説明

大気中に存在する粒子及び微生物の収集及び分離のための装置

粒子及び微生物が吸引された空気から遠心分離で分離される小容量の容器(10)を含む、大気中に存在する粒子及び微生物を収集する装置であって、前記装置は、携帯型で、内蔵型で、かつ例えば、空気吸引手段と関連するハンドル(16)によって、片手で操作可能である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、大気中に存在する粒子及び微生物の収集及び分離のための装置であって、このような粒子及び微生物を識別及び計数することを目的とする装置に関する。
【0002】
(背景技術)
空気中の粒子及び微生物を定性的及び定量的に評価することは、製薬業界、農業食品業界、医療、衛生サービス、獣医サービス等のような多くの分野で重要である。収集する対象の粒子及び微生物の寸法は、約0.5ミクロン(μm)〜約1.5μmの範囲にあると考えられる。
【0003】
空気中に存在する生物学的粒子は、特に、バクテリア、菌、ウイルス、花粉等を含み、これらは、一般的に、滋養性寒天培地または選択寒天培地への衝撃、液面への衝撃、または、確かに、液体の媒体中の遠心分離によって収集される。
【0004】
寒天への衝撃によりこのような粒子及び微生物を収集した後、培養して、培養により得られた集落を計数して識別する。この方法の欠点は、使用した媒体の中で、生存可能で培養可能な微生物だけを計数することができ、一方、収集によって既に緊張が与えられた微生物や、吸引または寒天への衝撃の結果、緊張が与えられる微生物を計数することはできない。
【0005】
従って、この方法は、収集した微生物の損傷を防ぎ、また寒天が乾ききることを防ぐため、短い時間で非常に低い空気吸引流量を用いる場合にのみ、実施することができる。このような空気流量は、一般的に、毎分100リットル(L/分)未満である。この方法で計測される微生物量は、全般的に過小評価される。
【0006】
液面への衝撃により収集するときには、吸引した空気の中に存在する粒子は、チャンバの濡れた壁に当てられ、液体試料の形でチャンバの底で回収される。この方法の欠点は、空気の流れによって生ずる液体の泡立ちと、チャンバの壁に当って飛び跳ねることによる粒子の再分散である。
【0007】
液体媒体の中で遠心分離で収集するときは、粒子は円筒状チャンバの中に吸引されて、中で回転し、その後、液体を含んだチューブの中に落ちる。最も大きな粒子は、チャンバの壁に押しつけられて底から回収され、一方、最も細かい粒子は、空気の流れによって出口に向かって運ばれて収集されない。既存のシステムでは、充分な粒子及び微生物を収集することを確実にするため、使用する空気流量は比較的大きくなる。そして、使用する装置(サイクロンチャンバ、空気吸引手段)の寸法と重量とは比較的大きくなり、装置は、据え置き型になり、恒久的に据付られるので、この装置で実施可能な用途が制限される。
【0008】
更に、収集した粒子は、一般的に、円筒状チャンバの底端部のフラスコで回収され、次に、フラスコはストッパを用いて閉鎖される。このような手順は、まず、分離された全ての粒子を確実にフラスコに収集することを確実にすることができず、次に、フラスコがサイクロンチャンバから分離された間に起こる汚染の危険を回避することができない。
【0009】
本発明の目的は、大気中に存在する粒子及び微生物を収集及び分離するための装置であって、欠点を示すことなく、従来技術の有利な点を組み合わせた装置を提供することにある。
【0010】
(発明の概要)
この目的を達成するため、本発明は、大気中に存在する粒子及び微生物を収集する装置であって、粒子及び微生物を保持するための手段と、吸引した空気を排気させるための手段とを含む容器の中に、空気を吸引するための手段を含み、前記容器が、取り外し可能に装置に取り付けられ、収集した粒子及び微生物を運搬するための貯蔵容器を形成することを特徴とする。
【0011】
従って、本発明では、大気中に存在する粒子及び微生物の分離及び収集のために用いられる要素と、分析の目的でそれらを運搬する要素は同じものである。このことによって、ハンドリングを減らし、収集した粒子及び微生物が汚染される危険を減少させる。このことによって、分析された及び微生物が、収集された及び微生物の100%を表すことも保証する。
