説明

大腸癌マーカー検出方法

【課題】従来の便潜血検査を超える感度及び特異度を有する非侵襲的かつ簡便な大腸癌診断のための腫瘍マーカーの検出方法を提供する。
【解決手段】採取された、場合により液体窒素を用いて直ちに凍結された生物学的サンプルを、RNA分解酵素阻害剤の存在下で均質化し、懸濁物を調製し、得られた懸濁物からRNAを抽出し、抽出されたRNAを逆転写しcDNAを得、得られたcDNAを増幅し、増幅されたcDNAを検出する、大腸癌診断のための腫瘍マーカーの検出方法であって、生物学的サンプルから細胞成分を分離する手段を含まない方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、生物学的サンプルから細胞成分を分離する手段を含まないことを特徴とする、生物学的サンプルからRNAを抽出する工程を含む大腸癌診断のための腫瘍マーカーの検出方法に関する。
【背景技術】
【0002】
大腸癌による死亡者が、増加している。大腸癌による死亡者は、全ての癌による死亡者のうち男性においては第4番目、女性においては第2番目に多い癌である(1999年度癌死統計)。また、2015年の癌患者推計では、男女とも似に第一位になると推計されており、二次的な予防を含めた総合的な大腸癌対策が求められており、癌の集団検診は、最も効果的な方法の一つである。
【0003】
癌の集団検診(mass screening)のためには、簡便かつ非侵襲性の検出方法であることが重要である。現在利用することができる唯一の非侵襲性の方法は、潜血の有無を調べる糞便検査、すなわち便潜血検査であり、大腸癌の集団検診の標準方法として広く用いられている。
【0004】
しかし、便潜血検査は、糞便中にヘモグロビンが現れることが腫瘍に特異的なものではないことから、感度及び特異度が低く(感度30〜90%、特異度70〜98%)、そのため偽陰性や偽陽性が少なからず存在するという欠点がある。
【0005】
また、大腸癌の診断には、免疫学的便潜血法によるスクリーニングの後か、又は同時に、全大腸内視鏡検査又は注腸検査とS状結腸内視鏡検査とが組み合わせて用いられており、多大な時間と労力がかかるという欠点がある。
【0006】
便潜血検査の代替法としては、糞便中のK−ras、p−53、APC遺伝子変異やマイクロサテライト不安定性を検出する等のDNAを用いた方法が報告されている(シドランスキー等著(D. Sidransky, et al.)、サイエンス(Science)、第256巻、1992年4月3日、第102頁〜第105頁;ドン等著(S.M.Dong, et al.)、ジャーナル・オブ・ザ・ナショナル・キャンサー・インスティテュート(Journal of the National Cancer Institute)、第93巻、第11号、2001年6月11日、第858頁〜第865頁;トラベルソ等著(G.Traverso, et al.)、ザ・ニューイングランド・ジャーナル・オブ・メディシン(The New England Journal of Medicine)、第346巻、第5号、2002年1月31日、第311頁〜第320頁;トラベルソ等著(G.Traverso, et al.)、ザ・ランセット(The Lncet)、第359巻、2002年2月2日、第403頁〜第404頁)。
【0007】
これらのDNAを用いる方法は、非侵襲的で癌細胞の直接的変化を捉えることができる方法であり、特異度が高いという特徴を有し、将来性豊かな方法と考えられるが、従来技術である便潜血検査と比べると感度が低く、また、時間と労力もかなりかかるという欠点がある。
【0008】
また、さらなる便潜血検査の代替法として、遺伝子発現をより直接的に検出するために、糞便中のタンパク質キナーゼC(PKC)等のmRNAを検出する方法も開発されている(デビッドソン等著(L.A.Davidson, et al.)、カーシノジェネシス(Carcinogenesis)、第19巻、第2号、1998年、第253頁〜第257頁;アレキサンダー及びライハット等著(R.J.Alexander and R.F.Raicht)、ダイジェスティブ・デジージス・アンド・サイエンス(Digestive Diseases and Sciences)、第43巻、第12号、1998年、第2652頁〜第2658頁;ヤマオ等著(T.Yamao et al.)、ガストロエンテロロジー(Gastroenterology)、第114巻、第6号、1998年、第1198頁〜第1205頁)。
