説明

大気成分情報取り扱い装置

【課題】 周囲の大気成分情報の分析結果を位置情報と関連付けてデータベース化することにより、データベースを有効利用することができる大気成分情報取り扱い装置を提供すること。
【解決手段】 大気成分情報取り扱い装置は、任意の大気成分を検出してその大気成分を分析する大気成分分析手段1と、車両の現在位置を検出する位置検出手段2と、位置検出手段2によって検出された位置情報に大気成分分析手段1によって検出した大気成分に関する情報を関連付けて記録する大気成分検出情報記録手段3とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、周囲の大気成分情報と位置情報を関連付けて取り扱うようにした大気成分情報取り扱い装置、経路探索装置、危険地点検出装置および大気成分情報提供装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、においに関して制御を行うものとしては、嫌なにおいを遮断したり、あるいは心地好いにおいを積極的に供給する等の様々なものがある。前者の技術としては、特許文献1に示すものがある。
【0003】
特許文献1に示すものは、排気ガス等の汚染空気が車内に導入されようとすると、センサによってこれを検知して吸気通路を閉じることにより、自動的に排気ガラスが車内に導入されるのを防止して、乗員に不快感を与えないようにしている。
【0004】
また、後者の技術としては、特許文献2に示すものがある。特許文献2に示すものは、目的地や通過地点の存在を、その場所のジャンル、例えば、ラーメン屋、カレー屋、森林といったにおいを放出して運転手に通知することにより、運転に対する注意力の低減を図るようにしている。
【特許文献1】特開平2−185820号公報
【特許文献2】特開2001−349739号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、このような特許文献1、2における大気成分情報の利用方法にあっては、実際に検出して分析した大気成分情報を位置情報と関連付けてデータベース化していないため、大気成分情報と位置情報に関するデータベースを有効利用することができないという問題があった。
【0006】
本発明は、従来の問題を解決するためになされたもので、周囲の大気成分情報の分析結果を位置情報と関連付けてデータベース化することにより、データベースを有効利用することができる大気成分情報取り扱い装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の大気成分情報取り扱い装置は、任意の大気成分を検出してその大気成分を分析する大気成分分析手段と、移動体の現在位置を検出する位置検出手段と、前記位置検出手段によって検出された位置情報に前記大気成分分析手段によって検出した大気成分に関する情報を関連付けて記録する大気成分検出情報記録手段とを備えたものから構成される。
【0008】
この構成により、周囲の大気成分の分析結果とその検出位置の情報を関連付けて記録したデータベースを得ることができ、このデータベースに基づいて大気成分と検出位置によるデータ解析を行うことにより、このデータ解析結果を有効利用することができる。
【0009】
また、本発明の大気成分情報取り扱い装置の前記大気成分分析手段は、少なくともにおいを検出するものから構成される。
【0010】
この構成により、におい、すなわち、広範囲なにおいを検出することにより、より効率的に大気中の成分を収集することができる。
【0011】
また、本発明の大気成分情報取り扱い装置の前記大気成分分析手段は、少なくとも悪臭を検出するものから構成される。
【0012】
この構成により、悪臭を検出することにより、環境状況の調査をポイントを絞って効率的に実施することができる。
【0013】
また、本発明の大気成分情報取り扱い装置は、前記移動体の移動に伴い、前記大気成分検出情報記録手段に予め決められたタイミングで前記関連情報を記録する自動記録手段を備えたものから構成される。
【0014】
この構成により、移動体の移動に伴って自動的に大気成分と大気成分の検出位置の情報を収集することができ、広範囲に亘って効率良く情報の収集を行うことができる。
【0015】
また、本発明の大気成分情報取り扱い装置は、地図情報が記録された地図記録手段を備え、前記位置検出手段は、前記地図記録手段に記録された地図上における現在位置を決定するものから構成される。
【0016】
この構成により、ユーザが地図上の位置を考慮しなくても、大気成分の検出結果と検出位置を容易に把握することができる。
【0017】
また、本発明の大気成分情報取り扱い装置の前記地図上の位置とは、前記地図記録手段に記録された道路であるものから構成される。
【0018】
この構成により、道路上を車が走っていることで、位置算出の推定範囲が狭くなり、車の位置の算出精度が向上するとともに、位置補正を行うことができる。さらに、大気成分の検出位置の算出精度も高くすることができる。
また、本発明の大気成分情報取り扱い装置は、大気成分検出情報記録手段に記録された前記関連情報を通知する通知手段を備えたものから構成される。
【0019】
この構成により、検出された大気成分と位置とを関連付けてユーザに通知することができるので、ユーザが検出状況を容易に把握することができる。
【0020】
また、本発明の大気成分情報取り扱い装置の前記通知手段は、視覚的、聴覚的または体感的な通知を行うものから構成される。
【0021】
この構成により、表示装置による視覚的な通知、音声出力装置による聴覚的な通知、またはバイブレータ等による体感的な通知によって検出された大気成分と位置とを関連付けてユーザに通知することができるので、ユーザが検出状況を容易に把握することができる。
【0022】
