説明

大量市場流通及び消費のために貯蔵寿命を延長したパッケージ化された風味強化果物又は野菜製品

【課題】CO2の変更された大気正圧での果物又は野菜の風味の強化及びそのパッケージ化に関する技術を提供する。
【解決手段】果物又は野菜の風味をそれ自体の製品パッケージ内で強化し、貯蔵寿命を延ばして風味強化果物又は野菜の大量生産及び大量流通を可能にする方法、及びこのような方法によって生成されたパッケージ化された風味強化果物又は野菜製品。本方法は、CO2の正圧を保持することができる製品パッケージを準備する段階と、果物又は野菜を製品パッケージ内へ受け入れる段階と、CO2を製品パッケージ内へ導入する段階と、果物又は野菜及びCO2を収容した製品パッケージを密封する段階とを含み、製品パッケージは、CO2の正圧を保持し、果物又は野菜は、CO2を吸収し、それによって製品パッケージ内の果物又は野菜の風味を強化する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、CO2の変更された大気正圧での果物又は野菜の風味の強化及びそのパッケージ化に関する。より詳細には、本発明は、果物又は野菜の風味をそれ自体の製品パッケージ内で強化し、貯蔵寿命を延ばして風味強化果物又は野菜の大量生産及び大量流通を考慮することに関し、かつ本発明は、このような方法によって生成したパッケージ化した風味強化果物又は野菜製品に関する。
【背景技術】
【0002】
最も一般的なスナック食品は、益々大量に加工され、流通用に予めパッケージ化され、貯蔵寿命を改善するために保存料で一杯であり、前世代に消費された従来のスナック食品よりも本質的に栄養が少なくなってきている。新鮮果物及び野菜は、容易に保存されて最低限の調理で出され、かつ重要なことに消費者の味覚にアピールする予めパッケージ化されたスナック食品によって継続的に置き換えられている。これらの予めパッケージ化されたスナック食品は、多くの場合、塩、砂糖、及びスパイスで大量に処理され、従って、不健康な食習慣に寄与するものである。ソフトドリンク、パフコーン製品、フライドポテトチップ、及び他の大量加工品目のようなスナック食品は、消費者に対してただ栄養価のないものを与えるものとして日常的にレッテルが貼られている。
【0003】
栄養価を高めた高い消費者アピールを有するスナック食品は、従って、非常に望ましいものである。改良型スナック食品を開発しようとする従来の努力は、果物又は野菜を二酸化炭素(CO2)に露出し、それによって吸収CO2に起因する起泡性特性又は「発泡性」特性を有する果物又は野菜を残すことにより、果物又は野菜の風味を強化する試みを含む。成功すれば、得られる炭酸を含む果物又は野菜は、全てのこれらの本質的な栄養価を保持するだけでなく、食品の起泡性又は「発泡性」特性を有する魅力及び消費者の興奮を付加するであろう。炭酸を含む果物又は野菜の生成における従来の試みは、「果物又は野菜の風味を強化する方法」という名称の米国特許第5,968,573号(Kaufman)に説明されている。米国特許第5,968,573号(以下「573特許」)は、引用により本明細書に組み込まれている。
【0004】
573特許は、起泡性特性を有する炭酸を含む果物又は野菜を得るために果物又は野菜を強化する方法を開示している。しかし、この方法は、炭酸化効果を確立するために果物又は野菜が密封可能容器内で処理され、次に密封CO2環境から取り出され、果物又は野菜内からCO2が逃げるのを防ぐために覆われることを必要とする。この方法は、すぐに消費するのに十分な長さだけ持続する起泡性特性又は「発泡性」を有する炭酸を含む果物又は野菜を生成できるだけであることを大規模な試験は明らかにしている。果物又は野菜が573特許に開示されたように取り出されて覆われた状態で、炭酸飽和は、果物又は野菜の組織から急速に離れていく。試験は、炭酸飽和を数分間保持できるだけであることを示している。すなわち、573特許の方法は、大量市場流通又は消費のための十分な貯蔵寿命を有する炭酸を含む果物又は野菜を生成することはできない。更に、573特許は、貯蔵寿命の延長、及び大量市場流通及び消費に適切な製品をもたらす果物又は野菜の風味を強化する方法などの問題の解決に向けられていない。
