説明

大脳の認知力を用いた疾患治療・予防の方法および医薬

【課題】脳の認知能力を高めて、疾患を根本的に治癒させる方法を開発すること。
【解決手段】メジャートランキライザーと、ビタミンCまたはその塩とを組み合わせたことを特徴とする、疾患の処置または予防のための医薬、必要に応じて、点滴、抗うつ剤、鉄剤を併用することによって、脳の認知能力が上昇し、ひいては、種々のがんを含む任意の疾患の処置が可能であることを見出した。本発明はまた、疾患の処置または予防のための方法であって、メジャートランキライザーと、ビタミンCまたはその塩とを該疾患の罹患した被験体に投与する工程を包含する、方法を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、疾患の治療・予防の方法および医薬に関する。より詳細には、本発明は、大脳の認知力を用いた疾患治療・予防の方法および医薬に関する。
【背景技術】
【0002】
(脳の構造)
脳の構造は、この宇宙でもっとも神秘的なものといわれる。人間の脳は、まず大脳と小脳に分かれる。平易な言葉を用いれば、大脳は精神の働きをつかさどる部分、小脳は平衡感覚をつかさどる部分である。このふたつを比べてみると、小脳の重さは脳全体の11%ぐらいであり、大脳が大部分を占める。また、脳の縦断面を見てみると、中の方には、間脳、中脳、延髄があり、延髄は脊髄へと続いている。
【0003】
(脳は重い?!)
脳全体の重さはというと、男の人が1450グラムぐらい、女の人がちょっと小ぶりで1300グラムぐらいである。それでは、女の人の方がその分、頭が悪いのかというと、決してそんなことはない。重さと、頭のいい悪いは全く別の問題であることが分かっている。ところで、そのような重いものを頭にのせていたら肩が凝って困るのではないかが懸念されるが、そのようなことはない。脳は、外側から硬膜・クモ膜・軟膜という順に三重の膜で保護されており、そのクモ膜と軟膜の間に、髄液がおよそコップ一杯分入っている。2本の足で直立して歩くことによって、脳はほぼ垂直位になった脊柱に支えられ、実際の脳の重さを感じることはない。
【0004】
(脳のシワ)
脳の重さが頭のよしあしに関係ないとなれば、いったい何が関係するかが議論されている。昔からよくいうように、脳みそのシワの多い人が頭がいいのだという見解もある。人間の脳というのは、広さにすると2250平方センチ、つまり新聞片面の広さがある。これだけの広さのものが、狭い頭蓋骨の中に入っており、しようがないからたたんでしまってあるともいえる。
【0005】
従って、シワというのは、その折り目の部分を呼んだものであるといえる。人間の脳の表面積の三分の二は、このシワの溝の中に隠れていて、外からは見えないのである。シワについていえることは、脳を広げたときの表面積と、脳を入れる器の大きさの関係が、シワの数を決めるということだけなのである。
【0006】
(神経細胞のネットワーク)
このように、重さが関係ない、シワが関係ないとなると、何がいったい決め手になるか問題となる。問題となるのは、脳の神経細胞の数とその働きである。ところで、人間の脳の神経細胞は全部で140億個あるといわれているが、140億の神経細胞が全部できるのはいつであろうか。なんと、生まれた時すでに、みんな平等に、大人と同じ140億個の神経細胞ができあがっていることが知られている。
【0007】
神経細胞は原則、細胞分裂しない。また、全部で140億個あるとして、頭蓋骨の中でバランスをとったり安定するためにはその全部を必要とするようであるが、仮に神経細胞のある部分に障害があったとしても、全体の3%の神経細胞があれば十分普通の生活ができることが、養老孟司医師(元東大脳研教授)も報告している。ある部分が傷ついても健康なニューロンが長時間かけてとってかわると報告されている。
【0008】
神経細胞の形を見ると、ひとつの神経細胞からたくさんのトゲのようなものが出ている。普通、このトゲは数十本あるが、一本だけ長く伸びているのを神経線錐という。ちょうどウインナーソーセージをつないだような形をしているが、ずっと伸びてきたらいちばん最後のところ、神経線錐の末端になるところがふくらんでいる。ここを終末ボタン(terminal button)という。これが次のあるいは近くの神経細胞と接着する。決して溶けあって一本になってしまうのではない。重なりあって接着しているだけなのである。その結合様式が多くあればあるほどいいことになる。そして、この神経細胞のネットワークがたくさん緊密にできている脳がいいということになる。
【0009】
(ネットワークの形成)
ところで、この神経細胞のからみあいは、生後三か月になるとかなりたくさんできてくる。そして、15か月ともなるともっと複雑になり、3歳〜4歳ごろには基本的なネットワークが完成するといわれている。脳の大きさも生後4歳くらいで4倍になり大人とほぼ同じになる。幼児期の環境が大切だといわれるのも、このためなのである。
【0010】
(脳のチームワーク)
人間は毎日いろいろなことを記憶している。たとえば脳の神経細胞は140億あるといわれている。そこで、その記憶というのは、いったい脳のどこでするのかが問題となる。記憶は頭の前のところにある頭の前(前頭葉)で行われ、ここでは、ものごとを創り出す、あるいは考える、そういう人間らしいことをするところだということがわかっている。それから、頭の天頂はおもに運動に関係があり、頭の横のところは記憶だとか判断、聴覚、言語、といったものを担当している。頭の後ろは、ちょうど反対側にある目、つまり視覚をつかさどっている。このように、大脳のそれぞれの部分では分業が成立している。そして、この分業もてんでんばらばらというのではなくて、助け合ったり力を合わせたり、組織プレ−が実にうまく営まれている。であるので、分業体制がしっかりしていれば、それだけ脳の働きもいいということになる(図1)。
【0011】
(脳の神経細胞が減っていく)
脳の神経細胞も毎日6万個〜8万個死滅していき、年をとるにつれて壊れてくる数は多くなる。再生されないことから、減っていく一方なのである。だいたい40歳を過ぎるあたりから、その減り方が目立ってくる。神経細胞が計算上ゼロになってしまうのは230歳といわれている。40歳を過ぎたあたりから一日20万個ずつなくなっていき、1年間で7300万個ぐらいの割合といわれている。でも、たいしたことではないようである。
【0012】
日本の精神医学は精神分析的な方法論に傾きすぎていて、大脳の機能や構造を含めた研究、あるいは臨床に対する位置づけなどについて非常に立ち遅れている。これからはこういった領域を、もっと力を入れて研究していかねばならないが、ここでひとつ、わかりやすい例を挙げて、脳の働きについて考えてみる。
【0013】
われわれは日常、目を通して物や周囲の状況を見ているが、目に映ったものをすべて「見ている」かというと、そうではない。相手の顔を見ているとき、背後に花瓶があってもそれは「見ていない」のである。
【0014】
しかし、視覚の中枢の働きでそのような選択がおこなわれているとは考えられない。あるいは人と会話をしているとき、その会話の内容に関連して、過去の記憶が呼び覚まされたり、新しい推論、想像などが生まれたりするが、そういったものが聴覚の中枢で作られているとは誰も考えない。
【0015】
このように、何かに集中する、記憶を呼び覚ます、想像するといったことは、視覚の中枢、聴覚の中枢、あるいは記憶の中枢といったひとつの中枢だけでおこなわれているわけではない。こういうことから考えても、個々の中枢をそれぞれ分析的に捉えていくだけでなく、それらをコントロールしている大脳全体についてもっと研究しなければならない(図2)。
【0016】
ところで、欧米では1980年ごろから、「ソリューション・フォーカスト・アプローチ」(Solution Focused Approach/解決志向アプローチ)という考え方が出てきている(図6)。
【0017】
「悪いところを治療すると同時に、健康なところを早く確保する方が大事だ」という考え方である。
【0018】
これは従来、主として心療内科で暖昧ながらやられていたことで、自律神経失調症とか、身体的異常など、20世紀的な診断法で追究してもはっきり捉えられないもの、データが明確化しにくいものに対して、悪いところを見つけて治すより、よいところをできるだけ早く確立することで対応しようという考え方である。
【0019】
そういう意味では、従来の欧米人特有の、分析を主とした科学的方法論の逆をいくものである(ワイルダー・ペンフィールド氏(カナダ)は、分析的手法を提案し、カール・ラシュレー博士(英)は非分析的フェロニック的手法を提案する)。
【0020】
それが最近では、脳に対しても、「ソリューション・フォーカスト・アプローチ」の立場に立って、大脳の機能や脳の解剖学的な細胞構築といったものを考え直してみようという動きが盛んになりつつある。
【0021】
痛んだ部分はそれ以上広がらないように対処し、むしろずっと広大な領域としてある健康な部分を確保することによって、機能の回復をはかろうとするものである。
【0022】
そのためには、初期治療が大切なことは言うまでもない。ところが、他の疾患では当然のごとく、おこなわれている初期治療が、精神科ではほとんどおこなわれていないという現実がある。
【0023】
「ソリューション・フォーカスト・アプローチ」を大脳研究に当てはめると、従来のように、大脳の部分的な機能中枢を中心に捉えていくのではなく、大脳全体を考えていく方がむしろ大事なのではないかということになる。全体は必ずしも部分の総和ではない(フォロニック)。全体は全体であって、全体でバランスがとれ、安全を確認したときに初めて、大脳の高次の中枢が働くと考えられている(図3)。
【0024】
大脳研究において、部分よりも全体の方が大事だという考え方は、1920年代から40年代にかけて、サルで詳しい実験がおこなわれた結果、導き出されていた(カール・ラシュレー(英))。
【0025】
当時はこのような考え方は、分析的なカナダのワイルダー・ペンフィールドの知見が主流であり、主流にはなり得なかったのであるが、次第に世界的に広がっていき、1981年にはアメリカの精神生物学者ロジャー・スペリー(1922〜1994)が、大脳の左右半球における機能の研究でノーベル賞を受賞した。より細かく分析していくという従来のサイエンスの技法では、「視覚の中枢は後頭葉の17、18、19番にある」などといった研究ばかりになり、右脳・左脳とか、あるいは脳全体の機能といった発想は出てこなかったのであった。
【0026】
精神疾患に大脳機能が大きく関わり、大脳機能の能力障害が深く関わっているとするなら、大脳機能のチェック方法により精神疾患への対処方法が明瞭となるのではないかと考えられる。
【0027】
たとえば、現在増加している老人性痴呆を中心として、具体的な方法を論じてみる。