また、本発明の大気成分情報取り扱い装置の前記通知手段は、前記地図記録手段から取得した地図情報に、少なくとも前記位置検出手段で得られた位置情報を重ねて表示するものから構成される。
【0023】
この構成により、ユーザが大気成分の検出位置を視覚的に容易に把握することができる。
【0024】
また、本発明の大気成分情報取り扱い装置の画像情報を記録する画像情報記録手段を備え、前記通知手段から出力される前記表示画像を記録するものから構成される。
【0025】
この構成により、出力手段から出力される表示画像を直接記録することにより、ユーザが容易に検出情報を再確認することができる。
【0026】
また、本発明の大気成分情報取り扱い装置の前記通知手段は、少なくとも前記大気成分分析手段で得られた大気成分の種類毎に異なる表示を行うものから構成される。
【0027】
この構成により、大気成分の種類毎に異なる表示を行うことにより、ユーザが視覚的に検出された大気成分を一目で識別することができる。
【0028】
また、本発明の大気成分情報取り扱い装置は、少なくとも大気成分の種類と発生源の位置との対応関係を推定する大気成分対応推定手段を有し、前記大気成分検出情報記録手段は、前記位置検出手段によって検出された位置情報に、前記大気成分対応推定手段によって推定された大気成分の種類と発生源の位置との対応関係を関連付けて記録するものから構成される。
【0029】
この構成により、大気成分の種類から推測した発生源情報と関連づけることにより、ユーザが発生源の影響範囲を容易に把握することができる。
【0030】
また、本発明の大気成分情報取り扱い装置は、発生源の存在位置を決定する発生源位置推定手段を有し、前記発生源位置推定手段は、前記移動体の現在位置に対して前記大気成分分析手段が検出した大気成分の検出状況に基づいて、前記大気成分対応推定手段が推定した前記発生源が存在する方向と距離を決定するものから構成される。
【0031】
この構成により、現在位置から発生源が存在する方向と距離を決定することにより、ユーザが容易に発生源の存在位置を把握することができる。
【0032】
また、本発明の大気成分情報取り扱い装置は、施設情報整合判定手段を有するとともに、前記地図記録手段が地図情報として少なくとも道路情報および施設情報を含む地図情報を記憶しており、前記施設情報整合判定手段は、前記大気成分対応推定手段から得られた前記発生源情報と前記発生源位置推定手段から得られた前記発生源の存在位置情報とに基づいて、前記地図記録手段から得られた施設情報の整合性を判定するものから構成される。
【0033】
この構成により、大気成分より推定した発生源情報および発生源の存在位置に基づいて地図に記録された施設情報に対する整合を判定することにより、過去の施設情報が現在の状況と一致しているか否かを確認することができる。
【0034】
また、本発明の大気成分情報取り扱い装置は、前記施設情報整合判定手段から得られた整合性の判定結果に基づいて、前記施設情報の追加・消去・編集を行う施設情報編集手段を備えたものから構成される。
【0035】
この構成により、大気成分より推定した発生源情報および発生源の存在位置に基づいて地図に記録された施設情報に対する整合を判定して過去の施設情報が現在の状況と一致しているか否かを確認した結果に基づき、施設情報の追加・消去・編集を行うことにより、過去の施設情報を現在の状況に合わせて修正することができる。
【0036】
また、本発明の経路探索装置は、少なくとも悪臭の発生位置を特定する悪臭情報を含む地図情報を記録する地図記録手段と、前記地図記録手段に記録された前記地図情報を参照し、少なくとも地図上の与えられた2地点間の経路を算出する経路探索手段と、前記経路探索手段によって算出された経路を出力する出力手段とを備え、前記経路探索手段は、前記悪臭検出位置を含む道路を回避するものから構成される。
【0037】
この構成により、悪臭が発生する道路を回避した経路を提示することにより、ユーザにとって快適な走行環境を実現する経路を提示することができる。
【0038】
また、本発明の経路探索装置は、移動体の現在位置を検出する位置検出手段と、前記経路探索手段から得られた経路上を誘導案内する経路誘導手段とを備え、前記出力手段は、前記経路誘導手段から得られた案内情報を出力するものから構成される。
【0039】
この構成により、悪臭地点を避ける経路を誘導案内することができるので、快適な走行環境を実現する経路を安心して走行することができる。
【0040】
また、本発明の危険地点検出装置は、移動体の現在位置を検出する位置検出手段と、少なくとも予め決められた危険度の高い大気成分を検出する危険成分検出手段と、前記危険成分検出手段によって危険成分が検出された場合に、少なくとも前記位置検出手段で検出された現在位置を出力する危険成分検出位置出力手段とを備えたものから構成される。
【0041】
この構成により、移動体で検出した危険度の高い大気成分の検出位置情報を得ることができるので、危険地点の情報を容易に収集することができる。
【0042】
また、本発明の危険地点検出装置の前記危険成分検出手段は、危険度の高い大気成分として可燃性ガス成分を検出するものから構成される。
【0043】
この構成により、ガス漏れの検知を簡単に行うことができる。
【0044】
また、本発明の危険地点検出装置の前記危険成分検出手段は、前記危険度の高い大気成分として予め決められた物質を燃やしたときの燃焼ガス成分を検出するものから構成される。
【0045】
この構成により、火災の検知を簡単に行うことができる。
【0046】
また、本発明の危険地点検出装置は、前記危険成分検出位置出力手段から出力される位置情報を記録する危険成分検出位置記録手段を備えたものから構成される。
【0047】