【0005】
【特許文献1】米国特許第5,968,573号
【発明の開示】
【0006】
本発明は、本明細書の詳細説明に示すように、これら及び他の問題に特に対処し、新しいパッケージ化した風味強化果物又は野菜製品と、製品パッケージ内の果物又は野菜の風味を強化して新しいパッケージ化製品の大量市場流通及び消費を可能にする方法とを提供する。
本発明をより完全に理解するために、本明細書の図面は、本発明の実施例を示すものである。しかし、図面は、本発明の範囲を限定しない。図面の同じ参照番号は、同じ要素を示している。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
以下の詳細説明において、多数の具体的な詳細が本発明の完全な理解をもたらすために示されている。しかし、本発明をこれらの具体的な詳細なしに実施することができること、本発明が描かれた実施形態に限定されないこと、及び本発明を様々な代替的実施形態で実施することができることを当業者は理解するであろう。他の事例では、公知の方法、手順、構成要素、及びシステムは、詳細には説明されていない。
説明の各部分は、当業者の仕事の内容を他の当業者に伝えるために当業者によって一般的に使用されている専門用語を用いて示される。例えば、当業者は、本発明の関連及び意図する意味、並びに本発明の精神及び範囲内で変更された大気、二酸化炭素(CO2)、正圧、炭酸化、起泡性、及び炭酸などのような用語を理解することができるであろう。
【0008】
語句「果物又は野菜」は、単一タイプの果物のあらゆる部分、単一タイプの野菜のあらゆる部分、及び果物及び野菜の混合物のあらゆる部分などを含むように本明細書で用いられる。更に説明するように、「果物又は野菜」はまた、以下に限定されるものではないが、果物又は野菜全体、果物又は野菜のプレカット部分、又はCO2の吸収を考慮する適切な組成を保持する多種多様な処理又は未処理果物又は野菜のいずれかのような前処理果物又は野菜のあらゆる部分を含む。
様々な操作は、本発明を理解するのに役立つ方法で順に実行される複数の個別の段階として以下に説明される。しかし、説明の順序は、これらの操作が呈示される順序で必ず実行されること、更に順序依存性であることを意味するように解釈されるべきではない。最後に、語句「一実施形態では」の繰返し使用は、同じ場合もあるが必ずしも同じ実施形態を意味しない。
【0009】
ここで図1を参照すると、本発明の一実施形態による方法段階100は、流れ図で示されている。図1に示すように、方法段階100は、一実施形態では、製品パッケージを準備する段階110と、準備された製品パッケージ内へ又は少なくともその近くに果物又は野菜を受け入れる段階120と、果物又は野菜を収容するか又はその近くの製品パッケージ内へ又はその近くにCO2を導入する段階130と、製品パッケージ内部に果物又は野菜及びCO2を有する製品パッケージを密封する段階140とを含む。
【0010】
一実施形態では、製品パッケージ110を準備する段階は、果物又は野菜120を受け入れるほど十分に大きな少なくとも1つの開口部を有する製品パッケージを準備する段階を含み、その後、CO2が果物又は野菜を収容した製品パッケージ内へ導入され(方法段階130)、最後に、製品パッケージが密封される(方法段階140)。一実施形態では、CO2の少なくとも僅かな正圧が製品パッケージ内に残る十分なCO2が、果物又は野菜を収容した製品パッケージ内に導入されて密封される。一実施形態では、この正圧は約5psiである。一実施形態では、方法段階100の1つ又はそれよりも多くは、果物又は野菜の呼吸を最小にして製品パッケージ内の果物又は野菜内へのCO2の吸収を改善するために冷蔵環境で実行される。一実施形態では、果物又は野菜は、果物又は野菜を収容する製品パッケージ内の100%飽和レベルのCO2環境を有する製品パッケージに密封される。
【0011】