【0028】
痴呆が少しでも疑われたら、まず検査入院をしていただくことになる。これは、従来の精神病院にはなかったプロセスである。検査では、カウンセラーの主観などではなく、標準化したチェック項目による新システムを採用し、正確に現状を把握する。そして進行の度合いに応じて、治療方法を決定する。基本的には薬物療法によって大脳の病的部分を抑えて健康な部分を確保し、低下した能力をもとに戻していく。
【0029】
考え方はいたって簡単である。悪いところが出てくれば早く発見して抑え、健康な部分を確保してカバーすることに徹すれば、バラ色の老後が生きられるということである。むろん、どう生きるかは各自の努力や工夫による。
【0030】
生き生きと自立した老後のためにも、医学的方法論として少しでも痴呆の危険や症状が指摘されたら、すぐに検査入院をし、適確な治療を受けることが薦められる。
【0031】
かつての難病であった結核やハンセン病が全体を知る医師の初期治療により普通に治る病気になったように、精神疾患もまた、その基本である大脳機能を中心に、薬物療法を中心とした初期医療(検査入院→ソリューション・フォーカスト・アプローチなど)の導入により、「根拠に基づいた医療」へと転換すべき時期が来ていると考えられる(図4)
精神疾患に大脳が深くかかわっているのは当然であるが、それ以外の身体的な疾患でも、大脳機能を無視することはできないのである。局所的な治療とともに大脳に対しても治療を施すことによって、多くの病気がずっとよく改善するということが、本発明者の40数年の臨床経験からも分かってきている。
【0032】
糖尿病のインスリン治療や肥満に対してコレステロールを抑える専門薬など、すべて大脳の機能不全に関わりがあると考えられ、とくにCRKの上昇痴呆化など、脳との関係上今後さらに問題が多発すると考えるのが当然と判断せざるを得ない。
【0033】
さらには、本発明において示されるように、ガンさえも大脳を治療することにより克服できることが、分かってきたのである。医師として、このことをより多くの方々に知っていただきたいのは言うまでもない。
【0034】
結論付けると、本発明者は、どんな病気であれ、心身を総まとめしている大脳の機能にもっと注目し、処置を施すべきだと考えている。というのも、極端に言えば、身体の情報はすべて脳に入っているからである。また、過去、現在、想像その他をひっくるめて心理的なものも全部大脳の中に入っている。さらに、一年中の自然現象も脳に記憶されている。それらに基づいて、大脳が安全を確認しながら身体をコントロールしているのであるから、何よりも大脳の機能を十分確保する必要があるのである。
【0035】
合併症をもったお年寄りの例でも、まず脳に近いところから取り組む必要がある。ところがそれを無視して、あまり大事ではない局所ばかりにウエイトがおかれていると、場合によっては逆に全身の状態を悪くしているということもあり得る。
【0036】
全体と部分はどちらも必要である。部分中心にやってきた20世紀の科学的方法論から、21世紀は全体を中心とし、さらに全体と部分の関係も重視した科学的アプローチを探究していくことになると考えられる。
【0037】
その際、取り上げられる代表的な疾患が、一つは精神病であり、一つは悪性腫瘍であると考えられる。その一方で、今後の医学界の課題として、遺伝子の解明が大きくクローズアップされてくることも間違いないと思われる。
【0038】
1990年代より急速に研究、開発が進められてきている「人ゲノム計画」すなわち遺伝子問題も、わが国ではDNAの部分研究がやっと軌道に乗るかどうかで、その全体のコントロールなどについては、たいへん大きな遅れを示している。この方面の疾病治療での応用も基礎研究から全力をあげなければならないと考えられる。
【0039】
健康な大脳を中心に、健康な心身を可能な限り早期に確保する医療。すなわち「部分中心の現代医学」より、「体全体のことを中心に考えて、健康な部分を確保する新しい医学」で正確に現状を把握して、低下した能力をもとに戻していくことがこれからの医療関係者の務めだと考えている。
【0040】
もし、普通の生活が困難になり、自分は病気ではないかと疑いはじめたら、それを治してもらえる信頼できる医師を求めるのが当然だと思われる。家族の世話ほどありがたいものはないし、親身になってもらえるのは家族だけかもしれないが、やはり病気を根本から解決するには、まず、信頼できる医師、医療が必要なことは言うまでもない。
【0041】
しかしながら、医学教育の変化、部分しか診ることのできない医師の養成が中心になりすぎたこと、また、医療と福祉の混同から、実際の医療の現場が大きくずれてしまっている。
【0042】
17世紀にデカルトが心と身体は別であると考え、それ以来、心身二元論はずっと医学界を支配してきた。しかし、21世紀の医学は、部分中心から全体を重視する見方に変えていかざるを得ない。言い方を変えると、人間を構成する脳と身体、そして心とがどういう関係にあるかを、もう一度考え直すべき時が来ていると思われる。
【0043】
そして、この抜本的な転換が迫られている今、「本物の医療」の構築に向け、意欲のある医師、看護婦の参加を希望する。
【0044】
一方、脳の研究や脳に対する治療経験の蓄積から、ガンという病気にも大脳機能が大きく関わっていることが分かってきた。
【0045】
大脳には身体の情報が全て入っている。どこかに異常があった時それを認知する働きもある。大脳は身体の安全を確保しながら全身をコントロールしている。
【0046】
そして、「発ガン」という身体の異常が起こったときも、大脳がそれを認知し、ガン化した細胞を排除しようとするのである。
【0047】
それならば、「なぜ人はガンになるのか」と疑問をもたれるかもしれないが、何らかの理由により大脳の認知能力が低下している場合には、異常が発見できず、ガン細胞の増殖を許してしまうからなのである。
【0048】
従って、ガンを大もとから抑えるには、大脳の認知能力を活性化すればよいということになる。
【0049】
現在までの研究で、人間は普段、大脳の3%くらいしか使っていないということが分かっており、たとえ認知能力が低下していても、残る97%の中に健康な部分を確保して、認知能力を再び高めていくことができるということも分かっている。
【0050】
本発明によれば、要するに脳の健康が確保できればガンはこわくない。そして実際に、精神安定剤を使って大脳の治療を行ったガン患者が回復に向かったという例を多数経験している。
【0051】
さらには、ガンが増殖・転移の段階に入っても、ビタミンCを服用すれば増殖を抑止できることが分かっている。ビタミンCにガン細胞の増殖防止効果があることは、ノーベル賞を受賞したライナス・ポーリング博士の研究でも知られている。
【0052】
本発明者自身も大腸がんを患ったが、退院後はずっと、精神安定剤とビタミンCを服用している。その後の検診では、増殖・転移が一切見られず、ガンの専門医が驚くほどである。
【0053】
余談になるが、病気で苦しんだとき、頼れるのは家族である。地域医療という言葉もあるが、親身に世話をしてもらえるのは家族であるところが、家族には世話はできても治療することはできない。やはり本当に治してもらうことのできる信頼のおける医師に出会いたいと願うものである。
【0054】
医者である発明者自身が大病を経験して、本発明のような「根拠に基づいた医療」を実践している信頼のできる医師の必要性を、身にしみて感じた次第である。
【0055】
Greenfield博士は、非特許文献1(Trends Biotechnol. 2005 Jan;23(1):34−41.)において、脳と疾患について記載する。しかし、脳の認知能力を利用してがん等の他の疾患を処置することについては、記載も示唆もされていない。
【非特許文献1】Trends Biotechnol. 2005 Jan;23(1):34−41.
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0056】
本発明は、脳の認知能力を高めて、疾患を根本的に治癒させる方法を開発することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0057】
上記課題は、本発明において、ビタミンCとメジャートランキライザーとを投与することによって、脳の認知能力が上昇し、疾患治癒につながったことによって達成された。従って、本発明は、証拠に基づく治療を提供する(図6)。
【0058】
従って、本発明は、以下を提供する。
(1)メジャートランキライザーと、ビタミンCまたはその塩とを組み合わせたことを特徴とする、疾患の処置または予防のための医薬。
(2)上記メジャートランキライザーが、ブチロフェノン誘導体、フェノチアジン誘導体およびベンザミド誘導体からなる群より選択される、項目1に記載の医薬。
(3)上記メジャートランキライザーがブチロフェノン誘導体であり、上記ブチ路フェノン誘導体がハロペリドール、スピペロンおよびチミペロンからなる群より選択される、項目1に記載の医薬。
(4)上記メジャートランキライザーが、ハロペリドールである、項目1に記載の医薬。
(5)上記メジャートランキライザーが、精神疾患治療の半量投与される、項目1に記載の医薬。
(6)上記メジャートランキライザーが、ハロペリドール換算で一日量0.25mg〜1mg投与される、項目1に記載の医薬。
(7)上記ビタミンCは人工物であるアスコルビン酸である、項目1に記載の医薬。
(8)上記ビタミンCは、有効量として一日量600mg〜1800mg投与されるように含有される、項目1に記載の医薬。
(9)さらに、点滴を組み合わせたことを特徴とする、項目1に記載の医薬。
(10)上記点滴は、マルトースを含む生理的緩衝液であることを特徴とする、項目1に記載の医薬。
(11)上記点滴は、アルドフェッド注射液であることを特徴とする、項目1に記載の医薬。
(12)さらに、抗うつ薬を組み合わせたことを特徴とする、項目1に記載の医薬。
(13)上記抗うつ薬は、血中カリウムが減少したときに投与されることを特徴とする、項目10に記載の医薬。
(14)上記抗うつ薬は、マレイン酸フルボキサミンを含む、項目10に記載の医薬。
(15)上記抗うつ薬は、毎日投与されることを特徴とする、項目10に記載の医薬。
(16)さらに、鉄剤を組み合わせたことを特徴とする、項目1に記載の医薬。
(17)上記鉄剤は、クエン酸鉄第一ナトリウムを含む、項目12に記載の医薬。
(18)上記点滴は、食欲が出るまで投与される、項目9に記載の医薬。
(19)上記メジャートランキライザーが、就寝前に投与される、項目1に記載の医薬。
(20)さらに、点滴と、抗うつ薬とを組み合わせたことを特徴とする、項目1に記載の医薬。
(21)さらに、点滴と、鉄剤とを組み合わせたことを特徴とする、項目1に記載の医薬。
(22)さらに、点滴と、抗うつ薬と、鉄剤とを組み合わせたことを特徴とする、項目1に記載の医薬。
(23)上記ビタミンCはさらにパントテン酸またはその塩と組み合わされたことを特徴とする、項目1に記載の医薬。
(24)上記疾患は、精神疾患以外の少なくとも1つの疾患を含む、項目1に記載の医薬。
(25)上記疾患は、がん、筋ジストロフィーおよびハンチントン舞踏病からなる群より選択される疾患を含む、項目1に記載の医薬。
(26)上記がんは、大腸がん、結腸がん、直腸がん、甲状腺がん、食道がん、絨毛がん、胆嚢がん、神経芽腫、上顎がん、口腔がん、尿路性器がん、悪性リンパ腫、肝臓がん、前立腺がん、肺がん、肺細胞がん、乳がん、胃がん、膀胱がん、膵臓がん、精巣がん、子宮がん、子宮体がん、子宮頸がん、卵巣がん、咽頭がん、骨髄性白血病、脳腫瘍、胆道がん、神経芽細胞腫、褐色細胞腫、ガストリノーマ、インスリノーマ、カルチノイド、腎がん、睾丸がん、成人T細胞白血病、膣がん、外陰がん、皮膚がん、上気道がん、頭頸部がん、奇形腫、胆嚢がん、急性骨髄性白血病、急性リンパ性白血病、悪性リンパ腫、肉腫、悪性黒色腫、リンパ腫、肺扁平上皮がんおよび小脳脊髄変性病から選択される、項目10に記載の医薬。
(27)疾患の処置または予防のための方法であって、メジャートランキライザーと、ビタミンCまたはその塩とを上記疾患の罹患した被験体に投与する工程を包含する、方法。
(28)さらに、上記被験体に点滴を与える工程を包含する、項目27に記載の方法。
(29)さらに、上記被験体の血中カリウム低下時に、抗うつ薬を上記被験体に投与する工程を包含する、項目27または28に記載の方法。
(30)さらに、上記被験体が貧血時に、鉄剤を上記被験体に投与する工程を包含する、項目27から29のいずれか1項に記載の方法。
(31)メジャートランキライザーと、ビタミンCまたはその塩との組み合わせの、疾患を処置または予防するための医薬の製造における、使用。
(32)上記組み合わせが、点滴剤をさらに含む、項目31に記載の使用。
(33)上記組み合わせが、抗うつ薬をさらに含む、項目31または32に記載の使用。
(34)上記組み合わせが、鉄剤をさらに含む、項目31から33のいずれか1項に記載の使用。
【発明の効果】
【0059】
本発明は、従来使用されている二種類またはそれより多い薬剤の単なる組み合わせにより、ほぼどのような疾患をも処置することができるという効果を奏する。
【0060】
本発明は、患者にとって緩和な条件で治療を受けさせることができるので、患者の体力の消耗を極力抑えながら最大の治療効果を発揮することができ、予期せぬ副作用も回避可能である。