【0012】
その他の特徴によれば、容器は、その上端にオリフィスを自動的に閉鎖するための手段を含み、これらの手段は、容器が装置に取り付けられている間は開き、容器が装置から分離される間は閉鎖する。
【0013】
例えば、これらの自動閉鎖手段は、環状のダイアフラムと、容器の開いた上端を閉鎖するための位置に、ダイアフラムを弾性的に戻す手段とを含む。必要であれば、空気を容器の中に入れるための1つ以上のオリフィスを遮断するため、他の手段を備えることができる。
【0014】
このような装置から分離されたときに自動的に容器を閉鎖することによって、収集した粒子及び微生物が汚染されるあらゆる危険を回避する。
【0015】
容器は、弾性スナップ留め及び1/4回転させることによって、装置に取り付けることができる。弾性スナップ留めの間の容器の平行移動、または1/4回転によって、上記の自動閉鎖手段の開閉を、困難なく確実に行なうことができる。
【0016】
本発明の更なるその他の特徴によれば、基本的に、容器が約200平方センチメータ(cm)未満の小容量の円筒状チャンバを含み、そのチャンバの中で、吸引した空気により運ばれる粒子及び微生物が、容器の軸を中心に回転して容器の内壁に対する遠心によって吸引された空気から分離され、前記容器が、空気吸引手段とともに、片手だけを用いて運搬、操作可能な、内蔵型アッセンブリを構成する。
【0017】
基本的な有利な点として、本発明の装置は、内蔵型であり、容量が小さく、かつ重量が軽いので、どのような場所でも使用することができ、従って、容易に運べるだけでなく、片手だけで操作し、任意の位置や向きに置くことができる。
【0018】
従って、この装置によって、複数の場所から連続的に試料を採取することができ、例えば、同じ施設内で、1つの場所からその他の場所へ、装置を異なるように向けることができる。特に、操作者に複数の予備の容器を有する装置を提供することができ、従って、短い時間に複数の試料を次々に採取することができる。
【0019】
好ましくは、取り外し可能な容器は1回の使用のためのものであり、またはその他、圧力釜の中に入れることができる材料からなる。
【0020】
本発明の第1の実施態様は、粒子及び微生物が、乾燥している間に容器の中に収集及び回収され、引き続いて、所望の方法で処理することができる液体試料を得るため、前記底部に、適切な液体を所定量加える。
【0021】
本発明のその他の実施態様は、装置が、装置に取り付けられた容器の上部の中に液体を注入するための手段を含み、前記注入手段が、例えば、空気を容器に入れるための手段の中に開放されている。
【0022】
このようにして、液体試料を、容器の底部から直接得ることができ、前記試料が、収集した粒子及び微生物を含んでいる。
【0023】
特に有利な実施態様として、本発明の装置が、容器サポートの主要部分及び/または空気吸引手段に接続され、液体のタンクと、タンクの中の液体に圧力をかける手段と、液体を前記容器の中に注入するための注入手段にタンクを接続するための手段とを収容するハンドルを含む。
【0024】
有利なことには、これらの接続手段は、注入手段への液体の流量を制御するための手段を含む。
【0025】
さらに、ハンドルは、空気吸引手段を制御するための制御手段を含む。
【0026】
本発明の特別な実施態様として、吸引手段によって容器に吸引される空気の流量が、約200L/分〜400L/分の範囲である。
【0027】
このような装置を用いて、試料採取を数分間継続させることができ、従って、1立方メートル(m)〜2mの範囲にある大気の容量の中に存在する粒子及び微生物を収集することができる。
【0028】
本発明の装置によって、一般的に約0.5μm〜約15μmの範囲にある寸法を有する粒子及び微生物を分離及び収集することができる。約1μmより小さな寸法のより微細な粒子を収集するため、上記の容器からの軸流空気出口に、適切なフィルタを設置することができる。
【0029】
(発明を実施するための最良の態様)
添付図面を参照しながら実施例を用いた以下の記載を読むことによって、本発明がより良く理解され、本発明の他の特徴、詳細、及び利点がより明確に現われる。
