説明

大きなガラス質ビーズ

5mmより大きい断面直径を有する大きな球状ガラス質ビーズの形の粒子状組成物が本発明の対象である。該ビーズは、シュガーレスで虫歯になりにくい本質的に繊維質材料から製造されたカプセル化するキャリヤー組成物及びカプセル材料、典型的にフレーバー材料を含有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はカプセル化の分野に関する。本発明はより詳細には、活性成分、例えばフレーバーを放出することができ、かつ本質的に繊維質材料から製造され、かつより詳細には、押出し法を通じて大きなガラス質ビーズを製造することを可能にする2つの特別な繊維多糖類(fibrous polysaccharides)の組合せ物から製造される新規のカプセル化するキャリヤー組成物により特徴付けられる新規のデリバリーシステムに関する。本発明の固体の粒子状組成物は、糖菓(confectionery)領域に向けられたすぐ消費できる(ready-to-consume)最終製品を構成することができるか、又は消費製品に添加される場合、例えば食用組成物、例えば食品又は飲料に添加される場合に、フレーバー又は他の活性成分用のデリバリーシステムとして使用されることができる。
【0002】
背景技術
文献には、カプセル化された形の活性成分を提供する多くの方法が開示されている。活性成分のカプセル化は多様な目的を有し、その場合に主なものは、一方では、不安定な成分又は揮発性成分をデグラデーションから又は外部の要素とのいずれかの不利な相互作用から保護することであり、かつ他方ではカプセル化された活性成分の放出を制御し、かつ所望の場合にのみ、効率のよい放出を用途に応じて提供することである。
【0003】
カプセル化法及びカプセル化するマトリックス組成物は、デリバリーシステムが設計される目的の関数として、変更されることができ、かつ選択されるパラメーターである。それらは多くの特許又は特許出願の対象である。
【0004】
カプセル化法に関連して、押出しは、先行技術、特に特許文献に広範に記載されている。この方法は典型的には、溶融状態に加熱され、かつ活性成分と組み合わされ、押し出して押し出されたかたまりを急冷する前に、前記成分を保護するガラスを形成させる炭水化物マトリックス材料の使用に基づいている。この方法に由来し、かつフレーバー工業において使用される典型的な製品は、乾燥した顆粒状デリバリーシステムであって、該システムにおいて活性成分は、炭水化物ガラス全体に亘って小滴として均一に分配されたフレーバーである。この分野における先行技術の開示の重要な一例は、米国特許(US)第3,704,137号明細書であり、該明細書には、油を酸化防止剤と混合し、水、スクロース及び20未満のデキストロース当量(DE)を有する加水分解された穀物固形物を別個に混合し、2つの混合物を一緒に乳化し、生じた混合物をロッドの形で溶剤中へ押し出し、過剰の溶剤を除去し、かつ最終的に固化防止剤を添加することにより形成された精油組成物が記載されている。他の関連例は、安定な、メルトをベースとしかつ押し出された固形精油フレーバー組成物を形成させる方法並びにこの方法の生成物を開示する米国特許(US)第4,610,890号明細書及び米国特許(US)第4,707,367号明細書に記載されているものである。押し出されるべきメルトは、この特別な場合に、選択された乳化剤と一緒に砂糖及びデンプン水解物の水性混合物から形成されたマトリックス中に存在し、その場合に前記水性混合物は選択された量の精油フレーバーとさらにブレンドされる。より最近には、米国特許(US)第6,707,771号明細書には新規の押出し法が記載されており、該方法の場合に押し出されたかたまりは、ダイを出たところで細断され、かつその際に該かたまりは塑性状態である。この方法は、押出しに続く任意の乾燥工程を回避する。前記特許は単に押出し技術に関連した相当量の特許文献の例証となるに過ぎない。
【0005】
押出し法に適しているとして記載されたキャリヤー材料もまた数多い。最も有用な成分は、デンプン、水素化デンプン水解物、化工デンプン及びガムを、低分子量炭水化物、例えば単糖又は二糖、約4〜20の範囲内のデキストロース当量(DE)を有するマルトデキストリン及び約21〜97の範囲内のデキストロース当量を有するコーンシロップ固形物又はポリデキストロースとの組合せで又はそれらの代替品として典型的に含んでいる長鎖炭水化物である。
【0006】
目下、本発明は、本質的に繊維多糖類から製造され、かつより詳細には可溶性の食物繊維から製造された新規のカプセル化するキャリヤー組成物により特徴付けられている。食物繊維は通常、ヒトの内在性酵素に対して耐性である、すなわちそれらがヒトの消化管の内在性分泌物により消化されない多糖類として定義される。それらは、水に不溶性の繊維及び水に可溶性の繊維に分けられる。水に可溶性の繊維は、それらの公知の健康利得のために、食物製品において使用される成分として、部分的にはそれらが食物へのグリセミック(glycemic)応答を低下させ、故に糖尿病に特に適している可溶性の繊維を含有する食物製品を製造するために、先行技術に広範に記載されている。この先行技術には、すぐ消費できる製品における水に可溶性の繊維それ自体の使用は記載されているが、しかし潜在的なカプセル化する材料として記載されていない。
【0007】
