説明

大情報容量SAW識別タグ用のリーダーおよびこれの使用の方法

本発明は、表面弾性波(SAW)識別タグ・リーダーおよびこれを動作させ、製造する方法を提供する。一実施形態で、SAW識別タグ・リーダーに、(1)圧電基板に配置されたSAW変調器(310)を励起する問合せ信号を送信できる送信器であって、圧電基板が、パルス位置および位相位置の両方によって配置されたスロット(330)のグループ(340)およびスロットの間に分配された複数の反射器(320)を有し、反射器が、パルス位置および位相位置の両方によって符号化された数を含む戻り信号を変換器に返す、送信器と、(2)戻り信号を検出し、数を復号する受信器とが含まれる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、全般的にはSAW識別タグ・リーダーに関し、具体的には、機能強化されたデータ内容を有する表面弾性波(surface acoustic wave、SAW)識別タグおよびこれを動作させ、製造する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
だれにも知られているのが、識別機能を実行するのに店によって使用されるバー・コードおよび磁気ストリップと、これらを読み取るのに使用される様々な装置である。一般に、磁気ストリップは、クレジット・カードなどのストリップを有するカードをリーダーに通すことによって読み取られる。磁気ストリップは、接触装置または近接装置によっても読み取ることができ、この場合に、駐車カードまたはアクセス・カードなどのカードが、リーダーまたはその近くに置かれる。バー・コードは、最も一般的に「光線銃」を使用してコードを読み取ることによって読み取られ、特定のコードに関連する品目を識別する。バー・コードおよび磁気ストリップが、選り抜きの識別システムである理由は、非常に安いことである。
【0003】
しかし、バー・コードおよび磁気ストリップが有用である応用分野は、符号化できるデータの量が比較的少ないことと、固有のリーダビリティ(readability)限度によって制限されている。そのようなリーダビリティ限界の1つが、これらを使用できる範囲である。この両方が、データを復号するために、リーダーがバー・コードまたは磁気ストリップと接触するか非常に近くなる(多くとも数cm)ことを必要とする短距離システムである。これらは、リーダーがデータを正確に復号するために、リーダーとバー・コードまたは磁気ストリップの間に遮るものがあってはならないという事実によっても制限される。バー・コードまたは磁気ストリップに対するリーダーの方位も、大きいリーダビリティ問題になる可能性がある。読取デバイスが、正しく位置合せされないか誤った角度で持たれる場合に、符号化された情報を読み取ることができない。この問題の結果として、高い読取精度が必要な場合に、各個々の読取動作が、人間のオペレータによる手動スキャンを必要とする。バー・コードおよび磁気ストリップの様々な制限によって、高い信頼性と数mまでの読取範囲での完全に自動化された読取を必要とする機械可読タグの広範囲の応用例でのこれらの使用が妨げられてきた。
【0004】
RFID(radio frequency identification)タグが、もう1つの従来技術の識別デバイスである。名前が示すように、RFIDタグは、問い合わされる時に、無線信号を反射または再送信し、この信号によって、符号化された識別情報が返される。RFIDタグは、高速道路および橋の通行料金の徴収から偽造回避のための物体への組込みまでの範囲にわたる多数の用途を有する。磁気デバイスまたはバー・コードに対するRFIDの長所は、一般に、バー・コードおよび磁気ストリップ・システムで見られるもののような大きい見通し線問題および方位問題を有することなく、多少長い距離で感知できることである。RFIDタグは、遍在する磁気ストリップ・システムおよびバー・コード・システムより長い信頼性範囲を有するが、信頼性のある形で動作できる範囲は、まだ制限的要因である。
【0005】
従来技術のRFIDタグ・デバイスは、2つの基本タイプすなわち、マイクロチップを含むものとそうでないものがある。この2つのタイプの間には、使用のタイプに関してお互いと競争することがほとんどないほどの、コストおよび性能の根本的な相違がある。一般的なルールとして、チップ・タグは、チップレス・タグより大きいデータ容量を有することによって、より多くのコストがかかる。例えば、チップ・タグは、通常は、100万個未満の量で注文される時に、それぞれ約1ドルの単位コスト以下では入手できないが、多くのチップレス・タグは、10万個の量で注文される時であっても、それぞれ20セント未満のコストになると予想されている。
【0006】
チップ・タグは、はるかに人気がある。チップ・タグは、4つの要素または特徴すなわち、(1)コンピュータ・マイクロチップ、(2)無線信号をコンピュータ・データ信号におよびその逆に変換する回路、(3)アンテナ、(4)チップ回路にDC電力を供給する手段からなる。低コストRFIDチップ・タグでは、最初の2つの特徴が、しばしば、部分的にまたは完全に単一のマイクロチップに統合され、この統合は、タグ性能(読取範囲、ビット数など)のある妥協を必要とする。特徴のこの組合せは、単一の集積回路(IC)にディジタル回路と無線周波数回路の両方を収容するためのICコストおよび/または設計の妥協にもつながる。この設計の妥協の影響は、部分的に、低い無線周波数(RF)動作周波数の使用によって補償されるが、これは、どちらかといえば大きく高価なアンテナにつながる。
【0007】
チップ・タグに関する、最も気力をくじく問題が、チップ回路のDC電力の必要である。コスト、サイズ、および重量に対する複数の制約と結合された環境問題の組合せによって、通常は、タグが、電池または他のオンボード電源を有しないことが要求される。一般的に使用可能な唯一の解決策は、タグ・リーダー信号から受け取られるRF電力を、タグ内でDC電力に変換することによってDC電力を得ることである。当業者は、電池または他の電源を有しないタグを、「パッシブ」タグと呼び、電池または他の電源を含むタグを、「アクティブ」タグと称する。チップ・タグにDC電力を供給するパッシブ法では、より効率的なタグ・アンテナ(すなわち、より大きいサイズおよびコスト)と、リーダーからのより大きい送信電力レベルが必要である。パッシブ法では、追加のコンポーネントも必要であり、これは、タグ内の必要な余分の電子コンポーネントに必要なマイクロチップのコストまたはタグのコストに加算され、この追加コンポーネントによって、タグ・サイズの増加ももたらされる。しかし、パッシブ電力供給チップ・タグの最も重要な制限は、タグの読取範囲に対する厳しい制限である。というのは、タグに電力を与えるのに十分に強い信号が、タグ・リーダー・アンテナから短い距離にのみ広がるからである。したがって、チップ・タグは、RFID市場の支配的シェアを有するが、高いコストと限られた読取範囲が組み合わされて、チップ・タグが、重要な形でバー・コードまたは磁気ストリップのいずれかを置換することができない。
【0008】
「チップレス」RFIDタグには、マイクロチップが含まれるのではなく、磁気材料またはトランジスタレス薄膜回路に頼って、データが保管される。チップレスRFIDタグの大きな長所は、比較的低コストであることである。チップレス・タグの短所には、範囲が制限されること(多くとも数cm)と、限られた量の情報だけが含まれることが含まれる。この問題の深刻さによって、低コストの潜在能力にもかかわらず、チップレス・タグは市場に受け入れられてこなかった。
【0009】
西暦2000年に、普通のRFIDシステムおよびサービスに関する現在の全世界の市場は、5億米ドル程度である。この市場は、主に、それぞれ約1ドルから数十ドルのコストがかかるチップ・タグに関する。チップレス・タグは、売上は良くないが、低いコスト潜在能力のゆえに、多数の潜在的なユーザからの大きい関心を集めた。自動識別市場には、超低コスト・バー・コードと高性能RFIDチップ・タグの間に膨大なギャップが存在する。市場全体が、そのギャップを埋める技術的解決策を求めて騒いでいる。このギャップを埋める新しい自動識別技術のクリティカルな特性は、(1)大量に製造される時に1タグあたり1セントと10セントの間のコスト、(2)人間のオペレータによる手動スキャンを必要としない信頼性のある読取、(3)タグとタグ・リーダーの間の見通し線なしの信頼性のある読取(すなわち、タグが、引っ掻き傷がある、ほこりに覆われている、またはパッケージの違う面にある場合でも信頼性のある読取)、(4)少なくとも1から2mの信頼性のある読取範囲、および(5)約100ビットのタグ・データ容量である。そのようなタグに、郵便当局、航空および空港、大量輸送交通機関当局、動物飼育業者、家畜産業、配送業、かなりの供給チェーンを有する会社、特にすばやく移動する消費者商品の在庫を維持するか扱う会社などがきわめて強い関心を持っている。これらは、高価なタグが実用向きでない、特にタグが使い捨てであるか製品と共に売られることになる、すべての応用分野である。
【0010】
従来のRFIDタグに固有のコスト、データ容量、および信頼できる範囲の制限に対処し、克服するために、新しいタイプのRFIDタグが開発された。このタグは、本願と共通の譲受人に譲渡され、参照によって本明細書に組み込まれる米国仮出願第10/024624号、表題「Surface Acoustic Wave Identification Tag Having Enhanced Data Content and Methods of Operation and Manufacture Thereof」、発明人ハートマン(Hartmann)に詳細に記載されたSAW識別タグである。しかし、ハートマンに記載のSAW識別タグを使用するためには、問合せ信号(interrogation signal)を送信でき、応答信号を受け取り、復号することができる信頼性のあるリーダーを、そのようなタグと共に使用するために提供することが必須である。