【0030】
初めに、図1〜3を参照して、本発明の装置の第1の実施態様を記載する。
【0031】
本装置は、内蔵型であって、携帯型で、片手だけで操作するのに適しており、基本的に、装置の主要部分に取り付けられ、円筒状ボディ13と円錐台形状底部12とを含む円筒状容器10を含む。容器10は、遠心分離チャンバを画定し、空気吸引手段14と接続されている。装置は、空気吸引手段の動作を制御するための手段が備えられたハンドル16が取り付けられ、これらの制御手段は、例えば、押しボタンまたはスライダタイプである。
【0032】
容器が取り付けられた装置の主要部分は、軸流空気出口18を有する上壁11と、容器10の中に接線方向に開放された空気入口ダクト22に接続されたオリフィスを含む、下方へ向いた円筒状リム20とを含む。壁11は、吸引手段14に固定され、軸流空気出口18は、手段14のハウジングの中に形成され、電動モータにより駆動されるロータ24を収容する吸引領域に接続される。このロータ24の回転により、ダクト18内での吸引力が再生され、ダクト22を介して容器10の中へ空気が侵入し、図2の矢印に示すように、容器の内部で空気が回転する。
【0033】
従って、大気26が容器10の中に吸引され、この大気の中に含まれる粒子及び微生物が遠心分離によって分離されて、容器10の内壁に堆積し、その後、下向きにテーパが付いて閉鎖円筒状末端部28を含むことができる区域の円錐台形状底部12の中で回収される。
【0034】
有利なことには、円筒状ボディ13及び容器の円錐台形状底部12が、弾性スナップ留めまたは1/4回転させることによって、取り外し可能に円筒状リム20に取り付けられた一体ユニットを形成する。
【0035】
図3a及び3bに示すように、容器が装置から分離されたときは、空気入口オリフィス及び容器10の解放状態の上端は、キャップ42により閉鎖することができる。そして、閉鎖された容器は、収集した粒子及び微生物を貯蔵し、分析のために試験室へ搬送する役目を果たす貯蔵容器を形成する。
【0036】
その他の態様として、容器の上端に、容器10が装置に取り付けられたときに開くように作動し、前記容器が装置から分離されたときに閉鎖するように作動するリターンスプリングと連動する、例えばカメラで用いるタイプの環状ダイアフラムのような自動閉鎖手段29を取り付けることができる。
【0037】
このように、装置から分離したときに容器10の上端を自動閉鎖することにより、容器10の中に収集された微生物及び粒子が外部物質によって汚染されるいかなる危険も回避し、または逆に、外部媒体が容器10の中に収集された微生物及び粒子によって汚染されるいかなる危険も回避する。空気を容器の中に入れるためのオリフィスを閉鎖するため、適切な手段が備えられる。
【0038】
更なる安全のため、自動閉鎖手段29によって、いったん容器10の上端が閉鎖された場合には、図3bに示すように、貯蔵して分析手段へ搬送するため、キャップ42によりカバーすることができる。
【0039】
図2に示す実施態様では、装置のハンドル16は、流量を調整するための手段32を含み、容器10の上部の中に注入するための手段34に接続された出口を有する、適切な液体(水、湿潤物質、または実施される分析の機能に応じたその他の液体)のタンク30も収容する。
【0040】
実施例を用いれば、注入手段34は、容器の中に空気を供給するため、ダクト22の中に開放されている。
【0041】
その他の態様として、容器の主要部分は、(円筒状リム20の)接線方向に向き、円筒状リム20の円周に沿って一様に分配され、容器10の上部の開口部を介して容器の中に開放された複数の液体注入オリフィスを含む。
【0042】
有利なことには、タンク20は、注入される液体を圧縮するための手段36と連動する。これらの手段36は、例えば、図示されたようなタンク30の移動底部上で作動するスプリングや、圧縮されたガス等を含む、あらゆる適切なタイプである。タンク30自体は「一回投与」タンク、言い換えれば、1つの試料を採取するのに充分な比較的少量の液体を収容することができるタンクであることができ、また他に、複数の試料を連続的に採取することができる、より多量の液体を収容する場合の「複数投与」タンクであることができる。