他方では、可溶性及び不溶性の繊維は、カプセル材料(encapsulant)の放出を制御するためにカプセル化する組成物に少量で添加されることが潜在的に有用であるとも開示されている(国際公開(WO)第99/48372号パンフレット)。
【0008】
最後に、米国特許(US)第6,468,568号明細書には、繊維質材料を含有しているダブルカプセル化システムにおける無機質、例えばカルシウム又はビタミンのカプセル化が開示されている。より詳細には、この開示において、活性成分は、まず最初に食用油により包囲され、ついでイヌリンであってよいオリゴ糖を含んでいるガラス質マトリックス組成物中へカプセル化される。目下、イヌリンは、例えばチコリー、タマネギ又はキクイモ及び他の普通の植物源からの抽出により分離され、清浄で乾燥された繊維質材料である。イヌリンは、それ以外のオリゴ糖類の中でこの刊行物に挙げられた唯一の全体として繊維質の材料である。そこに開示された目的に適しているその他の全てのオリゴ糖材料は砂糖を含む。前記刊行物に記載されたカプセル化法は押出しであり、かつゴムのようでなく、かつ食物組成物中へ又は食物組成物上へ配合するために用意された微細な粒子状組成物又は粉末に容易に粉砕可能である製品を得ることを可能にする。記載されたガラス質マトリックス組成物は、約0.10mm〜約5mmの開口部直径を有している押出しダイを通して押し出されることができる。押出物ロープ(extrudate rope)及び製品の直径は、組成物がダイを出る際の変形又は膨潤のためにダイ開口部の直径よりも大きくなりうる。ダイを出る際の直径の増大は、実質的な発展なしに又は膨張した、ふくらんだ、泡沫状の、又は気泡質の構造を生じうる。いずれにせよ、押し出されたロープは約0.15mm〜約5mmに制限された断面直径を有する。
【0009】
目下、我々は新規のカプセル化するキャリヤー組成物を実現できており、前記組成物は本質的に繊維質材料からなり、故にシュガーフリーであり、かつ虫歯になりにくい(non-cariogenic)というような有利な性質を与えるという事実に加えて、先行技術に開示されたそのようなものよりも大きなサイズを有する、すなわち少なくとも3mm、好ましくは少なくとも5mm及び15mmまでの断面直径を有する粒子状組成物を製造することを可能にする。故に本発明の製品は、甘い及び塩味の(savoury)糖菓領域及びパン類(bakery)領域に属している用途における直接的な消費に適しており、その場合にそれらは公知のゼラチンタイプのキャンデー、又は小さな圧縮錠剤の代替的な製品を提供し、あるいは食用組成物、例えば食品又は飲料に添加される場合の効率のよいデリバリーシステムとしての使用にも適している。
【0010】
発明の開示
本発明は、本質的に繊維質キャリヤー組成物から製造された大きなガラス質ビーズの形の新規の粒子状組成物に関する。より詳細には、本発明の第一の対象は、活性成分をカプセル化する繊維質のキャリヤー組成物を含んでいる押し出されたガラス質ビーズの形の粒子状組成物であって、前記ビーズが3mm〜15mm、好ましくは5mm〜15mm、より好ましくは6mm〜15mmに含まれる断面直径を有し、かつ好ましくは球状であることにより特徴付けられている。本発明のビーズのサイズは、本質的に水に可溶性の繊維質材料から製造され、かつより詳細には一方では長鎖の水に可溶性の繊維多糖及び他方ではより低い分子量の繊維質材料を含んでいる、その特徴的なキャリヤー組成物に結び付いている。本発明の生成物のキャリヤー組成物を構成し、かつ以下にそれらのそれぞれの平均分子量及び重合度により定義された水に可溶性の繊維の特殊な選択は、押出し法を通じて、押出機のダイの末端部での高分子キャリヤーの著しい緩和現象を提供することを可能にし、その際に例えば、3mmより大きい、好ましくは4mmより大きい、より好ましくは5mmより大きい及び極めてより好ましくは6mmより大きい直径を有する球状ビーズをもたらす。他方では、繊維質材料の性質が有利には、最終生成物に、虫歯のなりにくさ及びシュガーレスの性質のような品質を付与し、このことは該生成物を、甘い及び塩味の糖菓領域及びパン類領域の特殊な製品の製造のために、又はすぐ消費できる最終製品に添加される場合にフレーバー又は他の活性成分のための伝統的なデリバリーシステムとしての使用のために特に有用にする。
【0011】
デリバリーシステムの製造のための新規キャリヤー組成物としての繊維質材料の特殊な組合せの使用は、本発明の第二の対象である、それというのも、公知かつ今まで使用されたキャリヤーは、当該の品質を有しかつ特許の保護が請求された寸法及び形状を有する製品を、押出しにより製造することができなかったからである。
【0012】
最終消費製品は本発明の対象でもある。特にフレーバー工業のために、製品、例えば噛む必要のある菓子(chewy sweets)、グミキャンデー、ハード−ボイルドキャンデー(hard boiled candies)、クッキー、ケーキ及び一般的にベークド使用及びシリアルバー、チョコレートバー及びバックパック乳業(backpack dairy)は、有利にはフレーバリング成分として本発明の粒子状組成物を使用することができる。塩味の(Savoury)物品、例えばヌードル又はスープも本発明のビーズでフレーバリングされることができる。デリバリーシステムのサイズは、最終的な使用において高く評価される視覚的効果を与える一方で、カプセル化された揮発性で不安定な成分の効率のよい保護及び後者の制御された放出を提供する、すなわち放出が最終製品の消費の時間でのみ起こる。言い換えれば、本発明の生成物は、効率のよいデリバリーシステムとしてのそれらの品質及び通常使用されるカプセル化されたシステムとは相違するそれらの視覚的な外観の双方のための用途において使用される。