【0061】
本発明の上述の目的,その他の目的,特徴および利点は、図面を参照して行う以下の発明の実施の形態の詳細な説明から一層明らかとなる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0062】
以下、本発明を説明する。本明細書の全体にわたり、単数形の表現は、特に言及しない限り、その複数形の概念をも含むことが理解されるべきである。従って、単数形の冠詞または形容詞(例えば、英語の場合は「a」、「an」、「the」など)は、特に言及しない限り、その複数形の概念をも含むことが理解されるべきである。また、本明細書において使用される用語は、特に言及しない限り、当該分野で通常用いられる意味で用いられることが理解されるべきである。したがって、他に定義されない限り、本明細書中で使用される全ての専門用語および科学技術用語は、本発明の属する分野の当業者によって一般的に理解されるのと同じ意味を有する。矛盾する場合、本明細書(定義を含めて)が優先する。
【0063】
(定義)
以下に本明細書において特に使用される用語の定義を列挙する。
【0064】
本発明が対象とする「疾患」は、いずれの疾患でもよいが、通常、免疫状態または身体の恒常性に直接または間接的に関連する障害に関連する疾患または障害であり得る。そのような疾患としては、がん、ウイルスまたは細菌による感染症、アレルギー、高血圧、高脂血症、糖尿病、心臓病、脳梗塞、痴呆症、肥満、動脈硬化性疾患、不妊症、精神神経疾患、白内障、早老症、紫外線放射線過敏症などが挙げられるがそれらに限定されない。
【0065】
本発明が対象とする「障害」は、身体の異常が関連する任意の障害であり得る。
【0066】
1つの実施形態において、上記疾患または障害は循環器系(血液細胞など)であり得る。そのような疾患または障害としては、例えば、以下が挙げられるがそれらに限定されない:貧血(例えば、再生不良性貧血(特に重症再生不良性貧血)、腎性貧血、がん性貧血、二次性貧血、不応性貧血など)、がんまたは腫瘍(例えば、白血病)およびその化学療法処置後の造血不全、血小板減少症、急性骨髄性白血病(特に、第1寛解期(High−risk群)、第2寛解期以降の寛解期)、急性リンパ性白血病(特に、第1寛解期、第2寛解期以降の寛解期)、慢性骨髄性白血病(特に、慢性期、移行期)、悪性リンパ腫(特に、第1寛解期(High−risk群)、第2寛解期以降の寛解期)、多発性骨髄腫(特に、発症後早期)など。
【0067】
別の実施形態において、上記疾患または障害は、神経系のものであり得る。そのような疾患または障害としては、例えば、以下が挙げられるがそれらに限定されない:痴呆症、脳卒中およびその後遺症、脳腫瘍、脊髄損傷。
【0068】
別の実施形態において、上記疾患または障害は、免疫系のものであり得る。そのような疾患または障害としては、例えば、以下が挙げられるがそれらに限定されない:T細胞欠損症、白血病。
【0069】
別の実施形態において、上記疾患または障害は、運動器・骨格系のものであり得る。そのような疾患または障害としては、例えば、以下が挙げられるがそれらに限定されない:骨折、骨粗鬆症、関節の脱臼、亜脱臼、捻挫、靱帯損傷、変形性関節症、骨肉腫、ユーイング肉腫、骨形成不全症、骨軟骨異形成症。
【0070】
別の実施形態において、上記疾患または障害は、皮膚系のものであり得る。そのような疾患または障害としては、例えば、以下が挙げられるがそれらに限定されない:無毛症、黒色腫、皮膚悪性リンパ腫、血管肉腫、組織球症、水疱症、膿疱症、皮膚炎、湿疹。
【0071】
別の実施形態において、上記疾患または障害は、内分泌系のものであり得る。そのような疾患または障害としては、例えば、以下が挙げられるがそれらに限定されない:視床下部・下垂体疾患、甲状腺疾患、副甲状腺(上皮小体)疾患、副腎皮質・髄質疾患、糖代謝異常、脂質代謝異常、タンパク質代謝異常、核酸代謝異常、先天性代謝異常(フェニールケトン尿症、ガラクトース血症、ホモシスチン尿症、メープルシロップ尿症)、無アルブミン血症、アスコルビン酸合成能欠如、高ビリルビン血症、高ビリルビン尿症、カリクレイン欠損、肥満細胞欠損、尿崩症、バソプレッシン分泌異常、侏儒症、ウオルマン病(酸リパーゼ(Acid lipase)欠損症)、ムコ多糖症VI型。
【0072】
別の実施形態において、上記疾患または障害は、呼吸器系のものであり得る。そのような疾患または障害としては、例えば、以下が挙げられるがそれらに限定されない:肺疾患(例えば、肺炎、肺がんなど)、気管支疾患。
【0073】
別の実施形態において、上記疾患または障害は、消化器系のものであり得る。そのような疾患または障害としては、例えば、以下が挙げられるがそれらに限定されない:食道疾患(たとえば、食道がん)、胃・十二指腸疾患(たとえば、胃がん、十二指腸がん)、小腸疾患・大腸疾患(たとえば、大腸ポリープ、結腸がん、直腸がんなど)、胆道疾患、肝臓疾患(たとえば、肝硬変、肝炎(A型、B型、C型、D型、E型など)、劇症肝炎、慢性肝炎、原発性肝がん、アルコール性肝障害、薬物性肝障害)、膵臓疾患(急性膵炎、慢性膵炎、膵臓がん、嚢胞性膵疾患)、腹膜・腹壁・横隔膜疾患(ヘルニアなど)、ヒルシュスプラング病。
【0074】
別の実施形態において、上記疾患または障害は、泌尿器系のものであり得る。そのような疾患または障害としては、例えば、以下が挙げられるがそれらに限定されない:腎疾患(腎不全、原発性糸球体疾患、腎血管障害、尿細管機能異常、間質性腎疾患、全身性疾患による腎障害、腎がんなど)、膀胱疾患(膀胱炎、膀胱がんなど)。
【0075】
別の実施形態において、上記疾患または障害は、生殖器系のものであり得る。そのような疾患または障害としては、例えば、以下が挙げられるがそれらに限定されない:男性生殖器疾患(男性不妊、前立腺肥大症、前立腺がん、精巣がんなど)、女性生殖器疾患(女性不妊、卵巣機能障害、子宮筋腫、子宮腺筋症、子宮がん、子宮内膜症、卵巣がん、絨毛性疾患など)。
【0076】
別の実施形態において、上記疾患または障害は、循環器系のものであり得る。そのような疾患または障害としては、例えば、以下が挙げられるがそれらに限定されない:心不全、狭心症、心筋梗塞、不整脈、弁膜症、心筋・心膜疾患、先天性心疾患(たとえば、心房中隔欠損、心室中隔欠損、動脈管開存、ファロー四徴)、動脈疾患(たとえば、動脈硬化、動脈瘤)、静脈疾患(たとえば、静脈瘤)、リンパ管疾患(たとえば、リンパ浮腫)。
【0077】
本発明により処置または改善され得る免疫系により治癒可能な疾患または障害としては、アトピー性皮膚炎、慢性関節リウマチが挙げられるが、これらに限定されない。
【0078】
本発明により処置または改善され得るがんとは、脳腫瘍、白血病、胃がん、肺がん、肝細胞がん、転移性がん、原発乳がん、再発乳がん、原発性肝がん、胆道がん、膵がん、腎がん、前立腺がん、睾丸がん、子宮体がん、卵巣がん、肺小細胞がん、白血病、胆道がん、消化器がん、大腸がん、肝がん、転移性肝がん、子宮頚がん、結腸がん、直腸がん、甲状腺がん、乳がん、泌尿器がん、子宮がん、食道がん、胞状奇胎、絨毛がん、胃所性HCG産生腫瘍、胆嚢がん、胆管がん、神経芽腫、上顎がん、口腔がん、口腔底がん、尿路性がん、甲状腺がん、悪性リンパ(ホジキン性および非ホジキン性)、膀胱がん、造血器腫瘍、骨転移を伴う前立腺がん、末期がん、神経芽細胞腫、肺小細胞がん、肺非小細胞がん、褐色細胞腫、ガストリノーマ、インスリノーマ、カルチノイド、高カルシウム血症を伴う悪性腫瘍、成人T細胞白血病、外陰がん、皮膚がん、上気道がん、頭頚部がん、奇形腫、膀胱がん、β細胞白血病、睾丸腫瘍、消化器がん、急性骨髄性白血病、急性リンパ性白血病、悪性腫瘍、原発性肝がん、肉腫、悪性黒色腫、リンパ腫、肺扁平上皮がんが挙げられるが、これらに限定されない。
【0079】
本発明により処置または改善され得る感染症とは、HBV感染症、HCV感染症、種々の細菌感染症、真菌感染症、ウイルス感染症、HIV−1感染、HIV−2感染、ヘルペスウイルス(HSV−1、HSV−2、CMV、VZV、HHV−6、HHV−7、EBVを含むが、これらに限定さない)感染、アデノウイルス感染、ポックスウイルス感染、ヒトパピローマウイルス感染、肝炎ウイルス(例えば、HAV、HBV、HCVなどを含むが、これらに限定されない)感染、Helicobacter pylori感染、寄生生物感染、HTLV−1感染が挙げられるが、これらに限定されない。
【0080】
本発明により処置または改善され得る生活習慣病とは、糖尿病、動脈硬化症(脳梗塞、狭心症、心筋梗塞を含むが、これらに限定されない)、高血圧、悪性腫瘍、肺気腫、骨の退行性変化、が挙げられるが、これらに限定されない。
【0081】
本発明により処置または改善され得る寄生病とは、アメーバー症、バベシア症、コクシジウム症、クリプトスポリジウム症、二核アメーバ症、交疫、外部寄生生物感染症、ジアルジア鞭毛虫症、蠕虫病、リーシュマニア症、住血吸虫属感染、タイレリア症、トキソプラスマ症、トリパノソーマ症、ならびにトリコモナス属感染および胞子虫(例えば、Plasmodium virax、Plasmodium falciparium、Plasmodium malariaeおよびPlasmodium ovale)の感染、疥癬、ツツガムシ病、眼感染、腸疾患(例えば、赤痢、ジアルジア鞭毛虫症)、肝疾患、肺疾患、日和見感染症(例えば、AIDS関連)、マラリアが挙げられるが、これらに限定されない。
【0082】
本発明により処置または改善され得る免疫亢進とは、アレルギー性皮膚炎、乾癬、が挙げられるが、これらに限定されない。
【0083】
本発明により処置または改善され得る免疫不全とは、膿皮症、口腔内ガンジダ症、ウイルス感染症、が挙げられるが、これらに限定されない。
【0084】
本発明により処置または改善され得る薬物中毒とは、アルコール中毒、ニコチン中毒、ヘロイン中毒、が挙げられるが、これらに限定されない。
【0085】
本明細書において「生活習慣病」とは、日常生活のあり方やよくない習慣を繰り返すなかで病気の根がだんだん広がっていき、ある年齢に達すると症状が出てくる任意の疾患をいう。糖尿病、高血圧病、高脂血症、痛風(高尿酸血症)、肥満、動脈硬化、脳梗塞、心筋梗塞、膵炎、呼吸器疾患、胃・十二指腸潰瘍、肝機能障害、骨粗鬆症、がん、歯周病などを挙げることができ、生活習慣病は、上記発症部位などに比して、原因に重きを置いた疾患分類法である。このような生活習慣病では、いずれも、脳の認知能力の低下によって症状が悪化していると考えられることから、本発明の方法は、これらのいずれの疾患にも作用し得ることが理解される。
【0086】
本発明によって、上述のような疾患を処置するにおいて、従来の薬物療法によるあらゆる弊害が回避された。従来確実には治癒しなかった末期がんなどの治癒が可能になったことは従来技術では不可能であったかまたは困難であった格別の効果といえる。
【0087】
1つの実施形態において、本発明は、中枢疾患(例えば、脳卒中、脳卒中後遺症、遅発性神経細胞死、アルツハイマー病、痴呆、摂食障害、パーキンソン病、多発性硬化症、クロイツフェルド・ヤコブ病など)、炎症性疾患(例えば、アレルギー、喘息、リウマチなど)、循環器疾患(例えば、虚血障害、再灌流障害、高血圧症、心肥大、狭心症、動脈硬化症等)、がん(例えば、非小 細胞肺がん、卵巣がん、前立腺がん、胃がん、膀胱がん、乳がん、子宮頸部がん、結腸がん、直腸がん等)、代謝性疾患(例えば、糖尿病、糖尿病合併症、肥満、動脈硬化、痛風、 白内障、肝炎、アミロイドーシス、ウィルソン病等)、免疫系疾患(例えば、自己免疫性疾患等)、消化器系疾患(例えば、ストレス潰瘍、急性膵炎、炎症性腸疾患、潰瘍性大腸炎、胃潰瘍、十二指腸潰瘍、胃炎、逆流性食道炎等)、自己免疫疾患(慢性関節リウマチ、多発性硬化症、全身性エリ テマトーデスなど)、変性疾患(アミロイドーシス、ヘモジデローシス、ウィルソン病など)、虚血性神経細胞傷害(脳卒中、脳卒中後遺症、遅発性神経細胞死 など)、虚血・再灌流傷害、嚢胞性繊維症、悪性腫瘍、感染症(敗血症による多臓器不全、急性呼吸窮迫症候群など)、肝不全、腎不全、薬物中毒、重金属中 毒、放射線傷害、紫外線傷害(紫外線による皮膚、眼のレンズ或いは網膜の傷害など)、その他の生体侵襲(熱または酸などによる皮膚もしくは組織の傷害など)、ウイルス性疾患(B型肝炎、C型肝炎、D型肝炎、E型肝炎、後天性免疫不全症候群、成人白血病)または老化の予防・改善・治療剤などを処置するのに有効であり得る。
【0088】
本明細書では、少なくとも実際に、B型肝炎、C型肝炎、後天性免疫不全症候群(AIDS)、糖尿病、糖尿病合併症、前立腺肥大、痛風、肝炎、自己免疫性疾患、悪性リンパ腫、膵臓がん、子宮頸がん、口腔底がん、腎臓がん、高血圧、潰瘍性大腸炎、慢性関節リウマチ、慢性肉芽腫症、炎症性腸疾患、好中球減少症および好中球増加症など、ならびに他の疾患、例えば、実質的に任意のがん、ウイルス性疾患、代謝性疾患、循環器系疾患、消化器系疾患、炎症性疾患、中枢疾患、免疫学的疾患、感染症および生活習慣病が治癒するようであることが分かっている。
【0089】
本発明では、脳の疾患認知能力が上昇したことにより、任意の疾患が治癒し得ることが明らかになった。原理的には、どのような疾患であっても脳が認知することができることから、本発明は、任意の疾患に対して有効であることが理解されるべきである。
【0090】