この構成により、データ収集後に検出位置の解析を行うことができ、データベース化された危険成分情報と位置情報とを有効利用することができる。
【0048】
また、本発明の危険地点検出装置は、前記危険成分検出位置出力手段から出力される位置情報を情報収集センターに通信する通信手段を備えたものから構成される。
【0049】
この構成により、複数の危険地点検出装置からの情報を一括して集積することができるとともに、膨大な危険地点情報をリアルタイムで処理することができる。
【0050】
また、本発明の大気成分情報提供装置は、少なくとも大気成分と大気成分の検出位置を関連付けて記録した情報を取得する大気成分検出情報取得手段と、大気成分検出情報記録手段で取得した前記関連情報を通知する通知手段を備えたものから構成される。
【0051】
この構成により、検出された大気成分と位置とを関連付けてユーザに通知することができるので、ユーザが検出状況を容易に把握することができる。
【0052】
また、本発明の大気成分情報提供装置の前記通知手段は、視覚的、聴覚的または体感的に通知を行うものから構成される。
【0053】
この構成により、表示装置による視覚的な通知、音声出力装置による聴覚的な通知、またはバイブレータ等による体感的な通知によって検出された大気成分と位置とを関連付けてユーザに通知することができるので、ユーザが検出状況を容易に把握することができる。
【0054】
また、本発明の大気成分情報提供装置は、地図情報が記録された地図記録手段を備え、前記通知手段は、前記地図記録手段から取得した地図情報に、少なくとも前記位置検出手段で得られた位置情報を重ねて表示するものから構成される。
【0055】
この構成により、ユーザが大気成分の検出位置を視覚的に容易に把握することができる。
【発明の効果】
【0056】
以上説明したように、周囲の大気成分情報の分析結果を位置情報と関連付けてデータベース化することにより、データベースを有効利用することができる大気成分情報取り扱い装置を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0057】
図1は本発明に係る大気成分情報取り扱い装置の第1の実施の形態を示す図である。
【0058】
まず、構成を説明する。図1において、大気成分情報取り扱い装置は、大気成分分析手段1、位置検出手段2、大気成分検出情報記録手段3、自動記録手段4、地図記録手段5、出力手段6および画像情報記録手段7を備えている。
【0059】
大気成分分析手段1は、大気成分の中のにおいを検出してにおいの種類およびその強さと方向を分析し、分析結果を出力するようになっている。位置検出手段2は移動体としての車両の現在位置を検出するものであり、自車の回転角速度を検出する角速度センサおよび自車の走行距離を検出する距離センサを含む自律航法センサと、車両の現在位置と現在方位を衛星航法で測位するGPS受信機と、自律航法センサおよびGPS受信機からの入力に基づいて自車位置を計算する自車位置計算装置とを含んで構成される。
【0060】
大気成分検出情報記録手段3は、ハードディスク、DVD、CD等のメモリ装置から構成されており、位置検出手段2が検出した位置情報に大気成分分析手段1が分析した大気成分を関連付けて記録するようになっている。
【0061】
自動記録手段4は、タイマーを内蔵しており、車両の移動に伴って大気成分検出情報記録手段3に予め決められたタイミングで位置情報を記録するようになっている。
【0062】
地図記録手段5は、地図情報として道路地図や施設データからなる地図データベースが記録されており、このデータベースは予め地図記録手段5に記録されたものでも良く、インターネット上のサーバから地図記録手段5にダウンロードされたものでも良い。
【0063】
また、位置検出手段2は、地図記録手段5に記録された地図上における現在位置を決定するようになっている。
【0064】
出力手段6は、通知手段を構成するものであり、大気成分検出情報記録手段3に記録された位置情報と大気成分の関連情報を通知するようになっている。なお、出力手段6は関連情報を視覚的に通知する液晶ディスプレイ、聴覚的に通知する音声出力装置、または体感的に通知をバイブレータの何れか1つ、または2つ以上を組み合わせたものから構成することが可能である。
【0065】
特に、出力手段6として液晶表示ディスプレイを用いた場合には、地図記録手段5から取得した地図情報に、位置検出手段2で得られた位置情報を重ねて表示し、その際に、大気成分分析手段1で得られた大気成分の種類毎に異なる表示を行うように構成される。異なる表示としては、大気成分が悪臭の場合には、ごみ袋のマークを表示し、甘いにおいであれば、甘い物を連想するケーキのマークを表示したり、あるいは、文字そのものを強調したり、色を変える等の方法がある。
【0066】
また、画像情報記録手段7は、イングジェットプリンタ等から構成されており、出力手段6から出力される表示画像を記録紙に記録するようになっている。
【0067】
以上のように構成された大気成分情報取り扱い装置にあっては、大気成分分析手段1によってにおい、強さ、方向を検出して、そのにおいの種類、強さ、方向を解析した後、位置検出手段2によって現在位置を取得し、その現在位置が地図記録手段5の地図データベースのどの位置にあるのかを決定する。
【0068】
次いで、自動記録手段4により一定時間毎(例えば、10s毎)ににおい情報と位置情報とを関連づけて大気成分検出情報記録手段3に記録する。このにおい情報と位置情報は出力手段6によりユーザに液晶ディスプレイによって表示されるとともに、画像情報記録手段7によって記録紙に記録される。
【0069】