【0013】
本発明の生成物の他の利得及び利点は、詳細な説明及び以下に与えられた例を通じて明らかになる。
【0014】
本発明の粒子状組成物は、活性成分をカプセル化する繊維質キャリヤー組成物を含んでいる押し出されたガラス質ビーズの形であって、該ビーズが、3mm〜15mm、好ましくは5mm〜15mm、より好ましくは6mm〜15mmに含まれる断面直径を有し、かつ該キャリヤー組成物が、10000ダルトン(Da)よりも多い平均分子量及び60よりも大きい平均重合度を有する第一の水に可溶性の繊維多糖1〜70質量%、及び10000Da未満の平均分子量及び60未満の平均重合度を有する第二の水に可溶性の繊維多糖30〜99%を含むことにより特徴付けられており、ここで百分率は該キャリヤー組成物の全質量に対する質量により与えられる。
【0015】
水に可溶性の多糖という用語は、該多糖がL. Prosky他, J. Assoc. Off. Anal. Chem. 71, 1017-1023 (1988)により記載された方法によって少なくとも50%可溶性であるという意味である。前記で述べたように、繊維又は繊維多糖という用語は、該多糖がヒトの消化管の内在性分泌物により消化又は加水分解されることができないという事実を呼ぶ。従って、非繊維多糖(non-fibrous polysaccharide)という用語は、該多糖がヒトの消化管の内在性分泌物により消化されることができることを意味する。
【0016】
粒子状組成物は、本質的に繊維から製造される特殊なカプセル化するキャリヤーを含む。"マトリックス"とも呼ばれる"キャリヤー"という用語は、デリバリーシステム、すなわち保護されるべき活性成分が閉じ込められる組成物中のカプセル化する組成物を指定するためにカプセル化技術において通常使用される。繊維質材料が時として、特にカプセル材料の放出を制御するために、カプセル化する組成物に場合により添加されるものとして挙げられている一方で、本発明において定義されたサイズのビーズの押出しによる製造を可能にする繊維質材料の特殊な組合せは全く記載されていない。より詳細には、我々の知識によれば、完全に繊維から製造されたキャリヤーを有している可能性を含む先行技術からの唯一の刊行物(しかしながらそのような実施態様は米国特許(US)第6,468,568号明細書に例示されていない)は、押し出された製品のための共通のサイズの、すなわち5mmより小さい粒子状組成物を製造することを可能にするに過ぎない。目下、本発明において、我々は、平均分子量及び重合度を用いて定義された水に可溶性の繊維質材料の特殊な組合せ物が、押し出されることができるメルトを製造し、かつ押出機の出口での高分子ポリマーの緩和現象のために、大きなビーズ、特に3mmより大きい、好ましくは4mmより大きい、より好ましくは5mmより大きい断面直径を有する球状ビーズを製造することを可能にすることを確立することができた。押し出されるべきキャリヤー組成物中で大きな割合で通常使用される砂糖、例えば単糖及び二糖は、著しいポリマー緩和を防止する。本発明における活性成分をカプセル化するキャリヤー組成物は、有利にはこのタイプの化合物を含まず、故にシュガーレスであると記載されることができる。
【0017】
本発明の生成物のキャリヤー又はカプセル化する組成物中に存在する第一の水に可溶性の多糖は、10000ダルトン(Da)よりも多い平均分子量及び60よりも大きい平均重合度を有している可溶性の繊維である。この長鎖ポリマーは、キャリヤー組成物の全質量に対して1〜70質量%、好ましくは2〜50質量%、より好ましくは8〜20質量%、例えば2〜20質量%である割合で存在する。本発明の特別な実施態様において、それはコンニャクマンナン、キサンタン、アラビアゴム、グァーガム、ペクチン、ローカストビーンガム、可溶性ダイズ多糖及びβ−グルカンからなる群から選択される。
【0018】
ビーズのキャリヤー組成物中に存在する第二の水に可溶性の多糖は、より少ない分子量を有する繊維である。特に、後者は、10000Da未満の平均分子量及び60未満の平均重合度により特徴付けられている。典型的にはそれはデキストリンである。それはキャリヤー組成物の全質量に対して20〜99質量%、例えば30〜99質量%及び好ましくは50〜98質量%、例えば80〜98質量%の割合で含まれている。本発明に特に適しているデキストリンはChemical Abstract登録番号9004-53-9を有する。この材料は、良好な消化許容性、酸及び熱への耐性及びシュガーフリー製品のためのバルキング効果を提供する新しい可溶性の食物繊維として市場に出されたNutriose FB(登録商標)としてRoquette Freresから商業的に入手可能である。我々の知識の及ぶ限りでは、押し出されたデリバリーシステムの製造のための有利なカプセル化する材料としてのこの材料の使用は今まで記載されていない。
【0019】
好ましくは、キャリヤー組成物は、非繊維多糖類を20質量%未満、より好ましくは非繊維多糖類を10質量%未満、極めてより好ましくは5質量%未満含有する。最も好ましくは、非繊維多糖類を含まない。
