説明

大気圧プラズマジェット

本発明は物品のプラズマ処理を実施するためのプラズマジェット装置に関し、(a)細長い中心電極(2,15)、(b)前記中心電極を取り囲みかつ前記中心電極と共軸である細長い円筒状外部電極(1)または二つの外部電極(15,16)、または中心電極に実質的に平行な二つの電極、(c)前記外部電極(単数または複数)と前記中心電極の間に配置された電気絶縁体(3)または絶縁体(18,19)、ここで遠位端と近位端を持つ放電内腔が前記中心電極と前記電気絶縁体(単数または複数)の間に規定される、(d)前記放電内腔の前記遠位端に配置されたプラズマ生成ガスを前記放電内腔に供給するための供給開口(6)、(e)前記中心電極と前記外部電極の間に電圧を与えるための電源(9)、を含み、前記電気絶縁体が前記近位端で前記外部電極(単数または複数)の外表面を越えて半径方向または外向き延長部(40,20)を持つことを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はプラズマ浄化、表面変性及び表面被覆のために使用可能なプラズマ処理装置に関する。特に、本願は新規なプラズマジェットに関する。
【背景技術】
【0002】
大気圧プラズマジェットは例えばWO 98/35379またはWO 99/20809に記載のように業界で知られている。これらのプラズマジェット装置は中心に置かれた電極の外径と外部電極の内径の間にプラズマ放電空間を規定する二つの共軸に置かれた電極を含む。プラズマジェットは、十分な電圧が電極間に付与されながら装置の閉鎖端にガスの流れを導入することにより装置の開放端で発生されることができる。前記電極間に、誘電材料がアークを避けるために置かれることができる。プラズマのジェットは、表面をエッチングし、浄化しまたは被覆するために使用されることができる。従来技術の装置では、適度に効率的なプラズマジェットを得ることは現在既知の装置の幾つかの制約のため困難である。例えば、適度な寸法を持つ従来技術の古典的なプラズマジェットによりゴムを十分に活性化することは不十分なエネルギー出力のため現在は不可能である。従って、ほとんどのプラズマジェット装置はより高いプラズマ密度を得るためにプラズマジェットを収斂するノズルを使用する。しかし、これは、処理されたスポットが小さく、より多くの装置、より多くの時間、またはより大きな装置が特定の表面を処理するために必要であるという不利を持つ。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明は従来技術から既知のものより効率的なプラズマジェット装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明は円筒状2−電極装置または平行3−電極装置を含む大気圧プラズマジェットに関する。2−電極装置は中心円筒状金属電極と外部円筒状金属電極を含む管状装置であることができ、前記円筒状金属電極は共軸であり、かつプラズマ放電内腔を規定し、前記装置は開放(近位)端と閉鎖(遠位)端を持ち、前記プラズマ放電内腔は前記開放端で大気に開放しておりかつ前記閉鎖端にガス流供給開口、前記中心円筒状金属電極と前記外部円筒状金属電極の間に挿入された誘電材料を含み、前記誘電材料が前記開放端で半径方向に延びていることを特徴とする。
【0005】
平行装置の一実施態様は一つの中心の平坦なまたは特別に形成された金属電極と二つの外部金属電極を含み、前記電極は実質的に平行、すなわち一定(±1mm)の距離にあり、かつプラズマ放電内腔を規定し、前記平行装置は開放(近位)端と閉鎖(遠位)端を持ち、前記プラズマ放電内腔は前記開放端で大気に開放しておりかつ前記閉鎖端にガス流供給開口、前記中心金属電極と前記外部金属電極の間に挿入された誘電材料を含み、前記誘電材料が前記開放端で外向きに延びていることを特徴とする。特別の実施態様によれば、外部電極は中心電極と共軸である一つの電極を形成するようにその側部で連結されている。従って、この実施態様と管状実施態様は一つの内部及び一つの外部電極を持つ円筒状装置の二つの変形である。
【0006】