本明細書において「生体内」または「インビボ」(in vivo)とは、生体の内部をいう。特定の文脈において、「生体内」は、目的とする組織または器官が配置されるべき位置をいう。
【0091】
本明細書において「被験体」とは、本発明の処置が適用される生物をいい、「患者」ともいわれる。患者または被験体は好ましくは、ヒトであり得る。
【0092】
別の実施形態では、本発明では、薬剤(例えば、抗がん剤)も併用することも企図される。そのような薬剤は、当該分野において公知の任意の医薬であり得、例えば、そのような薬剤は、薬学において公知の任意の薬剤(例えば、抗がん剤、抗生物質など)であり得る。当然、そのような薬剤は、2種類以上の他の薬剤であり得る。好ましくは、温熱療法と同時にまたは異時に投与される。そのような薬剤としては、例えば、日本薬局方最新版、米国薬局方最新版、他の国の薬局方の最新版において掲載されているものなどが挙げられる。
【0093】
本明細書において「メジャートランキライザー」とは、精神安定薬(精神機能,情動に対して抑制的に作用し,他の中枢神経系機能にはほとんど変化を与えないような薬物の総称)の一つであり、そのうち、不安や緊張が軽減され,常用量では意識障害や睡眠はおこらないものをいう。(他方、マイナートランキライザーは、薬物によって不安,不眠,神経症の治療の他に睡眠誘導,抗てんかんの目的に用いられる)。神経遮断薬(neuroplegica),抗精神病薬(antipsychotic drug)ともいう。レセルピン(インドジャボクの成分),クロルプロマジン,ハロペリドール(haloperidol),炭酸リチウムなどがこれに属する。代表的に使用されるメジャートランキライザーとしては、ブチロフェノン誘導体(たとえば、ハロペリドール、スピペロンおよびチミペロン)、フェノチアジン誘導体(マレイン酸フルフェナジン、マレイン酸トリフロパラジン、ペルフェナジンおよびプロクロルペラジンなど)、ベンザミド誘導体(ネモナプリドなど)、非定型抗精神病薬(リスペリドンなど)等を挙げることができる。
【0094】
本明細書において「精神疾患治療」のための医薬の「量」または「用量」は、薬局方または通常使用される最低量を基準に設定することができる。ハロペリドールは、初期は1日0.75〜2.25mgから始め、徐々に増やしていき、維持量としては1日3〜6mgであり、1日最大量は40mgであることから、基準の量として0.75mgを採用する。スピペロンは、最初の一週間は0.45〜1.5mgではじめ、以降1日1.5〜4.5mgにしていくことから、0.45mgを基準の量とする。チミペロンであれば、初期では1日0.5〜3mgで開始し、その後徐々に増量していき、1日3〜12mgにすることから、0.5mgを基準の量として採用する。
【0095】
本明細書において「ビタミンC」(アスコルビン酸,セビタミン酸,ヘキスロン酸)とは、無色結晶の物質(C 分子量176.13)であり、融点190〜192℃、アスコルビン酸のL体がビタミンC(vitamin C)ある。比旋光度=+23°(c=1,水中)。水に可溶であり、エタノールに不溶である。熱に弱く、還元力の強い物質であり、紫外吸収極大265nm(水溶液)。酸化還元電位は+0.058V(pH7.0)である。その天然体は、新鮮な果汁,緑茶,大根,緑葉などに多く含まれ抗壊血病作用をもつ。D体にはその効力がない。水溶液で酸性を示すのは、エノール形ヒドロキシ基の1つが解離するためであり、水溶性の中性モノアルカリ塩を作る。生体内では酸化還元系に関与して、ビタミンとしての作用を現わすと考えられる。動物体内では副腎にとくに多く,肝臓・下垂体・黄体・胸腺などにも多く含まれる.種々の酸化剤・遊離酸素(銅の存在下)・ポリフェノール酸化酵素,特異的にはアスコルビン酸酸化酵素などによって,容易に可逆的酸化をうけデヒドロアスコルビン酸となり,それぞれ電子供与体・電子受容体となるので,生体内では,水素運搬体として生物学的酸化還元の役割を演じていると推定されている.アスコルビン酸はコラーゲン生合成におけるプロリンとリジンの水酸化,チロシンの代謝とカテコールアミンの生合成,生体異物の解毒,ニトロソアミンの生成抑制,コレステロールの7α−コレステロールへの水酸化,鉄の吸収,チトクロムcの還元,NADHレダクターゼの活性化,銅の代謝,免疫賦活化などに機能している.アスコルビン酸欠乏症(ビタミン欠乏症)は主にコラーゲン生合成の欠如に関係し,壊血病など出血傾向を主徴とする.アスコルビン酸合成のためのα−グロノ−γ−ラクトンオキシダーゼを欠くヒト・サル・テンジクネズミには現われるが,ネズミ・イヌ・ウサギなどでは体内で必要量が十分合成されている.その合成経路はD−グルコースからL−グルクロン酸,L−グロン酸を経てL−グロノ−γ−ラクトンが生成し、さらにL−グロノ−γ−ラクトンオキシダーゼがこれに作用してアスコルビン酸が生成する。ヒトを含む霊長類,ゾウ,モルモット,ある種の鳥,コウモリ,魚類は最終段階を触媒するL−グロノ−γ−ラクトンオキシダーゼを遺伝的に欠損しており,アスコルビン酸を生合成することができない。アスコルビン酸はビタミン類の中では最も大量に要求され,大人1日の必要量は約50mg,最低必要量は6.5mgである。定量はインドフェノール色素,2,4−dichlorophenolindophenolの還元を利用する方法が最もよく用いられる。本発明においては、ビタミンCの人工物を投与することが好ましい。
【0096】
本明細書において「点滴」とは、特定成分を含むか含まない生理的緩衝液の点滴をいう。本明細書において用いられる場合、体温の上昇を防止する生理的緩衝液であれば、どのようなものを点滴に使用しても良い。代表的には、マルトースを含む生理的緩衝液などを挙げることができる。
【0097】
本明細書において「生理的緩衝液」とは、生理的に適合可能な任意の緩衝液を言う。そのような生理的緩衝液としては、例えば、生理食塩水(体液成分(とくに血清)と等張になるように作製した食塩溶液であり、通常0.9%NaCl。ノーマルセーラインとも呼ばれる(体液と等張の塩化ナトリウム無菌水溶液についてのアメリカ薬局方の名称。))、生理的塩類溶液(摘出した器官や組織に対し,長時間にわたって正常な機能を保たせる媒液として用いられる塩類の混合溶液であり、溶液の陽イオン成分はNa+を主とし,これにK,Ca2+,Mg2+などを加え,さらに炭酸水素ナトリウムNaHCO・燐酸二水素ナトリウムNaHPOなど緩衝剤の添加によりpHを調節する。エネルギー源としてグルコースを加えることもある。)、日局生理食塩液、日局ブトウ糖注射液、10%マルトース注射液、リンゲル液、ロック液、タイロード液などを挙げることができ、具体的にはアルドフェッド注射液などを採用することができる。
【0098】
本明細書において「抗うつ薬」または「抗抑うつ薬」とは、交感神経の中枢の作用を高めることによって抑圧を軽減する薬品.たとえば,イミプラミンやトラニルサイプロミンなどが挙げられる。本明細書では、血中カリウムが減少したときに投与される。具体的には、マレイン酸フルボキサミンを投与することが好ましい。
【0099】
本明細書において「鉄剤」とは、鉄を成分とした薬剤であり、増血の目的に供される。乳酸鉄、ヨード鉄シロップ、クエン酸鉄、硫酸鉄などを挙げることができる。好ましくは、クエン酸鉄第一ナトリウムが使用されるがこれに限定されない。
【0100】
(投与・注入・医薬)
本発明の因子によって調製された医薬は、生物への移入に適した形態であれば、任意の製剤形態で提供され得る。そのような製剤形態としては、例えば、液剤、注射剤、徐放剤が挙げられる。投与方法は、経口投与、非経口投与(例えば、静脈内投与、筋肉内投与、皮下投与、皮内投与、粘膜投与、直腸内投与、膣内投与、患部への局所投与、皮膚投与など)、患部への直接投与などが挙げられる。脳に送達される形態が好ましい。そのような投与のための処方物は、任意の製剤形態で提供され得る。そのような製剤形態としては、例えば、液剤、注射剤、徐放剤が挙げられる。本発明の組成物および医薬は、全身投与されるとき、発熱物質を含ない、経口的に受容可能な水溶液の形態であり得る。そのような薬学的に受容可能なタンパク質溶液の調製は、pH、等張性、安定性などに相当な注意を払うことを条件として、当業者の技術範囲内である。
【0101】
注射剤は当該分野において周知の方法により調製することができる。例えば、適切な溶剤(生理食塩水、PBSのような緩衝液、滅菌水など)に溶解した後、フィルターなどで濾過滅菌し、次いで無菌容器(例えば、アンプルなど)に充填することにより注射剤を調製することができる。この注射剤には、必要に応じて、慣用の薬学的キャリアを含めてもよい。非侵襲的なカテーテルを用いる投与方法も使用され得る。
【0102】
1つの実施形態において、本発明の医薬は徐放性形態で提供され得る。徐放性形態の剤型は、本発明において使用され得る限り、当該分野で公知の任意の形態であり得る。そのような形態としては、例えば、ロッド状(ペレット状、シリンダー状、針状など)、錠剤形態、ディスク状、球状、シート状のような製剤であり得る。徐放性形態を調製する方法は、当該分野において公知であり、例えば、日本薬局方、米国薬局方および他の国の薬局方などに記載されている。徐放剤(持続性投与剤)を製造する方法としては、例えば、複合体から薬物の解離を利用する方法、水性懸濁注射液とする方法、油性注射液または油性懸濁注射液とする方法、乳濁製注射液(o/w型、w/o型の乳濁製注射液など)とする方法などが挙げられる。
【0103】
本発明の組成物またはキットはまた、さらに生体親和性材料を含み得る。この生体親和性材料は、例えば、シリコーン、コラーゲン、ゼラチン、グリコール酸・乳酸の共重合体、エチレンビニル酢酸共重合体、ポリウレタン、ポリエチレン、ポリテトラフルオロエチレン、ポリプロピレン、ポリアクリレート、ポリメタクリレートからなる群より選択される少なくとも1つを含み得る。成型が容易であることからシリコーンが好ましい。生分解性高分子の例としては、コラーゲン、ゼラチン、α−ヒロドキシカルボン酸類(例えば、グリコール酸、乳酸、ヒドロキシ酪酸など)、ヒドロキシジカルボン酸類(例えば、リンゴ酸など)およびヒドロキシトリカルボン酸(例えば、クエン酸など)からなる群より選択される1種以上から無触媒脱水重縮合により合成された重合体、共重合体またはこれらの混合物、ポリ−α−シアノアクリル酸エステル、ポリアミノ酸(例えば、ポリ−γ−ベンジル−L−グルタミン酸など)、無水マレイン酸系共重合体(例えば、スチレン−マレイン酸共重合体など)のポリ酸無水物などが挙げられる。重合の形式は、ランダム、ブロック、グラフトのいずれでもよく、α−ヒドロキシカルボン酸類、ヒドロキシジカルボン酸類、ヒドロキシトリカルボン酸類が分子内に光学活性中心を有する場合、D−体、L−体、DL−体のいずれでも用いることが可能である。好ましくは、グリコール酸・乳酸の共重合体が使用され得る。
【0104】
本明細書において「指示書」は、本発明の医薬などを投与する方法を医師、患者など投与を行う人に対する説明を記載したものである。この指示書は、本発明の医薬などを投与することを指示する文言が記載されている。また、指示書には、投与部位として、骨格筋に投与(例えば、注射などによる)することを指示する文言が記載されていてもよい。この指示書は、本発明が実施される国の監督官庁(例えば、日本であれば厚生労働省、米国であれば食品医薬品局(FDA)など)が規定した様式に従って作成され、その監督官庁により承認を受けた旨が明記される。指示書は、いわゆる添付文書(package insert)であり、通常は紙媒体で提供されるが、それに限定されず、例えば、電子媒体(例えば、インターネットで提供されるホームページ、電子メール)のような形態でも提供され得る。
【0105】
本発明の組成物を対象物に対して与える頻度もまた、使用目的、対象物の齢、サイズ、性別、既往歴、および処置経過などを考慮して、当業者が容易に決定することができる。頻度としては、例えば、一日に1回〜数回、毎日−数ヶ月に1回(例えば、1週間に1回−1ヶ月に1回)の投与が挙げられる。1週間−1ヶ月に1回の投与を、経過を見ながら施すことが好ましい。
【0106】
本発明の方法において使用される組成物、化合物、医薬の量は、使用目的、対象物の齢、サイズ、性別、既往歴、ポリペプチド、核酸、組成物、医薬もしくは細胞の形態または種類、細胞の形態または種類などを考慮して、当業者が容易に決定することができる。
【0107】
本明細書において「被験体」とは、本発明の処置が適用される生物をいい、「患者」ともいわれる。患者または被験体は好ましくは、ヒトであり得る。
【0108】
本発明において医薬の処方のために使用される溶媒は、水性または非水性のいずれかの性質を有し得る。さらに、そのビヒクルは、処方物の、pH、容量オスモル濃度、粘性、明澄性、色、滅菌性、安定性、等張性、崩壊速度、または臭いを改変または維持するための他の処方物材料を含み得る。同様に、本発明の組成物は、有効成分の放出速度を改変または維持するため、または有効成分の吸収もしくは透過を促進するための他の処方物材料を含み得る。
【0109】
本発明は、医薬または医薬組成物として処方される場合、必要に応じて生理学的に受容可能なキャリア、賦型剤または安定化剤(Remington’s Pharmaceutical Sciences,18th Edition,A.R.Gennaro,ed.,Mack Publishing Company,1990)と、所望の程度の純度を有する選択された組成物とを混合することによって、凍結乾燥されたケーキまたは水溶液の形態で、保存のために調製され得る。