【0020】
好ましくは第一及び/又は第二の多糖は虫歯になりにくい。より好ましくは双方の多糖類は虫歯になりにくい。
【0021】
本発明の実施態様において、キャリヤー組成物は、シュガーレスである及び/又は虫歯になりにくい。
【0022】
好ましくはキャリヤー組成物は低いグリセミックインデックス(glycemic index)、すなわち55未満のグリセミックインデックスを有する。より好ましくはキャリヤー組成物のグリセミックインデックスは40未満、最も好ましくはそれは25未満である。
【0023】
カプセル化する材料のこれらの本質的な主成分に加えて、キャリヤーは可塑剤を、典型的には粒子状組成物の全質量に対して1〜10質量%である割合で含んでいてよい。押出し技術において通常使用される可塑剤は本発明に適合し、かつ当業者に十分公知である。それらは以下のものを含むが、それらに限定されるものではない:水、プロピレングリコール、イソマルト(isomalt)、グリセリン、エチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリアセチン、有機酸及びそれらの混合物。
【0024】
キャリヤー組成物は任意成分、例えば着色剤又は乳化剤も含んでいてよい。乳化剤の典型的な例は、レシチン、脂肪酸のクエン酸エステルを含むが、しかし他の適している乳化剤は参考テキスト、例えばFood emulsifiers and their applications, 1997, G.L.Hasenhuettl及びR.W.Hartel編に列挙されている。これらの成分のより詳細な説明は当該の場合に不必要である、それというのもこれらの成分は通常、いずれのキャリヤー組成物の押出しの間に使用され、かつ当業者により十分公知だからである。
【0025】
本発明のキャリヤー組成物は、好ましくは粒子状組成物の全質量に対して0.01〜15質量%、より好ましくは0.05〜3質量%の割合で含まれた活性成分をカプセル化する。本発明のデリバリーシステムにおいて保護される活性成分は、例えばフレーバー、フレグランス、ビタミン、医薬又は着色材料と同じように変更されることができる。本発明の実施態様において、活性成分は、フレーバー、フレグランス、ビタミン、医薬、着色剤、栄養補助食品(neutraceutical)、ホワイトニング剤(whitening agent)、抗菌薬及びこれらの少なくとも2つを含む混合物からなる群から選択されている。活性成分は、液体又は固体の形であってよい揮発性成分又は不安定な成分であってよい。好ましくは活性成分は疎水性である。例えばそれはフレーバー又はフレグランス成分又は組成物である。本明細書において使用される"フレーバー又はフレグランス成分又は組成物"という用語は、双方の天然及び合成の起源の多様なフレーバー及びフレグランス材料を定義するものとみなされる。それらは単一化合物及び混合物を含む。そのような成分の特殊な例は最新の文献、例えばS.Arctander著, Perfume and Flavour Chemicals, 1969, Montclair N.J.(USA);Fernaroli's Handbook of Flavour Ingredients, 1975, CRC Press又はSynthetic Food Adjuncts, 1947, M.B.Jacobs著, van Nostrand Co., Incに見出されることができ、かつ消費製品を付香する、フレーバリングする及び/又は香り付けする(aromatising)、すなわち臭気及び/又はフレーバー又は味を伝統的に付香される又はフレーバリングされる消費製品に付与する、又は前記消費製品の臭気又は味を改変する当業者に十分公知である。
【0026】
天然抽出物は、本発明のシステム中へカプセル化されることもできる;なかでもこれらは、例えばシトラス抽出物、例えばレモン、オレンジ、ライム、グレープフルーツ又はマンダリン油、又はコーヒー、茶、ココア、ミント、バニラ又はハーブ及びスパイスの精油を含む。
【0027】
栄養補助食品は、本発明の粒子状組成物の活性成分であってもよい。栄養補助食品は、疾病の予防及び処置を含めた健康及び医学的な利得を有する化合物、成分又はダイエットサプリメント(dietary supplement)又は食物である。栄養補助食品は、酸化防止剤、アミノ酸及びタンパク質、植物性薬品(botanicals)、プロバイオティクス(probiotics)、栄養性脂肪(例えばポリ不飽和脂肪酸PUFAs)、ダイズ、ビタミン及び無機質を含む。例えば栄養補助食品は、心臓血管性疾患の発生を減少させる有益な効果を有するDHAであってよい。
【0028】
ホワイトニング剤の例は重曹、過酸化水素及びパパインである。抗菌薬の例は、トリクロサン、ピロリン酸塩、プロポリス及び天然精油である。活性成分は、口臭又は息の悪臭を処置する又は防止するための成分、例えば緑茶又はパセリ油又は抗プラーク剤(antiplaque agent)、例えばテトラ及びビ−ナトリウム、テトラ及びビ−カリウムであってもよい。
【0029】
さらに、活性成分は、異なる成分を含んでいる混合物であってよく、例えば該活性成分は異なるフレーバーを含んでいる混合物であってよい。本発明の実施態様において、活性成分は、フレーバー及び栄養補助食品を含んでいる混合物である。
【0030】