【0009】
しかし、上記のRNAを用いる方法によっても、少量の糞便から簡便かつ効率的にRNAを抽出することができず、便潜血法を超える感度を得ることができなかった。
【0010】
PCR法を逆転写酵素反応(RT)と組み合わせることによって、RNAを定性的に、また定量的に検出する方法が知られている。このRT−PCR法は、微量分子を検出することができる感度の高さで、ノーザンブロット法に優り、また、手技の速さや容易さでin situハイブリダイゼーション法に優るものである。
【0011】
しかし、RNAは、DNAに比べて不安定であり、かつ、全ての生物学的試料中に普遍的に存在し、極めて安定であるRNA分解酵素(RNase)による分解の危険性に常にさらされていることから、RT−PCR法においても、RNAの精製過程及び精製後においても、RNaseが混入しないように厳密な管理が要求される。
【0012】
したがって、糞便という生物学的に極めて粗製の試料からRNAを抽出する際には、RNaseの影響を排除するために、予め細胞画分を分離する工程が必要とされていた。
【0013】
したがって、極めて多量の微生物に由来する膨大な量のRNaseが存在する糞便中から直接RNAを検出することは、不可能であり、少なくとも微生物等に由来する外因性RNase除去のために細胞画分の分離は、必須であると考えられていた。
【0014】
しかし、本発明者は、驚くべきことに、場合により凍結した生物学的試料をRNA分解酵素阻害剤の存在下に均質化することによって、上記課題を解決することができることを発見し、本発明を完成させた。
【0015】
発明の開示
したがって、本発明の目的は、従来の便潜血検査を超える感度及び特異度を有する非侵襲的かつ簡便な大腸癌診断のための腫瘍マーカーの検出方法を提供することにある。
【0016】
本発明は、下記工程:
a)採取された生物学的サンプルをRNA分解酵素阻害剤の存在下で均質化し、懸濁物を調製する工程、
を含む大腸癌診断のための腫瘍マーカーの検出方法に用いるRNAを抽出するための試料の調製方法であって、
生物学的サンプルから細胞成分を分離する工程を含まないことを特徴とする方法である。
【0017】
ここで、該採取された生物学的サンプルは、凍結されていることが好ましい。
【0018】
また、本発明は、RNA分解酵素阻害剤が、チオシアン酸グアニジンである、上記方法である。
【0019】
また、本発明は、生物学的サンプルが、糞便である、上記の方法である。
【0020】
また、本発明は、上記の方法の工程に加えて、下記工程:
b)得られたRNAを抽出するための試料から、RNAを抽出する工程、
c)抽出されたRNAを逆転写し、cDNAを得る工程、
d)得られたcDNAを増幅する工程、及び
e)増幅されたcDNAを検出する工程
を含む、大腸癌診断のための腫瘍マーカーの検出方法である。
【0021】
本発明は、腫瘍マーカーが、COX−2である、大腸癌診断のための腫瘍マーカーの検出方法である。
【0022】
また、本発明は、下記手段:
a)採取された生物学的サンプルをRNA分解酵素阻害剤の存在下で均質化し、懸濁物を調製する手段、
を含む大腸癌診断のための腫瘍マーカーの検出方法に用いるRNAを抽出するための試料の調製のためのキットであって、
生物学的サンプルから細胞成分を分離する手段を含まないことを特徴とするキットである。
【0023】
また、本発明のキットは、好ましくは、該採取された生物学的サンプルを凍結する手段を含む。
【0024】
また、本発明は、RNA分解酵素阻害剤が、チオシアン酸グアニジンである、上記のキットである。
【0025】
また、本発明は、生物学的サンプルが、糞便である、上記のキットである。
【0026】
また、本発明は、さらに、下記手段:
b)得られたRNAを抽出するための試料から、RNAを抽出する手段、
c)抽出されたRNAを逆転写し、cDNAを得る手段、
d)得られたcDNAを増幅する手段、及び
e)増幅されたcDNAを検出する手段
を含む、大腸癌診断のための腫瘍マーカーの検出キットである。
【0027】
また、本発明は、腫瘍マーカーが、COX−2である、上記のキットである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0028】