このように本実施の形態では、大気からにおいを検出してそのにおいを分析するとともに、そのにおい情報と車両の位置情報を関連付けて大気成分検出情報記録手段3に記録するようにしたので、周囲の大気成分の分析結果とその検出位置の情報を関連付けて記録したデータベースを得ることができ、このデータベースに基づいて大気成分と検出位置によるデータ解析を行い、このデータ解析結果を有効利用することができる。
【0070】
また、大気成分として、においを検出したので、より効率的に大気中の成分を収集することができる。また、においの中で悪臭を検出すれば、環境状況の調査をポイントを絞って効率的に実施することができる。
【0071】
また、車両の移動に伴い、大気成分検出情報記録手段3に予め決められたタイミングで位置情報を記録する自動記録手段4を設けたので、車両の移動に伴って自動的に大気成分と大気成分の検出位置の情報を収集することができ、広範囲に亘って効率良く情報の収集を行うことができる。
【0072】
また、地図記録手段5に記録された地図上における現在位置を決定するので、ユーザが地図上の位置を考慮しなくても、大気成分の検出結果と検出位置を容易に把握することができる。特に、地図上の位置を地図記録手段5に記録された道路から構成したので、道路上を車が走っていることで、位置算出の推定範囲が狭くなり、車の位置の算出精度が向上するとともに、位置補正を行うことができる。さらに、車の位置からの相対位置で算出するため、大気成分の検出位置の算出精度を高くすることができる。
【0073】
また、大気成分検出情報記録手段3に記録された関連情報を液晶ディスプレイ、スピーカまたはバイブレータ等によってユーザに通知したので、ユーザが検出状況を容易に把握することができる。
【0074】
また、液晶ディスプレイに関連情報を表示する場合には、地図記録手段5から取得した地図情報に、位置検出手段2で得られた位置情報を重ねて表示すれば、ユーザが大気成分の検出位置を視覚的に容易に把握することができる。
【0075】
また、出力手段6を液晶ディスプレイで構成した場合には、大気成分分析手段1で得られた大気成分の種類毎に異なる表示を行うようにすれば、ユーザが視覚的に検出された大気成分を一目で識別することができる。
【0076】
さらに、画像情報を記録する画像情報記録手段7を設け、出力手段6から出力される表示画像を記録紙に記録するようにしたので、ユーザが容易に検出情報を再確認することができる。
【0077】
図2、図3は本発明に係る大気成分情報取り扱い装置の第2の実施の形態を示す図であり、第1の実施の形態と同様の構成には、同一番号を付して説明を省略する。
【0078】
図2において、本実施の形態の大気成分情報取り扱い装置は、第1の実施の形態の構成に加えて、大気成分対応推定手段11、風向検出手段12、発生源位置推定手段13を備えたものから構成される。
【0079】
大気成分対応推定手段11は、大気成分の種類と発生源の位置との対応関係を推定するようになっている。具体的には、自車位置を中心した周囲の大気成分のにおいの種類(悪臭、甘いにおい、辛いにおい)、強さ、方向からその発生源(地域や施設)を推定する。
【0080】
風向検出手段12は、周囲の風の強さ、方向、湿度、走行速度等を検出してこの検出情報を発生源位置推定手段13に出力する。発生源位置推定手段13は、車両の現在位置に対して大気成分分析手段1が検出した大気成分の検出状況に基づいて、大気成分対応推定手段11が推定した発生源が存在する方向と距離を決定して発生源を特定するようになっている。
【0081】
具体的には、風向検出手段12は、周囲の風の強さを計測するものであり、検出した相対的な風の強さに車両の走行速度を加味することで周囲の絶対的な風の強さを計測する。なお、絶対的な風の強さとは車両が停止しているときに受けるはずの強さであり、相対的な強さは上述したように風向検出手段12が実際に検出する風の強さである。
【0082】
また、大気成分対応推定手段11は、においの強さから距離を推定するようになっており、においの強度を以下の6段階で分類するようにしている。なお、6段階に分類せずにさらに細かく分類しても良い。
0:無臭
1:やっと感知できるにおい
2:何のにおいであるのか分かる弱いにおい
3:楽に感知できるにおい
4:強いにおい
5:強烈なにおい
大気成分対応推定手段11は、複数の位置でどの強度で、どの方向からにおいを検知したかを記録しておき、他の位置で検知したにおいと比較することで発生源を推定する。
【0083】
次に、図3、図4に基づいてにおいマップの作成方法を説明する。
【0084】
図3において、大気成分分析手段1によってにおいの種類、強さ、方向を検出した後、大気成分対応推定手段11を用いて自車位置を中心とする周囲の発生源を推定した周辺においマップ21を作成する。
【0085】
また、周辺においマップ21の作成と同時に地図記録手段5の地図データベース上の現在位置を位置検出手段2によって決定して周辺地図マップ22を作成した後、風向検出手段12によって周囲の風の強さ、方向、湿度、走行速度等を検出し、その検出情報と上述した周辺においマップ21および周辺地図マップ22とに基づいて発生源位置推定手段13によりにおいの発生地点を決定してにおいマップ23を作成する。このにおいマップ23は、甘いものがにおう施設がどこにあるのか、辛いものがにおう施設がどこにあるのか、悪臭を放つ施設がどこにあるのか等のにおいの種類と発生源の具体的な位置とを関連付けたマップである。
【0086】
具体的には、車両が複数の箇所を走行したときに地図記録手段5の地図データベース上地点登録を行い、複数の地点での同一のにおいに対して、車両が発生源の西側と東側を走行した場合等の挟み込みを行うことにより、においの発生地点の推定を行う。
【0087】
例えば、ある地点で西側で計測した強度が"4"、東側で計測した強度が"2"の場合には、発生源は西側に近い部分であるものと推定する。また、ある地点の西側で計測した強度が"2"、東側で計測した強度が"3"の場合には、発生源は西側から3/5東側に移動した地点と推定する。