一実施形態では、方法段階100は、ガス置換又は変更された大気包装機器を用いて達成され、このような機器は、果物又は野菜を収容した製品パッケージがCO2の少なくとも僅かな内部正圧を保持することができるように製品パッケージの密封140を考慮して改良されたものである。一実施形態では、ガス置換機器は、CO2の正圧を達成するために十分なCO2を果物又は野菜を収容した製品パッケージ内へ直接に導入する。代替的な実施形態では、CO2供給源は、段階130で導入されたCO2を含み、CO2の正圧は、CO2発生材料によって発生されたCO2の放出に起因する。更に別の実施形態では、CO2供給源は、段階130で導入されたCO2を補足し、CO2供給源は、果物又は野菜を収容した製品パッケージ内へ導入されたCO2の正圧を維持する(段階130)。
【0012】
当業者は、方法段階100に対する変形及び変更を、請求する方法100の精神及び範囲を妨げることなく為し得ることを認めるであろう。このような変形及び変更は、以下に限定されるものではないが、段階100の順序の再構成、及び副段階の追加などを含むことができる。一実施形態では、例えば、方法100は、製品パッケージを準備する段階110と、果物又は野菜を製品パッケージ内へ受け入れる段階120と、全ての非CO2ガスを果物又は野菜を収容した製品パッケージから最初に排出し、次にCO2を製品パッケージ内へ導入することによってCO2を導入する段階130と、最後に、果物又は野菜及びCO2をそこに収容する製品パッケージを密封する段階140とを含む。
【0013】
次に図2は、本発明の一実施形態による方法段階100を用いて生成されたパッケージ化した風味強化果物又は野菜製品200を示している。図2に示すように、パッケージ化風味強化果物又は野菜製品200は、果物又は野菜220を収容した製品パッケージ210と、製品パッケージ210内の空間230のCO2の正圧とを含む。一実施形態では、パッケージ化風味強化果物又は野菜製品200は、果物又は野菜220が受け入れられ、かつCO2が製品パッケージ210内へ導入される密封区域240を更に含む。
【0014】
製品パッケージ210は、CO2ガスの正圧を維持することができるあらゆる数の広範な市販の材料及び形状を含むことができる。例えば、製品パッケージ210は、プラスチック製コップを含むことができ、密封区域240は、ヒートシール材料を含むことができ、その組合せは、ヨーグルト及び他の食料品をパッケージ化するために用いる容器と類似のものである。一実施形態では、製品パッケージ210は、プラスチックバッグ材料を含み、密封領域240は、プラスチック袋材料の(熱、化学的、又は超音波)溶接閉鎖を含む。一実施形態では、製品パッケージ210は、アルミニウム又はスズのような金属コップ又は瓶材料を含む。一実施形態では、密封区域240は、プリン及びフルーツカクテルなどのような様々な食料品に用いるものと同様の引いて開けるタイプの開口可能な上部を含む。同様に、一実施形態では、製品パッケージ210は、適切な密封区域240を有するガラス容器を含む。密封区域240は、あらゆる数の材料を含むことができる。一実施形態では、密封区域240は、ネジ式又は圧着式金属ボトルキャップ型上部を含む。
【0015】
製品パッケージ210は、本明細書に説明した材料に限定されない。当業者が認めるように、CO2の正圧を保持することができるあらゆる材料を製品パッケージ210及び密封区域240に用いることができる。また、当業者は、製品パッケージ210及び密封区域240があらゆる形状又は比率を含むことができることを認めるであろう。一実施形態では、製品パッケージ210は、2枚の材料を含み、密封区域240は、果物又は野菜220の周囲にその2枚の材料を完全に密封し、得られるパッケージ化風味強化果物又は野菜製品200内にCO2の正圧を保持する周囲シールを含む。
一実施形態では、製品パッケージ210及び密封区域240は、果物又は野菜220に対する光侵入を軽減又は除去し、それによって光合成、呼吸、又は他の過程を軽減し、パッケージ化風味強化果物又は野菜製品200の貯蔵寿命を改善するために暗い又は不透明な材料を含む。