【0110】
そのような適切な薬学的に受容可能な因子としては、以下が挙げられるがそれらに限定されない:抗酸化剤、保存剤、着色料、風味料、および希釈剤、乳化剤、懸濁化剤、溶媒、フィラー、増量剤、緩衝剤、送達ビヒクル、希釈剤、賦形剤および/または農学的もしくは薬学的アジュバント。代表的には、本発明の医薬は、本発明の活性成分(例えば、ポリペプチドまたは核酸など)を、1つ以上の生理的に受容可能なキャリア、賦形剤または希釈剤とともに組成物の形態で投与され得る。例えば、適切なビヒクルは、注射用水、生理的溶液、または人工脳脊髄液であり得、これらには、非経口送達のための組成物に一般的な他の物質を補充することが可能である。そのような受容可能なキャリア、賦形剤または安定化剤は、レシピエントに対して非毒性であり、そして好ましくは、使用される投薬量および濃度において不活性であり、そして以下が挙げられる:リン酸塩、クエン酸塩、または他の有機酸;抗酸化剤(例えば、アスコルビン酸);低分子量ポリペプチド;タンパク質(例えば、血清アルブミン、ゼラチンまたは免疫グロブリン);親水性ポリマー(例えば、ポリビニルピロリドン);アミノ酸(例えば、グリシン、グルタミン、アスパラギン、アルギニンまたはリジン);モノサッカリド、ジサッカリドおよび他の炭水化物(グルコース、マンノース、マルトース、またはデキストリンを含む);キレート剤(例えば、EDTA);糖アルコール(例えば、マンニトールまたはソルビトール);塩形成対イオン(例えば、ナトリウム);ならびに/あるいは非イオン性表面活性化剤(例えば、Tween、プルロニック(pluronic)またはポリエチレングリコール(PEG))。
【0111】
注射剤は当該分野において周知の方法により調製することができる。例えば、適切な溶剤(生理食塩水、PBSのような緩衝液、滅菌水など)に溶解した後、フィルターなどで濾過滅菌し、次いで無菌容器(例えば、アンプルなど)に充填することにより注射剤を調製することができる。この注射剤には、必要に応じて、慣用の薬学的キャリアを含めてもよい。非侵襲的なカテーテルを用いる投与方法も使用され得る。例示の適切なキャリアとしては、中性緩衝化生理食塩水、または血清アルブミンと混合された生理食塩水が挙げられる。好ましくは、本発明の医薬は、適切な賦形剤(例えば、スクロース)を用いて凍結乾燥剤として処方される。他の標準的なキャリア、希釈剤および賦形剤は所望に応じて含まれ得る。他の例示的な組成物は、pH7.0−8.5のTris緩衝剤またはpH4.0−5.5の酢酸緩衝剤を含み、これらは、さらに、ソルビトールまたはその適切な代替物を含み得る。その溶液のpHはまた、種々のpHにおいて、本発明の活性成分の相対的溶解度に基づいて選択されるべきである
本発明の製剤の処方手順は、当該分野において公知であり、例えば、日本薬局方、米国薬局方、他の国の薬局方などに記載されている。従って、当業者は、本明細書の記載があれば、過度な実験を行うことなく、投与すべき医薬の量および頻度を決定することができる。
【0112】
別の実施形態では、本発明では、さらに他の薬剤もまた投与することも企図される。そのような薬剤は、当該分野において公知の任意の医薬であり得、例えば、そのような薬剤は、薬学において公知の任意の薬剤(例えば、抗生物質など)であり得る。当然、そのような薬剤は、2種類以上の他の薬剤であり得る。そのような薬剤としては、例えば、日本薬局方最新版、米国薬局方最新版、他の国の薬局方の最新版において掲載されているものなどが挙げられる。
【0113】
本発明が対象とする疾患は、がんである。本明細書において「がん」とは、悪性腫瘍一般をいう。
【0114】
本明細書において「固形がん」は、固形の形状があるがんをいい、白血病などの造血器腫瘍とは対峙する概念である。そのような固形がんとしては、例えば、乳がん、肝がん、胃がん、肺がん、頭頸部がん、子宮頸部がん、前立腺がん、網膜芽細胞腫、悪性リンパ腫、食道がん、脳腫瘍、骨腫瘍が挙げられるがそれらに限定されない。
【0115】
(好ましい実施形態)
以下に本発明の好ましい実施形態を説明する。以下に提供される実施形態は、本発明のよりよい理解のために提供されるものであり、本発明の範囲は以下の記載に限定されるべきでないことが理解される。従って、当業者は、本明細書中の記載を参酌して、本発明の範囲内で適宜改変を行うことができることは明らかである。
【0116】
これは必要であるというわけではないが、本発明の治療の基本は、大きく2段階にておこなうことができる。(1)必要に応じて、点滴で身体を冷やし、必要に応じて2種類の抗生物質を与える。(2)必要に応じて、点滴で脳を冷やすことで、脳のうち健康な97パーセントの部分の安全を確保することができる。脳は38・5℃以上になると変質することから、これを防ぐことで健鷹な部分を確実に残す。脳を冷やすことができれば、点滴以外の手法も使用することができる。また脳細胞は1日に6万〜8万個が死んでいく。また患者の尿道または肺には細菌感染があり得る。そこでこれらの死んだ細胞をきれいに掃除するために、必要に応じて抗生物質を使ってマクロファージ(大食細胞)、白血球、リンパ球などの働きを高めることもできる。マクロファージなどは、細菌および異物を細胞内に取り込んで消化し、炎症の修復や免疫作用に大きくかかわる。(2)これと並行して、本発明のビタミンCとメジャートランキライザー(強い精神安定剤)との組み合わせを服用させる。ビタミンCは通常錠剤で3グラム(力量600mg)、ふだんは余裕をもって9グラム(力量1800mg)摂取させる。好ましい実施形態において治療に使用されるのは天然のビタミンCとは構造がわずかに異なる。こちらの方がはるかに有効であるからである。それにビタミンCはどんな薬または食べ物と一緒に摂取しても問題ない。これは長年の臨床経験から判明している。この組み合わせによって、自分の身体のどこが悪いのかどいった認知能力を、脳に高めてもらうことができることが本発明において見出された。このように健康な部分を早めに確保し、脳の認知能力を高めることで.ほとんどの疾患(たとえば、がん、精神疾患など)は快復に向かうことが判明した。老人性痴呆も早期治療で治る治療の基本である、必要に応じて点滴および抗生物質の組み合わせ、ならびに本発明のビタミンCとメジャートランキライザーとの組み合わせを摂取することによって、根拠に基づいた医療による効果的な治療が達成された。
【0117】
1つの局面において、本発明は、メジャートランキライザーと、ビタミンCまたはその塩とを組み合わせたことを特徴とする、疾患の処置または予防のための医薬を提供する。
【0118】
別の局面において、本発明は、疾患の処置または予防のための方法であって、メジャートランキライザーと、ビタミンCまたはその塩とを該疾患の罹患した被験体に投与する工程を包含する、方法を提供する。
【0119】
1つの実施形態では、本発明の医薬において用いられるメジャートランキライザーが、ブチロフェノン誘導体、フェノチアジン誘導体およびベンザミド誘導体などであり得る。
【0120】
別の実施形態では、本発明において使用されるメジャートランキライザーとしてのブチロフェノン誘導体は、ハロペリドール、スピペロンおよびチミペロンなどで有り得、好ましくはハロペリドールである。
【0121】
1つの実施形態において、投与されるメジャートランキライザーは、精神疾患治療の半量投与されることが好ましいがそれに限定されない。
【0122】
別の実施形態において、本発明において投与されるメジャートランキライザーの用量は、ハロペリドール換算で一日量0.25mg〜1mgであり得る。精神疾患に使用される量よりも少な目の用量を使用することにより、脳の認知能力を上げることができることを本発明において見出しているからである。
【0123】
好ましくは、メジャートランキライザーは、就寝前に投与されるがそれに限定されない。
【0124】
本発明において使用されるビタミンCは人工物であるアスコルビン酸であり得る。人工物のほうが、天然物のビタミンCよりも、効果としては数倍から数百倍良いことが本発明において経験的に分かっているからである。
【0125】
本発明の1つの実施形態では、本発明の医薬において、ビタミンCは、有効量として一日量600mg〜1800mg投与されるように含有されるがこれに限定されない。
【0126】
1つの実施形態では、ビタミンCはさらにパントテン酸またはその塩と組み合わされていてもよいが、これが必須であるわけではない。
【0127】
本発明の組み合わせ治療では、点滴をさらに組み合わせることが好ましい。理論に束縛されることを望まないが、体、特に脳を低温に保つことが、脳の疾患の認知に最適であることが本発明において見出されたからである。従って、点滴において使用される溶液は、身体、特に脳を低温に保つことができる限り、どのような溶液を使用してもよいことができることが理解されるべきである。好ましい実施形態では、エネルギーを供給する生理的緩衝液であることが好ましい。エネルギーの供給は、グルコース、マルトースなどを利用することができる。マルトースが好ましい。マルトースは、同じ浸透圧で、グルコースの約2倍のエネルギーを供給することができるからである。生理的緩衝液としては、生理的に適合性であれば、どのような緩衝液をも使用することができることが理解されるべきである。マルトースを含む生理的緩衝液としては、例えば、アルドフェッド注射液を挙げることができる。ある実施形態では、この点滴は、食欲が出るまで投与される。
【0128】
別の実施形態において、本発明の医薬は、抗うつ薬を組み合わせることを特徴とし得る。抗うつ薬は、血中カリウムが減少したときに投与され得る。そのような抗うつ薬としては、マレイン酸フルボキサミンを挙げることができる。本発明において投与されるべき抗うつ薬は、毎日投与されることが好ましいが、適宜投与でもよい。
【0129】
別の実施形態において、本発明の医薬は、鉄剤を組み合わせることを特徴とし得る。好ましい実施形態において、鉄剤は、クエン酸鉄第一ナトリウムを含み得るが他の鉄剤であってもよい。
【0130】
本発明の好ましい実施形態では、本発明の組み合わせ医薬は、メジャートランキライザーとビタミンCとの組み合わせに加え、点滴と、抗うつ薬とを組み合わせたものであってもよい。この場合、上記のような任意の好ましい効果が奏される。
【0131】
本発明の好ましい実施形態では、本発明の組み合わせ医薬は、メジャートランキライザーとビタミンCとの組み合わせに加え、点滴と、鉄剤とをさらに組み合わせたものであってもよい。この場合もまた、本明細書上記のような任意の好ましい効果が奏される。
【0132】
本発明の好ましい実施形態では、本発明の組み合わせ医薬は、メジャートランキライザーとビタミンCとの組み合わせに加え、点滴と、抗うつ薬と、鉄剤とをさらに組み合わせたものであってもよい。この場合もまた、本明細書上記のような任意の好ましい効果が奏される。
【0133】
本発明が対象とする疾患は、任意の疾患であり得、特に、精神疾患以外の少なくとも1つの疾患(たとえば、がん、筋ジストロフィーおよびハンチントン舞踏病など)を含むことに顕著な特徴がある。本発明が対象とするがんは、大腸がん、結腸がん、直腸がん、甲状腺がん、食道がん、絨毛がん、胆嚢がん、神経芽腫、上顎がん、口腔がん、尿路性器がん、悪性リンパ腫、肝臓がん、前立腺がん、肺がん、肺細胞がん、乳がん、胃がん、膀胱がん、膵臓がん、精巣がん、子宮がん、子宮体がん、子宮頸がん、卵巣がん、咽頭がん、骨髄性白血病、脳腫瘍、胆道がん、神経芽細胞腫、褐色細胞腫、ガストリノーマ、インスリノーマ、カルチノイド、腎がん、睾丸がん、成人T細胞白血病、膣がん、外陰がん、皮膚がん、上気道がん、頭頸部がん、奇形腫、胆嚢がん、急性骨髄性白血病、急性リンパ性白血病、悪性リンパ腫、肉腫、悪性黒色腫、リンパ腫、肺扁平上皮がんおよび小脳脊髄変性病などであり得る。
【0134】
別の実施形態では、認知症などの、精神疾患を対象とし得る。本発明は、従来では処置用量とは考えられていなかった用量でも、ビタミンCと併用することによって驚くほどの治癒効果を奏することができたという点にその顕著な効果が認められるべきである。
【0135】
本明細書において引用された、科学文献、特許、特許出願などの参考文献は、その全体が、各々具体的に記載されたのと同じ程度に本明細書において参考として援用される。
【0136】
以上、本発明を、理解の容易のために好ましい実施形態を示して説明してきた。以下に、実施例に基づいて本発明を説明するが、上述の説明および以下の実施例は、例示の目的のみに提供され、本発明を限定する目的で提供したのではない。従って、本発明の範囲は、本明細書に具体的に記載された実施形態にも実施例にも限定されず、特許請求の範囲によってのみ限定される。
【実施例】
【0137】
以下に実施例を示して本発明をさらに詳しく説明するが、この発明は以下の例に限定されるものではない。以下の実施例において用いられる試薬などは、例外を除き、医薬品メーカーから市販されるものを用いた。治験は、対象となる患者からインフォームドコンセントを得た上で、政府が示す基準に則って行った。
【0138】
(使用されるがんマーカー)
本実施例では、以下のがんマーカー(腫瘍マーカー)を使用したか必要に応じて使用することができる。
【0139】
【表1】