【0088】
次いで、自動記録手段4によってにおい情報と発生源の存在位置情報を関連付けたにおいマップ23を大気成分検出情報記録手段3に記録する。また、このにおいマップ23に記憶されたにおい情報と発生源位置情報は出力手段6によって液晶ディスプレイ、スピーカまたはバイブレータ等によってユーザに通知した後、画像情報記録手段7により表示画像を記録紙に記録する。
【0089】
このように本実施の形態では、大気成分の種類、強さ、方向、湿度、走行速度と発生源の位置との対応関係を推定する大気成分対応推定手段11を設け、大気成分検出情報記録手段3が、位置検出手段2によって検出された位置情報に、大気成分対応推定手段11によって推定された大気成分の種類と発生源の位置との対応関係を関連付けて記録するようにしたので、ユーザが発生源の影響範囲を容易に把握することができる。
【0090】
また、発生源の存在位置を決定する発生源位置推定手段13を設け、この発生源位置推定手段13が、車両の現在位置に対して大気成分分析手段1が検出した大気成分の検出状況に基づいて、大気成分対応推定手段11が推定した発生源が存在する方向と距離を決定するので、ユーザが容易に発生源の存在位置を把握することができる。
【0091】
図5、図6は本発明に係る大気成分情報取り扱い装置の第3の実施の形態を示す図であり、第1の実施の形態と同様の構成には、同一番号を付して説明を省略する。
【0092】
図5において、本実施の形態の大気成分情報取り扱い装置は、第1の実施の形態の構成に加えて、大気成分対応推定手段11、風向検出手段12、発生源位置推定手段13、施設情報整合判定手段31および施設情報編集手段32を備えたものから構成される。
【0093】
大気成分対応推定手段11は、大気成分の種類と発生源の位置との対応関係を推定するようになっている。具体的には、大気成分の種類として、例えば、甘いもの、辛いもの、悪臭等とその大気成分が発生する地域や施設(発生源)を推定する。
【0094】
風向検出手段12は、周囲の風の強さ、方向、湿度、走行速度等を検出してこの検出情報を発生源位置推定手段13に出力する。発生源位置推定手段13は、車両の現在位置に対して大気成分分析手段1が検出した大気成分の検出状況に基づいて、大気成分対応推定手段11が推定した発生源が存在する方向と距離を決定して発生源を特定するようになっている。
【0095】
施設情報整合判定手段31は、大気成分対応推定手段11が推定した発生源情報と発生源位置推定手段13が特定した発生源の存在位置情報とから施設情報の整合性を判定するようになっている。
【0096】
施設情報編集手段32は、施設情報整合判定手段31による整合性の判定結果に基づいて地図記録手段5上の施設情報の追加・消去・編集を行うようになっており、タッチパネル、キーボード等の操作部材から構成されている。
【0097】
次に、図6に基づいて施設情報確認・編集方法を説明する。
【0098】
まず、図3に示すものと同様に、大気成分分析手段1によってにおいの種類、強さ、方向を検出した後、大気成分対応推定手段11を用いて自車位置を中心とする周囲の発生源を推定した周辺においマップ21を作成する。
【0099】
また、周辺においマップ21の作成と同時に地図記録手段5の地図データベース上の現在位置を位置検出手段2によって決定して周辺地図マップ22を作成した後、風向検出手段12によって周囲の風の強さ、方向、湿度、走行速度等を検出し、その検出情報と上述した周辺においマップ21および周辺地図マップ22とに基づいて発生源位置推定手段13によりにおいの発生地点を決定してにおいマップ23を作成する。
【0100】
次いで、自動記録手段4によってにおい情報と発生源の存在位置情報を関連付けたにおいマップ23を大気成分検出情報記録手段3に記録する。また、このにおいマップ23に記憶されたにおい情報と発生源位置情報は出力手段6によって液晶ディスプレイ、スピーカまたはバイブレータ等によってユーザに通知した後、画像情報記録手段7により表示画像を記録紙に記録する。
【0101】
においマップ23は、図6(a)に示すように、それぞれのにおい情報aaa、aab、abaと施設情報を固定し、施設情報編集手段32によって入力することにより、においランドマーク情報を大気成分検出情報記録手段3に記録する。なお、日によってにおいの強度が異なることも考えられるため、例えば、ラーメンのにおいからラーメン屋での位置を推定する場合でそのにおいが持つ強度でないとしても、統計的な処理(同一の強度のにおいを検出する日が多い等)によって対処し、大きな分類とした場合には、ラーメンとしてにおいマップに記録する。
【0102】
次いで、施設情報整合判定手段31により、地図記録手段5の施設情報とにおいの発生源の存在位置情報との整合性の判定を行い、整合性の判定結果に基づき施設情報編集手段32を用いて施設情報の追加・消去・編集を行う。
【0103】
具体的には、施設情報整合判定手段31は図6(b)に示すように、においランドマーク情報41とにおいランドマーク情報42とを比較し、例えば、施設の新規開店や移転、閉店等によってにおい情報と位置情報の整合の取れていない場合に、整合性の取れていない施設情報を強調して液晶ディスプレイ上に表示する等してユーザに通知する。ユーザは施設情報編集手段32を用いてにおいランドマーク情報42の施設情報の追加・消去・編集を行う。
【0104】
このように本実施の形態では、大気成分対応推定手段11から得られた発生源情報と発生源位置推定手段13から得られた発生源の存在位置情報とに基づいて、地図記録手段5から得られた施設情報の整合性を判定する施設情報整合判定手段31を設けたので、過去の施設情報が現在の状況と一致しているか否かを確認することができる。
【0105】
