説明

大画面タッチスクリーン

【課題】22インチ以上の大画面を有するタッチスクリーンを提供する。
【解決手段】本発明のタッチスクリーンは、188μm〜2000μmの厚さを有する透明フィルム、および前記透明フィルムの一面または両面に形成された透明電極層を含み、前記透明フィルムおよび透明基板の一面または両面は紫外線照射処理、高周波処理またはプライマー処理が施されたことを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は大画面タッチスクリーンに関する。
【背景技術】
【0002】
コンピュータ、各種家電機器および通信機器の急速なデジタル化および高性能化に伴い、携帯可能なディスプレイの実現が切実に要求されている。携帯可能なディスプレイを実現するためには、ディスプレイ用電極材料は透明でありながらも、低い抵抗値を示すうえ、機械的に安定できるように高い柔軟性を示さなければならず、高温の熱膨張係数と類似の熱膨張係数を持っており、機器が過熱または高温の場合でも短絡が発生したり面抵抗の大きい変化が発生したりしてはならない。
【0003】
従前のITOフィルムおよびハードコーティングウインドウを有する構造は、機能層の製造のために多くの工程と層(layer)が増加することにより透過率、生産性の面で欠点を持っている。
【0004】
抵抗膜方式の場合、中間エアギャップによって22インチ以上の製造が難しい。
【0005】
かかる問題点を解決する方案として、伝導性物質を用いた印刷技術は、層の減少による透過率の増加を示す22インチ以上のタッチスクリーン入力装置を製造することが可能な方案を提示しようとする。
【0006】
通常のタッチスクリーン入力装置において、透明フィルム上に透明電極が形成される前に、ハードコーティング層が形成される。このような場合、構造層の増加が不可避となるにつれて、透過率が低下し且つ価格が上昇するという問題点がある。また、上述したようにハードコーティング層などの形成による製造価格の上昇や透過率の減少などといった多くの問題点を抱えており、抵抗膜方式タッチスクリーンの場合においては、中間のエアギャップによって22インチ以上の大画面タッチスクリーンの製造に困難さがあった。
【0007】
したがって、全体構造層の増加を防止しながらも、22インチ以上の大画面タッチスクリーンの製造を可能にするタッチスクリーン構造に対する要求が存在してきた。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
したがって、本発明は、上述した問題点を解決するためのもので、その目的は、22インチ以上の大画面を有するタッチスクリーンを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するために、本発明のある観点によれば、188μm〜2000μmの厚さを有する透明フィルム、および前記透明フィルムの一面または両面に形成された透明電極層を含み、前記透明フィルムの一面または両面は紫外線照射処理、高周波処理またはプライマー処理されたことを特徴とする、タッチスクリーンを提供する。
【0010】
本発明の一具体例において、前記透明電極層は印刷方式によって形成されたことを特徴とする。
【0011】
本発明の一具体例において、前記透明電極層は、ポリ−3,4−エチレンジオキシチオフェン/ポリスチレンスルホネート(PEDOT/PSS)からなることを特徴とする。
【0012】
本発明の一具体例において、前記透明電極層は、液晶高分子およびポリ−3,4−エチレンジオキシチオフェン/ポリスチレンスルホネート(PEDOT/PSS)を含む伝導性高分子組成物で製造されたことを特徴とする。
【0013】
本発明の一具体例において、前記透明電極層は、伝導性高分子(ポリ−3,4−エチレンジオキシチオフェン/ポリスチレンスルホネート、ポリアニリン)、炭素ナノチューブ、カーボンブラック、グラフェン、金属ナノAgまたはワイヤー、Cu、ITO(Indium-Tin Oxide)、ATO(antimony tin oxide)の少なくとも1種を透明接着剤と混合して組成した伝導性接着剤で形成されたことを特徴とする。
【0014】
本発明の一具体例において、前記液晶高分子はアクリル系であることを特徴とする。
【0015】
本発明の一具体例において、前記伝導性高分子組成物は1,4−ビス[3−(アクリロキシオキシ)プロピルオキシ]−2−メチルベンゼン)であることを特徴とする。
【0016】