【0016】
果物又は野菜220に関しては、上述のように、単一果物のあらゆる部分、果物の寄せ集め、単一野菜、野菜の寄せ集め、及び果物及び野菜の組合せなどを用いることができる。水分を含有するあらゆる果物又は野菜は、「発泡性」又は起泡性特性を達成するために炭酸化することができる。異なる果物及び野菜は、温度、果物又は野菜の新鮮度、及び水分含有量割合などに応じてCO2の吸収が異なる。特定的な例として、果物又は野菜220は、みじん切りにしたスイートストロベリーを含むことができる。方法段階100を用いてパッケージ化されて風味が強化された状態で、パッケージ化風味強化果物又は野菜製品200は、大量市場流通及び消費の準備ができたパッケージ化された「発泡性」スイートストロベリーを含む。
【0017】
パッケージ化風味強化果物又は野菜製品200のようなパッケージ化された風味強化果物又は野菜製品を得るための本発明の実施には、切断又は非切断及び混合又は非混合などのあらゆる処理又は非処理果物又は野菜を含むことができる。例えば、ビタミン、ミネラル、又は他の栄養素で強化された果物又は野菜は、果物又は野菜220を構成することができる。更に、果物又は野菜220は、予めCO2に露出された果物又は野菜を含むことができる。
【0018】
図2を更に参照すると、製品パッケージ空間230は、一実施形態では、導入されたCO2を含む。導入されたCO2は、一実施形態では、パッケージ化風味強化果物又は野菜製品200内に保持されたCO2の正圧があるように十分なCO2を含む。別の実施形態では、CO2発生材料を空間230内へ導入することができ、この材料は、十分なCO2を発生させて、果物又は野菜220を収容して密封区域240を密封した製品パッケージ210内のCO2の正圧を維持する。一実施形態では、空間230内へ導入されたCO2発生材料は、ドライアイスを含む。一実施形態では、空間230内へ導入されたCO2発生材料は、「CO2 Technologies(登録商標)」から市販の製品のようなCO2放出物質を含む。一実施形態では、空間230内へ導入されたCO2発生材料は、空間230内にCO2の正圧を作り出すために十分なCO2を放出する。一実施形態では、空間230は、果物又は野菜220に対して100%CO2飽和レベル環境を提供する。
【0019】
ここで図3に移ると、果物又は野菜の風味をその製品パッケージ内で強化する段階は、一実施形態によると方法段階300を含む。図3に示すように、方法段階300は、製品パッケージを準備する段階310と、果物又は野菜を受け入れる段階320と、ポートを閉鎖して製品パッケージを真空密封する段階330と、ポートを通ってCO2を導入する段階340と、ポートを密封する段階350とを含む。一実施形態では、ポートを閉塞して製品パッケージを真空密封する段階330は、果物又は野菜を収容した製品パッケージからの非CO2ガスの排出と、次にCO2を製品パッケージ内へ導入することができる開口可能区域(又はポート)を残した製品パッケージの密封とを含む。一実施形態では、ポートは、このポートを通るガス状の流れを防止し、それによって好ましくは果物又は野菜を収容した製品パッケージからの非CO2ガスの排出を助けるために塞がれる。
【0020】
一実施形態によれば、ポートを通ってCO2を導入する段階340は、製品パッケージ内にCO2の正圧を作り出すために、ポート(又は開口部)を通って十分なCO2を果物又は野菜を収容した製品パッケージ内へ流し込む段階を含む。一実施形態では、正圧は約5psiである。一実施形態では、方法段階300の1つ又はそれよりも多くは、果物又は野菜の呼吸を最小にして製品パッケージ内の果物又は野菜内へのCO2の吸収を改善するために冷蔵環境内で実行される。一実施形態では、果物又は野菜は、果物又は野菜を収容する製品パッケージ内の100%飽和レベルCO2環境を有する製品パッケージに密封される。
代替的な実施形態では、CO2供給源は、段階340で導入されたCO2を含み、CO2の正圧は、CO2発生材料によって発生されたCO2の放出に起因する。更に別の実施形態では、CO2供給源は、段階340で導入されたCO2を補足し、このCO2供給源は、果物又は野菜を収容した製品パッケージ内へ導入されたCO2の正圧を維持する(段階340)。