本発明のRNA分解酵素阻害剤としては、チオシアン酸グアニジン、アイソジェン(Isogene)、ウルトラスペックII(登録商標)(Ultraspec II)等が挙げられる。
【0029】
本発明の生物学的サンプルとしては、動植物組織、体液、排泄物等を挙げることができ、好ましくは、糞便、より好ましくは、ヒトの糞便である。
【0030】
本発明の生物学的サンプルは、そのままか、又は場合により凍結して用いることができる。
【0031】
凍結方法は、任意の従来技術を用いることができ、好ましくは、液体窒素を用いる方法である。凍結温度は、保存温度は、−1〜−196℃、好ましくは、−20〜−196℃、好ましくは、−75〜−196℃、より好ましくは、−110〜−196℃、最も好ましくは−196℃である。
【0032】
凍結されたサンプルは、冷凍保存してもよい。保存温度は、−75〜−196℃、好ましくは、−110〜−196℃、より好ましくは−196℃である。保存期間は、1日〜10年、好ましくは、1日〜3年、より好ましくは、1日〜1年である。
【0033】
本発明で用いられる腫瘍マーカーとしては、COX−2、マトリックスメタロプロテアーゼ(MMP)、c−met、CD44変異体(variants)、EGF−R、EF−1、Wnt−2、ブラディオン(Bradeion)、SKP2、KPC−1、KPC−2、PRL−3、アンギオゲニン(Angiogenin)、インテグリン(Integrin)、Snail、Dysadherin等が挙げられるが、好ましくは、COX−2である。
【0034】
上記工程c)〜e)は、RT−PCR法と呼ばれるものであり、例えば、関谷剛男等編、PCR法最前線、1997年、共立出版、第187頁〜第196頁の記載にしたがって行うことができる。
【0035】
懸濁物からのRNAの抽出は、従来公知の方法を用いることができ、例えば、RNeasy Mini(QIAGEN)やRNA Extraction Kit (Pharmacia Biotech)のような市販のキットを用いることができる。
【0036】
本発明で逆転写とは、逆転写酵素(Reverse Transcriptase)を用いてRNAを相補的なDNA(cDNA)に転換することをいう。逆転写反応は、通常、バッファー、MgCl2やKCl等の塩類、ジチオスレイトール(DTT)、プライマー、デオキシリボヌクレオチド類、RNase阻害剤及び逆転写酵素を含む溶液を用いて行われる。上記塩類は、適宜、他の塩類に変更して試用することができる。また、ゼラチン、アルブミン等のタンパク質や界面活性剤等を添加することもできる。
【0037】
逆転写に続いて行われるcDNAの増幅は、通常、PCRが用いられる。PCRの反応液は、通常、バッファー、MgCl2やKCl等の塩類、プライマー、デオキシリボヌクレオチド類、及び耐熱性ポリメラーゼを含む。上記塩類は、適宜、他の塩類に変更して試用することができる。また、ゼラチン、アルブミン等のタンパク質、ジメチルスルホキシドや界面活性剤等を添加することもできる。
【0038】
cDNAの増幅は、LAMP法(特許第3313358号公報)やICAN法(特開2001−136965)を用いることもできる。
【0039】
本発明でプライマーとは、cDNA合成や核酸増幅の際の合成開始点として働くオリゴヌクレオチドをいう。プライマーは一本鎖であることが望ましいが、日本鎖も使用することができる。プライマーが二本鎖である場合には、増幅反応に先立ち、一本鎖にすることが望ましい。プライマーは、公知の方法にしたがって合成することができ、また、生物から単離することもできる。
【0040】
逆転写反応に使用する逆転写酵素は、RNAをcDNAに逆転写することができる酵素を意味する。逆転写酵素としては、RAV(Rous associated virus)やAMV(Avian myeloblastosis virus)等のレトロウイルス由来の逆転写酵素や、MMLV(Moloney murine leukemia virus)等のマウスのレトロウイルス由来の逆転写酵素があるが、これらに限定されるものではない。
【0041】
PCRに用いる耐熱性ポリメラーゼとしては、Taqポリメラーゼが挙げられるが、これに限定されるものではない。
【0042】
増幅されたDNAの検出方法としては、アガロースゲルを用いる電気泳動を用いることができるが、これに限定されるものではない。