なお、施設情報編集手段32は、ランドマーク情報42の施設情報の追加・消去・編集を自動更新するように構成されるものでも良い。
【0106】
また、施設情報整合判定手段31から得られた整合性の判定結果に基づいて、施設情報の追加・消去・編集を行う施設情報編集手段32を設けたので、過去の施設情報を現在の状況に合わせて修正することができる。
【0107】
図7、図8は本発明に係る経路探索装置の第1の実施の形態を示す図である。
【0108】
まず、構成を説明する。図7において、本実施の形態の経路探索装置は、悪臭情報記録手段51、地図記録手段52、位置検出手段53、経路探索手段54、出力手段55および経路誘導手段56を備えている。
【0109】
悪臭情報記録手段51は悪臭の発生位置を特定する悪臭情報を含む地点情報が記録されており、この悪臭情報は地図記録手段52の地図上に合成される。
【0110】
地図記録手段52は、地図情報として道路地図や施設データからなる地図データベースが記録されており、このデータベースは予め地図記録手段52に記録されたものでも良く、インターネット上のサーバから地図記録手段52にダウンロードされたものでも良い。
【0111】
位置検出手段53は移動体としての車両の現在位置を検出するものであり、自車の回転角速度を検出する角速度センサおよび自車の走行距離を検出する距離センサを含む自律航法センサと、車両の現在位置と現在方位を衛星航法で測位するGPS受信機と、自律航法センサおよびGPS受信機からの入力に基づいて自車位置を計算する自車位置計算装置とを含んで構成される。
【0112】
経路探索手段54は地図記録手段52の地図情報を参照し、図示しない操作部から入力された2地点間(例えば、出発点と目的地)の経路を算出するようになっており、悪臭検出位置を含む道路を回避する。
【0113】
出力手段55は液晶ディスプレイから構成されており、経路探索手段54によって得られた経路を表示するようになっている。経路誘導手段56は経路探索手段54から得られた経路上を悪臭検出位置を含む道路を回避しながら誘導案内して運転手を目的地までガイドするようになっている。
【0114】
次に、図8に基づいて経路探索方法を説明する。
【0115】
まず、悪臭情報記録手段51によって記録された悪臭情報を地図記録手段52を用いて地図上に記録した後、経路探索手段54によって悪臭検出地点61を迂回する経路62を算出し、経路探索手段54で得られた経路を出力手段55によって表示する。
【0116】
次いで、位置検出手段53より検出された車両の現在位置に基づいて経路探索手段54で得られた経路を経路誘導手段56により誘導案内する。このとき、悪臭検出地点を迂回するように誘導案内を行う。
【0117】
このように本実施の形態では、悪臭検出61を含む道路を回避した迂回ルート62を提示するようにしたので、ユーザにとって快適な走行環境を実現する経路を提示することができる。
【0118】
また、悪臭検出61を含む道路を回避した迂回ルート62を誘導するようにしたので、快適な走行環境を実現する経路を安心して走行することができる。
【0119】
図9、図10は本発明に係る危険地点検出装置の第1の実施の形態を示す図であり、第1の実施の形態と同様の構成には同一番号を付して説明を省略する。
【0120】
まず、構成を説明する。図9において、危険地点検出装置は、位置検出手段2および地図記録手段5に加えて、危険成分検出手段71、危険成分検出位置出力手段72、危険成分検出位置記録手段73および無線通信手段(通信手段)74を備えている。
【0121】
危険成分検出手段71は、予め決められた危険度の高い大気成分を検出するようになっており、危険度の高い大気成分として可燃性ガス成分と予め決められた物質を燃やしたときの燃焼ガス成分とを検出するようになっている。
【0122】
危険成分検出位置出力手段72は、危険成分検出手段71によって危険成分が検出された場合、位置検出手段2からの位置情報に基づいて危険成分が検出された現在位置を出力するようになっている。
【0123】
危険成分検出位置記録手段73は危険成分検出位置出力手段72から入力した位置情報を記録するようになっており、ハードディスク、DVD、CD等のメモリ装置から構成される。
【0124】
無線通信手段74は、図10に示すように危険成分検出位置出力手段72から出力される位置情報を通信回線を介して情報収集センター75に送信するようになっており、通信手段を構成している。
【0125】
次に、危険地点検出方法を説明する。
【0126】
まず、危険成分検出手段71によって危険成分が検出された場合には、危険成分検出位置出力手段72が位置検出手段2と地図記録手段5により算出された地図上の現在位置に基づいて危険成分の検出位置を特定する。
【0127】
次いで、危険成分検出位置情報を危険成分検出位置記録手段73に記録するとともに、無線通信手段74により通信回線を介して情報収集センター75に送信する。ここで、図10に示すように危険成分が可燃性ガス76であれば、可燃性ガス76の危険成分検出位置情報を情報収集センター75に送信し、危険成分が燃焼ガス77であれば、燃焼ガス77の危険成分検出位置情報を情報収集センター75に送信する。
【0128】
このように本実施の形態では、車両の現在位置を検出する位置検出手段2と、危険度の高い大気成分を検出する危険成分検出手段71と、危険成分検出手段71によって危険成分が検出された場合に、位置検出手段2で検出された現在位置を出力する危険成分検出位置記録手段73とを設けたので、車両で検出した危険度の高い大気成分の検出位置情報を得ることができ、危険地点の情報を容易に収集することができる。
【0129】