従って、本発明は物品のプラズマ処理を実施するためのプラズマジェット装置に関する。円筒状2−電極形状と平行3−電極形状が記載されている。円筒状プラズマジェット装置は:
− 細長い中心電極、
− 前記中心電極を取り囲みかつ前記中心電極と共軸である細長い円筒状外部電極、
− 前記外部電極と前記中心電極の間に共軸に配置された電気絶縁体であって、遠位端と近位端を持つ放電内腔が前記中心電極と前記電気絶縁体の間に規定される電気絶縁体、
− 前記放電内腔にプラズマ生成ガスを供給するために、前記放電内腔の前記遠位端に配置された供給開口、
− 前記中心電極と前記外部電極の間に電圧を与えるための電源
を含み、
前記電気絶縁体が前記近位端で半径方向に置かれたリングとして前記外部電極の外表面を越えて延びる。電極は管状でありかつ円形断面と共軸であることができ、または中心電極は平坦なプレート形状電極であることができ、一方で外部電極は中心電極に実質的に平行である前側及び後側を持つ。平坦電極の代わりに、平行装置は−近位端に−電極の長さに沿って丸い延長部を持つ中心電極を持つことができ、一方で外部電極の前面及び後面は前記中心電極に平行のままであることができる。
【0007】
好適実施態様によれば、近位端のプラズマ残光中に反応性化学化合物を直接導入するために中心電極を通して供給導管が与えられる。
【0008】
本発明による3−電極平行プラズマジェット装置は:
− 中心電極、例えば平坦なプレート形状電極、
− 前記中心電極に実質的に平行である、前記中心電極の両側の二つの外部電極、
− 前記外部電極と前記中心電極の間に実質的に平行に配置された二つの電気絶縁体であって、遠位端と近位端を持つ放電内腔が前記中心電極と前記電気絶縁体の間に規定される二つの電気絶縁体、
− 前記放電内腔にプラズマ生成ガスを供給するために、前記放電内腔の遠位端に配置された供給開口、
− 好ましくは近位端のプラズマ残光中に反応性化合物を直接導入するための中心電極を通る供給導管、
− 中心電極と外部電極の間に電圧を与えるための電源、
を含み、前記電気絶縁体が近位端で外部電極の外表面を越えて外向きに延びる。
【0009】
本発明によるプラズマジェット装置において、電気絶縁体は好ましくは更に外部電極の外表面で遠位端に向けて延びる。有利には、中心電極の外表面と電気絶縁体の内表面の間の距離は0.1〜10mmである。電源は、好ましくは管状形状のためには1〜10kV、平行形状のためには1〜100kVのACまたはパルスDC電圧を与えるように配置される。
【0010】
本発明の別の態様はプラズマ流を生成するための方法に関し:
− 本発明によるプラズマジェット装置を準備し、
− 供給開口を通してプラズマガス流を供給し、
− 反応性化学化合物(例えばモノマー)流を供給開口を通して及び/またはプラズマの開放端のプラズマ放電内に反応性化学化合物を導入する中心電極を通して供給する、そして
− 中心電極と外部電極の間に1〜100kVの電圧を供給する、
工程を含む。
【0011】
図面の簡略説明
図1は従来技術のプラズマジェット設計を示す。
【0012】
図2は本発明によるプラズマジェット装置の概略概観図を示す。
【0013】
図3は本発明による平行プラズマジェット装置の概略概観図を示す。
【0014】
図4は平行電極を持つ実施態様の特別な形状の概略概観図を示す。
【0015】
図5は本発明による平行プラズマジェット装置の多数の可能な断面を示す。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
図1に示したような従来技術のプラズマジェットは通常、外部電極11、内部電極12、及びそれらの間に挿入された誘電材料13を含む。
【0017】