【0043】
注入流量を制御するための手段32は、ハンドル16に保持されたスライダまたは押しボタン38によって制御され、その近くには、空気吸引手段14の動作を制御するためのその他の押しボタンまたはスライダ40がある。
【0044】
ハンドルは、ロータ24を駆動する電動モータに給電する電力供給手段も収容し、これらの手段は、例えば、再充電可能なバッテリ等によって構成される。その他の態様として、電力供給ネットワークに接続することによって、電動モータに給電することもできる。
【0045】
本発明の特定の実施態様として、容器10が約50ミリメートル(mm)の直径を有し、底部12を含む前記容器の容量は、約100cm〜200cmであり、手段14によって空気が容器10の中へ吸引される流量は、200L/分〜400L/分の範囲にあり、試料を採取するごとに手段34によって容器10の中に注入される液体の量は、約5ミリリットル(mL)〜約10mLの範囲にあり、タンク30は40mLの液体を収容し、例えば、(つまり4つ〜8つの試料を採取することができる)、導入される電力は100ワット(W)〜200Wであって、装置の総重量は2キログラム(kg)未満である。
【0046】
装置は下記のように使用される。
【0047】
装置は、手で持つことができて、所定の方向に向けることができ、またはサポートの上に設置することができる。試料を採取するため、容器10が円筒状リム20に固定され、押しボタン40を用いて、空気吸引手段14を動作させる。試料採取は、例えば5分間(min)続けることができ、従って、約1m〜3mの空気を吸引することができ、吸引した空気が容器10の中を流れる間に、容器の軸の回りを回転し、そして上昇してダクト18を介して容器を出て、空気吸引手段14を収容するハウジングを通過し、その後外部へ排気される。試料採取の間中、液体を連続的に注入することができるし、または試料採取時間の一部の時間だけ、液体を注入することもできる。
【0048】
吸入した空気によって運ばれる粒子及び微生物は、容器10の内壁の上に遠心分離され、従って、ダクト18を介して容器を出る吸引した空気から分離される。容器10の中に注入された液体は、吸引した空気とともに循環し、容器の全内壁を洗う働きをする。収集された粒子及び微生物は、最終的に底部12及び円筒状端部28の中で回収される。
【0049】
試料を採取した後、図3a及び3bに示すように、クリップ留めをはずすまたは1/4回転させることにより、容器10を上部円筒状リム20から分離することができ、そして、容器10のボディ13を、容器10の上部にある全てのオリフィスを遮断するキャップ42によりカバーすることができる。このことにより、密封状態で閉鎖され、分析の目的で貯蔵することができる小さな貯蔵容器を提供する。
【0050】
そして、試料の採取を継続するためには、その他の容器10を上部円筒状リム20に取り付ければ充分である。
【0051】
本発明の装置の小さな寸法により、4つまたは5つの取り外し可能な容器のセットを、1つのバッグやケースに入れて運ぶことができ、1つまたは2つの予備のタンク30、及びおそらく、空気吸引手段14を駆動するモータへ給電するための第2の再充電可能なバッテリを収容することができる。
【0052】
その他の態様として、空気吸引手段14は、圧縮空気の小さなタンクを含むことができ、従って、空気を、飛沫同伴させることで円筒状容器10の中に吸引することができる。そして、電気火花により生じる恐れのある爆発の危険なく、装置を用いることができる。
【0053】
その他の態様として、本発明の装置を、ある建物や病院で見られるタイプの吸引ソケットに接続することによって、空気を円筒状容器10の中に吸引することもできる。
【0054】
本発明のその他の態様として、液体タンク30及びその圧縮手段36を、手動または半自動で制御される注射器により構成することができる。
【0055】
本発明の装置は、試料を採取し、粒子や微生物を乾燥した状態で分離し、引き続いて、分析の目的で収集した粒子及び微生物を適した液体に溶解させることもできる。
【0056】
そのような装置の1つを、図4に略図的に示す。
【0057】