【0021】
一実施形態では、ポートを密封する段階350は、ポート(又は開口部)を閉じて、大量流通及び消費に適切なパッケージ化風味強化果物又は野菜製品をもたらす段階を含む。以下に説明するように、ポートは、CO2を導入することができるあらゆる開口部を含むことができる(方法段階340)。従って、その結果として、ポートを密封する段階350は、ポートの材料特性及び機能特性に応じて異なる処理を伴うことができる。例えば、ポートが方法段階350において閉じたままであるが密封されていない開口部を含む場合、続いてポートを密封する段階350は、段階330と同様の密封処理を含むことができるが、真空態様はない。
【0022】
ここで図4を参照すると、本発明の一実施形態により、方法段階300を用いて生成されたパッケージ化風味強化果物又は野菜製品400が示されている。図4に示すように、パッケージ化風味強化果物又は野菜製品400は、一実施形態では、追加されたポート450を有するパッケージ化風味強化果物又は野菜製品200を含む。一実施形態では、ポート350は、開口部を通ってCO2を導入するために開口されたままの密封区域240の一部分を含む(方法段階340)。一実施形態では、ポート350は、CO2を空間230内へ流すことを可能にして空間230内のCO2の正圧を保持することができる一方向逆止弁を含む。別の実施形態では、ポート350は、少なくともCO2を空間230内へ流すことを可能にするのに十分に大きな密封可能プラスチックチューブを含む。一実施形態では、ポート450は、市販の(熱、化学的、又は音波)溶接機器を用いる密封可能なプラスチックチューブを含む。ポート450を密封する方法は、当業技術で公知であり、より詳細に説明する必要はない。同様に、当業者は、広範な材料、構成、及びポート450を含む装置で置換することができるであろう。
【0023】
次に図5は、圧力チャンバを用いて1つ又はそれよりも多くのパッケージ化風味強化果物又は野菜製品を生成する方法段階500を示している。図5に示すように、方法500は、製品パッケージを準備する段階510と、果物又は野菜を製品パッケージ内へ受け入れる段階520と、果物又は野菜を収容した製品パッケージの1つ又はそれよりも多くを圧力チャンバ内に配置する段階530と、非CO2ガスを圧力チャンバから排出する段階540と、CO2を圧力チャンバ内へ導入する段階560と、果物又は野菜を収容する1つ又はそれよりも多くの製品パッケージを圧力チャンバ内に密封する段階560とを含む。一実施形態では、製品パッケージの1つ又はそれよりも多くを配置する段階(段階530)は、図2のような製品パッケージの1つ又はそれよりも多くを圧力チャンバ内に配置する段階を含む。一実施形態では、製品パッケージの1つ又はそれよりも多くを配置する段階(段階530)は、図4のような製品パッケージの1つ又はそれよりも多くを圧力チャンバ内に配置する段階を含む。
【0024】
一実施形態によれば、CO2を圧力チャンバ550内へ導入する段階550は、圧力チャンバ内の製品パッケージ内にCO2の正圧を作り出すために十分なCO2を圧力チャンバ内へ流し込む段階を含む。一実施形態では、正圧は約5psiである。一実施形態では、方法段階500の1つ又はそれよりも多くは、果物又は野菜の呼吸を最小にして製品パッケージ内の果物又は野菜内へのCO2の吸収を改善するために冷蔵環境内で実行される。一実施形態では、圧力チャンバ内で、果物又は野菜は、果物又は野菜を収容する製品パッケージ内の100%飽和レベルCO2環境を有する製品パッケージに密封される。
【0025】
図6は、図5に示す方法による圧力チャンバ内の1つ又はそれよりも多くのパッケージ化風味強化果物又は野菜製品を示している。図6に示すように、圧力チャンバ610は、1つ又はそれよりも多くのパッケージ化風味強化果物又は野菜製品200を収容する。圧力チャンバ610は、図2のような製品パッケージ、又は図4のような製品パッケージ、又は上述のような製品パッケージの他の変形と共に図示のように用いることができる。