【特許文献1】米国仮出願第10/024624号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
したがって、当技術分野で必要なものは、かなりのデータを符号化されたSAW識別タグに信頼性のある形で問い合わせることができ、そのようなタグの戻り信号を信頼性のある形で検出し、復号することができる、SAW識別タグ・リーダーである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
従来技術の上で述べた欠陥に対処するために、本発明は、SAW識別タグ・リーダーおよびこれを動作させ、製造する方法を提供する。一実施形態で、SAW識別タグ・リーダーが、(1)圧電基板に配置されたSAW変調器を励起する問合せ信号を送信できる送信器であって、圧電基板が、パルス位置および位相位置の両方によって配置されたスロットのグループおよびスロットの間に分配された複数の反射器を有し、反射器が、パルス位置および位相位置の両方によって符号化された数を含む戻り信号を変換器に返す、送信器と、(2)戻り信号を検出し、数を復号する受信器とを含む。
【0013】
したがって、本発明によって、SAW識別タグが、位相位置およびパルス位置の両方を使用して、符号化された数を返すように構成される、SAW識別タグと共に使用されるリーダーが導入される。位相位置符号化法とパルス位置符号化法の両方を使用することによって、SAW識別タグに含めることができるデータの量の劇的な増加が、達成可能になる。そのような増加によって、SAW識別タグに、グローバル一意番号を含められるようになり、したがって、これまでに先例のない数の物体を一意に信頼性のある形で識別し、追跡するためのそのようなタグの使用が可能になる。本発明は、様々な異なる環境条件の下で、そのようなSAW識別タグに信頼性のある形で問い合わせ、戻り信号に符号化された数を正確に復号するリーダーを提供する。
【0014】
本発明の一実施形態では、リーダーを使用して、SAW識別タグに問合せ信号を送信し、SAW識別タグからの戻り信号を検出し、復号し、ここで、前記位相位置が直角位相になるように反射器が配置される。もう1つの実施形態では、フレーミング反射器が、SAW変換器とグループの間に配置される。
【0015】
本発明の一実施形態で、SAW識別タグ・リーダーは、少なくとも8ビット長の数を符号化したSAW識別タグを読み取ることができる。もう1つの実施形態では、デッド・スペースによって分離された複数のグループを有するSAW識別タグと共に使用されるSAW識別タグ・リーダーが提供される。もう1つの実施形態では、SAW識別タグ・リーダーが、少なくとも4つのグループを有し、少なくとも32ビット長である数を符号化したSAW識別タグを読み取ることができる。もう1つの実施形態では、SAW識別タグ・リーダーが、少なくとも12個のグループを有し、少なくとも64ビット長の数を符号化したSAW識別タグを読み取ることができる。
【0016】
特に有用な実施形態は、2GHzと3GHzの間の周波数を有する問合せ信号を使用するSAW識別タグ・リーダーを提供する。この実施形態の特に有利な応用例は、2.45GHz周波数を提供する。
【0017】
SAW識別タグ・リーダーの最も有用な実施形態は、数に関連する物体に関係するデータを含むSAW識別タグの読取を提供する。この特徴によって、数のグループを特定の種類の物体に一意に関連付けることが可能になる。例えば、SAW識別タグ番号のある所定のブロックを、肉牛に関連付け、もう1つのブロックを、自動車部品に関連付けることができる。
【0018】
SAW識別タグ・リーダーの有用性は、さらに、コンピュータをそれに関連付けることからなる本発明の実施形態によって高められる。本発明のもう1つの態様は、さらに、SAW識別タグをコンピュータ・ネットワークに関連付けることからなる。
【0019】
本発明には、多数のSAW識別タグ・リーダー実施形態が含まれる。図示し、説明する実施形態では、SAW識別タグ・リーダーが、サイド・パネル・リーダー、棚リーダー、戸口リーダー、道路リーダー、短距離ハンドヘルド・リーダー、長距離ハンドヘルド・リーダー、長距離固定リーダー、杖リーダー、および指先リーダーからなる群から選択される。
【0020】
前述は、当業者が、以下の本発明の詳細な説明をよりよく理解できるようにするために、本発明の好ましい特徴および代替の特徴をどちらかといえばおおまかに示したものである。本発明の追加の特徴は、本発明の請求項の対象を形成する以下の部分で説明する。当業者は、本発明と同一の目的を実行する他の構造を設計または修正するための基礎として、開示される概念および特定の実施形態を簡単に使用できることを諒解するであろう。当業者は、そのような同等の構造が、最も広義の形での本発明の趣旨および範囲から逸脱しないことも理解するであろう。
【0021】
本発明の完全な理解のために、添付図面に関して以下の詳細な説明を参照する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
まず図1を参照すると、本発明に従って構成されるSAW識別タグ・リーダー110の実施形態の例として提示される、手荷物処理機械100の等角側面図が示されている。手荷物の品目120などの識別される各物体が、SAW識別タグ130を関連付けられている。信頼性のある形で物体を識別するために、SAW識別タグ130は、物体を信頼性のある形で詳細に識別するのに十分なデータ容量を有しなければならない。SAW識別タグ130が、必須のデータ容量を有する場合に、リーダー110が、問合せ信号を送信することによってタグ130に問い合わせ、戻り信号を検出し、その戻り信号に符号化されたグローバル一意識別番号を復号する。本発明と共に使用するのに適するグローバル一意識別番号を符号化するのに十分なデータ容量を有するSAW識別タグ130が、本願と共通の譲受人に譲渡され、参照によって本明細書に組み込まれる米国仮出願第10/024624号、表題「Surface Acoustic Wave Identification Tag Having Enhanced Data Content and Methods of Operation and Manufacture Thereof」、発明人ハートマン(Hartmann)に詳細に記載されている。
【0023】
図示のタイプの手荷物処理機械100は、ハートマンに記載のものなどのSAW識別タグ130とあいまって、航空会社またはバス会社が有益に使用することができる。当業者は、手荷物処理機械100の複数の構成を構成し、使用することができ、これらを本発明の所期の範囲内とすることができることを理解するであろう。手荷物の品目120が、コンベヤ・ベルト140上でリーダー110を通って移動される時に、送信器150が、手荷物の品目120に関連する各SAW識別タグ130に問合せ信号を送信する。SAW識別タグ130のそれぞれが、それ自体のグローバル一意識別番号をその中に符号化された戻り信号を送信することによって、問合せ信号に応答する。リーダー110内の受信器160が、戻り信号を検出し、番号を復号し、これによって、ユーザが、詳細に手荷物の品目120を識別できるようになる。
【0024】
ほとんどの場合に、手荷物120は、リーダー110によって読み取ることができる位置にSAW識別タグ130がある状態でコンベヤ・ベルト140に置かれる。しかし、場合によって、SAW識別タグ130が、手荷物120がSAW識別タグ130とリーダー110の間の障害物になる位置に置かれる。リーダー110は、そのような位置でタグ130を検出するのに十分に堅牢にすることができるが、不可避的に、一部の品目は、非常に厚いか、問合せ信号または戻り信号を阻止する物質から作られる。そのような形でブロックされたタグ130を読み取るために、図示の機械100は、バックアップ近接SAW識別タグ・リーダー170を備える。近接SAW識別タグ・リーダー170は、問合せ信号を生成し、SAW識別タグ130からの戻り信号を検出し、復号する。標準リーダー110と近接リーダー170の間の主要な相違は、問合せ信号を生成し、検出する形である。標準リーダー110の場合に、信号は、リーダー110によって空気を介して放射される信号であり、この信号が、処理され、タグ130から戻り信号として返され、この戻り信号も、空気を介して放射される。近接リーダー170の場合には、リーダー170から外に向かう信号は、放射されない。その代わりに、電界および磁界が、ワイヤ175の近くに作成され、これが、タグ130がワイヤ175に近接する時に限ってタグ130に/から結合される。
【0025】
近接SAW識別タグ・リーダー170の図示の実施形態は、2つのセクションが一緒に接合される位置のローラー145の間に配置されることによってコンベヤ・ベルト140の両端にまたがるように配置された2つのワイヤ175を有する。ワイヤ175内の電流によって、SAWタグ130上の変換器を励起してタグ130がワイヤ175を横切る時に問合せ信号を作らせるのに十分な、周囲の電界または磁界が生成される。戻り信号が、近接SAW識別タグ・リーダー170によって検出され、復号される。当業者は、説明されたタイプの近接SAW識別タグ・リーダー170を使用する適当な複数の応用例が存在し、それらのすべてが本発明の所期の範囲に含まれることをすぐに突き止めるであろう。