この実施態様では、例えば、ゴム薄膜、またはシールガスケットのような自動閉鎖手段が任意に取り付けられた軸流空気出口46を含む上部カバー44によって、容器10の円筒状ボディ13が閉鎖される。この容器10は、スナップ留めまたは1/4回転させることによって、メインサポート20に取り付けられる。前記サポートは、上記の実施態様のように、容器10の中に空気を接線方向に入れるための手段22を含み、空気出口ダクト18が、中でロータ24が回転する領域に連通し、ハンドル(図示せず)によって、装置を保持し操作することができる。
【0058】
試料を採取した後、容器10がサポート20から分離され、空気を容器に入れるためのオリフィスが閉鎖され、円筒状ボディ13及び容器の底部12の内壁に堆積した粒子及び微生物を溶解するため、上部軸流ダクト46を介して所定量の適切な液体を容器10に注入することができる。
【0059】
一般的に、本発明の装置により、比較的大きな容量の大気を採取することによって、大気中に存在する粒子及び微生物の代表試料を回収することができる。
【0060】
採取された試料は、装置から分離された円筒状の容器10の中に詰められ、汚染の危険から保護される。
【0061】
注入された液体の中に溶解した収集した粒子及び微生物が示す濃度係数は、任意に適合させることができる。試料採取時間は調整できる。
【0062】
収集した試料は、互いに分離され異なる円筒状容器10に入れられ、従って、試料間の汚染の危険が回避される。
【0063】
さらに、液体の形で得られた試料により、分子生物学、落射蛍光顕微鏡検査、フラックスサイトメトリ、生体発光、免疫学、及びクロマトグラフ分析法の技術に基づいた新しい分析方法を適用することができる。従って、全微生物叢の約0.1〜10%しか存在しない培養可能な微生物叢を評価することを制限することなく、大気中の全微生物叢及び/または生存している微生物叢を評価することができる。
【0064】
本発明の装置を用いて採取した試料を対象とすることができる新しい分析技術により、細菌またはかびを明確に調べることができ、また特に、1つの種を確実に検証することができる。
【0065】
さらに、本発明の装置は、取り外し可能な容器、1つ以上の注入液タンク、またはもう1つの再充電可能なバッテリ、及びおそらくバッテリを再充電する手段等のようなアクセサリを収容する上記のバッグやケースとともに、大気中に存在する粒子及び微生物を収集及び分離するための内蔵式で携帯型のキットを構成し、非常に多くの分野の非常に広い種類において用途を見出すことができる。
【図面の簡単な説明】
【0066】
【図1】本発明の装置の第1の実施態様の略図的な斜視図である。
【図2】装置の機能線図である。
【図3a】装置の使用方法を示す線図である。
【図3b】装置の使用方法を示す線図である。
【図4】本発明にその他の実施態様の機能線図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
大気中に存在する粒子及び微生物を収集及び分離するための装置であって、
粒子または微生物を保持するための手段と、吸引した空気を排気するための手段(18)とを有する遠心式容器(10)の中に空気を吸引するための手段(14)を含み、
容器(10)が取り外し可能に取り付けられ、収集した粒子及び微生物を搬送するための貯蔵容器を形成することを特徴とする装置。
【請求項2】
容器(10)が容器の上端を閉鎖するための自動閉鎖手段を含み、
容器が装置に取り付けられている間は自動閉鎖手段が開き、容器が装置から分離されている間は自動閉鎖手段が閉じることを特徴とする、請求項1記載の装置。
【請求項3】
自動閉鎖手段が、環状のダイアフラムと、ダイアフラムが閉鎖位置に向かって付勢するための弾性手段とを含むことを特徴とする、請求項2記載の装置。
【請求項4】
容器(10)を、弾性スナップ留めまたは1/4回転させることによって装置に取り付けることを特徴とする、請求項1から3の何れか1項記載の装置。
【請求項5】
容器(10)が基本的に、約200cm未満の容量を有する小容量の円筒状チャンバを含み、このチャンバの中で、吸引した空気によって運ばれる粒子及び微生物が、容器の軸を中心に回転して容器の内壁に対する遠心によって吸引した空気から分離され、