また、危険度の高い大気成分として可燃性ガス成分を検出するようにしたので、ガス漏れの検知を簡単に行うことができる。また、危険度の高い大気成分として予め決められた物質を燃やしたときの燃焼ガス成分を検出するようにしたので、火災の検知を簡単に行うことができる。
【0130】
また、危険成分検出位置出力手段72から出力される位置情報を記録する危険成分検出位置記録手段73を設けたので、データ収集後に検出位置の解析を行うことができ、データベース化された危険成分情報と位置情報とを有効利用することができる。
【0131】
また、危険成分検出位置記録手段73から出力される位置情報を情報収集センター75に送信する無線通信手段74を設けたので、複数の危険地点検出装置からの情報を一括して集積することができるとともに、膨大な危険地点情報をリアルタイムで処理することができる。
【0132】
図11は本発明に係る大気成分情報提供装置の第1の実施の形態を示す図であり、第1の実施の形態と同様の構成には同一番号を付して説明を省略する。
【0133】
図11において、本実施の形態の大気成分情報提供装置は、位置検出手段2、地図記録手段5および通知手段を構成する出力手段6に加えて大気成分検出情報取得手段81を備えている。
【0134】
本実施の形態では、大気成分検出情報取得手段81により、大気成分検出情報記録手段3から大気成分と大気成分の検出位置を関連づけて記録された大気成分検出情報80を取得した後、出力手段6によって液晶ディスプレイに表示を行う。また、液晶ディスプレイに表示を行う場合には、地図記録手段5から取得した地図情報に、位置検出手段2で得られた位置情報を重ねて表示する。なお、出力手段6は液晶ディスプレイではなく、音声出力装置による聴覚的な通知、またはバイブレータ等による体感的な通知を行うものであっても良い。
【0135】
このように本実施の形態では、大気成分と大気成分の検出位置を関連付けて記録した情報を取得する大気成分検出情報取得手段81と、大気成分検出情報記録手段81で取得した関連情報を表示する出力手段6を備えたので、ユーザが検出状況を容易に把握することができる。
【0136】
また、液晶ディスプレイによる視覚的な通知によって検出された大気成分と位置とを関連付けてユーザに通知することができるので、ユーザが検出状況を容易に把握することができる。
【0137】
また、地図記録手段5から取得した地図情報に位置検出手段2で得られた位置情報を重ねて表示するようにしたので、ユーザが大気成分の検出位置を視覚的に容易に把握することができる。
【産業上の利用可能性】
【0138】
以上のように、本発明に係る大気成分情報取り扱い装置は、周囲の大気成分情報の分析結果を位置情報と関連付けてデータベース化することにより、データベースを有効利用することができるという効果を有し、周囲の大気成分情報と位置情報を関連付けて取り扱うようにした大気成分情報取り扱い装置等として有用である。
【図面の簡単な説明】
【0139】
【図1】本発明の第1の実施の形態の大気成分情報取り扱い装置のブロック図
【図2】本発明の第2の実施の形態の大気成分情報取り扱い装置のブロック図
【図3】本発明の第2の実施の形態の大気成分情報取り扱い装置のにおいマップの作成手順を示す図
【図4】本発明の第2の実施の形態のにおいマップを示す図
【図5】本発明の第3の実施の形態の大気成分情報取り扱い装置のブロック図
【図6】(a)は本発明の第3の実施の形態のにおいランドマーク情報の作成手順を示す図、同図(b)は本発明のにおいランドマーク情報の確認・編集方法を示す図
【図7】本発明の本発明の第1の実施の形態の経路探索装置のブロック図
【図8】本発明の第1の実施の形態の経路探索の迂回ルートの表示例を示す図
【図9】本発明の第1の実施の形態の危険地点検出装置のブロック図
【図10】本発明の第1の実施の形態の危険地点検出装置の危険成分の位置情報を通信回線を介して情報収集センターに送信する状態を概念的に示す図
【図11】本発明の第1の実施の形態の大気成分情報提供装置のブロック図
【符号の説明】
【0140】
1 大気成分分析手段
2、53 位置検出手段
3 大気成分検出情報記録手段
4 自動記録手段
5、52 地図記録手段
6、55 出力手段(通知手段)
7 画像情報記録手段
11 大気成分対応推定手段
13 発生源位置推定手段
31 施設情報整合判定手段
32 施設情報編集手段
51 悪臭情報記録手段
54 経路探索手段
56 経路誘導手段
71 危険成分検出手段
72 危険成分検出位置出力手段
73 危険成分検出位置記録手段
74 無線通信手段(通信手段)
75 情報収集センター
81 大気成分検出情報取得手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
任意の大気成分を検出してその大気成分を分析する大気成分分析手段と、移動体の現在位置を検出する位置検出手段と、前記位置検出手段によって検出された位置情報に前記大気成分分析手段によって検出した大気成分に関する情報を関連付けて記録する大気成分検出情報記録手段とを備えたことを特徴とする大気成分情報取り扱い装置。
【請求項2】
前記大気成分分析手段は、少なくともにおいを検出することを特徴とする請求項1に記載の大気成分情報取り扱い装置。
【請求項3】
前記大気成分分析手段は、少なくとも悪臭を検出することを特徴とする請求項1に記載の大気成分情報取り扱い装置。
【請求項4】
前記移動体の移動に伴い、前記大気成分検出情報記録手段に予め決められたタイミングで前記関連情報を記録する自動記録手段を備えたことを特徴とする請求項1乃至請求項3の何れか1項に記載の大気成分情報取り扱い装置。
【請求項5】
地図情報が記録された地図記録手段を備え、前記位置検出手段は、前記地図記録手段に記録された地図上における現在位置を決定することを特徴とする請求項1乃至請求項4の何れか1項に記載の大気成分情報取り扱い装置。
【請求項6】