(実施例1:横行結腸癌)
本実施例では、横行結腸癌に罹患したTM氏(76歳)に対して、以下の処置を行い、横行結腸癌の経過を観察した。処置開始時の体重は62kgであった。
【0140】
(処方)
セレネース(ハロペリドール)0.75mg錠を1日1/2錠を就寝前に投与。
【0141】
CPG6.0g(アスコルビン酸として1200mg、パントテンさんカルシウム18mgを含む)を空腹時投与した。
【0142】
入院時には、食欲減退時にアルドフェッド注射液(マルトース、塩化カリウム、塩化マグネシウム、リン酸水素カリウム、リン酸二水素カリウム、塩化ナトリウム、塩化マグネシウム(6水塩)、無水酢酸ナトリウム、マルトース(1水塩))500mlを点滴した。
【0143】
血中カリウム低下時にSSR1(ルボックス(マレイン酸フルボキサミン、25mg)2錠)を投与した。
【0144】
貧血時には、フェロミア(クエン酸第一鉄ナトリウム)1−2錠、空腹時に投与した。
【0145】
(経過)
手術前に検査したところ以下の検査結果が得られ、手術15日前には横行結腸癌であると診断された。
【0146】
手術4ヶ月前
CEA 2.7 (基準値は5.0以下)
Ca19−9(EIA) 19 (基準値37以下)
Ca50 32 (基準値40以下)
手術15日前
CEA 16.2(基準値は5.0以下)
Ca19−9(EIA) 128 (基準値37以下)
Ca50 96 (基準値40以下)
(手術)
横行結腸の3/4を中心に11×6cmの大きさとなっており、Stage4であった。腸間膜リンパ腺S字状結腸等に転移していた。
【0147】
横行結腸癌を中心に42cm全摘出、切除し、腸間膜も可能な限り切除し、結腸説ジョブ同士を吻合した。200mlの保存血を輸血した。
【0148】
(術後)
体重平時70kgのところ、術後49kgに減少していた。がんマーカーは、いずれも(−)となっていた。貧血が見られた。
【0149】
(処置)
ビタミンC、セレネース、ルボックス(25)を術後5日目から開始した。
【0150】
(術後3ヶ月検診経過)
S字状結腸転移がんが消失していた。血液などの異常がなく、マーカーも(−)であった。貧血も見られなくなった。
【0151】
(予後)
治癒後も、ビタミンC、セレネース、ルボックス(25)を等量投与しており、術後3年後も経過は順調である。
【0152】
(実施例2:大腸がん患者の治療)
次に大腸がん患者11名についての治療を記載する。
【0153】
(処置方法)
実施例1と原則的に同じであった。
【0154】
(症例および結果)
以下に大腸がん患者の処置経過を記載する。
【0155】
【表2】