本発明の粒子状組成物の製造方法は本発明の対象でもある。前記方法は、カプセル化されるべき活性成分を、10000Daよりも多い平均分子量及び60よりも大きい平均重合度を有する第一の水に可溶性の繊維多糖1〜70質量%及び10000Da未満の平均分子量及び60未満の平均重合度を有する第二の水に可溶性の繊維多糖30〜99%を含むキャリヤー組成物と組み合わせ、かつブレンドする工程、ここで百分率はキャリヤーの全質量に対する質量により与えられる;前記ブレンドをスクリュー押出機内で80℃〜120℃に含まれる温度に加熱して、溶融したかたまりを形成させる工程;ついで溶融したかたまりを4〜12mmに含まれるダイホール直径を有するダイを通して押し出す工程;及び得られた材料をダイを出たところで切断する工程を含んでいる。この方法に典型的な条件は、当工業界において通常使用されるものであり、かつ当業者により十分公知であり、故にそれらはここでより詳細な説明を必要としない。特殊な条件は以下に例示される。
【0031】
本発明の方法を実施するのに適している装置は一軸又は二軸スクリュー押出機である。それは連続的に成分を混合し、その後に押出しダイプレートを通して組成物を押し出すことを可能にする。本発明に適している押出しダイは約2mm〜約12mm、好ましくは約3mm〜約10mm、例えば約4mm〜約12mm、一般的に7mm未満のホール直径を有する。押し出された粒子状組成物は、その特殊なキャリヤー組成物のために、ダイの末端部での著しい緩和現象を受け、このことは例えば、3mm、4mm、5mm又は6mmよりも大きい断面直径を有し、かつ約15mmの大きさであってよい押し出されたロープを製造することを可能にする。故に本発明の方法は、好ましくは球状の形状を有するビーズを製造することを可能にし、その場合に今まで不可能であったそのような断面直径を示す。実際、押出しにより製造された球状粒子は既に記載されているが、しかしそれらはずっとより小さいサイズを有していた。ビーズの球状の形状は本発明を限定することを意図するものではない。実際、ダイ形状及び押し出されたロープが切断される際のモーメントを変更することにより、他のビーズ形状、例えばビーンタイプの形状が本発明の方法により得られることができる。
【0032】
本発明の方法により得られた生成物は、ガラス状態の固形粒子状組成物である。より詳細には本発明のビーズは、室温を上回る、すなわち通常18〜25℃に含まれる温度を上回るガラス転移温度Tgを有する。故に生成物は脆い形であり、消費される又は使用される際に該生成物にいわゆる"ガリガリな(crunchy)"特徴を与える。
【0033】
本発明の粒子状組成物は多くの使用分野において使用されることができる。まず最初にフレーバー工業において、ここに記載された大きなビーズは、多くのすぐ消費できる製品において、フレーバリング成分として又はまさに最終製品自体を構成するものとして使用されることができる。実際に、キャリヤー組成物は、その特殊な繊維質組成物の結果として、虫歯になりにくい及びシュガーレスである又はまさにシュガーフリーである性質を有する。虫歯になりにくいとは、伝統的な砂糖、例えばサッカロース、グルコース及びフルクトースよりも、口内からの細菌によるより低い酸性化を示す製品のことを呼ぶ。これらの性質は、キャリヤー組成物を食物領域における使用において特に有用にし、そこでは例えば糖菓分野に向けられた製品のために、歯にやさしく、虫歯になりにくい及びシュガーレスの又はまさにシュガーフリーの製品を有することが望ましい。この領域において及びそのサイズのために、本発明の粒子状組成物は、既存の食用デリバリーシステム、例えばゼラチンタイプのキャンデー、小さな圧縮錠剤又はコーティングされた圧縮錠剤に対する有利な代替品を構成する。他方では、活性成分の放出条件を改変することが望ましい場合には、本発明の粒子状組成物は、例えばろうを用いて、コーティングされることもできる。それゆえコーティングはそれ自体がカプセル化されたものとは異なるフレーバーでフレーバリングされることができ、故に"二重放出(dual release)"、すなわち吸うことによる消費の間のフレーバーの多様な調性(tonalities)の知覚を提供する。
【0034】
他方では、本発明の大きなビーズは、フレーバーデリバリーシステムとしても使用されることができ、その主な利点は視覚的な魅力に加えてそのサイズ及び使用における破裂効果である。該システムは、多種多様な食用最終製品の官能特性を改善する、高める又は改変するために、組成物に添加される。
【0035】
本発明のビーズを用いて場合によりフレーバリングされる典型的な製品は以下のものを含むが、これらに限定されるものではない:ベークド製品、例えばケーキ又はクッキー、ハード−ボイルドキャンデー、グミキャンデー、噛む必要のある菓子、チューインガム、、シリアルバー、スープ、ヌードル又は塩味のスナック。
【0036】
本明細書に記載された粒子状組成物中にカプセル化される活性成分が香料である場合には、こうして製造されたビーズは、例えば、機能性香料製造業(functional perfumery)における使用、バスソルト、シャワー又はバスゲル、シャンプー、コンディショナー又は他のヘアケア製品、デオドラント及び制汗剤並びにエアフレッシュナー、洗剤及び織物柔軟剤のような製品に適している。
【0037】