【0026】
手荷物120品目に関連するSAW識別タグ130上の識別番号を確認した後に、その情報が、リーダー110に関連するコンピュータ180に転送される。この情報を使用して、例えば、ルーティング、積載、荷降ろし、または配送などの処理指示を生成することによって、手荷物120の処理を容易にすることができる。本発明のもう1つの有用な実施形態では、リーダー110が、コンピュータ・ネットワーク185に関連する。そのようなコンピュータ・ネットワーク185は、ローカル・エリア・ネットワーク(「LAN」)、広域ネットワーク(「WAN」)、イントラネット、エクストラネット、インターネット、またはこれらの組合せとすることができる。
【0027】
通常のコンピュータ・ネットワーク185には、一般に、情報の受信、検索、更新、および散布などの特定の指定されたタスクを実行するように設計されたデータベースを伴う少なくとも1つのサーバがある。本発明は、SAW識別タグ130に問い合わせ、これを読み取るリーダー110によってデータベースに供給される情報を提供する。サーバのほかに、ほとんどのコンピュータ・ネットワーク185は、パーソナル・コンピュータ、ワークステーション、オフィス・コンピュータ・システム、およびラップトップ・コンピュータなどの様々な普通のインターフェース装置を有する。普通のインターフェース装置のほかに、コンピュータ・ネットワーク185に、携帯情報端末および個別にアドレッシング可能な媒介物(individually addressable vehicle、「IAV」)も含めることができる。IAVは、無線受信器および/または送信器と組み合わされ、個別にアドレッシング可能である、あるコンピュータ機能が可能なすべての器具とすることができる。IAVを、例えば、空港タールマカダムの手荷物ハンドラによって使用して、コンピュータ・ネットワーク185と通信することができる。
【0028】
図2に移ると、本発明に従って構成されるSAW識別タグ・リーダー200の実施形態のブロック図が示されている。リーダー200の送信器205が、問合せ信号210を送信し、この問合せ信号210が、SAWタグの圧電基板220上のSAW変換器215によって受信される。この問合せによって、SAW変換器215が励起され、SAW変換器215は、基板にSAW信号225を送る。下で詳細に説明するように、基板220の表面に、パルス位置および位相位置の両方によって配置されたスロットのグループがある。複数の反射器230が、スロットの間に分布し、パルス位置および位相位置の両方によって配置されて、数250がその中に符号化された変換器215への戻り信号240が生成される。リーダー200の受信器260が、戻り信号240を検出し、数250を復号する。
【0029】
図3に移ると、パルス位置および位相位置の両方によって特定の数をその中に符号化された戻り信号を提供するように構成された、アンテナ305を伴うSAW識別タグ300の実施形態の平面図が示されている。SAW識別タグ300は、一端に変換器310を有し、ここで、アンテナ305を使用して、SAWタグ・リーダーからの問合せ信号を受信する。SAWが生成され、これが、SAW識別タグ300の表面を進み、パルス位置および位相位置の両方によって配置された反射器320に出会い、その結果、戻り信号が、問い合わされたSAW識別タグ300に一意に関連する数をその中に符号化される。
【0030】
SAW識別タグ300の表面に、パルス位置および位相位置によって配置されたスロット330の1つまたは複数のグループ340がある。もちろん、これらを、パルス位置、位相位置、および振幅位置によって配置することもでき、これらは、まだ本発明の所期の範囲に含まれる。スロット330の数およびその配置は、使用されるエンコーディング・システムに依存する。本発明の特に有用な実施形態は、位相位置が直角位相になるように配置された反射器320を提供する。当業者は、本発明の他の実施形態で、グループ340内のスロット330の異なる配置ならびに異なる数のスロット330およびグループ340を必要とする異なる位相位置を使用することができ、これが本発明の所期の範囲に含まれることを理解するであろう。
【0031】
本発明の一実施形態では、SAW識別タグ・リーダーが、変換器310とスロット330のグループ340の間に配置されたフレーミング反射器350を有するSAWタグ300と共に使用される。そのようなフレーミング反射器350は、SAW識別タグ・リーダーが、コード化された識別番号の検出を開始できる、戻り信号の開始点とみなすことができる。もう1つの実施形態では、終了反射器360が、SAWタグ300上でスロット330の1つまたは複数のグループ340の後に配置される。終了反射器360は、フレーミング反射器350と共に、SAW識別タグ・リーダーが復号する戻り信号のフレームを作るように働く。図示の例には、各グループ340を分離するデッド・スペース370も図示されている。このデッド・スペース370は、本発明に必要ではないが、グループ340を分離し、シンボル間干渉を減らすように働く。
【0032】
SAWタグ300上の反射器320および一意の数を符号化された戻り信号の配置を理解するために、関連する信号変調方法を検討することが役立つ。普通のパルス位置変調(PPM)では、データ・ストリームを、別々のサンプル値に分割することによってコード化することができ、ここで、単一のパルスが、サンプルに含まれる情報を送信するのに使用される。その単一のパルスの、時間の所定のスパン内での時間位置を変更することが、そのサンプルの情報を送信するように働く。後続時間スパンの単一パルスが、同様に、後続サンプル値の情報を送信するのに使用される。
【0033】
図4に移ると、普通のPPMを使用してデータを送信できるタイム・スパンの4つのパルス位置を示すディジタルPPMの例が示されている。この場合に、送信されるサンプルは、ディジタルであり、4つの可能な値のうちの1つを有する。図示されているのは、4つの可能な波形であり、これらは、名目上同一の単一パルス波形からなり、その時間位置が、4つの時間位置またはパルス位置のうちの1つにセンタリングされている。隣接するパルス位置からの裾が選択されたパルスのピークで基本的に0になることを保証するのに必要な、パルス位置の間の最小時間間隔が、Tminである。もちろん、Tminより広いパルス間隔を、PPM信号を復調する能力に影響せずに使用することができるが、パルス位置がTminより狭い間隔になっている場合には、あるパルス位置をその隣接位置から曖昧さなしに区別することがより困難になる。リーダーを使用して、4つの可能なピーク・パルス位置のそれぞれでのPPM波形をサンプリングし、最大の1つを選択することによって、普通のPPMの復調がもたらされる。復調処理を、当技術分野で既知の複数の同期化方法の1つを使用して同期化しなければならないことは、当業者にすぐに明白になるであろう。
【0034】
4つの可能なパルス位置は、データの2つの2進ビットを表す。単一パルスによって占められる4つのパルス位置の後続グループは、データの追加の2つの2進ビットを表す。4パルス位置の必要なだけの個数の順次グループを使用して、情報の多数のビットを含む所望のデータ・ワードを表すことができる。
【0035】
PPM変調は、SAWデバイスに基づくRFIDタグに好ましい変調方法である。というのは、(1)単一のパルスを、SAW基板上に配置されたSAW反射器によって簡単に作成し、プログラムすることができ、(2)様々なパルス時間位置が、可能なSAW反射器の空間配置に直接に関係し、(3)データ・ビットの数が、単一パルスの数より多く、これによってタグ挿入損失が減り、(4)SAW反射器の数が、すべての可能なタグ識別数について一定になり、これが、すべてのタグ識別について均一なパルス振幅を有する、適度に低損失のタグにつながるからである。しかし、SAW RFIDタグのPPMの使用は、(1)PPMデータ密度が低く、チップ・サイズが(したがってコストが)増加すること、(2)低いデータ密度がSAWチップの実用的な最大サイズと組み合わされて、実用的なタグのビット数の上限が作られること、および(3)PPM SAWタグ内の様々な反射器の間の複数回跳ね返る反射によって、望まれないパルスが作られ、これがPPMパルス・トレーンの後の部分に干渉する可能性があることを含む制限も有する。
【0036】
図4では、Tminが、可能なパルス位置のいずれかにセンタリングされた時間の長さを表すスロットとして定義されている。グループは、隣接するスロットの集合によって表される。図4の例では、2つの2進データ・ビットを表す4状態を有する1つのグループが示されている。4スロットの4つのグループが使用される場合に、4状態×4状態×4状態×4状態=256状態によって示されるように、256個の可能な状態(または組合せ)がある。これは、8ビットのデータ(または単一グループの4倍多いデータ)に対応する。この256状態(8ビットのデータ)は、合計16スロットを占める。この16個のスロットが、単一のグループに組み合わされ、普通のPPM法が使用される場合に、1つのパルスが、16スロットのうちの1つを占める。使用可能な16個の状態(4ビットのデータ)は、4スロットごとの4つの別々のグループで同一の16個のスロットを使用することからもたらされる256状態よりかなり少ない。
【0037】