(所見)
いずれの症例も、予想外に未だに生存しているか、死亡例においても予告寿命に比べて顕著に延命していた。
【0156】
(実施例3:肝臓がん患者の治療)
次に肝臓がん患者7名についての治療を記載する。
【0157】
(処置方法)
実施例1と原則的に同じであった。
【0158】
(症例および結果)
以下に患者の処置経過を記載する。
【0159】
【表3】

(所見)
いずれの症例も、予想外に未だに生存しているか、死亡例においても予告寿命に比べて顕著に延命していた。
【0160】
(実施例4:前立腺がん患者の治療)
次に前立腺がん患者6名についての治療を記載する。
【0161】
(処置方法)
実施例1と原則的に同じであった。
【0162】
(症例および結果)
以下に患者の処置経過を記載する。
【0163】
【表4】

(所見)
いずれの症例も、予想外に未だに生存しているか、死亡例においても予告寿命に比べて顕著に延命していた。
【0164】
(実施例5:肺がん患者の治療)
次に肺がん患者5名についての治療を記載する。
【0165】
(処置方法)
実施例1と原則的に同じであった。
【0166】
(症例および結果)
患者の処置経過は、都合により掲載しない。
【0167】
(所見)
いずれの症例も、予想外に未だに生存しているか、死亡例においても予告寿命に比べて顕著に延命していた。
【0168】
(実施例6:乳がん患者の治療)
次に乳がん患者5名についての治療を記載する。
【0169】
(処置方法)
実施例1と原則的に同じであった。
【0170】
(症例および結果)
患者の処置経過は、都合により掲載しない。
【0171】
(所見)
いずれの症例も、予想外に未だに生存しているか、死亡例においても予告寿命に比べて顕著に延命していた。
【0172】
(実施例7:胃がん患者の治療)
次に胃がん患者5名についての治療を記載する。
【0173】
(処置方法)
実施例1と原則的に同じであった。
【0174】
(症例および結果)
以下に患者の一部の処置経過を記載する。
【0175】
【表5】