本発明の管状実施態様は図2に見ることができ、二つの共軸円筒状電極(1,2)を持ちかつ誘電材料3の形の一つの特別に形成された電気絶縁体を持つ大気圧プラズマジェットに関する。誘電遮断体はプラズマジェットの近位端で、好ましくはU−形状延長部20の形で延びている。プラズマジェットは30℃〜600℃の温度で作動し、プラズマ浄化、表面変性及び表面被覆のために使用されることができる。U−形状誘電材料は全てのこれらの用途のために大きな利点を持つ。リング、従って管状形状の半径方向延長部はまた、好ましい実施態様(“U”形状の戻り脚21を持たない)である。装置の遠位端に、中心電極と誘電材料3の間に規定された内腔にプラズマガスを供給する供給開口6がある。好ましくは、中心電極2はアース8に連結され、一方外部電極は電圧源9に連結される。アースに連結された電極1と電圧源に連結された電極2はまた、可能な実施態様である。両電極が電圧源に連結されている実施態様もまた、この発明に含まれる。中心電極2を通る供給導管7は開放端のプラズマ残光中に反応性化合物を直接導入するために与えられることができる。中心電極の外表面と電気絶縁体の内表面の間の距離4は0.1〜10mmである。距離5は均質なプラズマ領域の直径である。距離50は外部電極1の高さに相当する前記均質なプラズマ領域の高さである。
【0018】
中心電極2と外部電極1は円形断面を持つ円筒状、すなわち管状であることができる。これに代えて、中心電極は平坦な電極2であることができ、一方外部電極1は一つの円筒状外部電極1を形成するために側部72で連結された前側と後側70,71(図5A参照)を含む。そのとき絶縁体3もまた、中心電極に平行でかつ一つの円筒状絶縁体3を形成するように側部で連結75された前側と後側73,74を含む。
【0019】
図3は三つの平行電極を備えた本発明によるプラズマジェット装置を示す。この装置は中心電極15、及びこの中心電極の両側の二つの平行な電極16,17を含む。この図は装置の切断図を示す。実際の装置はもちろん側部で閉じられている。可能な断面は図5Bから5Dに示されている。図5Bから5Dに示された装置はその側部で適当な絶縁材料(図示せず)により閉じられる。図3の平行装置は電極に実質的に平行である二つの誘電部分18,19を持つ。装置の遠位端に、プラズマ生成ガスを中心電極と絶縁体の間に規定された放電内腔に供給する供給開口6が与えられている。中心電極15を通る供給導管7は開放端のプラズマ残光中に反応性化合物を直接導入するために与えられることができる。中心電極15はアース8に連結され、一方外部電極16,17は電圧源9に連結される。外部電極16,17がアースに連結され、中心電極15が電圧源に連結されている実施態様もまた、この発明に含まれる。また、中心電極15と外部電極16,17の両方が電圧源に連結されている実施態様もこの発明に含まれる。装置の近位端で、誘電部分は好ましくはU形状の外向き延長部40を持って、または平坦な外向き延長部を持って、従ってU形状の戻り脚41を持たずに作られる。中心電極の外表面と電気絶縁体の内表面の間の距離4は0.1〜10mmである。距離5は均質なプラズマ領域の幅である。距離60は外部電極の高さに相当する前記均質なプラズマ領域の高さである。距離61は装置の長さ(深さ)に相当するプラズマ領域の長さである。
【0020】
図4は本発明による平行プラズマジェット装置の可能な特別な形状を示す。この形状では、プラズマジェットの前記開放端に中心金属電極15の全長に沿って丸い延長部30がある。図4に示されるように、特別に形成された誘電材料(18,19)と外部金属電極(16,17)の両者は中心電極の外表面と電気絶縁体の内表面の間の一定(±1mm)の距離を保証するために特別な形を持つ。参照番号60はプラズマジェットの高さ、5は均質な有効プラズマ残光の幅を示し、そして61は平行電極間のプラズマ領域の長さを示す。丸い延長部30のため、残光の濃度及び従って残光内のプラズマ密度は増加される。
【0021】
一般的に、本発明によるプラズマジェットを用いるとき次の動作特性が使用されることができる:
− 10cmの電極高さ50を持つ管状装置(以下、管状装置と称する)のための電力:20−750ワット;
− 10cmの電極高さ(50,60)と10cmの電極長さ(61)を持つ平行装置(一つの外部電極を持つ平行装置を含む)(以下、平行装置と称する)のための電力:100−5000ワット。付与される電力は用途に依存する。
− 電圧(8):1−100kV
− プラズマガス流(6):管状装置に対しては1−400 l/分、平行装置に対しては10−4000 l/分。