普通のPPMの概念を脇に置き、単一グループ内で複数パルスを許容する場合に、状態の数は、大幅に増える。例えば、4パルスが、16スロットのグループ内の4つの位置を占めることが許容される場合に、4スロットの4グループの普通のPPM(同一の16スロットを占める)を使用することによって使用可能になる256状態よりはるかに多い、1820個の状態が存在する。さらに、16スロットのグループで8つのパルスが使用される場合に、12870状態が使用可能であり、これは、さらに大きい改善である。16スロットのグループで、7つ、8つ、または9つのパルスが許容される場合に、35750個の状態が可能であり、これは、普通のPPMが同一の空間で使用される場合の8ビットのデータと比較して、15ビット以上のデータに対応する。
【0038】
単一のグループ内で複数のパルスが許容されるならば、その変調フォーマットをPPMと記述することは正しくない。この新しい方法のより適切な名前は、MPGK(multiple pulse per group keying)であり、ここで、キーイングは、変調と同等である。MPGKの複数の重要な可能な変形形態がある。この新しい方法は、(1)送信されるデータ・ストリームを1つまたは複数の別々のサンプル値に区分することと、(2)所与のサンプル値を送信するのに複数のパルスを使用することと、(3)名目上隣接するが必ずしも隣接しないタイム・スロットに分割される時間のスパン内に複数のパルスを送信することと、(4)時間のスパンを含む時間スロットの集合がスロットのグループを構成することと、(5)別々のサンプル値に含まれる情報を表すために、複数のパルスを所定の形でスロットのグループの間で分配することとによって定義される。グループは、スロットの数および/または占められるスロットの数を変更することができる。すべてのスロットが、同一である必要はなく(等しくないスロット幅、パルス振幅などが許容される)、スロットが互いに隣接する必要もない。単一のグループを、固定された数の占められるスロットだけを有するように定義することができ、その代わりに、可変個数の占められるスロットを許容することができる。単一のデータ・メッセージに、複数のタイプのグループを含めることができる(例えば、ヘッダを、1タイプのグループとし、実際のデータをグループの第2タイプ、同期化を第3、エラー検出/訂正を第4とすることができる)。これらの変形形態のすべてが、SAW RFIDタグで特に役立つ。そのような変形形態のすべてが、本発明の範囲に含まれる。
【0039】
図5に移ると、普通の4状態ディジタルPPMのパルス位置を示す、本発明の一実施形態の例が示されている。最も単純な実施形態で、本発明に含まれる変調方法では、普通のPPMに類似して、グループごとに単一のパルスが使用される。図5の例は、Tminが、許容可能なパルス・ピーク位置の間の時間分離である、4スロットを有するグループの許容可能なパルス位置のコンパクトな表現である。PPMでは、このパルスのうちの1つだけが、このグループ内で送信され、復調サンプリングが、許容可能なピーク位置で行われる場合に、サンプルのうちの3つは、本質的に0であり、正しいサンプルは、単一の振幅を有する。復調中のサンプリングが、ピーク位置に正しく同期化されない場合には、「正しいパルス」位置の振幅が減り始め、隣接する位置の振幅が、0より大きくなる。しかし、それでも、信号を正しく復調することができる。このシステムに雑音も存在する場合には、このタイミング・エラーに起因して、不正な復調の確率が高くなる。しかし、タイミング・エラーが小さい場合には、劣化を無視できる。原理的に、信号対雑音比が十分に低い場合に、タイミング誤差がTmin/2未満である限り、信号を成功裡に復調することができる。
【0040】
パルスが部分的にオーバーラップする時でも単一パルスの2つの可能な位置の間で成功裡に区別する能力を使用して、信号対雑音比感度を犠牲にしてデータ密度を高めることができる。このデータ密度の向上は、ある許容可能なパルス位置の裾が、隣接する位置のピークとオーバーラップする形で、許容可能なパルス位置を互いにより近くに移動することによって達成される。
【0041】
図6に移ると、かなりのオーバーラップを有する許容可能なパルス位置の例が示されている。許容可能パルス間隔が、図5に示された5単位と比較して1単位に減らされている。この場合に、スロット幅は、Tmin/5と等しく、したがって、潜在的に状態の数の5倍の増加を表す。このデータ密度向上の方法は、めったに使用されない。というのは、隣接パルス位置を区別するための検出マージンが明らかに低下するからである。
【0042】
図7に移ると、限られた検出マージンを有する、状態の数の5倍の増加を伴うパルスの一実施形態の詳細が示されている。図7に示された強くオーバーラップするパルスを有する信号を復調するために、すべての可能なパルス位置のピーク位置(すなわち、図7の水平軸上のすべての整数位置)で受信信号をサンプリングする必要がある。図7からわかるように、区別は、隣接パルス位置に関して特に劣悪であるが、この区別は、次に隣接するパルス位置、第3に隣接するパルス位置について増加する。本発明は、本明細書に記載の新規の変調フォーマットを提供する。許容されるパルスは、各パルスが異なる時間位置を有するだけではなく、各隣接するパルスの間に追加された位相ステップも有するように修正される。例えば、±90°の位相ステップが、各隣接するパルスの間に追加される場合に、t=0(時刻が0)のパルスは、0°を有し、t=1のパルスは、±90°を有し、t=2のパルスは、±180°を有し、t=3のパルスは、±270°を有し、t=4のパルスは、±360°を有し、以下同様である。
【0043】
図8Aおよび8Bに移ると、+90°の追加位相シフトを有するオーバーラップするパルスの実部および虚部が示されている。図示の実施形態では、90度の倍数の位相が使用されるので、奇数番号のパルス(1、3、5など)は、0と等しい実部を有し、偶数番号のパルスは、0と等しい虚部を有する。広範囲の位相角を使用することができ、その多くが、この特定の90°の場合以上の性能を与えることができる。例えば、大きな劣化なしに、ステッピング角度を±20°を超えて変更することができる。
【0044】
図8の信号を復調するために、SAW識別タグ・リーダーが、ピーク位置(t=0、1、2など)で受信信号の実部をサンプリングすると同時に、サンプリング信号の位相を、あるタイム・スロットから次のタイム・スロットへ、そのスロット位置で発生する場合のパルスの期待される位相と一致するようにシフトする必要がある。
【0045】
図9に移ると、許容可能なパルス間隔がTmin/5であり、隣接する許容される状態の間の78.5°位相差が使用される、90°以外の位相増分が、正しい状態と隣接する状態の間の実質的に改善された区別と共に使用される、本発明の実施形態が示されている。図9では、様々な位相角に関する正しい状態と隣接する状態の間の実質的に改善された区別を示すために、90°以外の位相増分が選択された。さらに重要なことに、図9には、前に図7で示した、位相シフトなしでの同一の許容可能パルス間隔と比較した劇的な改善が示されている。図7ならびに図8および9の事例は、Tminの許容可能パルス間隔に関して、普通のPPMと比較して同一の約5倍の状態の数の改善を有する。しかし、位相シフトなし(図7)では、検出最小マージンが0.067にすぎないが、位相シフトあり(図8および9)では、隣接する状態に対する検出マージンが、0.81であり、これは、検出マージンが1に達する普通のPPMに非常に近い。
【0046】
本発明のもう1つの実施形態では、既知の形でパルス通信の位相位置および時間位置の両方を同時にシフトすることによって、パルス変調の特性を表すことができる。この実施形態を、今後、PTSK(simultaneous phase and time shift keying)と称するが、キーイングは、変調と同等である。本明細書の議論では、均一な間隔の時間シフトおよび均一な間隔の位相シフトを検討するが、当業者は、時間シフトまたは位相シフトのいずれか(または両方)の不均一な間隔が、本発明の範囲内であることを理解するであろう。
【0047】
この実施形態では、送信されるデータ・ストリームが、(1)1つまたは複数のサンプル値に区分され、(2)少なくとも1つのパルスが、所与のサンプル値を送信するのに使用され、(3)その少なくとも1つのパルスが、名目上隣接するが必ずしも隣接しない時間スロットに分割される時間のスパンに送信され、(4)時間のスパンを含む時間スロットの集合が、スロットのグループを構成し、(5)スロットのそれぞれが、独自の位相シフトおよび独自の時間位置を有し、(6)少なくとも1つのパルスが、別々のサンプル値に含まれる情報を表すために、所定の形でスロットのグループに含まれる。グループは、スロット数および/または占められるスロット数を変更することができ、それでも、本発明の範囲に含まれる。また、単一のグループを、固定された数の占められるスロットだけを有するように定義することができ、その代わりに、可変個数の占められるスロットを許容することができる。また、単一のデータ・メッセージに、複数のタイプのグループを含めることができる(例えば、ヘッダを、グループの1タイプとし、実際のデータをグループの第2タイプ、エラー検出/訂正を第3とすることができる)。これらの変形形態のすべてが、SAW RFIDタグで特に役立ち、本発明の所期の範囲に含まれる。
【0048】
