領域がJun/Fos連結により細胞表面アンカーへ連結する、請求項32に記載の酵母Fabディスプレイベクター。
【請求項35】
発現時に、VH領域及びCH1領域がAga2pへ融合し、Aga2pはAga1pへ共有結合し、次いでこれが酵母宿主細胞表面へ連結する、請求項33に記載の酵母Fabディスプレイベクター。
【請求項36】
多重鎖ポリペプチドの両鎖をコードするポリヌクレオチドの5’端及び3’端に位置する制限エンドヌクレアーゼ認識部位をさらに含む、請求項32に記載の酵母Fabディスプレイベクター。
【請求項37】
ベクターセットである、請求項32に記載のFab酵母ディスプレイベクター。
【請求項38】
二元ディスプレイベクターである、請求項32に記載のFab酵母ディスプレイベクター。
【請求項39】
二元ディスプレイベクターがファージ及び酵母において作動可能である、請求項38に記載のFab酵母ディスプレイベクター。
【請求項40】
請求項32に記載の酵母ディスプレイベクターを含むFab酵母ディスプレイライブラリー。
【請求項41】
多重鎖ポリペプチドの異種集団を含む、請求項40に記載のFab酵母ディスプレイライブラリー。
【請求項42】
請求項32に記載のベクターを利用することを含む、生物学的に活性な多重鎖ポリペプチドを表示する方法。
【請求項43】
(a)(i)細胞表面アンカーへ連結する生物学的に活性な多重鎖ポリペプチドの第一のポリペプチド鎖をコードする第一のポリヌクレオチドであって、該細胞表面アンカーのアミノ酸配列が、該細胞表面アンカーと融合するポリペプチドのアミノ酸配列と共には天然には生じないものである前記第一のポリヌクレオチドを含み、そして真核宿主細胞において第一鎖の発現及び分泌を指令するように作動可能である第一の真核ベクター;及び
(ii)細胞表面アンカーに連結していない多重鎖ポリペプチドの第二のポリペプチド鎖をコードする第二のポリヌクレオチドを含み、そして真核宿主細胞において第二の鎖の発現及び分泌を指令するように作動可能である第二の真核ベクター;
を真核宿主細胞へ導入する工程であって、第一の真核ベクターと第二の真核ベクターで形質転換された真核宿主細胞は、第一のポリヌクレオチド及び第二のポリヌクレオチドの発現時及び細胞表面アンカーによる真核宿主細胞の表面への多重鎖ポリペプチドの第一鎖の結合時に、多重鎖ポリペプチドの生物活性を真核宿主細胞の表面で現す前記工程;及び
(b)該宿主細胞を第一のポリヌクレオチド及び第二のポリヌクレオチドの発現に適した条件下で培養する工程;
を含む、少なくとも2つのポリペプチド鎖を含む生物学的に活性な多重鎖ポリペプチドを真核宿主細胞の表面に表示する方法。
【請求項44】
真核宿主細胞が、動物細胞、植物細胞、及び真菌細胞から成る群より選択される、請求項43に記載の方法。
【請求項45】
真核宿主細胞が、哺乳動物細胞、昆虫細胞、及び酵母細胞から成る群より選択される、請求項43に記載の方法。
【請求項46】
真核宿主細胞が酵母細胞である、請求項43に記載の方法。
【請求項47】
酵母細胞が、Saccharomyces、Pichia、Hansenula、Shizosaccharomyces、Klayveromyces、Yarrowia、Debaryomyces及びCandidaから成る群より選択される属のものである、請求項46に記載の方法。
【請求項48】
酵母細胞が、Saccharomyces cerevisiae、Hansenula polymorpha、Kluyveromyces lactis、Pichia pastoris、Schizosaccharomyces pombe及びYarrowia lipolyticaから成る群より選択される、請求項47に記載の方法。
【請求項49】
酵母細胞がSaccharomyces cerevisiae、である、請求項47に記載の方法。
【請求項50】
(a)多重鎖真核ディスプレイベクターの発現時に、多重鎖ポリペプチドをその表面に表示し、そして目的の生物学的活性を現す真核細胞を提供する工程であって、多重鎖ポリペプチドの一本鎖が細胞表面アンカーによって細胞表面に結合し、該細胞表面アンカーのアミノ酸配列が、該細胞表面アンカーと融合するポリペプチドのアミノ配列と共には天然には生じないものである、前記工程;
(b)該真核細胞を、多重鎖ポリペプチドの発現を可能にするのに十分な条件下で培養する工程;
(c)該細胞を目的の分子と接触させる工程;及び
(d)目的の分子と具体的に相互作用を現す細胞を選択して単離する工程;
を含む、目的の生物活性を現す1以上の多重鎖ポリペプチドを検出して単離する方法。
【請求項51】
目的の生物活性を現す多重鎖ポリペプチドを表示する宿主細胞を単離し、場合により、少なくとも1つの追加の選択ラウンドへかける、請求項50に記載の方法。