本発明の具体例において、前記透明フィルムの外部面にハードコーティング層、指紋防止(AF、anti-fingerprint)層、光屈折遮断(AG、anti-glare)層、および反射光防止(AR、anti-reflection)層の少なくとも一つが形成されたことを特徴とする。
【0017】
本発明の一具体例において、前記透明フィルムは、ポリエチレンテレフタレート(polyethylene terephthalate、PET)、ポリエチレンナフタレート(polyethylene naphthalate、PEN)、ポリエーテルスルホン(polyether sulfone、PES)、ガラス、強化ガラス、ポリカーボネート(polycarbonate、PC)、環状オレフィン高分子(cyclic olefin copolymer、COC)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、TAC(triacetylcellulose)、二軸延伸ポリスチレン(Kレジン含有BOPS(biaxially oriented PS))、またはこれらの混合物からなることを特徴とする。
【0018】
本発明の一具体例において、前記透明フィルムは、誘電率2.9〜3.5のPET(polyethylene terephthalate)、誘電率7.5〜8のガラス、誘電率2.5〜7のシリコン系フィルム、誘電率6.5〜7のウレタン系フィルム、誘電率2.5〜4.5のポリメチルメタクリレート(PMMA)、および誘電率2.5〜3.5のポリカーボネート(PC)よりなる群から選ばれるいずれか一つからなることを特徴とする。
【0019】
本発明の一具体例において、前記透明フィルムのエッジにAg電極層をさらに含むことを特徴とする。
【0020】
本発明の一具体例において、前記Ag電極層は印刷方式によって形成されることを特徴とする。
【発明の効果】
【0021】
本発明に係るタッチスクリーンは、従来のタッチスクリーンに存在しているハードコーティング層の除去により透過度を向上させることができる。それだけでなく、全体構造層の減少により価格競争力においても優位を占めることができる。
【0022】
また、本発明に係るタッチスクリーンは、ハードコーティング層の除去によりタッチスクリーンの工程を減らすことができ、基材のフィルムの厚さを増加させて22インチ以上のタッチスクリーンを製造することができるという利点を持つ。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本発明に係る抵抗膜式タッチスクリーンを概略的に示す断面図である。
【図2】本発明に係る静電容量式タッチスクリーンを概略的に示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
本発明の目的、特定の利点および新規特徴は添付図面に連関する以下の詳細な説明と好適な実施例からさらに明白になるであろう。
なお、本発明を説明するにおいて、関連した公知の技術に対する具体的な説明が本発明の要旨を無駄に乱すおそれがあると判断される場合、その詳細な説明は省略する。
【0025】
以下、添付図面を参照して本発明の好適な実施例を詳細に説明する。
本発明の好適な実施例に係るタッチスクリーン入力装置は、188μm〜2000μmの厚さを有する透明フィルム、および前記透明フィルムの一面または両面に形成された透明電極層を含み、前記透明フィルムおよび透明基板の一面または両面は紫外線照射処理、高周波処理またはプライマー処理が施されたことを特徴とする。
【0026】
通常のタッチスクリーン入力装置では、ITO(Indium Tin Oxide)を透明電極として使用することにより、ITO蒸着の後にITO焼成工程の実施によって透明フィルムの撓みまたは歪み現象を引き起こすおそれがある。したがって、透明フィルムの撓み防止のために、両面にハードコーティング層を形成しなければならない。これは構造層の増加をもたらし、これにより透過率の低下および価格の上昇という様々な問題点を発生させる原因になった。よって、かかる問題点と従前の透明フィルムの柔軟性により、従前の製品は20インチ以上の大画面タッチスクリーンの製造に困難さがあった。
【0027】
ところが、上述したように本発明のタッチスクリーン入力装置は、厚さ188μm〜2000μmのフィルムを持つことができ、前述したように通常のタッチスクリーン入力装置では達成できなかったタッチスクリーンの製造が可能となる。
【0028】