本発明のもう1つの実施形態で、MPG/PTSK(combined multi−pulse group keying and simultaneous phase and time shift keying)を実施することができる。MPGKでは、複数のパルスが、1グループ内で使用されるが、Tminによってパルス位置が分離された。PTSKでは、グループごとに1つのパルスだけが使用され(普通のPPMのように)たが、許容可能なパルス位置を、Tminよりかなり小さくすることが許容された。この2つのタイプを組み合わせるには、ある微妙な詳細に注意する必要がある。MPGKの場合に、2つの隣接するスロットの両方が占められる場合がある。というのは、上で説明したように、あるパルスの裾が、隣接するパルスのピークにオーバーラップしない(図5に示された普通のPPMと同一)からである。しかし、強くオーバーラップするパルス(図7のように)が使用される時に、2つの隣接するか近くのスロットが同時に占められる場合に、強いシンボル間干渉の可能性が、パルスの間に存在し、パルスの間の大きい位相シフトが存在する(例えば図8および9)場合に、この2つの間のほとんど完全な打消がもたらされる可能性がある。この潜在的干渉は、MPGK変調法がPTSK法と成功裡に組み合わされる場合に、対処されなければならない。
【0049】
干渉問題を解決する主な方法は、MPGKをPTSKと共に使用する時に、最小パルス間隔ルールを課すことである。一般的に有用なルールの1つは、許容可能なパルス位置がTminよりかなり小さい時間分離を有することができるが、特定の波形で、その波形に含まれる2つの実際のパルスが、必ずTminを超える最小間隔を有しなければならないことである。図10に移ると、MPGKをPTSKと共に使用できる最小パルス間隔ルールの実施形態が示されている。この例では、波形の1つのパルスが、t=0で発生するように選択され、最小パルス間隔ルールによって、次のパルスが、位置t=1、2、3、および4から除外されるが、位置t=5、6、7などでの発生を許容される(注:パルス・スロットの間のPTSK位相シフトは、わかりやすくするために省略した)。Tminが5スロットと等しい場合に、選択されたパルスの間で、少なくとも4つのパルス・スロットをスキップしなければならないことに留意されたい。より一般的なケースでは、スロット幅がTmin/Nと等しい場合に、スキップ要因を、N−1と等しいと定義することができる。より大きいスキップ要因を使用することができ、ある場合に有益になる可能性がある(例えば、強い外部干渉がある動作環境で)。多少小さいスキップ要因も、他の場合に有益である可能性があるが、Tminと等しい最小間隔を保証することが、ほとんどの環境で最善の選択であると思われる。
【0050】
PTSKがMPGKと組み合わされる時の、占められる2つの隣接スロットの潜在的な干渉問題を解決するもう1つの方法が、スロットの間の位相シフトが±90°である(前に図7で示した例を参照されたい)場合に生じる隣接スロット間の直交性に基づくものである。位相が、十分に±90°に近い場合に、任意の所与のスロットのパルスは、2つの隣接スロットのいずれにも干渉しない。この場合に、すべての奇数番号のスロットが、すべての偶数番号のスロットと完全に独立である。しかし、パルスは、まだ、その第2、第4、第6などの最近近傍の間隔がTminより近い場合に、これらと干渉する可能性がある。この特殊な「直交最近近傍」の場合に、オプションを分析する有用な方法は、スロットを2つのからみ合うサブグループ(IおよびQ)に分割することである。次に、必要な場合に、図10に示したTmin最小間隔ルールを、各サブグループに別々に適用する。
【0051】
MPGKと組み合わされたPTSKを使用する本発明のこの実施形態は、一般に、隣接するスロットのパルスの間の大きいオーバーラップの特徴がある。この実施形態の変形形態は、PTSKおよびMPGKの以前の説明から導出することができる。しかし、PTSKとMPGKの組合せでは、隣接スロットとのかなりのオーバーラップを有するパルスを使用する時に生じる可能性がある潜在的なシンボル間干渉効果を避ける手段を設ける必要を考慮しなければならない。この方法では、前に説明した2つの実施形態の特性が組み合わされるので、明らかに、これをMPG/PTSKと称する(すなわち、combined multi−pulse groups with simultaneous phase and time shift keying)。
【0052】
パルス振幅変調が、MPG、PTSK、PPM、またはMBG/PTSKと組み合わせて使用される場合に、さらに多くのデータを符号化することができる。当業者には、本明細書に記載の発明が、単独で使用されるか他の変調方法と組み合わせて使用されるかにかかわらずに、パルス振幅変調を含む実施形態を含むことが明白である。
【0053】
図11に移ると、4のスキップ・ファクタを有する21個のスロットのグループで3つの反射器が使用される時に存在する、286個の可能な状態を示す表が示されている。これは、SAW RFIDタグが、グループごとに3つの反射器を有し、グループごとに21スロットがあり、スキップ要因が4であり、隣接するスロットの間の位相増分が、75°から105°の範囲である場合の、単一グループの例である。隣接するスロットの間の位相増分は、図8および9に関して前に説明したものと同一である。隣接するパルスの間の5倍のオーバーラップが、4のスキップ要因を必要とした。286個の状態は、8ビットのデータに対応する256状態の符号化に十分である。この特定の変形形態は、同一のデータ・ビット数で、図4に示されたものとほぼ同一のグループ・サイズを有する。しかし、この変形形態は、4つではなく3つのSAW反射器だけが使用され、短パスマルチパス信号伝送効果および他のパルス・スミアリング(smearing)効果などの一般的な伝送ひずみ効果を受けにくいという2つの主な長所を有する。
【0054】
図12に移ると、10個のスロット、2つの反射器、および36個の可能な配置を有するSAW RFIDタグの状態を示す表が示されている。この表は、SAW RFIDタグが、グループごとに4つの反射器、グループごとに20スロット、3のスキップ要因、±90°の隣接スロット間位相増分を有する情況から、グループを2つのサブグループに分割して得られた。この例は、4つの別個の位相状態が、それぞれ10スロットの2つのサブグループに分割される、前の例によく似ている。各サブグループを、1のスキップ要因を有するものとして扱うことができる。この表から、1つのそのようなサブグループに対応する状態が与えられる。この例と前の例の間の唯一の相違は、2つの同相反射器(+Iおよび−I)を、同一の符号または反対の符号のいずれかにすることができることである。この例の主な利益は、サブグループあたり36状態で、グループあたり合計10ビットを得ることができることであり、これは、前の例の8ビットよりよい。この例の短所は、おそらく、前の例より悪いスプリアス反射と、パルス・スミアリング効果に対する全般的な敏感さである。
【0055】
図13に移ると、グループごとに4つの反射器、グループごとに20個のスロット、3のスキップ要因、隣接スロット間の位相増分±90°、2サブグループへの分割、およびグループごとの各特定の位相の1つの反射器だけを有するSAW RFIDタグからの状態の1サブグループを示す表が示されている。この表は、前の例からのものであり、4つの別個の位相状態が使用され、これが、それぞれ10スロットの2つのサブグループに分割され、各サブグループが、1のスキップ要因を有する。各特定の位相の1つの反射器だけが、各グループで使用される。
【0056】
本発明の一実施形態では、SAW識別タグ・リーダーが、SAW識別タグによって生成された戻り信号を検出し、少なくとも8ビット長である数を復号する。もう1つの実施形態では、リーダーが、4グループのスロットおよび符号化された数(少なくとも32ビット長)を有するSAW識別タグを復号する。本発明のもう1つの実施形態では、SAW識別タグが、スロットの12個のグループを有し、少なくとも64ビット長の数を符号化する。当業者は、グループの数、スロット数、またはSAW識別タグで符号化できる数のビット数に無関係に、本明細書に記載のタイプのSAW識別リーダーのすべての実施形態が、本発明の所期の範囲内であることを理解するであろう。
【0057】
本発明は、位相位置変調およびパルス位置変調の両方を使用して符号化された数を有する信号を返すことができることに主に起因する、かなりのデータを符号化できるSAW識別タグと共に使用されるSAW識別タグ・リーダーを導入した。この劇的に増やされたデータ搬送容量によって、SAW識別タグのそれぞれが、グローバル一意番号をその上に符号化できるようになる。グローバル一意番号をその上に符号化できるので、SAW識別タグを使用して、先例のない個数の独自の物体を信頼性のある形で識別し、追跡することができる。一実施形態では、SAW識別タグ番号に、その番号に関連する物体に関連するデータが含まれる。これによって、例えば、集中番号割当機関が、特定の産業に数のグループを割り当てられるようになり、その結果、その産業が、そのような番号をその産業内の特定の応用分野に割り振ることができるようになる。例えば自動車産業に、第3桁および第4桁が9と1であるすべての番号を割り振ることができる。自動車産業は、それ自体の標準規格の指示どおりに、第5の番号に続くさらなる数を割り当てることができる。何個の数が自動車産業によって割り当てられるかに無関係に、第3桁に9、第4桁に1を有する、本明細書に記載のSAW識別タグ・リーダーによって識別されるSAW識別タグを有する物体は、自動車産業に関連するものとして識別される。
【0058】
本発明のもう1つの実施形態では、SAW識別タグ番号に、エラー検出部分が含まれる。エラー検出部分は、さらに、少なくともある範囲までのエラー訂正が可能とすることができる。もちろん、エラー検出またはエラー訂正は、本発明の広義の範囲で必要ではない。
【0059】