【0026】
一実施形態では、CO2を圧力チャンバ内へ導入する段階(方法段階550)は、CO2の正圧を作り出すために十分なCO2を圧力チャンバ610内へ流し込む段階を含む。CO2は、密封されていない製品パッケージ210に自由に入ることができるので、CO2の圧力が圧力チャンバ610内で僅かに正になる時に、製品200内のCO2の圧力も僅かに正になる。同様に、CO2は、ポート450に自由に入ることができるので、一実施形態では、CO2の圧力が圧力チャンバ610内で僅かに正になる時に、圧力チャンバ610内に収容された製品400内のCO2の圧力も僅かに正になる。一実施形態では、果物又は野菜を収容した製品パッケージ内にCO2の正圧を達成するために十分なCO2を導入した後で製品パッケージは密封され、それによって製品200又は製品400のような1つ又はそれよりも多くのパッケージ化風味強化果物又は野菜製品をもたらす。当業者は、本明細書に説明した方法をパッケージ化風味強化果物又は野菜の大量生産に拡張することができることを認識するであろう。一実施形態では、圧力チャンバ610は、製品200のような多数の製品に対して作動することができる。
【0027】
本明細書で説明するように、本発明は、貯蔵寿命を延ばして風味強化果物又は野菜の大量生産及び大量流通を可能にするために、果物又は野菜の風味をそれ自体の製品パッケージ内で強化する方法を提供し、かつ本発明は、このような方法によって生成されたパッケージ化された風味強化果物又は野菜製品を提供するものである。本方法は、CO2の正圧を保持することができる製品パッケージを準備する段階と、果物又は野菜を製品パッケージ内へ受け入れる段階と、CO2を製品パッケージ内へ導入する段階と、果物又は野菜及びCO2を収容した製品パッケージを密封する段階とを含み、製品パッケージは、CO2の正圧を保持し、果物又は野菜は、CO2を吸収し、それによって製品パッケージ内の果物又は野菜の風味を強化する。
【0028】
当業者は、上述の説明を読んだ後で本発明の変更及び修正を理解することができるであろうが、図によって示されて説明した特定的な実施形態が決して限定的とみなされないことは理解されるものとする。特定的な実施形態の詳細への参照は、特許請求の範囲を限定するものではない。むしろ、多数の変形、修正、及び実施形態が可能であり、これらの全ての変形、修正、及び実施形態が本発明の精神及び範囲内と考えるものとすることは認められるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】本発明の一実施形態により果物又は野菜の風味をそれ自体の製品パッケージ内で強化する方法を示す図である。
【図2】一実施形態によるパッケージ化風味強化果物又は野菜製品を示す図である。
【図3】一実施形態においてCO2を製品パッケージ内へ受け入れるためのポートを伴う、果物又は野菜の風味をそれ自体の製品パッケージ内で強化する例示的方法を示す図である。
【図4】一実施形態における図3に示す方法の例示的なパッケージ化風味強化果物又は野菜製品を示す図である。
【図5】本発明の一実施形態により圧力チャンバを伴う、果物又は野菜の風味をそれ自体の製品パッケージ内で強化する方法を示す図である。
【図6】図5に示す方法による圧力チャンバ内の1つ又はそれよりも多くのパッケージ化風味強化果物又は野菜製品を示す図である。
【符号の説明】
【0030】
100 方法段階
110 製品パッケージを準備する段階
140 製品パッケージ内部に果物又は野菜及びCO2を有する製品パッケージを密封する段階

【特許請求の範囲】
【請求項1】
果物又は野菜の風味をそれ自体の製品パッケージ内で強化し、その貯蔵寿命を延ばして風味強化果物又は野菜の大量生産及び大量流通を可能にする方法であって、
CO2の正圧を保持することができる製品パッケージを準備する段階と、
果物又は野菜を前記製品パッケージ内へ受け入れる段階と、
CO2を前記製品パッケージ内へ導入する段階と、