【請求項52】
ファージディスプレイスクリーニングを使用してライブラリーをスクリーニングすることをさらに含む、請求項50に記載の方法。
【請求項53】
目的の分子がタンパク質である、請求項50に記載の方法。
【請求項54】
目的の生物活性が多重鎖ポリペプチドと別の分子種との相互作用であり、分子種間の非共有結合的会合を含む、請求項53に記載の方法。
【請求項55】
相互作用が一過性である、請求項54に記載の方法。
【請求項56】
相互作用が共有結合的相互作用である、請求項54に記載の方法。
【請求項57】
(a)(i)細胞表面アンカーへ連結する生物学的に活性な多重鎖ポリペプチドの第一鎖を含むポリペプチドをコードする第一のポリヌクレオチド;及び
(ii)多重鎖ポリペプチドの第二鎖をコードする第二のポリヌクレオチド;
を含むファージディスプレイベクターを入手する工程であって、ファージディスプレイベクターは、細菌宿主細胞において多重鎖ポリペプチドの両鎖の発現を指令するように作動可能であり、そして多重鎖ポリペプチドの両鎖は、多重鎖ポリペプチドの生物活性が、ファージディスプレイベクターを含みかつ細菌宿主細胞において増殖するファージの表面で現れるように会合する前記工程;及び
(b)多重鎖ポリペプチドの両鎖をコードする第一のポリヌクレオチド及び第二のポリヌクレオチドを真核ディスプレイベクターへ挿入する工程であって、真核ディスプレイベクターが、真核宿主細胞において多重鎖ポリペプチドの両鎖の発現及び分泌を指令するように作動可能であり、多重鎖ポリペプチドの第一鎖が細胞表面アンカーによって細胞表面に結合し、そして多重鎖ポリペプチドの両鎖は、多重鎖ポリペプチドの生物活性が真核宿主細胞の表面で現れるように会合する、前記工程;
を含む、生物学的に活性な多重鎖ポリペプチドをコードする核酸配列をファージディスプレイベクターと真核ディスプレイベクターとの間で移行させる方法。
【請求項58】
多重鎖ポリペプチドの両鎖のそれぞれをコードするポリヌクレオチド配列が、単一ポリヌクレオチドとして真核ディスプレイベクターへ一緒に挿入される、請求項57に記載の方法。
【請求項59】
多重鎖ポリペプチドの両鎖のそれぞれをコードするポリヌクレオチド配列が、別個のポリヌクレオチドとして真核ディスプレイベクターへ独立して挿入される、請求項57に記載の方法。
【請求項60】
挿入工程(b)が、制限消化、PCR増幅、相同組換え、及びこうした技術の組合せから成る群より選択される遺伝子移行技術を含む、請求項57に記載の方法。
【請求項61】
(a)(i)細胞表面アンカーへ連結するIg重鎖のVH領域及びCH1領域を含む第一のポリペプチドをコードする第一のポリヌクレオチド;及び
(ii)Ig軽鎖を含む第二のポリペプチドをコードする第二のポリヌクレオチド;
を含むファージディスプレイベクターを入手する工程であって、ファージディスプレイベクターは、細菌宿主細胞において第一のポリペプチド及び第二のポリペプチドの発現を指令するように作動可能であり、そして該ポリペプチドは、多重鎖ポリペプチドの生物活性が、ファージディスプレイベクターでトランスフェクトされ、かつ細菌宿主細胞において増殖するファージの表面で現れるように会合する前記工程;及び
(b)第一のポリペプチド及び第二のポリペプチドをコードする第一のポリヌクレオチド及び第二のポリヌクレオチドを真核ディスプレイベクターへ挿入する工程であって、真核ディスプレイベクターが、酵母宿主細胞において第一のポリペプチド及び第二のポリペプチドの発現及び分泌を指令するように作動可能であり、Fabの第一鎖が細胞表面アンカーによって酵母宿主細胞の表面に結合し、そして該ポリペプチドは、Fabの生物活性が酵母宿主細胞の表面で現れるように会合する、前記工程;
を含む、生物学的に活性なFabをコードする核酸配列をファージディスプレイベクターと真核ディスプレイベクターとの間で移行させる方法。
【請求項62】
ポリペプチドのそれぞれをコードするポリヌクレオチド配列が、単一ポリヌクレオチドとして真核ディスプレイベクターへ一緒に挿入される、請求項61に記載の方法。
【請求項63】
ポリペプチドのそれぞれをコードするポリヌクレオチド配列が、別個のポリヌクレオチドとして真核ディスプレイベクターへ独立して挿入される、請求項61に記載の方法。
【請求項64】
挿入工程(b)が、制限消化、PCR増幅、相同組換え、及びこうした技術の組合せから成る群より選択される遺伝子移行技術を含む、請求項61に記載の方法。
【請求項65】
細胞表面アンカーのアミノ酸配列が、該細胞表面アンカーと融合するポリペプチドのアミノ酸配列と共には天然には生じないものである、請求項57または61に記載の方法。
【請求項66】