本発明のもう1つの実施形態で、SAW識別タグ・リーダーが、2GHzと3GHzの間の周波数の問合せ信号を使用する。この実施形態の特に有利な応用例は、2.45GHz周波数を使用するSAW識別タグ・リーダーを提供する。
【0060】
図14Aから14Iに移ると、本発明に従って構成されるSAW識別タグ・リーダーの様々な実施形態が示されている。図14Aに、例えば、スポーツ・イベントへのパトロンの入場を許す回転式木戸、または倉庫のドアのサイド・パネルに設置することができるサイド・パネル・リーダー1410を示す。サイド・パネル・リーダー1410は、入場許可チケットに組み込まれるかそれに関連するSAW識別タグ上のSAW識別タグ番号を読み取って、パトロンのチケットの有効性を判定するか、到着または出発する荷物に組み込まれるかそれに関連するSAW識別タグ上のSAW識別タグ番号を読み取って、倉庫の内容を記憶することができる。
【0061】
図14Bに、スペースのゆえにより大きいリーダーを使用できない場所またはより大きいリーダーが不適切である場所での設置に適当な棚リーダー1420を示す。例えば、棚リーダーは、関連するSAW識別タグを有する患者ファイルを目立たずに記憶するために医師のオフィスで使用することができる。棚リーダー1420は、複数のノード1425を有することができ、その結果、ノード1425が、複数のドアの監視に使用されるが単一のリーダー1420を中央位置で使用することができるセキュリティ・システムなど、1つのリーダー1420を使用して、異なる区域を監視することができる。
【0062】
図14Cに、戸口リーダー1430を示す。戸口リーダー1430は、複数の位置に設置することができる。そのような位置の1つは、ある従業員だけがある位置へのアクセスを許可される、仕事場の設定である。戸口リーダー1430を使用して、そのような従業員が持ちあるく識別バッジに組み込まれたSAW識別タグを読み取ることによって、そのような位置を監視することができる。
【0063】
図14Dに、道路リーダー1440を示す。そのようなリーダー1440は、SAW識別タグが、自動車のナンバー・プレートに関連する場合に有用である。道路リーダー1440を、適当な位置に設置し、交通量カウントなどに使用することができる。道路リーダー1440は、料金タグが現在使用されているのに似た形で、料金徴収に使用することもできる。
【0064】
図14Eに、例えば在庫目録作成または部品カウントなどの複数の応用例に有用な短距離ハンドヘルド・リーダー1450を示す。安価な短距離ハンドヘルド・リーダー1450は、食品雑貨、工具、書籍、収集品などを記憶する家庭SAWタグ識別システムにも有用である。
【0065】
図14Fに、長距離ハンドヘルド・リーダー1460を示す。そのようなリーダー1460は、ユーザが物体に接近できない場合に有用である。そのような使用は、例えば、危険な環境に置かれた物体のSAW識別タグの読取とすることができる。
【0066】
図14Gに、固定された位置への設置に適当な長距離固定リーダー1470を示す。そのようなリーダー1470は、例えば、部品の識別および追跡のための組立ラインでの設置に適当である。
【0067】
図14Hに、杖リーダー1480を示す。そのようなリーダー1480は、隠されているか、他のリーダー・タイプによって到達できない品目を識別するのに有用に使用することができる。このリーダーは、例えば、航空機の部品など、機械全体を分解せずに他の形で識別することができない、機械の中に配置された部品を識別するのに使用することができる。
【0068】
図14Iに、指先リーダー1490を示す。そのようなリーダー1490は、労働者が工作物品目を識別するのに有用とすることができる。このリーダーは、部品を識別するために、ピック・アンド・プレイス組立機械で有用に使用することもできる。
【0069】
本発明のある実施形態が有用であることがわかる、特定の物体を詳細に識別する必要を有する、多数の異なる会社がある。本明細書に記載されたものでもそうでないものでも、現在既知でもこの後に発見されるものでも、すべてのSAW識別タグ・リーダーが、本発明の範囲に含まれることが意図されている。手短に言えば、リーダーの差、またはSAW識別タグ設計の差にかかわらず、本発明の所期の範囲が、本明細書に記載の原理に従って構成されるSAW識別タグ・リーダーのすべての構成を含むことを、当業者は理解するであろう。
【0070】
図15に移ると、SAW識別タグ・リーダーの動作の方法1500のブロック図が示されている。この方法は、開始ステップ1510で開始される。送信ステップ1520で、問合せ信号を送信して、圧電基板に配置されたSAW変換器を励起し、この圧電基板は、パルス位置および位相位置の両方によって配置されたスロットのグループを有する。引き起こしステップ1530で、SAWが、圧電基板に配置され、その上のスロットの間に分配された複数の反射器から反射され、パルス位置および位相位置の両方によって数を符号化された変換器への戻り信号が、生成される。検出ステップ1540で、リーダーが、受信器を用いて戻り信号を検出する。復号ステップ1550で、リーダーが、SAW識別タグ番号を復号する。方法1500は、終了ステップ1560で終了する。もちろん、SAW識別からの応答を生成するすべてのタイプの問合せ信号送信が、本発明の範囲に含まれる。そのような他のタイプに、制限なしに、信号を検出し、これに応答して戻り信号を生成する、基板上の第2変換器を含めることができる。
【0071】
SAW識別タグ・リーダーを動作させる方法の複数の他の実施形態が、本発明の所期の範囲内にある。本明細書に記載のSAW識別タグ・リーダーの様々な実施形態の説明は、当業者が、SAW識別タグ・リーダーを動作させる方法のそのような他の実施形態を理解し、実践することができるようにするのに十分に詳細である。
【0072】
図16に移ると、SAW識別タグ・リーダーを作る方法1600のブロック図が示されている。方法1600は、開始ステップ1610で開始される。送信器を設けるステップ1620で、圧電基板に配置されたSAW変換器を励起してSAWを作成する問合せ信号を送信することができる送信器を設ける。圧電基板は、パルス位置および位相位置の両方によって配置されたスロットのグループを有する。圧電基板は、パルス位置および位相位置の両方によってスロットの間に分配された複数の反射器も有する。これらの反射器は、パルス位置および位相位置の両方によってその中に符号化された数を有する、変換器への戻り信号を提供する。受信器を設けるステップ1630で、戻り信号を検出し、それに符号化された数を復号する受信器を設ける。方法1600は、終了ステップ1640で終了する。
【0073】
SAW識別タグ・リーダーを作る方法の複数の他の実施形態が、本発明の所期の範囲内にある。本明細書に記載のSAW識別タグ・リーダーの様々な実施形態の説明は、当業者がそのような他の実施形態を理解し、実践できるようにするのに十分に詳細である。
【0074】
本発明を詳細に説明したが、当業者は、本発明の最も広義の形の趣旨および範囲から逸脱せずに、様々な変更、置換、および代替を作ることができることを理解するであろう。
【図面の簡単な説明】
【0075】
【図1】本発明に従って構成されるSAW識別タグ・リーダーの実施形態の例として提示される、手荷物処理機械を示す等角側面図である。
【図2】本発明に従って構成されるSAW識別タグ・リーダーの実施形態を示すブロック図である。
【図3】パルス位置および位相位置の両方によって特定の数をその中に符号化された戻り信号を提供するように構成された、アンテナを伴うSAW識別タグの実施形態を示す平面図である。
【図4】普通のPPMを使用してデータを送信するタイム・スパンの4つの位置を示す、ディジタルPPMの例を示す図である。
【図5】普通の4状態ディジタルPPMのパルス位置を示す、本発明の一実施形態の例を示す図である。
【図6】かなりのオーバーラップを有する許容可能なパルス位置の例を示す図である。
【図7】限られた検出マージンを有する、状態の数の5倍の増加を伴うパルスの一実施形態の詳細を示す図である。
【図8A】+90°の追加位相シフトを有するオーバーラップするパルスの実部および虚部を示す図である。
【図8B】+90°の追加位相シフトを有するオーバーラップするパルスの実部および虚部を示す図である。
【図9】許容可能なパルス間隔がTmin/5であり、隣接する許容される状態の間の78.5°位相差が使用される、90°以外の位相増分が、正しい状態と隣接する状態の間の実質的に改善された区別と共に使用される、本発明の実施形態を示す図である。
【図10】MPGKをPTSKと共に使用できる最小パルス間隔ルールの実施形態を示す図である。
【図11】3つの反射器が4のスキップ要因を有する21個のスロットのグループで使用される時に存在する286個の可能な状態を示す表である。
【図12】10個のスロット、2つの反射器、および36個の可能な配置を有するSAW RFIDタグの状態を示す表である。
【図13】グループごとに4つの反射器、グループごとに20個のスロット、3のスキップ要因、隣接スロット間の位相増分±90°、2サブグループへの分割、およびグループごとの各特定の位相の1つの反射器だけを有するSAW RFIDタグからの状態の1サブグループを示す表である。
【図14A】本発明に従って構成されるSAW識別タグ・リーダーの様々な実施形態を示す図である。
【図14B】本発明に従って構成されるSAW識別タグ・リーダーの様々な実施形態を示す図である。
【図14C】本発明に従って構成されるSAW識別タグ・リーダーの様々な実施形態を示す図である。
【図14D】本発明に従って構成されるSAW識別タグ・リーダーの様々な実施形態を示す図である。