− 予熱プラズマガスの温度:20−400℃(これはプラズマガスがプラズマジェット内に挿入される前に400℃迄予熱されることができることを意味する)。
− プラズマガス:N,空気,He,Ar,CO+これらのガスとH,O,SF,CF,飽和及び不飽和炭化水素ガス、フッ素化炭化水素ガスの混合物。
− モノマー流:1−2000g/分(中心電極内の導管7を通して直接プラズマ残光中に)。
− 供給ガス流:0.1−30 l/分(中心電極内の導管7を通して直接プラズマ残光中に)。
− 内部間隙距離(4):0.1−10mm(プラズマガス及び用途に依存して)。
− 均質なプラズマ領域の直径(管状装置に対して)または幅(5)(平行装置に対して):6−80mm。
− 有効プラズマ残光の長さ:5−100mm(用途に依存して)。
【0022】
高電圧ACまたはパスルDC電力が電極の一つにかけられると、誘電遮断体放電が誘電体と内部電極の間に起こる。プラズマからの活性種がプラズマガス流によりプラズマジェットから吹き出される。この残光は試料に向けられ、この方式で3−D対象物がプラズマ処理されることができる。パルスDC電力が使用される場合、周波数は好ましくは1〜200kHzから、有利には50〜100kHzである。
【0023】
本発明によるプラズマジェット装置から半径方向または外向きに延びる誘電体の利点は次の三つの概念:プラズマ源への距離、活性化の幅及びプラズマガスの消費、によりまとめられることができる。
【0024】
プラズマ源への距離
プラズマ放電中のラジカル、特にイオンは極めて短時間存続し、ほとんど放電領域の外側に輸送されることができないことが注意されるべきである。他方、プラズマの内側で生成された準安定な種は大気圧でより長い、典型的には数百ミリ秒のオーダーの寿命を持つ。このより長い寿命はそれらのプラズマガス流によるプラズマ容積からの搬出を可能とする。明らかに最も反応性の準安定な種がまず失われるであろう。プラズマ源に近い程、プラズマ残光はより反応性である。本発明による新規なプラズマジェット装置により、試料は実際のプラズマ源から2mmまでもたらされることができる。実験は特定のポリマーの安定な活性化が半径方向または外向きに延びる誘電体を持つ説明されたプラズマジェット形状を用いるときにのみ実現されることができることを示した。
【実施例】
【0025】
ゴムのプラズマ活性化
古典的概念ではゴムは十分に活性化することが不可能である:ゴム/プラズマ源の距離は大き過ぎると思われる。最も反応性の、この場合必要なプラズマ種はそれらがゴム試料に当たる前に失われる。
【0026】
図2のようなU−形状誘電体を用いるとき、より反応性のプラズマ残光が得られる。
パラメーター:
− 電力:400ワット
− 周波数:70kHz
− プラズマガス:65 l 空気/分
− 前駆体:なし
− プラズマ残光の温度:65℃
− ゴム/プラズマ源の距離:4mm
− プラズマ活性化前の表面エネルギー:±20ダイン
− プラズマ活性化後の表面エネルギー:>75ダイン
− プラズマ活性化後1週間の表面エネルギー:62ダイン。
【0027】
PVCのプラズマ活性化
PVCは感熱性である。古典的概念により実施された活性化はやがて安定でなくなる。数時間後、活性化は完全に失われた。
【0028】
U−形状誘電体を用いるとき、より反応性のプラズマ残光が得られる。
− 電力:300ワット
− 周波数:32kHz
− プラズマガス:60 l N/分
− 前駆体:なし
− プラズマ残光の温度:60℃
− PVC/プラズマ源の距離:5−7mm
− プラズマ活性化前の表面エネルギー:45ダイン
− プラズマ活性化後の表面エネルギー:>75ダイン
− プラズマ活性化後1週間の表面エネルギー:64ダイン
− プラズマ活性化後1ヶ月の表面エネルギー:56ダイン
− プラズマ活性化後4ヶ月の表面エネルギー:54ダイン
【0029】
活性化の幅
もし平坦な試料がプラズマ残光に近づけられるなら、プラズマ残光の活性種がプラズマジェットと試料の間のある領域に渡って広げられる。これは活性化スポットがプラズマジェットの直径よりかなり広くなることを意味する。試料が実際のプラズマ源により近くもたらされる程、活性化スポットはより広くなるであろう。実験は、本発明によるプラズマジェット(U−形状誘電体を持つ)により同じプラズマ条件に対し活性化スポットが古典的概念によるよりかなり広くなることを確認した。