前記果物又は野菜と前記CO2とを収容した前記製品パッケージを密封する段階と、
を含み、
前記製品パッケージは、前記CO2の正圧を保持し、前記果物又は野菜は、該CO2を吸収し、それによって該製品パッケージ内の該果物又は野菜の風味を強化する、
ことを特徴とする方法。
【請求項2】
CO2を前記製品パッケージ内へ導入する前記段階は、CO2を該製品パッケージ内へ一気に流し込む段階を含むことを特徴とする請求項1の方法。
【請求項3】
CO2を前記製品パッケージ内へ一気に流し込む前記段階は、非CO2ガスの置換を含むことを特徴とする請求項2の方法。
【請求項4】
CO2を前記製品パッケージ内へ一気に流し込む前記段階は、前記CO2の正圧を該製品パッケージ内に確立させるのに十分なCO2を該製品パッケージ内へ追加する段階を更に含むことを特徴とする請求項3の方法。
【請求項5】
前記CO2の正圧は、約5psiの正圧を含むことを特徴とする請求項1の方法。
【請求項6】
CO2を前記製品パッケージ内へ導入する前記段階は、前記果物又は野菜に対して100%CO2飽和環境を作り出す段階を含むことを特徴とする請求項1の方法。
【請求項7】
CO2を前記製品パッケージ内へ導入する前記段階の前に非CO2ガスを該製品パッケージから排出する段階を更に含むことを特徴とする請求項1の方法。
【請求項8】
CO2を前記製品パッケージ内へ導入する前記段階は、前記CO2の正圧を該製品パッケージ内に確立させるのに十分なCO2を該製品パッケージ内へ追加する段階を含むことを特徴とする請求項1の方法。
【請求項9】
CO2を前記製品パッケージ内へ導入する前記段階は、CO2の供給源を該製品パッケージ内へ挿入する段階を含むことを特徴とする請求項1の方法。
【請求項10】
前記CO2の供給源は、CO2発生材料を含むことを特徴とする請求項9の方法。
【請求項11】
前記CO2発生材料は、CO2を前記製品パッケージ内に分配することを特徴とする請求項10の方法。
【請求項12】
前記CO2発生材料は、前記製品パッケージ内に前記CO2の正圧を確立するのに十分なCO2を発生させることを特徴とする請求項11の方法。
【請求項13】
前記CO2の供給源は、ドライアイスを含むことを特徴とする請求項9の方法。
【請求項14】
前記果物又は野菜を収容した前記製品パッケージを冷蔵する段階を更に含むことを特徴とする請求項1の方法。
【請求項15】
CO2を前記製品パッケージ内へ導入する前記段階、及び前記果物又は野菜と該CO2とを収容した該製品パッケージを密封する前記段階は、
CO2を前記果物又は野菜を収容した前記製品パッケージ内へ流すために開口し、かつそのために十分に大きくすることができるポート区域を残して、該果物又は野菜を収容した該製品パッケージを真空密封する段階と、
前記ポートを通してCO2を前記製品パッケージ内へ導入する段階と、
前記ポートを密封する段階と、
を含む、
ことを特徴とする請求項1の方法。
【請求項16】
CO2を前記製品パッケージ内へ導入する前記段階、及び前記果物又は野菜と該CO2とを収容した該製品パッケージを密封する前記段階は、
前記果物又は野菜を収容した1つ又はそれよりも多くの前記製品パッケージを圧力チャンバ内に配置する段階と、
非CO2ガスを除去するために前記圧力チャンバをガス抜きする段階と、
CO2を前記圧力チャンバ内へ導入する段階と、
前記果物又は野菜を収容した1つ又はそれよりも多くの前記製品パッケージを前記圧力チャンバ内に密封する段階と、
を含む、
ことを特徴とする請求項1の方法。
【請求項17】
CO2の正圧を保持することができる製品パッケージを準備する段階と、
果物又は野菜を前記製品パッケージ内へ受け入れる段階と、
CO2を前記製品パッケージ内へ導入する段階と、
前記果物又は野菜と前記CO2とを収容した前記製品パッケージを密封する段階と、
を含む方法によって生成され、
前記製品パッケージは、前記CO2の正圧を保持し、前記果物又は野菜は、該CO2を吸収し、それによって該製品パッケージ内の該果物又は野菜の風味を強化する、
ことを特徴とする、パッケージ化された風味強化果物又は野菜製品。