【図14E】本発明に従って構成されるSAW識別タグ・リーダーの様々な実施形態を示す図である。
【図14F】本発明に従って構成されるSAW識別タグ・リーダーの様々な実施形態を示す図である。
【図14G】本発明に従って構成されるSAW識別タグ・リーダーの様々な実施形態を示す図である。
【図14H】本発明に従って構成されるSAW識別タグ・リーダーの様々な実施形態を示す図である。
【図14I】本発明に従って構成されるSAW識別タグ・リーダーの様々な実施形態を示す図である。
【図15】SAW識別タグ・リーダーの動作の方法を示すブロック図である。
【図16】SAW識別タグ・リーダーを作る方法を示すブロック図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
圧電基板に配置された表面弾性波(SAW)変調器を励起する問合せ信号を送信できる送信器であって、前記圧電基板が、パルス位置および位相位置の両方によって配置されたスロットのグループおよび前記スロットの間に分配された複数の反射器を有し、前記反射器が、パルス位置および位相位置の両方によって符号化された数を含む戻り信号を変換器に返す、送信器と
前記戻り信号を検出し、前記数を復号する受信器と
を含む、SAW識別タグ・リーダー。
【請求項2】
前記反射器が、前記位相位置が直角位相になるように配置される、請求項1に記載のSAW識別タグ・リーダー。
【請求項3】
前記SAW変換器と前記グループとの間に配置されるフレーミング反射器をさらに含む、請求項1に記載のSAW識別タグ・リーダー。
【請求項4】
デッド・スペースによって区切られた複数の前記グループをさらに含む、請求項1に記載のSAW識別タグ・リーダー。
【請求項5】
前記数が、少なくとも8ビット長である、請求項1に記載のSAW識別タグ・リーダー。
【請求項6】
前記複数のグループが、少なくとも4つであり、前記数が、少なくとも32ビット長である、請求項4に記載のSAW識別タグ・リーダー。
【請求項7】
前記複数のグループが、少なくとも12個であり、前記数が、少なくとも64ビット長である、請求項4に記載のSAW識別タグ・リーダー。
【請求項8】
前記問合せ信号が、2GHzと3GHzとの間の周波数を有する、請求項1に記載のSAW識別タグ・リーダー。
【請求項9】
前記数が、前記数に関連する物体に関連するデータを含む、請求項1に記載のSAW識別タグ・リーダー。
【請求項10】
前記SAW識別タグ・リーダーに関連するコンピュータをさらに含む、請求項1に記載のSAW識別タグ・リーダー。
【請求項11】
前記SAW識別タグ・リーダーに関連するコンピュータ・ネットワークをさらに含む、請求項1に記載のSAW識別タグ・リーダー。
【請求項12】
前記SAW識別タグ・リーダーが、
サイド・パネル・リーダーと、
棚リーダーと、
戸口リーダーと、
道路リーダーと、
短距離ハンドヘルド・リーダーと、
長距離ハンドヘルド・リーダーと、
長距離固定リーダーと、
杖リーダーと、
指先リーダーと
からなる群から選択される、請求項1に記載のSAW識別タグ・リーダー。
【請求項13】
表面弾性波(SAW)識別タグ・リーダーを動作させる方法であって、
表面弾性波(SAW)を作成するために圧電基板に配置されたSAW変換器を励起する問合せ信号を送信するステップを含み、前記圧電基板が、パルス位置および位相位置の両方によって配置されたスロットのグループを有し、
前記SAWが、前記圧電基板に配置された複数の反射器から反射するようにするステップを含み、前記複数の反射器が、パルス位置および位相位置の両方によって符号化された数を含む戻り信号を前記変換器に返すことが可能であるように前記スロットの間で分配され、
受信器を用いて前記戻り信号を検出するステップと、
前記数を復号するステップと
を含む、SAW識別タグ・リーダーを動作させる方法。
【請求項14】
前記反射器が、前記位相位置が直角位相になるように配置される、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記SAWに、前記SAW変換器と前記グループとの間に配置されたフレーミング反射器から反射させることをさらに含む、請求項13に記載の方法。
【請求項16】
デッド・スペースによって区切られた複数の前記グループをさらに含む、請求項13に記載の方法。
【請求項17】
前記数が、少なくとも8ビット長である、請求項13に記載の方法。
【請求項18】
前記複数のグループが、少なくとも4つであり、前記数が、少なくとも32ビット長である、請求項16に記載の方法。
【請求項19】
前記複数のグループが、少なくとも12個であり、前記数が、少なくとも64ビット長である、請求項16に記載の方法。
【請求項20】
前記SAWが、2GHzと3GHzとの間の周波数を有する、請求項13に記載の方法。
【請求項21】
前記数が、前記数に関連する物体に関連するデータを含む、請求項13に記載の方法。
【請求項22】
コンピュータを前記SAW識別タグ・リーダーに関連付けることをさらに含む、請求項13に記載の方法。
【請求項23】
コンピュータ・ネットワークを前記SAW識別タグ・リーダーに関連付けることをさらに含む、請求項13に記載の方法。
【請求項24】
前記SAW識別タグ・リーダーが、
サイド・パネル・リーダーと、
棚リーダーと、
戸口リーダーと、
道路リーダーと、
短距離ハンドヘルド・リーダーと、
長距離ハンドヘルド・リーダーと、
長距離固定リーダーと、
杖リーダーと、
指先リーダーと
からなる群から選択される、請求項13に記載の方法。
【請求項25】
表面弾性波(SAW)を作成するために圧電基板に配置されたSAW変調器を励起する問合せ信号を送信できる送信器を設けるステップを含み、前記圧電基板が、パルス位置および位相位置の両方によって配置されたスロットのグループおよび前記スロットの間に分配された複数の反射器を有し、前記反射器が、パルス位置および位相位置の両方によって符号化された数を含む戻り信号を変換器に返すように動作し、
前記戻り信号を検出し、前記数を復号する受信器を設けるステップと
を含む、SAW識別タグ・リーダーを製造する方法。
【請求項26】
前記反射器が、前記位相位置が直角位相になるように配置される、請求項25に記載の方法。
【請求項27】
前記SAW変換器と前記グループとの間にフレーミング反射器を形成することをさらに含む、請求項25に記載の方法。
【請求項28】
デッド・スペースによって区切られた複数の前記グループを形成することをさらに含む、請求項25に記載の方法。
【請求項29】
前記数が、少なくとも8ビット長である、請求項25に記載の方法。
【請求項30】
前記複数のグループが、少なくとも4つであり、前記数が、少なくとも32ビット長である、請求項28に記載の方法。
【請求項31】
前記複数のグループが、少なくとも12個であり、前記数が、少なくとも64ビット長である、請求項28に記載の方法。
【請求項32】
前記SAWが、2GHzと3GHzとの間の周波数を有する、請求項25に記載の方法。
【請求項33】
前記数が、前記数に関連する物体に関連するデータを含む、請求項25に記載の方法。
【請求項34】
前記SAW識別タグ・リーダーが、
サイド・パネル・リーダーと、
棚リーダーと、
戸口リーダーと、
道路リーダーと、
短距離ハンドヘルド・リーダーと、
長距離ハンドヘルド・リーダーと、
長距離固定リーダーと、
杖リーダーと、
指先リーダーと
からなる群から選択される、請求項25に記載の方法。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
表面弾性波(SAW)識別タグ・リーダーにおいて、
圧電基板に配置されたSAW変調器を励起する問合せ信号を送信できる送信器であって、前記圧電基板が、パルス位置および位相位置の両方に基づいて配置されたスロットのグループと、前記スロットの間に分散して配置された複数の反射器を有し、前記反射器が、パルス位置および位相位置の両方に基づいて符号化された数を含む戻り信号を変換器に返信する、送信器と、
前記戻り信号を検出し前記符号化された数を復号する受信器と、
を備えるSAW識別タグ・リーダー。
【請求項2】
請求項1に記載のSAW識別タグ・リーダーにおいて、
前記反射器、前記位相位置が直角位相なるように配置されるSAW識別タグ・リーダー。
【請求項3】
請求項1に記載のSAW識別タグ・リーダーにおいて、
前記SAW変換器と前記グループとの間に配置されるフレーミング反射器をさらに備えるSAW識別タグ・リーダー。
【請求項4】
請求項1に記載のSAW識別タグ・リーダーにおいて、
デッド・スペースによって区切られた複数の前記グループをさらに備えるSAW識別タグ・リーダー。
【請求項5】
請求項1に記載のSAW識別タグ・リーダーにおいて、
前記符号化された数が、少なくとも8ビット長であるSAW識別タグ・リーダー。
【請求項6】
請求項4に記載のSAW識別タグ・リーダーにおいて、
前記グループの数が、少なくとも4であり、前記符号化された数が、少なくとも32ビット長であるSAW識別タグ・リーダー。
【請求項7】
請求項4に記載のSAW識別タグ・リーダーにおいて、
前記グループの数が、少なくとも12であり、前記符号化された数が、少なくとも64ビット長であるSAW識別タグ・リーダー。
【請求項8】
請求項1に記載のSAW識別タグ・リーダーにおいて、
前記問合せ信号が、2GHzから3GHzの間の周波数を有するSAW識別タグ・リーダー。
【請求項9】
請求項1に記載のSAW識別タグ・リーダーにおいて、
前記符号化された数は、該符号化された数に関係付けられた物体に関連するデータを含むSAW識別タグ・リーダー。