このようなものは、本発明に使用される電極が伝導性高分子で製造されることにより、透明電極の形成の際に過度な熱または力が使用されないから、透明フィルムの撓み防止などのためのハードコーティング層を形成する必要もないため、製造上の多くの利点を持つ。
【0029】
また、前記透明電極は印刷方式によって形成できるが、印刷方式としてはグラビア印刷、スクリーン印刷、オフセット印刷、インクジェット印刷などが使用できる。この場合、伝導性高分子(例えばポリ−3,4−エチレンジオキシチオフェン/ポリスチレンスルホネート(Bayer社製、AGFA社製)、ポリアニリン)、炭素ナノチューブ、カーボンブラック、グラフェン、金属ナノAgまたはワイヤー、Cu、ITO(Indium-Tin Oxide)、ATO(antimony tin oxide)のいずれか1種または2種以上を透明接着剤と混合して組成した伝導性接着剤を用いて、各印刷方式に適した粘度として使用できる。
【0030】
前記透明電極は、低い面抵抗値などの理由により、ポリ−3,4−エチレンジオキシチオフェン/ポリスチレンスルホネート(PEDOT/PSS)からなることが好ましい。より好ましくは、伝導性高分子および液晶高分子を含む伝導性高分子組成物が使用できる。
【0031】
液晶高分子は液晶性と高分子の特性を同時に示す化合物であって、液晶は、固体と液体の中間状態であって、固体とは異なり、位置の規則性(positional order)はないが、方向性(orientational order)を持つことにより固有の特性を示し、何の秩序度(order)もない液体とは差別化される性質を示す。
【0032】
上述したように、液晶高分子は、液晶固有の方向性特性をそのまま保有しており、これにより伝導性高分子組成物と混合してコートする場合、伝導性高分子の形態および配列に影響を及ぼす。これにより、液晶高分子の高い秩序度により伝導性高分子の秩序度も上昇すると同時に、このような組成物からなるフィルムの伝導度を急激に高めることができる。
【0033】
通常、伝導性高分子の伝導度を向上させるためには、2次ドーパントと呼ばれる極性溶媒を主に使用するが、この場合にも、1000Ω/□の面抵抗が実現可能な限界値であった。また、フィルム特性の確保のために添加剤としてバインダーを使用することが不可避であるが、バインダー使用の場合、面抵抗特性の低下を回避することができない。
【0034】
ところが、上述したように液晶高分子を添加する場合、バインダーの使用を遮断または最小化することができる追加的な利点によって、伝導度特性の低下を防止することができる。
【0035】
上述した液晶高分子は、重合された形態で使用し、あるいはモノマー形態で添加して使用することができる。使用される液晶モノマーはアクリル系であることが好ましく、1,4−ビス[3−(アクリロキシオキシ)プロピルオキシ]−2−メチルベンゼン(Merck社のRM257)またはMerck社のRM82などを使用することができ、単独でまたは1,6−ヘキサンジオールジアクリレート(HDDA)などの等方性モノマーと混合して使用することができるが、これに限定されない。
【0036】
使用される伝導性高分子としては、ポリ−3,4−エチレンジオキシチオフェン/ポリスチレンスルホネート(PEDOT/PSS)が好ましいが、これに限定されない。
【0037】
前記液晶高分子は、前記伝導性高分子の重量に対して0.1〜20重量部の範囲、好ましくは5〜10重量部の範囲で含まれることが好ましい。前記液晶高分子が5重量部未満で含まれる場合には、液晶高分子の使用による伝導性向上および接着性向上の効果が微々であり、前記液晶高分子が20重量部超過で含まれる場合には、相対的に伝導性高分子および溶媒などの使用が不十分なので、伝導度特性の低下などの欠点を持つことができる。
【0038】
上述したような伝導性高分子および液晶高分子を含む伝導性高分子組成物は、高分子組成物原液に液晶高分子を直接混合して使用することもでき、プラスチック基板に塗布した後で使用することもできる。
【0039】
前記伝導性高分子組成物で製造された伝導性高分子フィルムは10〜1000Ω/□の面抵抗値を持つことができる。
【0040】
また、透明電極層は、伝導性高分子(例えば、ポリ−3,4−エチレンジオキシチオフェン/ポリスチレンスルホネート(Bayer社製、AGFA社製)、ポリアニリン)、炭素ナノチューブ、カーボンブラック、グラフェン、金属ナノAgまたはワイヤー、Cu、ITO(Indium-Tin Oxide)、ATO(antimony tin oxide)のいずれか1種または2種以上を透明接着剤と混合して組成した伝導性接着剤を用いて、各印刷方式に適した粘度として使用できる。