(所見)
いずれの症例も、予想外に未だに生存しているか、死亡例においても予告寿命に比べて顕著に延命していた。
【0176】
(実施例8:膀胱がん患者の治療)
次に膀胱がん患者3名についての治療を記載する。
【0177】
(処置方法)
実施例1と原則的に同じであった。
【0178】
(症例および結果)
以下に患者の処置経過を記載する。
【0179】
【表6】

(所見)
いずれの症例も、予想外に未だに生存しているか、死亡例においても予告寿命に比べて顕著に延命していた。
【0180】
(実施例9:すい臓がん患者の治療)
次にすい臓がん患者1名についての治療を記載する。
【0181】
(処置方法)
実施例1と原則的に同じであった。
【0182】
(症例および結果)
患者の処置経過は、都合により掲載しない。
【0183】
(所見)
この症例は、死亡例において予告寿命に比べて顕著に延命していた。
【0184】
(実施例10:精巣がん患者の治療)
次に精巣がん患者1名についての治療を記載する。
【0185】
(処置方法)
実施例1と原則的に同じであった。
【0186】
(症例および結果)
以下に患者の処置経過を記載する。
【0187】
【表6】

(所見)
この症例は、死亡例において予告寿命に比べて顕著に延命していた。
【0188】
(実施例11:子宮がん患者の治療)
次に子宮がん患者2名についての治療を記載する。
【0189】
(処置方法)
実施例1と原則的に同じであった。
【0190】
(症例および結果)
以下に患者の処置経過を記載する。
【0191】
【表7】

(所見)
これらの症例も、予想外に未だに生存している。
【0192】
(実施例12:咽頭がん患者の治療)
次に咽頭がん患者2名についての治療を記載する。
【0193】
(処置方法)
実施例1と原則的に同じであった。
【0194】
(症例および結果)
患者の処置経過は、都合により掲載しない。
【0195】
(所見)
いずれの症例も、予想外に未だに生存しているか、死亡例においても予告寿命に比べて顕著に延命していた。
【0196】
(実施例13:骨髄性白血病患者の治療)
次に骨髄性白血病患者1名についての治療を記載する。
【0197】
(処置方法)
実施例1と原則的に同じであった。
【0198】
(症例および結果)
以下に患者の処置経過を記載する。
【0199】
【表8】

(所見)
この症例は、死亡例において予告寿命に比べて顕著に延命していた。
【0200】
(実施例14:卵巣がん患者の治療)
次に卵巣がん患者2名についての治療を記載する。
【0201】
(処置方法)
実施例1と原則的に同じであった。
【0202】
(症例および結果)
以下に患者の処置経過を記載する。
【0203】
【表9】

(所見)
いずれの症例も、予想外に未だに生存している。
【0204】
(実施例15:直腸がん患者の治療)
次に直腸がん患者2名についての治療を記載する。
【0205】
(処置方法)
実施例1と原則的に同じであった。
【0206】
(症例および結果)
以下に患者の処置経過を記載する。
【0207】
【表10】

(所見)
いずれの症例も、予想外に未だに生存しているか、死亡例においても予告寿命に比べて顕著に延命していた。
【0208】
(実施例16:腎がん患者の治療)
次に腎がん患者2名についての治療を記載する。
【0209】
(処置方法)
実施例1と原則的に同じであった。
【0210】
(症例および結果)
以下に患者の処置経過を記載する。
【0211】
【表11】

(所見)
この症例も、予想外に未だに生存している。
【0212】
(実施例17:筋ジストロフィー患者の治療)
次に筋ジストロフィー患者1名についての治療を記載する。
【0213】
(処置方法)
実施例1と原則的に同じであった。
【0214】
(症例および結果)
以下に患者の処置経過を記載する。
【0215】
【表12】

(所見)
この症例も、予想外に未だに生存している。
【0216】
(実施例18:ハンチントン舞踏病患者の治療)
次にハンチントン舞踏病患者1名についての治療を記載する。
【0217】
(処置方法)
実施例1と原則的に同じであった。
【0218】
(症例および結果)
以下に患者の処置経過を記載する。
【0219】
【表13】

(所見)
この症例も、予想外に未だに生存している。
【0220】
(実施例19:小脳脊髄変性病患者の治療)
次に小脳脊髄変性病患者2名についての治療を記載する。
【0221】
(処置方法)
実施例1と原則的に同じであった。
【0222】
(症例および結果)
以下に患者の処置経過を記載する。
【0223】
【表14】

(所見)
いずれの症例も、予想外に未だに生存している。
【0224】
(実施例20:他の疾患患者の治療)
次に他の疾患患者についての治療を記載する。
【0225】
この疾患は、他の疾患でも有効であることが示される。
【0226】
以上のように、本発明の好ましい実施形態を用いて本発明を例示してきたが、本発明は、特許請求の範囲によってのみその範囲が解釈されるべきであることが理解される。本明細書において引用した特許、特許出願および文献は、その内容自体が具体的に本明細書に記載されているのと同様にその内容が本明細書に対する参考として援用されるべきであることが理解される。
【産業上の利用可能性】
【0227】
本発明は、従来使用されている二種類またはそれより多い薬剤の単なる組み合わせにより、ほぼどのような疾患をも処置することができるという効果を奏する。
【0228】
本発明は、患者にとって緩和な条件で治療を受けさせることができるので、患者の体力の消耗を極力抑えながら最大の治療効果を発揮することができ、予期せぬ副作用も回避可能である。
【0229】
本発明は、上記治療を実現するための医薬の製造などの製薬業において利用可能性が高い。
【図面の簡単な説明】
【0230】
【図1】図1は、脳の模式図である。
【図2】図2は、脳の構造を分類した模式図である。
【図3】図3は、脳が疾患を認識する模様を描写した模式図である。
【図4】図4は、疾患治療例を示す。
【図5】図5は、根拠に基づく医療の概説図である。
【図6】図6は、ソリューション・フォーカスト・アプローチの概念図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
メジャートランキライザーと、ビタミンCまたはその塩とを組み合わせたことを特徴とする、疾患の処置または予防のための医薬。
【請求項2】
前記メジャートランキライザーが、ブチロフェノン誘導体、フェノチアジン誘導体およびベンザミド誘導体からなる群より選択される、請求項1に記載の医薬。
【請求項3】
前記メジャートランキライザーがブチロフェノン誘導体であり、該ブチロフェノン誘導体がハロペリドール、スピペロンおよびチミペロンからなる群より選択される、請求項1に記載の医薬。
【請求項4】
前記メジャートランキライザーが、ハロペリドールである、請求項1に記載の医薬。
【請求項5】
前記メジャートランキライザーが、精神疾患治療の半量投与される、請求項1に記載の医薬。
【請求項6】
前記メジャートランキライザーが、ハロペリドール換算で一日量0.25mg〜1mg投与される、請求項1に記載の医薬。
【請求項7】
前記ビタミンCは人工物であるアスコルビン酸である、請求項1に記載の医薬。
【請求項8】
前記ビタミンCは、有効量として一日量600mg〜1800mg投与されるように含有される、請求項1に記載の医薬。
【請求項9】
さらに、点滴を組み合わせたことを特徴とする、請求項1に記載の医薬。
【請求項10】
前記点滴は、マルトースを含む生理的緩衝液であることを特徴とする、請求項1に記載の医薬。
【請求項11】
前記点滴は、アルドフェッド注射液であることを特徴とする、請求項1に記載の医薬。
【請求項12】
さらに、抗うつ薬を組み合わせたことを特徴とする、請求項1に記載の医薬。
【請求項13】
前記抗うつ薬は、血中カリウムが減少したときに投与されることを特徴とする、請求項10に記載の医薬。
【請求項14】
前記抗うつ薬は、マレイン酸フルボキサミンを含む、請求項10に記載の医薬。
【請求項15】
前記抗うつ薬は、毎日投与されることを特徴とする、請求項10に記載の医薬。
【請求項16】
さらに、鉄剤を組み合わせたことを特徴とする、請求項1に記載の医薬。
【請求項17】
前記鉄剤は、クエン酸鉄第一ナトリウムを含む、請求項12に記載の医薬。
【請求項18】
前記点滴は、食欲が出るまで投与される、請求項9に記載の医薬。
【請求項19】
前記メジャートランキライザーが、就寝前に投与される、請求項1に記載の医薬。
【請求項20】
さらに、点滴と、抗うつ薬とを組み合わせたことを特徴とする、請求項1に記載の医薬。
【請求項21】
さらに、点滴と、鉄剤とを組み合わせたことを特徴とする、請求項1に記載の医薬。
【請求項22】
さらに、点滴と、抗うつ薬と、鉄剤とを組み合わせたことを特徴とする、請求項1に記載の医薬。
【請求項23】
前記ビタミンCはさらにパントテン酸またはその塩と組み合わされたことを特徴とする、請求項1に記載の医薬。
【請求項24】
前記疾患は、精神疾患以外の少なくとも1つの疾患を含む、請求項1に記載の医薬。
【請求項25】
前記疾患は、がん、筋ジストロフィーおよびハンチントン舞踏病からなる群より選択される疾患を含む、請求項1に記載の医薬。
【請求項26】
前記がんは、大腸がん、結腸がん、直腸がん、甲状腺がん、食道がん、絨毛がん、胆嚢がん、神経芽腫、上顎がん、口腔がん、尿路性器がん、悪性リンパ腫、肝臓がん、前立腺がん、肺がん、肺細胞がん、乳がん、胃がん、膀胱がん、膵臓がん、精巣がん、子宮がん、子宮体がん、子宮頸がん、卵巣がん、咽頭がん、骨髄性白血病、脳腫瘍、胆道がん、神経芽細胞腫、褐色細胞腫、ガストリノーマ、インスリノーマ、カルチノイド、腎がん、睾丸がん、成人T細胞白血病、膣がん、外陰がん、皮膚がん、上気道がん、頭頸部がん、奇形腫、胆嚢がん、急性骨髄性白血病、急性リンパ性白血病、悪性リンパ腫、肉腫、悪性黒色腫、リンパ腫、肺扁平上皮がんおよび小脳脊髄変性病から選択される、請求項10に記載の医薬。
【請求項27】
疾患の処置または予防のための方法であって、メジャートランキライザーと、ビタミンCまたはその塩とを該疾患の罹患した被験体に投与する工程を包含する、方法。
【請求項28】
さらに、前記被験体に点滴を与える工程を包含する、請求項27に記載の方法。
【請求項29】
さらに、前記被験体の血中カリウム低下時に、抗うつ薬を該被験体に投与する工程を包含する、請求項27または28に記載の方法。
【請求項30】
さらに、前記被験体が貧血時に、鉄剤を該被験体に投与する工程を包含する、請求項27から29のいずれか1項に記載の方法。
【請求項31】
メジャートランキライザーと、ビタミンCまたはその塩との組み合わせの、疾患を処置または予防するための医薬の製造における、使用。
【請求項32】
前記組み合わせが、点滴剤をさらに含む、請求項31に記載の使用。
【請求項33】
前記組み合わせが、抗うつ薬をさらに含む、請求項31または32に記載の使用。
【請求項34】
前記組み合わせが、鉄剤をさらに含む、請求項31から33のいずれか1項に記載の使用。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2007−262018(P2007−262018A)
【公開日】平成19年10月11日(2007.10.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−91370(P2006−91370)
【出願日】平成18年3月29日(2006.3.29)
【出願人】(506107162)
【Fターム(参考)】