【請求項10】
請求項1に記載のSAW識別タグ・リーダーにおいて、
前記SAW識別タグ・リーダーに関連するコンピュータをさらに含むSAW識別タグ・リーダー。
【請求項11】
請求項1に記載のSAW識別タグ・リーダーにおいて、
前記SAW識別タグ・リーダーに関連するコンピュータ・ネットワークをさらに含むSAW識別タグ・リーダー。
【請求項12】
前記SAW識別タグ・リーダー
サイド・パネル・リーダーと、
棚リーダーと、
戸口リーダーと、
道路リーダーと、
短距離ハンドヘルド・リーダーと、
長距離ハンドヘルド・リーダーと、
長距離固定リーダーと、
杖リーダーと、
指先リーダーと
からなるグループから選択される、請求項1に記載のSAW識別タグ・リーダー。
【請求項13】
表面弾性波(SAW)識別タグ・リーダーの動作方法であって、
表面弾性波(SAW)を作り出すために圧電基板に配置されたSAW変換器を励起する問合せ信号を送信するステップを含み、前記圧電基板が、パルス位置および位相位置の両方に基づいて配置されたスロットのグループを有し、
前記SAW前記圧電基板に配置された複数の反射器から反射させるステップを含み、前記複数の反射器が、パルス位置および位相位置の両方に基づいて符号化された数を含む戻り信号を前記変換器に返信できるように前記スロットの間に分散して配置され、
受信器を用いて前記戻り信号を検出するステップと、
前記符号化された数を復号するステップと、
を含む、SAW識別タグ・リーダーの動作方法
【請求項14】
請求項13に記載のSAW識別タグ・リーダーの動作方法において、
前記反射器、前記位相位置が直角位相になるように配置されることを特徴とするSAW識別タグ・リーダーの動作方法
【請求項15】
請求項13に記載のSAW識別タグ・リーダーの動作方法において、
前記SAW前記SAW変換器と前記グループとの間に配置されたフレーミング反射器から反射させるステップをさらに含むSAW識別タグ・リーダーの動作方法
【請求項16】
請求項13に記載のSAW識別タグ・リーダーの動作方法において、
デッド・スペースによって区切られた複数の前記グループをさらに含むことを特徴とするSAW識別タグ・リーダーの動作方法
【請求項17】
請求項13に記載のSAW識別タグ・リーダーの動作方法において、
前記符号化された数が、少なくとも8ビット長であることを特徴とするSAW識別タグ・リーダーの動作方法
【請求項18】
請求項16に記載のSAW識別タグ・リーダーの動作方法において、
前記グループの数が少なくとも4であり、前記符号化された数が少なくとも32ビット長であることを特徴とするSAW識別タグ・リーダーの動作方法
【請求項19】
請求項16に記載のSAW識別タグ・リーダーの動作方法において、
前記グループの数が少なくとも12であり、前記符号化された数が少なくとも64ビット長であることを特徴とするSAW識別タグ・リーダーの動作方法
【請求項20】
請求項13に記載のSAW識別タグ・リーダーの動作方法において、
前記SAWが、2GHzから3GHzの間の周波数を有することを特徴とするSAW識別タグ・リーダーの動作方法
【請求項21】
請求項13に記載のSAW識別タグ・リーダーの動作方法において、
前記符号化された数が、該符号化された数に関係付けられた物体に関連するデータを含むことを特徴とするSAW識別タグ・リーダーの動作方法
【請求項22】
請求項13に記載のSAW識別タグ・リーダーの動作方法において、
コンピュータを前記SAW識別タグ・リーダーに関連付けるステップをさらに含むSAW識別タグ・リーダーの動作方法
【請求項23】
請求項13に記載のSAW識別タグ・リーダーの動作方法において、
コンピュータ・ネットワークを前記SAW識別タグ・リーダーに関連付けるステップをさらに含むSAW識別タグ・リーダーの動作方法
【請求項24】
前記SAW識別タグ・リーダーが、
サイド・パネル・リーダーと、
棚リーダーと、
戸口リーダーと、
道路リーダーと、
短距離ハンドヘルド・リーダーと、
長距離ハンドヘルド・リーダーと、
長距離固定リーダーと、
杖リーダーと、
指先リーダーと
からなるグループから選択される、請求項13に記載のSAW識別タグ・リーダーの動作方法
【請求項25】
表面弾性波(SAW)識別タグ・リーダーの製造方法であって、
表面弾性波(SAW)を作り出すために圧電基板に配置されたSAW変調器を励起する問合せ信号を送信できる送信器であって、前記圧電基板が、パルス位置および位相位置の両方に基づいて配置されたスロットのグループと、前記スロットの間に分散して配置された複数の反射器を有し、前記反射器が、パルス位置および位相位置の両方に基づいて符号化された数を含む戻り信号を変換器に返信する、送信機を設けるステップと
前記戻り信号を検出し前記符号化された数を復号する受信器を設けるステップと、
を含むSAW識別タグ・リーダーの製造方法
【請求項26】
請求項25に記載のSAW識別タグ・リーダーの製造方法において、
前記反射器、前記位相位置が直角位相になるように配置されることを特徴とするSAW識別タグ・リーダーの製造方法
【請求項27】
請求項25に記載のSAW識別タグ・リーダーの製造方法において、
前記SAW変換器と前記グループとの間にフレーミング反射器を形成するステップをさらに含むSAW識別タグ・リーダーの製造方法
【請求項28】
請求項25に記載のSAW識別タグ・リーダーの製造方法において、
デッド・スペースによって区切られた複数の前記グループを形成するステップをさらに含むSAW識別タグ・リーダーの製造方法
【請求項29】
請求項25に記載のSAW識別タグ・リーダーの製造方法において、
前記符号化された数が、少なくとも8ビット長であることを特徴とするSAW識別タグ・リーダーの製造方法
【請求項30】
請求項28に記載のSAW識別タグ・リーダーの製造方法において、
前記グループの数が少なくとも4つであり、前記符号化された数が少なくとも32ビット長であることを特徴とするSAW識別タグ・リーダーの製造方法
【請求項31】
請求項28に記載のSAW識別タグ・リーダーの製造方法において、
前記グループの数が少なくとも12であり、前記符号化された数が少なくとも64ビット長であることを特徴とするSAW識別タグ・リーダーの製造方法
【請求項32】
請求項25に記載のSAW識別タグ・リーダーの製造方法において、
前記SAW、2GHzから3GHzの間の周波数を有することを特徴とするSAW識別タグ・リーダーの製造方法
【請求項33】
請求項25に記載のSAW識別タグ・リーダーの製造方法において、
前記符号化された数が、該符号化された数に関係付けられた物体に関連するデータを含むことを特徴とするSAW識別タグ・リーダーの製造方法
【請求項34】
前記SAW識別タグ・リーダー
サイド・パネル・リーダーと、
棚リーダーと、
戸口リーダーと、
道路リーダーと、
短距離ハンドヘルド・リーダーと、
長距離ハンドヘルド・リーダーと、
長距離固定リーダーと、
杖リーダーと、
指先リーダーと
からなるグループから選択されることを特徴とする請求項25に記載のSAW識別タグ・リーダーの製造方法

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8A】
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【図8B】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14A】
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【図14B】
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【図14C】
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【図14D】
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【図14E】
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【図14F】
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【図14G】
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【図14H】
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【図14I】
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【図15】
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【図16】
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【公表番号】特表2006−505018(P2006−505018A)
【公表日】平成18年2月9日(2006.2.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2003−564816(P2003−564816)
【出願日】平成14年12月26日(2002.12.26)
【国際出願番号】PCT/US2002/041522
【国際公開番号】WO2003/065301
【国際公開日】平成15年8月7日(2003.8.7)
【出願人】(504235654)アールエフ ソウ コンポーネンツ,インコーポレーテッド (8)
【Fターム(参考)】