押し出されたビーズがそのような消費製品中へ配合されることができる濃度は値の幅広い範囲内で変わり、これらはフレーバリングされるべき又は付香されるべき製品の性質に依存するか、又はこれにビタミン又は染料を添加することが望ましい。厳密には一例として採用されるべき、典型的な濃度は、それらが含まれる組成物又は完成した消費製品の質量の数ppmないし5%又はまさに10%までの幅広い値の範囲内で含まれる。
【0038】
本発明は目下、次の例を用いて説明されるが、しかしこれらの例に限定されるものではない。温度は摂氏度で与えられており、かつ略符号は当工業界において通常の意味を有する。
【0039】
実施例
例1〜4:異なるフレーバーを有する本発明による粒子状組成物
例1
メントールフレーバーを有する本発明による粒子状組成物及び前記組成物のシュガーレスで虫歯になりにくいキャンデーとしての使用
粒子状組成物を、次の成分を用いて製造した:
成分 質量(g)
Nutriose FB(登録商標)1) 838.00
アラビアゴム 129.90
メントールNat 2) 12.01
アセスルファムK 3.50
アスパルテーム 6.54
染料 0.05
乳化剤 10.00
総計 1000.00
1)出所:Roquette Freres、仏国
2)参照番号957789;出所:Firmenich SA、ジュネーブ、スイス国。
【0040】
前記の成分を、ドライブレンドを製造するために一緒に混合した。ついでこの粉末ブレンドを、添加した水4%と共に、6kg/hの処理量で、なお塑性である間にダイ出口でメルトを細断することを可能にするカッターナイフを備えた二軸スクリュー押出機を用いて4mmダイホールを通して押し出す。一定の試料組成で40°を上回るガラス転移を保証するために必要とされる低い含水量で、前板(front plate)中のメルトの温度は100°であり、かつ押出機中の塑性圧力を、好ましくは3×105Paよりも高くかつ30×105Paを下回り維持した。
【0041】
6mmの断面直径及び56°のガラス転移温度を有する球状ビーズが得られた。
該製品は、メントールフレーバーを有する、すぐ消費できる虫歯になりにくくシュガーフリーのガリガリなキャンデーを構成する。
【0042】
例2
レモンフレーバーを有する粒子状組成物
粒子状組成物を、次の成分を用いて製造した:
成分 質量(g)
Nutriose FB(登録商標)1) 807.00
アラビアゴム 130.34
レモンフレーバー2) 7.00
クエン酸 14.98
アセスルファムK 3.43
アスパルテーム 6.55
黄色染料 0.70
乳化剤 10.00
レモンジュース3) 20.00
総計 1000.00
1)出所:Roquette Freres、仏国
2)参照番号505594 A;出所:Firmenich SA、ジュネーブ、スイス国
3)参照番号925714;出所:Firmenich SA、ジュネーブ、スイス国。
【0043】
前記の成分を、ドライブレンドを製造するために一緒に混合した。ついでこの粉末ブレンドを、添加した水4%を用いて、6kg/hの処理量で、なお塑性である間にダイ出口でメルトを細断することを可能にするカッターナイフを備えた二軸スクリュー押出機を用いて4mmダイホールを通して押し出した。一定の試料組成で40°を上回るガラス転移を保証するのに必要とされる低い含水量で、前板中のメルトの温度は92°であり、かつ押出機中の塑性圧力は好ましくは3×105Paよりも高くかつ30×105Paを下回り維持した。
【0044】
6mmの断面直径及び50°のガラス転移温度を有する球状ビーズが得られた。
【0045】
例3
本発明のチョコレートフレーバリングされた粒子状組成物
粒子状組成物を、次の成分を用いて製造した:
成分 質量(g)
Nutriose FB(登録商標)1) 756.00
アラビアゴム 129.95
バニリン 7.05
アセスルファムK 3.53
アスパルテーム 6.47
乳化剤 10.00
チョコレートフレーバー2) 50.00
カラメル粉末着色剤 37.00
総計 1000.00
1)出所:Roquette Freres、仏国
2)参照番号505899T;出所:Firmenich SA、ジュネーブ、スイス国。
【0046】
前記の成分を、ドライブレンドを製造するために一緒に混合した。ついでこの粉末ブレンドを、添加した水3%と共に、6kg/hの処理量で、なお塑性である間にダイ出口でメルトを細断することを可能にするカッターナイフを備えた二軸スクリュー押出機を用いて4mmダイホールを通して押し出した。一定の試料組成で40°を上回るガラス転移を保証するのに必要とされる低い含水量で、前板中のメルトの温度は90°であり、かつ押出機中の塑性圧力を、好ましくは3×105Paよりも高くかつ30×105Paを下回り維持した。
【0047】
6mmの断面直径及び44°のガラス転移温度を有する球状ビーズが得られた。
【0048】
例4
トゥッティフルッティ(Tutti frutti)フレーバリングされた粒子状組成物
粒子状組成物を、次の成分を用いて製造した:
成分 質量(g)
Nutrilose FB(登録商標)1) 839.99
アラビアゴム 130.00
トゥッティフルッティフレーバー組成物2)
5.00
クエン酸 5.00
アセスルファムK 3.50
アスパルテーム 6.50
乳化剤 10.00
染料 0.01
総計 1000.00
1)出所:Roquette Freres、仏国
2)参照51880A;出所:Firmenich SA、ジュネーブ、スイス国。