【0041】
伝導性高分子フィルムのバインダーとして使用されるものは、例えばアクリル系、エポキシ系、エステル系、ウレタン系、エーテル系、カルボキシル系、アミド系などがあり、使用される基板の種類によって容易に選択可能である。
【0042】
また、前記伝導性高分子組成物は、伝導度特性を向上させるために2次ドーパントとして極性溶媒がさらに含まれることも可能である。
【0043】
前記2次ドーパントとしての極性溶媒は、ジメチルスルホキシド、N−メチルピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミド、N−ジメチルアセトイミドの少なくとも一つであり得る。
【0044】
また、前記伝導性高分子組成物は分散安定剤をさらに含むことができる。前記分散安定剤としては、エチレングリコール、ソルビトールなどが使用できる。
【0045】
それだけでなく、結合剤、界面活性剤、消胞剤などがさらに添加できる。
【0046】
また、前記透明フィルムの外部面にハードコーティング層、指紋防止(AF)層、光屈折遮断(AG)層および反射光防止(AR)層の少なくとも1種が形成できる。前記指紋防止層は、ハードコート剤の湿性を上げる方向に設計して、指紋成分が付着しても湿性が広がって目立たないようにする方法などが使用される。また、前記光屈折遮断層は、円偏光板原理およびパターン刻印技術などを用いて形成できるが、これに限定されない。前記反射光防止層は、屈折率を低めることにより反射率を低め、透明度をより向上させることができるという効果がある。
【0047】
前記透明フィルムは、ポリエチレンテレフタレート(polyethylene terephthalate、PET)、ポリエチレンナフタレート(polyethylene naphthalate、PEN)、ポリエーテルスルホン(polyether sulfone、PES)、ガラス、強化ガラス、ポリカーボネート(polycarbonate、PC)、環状オレフィン高分子(cyclic olefin copolymer、COC)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、TAC(triacetylcellulose)、二軸延伸ポリスチレン(Kレジン含有BOPS(biaxially oriented PS))、またはこれらの混合物、およびこれらが積層されたもので製造できる。
【0048】
また、静電容量方式の構造において、透明フィルムは、高誘電率を持つ材料を使用することが好ましい。高誘電率を持つ場合、静電容量が向上するにつれて敏感度が優秀になるという利点を持つ。
【0049】
よって、前記透明フィルムは、誘電率2.9〜3.5のPET、誘電率7.5〜8のガラス、誘電率2.5〜7のシリコン系フィルム、誘電率6.5〜7のウレタン系フィルム、誘電率2.5〜4.5のポリメチルメタクリレート(PMMA)、および誘電率2.5〜3.5のポリカーボネート(PC)よりなる群から選ばれるいずれか一つからなってもよい。
【0050】
また、前記透明フィルムの縁部には、透明電極に電圧を供給する電極がシルクスクリーン法、グラビア印刷法、インクジェット印刷法などで印刷できる。この際、電圧を供給する電極は、電気伝導度に優れた銀ペーストまたは有機銀で組成された物質を使用することが好ましいが、これに限定されず、伝導性高分子物質、カーボンブラック(CNTを含む)、ITOのような金属酸化物や金属類など抵抗の低い金属が使用できる。
【0051】
図1は本発明に係る抵抗膜式タッチスクリーン100の概略断面図、図2は本発明に係る静電容量式タッチスクリーン200の概略断面図である。
【0052】
まず、図1を参照すると、透明フィルム101の一面にプライマー処理によってプライマー層111を形成して接着力を向上させた。前記プライマー層111上に透明電極113が形成されており、抵抗膜式タッチスクリーンの特性に応じて透明電極113から一定の間隔を置いて下部にドットスペーサー115の形成された透明電極125が位置する。前記透明電極125は、同様に、透明基板117上に形成されたプライマー127上に形成される。前記ドットスペーサー115は、透明電極が互いに接触するときの衝撃を緩和し、透明フィルムに対して圧力が除去されたとき、押圧された透明電極が原位置に復帰するように反発力を提供する役割、または非使用の際に絶縁を提供する役割を果たす。よって、ドットスペーサー115は、弾力性を有し、画像表示装置から出力する画像が遮断されないように透明材質で形成することが好ましい。但し、透明電極が耐久性および柔軟性を有する場合であれば、堅い材質の使用も可能である。