前記容器が、空気吸引手段(14)と協働して、片手だけを用いて操作可能な、内蔵型の携帯型アッセンブリを構成することを特徴とする請求項1から4の何れか1項記載の装置。
【請求項6】
容器(10)が、軸流空気出口(18)と接線方向の空気入口(22)とを含む主上壁(11)に取り付けられることを特徴とする請求項1から5の何れか1項記載の装置。
【請求項7】
液体を前記容器の上部(11、20)の中に注入するための手段(34)を含むことを特徴とする、請求項1から6に何れか1項記載の装置。
【請求項8】
液体を注入するための手段(34)が、空気を前記容器の中に入れるためのダクト(32)の中に開放されていることを特徴とする、請求項7記載の装置。
【請求項9】
液体注入手段(34)が、主上壁(11)のリム(20)の円周に沿って一様に分配され、前記容器の中に開放された複数のオリフィスを含むことを特徴とする、請求項6及び7記載の装置。
【請求項10】
容器の前記軸流出口(18)が、空気吸引ソケットと接続されるように設計されていることを特徴とする、請求項6から9の何れか1項記載の装置。
【請求項11】
空気吸引手段(14)が、主上壁(11、20)に固定され、容器の軸流出口(18)を通して空気を吸引することを特徴とする、請求項6から9の何れか1項記載の装置。
【請求項12】
液体のタンク(30)と、タンクの中の液体に圧力をかけるための手段(36)と、液体を上記の容器の中に注入するための手段(34)にタンクを接続するための手段とを収容するハンドル(16)を含むことを特徴とする、請求項1から11の何れか1項記載の装置。
【請求項13】
前記接続手段が、注入手段(34)へ向かう液体の流量を調整するための手段(34)を含むことを特徴とする、請求項12記載の装置。
【請求項14】
ハンドル(16)が、空気吸引手段(14)を制御するための制御手段(40)を含むことを特徴とする、請求項12または13記載の装置。
【請求項15】
取り外し可能な容器(10)が、1回の使用のためのものであるか、または圧力釜の中に入れるのに適した材料からなることを特徴とする、請求項1から14の何れか1項記載の装置。
【請求項16】
吸引手段(14)により前記容器の中に吸引する空気の流量が、約200L/分〜400L/分の範囲であることを特徴とする、請求項1から15の何れか1項記載の装置。
【請求項17】
約0.5μm〜約15μmの範囲の寸法を有する粒子及び微生物を収集及び分離するためのものであることを特徴とする、請求項1から16の何れか1項記載の装置。
【請求項18】
前記容器から空気を排気するための手段(18)が、約1μmより小さい寸法の粒子及び微生物を捕捉するためのフィルタを含むことを特徴とする請求項1から17記載の装置。
【請求項19】
大気中に存在する粒子及び微生物を分離及び収集するための内蔵型かつ携帯型のキットであって、例えば、取り外し可能な予備の容器、少なくとも1つの注入液のタンク、及び少なくとも1つの再充電可能なバッテリのようなアクセサリのバッグと共に、請求項1から18の何れか1項記載のタイプの装置を含むことを特徴とするキット。

【図1】
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【図2】
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【図4】
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【公表番号】特表2006−526401(P2006−526401A)
【公表日】平成18年11月24日(2006.11.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−508356(P2006−508356)
【出願日】平成16年6月3日(2004.6.3)
【国際出願番号】PCT/FR2004/001382
【国際公開番号】WO2004/108880
【国際公開日】平成16年12月16日(2004.12.16)
【出願人】(505040202)ベルタン・テクノロジーズ (9)
【氏名又は名称原語表記】BERTIN TECHNOLOGIES
【Fターム(参考)】