【請求項18】
CO2を前記製品パッケージ内へ導入する前記段階は、CO2を該製品パッケージ内へ一気に流し込む段階を含むことを特徴とする請求項17の製品。
【請求項19】
CO2を前記製品パッケージ内へ一気に流し込む前記段階は、非CO2ガスの置換を含むことを特徴とする請求項18の製品。
【請求項20】
CO2を前記製品パッケージ内へ一気に流し込む前記段階は、前記CO2の正圧を該製品パッケージ内に確立させるのに十分なCO2を該製品パッケージ内へ追加する段階を更に含むことを特徴とする請求項19の製品。
【請求項21】
前記CO2の正圧は、約5psiの正圧を含むことを特徴とする請求項17の製品。
【請求項22】
CO2を前記製品パッケージ内へ導入する前記段階は、前記果物又は野菜に対して100%CO2飽和環境を作り出す段階を含むことを特徴とする請求項17の製品。
【請求項23】
CO2を前記製品パッケージ内へ導入する前記段階の前に非CO2ガスを該製品パッケージから排出する段階を更に含むことを特徴とする請求項17の製品。
【請求項24】
CO2を前記製品パッケージ内へ導入する前記段階は、前記CO2の正圧を該製品パッケージ内に確立させるのに十分なCO2を該製品パッケージ内へ追加する段階を含むことを特徴とする請求項17の製品。
【請求項25】
CO2を前記製品パッケージ内へ導入する前記段階は、CO2の供給源を該製品パッケージ内へ挿入する段階を含むことを特徴とする請求項17の製品。
【請求項26】
前記CO2の供給源は、CO2発生材料を含むことを特徴とする請求項25の製品。
【請求項27】
前記CO2発生材料は、CO2を前記製品パッケージ内に分配することを特徴とする請求項26の製品。
【請求項28】
前記CO2発生材料は、前記製品パッケージ内に前記CO2の正圧を確立するのに十分なCO2を発生させることを特徴とする請求項27の製品。
【請求項29】
前記CO2の供給源は、ドライアイスを含むことを特徴とする請求項25の製品。
【請求項30】
前記果物又は野菜を収容した前記製品パッケージを冷蔵する段階を更に含むことを特徴とする請求項17の製品。
【請求項31】
CO2を前記製品パッケージ内へ導入する前記段階、及び前記果物又は野菜と該CO2とを収容した該製品パッケージを密封する前記段階は、
CO2を前記果物又は野菜を収容した前記製品パッケージ内へ流すために開口し、かつそのために十分に大きくすることができるポート区域を残して、該果物又は野菜を収容した該製品パッケージを真空密封する段階と、
前記ポートを通してCO2を前記製品パッケージ内へ導入する段階と、
前記ポートを密封する段階と、
を含む、
ことを特徴とする請求項17の製品。
【請求項32】
CO2を前記製品パッケージ内へ導入する前記段階、及び前記果物又は野菜と該CO2とを収容した該製品パッケージを密封する前記段階は、
前記果物又は野菜を収容した1つ又はそれよりも多くの前記製品パッケージを圧力チャンバ内に配置する段階と、
非CO2ガスを除去するために前記圧力チャンバをガス抜きする段階と、
CO2を前記圧力チャンバ内へ導入する段階と、
前記果物又は野菜を収容した1つ又はそれよりも多くの前記製品パッケージを前記圧力チャンバ内に密封する段階と、
を含む、
ことを特徴とする請求項17の製品。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公表番号】特表2008−515383(P2008−515383A)
【公表日】平成20年5月15日(2008.5.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−515406(P2007−515406)
【出願日】平成17年5月27日(2005.5.27)
【国際出願番号】PCT/US2005/018806
【国際公開番号】WO2005/117598
【国際公開日】平成17年12月15日(2005.12.15)
【出願人】(506395976)フィジーフルート リミテッド ライアビリティ カンパニー (1)
【Fターム(参考)】