【0030】
ポリエチレンのプラズマ活性化
活性化されたスポットの広さを増加することは(多数の)プラズマジェットの作業コスト全体を減らすであろう。本発明によるプラズマジェットを用いるとき、より反応性のプラズマ残光が得られ、活性種はより広い領域に渡って広げられる。
− 電力:200ワット
− 周波数:50kHz
− プラズマガス:50 l N/分
− 前駆体:なし
− プラズマ残光の温度:65℃
− プラズマジェットの直径:15mm
− プラズマ活性化前の表面エネルギー:32ダイン
− プラズマ活性化後の表面エネルギー:62ダイン

【0031】
古典的概念による均質な活性化スポットの広さは試料/プラズマジェットの距離1.5mmで最大32mmであった。
【0032】
ポリプロピレンのプラズマ活性化
活性化スポットの広さを増加することは(多数の)プラズマジェットの作業コスト全体を減らすであろう。本発明によるプラズマジェットを用いるとき、より反応性のプラズマ残光が得られ、活性種はより広い領域に渡って広げられる。
− 電力:200ワット
− 周波数:50kHz
− プラズマガス:50 l 空気/分
− 前駆体:なし
− プラズマ残光の温度:65℃
− プラズマジェットの直径:15mm
− プラズマ活性化前の表面エネルギー:36ダイン
− プラズマ活性化後の表面エネルギー:70ダイン

【0033】
古典的概念による均質な活性化スポットの広さは試料/プラズマジェットの距離1.5mmで最大33mmであった。
【0034】
プラズマガス/プラズマ電力の消費
試料が実際のプラズマ領域により接近してもたらされることができるという事実の結果として、より少ない反応種が残光中で失われる。従って、古典的プラズマジェットに比べて、ガス及び/または電力のより低い消費で同じ効果が得られることができる。この最後の利点は二つのより先の利点の間接的結果として見られることができる。
【0035】
同じプラズマ活性化効果のために必要とされるガス及び/または電力がより少ないことが実験的に示された。かかる実験は当業者により実施されることができる。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】従来技術のプラズマジェット設計を示す。
【図2】本発明によるプラズマジェット装置の概略概観図を示す。
【図3】本発明による平行プラズマジェット装置の概略概観図を示す。
【図4】平行電極を持つ実施態様の特別な形状の概略概観図を示す。
【図5】本発明による平行プラズマジェット装置の多数の可能な断面を示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
物品のプラズマ処理を実施するためのプラズマジェット装置であって、
− 細長い中心電極(2)、
− 前記中心電極を取り囲みかつ前記中心電極と共軸である細長い円筒状外部電極(1)、
− 前記外部電極と前記中心電極の間に共軸に配置された電気絶縁体(3)であって、遠位端と近位端を持つ放電内腔が前記中心電極と前記電気絶縁体の間に規定される電気絶縁体(3)、
− 前記放電内腔にプラズマ生成ガスを供給するために、前記放電内腔の前記遠位端に配置された供給開口(6)、
− 前記中心電極と前記外部電極の間に電圧を与えるための電源(9)、
を含むものにおいて、
前記電気絶縁体が前記近位端で前記外部電極の外表面を越えて半径方向に置かれたリング(20)の形で延びることを特徴とするプラズマジェット装置。
【請求項2】
電気絶縁体が更に外部電極の外表面で遠位端に向けて延びる(21)ことを特徴とする請求項1に記載のプラズマジェット装置。
【請求項3】
中心電極の外表面と電気絶縁体(4)の内表面の間の距離が0.1〜10mmであることを特徴とする請求項1また2に記載のプラズマジェット装置。
【請求項4】
電源(9)が1〜10kVのACまたはパルスDC電圧を与えるように配置されていることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載のプラズマジェット装置。