【0053】
前記透明電極113および125は、電圧を供給するAg電極123に連結されている。抵抗膜方式では、前記透明電極113および124が対向して配置できるように両面接着テープ(DAT)が使用される。
【0054】
また、前記透明基板117は、両面接着テープを用いて画像表示装置119と接着される。ここで、画像表示装置119は液晶表示装置、PDP(Plasma Display Panel)、EL(Electroluminescence)またはCRT(Cathod Ray Tube)などを含む。また、図示してはいないが、画像表示装置119と透明基板117との間の空気層を除去して透明度を向上させるために、光学透明接着剤または光学透明フィルム(OCA、Optical Clear Adhesive)を使用することができる。
【0055】
また、透明フィルム101の他面、すなわち透明電極113が形成された反対面には、透明フィルム101を保護するためにカバーシート105などが形成される。ここで、カバーシート105はOCA103を介して透明フィルムと接着できる。
【0056】
また、前記カバーシート105には接着力の向上のために高周波処理またはプライマー処理層107が形成でき、前記高周波処理またはプライマー処理層107上にはハードコーティング層、 指紋防止(AF、anti-finger)層、光屈折遮断(AG、anti-glare)層および反射光防止(AR、anti-reflection)層などの機能性層109が形成できる。但し、前記カバーシート105が必ずしも要求されるのではなく、前記透明フィルム101に直ちに機能性層109が形成されてもよい。この場合にも、透明フィルム101に接着力向上のために高周波処理またはプライマー処理などが実施できる。
【0057】
図2を参照すると、抵抗膜式のタッチスクリーンとは異なり、静電容量式のタッチスクリーン200では空気層がないことが分かる。
【0058】
まず、透明フィルム201の両面に接着力向上のために高周波処理またはプライマー処理層203が形成され、前記高周波処理またはプライマー処理層203上に透明電極205および207が形成される。前記透明電極205の上部にはカバーシート209が形成できるが、この際、透明電極205とカバーシート209はOCA211を介して接着される。前記カバーシート209の他面にはハードコーティング層、指紋防止(AF)層、光屈折遮断(AG)層および反射光防止(AR)層などの機能性層213が形成できる。この場合にも、カバーシート209と機能性層213との接着力の向上のために高周波処理またはプライマー処理層215などが形成できる。また、抵抗膜式の場合と同様に、透明電極205および207に電圧を供給するためにAg電極217が形成された。
【0059】
また、前記透明電極207はOCA219を介してさらに透明電極221と接着でき、前記透明電極221は高周波処理またはプライマー処理層223の形成された透明基板225と結合する。
【0060】
前記透明基板225は、両面接着テープ227を用いて画像表示装置229と結合する。
【0061】
以上、本発明に係るタッチスクリーンを具体的な実施例によって詳細に説明したが、これは本発明を具体的に説明するためのものに過ぎない。本発明に係るタッチスクリーン用透明電極フィルムおよびその製造方法は、前述した説明に限定されず、本発明の技術的思想内において、当該分野における通常の知識を有する者によって変形または改良を加え得るのは明白であるといえる。
【0062】
本発明の単純な変形ないし変更はいずれも本発明の領域に属するものであり、本発明の具体的な保護範囲は特許請求の範囲によって明確になるであろう。
【符号の説明】
【0063】
100 抵抗膜式タッチスクリーン
200 静電容量式タッチスクリーン
101、201 透明フィルム
103、211 OCA
105、209 カバーシート
107、215 高周波処理またはプライマー処理層
109、213 機能性層
117、225 透明基板
119、229 画像表示装置
121、227 両面接着フィルム
123、217 Ag電極

【特許請求の範囲】
【請求項1】