【0049】
例3に与えられた手順と同じ手順に従って、6mmの断面直径及び44°のガラス転移温度を有する球状ビーズが得られた。
【0050】
例5〜8:本発明の粒子状組成物を含有する食物使用
例5
本発明の粒子状組成物でフレーバリングされたベークドケーキ
ケーキを、次の成分を用いて製造した:
部分A
成分 質量(g)
小麦粉 75.00
Beatreme SE1) 75.00
グラニュー糖 57.50
ベーキングパウダー 4.50
コーンスターチ 2.50
塩 0.50
1)部分水素化ダイズ油、無脂肪乳及びモノグリセリド及びジグリセリドの噴霧乾燥粉末
部分B
成分 質量(g)
例3に記載された粒子状チョコレート組成物
1.30
例2に記載された粒子状レモン組成物 1.30。
【0051】
製造
部分A及び部分Bの成分をドライブレンドし、卵並びに牛乳600mlをドライブレンドに添加し、一緒に混合した。ついでケーキマスを空の型中へ注いだ。ケーキをオーブン中で190°で、十分に焼けるまで焼いた(約50min)。
【0052】
このデリバリーシステムはベーキング後に依然としてそのままであった。フレーバー強度は、同じ負荷(iso-loads)として相応するチョコレート及びレモン液から直接製造された対照試料におけるよりも強かった。対照試料とは対照的に、フレーバープロフィールはベークド使用において保存された。新規のデリバリーシステムの完全性(integrity)は二重フレーバー放出を可能にしたのに対して、対照試料の味はチョコレート−レモンブレンドであった。
【0053】
例6
本発明の粒子状組成物を含有するシュガーフリーのハード−ボイルドキャンデー
銅なべ中にイソマルト100g及び水30gを添加する。ガスフレーム(gas frame)をつけ、銅なべの内容物を撹拌しながら165℃に加熱する。ハードボイルドキャンデー中の結晶化を回避するように注意する。165℃で銅なべをフレームから取り除き、かつ40℃で水浴中に置き、数秒後に取り除く。温度が135℃に達した際に、クエン酸(キャンデー溶液の0.8質量%で)及び液体フレーバー(キャンデー溶液の0.5質量%)を添加する。
【0054】
その間に、例2において得られた粒子状組成物の粒子を、Teflon(登録商標)型の空のエジェクター−ピンに添加した。クエン酸及びフレーバーを含むクックドシロップをスパチュラを用いて混合し、室温及び相対湿度40%未満で、粒子を含んでいるTeflon(登録商標)型のエジェクター−ピン中へ注ぎ込んだ。凝固後に、ハード−ボイルドキャンデーを、ピンから手で排出する。
【0055】
このようにして、繊維をベースとする押し出された粒子を含有しかつレモンフレーバーを含有するシュガーフリーのハード−ボイルドキャンデーが得られた。
【0056】
例7
本発明の粒子状組成物を含有するガム
成分 質量(g)
部分A:ゼラチン(Bloom no. 250) 240
水 800
部分B:水 600
グラニュー糖 1200
グルコースシロップ 42 DE(85ブリックス)
1600
部分C:クエン酸 40
部分D:例2において得られた粒子 3
水800gを大きなPyrex(登録商標)ビーカー中に投入する。ゆっくりとゼラチン240gを水に添加する。ゼラチン−水溶液を全ての塊の溶解まで混合し、20分間膨潤させる。その後それを、さらなる使用まで水浴(60℃)中に置く(部分A)。
【0057】
別個に、選択された型穴(型)を有するデンプントレイを製造した。
【0058】
銅なべ中にグルコースシロップ42DE 1600g、続いてグラニュー糖1200g及び水600gを添加する。銅なべの内容物を、混合しながらガスフレームにより112℃に加熱した(部分B)。その後、銅なべを水浴(40℃)中に置き、スパチュラを用いてゆっくりと混合することにより100℃まで冷却した。100℃でゼラチン溶液(部分A)を添加し、ワイヤミキサーを用いて十分に混合する。ついでクエン酸(部分C)を添加し、クックドシロップ中へ混合する。
【0059】
500ml Pyrex(登録商標)ビーカー中に、ゼラチン−クックドシロップ(上記)297g及び例3(チョコレート)の粒子3gをスパチュラを用いて混合し、熱いステンレス鋼の堆積器(depositor)中へ注ぎ、そこから注意深くデンプントレイの空の型のそれぞれへ堆積させる。フレーバリングしたゼラチン−クックドシロップを25℃で相対湿度40%未満で24時間乾燥させる。ついで、ゼラチンキャンデーを、デンプントレイから取り除き、シーブ中へ置き、冷水ですすぎ、穴あきステンレス鋼トレイ上で4時間乾燥させ、みつろうでコーティングして、一緒に固着するのを防止する。
【0060】
例8
トゥッティフルッティフレーバーを含有する粒子状組成物を含有するシュガーフリーの風船ガム
成分 質量(g)
部分A(風船ガム):
Mistral-Tガムベース(Cafosa Gum Base Co., スペイン国)
75.24
結晶質ソルビトール粉末 159.24
Lycasin(登録商標) 75% マルチトール溶液
54.18
グリセリン* 10.53
アスパルテーム 0.24
総計(風船ガムのみ) 300.00
部分B(例4の粒子) 3