【0043】
また、本発明のキットには、本発明の方法を記載した指示書を含むこともできる。
【実施例1】
【0044】
以下の実施例は、本発明を説明するものであるが、本発明を限定するものではない。
【0045】
浜松医科大学第1内科に精査・治療目的のために入院し、全大腸内視鏡によって大腸癌の存在が確認された患者30例、及び大腸に腫瘍又は炎症性変化のない(非大腸疾患)患者22例を対象とした。なお、すべての患者からインフォームドコンセントが得られている。
【0046】
糞便は、採便後可及的速やかに5mlチューブに約1gずつ分取し、液体窒素を用いて凍結させ、−80℃で保存した。また、比較対照のため、それぞれの試料について免疫学的便潜血検査法により便中のヒトヘモグロビン(Hb)を測定した。組織は、治療前に受けた内視鏡検査時に癌部と正常部の生検材料を液体窒素で凍結してから−80℃で保存した。その後、ホモジナイザーとグアニジン塩とフェノールを用いてホモジナイズし、クロロホルムとエタノールで全RNAを抽出した。
【0047】
得られたRNAの1μgをリバースクリプトII(登録商標)(反応液量20μl、和光純薬)を用いて逆転写しcDNAを得、その一部をGene Taq(和光純薬)を用いて、ネスティドPCRによって増幅させた。得られたPCRを、4%アガロースゲルを用いて電気泳動し、エチジウムブロマイドで染色した。
【0048】
なお、用いたプライマーは、逆転写では、ランダムプライマーであり、PCRでは、CEAについては、Gerhard(JJCO、1994)に報告されたものであり、COX−2については、独自に設計したものを使用した。PCRは、第1ラウンドを20サイクルで、第2ラウンドを25サイクルで行った。
【0049】
使用したプライマーを下記に示す。
<CEA>
フォワード1:5'-TCTGGAACTTCTCCTGGTCTCTCAGCTGG-3'
フォワード2:5'-GGGCCACTGCTGGCATCATGATTG-3'
リバース :5'-TGTAGCTGTTGCAAATGCTTTAAGGAAGAAGC-3'
<COX−2>
フォワード1:5'-CTGAAAACTCCAAACACAG-3'
フォワード2:5'-GCACTACATACTTACCCACTTCAA-3'
リバース :5'-ATAGGAGAGGTTAGAGAAGGCT-3'
【0050】
結果
大腸癌30例(早期癌3例、進行癌27例)と対照群22例における糞便からのRT−PCRによるCEA、COX−2の検出を試みたところ、以下の結果を得た。
【0051】
CEAは、大腸癌30例中の全例で、対照群22例中の21例で検出された。また、両者からRT−PCRで増幅し得るRNAの抽出が行えることが判明した。
【0052】
COX−2は、大腸癌30例中の27例(盲腸2/2、上行結腸3/5、下行き結腸1/1、S状結腸7/7、直腸12/13、早期癌2/3、進行癌25/27)で検出されたが、対照群22例中では、1例も検出されなかった(感度90%、特異度100%)。
【0053】
免疫学的便潜血検査法では、大腸癌28例中23例及び対照群22例中3例が陽性であった(感度82.1%、特異度86.3%)。
【0054】
COX−2陰性大腸癌3例中では、1例で免疫学的便潜血検査が陽性であり、2例が陰性であった。
【0055】
免疫学的便潜血検査が陰性の大腸癌5例中3例で、COX−2が検出された。
【実施例2】
【0056】
ヒト糞便から得られる全RNAの量及び分子量の分布を、本発明の方法とアレキサンダーの方法(非特許文献6)とで比較した。対象として、ヒトの大腸癌組織から市販のRNA抽出剤(アイソジェン、和光純薬)を用いて全RNAを抽出した。
【0057】
それぞれの試料から抽出された全RNAの同一量をアガロースゲル上で電気泳動した。
【0058】
レーン3(ヒト大腸癌組織由来RNA)において認められる2本の主要バンドは、28S及び18SrRNAを示す。また、スメア状の部分は、得られた全RNA中に種々の高分子RNAが含まれていることを示す。
【0059】
レーン2(本発明の方法による糞便由来RNA)において認められる2本の主要バンドは、腸内細菌由来の23S及び16SrRNAを示す。また、レーン3と同様にスメア状の部分が認められることから、本願発明の方法によって糞便から得られた全RNA中には、種々の高分子RNAが含まれていると考えられる。
【0060】