188μm〜2000μmの厚さを有する透明フィルムと、
前記透明フィルムの一面または両面に形成された透明電極層とを含み、
前記透明フィルムの一面または両面は紫外線照射処理、高周波処理またはプライマー処理が施されたことを特徴とする、タッチスクリーン。
【請求項2】
前記透明電極層は印刷方式によって形成されたことを特徴とする、請求項1に記載のタッチスクリーン。
【請求項3】
前記透明電極層はポリ−3,4−エチレンジオキシチオフェン/ポリスチレンスルホネート(PEDOT/PSS)からなることを特徴とする、請求項1に記載のタッチスクリーン。
【請求項4】
前記透明電極層は、液晶高分子およびポリ−3,4−エチレンジオキシチオフェン/ポリスチレンスルホネート(PEDOT/PSS)を含む伝導性高分子組成物で製造されたことを特徴とする、請求項1に記載のたちスクリーン。
【請求項5】
前記透明電極層は、伝導性高分子(例えば、ポリ−3,4−エチレンジオキシチオフェン/ポリスチレンスルホネート(Bayer社製、AGFA社製)、ポリアニリン)、炭素ナノチューブ、カーボンブラック、グラフェン、金属ナノAgまたはワイヤー、Cu、ITO(Indium-Tin Oxide)、ATO(antimony tin oxide)の少なくとも1種を透明接着剤と混合して組成した伝導性接着剤で形成されたことを特徴とする、請求項1に記載のタッチスクリーン。
【請求項6】
前記液晶高分子はアクリル系であることを特徴とする、請求項4に記載のタッチスクリーン。
【請求項7】
前記伝導性高分子組成物で製造された伝導性高分子フィルムは10〜1000Ω/□の面抵抗値を有することを特徴とする、請求項4に記載のタッチスクリーン。
【請求項8】
前記液晶高分子は1,4−ビス[3−(アクリロキシオキシ)プロピルオキシ]−2−メチルベンゼン)であることを特徴とする、請求項4に記載のタッチスクリーン。
【請求項9】
前記透明フィルムの外部面にハードコーティング層、指紋防止(AF、anti-fingerprint)層、光屈折遮断(AG、anti-glare)層、および反射光防止(AR、anti-reflection)層の少なくとも一つが形成されたことを特徴とする、請求項1に記載のタッチスクリーン。
【請求項10】
前記透明フィルムは、ポリエチレンテレフタレート(polyethylene terephthalate、PET)、ポリエチレンナフタレート(polyethylene naphthalate、PEN)、ポリエーテルスルホン(polyether sulfone、PES)、ガラス、強化ガラス、ポリカーボネート(polycarbonate、PC)、環状オレフィン高分子(cyclic olefin copolymer、COC)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、TAC(triacetylcellulose)、二軸延伸ポリスチレン(Kレジン含有BOPS(biaxially oriented PS))、またはこれらの混合物からなることを特徴とする、請求項1に記載のタッチスクリーン。
【請求項11】
前記透明フィルムは、誘電率2.9〜3.5のPET(polyethylene terephthalate)、誘電率7.5〜8のガラス、誘電率2.5〜7のシリコン系フィルム、誘電率6.5〜7のウレタン系フィルム、誘電率2.5〜4.5のポリメチルメタクリレート(PMMA)、および誘電率2.5〜3.5のポリカーボネート(PC)よりなる群から選ばれるいずれか一つからなることを特徴とする、請求項1に記載のタッチスクリーン。
【請求項12】
前記透明フィルムのエッジにAg電極層をさらに含むことを特徴とする、請求項1に記載のタッチスクリーン。
【請求項13】
前記Ag電極層は印刷方式によって形成されることを特徴とする、請求項12に記載のタッチスクリーン。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate


【公開番号】特開2011−181062(P2011−181062A)
【公開日】平成23年9月15日(2011.9.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−238235(P2010−238235)
【出願日】平成22年10月25日(2010.10.25)
【出願人】(594023722)サムソン エレクトロ−メカニックス カンパニーリミテッド. (1,585)
【Fターム(参考)】