多重鎖ポリペプチドの第二鎖が細胞表面アンカーに連結していない、請求項50、57または61に記載の方法。
【請求項67】
(a)細胞表面アンカーへ連結する生物学的に活性な多重鎖ポリペプチドの第一鎖を含むポリペプチドをコードする第一のポリヌクレオチドであって、該細胞表面アンカーのアミノ酸配列が、該細胞表面アンカーと融合するポリペプチドのアミノ酸配列と共には天然には生じないものである、前記第一のポリヌクレオチド;及び
(b)多重鎖ポリペプチドの第二鎖をコードする第二のポリヌクレオチドであって、該多重鎖ポリペプチドの第二鎖が細胞表面アンカーに連結していない、前記第二のポリヌクレオチド、
を含むベクターを含む、真核宿主細胞であって、
ここで該ベクターは、真核宿主細胞において多重鎖ポリペプチドの両鎖の発現及び分泌を指令するように作動可能であり、多重鎖ポリペプチドの第一鎖が細胞表面アンカーによって真核宿主細胞の表面に結合し、そして多重鎖ポリペプチドの両鎖は、多重鎖ポリペプチドの生物活性が真核宿主細胞の表面で現れるように会合する、
前記真核宿主細胞。
【請求項68】
動物細胞、植物細胞、及び真菌細胞から成る群より選択される、請求項67に記載の真核宿主細胞。
【請求項69】
哺乳動物細胞、昆虫細胞、及び酵母細胞から成る群より選択される、請求項67に記載の真核宿主細胞。
【請求項70】
酵母細胞である、請求項67に記載の真核宿主細胞。
【請求項71】
酵母細胞が一倍体である、請求項70に記載の真核宿主細胞。
【請求項72】
酵母細胞が二倍体である、請求項70に記載の真核宿主細胞。
【請求項73】
(a)酵母において作動可能な細胞表面アンカーへ連結する生物学的に活性な多重鎖ポリペプチドの第一鎖を含むポリペプチドをコードする第一のポリヌクレオチド;及び
(b)多重鎖ポリペプチドの第二鎖をコードする第二のポリヌクレオチド、
を含む異種ディスプレイベクターで形質転換された酵母細胞であって、
ここで該ベクターは、酵母細胞において多重鎖ポリペプチドの両鎖の発現及び分泌を指令するように作動可能であり、多重鎖ポリペプチドの第一鎖が細胞表面アンカーによって酵母細胞の表面に結合し、そして多重鎖ポリペプチドの両鎖は、多重鎖ポリペプチドの生物活性が酵母細胞の表面で現れるように会合する、前記酵母細胞。
【請求項74】
細胞表面アンカーのアミノ酸配列が、該細胞表面アンカーと融合するポリペプチドのアミノ酸配列と共には天然には生じないものである、請求項73に記載のベクターの異種ディスプレイベクターで形質転換された酵母細胞。
【請求項75】
多重鎖ポリペプチドの第二鎖が細胞表面アンカーに連結していない、請求項73に記載のベクターの異種ディスプレイベクターで形質転換された酵母細胞。
【請求項76】
少なくとも107個の多重鎖ポリペプチドの異種集団を集合的に表示する酵母細胞の集団を含む酵母ディスプレイライブラリー。
【請求項77】
少なくとも108個の多重鎖ポリペプチドの異種集団を集合的に表示する酵母細胞の集団を含む、請求項76に記載の酵母ディスプレイライブラリー。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4A】
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【図4B】
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【図4C】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8A】
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【図8B】
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【図8C】
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【図8D】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【公開番号】特開2010−227114(P2010−227114A)
【公開日】平成22年10月14日(2010.10.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−121994(P2010−121994)
【出願日】平成22年5月27日(2010.5.27)
【分割の表示】特願2003−532672(P2003−532672)の分割
【原出願日】平成14年9月30日(2002.9.30)
【出願人】(502352519)ダイアックス、コープ (16)
【氏名又は名称原語表記】DYAX CORP.
【Fターム(参考)】