これに対して、レーン1では、いかなるバンドもスメアも全く認められず、試料抽出物中には、高分子RNAが含まれていないことを示した。
【0061】
実際に、レーン2のサンプルからはRT−PCRで目的の産物が得られたが、レーン1のサンプルからは、PCR産物は得られなかった。
【0062】
本研究結果から、本発明の方法によってヒト糞便から抽出されたRNAは、RT−PCRによる増幅が可能であることが明らかとなった。また、RT−PCRによる糞便からのCOX−2の検出は、90%の感度及び100%の特異度を有することから、従来技術である免疫学的便潜血法に比べて優れていることが証明された。
【0063】
また、本発明の方法は、報告されているAPC、K−rasやp53遺伝子変異の検出に比べて、検出に必要とする糞便の量が少なくかつ検出感度が高いことから、検出にかかる時間及び労力を大幅に節約することができる。
【0064】
従来技術の便潜血法が、病変からの「出血」という一般的かつ間接的な事象を対象とするのに対し、本発明の方法は、発癌マーカーであるCOX−2発現という特異的かつ直接的な事象を対象とすることから、本発明の方法によって得られたデータは、より品質の高い診断を提供することができる。
【0065】
したがって、本発明の方法は、特異度及び感度の高い新規大腸癌の非侵襲的スクリーニング方法として臨床的に極めて有用なものである。
【図面の簡単な説明】
【0066】
【図1】図1は、実施例2の電気泳動結果である。レーン1は、アレキサンダーらの方法でヒト糞便から抽出された全RNAである。レーン2は、本発明の方法でヒト糞便から抽出された全RNAである。レーン3は、ヒト大腸癌組織から抽出された全RNAである。レーンMは、分子量マーカーである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記工程:
a)採取された生物学的サンプルをRNA分解酵素阻害剤の存在下で均質化し、懸濁物を調製する工程、
を含む大腸癌診断のための腫瘍マーカーの検出方法に用いるRNAを抽出するための試料の調製方法であって、
生物学的サンプルから細胞成分を分離する工程を含まないことを特徴とする方法。
【請求項2】
採取された生物学的サンプルが、凍結されている、請求の範囲第1項記載の方法。
【請求項3】
RNA分解酵素阻害剤が、チオシアン酸グアニジンである、請求の範囲第1項又は第2項記載の方法。
【請求項4】
生物学的サンプルが、糞便である、請求の範囲第1項〜第3項いずれか1項記載の方法。
【請求項5】
下記手段:
a)採取された生物学的サンプルをRNA分解酵素阻害剤の存在下で均質化し、懸濁物を調製する手段、
を含む大腸癌診断のための腫瘍マーカーの検出方法に用いるRNAを抽出するための試料の調製のためのキットであって、
生物学的サンプルから細胞成分を分離する手段を含まないことを特徴とするキット。
【請求項6】
さらに、採取された生物学的サンプルを凍結する手段を含む、請求の範囲第項記載のキット。
【請求項7】
RNA分解酵素阻害剤が、チオシアン酸グアニジンである、請求の範囲第項又は第項記載のキット。
【請求項8】
生物学的サンプルが、糞便である、請求の範囲第項〜第項いずれか1項記載のキット。
【請求項9】
COX−2の大腸癌診断のための腫瘍マーカーとしての使用。

【図1】
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【公開番号】特開2008−271969(P2008−271969A)
【公開日】平成20年11月13日(2008.11.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−109891(P2008−109891)
【出願日】平成20年4月21日(2008.4.21)
【分割の表示】特願2004−569601(P2004−569601)の分割
【原出願日】平成15年9月19日(2003.9.19)
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第1項適用申請有り 日本消化器病学会誌 第99巻 臨時増刊号(大会)(平成14年9月20日)財団法人日本消化器病学会発行 第A634ページ(消P−379)に発表
【出願人】(802000020)財団法人浜松科学技術研究振興会 (63)
【Fターム(参考)】