結晶質ソルビトール及びアスパルテームをドライブレンドして、ブレンドされた甘味剤の粉末を形成させる。甘味剤ブレンドの半分を、加熱された水ジャケットを備えたsigma(登録商標)ブレードミキサーに約50〜55℃の温度で添加する。別個に、ガムベースを軟化させるために加熱し、ブレードミキサーに添加し、粉末化した甘味剤と2分間混合する。ブレンドした甘味剤の残っている粉末及び湿ったシロップ(Lycasin(登録商標)、グリセリン、アスパルテーム)をミキサーに添加し、少なくとも7分より多く混合する。全混合時間は12分であった。
【0061】
活性なカプセル化する成分としてのトゥッティフルッティフレーバーを含有する粒子状組成物(3g)を添加し、フレーバリングされていないチューインガムベース(300g)に混合した。ついでフレーバリングされたガムを、シーター機(Seewer Rondo、Burgdorf、スイス国)に通して形成させ、風船ガム製品に典型的な大きなキュービクルな(cubicle)形状へ切断した。
【0062】
このようにして、本発明の粒子状組成物を含有するシュガーフリーで虫歯になりにくい風船ガムが得られた。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
活性成分をカプセル化する繊維質キャリヤー組成物を含有している押し出されたガラス質ビーズの形の粒子状組成物であって、前記ビーズが、3mm〜15mmに含まれる断面直径を有し、かつ前記キャリヤー組成物が、10000ダルトンよりも多い平均分子量及び60よりも大きい平均重合度を有する第一の水に可溶性の繊維多糖2〜90質量%及び10000ダルトン未満の平均分子量及び60未満の平均重合度を有する第二の水に可溶性の繊維多糖1〜80%を含有することを特徴とし、ここで前記百分率はキャリヤー組成物の全質量に対する質量により定義される、粒子状組成物。
【請求項2】
ビーズが5mm〜15mmに含まれる断面直径を有している、請求項1記載の粒子状組成物。
【請求項3】
キャリヤー組成物がシュガーレスである及び/又は虫歯になりにくい、請求項1記載の粒子状組成物。
【請求項4】
活性成分がフレーバー、フレグランス、ビタミン、医薬、着色剤、栄養補助食品、ホワイトニング剤、抗菌薬及びこれらの少なくとも2つを含んでいる混合物からなる群から選択されている、請求項1記載の粒子状組成物。
【請求項5】
活性成分がフレーバー成分又は組成物からなる、請求項2記載の粒子状組成物。
【請求項6】
組成物の全質量に対して活性成分0.01〜15質量%を含有している、請求項1記載の粒子状組成物。
【請求項7】
第一の水に可溶性の繊維多糖が、コンニャクマンナン、キサンタン、アラビアゴム、グァーガム、ペクチン、ローカストビーンガム、可溶性ダイズ多糖及びβ−グルカンからなる群から選択されている、請求項1記載の粒子状組成物。
【請求項8】
第二の水に可溶性の繊維多糖がデキストリンである、請求項1記載の粒子状組成物。
【請求項9】
活性成分をカプセル化するためのキャリヤー材料としての、10000ダルトンよりも多い平均分子量及び60よりも大きい平均重合度を有する水に可溶性の繊維多糖及び10000ダルトン未満の平均分子量及び60未満の平均重合度を有する水に可溶性の繊維多糖の組合せ物の使用。
【請求項10】
食用組成物をフレーバリングするための、請求項3記載の粒子状組成物の使用。
【請求項11】
食用組成物の一部として請求項3記載の粒子状組成物を含有している、食品又は飲料。
【請求項12】
ベークド製品、ハード−ボイルドキャンデー、グミキャンデー、噛む必要のある菓子、チューインガム、シリアルバー、スープ、ヌードル又は塩味のスナックの形の、請求項9記載の食品。
【請求項13】
請求項3記載の粒子状組成物からなり、シュガーレスで虫歯になりにくい、球状ハードキャンデー。
【請求項14】
請求項1に定義された粒子状組成物の製造方法において、次の工程:
a)カプセル化されるべき成分を、10000Daよりも多い平均分子量及び60よりも大きい平均重合度を有する第一の水に可溶性の繊維多糖1〜70質量%、及び10000Da未満の平均分子量及び60未満の平均重合度を有する第二の水に可溶性の繊維多糖30〜99%を含んでいるキャリヤー組成物と組み合わせ、かつブレンドする工程、ここで百分率はキャリヤー組成物の全質量に対する質量により与えられ;
b)前記ブレンドをスクリュー押出機内で80℃〜120℃に含まれる温度に加熱して溶融したかたまりを形成させる工程;
c)溶融したかたまりを4〜12mmに含まれるダイホール直径を有するダイに通して押し出す工程;及び
d)得られた材料をダイを出たところで切断する工程
を含むことを特徴とする、請求項1に定義された粒子状組成物の製造方法。

【公表番号】特表2007−518417(P2007−518417A)
【公表日】平成19年7月12日(2007.7.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−550338(P2006−550338)
【出願日】平成17年1月20日(2005.1.20)
【国際出願番号】PCT/IB2005/000145
【国際公開番号】WO2005/079598
【国際公開日】平成17年9月1日(2005.9.1)
【出願人】(390009287)フイルメニツヒ ソシエテ アノニム (146)
【氏名又は名称原語表記】FIRMENICH SA
【住所又は居所原語表記】1、route des Jeunes、 CH−1211 Geneve 8、 Switzerland
【Fターム(参考)】