【請求項5】
前記電極(1,2)が管状であることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載のプラズマジェット装置。
【請求項6】
前記外部電極(1)が中心電極(2)に実質的に平行である前側及び後側(70,71)を含むことを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載のプラズマジェット装置。
【請求項7】
前記中心電極(2)が近位端に中心電極の全長(61)に沿って丸い延長部(30)を含むことを特徴とする請求項6に記載のプラズマジェット装置。
【請求項8】
近位端のプラズマ残光中に反応性化学化合物を直接導入するための、中心電極(2)を通る供給導管(7)を更に含むことを特徴とする請求項1から7のいずれかに記載のプラズマジェット装置。
【請求項9】
物品のプラズマ処理を実施するためのプラズマジェット装置であって、
− 中心電極(15)、
− 前記中心電極に実質的に平行である、前記中心電極の両側の二つの外部電極(16,17)、
− 前記外部電極と前記中心電極の間に実質的に平行に配置された二つの電気絶縁体(18,19)であって、遠位端と近位端を持つ放電内腔が前記中心電極と前記電気絶縁体の間に規定される二つの電気絶縁体(18,19)、
− 前記放電内腔にプラズマ生成ガスを供給するために、前記放電内腔の遠位端に配置された供給開口(6)、
− 中心電極と外部電極の間に電圧を与えるための電源(9)、
を含むものにおいて、
前記電気絶縁体が近位端で外部電極の外表面を越えて外向きに延びることを特徴とする装置。
【請求項10】
電気絶縁体が更に外部電極の外表面で遠位端に向けて延びる(41)ことを特徴とする請求項9に記載の装置。
【請求項11】
近位端のプラズマ残光中に反応性化合物を直接導入するための、中心電極を通る供給導管(7)を更に含むことを特徴とする請求項9または10に記載の装置。
【請求項12】
中心電極(15)が平坦な電極であることを特徴とする請求項9から11のいずれか一つに記載の装置。
【請求項13】
前記中心電極が近位端に中心電極の全長(61)に沿って丸い延長部(30)を含むことを特徴とする請求項9から11のいずれか一つに記載の装置。
【請求項14】
プラズマ流を生成するための方法において、
− 請求項1から8のいずれかに記載のプラズマジェット装置を準備し、
− 供給開口を通してプラズマガス流を供給し、
− 反応性化学化合物(例えばモノマー)流を供給開口(6)を通して及び/またはプラズマの開放端のプラズマ放電内に反応性化学化合物を導入する中心電極を通して供給し、そして
− 中心電極と外部電極の間に1〜100kVの電圧を供給する、
工程を含むことを特徴とする方法。
【請求項15】
プラズマ流を生成するための方法において、
− 請求項9から13のいずれかに記載のプラズマジェット装置を準備し、
− 供給開口を通してプラズマガス流を供給し、
− 反応性化学化合物(例えばモノマー)流を供給開口(6)を通して及び/またはプラズマの開放端のプラズマ放電内に反応性化学化合物を導入する中心電極を通して供給し、そして
− 中心電極と外部電極の間に1〜100kVの電圧を供給する、
工程を含むことを特徴とする方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公表番号】特表2008−529243(P2008−529243A)
【公表日】平成20年7月31日(2008.7.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−553419(P2007−553419)
【出願日】平成18年2月6日(2006.2.6)
【国際出願番号】PCT/BE2006/000008
【国際公開番号】WO2006/081637
【国際公開日】平成18年8月10日(2006.8.10)
【出願人】(507263874)ヴラームス インステリング ヴール テクノロギシュ オンデルゾーク エヌ.ヴイ. (ヴイアイティーオー) (3)
【Fターム(参考)】