前記地図上の位置とは、前記地図記録手段に記録された道路であることを特徴とする請求項5に記載の大気成分情報取り扱い装置。
【請求項7】
大気成分検出情報記録手段に記録された前記関連情報を通知する通知手段を備えたことを特徴とする請求項1乃至請求項6の何れか1項に記載の大気成分情報取り扱い装置。
【請求項8】
前記通知手段は、視覚的、聴覚的または体感的な通知を行うことを特徴とする請求項7に記載の大気成分情報取り扱い装置。
【請求項9】
前記通知手段は、前記地図記録手段から取得した地図情報に、少なくとも前記位置検出手段で得られた位置情報を重ねて表示することを特徴とする請求項7または請求項8に記載の大気成分情報取り扱い装置。
【請求項10】
画像情報を記録する画像情報記録手段を備え、前記通知手段から出力される前記表示画像を記録することを特徴とする請求項9に記載の大気成分情報取り扱い装置。
【請求項11】
前記通知手段は、少なくとも前記大気成分分析手段で得られた大気成分の種類毎に異なる表示を行うことを特徴とする請求項7乃至請求項10の何れか1項に記載の大気成分情報取り扱い装置。
【請求項12】
少なくとも大気成分の種類と発生源の位置との対応関係を推定する大気成分対応推定手段を有し、前記大気成分検出情報記録手段は、前記位置検出手段によって検出された位置情報に、前記大気成分対応推定手段によって推定された大気成分の種類と発生源の位置との対応関係を関連付けて記録することを特徴とする請求項1乃至請求項11の何れか1項に記載の大気成分情報取り扱い装置。
【請求項13】
発生源の存在位置を決定する発生源位置推定手段を有し、
前記発生源位置推定手段は、前記移動体の現在位置に対して前記大気成分分析手段が検出した大気成分の検出状況に基づいて、前記大気成分対応推定手段が推定した前記発生源が存在する方向と距離を決定することを特徴とする請求項12に記載の大気成分情報取り扱い装置。
【請求項14】
施設情報整合判定手段を有するとともに、前記地図記録手段が地図情報として少なくとも道路情報および施設情報を含む地図情報を記憶しており、
前記施設情報整合判定手段は、前記大気成分対応推定手段から得られた前記発生源情報と前記発生源位置推定手段から得られた前記発生源の存在位置情報とに基づいて、前記地図記録手段から得られた施設情報の整合性を判定することを特徴とする請求項1乃至請求項13の何れか1項に記載の大気成分情報取り扱い装置。
【請求項15】
前記施設情報整合判定手段から得られた整合性の判定結果に基づいて、前記施設情報の追加・消去・編集を行う施設情報編集手段を備えたことを特徴とする請求項14に記載の大気成分情報取り扱い装置。
【請求項16】
少なくとも悪臭の発生位置を特定する悪臭情報を含む地図情報を記録する地図記録手段と、前記地図記録手段に記録された前記地図情報を参照し、少なくとも地図上の与えられた2地点間の経路を算出する経路探索手段と、前記経路探索手段によって算出された経路を出力する出力手段とを備え、
前記経路探索手段は、前記悪臭検出位置を含む道路を回避することを特徴とする経路探索装置。
【請求項17】
移動体の現在位置を検出する位置検出手段と、前記経路探索手段から得られた経路上を誘導案内する経路誘導手段とを備え、
前記出力手段は、前記経路誘導手段から得られた案内情報を出力することを特徴とする請求項16に記載の経路探索装置。
【請求項18】
移動体の現在位置を検出する位置検出手段と、少なくとも予め決められた危険度の高い大気成分を検出する危険成分検出手段と、前記危険成分検出手段によって危険成分が検出された場合に、少なくとも前記位置検出手段で検出された現在位置を出力する危険成分検出位置出力手段とを備えたことを特徴とする危険地点検出装置。
【請求項19】
前記危険成分検出手段は、危険度の高い大気成分として可燃性ガス成分を検出することを特徴とする請求項18に記載の危険地点検出装置。
【請求項20】
前記危険成分検出手段は、前記危険度の高い大気成分として予め決められた物質を燃やしたときの燃焼ガス成分を検出することを特徴とする請求項18に記載の危険地点検出装置。
【請求項21】
前記危険成分検出位置出力手段から出力される位置情報を記録する危険成分検出位置記録手段を備えたことを特徴とする請求項18乃至請求項20の何れか1項に記載の危険地点検出装置。
【請求項22】
前記危険成分検出位置出力手段から出力される位置情報を情報収集センターに送信する通信手段を備えたことを特徴とする請求項17乃至請求項21の何れか1項に記載の危険地点検出装置。
【請求項23】
少なくとも大気成分と大気成分の検出位置を関連付けて記録した情報を取得する大気成分検出情報取得手段と、大気成分検出情報記録手段で取得した前記関連情報を通知する通知手段を備えたことを特徴とする大気成分情報提供装置。
【請求項24】
前記通知手段は、視覚的、聴覚的または体感的な通知を行うことを特徴とする請求項23に記載の大気成分情報提供装置。
【請求項25】
地図情報が記録された地図記録手段を備え、前記通知手段は、前記地図記録手段から取得した地図情報に、少なくとも前記位置検出手段で得られた位置情報を重ねて表示することを特徴とする請求項23または請求項24に記載の大気成分情報提供装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2006−118981(P2006−118981A)
【公開日】平成18年5月11日(2006.5.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−307039(P2004−307039)
【出願日】平成16年10月21日(2004.10.21)
【出願人】(000005821)松下電器産業株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】